JP2004019881A - クランプ - Google Patents
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Abstract
【課題】ワンタッチでワイヤハーネスに取り付けられるクランプを提供する。
【解決手段】開口を一部に設けた円弧状の環状帯部と、該環状帯部の開口両縁より対向させて外向きに立設させた一対の挿入係止部とを一体成形し、一対の挿入係止部は、上記開口両端縁より突出させる軸板部と、該軸板部の先端より外側に折り返す羽根部と、該羽根部の先端に形成した段状係止部とを備え、上記開口寸法は収容するワイヤハーネス径よりも狭くし、上記環状帯部を拡径しながら上記開口を拡げてワイヤハーネスを収容し、収容後に環状帯部を弾性復帰させて開口を狭めてワイヤハーネスを保持させ、かつ、上記車体の貫通穴に上記一対の挿入係止部を近接させて挿入し、挿入後に上記羽根部の係止段部を上記貫通孔の周縁に係止させてワイヤハーネスを車体に係止できる構成としている。
【選択図】 図1
【解決手段】開口を一部に設けた円弧状の環状帯部と、該環状帯部の開口両縁より対向させて外向きに立設させた一対の挿入係止部とを一体成形し、一対の挿入係止部は、上記開口両端縁より突出させる軸板部と、該軸板部の先端より外側に折り返す羽根部と、該羽根部の先端に形成した段状係止部とを備え、上記開口寸法は収容するワイヤハーネス径よりも狭くし、上記環状帯部を拡径しながら上記開口を拡げてワイヤハーネスを収容し、収容後に環状帯部を弾性復帰させて開口を狭めてワイヤハーネスを保持させ、かつ、上記車体の貫通穴に上記一対の挿入係止部を近接させて挿入し、挿入後に上記羽根部の係止段部を上記貫通孔の周縁に係止させてワイヤハーネスを車体に係止できる構成としている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に配索するワイヤハーネスに取り付けて車体パネルの貫通穴に挿入係止するクランプに関し、簡単な形状としながら、ワイヤハーネスにワンタッチで取り付けられるようにするものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のクランプとして、大別して図18に示すバンド・クランプと図19に示す基板型・クランプとが汎用されている。
図18のバンド・クランプ1は、ボックス状の本体1aの一端からバンド1bを突出させ、該バンド1bをワイヤハーネスW/Hに巻き付けた後に本体1aの貫通孔1cに通し、該貫通孔1c内に突出させた係止片1dをハンドガンタイプの締付治具6で締め付け、バンド1bの係止溝1eに係止させてワイヤハーネスを締結させている。上記本体1aの上面より車体係止部1fを突設している。
図19の基板型・クランプ2はワイヤハーネスW/HにテープTを巻き付けて取り付ける基板2aを設け、該基板2aより車体係止部2bを突設している。
【0003】
上記バンド・クランプ1および基板型・クランプ2の車体係止部1f、2bはいずれも、軸部1g,2cの先端より羽根部1h、2dを折り返して形成し、該羽根部1h、2dの先端に係止段部1i、2eを設けている。
クランプ1、2を車体に係止する際は、上記車体係止部1f、2bの羽根部1h、2dを縮径させながら車体パネル5の貫通穴5aに挿入し、挿入後に羽根部を原状復帰させて拡げ、係止段部1i、2eを車体パネルの貫通孔5aの周縁に係止させている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記バンド・クランプ1は、バンド1bをワイヤハーネスW/Hに巻き付けた後、本体1aの貫通孔1cに通してハンドガンタイプの治具6で締め付けて係止したのち、本体1aより引き出される余分のバンド1bを治具6に設けたカッターでカットしている。よって、この治具6を必要とし、該治具による締め付け作業およびバンド部のカット作業が必要となり、かつ、カットされるバンドの先端部が無駄となり、ワイヤハーネスW/Hが小径の場合にはカット量も増加するため無駄が多くなる。
さらに、バンド1bはワイヤハーネスW/Hに強く締め付けられるため、車体パネルの貫通孔とクランプ1との位置ずれが発生した場合に、ワイヤハーネスに対してクランプを移動させる位置補正をすることが出来ない問題がある。そのため、クランプ間のワイヤハーネスの長さを許容交差以上の若干長目に設定しており、この点からもワイヤハーネスの全長が長くなる無駄が発生している。
【0005】
上記基板型・クランプ2では、まず、ワイヤハーネスW/Hに取り付ける際に、基板2aの両端をテープTを用いてワイヤハーネスW/Hに巻き付けているため、テープが必要になると共にテープ巻き作業が必要となり、作業工程が増えると共に別材料のテープTが必要となる問題がある。
また、テープ巻してワイヤハーネスに取り付けるために、上記バンド・クランプと同様にワイヤハーネスに対するクランプの取付位置が固定され、クランプと車体パネルの貫通孔の位置ずれが発生する場合に備えて、ワイヤハーネスを長目にしなければならない問題がある。
【0006】
本発明は上記した従来のバンド・クランプや基板型・クランプとは全く異なる新規なクランプとし、テープ巻き作業やバンドの切断作業も必要とせず、ワンタッチで簡単に取り付けることができると共に、クランプ取付位置をワイヤハーネスに対して調整できるようにして、ワイヤハーネスの全長を所要の配索長さ以上とする無駄を無くすことを課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、ワイヤハーネスに取り付けて車体パネルの貫通穴に挿入係止するクランプであって、
開口を一部に設けた円弧状の環状帯部と、該環状帯部の開口両端縁より対向させて外向きに立設させた一対の挿入係止部とを一体成形しており、
上記一対の挿入係止部は、上記開口端縁より突出させる軸板部と、該軸板部の先端より外側に折り返す羽根部と、該羽根部の先端に形成した段状係止部とを備え、
上記開口寸法は収容するワイヤハーネス径よりも狭くし、上記環状帯部を拡径しながら上記開口を拡げてワイヤハーネスを収容し、収容後に環状帯部を弾性復帰させて開口を狭めてワイヤハーネスを保持させ、かつ、上記車体の貫通穴に上記一対の挿入係止部を近接させて挿入し、挿入後に上記羽根部の係止段部を上記貫通孔の周縁に係止させてワイヤハーネスを車体に係止できる構成としていることを特徴とするクランプを提供している。
【0008】
上記クランプは、円弧状とした環状帯部の開口にワイヤハーネスを挿入すると、ワイヤハーネスにより開口が押し広げられながら挿入される。なお、作業者が開口を拡げてワイヤハーネスを挿入していもよい。
環状帯部は円弧状に成形しているため、円弧形状となる縮径方向に弾性が働き、開口より拡げて環状帯部を拡径しても、拡径方向の力が除かれると弾性復帰して縮径する。よって、ワイヤハーネス挿入後は環状帯部は弾性復帰して開口が狭くなるため、ワイヤハーネスは環状帯部の内部空間から抜け出ることはない。かつ、開口より抜け出さない限り、ワイヤハーネスの径の大小に拘わらず、環状帯部の空間内にワイヤハーネスを保持することができ、ワイヤハーネスの径に応じて多品種設ける必要がない。
さらに、クランプ位置が車体パネルの貫通孔と若干位置ずれしても、ワイヤハーネスに対して環状帯部をずらすことも容易にでき、クランプと車体パネルの貫通孔の位置合わせを簡単に行うことができる。
