次に、本発明の貯湯式給湯装置の第1の実施形態を図面に基づき説明する。
この貯湯式給湯装置は、時間帯別契約電力の電力単価が安価な深夜時間帯に湯水を沸き上げて貯湯し、この貯湯した高温水を給湯等に用いるもので、1は湯水を貯湯する貯湯タンク2を備えた貯湯タンクユニット、3は貯湯タンク2内の湯水を加熱する加熱手段としてのヒートポンプユニット、4は台所や洗面所等に設けられた給湯栓、5はこの給湯栓4の近傍に設けられ表示部6と各種の運転指示を行う各スイッチを備えた操作部とを有したリモコン装置としての給湯リモコンである。
前記貯湯タンクユニット1の貯湯タンク2には、上端に出湯管7と、下端に給水管8とが接続され、さらに、下部に循環回路9を構成する往き管10と、上部に循環回路9を構成する戻り管11とが接続され、貯湯タンク2とヒートポンプユニット3とを循環可能に接続し、往き管10から取り出した貯湯タンク2内の湯水をヒートポンプユニット3によって沸き上げて戻り管11から貯湯タンク2内に戻して貯湯され、給水管8からの給水により貯湯タンク2内の湯水が押し上げられて貯湯タンク2内上部の高温水が出湯管7から給湯されるものである。
12は戻り管11の途中から分岐した凍結バイパス管で、この凍結バイパス管12はその一端が戻り管11の途中に流路切替手段としての切替弁13を介して接続され、他端が貯湯タンク2の下部に接続されており、この切替弁13は、往き管10から凍結バイパス管12を介して貯湯タンク2の下部に(バイパス側に)流路を切り替える第1の状態と、往き管10から戻り管11を介して貯湯タンク2の上部に(沸き上げ側に)流路に切り替える第2の状態とに設定可能となっているものである。
14は給水管8から分岐されて貯湯タンク2をバイパスする給水バイパス管、15は出湯管7からの湯と給水バイパス管14からの水とを混合して給湯設定温度の湯に混合する給湯混合弁、16は給湯混合弁15で混合された湯を給湯栓4に給湯する給湯管、17は給湯混合弁15の直後の給湯管16に設けられ給湯混合弁15で混合された湯の温度を検出する給湯温度センサ、18は給湯する湯水の量をカウントする給湯流量カウンタである。なお、前記給湯混合弁15は給湯温度センサ17で検出する温度が給湯リモコン5で設定された給湯設定温度になるように弁体を移動させるモータが駆動されてその混合比率が制御されるものである。
19は貯湯タンク2の過圧を逃す過圧逃し弁、20は給水の温度を検出する給水温度センサ、21は給水の圧力を減圧する減圧弁で、この減圧弁21は貯湯タンク2内の湯水を減圧弁21より上流側へ逆流させない逆止弁の機能を併せ持つものである。また、22は屋外の給水管8に接続され、寒冷地方や凍結の可能性がある地域において冬期に減圧弁21より上流側で給水管8内の水を抜き給水管8の凍結を防止することが可能な不凍水栓である。
23は貯湯タンク2の側面の上下方向に複数個設けられた貯湯温度センサで、この実施形態では5つの貯湯温度センサ23が配置されているものであり、この貯湯温度センサ23が検出する温度情報によって、貯湯タンク2内にどれだけの熱量が残っているかを検知し、そして貯湯タンク2内の上下方向の温度分布を検知するものである。また、24は貯湯タンクユニット1内の各センサの入力を受け各アクチュエータの作動を制御するマイコンを有する貯湯制御部であり、給湯リモコン5と通信可能に接続されているものである。
前記ヒートポンプユニット3は、冷媒を圧縮する回転数可変の圧縮機25、凝縮器としての水冷媒熱交換器26と、減圧手段としての電子膨張弁27と、強制空冷式の蒸発器としての空気熱交換器28とで構成されたヒートポンプ回路29と、前記往き管10に設けられ貯湯タンク2内の湯水を水冷媒熱交換器26に循環させる循環ポンプ30と、空気熱交換器28に送風する室外ファン31と、外気の温度を検出する外気温度検出手段としての外気温度センサ32と、ヒートポンプユニット3内の往き管10に設けられ水冷媒熱交換器26に流入する湯水温度を検出する熱交入口温度センサ33と、ヒートポンプユニット3内の戻り管11に設けられ水冷媒熱交換器26から流出した湯水温度を検出する熱交出口温度センサ34と、貯湯タンク2内の湯水を沸き上げる沸き上げ動作時における圧縮機25や電子膨張弁27や室外ファン31の作動の制御や循環ポンプ30の目標回転数を設定し循環ポンプ30を目標回転数で作動させる等の制御を行う制御部としてのヒーポン制御部35とを備えており、ヒートポンプ回路29内には冷媒として二酸化炭素が用いられて超臨界ヒートポンプサイクルを構成しているものである。なお、前記ヒーポン制御部35は前記貯湯制御部24と通信可能に接続されているものである。
前記ヒーポン制御部35は、循環ポンプ30の作動時に循環ポンプ30のキャビテーションが発生したことを検知するキャビテーション検知手段36と、循環ポンプ30の作動時に循環ポンプ30からの信号を受け循環ポンプ30の実回転数を検知する実回転数検知手段37とを有しているものである。なお、前記循環ポンプ30のキャビテーションは、例えば、断水になったり冬期等において不凍水栓22を開栓し減圧弁21より上流側で給水管8内の水が抜かれる等により、貯湯タンク2にかかる給水圧が低下または遮断した状態で、貯湯タンク2内の湯水を加熱する沸き上げ動作時や循環回路9の凍結防止のために循環ポンプ30を作動させると発生するおそれがあるもので、循環ポンプ30のキャビテーションが発生すると、循環ポンプ30の実回転数が前記沸き上げ動作時や循環回路9の凍結防止の時に通常使用する作動範囲(例えば300rpm〜4000rpm)を超えた異常回転数(例えば7000rpm)になるため、キャビテーション検知手段36は、実回転数検知手段37で検知した回転数が所定の回転数(例えば、6000rpm)を超えたかどうかを判断して、前記所定の回転数を超えていれば、ヒーポン制御部35に検知信号を出力するものであり、循環ポンプ30の実回転数を検知することで容易に循環ポンプ30のキャビテーションの発生を検知することができるものである。
次に、この第1の実施形態の作動を説明する。
先ず、沸き上げ動作について説明すると、貯湯制御部24は、深夜電力時間帯になって貯湯温度センサ23が貯湯タンク2内に翌日に必要な熱量が残っていないことを検出すると、翌日に必要とされるであろう貯湯熱量を演算し、ヒーポン制御部35に対して沸き上げ開始指令を発する。指令を受けたヒーポン制御部35は圧縮機25及び循環ポンプ30の作動を開始させる。このときの切替弁13は、第2の状態、つまり沸き上げ側(貯湯タンク2の上部側)に流路が切り替えられた状態であり、貯湯タンク2下部に接続された往き管10から取り出した低温水を水冷媒熱交換器26で高温に加熱し、貯湯タンク2上部に接続された戻り管11から貯湯タンク2内に戻し、貯湯タンク2の上部から順次積層して高温水を貯湯していく。貯湯温度センサ23が必要な熱量が貯湯されたことを検出すると、貯湯制御部24はヒーポン制御部35に対して沸き上げ停止指令を発し、ヒーポン制御部35は圧縮機25及び循環ポンプ30の作動を停止して沸き上げ動作を終了するものである。また、深夜電力時間帯以外の時間帯であっても貯湯タンク2内に必要な熱量が残っていない場合は前記沸き上げ動作を行うものである。
次に、低外気温時における循環回路9の凍結防止動作について説明すると、外気温度センサ32が検出する外気温度が所定温度以下を検出した時に、ヒーポン制御部35は切替弁13を第1の状態、つまり凍結バイパス管12側に流路を切り替えて、循環ポンプ30の作動を開始させ、貯湯タンク2下部に接続された往き管10から取り出した低温水を水冷媒熱交換器26、戻り管11、凍結バイパス管12を順に循環させることで循環回路9の凍結を防止するものである。そして、例えば予め設定された所定時間が経過してその時に熱交入口温度センサ33または熱交出口温度センサ34の検出する湯水の温度が所定温度以上であった場合に、循環ポンプ30の作動を停止し循環回路9の凍結防止動作を終了するものである。なお、循環ポンプ30の作動による循環だけでは循環回路9の凍結のおそれが解消しない場合は、圧縮機25を低能力で作動させて、循環回路9を循環する湯水を水冷媒熱交換器26で加熱して、循環通路9の凍結を防止するものである。
次に、前記凍結防止動作中に循環ポンプ30のキャビテーションが発生した場合の作動について図3に示すフローチャートを用いて説明すると、ヒーポン制御部35は、外気温度センサ32が検出する外気温度に基づいて、外気温度が所定温度、例えば3℃以下になったか否かを判断し(ステップS1)、外気温度が所定温度以下になったと判断すると、循環回路9の凍結防止が必要だとして切替弁13を第1の状態、つまり凍結バイパス管12側に切り替え、凍結防止動作用の循環ポンプ30の目標回転数(例えば、2000rpm)を設定し循環ポンプ30の作動を開始させ凍結防止動作を開始し(ステップS2)、循環ポンプ30を目標回転数で作動(稼働)させるよう制御する。続いて、実回転検知手段37は循環ポンプ30の実回転数を検知し(ステップS3)、そして、ヒーポン制御部35はキャビテーション検知手段36からの検知信号の出力があるか否かを判断する(ステップS4)。
ここで、前記ステップS4では、キャビテーション検知手段36は、実回転数検知手段37で検知する循環ポンプ30の実回転数を監視し、その実回転数に基づいて、実回転数検知手段37で検知した回転数が所定の回転数(例えば、6000rpm)を超えたかどうかを判断して、前記所定の回転数を超えていれば、循環ポンプ30のキャビテーションが発生したことを検知して、ヒーポン制御部35に検知信号を出力するものであり、また、循環ポンプ30のキャビテーションは、例えば、断水になったり冬期等において不凍水栓22を開栓し減圧弁21より上流側で給水管8内の水が抜かれる等により、貯湯タンク2にかかる給水圧が低下または遮断した状態で、循環回路9の凍結防止のために循環ポンプ30を作動させたり、沸き上げ動作を行うにあたり循環ポンプ30を作動させると発生するおそれがあるものである。
前記ステップS4でヒーポン制御部35はキャビテーション検知手段36からの検知信号を受けると、循環ポンプ30を停止させ(ステップS5)、前記目標回転数をそれまでよりも低い回転数に補正、ここでは目標回転数を最低回転数(例えば300rpm)に補正して(ステップS6)、再び循環ポンプ30の作動を開始させ(ステップS7)、循環回路9の凍結防止を継続し、その後、循環回路9の凍結防止が完了したか否かを判断し(ステップS8)、例えば予め設定された所定時間が経過してその時に熱交入口温度センサ33の検出する湯水の温度が所定温度(例えば10℃)以上になり循環回路9の凍結防止が完了したと判断すれば、循環ポンプ30の作動を停止させて循環回路9の凍結防止動作を終了するものである。
