JP2004019923A - 保持器付きころおよびこれを用いた減速装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】一定のスペース内で大負荷容量を得ることができ、部品点数も少なくて済み、通油性にも優れた保持器付きころを提供する。
【解決手段】この保持器付きころは、保持器1と複数のころ2とからなる。保持器1は、互いに軸方向に離れて対面する一対の環状部分3、および両環状部分3の外径縁間に渡って円周方向の複数箇所に設けられた柱部5を有する。保持器1の隣合う柱部5の間のポケット6にころ2が収容される。一対の環状部分3のうち、いずれか片方または両方の環状部分3の内径部における隣合うころ2間の部分に、ころ2の保持器内径側への抜け止めを行う抜け止め手段7が設けられる。抜け止め手段7は、例えばステーキング部分からなる突起とされる。
【選択図】 図1
【解決手段】この保持器付きころは、保持器1と複数のころ2とからなる。保持器1は、互いに軸方向に離れて対面する一対の環状部分3、および両環状部分3の外径縁間に渡って円周方向の複数箇所に設けられた柱部5を有する。保持器1の隣合う柱部5の間のポケット6にころ2が収容される。一対の環状部分3のうち、いずれか片方または両方の環状部分3の内径部における隣合うころ2間の部分に、ころ2の保持器内径側への抜け止めを行う抜け止め手段7が設けられる。抜け止め手段7は、例えばステーキング部分からなる突起とされる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、産業機械一般に用いられる高負荷容量型等の保持器付きころ、およびこれを用いた遊星歯車減速装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一定のスペース内で最大の負荷容量を得る軸受として総ころ形式があるが、取り扱い上の問題点、すなわち組立、分解時の取扱性の悪さがあり、また、使用中の、ころスキューによる機能的な問題が内在している。
これらの問題を解決するため、保持器付きころが種々提案されている。保持器は、ころを保持するため、外側へのころ抜け止めと、内側へのころ抜け止めを必要とする。
【0003】
図12に示した保持器は、その一例を示す。同図の保持器70は、断面M形をなし、ころピッチ円径PCDより小径の中央環状部71と、ころピッチ円径PCDより大径の外方環状部72と、外方環状部72から内径側に折曲された鍔部73,73からなっている。この保持器70は、ころ74の外方への抜け止めを外方環状部72で、また内方への抜け止めを中央環状部71によって行う。すなわち、それぞれ環状部71,72の円周等配位置に、ころ74を収容するポケット75を形成しているが、このポケット75に突出した係止片76の幅を、ころ74の外径よりも僅かに小さくしている。ころ74の装着は、内径側から、ポケット75の係止片76を弾性変形させて行う。
【0004】
一定スペース内(一定の内径、外径)で、保持器70に組み込むころ74の本数を増加させて行くと、図12(B)の柱幅寸法aが小さくなり、加工上の限界が出て来るだけでなく、保持器強度も低下する。そのため、同図の例のような保持器70とは基本的に異なった構成の保持器が求められる。
また、遊星歯車減速装置における遊星歯車とクランク軸間に介在させる保持器付きころでは、保持器の鍔部面積の要求がある。すなわち、クランク軸の隣接する偏心軸部に2枚の遊星歯車を並べて設置したものでは、これら偏心軸部の偏心回転に伴い、保持器の鍔部が、隣接する遊星歯車の幅面と慴接する。そのため、鍔部の面積がある程度なければ、隣接する遊星歯車の内径に干渉してしまう恐れがある。
【0005】
このような課題を解消するものとして、本出願人は、次のものを提案した(特開2000−179544)。これは、図13に示すように、外方部材83および内方部材84からなる保持器81と、ころ82とを備える。外方部材83は、ころ配列のピッチ円径PCDより大径の環状部83aと、この環状部83aの軸方向両端部を内径側に折曲した鍔部83bとを有する。内方部材84はころ配列のピッチ円径PCDより小径の環状に形成する。これら外方部材83の環状部83aおよび内方部材84の円周方向複数箇所にポケット85,86を設け、外,内の部材83,84のポケット85,86にわたってころ82を収容する。鍔付きとするのは、外,内のいずれの部材83,84であっても良い。
このように、保持器81を外方部材83と内方部材84の2部品で構成した場合、ポケット間の柱部87,88を狭く加工することができて、限られたスペース内で多くのころ82を収容することができる。また、片方の部材83を鍔付きとするため、隣接部品と摺接するような場合にも、支障が生じない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記提案例のものは、外方部材83と別部品の内方部材84を用いているため、部品点数が増加し、コスト高となる。また、軸受内の空間容積が内方部材84によって小さくなるため、通油性の面で若干不利になることが予想される。
【0007】
この発明の目的は、一定のスペース内で大負荷容量を得ることができ、部品点数も少なくて済み、通油性にも優れた保持器付きころを提供することである。
この発明の他の目的は、遊星歯車とクランク軸間に介在させる保持器付きころの部品点数の削減、通油性の向上、一定スペース内での大負荷容量化が可能で、装置全体のコンパクト化が図れ、また保持器付きころが、隣接する遊星歯車の内径に干渉する問題のない遊星歯車減速装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明における第1の発明の保持器付きころは、互いに軸方向に離れて対面する一対の環状部分、および両環状部分の外径縁間に渡って円周方向の複数箇所に設けられた柱部を有する保持器と、この保持器の上記各柱部間に介在しこの柱部によって円周方向の間隔保持と保持器外径側に対する抜け止めとが成された複数のころとでなる保持器付きころであって、上記環状部分の内径部における隣合うころ間の部分に、上記ころの保持器内径側への抜け止めを行う抜け止め手段を設けたことを特徴とする。
