JP2004019999A - フィン付き熱交換器およびその製造方法 - Google Patents
フィン付き熱交換器およびその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004019999A JP2004019999A JP2002173472A JP2002173472A JP2004019999A JP 2004019999 A JP2004019999 A JP 2004019999A JP 2002173472 A JP2002173472 A JP 2002173472A JP 2002173472 A JP2002173472 A JP 2002173472A JP 2004019999 A JP2004019999 A JP 2004019999A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- heat exchanger
- fin
- fins
- pitch
- finned
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F28—HEAT EXCHANGE IN GENERAL
- F28F—DETAILS OF HEAT-EXCHANGE AND HEAT-TRANSFER APPARATUS, OF GENERAL APPLICATION
- F28F1/00—Tubular elements; Assemblies of tubular elements
- F28F1/10—Tubular elements and assemblies thereof with means for increasing heat-transfer area, e.g. with fins, with projections, with recesses
- F28F1/12—Tubular elements and assemblies thereof with means for increasing heat-transfer area, e.g. with fins, with projections, with recesses the means being only outside the tubular element
- F28F1/24—Tubular elements and assemblies thereof with means for increasing heat-transfer area, e.g. with fins, with projections, with recesses the means being only outside the tubular element and extending transversely
- F28F1/32—Tubular elements and assemblies thereof with means for increasing heat-transfer area, e.g. with fins, with projections, with recesses the means being only outside the tubular element and extending transversely the means having portions engaging further tubular elements
- F28F1/325—Fins with openings
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B21—MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
- B21D—WORKING OR PROCESSING OF SHEET METAL OR METAL TUBES, RODS OR PROFILES WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
- B21D53/00—Making other particular articles
- B21D53/02—Making other particular articles heat exchangers or parts thereof, e.g. radiators, condensers fins, headers
- B21D53/08—Making other particular articles heat exchangers or parts thereof, e.g. radiators, condensers fins, headers of both metal tubes and sheet metal
- B21D53/085—Making other particular articles heat exchangers or parts thereof, e.g. radiators, condensers fins, headers of both metal tubes and sheet metal with fins places on zig-zag tubes or parallel tubes
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F24—HEATING; RANGES; VENTILATING
- F24F—AIR-CONDITIONING; AIR-HUMIDIFICATION; VENTILATION; USE OF AIR CURRENTS FOR SCREENING
- F24F1/00—Room units for air-conditioning, e.g. separate or self-contained units or units receiving primary air from a central station
- F24F1/0007—Indoor units, e.g. fan coil units
- F24F1/0059—Indoor units, e.g. fan coil units characterised by heat exchangers
- F24F1/0067—Indoor units, e.g. fan coil units characterised by heat exchangers by the shape of the heat exchangers or of parts thereof, e.g. of their fins
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F28—HEAT EXCHANGE IN GENERAL
- F28D—HEAT-EXCHANGE APPARATUS, NOT PROVIDED FOR IN ANOTHER SUBCLASS, IN WHICH THE HEAT-EXCHANGE MEDIA DO NOT COME INTO DIRECT CONTACT
- F28D1/00—Heat-exchange apparatus having stationary conduit assemblies for one heat-exchange medium only, the media being in contact with different sides of the conduit wall, in which the other heat-exchange medium is a large body of fluid, e.g. domestic or motor car radiators
- F28D1/02—Heat-exchange apparatus having stationary conduit assemblies for one heat-exchange medium only, the media being in contact with different sides of the conduit wall, in which the other heat-exchange medium is a large body of fluid, e.g. domestic or motor car radiators with heat-exchange conduits immersed in the body of fluid
- F28D1/04—Heat-exchange apparatus having stationary conduit assemblies for one heat-exchange medium only, the media being in contact with different sides of the conduit wall, in which the other heat-exchange medium is a large body of fluid, e.g. domestic or motor car radiators with heat-exchange conduits immersed in the body of fluid with tubular conduits
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F28—HEAT EXCHANGE IN GENERAL
- F28F—DETAILS OF HEAT-EXCHANGE AND HEAT-TRANSFER APPARATUS, OF GENERAL APPLICATION
- F28F2215/00—Fins
- F28F2215/04—Assemblies of fins having different features, e.g. with different fin densities
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F28—HEAT EXCHANGE IN GENERAL
- F28F—DETAILS OF HEAT-EXCHANGE AND HEAT-TRANSFER APPARATUS, OF GENERAL APPLICATION
- F28F2215/00—Fins
- F28F2215/08—Fins with openings, e.g. louvers
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Thermal Sciences (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Geometry (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Combustion & Propulsion (AREA)
- Heat-Exchange Devices With Radiators And Conduit Assemblies (AREA)
- Air Filters, Heat-Exchange Apparatuses, And Housings Of Air-Conditioning Units (AREA)
Abstract
【課題】熱交換能力を向上させることができながら、蒸発器として使用したときにフィン表面に凝縮する水をフィンに沿って円滑に流下させることができるフィン付き熱交換器を提供する。
【解決手段】前面側熱交換器20のフィン21の形状を、その風上側縁部および風下側縁部とのそれぞれが、互いにその延長線の交差部分の角度が同じ鈍角をなす2本の直線部22、23、および32、33と、これら2本の直線部22、23、および32、33の間を結ぶ1本の曲線部24、34とからなる略くの字形状に形成されている。この構成により、2本の直線部22、23、および32、33の間を1本の曲線部24、34で結んだので、この熱交換器20を後で折り曲げ加工する必要がなく、折り曲げたときに必要になるスペーサも当然要らない。
【選択図】 図1
【解決手段】前面側熱交換器20のフィン21の形状を、その風上側縁部および風下側縁部とのそれぞれが、互いにその延長線の交差部分の角度が同じ鈍角をなす2本の直線部22、23、および32、33と、これら2本の直線部22、23、および32、33の間を結ぶ1本の曲線部24、34とからなる略くの字形状に形成されている。この構成により、2本の直線部22、23、および32、33の間を1本の曲線部24、34で結んだので、この熱交換器20を後で折り曲げ加工する必要がなく、折り曲げたときに必要になるスペーサも当然要らない。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気調和機の室内ユニットに搭載されるフィン付き熱交換器およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に空気調和機の室内ユニットは、図5に示すように、筐体61に、前面の吸込み口62aおよび上面の吸込み口62bなど一箇所以上の吸込み口と、下面の吹出し口63など一箇所以上の吹出し口とが設けられ、この筐体61内に貫流送風機65とフィン付き熱交換器64とが収納されている。
【0003】