一方、ヒーポン制御部35は前記ステップS4で循環ポンプ30のキャビテーションが発生していないと判断したら、循環回路9の凍結防止が完了したか否かを判断し(ステップS9)、前記ステップS9で凍結防止が完了したと判断すれば、循環ポンプ30の作動を停止させて循環回路9の凍結防止動作を終了するものであり、前記ステップS9で凍結防止が完了していないと判断すれば、再びステップS3の処理に戻るものである。なお、上記の凍結防止動作で、循環ポンプ30の作動による循環だけでは循環回路9の凍結のおそれが解消しない場合は、圧縮機25を低能力で作動させて、循環回路9を循環する湯水を水冷媒熱交換器26で加熱してもよいものである。
以上説明した凍結防止動作中に循環ポンプ30のキャビテーションが発生した場合の作動において、前記ステップS4でキャビテーション検知手段36が循環ポンプ30のキャビテーション検知すると、ヒーポン制御部35はキャビテーション検知手段36からの検知信号を受け、前記ステップS5で循環ポンプ30を停止させるので、キャビテーションに起因した循環ポンプ30で生じる騒音や振動や壊食を最小限に抑えることができ、循環ポンプ30の寿命が縮むのを抑制することができるものであり、さらに、前記ステップS6で循環ポンプ30の前記目標回転数をそれまでよりも低い回転数に補正することで、循環ポンプ30を作動させてもキャビテーションが発生するおそれを低減することができるものである。なお、この第1の実施形態ではステップS6で目標回転数を最低回転数に補正したので、その後に循環ポンプ30を作動させてもキャビテーションが発生することないものであり、循環回路9内の循環不良を招かずに循環回路9の凍結を防止することができるものである。
また、循環ポンプ30のキャビテーションが発生すると、循環ポンプ30の実回転数が循環回路9の凍結防止の時に通常使用する作動範囲を超えた異常な回転数になるため、前記ステップS3で実回転数検知手段37により循環ポンプ30作動時の実回転数を検知し、キャビテーション検知手段36は実回転数検知手段37の検知する循環ポンプ30の実回転数を監視し、その実回転数に基づいて循環ポンプ30のキャビテーションが発生したことを検知するので、簡単な制御で確実に循環ポンプ30のキャビテーションが発生したことを検知することができるものである。
次に、前記沸き上げ動作中に循環ポンプ30のキャビテーションが発生した場合の作動について図4に示すフローチャートを用いて説明すると、貯湯制御部24は貯湯温度センサ23の検出する温度情報から沸き上げを開始させるか否かを判断し(ステップS10)、貯湯タンク2内の湯水の沸き上げが必要と判断すると、貯湯制御部24はヒーポン制御部35に対して沸き上げ動作の開始指令を発する。指令を受けたヒーポン制御部35は、圧縮機25の作動を開始させると共に、沸き上げ動作用の前記循環ポンプ30の目標回転数を設定し循環ポンプ30の作動を開始させ貯湯タンク2内の湯水の沸き上げを開始し、循環ポンプ30を目標回転数で作動させるよう制御する。なお、このときの切替弁13は第2の状態、つまり沸き上げ側(貯湯タンク2の上部側)に切り替えられた状態である。続いて、実回転数検知手段37は循環ポンプ30の実回転数を検知し(ステップS11)、そして、ヒーポン制御部35はキャビテーション検知手段36からの検知信号の出力があるか否かを判断する(ステップS12)。
前記ステップS12でヒーポン制御部35はキャビテーション検知手段36からの検知信号を受けると、圧縮機25及び循環ポンプ30の作動を停止して沸き上げ動作を停止させる(ステップS13)と共に、給湯リモコン5の表示部6に循環ポンプ30でキャビテーションが発生したことを意味するエラーコードを表示させ給湯リモコン5のスピーカ(図示せず)から警報音を発する等によりエラーが発生したことを報知させ(ステップS14)、続いて、エラーが解除されたか否かを判断し(ステップS15)、エラーが解除されると沸き上げ動作が再開され(ステップS16)、エラーが解除されないと沸き上げ動作を行わないようにしている。そして、貯湯制御部24が貯湯温度センサ23の検出する温度情報から当初予定していた必要とされるであろう貯湯熱量を沸き上げたか否か、すなわち沸き上げが完了したか否かを判断し(ステップS17)、沸き上げが完了したと判断すると、貯湯制御部24はヒーポン制御部35に対して沸き上げ動作停止指令を発し、ヒーポン制御部35は圧縮機25及び循環ポンプ30の作動を停止して沸き上げ動作を終了するものである。なお、前記ステップS15のエラーが解除は、例えば、給湯リモコン5で所定の操作を行うことにより為されるものである。
一方、ヒーポン制御部35が前記ステップS12で循環ポンプ30のキャビテーションが発生していないと判断したら、続いて貯湯制御部24は貯湯温度センサ23の検出する温度情報から貯湯タンク2内の湯水の沸き上げが完了したか否かを判断し(ステップS18)、沸き上げが完了したと判断すると、貯湯制御部24はヒーポン制御部35に対して沸き上げ動作停止指令を発し、ヒーポン制御部35は圧縮機25及び循環ポンプ30の作動を停止して沸き上げ動作を終了するものであり、沸き上げが完了していないと判断したら、再びステップS11の処理に戻るものである。
以上説明した沸き上げ動作中に循環ポンプ30のキャビテーションが発生した場合の作動において、前記沸き上げ動作時に前記ステップS12でキャビテーション検知手段36が循環ポンプ30のキャビテーション検知すると、ヒーポン制御部35はキャビテーション検知手段36からの検知信号を受け、前記ステップS13で前記沸き上げ動作を停止させるので、キャビテーションに起因した循環ポンプ30で生じる騒音や振動や壊食を最小限に抑えることができ、循環ポンプ30の寿命が縮むのを抑制することができ、さらに前記ステップS14でエラーの報知を行うことで、ユーザーに注意喚起できると共に、ユーザーは沸き上げを停止した原因(断水が生じているもしくは不凍水栓22が開栓していることにより給水圧が低下した)を把握でき、その上、前記ステップS15でエラーが解除されるまで前記沸き上げ動作を行わないようにしたので、循環ポンプ30作動に伴うキャビテーションの再発を未然に防ぐことができ、次回沸き上げ動作を行う時であっても安心・安全な状態で使用できるものである。
また、循環ポンプ30のキャビテーションが発生すると、循環ポンプ30の実回転数が循環回路9の凍結防止の時に通常使用する作動範囲を超えた異常な回転数になるため、前記ステップS11で実回転数検知手段37により循環ポンプ30作動時の実回転数を検知し、キャビテーション検知手段36は実回転数検知手段37の検知する循環ポンプ30の実回転数を監視し、その実回転数に基づいて循環ポンプ30のキャビテーションが発生したことを検知するので、簡単な制御で確実に循環ポンプ30のキャビテーションが発生したことを検知することができるものである。
なお、本発明は上記の第1の実施形態に限定されるものではなく、上記の第1の実施形態では、ヒートポンプユニット3内の往き管10に循環ポンプ30を設けているが、貯湯タンクユニット1内の往き管10に循環ポンプ30を設けてもよいものである。
また、キャビテーション検知手段36及び実回転数検知手段37は制御部であるヒーポン制御部35が有しているが、制御部を貯湯制御部24として貯湯制御部24がキャビテーション検知手段36及び実回転数検知手段37を有していてもよいものであり、貯湯制御部24及びヒーポン制御部35を1つにまとめて制御部として、この制御部がキャビテーション検知手段36及び実回転数検知手段37を有していてもよいものであり、また、貯湯制御部24やヒーポン制御部35と通信可能な状態で独立してキャビテーション検知手段36及び実回転数検知手段37を貯湯タンクユニット1内またはヒートポンプユニット3内に設けてもよいものである。
また、前記ステップS15でエラーが解除された後は前記ステップS16で沸き上げ動作が再開され自動で当初予定されていた必要とされるであろう貯湯熱量を沸き上げることになっており、湯切れの心配がないものであるが、前記ステップS15でエラーが解除された後は自動で必要最小限の最低貯湯量を沸き上げるようにしてもよく、そうすることで、この沸き上げ動作が電力単価が安価な深夜時間帯以外の時間帯に行われたとしてもランニングコストを抑えることができ給湯等に必要な貯湯量を最低限保持することができるものであり、また、前記ステップS15でエラーが解除された後はユーザーが手動で自ら沸き上げる貯湯量を決定してもよく、そうすることでユーザが用途に応じて貯湯量を自由に設定し有効に貯湯水を使用することができるものである。
次に、本発明の第2の実施形態について説明するが、この実施形態は先に説明した第1の実施形態と同一部分については同一符号を付し説明を省略して相違する構成や作動についてのみ説明する。
38は前記循環ポンプ30の吐出側と吸込側とを接続するポンプバイパス管、39はポンプバイパス管38の途中に設けられた流量調整弁であり、この流量調整弁39は、先に説明した循環ポンプ30のキャビテーションが発生していない場合は、通常閉状態である。また、循環ポンプ30のキャビテーションが発生した場合は、流量調整弁39の開度を閉状態から開くように調整することで、ポンプバイパス管38を流れる湯水の流量、すなわち循環ポンプ30の吐出側から吸込側に戻る流量を調整し、循環ポンプ30の吸込側にかかる圧力を補い循環ポンプ30のキャビテーション発生を防ぐものである。
次に、この第2の実施形態において前記凍結防止動作中に循環ポンプ30のキャビテーションが発生した場合の作動について図7に示すフローチャートを用いて説明すると、ヒーポン制御部35は、外気温度センサ32が検出する外気温度に基づいて、外気温度が所定温度以下になったか否かを判断し(ステップS19)、外気温度が所定温度以下になったと判断すると、循環回路9の凍結防止が必要だとして切替弁13を第1の状態、つまり凍結バイパス管12側に切り替え、循環ポンプ30の目標回転数を設定し循環ポンプ30の作動を開始させ凍結防止動作を開始し(ステップS20)、循環ポンプ30を目標回転数で作動させるよう制御する。続いて、実回転検知手段37は循環ポンプ30の実回転数を検知し(ステップS21)、そして、ヒーポン制御部35はキャビテーション検知手段36からの検知信号の出力があるか否かを判断する(ステップS22)。