この構成によると、保持器の柱部と抜け止め手段とで、ころの外径側への抜け止めと内径側への抜け止めとを分担させたため、柱部が簡素な形状となり、柱部の位置を外径方向に移動する事が可能となり、ころ間のすき間を小さくする事が出来る。すなわち一定のスペース内でころ本数を多くすることができ、大きな負荷容量を得ることができる。ころの内径側への抜け止めは、保持器の環状部分に設けた抜け止め手段で行うため、保持器が1部品で構成でき、部品点数が削減できて、低コストとできる。また、上記内径側への抜け止め手段が、保持器の環状部分に設けられたものであるため、柱部と異なり、軸方向の一部に局部的に設けたもので済む。そのため、抜け止め手段が設けられていても、軸受内の空間容積の減少に影響が少なく、内径側に柱部を設ける場合に比べて通油性が向上する。
【0009】
上記抜け止め手段は、上記一対の環状部分における両側の環状部分に設けても良く、また片方の環状部分のみに設けても良い。片方の環状部分のみに抜け止め手段を設けた場合、ころは上記抜け止め手段で一端が支持され、他端が内径側へ傾くことがあるが、両側の環状部分間の間隔ところ長さの関係を適宜設定しておけば、ころの他端は環状部分の内面に当接することで、抜けるまでに至らない。抜け止め手段は、保持器付きころを単独で取り扱うときに、ころの抜け止めを行うものであり、機器に組み込まれた状態で必要なものではないため、上記のようにころが傾き状態で抜け止めされても、使用上の性能への影響はない。このように内径側への抜け止め手段を片方の環状部分のみに設ける構成とした場合、製造が簡単でより低コスト化が図れる。
【0010】
上記抜け止め手段は、例えば上記環状部分の内面から突出させた突起とする。突起とすると、加工が簡単でより一層低コスト化が図れる。
上記突起は、例えばステーキング部分とする。ステーキングは、加締によって突起を形成する局部的な塑性加工であり、簡単な加工で突部が形成でき、より低コスト化できる。
【0011】
この発明の保持器付きころにおいて、上記保持器が鋼板のプレス形成品であっても良い。また、上記環状部分は平板状であっても良い。鋼板のプレス形成品とし、上記環状部分を平板状とすると、簡単な加工で安価に製造できる。特に、上記抜け止め手段をステーキング部分からなる突起とした場合は、鋼板のプレス成形品としたことと相まって、保持器全体の加工が簡単であり、安価に製造することができる。
【0012】
この発明における第2の発明の保持器付きころは、第1の発明とは柱部と抜け止め部の内径側と外径側の配置関係を逆にしたものである。すなわち、この保持器付きころは、互いに軸方向に離れて対面する一対の環状部分、および両環状部分の内径縁間に渡って円周方向の複数箇所に設けられた柱部を有する保持器と、この保持器の上記各柱部間に介在し上記柱部により円周方向の間隔保持と保持器内径側に対する抜け止めとが成された複数のころとでなる保持器付きころであって、上記環状部分の外径部における隣合うころ間の部分に、上記ころの保持器外径側への抜け止めを行う抜け止め手段を設けたことを特徴とする。
この構成の場合も、保持器の柱部と抜け止め手段とで、ころの内径側への抜け止めと外径側への抜け止めとを分担させたため、柱部の位置を、内径方向に移動する事が可能となり、ころ間のすき間を小さくする事が出来る。そのため、一定のスペース内でころ本数を多くする事により大負荷容量を得ることができ、部品点数も少なくて済む。また、外径側の抜け止め手段が、保持器の環状部分に設けられたものであるため、局部的に設けたもので済み、通油性が向上する。
【0013】
この発明の保持器付きころは、遊星歯車減速装置における遊星歯車とこの遊星歯車を支持するクランク軸との間に設置されるものであっても良い。
【0014】
この発明の遊星歯車減速装置は、内歯または外歯の太陽歯車と、この太陽歯車と同心に回転自在に設けられたキャリアと、このキャリアに回転自在に支持されて隣接する複数の偏心軸部を有するクランク軸と、このクランク軸の前記各偏心軸部に保持器付きころを介して設置されて前記太陽歯車に噛み合う複数の遊星歯車とを備えた遊星歯車減速装置において、上記保持器付きころを、請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の保持器付きころとしたことを特徴とする。
このような遊星歯車減速装置においては、遊星歯車の支持に大荷重が必要となり、またその支持部は限られたスペースとなるが、上記の柱部と抜け止め手段とを設けた保持器によると、このような限られたスペース内でころ本数の増加を図ることができ、大きな負荷容量を得ることができる。また、このようにクランク軸に遊星歯車を設置した遊星歯車減速装置は、遊星歯車とクランク軸の間に介在する保持器付きころが、隣接する遊星歯車の内径に干渉することを防止する必要がある。これに対して、上記の柱部と抜け止め手段を環状部分の外径側と内径側とに分けて設けた保持器によると、上記環状部分が径方向にある程度の幅を持つものとなるため、隣接する遊星歯車の内径に干渉することを、保持器の環状部分で得る防止することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
この発明の第1の実施形態にかかる保持器付きころを、図1ないし図6と共に説明する。この保持器付きころは、保持器1と複数のころ2とからなる。保持器1は、互いに軸方向に離れて対面する一対の環状部分3,4、および両環状部分3,4の外径縁間に渡って円周方向の複数箇所に設けられた柱部5を有する。各柱部5は矩形状の直線の部分であり、円周方向に並ぶ。保持器1の隣合う柱部5の間が、各ころ2を収容するポケット6となり、柱部5により各ころ2の間隔が保持される。保持器1の一対の環状部分3,4のうち、いずれか片方の環状部分3には、内径部における隣合うころ2間の部分に、ころ2の保持器内径側への抜け止めを行う抜け止め手段7が設けられている。保持器1は、全体が一体の鋼板のプレス加工品からなる。ころ2は、軸受鋼等からなり、例えば針状ころとされる。