【0009】
また、車体への挿入係止部は、従来のバンド型や基板型のクランプの車体への挿入係止部を半割りした形状とし、半割した分割部を環状帯部の開口の両端縁より突設している。これら分割されて開口の両端縁より対向して立設する挿入係止部は、ワイヤハーネス挿入時に開口が開かれた時は互いに離れる方向となるが、開口が元に戻ると近接して位置する。さらに、車体パネルの貫通孔に挿入する時は、互いに当接させて貫通孔に押し込み、各挿入係止部の羽根部を変形させて貫通孔を通過させ、貫通後は羽根部は弾性復帰して原状に戻って拡がり、それらの係止段部が貫通孔の周縁に係止して、クランプは車体に係止される。このように、車体への挿入係止部を半割りして分割し、環状帯部の開口両縁より突出させても、従来のバント型や基板型のクランプと同様に、車体へ確実に係止することができる。
【0010】
上記一対の挿入係止部の軸板部の対向面に着脱自在に結合するロック部を設け、上記開口より環状帯部にワイヤハーネスを挿入後に対向する上記軸板部を結合して上記開口を閉鎖している。
【0011】
上記のように、開口の両端縁より突設する挿入係止部に互いに結合するロック部を設け、環状帯部にワイヤハーネスを挿入後に、挿入係止部をロックして結合すると、開口は完全に閉じられ、環状帯部内に挿入したワイヤハーネスが抜け出ることを確実に防止できる。また、車体パネルの貫通孔に挿入する時に、一対の挿入係止部を作業員が当接させて挿入する必要もなくなり、挿入作業性を高めることができる。
【0012】
上記開口両縁より、互いに逆方向に延在させる支持板を設け、開口端縁上の支持板の半側部上に上記軸板部を立設すると共に、該支持板上の他半側部に軸板部の前後いずれか一端と連続する補助軸板部を立設し、対向する軸板部同士を当接係止させた時に、その前後両側に補助軸板部を位置させている。
【0013】
上記した前後両側に幅広に延在する支持板は、左右方向に突出する羽根部と直交方向となり、羽根部の係止段部が車体パネルの貫通孔の裏面側の左右両側周縁に係止する一方、支持板は貫通孔の表面側の前後周縁に当接して、挿入係止部を車体パネルに対して安定した状態で係止させることができる。
即ち、上記支持板は汎用されているクランプに設けられている皿部に対応するものである。この支持板部の先端にストッパー用リブを突設し、羽根部下端の係止段部が上記ストッパー用リブにより外方に広がらないようにしてもよい。
【0014】
上記補助軸板部を設けた場合、上記軸板部の対向面に補助板部側に向けて薄肉となるように傾斜させた段状部を設け、対向する段状部の傾斜を逆方向とし、厚肉側の段状部先端に係止凸部を設ける一方、薄肉側先端で補助板部との段状連続部の隅部に係止凹部を設け、一方側の係止凸部を対向側の係止凹部に押し込んで、ワンタッチ結合させる構成としている。
このように、前後幅方向の2カ所で凹凸嵌合させると共に、この2カ所の係止凸部と係止凹部とを逆とすることにより、ロック部の結合力を高めることができる。
特に、係止凸部および係止凹部を球状として、係止凸部の半周以上を押し込むことにより、確実にロックすることができる。
【0015】
さらに、分割した挿入係止部をロックする手段として、各軸板部の前後両側に補助軸板部を設け、前後逆方向の一方側の補助軸板部を厚肉とすると共に、他方側の補助軸板部を薄肉とし、該薄肉側の補助軸板部を他方の軸板部と羽根部との間に挿入係止して、互いにロックする構成としてもよい。
【0016】
また、ワイヤハーネスを挿入する際に環状帯部を拡げ易くするため、上記開口と対向する環状帯部の略中央部を内側に凹む窪ま部を設け、該窪みの両端が環状帯部の拡径時の支点となる構成としている。
あるいは、環状帯部の略中央部に薄肉ヒンジ部を設けてもよい。
【0017】
このように、ワイヤハーネス挿入時に拡径させる環状帯部に、拡径時の支点となる箇所を設けておくと、ワイヤハーネスの挿入力を小さくできる一方、ワイヤハーネス挿入後の縮径時も、該縮径の起点となるために、環状帯部をスムーズに拡径および縮径させることができる。
【0018】
上記開口両縁より、上記環状帯部に囲まれる内部空間に開口を閉鎖する方向へ薄肉の返し片を突設し、上記開口を拡げて環状帯部内に挿入するワイヤハーネスは上記返し片を押し開いて環状帯部内の空間に収容され、ワイヤハーネス収容後に上記返し片は弾性復帰して開口側を閉鎖する構成としてもよい。
開口両縁より突設する返し片は一方側が前側に、他方側は後側に突設して、返し片の先端同士が互いに干渉し合わないようにすることが好ましい。
【0019】
上記返し片は、挿入係止部にロック部を設けていない場合に、開口を環状帯部の内部空間側で閉鎖するため、ワイヤハーネスを開口から確実に抜け出ないようにすることができる。
しかしながら、挿入係止部にロック部を設けている場合にも上記返し片を設けてもよい。この場合には、環状帯部内に収容されるワイヤハーネスが小径で環状帯部内に遊挿される際、ワイヤハーネスを環状帯部内にガタつきなく収容することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図9は第1実施形態を示す。
図1に示すように、クランプ10は、開口11aを一部に設けた円弧状の環状帯部11と、該環状帯部11の開口11aの両縁より対向させて外向きに立設させた一対の挿入係止部12、13とを樹脂で一体成形している。これら一対の挿入係止部12と13は前記したバント型および基板型のクランプの挿入係止部を半割りした形状とし、対称形状としている。
【0021】
上記開口11aの両端縁には厚肉段状に形成した支持板14、15を設け、一方の支持板14は環状帯部11の幅方向前端より前方に延在させ、他方の支持板15は幅方向後端より後方に延在させている。一方の支持板14の環状帯部上に当たる位置より上記挿入係止部12の軸板部12aを外向きに立設すると共に、他方の支持板15の環状帯部上に当たる位置に上記挿入係止部13の軸板部13aを外向きに立設している。
上記各軸板部12a,13aの先端より羽根部12b、13bを互いに離反する外向きへと折り返し、各羽根部12b、13bの先端(下端)に段状係止部12c、13cを形成している。
【0022】
また、軸板部12a、13aの幅方向一端と連続させて支持板14、15上に補助軸板部16、17を立設している。これら補助軸板部16、17の突出側端は、先端が細くなる傾斜部16b,17bとして車体パネルの貫通孔に挿入可としている。また、補助軸板部16、17は厚肉とし、軸板部12a,13aと段状連続部16a,17aを介して連続させている。
【0023】
上記軸板部12a、13aは段状連続部16a,17aとは反対方向に向けて端面の上下両側を傾斜させて次第に薄肉とし、言い換えると、軸板部12a、13aの対向面の中央部に補助軸板部16、17側に向けて薄肉となるように傾斜させた段状部12a−1、13a−1を設け、対向する段状部の傾斜を逆方向とし、接合した状態で同一厚さとなって補助軸板部16、17と連続させている。図5に示すように、段状部12a−1、13a−1の厚肉側先端に球状の係止凸部12e、13eを設ける一方、薄肉側先端で補助板部16、17との段状連続部16a、17aの隅部に上記係止凸部12e、13eが押し込まれてロックされる係止凹部12d、13dを形成している。