ここで、前記ステップS22では、キャビテーション検知手段36は実回転数検知手段37で検知する循環ポンプ30の実回転数を監視し、その実回転数に基づいて、実回転数検知手段37で検知した回転数が所定の回転数(例えば、6000rpm)を超えたかどうかを判断して、前記所定の回転数を超えていれば、循環ポンプ30のキャビテーションが発生したことを検知して、ヒーポン制御部35に検知信号を出力するものであり、また、循環ポンプ30のキャビテーションは、例えば、断水になったり冬期等において不凍水栓22を開栓し減圧弁21より上流側で給水管8内の水が抜かれる等により、貯湯タンク2にかかる給水圧が低下または遮断した状態で、循環回路9の凍結防止のために循環ポンプ30を作動させると発生するおそれがあるものである。
前記ステップS22でヒーポン制御部35はキャビテーション検知手段36からの検知信号を受けると、循環ポンプ30を停止させ(ステップS23)、流量調整弁39を所定の開度に開度調整、ここでは流量調整弁39を閉状態から開くように最大開度に調整して(ステップS24)、再び循環ポンプ30の作動を開始させ(ステップS25)、循環回路9の凍結防止を継続し、その後、循環回路9の凍結防止が完了したか否かを判断し(ステップS26)、例えば予め設定された所定時間が経過してその時に熱交入口温度センサ33の検出する湯水の温度が所定温度以上になり循環回路9の凍結防止が完了したと判断すれば、循環ポンプ30の作動を停止させて循環回路9の凍結防止動作を終了するものである。
一方、ヒーポン制御部35は前記ステップ22で循環ポンプ30のキャビテーションが発生していないと判断したら、循環回路9の凍結防止が完了したか否かを判断し(ステップS27)、前記ステップS27で凍結防止が完了したと判断すれば、循環ポンプ30の作動を停止させて循環回路9の凍結防止動作を終了するものであり、前記ステップS27で凍結防止が完了していないと判断すれば、再びステップS21の処理に戻るものである。なお、上記の凍結防止動作で、循環ポンプ30の作動による循環だけでは循環回路9の凍結のおそれが解消しない場合は、圧縮機25を低能力で作動させて、循環回路9を循環する湯水を水冷媒熱交換器26で加熱してもよいものである。
以上説明した第2の実施形態の凍結防止動作中に循環ポンプ30のキャビテーションが発生した場合の作動において、前記ステップS22でキャビテーション検知手段36が循環ポンプ30のキャビテーション検知すると、ヒーポン制御部35はキャビテーション検知手段36からの検知信号を受け、前記ステップS23で循環ポンプ30を停止させるので、キャビテーションに起因した循環ポンプ30で生じる騒音や振動や壊食を最小限に抑えることができ、循環ポンプ30の寿命が縮むのを抑制することができるものであり、さらに、前記ステップS24で流量調整弁39を所定の開度に開度調整することで、前記ステップS25で循環ポンプ30の作動を再開したときに、ポンプバイパス管38を流れる湯水の流量、すなわち循環ポンプ30の吸込側に戻る流量を調整して循環ポンプ30の吸込側にかかる圧力を補うことができ、循環ポンプ30を作動させてもキャビテーションが発生するおそれを低減することができるものである。なお、この第2の実施形態ではステップS24で流量調整弁39を最大開度に調整することで、循環ポンプ30の吸込側に戻る流量が最大となり、循環ポンプ30の吸込側にかかる圧力が大きくなるので、ステップS25で循環ポンプ30の作動を再開させてもキャビテーションが発生することないものであり、循環回路9内の循環不良を招かずに循環回路9の凍結を防止することができるものである。
また、循環ポンプ30のキャビテーションが発生すると、循環ポンプ30の実回転数が循環回路9の凍結防止の時に通常使用する作動範囲を超えた異常な回転数になるため、前記ステップS21で実回転数検知手段37により循環ポンプ30作動時の実回転数を検知し、キャビテーション検知手段36は実回転数検知手段37の検知する循環ポンプ30の実回転数を監視し、その実回転数に基づいて循環ポンプ30のキャビテーションが発生したことを検知するので、簡単な制御で確実に循環ポンプ30のキャビテーションが発生したことを検知することができるものである。
次に、本発明の第3の実施形態について説明するが、この実施形態は先に説明した第1の実施形態と同一部分については同一符号を付し説明を省略して相違する構成や作動についてのみ説明する。
40は暖房端末41の熱媒(不凍液)を加熱するための暖房用熱交換器、42は貯湯タンク2と暖房用熱交換器40を循環可能に接続する一次側循環回路、43は一次側循環回路42に設けられた一次側循環ポンプ、44は暖房用熱交換器40を流出した一次側循環回路42の湯水の温度を検出する一次側熱交出口温度センサであり、前記一次側循環ポンプ43の作動により貯湯タンク2の上部から取り出した高温水を暖房用熱交換器40に循環させ、暖房用熱交換器40での熱交換により温度低下した中温水を貯湯タンク2の中間位置に戻すものである。
45は暖房用熱交換器40と暖房端末41とを循環可能に接続する二次側循環回路、46は二次側循環回路45に設けられた二次側循環ポンプ、47は二次側循環回路45内を循環する熱媒の熱膨張を吸収する膨張タンク、48は暖房用熱交換器40に流入する二次側循環回路45の熱媒温度を検出する二次側熱交入口温度センサ、49は暖房用熱交換器40を流出した二次側循環回路45の熱媒温度を検出する二次側熱交出口温度センサ、50は暖房端末41の運転開始・停止の指示や設定温度を設定する暖房運転指示手段であり、前記二次側循環ポンプ46の作動により暖房端末41の熱媒を暖房用熱交換器40に循環させ、暖房用熱交換器40で一次側の高温水により加熱された熱媒を暖房端末41で暖房あるいは乾燥に使用するものである。
51は一次側熱交出口温度センサ44、二次側熱交入口温度センサ48、二次側熱交出口温度センサ49の各センサの入力を受け、一次側循環ポンプ43及び二次側循環ポンプ46の目標回転数を設定し一次側循環ポンプ43及び二次側循環ポンプ46を目標回転数で作動させるよう制御する暖房制御部であり、ここで、一次側循環ポンプ43の目標回転数は一次側熱交出口温度センサ44、二次側熱交入口温度センサ48、二次側熱交出口温度センサ49の各センサの入力を受けて暖房制御部51が適宜変更するのに対し、二次側循環ポンプ46の目標回転数は一定であるものとする。なお、暖房制御部51は暖房運転指示手段50及び貯湯制御部24と通信可能に接続されているものである。
前記暖房制御部51は、一次側循環ポンプ43の作動時に一次側循環ポンプ43のキャビテーションが発生したことを検知する暖房ポンプキャビテーション検知手段52と、一次側循環ポンプ43の作動時に一次側循環ポンプ43からの信号を受け一次側循環ポンプ43の実回転数を検知する暖房ポンプ実回転数検知手段53とを有しているものである。なお、前記一次側循環ポンプ43のキャビテーションは、例えば、断水になったり冬期等において不凍水栓22を開栓し減圧弁21より上流側で給水管8内の水が抜かれる等により、貯湯タンク2にかかる給水圧が低下または遮断した状態で、暖房端末41による暖房運転等を行う時や一次側循環回路42の凍結防止のために一次側循環ポンプ43を作動させると発生するおそれがあるもので、一次側循環ポンプ43のキャビテーションが発生すると、一次側循環ポンプ43の実回転数が前記暖房運転時や一次側循環回路42の凍結防止の時に通常使用する作動範囲(例えば300rpm〜4000rpm)を超えた異常回転数(例えば7000rpm)になるため、暖房ポンプキャビテーション検知手段52は、暖房ポンプ実回転数検知手段53で検知した回転数が所定の回転数(例えば、6000rpm)を超えたかどうかを判断して、前記所定の回転数を超えていれば、暖房制御部51に検知信号を出力するものであり、一次側循環ポンプ43の実回転数を検知することで容易に一次側循環ポンプ43のキャビテーションの発生を検知することができるものである。
次に、この第3の実施形態の作動を説明する。
先ず、低外気温時における一次側循環回路42の凍結防止動作について説明すると、一次側熱交出口温度センサ44の検出する湯水温度または外気温度センサ32の検出する外気温度が所定温度以下を検出した時に、暖房制御部51は一次側循環ポンプ43の目標回転数を設定し一次側循環ポンプ43の作動を開始させ、貯湯タンク2上部から取り出した高温水を一次側循環回路42内を循環させることで一次側循環回路42の凍結を防止するものであり、一次側熱交出口温度センサ44の検出する湯水温度が所定温度以上を検出したら、一次側循環ポンプ43の作動を停止させ、一次側循環回路42の凍結防止動作を終了するものである。
次に、暖房端末41による暖房運転について説明すると、暖房運転指示手段50にて暖房の開始が指示され、暖房制御部51がその入力信号を受けると、一次側循環ポンプ43及び二次側循環ポンプ46の目標回転数を設定し一次側循環ポンプ43及び二次側循環ポンプ46の作動を開始させ、貯湯タンク2内の高温水を暖房用熱交換器40へ循環させて二次側循環回路45内の熱媒と熱交換することで二次側循環回路45内の熱媒を加熱され、加熱された熱媒が暖房端末41にて放熱され暖房端末41の設置された室内の暖房運転が行われるものである。この時、二次側循環回路45に設けられた二次側熱交出口温度センサ49の検出温度が所定温度になるように、暖房制御部51は一次側熱交出口温度センサ44、二次側熱交入口温度センサ48、二次側熱交出口温度センサ49の検出温度に基づき一次側循環ポンプ43の目標回転数を適宜設定し一次側循環ポンプ43の作動を制御するものである。そして、暖房運転指示手段50にて暖房の停止の指示があると、暖房制御部51はその入力信号を受け一次側循環ポンプ43及び二次側循環ポンプ46の作動を停止させ暖房運転を終了するものである。
次に、前記凍結防止動作中に一次側循環ポンプ43のキャビテーションが発生した場合の作動について図10に示すフローチャートを用いて説明すると、暖房制御部51は、一次側熱交出口温度センサ44の検出する湯水温度または外気温度センサ32の検出する外気温度に基づいて、例えば、一次側熱交出口温度センサ44の検出する湯水温度が所定温度(例えば3℃)以下になったか否かを判断し(ステップS28)、一次側熱交出口温度センサ44の検出する湯水温度が所定温度以下になったと判断すると、一次側循環回路42の凍結防止が必要だとして凍結防止動作用の一次側循環ポンプ43の目標回転数(例えば2000rpm)を設定し、一次側循環ポンプ43の作動を開始させ凍結防止動作を開始し(ステップS29)、一次側循環ポンプ43を目標回転数で作動させるよう制御する。続いて、暖房ポンプ実回転検知手段53は一次側循環ポンプ43の実回転数を検知し(ステップS30)、そして、暖房制御部51は暖房ポンプキャビテーション検知手段52からの検知信号の出力があるか否かを判断する(ステップS31)。