【0016】
保持器1における両側の環状部分3,4は、保持器中心Oに対して垂直な平板状であり、いわば鍔状の部分である。環状部分3,4の内径縁と外径縁間の半径方向幅は、ころ2の外径よりも若干小さな程度の幅としてある。各柱部5間のポケット6の周方向m幅は、ころ2の外径よりも僅かに小さく、ころ2が外径側に抜けることを柱部5で防止している。保持器1の柱部5は、ころ2の配列のピッチ円PCDよりも外径側に位置し、抜け止め手段7はピッチ円PCDよりも内径側に位置する。
【0017】
保持器1の抜け止め手段7は、環状部分3の内面から突出させた突起であり、この実施形態では、図4〜図6に示すように、ステーキング部分からなる突起としてある。ステーキングは、加締によって突起を形成する局部的な塑性加工である。抜け止め手段7となる突起の形状は、図5のように内径側から見て、軸方向の内面側に円弧状に突出し、かつ裏側が凹み部分7aとなるカウンタシンク形状である。また、この抜け止め手段7は、図6に示すように環状部分3の内径縁の付近の部分7bが最も突出高さが高く、環状部分3の外径側に至るに従って突出高さが低くなる形状とされている。図6において、抜け止め手段7の最低部分を符号7cで示す。図4に示すように、抜け止め手段7の突出高さは、最も高い部分で、ころ2の端部の面取部分の軸方向幅と同程度としてある。抜け止め手段7の保持器円周方向の最大幅部分の幅Bは、ころ2の配列における各ころ2間の隙間Cよりも広くしてある。
【0018】
この構成の保持器付きころによると、保持器1の柱部5と抜け止め手段7とでころ2の外径側への抜け止めと内径側への抜け止めとを分担させたため、柱部5の位置を外径方向に移動させた位置にする事が可能となり、ころ間のすき間を小さくする事が出来る。そのため、一定のスペース内でころ2の本数を多くすることができ、大きな負荷容量を得ることができる。柱部5を簡素な形状とできることから、柱部5によるころ2の案内機能も向上し、回転精度面でも優れたものとできる。ころ2の内径側への抜け止めは、保持器1の環状部分3に設けた抜け止め手段7で行うため、保持器1が1部品で構成でき、部品点数が削減できて、低コストとできる。抜け止め手段7は、この実施形態ではステーキング部分からなる突部としているため、より一層加工が簡単で、加工コストが安価となる。また、内径側への抜け止め手段7が、保持器1の環状部分3に設けられたものであるため、柱部5と異なり、軸方向の一部に局部的に設けたもので済む。そのため、抜け止め手段7が設けられていても、軸受内の空間容積の減少に対する影響が少なく、内径側に柱部を設ける場合に比べて通油性が向上する。なお、抜け止め手段7をステーキングとした場合、環状部分3にステーキングを設けたあとに、ステーキングの部分を弾性変形させながら、ころ2を組み込む。
【0019】
なお、抜け止め手段7は、片方の環状部分3のみに設けたため、ころ2は抜け止め手段7で一端が支持され、他端が内径側へ傾くことがある。しかし、両側の環状部分3,4間の間隔ところ2の長さの関係を適宜設定しておけば、ころ2の他端は環状部分4の内面に当接することで、抜けるまでに至らない。抜け止め手段7は、保持器付きころを単独で取り扱うときに、ころ2の抜け止めを行うものであり、機器へ組み込まれた状態で必要なものではないため、上記のようにころ2が傾き状態で抜け止めされても、使用上の性能への影響はない。このように内径側への抜け止め手段7を片方の環状部分3のみに設ける構成とした場合、製造が簡単でより低コスト化が図れる。
【0020】
また、保持器1における両側の環状部分3,4は、鍔状の平板状であるため、環状部分3,4にある程度の面積が確保でき、そのため、保持器1が後述の遊星歯車支持用のクランク軸等に設置されて隣接部品と摺接するような場合でも、保持器が遊星歯車等の隣接部品の内径面に干渉する等の支障が無くなる。
【0021】
図7,図8は、この発明の他の実施形態を示す。この実施形態は、第1の実施形態において、抜け止め手段7を両側の環状部分3,4の内径部に設けたものである。
このように抜け止め手段7を両側に設けると、抜け止め効果が確実となる。この実施形態におけるその他の構成、効果は、第1の実施形態と同じである。
【0022】
図9はこの発明のさらに他の実施形態を示す。この実施形態は、いわば第1の実施形態において、保持器1における柱部5と抜け止め手段7の位置関係を内外逆としたものである。
この保持器付きころは、保持器1Aと複数のころ2とからなる。保持器1Aは互いに軸方向に離れて対面する一対の環状部分3A,4A、および両環状部分3A,4Aの内径縁間に渡って円周方向の複数箇所に設けられた柱部5Aを有する。ころ2は、保持器1Aの各柱部5A間のポケット6A内に介在し、柱部5Aにより円周方向の間隔保持と保持器内径側に対する抜け止めとが成される。いずれか一方の環状部分3Aの外径部における隣合うころ2間の部分に、ころ2の保持器外径側への抜け止めを行う抜け止め手段7が設けられている。抜け止め手段7は上記各実施形態と同じく、ステーキング部分からなる突起である。なお、抜け止め手段7は、両側の環状部分3A,4Aに設けても良い。その他の構成は第1の実施形態と同じである。
【0023】
この実施形態においても、一定のスペース内で大きな負荷容量を得ることができ、ころ案内機能、強度面、精度面でも優れ、保持器1Aが隣接部品と摺接する場合にも支障のないものとできる。ただし、この実施形態の場合、柱部5Aが内径側となるため、第1の実施形態と保持器の幅を同じとすると、ころ2の配列隙間が大きくなる。
【0024】