この従来のフィン付き熱交換器64は、筐体61内の前面側に配置され、上下方向中央部近辺で折り曲げ加工された主たる前面側熱交換器64Aと、筐体61内の背面側に配置された背面側熱交換器64Bと、前面側熱交換器64Aの前面にそれぞれ補助的に取り付けられた補助熱交換器64C、64Dとから構成されている。そして、前面側熱交換器64Aおよび背面側熱交換器64Bにより貫流送風機65を風上側から取り囲むような形態に配置して、限られた空間にできるだけ大きいフィン付き熱交換器を収納している。なお、補助熱交換器64C、64Dは熱交換能力を向上させるために設けているものだが、主たる前面側熱交換器64Aや背面側熱交換器64Bとは別の工程で製造した後、主たる前面側熱交換器64Aや背面側熱交換器64Bに追加接続されて取り付けられるもので、図5では、主たる前面側熱交換器64Aに追加接続されている場合を示している。また、前面側熱交換器64Aの折り曲げ部近辺には、単に前面側熱交換器64Aを折り曲げてフィンがない空間があいてしまうと、殆ど熱交換しないで気流がフィン付き熱交換器を通過してしまうおそれがあるため、このようなことがないように、スペーサ66が配設されている。
【0004】
これに対して、前面側熱交換器64Aの折り曲げ加工を不要にし、このスペーサ66をなくしながら、熱交換しないで気流がフィン付き熱交換器を通過してしまうようなことを防止する構造として、特許第3091830号公報に、前面側熱交換器を円弧状に形成したものが開示されて提案されている。
【0005】
この特許第3091830号公報には、図6および図7に示すように、前面側熱交換器71Aのフィン72の形状を貫流送風機73の周面の一部を囲むように円弧状に形成した空気調和機の室内ユニットが記載されている。この前面側熱交換器71Aに略直角に挿通された伝熱管74は、複数列設けられており、これらの伝熱管74の風上側列と風下側列とで互いに二等辺三角形を描くように配置されている。したがって結果的に、円弧形状部分の内側に配置されている風下側の伝熱管74の段ピッチAは、円弧形状部分の外側に配置されている風上側列の伝熱管74の段ピッチBよりも小さくなって形成されている。
【0006】
この構成によれば、スペーサ66が不要となるとともに、製造時のフィン72の材料においてスペーサ66に対応する箇所で廃材を生じないため、フィン72の材料の廃材を少なくでき、また各伝熱管74同士を連通させるヘアピンやリターンベンドの曲げピッチの種類が、A、B、Cの3種類だけで済む利点がある。また、スペーサ66を設けていないため、スペーサ66に対応する箇所分だけフィン72の面積が増加することとなり、熱交換能力が向上する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許第3091830号公報に開示されている構成のフィン付き熱交換器では、前面側熱交換器71Aが円弧状であり、フィン72の上部の傾斜が緩くなるため、フィン付き熱交換器を蒸発器として用いている場合に、フィン72の上部に凝縮する水が滞留したり、最悪の場合には、凝縮水がフィン72に沿って流れずに、貫流送風機73に水滴が落下して、吹出し口74から水滴が飛散するおそれがある。
【0008】
本発明は上記課題を解決するもので、熱交換能力を向上させることができながら、蒸発器として使用したときにフィン表面に凝縮する水をフィンに沿って円滑に流下させることができるフィン付き熱交換器を提供することを目的とするものである。また、フィン付き熱交換器を安価に製造することができるフィン付き熱交換器の製造方法を得ることを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、吸込み口と吹出し口とが設けられた筐体と、この筐体に収納された貫流送風機とを備えた空気調和機における、吸込み口から貫流送風機までの風回路の途中または貫流送風機から吹出し口までの風回路の途中に配設されたフィン付きの熱交換器であって、単数または複数の熱交換器から構成され、各熱交換器は、所定の間隔で平行に並べられ、その間を気体が流動する多数のフィンと、前記フィンに略直角に挿入され、内部を流体が流動する多数の伝熱管とを有し、少なくとも一部の熱交換器における前記フィンの風上側縁部および風下側縁部とのそれぞれが、互いにその延長線の交差部分の角度が同じ鈍角をなす2本の直線部と、これら2本の直線部の間を結ぶ1本の曲線部とからなる略くの字形状に形成されていることを特徴とする。
【0010】
この構成によれば、熱交換能力を向上させることができながら、蒸発器として使用したときにフィン表面に凝縮する水をフィンに沿って円滑に流下させることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
請求項1記載の発明は、吸込み口と吹出し口とが設けられた筐体と、この筐体に収納された貫流送風機とを備えた空気調和機における、吸込み口から貫流送風機までの風回路の途中または貫流送風機から吹出し口までの風回路の途中に配設されたフィン付きの熱交換器であって、単数または複数の熱交換器から構成され、各熱交換器は、所定の間隔で平行に並べられ、その間を気体が流動する多数のフィンと、前記フィンに略直角に挿入され、内部を流体が流動する多数の伝熱管とを有し、少なくとも一部の熱交換器における前記フィンの風上側縁部および風下側縁部とのそれぞれが、互いにその延長線の交差部分の角度が同じ鈍角をなす2本の直線部と、これら2本の直線部の間を結ぶ1本の曲線部とからなる略くの字形状に形成されていることを特徴とする。
【0012】
上記構成によれば、熱交換器のフィンの形状を、貫流送風機の周面の一部を囲むように、2本の直線部と、これら2本の直線部の間を結ぶ1本の曲線部とからなる略くの字形状に形成したので、筐体内の限られた空間に、より大きなフィン付き熱交換器を収納して、より大きな熱交換能力を発揮することができる。また、2本の直線部の間を1本の曲線部で結んだので、この熱交換器は後で折り曲げ加工する必要がなく、折り曲げたときに必要になるスペーサも当然要らない。さらに、このフィン付き熱交換器を蒸発器として使用した場合に、フィンに凝縮する水滴を、連続した直線部と曲線部とを伝って滑らかに流下させることができる。また、フィンの上側の直線部を鉛直に近い一定の角度で傾斜させて配置することで、蒸発時にフィンの表面に凝縮する水滴が滞留することを防止できる。
【0013】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のフィン付き熱交換器において、熱交換器のフィンにおける風上側縁部と風下側縁部とにそれぞれ設けられた曲線部が、同じ寸法形状であることを特徴とする。
【0014】
上記構成によれば、フィンを連続プレス加工する際、前記フィンの無駄な廃材をあまりつくることなく、効率的に生産することができる。
請求項3記載の発明は、請求項1または2に記載のフィン付き熱交換器において、曲線部の形状が円弧状であることを特徴とする。
【0015】
上記構成によれば、曲線部が簡単な円弧形状であるので、フィンのプレス金型の加工およびメンテナンスが容易になる。
請求項4記載の発明は、請求項1〜3の何れかに記載のフィン付き熱交換器において、フィン付き熱交換器が、筐体内の前面側に配設されている前面側熱交換器と、筐体内の背面側に配設されている背面側熱交換器とから構成され、前面側熱交換器におけるフィンの風上側縁部および風下側縁部とのそれぞれが略くの字形状に形成されていることを特徴とする。
【0016】
この構成によれば、前面側熱交換器を蒸発器として使用した場合に、前面側熱交換器のフィンに凝縮する水滴を、連続した直線部と曲線部とを伝って滑らかに流下させることができる。また、前面側熱交換器のフィンの上側の直線部を鉛直に近い一定の角度で傾斜させて配置することで、蒸発時にフィンの表面に凝縮する水滴が滞留することを防止できる。
【0017】
請求項5記載の発明は、請求項4に記載のフィン付き熱交換器において、背面側熱交換器の風上側縁部および風下側縁部の形状が互いに平行な直線で構成されていることを特徴とする。
【0018】
この構成によれば、背面側熱交換器が出っ張り部分などを有しない形状であるので、限られた筐体内の空間に、より大きなフィンを有する前面側熱交換器と背面側熱交換器とを収納できて、より大きな熱交換能力を発揮することができる。
【0019】
請求項6記載の発明は、請求項4または5に記載のフィン付き熱交換器において、前面側熱交換器および背面側熱交換器の風上側縁部の直線部と風下側縁部の直線部との間のフィン部に挿入される伝熱管は、気体の主流方向に対して直角方向となる段方向のピッチおよび気体の主流方向に沿う列方向のピッチをそれぞれすべて所定のピッチとし、前記前面側熱交換器の風上側縁部の曲線部と風下側縁部の曲線部との間のフィン部分に挿入される伝熱管の互いに連通接続される伝熱管同士のピッチを、前記段方向のピッチまたは前記列方向に隣接する伝熱管同士のピッチの何れかと等しくしたことを特徴とする。
【0020】
この構成によれば、伝熱管同士を連通して接続する全てのヘアピンや殆どのリターンベンドのピッチを必要最小限の2つのピッチだけで構成することができるので、曲げ加工機の設備投資を最小限で済ますことができる。
【0021】
請求項7記載の発明は、請求項4〜6の何れかに記載のフィン付き熱交換器において、気体の主流方向に対して直角方向となる段方向に隣接する伝熱管の間のフィン表面に、気体の主流方向に向かって開口する複数の切り起こしを設け、前記切り起こしの伝熱管寄りの立ち上がり部を前記伝熱管の円周に概略沿う方向に形成し、前記切り起こしの、気体の主流方向に沿う列方向の幅に対する前記列方向に隣接するフィン基板の幅の比を約2〜2.5としたことを特徴とする。
【0022】
この構成によれば、切り起こしの伝熱管寄りの立ち上がり部を伝熱管の円周に概略沿う方向に形成したことにより、フィンを通る気流を伝熱管の後流部に誘導することができて、有効伝熱面積を増加させることができ、熱交換性能を向上できる。また、切り起こしの、気体の主流方向に沿う列方向の幅に対する前記列方向に隣接するフィン部分の幅の比を約2〜2.5としたことにより、切り起こしの、気体の主流方向に沿う列方向の幅に対する前記列方向に隣接するフィン基板の幅の比を約3とした場合よりも熱交換能力を向上させることができる。また、切り起こしの、気体の主流方向に沿う列方向の幅に対する前記列方向に隣接するフィン部分の幅の比を約2以上としたので、この比が2よりも小さくした場合のように、切り起こしがその風上側に隣接する切り起こしの温度境界層に埋没して高い伝熱性能が得られなくなるという不具合を防止することができる。
【0023】
請求項8記載の発明は、請求項7に記載のフィン付き熱交換器において、フィンの厚み方向に沿う切り起こしの高さを、隣接するフィン同士のピッチの約1/4〜約3/4に構成したことを特徴とする。
【0024】
この構成によれば、同一騒音時の風量を増加させることができて、より大きな熱交換能力を発揮することができる。つまり、切り起こしの高さを、隣接するフィン同士のピッチの1/4以下や3/4以上にした場合には、切り起こしと、切り起こしに隣り合う平板部との間で気流に対して干渉を起こし易くなって、騒音が大きくなることがあるが、このようなことがない。
【0025】
請求項9記載の発明は、請求項8に記載のフィン付き熱交換器において、切り起こしの高さを、フィンにおける還流送風機に接近して、風速が大きい領域については隣接する前記フィン同士のピッチの約1/2とし、他の領域については隣接する前記フィン同士のピッチの約3/4としたことを特徴とする。
【0026】
この構成によれば、風速分布をより均一化することができるので、より大きな熱交換能力を発揮することができる。
請求項10記載の発明は、請求項4〜9の何れかに記載のフィン付き熱交換器おいて、気体の主流方向に沿う列方向に隣接する2つの伝熱管の間において、内部を流れる冷媒流体の温度差がある箇所の、フィンにおける前記2つの伝熱管の列間中央部箇所に、気体の主流方向に対して直角方向となる段方向に概略沿う方向に切り込みを設けたことを特徴とする。
【0027】
この構成によれば、フィンに設けた切り込みにより、冷媒流体の温度差がある2つの伝熱管の間で熱が伝わり難くなって、フィンを通した熱伝導による熱交換ロスを防ぐことができ、熱交換能力を低下させることを防止できる。
【0028】
請求項11記載の発明は、請求項1〜10の何れかに記載のフィン付き熱交換器において、少なくとも一部の熱交換器が、気体の主流方向に対して直角方向となる段方向に再熱器と蒸発器とに分けて使用して除湿運転を行うことが可能に構成され、フィンにおける再熱器の領域と蒸発器の領域との間に、切断しない部分をごくわずか残してほぼ完全に切断する切り込みを設けたことを特徴とする。
【0029】
この構成によれば、フィンにおける再熱器の領域と蒸発器の領域との間に切り込みが設けられているので、フィンの熱伝導による大幅な能力の低下を防ぐことができる。また、フィン付き熱交換器全体を蒸発器として使用する場合に、前記フィンの表面に凝縮する水を、切り込みに滞留させることなく、フィンのごくわずかだが繋がっている部分を通って円滑に流下させることができる。
【0030】
請求項12記載の発明は、請求項1〜11の何れかに記載のフィン付き熱交換器において、少なくとも一部の熱交換器の、凝縮器またはガスクーラーとして使用する際の冷媒出口寄りの伝熱管あるいは蒸発器として使用する際の入口寄りの伝熱管の直径を、前記熱交換器の他の何れの箇所よりも細くしたことを特徴とする。
【0031】
この構成によれば、熱交換器の、凝縮器またはガスクーラーとして使用する際の冷媒出口寄りの伝熱管あるいは蒸発器として使用する際の入口寄りの伝熱管の直径を細くしたので、伝熱管内の熱伝達率を向上させ、熱交換能力を増大させることができる。また、この領域の冷媒は密度が大きいので冷媒流通抵抗はあまり増大させることがなく、熱交換能力の増大を妨げることはない。