ここで、前記ステップS31では、暖房ポンプキャビテーション検知手段52は暖房ポンプ実回転数検知手段53で検知する一次側循環ポンプ43の実回転数を監視し、その実回転数に基づいて、暖房ポンプ実回転数検知手段53で検知した回転数が所定の回転数(例えば、6000rpm)を超えたかどうかを判断して、前記所定の回転数を超えていれば、一次側循環ポンプ43のキャビテーションが発生したことを検知して、暖房制御部51に検知信号を出力するものであり、また、一次側循環ポンプ43のキャビテーションは、例えば、断水になったり冬期等において不凍水栓22を開栓し減圧弁21より上流側で給水管8内の水が抜かれる等により、貯湯タンク2にかかる給水圧が低下または遮断した状態で、一次側循環回路42の凍結防止のために一次側循環ポンプ43を作動させたり、暖房運転により一次側循環ポンプ43を作動させると発生するおそれがあるものである。
前記ステップS31で暖房制御部51は暖房ポンプキャビテーション検知手段52からの検知信号を受けると、一次側循環ポンプ43を停止させ(ステップS32)、前記目標回転数をそれまでよりも低い回転数に補正、ここでは目標回転数を最低回転数(例えば300rpm)に補正して(ステップS33)、再び一次側循環ポンプ43の作動を開始させ(ステップS34)、一次側循環回路42の凍結防止を継続し、その後、一次側循環回路42の凍結防止が完了したか否かを判断し(ステップS35)、例えば一次側熱交出口温度センサ44の検出する湯水の温度が所定温度以上になり一次側循環回路42の凍結防止が完了したと判断すれば、一次側循環ポンプ43の作動を停止させて一次側循環回路42の凍結防止動作を終了するものである。
一方、暖房制御部51は前記ステップS31で一次側循環ポンプ43のキャビテーションが発生していないと判断したら、一次側循環回路42の凍結防止が完了したか否かを判断し(ステップS36)、前記ステップS36で凍結防止が完了したと判断すれば、一次側循環ポンプ43の作動を停止させて一次側循環回路42の凍結防止動作を終了するものであり、前記ステップS36で凍結防止が完了していないと判断すれば、再びステップS30の処理に戻るものである。
以上説明した凍結防止動作中に一次側循環ポンプ43のキャビテーションが発生した場合の作動において、前記ステップS31で暖房ポンプキャビテーション検知手段52が一次側循環ポンプ43のキャビテーション検知すると、暖房制御部51は暖房ポンプキャビテーション検知手段52からの検知信号を受け、前記ステップS32で一次側循環ポンプ43を停止させるので、キャビテーションに起因した一次側循環ポンプ43で生じる騒音や振動や壊食を最小限に抑えることができ、一次側循環ポンプ43の寿命が縮むのを抑制することができるものであり、さらに、前記ステップS33で一次側循環ポンプ43の前記目標回転数をそれまでよりも低い回転数に補正することで、前記ステップS34で一次側循環ポンプ43の作動を再開させてもキャビテーションが発生するおそれを低減することができるものである。なお、この第3の実施形態ではステップS33で目標回転数を最低回転数に補正したので、ステップS34で一次側循環ポンプ43を作動させてもキャビテーションが発生することないものであり、一次側循環回路42内の循環不良を招かずに一次側循環回路42の凍結を防止することができるものである。
また、一次側循環ポンプ43のキャビテーションが発生すると、一次側循環ポンプ43の実回転数が一次側循環回路42の凍結防止の時に通常使用する作動範囲(例えば300〜2000rpm)を超えた異常回転数(例えば7000prm)になるため、前記ステップS30で暖房ポンプ実回転数検知手段53により一次側循環ポンプ43作動時の実回転数を検知し、暖房ポンプキャビテーション検知手段52は暖房ポンプ実回転数検知手段53の検知する一次側循環ポンプ43の実回転数を監視し、その実回転数に基づいて一次側循環ポンプ43のキャビテーションが発生したことを検知するので、簡単な制御で確実に一次側循環ポンプ43のキャビテーションが発生したことを検知することができるものである。
次に、前記暖房運転中に一次側循環ポンプ43のキャビテーションが発生した場合の作動について図11に示すフローチャートを用いて説明すると、暖房制御部51は暖房運転指示手段50にて暖房運転開始の指示信号を受けると、一次側循環ポンプ43及び二次側循環ポンプ46の目標回転数(例えば一次側循環ポンプ43の目標回転数を3500rpmとする)を設定し一次側循環ポンプ43及び二次側循環ポンプ46の作動を開始させ、そして、暖房運転が開始されると暖房ポンプ実回転数検知手段53は一次側循環ポンプ43の実回転数を検知し(ステップS37)、暖房制御部51は暖房ポンプキャビテーション検知手段52からの検知信号の出力があるか否かを判断する(ステップS38)。
ここで、前記ステップS38では、暖房ポンプキャビテーション検知手段52は暖房ポンプ実回転数検知手段53で検知する一次側循環ポンプ43の実回転数を監視し、その実回転数に基づいて、暖房ポンプ実回転数検知手段53で検知した回転数が所定の回転数(例えば、6000rpm)を超えたかどうかを判断して、前記所定の回転数を超えていれば、一次側循環ポンプ43のキャビテーションが発生したことを検知して、暖房制御部51に検知信号を出力するものであり、暖房制御部51は暖房ポンプキャビテーション検知手段52からの検知信号を受けると、一次側循環ポンプ43の作動を停止させる(ステップS39)と共に、貯湯制御部24に信号を送り給湯リモコン5の表示部6に一次側循環ポンプ43でキャビテーションが発生したことを意味するエラーコードを表示させ給湯リモコン5のスピーカ(図示せず)から警報音を発する等によりエラーが発生したことを報知させ(ステップS40)、続いて、前記目標回転数をそれまでよりも低い回転数に補正、ここでは目標回転数をそれまでよりも所定回転数(例えば300rpm)低い回転数に補正し(ステップS41)、再び一次側循環ポンプ43の作動を開始させ(ステップS42)、暖房運転を再開するものであり、この時は、二次側循環回路45に設けられた二次側熱交出口温度センサ49の検出温度が所定温度になるように、暖房制御部51は一次側熱交出口温度センサ44、二次側熱交入口温度センサ48、二次側熱交出口温度センサ49の検出温度に基づき一次側循環ポンプ43の目標回転数を適宜設定し一次側循環ポンプ43を作動させるという制御を行わず、ステップS41で補正した目標回転数にのみに基づいて一次側循環ポンプ43の作動を制御するものである。
前記ステップS42で一次側循環ポンプ43の作動を開始させ、暖房運転を再開すると
、前記ステップS37の処理に戻り、その後もステップS38で暖房制御部51が暖房ポンプキャビテーション検知手段52からの検知信号を受ける場合は、ステップS39で一次側循環ポンプ43を停止させ、ステップS41で前記目標回転数をそれまでよりもさらに所定回転数低い回転数に補正し、ステップS42で一次側循環ポンプ43の作動を開始させる制御を、ステップS38で暖房制御部51が暖房ポンプキャビテーション検知手段52からの検知信号を受けなくなるまで繰り返し行うものである。なお、暖房制御部51は暖房運転指示手段50にて暖房運転停止の指示信号を受けると、一次側循環ポンプ43及び二次側循環ポンプ46の作動を停止させ暖房運転を終了するものである。
また前記暖房運転中において、一次側循環ポンプ43のキャビテーションの発生が不凍水栓22の開栓によるものであったと仮定して、前記ステップS41で暖房運転中にエラーが報知され、一次側循環ポンプ43の目標回転数が減少補正された状態で作動して暖房運転が行われている時に、ユーザーがエラーを見て不凍水栓22を閉栓し、その後に例えば給湯リモコン5で所定の操作を行う等により、暖房運転中にエラーが解除された場合は、その後は通常の暖房運転に戻るものである。
以上説明した前記暖房運転中に一次側循環ポンプ43のキャビテーションが発生した場合の作動において、前記暖房運転中に前記ステップS38で暖房ポンプキャビテーション検知手段52が一次側循環ポンプ43のキャビテーション検知すると、暖房制御部51は暖房ポンプキャビテーション検知手段52からの検知信号を受け、前記ステップS39で一次側循環ポンプ43を停止させるので、キャビテーションに起因した一次側循環ポンプ43で生じる騒音や振動や壊食を最小限に抑えることができ、一次側循環ポンプ43の寿命が縮むのを抑制することができ、さらに前記ステップS40でエラーの報知を行うことで、ユーザーにそれまでの正常な暖房運転とは異なることを注意喚起できると共に、ユーザーはエラーの原因(断水が生じているもしくは不凍水栓22が開栓していることにより給水圧が低下した)を把握することができ、その上、前記ステップS41で前記目標回転数をそれまでよりも低い回転数に補正することで、前記ステップS42で一次側循環ポンプ43の作動を再開させてもキャビテーションが発生するおそれを低減することができ、一次側循環回路42内の循環不良を招くことがなく、室内を無暖房状態にしてしまうことがないものである。
また、この第3の実施形態ではステップS41で目標回転数をそれまでよりも所定回転数低い回転数に補正し、前記ステップS42で一次側循環ポンプ43の作動を開始させ、暖房運転を再開すると、前記ステップS37の処理に戻り、その後もステップS38で暖房制御部51が暖房ポンプキャビテーション検知手段52からの検知信号を受ける場合は、ステップS39で一次側循環ポンプ43を停止させ、ステップS41で前記目標回転数をそれまでよりもさらに所定回転数低い回転数に補正し、ステップS42で一次側循環ポンプ43の作動を開始させる制御を、ステップS38で暖房制御部51が暖房ポンプキャビテーション検知手段52からの検知信号を受けなくなるまで繰り返し行うことにより、一次側循環ポンプ43を作動させてもキャビテーションが発生することなく、一次側循環回路42内の循環不良を招くことのない最大の暖房能力状態で暖房運転を継続でき、暖房端末41の設置された室内を無暖房状態とすることがないものである。
