JP2004169786A - 配管部材の接続構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】配管部材が固定される部材の施工誤差や、配管部材自体の寸法誤差が生じても、配管部材同士を適切に接続固定することのできる配管部材の接続構造を提供すること。
【解決手段】接続管20を水栓30に挿入して接続する配管部材の接続構造10において、接続管20に鍔27を設け、水栓30の接続部34外周面に雄ねじを設け、鍔27に当接可能なフランジ42を有するリング部材40を雄ねじに螺合し、鍔27とフランジ42とをクリップ46にて連結した。また、接続管20の接続部23の外周面に、Oリング25が装着された周溝26を形成した。
【選択図】 図1
【解決手段】接続管20を水栓30に挿入して接続する配管部材の接続構造10において、接続管20に鍔27を設け、水栓30の接続部34外周面に雄ねじを設け、鍔27に当接可能なフランジ42を有するリング部材40を雄ねじに螺合し、鍔27とフランジ42とをクリップ46にて連結した。また、接続管20の接続部23の外周面に、Oリング25が装着された周溝26を形成した。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、第一配管部材と第二配管部材とを連通接続するための配管部材の接続構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、水栓などに用いられる配管部材を接続するための配管部材の接続構造には、例えば、図4に示すものが知られている。この配管部材の接続構造は、第一配管部材と第二配管部材との間にジョイント部材を介在させて、両配管部材を接続するものである。この配管部材の接続構造60では、第一配管部材である接続管20と、第二配管部材である水栓30とが、ジョイント部材62を介して接続されている。ジョイント部材62は、全体がほぼ円筒形状に形成されており、一端側には大径に形成された大径部64が、他端側にはやや小径に形成された小径部66が設けられている。大径部64内周面には、雌ねじが形成されており、水栓30の接続部34に形成された雄ねじに螺着されている。また、大径部64奥端には、通水孔68の周囲に底部70が形成されている。この底部70と、水栓30の接続部34先端側の端部との間には、パッキン72が介在されており、ジョイント部材62を接続部34に締め付けていくことにより、大径部64の底部70と接続部34端部とにパッキン72が圧着されて、ジョイント部材62と接続部34との水密が図られている。
【0003】
一方、小径部66先端には、外方に突設されるフランジ74が周設されている。また、接続管20の端部には、外周に鍔76を形成した接続部78がロウ付けされて固定されている。この挿入部78先端は、ジョイント部材62の小径部66の内径よりも僅かに小さな外径に形成されており、小径部66内に摺接しつつ挿入可能に設けられるとともに、挿入部78外周面には、Oリング25が装着される周溝80が形成されている。
【0004】
そして、接続部34に螺着されたジョイント部材62に、挿入部78を挿入し、ジョイント部材62のフランジ74と挿入部78の鍔76とを当接させて、フランジ74と鍔76とを、別部材であるクリップ46により狭持固定することにより、挿入部78とジョイント部材62とを接続固定し、もって、接続管20と水栓30とを接続している(例えば、特許文献1参照。)。このようにして、特に、壁面等に固定されている給水・給湯管の接続口等に接続される配管部材同士を、簡便・容易に接続できる接続構造が提供されている。
【0005】
【特許文献1】
実開平1−98396号公報(第21図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この従来の接続構造60では、両配管部材間に介在されているジョイント部材62に対して、第一の配管部材である接続管20は、その鍔76をジョイント部材62のフランジ74に当接させた状態でクリップ46により位置決め固定されており、接続管20の軸方向において位置調節はできない状態となっている。また、第二配管部材である水栓30とジョイント部材62とは、ジョイント部材62が水栓30の接続部34に螺着されて接続固定されているが、パッキン72の適切な潰しにより水密を確実に行うことができるようにするために、その締め付け具合は一定の範囲に制限される。