【0032】
請求項13記載の発明は、請求項1〜12の何れかに記載のフィン付き熱交換器において、少なくとも一部の熱交換器の、凝縮器またはガスクーラーとして使用する際の冷媒入口寄りの伝熱管あるいは蒸発器として使用する際の出口寄りの伝熱管の直径を、前記熱交換器の他の何れの箇所よりも太くしたことを特徴とする。
【0033】
この構成によれば、熱交換器の、凝縮器またはガスクーラーとして使用する際の冷媒入口寄りの伝熱管あるいは蒸発器として使用する際の出口寄りの伝熱管の直径を太くしたことにより、伝熱管内の熱伝達率は若干低下するが、冷媒流通抵抗を大幅に低下させることができ、その結果、熱交換能力としては大幅に増大させることができる。
【0034】
請求項14記載の発明は、請求項1〜13の何れかに記載のフィン付き熱交換器において、伝熱管の内部を流動する冷媒の流体として、HFCまたはHCまたは二酸化炭素を用いることを特徴とする。
【0035】
この構成により、オゾン破壊係数の小さい冷媒を用いることとなり、さらにHC冷媒や二酸化炭素は地球温暖化係数が小さい冷媒なので、地球環境の保護に貢献することができる。
【0036】
請求項15記載の発明は、請求項1〜14の何れかに記載のフィン付き熱交換器において、フィン付き熱交換器が、筐体内の前面側に配設されている前面側熱交換器と、筐体内の背面側に配設されている背面側熱交換器とから構成され、前面側熱交換器のフィンの上端部と背面側熱交換器のフィンの上端部とが繋がった状態で製造されるフィン付き熱交換器であって、前面側熱交換器のフィンの上端部と背面側熱交換器のフィンの上端部とが繋がった状態のフィンにおける、伝熱管を挿入するためのフィンカラーの、気体の主流方向に対して直角方向となる段方向に対するピッチを、前記前面側熱交換器と前記背面側熱交換器との境界部で隣接する箇所のフィンカラーのピッチが、前記前面側熱交換器および前記背面側熱交換器のフィンカラーのピッチよりも短くなるように構成したことを特徴とする。
【0037】
この構成によれば、前面側熱交換器と背面側熱交換器との境界部で隣接する箇所のフィンカラーの段方向のピッチを、前面側熱交換器および背面側熱交換器のフィンカラーの段方向のピッチと同等にした場合と比較して、フィン材の廃材を少なくすることができる。
【0038】
請求項16記載の発明は、筐体内の前面側に配設されている前面側熱交換器と、筐体内の背面側に配設されている背面側熱交換器とから構成された、請求項1〜15の何れかに記載のフィン付き熱交換器を製造する方法であって、前面側熱交換器のフィンの上端部と背面側熱交換器のフィンの上端部とが境界部で繋がった状態の1枚のフィンとして連続的にプレス加工し、これらのフィンを多数積層して伝熱管を挿入した後、前記フィンを前面側熱交換器と背面側熱交換器との境界部で切断して、前記前面側熱交換器と前記背面側熱交換器とに分離することを特徴とする。
【0039】
この方法によれば、前面側熱交換器と背面側熱交換器とを個別に製造する場合に比べて、効率的にフィン付き熱交換器を製造することができる。また、1枚のフィンに切り起こしの高さが異なるものを混在させたり、1枚のフィンに挿入する伝熱管の直径の異なるものを混在させることが可能となる。
【0040】
請求項17記載の発明は、筐体内の前面側に配設されている前面側熱交換器と、筐体内の背面側に配設されている背面側熱交換器とから構成され、前面側熱交換器のフィンの上端部と背面側熱交換器のフィンの上端部とが繋がった状態のフィンにおける、伝熱管を挿入するためのフィンカラーの、気体の主流方向に対して直角方向となる段方向に対するピッチを、前記前面側熱交換器と前記背面側熱交換器との境界部で隣接する箇所のフィンカラーのピッチが、前記前面側熱交換器および前記背面側熱交換器のフィンカラーのピッチよりも短くなるように構成されている請求項15に記載のフィン付き熱交換器を製造する方法であって、前面側熱交換器のフィンの上端部と背面側熱交換器のフィンの上端部とが境界部で繋がった状態の1枚のフィンとして連続的にプレス加工し、この連続プレス加工する際に、後で伝熱管を挿入するためのフィンカラーのピッチを前記前面側熱交換器と前記背面側熱交換器のそれぞれのフィンカラーが前記段方向に隣接する部分については、他の所定の段方向のピッチよりも短く形成し、これらのフィンを多数積層して伝熱管を挿入した後、前記フィンを前面側熱交換器と背面側熱交換器との境界部で切断して、前記前面側熱交換器と前記背面側熱交換器とに分離することを特徴とする。
【0041】
この方法によれば、前面側熱交換器と背面側熱交換器との境界部で隣接する箇所のフィンカラーの段方向のピッチを、前面側熱交換器および背面側熱交換器のフィンカラーの段方向のピッチと同等にした場合と比較して、フィン材の廃材を少なくすることができる。
【0042】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細な説明を行う。
まず、本発明の実施の形態に係るフィン付き熱交換器が搭載される空気調和機の室内ユニットについて図1に基づき説明する。図1はこの室内ユニットの縦断面図である。
【0043】
図1に示すように、この空気調和機の室内ユニット1の筐体2には、前面と上面とに吸込み口3a、3bが設けられ、また下面に吹出し口4が設けられ、筐体2内には、貫流送風機5とフィン付き熱交換器10とが収納されている。
【0044】
このフィン付き熱交換器10は、筐体2内の前面側に配置された前面側熱交換器20と、筐体2内の背面側に配置された背面側熱交換器40とから構成されている。そして、前面側熱交換器20および背面側熱交換器40により貫流送風機5を風上側から取り囲むような形態に配置している。各熱交換器20、40は、所定の間隔で平行に並べられ、その間を空気が流動する多数のフィン21、41と、これらのフィン21、41に略直角に挿入され、内部を冷媒流体が流動する多数の伝熱管11とを有し、前面側熱交換器20と背面側熱交換器40とは、そのフィン21、41同士は分離されているが、伝熱管11が連通されることにより一つの熱交換器として作用する。
【0045】
これらの前面側熱交換器20と背面側熱交換器40とのフィン21、41は、図2、図3に示すように、これらの上端部同士が境界部で繋がった状態の1枚のフィン13として連続的にプレス加工して製造される。
【0046】
ここで、図2は本発明の実施の形態にかかるフィン付き熱交換器のフィンをプレス加工した直後の状態における1枚のフィンの平面図、図3はその要部拡大平面図である。図4は、図2のフィンを連続プレス加工してできる2枚のフィンをプレスの送り方向に連続して並べたイメージを示す平面図である。
【0047】
図2に示すように、前面側熱交換器20のフィン21の風上側縁部および風下側縁部とのそれぞれは、互いにその延長線の交差部分の角度α、βが同じ鈍角をなす2本の直線部22、23および32、33と、これら2本の直線部22、23と32、33との間をそれぞれ結ぶ各1本の曲線部24、34とからなる略くの字形状に形成されている。ここで、曲線部24、34としての形状は、楕円曲線、双曲線、スプラインなどがあるが、本実施の形態では、図1から図3に示すように円弧形状とした。風上側縁部の円弧形状の曲線部24と、風下側縁部の円弧形状の曲線部34との曲率半径は同じであり、同じ寸法形状である。また、背面側熱交換器40のフィン41の風上側縁部および風下側縁部は平行な直線部42、43で構成されている。
【0048】
したがって、図3に示すように、フィン13(21、41)が金属板から連続プレス加工されて製造される際に、フィン付き熱交換器10の収納の都合上などから、その両端部や前面側熱交換器20と背面側熱交換器40との間となる箇所に、カットする必要がある廃材51、52、53をわずかに生じるだけであり、他は無駄なく用いられて、連続してフィン13が造られる。
【0049】
各フィン13には所定の間隔でフィンカラー12が丸孔形状にバーリング加工され、このフィンカラー12には、図1に示すように、伝熱管11が挿入される。図2に示すように、フィンカラー12における、気体(空気)の主流方向に対して直角方向となる、いわゆる段方向のピッチと、気体の主流方向に沿う、いわゆる列方向のピッチとは、フィン21の風上側縁部の直線部22と風下側縁部の直線部32とに挟まれたフィン部分、風上側縁部の直線部23と風下側縁部の直線部33とに挟まれたフィン部分、およびフィン41の風上側縁部の直線部42と風下側縁部の直線部43とに挟まれたフィン部分のそれぞれが、列方向のピッチが全てAとなり、列方向のピッチが全てDとなるように形成されている。
【0050】
また、図2に示すように、風上側縁部の円弧形状の曲線部24と風下側縁部の円弧形状の曲線部34とに挟まれたフィン部分のフィンカラー12のピッチを、フィンカラー12に挿入される伝熱管11が互いに連通接続されるもの同士については、段方向のピッチAまたは列方向に隣接する伝熱管同士のピッチCの何れかと等しく形成されている。さらに、前面側熱交換器20と背面側熱交換器40とのそれぞれのフィンカラー12が段方向に隣接する部分のピッチについては、図2に示すように、他の所定の段方向のピッチAよりも短いピッチEとなるように形成されている。
【0051】
また、図2、図3に示すように、フィン13(21、41)における段方向に隣接するフィンカラー12間の箇所には、気体の主流方向に開口する風上から順に3つの切り起こし14、15、16が設けられ、切り起こし14、15、16のフィンカラー12寄り箇所、すなわち伝熱管11寄り箇所に設けられた切り起こし14、15、16の立ち上がり部14a、15a、16aは、伝熱管11の円周に概略沿う方向に形成されている。
【0052】
ここで、図3に示すように、切り起こし14、15、16の列方向の幅Wsに対する、列方向に隣接する切り起こし14、15、16間のフィン部分の幅(列方向に隣接するフィン21、41の平板部分の幅)Wbの比Wb/Wsは、約2〜約2.5となるように形成されている。また、フィン21、41の厚み方向に沿う切り起こし14、15、16の高さは、隣接するフィン11同士のピッチの約1/4〜約3/4となるように形成されている。さらに、高い熱交換性能を得るべく、切り起こし14、15、16の高さを、風速が大きい領域、例えば図1において貫流送風機5に接近していて高風速となる領域F(図1参照)については、隣接する21、41同士のピッチの約1/2とし、他の領域については隣接するフィン11同士のピッチの約3/4とされている。
【0053】
また、図2、図3に示すように、列方向に隣接する2つの伝熱管11の間において、内部を流れる冷媒流体の温度差がある、これら2つの伝熱管11(フィンカラー12)の列間中央部のフィン部分に、概略段方向に沿う方向に切り込み17が設けられている。
【0054】
また、空気調和機を除湿運転し、室内ユニット1のフィン付き熱交換器10を段方向に再熱器と蒸発器とに分けて使用する場合には、図1に示す前面熱交換器21の曲線部24、34から下側を蒸発器として用い、他を再熱器として用いるが、この場合におけるフィン21における再熱器の領域と蒸発器の領域との間の箇所に、切断しない部分18をごくわずか残してほぼ完全に切断する切り込み19が設けられている。
【0055】
また、空気調和機を暖房運転し、室内ユニット1のフィン付き熱交換器10を凝縮器またはガスクーラーとして使用する際の冷媒出口寄りの伝熱管11aの直径は他の何れの箇所よりも細く形成されている。なお、この最も細い伝熱管11aを用いる領域は、空気調和機を冷房運転するときには、室内ユニット1のフィン付き熱交換器10が蒸発器として使用され、伝熱管11内の冷媒は逆にながれるので、入口寄りの領域となる。
【0056】
また、空気調和機を冷房運転し、室内ユニット1のフィン付き熱交換器10を蒸発器として使用する際の出口寄りの伝熱管11bの直径を他の何れの箇所よりも太く形成されている。なお、この最も太い伝熱管11bを用いる領域は、空気調和機を暖房運転するときには、室内ユニット1のフィン付き熱交換器10が凝縮器またはガスクーラーとして使用され、伝熱管11内の冷媒は逆に流れるので、入口寄りの領域となる。さらに、フィン付き熱交換器10の伝熱管11の内部を流動する流体としては、HFC冷媒またはHC冷媒または二酸化炭素が用いられる。
【0057】
これらの前面側熱交換器20と背面側熱交換器40とのフィン21、41は、上述したように、これらの上端部同士が境界部で繋がった状態の1枚のフィン13として連続的にプレス加工して製造され、これらのフィン13を多数積層させた後、フィンカラー12に伝熱管11を挿入し、前面側熱交換器20と前記背面側熱交換器40とがフィン13(21、41)で繋がった状態で製造してから、前面側熱交換器20と前記背面側熱交換器40とをそのフィン21、41の箇所で切断して、前面側熱交換器20と背面側熱交換器40とに分離して製造される。
【0058】