また、一次側循環ポンプ43のキャビテーションが発生すると、一次側循環ポンプ43の実回転数が暖房運転時に通常使用する作動範囲(300rpm〜4000rpm)を超えた異常な回転数(例えば7000prm)になるため、前記ステップS37で暖房ポンプ実回転数検知手段53により一次側循環ポンプ43作動時の実回転数を検知し、暖房ポンプキャビテーション検知手段52は暖房ポンプ実回転数検知手段53の検知する一次側循環ポンプ43の実回転数を監視し、その実回転数に基づいて一次側循環ポンプ43のキャビテーションが発生したことを検知するので、暖房運転中であっても簡単な制御で確実に一次側循環ポンプ43のキャビテーションが発生したことを検知することができるものである。
なお、本発明は上記の第3の実施形態に限定されるものではなく、上記の第3の実施形態では、前記ステップS41で一次側循環ポンプ43の目標回転数のそれまでよりも所定回転数低い回転数に補正するようにしたが、一次側循環ポンプ43の目標回転数を最低回転数(例えば300rpm)に補正してもよく、そうすることで、一次側循環ポンプ43を作動させてもキャビテーションが発生することなく、一次側循環回路42内の循環不良を招くことがないので、暖房端末41が設置された室内の最低限の暖房ができ、室内を無暖房状態にしてしまうことがないものである。
また、前記暖房端末41を浴槽に置き換えて、前記暖房用熱交換器40を風呂用熱交換器とする共に、二次側循環回路45を浴槽と風呂熱交換器とを循環可能に接続する風呂循環回路とし、この構成において、低外気温時に風呂循環回路の凍結防止動作が必要になり、一次側循環ポンプ43及び二次側循環ポンプ46を作動させ、その結果、断水や不凍水栓22の開栓等に起因した一次側循環ポンプ43のキャビテーションが発生しても、上述したように一次側循環ポンプ43の目標回転数を補正し、一次側循環回路42内の湯水を循環不良を招くことなく風呂用熱交換器に循環させ、二次側である風呂循環回路内の湯水を風呂熱交換器で熱交換して加熱し、風呂循環回路の最低限の凍結防止動作を行うことができるものである。
次に、本発明の第4の実施形態について説明するが、この実施形態は先に説明した第3の実施形態と同一部分については同符号を付し説明を省略して相違する構成や作動についてのみ説明する。
54は前記一次側循環ポンプ43の吐出側と吸込側とを接続する暖房ポンプバイパス管、55は暖房ポンプバイパス管54の途中に設けられた暖房流量調整弁であり、この暖房流量調整弁55は、先に説明した一次側循環ポンプ43のキャビテーションが発生しない場合は、通常閉状態である。また、一次側循環ポンプ43のキャビテーションが発生した場合は、暖房流量調整弁55の開度を閉状態から開くように調整することで、暖房ポンプバイパス管54を流れる湯水の流量、すなわち一次側循環ポンプ43の吐出側から吸込側に戻る流量を調整し、一次側循環ポンプ43の吸込側にかかる圧力を補い一次側循環ポンプ43のキャビテーション発生を防ぐものである。
次に、この第4の実施形態において前記凍結防止動作中に一次側循環ポンプ43のキャビテーションが発生した場合の作動について図14に示すフローチャートを用いて説明すると、暖房制御部51は、一次側熱交出口温度センサ44の検出する湯水温度または外気温度センサ32の検出する外気温度に基づいて、例えば、一次側熱交出口温度センサ44の検出する湯水温度が所定温度以下になったか否かを判断し(ステップS43)、一次側熱交出口温度センサ44の検出する湯水温度が所定温度以下になったと判断すると、一次側循環回路42の凍結防止が必要だとして凍結防止動作用の一次側循環ポンプ43の目標回転数を設定し、一次側循環ポンプ43の作動を開始させ凍結防止動作を開始し(ステップS44)、一次側循環ポンプ43を目標回転数で作動させるよう制御する。続いて、暖房ポンプ実回転検知手段53は一次側循環ポンプ43の実回転数を検知し(ステップS45)、そして、暖房制御部51は暖房ポンプキャビテーション検知手段52からの検知信号の出力があるか否かを判断する(ステップS46)。
ここで、前記ステップS46では、暖房ポンプキャビテーション検知手段52は暖房ポンプ実回転数検知手段53で検知する一次側循環ポンプ43の実回転数を監視し、その実回転数に基づいて、暖房ポンプ実回転数検知手段53で検知した回転数が所定の回転数(例えば、6000rpm)を超えたかどうかを判断して、前記所定の回転数を超えていれば、一次側循環ポンプ43のキャビテーションが発生したことを検知して、暖房制御部51に検知信号を出力するものであり、また、一次側循環ポンプ43のキャビテーションは、例えば、断水になったり冬期等において不凍水栓22を開栓し減圧弁21より上流側で給水管8内の水が抜かれる等により、貯湯タンク2にかかる給水圧が低下または遮断した状態で、一次側循環回路42の凍結防止のために一次側循環ポンプ43を作動させたり、暖房運転により一次側循環ポンプ43を作動させると発生するおそれがあるものである。
前記ステップS46で暖房制御部51は暖房ポンプキャビテーション検知手段52からの検知信号を受けると、一次側循環ポンプ43を停止させ(ステップS47)、暖房流量調整弁55を所定の開度に開度調整、ここでは暖房流量調整弁55を閉状態から開くように最大開度に調整して(ステップS48)、再び一次側循環ポンプ43の作動を開始させ(ステップS49)、一次側循環回路42の凍結防止を継続し、その後、一次側循環回路42の凍結防止が完了したか否かを判断し(ステップS50)、例えば一次側熱交出口温度センサ44の検出する湯水の温度が所定温度以上になり一次側循環回路42の凍結防止が完了したと判断すれば、一次側循環ポンプ43の作動を停止させて一次側循環回路42の凍結防止動作を終了するものである。
一方、暖房制御部51は前記ステップS46で一次側循環ポンプ43のキャビテーションが発生していないと判断したら、一次側循環回路42の凍結防止が完了したか否かを判断し(ステップS51)、前記ステップS51で凍結防止が完了したと判断すれば、一次側循環ポンプ43の作動を停止させて一次側循環回路42の凍結防止動作を終了するものであり、前記ステップS51で凍結防止が完了していないと判断すれば、再びステップS45の処理に戻るものである。
以上説明した凍結防止動作中に一次側循環ポンプ43のキャビテーションが発生した場合の作動において、前記ステップS46で暖房ポンプキャビテーション検知手段52が一次側循環ポンプ43のキャビテーション検知すると、暖房制御部51は暖房ポンプキャビテーション検知手段52からの検知信号を受け、前記ステップS47で一次側循環ポンプ43を停止させるので、キャビテーションに起因した一次側循環ポンプ43で生じる騒音や振動や壊食を最小限に抑えることができ、一次側循環ポンプ43の寿命が縮むのを抑制することができるものであり、さらに、前記ステップS48で暖房流量調整弁55を所定の開度に開度調整することで、前記ステップS49で一次側循環ポンプ43の作動を再開したときに、暖房ポンプバイパス管54を流れる湯水の流量、すなわち一次側循環ポンプ43の吸込側に戻る流量を調整して一次側循環ポンプ43の吸込側にかかる圧力を補うことができ、一次側循環ポンプ43を作動させてもキャビテーションが発生するおそれを低減することができるものである。なお、この第4の実施形態ではステップS48で暖房流量調整弁55を最大開度に調整することで、一次側循環ポンプ43の吸込側に戻る流量が最大となり、一次側循環ポンプ43の吸込側にかかる圧力が大きくなるので、ステップS49で一次側循環ポンプ43の作動を再開させても一次側循環ポンプ43のキャビテーションが発生することないものであり、一次側循環回路42内の循環不良を招かずに一次側循環回路42の凍結を防止することができるものである。
また、一次側循環ポンプ43のキャビテーションが発生すると、一次側循環ポンプ43の実回転数が一次側循環回路42の凍結防止の時に通常使用する作動範囲を超えた異常な回転数になるため、前記ステップS45で暖房ポンプ実回転数検知手段53により一次側循環ポンプ43作動時の実回転数を検知し、暖房ポンプキャビテーション検知手段52は暖房ポンプ実回転数検知手段53の検知する一次側循環ポンプ43の実回転数を監視し、その実回転数に基づいて一次側循環ポンプ43のキャビテーションが発生したことを検知するので、簡単な制御で確実に一次側循環ポンプ43のキャビテーションが発生したことを検知することができるものである。
次に、前記暖房運転中に一次側循環ポンプ43のキャビテーションが発生した場合の作動について図15に示すフローチャートを用いて説明すると、暖房制御部51は暖房運転指示手段50にて暖房運転開始の指示信号を受けると、一次側循環ポンプ43及び二次側循環ポンプ46の目標回転数を設定し、一次側循環ポンプ43及び二次側循環ポンプ46の作動を開始させ、そして、暖房運転が開始されると暖房ポンプ実回転数検知手段53は一次側循環ポンプ43の実回転数を検知し(ステップS52)、暖房制御部51は暖房ポンプキャビテーション検知手段52からの検知信号の出力があるか否かを判断する(ステップS53)。
ここで、前記ステップS53では、暖房ポンプキャビテーション検知手段52は暖房ポンプ実回転数検知手段53で検知する一次側循環ポンプ43の実回転数を監視し、その実回転数に基づいて、暖房ポンプ実回転数検知手段53で検知した回転数が所定の回転数を超えたかどうかを判断して、前記所定の回転数を超えていれば、一次側循環ポンプ43のキャビテーションが発生したことを検知して、暖房制御部51に検知信号を出力するものであり、暖房制御部51は暖房ポンプキャビテーション検知手段52からの検知信号を受けると、一次側循環ポンプ43の作動を停止させる(ステップS54)と共に、貯湯制御部24に信号を送り給湯リモコン5の表示部6に一次側循環ポンプ43でキャビテーションが発生したことを意味するエラーコードを表示させ給湯リモコン5のスピーカ(図示せず)から警報音を発する等によりエラーが発生したことを報知させ(ステップS55)、続いて、暖房流量調整弁55を所定の開度、ここでは暖房流量調整弁55を閉状態から最大開度に開度調整して(ステップS56)、再び一次側循環ポンプ43の作動を開始させ(ステップS57)、暖房運転を再開するものであり、この時の暖房運転は、二次側循環回路45に設けられた二次側熱交出口温度センサ49の検出温度が所定温度になるように、暖房制御部51は一次側熱交出口温度センサ44、二次側熱交入口温度センサ48、二次側熱交出口温度センサ49の検出温度に基づき一次側循環ポンプ43の目標回転数を適宜設定し一次側循環ポンプ43を作動させるという制御を行わず、一次側循環ポンプ43をキャビテーションが発生する前に設定されていた目標回転数で作動させ、暖房流量調整弁55を調整して暖房用熱交換器40に流入する一次側循環回路側42の循環流量を調整するという制御を行うものである。