よって、ジョイント部材62によって接続固定される接続管20と水栓30とは、その間隔を調整することが困難となっている。そして、あらかじめ壁面等に固定されている給水・給湯管の接続口や取り付けステー等の部材は、これらに固定される接続管20や水栓30等の配管部材の寸法を考慮して適切な位置に固定されてはいるが、場合によっては、当初想定した位置決めが狂い施工誤差が生じることもある。また、配管部材自体の寸法誤差が生ずることもある。そしてこのような場合には、配管部材同士の接続が困難となる問題が生じていた。
【0007】
本発明は上記した従来の配管部材の接続構造の問題点を解消するものであり、配管部材が固定される部材の施工誤差や、配管部材自体の寸法誤差が生じても、配管部材同士を適切に接続固定することのできる配管部材の接続構造を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するために、本発明の採った手段を以下に説明する。本発明の配管部材の接続構造は、第一配管部材を第二配管部材に挿入して接続する配管部材の接続構造であって、第一配管部材または第二配管部材のいずれか一方に鍔が設けられ、他方に雄ねじが設けられ、前記鍔に当接可能なフランジを有するリング部材が前記雄ねじに螺合され、前記鍔と前記フランジとが接続具にて連結されたものである(請求項1)。
【0009】
第一配管部材と第二配管部材のうち一方に鍔、他方に雄ねじを設け、この雄ねじに螺着されるリング部材のフランジと、鍔とが接続具で連結されているとともに、第一配管部材は第二配管部材に挿入されている。よって、リング部材の締め付け具合により、両配管部材の間隔を調整することとしても、第一配管部材が第二配管部材へ挿入された状態である限り、両配管部材の接続状態を保つことができる。このようにして、配管部材が固定される部材の施工誤差や、配管部材自体の寸法誤差が生じても、配管部材同士を適切に接続固定することができる。ここで、「配管部材」は、配管、接続管などのほか、配管状の部位を有する水栓などの各種部材総てを意味する。
【0010】
また、請求項1に記載の配管部材の接続構造において、前記第一配管部材の外周面または前記第二配管部材の内周面には、シール部材が装着された周溝が形成されているものとすることができる(請求項2)。このように、第二配管部材に挿入される第一配管部材の外周面、または第二配管部材の内周面にシール部材を装着することにより、両配管部材の間隔を調整する際にも、第一配管部材の外周面と第二配管部材の内周面との水密を確実に行うことができる。
【0011】
また、請求項1または請求項2に記載の配管部材の接続構造において、前記第一配管部材または前記第二配管部材のいずれか一方を水栓とすることもできる(請求項3)。施工誤差等に合わせて、あらかじめ寸法を異ならせた配管部材を準備して対処することとする場合、接続管等に比べて、種々の異なる形状や内部に通水室等を備える複雑な形状を有する水栓においては、その製造コストが多大なものとなる。上記した発明を「水栓」に適用することにより、あらかじめ寸法を異ならせた配管部材の種類を減らすことができ、このような水栓設備の製造コストを低減させることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の配管部材の接続構造の実施の形態を、図を参考にして詳細に説明する。図1に示すように、この配管部材の接続構造10は、「第一配管部材」である接続管20と、「第二配管部材」である水栓30とを、リング部材40を介して接続固定するものである。
【0013】
この水栓30の近傍に配設された壁面(図示省略)等には、壁面裏側に引き回されるとともに壁面表側にその先端が露呈されて固定された給水・給湯配管の接続口(図示省略)が配設されており、水栓30は、この接続口に接続固定されるとともに、取り付けステー(図示省略)によって壁面等に位置決め固定されている。水栓30に接続された給水・給湯配管から水栓30に流入される湯・水は、水栓30内において適宜混合されて、接続管20側に流出されるように設けられている。そして、この接続管20の先端側は、取り付けステー(図示省略)に固定された吐水口(図示省略)に接続固定されている。このように、この水栓30は、水栓30の吐水操作により、水栓30に接続された接続管20を経て、吐水口から湯水が吐出されるものである。