【0024】
さらに、図4に示すように、上記支持板14、15の外端縁にストッパー用リブ14a、15aを突設し、上記段状係止部12c、13cの下端12c−1、13c−1が拡がると上記ストッパー用リブ14a、15aで当接させて、拡がりを防止している。
【0025】
上記環状帯部11の開口11aの寸法L1は、該環状帯部11で囲まれる内部空間S内に挿入するワイヤハーネスW/Hの直径L2よりも小さく設定している。 よって、開口11aを押し開き、環状帯部11を拡げてワイヤハーネスW/Hを内部空間Sに収容している。環状帯部11は円弧形状に成形しているため、押し広げた後、外力が除去されると、円弧形状の縮径する方向に弾性復帰力が作用し、開口11aを原寸法L1となるように復帰させている。
【0026】
つぎに、ワイヤハーネスW/Hへのクランプ10の取り付けと、該クランプを車体パネル5の貫通孔5aの係止方法に付いて説明する。
【0027】
図6および図7はワイヤハーネスW/Hへクランプ10を取り付ける状態を示す。
まず、図6および図7(A)に示すように、ワイヤハーネスW/Hに対して、その所要位置で、側方からクランプ10を取り付けている。詳細には、図7(A)に示すように、開口11aの上方から環状帯部11の内部空間SへとワイヤハーネスW/Hが押し込まれる。其の際、開口11aの寸法L1はワイヤハーネスW/Hの直径L2よりも小さいため、ワイヤハーネスW/Hの挿入力により押し広げられ、環状帯部11の左右両側部11b、11cが拡がって拡径する。
この挿入時に作業員が開口11aを押し広げる補助的な作業を行ってもよい。
【0028】
開口11aをワイヤハーネスW/Hが通過して、図7(B)に示すように、内部空間Sにワイヤハーネスが収まると、環状帯部11は弾性復帰して縮径し、開口11aも元の寸法L1に戻る。
この状態でも、ワイヤハーネスW/Hを開口11aを通して外方に引き出す外力が作用しない限りワイヤハーネスW/Hは環状帯部11の内部空間Sに保持され、開口11aより抜き出ることはない。
このように、環状帯部11内にワイヤハーネスW/Hを開口11aを通して押し込むだけのワンタッチ作業でクランプ10をワイヤハーネスW/Hに取り付けることができる。
【0029】
しかしながら、第1実施形態では、より確実にワイヤハーネスを内部空間Sより抜き出ないように、図7(C)に示すように、開口11aの両端縁より突出させた挿入係止部12、13をロックして開口11aを閉鎖している。
即ち、軸板部12a、13aを突き合わせて当接させ、中央段状部12a−1、13a−1を当接させ、その前後幅方向の両端で、係止凸部12eを係止凹部13dに、球状凸部13eを係止凹部12dにそれぞれ押し込んでロックしている。 この状態で、当接状態でロックされる軸板部12a、13aは両側の厚肉な補助軸板部16、17の間に挟み込まれた状態となり、上記係止凸部と係止凹部の結合状態を確実に保持する。
【0030】
上記のようにクランプ10を取り付けたワイヤハーネスW/Hを車両に配索するとき、図8に示すように、挿入係止部12、13を車体パネル5の貫通孔5aに挿入係止している。
即ち、互いに結合された挿入係止部12、13は一体となって、貫通孔5aに挿入される。両側の羽根部12b、13bが貫通孔5aを通過する際には内側へと変形されて貫通孔5aを通過する。通過後に羽根部12b、13bが原状に戻って拡がり、その下端の段状係止部12c、13cが貫通孔5aの周縁に係止する。
【0031】
貫通孔5aは図9に示すように長円形状で、その短軸側の裏面側周縁に上記段状係止部12cと13cとが対向して係止される。一方、貫通孔5aの長軸側の表面側周縁に上記支持板14、15が対向して当接係止される。このように、長円形状の貫通孔5aの4辺に段状係止部と支持板とが車体パネル5を挟んで係止されることにより、クランプ10は車体パネル5に強固に固定できる。
【0032】
さらに、環状帯部11はワイヤハーネスW/Hに対して位置決め固定されておらず、ワイヤハーネスW/Hに対して相対移動可能であるため、クランプ10の取付位置が車体パネル5の貫通孔5aと位置ずれが生じた場合、クランプ10をワイヤハーネスに対して移動させて貫通孔5aと位置合わせすることができる。よって、クランプ間のワイヤハーネスの寸法を許容交差以上に長く設定する必要はなく、ワイヤハーネスの全長における余長長さを短くして、ワイヤハーネスの無駄を無くすことができる。
【0033】
図10(A)(B)は環状帯部11の第1変形例を示す。
該第1変形例では、開口11aと対向する位置の環状帯部11の略中心部を内部空間Sへと突出する窪み20を設けている。
上記窪み20の両端20a、20bは環状帯部11内にワイヤハーネスを挿入する時に、環状帯部11の左右両側端11b、11cが拡がる起点となり、窪み部20は内側に予め窪ませてることにより、左右両側端20a、20bが矢印Y1で示すように、外側で互いに近接する方向に撓み、環状帯部11が拡径しやすくなる。また、ワイヤハーネスを挿入後に矢印Y2で示すように、窪み20が元の位置となるように、弾性復帰する時の起点ともなる。
さらに、内部空間S内に窪み20を突出させていることにより、ワイヤハーネスW/Hと当接して、内部空間S内にワイヤハーネスをガタつき無く収容する作用も有する。
【0034】
さらに、分割した挿入係止部12、13のロックをより強固とするため、軸板部12a、13bには中央部と下端部との2カ所に段状部12a−1、12a−2、13a−1、13a−2を設け、それぞれの前後幅方向の両端に係止凸部12e、13e、係止凹部(図示せず)を設けている。これにより、4カ所の凹凸嵌合で強固にロックしている。
【0035】
図11は第2変形例を示し、窪み20を設ける代わりに、外面側よりV形状の切り込みを入れて、薄肉ヒンジ部21を設けている。該薄肉ヒンジ部21は、窪みと同様に、環状帯部11内にワイヤハーネスを挿入する時に、環状帯部11の左右両側部11b、11cが拡がる起点となり、環状帯部11が拡径しやすくなる。また、ワイヤハーネスを挿入後に弾性復帰する時の起点ともなる。
【0036】
図12(A)(B)は第3変形例を示し、支持板14、15の補助軸板部16、17を立設した側の対向面にガイドリブ30、31を突設している。これらガイドリブ30、31は、軸板部12aを相手側のガイドリブ31に、軸板部13aを相手側のガイドリブ30に当接させることに、結合位置へと誘い込む作用を果たし、分割した挿入係止部12と13とを簡単に結合することができる。
【0037】
図13は第2実施形態を示す。
この第2実施形態では、挿入係止部12、13の軸板部12a、13aに互いに結合するロック部を設けておらず、環状帯部11内にワイヤハーネスを収容した後に、挿入係止部12、13を結合して開口11aを閉鎖する構成としていない。
上記のように、軸板部12a、13aをロック結合しない構成としても、環状帯部11の開口11aをワイヤハーネスW/Hの直径よりも小さくしておくと、車体への取付前にワイヤハーネスを開口より押し出す外力が作用しない限り、ワイヤハーネスは環状帯部11の内部空間に収容保持することができる。
【0038】
