JP2004019899A - 管継手装置 - Google Patents

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Tsutomu Murakami
村上 努
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Abstract

【課題】曲がり管である継手管の先端部を接続容易な方向へ簡単な手順で向けるとともに、継手管が動く心配なく管の接続を容易に行なえるものとする。
【解決手段】継手管1の基端側直管部分にフランジ5を設けて機器類7の取付孔9に嵌め込んだ基端部2に装着したOリング4により気・液密性を確保するとともに、フランジ5の外側周面の正多角形回り止め11とこれを嵌め込んだ拡孔部10の内側周面の多角形掴み部12とによって回転を防止させ、機器類7にねじ15で取り付けた押え部材13をフランジ5に重ねて抜け止めとした。押え部材13を外しフランジ5を拡孔部10の外部に抜き出して回転させ、先端部3を所望方向へ向けてから再び嵌め込んで押え部材13と掴み部12とにより固定する。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は管を機器類に接続する管継手装置、詳しくは継手管が曲がり管であって機器類に取り付けた後に管を接続する先端部の方向を変更することができる管継手装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ガソリンなどの可燃性流体を取り扱う管系においては、流体の漏れが火災などの重大事故につながるために高度の気・液密性が要求されている。そのために、例えば燃料を汎用エンジンや自動車エンジンに供給するための燃料系において、燃料供給管を機器類である気化器などに接続する管継手装置として、図3(A),(B),(C)に示す構造のものが提供されている。
【0003】
即ち、図3(A)は機器類の本体51の取付孔52に継手管53の基端部53Aを圧入嵌合しており、この嵌合部分に塗布した接着剤54によって継手管53を固定すると同時に気・液密性をもたせたものである。また、図3(B)は本体51の取付孔55にめねじ55Aを設けて継手管56のおねじ付き基端部56Aを螺装しており、このねじ嵌合によって継手管56を固定すると同時に継手管56のナット56Cと本体51の端面との間に挟み込んだガスケット57によって気・液密性をもたせたものである。継手管53,55は直管の場合もあるが、本体51の設置の姿勢および配管のレイアウトの都合から、図示のような曲がり管を要求することが多い。
【0004】
ところが、図3(A)に示したものは接着剤54で固定しているために継手管53を回して管を接続する先端部53Bの方向を変えることが不可能である。これに対して、図3(B)に示したものは継手管56をねじに従って回すことによりその先端部56Bの方向を変えることができるが、ガスケット57の押し付け力が低下して気・液密性を損うという問題を生じる。そのために、採用する機械や自動車の機種毎に先端部53A,56Aの突出方向を設定して本体51に取り付けなければならず、組付けが面倒であるばかりか価格を押し上げる原因ともなる。
【0005】
一方、図3(C)は継手管60の基端側にフランジ60Cを設けるとともに基端部60AにOリング61を装着し、本体51の取付孔58に基端部60Aを嵌合してOリング61により気・液密性をもたせ、取付孔58の入口端に形成したくぼみ59にフランジ60Cを嵌め込んでその上から本体51にねじ62により取り付けた押え板63を重ねることにより継手管60が基端部60Aの軸線方向へ動くことがないようにしたものである。
【0006】
このものは、先端部60Bを任意の方向へ変えることができるので、本体51への取り付け時に先端部60Bの突出方向を考慮する必要がないという利点をもっているが、管を接続するときに先端部60Bが動いて作業を困難にすることが多いという問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記従来の管継手がもっている、機器類に取り付けた後に先端部の方向を変更することができない、取り付け後に先端部の方向が変更可能であっても気・液密性を損なったり管接続作業性がよくない、という課題を解決するためになされたものであって、取り付け後に気・液密性を損うことなく簡単な手順で先端部の方向を変