【0014】
「第二配管部材」である水栓30の側面には、水栓30内部の通水室32に連通し、後述する挿入部24が挿入される接続部34が設けられており、この接続部34外周面には、雄ねじが刻設されている。また、接続部34には、内周面に雌ねじが刻設された円筒状のリング部材40が螺着されている。そして、このリング部材40の接続部34に対する締め付け具合によって、接続部34に対するリング部材40の位置を微調整できるように設けられている。また、リング部材40の先端側には、外方に向けてフランジ42が周設されている。
【0015】
「第一配管部材」である接続管20には、接続管本体部22と、この接続管本体部22にロウ付けされた接続部23とが備えられている。接続部23の先端には、水栓30の接続部34内周面よりも僅かに小径の挿入部24が備えられており、挿入部24の外周面には、Oリング25が装着された二つの周溝26が形成されている。接続部23の基端部28には、リング部材40のフランジ42とほぼ同径の鍔27が周設されている。そして、リング部材40のフランジ42と、接続部24の鍔27とが、「接続具」の一例であるクリップ46(図2参照)により固定されており、これにより、接続管20と水栓30とが接続固定されている。
【0016】
次に、この接続構造10による接続管20と水栓30との接続方法について説明する。まず、水栓30の接続部34にリング部材40を螺着して仮止めする。次いで、接続管20の挿入部24を水栓30の接続部34内に挿入する。この時、接続管20と水栓30との間隔に合わせてリング部材40の締め付け具合を調節し、フランジ42と鍔27が当接する位置に、リング部材40の位置決めを行う(図の矢印方向)。またこの時、挿入部24とともに、Oリング25が接続部34内周面に圧着された状態で位置決めされるので、挿入部24と接続部34との水密は確実に図られる。そして、このフランジ42と鍔27とを、クリップ46により固定する。なお、リング部材40の水栓30側の接続部34にロックナットを取り付けておくことにより、リング部材40の位置決め後に、リング部材40のがたつきや緩みを防止することもできる。
【0017】
クリップ46は、図2に示すように、一端側を連結した二つの係合片47から形成されている。これらの係合片47には、その長手方向に沿って、フランジ42及び鍔27を合わせて挿通させて嵌合させることのできる長孔49が形成されている。また、係合片47の中央部には、接続管20の接続部23の基端部28及びリング部材40の外周面に密着嵌合するように係合片47外側に向けて膨出された円弧部48が形成されている。また係合片47間の開口部50は、通常時には、基端部28及びリング部材40の外径よりも小さく設けられるとともに、拡開された場合には基端部28及びリング部材40を円弧部48内に挿通可能な大きさに弾性変形可能に設けられている。このような、クリップ46を、その開口部50を弾性拡開して、その長孔49内にフランジ42及び鍔27を嵌合させて接続部23及びリング部材40に密着嵌合させることにより、接続管20と水栓30との抜け防止が図られる。なお、クリップ46を装着後、クリップ46が接続管20等から外れないようにするために、開口部50側に係合片47の拡開を防止する係止具等を取り付けても良い。
【0018】
次いで、本発明の接続構造の別の実施の形態について説明する。図3に示す配管部材の接続構造11は、上記した接続構造10とは逆に、水栓30の接続部52を、接続管20側に挿入したものである。なお、上記した第一の実施の形態と共通する構成については、第一の実施の形態と同一の符号を図に付して説明を省略する。
【0019】
水栓30の接続部52の基端寄りには、鍔54が周設されており、この鍔54寄りも先端寄りの接続部52の外周面には、Oリング25が装着される周溝56が形成されている。一方、接続管20の接続部58は、略円筒状に形成されて、その先端寄りに雄ねじが刻設されている。また、接続部58の内径は、接続部52の外径よりも僅かに小さく形成されており、挿入される接続部52が摺接した状態で位置決め可能に設けられている。
【0020】