さらに、車体パネル5の貫通孔5aに挿入する時、挿入係止部12と13とは互いに結合されていないが、貫通孔5aに挿入係止部12と13とを挿入すると、それらの羽根部12b、13bの傾斜面が貫通孔5aの周縁に当接して自動的に近接する方向となり、貫通孔5aを通過する。また、通過後は、それぞれ羽根部12b、13bが弾性復帰して、段状係止部12c、13cが貫通孔5aの周縁と係止して、クランプを車体に固定する。
よって、挿入係止部12、13を互いにロックせずに別体のままとしておいても、車体への挿入係止作業は問題なく行うことができる。
【0039】
図14および図15は第3実施形態を示し、軸板部12a、13bを互いにロックして開口11aを外部側へり閉鎖しない代わりに、開口11aの両縁より、環状帯部11で囲まれる内部空間Sに、開口11を閉鎖する方向へ薄肉の返し片24、25を突設している。
上記返し片24、25は前後幅方向で位相させ、返し片24は前部側に、返し片25は後部側に設け、返し片24と25の先端が互いに干渉しないようにしている。かつ、これらの返し片24、25の先端は球状としてワイヤハーネスの電線と接触した時に電線に損傷を発生させないようにしている。
また、この第3実施形態でも、環状帯部11の底面側に窪み20を設けている。
【0040】
上記クランプでは、図15(A)に示すように、開口11aを拡げて、環状帯部11内に挿入する際、ワイヤハーネスは返し片24、25を押し開いて、環状帯部11の内部空間Sに収容される。図15(B)に示すように、ワイヤハーネスW/Hを収容後は、返し片24、25は弾性復帰して開口11aを内部側で閉鎖する。
ワイヤハーネスW/Hに開口11aから抜き出す方向に外力が作用しても、図15(C)に示すように、ワイヤハーネスW/Hと共に返し片24、25も開口11a側へと変形するが、その際、開口11aを閉鎖する方向となるため、ワイヤハーネスW/Hが開口11aより抜き出ることを確実に防止できる。
また、これら返し片24、25により収容空間S内でワイヤハーネスW/Hを環状帯部11の内周面側に抑えて、ワイヤハーネスW/Hを環状帯部11内にガタ付きなく収容する。
【0041】
図16は第3実施形態の変形例を示し、軸板部12a、13aに段状部12a−1、13a−1を設けると共に、その前後幅方向に互いにロックする係止凸部と係止凹部とを設けている。
【0042】
図17(A)(B)は第4実施形態を示し、軸板部12と13とのロック形状を第1実施形態と相違させている。
即ち、各軸板部12a、13aの先端より第1実施形態とは逆向きに羽根部12b、13bを設け、かつ、各軸板部12a、13bの前後両側に補助軸板部16と160、17と170を設けている。補助軸板部は、前後逆方向となる一方側の補助軸板部160、170を厚肉とすると共に、他方側の補助軸板部16、17を薄肉としている。
【0043】
図17(B)に示すように、薄肉側の補助軸板部160、170を他方の軸板部12aと羽根部12bの間、および13aと13bの間に夫々挿入し、左側の挿入係止部12の羽根部12bが右側、右側の挿入係止部13の羽根部13bを左側として、左右方向を入れ替え、言わばねじれ係止した状態で互いにロックする構成としている。
【0044】
かつ、図17(B)に示すように、補助軸板部160、170の先端に係止凸部160a、170aを設ける一方、補助軸板部16と軸板部12との間に係止凹部160b、170bを設けて、係止凸部160aを係止凹部170bに、係止凸部170aを係止凹部160bに押し込んでロックしている。
上記したように、分割した挿入係止部のロック機構としては適宜な形状が採用しえる。
【0045】
【発明の効果】
以上の説明の説明より明らかなように、本発明に係わるクランプによれば、環状帯部の内部空間に開口よりワイヤハーネスを押し込むだけで、ワンタッチでワイヤハーネスにクランプを取り付けることが出来ると共に、取付後において、ワイヤハーネスを抜き出ることはなく保持することができる。
よって、従来のバンド・クランプの場合に必要とされた不要のバンドの切断作業はなく、また、基板型・クランプの場合に必要とされたテープ巻作業も不要となる。よって、ワイヤハーネスへのクランプの取り付けに要するコストを大幅に削減することができる。
【0046】
また、ワイヤハーネスに取り付けたクランプの位置が、車体パネルの貫通孔の位置とずれが発生した場合、クランプをワイヤハーネスに対して移動させて位置合わせすることができる。よって、クランプ間のワイヤハーネスの長さを許容交差以上に長く設定しておく必要はなく、ワイヤハーネスの全長を配索長さに対応した長さとして、ワイヤハーネスを構成する電線の無駄を無くすことができる等の種々の利点を有するものである。
【0047】
さらに、ワイヤハーネスを環状帯部の内部空間に挿入した後に、分割した挿入係止部を互いにロックできる構成とすると、クランプを車体に取り付けるまでに、環状帯部から抜け出ないように確実に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のクランプの第1実施形態を示す斜視図である。
【図2】第1実施形態のクランプの正面図である。
【図3】(A)は上記クランプの平面図、(B)は側面図、(C)は底面図である。
【図4】上記クランプの要部拡大断面図である。
【図5】図1のA−A線断面図である
【図6】ワイヤハーネスへのクランプの取付方を示す概略斜視図である。
【図7】(A)(B)(C)はワイヤハーネスにクランプを取付工程を示す正面図である。
【図8】(A)(B)はクランプを車体パネルの貫通孔に取り付ける方法を示す図面である。
【図9】車体パネルの貫通孔とクランプの係止状態を示す概略図である。
【図10】(A)(B)は第1実施形態の第1変形例を示す正面図である。
【図11】第1実施形態の第2変形例を示す正面図である。
【図12】第1実施形態の第3変形例を示し、(A)は斜視図、(B)は分割された挿入係止部を示す概略図である。
【図13】第2実施形態を示す斜視図である。
【図14】第3実施形態の斜視図である。
【図15】(A)(B)は第3実施形態のワイヤハーネスにクランプを取り付ける方法を示す正面図である。
【図16】第3実施形態の変形例を示す斜視図である。
【図17】第4実施形態を示し、(A)は斜視図、(B)は挿入係止部のロック方法を示す概略図である。
【図18】(A)乃至(C)は従来のバント・クランプを示す図面である。
【図19】(A)乃至(C)は従来の基板型・クランプを示す図面である。
【符号の説明】
10 クランプ
11 環状帯部
11a 開口
12、13 挿入係止部
12a、13a 軸板部
12b、13b 羽根部
12c、13c 段状係止部
12d,13d 球状凹部
12e,13e 球状突起
14、15 支持板
16,17 補助軸板部
20 窪み
21 薄肉ヒンジ部
24、25 返し片
W/H ワイヤハーネス
5 車体パネル
5a 貫通孔
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に配索するワイヤハーネスに取り付けて車体パネルの貫通穴に挿入係止するクランプに関し、簡単な形状としながら、ワイヤハーネスにワンタッチで取り付けられるようにするものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のクランプとして、大別して図18に示すバンド・クランプと図19に示す基板型・クランプとが汎用されている。