この前面側熱交換器20および背面側熱交換器40からなるフィン付き熱交換器10を筐体2内に収納した空気調和機の室内ユニット1によれば、前面側熱交換器20のフィン21の風上側縁部および風下側縁部はそれぞれが、同じ鈍角をなす2本の直線部22、23と32、33および2本の直線部22、23と32、33との間を結ぶ1本の曲線部24、34からなる略くの字状に形成したことにより、限られた空間に、より大きなフィン付き熱交換器10を収納できて、大きな熱交換能力を発揮することができる。また、前面側熱交換器20は後で折り曲げ加工する必要がなく、折り曲げたときに必要になるスペーサも当然要らないので、スペーサの組付け工程が不要となって組立ての際の手間を省くことができるとともに、より大きな熱交換能力を発揮できる。直線部22、23、32、33同士が曲線部24、34によりなだらかな形状で接続されているので、このフィン付き熱交換器10を蒸発器として使用する場合に、前面側熱交換器20と背面側熱交換器40とのそれぞれのフィン21、41に凝縮する水滴は連続したそれぞれのフィン21、41を伝い、滑らかに流下することができる。さらに前面側熱交換器20のフィン21の上側は風上側縁部の直線部22と風下側縁部の直線部32に囲まれた鉛直に近い一定の角度で傾斜しているので、蒸発時にフィン21の表面に凝縮する水滴が滞留することもない。
【0059】
また、前面側熱交換器20のフィン21における風上側縁部の曲線部24と風下側縁部の曲線部34とを同じ寸法形状としたことにより、図4に示すように、フィン13(21、41)を連続プレス加工する際に、無駄な廃材をあまり作らなくても済み、効率的に生産することができる。
【0060】
また、前面側熱交換器20のフィン21の風上側縁部および風下側縁部のそれぞれの曲線部24、34を単純な形状である円弧状としたことにより、フィン13のプレス金型の加工およびメンテナンスが容易になる。
【0061】
また、背面側熱交換器40の風上側縁部および風下側縁部を平行な直線部42、43で構成したことにより、背面側熱交換器40の風上側縁部および風下側縁部を例えば湾曲形状に構成した場合に比べて、少ない前後寸法に配置でき、限られた空間に、より大きなフィン付き熱交換器10を収納できることとなって、より大きな熱交換能力を発揮することができる。
【0062】
また、前面側熱交換器20および背面側熱交換器40の風上側縁部の直線部22、23、42と風下側縁部の直線部32、33、43とに挟まれたフィン21、41の部分に挿入される伝熱管11は、段方向のピッチAおよび列方向のピッチDをそれぞれすべて所定のピッチとし、前面側熱交換器20の風上側縁部の曲線部24と風下側縁部の曲線部34とに挟まれたフィン21、41の部分に挿入される伝熱管11の、互いに連通接続される伝熱管11同士のピッチを、段方向のピッチAまたは列方向に隣接する伝熱管同士のピッチCの何れかと等しくしたことにより、伝熱管11を連通するすべてのヘアピンやほとんどのリターンベンドのピッチを必要最小限の2つのピッチAとCだけで構成することができるので、曲げ加工機の設備投資は最小限で済み、製造時の部品管理の煩雑さもあまりない。
【0063】
また、フィン13(21、41)における段方向に隣接する伝熱管11の間の箇所に気体の主流方向に開口する複数の切り起こし14、15、16を設け、切り起こし14、15、16の伝熱管11寄りの立ち上がり部14a、15a、16aを伝熱管11の円周に概略沿う方向に形成したことにより、フィン13(21、41)を通る気流を伝熱管11の後流部に誘導することができて、有効伝熱面積を増加させることができるので、熱交換性能を向上できる。
【0064】
また、切り起こし14、15、16の列方向の幅Wsに対する、列方向に隣接する切り起こし14、15、16間のフィン部分の幅Wbの比Wb/Wsを約2〜約2.5としたことにより、この比Wb/Wsが約3とした場合よりも切り起こし14、15、16の面積を増加できて熱交換能力を向上させることができる。また、前記比Wb/Wsを2よりも小さくすると、切り起こしが、その風上側に隣接する切り起こしの温度境界層に埋没してしまって高い伝熱性能が得られないことがあるが、このような不具合も生じない。
【0065】
また、切り起こし14、15、16の高さを、左右に隣接するフィン13(21、41)同士のピッチの約1/4〜約3/4にしたことにより、同一騒音時の風量を増加させることができ、より大きな熱交換能力を発揮することができる。つまり、切り起こしの高さを、隣接するフィン13(21、41)同士のピッチの1/4以下や3/4以上にした場合には、切り起こしと、切り起こしに隣り合う平板部との間で気流に対して干渉を起こし易くなって、騒音が大きくなることがあるが、このようなことがない。
【0066】
また、切り起こし14、15、16の高さを、フィン付き熱交換器10が貫流送風機5に接近して、風速が大きい領域Fについては、隣接するフィン13(21、41)同士のピッチの約1/2として通風抵抗を比較的大きくし、他の領域については隣接するフィン13(21、41)同士のピッチの約3/4として通風抵抗がそれより小さくなるように構成したことにより、風速分布をより均一化することができて、より大きな能力を発揮することができる。
【0067】
また、列方向に隣接する2つの伝熱管11の間において、内部を流れる冷媒流体の温度差がある箇所の、これら2つの伝熱管11の間における中央部のフィン13(21、41)部分に、概略段方向に沿う方向に切り込み17を設けたことにより、切り込み17の箇所で熱の伝導を抑えることができて、フィン13(21、41)を通した熱伝導による熱交換ロスを防ぐことができ、熱交換能力を低下させることがない。
【0068】
また、フィン付き熱交換器10を段方向に再熱器と蒸発器とに分けて使用して除湿運転を行う場合、フィン21における再熱器の領域と蒸発器の領域との間に、切断しない部分18をごくわずか残してほぼ完全に切断する切り込み19を設けたことにより、フィン21の熱伝導による大幅な能力の低下を防ぐことができる。また、フィン付き熱交換器10全体を蒸発器として使用する場合に、フィン21の表面に凝縮する水を切り込み19に滞留させることなく、フィン21のごくわずかだが繋がっている部分18を通って円滑に流下させることができる。
【0069】
また、フィン付き熱交換器10を凝縮器またはガスクーラーとして使用する際の冷媒出口寄りの伝熱管11aあるいは蒸発器として使用する際の入口寄りの伝熱管11aの直径を他の何れの箇所よりも細くしたことにより、この伝熱管11a内の熱伝達率を向上させて、熱交換能力を増大させることができる。また、この領域の冷媒は密度が大きいので冷媒流通抵抗はあまり増大させることがなく、熱交換能力の増大を妨げることはない。
【0070】
また、フィン付き熱交換器10を凝縮器またはガスクーラーとして使用する際の冷媒入口寄りの伝熱管11bあるいは蒸発器として使用する際の出口寄りの伝熱管11bの直径を他の何れの箇所よりも太くしたことにより、この伝熱管11b内の熱伝達率は若干低下するが、冷媒流通抵抗を大幅に低下させることができ、その結果の熱交換能力としては大幅に増大させることができる。
【0071】
また、伝熱管11の内部を流動する流体として、HFC冷媒またはHC冷媒または二酸化炭素を用いることにより、オゾン破壊係数の小さい冷媒を用いることとなり、さらにHC冷媒や二酸化炭素は地球温暖化係数が小さい冷媒なので、地球環境の保護に貢献することができる。
【0072】
また、図4に示すように、フィン付き熱交換器10のフィン13(21、41)を連続プレス加工する際に、前面側熱交換器20のフィン21の上端部と背面側熱交換器40のフィン41の上端部とが繋がった状態の1枚のフィン13として連続プレス加工し、それらのフィン13を多数積層した後、フィンカラー12に伝熱管11を挿入し、前面側熱交換器20と前記背面側熱交換器40とがフィン13で繋がった状態で製造してから、フィン21、41を切断して、前面側熱交換器20と背面側熱交換器40とに分離することにより、若干の廃材41、42、43ができるものの、殆ど無駄なく効率的にフィン付き熱交換器10を製造することができる。また、1枚のフィン13に切り起こしの高さが異なるものを混在させたり、1枚のフィン13のフィンカラー12に挿入する伝熱管11の直径の異なるものを混在させることも可能である。
【0073】
また、フィン付き熱交換器10のフィン13(21、41)を、前面側熱交換器20のフィン21の上端部と背面側熱交換器40のフィン41の上端部とが繋がった状態の1枚のフィン13として連続プレス加工する際、後で伝熱管11を挿入するためのフィンカラー12のピッチを、前面側熱交換器20と背面側熱交換器40とのそれぞれのフィンカラー12が段方向に隣接する部分については、他の所定の段方向のピッチAよりも短いピッチEとするように形成したことにより、フィン材料における前面側熱交換器20のフィン21の上端部と背面側熱交換器40のフィン41の上端部との間の箇所に発生する廃材42の面積を少なくすることができる。
【0074】
なお、上記実施の形態においては吸込み口3a,3bが前面や背面などに設けている場合を述べたが、これに限るものではない。また、吹出し口4としては下面側に設けられている場合を述べたが、これに限るものではなく、前面などに設けられているものにも上記構成を適用できる。
【0075】
また、上記実施の形態においては、熱交換器20、熱交換器40が、吸込み口3a,3bから貫流送風機5までの風回路の途中に配設された場合を述べたが、これに限るものではなく、貫流送風機から吹出し口までの風回路の途中に配設された熱交換器にも上記構成を適用できる。さらには、熱交換器が室内ユニット内に3つ以上設けられるものや、1つしか設けられないものにも適用可能である。
【0076】
【発明の効果】
以上のように本発明のフィン付き熱交換器によれば、空気調和機の室内ユニットに搭載される前面側熱交換器と背面側熱交換器から構成されるフィン付き熱交換器の形態およびその製造方法を改善し、前面側熱交換器のフィンの風上側縁部および風下側縁部とのそれぞれが、互いにその延長線の交差部分の角度が同じ鈍角をなす2本の長い直線部および2本の直線部の間を結んで2本の直線部に接する1本の曲線部からなる略くの字状に形成し、風上側縁部の曲線部と風下側縁部の曲線部は同じ形状とし、背面側熱交換器のフィンの風上側縁部および風下側縁部は平行な直線で形成することにより、空気調和機の室内ユニットの限られた空間にできるだけ大きなフィン付き熱交換器を収納できて、熱交換能力の大幅な向上を図ることができるとともに、蒸発器として使用したときにフィン表面に凝縮する水をフィンに沿って円滑に流下させることができる。
【0077】
また、本発明のフィン付き熱交換器によれば前面側熱交換器のフィンと背面側熱交換器のフィンとが繋がった1枚のフィンとして連続プレス加工できるので、あまりフィン材の廃材を出さず、効率的に安価に製造することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るフィン付き熱交換器を収納した空気調和機の室内ユニットの縦断面図
【図2】同フィン付き熱交換器のフィンの平面図
【図3】同フィン付き熱交換器のフィンの要部拡大平面図
【図4】同フィン付き熱交換器のフィンを2枚、プレスの送り方向に連続して並べたイメージを示す平面図
【図5】従来のフィン付き熱交換器を収納した空気調和機の室内ユニットの縦断面図
【図6】(a)はその他の従来例のフィン付き熱交換器のフィンの平面図、(b)は(a)に示すフィンを用いたフィンつき熱交換器を収納した空気調和機の室内ユニットの縦断面図
【図7】同従来例のフィン付き熱交換器のフィンにおけるピッチの関係を示す図
【符号の説明】
1 室内ユニット
2 筐体
3a、3b 吸込み口
4 吹出し口
5 貫流送風機
10 フィン付き熱交換器
11 伝熱管
12 フィンカラー
13、21、41 フィン
14、15、16 切り起こし
14a、15a、16a 立ち上がり部
17、19 切り込み
18 切断しない部分
20 前面側熱交換器
22、23、32、33、42、43 直線部
24、34 曲線部
40 背面側熱交換器
51、52、53 廃材
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気調和機の室内ユニットに搭載されるフィン付き熱交換器およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に空気調和機の室内ユニットは、図5に示すように、筐体61に、前面の吸込み口62aおよび上面の吸込み口62bなど一箇所以上の吸込み口と、下面の吹出し口63など一箇所以上の吹出し口とが設けられ、この筐体61内に貫流送風機65とフィン付き熱交換器64とが収納されている。
【0003】
この従来のフィン付き熱交換器64は、筐体61内の前面側に配置され、上下方向中央部近辺で折り曲げ加工された主たる前面側熱交換器64Aと、筐体61内の背面側に配置された背面側熱交換器64Bと、前面側熱交換器64Aの前面にそれぞれ補助的に取り付けられた補助熱交換器64C、64Dとから構成されている。そして、前面側熱交換器64Aおよび背面側熱交換器64Bにより貫流送風機65を風上側から取り囲むような形態に配置して、限られた空間にできるだけ大きいフィン付き熱交換器を収納している。なお、補助熱交換器64C、64Dは熱交換能力を向上させるために設けているものだが、主たる前面側熱交換器64Aや背面側熱交換器64Bとは別の工程で製造した後、主たる前面側熱交換器64Aや背面側熱交換器64Bに追加接続されて取り付けられるもので、図5では、主たる前面側熱交換器64Aに追加接続されている場合を示している。また、前面側熱交換器64Aの折り曲げ部近辺には、単に前面側熱交換器64Aを折り曲げてフィンがない空間があいてしまうと、殆ど熱交換しないで気流がフィン付き熱交換器を通過してしまうおそれがあるため、このようなことがないように、スペーサ66が配設されている。
【0004】
これに対して、前面側熱交換器64Aの折り曲げ加工を不要にし、このスペーサ66をなくしながら、熱交換しないで気流がフィン付き熱交換器を通過してしまうようなことを防止する構造として、特許第3091830号公報に、前面側熱交換器を円弧状に形成したものが開示されて提案されている。