図10,図11は、この発明の保持器付きころを応用した遊星歯車減速装置の一例を示す。この遊星歯車減速装置は、内歯のリング歯車21と、回転出力部となるキャリア22と、このキャリア22に回転自在に支持されて隣接する複数の偏心軸部23a,23bを有するクランク軸23と、このクランク軸23の各偏心軸部23a,23bに回転自在に設置されてリング歯車21に噛み合う複数の遊星歯車24,25と、クランク軸23に回転を入力する回転入力部26とを有する。リング歯車21は、内歯の太陽歯車のことである。リング歯車21はハウジング27に固定され、キャリア22はリング歯車21と同心に回転自在なように、軸受28(図11)を介してハウジング27に設置されている。回転入力部26は、リング歯車21と同心の入力軸29と、各クランク軸23に設けられて入力軸29の歯車部に噛み合う伝達歯車30とで構成される。クランク軸23は、キャリア22の円周方向複数箇所(例えば3箇所)に設けられている。遊星歯車24,25は、図11に示すように、各々保持器付きころ31を介してクランク軸23の偏心軸部23a,23bに設置されている。この保持器付きころ31に、この発明の保持器付きころ、例えば上記第1実施形態、または図7,図8の実施形態の保持器付きころが用いられる。図9の実施形態の保持器付きころを用いても良い。
【0025】
この遊星歯車減速装置の動作を説明する。中心の入力軸29を回転させると、伝達歯車30を介して3本のクランク軸23が互いに同期して回転する。ここで、1段目の減速が行われる。クランク軸23と遊星歯車24,25とは、保持器付きころ31を介して連結されており、クランク軸23の振れ回りは、遊星歯車24,25が内歯のリング歯車21の内側を回るときの公転と自転の合成運動に同期する。軸方向に並ぶ2枚の遊星歯車24,25は、互いに180°位相がずれた状態で内歯リング歯車21の内周を公転する。このため、2枚の遊星歯車24,25の振れ回りによる慣性力は打ち消し合う。内歯リング歯車21は固定してあり、遊星歯車24,25は内歯リング歯車21の内周を回る。3本のクランク軸23は、出力部材となるキャリア22の2枚の円盤部22a,22bの間に挟まっている。したがって、遊星歯車24,25の公転は、クランク軸23の公転を通じてキャリア22に達し、減速された回転運動が得られる。
【0026】
この構成の遊星歯車減速装置は、遊星歯車24,25とクランク軸23の間に介在した保持器付きころ31に、大きな負荷が作用し、しかもこの保持器付きころ31の設置スペースは、減速装置全体の大型化を避けるために限られたスペースとなる。また、この保持器付きころ31の保持器は、隣接する遊星歯車24,25の幅面と摺接する。しかし、上記各実施形態の保持器付きころによると、限られたスペース内で大きな負荷容量を得ることができ、また保持器1,1Aが両側に鍔状の環状部分3,4,3A,4Aを有しているため、隣接する互いに偏心した遊星歯車24,25の幅面との摺接によっても、その遊星歯車24,25の内径面に干渉する問題が生じない。
【0027】
なお、上記各実施形態において、保持器1,1Aは鋼板のプレス加工品としたが、保持器1,1Aは鋼材の削り出し品であっても良く、また樹脂製であっても良い。
【0028】
【発明の効果】
この発明の保持器付きころは、互いに軸方向に離れて対面する一対の環状部分、および両環状部分の外径縁間に渡って円周方向の複数箇所に設けられた柱部を有する保持器と、この保持器の上記各柱部間に介在し柱部によって円周方向の間隔保持と保持器外径側に対する抜け止めとが成された複数のころとでなる保持器付きころであって、上記環状部分の内径部における隣合うころ間の部分に、上記ころの保持器内径側への抜け止めを行う抜け止め手段を設けたものであるため、一定のスペース内で大負荷容量を得ることができ、部品点数も少なくて済み、通油性にも優れたものとできる。
この発明の遊星歯車減速装置は、この発明の保持器付きころを用いたものであるため、遊星歯車とクランク軸間に介在させる保持器付きころの部品点数の削減、通油性の向上、一定スペース内での大負荷容量化を得ることができて、装置全体のコンパクト化が図れ、また保持器付きころが、隣接する遊星歯車の内径に干渉する問題のないものとできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態にかかる保持器付きころの横断面図である。
【図2】図1のII−II 線に沿う断面図である。
【図3】同保持器付きころの正面図である。
【図4】図1のIV−IV 矢印図である。
【図5】図4のV部分の拡大図である。
【図6】同保持器付きころにおける抜け止め手段の斜視図である。
【図7】この発明の他の実施形態にかかる保持器付きころの縦断面図である。
【図8】同保持器付きころを内径側から見た部分図である。
【図9】この発明のさらに他の実施形態にかかる保持器付きころの縦断面図である。
【図10】この発明の保持器付きころを用いた遊星歯車減速装置の一例の模式図である。
【図11】同遊星歯車減速装置の部分切欠側面図である。
【図12】(A)は従来の保持器付きころの保持器の部分斜視図、(B)はその保持器付きころの部分断面図である。
【図13】他の従来例の部分縦断面図および部分横断面図である。
【符号の説明】
1…保持器
2…ころ
3,4…環状部分
5…柱部
6…ポケット
7…抜け止め手段
1A…保持器
3A,4A…環状部分
5A…柱部
6A…ポケット
21…リング歯車(太陽歯車)
22…キャリア
23…クランク軸
23a,23b…偏心軸部
24,25…遊星歯車
26…入力部
31…保持器付きころ
【発明の属する技術分野】
この発明は、産業機械一般に用いられる高負荷容量型等の保持器付きころ、およびこれを用いた遊星歯車減速装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一定のスペース内で最大の負荷容量を得る軸受として総ころ形式があるが、取り扱い上の問題点、すなわち組立、分解時の取扱性の悪さがあり、また、使用中の、ころスキューによる機能的な問題が内在している。
これらの問題を解決するため、保持器付きころが種々提案されている。保持器は、ころを保持するため、外側へのころ抜け止めと、内側へのころ抜け止めを必要とする。