図18のバンド・クランプ1は、ボックス状の本体1aの一端からバンド1bを突出させ、該バンド1bをワイヤハーネスW/Hに巻き付けた後に本体1aの貫通孔1cに通し、該貫通孔1c内に突出させた係止片1dをハンドガンタイプの締付治具6で締め付け、バンド1bの係止溝1eに係止させてワイヤハーネスを締結させている。上記本体1aの上面より車体係止部1fを突設している。
図19の基板型・クランプ2はワイヤハーネスW/HにテープTを巻き付けて取り付ける基板2aを設け、該基板2aより車体係止部2bを突設している。
【0003】
上記バンド・クランプ1および基板型・クランプ2の車体係止部1f、2bはいずれも、軸部1g,2cの先端より羽根部1h、2dを折り返して形成し、該羽根部1h、2dの先端に係止段部1i、2eを設けている。
クランプ1、2を車体に係止する際は、上記車体係止部1f、2bの羽根部1h、2dを縮径させながら車体パネル5の貫通穴5aに挿入し、挿入後に羽根部を原状復帰させて拡げ、係止段部1i、2eを車体パネルの貫通孔5aの周縁に係止させている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記バンド・クランプ1は、バンド1bをワイヤハーネスW/Hに巻き付けた後、本体1aの貫通孔1cに通してハンドガンタイプの治具6で締め付けて係止したのち、本体1aより引き出される余分のバンド1bを治具6に設けたカッターでカットしている。よって、この治具6を必要とし、該治具による締め付け作業およびバンド部のカット作業が必要となり、かつ、カットされるバンドの先端部が無駄となり、ワイヤハーネスW/Hが小径の場合にはカット量も増加するため無駄が多くなる。
さらに、バンド1bはワイヤハーネスW/Hに強く締め付けられるため、車体パネルの貫通孔とクランプ1との位置ずれが発生した場合に、ワイヤハーネスに対してクランプを移動させる位置補正をすることが出来ない問題がある。そのため、クランプ間のワイヤハーネスの長さを許容交差以上の若干長目に設定しており、この点からもワイヤハーネスの全長が長くなる無駄が発生している。
【0005】
上記基板型・クランプ2では、まず、ワイヤハーネスW/Hに取り付ける際に、基板2aの両端をテープTを用いてワイヤハーネスW/Hに巻き付けているため、テープが必要になると共にテープ巻き作業が必要となり、作業工程が増えると共に別材料のテープTが必要となる問題がある。
また、テープ巻してワイヤハーネスに取り付けるために、上記バンド・クランプと同様にワイヤハーネスに対するクランプの取付位置が固定され、クランプと車体パネルの貫通孔の位置ずれが発生する場合に備えて、ワイヤハーネスを長目にしなければならない問題がある。
【0006】
本発明は上記した従来のバンド・クランプや基板型・クランプとは全く異なる新規なクランプとし、テープ巻き作業やバンドの切断作業も必要とせず、ワンタッチで簡単に取り付けることができると共に、クランプ取付位置をワイヤハーネスに対して調整できるようにして、ワイヤハーネスの全長を所要の配索長さ以上とする無駄を無くすことを課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、ワイヤハーネスに取り付けて車体パネルの貫通穴に挿入係止するクランプであって、
開口を一部に設けた円弧状の環状帯部と、該環状帯部の開口両端縁より対向させて外向きに立設させた一対の挿入係止部とを一体成形しており、
上記一対の挿入係止部は、上記開口端縁より突出させる軸板部と、該軸板部の先端より外側に折り返す羽根部と、該羽根部の先端に形成した段状係止部とを備え、
上記開口寸法は収容するワイヤハーネス径よりも狭くし、上記環状帯部を拡径しながら上記開口を拡げてワイヤハーネスを収容し、収容後に環状帯部を弾性復帰させて開口を狭めてワイヤハーネスを保持させ、かつ、上記車体の貫通穴に上記一対の挿入係止部を近接させて挿入し、挿入後に上記羽根部の係止段部を上記貫通孔の周縁に係止させてワイヤハーネスを車体に係止できる構成としていることを特徴とするクランプを提供している。
【0008】
上記クランプは、円弧状とした環状帯部の開口にワイヤハーネスを挿入すると、ワイヤハーネスにより開口が押し広げられながら挿入される。なお、作業者が開口を拡げてワイヤハーネスを挿入していもよい。
環状帯部は円弧状に成形しているため、円弧形状となる縮径方向に弾性が働き、開口より拡げて環状帯部を拡径しても、拡径方向の力が除かれると弾性復帰して縮径する。よって、ワイヤハーネス挿入後は環状帯部は弾性復帰して開口が狭くなるため、ワイヤハーネスは環状帯部の内部空間から抜け出ることはない。かつ、開口より抜け出さない限り、ワイヤハーネスの径の大小に拘わらず、環状帯部の空間内にワイヤハーネスを保持することができ、ワイヤハーネスの径に応じて多品種設ける必要がない。
さらに、クランプ位置が車体パネルの貫通孔と若干位置ずれしても、ワイヤハーネスに対して環状帯部をずらすことも容易にでき、クランプと車体パネルの貫通孔の位置合わせを簡単に行うことができる。
【0009】
また、車体への挿入係止部は、従来のバンド型や基板型のクランプの車体への挿入係止部を半割りした形状とし、半割した分割部を環状帯部の開口の両端縁より突設している。これら分割されて開口の両端縁より対向して立設する挿入係止部は、ワイヤハーネス挿入時に開口が開かれた時は互いに離れる方向となるが、開口が元に戻ると近接して位置する。さらに、車体パネルの貫通孔に挿入する時は、互いに当接させて貫通孔に押し込み、各挿入係止部の羽根部を変形させて貫通孔を通過させ、貫通後は羽根部は弾性復帰して原状に戻って拡がり、それらの係止段部が貫通孔の周縁に係止して、クランプは車体に係止される。このように、車体への挿入係止部を半割りして分割し、環状帯部の開口両縁より突出させても、従来のバント型や基板型のクランプと同様に、車体へ確実に係止することができる。
【0010】
上記一対の挿入係止部の軸板部の対向面に着脱自在に結合するロック部を設け、上記開口より環状帯部にワイヤハーネスを挿入後に対向する上記軸板部を結合して上記開口を閉鎖している。
【0011】
上記のように、開口の両端縁より突設する挿入係止部に互いに結合するロック部を設け、環状帯部にワイヤハーネスを挿入後に、挿入係止部をロックして結合すると、開口は完全に閉じられ、環状帯部内に挿入したワイヤハーネスが抜け出ることを確実に防止できる。また、車体パネルの貫通孔に挿入する時に、一対の挿入係止部を作業員が当接させて挿入する必要もなくなり、挿入作業性を高めることができる。
【0012】
上記開口両縁より、互いに逆方向に延在させる支持板を設け、開口端縁上の支持板の半側部上に上記軸板部を立設すると共に、該支持板上の他半側部に軸板部の前後いずれか一端と連続する補助軸板部を立設し、対向する軸板部同士を当接係止させた時に、その前後両側に補助軸板部を位置させている。
【0013】
上記した前後両側に幅広に延在する支持板は、左右方向に突出する羽根部と直交方向となり、羽根部の係止段部が車体パネルの貫通孔の裏面側の左右両側周縁に係止する一方、支持板は貫通孔の表面側の前後周縁に当接して、挿入係止部を車体パネルに対して安定した状態で係止させることができる。