更すること、および管の接続を容易に行なうことができるものとすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明は継手管が曲がり管であって基端側にフランジおよび回り止めを有するとともにOリングを装着しているものとされ、また機器類に設けられている取付孔が入口端に拡孔部を有するものとされているとともに、機器類が押え部材および掴み部を有しており、継手管の基端部およびフランジが取付孔および拡孔部にそれぞれ嵌め込まれてOリングが基端部と取付孔との隙間を気・液密に封止しているとともに、押え部材がフランジに離脱可能に重ねられ掴み部が回り止めに離脱可能に係合することにより継手管を固定しているものとした。
【0009】
押え部材および掴み部をフランジおよび回り止めから離脱することによって継手管が回転自由となるので、先端部を管の接続に適した方向に向けることができる。また、方向を決めたとき再び押え部材と掴み部とによって継手管を固定してから管を接続することにより、先端部が動くことなく容易に接続を行なうことができる。このことにより、Oリングによる気・液密性を損うことなく簡単な手順で先端部の方向を変更し、且つ管の接続を容易に行なわせる、という目的が達成されるものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1,図2は異なる実施の形態を示すものであって、各図の(A)は縦断面図、(B)は(A)のA−A線に沿う断面図である。
【0011】
先ず、図1における継手管1は基端側となる直管部分の中間部位にフランジ5が設けられており、それより基端側が後述する取付孔9に嵌め込まれる基端部2となる。また、直管部分の先端に管を接続する先端部3が直角方向へ突出して設けられており、更に基端部2にOリング4が装着されている。
【0012】
前記の曲がり管である継手管1が取り付けられる機器類7の胴体8はその表面に入口を開口させた取付孔9を有し、この取付孔9の入口端に拡孔部10が形成されている。拡孔部10はフランジ5の厚さと等しい深さに作られており、基端部2を取付孔9に嵌め込んでフランジ5を孔底に接するまで拡孔部10に嵌め込んだとき、その先端側の面が胴体8の表面と同一面とされるようになっている。
【0013】
フランジ5の外側周面は正六角形に作られており、この外側周面が回り止め11を形成している。また、拡孔部10の内側周面は回り止め11に対応する正六角形に作られており、この内側周面が回り止め11の全周面に係合する掴み部12を形成している。
【0014】
更に、先端部分に継手管1の直管部分を嵌め込む切欠溝14を有する平板状の押え部材13が胴体8の表面に重ねられており、この押え部材13は基端部に挿通して胴体8にねじ込んだねじ15によって緩め或いは取り外し可能とされ、拡孔部10に嵌め込まれたフランジ5の直管部分両側方および図示下方の面に重ねられて抜け止めとして働く。
【0015】
このような構成とした本実施の形態に係る管継手装置は、押え部材13を胴体8に取り付けない状態で継手管1の基端部2およびフランジ5を取付孔9および拡孔部10に嵌め込み、次に切欠溝14を直管部分に嵌めて押え部材13を胴体8の表面に重ね、ねじ15をねじ込むことによって図1の状態に組み立てるものである。Oリング4は基端部2と取付孔9との隙間を気・液密に封止している。
【0016】
先端部3に管を接続するとき、機器類7の設置の姿勢と配管のレイアウトとの関係により接続がきわめて困難である場合、先端部3の方向を変えることによって容易に接続できるようになる。このようなときは、ねじ15を緩めて押え部材13を胴体8の表面からフランジ5の厚さ程度引き離すかまたはねじ15を抜き取って押え部材13を取り外し、直管部分を引張ってフランジ5を拡孔部10から抜き出し、先端部3が所望の方向へ向くように回転させてから押し込んでフランジ5を再び拡孔部10に嵌め込み、そして押え部材13を胴体8の表面に重ねてねじ15により固定することにより、管の接続を容易なものとすることができる。
【0017】
本実施の形態によると、回り止め11と掴み部12とは正六角形の面によって形成されており、先端部3は60度刻みで方向を変えることとなるので、管の接続が容易な方向へ向けることが可能である。また、管を接続するとき、継手管1は回り止め11および掴み部12と押え部材13とによって固定されているので、不用意に動いて作業を困難にする、という不都合を生じさせない。