【0003】
図12に示した保持器は、その一例を示す。同図の保持器70は、断面M形をなし、ころピッチ円径PCDより小径の中央環状部71と、ころピッチ円径PCDより大径の外方環状部72と、外方環状部72から内径側に折曲された鍔部73,73からなっている。この保持器70は、ころ74の外方への抜け止めを外方環状部72で、また内方への抜け止めを中央環状部71によって行う。すなわち、それぞれ環状部71,72の円周等配位置に、ころ74を収容するポケット75を形成しているが、このポケット75に突出した係止片76の幅を、ころ74の外径よりも僅かに小さくしている。ころ74の装着は、内径側から、ポケット75の係止片76を弾性変形させて行う。
【0004】
一定スペース内(一定の内径、外径)で、保持器70に組み込むころ74の本数を増加させて行くと、図12(B)の柱幅寸法aが小さくなり、加工上の限界が出て来るだけでなく、保持器強度も低下する。そのため、同図の例のような保持器70とは基本的に異なった構成の保持器が求められる。
また、遊星歯車減速装置における遊星歯車とクランク軸間に介在させる保持器付きころでは、保持器の鍔部面積の要求がある。すなわち、クランク軸の隣接する偏心軸部に2枚の遊星歯車を並べて設置したものでは、これら偏心軸部の偏心回転に伴い、保持器の鍔部が、隣接する遊星歯車の幅面と慴接する。そのため、鍔部の面積がある程度なければ、隣接する遊星歯車の内径に干渉してしまう恐れがある。
【0005】
このような課題を解消するものとして、本出願人は、次のものを提案した(特開2000−179544)。これは、図13に示すように、外方部材83および内方部材84からなる保持器81と、ころ82とを備える。外方部材83は、ころ配列のピッチ円径PCDより大径の環状部83aと、この環状部83aの軸方向両端部を内径側に折曲した鍔部83bとを有する。内方部材84はころ配列のピッチ円径PCDより小径の環状に形成する。これら外方部材83の環状部83aおよび内方部材84の円周方向複数箇所にポケット85,86を設け、外,内の部材83,84のポケット85,86にわたってころ82を収容する。鍔付きとするのは、外,内のいずれの部材83,84であっても良い。
このように、保持器81を外方部材83と内方部材84の2部品で構成した場合、ポケット間の柱部87,88を狭く加工することができて、限られたスペース内で多くのころ82を収容することができる。また、片方の部材83を鍔付きとするため、隣接部品と摺接するような場合にも、支障が生じない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記提案例のものは、外方部材83と別部品の内方部材84を用いているため、部品点数が増加し、コスト高となる。また、軸受内の空間容積が内方部材84によって小さくなるため、通油性の面で若干不利になることが予想される。
【0007】
この発明の目的は、一定のスペース内で大負荷容量を得ることができ、部品点数も少なくて済み、通油性にも優れた保持器付きころを提供することである。
この発明の他の目的は、遊星歯車とクランク軸間に介在させる保持器付きころの部品点数の削減、通油性の向上、一定スペース内での大負荷容量化が可能で、装置全体のコンパクト化が図れ、また保持器付きころが、隣接する遊星歯車の内径に干渉する問題のない遊星歯車減速装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明における第1の発明の保持器付きころは、互いに軸方向に離れて対面する一対の環状部分、および両環状部分の外径縁間に渡って円周方向の複数箇所に設けられた柱部を有する保持器と、この保持器の上記各柱部間に介在しこの柱部によって円周方向の間隔保持と保持器外径側に対する抜け止めとが成された複数のころとでなる保持器付きころであって、上記環状部分の内径部における隣合うころ間の部分に、上記ころの保持器内径側への抜け止めを行う抜け止め手段を設けたことを特徴とする。
この構成によると、保持器の柱部と抜け止め手段とで、ころの外径側への抜け止めと内径側への抜け止めとを分担させたため、柱部が簡素な形状となり、柱部の位置を外径方向に移動する事が可能となり、ころ間のすき間を小さくする事が出来る。すなわち一定のスペース内でころ本数を多くすることができ、大きな負荷容量を得ることができる。ころの内径側への抜け止めは、保持器の環状部分に設けた抜け止め手段で行うため、保持器が1部品で構成でき、部品点数が削減できて、低コストとできる。また、上記内径側への抜け止め手段が、保持器の環状部分に設けられたものであるため、柱部と異なり、軸方向の一部に局部的に設けたもので済む。そのため、抜け止め手段が設けられていても、軸受内の空間容積の減少に影響が少なく、内径側に柱部を設ける場合に比べて通油性が向上する。
【0009】
上記抜け止め手段は、上記一対の環状部分における両側の環状部分に設けても良く、また片方の環状部分のみに設けても良い。片方の環状部分のみに抜け止め手段を設けた場合、ころは上記抜け止め手段で一端が支持され、他端が内径側へ傾くことがあるが、両側の環状部分間の間隔ところ長さの関係を適宜設定しておけば、ころの他端は環状部分の内面に当接することで、抜けるまでに至らない。抜け止め手段は、保持器付きころを単独で取り扱うときに、ころの抜け止めを行うものであり、機器に組み込まれた状態で必要なものではないため、上記のようにころが傾き状態で抜け止めされても、使用上の性能への影響はない。このように内径側への抜け止め手段を片方の環状部分のみに設ける構成とした場合、製造が簡単でより低コスト化が図れる。
【0010】
上記抜け止め手段は、例えば上記環状部分の内面から突出させた突起とする。突起とすると、加工が簡単でより一層低コスト化が図れる。
上記突起は、例えばステーキング部分とする。ステーキングは、加締によって突起を形成する局部的な塑性加工であり、簡単な加工で突部が形成でき、より低コスト化できる。
【0011】