即ち、上記支持板は汎用されているクランプに設けられている皿部に対応するものである。この支持板部の先端にストッパー用リブを突設し、羽根部下端の係止段部が上記ストッパー用リブにより外方に広がらないようにしてもよい。
【0014】
上記補助軸板部を設けた場合、上記軸板部の対向面に補助板部側に向けて薄肉となるように傾斜させた段状部を設け、対向する段状部の傾斜を逆方向とし、厚肉側の段状部先端に係止凸部を設ける一方、薄肉側先端で補助板部との段状連続部の隅部に係止凹部を設け、一方側の係止凸部を対向側の係止凹部に押し込んで、ワンタッチ結合させる構成としている。
このように、前後幅方向の2カ所で凹凸嵌合させると共に、この2カ所の係止凸部と係止凹部とを逆とすることにより、ロック部の結合力を高めることができる。
特に、係止凸部および係止凹部を球状として、係止凸部の半周以上を押し込むことにより、確実にロックすることができる。
【0015】
さらに、分割した挿入係止部をロックする手段として、各軸板部の前後両側に補助軸板部を設け、前後逆方向の一方側の補助軸板部を厚肉とすると共に、他方側の補助軸板部を薄肉とし、該薄肉側の補助軸板部を他方の軸板部と羽根部との間に挿入係止して、互いにロックする構成としてもよい。
【0016】
また、ワイヤハーネスを挿入する際に環状帯部を拡げ易くするため、上記開口と対向する環状帯部の略中央部を内側に凹む窪ま部を設け、該窪みの両端が環状帯部の拡径時の支点となる構成としている。
あるいは、環状帯部の略中央部に薄肉ヒンジ部を設けてもよい。
【0017】
このように、ワイヤハーネス挿入時に拡径させる環状帯部に、拡径時の支点となる箇所を設けておくと、ワイヤハーネスの挿入力を小さくできる一方、ワイヤハーネス挿入後の縮径時も、該縮径の起点となるために、環状帯部をスムーズに拡径および縮径させることができる。
【0018】
上記開口両縁より、上記環状帯部に囲まれる内部空間に開口を閉鎖する方向へ薄肉の返し片を突設し、上記開口を拡げて環状帯部内に挿入するワイヤハーネスは上記返し片を押し開いて環状帯部内の空間に収容され、ワイヤハーネス収容後に上記返し片は弾性復帰して開口側を閉鎖する構成としてもよい。
開口両縁より突設する返し片は一方側が前側に、他方側は後側に突設して、返し片の先端同士が互いに干渉し合わないようにすることが好ましい。
【0019】
上記返し片は、挿入係止部にロック部を設けていない場合に、開口を環状帯部の内部空間側で閉鎖するため、ワイヤハーネスを開口から確実に抜け出ないようにすることができる。
しかしながら、挿入係止部にロック部を設けている場合にも上記返し片を設けてもよい。この場合には、環状帯部内に収容されるワイヤハーネスが小径で環状帯部内に遊挿される際、ワイヤハーネスを環状帯部内にガタつきなく収容することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図9は第1実施形態を示す。
図1に示すように、クランプ10は、開口11aを一部に設けた円弧状の環状帯部11と、該環状帯部11の開口11aの両縁より対向させて外向きに立設させた一対の挿入係止部12、13とを樹脂で一体成形している。これら一対の挿入係止部12と13は前記したバント型および基板型のクランプの挿入係止部を半割りした形状とし、対称形状としている。
【0021】
上記開口11aの両端縁には厚肉段状に形成した支持板14、15を設け、一方の支持板14は環状帯部11の幅方向前端より前方に延在させ、他方の支持板15は幅方向後端より後方に延在させている。一方の支持板14の環状帯部上に当たる位置より上記挿入係止部12の軸板部12aを外向きに立設すると共に、他方の支持板15の環状帯部上に当たる位置に上記挿入係止部13の軸板部13aを外向きに立設している。
上記各軸板部12a,13aの先端より羽根部12b、13bを互いに離反する外向きへと折り返し、各羽根部12b、13bの先端(下端)に段状係止部12c、13cを形成している。
【0022】
また、軸板部12a、13aの幅方向一端と連続させて支持板14、15上に補助軸板部16、17を立設している。これら補助軸板部16、17の突出側端は、先端が細くなる傾斜部16b,17bとして車体パネルの貫通孔に挿入可としている。また、補助軸板部16、17は厚肉とし、軸板部12a,13aと段状連続部16a,17aを介して連続させている。
【0023】
上記軸板部12a、13aは段状連続部16a,17aとは反対方向に向けて端面の上下両側を傾斜させて次第に薄肉とし、言い換えると、軸板部12a、13aの対向面の中央部に補助軸板部16、17側に向けて薄肉となるように傾斜させた段状部12a−1、13a−1を設け、対向する段状部の傾斜を逆方向とし、接合した状態で同一厚さとなって補助軸板部16、17と連続させている。図5に示すように、段状部12a−1、13a−1の厚肉側先端に球状の係止凸部12e、13eを設ける一方、薄肉側先端で補助板部16、17との段状連続部16a、17aの隅部に上記係止凸部12e、13eが押し込まれてロックされる係止凹部12d、13dを形成している。
【0024】
さらに、図4に示すように、上記支持板14、15の外端縁にストッパー用リブ14a、15aを突設し、上記段状係止部12c、13cの下端12c−1、13c−1が拡がると上記ストッパー用リブ14a、15aで当接させて、拡がりを防止している。
【0025】
上記環状帯部11の開口11aの寸法L1は、該環状帯部11で囲まれる内部空間S内に挿入するワイヤハーネスW/Hの直径L2よりも小さく設定している。 よって、開口11aを押し開き、環状帯部11を拡げてワイヤハーネスW/Hを内部空間Sに収容している。環状帯部11は円弧形状に成形しているため、押し広げた後、外力が除去されると、円弧形状の縮径する方向に弾性復帰力が作用し、開口11aを原寸法L1となるように復帰させている。
【0026】
つぎに、ワイヤハーネスW/Hへのクランプ10の取り付けと、該クランプを車体パネル5の貫通孔5aの係止方法に付いて説明する。
【0027】
図6および図7はワイヤハーネスW/Hへクランプ10を取り付ける状態を示す。
まず、図6および図7(A)に示すように、ワイヤハーネスW/Hに対して、その所要位置で、側方からクランプ10を取り付けている。詳細には、図7(A)に示すように、開口11aの上方から環状帯部11の内部空間SへとワイヤハーネスW/Hが押し込まれる。其の際、開口11aの寸法L1はワイヤハーネスW/Hの直径L2よりも小さいため、ワイヤハーネスW/Hの挿入力により押し広げられ、環状帯部11の左右両側部11b、11cが拡がって拡径する。
この挿入時に作業員が開口11aを押し広げる補助的な作業を行ってもよい。
【0028】
開口11aをワイヤハーネスW/Hが通過して、図7(B)に示すように、内部空間Sにワイヤハーネスが収まると、環状帯部11は弾性復帰して縮径し、開口11aも元の寸法L1に戻る。
この状態でも、ワイヤハーネスW/Hを開口11aを通して外方に引き出す外力が作用しない限りワイヤハーネスW/Hは環状帯部11の内部空間Sに保持され、開口11aより抜き出ることはない。
このように、環状帯部11内にワイヤハーネスW/Hを開口11aを通して押し込むだけのワンタッチ作業でクランプ10をワイヤハーネスW/Hに取り付けることができる。
【0029】
