JP2004018943A - 酸化物超電導導体の製造方法及びその装置 - Google Patents

酸化物超電導導体の製造方法及びその装置 Download PDF

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Abstract

【課題】均質な酸化物超電導導体薄膜を具備した、長尺物の酸化物超電導導体を得るための方法と装置を提供する。
【解決手段】2台のレーザー発振器を交互に使用して、連続してレーザー蒸着処理を行う。レーザー発振器の切り替えは、レーザービーム光路上に移動式反射ミラーを配置し、この移動式反射ミラーを瞬時に移動させて切り替えを行う。反射ミラーで反射させたレーザービームを使用するか、あるいは反射ミラーを使用せずに、レーザー発振器から取り出したレーザービームを直接使用するかを、一定の間隔をおいて交互に繰り返す。
【選択図】     図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、酸化物超電導線材等の長尺の酸化物超電導導体をレーザー蒸着法を用いて製造する方法の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、酸化物系の超電導体を製造する方法として、真空蒸着法、スパッタリング法、レーザー蒸着法、MBE法(分子線エピタキシー法)、CVD法(化学気相成長法)、IVD法( イオン気相成長法)などの成膜法が知られているが、これらの各種の成膜法において、均質で超電導特性の良好な酸化物超電導薄膜を製造できる方法として、真空成膜プロセスを用い、ターゲットから発生させた粒子を対向基板上に堆積させるレーザー蒸着法が主として用いられている。
図4は、従来の技術によるレーザー蒸着システムを示すブロックダイアグラムであって、1台のレーザー発振器31を使用して、このレーザ発振器31から発射されたレーザービームを集光レンズ35を通じてターゲット36に照射し、ターゲット36から飛び出すプルーム39をたとえばテープ状の基板37上に沈着させて、酸化物超電導導体を得るものである。
【0003】
図5に上記のレーザー蒸着装置を使用した代表的な酸化物超電導導体製造装置の一例を示した。このレーザー蒸着装置を使用した酸化物超電導導体製造装置は、内部を真空排気自在に構成された処理容器40を有し、この処理容器40の内部中央に基板支持台48が設置され、この基板支持台48の上面に帯状の基材37が設置されるとともに、基板支持台48の斜め上方にターゲット36が配置される一方、処理容器40の外部に設けられたレーザー発振器31を備えている。前記ターゲット36は酸化物超電導体、あるいは酸化物超電導体と近時組成の複合酸化物からなるものである。
【0004】
前記構成のレーザー蒸着装置によって基板38上に酸化物超電導薄膜を形成するには、レーザー発振装置31からレーザービームを射出し、処理容器40の側壁に設け透明窓(図示省略)を介してレーザービームをターゲット36に照射する。これによってターゲット36からターゲットの構成粒子が叩き出されるかえぐり出され、基板38上に粒子が順次堆積して薄膜が形成される。そしてこの薄膜を熱処理することで酸化物超電導薄膜を得ることができる。
【0005】
ここで、図5に示すレーザー蒸着装置を使用した酸化物超電導導体製造装置を用いて長尺の酸化物超電導導体を製造する場合、図5の2点鎖線に示すように、処理容器40の内部に、長尺の帯状の基材37の送出装置41と巻取装置42を設け、基材37をターゲット36の近傍で移動させつつ蒸着処理を行うことで、長尺の基材37上に酸化物超電導薄膜を有する酸化物超電導導体を得ることができる。
図5に示す構成のレーザー蒸着装置は、緻密な酸化物超電導薄膜を比較的短時間で成膜できるが、基板支持台48の上面に基板38を設置する場合、基板38の設置位置によって、即ち、ターゲット36から基板38までの距離の大小によって基板38上に形成される酸化物超電導薄膜の組成に変動を来すという問題があった。
【0006】
この問題を解決するため、長さ方向に均一な組成の酸化物超電導薄膜を有する酸化物超電導導体を製造できる方法として、図6に示す構成の酸化物超電導導体製造装置が提案されている。
図6は1台のレーザー発振器を用いたレーザー蒸着方式の酸化物超電導導体製造装置の一例を示すもので、図中40は処理容器を示し、この処理容器40の内部の蒸着処理室40aの底部側には長尺のテープ状の基材37が、その上方側にはターゲット36が各々設けられ、基材37とターゲット36の間にフィルター板43が設けられている。