【0005】
この特許第3091830号公報には、図6および図7に示すように、前面側熱交換器71Aのフィン72の形状を貫流送風機73の周面の一部を囲むように円弧状に形成した空気調和機の室内ユニットが記載されている。この前面側熱交換器71Aに略直角に挿通された伝熱管74は、複数列設けられており、これらの伝熱管74の風上側列と風下側列とで互いに二等辺三角形を描くように配置されている。したがって結果的に、円弧形状部分の内側に配置されている風下側の伝熱管74の段ピッチAは、円弧形状部分の外側に配置されている風上側列の伝熱管74の段ピッチBよりも小さくなって形成されている。
【0006】
この構成によれば、スペーサ66が不要となるとともに、製造時のフィン72の材料においてスペーサ66に対応する箇所で廃材を生じないため、フィン72の材料の廃材を少なくでき、また各伝熱管74同士を連通させるヘアピンやリターンベンドの曲げピッチの種類が、A、B、Cの3種類だけで済む利点がある。また、スペーサ66を設けていないため、スペーサ66に対応する箇所分だけフィン72の面積が増加することとなり、熱交換能力が向上する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許第3091830号公報に開示されている構成のフィン付き熱交換器では、前面側熱交換器71Aが円弧状であり、フィン72の上部の傾斜が緩くなるため、フィン付き熱交換器を蒸発器として用いている場合に、フィン72の上部に凝縮する水が滞留したり、最悪の場合には、凝縮水がフィン72に沿って流れずに、貫流送風機73に水滴が落下して、吹出し口74から水滴が飛散するおそれがある。
【0008】
本発明は上記課題を解決するもので、熱交換能力を向上させることができながら、蒸発器として使用したときにフィン表面に凝縮する水をフィンに沿って円滑に流下させることができるフィン付き熱交換器を提供することを目的とするものである。また、フィン付き熱交換器を安価に製造することができるフィン付き熱交換器の製造方法を得ることを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、吸込み口と吹出し口とが設けられた筐体と、この筐体に収納された貫流送風機とを備えた空気調和機における、吸込み口から貫流送風機までの風回路の途中または貫流送風機から吹出し口までの風回路の途中に配設されたフィン付きの熱交換器であって、単数または複数の熱交換器から構成され、各熱交換器は、所定の間隔で平行に並べられ、その間を気体が流動する多数のフィンと、前記フィンに略直角に挿入され、内部を流体が流動する多数の伝熱管とを有し、少なくとも一部の熱交換器における前記フィンの風上側縁部および風下側縁部とのそれぞれが、互いにその延長線の交差部分の角度が同じ鈍角をなす2本の直線部と、これら2本の直線部の間を結ぶ1本の曲線部とからなる略くの字形状に形成されていることを特徴とする。
【0010】
この構成によれば、熱交換能力を向上させることができながら、蒸発器として使用したときにフィン表面に凝縮する水をフィンに沿って円滑に流下させることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
請求項1記載の発明は、吸込み口と吹出し口とが設けられた筐体と、この筐体に収納された貫流送風機とを備えた空気調和機における、吸込み口から貫流送風機までの風回路の途中または貫流送風機から吹出し口までの風回路の途中に配設されたフィン付きの熱交換器であって、単数または複数の熱交換器から構成され、各熱交換器は、所定の間隔で平行に並べられ、その間を気体が流動する多数のフィンと、前記フィンに略直角に挿入され、内部を流体が流動する多数の伝熱管とを有し、少なくとも一部の熱交換器における前記フィンの風上側縁部および風下側縁部とのそれぞれが、互いにその延長線の交差部分の角度が同じ鈍角をなす2本の直線部と、これら2本の直線部の間を結ぶ1本の曲線部とからなる略くの字形状に形成されていることを特徴とする。
【0012】
上記構成によれば、熱交換器のフィンの形状を、貫流送風機の周面の一部を囲むように、2本の直線部と、これら2本の直線部の間を結ぶ1本の曲線部とからなる略くの字形状に形成したので、筐体内の限られた空間に、より大きなフィン付き熱交換器を収納して、より大きな熱交換能力を発揮することができる。また、2本の直線部の間を1本の曲線部で結んだので、この熱交換器は後で折り曲げ加工する必要がなく、折り曲げたときに必要になるスペーサも当然要らない。さらに、このフィン付き熱交換器を蒸発器として使用した場合に、フィンに凝縮する水滴を、連続した直線部と曲線部とを伝って滑らかに流下させることができる。また、フィンの上側の直線部を鉛直に近い一定の角度で傾斜させて配置することで、蒸発時にフィンの表面に凝縮する水滴が滞留することを防止できる。
【0013】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のフィン付き熱交換器において、熱交換器のフィンにおける風上側縁部と風下側縁部とにそれぞれ設けられた曲線部が、同じ寸法形状であることを特徴とする。
【0014】
上記構成によれば、フィンを連続プレス加工する際、前記フィンの無駄な廃材をあまりつくることなく、効率的に生産することができる。
請求項3記載の発明は、請求項1または2に記載のフィン付き熱交換器において、曲線部の形状が円弧状であることを特徴とする。
【0015】
上記構成によれば、曲線部が簡単な円弧形状であるので、フィンのプレス金型の加工およびメンテナンスが容易になる。
請求項4記載の発明は、請求項1〜3の何れかに記載のフィン付き熱交換器において、フィン付き熱交換器が、筐体内の前面側に配設されている前面側熱交換器と、筐体内の背面側に配設されている背面側熱交換器とから構成され、前面側熱交換器におけるフィンの風上側縁部および風下側縁部とのそれぞれが略くの字形状に形成されていることを特徴とする。
【0016】
この構成によれば、前面側熱交換器を蒸発器として使用した場合に、前面側熱交換器のフィンに凝縮する水滴を、連続した直線部と曲線部とを伝って滑らかに流下させることができる。また、前面側熱交換器のフィンの上側の直線部を鉛直に近い一定の角度で傾斜させて配置することで、蒸発時にフィンの表面に凝縮する水滴が滞留することを防止できる。
【0017】
請求項5記載の発明は、請求項4に記載のフィン付き熱交換器において、背面側熱交換器の風上側縁部および風下側縁部の形状が互いに平行な直線で構成されていることを特徴とする。
【0018】
この構成によれば、背面側熱交換器が出っ張り部分などを有しない形状であるので、限られた筐体内の空間に、より大きなフィンを有する前面側熱交換器と背面側熱交換器とを収納できて、より大きな熱交換能力を発揮することができる。
【0019】
請求項6記載の発明は、請求項4または5に記載のフィン付き熱交換器において、前面側熱交換器および背面側熱交換器の風上側縁部の直線部と風下側縁部の直線部との間のフィン部に挿入される伝熱管は、気体の主流方向に対して直角方向となる段方向のピッチおよび気体の主流方向に沿う列方向のピッチをそれぞれすべて所定のピッチとし、前記前面側熱交換器の風上側縁部の曲線部と風下側縁部の曲線部との間のフィン部分に挿入される伝熱管の互いに連通接続される伝熱管同士のピッチを、前記段方向のピッチまたは前記列方向に隣接する伝熱管同士のピッチの何れかと等しくしたことを特徴とする。
【0020】
この構成によれば、伝熱管同士を連通して接続する全てのヘアピンや殆どのリターンベンドのピッチを必要最小限の2つのピッチだけで構成することができるので、曲げ加工機の設備投資を最小限で済ますことができる。
【0021】
請求項7記載の発明は、請求項4〜6の何れかに記載のフィン付き熱交換器において、気体の主流方向に対して直角方向となる段方向に隣接する伝熱管の間のフィン表面に、気体の主流方向に向かって開口する複数の切り起こしを設け、前記切り起こしの伝熱管寄りの立ち上がり部を前記伝熱管の円周に概略沿う方向に形成し、前記切り起こしの、気体の主流方向に沿う列方向の幅に対する前記列方向に隣接するフィン基板の幅の比を約2〜2.5としたことを特徴とする。
【0022】
この構成によれば、切り起こしの伝熱管寄りの立ち上がり部を伝熱管の円周に概略沿う方向に形成したことにより、フィンを通る気流を伝熱管の後流部に誘導することができて、有効伝熱面積を増加させることができ、熱交換性能を向上できる。また、切り起こしの、気体の主流方向に沿う列方向の幅に対する前記列方向に隣接するフィン部分の幅の比を約2〜2.5としたことにより、切り起こしの、気体の主流方向に沿う列方向の幅に対する前記列方向に隣接するフィン基板の幅の比を約3とした場合よりも熱交換能力を向上させることができる。また、切り起こしの、気体の主流方向に沿う列方向の幅に対する前記列方向に隣接するフィン部分の幅の比を約2以上としたので、この比が2よりも小さくした場合のように、切り起こしがその風上側に隣接する切り起こしの温度境界層に埋没して高い伝熱性能が得られなくなるという不具合を防止することができる。
【0023】
請求項8記載の発明は、請求項7に記載のフィン付き熱交換器において、フィンの厚み方向に沿う切り起こしの高さを、隣接するフィン同士のピッチの約1/4〜約3/4に構成したことを特徴とする。
【0024】
この構成によれば、同一騒音時の風量を増加させることができて、より大きな熱交換能力を発揮することができる。つまり、切り起こしの高さを、隣接するフィン同士のピッチの1/4以下や3/4以上にした場合には、切り起こしと、切り起こしに隣り合う平板部との間で気流に対して干渉を起こし易くなって、騒音が大きくなることがあるが、このようなことがない。
【0025】
請求項9記載の発明は、請求項8に記載のフィン付き熱交換器において、切り起こしの高さを、フィンにおける還流送風機に接近して、風速が大きい領域については隣接する前記フィン同士のピッチの約1/2とし、他の領域については隣接する前記フィン同士のピッチの約3/4としたことを特徴とする。
【0026】
この構成によれば、風速分布をより均一化することができるので、より大きな熱交換能力を発揮することができる。
請求項10記載の発明は、請求項4〜9の何れかに記載のフィン付き熱交換器おいて、気体の主流方向に沿う列方向に隣接する2つの伝熱管の間において、内部を流れる冷媒流体の温度差がある箇所の、フィンにおける前記2つの伝熱管の列間中央部箇所に、気体の主流方向に対して直角方向となる段方向に概略沿う方向に切り込みを設けたことを特徴とする。
【0027】
この構成によれば、フィンに設けた切り込みにより、冷媒流体の温度差がある2つの伝熱管の間で熱が伝わり難くなって、フィンを通した熱伝導による熱交換ロスを防ぐことができ、熱交換能力を低下させることを防止できる。
【0028】
請求項11記載の発明は、請求項1〜10の何れかに記載のフィン付き熱交換器において、少なくとも一部の熱交換器が、気体の主流方向に対して直角方向となる段方向に再熱器と蒸発器とに分けて使用して除湿運転を行うことが可能に構成され、フィンにおける再熱器の領域と蒸発器の領域との間に、切断しない部分をごくわずか残してほぼ完全に切断する切り込みを設けたことを特徴とする。
【0029】
この構成によれば、フィンにおける再熱器の領域と蒸発器の領域との間に切り込みが設けられているので、フィンの熱伝導による大幅な能力の低下を防ぐことができる。また、フィン付き熱交換器全体を蒸発器として使用する場合に、前記フィンの表面に凝縮する水を、切り込みに滞留させることなく、フィンのごくわずかだが繋がっている部分を通って円滑に流下させることができる。
【0030】
請求項12記載の発明は、請求項1〜11の何れかに記載のフィン付き熱交換器において、少なくとも一部の熱交換器の、凝縮器またはガスクーラーとして使用する際の冷媒出口寄りの伝熱管あるいは蒸発器として使用する際の入口寄りの伝熱管の直径を、前記熱交換器の他の何れの箇所よりも細くしたことを特徴とする。
【0031】
この構成によれば、熱交換器の、凝縮器またはガスクーラーとして使用する際の冷媒出口寄りの伝熱管あるいは蒸発器として使用する際の入口寄りの伝熱管の直径を細くしたので、伝熱管内の熱伝達率を向上させ、熱交換能力を増大させることができる。また、この領域の冷媒は密度が大きいので冷媒流通抵抗はあまり増大させることがなく、熱交換能力の増大を妨げることはない。
【0032】
請求項13記載の発明は、請求項1〜12の何れかに記載のフィン付き熱交換器において、少なくとも一部の熱交換器の、凝縮器またはガスクーラーとして使用する際の冷媒入口寄りの伝熱管あるいは蒸発器として使用する際の出口寄りの伝熱管の直径を、前記熱交換器の他の何れの箇所よりも太くしたことを特徴とする。
【0033】
この構成によれば、熱交換器の、凝縮器またはガスクーラーとして使用する際の冷媒入口寄りの伝熱管あるいは蒸発器として使用する際の出口寄りの伝熱管の直径を太くしたことにより、伝熱管内の熱伝達率は若干低下するが、冷媒流通抵抗を大幅に低下させることができ、その結果、熱交換能力としては大幅に増大させることができる。
【0034】
請求項14記載の発明は、請求項1〜13の何れかに記載のフィン付き熱交換器において、伝熱管の内部を流動する冷媒の流体として、HFCまたはHCまたは二酸化炭素を用いることを特徴とする。
【0035】
この構成により、オゾン破壊係数の小さい冷媒を用いることとなり、さらにHC冷媒や二酸化炭素は地球温暖化係数が小さい冷媒なので、地球環境の保護に貢献することができる。
【0036】