【0018】
更に、本実施の形態によると、押え部材13と協働して抜け止めとして働くフランジ5およびこれを嵌め込む拡孔部10に回り止め11および掴み部12を形成したので、構造が簡単であるとともに部品点数が少ない、という利点がある。
【0019】
次に、図2における継手管21も図1のものと同様に基端側となる直管部分の中間部位にフランジ25が設けられており、それより基端側が後述する取付孔29に嵌め込まれる基端部22となる。また、直管部分の先端に管を接続する先端部23が直角方向へ曲げられて設けられており、更に基端部22にOリング24が装着されている。
【0020】
本実施の形態では、前記の曲がり管である継手管21が取り付けられる機器類27は、吸気通路、絞り弁などを有する胴体28Aとその下方に取り付けられた燃料容器28Bとからなりエンジンに燃料を供給する気化器であって、胴体28Aはその表面に入口を開口させた取付孔29を有し、この取付孔29の入口端に拡孔部30が形成されている。拡孔部30はフランジ25の厚さと等しいかまたはこれよりも僅かに小さい深さに作られており、基端部22を取付孔29に嵌め込んでフランジ25を孔底に接するまで拡孔部30に嵌め込んだとき、その先端側の面が胴体28の表面と同一面またはこれより僅かに突出した位置となるようにされている。
【0021】
フランジ25は円板形であり、拡孔部30はこのフランジ25をほぼ隙間なく嵌め込む円形のくぼみとされている。このフランジ25の先端側の面に隣接させて、外側周面を正八角形とする回り止め31が直管部分の外周に形成されている。この回り止め31はフランジ25よりも小径である。
【0022】
更に、回り止め31の中心を挟んだ互いに平行な二つの面にそれぞれ接して回り止め31を挟み込む二つの爪片34を有する平板状の押え部材33が燃料容器28Bに一体成形により突出して設けられており、この押え部材33は回り止め31を挟むと同時にフランジ25の直管部分両側方および下方の面に重ねられる。
【0023】
即ち、爪部片34は回り止め31に係合する掴み部32を形成し、また押え部材33は抜け止めとして働くものである。
【0024】
このような構成とした本実施の形態に係る管継手装置は、燃料容器28Bが胴体28Aから分離している状態で継手管21の基端部22およびフランジ25を取付孔29および拡孔部30に嵌め込み、次に燃料容器28Bを胴体28Aに組み付けることにより掴み部32が回り止め31に係合すると同時に押え部材33がフランジ25の表面に重なって図2に示す状態に組み立てられるものである。Oリング24は基端部22と取付孔29との隙間を気・液密に封止している。
【0025】
管を接続するとき、先端部23が接続困難な方向へ向いている場合は、燃料容器28Bを下方へ引張って胴体28Aから分離することにより押え部材33をフランジ25の下方領域に移動させ、直管部分を持ってそのまま先端部23が所望の方向へ向くように回転させてから燃料容器28Bを再び胴体28Aに組み付けることにより、管の接続を容易なものとすることができる。
【0026】
本実施の形態によると、回り止め31が正八角形の面によって形成されており、先端部23は45度刻みで方向を変えることとなるので、管の接続が更に容易な方向へ向けることが可能である。また、管を接続するとき、継手管21は回り止め31および掴み部32と押え部材33とによって固定されているので、不用意に動いて作業を困難にする、という不都合を生じさせない。
【0027】
更に、本実施の形態によると、押え部材33に掴み部32を形成したので、構造が簡単であるとともに部品点数が少ない、という図1に示した形態と同様の利点があるほかに、機器類の分解可能な二つの部分の一方に継手管21を取り付けもう一方に押え部材33を設けて分解・組み付けを行なうだけで先端部23の方向変更と継手管21の固定とができるので取扱い操作が容易である、という利点がある。
【0028】
尚、前記二つの実施の形態では回り止め11,31を正多角形とし、掴み部12,32を回り止め11,31の外側周面の全部または一部に接触係合して継手管1,21を固定するようにしたので、これらの形状、構造がきわめて単純且つ簡単であり、また角数の多い正多角形とすることにより先端部3,13の方向を小さい角度間隔で変更し、機器類の設置姿勢および配管のレイアウトの多様な状況に対応させることができる。
【0029】