この装置によれば、フィルター板43に形成した窓孔43aによって、ターゲット36から発生して放射状に広がりつつ飛来する粒子(プルーム)のうち、一区画の粒子のみを基材37上に堆積させることができるので、長さ方向に整った均一組成の酸化物超電導薄膜を有する、長尺の酸化物超電導導体を得ることができる。
【0007】
このようなレーザー蒸着装置では、一般にガスレーザー発振器が使用される。ガスレーザーとしては励起状態の原子又は分子と、基底状態の原子又は分子が結合した2量体を使用したエキシマーレーザーが利用できる。ガスレーザーは簡単な装置で高出力のレーザー発振が容易に得られる利点がある。たとえば、エキシマーレーザーはKrF、XeClあるいはArF等の希ガス2量体の混合気体中の放電やイオン照射によって生じる励起状態のエキシマーの誘導放出によって、パルス発振することを利用したものである。エキシマーレーザーでは、たとえば波長;190〜250nm、パルス幅;数ns、尖頭出力;数MW以上で高い繰り返し周波数で得られ、平均出力も大きい利点を有するので、産業用に広く利用されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、1台のエキシマーレーザー発振器を使用する従来の方式では、レーザー発振器の稼働時間に制限があるため、長時間のレーザー蒸着ができず、帯状あるいは線状の酸化物超電導導体の作成可能な長さにも限界があった。すなわち、レーザー発振器の稼働時間制限は、主にレーザーガスの劣化によるものである。エキシマーレーザーでは通常24時間の稼働でガスが劣化し、出力が低下してくる。稼働限界に近づいてくるとターゲットから打ち出される酸化物超電導物質の組成が微妙に変化し、均一な特性の酸化物超電導薄膜が得られなくなり、やがてレーザー蒸着を停止しなければならなくなる。ガスが劣化したレーザー発振器は、ガスを交換すれば回復して再度レーザー発振をさせることができる。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するため、2台のレーザー発振器を交互に使用することにより、長時間連続してレーザー蒸着することを可能にした。
すなわち、本発明の酸化物超電導導体の製造方法は、蒸着処理室内に設けた酸化物超電導体または複合酸化物の焼結体からなるターゲットにレーザービームを照射して、ターゲットから発生した粒子をターゲットの近傍を移動中の基材上に順次堆積させ、酸化物超電導導体を製造する方法において、2台のレーザー発振器を使用してレーザービームの光路上に移動式反射ミラーを配置し、一定時間間隔毎に反射ミラーを移動させて2台のレーザー発振器からのレーザービームを交互にターゲット面に照射して、該ターゲットから発生した粒子を前記移動中の基材上に酸化物被膜を堆積させ、熱処理して長尺の酸化物超電導導体を製造する方法を採用した。
この方法によれば、2台のレーザー発振器を交互に使用し、1台のレーザー発振器が稼働している間に他方のレーザー発振器を整備するので、レーザー蒸着を切れ目無く連続して行わせることができ、長尺の酸化物超電導導体を製造することが可能となる。
【0010】
本発明の酸化物超電導導体を製造方法では、レーザー発振器としてエキシマーレーザー発振器を使用することができる。
エキシマーレーザー発振器を使用すれば、簡便な手段で高出力のレーザービームを安定して得られるからである。
【0011】
また、本発明の酸化物超電導導体の製造装置は、酸化物超電導体または複合酸化物の焼結体からなるターゲットと長尺の基材を配置した透明窓を有する蒸着処理室を具備し、該透明窓を通してレーザービームを前記ターゲットに照射し、長尺の基材上に酸化物超電導体を蒸着させる酸化物超電導導体の製造装置であって、2台のレーザー発振器を使用して、一方のレーザー発振器のレーザービームは直接ターゲットに照射するように配置するとともに、該一方のレーザー発振器のレーザービーム光路上に移動式反射ミラーを配置し、他方のレーザー発振器のレーザービームを前記移動式反射ミラーで反射させて、前記一方のレーザー発振器のレーザービームに代えて前記ターゲットに照射可能となるように、2台のレーザー発振器配置と移動式反射ミラーとを配置した構造とした。