しかしながら、第1実施形態では、より確実にワイヤハーネスを内部空間Sより抜き出ないように、図7(C)に示すように、開口11aの両端縁より突出させた挿入係止部12、13をロックして開口11aを閉鎖している。
即ち、軸板部12a、13aを突き合わせて当接させ、中央段状部12a−1、13a−1を当接させ、その前後幅方向の両端で、係止凸部12eを係止凹部13dに、球状凸部13eを係止凹部12dにそれぞれ押し込んでロックしている。 この状態で、当接状態でロックされる軸板部12a、13aは両側の厚肉な補助軸板部16、17の間に挟み込まれた状態となり、上記係止凸部と係止凹部の結合状態を確実に保持する。
【0030】
上記のようにクランプ10を取り付けたワイヤハーネスW/Hを車両に配索するとき、図8に示すように、挿入係止部12、13を車体パネル5の貫通孔5aに挿入係止している。
即ち、互いに結合された挿入係止部12、13は一体となって、貫通孔5aに挿入される。両側の羽根部12b、13bが貫通孔5aを通過する際には内側へと変形されて貫通孔5aを通過する。通過後に羽根部12b、13bが原状に戻って拡がり、その下端の段状係止部12c、13cが貫通孔5aの周縁に係止する。
【0031】
貫通孔5aは図9に示すように長円形状で、その短軸側の裏面側周縁に上記段状係止部12cと13cとが対向して係止される。一方、貫通孔5aの長軸側の表面側周縁に上記支持板14、15が対向して当接係止される。このように、長円形状の貫通孔5aの4辺に段状係止部と支持板とが車体パネル5を挟んで係止されることにより、クランプ10は車体パネル5に強固に固定できる。
【0032】
さらに、環状帯部11はワイヤハーネスW/Hに対して位置決め固定されておらず、ワイヤハーネスW/Hに対して相対移動可能であるため、クランプ10の取付位置が車体パネル5の貫通孔5aと位置ずれが生じた場合、クランプ10をワイヤハーネスに対して移動させて貫通孔5aと位置合わせすることができる。よって、クランプ間のワイヤハーネスの寸法を許容交差以上に長く設定する必要はなく、ワイヤハーネスの全長における余長長さを短くして、ワイヤハーネスの無駄を無くすことができる。
【0033】
図10(A)(B)は環状帯部11の第1変形例を示す。
該第1変形例では、開口11aと対向する位置の環状帯部11の略中心部を内部空間Sへと突出する窪み20を設けている。
上記窪み20の両端20a、20bは環状帯部11内にワイヤハーネスを挿入する時に、環状帯部11の左右両側端11b、11cが拡がる起点となり、窪み部20は内側に予め窪ませてることにより、左右両側端20a、20bが矢印Y1で示すように、外側で互いに近接する方向に撓み、環状帯部11が拡径しやすくなる。また、ワイヤハーネスを挿入後に矢印Y2で示すように、窪み20が元の位置となるように、弾性復帰する時の起点ともなる。
さらに、内部空間S内に窪み20を突出させていることにより、ワイヤハーネスW/Hと当接して、内部空間S内にワイヤハーネスをガタつき無く収容する作用も有する。
【0034】
さらに、分割した挿入係止部12、13のロックをより強固とするため、軸板部12a、13bには中央部と下端部との2カ所に段状部12a−1、12a−2、13a−1、13a−2を設け、それぞれの前後幅方向の両端に係止凸部12e、13e、係止凹部(図示せず)を設けている。これにより、4カ所の凹凸嵌合で強固にロックしている。
【0035】
図11は第2変形例を示し、窪み20を設ける代わりに、外面側よりV形状の切り込みを入れて、薄肉ヒンジ部21を設けている。該薄肉ヒンジ部21は、窪みと同様に、環状帯部11内にワイヤハーネスを挿入する時に、環状帯部11の左右両側部11b、11cが拡がる起点となり、環状帯部11が拡径しやすくなる。また、ワイヤハーネスを挿入後に弾性復帰する時の起点ともなる。
【0036】
図12(A)(B)は第3変形例を示し、支持板14、15の補助軸板部16、17を立設した側の対向面にガイドリブ30、31を突設している。これらガイドリブ30、31は、軸板部12aを相手側のガイドリブ31に、軸板部13aを相手側のガイドリブ30に当接させることに、結合位置へと誘い込む作用を果たし、分割した挿入係止部12と13とを簡単に結合することができる。
【0037】
図13は第2実施形態を示す。
この第2実施形態では、挿入係止部12、13の軸板部12a、13aに互いに結合するロック部を設けておらず、環状帯部11内にワイヤハーネスを収容した後に、挿入係止部12、13を結合して開口11aを閉鎖する構成としていない。
上記のように、軸板部12a、13aをロック結合しない構成としても、環状帯部11の開口11aをワイヤハーネスW/Hの直径よりも小さくしておくと、車体への取付前にワイヤハーネスを開口より押し出す外力が作用しない限り、ワイヤハーネスは環状帯部11の内部空間に収容保持することができる。
【0038】
さらに、車体パネル5の貫通孔5aに挿入する時、挿入係止部12と13とは互いに結合されていないが、貫通孔5aに挿入係止部12と13とを挿入すると、それらの羽根部12b、13bの傾斜面が貫通孔5aの周縁に当接して自動的に近接する方向となり、貫通孔5aを通過する。また、通過後は、それぞれ羽根部12b、13bが弾性復帰して、段状係止部12c、13cが貫通孔5aの周縁と係止して、クランプを車体に固定する。
よって、挿入係止部12、13を互いにロックせずに別体のままとしておいても、車体への挿入係止作業は問題なく行うことができる。
【0039】
図14および図15は第3実施形態を示し、軸板部12a、13bを互いにロックして開口11aを外部側へり閉鎖しない代わりに、開口11aの両縁より、環状帯部11で囲まれる内部空間Sに、開口11を閉鎖する方向へ薄肉の返し片24、25を突設している。
上記返し片24、25は前後幅方向で位相させ、返し片24は前部側に、返し片25は後部側に設け、返し片24と25の先端が互いに干渉しないようにしている。かつ、これらの返し片24、25の先端は球状としてワイヤハーネスの電線と接触した時に電線に損傷を発生させないようにしている。
また、この第3実施形態でも、環状帯部11の底面側に窪み20を設けている。
【0040】
上記クランプでは、図15(A)に示すように、開口11aを拡げて、環状帯部11内に挿入する際、ワイヤハーネスは返し片24、25を押し開いて、環状帯部11の内部空間Sに収容される。図15(B)に示すように、ワイヤハーネスW/Hを収容後は、返し片24、25は弾性復帰して開口11aを内部側で閉鎖する。
ワイヤハーネスW/Hに開口11aから抜き出す方向に外力が作用しても、図15(C)に示すように、ワイヤハーネスW/Hと共に返し片24、25も開口11a側へと変形するが、その際、開口11aを閉鎖する方向となるため、ワイヤハーネスW/Hが開口11aより抜き出ることを確実に防止できる。
また、これら返し片24、25により収容空間S内でワイヤハーネスW/Hを環状帯部11の内周面側に抑えて、ワイヤハーネスW/Hを環状帯部11内にガタ付きなく収容する。
【0041】
図16は第3実施形態の変形例を示し、軸板部12a、13aに段状部12a−1、13a−1を設けると共に、その前後幅方向に互いにロックする係止凸部と係止凹部とを設けている。
【0042】
図17(A)(B)は第4実施形態を示し、軸板部12と13とのロック形状を第1実施形態と相違させている。