また、接続部23の雄ねじ部分には、リング部材40が螺着されており、上記第一の実施の形態と同様に、リング部材40の締め付け具合の調節によって、接続管20と接続管30との位置決め調節が行われる。そして、リング部材40のフランジ42と鍔54とがクリップ46によって固定されている。
【0021】
上記した各実施の形態においては、施工誤差や配管部材自体の寸法誤差があっても、配管部材同士を確実に接続固定できるほか、リング部材40締め付け具合を調節するだけで、配管部材の間隔を極めて簡便に調節することができる。また、施工後に配管部材間の間隔を調整する必要が生じた際にも適宜調整することが可能である。
【0022】
【発明の効果】
本発明は上記のように構成されているので、配管部材が固定される部材の施工誤差や、配管部材自体の寸法誤差が生じても、配管部材同士を適切に接続固定することができる、という効果を奏する。また請求項2に記載の配管部材の接続構造では、配管部材間の水密を確実に行うこともできる。さらに請求項3に記載の配管部材の接続構造では、一方の配管部材が「水栓」である場合の、水栓設備の製造コストを低減することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】接続構造の一部破断面図である。
【図2】クリップの斜視図である。
【図3】別の接続構造の一部破断面図である。
【図4】従来の接続構造の一部破断面図である。
【符号の説明】
10,11;接続構造、20接続管、22;接続管本体部、23;接続部、24;挿入部、25;Oリング、26;周溝、27;鍔、28;基端部、30;水栓、32;通水室、34;接続部、40;リング部材、42;フランジ、46;クリップ、47;係合片、48;円弧部、49;長孔、50;開口部、52;接続部、54;鍔、56;周溝、58;接続部、60;接続構造、62;ジョイント部材、64;大径部、66;小径部、68;通水孔、70;底部、72;パッキン、74;フランジ、76;鍔、78;接続部、80;周溝。
【発明の属する技術分野】
本発明は、第一配管部材と第二配管部材とを連通接続するための配管部材の接続構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、水栓などに用いられる配管部材を接続するための配管部材の接続構造には、例えば、図4に示すものが知られている。この配管部材の接続構造は、第一配管部材と第二配管部材との間にジョイント部材を介在させて、両配管部材を接続するものである。この配管部材の接続構造60では、第一配管部材である接続管20と、第二配管部材である水栓30とが、ジョイント部材62を介して接続されている。ジョイント部材62は、全体がほぼ円筒形状に形成されており、一端側には大径に形成された大径部64が、他端側にはやや小径に形成された小径部66が設けられている。大径部64内周面には、雌ねじが形成されており、水栓30の接続部34に形成された雄ねじに螺着されている。また、大径部64奥端には、通水孔68の周囲に底部70が形成されている。この底部70と、水栓30の接続部34先端側の端部との間には、パッキン72が介在されており、ジョイント部材62を接続部34に締め付けていくことにより、大径部64の底部70と接続部34端部とにパッキン72が圧着されて、ジョイント部材62と接続部34との水密が図られている。
【0003】
一方、小径部66先端には、外方に突設されるフランジ74が周設されている。また、接続管20の端部には、外周に鍔76を形成した接続部78がロウ付けされて固定されている。この挿入部78先端は、ジョイント部材62の小径部66の内径よりも僅かに小さな外径に形成されており、小径部66内に摺接しつつ挿入可能に設けられるとともに、挿入部78外周面には、Oリング25が装着される周溝80が形成されている。
【0004】
そして、接続部34に螺着されたジョイント部材62に、挿入部78を挿入し、ジョイント部材62のフランジ74と挿入部78の鍔76とを当接させて、フランジ74と鍔76とを、別部材であるクリップ46により狭持固定することにより、挿入部78とジョイント部材62とを接続固定し、もって、接続管20と水栓30とを接続している(例えば、特許文献1参照。)。このようにして、特に、壁面等に固定されている給水・給湯管の接続口等に接続される配管部材同士を、簡便・容易に接続できる接続構造が提供されている。
【0005】
【特許文献1】