2台のレーザー発振器を交互に使用すれば、1台のレーザー発振器が稼働している間に他方のレーザー発振器を整備できるので、レーザー発振時間に制限が無くなり、連続したレーザー蒸着が可能となる。
【0012】
本発明の酸化物超電導導体の製造装置では、前記移動式反射ミラーがエアーシリンダーにより一方のレーザービーム光路上から移動可能とした装置を利用することができる。
エアーシリンダーによれば、瞬時にレーザービーム光路を切り替えることができるからである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明を具体的に説明する。
図1は、本発明で使用するレーザー蒸着システムを説明するブロックダイヤグラムである。本発明で使用するレーザー蒸着システムは、2台のレーザー発振器1A,1Bを使用し、一方のレーザー発振器1Aのレーザービーム光路8a上に移動式反射ミラー2を配置し、一方のレーザー発振器1Aからのレーザービームをターゲット6に照射する場合には、移動式反射ミラー2をレーザービーム光路8a上から外して直接照射し、他方のレーザー発振器1Bのレーザービームをターゲット6に照射する場合にはレーザービーム光路8a上の移動式反射ミラー2を使用して、他方のレーザー発振器1Bからのレーザービーム8bをターゲット6に照射する。勿論、2台のレーザー発振器1A及び1Bからのレーザービームの光路8a及び8bは、共にターゲット6上で焦点を結ぶように反射角度や光路等を調整しておくことは当然である。
このようなレーザー蒸着システムを採用することにより、長時間連続したレーザー蒸着が可能となり、長尺物の酸化物超電導導体の製造ができるようになる。
【0014】
図2は、本発明で使用する移動式反射ミラーの構造の一例を示す外観図である。
図に示すように、本発明で使用する移動式反射ミラー2は台座21に取り付けられたエアシリンダー22に連結したロッド23の先端に、アーム24を介して反射ミラー25が取り付けてある。また、ロッド23には反射ミラー25の可動範囲を規制するストッパー26が取り付けてある。このような構成の移動式反射ミラー2においては、エアーシリンダー22の作動に伴って反射ミラー25が紙面上で上下に瞬時に移動する。
たとえば、反射ミラー25が紙面の下方に降下している時は、図1のシステムにおいてレーザー発振器1Aからのレーザービーム8aをターゲット6に照射し、反射ミラー25が紙面の上方に上昇している時は、図1のシステムにおいてレーザー発振器1Bからのレーザービーム8bをターゲット6に照射する。
【0015】
なお、図1のシステムにおいてレーザー発振器1Aからのレーザービーム8aをターゲット6に照射する場合には、レーザー発振器1Bからのレーザービーム8bの光路に遮蔽板(図示省略)を挿入して、レーザービームの漏洩を防止するのが好ましい。また、レーザー発振器1Aからのレーザービーム8aから反射ミラー25を保護するために、反射ミラー25の背面には、レーザービームの吸収体となるムライトやスピネル等のセラミックスの溶射皮膜を形成しておくのが好ましい。
【0016】
次に、本発明の酸化物超電導導体の製造装置の一例を、図3に構成図として示す。
図3は2台のレーザー発振器1A,1Bを用いたレーザー蒸着方式の酸化物超電導導体製造装置の一例を示すもので、図中20は処理容器を示し、この処理容器20の内部の蒸着処理室20aの底部側には長尺のテープ状の基材7が、その上方側にはターゲット6が各々設けられている。
処理容器20は排気孔20bを介して図示略の真空排気装置に接続されて内部を真空排気できるようになっている。
蒸着処理室20aの底部側には、送出装置14と巻取装置15がそれぞれ離間して設けられ、送出装置14からテープ状の基材7を繰り出し、巻取装置15で巻き取ることができるとともに、基材7をターゲット6の下方で水平移動できるようになっている。なお、送出装置14と巻取装置15の間には基材7を加熱するための加熱装置16が設けられている。そして、前記基材7の上方側には、傾斜状態で配置され基板ホルダー17によって下面を基材7側に向けた傾斜状態で円板状のターゲット6が支持されている。
【0017】