請求項15記載の発明は、請求項1〜14の何れかに記載のフィン付き熱交換器において、フィン付き熱交換器が、筐体内の前面側に配設されている前面側熱交換器と、筐体内の背面側に配設されている背面側熱交換器とから構成され、前面側熱交換器のフィンの上端部と背面側熱交換器のフィンの上端部とが繋がった状態で製造されるフィン付き熱交換器であって、前面側熱交換器のフィンの上端部と背面側熱交換器のフィンの上端部とが繋がった状態のフィンにおける、伝熱管を挿入するためのフィンカラーの、気体の主流方向に対して直角方向となる段方向に対するピッチを、前記前面側熱交換器と前記背面側熱交換器との境界部で隣接する箇所のフィンカラーのピッチが、前記前面側熱交換器および前記背面側熱交換器のフィンカラーのピッチよりも短くなるように構成したことを特徴とする。
【0037】
この構成によれば、前面側熱交換器と背面側熱交換器との境界部で隣接する箇所のフィンカラーの段方向のピッチを、前面側熱交換器および背面側熱交換器のフィンカラーの段方向のピッチと同等にした場合と比較して、フィン材の廃材を少なくすることができる。
【0038】
請求項16記載の発明は、筐体内の前面側に配設されている前面側熱交換器と、筐体内の背面側に配設されている背面側熱交換器とから構成された、請求項1〜15の何れかに記載のフィン付き熱交換器を製造する方法であって、前面側熱交換器のフィンの上端部と背面側熱交換器のフィンの上端部とが境界部で繋がった状態の1枚のフィンとして連続的にプレス加工し、これらのフィンを多数積層して伝熱管を挿入した後、前記フィンを前面側熱交換器と背面側熱交換器との境界部で切断して、前記前面側熱交換器と前記背面側熱交換器とに分離することを特徴とする。
【0039】
この方法によれば、前面側熱交換器と背面側熱交換器とを個別に製造する場合に比べて、効率的にフィン付き熱交換器を製造することができる。また、1枚のフィンに切り起こしの高さが異なるものを混在させたり、1枚のフィンに挿入する伝熱管の直径の異なるものを混在させることが可能となる。
【0040】
請求項17記載の発明は、筐体内の前面側に配設されている前面側熱交換器と、筐体内の背面側に配設されている背面側熱交換器とから構成され、前面側熱交換器のフィンの上端部と背面側熱交換器のフィンの上端部とが繋がった状態のフィンにおける、伝熱管を挿入するためのフィンカラーの、気体の主流方向に対して直角方向となる段方向に対するピッチを、前記前面側熱交換器と前記背面側熱交換器との境界部で隣接する箇所のフィンカラーのピッチが、前記前面側熱交換器および前記背面側熱交換器のフィンカラーのピッチよりも短くなるように構成されている請求項15に記載のフィン付き熱交換器を製造する方法であって、前面側熱交換器のフィンの上端部と背面側熱交換器のフィンの上端部とが境界部で繋がった状態の1枚のフィンとして連続的にプレス加工し、この連続プレス加工する際に、後で伝熱管を挿入するためのフィンカラーのピッチを前記前面側熱交換器と前記背面側熱交換器のそれぞれのフィンカラーが前記段方向に隣接する部分については、他の所定の段方向のピッチよりも短く形成し、これらのフィンを多数積層して伝熱管を挿入した後、前記フィンを前面側熱交換器と背面側熱交換器との境界部で切断して、前記前面側熱交換器と前記背面側熱交換器とに分離することを特徴とする。
【0041】
この方法によれば、前面側熱交換器と背面側熱交換器との境界部で隣接する箇所のフィンカラーの段方向のピッチを、前面側熱交換器および背面側熱交換器のフィンカラーの段方向のピッチと同等にした場合と比較して、フィン材の廃材を少なくすることができる。
【0042】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細な説明を行う。
まず、本発明の実施の形態に係るフィン付き熱交換器が搭載される空気調和機の室内ユニットについて図1に基づき説明する。図1はこの室内ユニットの縦断面図である。
【0043】
図1に示すように、この空気調和機の室内ユニット1の筐体2には、前面と上面とに吸込み口3a、3bが設けられ、また下面に吹出し口4が設けられ、筐体2内には、貫流送風機5とフィン付き熱交換器10とが収納されている。
【0044】
このフィン付き熱交換器10は、筐体2内の前面側に配置された前面側熱交換器20と、筐体2内の背面側に配置された背面側熱交換器40とから構成されている。そして、前面側熱交換器20および背面側熱交換器40により貫流送風機5を風上側から取り囲むような形態に配置している。各熱交換器20、40は、所定の間隔で平行に並べられ、その間を空気が流動する多数のフィン21、41と、これらのフィン21、41に略直角に挿入され、内部を冷媒流体が流動する多数の伝熱管11とを有し、前面側熱交換器20と背面側熱交換器40とは、そのフィン21、41同士は分離されているが、伝熱管11が連通されることにより一つの熱交換器として作用する。
【0045】
これらの前面側熱交換器20と背面側熱交換器40とのフィン21、41は、図2、図3に示すように、これらの上端部同士が境界部で繋がった状態の1枚のフィン13として連続的にプレス加工して製造される。
【0046】
ここで、図2は本発明の実施の形態にかかるフィン付き熱交換器のフィンをプレス加工した直後の状態における1枚のフィンの平面図、図3はその要部拡大平面図である。図4は、図2のフィンを連続プレス加工してできる2枚のフィンをプレスの送り方向に連続して並べたイメージを示す平面図である。
【0047】
図2に示すように、前面側熱交換器20のフィン21の風上側縁部および風下側縁部とのそれぞれは、互いにその延長線の交差部分の角度α、βが同じ鈍角をなす2本の直線部22、23および32、33と、これら2本の直線部22、23と32、33との間をそれぞれ結ぶ各1本の曲線部24、34とからなる略くの字形状に形成されている。ここで、曲線部24、34としての形状は、楕円曲線、双曲線、スプラインなどがあるが、本実施の形態では、図1から図3に示すように円弧形状とした。風上側縁部の円弧形状の曲線部24と、風下側縁部の円弧形状の曲線部34との曲率半径は同じであり、同じ寸法形状である。また、背面側熱交換器40のフィン41の風上側縁部および風下側縁部は平行な直線部42、43で構成されている。
【0048】
したがって、図3に示すように、フィン13(21、41)が金属板から連続プレス加工されて製造される際に、フィン付き熱交換器10の収納の都合上などから、その両端部や前面側熱交換器20と背面側熱交換器40との間となる箇所に、カットする必要がある廃材51、52、53をわずかに生じるだけであり、他は無駄なく用いられて、連続してフィン13が造られる。
【0049】
各フィン13には所定の間隔でフィンカラー12が丸孔形状にバーリング加工され、このフィンカラー12には、図1に示すように、伝熱管11が挿入される。図2に示すように、フィンカラー12における、気体(空気)の主流方向に対して直角方向となる、いわゆる段方向のピッチと、気体の主流方向に沿う、いわゆる列方向のピッチとは、フィン21の風上側縁部の直線部22と風下側縁部の直線部32とに挟まれたフィン部分、風上側縁部の直線部23と風下側縁部の直線部33とに挟まれたフィン部分、およびフィン41の風上側縁部の直線部42と風下側縁部の直線部43とに挟まれたフィン部分のそれぞれが、列方向のピッチが全てAとなり、列方向のピッチが全てDとなるように形成されている。
【0050】
また、図2に示すように、風上側縁部の円弧形状の曲線部24と風下側縁部の円弧形状の曲線部34とに挟まれたフィン部分のフィンカラー12のピッチを、フィンカラー12に挿入される伝熱管11が互いに連通接続されるもの同士については、段方向のピッチAまたは列方向に隣接する伝熱管同士のピッチCの何れかと等しく形成されている。さらに、前面側熱交換器20と背面側熱交換器40とのそれぞれのフィンカラー12が段方向に隣接する部分のピッチについては、図2に示すように、他の所定の段方向のピッチAよりも短いピッチEとなるように形成されている。
【0051】
また、図2、図3に示すように、フィン13(21、41)における段方向に隣接するフィンカラー12間の箇所には、気体の主流方向に開口する風上から順に3つの切り起こし14、15、16が設けられ、切り起こし14、15、16のフィンカラー12寄り箇所、すなわち伝熱管11寄り箇所に設けられた切り起こし14、15、16の立ち上がり部14a、15a、16aは、伝熱管11の円周に概略沿う方向に形成されている。
【0052】
ここで、図3に示すように、切り起こし14、15、16の列方向の幅Wsに対する、列方向に隣接する切り起こし14、15、16間のフィン部分の幅(列方向に隣接するフィン21、41の平板部分の幅)Wbの比Wb/Wsは、約2〜約2.5となるように形成されている。また、フィン21、41の厚み方向に沿う切り起こし14、15、16の高さは、隣接するフィン11同士のピッチの約1/4〜約3/4となるように形成されている。さらに、高い熱交換性能を得るべく、切り起こし14、15、16の高さを、風速が大きい領域、例えば図1において貫流送風機5に接近していて高風速となる領域F(図1参照)については、隣接する21、41同士のピッチの約1/2とし、他の領域については隣接するフィン11同士のピッチの約3/4とされている。
【0053】
また、図2、図3に示すように、列方向に隣接する2つの伝熱管11の間において、内部を流れる冷媒流体の温度差がある、これら2つの伝熱管11(フィンカラー12)の列間中央部のフィン部分に、概略段方向に沿う方向に切り込み17が設けられている。
【0054】
また、空気調和機を除湿運転し、室内ユニット1のフィン付き熱交換器10を段方向に再熱器と蒸発器とに分けて使用する場合には、図1に示す前面熱交換器21の曲線部24、34から下側を蒸発器として用い、他を再熱器として用いるが、この場合におけるフィン21における再熱器の領域と蒸発器の領域との間の箇所に、切断しない部分18をごくわずか残してほぼ完全に切断する切り込み19が設けられている。
【0055】
また、空気調和機を暖房運転し、室内ユニット1のフィン付き熱交換器10を凝縮器またはガスクーラーとして使用する際の冷媒出口寄りの伝熱管11aの直径は他の何れの箇所よりも細く形成されている。なお、この最も細い伝熱管11aを用いる領域は、空気調和機を冷房運転するときには、室内ユニット1のフィン付き熱交換器10が蒸発器として使用され、伝熱管11内の冷媒は逆にながれるので、入口寄りの領域となる。
【0056】
また、空気調和機を冷房運転し、室内ユニット1のフィン付き熱交換器10を蒸発器として使用する際の出口寄りの伝熱管11bの直径を他の何れの箇所よりも太く形成されている。なお、この最も太い伝熱管11bを用いる領域は、空気調和機を暖房運転するときには、室内ユニット1のフィン付き熱交換器10が凝縮器またはガスクーラーとして使用され、伝熱管11内の冷媒は逆に流れるので、入口寄りの領域となる。さらに、フィン付き熱交換器10の伝熱管11の内部を流動する流体としては、HFC冷媒またはHC冷媒または二酸化炭素が用いられる。
【0057】
これらの前面側熱交換器20と背面側熱交換器40とのフィン21、41は、上述したように、これらの上端部同士が境界部で繋がった状態の1枚のフィン13として連続的にプレス加工して製造され、これらのフィン13を多数積層させた後、フィンカラー12に伝熱管11を挿入し、前面側熱交換器20と前記背面側熱交換器40とがフィン13(21、41)で繋がった状態で製造してから、前面側熱交換器20と前記背面側熱交換器40とをそのフィン21、41の箇所で切断して、前面側熱交換器20と背面側熱交換器40とに分離して製造される。
【0058】
この前面側熱交換器20および背面側熱交換器40からなるフィン付き熱交換器10を筐体2内に収納した空気調和機の室内ユニット1によれば、前面側熱交換器20のフィン21の風上側縁部および風下側縁部はそれぞれが、同じ鈍角をなす2本の直線部22、23と32、33および2本の直線部22、23と32、33との間を結ぶ1本の曲線部24、34からなる略くの字状に形成したことにより、限られた空間に、より大きなフィン付き熱交換器10を収納できて、大きな熱交換能力を発揮することができる。また、前面側熱交換器20は後で折り曲げ加工する必要がなく、折り曲げたときに必要になるスペーサも当然要らないので、スペーサの組付け工程が不要となって組立ての際の手間を省くことができるとともに、より大きな熱交換能力を発揮できる。直線部22、23、32、33同士が曲線部24、34によりなだらかな形状で接続されているので、このフィン付き熱交換器10を蒸発器として使用する場合に、前面側熱交換器20と背面側熱交換器40とのそれぞれのフィン21、41に凝縮する水滴は連続したそれぞれのフィン21、41を伝い、滑らかに流下することができる。さらに前面側熱交換器20のフィン21の上側は風上側縁部の直線部22と風下側縁部の直線部32に囲まれた鉛直に近い一定の角度で傾斜しているので、蒸発時にフィン21の表面に凝縮する水滴が滞留することもない。
【0059】
また、前面側熱交換器20のフィン21における風上側縁部の曲線部24と風下側縁部の曲線部34とを同じ寸法形状としたことにより、図4に示すように、フィン13(21、41)を連続プレス加工する際に、無駄な廃材をあまり作らなくても済み、効率的に生産することができる。
【0060】
また、前面側熱交換器20のフィン21の風上側縁部および風下側縁部のそれぞれの曲線部24、34を単純な形状である円弧状としたことにより、フィン13のプレス金型の加工およびメンテナンスが容易になる。
【0061】