実開平1−98396号公報(第21図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この従来の接続構造60では、両配管部材間に介在されているジョイント部材62に対して、第一の配管部材である接続管20は、その鍔76をジョイント部材62のフランジ74に当接させた状態でクリップ46により位置決め固定されており、接続管20の軸方向において位置調節はできない状態となっている。また、第二配管部材である水栓30とジョイント部材62とは、ジョイント部材62が水栓30の接続部34に螺着されて接続固定されているが、パッキン72の適切な潰しにより水密を確実に行うことができるようにするために、その締め付け具合は一定の範囲に制限される。よって、ジョイント部材62によって接続固定される接続管20と水栓30とは、その間隔を調整することが困難となっている。そして、あらかじめ壁面等に固定されている給水・給湯管の接続口や取り付けステー等の部材は、これらに固定される接続管20や水栓30等の配管部材の寸法を考慮して適切な位置に固定されてはいるが、場合によっては、当初想定した位置決めが狂い施工誤差が生じることもある。また、配管部材自体の寸法誤差が生ずることもある。そしてこのような場合には、配管部材同士の接続が困難となる問題が生じていた。
【0007】
本発明は上記した従来の配管部材の接続構造の問題点を解消するものであり、配管部材が固定される部材の施工誤差や、配管部材自体の寸法誤差が生じても、配管部材同士を適切に接続固定することのできる配管部材の接続構造を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するために、本発明の採った手段を以下に説明する。本発明の配管部材の接続構造は、第一配管部材を第二配管部材に挿入して接続する配管部材の接続構造であって、第一配管部材または第二配管部材のいずれか一方に鍔が設けられ、他方に雄ねじが設けられ、前記鍔に当接可能なフランジを有するリング部材が前記雄ねじに螺合され、前記鍔と前記フランジとが接続具にて連結されたものである(請求項1)。
【0009】
第一配管部材と第二配管部材のうち一方に鍔、他方に雄ねじを設け、この雄ねじに螺着されるリング部材のフランジと、鍔とが接続具で連結されているとともに、第一配管部材は第二配管部材に挿入されている。よって、リング部材の締め付け具合により、両配管部材の間隔を調整することとしても、第一配管部材が第二配管部材へ挿入された状態である限り、両配管部材の接続状態を保つことができる。このようにして、配管部材が固定される部材の施工誤差や、配管部材自体の寸法誤差が生じても、配管部材同士を適切に接続固定することができる。ここで、「配管部材」は、配管、接続管などのほか、配管状の部位を有する水栓などの各種部材総てを意味する。
【0010】
また、請求項1に記載の配管部材の接続構造において、前記第一配管部材の外周面または前記第二配管部材の内周面には、シール部材が装着された周溝が形成されているものとすることができる(請求項2)。このように、第二配管部材に挿入される第一配管部材の外周面、または第二配管部材の内周面にシール部材を装着することにより、両配管部材の間隔を調整する際にも、第一配管部材の外周面と第二配管部材の内周面との水密を確実に行うことができる。
【0011】
また、請求項1または請求項2に記載の配管部材の接続構造において、前記第一配管部材または前記第二配管部材のいずれか一方を水栓とすることもできる(請求項3)。施工誤差等に合わせて、あらかじめ寸法を異ならせた配管部材を準備して対処することとする場合、接続管等に比べて、種々の異なる形状や内部に通水室等を備える複雑な形状を有する水栓においては、その製造コストが多大なものとなる。上記した発明を「水栓」に適用することにより、あらかじめ寸法を異ならせた配管部材の種類を減らすことができ、このような水栓設備の製造コストを低減させることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の配管部材の接続構造の実施の形態を、図を参考にして詳細に説明する。図1に示すように、この配管部材の接続構造10は、「第一配管部材」である接続管20と、「第二配管部材」である水栓30とを、リング部材40を介して接続固定するものである。