また、ターゲット6と基材7との間には、フィルター板13が水平に設けられている。このフィルター板13はその一端を送出装置14の上方にまた他端を巻取装置15の上方に位置させて設けられ、フィルター板13の幅(テープ状の基材7の幅方向に沿うフィルター板13の幅)は、ターゲット6側から基材7を隠すことができるように基材7の幅よりも大きく形成されている。従ってこのフィルター板13により、送出装置14から出されて巻取装置15に巻き取られる間の長尺の基材7をターゲット6から覆い隠すことができるように構成されている。そして、フィルター板13の中央部には、基材7の幅と同程度あるいは若干広い横幅の窓孔13aが形成されている。なお、この窓孔13aの形成位置は、レーザービームの焦点を基点とし、ターゲット面に対して直角方向の延長線上に形成することが好ましい。
【0018】
前記ターゲットは、形成しようとする酸化物超電導薄膜と同等または近似した組成、あるいは、成膜中に逃避しやすい成分を多く含有させた複合酸化物の焼結体、または、酸化物超電導体のバルクなどから形成されている。現在知られている臨界温度の高い酸化物超電導体として具体的には、Y−Ba−Cu−O系、Bi−Sr−Ca−Cu−O系、Ti−Ba−Ca−Cu−O系などがあるので、ターゲット12としてこれらの系のものなどを用いることができる。なお、酸化物超電導体を構成する元素の中で蒸気圧が高く、蒸着の際に飛散しやすい元素もあるので、このような元素を含むターゲットを使用する場合は、蒸気圧の高い元素を目的とする所定の割合よりも多く含むターゲットを用いれば良い。
【0019】
一方、処理容器20の側方には、レーザー発振装置1A,1Bと移動式反射ミラー2と、反射鏡3a,3b,3c、並びに集光レンズ5とが図のように反射角度や光路を調節して設けられ、レーザー発光装置1A,1Bから照射されたレーザービームを処理容器20の側壁に取り付けられた透明窓22を介してターゲット6に集光照射できるようになっている。
【0020】
次に図3に示す装置を用いて本発明方法を実施する場合について説明する。
基材17とターゲット6を蒸着処理室20a内に図3に示すようにセットしたならば、蒸着処理室20aを真空排気する。ここで必要に応じて蒸着処理室20aに酸素ガスを導入して蒸着処理室20aを酸素雰囲気としても良い。また、加熱ヒーター16を作動させて基材17を500〜800℃に加熱する。
次に、移動式反射ミラー2を光路から外し、レーザー発振装置1Aのみを稼働させて発射させたレーザービームを第1反射鏡3aと集光レンズ5と第2反射鏡3b及び透明窓18を通過する経路で蒸着処理室20a内に導き、ターゲット6の表面に集光照射する。この際に、集光レンズ5の位置調節を行ってターゲット6の表面にレーザービームの焦点を合わせる。また、送出装置14から基材7を所定速度で順次繰り出して巻取装置15に巻き取る。
【0021】
レーザービームが照射されたターゲット6は表面部分がえぐり取られるか蒸発されて構成粒子が叩き出され、その粒子の大部分は、フィルター板13の上面に堆積するが、フィルター板13のうち、窓孔13aを通過した粒子はフィルター板13を通過して基材7の上面に堆積する。そして、粒子が堆積された基材7は加熱されているので、堆積層は堆積と同時に熱処理される。
以上の操作によって基材7の上面に順次蒸発粒子を堆積させ、テープ状の基材7上に酸化物超電導薄膜を形成することで酸化物超電導導体を得ることができる。
【0022】
レーザー蒸着を続けるとレーザー発振装置1Aのレーザーガスが劣化してきて、プラズマ状態や出力が不安定になり、均質で高品質の酸化物薄膜が得られなくなるので、レーザー発振装置1Aから他方のレーザー発振装置1Bに切り替える。レーザー発振装置の切り替え手順は以下の通りである。
先ず、レーザー発振装置1Bを起動し、プラズマ状体を安定させて定常状体のレーザービームを作り出す。この間はレーザー発振装置1Bに図示省略の遮蔽板を挿入して、レーザービームを遮断しておく。
【0023】
レーザー発振装置1Bで安定したレーザービームが得られたならば、前記遮蔽板を解放するとともに、移動式ミラー2のエアシリンダーを作動させて、瞬時にしてレーザービーム光路に移動式ミラー2を挿入して、レーザー発振装置1Bからのレーザービームをターゲット6に照射する。レーザー発振装置の切り替えが終了したならば、速やかにレーザー発振装置1Aの可動を停止する。レーザー発振装置1Aは、冷却後レーザーガスの交換等必要な整備を施し、次回の稼動に備える。
【0024】
以上のようにして形成された酸化物超電導薄薄膜は、ターゲット6から発生させた粒子の内、限られた区画のもののみをフィルター板13の窓孔13aで選択して基材7上に堆積させて形成されるので、基材7上には組成の整った均一の酸化物超電導薄膜が生成する。ここで、2台のレーザー発振装置を交互に使用するので、連続してレーザー蒸着処理ができる。