この発明の保持器付きころにおいて、上記保持器が鋼板のプレス形成品であっても良い。また、上記環状部分は平板状であっても良い。鋼板のプレス形成品とし、上記環状部分を平板状とすると、簡単な加工で安価に製造できる。特に、上記抜け止め手段をステーキング部分からなる突起とした場合は、鋼板のプレス成形品としたことと相まって、保持器全体の加工が簡単であり、安価に製造することができる。
【0012】
この発明における第2の発明の保持器付きころは、第1の発明とは柱部と抜け止め部の内径側と外径側の配置関係を逆にしたものである。すなわち、この保持器付きころは、互いに軸方向に離れて対面する一対の環状部分、および両環状部分の内径縁間に渡って円周方向の複数箇所に設けられた柱部を有する保持器と、この保持器の上記各柱部間に介在し上記柱部により円周方向の間隔保持と保持器内径側に対する抜け止めとが成された複数のころとでなる保持器付きころであって、上記環状部分の外径部における隣合うころ間の部分に、上記ころの保持器外径側への抜け止めを行う抜け止め手段を設けたことを特徴とする。
この構成の場合も、保持器の柱部と抜け止め手段とで、ころの内径側への抜け止めと外径側への抜け止めとを分担させたため、柱部の位置を、内径方向に移動する事が可能となり、ころ間のすき間を小さくする事が出来る。そのため、一定のスペース内でころ本数を多くする事により大負荷容量を得ることができ、部品点数も少なくて済む。また、外径側の抜け止め手段が、保持器の環状部分に設けられたものであるため、局部的に設けたもので済み、通油性が向上する。
【0013】
この発明の保持器付きころは、遊星歯車減速装置における遊星歯車とこの遊星歯車を支持するクランク軸との間に設置されるものであっても良い。
【0014】
この発明の遊星歯車減速装置は、内歯または外歯の太陽歯車と、この太陽歯車と同心に回転自在に設けられたキャリアと、このキャリアに回転自在に支持されて隣接する複数の偏心軸部を有するクランク軸と、このクランク軸の前記各偏心軸部に保持器付きころを介して設置されて前記太陽歯車に噛み合う複数の遊星歯車とを備えた遊星歯車減速装置において、上記保持器付きころを、請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の保持器付きころとしたことを特徴とする。
このような遊星歯車減速装置においては、遊星歯車の支持に大荷重が必要となり、またその支持部は限られたスペースとなるが、上記の柱部と抜け止め手段とを設けた保持器によると、このような限られたスペース内でころ本数の増加を図ることができ、大きな負荷容量を得ることができる。また、このようにクランク軸に遊星歯車を設置した遊星歯車減速装置は、遊星歯車とクランク軸の間に介在する保持器付きころが、隣接する遊星歯車の内径に干渉することを防止する必要がある。これに対して、上記の柱部と抜け止め手段を環状部分の外径側と内径側とに分けて設けた保持器によると、上記環状部分が径方向にある程度の幅を持つものとなるため、隣接する遊星歯車の内径に干渉することを、保持器の環状部分で得る防止することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
この発明の第1の実施形態にかかる保持器付きころを、図1ないし図6と共に説明する。この保持器付きころは、保持器1と複数のころ2とからなる。保持器1は、互いに軸方向に離れて対面する一対の環状部分3,4、および両環状部分3,4の外径縁間に渡って円周方向の複数箇所に設けられた柱部5を有する。各柱部5は矩形状の直線の部分であり、円周方向に並ぶ。保持器1の隣合う柱部5の間が、各ころ2を収容するポケット6となり、柱部5により各ころ2の間隔が保持される。保持器1の一対の環状部分3,4のうち、いずれか片方の環状部分3には、内径部における隣合うころ2間の部分に、ころ2の保持器内径側への抜け止めを行う抜け止め手段7が設けられている。保持器1は、全体が一体の鋼板のプレス加工品からなる。ころ2は、軸受鋼等からなり、例えば針状ころとされる。
【0016】
保持器1における両側の環状部分3,4は、保持器中心Oに対して垂直な平板状であり、いわば鍔状の部分である。環状部分3,4の内径縁と外径縁間の半径方向幅は、ころ2の外径よりも若干小さな程度の幅としてある。各柱部5間のポケット6の周方向m幅は、ころ2の外径よりも僅かに小さく、ころ2が外径側に抜けることを柱部5で防止している。保持器1の柱部5は、ころ2の配列のピッチ円PCDよりも外径側に位置し、抜け止め手段7はピッチ円PCDよりも内径側に位置する。
【0017】
保持器1の抜け止め手段7は、環状部分3の内面から突出させた突起であり、この実施形態では、図4〜図6に示すように、ステーキング部分からなる突起としてある。ステーキングは、加締によって突起を形成する局部的な塑性加工である。抜け止め手段7となる突起の形状は、図5のように内径側から見て、軸方向の内面側に円弧状に突出し、かつ裏側が凹み部分7aとなるカウンタシンク形状である。また、この抜け止め手段7は、図6に示すように環状部分3の内径縁の付近の部分7bが最も突出高さが高く、環状部分3の外径側に至るに従って突出高さが低くなる形状とされている。図6において、抜け止め手段7の最低部分を符号7cで示す。図4に示すように、抜け止め手段7の突出高さは、最も高い部分で、ころ2の端部の面取部分の軸方向幅と同程度としてある。抜け止め手段7の保持器円周方向の最大幅部分の幅Bは、ころ2の配列における各ころ2間の隙間Cよりも広くしてある。
【0018】