【0013】
この水栓30の近傍に配設された壁面(図示省略)等には、壁面裏側に引き回されるとともに壁面表側にその先端が露呈されて固定された給水・給湯配管の接続口(図示省略)が配設されており、水栓30は、この接続口に接続固定されるとともに、取り付けステー(図示省略)によって壁面等に位置決め固定されている。水栓30に接続された給水・給湯配管から水栓30に流入される湯・水は、水栓30内において適宜混合されて、接続管20側に流出されるように設けられている。そして、この接続管20の先端側は、取り付けステー(図示省略)に固定された吐水口(図示省略)に接続固定されている。このように、この水栓30は、水栓30の吐水操作により、水栓30に接続された接続管20を経て、吐水口から湯水が吐出されるものである。
【0014】
「第二配管部材」である水栓30の側面には、水栓30内部の通水室32に連通し、後述する挿入部24が挿入される接続部34が設けられており、この接続部34外周面には、雄ねじが刻設されている。また、接続部34には、内周面に雌ねじが刻設された円筒状のリング部材40が螺着されている。そして、このリング部材40の接続部34に対する締め付け具合によって、接続部34に対するリング部材40の位置を微調整できるように設けられている。また、リング部材40の先端側には、外方に向けてフランジ42が周設されている。
【0015】
「第一配管部材」である接続管20には、接続管本体部22と、この接続管本体部22にロウ付けされた接続部23とが備えられている。接続部23の先端には、水栓30の接続部34内周面よりも僅かに小径の挿入部24が備えられており、挿入部24の外周面には、Oリング25が装着された二つの周溝26が形成されている。接続部23の基端部28には、リング部材40のフランジ42とほぼ同径の鍔27が周設されている。そして、リング部材40のフランジ42と、接続部24の鍔27とが、「接続具」の一例であるクリップ46(図2参照)により固定されており、これにより、接続管20と水栓30とが接続固定されている。
【0016】
次に、この接続構造10による接続管20と水栓30との接続方法について説明する。まず、水栓30の接続部34にリング部材40を螺着して仮止めする。次いで、接続管20の挿入部24を水栓30の接続部34内に挿入する。この時、接続管20と水栓30との間隔に合わせてリング部材40の締め付け具合を調節し、フランジ42と鍔27が当接する位置に、リング部材40の位置決めを行う(図の矢印方向)。またこの時、挿入部24とともに、Oリング25が接続部34内周面に圧着された状態で位置決めされるので、挿入部24と接続部34との水密は確実に図られる。そして、このフランジ42と鍔27とを、クリップ46により固定する。なお、リング部材40の水栓30側の接続部34にロックナットを取り付けておくことにより、リング部材40の位置決め後に、リング部材40のがたつきや緩みを防止することもできる。
【0017】
クリップ46は、図2に示すように、一端側を連結した二つの係合片47から形成されている。これらの係合片47には、その長手方向に沿って、フランジ42及び鍔27を合わせて挿通させて嵌合させることのできる長孔49が形成されている。また、係合片47の中央部には、接続管20の接続部23の基端部28及びリング部材40の外周面に密着嵌合するように係合片47外側に向けて膨出された円弧部48が形成されている。また係合片47間の開口部50は、通常時には、基端部28及びリング部材40の外径よりも小さく設けられるとともに、拡開された場合には基端部28及びリング部材40を円弧部48内に挿通可能な大きさに弾性変形可能に設けられている。このような、クリップ46を、その開口部50を弾性拡開して、その長孔49内にフランジ42及び鍔27を嵌合させて接続部23及びリング部材40に密着嵌合させることにより、接続管20と水栓30との抜け防止が図られる。なお、クリップ46を装着後、クリップ46が接続管20等から外れないようにするために、開口部50側に係合片47の拡開を防止する係止具等を取り付けても良い。
【0018】
次いで、本発明の接続構造の別の実施の形態について説明する。図3に示す配管部材の接続構造11は、上記した接続構造10とは逆に、水栓30の接続部52を、接続管20側に挿入したものである。なお、上記した第一の実施の形態と共通する構成については、第一の実施の形態と同一の符号を図に付して説明を省略する。