即ち、各軸板部12a、13aの先端より第1実施形態とは逆向きに羽根部12b、13bを設け、かつ、各軸板部12a、13bの前後両側に補助軸板部16と160、17と170を設けている。補助軸板部は、前後逆方向となる一方側の補助軸板部160、170を厚肉とすると共に、他方側の補助軸板部16、17を薄肉としている。
【0043】
図17(B)に示すように、薄肉側の補助軸板部160、170を他方の軸板部12aと羽根部12bの間、および13aと13bの間に夫々挿入し、左側の挿入係止部12の羽根部12bが右側、右側の挿入係止部13の羽根部13bを左側として、左右方向を入れ替え、言わばねじれ係止した状態で互いにロックする構成としている。
【0044】
かつ、図17(B)に示すように、補助軸板部160、170の先端に係止凸部160a、170aを設ける一方、補助軸板部16と軸板部12との間に係止凹部160b、170bを設けて、係止凸部160aを係止凹部170bに、係止凸部170aを係止凹部160bに押し込んでロックしている。
上記したように、分割した挿入係止部のロック機構としては適宜な形状が採用しえる。
【0045】
【発明の効果】
以上の説明の説明より明らかなように、本発明に係わるクランプによれば、環状帯部の内部空間に開口よりワイヤハーネスを押し込むだけで、ワンタッチでワイヤハーネスにクランプを取り付けることが出来ると共に、取付後において、ワイヤハーネスを抜き出ることはなく保持することができる。
よって、従来のバンド・クランプの場合に必要とされた不要のバンドの切断作業はなく、また、基板型・クランプの場合に必要とされたテープ巻作業も不要となる。よって、ワイヤハーネスへのクランプの取り付けに要するコストを大幅に削減することができる。
【0046】
また、ワイヤハーネスに取り付けたクランプの位置が、車体パネルの貫通孔の位置とずれが発生した場合、クランプをワイヤハーネスに対して移動させて位置合わせすることができる。よって、クランプ間のワイヤハーネスの長さを許容交差以上に長く設定しておく必要はなく、ワイヤハーネスの全長を配索長さに対応した長さとして、ワイヤハーネスを構成する電線の無駄を無くすことができる等の種々の利点を有するものである。
【0047】
さらに、ワイヤハーネスを環状帯部の内部空間に挿入した後に、分割した挿入係止部を互いにロックできる構成とすると、クランプを車体に取り付けるまでに、環状帯部から抜け出ないように確実に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のクランプの第1実施形態を示す斜視図である。
【図2】第1実施形態のクランプの正面図である。
【図3】(A)は上記クランプの平面図、(B)は側面図、(C)は底面図である。
【図4】上記クランプの要部拡大断面図である。
【図5】図1のA−A線断面図である
【図6】ワイヤハーネスへのクランプの取付方を示す概略斜視図である。
【図7】(A)(B)(C)はワイヤハーネスにクランプを取付工程を示す正面図である。
【図8】(A)(B)はクランプを車体パネルの貫通孔に取り付ける方法を示す図面である。
【図9】車体パネルの貫通孔とクランプの係止状態を示す概略図である。
【図10】(A)(B)は第1実施形態の第1変形例を示す正面図である。
【図11】第1実施形態の第2変形例を示す正面図である。
【図12】第1実施形態の第3変形例を示し、(A)は斜視図、(B)は分割された挿入係止部を示す概略図である。
【図13】第2実施形態を示す斜視図である。
【図14】第3実施形態の斜視図である。
【図15】(A)(B)は第3実施形態のワイヤハーネスにクランプを取り付ける方法を示す正面図である。
【図16】第3実施形態の変形例を示す斜視図である。
【図17】第4実施形態を示し、(A)は斜視図、(B)は挿入係止部のロック方法を示す概略図である。
【図18】(A)乃至(C)は従来のバント・クランプを示す図面である。
【図19】(A)乃至(C)は従来の基板型・クランプを示す図面である。
【符号の説明】
10 クランプ
11 環状帯部
11a 開口
12、13 挿入係止部
12a、13a 軸板部
12b、13b 羽根部
12c、13c 段状係止部
12d,13d 球状凹部
12e,13e 球状突起
14、15 支持板
16,17 補助軸板部
20 窪み
21 薄肉ヒンジ部
24、25 返し片
W/H ワイヤハーネス
5 車体パネル
5a 貫通孔
Claims (6)
- ワイヤハーネスに取り付けて車体パネルの貫通穴に挿入係止するクランプであって、
開口を一部に設けた円弧状の環状帯部と、該環状帯部の開口両縁より対向させて外向きに立設させた一対の挿入係止部とを一体成形しており、
上記一対の挿入係止部は、上記開口両端縁より突出させる軸板部と、該軸板部の先端より外側に折り返す羽根部と、該羽根部の先端に形成した段状係止部とを備え、
上記開口寸法は収容するワイヤハーネス径よりも狭くし、上記環状帯部を拡径しながら上記開口を拡げてワイヤハーネスを収容し、収容後に環状帯部を弾性復帰させて開口を狭めてワイヤハーネスを保持させ、かつ、上記車体の貫通穴に上記一対の挿入係止部を近接させて挿入し、挿入後に上記羽根部の係止段部を上記貫通孔の周縁に係止させてワイヤハーネスを車体に係止できる構成としていることを特徴とするクランプ。 - 上記一対の挿入係止部の軸板部の対向面に着脱自在に結合するロック部を設け、上記開口より環状帯部にワイヤハーネスを挿入後に対向する上記軸板部を結合して上記開口を閉鎖している請求項1に記載のクランプ。
- 上記開口両縁より、互いに逆方向に延在させる支持板を設け、各支持板上に上記軸板部に連続する補助軸板部を突設させ、対向する軸板部の両側に夫々補助軸板部を設けて軸板部を幅広としている請求項1または請求項2に記載のクランプ。
- 上記軸板部の対向面に補助板部側に向けて薄肉となるように傾斜させた段状部を設け、対向する段状部の傾斜を逆方向とし、厚肉側の段状部先端に係止凸部を設ける一方、薄肉側先端で補助板部との段状連続部の隅部に係止凹部を設け、一方側の係止凸部を対向側の係止凹部に押し込んでロックする構成としている請求項3に記載のクランプ。
- 上記開口と対向する上記環状帯部の略中央部を内側に窪ませ、該窪みの両端が環状帯部の拡径時の支点となる構成としている請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のクランプ。
- 上記開口両縁より、上記環状帯部に囲まれる内部空間に開口を閉鎖する方向へ薄肉の返し片を突設し、上記開口を拡げて環状帯部内に挿入するワイヤハーネスは上記返し片を押し開いて環状帯部内の空間に収容され、ワイヤハーネス収容後に上記返し片は弾性復帰して開口側を閉鎖する構成としている請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のクランプ。
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-
2002
- 2002-06-19 JP JP2002179046A patent/JP2004019881A/ja not_active Withdrawn
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