この構成の保持器付きころによると、保持器1の柱部5と抜け止め手段7とでころ2の外径側への抜け止めと内径側への抜け止めとを分担させたため、柱部5の位置を外径方向に移動させた位置にする事が可能となり、ころ間のすき間を小さくする事が出来る。そのため、一定のスペース内でころ2の本数を多くすることができ、大きな負荷容量を得ることができる。柱部5を簡素な形状とできることから、柱部5によるころ2の案内機能も向上し、回転精度面でも優れたものとできる。ころ2の内径側への抜け止めは、保持器1の環状部分3に設けた抜け止め手段7で行うため、保持器1が1部品で構成でき、部品点数が削減できて、低コストとできる。抜け止め手段7は、この実施形態ではステーキング部分からなる突部としているため、より一層加工が簡単で、加工コストが安価となる。また、内径側への抜け止め手段7が、保持器1の環状部分3に設けられたものであるため、柱部5と異なり、軸方向の一部に局部的に設けたもので済む。そのため、抜け止め手段7が設けられていても、軸受内の空間容積の減少に対する影響が少なく、内径側に柱部を設ける場合に比べて通油性が向上する。なお、抜け止め手段7をステーキングとした場合、環状部分3にステーキングを設けたあとに、ステーキングの部分を弾性変形させながら、ころ2を組み込む。
【0019】
なお、抜け止め手段7は、片方の環状部分3のみに設けたため、ころ2は抜け止め手段7で一端が支持され、他端が内径側へ傾くことがある。しかし、両側の環状部分3,4間の間隔ところ2の長さの関係を適宜設定しておけば、ころ2の他端は環状部分4の内面に当接することで、抜けるまでに至らない。抜け止め手段7は、保持器付きころを単独で取り扱うときに、ころ2の抜け止めを行うものであり、機器へ組み込まれた状態で必要なものではないため、上記のようにころ2が傾き状態で抜け止めされても、使用上の性能への影響はない。このように内径側への抜け止め手段7を片方の環状部分3のみに設ける構成とした場合、製造が簡単でより低コスト化が図れる。
【0020】
また、保持器1における両側の環状部分3,4は、鍔状の平板状であるため、環状部分3,4にある程度の面積が確保でき、そのため、保持器1が後述の遊星歯車支持用のクランク軸等に設置されて隣接部品と摺接するような場合でも、保持器が遊星歯車等の隣接部品の内径面に干渉する等の支障が無くなる。
【0021】
図7,図8は、この発明の他の実施形態を示す。この実施形態は、第1の実施形態において、抜け止め手段7を両側の環状部分3,4の内径部に設けたものである。
このように抜け止め手段7を両側に設けると、抜け止め効果が確実となる。この実施形態におけるその他の構成、効果は、第1の実施形態と同じである。
【0022】
図9はこの発明のさらに他の実施形態を示す。この実施形態は、いわば第1の実施形態において、保持器1における柱部5と抜け止め手段7の位置関係を内外逆としたものである。
この保持器付きころは、保持器1Aと複数のころ2とからなる。保持器1Aは互いに軸方向に離れて対面する一対の環状部分3A,4A、および両環状部分3A,4Aの内径縁間に渡って円周方向の複数箇所に設けられた柱部5Aを有する。ころ2は、保持器1Aの各柱部5A間のポケット6A内に介在し、柱部5Aにより円周方向の間隔保持と保持器内径側に対する抜け止めとが成される。いずれか一方の環状部分3Aの外径部における隣合うころ2間の部分に、ころ2の保持器外径側への抜け止めを行う抜け止め手段7が設けられている。抜け止め手段7は上記各実施形態と同じく、ステーキング部分からなる突起である。なお、抜け止め手段7は、両側の環状部分3A,4Aに設けても良い。その他の構成は第1の実施形態と同じである。
【0023】
この実施形態においても、一定のスペース内で大きな負荷容量を得ることができ、ころ案内機能、強度面、精度面でも優れ、保持器1Aが隣接部品と摺接する場合にも支障のないものとできる。ただし、この実施形態の場合、柱部5Aが内径側となるため、第1の実施形態と保持器の幅を同じとすると、ころ2の配列隙間が大きくなる。
【0024】
図10,図11は、この発明の保持器付きころを応用した遊星歯車減速装置の一例を示す。この遊星歯車減速装置は、内歯のリング歯車21と、回転出力部となるキャリア22と、このキャリア22に回転自在に支持されて隣接する複数の偏心軸部23a,23bを有するクランク軸23と、このクランク軸23の各偏心軸部23a,23bに回転自在に設置されてリング歯車21に噛み合う複数の遊星歯車24,25と、クランク軸23に回転を入力する回転入力部26とを有する。リング歯車21は、内歯の太陽歯車のことである。リング歯車21はハウジング27に固定され、キャリア22はリング歯車21と同心に回転自在なように、軸受28(図11)を介してハウジング27に設置されている。回転入力部26は、リング歯車21と同心の入力軸29と、各クランク軸23に設けられて入力軸29の歯車部に噛み合う伝達歯車30とで構成される。クランク軸23は、キャリア22の円周方向複数箇所(例えば3箇所)に設けられている。遊星歯車24,25は、図11に示すように、各々保持器付きころ31を介してクランク軸23の偏心軸部23a,23bに設置されている。この保持器付きころ31に、この発明の保持器付きころ、例えば上記第1実施形態、または図7,図8の実施形態の保持器付きころが用いられる。図9の実施形態の保持器付きころを用いても良い。
【0025】
この遊星歯車減速装置の動作を説明する。中心の入力軸29を回転させると、伝達歯車30を介して3本のクランク軸23が互いに同期して回転する。ここで、1段目の減速が行われる。クランク軸23と遊星歯車24,25とは、保持器付きころ31を介して連結されており、クランク軸23の振れ回りは、遊星歯車24,25が内歯のリング歯車21の内側を回るときの公転と自転の合成運動に同期する。軸方向に並ぶ2枚の遊星歯車24,25は、互いに180°位相がずれた状態で内歯リング歯車21の内周を公転する。このため、2枚の遊星歯車24,25の振れ回りによる慣性力は打ち消し合う。内歯リング歯車21は固定してあり、遊星歯車24,25は内歯リング歯車21の内周を回る。3本のクランク軸23は、出力部材となるキャリア22の2枚の円盤部22a,22bの間に挟まっている。したがって、遊星歯車24,25の公転は、クランク軸23の公転を通じてキャリア22に達し、減速された回転運動が得られる。
【0026】