尚また、図1に示す実施の形態におけるフランジ5と回り止め11とを図2に示したもののように別体としてフランジ5および拡孔部10を円形とするとともに押え部材13に図2に示したような形状とした掴み部12を設けること、図2に示す実施の形態におけるフランジ25と回り止め31とを図1に示したもののように一体として拡孔部30に掴み部32を形成すること、図2に示した実施の形態において押え部材33を図1に示したように胴体28Aにねじ止めすること、などの設計変更ができることは言うまでもない。
【0030】
【発明の効果】
以上のように、本発明によるとOリングによる気・液密性を維持しながら押え部材および掴み部による拘束から継手管を解放して先端部を所望の方向へ向け、次に先端部を所望の方向へ向けた姿勢で押え部材および掴み部による固定を行なう、という簡単な手順で継手管を取り付けた機器類の設置姿勢と配管のレイアウトとの多様な状況に対応して管の接続を無理なく行なうことができ、また継手管が固定されていることによって接続作業を容易に行なうことができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す(A)は縦断面図、(B)は(A)のA−A線に沿う断面図。
【図2】本発明の異なる実施の形態を示す(A)は縦断面図、(B)は(A)のA−A線に沿う断面図。
【図3】(A),(B),(C)はそれぞれ異なる従来例を示す縦断面図。
【符号の説明】
1,21 継手管,2,22 基端部,3,23 先端部,4,24 Oリング,5,25 フランジ,7,27 機器類,9,29 取付孔,10,30 拡孔部,11,31 回り止め,12,32 掴み部,13,33 押え部材,

Claims (5)

  1. 継手管が曲がり管であって基端側にフランジおよび回り止めを有するとともにOリングを装着しているものとされ、また機器類に設けられている取付孔が入口端に拡孔部を有するものとされているとともに、前記機器類が押え部材および掴み部を有しており、
    前記継手管の基端部および前記フランジが前記取付孔および拡孔部にそれぞれ嵌め込まれて前記Oリングが前記基端部と取付孔との隙間を気・液密に封止しているとともに、前記押え部材が前記フランジに離脱可能に重ねられ前記掴み部が前記回り止めに離脱可能に係合することにより前記継手管を固定している、
    ことを特徴としている管継手装置。
  2. 前記回り止めが前記フランジの外側周面に形成された正多角形であるとともに、前記掴み部が前記拡孔部の内側周面に形成された正多角形であって前記回り止めの全周面に係合するものとされており、前記押え部材が前記機器類と別体であって緩め或いは取り外し可能に前記機器類に取り付けられている請求項1に記載した管継手装置。
  3. 前記回り止めが前記フランジの外側周面に形成された正多角形であるとともに、前記掴み部が前記拡孔部の内側周面に形成された正多角形であって前記回り止めの全周面に係合するものとされており、前記機器類が分解可能であってその一方の部分に前記継手管が取り付けられ、もう一方の部分に前記押え部材が一体に設けられている請求項1に記載した管継手装置。
  4. 前記回り止めが前記フランジに隣接して前記継手管の外側周面に形成された正多角形であるとともに、前記掴み部が前記押え部材に形成されて前記回り止めの周面一部に係合するものとされており、前記押え部材が前記機器類と別体であって緩め或いは取り外し可能に前記機器類に取り付けられている請求項1に記載した管継手装置。
  5. 前記回り止めが前記フランジに隣接して前記継手管の外側周面に形成された正多角形であるとともに、前記掴み部が前記押え部材に形成されて前記回り止めの周面一部に係合するものとされており、前記機器類が分解可能であってその一方の部分に前記継手管が取り付けられ、もう一方の部分に前記押え部材が一体に設けられている請求項1に記載した管継手装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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DE102005032010A1 (de) * 2005-07-08 2007-01-18 Daimlerchrysler Ag Hydraulische Anschlusseinrichtung
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