【0019】
水栓30の接続部52の基端寄りには、鍔54が周設されており、この鍔54寄りも先端寄りの接続部52の外周面には、Oリング25が装着される周溝56が形成されている。一方、接続管20の接続部58は、略円筒状に形成されて、その先端寄りに雄ねじが刻設されている。また、接続部58の内径は、接続部52の外径よりも僅かに小さく形成されており、挿入される接続部52が摺接した状態で位置決め可能に設けられている。
【0020】
また、接続部23の雄ねじ部分には、リング部材40が螺着されており、上記第一の実施の形態と同様に、リング部材40の締め付け具合の調節によって、接続管20と接続管30との位置決め調節が行われる。そして、リング部材40のフランジ42と鍔54とがクリップ46によって固定されている。
【0021】
上記した各実施の形態においては、施工誤差や配管部材自体の寸法誤差があっても、配管部材同士を確実に接続固定できるほか、リング部材40締め付け具合を調節するだけで、配管部材の間隔を極めて簡便に調節することができる。また、施工後に配管部材間の間隔を調整する必要が生じた際にも適宜調整することが可能である。
【0022】
【発明の効果】
本発明は上記のように構成されているので、配管部材が固定される部材の施工誤差や、配管部材自体の寸法誤差が生じても、配管部材同士を適切に接続固定することができる、という効果を奏する。また請求項2に記載の配管部材の接続構造では、配管部材間の水密を確実に行うこともできる。さらに請求項3に記載の配管部材の接続構造では、一方の配管部材が「水栓」である場合の、水栓設備の製造コストを低減することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】接続構造の一部破断面図である。
【図2】クリップの斜視図である。
【図3】別の接続構造の一部破断面図である。
【図4】従来の接続構造の一部破断面図である。
【符号の説明】
10,11;接続構造、20接続管、22;接続管本体部、23;接続部、24;挿入部、25;Oリング、26;周溝、27;鍔、28;基端部、30;水栓、32;通水室、34;接続部、40;リング部材、42;フランジ、46;クリップ、47;係合片、48;円弧部、49;長孔、50;開口部、52;接続部、54;鍔、56;周溝、58;接続部、60;接続構造、62;ジョイント部材、64;大径部、66;小径部、68;通水孔、70;底部、72;パッキン、74;フランジ、76;鍔、78;接続部、80;周溝。
Claims (3)
- 第一配管部材を第二配管部材に挿入して接続する配管部材の接続構造であって、第一配管部材または第二配管部材のいずれか一方に鍔が設けられ、他方に雄ねじが設けられ、前記鍔に当接可能なフランジを有するリング部材が前記雄ねじに螺合され、前記鍔と前記フランジとが接続具にて連結されたことを特徴とする配管部材の接続構造。
- 前記第一配管部材の外周面または前記第二配管部材の内周面には、シール部材が装着された周溝が形成されたことを特徴とする請求項1に記載の配管部材の接続構造。
- 前記第一配管部材または前記第二配管部材のいずれか一方が水栓であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の配管部材の接続構造。
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JP2009228684A (ja) * | 2008-03-19 | 2009-10-08 | Ihara Science Corp | 家庭用燃料電池における配管接続装置 |
JP2010151305A (ja) * | 2008-11-25 | 2010-07-08 | Hatano Seisakusho:Kk | 管の接続装置 |
JP2020137806A (ja) * | 2019-02-28 | 2020-09-03 | Toto株式会社 | 吐水装置 |
-
2002
- 2002-11-19 JP JP2002335121A patent/JP2004169786A/ja active Pending
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