また、背面側熱交換器40の風上側縁部および風下側縁部を平行な直線部42、43で構成したことにより、背面側熱交換器40の風上側縁部および風下側縁部を例えば湾曲形状に構成した場合に比べて、少ない前後寸法に配置でき、限られた空間に、より大きなフィン付き熱交換器10を収納できることとなって、より大きな熱交換能力を発揮することができる。
【0062】
また、前面側熱交換器20および背面側熱交換器40の風上側縁部の直線部22、23、42と風下側縁部の直線部32、33、43とに挟まれたフィン21、41の部分に挿入される伝熱管11は、段方向のピッチAおよび列方向のピッチDをそれぞれすべて所定のピッチとし、前面側熱交換器20の風上側縁部の曲線部24と風下側縁部の曲線部34とに挟まれたフィン21、41の部分に挿入される伝熱管11の、互いに連通接続される伝熱管11同士のピッチを、段方向のピッチAまたは列方向に隣接する伝熱管同士のピッチCの何れかと等しくしたことにより、伝熱管11を連通するすべてのヘアピンやほとんどのリターンベンドのピッチを必要最小限の2つのピッチAとCだけで構成することができるので、曲げ加工機の設備投資は最小限で済み、製造時の部品管理の煩雑さもあまりない。
【0063】
また、フィン13(21、41)における段方向に隣接する伝熱管11の間の箇所に気体の主流方向に開口する複数の切り起こし14、15、16を設け、切り起こし14、15、16の伝熱管11寄りの立ち上がり部14a、15a、16aを伝熱管11の円周に概略沿う方向に形成したことにより、フィン13(21、41)を通る気流を伝熱管11の後流部に誘導することができて、有効伝熱面積を増加させることができるので、熱交換性能を向上できる。
【0064】
また、切り起こし14、15、16の列方向の幅Wsに対する、列方向に隣接する切り起こし14、15、16間のフィン部分の幅Wbの比Wb/Wsを約2〜約2.5としたことにより、この比Wb/Wsが約3とした場合よりも切り起こし14、15、16の面積を増加できて熱交換能力を向上させることができる。また、前記比Wb/Wsを2よりも小さくすると、切り起こしが、その風上側に隣接する切り起こしの温度境界層に埋没してしまって高い伝熱性能が得られないことがあるが、このような不具合も生じない。
【0065】
また、切り起こし14、15、16の高さを、左右に隣接するフィン13(21、41)同士のピッチの約1/4〜約3/4にしたことにより、同一騒音時の風量を増加させることができ、より大きな熱交換能力を発揮することができる。つまり、切り起こしの高さを、隣接するフィン13(21、41)同士のピッチの1/4以下や3/4以上にした場合には、切り起こしと、切り起こしに隣り合う平板部との間で気流に対して干渉を起こし易くなって、騒音が大きくなることがあるが、このようなことがない。
【0066】
また、切り起こし14、15、16の高さを、フィン付き熱交換器10が貫流送風機5に接近して、風速が大きい領域Fについては、隣接するフィン13(21、41)同士のピッチの約1/2として通風抵抗を比較的大きくし、他の領域については隣接するフィン13(21、41)同士のピッチの約3/4として通風抵抗がそれより小さくなるように構成したことにより、風速分布をより均一化することができて、より大きな能力を発揮することができる。
【0067】
また、列方向に隣接する2つの伝熱管11の間において、内部を流れる冷媒流体の温度差がある箇所の、これら2つの伝熱管11の間における中央部のフィン13(21、41)部分に、概略段方向に沿う方向に切り込み17を設けたことにより、切り込み17の箇所で熱の伝導を抑えることができて、フィン13(21、41)を通した熱伝導による熱交換ロスを防ぐことができ、熱交換能力を低下させることがない。
【0068】
また、フィン付き熱交換器10を段方向に再熱器と蒸発器とに分けて使用して除湿運転を行う場合、フィン21における再熱器の領域と蒸発器の領域との間に、切断しない部分18をごくわずか残してほぼ完全に切断する切り込み19を設けたことにより、フィン21の熱伝導による大幅な能力の低下を防ぐことができる。また、フィン付き熱交換器10全体を蒸発器として使用する場合に、フィン21の表面に凝縮する水を切り込み19に滞留させることなく、フィン21のごくわずかだが繋がっている部分18を通って円滑に流下させることができる。
【0069】
また、フィン付き熱交換器10を凝縮器またはガスクーラーとして使用する際の冷媒出口寄りの伝熱管11aあるいは蒸発器として使用する際の入口寄りの伝熱管11aの直径を他の何れの箇所よりも細くしたことにより、この伝熱管11a内の熱伝達率を向上させて、熱交換能力を増大させることができる。また、この領域の冷媒は密度が大きいので冷媒流通抵抗はあまり増大させることがなく、熱交換能力の増大を妨げることはない。
【0070】
また、フィン付き熱交換器10を凝縮器またはガスクーラーとして使用する際の冷媒入口寄りの伝熱管11bあるいは蒸発器として使用する際の出口寄りの伝熱管11bの直径を他の何れの箇所よりも太くしたことにより、この伝熱管11b内の熱伝達率は若干低下するが、冷媒流通抵抗を大幅に低下させることができ、その結果の熱交換能力としては大幅に増大させることができる。
【0071】
また、伝熱管11の内部を流動する流体として、HFC冷媒またはHC冷媒または二酸化炭素を用いることにより、オゾン破壊係数の小さい冷媒を用いることとなり、さらにHC冷媒や二酸化炭素は地球温暖化係数が小さい冷媒なので、地球環境の保護に貢献することができる。
【0072】
また、図4に示すように、フィン付き熱交換器10のフィン13(21、41)を連続プレス加工する際に、前面側熱交換器20のフィン21の上端部と背面側熱交換器40のフィン41の上端部とが繋がった状態の1枚のフィン13として連続プレス加工し、それらのフィン13を多数積層した後、フィンカラー12に伝熱管11を挿入し、前面側熱交換器20と前記背面側熱交換器40とがフィン13で繋がった状態で製造してから、フィン21、41を切断して、前面側熱交換器20と背面側熱交換器40とに分離することにより、若干の廃材41、42、43ができるものの、殆ど無駄なく効率的にフィン付き熱交換器10を製造することができる。また、1枚のフィン13に切り起こしの高さが異なるものを混在させたり、1枚のフィン13のフィンカラー12に挿入する伝熱管11の直径の異なるものを混在させることも可能である。
【0073】
また、フィン付き熱交換器10のフィン13(21、41)を、前面側熱交換器20のフィン21の上端部と背面側熱交換器40のフィン41の上端部とが繋がった状態の1枚のフィン13として連続プレス加工する際、後で伝熱管11を挿入するためのフィンカラー12のピッチを、前面側熱交換器20と背面側熱交換器40とのそれぞれのフィンカラー12が段方向に隣接する部分については、他の所定の段方向のピッチAよりも短いピッチEとするように形成したことにより、フィン材料における前面側熱交換器20のフィン21の上端部と背面側熱交換器40のフィン41の上端部との間の箇所に発生する廃材42の面積を少なくすることができる。
【0074】
なお、上記実施の形態においては吸込み口3a,3bが前面や背面などに設けている場合を述べたが、これに限るものではない。また、吹出し口4としては下面側に設けられている場合を述べたが、これに限るものではなく、前面などに設けられているものにも上記構成を適用できる。
【0075】
また、上記実施の形態においては、熱交換器20、熱交換器40が、吸込み口3a,3bから貫流送風機5までの風回路の途中に配設された場合を述べたが、これに限るものではなく、貫流送風機から吹出し口までの風回路の途中に配設された熱交換器にも上記構成を適用できる。さらには、熱交換器が室内ユニット内に3つ以上設けられるものや、1つしか設けられないものにも適用可能である。
【0076】
【発明の効果】
以上のように本発明のフィン付き熱交換器によれば、空気調和機の室内ユニットに搭載される前面側熱交換器と背面側熱交換器から構成されるフィン付き熱交換器の形態およびその製造方法を改善し、前面側熱交換器のフィンの風上側縁部および風下側縁部とのそれぞれが、互いにその延長線の交差部分の角度が同じ鈍角をなす2本の長い直線部および2本の直線部の間を結んで2本の直線部に接する1本の曲線部からなる略くの字状に形成し、風上側縁部の曲線部と風下側縁部の曲線部は同じ形状とし、背面側熱交換器のフィンの風上側縁部および風下側縁部は平行な直線で形成することにより、空気調和機の室内ユニットの限られた空間にできるだけ大きなフィン付き熱交換器を収納できて、熱交換能力の大幅な向上を図ることができるとともに、蒸発器として使用したときにフィン表面に凝縮する水をフィンに沿って円滑に流下させることができる。
【0077】
また、本発明のフィン付き熱交換器によれば前面側熱交換器のフィンと背面側熱交換器のフィンとが繋がった1枚のフィンとして連続プレス加工できるので、あまりフィン材の廃材を出さず、効率的に安価に製造することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るフィン付き熱交換器を収納した空気調和機の室内ユニットの縦断面図
【図2】同フィン付き熱交換器のフィンの平面図
【図3】同フィン付き熱交換器のフィンの要部拡大平面図
【図4】同フィン付き熱交換器のフィンを2枚、プレスの送り方向に連続して並べたイメージを示す平面図
【図5】従来のフィン付き熱交換器を収納した空気調和機の室内ユニットの縦断面図
【図6】(a)はその他の従来例のフィン付き熱交換器のフィンの平面図、(b)は(a)に示すフィンを用いたフィンつき熱交換器を収納した空気調和機の室内ユニットの縦断面図
【図7】同従来例のフィン付き熱交換器のフィンにおけるピッチの関係を示す図
【符号の説明】
1 室内ユニット
2 筐体
3a、3b 吸込み口
4 吹出し口
5 貫流送風機
10 フィン付き熱交換器
11 伝熱管
12 フィンカラー
13、21、41 フィン
14、15、16 切り起こし
14a、15a、16a 立ち上がり部
17、19 切り込み
18 切断しない部分
20 前面側熱交換器
22、23、32、33、42、43 直線部
24、34 曲線部
40 背面側熱交換器
51、52、53 廃材
Claims (17)
- 吸込み口と吹出し口とが設けられた筐体と、この筐体に収納された貫流送風機とを備えた空気調和機における、吸込み口から貫流送風機までの風回路の途中、または貫流送風機から吹出し口までの風回路の途中に配設されたフィン付きの熱交換器であって、
単数または複数の熱交換器から構成され、
各熱交換器は、所定の間隔で平行に並べられ、その間を気体が流動する多数のフィンと、前記フィンに略直角に挿入され、内部を流体が流動する多数の伝熱管とを有し、
少なくとも一部の熱交換器における前記フィンの風上側縁部および風下側縁部とのそれぞれが、互いにその延長線の交差部分の角度が同じ鈍角をなす2本の直線部と、これら2本の直線部の間を結ぶ1本の曲線部とからなる略くの字形状に形成されていることを特徴とするフィン付き熱交換器。 - 熱交換器のフィンにおける風上側縁部と風下側縁部とにそれぞれ設けられた曲線部が、同じ寸法形状であることを特徴とする請求項1記載のフィン付き熱交換器。
- 曲線部の形状が円弧状であることを特徴とする請求項1または2に記載のフィン付き熱交換器。
- フィン付き熱交換器が、筐体内の前面側に配設されている前面側熱交換器と、筐体内の背面側に配設されている背面側熱交換器とから構成され、
前面側熱交換器におけるフィンの風上側縁部および風下側縁部とのそれぞれが略くの字形状に形成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のフィン付き熱交換器。 - 背面側熱交換器の風上側縁部および風下側縁部の形状が互いに平行な直線で構成されていることを特徴とする請求項4に記載のフィン付き熱交換器。
- 前面側熱交換器および背面側熱交換器の風上側縁部の直線部と風下側縁部の直線部との間のフィン部に挿入される伝熱管は、気体の主流方向に対して直角方向となる段方向のピッチおよび気体の主流方向に沿う列方向のピッチをそれぞれすべて所定のピッチとし、前記前面側熱交換器の風上側縁部の曲線部と風下側縁部の曲線部との間のフィン部分に挿入される伝熱管の互いに連通接続される伝熱管同士のピッチを、前記段方向のピッチまたは前記列方向に隣接する伝熱管同士のピッチの何れかと等しくしたことを特徴とする請求項4または5に記載のフィン付き熱交換器。
- 気体の主流方向に対して直角方向となる段方向に隣接する伝熱管の間のフィン表面に、気体の主流方向に向かって開口する複数の切り起こしを設け、前記切り起こしの伝熱管寄りの立ち上がり部を前記伝熱管の円周に概略沿う方向に形成し、前記切り起こしの、気体の主流方向に沿う列方向の幅に対する、前記列方向に隣接する切り起こし間のフィン部分の幅の比を約2〜2.5としたことを特徴とする請求項4〜6の何れかに記載のフィン付き熱交換器。
- フィンの厚み方向に沿う切り起こしの高さを、隣接するフィン同士のピッチの約1/4〜約3/4に構成したことを特徴とする請求項7に記載のフィン付き熱交換器。
- 切り起こしの高さを、フィンにおける還流送風機に接近して、風速が大きい領域については隣接する前記フィン同士のピッチの約1/2とし、他の領域については隣接する前記フィン同士のピッチの約3/4としたことを特徴とする請求項8に記載のフィン付き熱交換器。
- 気体の主流方向に沿う列方向に隣接する2つの伝熱管の間において、内部を流れる冷媒流体の温度差がある箇所の、フィンにおける前記2つの伝熱管の列間中央部箇所に、気体の主流方向に対して直角方向となる段方向に概略沿う方向に切り込みを設けたことを特徴とする請求項4〜9の何れかに記載のフィン付き熱交換器。