前記ステップS57で一次側循環ポンプ43の作動を開始させ暖房運転を再開し、一次側循環ポンプ43を目標回転数で作動させ、そして、暖房ポンプ実回転数検知手段53は一次側循環ポンプ43の実回転数を検知し(ステップS58)、暖房制御部51は暖房ポンプキャビテーション検知手段52からの検知信号の出力があるか否かを判断し(ステップS59)、暖房制御部51は暖房ポンプキャビテーション検知手段52からの検知信号を受けなければ、暖房流量調整弁55の開度を最大開度から所定開度減少調整、例えば最大開度から10%程度開度を減少調整させ(ステップS60)、ステップS58の処理に戻り、前記ステップS59で暖房制御部51が暖房ポンプキャビテーション検知手段52からの検知信号を受けるまで、ステップS58→ステップS59→ステップS60→ステップS58→…の処理を繰り返し行い、徐々に暖房流量調整弁55の開度を減少させていく。
そして、前記ステップS59で暖房制御部51が暖房ポンプキャビテーション検知手段52からの検知信号を受けると、一次側循環ポンプ43の作動を停止させ(ステップS61)、暖房流量調整弁55の開度を、前記ステップS59で暖房制御部51が暖房ポンプキャビテーション検知手段52からの検知信号を受ける前、すなわち一次側循環ポンプ43のキャビテーションが発生することのない限界開度に暖房流量調整弁55の開度を調整し(ステップS62)、再び一次側循環ポンプ43の作動を開始させ(ステップS63)、暖房運転を再開し前記ステップS52の処理に戻るものである。なお、暖房制御部51は暖房運転指示手段50にて暖房運転停止の指示信号を受けると、一次側循環ポンプ43及び二次側循環ポンプ46の作動を停止させ暖房運転を終了するものである。
また前記暖房運転中において、一次側循環ポンプ43のキャビテーションの発生が不凍水栓22の開栓によるものであったと仮定して、前記ステップS55で暖房運転中にエラーが報知され、暖房流量調整弁55が所定開度開いている状態で暖房運転が行われている時に、ユーザーがエラーを見て不凍水栓22を閉栓し、その後に例えば給湯リモコン5で所定の操作を行う等により、暖房運転中にエラーが解除された場合は、流量調整弁55が閉状態になり、その後は通常の暖房運転に戻るものである。
以上説明した前記暖房運転中に一次側循環ポンプ43のキャビテーションが発生した場合の作動において、前記暖房運転中に前記ステップS53で暖房ポンプキャビテーション検知手段52が一次側循環ポンプ43のキャビテーション検知すると、暖房制御部51は暖房ポンプキャビテーション検知手段52からの検知信号を受け、前記ステップS54で一次側循環ポンプ43を停止させるので、キャビテーションに起因した一次側循環ポンプ43で生じる騒音や振動や壊食を最小限に抑えることができ、一次側循環ポンプ43の寿命が縮むのを抑制することができ、さらに前記ステップS55でエラーの報知を行うことで、ユーザーにそれまでの正常な暖房運転とは異なることをユーザーに注意喚起できると共に、ユーザーはエラーの原因(断水が生じているもしくは不凍水栓22が開栓している等により給水圧が低下している)を把握することができ、その上、前記ステップS56で暖房流量調整弁55を所定の開度に調整して暖房ポンプバイパス管54を流れる湯水の流量、すなわち一次側循環ポンプ43の吸込側に戻る流量を調整することで、一次側循環ポンプ43の吸込側にかかる圧力を補い、一次側循環ポンプ43を作動させてもキャビテーションが発生するおそれを低減することができ、なお、この第4の実施形態ではステップS56で暖房流量調整弁55を最大開度に調整することで、一次側循環ポンプ43の吸込側に戻る流量が最大となり、一次側循環ポンプ43の吸込側にかかる圧力が大きくなるので、ステップS57で一次側循環ポンプ43の作動を再開させても一次側循環ポンプ43のキャビテーションが発生することないものであり、一次側循環回路42内の循環不良を招くことがないものである。
また、この第4の実施形態ではステップS58以降の処理において、前記ステップS59で暖房制御部51が暖房ポンプキャビテーション検知手段52からの検知信号を受けるまで、ステップS58→ステップS59→ステップS60→ステップS58→…の処理を繰り返し行い、徐々に暖房流量調整弁55の開度を減少させていき、一次側循環ポンプ43の吸込側に戻る流量を減少させていくと共に、暖房用熱交換器40を流通する一次側循環回路42の循環流量を多くさせ、前記ステップS59で暖房制御部51が暖房ポンプキャビテーション検知手段52からの検知信号を受けると、ステップS61で一次側循環ポンプ43の作動を停止させ、ステップS62で暖房流量調整弁55の開度を、前記ステップS59で暖房制御部51が暖房ポンプキャビテーション検知手段52からの検知信号を受ける前、すなわち一次側循環ポンプ43のキャビテーションが発生することのない限界開度に暖房流量調整弁55の開度を調整し、ステップS63で再び一次側循環ポンプ43の作動を開始させ暖房運転を再開するので、一次側循環ポンプ43を作動させてもキャビテーションが発生することなく、一次側循環回路42内の循環不良を招くことのない最大の暖房能力状態で暖房運転を継続でき、暖房端末41の設置された室内を無暖房状態とすることがないものである。
また、一次側循環ポンプ43のキャビテーションが発生すると、一次側循環ポンプ43の実回転数が暖房運転時に通常使用する作動範囲を超えた回転数になるため、前記ステップS52やステップS58で暖房ポンプ実回転数検知手段53により一次側循環ポンプ43作動時の実回転数を検知し、暖房ポンプキャビテーション検知手段52は暖房ポンプ実回転数検知手段53の検知する一次側循環ポンプ43の実回転数を監視し、その実回転数に基づいて一次側循環ポンプ43のキャビテーションが発生したことを検知するので、暖房運転中であっても簡単な制御で確実に一次側循環ポンプ43のキャビテーションが発生したことを検知することができるものである。
なお、本発明は上記の第4の実施形態に限定されるものではなく、上記の第4の実施形態では、前記ステップS56で暖房流量調整弁55を最大開度に調整し、前記ステップS57で再び一次側循環ポンプ43の作動を開始させ、前記ステップS58以降の処理で暖房流量調整弁55の開度を減少調整し、一次側循環ポンプ43を作動させてもキャビテーションが発生することなく、一次側循環回路42内の循環不良を招くことのない最大の暖房能力状態で暖房運転を継続でき、暖房端末41の設置された室内を無暖房状態とすることがないようにしたが、前記ステップS56で暖房流量調整弁55を最大開度に調整し、前記ステップS57で再び一次側循環ポンプ43の作動を開始させ暖房運転を再開し、それ以降の前記ステップS58〜ステップS63までの処理は行わないようにしてもよく、そうすることで、一次側循環ポンプ43を作動させても一次側循環ポンプ43のキャビテーションが発生することなく、一次側循環回路42内の循環不良を招かずに暖房端末41が設置された室内の最低限の暖房ができ、室内を無暖房状態にしてしまうことがないものである。
次に、本発明の第5の実施形態について説明するが、この実施形態は先に説明した第1の実施形態と同一部分については同一符号を付し説明を省略して相違する構成や作動についてのみ説明する。
56は給水管8に設けられ給水の圧力を検出する給水圧センサ、57は給水圧センサ56の検出する給水圧に基づいて、給水圧が低下したことを検知する給水圧低下検知手段であり、この給水圧低下検知手段57は前記ヒーポン制御部35が有しているものである。なお、前記給水圧センサ56が検出した給水圧の値は、貯湯制御部24を介してヒーポン制御部35側に送られ、ヒーポン制御部35が有する給水圧低下検知手段57で検知されるものであり、給水圧低下検知手段57は検知したその給水圧の値に基づいて、例えば減圧弁21の設定圧力値(例えば170kPa)と比較して前記検知したその給水圧の値が設定圧力値以下であると判断すると、給水圧が低下したとしてヒーポン制御部35に検知信号を出力し、ヒーポン制御部35が給水圧低下検知手段57からの検知信号を受けると、循環ポンプ30の目標回転数を所定の回転数に設定するものである。なお、給水圧の低下は、断水になったり冬期等において不凍水栓22を開栓し減圧弁21より上流側で給水管8内の水が抜かれる等により発生するものである。
次に、給水圧低下検知手段57が給水圧低下を検知した場合の前記循環回路9の凍結防止動作について、図18に示すフローチャートを用いて説明すると、給水圧低下検知手段57は給水圧センサ56で検出したその給水圧の値に基づいて、例えば減圧弁21の設定圧力値(例えば170kPa)と比較して、その給水圧の値が設定圧力値以下であると判断すると、給水圧が低下したとしてヒーポン制御部35に検知信号を出力するものであり、ヒーポン制御部35は、給水圧低下検知手段57からの検知信号があるか否かを判断し(ステップS64)、ヒーポン制御部35は、前記ステップS64で給水圧低下検知手段57からの検知信号を受けると、循環ポンプ30の目標回転数を最低回転数(例えば300rpm)に予め設定しておき(ステップS65)、一方、前記ステップS64で給水圧低下検知手段57からの検知信号を受けていないと判断すると、ヒーポン制御部35は循環ポンプ30の目標回転数を、循環回路9の凍結防止で通常使用する回転数(例えば2000rpm)に設定しておき(ステップS66)、続いて、外気温度センサ32の検出する外気温度が所定温度以下であるか否かを判断する(ステップS67)。
前記ステップS67で、ヒーポン制御部35は外気温度センサ32の検出する外気温度が所定温度(例えば3℃)以下であると判断すると、前記ステップS65あるいは前記ステップS66で設定した目標回転数で作動するように循環ポンプ30の作動を開始させ(ステップS68)、循環回路9の凍結防止動作を開始し、そして、循環回路9の凍結防止が完了したか否かを判断し(ステップS69)、例えば予め設定された所定時間が経過してその時に熱交入口温度センサ33の検出する湯水の温度が所定温度(例えば10℃)以上になり循環回路9の凍結防止が完了したと判断すれば、循環ポンプ30の作動を停止させて循環回路9の凍結防止動作を終了するものである。