この構成の遊星歯車減速装置は、遊星歯車24,25とクランク軸23の間に介在した保持器付きころ31に、大きな負荷が作用し、しかもこの保持器付きころ31の設置スペースは、減速装置全体の大型化を避けるために限られたスペースとなる。また、この保持器付きころ31の保持器は、隣接する遊星歯車24,25の幅面と摺接する。しかし、上記各実施形態の保持器付きころによると、限られたスペース内で大きな負荷容量を得ることができ、また保持器1,1Aが両側に鍔状の環状部分3,4,3A,4Aを有しているため、隣接する互いに偏心した遊星歯車24,25の幅面との摺接によっても、その遊星歯車24,25の内径面に干渉する問題が生じない。
【0027】
なお、上記各実施形態において、保持器1,1Aは鋼板のプレス加工品としたが、保持器1,1Aは鋼材の削り出し品であっても良く、また樹脂製であっても良い。
【0028】
【発明の効果】
この発明の保持器付きころは、互いに軸方向に離れて対面する一対の環状部分、および両環状部分の外径縁間に渡って円周方向の複数箇所に設けられた柱部を有する保持器と、この保持器の上記各柱部間に介在し柱部によって円周方向の間隔保持と保持器外径側に対する抜け止めとが成された複数のころとでなる保持器付きころであって、上記環状部分の内径部における隣合うころ間の部分に、上記ころの保持器内径側への抜け止めを行う抜け止め手段を設けたものであるため、一定のスペース内で大負荷容量を得ることができ、部品点数も少なくて済み、通油性にも優れたものとできる。
この発明の遊星歯車減速装置は、この発明の保持器付きころを用いたものであるため、遊星歯車とクランク軸間に介在させる保持器付きころの部品点数の削減、通油性の向上、一定スペース内での大負荷容量化を得ることができて、装置全体のコンパクト化が図れ、また保持器付きころが、隣接する遊星歯車の内径に干渉する問題のないものとできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態にかかる保持器付きころの横断面図である。
【図2】図1のII−II 線に沿う断面図である。
【図3】同保持器付きころの正面図である。
【図4】図1のIV−IV 矢印図である。
【図5】図4のV部分の拡大図である。
【図6】同保持器付きころにおける抜け止め手段の斜視図である。
【図7】この発明の他の実施形態にかかる保持器付きころの縦断面図である。
【図8】同保持器付きころを内径側から見た部分図である。
【図9】この発明のさらに他の実施形態にかかる保持器付きころの縦断面図である。
【図10】この発明の保持器付きころを用いた遊星歯車減速装置の一例の模式図である。
【図11】同遊星歯車減速装置の部分切欠側面図である。
【図12】(A)は従来の保持器付きころの保持器の部分斜視図、(B)はその保持器付きころの部分断面図である。
【図13】他の従来例の部分縦断面図および部分横断面図である。
【符号の説明】
1…保持器
2…ころ
3,4…環状部分
5…柱部
6…ポケット
7…抜け止め手段
1A…保持器
3A,4A…環状部分
5A…柱部
6A…ポケット
21…リング歯車(太陽歯車)
22…キャリア
23…クランク軸
23a,23b…偏心軸部
24,25…遊星歯車
26…入力部
31…保持器付きころ
Claims (8)
- 互いに軸方向に離れて対面する一対の環状部分、および両環状部分の外径縁間に渡って円周方向の複数箇所に設けられた柱部を有する保持器と、この保持器の上記各柱部間に介在し柱部によって円周方向の間隔保持と保持器外径側に対する抜け止めとが成された複数のころとでなる保持器付きころであって、上記環状部分の内径部における隣合うころ間の部分に、上記ころの保持器内径側への抜け止めを行う抜け止め手段を設けたことを特徴とする保持器付きころ。
- 請求項1において、上記抜け止め手段は、上記一対の環状部分における片方の環状部分のみに設けた保持器付きころ。
- 請求項1または請求項2において、上記抜け止め手段が、上記環状部分の内面から突出させた突起である保持器付きころ。
- 請求項3において、上記突起がステーキング部分である保持器付きころ。
- 請求項1ないし請求項4のいずれかにおいて、保持器が鋼板のプレス成形品であり、上記環状部分が平板状である保持器付きころ。
- 互いに軸方向に離れて対面する一対の環状部分、および両環状部分の内径縁間に渡って円周方向の複数箇所に設けられた柱部を有する保持器と、この保持器の上記各柱部間に介在し上記柱部により円周方向の間隔保持と保持器内径側に対する抜け止めとが成された複数のころとでなる保持器付きころであって、上記環状部分の外径部における隣合うころ間の部分に、上記ころの保持器外径側への抜け止めを行う抜け止め手段を設けたことを特徴とする保持器付きころ。
- 請求項1ないし請求項6のいずれかにおいて、遊星歯車減速装置における遊星歯車とこの遊星歯車を支持するクランク軸との間に設置される保持器付き針状ころ。
- 内歯または外歯の太陽歯車と、この太陽歯車と同心に回転自在に設けられたキャリアと、このキャリアに回転自在に支持されて隣接する複数の偏心軸部を有するクランク軸と、このクランク軸の前記各偏心軸部に保持器付きころを介して設置されて前記太陽歯車に噛み合う複数の遊星歯車とを備えた遊星歯車減速装置において、上記保持器付きころを、請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の保持器付きころとしたことを特徴とする遊星歯車減速装置。
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Legal Events
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A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050406 |
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A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20061013 |