- 少なくとも一部の熱交換器が、気体の主流方向に対して直角方向となる段方向に再熱器と蒸発器とに分けて使用して除湿運転を行うことが可能に構成され、フィンにおける再熱器の領域と蒸発器の領域との間に、切断しない部分をごくわずか残してほぼ完全に切断する切り込みを設けたことを特徴とする請求項1〜10の何れかに記載のフィン付き熱交換器。
- 少なくとも一部の熱交換器の、凝縮器またはガスクーラーとして使用する際の冷媒出口寄りの伝熱管あるいは蒸発器として使用する際の入口寄りの伝熱管の直径を、前記熱交換器の他の何れの箇所よりも細くしたことを特徴とする請求項1〜11の何れかに記載のフィン付き熱交換器。
- 少なくとも一部の熱交換器の、凝縮器またはガスクーラーとして使用する際の冷媒入口寄りの伝熱管あるいは蒸発器として使用する際の出口寄りの伝熱管の直径を、前記熱交換器の他の何れの箇所よりも太くしたことを特徴とする請求項1〜12の何れかに記載のフィン付き熱交換器。
- 伝熱管の内部を流動する冷媒の流体として、HFCまたはHCまたは二酸化炭素を用いることを特徴とする請求項1〜13の何れかに記載のフィン付き熱交換器。
- フィン付き熱交換器が、筐体内の前面側に配設されている前面側熱交換器と、筐体内の背面側に配設されている背面側熱交換器とから構成され、
前面側熱交換器のフィンの上端部と背面側熱交換器のフィンの上端部とが繋がった状態で製造されるフィン付き熱交換器であって、
前面側熱交換器のフィンの上端部と背面側熱交換器のフィンの上端部とが繋がった状態のフィンにおける、伝熱管を挿入するためのフィンカラーの、気体の主流方向に対して直角方向となる段方向に対するピッチを、前記前面側熱交換器と前記背面側熱交換器との境界部で隣接する箇所のフィンカラーのピッチが、前記前面側熱交換器および前記背面側熱交換器のフィンカラーのピッチよりも短くなるように構成したことを特徴とする請求項1〜14の何れかに記載のフィン付き熱交換器。 - 筐体内の前面側に配設されている前面側熱交換器と、筐体内の背面側に配設されている背面側熱交換器とから構成された、請求項1〜15の何れかに記載のフィン付き熱交換器を製造する方法であって、
前面側熱交換器のフィンの上端部と背面側熱交換器のフィンの上端部とが境界部で繋がった状態の1枚のフィンとして連続的にプレス加工し、これらのフィンを多数積層して伝熱管を挿入した後、前記フィンを前面側熱交換器と背面側熱交換器との境界部で切断して、前記前面側熱交換器と前記背面側熱交換器とに分離することを特徴とするフィン付き熱交換器の製造方法。 - 筐体内の前面側に配設されている前面側熱交換器と、筐体内の背面側に配設されている背面側熱交換器とから構成され、
前面側熱交換器のフィンの上端部と背面側熱交換器のフィンの上端部とが繋がった状態のフィンにおける、伝熱管を挿入するためのフィンカラーの、気体の主流方向に対して直角方向となる段方向に対するピッチを、前記前面側熱交換器と前記背面側熱交換器との境界部で隣接する箇所のフィンカラーのピッチが、前記前面側熱交換器および前記背面側熱交換器のフィンカラーのピッチよりも短くなるように構成されている請求項15に記載のフィン付き熱交換器を製造する方法であって、
前面側熱交換器のフィンの上端部と背面側熱交換器のフィンの上端部とが境界部で繋がった状態の1枚のフィンとして連続的にプレス加工し、この連続プレス加工する際に、後で伝熱管を挿入するためのフィンカラーのピッチを前記前面側熱交換器と前記背面側熱交換器のそれぞれのフィンカラーが前記段方向に隣接する部分については、他の所定の段方向のピッチよりも短く形成し、
これらのフィンを多数積層して伝熱管を挿入した後、前記フィンを前面側熱交換器と背面側熱交換器との境界部で切断して、前記前面側熱交換器と前記背面側熱交換器とに分離することを特徴とするフィン付き熱交換器の製造方法。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002173472A JP2004019999A (ja) | 2002-06-14 | 2002-06-14 | フィン付き熱交換器およびその製造方法 |
CNB031430295A CN1249387C (zh) | 2002-06-14 | 2003-06-13 | 带散热片热交换器及其制造方法 |
KR10-2003-0038123A KR20030096070A (ko) | 2002-06-14 | 2003-06-13 | 핀이 부착된 열교환기 및 그 제조방법 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002173472A JP2004019999A (ja) | 2002-06-14 | 2002-06-14 | フィン付き熱交換器およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004019999A true JP2004019999A (ja) | 2004-01-22 |
Family
ID=30436995
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002173472A Pending JP2004019999A (ja) | 2002-06-14 | 2002-06-14 | フィン付き熱交換器およびその製造方法 |
Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004019999A (ja) |
KR (1) | KR20030096070A (ja) |
CN (1) | CN1249387C (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005345021A (ja) * | 2004-06-03 | 2005-12-15 | Toshiba Kyaria Kk | 熱交換器 |
JP2008039278A (ja) * | 2006-08-04 | 2008-02-21 | Sharp Corp | 熱交換器および空気調和機の室内機 |
JP2009236324A (ja) * | 2008-03-25 | 2009-10-15 | Toshiba Carrier Corp | 熱交換器の製造方法と、空気調和機の室内機 |
JP2012093073A (ja) * | 2010-09-28 | 2012-05-17 | Hitachi Appliances Inc | フィンチューブ熱交換器及びこれを備えた空気調和機 |
JP2015055371A (ja) * | 2013-09-10 | 2015-03-23 | 日立アプライアンス株式会社 | 空気調和機 |
JP2017138008A (ja) * | 2016-02-01 | 2017-08-10 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 熱交換器 |
WO2018098887A1 (zh) * | 2016-11-29 | 2018-06-07 | 美的集团武汉制冷设备有限公司 | 多折式换热器和空调器 |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5081881B2 (ja) * | 2009-09-15 | 2012-11-28 | 日立アプライアンス株式会社 | 空気調和機 |
CN202188613U (zh) * | 2011-07-05 | 2012-04-11 | 海信科龙电器股份有限公司 | 一种空调室内机蒸发器结构 |
CN103537529B (zh) * | 2012-07-12 | 2015-08-26 | 珠海格力电器股份有限公司 | 一种风冷换热器的冲孔方法和一种风冷换热器 |
CN105363284B (zh) * | 2014-08-25 | 2019-11-01 | 富士通将军股份有限公司 | 空气净化机 |
CN110748966B (zh) * | 2019-10-18 | 2021-09-21 | 青岛海尔空调器有限总公司 | 换热组件及空调室内机 |
-
2002
- 2002-06-14 JP JP2002173472A patent/JP2004019999A/ja active Pending
-
2003
- 2003-06-13 CN CNB031430295A patent/CN1249387C/zh not_active Expired - Fee Related
- 2003-06-13 KR KR10-2003-0038123A patent/KR20030096070A/ko not_active Application Discontinuation
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005345021A (ja) * | 2004-06-03 | 2005-12-15 | Toshiba Kyaria Kk | 熱交換器 |
JP4549106B2 (ja) * | 2004-06-03 | 2010-09-22 | 東芝キヤリア株式会社 | 熱交換器 |
JP2008039278A (ja) * | 2006-08-04 | 2008-02-21 | Sharp Corp | 熱交換器および空気調和機の室内機 |
JP2009236324A (ja) * | 2008-03-25 | 2009-10-15 | Toshiba Carrier Corp | 熱交換器の製造方法と、空気調和機の室内機 |
JP2012093073A (ja) * | 2010-09-28 | 2012-05-17 | Hitachi Appliances Inc | フィンチューブ熱交換器及びこれを備えた空気調和機 |
JP2015055371A (ja) * | 2013-09-10 | 2015-03-23 | 日立アプライアンス株式会社 | 空気調和機 |
JP2017138008A (ja) * | 2016-02-01 | 2017-08-10 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 熱交換器 |
WO2018098887A1 (zh) * | 2016-11-29 | 2018-06-07 | 美的集团武汉制冷设备有限公司 | 多折式换热器和空调器 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
KR20030096070A (ko) | 2003-12-24 |
CN1249387C (zh) | 2006-04-05 |
CN1472479A (zh) | 2004-02-04 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4725277B2 (ja) | フィン付き熱交換器 | |
US5573059A (en) | Air conditioning machine | |
JP4511143B2 (ja) | フィン付き熱交換器およびその製造方法 | |
JP2004019999A (ja) | フィン付き熱交換器およびその製造方法 | |
JP2002062076A (ja) | 細径管型熱交換器 | |
JP2000329486A (ja) | フィン付き熱交換器 | |
JP2008121950A (ja) | フィン付き熱交換器 | |
EP3786565B1 (en) | Microchannel flat tube and microchannel heat exchanger | |
JP4876660B2 (ja) | フィン付き熱交換器及び空気調和機 | |
JP2011043251A (ja) | フィン付き熱交換器 | |
JP2008215694A (ja) | フィン付き熱交換器 | |
JP2004101074A (ja) | 熱交換器 | |
JPH11183076A (ja) | 熱交換器 | |
JP2006162183A (ja) | フィン付き熱交換器 | |
JP2006097953A (ja) | フィン付き熱交換器 | |
JP4179137B2 (ja) | フィン付き熱交換器 | |
JP3048614B2 (ja) | 熱交換器 | |
WO2021161729A1 (ja) | 熱交換器およびそれを用いた空気調和機 | |
JP2008121920A (ja) | フィン付き熱交換器 | |
JPH10132480A (ja) | 空気調和機用熱交換器 | |
JP4513207B2 (ja) | 空気熱交換器 | |
JP2002054840A (ja) | 空気調和機 | |
JP4004335B2 (ja) | 熱交換器 | |
JP3156008B2 (ja) | 蒸発器の製造方法 | |
JP2005055013A (ja) | 熱交換器 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20041222 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20061115 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20061212 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20070619 |