以上説明した給水圧低下検知手段57が給水圧低下を検知した場合の前記循環回路9の凍結防止動作において、前記ステップS64でヒーポン制御部35は給水圧低下検知手段57からの検知信号を受けると、ステップS65で凍結防止動作の前に循環ポンプ30の目標回転数を最低回転数に設定しておくので、その後、循環回路9の凍結防止動作が必要となり前記ステップS68で循環ポンプ30の作動を開始させたとしてもキャビテーションが発生することなく、循環回路9内の循環不良を招くことがなく循環回路9凍結防止ができるものであり、さらに、循環ポンプ30のキャビテーションに起因した循環ポンプ30で生じる騒音や振動や壊食を未然に防止すると共に循環ポンプ30の寿命が縮むのを未然に防止することができるものである。
また、前記給水圧低下検知手段57は、給水圧センサ56が検出する給水圧に基づいて、給水圧が低下したことを検知するようにしたので、簡単な構成で確実に給水圧の低下を検知することができるものである。
なお、本発明は上記の第5の実施形態に限定されるものではなく、上記の第5の実施形態では、循環回路9の凍結防止動作が行われる前に、ヒーポン制御部35が給水圧低下検知手段57からの検知信号を受けた時は、前記ステップS65で循環ポンプ30の目標回転数を最低回転数に設定しておくようにしていたが、前記凍結防止動作が行われる前はヒーポン制御部35が給水圧低下検知手段57からの検知信号を受けておらず、前記凍結防止動作中にヒーポン制御部35が給水圧低下検知手段57からの検知信号を受けた時には、循環ポンプ30の作動を停止させ、前記目標回転数を最低回転数に補正し、再び循環ポンプ30の作動を開始させて循環回路9の凍結防止動作を再開するようにしてもよいものである。そうすることで、循環ポンプ30のキャビテーションが発生したとしても、循環ポンプ30で生じる騒音や振動や壊食を最小限に抑えることができ、循環ポンプ30の寿命が縮むのを抑制することができるものであり、さらに、循環ポンプ30の目標回転数を最低回転数に補正したので、その後に循環ポンプ30を作動させてもキャビテーションが発生することないものであり、循環回路9内の循環不良を招かずに循環回路9の凍結を防止することができるものである。
また、前記ステップS64で、ヒーポン制御部35は、給水圧低下検知手段57からの検知信号を受けた時に、給水圧が低下したことを意味するエラーコードを給湯リモコン5の表示部6に表示させ、給湯リモコン5のスピーカ(図示せず)から警報音を発する等によりエラーが発生したことを報知させるようにしてもよく、そうすることで、正常な状態で沸き上げ動作が行えないことをユーザーに注意を促すことができ、さらに、このエラーが解除されるまで圧縮機25及び循環ポンプ30を作動させて貯湯タンク2内の湯水を加熱する沸き上げ動作を行わないようにしてもよく、そうすることで、循環ポンプ30のキャビテーションに起因した循環ポンプ30で生じる騒音や振動や壊食を未然に防止すると共に循環ポンプ30の寿命が縮むのを未然に防止することができ、次回沸き上げ動作を行う時であっても安心・安全な状態で使用できるものである。
また、前記給水圧低下検知手段57は、給水圧センサ56の検出する給水圧に基づいて給水圧の低下を検知するようにしたが、前記給水管8に接続された不凍水栓22が開放されたことを検知することで、給水圧が低下したことを検知するようにしてもよいものである。
また、給水圧低下検知手段57は制御部であるヒーポン制御部35が有しているが、制御部を貯湯制御部24として貯湯制御部24が給水圧低下検知手段57を有していてもよいものであり、貯湯制御部24及びヒーポン制御部35を1つにまとめて制御部として、この制御部が給水圧低下検知手段57を有していてもよいものであり、また、貯湯制御部24やヒーポン制御部35と通信可能な状態で独立して給水圧低下検知手段57を貯湯タンクユニット1内またはヒートポンプユニット3内に設けてもよいものである。
次に、第6の実施形態について説明するが、この実施形態は先に説明した第2の実施形態に第5の実施形態で述べた給水圧センサ56を設けると共に、第2の実施形態のキャビテーション検知手段36及び実回転数検知手段37の代わりに第5の実施形態の給水圧低下検知手段57を設けたものであり、その他の同一部分については同一符号を付し説明を省略して相違する構成や作動についてのみ説明する。
ここで、前記給水圧センサ56が検出した給水圧の値は、貯湯制御部24を介してヒーポン制御部35側に送られ、ヒーポン制御部35が有する給水圧低下検知手段57で検知されるものであり、給水圧低下検知手段57は検知したその給水圧の値に基づいて、例えば減圧弁21の設定圧力値と比較して前記検知したその給水圧の値が設定圧力値以下であると判断すると、給水圧が低下したとしてヒーポン制御部35に検知信号を出力し、前記ヒーポン制御部35は給水圧低下検知手段57からの検知信号を受けると、流量調整弁39の開度を所定の開度に設定するものである。
次に、給水圧低下検知手段57が給水圧低下を検知した場合の前記循環回路9の凍結防止動作について、図21に示すフローチャートを用いて説明すると、給水圧低下検知手段57は給水圧センサ56で検出したその給水圧の値に基づいて、例えば減圧弁21の設定圧力値(例えば170kPa)と比較して、その給水圧の値が設定圧力値以下であると判断すると、給水圧が低下したとしてヒーポン制御部35に検知信号を出力するものであり、ヒーポン制御部35は、給水圧低下検知手段57からの検知信号があるか否かを判断し(ステップS70)、ヒーポン制御部35は、前記ステップS70で給水圧低下検知手段57からの検知信号を受けると、流量調整弁39開度を閉状態から開くように最大開度にし(ステップS71)、一方、前記ステップS70で給水圧低下検知手段57からの検知信号を受けていないと判断すると、ヒーポン制御部35は流量調整弁39を閉状態にし(ステップS72)、続いて、外気温度センサ32の検出する外気温度が所定温度以下であるか否かを判断する(ステップS73)。
前記ステップS73で、ヒーポン制御部35は外気温度センサ32の検出する外気温度が所定温度以下であると判断すると、前記ステップS71あるいは前記ステップS72で設定した流量調整弁39の開度のまま、循環ポンプ30を目標回転数で作動するように循環ポンプ30の作動を開始させ(ステップS74)、循環回路9の凍結防止動作を開始し、そして、循環回路9の凍結防止が完了したか否かを判断し(ステップS75)、例えば予め設定された所定時間が経過してその時に熱交入口温度センサ33の検出する湯水の温度が所定温度以上になり循環回路9の凍結防止が完了したと判断すれば、循環ポンプ30の作動を停止させて循環回路9の凍結防止動作を終了するものである。
以上説明した給水圧低下検知手段57が給水圧低下を検知した場合の前記循環回路9の凍結防止動作において、前記ステップS70でヒーポン制御部35は給水圧低下検知手段57からの検知信号を受けると、ステップS71で凍結防止動作の前に流量調整弁39の開度を最大開度にしておくので、その後、給水圧低下を検知している状態で、循環回路9の凍結防止動作が必要となり前記ステップS74で循環ポンプ30の作動を開始させたとしてもキャビテーションが発生することなく、循環回路9内の循環不良を招くことがなく循環回路9凍結防止ができるものであり、さらに、循環ポンプ30のキャビテーションに起因した循環ポンプ30で生じる騒音や振動や壊食を未然に防止すると共に循環ポンプ30の寿命が縮むのを未然に防止することができるものである。
また、前記給水圧低下検知手段57は、給水圧センサ56が検出する給水圧に基づいて、給水圧が低下したことを検知するようにしたので、簡単な構成で確実に給水圧の低下を検知することができるものである。
なお、本発明は上記の第6の実施形態に限定されるものではなく、上記の第6の実施形態では、循環回路9の凍結防止動作が行われる前に、ヒーポン制御部35が給水圧低下検知手段57からの検知信号を受けた時は、前記ステップS71で流量調整弁39の開度を最大開度にするようにしていたが、前記凍結防止動作が行われる前にはヒーポン制御部35が給水圧低下検知手段57からの検知信号を受けておらず、前記凍結防止動作中にヒーポン制御部35が給水圧低下検知手段57からの検知信号を受けた時には、循環ポンプ30の作動を停止させ、流量調整弁39の開度を最大開度に調整し、再び循環ポンプ30の作動を開始させて循環回路9の凍結防止動作を再開するようにしてもよいものである。そうすることで、循環ポンプ30のキャビテーションが発生したとしても、循環ポンプ30で生じる騒音や振動や壊食を最小限に抑えることができ、循環ポンプ30の寿命が縮むのを抑制することができるものであり、さらに、流量調整弁39の開度を最大開度に調整したので、その後に循環ポンプ30を作動させてもキャビテーションが発生することないものであり、循環回路9内の循環不良を招かずに循環回路9の凍結を防止することができるものである。
次に、本発明の第7の実施形態について説明するが、この実施形態は先に説明した第3の実施形態に第5の実施形態で述べた給水圧センサ56を設けると共に、第3の実施形態の暖房ポンプキャビテーション検知手段52及び暖房ポンプ実回転数検知手段53の代わりに第5の実施形態の給水圧低下検知手段57を暖房制御部51に設けたものであり、その他の同一部分については同一符号を付し説明を省略して相違する構成や作動についてのみ説明する。
ここで、前記給水圧センサ56が検出した給水圧の値は、暖房制御部51が有する給水圧低下検知手段57で検知されるものであり、給水圧低下検知手段57は検知したその給水圧の値を、例えば減圧弁21の設定圧力値(例えば170kPa)と比較して前記検知したその給水圧の値が設定圧力値以下であると判断すると、給水圧が低下したとして暖房制御部51に検知信号を出力し、前記暖房制御部51は給水圧低下検知手段57からの検知信号を受けると、一次側循環ポンプ43の目標回転数を所定の回転数に設定するものである。なお、給水圧の低下は、断水になったり冬期等において不凍水栓22を開栓し減圧弁21より上流側で給水管8内の水が抜かれる等により発生するものである。
次に、給水圧低下検知手段57が給水圧低下を検知した場合の前記暖房運転について、図24に示すフローチャートを用いて説明すると、給水圧低下検知手段57は給水圧センサ56で検出したその給水圧の値に基づき、例えば減圧弁21の設定圧力値(例えば170kPa)と比較して、その給水圧の値が設定圧力値以下であると判断すると、給水圧が低下したとして暖房制御部51に検知信号を出力するものであり、暖房制御部51は、給水圧低下検知手段57からの検知信号があるか否かを判断し(ステップS76)、暖房制御部51は、前記ステップS76で給水圧低下検知手段57からの検知信号を受けると、一次側循環ポンプ43の目標回転数を最低回転数(例えば300rpm)に予め設定しておき(ステップS77)、一方、前記ステップS76で給水圧低下検知手段57からの検知信号を受けていないと判断すると、暖房制御部51は一次側循環ポンプ43の目標回転数を、暖房運転で通常使用する回転数(例えば3500rpm)に予め設定しておき(ステップS78)、続いて、暖房制御部51は暖房運転指示手段50から暖房運転開始の指示信号があるか否かを判断する(ステップS79)。
前記ステップS79で、暖房制御部51は暖房運転指示手段50からの暖房運転開始の指示信号受けると、前記ステップS77あるいは前記ステップS78で設定した目標回転数で作動するように一次側循環ポンプ43の作動を開始させる(ステップS80)と共に、二次側循環ポンプ46の作動を開始させ、暖房運転を開始させるものである。そして、暖房制御部51は暖房運転指示手段50にて暖房運転停止の指示信号があるか否かを判断し(ステップS81)、暖房制御部51は暖房運転指示手段50からの暖房運転停止の指示信号を受けると、一次側循環ポンプ43及び二次側循環ポンプ46の作動を停止させ暖房運転を終了するものである。
以上説明した給水圧低下検知手段57が給水圧低下を検知した場合の暖房運転において、前記ステップS76で暖房制御部51は給水圧低下検知手段57からの検知信号を受けると、ステップS77で暖房運転を開始する前に一次側循環ポンプ43の目標回転数を最低回転数に設定しておくので、その後、給水圧が低下している状態で暖房運転開始の指示があり前記ステップS80で一次側循環ポンプ43の作動を開始させたとしても、キャビテーションが発生することなく、一次側循環回路42内の循環不良を招くことがなく、室内の最低限の暖房ができ、室内を無暖房状態にしてしまうことがないものであり、さらに、一次側循環ポンプ43のキャビテーションに起因した一次側循環ポンプ43で生じる騒音や振動や壊食を未然に防止すると共に一次側循環ポンプ43の寿命が縮むのを未然に防止することができるものである。
また、前記給水圧低下検知手段57は、給水圧センサ56が検出する給水圧に基づいて、給水圧が低下したことを検知するようにしたので、簡単な構成で確実に給水圧の低下を検知することができるものである。
なお、本発明は上記の第7の実施形態に限定されるものではなく、上記の第7の実施形態では、給水圧低下検知手段57が給水圧低下を検知した場合の前記暖房運転について説明したが、前記ステップS79及び前記ステップS81を一次側循環回路42の凍結防止の開始及び一次側循環回路42の凍結防止の完了を判断するステップに置き換えて、給水圧低下検知手段57が給水圧低下を検知した場合の一次側循環回路42の凍結防止動作について説明するものとしてもよく、そうすることで、給水圧が低下している状態で一次側循環回路42の凍結防止動作により、前記ステップ80で一次側循環ポンプ43の作動が開始されたとしても、一次側循環回路42内の循環不良を招くことがなく、一次側循環回路42の凍結防止を行うことができ、さらに、一次側循環ポンプ43のキャビテーションに起因した一次側循環ポンプ43で生じる騒音や振動や壊食を未然に防止すると共に一次側循環ポンプ43の寿命が縮むのを未然に防止することができるものである。
また、前記暖房運転が行われる前に、暖房制御部51が給水圧低下検知手段57からの検知信号を受けた時は、前記ステップS77で一次側循環ポンプ43の目標回転数を最低回転数に設定しておくようにしていたが、暖房運転が行われる前には暖房制御部51が給水圧低下検知手段57からの検知信号を受けておらず、暖房運転中に暖房制御部51が給水圧低下検知手段57からの検知信号を受けた時には、一次側循環ポンプ43の作動を停止させ、一次側循環ポンプ43の目標回転数を最低回転数に補正し、再び一次側循環ポンプ43の作動を開始させて暖房運転を再開するようにしてもよいものである。そうすることで、一次側循環ポンプ43のキャビテーションが発生したとしても、一次側循環ポンプ43で生じる騒音や振動や壊食を最小限に抑えることができ、一次側循環ポンプ43の寿命が縮むのを抑制することができるものであり、さらに、一次側循環ポンプ43の目標回転数を最低回転数にしたので、その後に一次側循環ポンプ43を作動させてもキャビテーションが発生することないものであり、一次側循環回路42内の循環不良を招かずに室内の最低限の暖房ができ、室内を無暖房状態にしてしまうことがないものである。
また、前記給水圧低下検知手段57は、給水圧センサ56の検出する給水圧に基づいて給水圧の低下を検知するようにしたが、前記給水管8に接続された不凍水栓22が開放されたことを検知することで、給水圧が低下したことを検知するようにしてもよいものである。
次に、本発明の第8の実施形態について説明するが、この実施形態は先に説明した第7の実施形態に第4の実施形態で述べた暖房ポンプバイパス管54及び暖房流量調整弁55を設けたものであり、その他の同一部分については同一符号を付し説明を省略して相違する構成や作動についてのみ説明する。
ここで、前記給水圧センサ56が検出した給水圧の値は、暖房制御部51が有する給水圧低下検知手段57で検知されるものであり、給水圧低下検知手段57は検知したその給水圧の値を、例えば減圧弁21の設定圧力値と比較して前記検知したその給水圧の値が設定圧力値以下であると判断すると、給水圧が低下したとして暖房制御部51に検知信号を出力し、前記暖房制御部51は給水圧低下検知手段57からの検知信号を受けると、暖房流量調整弁55の開度を所定の開度に設定するものである。
次に、給水圧低下検知手段57が給水圧低下を検知した場合の前記暖房運転について、図27に示すフローチャートを用いて説明すると、給水圧低下検知手段57は給水圧センサ56で検出したその給水圧の値に基づき、例えば減圧弁21の設定圧力値と比較して、その給水圧の値が設定圧力値以下であると判断すると、給水圧が低下したとして暖房制御部51に検知信号を出力するものであり、暖房制御部51は、給水圧低下検知手段57からの検知信号があるか否かを判断し(ステップS82)、暖房制御部51は、前記ステップS82で給水圧低下検知手段57からの検知信号を受けると、暖房流量調整弁55の開度を閉状態から開くようにして最大開度とし(ステップS83)、一方、前記ステップS82で給水圧低下検知手段57からの検知信号を受けていないと判断すると、暖房制御部51は暖房流量調整弁55を閉状態とし(ステップS84)、続いて、暖房制御部51は暖房運転指示手段50から暖房運転開始の指示信号があるか否かを判断する(ステップS85)。
前記ステップS85で、暖房制御部51は暖房運転指示手段50からの暖房運転開始の指示信号受けると、前記ステップS83あるいは前記ステップS84で設定した暖房流量調整弁55の開度のまま、一次側循環ポンプ43を設定した目標回転数(例えば3500rpm)で作動させるように一次側循環ポンプ43の作動を開始させる(ステップS86)と共に、二次側循環ポンプ46の作動を開始させ、暖房運転を開始させるものである。そして、暖房制御部51は暖房運転指示手段50にて暖房運転停止の指示信号があるか否かを判断し(ステップS87)、暖房制御部51は暖房運転指示手段50からの暖房運転停止の指示信号を受けると、一次側循環ポンプ43及び二次側循環ポンプ46の作動を停止させ暖房運転を終了するものである。
以上説明した給水圧低下検知手段57が給水圧低下を検知した場合の暖房運転において、前記ステップS82で暖房制御部51は給水圧低下検知手段57からの検知信号を受けると、ステップS83で暖房運転を開始する前に暖房流量調整弁55の開度を最大開度にするので、その後、給水圧が低下している状態で暖房運転開始の指示があり前記ステップS86で一次側循環ポンプ43の作動を開始させたとしても、キャビテーションが発生することなく、一次側循環回路42内の循環不良を招くことがなく、室内の最低限の暖房ができ、室内を無暖房状態にしてしまうことがないものであり、さらに、一次側循環ポンプ43のキャビテーションに起因した一次側循環ポンプ43で生じる騒音や振動や壊食を未然に防止すると共に一次側循環ポンプ43の寿命が縮むのを未然に防止することができるものである。
また、前記給水圧低下検知手段57は、給水圧センサ56が検出する給水圧に基づいて、給水圧が低下したことを検知するようにしたので、簡単な構成で確実に給水圧の低下を検知することができるものである。
なお、本発明は上記の第8の実施形態に限定されるものではなく、上記の第8の実施形態では、給水圧低下検知手段57が給水圧低下を検知した場合の前記暖房運転について説明したが、前記ステップS82及び前記ステップS85を一次側循環回路42の凍結防止の開始及び一次側循環回路42の凍結防止の完了を判断するステップに置き換えて、給水圧低下検知手段57が給水圧低下を検知した場合の一次側循環回路42の凍結防止動作について説明するものとしてもよく、そうすることで、給水圧が低下している状態で一次側循環回路42の凍結防止動作により、前記ステップ86で一次側循環ポンプ43の作動が開始されたとしても、一次側循環回路42内の循環不良を招くことがなく、一次側循環回路42の凍結防止を行うことができ、さらに、一次側循環ポンプ43のキャビテーションに起因した一次側循環ポンプ43で生じる騒音や振動や壊食を未然に防止すると共に一次側循環ポンプ43の寿命が縮むのを未然に防止することができるものである。
また、前記暖房運転が行われる前に、暖房制御部51が給水圧低下検知手段57からの検知信号を受けた時は、前記ステップS83で暖房流量調整弁55の開度を最大開度にするようにしていたが、暖房運転が行われる前には暖房制御部51が給水圧低下検知手段57からの検知信号を受けておらず、暖房運転中に暖房制御部51が給水圧低下検知手段57からの検知信号を受けた時には、一次側循環ポンプ43の作動を停止させ、暖房流量調整弁55の開度を最大開度に調整し、再び一次側循環ポンプ43の作動を開始させて暖房運転を再開するようにしてもよいものである。そうすることで、一次側循環ポンプ43のキャビテーションが発生したとしても、一次側循環ポンプ43で生じる騒音や振動や壊食を最小限に抑えることができ、一次側循環ポンプ43の寿命が縮むのを抑制することができるものであり、さらに、暖房流量調整弁55の開度を最大開度に調整したので、その後に一次側循環ポンプ43を作動させてもキャビテーションが発生することないものであり、一次側循環回路42内の循環不良を招かずに室内の最低限の暖房ができ、室内を無暖房状態にしてしまうことがないものである。