なお、前記のように製造された酸化物超電導薄膜の結晶性をより向上させて均質化するために、成膜後の基材に熱処理を施す。実際には、成膜時の加熱温度(600〜750℃)以下でアニーリングすればよい。
以上の操作によって長尺の基材上に連続的に酸化物超電導薄膜を形成することができる、長さ方向に超電導特性のばらつきのない良質な酸化物超電導導体を製造することができる。
【0025】
【実施例】
以下実施例を用いて説明する。
図3に示す装置において、ターゲット蒸発用のレーザーとして波長193nm、平均出力2.5W、繰り返し周波数5Hz、パルス幅10nsecのArFエキシマレーザーを用いた。このようなレーザー発振器を2台使用した。
また、基材として、ハステロイ製の幅10mm、厚さ0.5mmのテープ状の基材を用いるとともに、ターゲットとしてYBaCuO系焼結体からなる円板状のターゲットを用いた。また、フィルター板に形成した窓孔の横幅は1cm、縦幅は1cmとし、フィルター板は基材の5mm上方に位置するように設置した。更に蒸着処理室の内部を10−6Torrに排気し、基材を600〜700℃に加熱してレーザー蒸着を行った。蒸着は20時間毎に2台のレーザー発振器を交互に切り替えて蒸着を続けた。レーザー発振器の切り替えに当たっては、新しいレーザー発振器の作動が安定した後、瞬時に移動式反射ミラーを上下に動かしてレーザービームの切り替えを行った。この結果100時間の連続処理で100mの帯状の酸化物超電導導体が得られた。
【0026】
得られた酸化物超電導導体について、液体窒素で冷却し、臨界温度と臨界電流密度を複数の部分で測定した。その結果、複数の測定箇所において、いずれも臨界温度90K、臨界電流密度1MA/cm (77K)なる値が得られた。
【0027】
【発明の効果】
本発明によれば、レーザー ガスが連続して供給されるので蒸着処理室を中断する必要が無く、長尺であるにも係わらず均質で高特性を有する、帯状の酸化物超電導導体が得られる。本発明で得られる帯状の酸化物超電導導体は、各種産業機器の製造に当たって極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用するレーザー蒸着システムを説明するブロックダイヤグラムである。
【図2】移動式反射ミラーの構造を示す外観図である。
【図3】本発明の酸化物超電導導体製造装置の一例を示す構成図である。
【図4】従来のレーザー蒸着システムを説明するブロックダイヤグラム
【図5】従来の酸化物超電導導体製造装置の一例を示す構成図である。
【図6】従来の酸化物超電導導体製造装置の他の例を示す構成図である。
【符号の説明】
1A,1B・・・・・レーザー発振器、2・・・・・移動式反射ミラー、3・・・・・反射ミラー、5・・・・・集光レンズ、6・・・・・ターゲット、7・・・・・基材、10・・・・・超電導導体製造装置、13・・・・・フィルター板、16・・・・・加熱装置、17・・・・・基板ホルダー、20・・・・・処理容器、22・・・・・エアシリンダー、25・・・・・反射ミラー、31・・・・・レーザー発振器、33・・・・・反射ミラー、36・・・・・ターゲット、37・・・・・基材、40・・・・・処理容器、43・・・・・フィルター板

Claims (4)

  1. 蒸着処理室内に設けた酸化物超電導体または複合酸化物の焼結体からなるターゲットにレーザービームを照射して、ターゲットから発生した粒子をターゲットの近傍を移動中の基材上に順次堆積させ、酸化物超電導導体を製造する方法において、2台のレーザー発振器を使用してレーザービームの光路上に移動式反射ミラーを配置し、一定時間間隔毎に反射ミラーを移動させて2台のレーザー発振器からのレーザービームを交互にターゲット表面に照射して、該ターゲットから発生した粒子を前記移動中の基材上に堆積させ、熱処理して長尺の酸化物超電導導体とすることを特徴とする酸化物超電導導体の製造方法。
  2. 前記レーザー発振器がエキシマーレーザー発振器であることを特徴とする請求項1に記載の酸化物超電導導体の製造方法。
  3. 酸化物超電導体または複合酸化物の焼結体からなるターゲットと長尺の基材を配置した透明窓を有する蒸着処理室を具備し、該透明窓を通してレーザービームを前記ターゲットに照射し、長尺の基材上に酸化物超電導体を蒸着させる酸化物超電導導体の製造装置であって、2台のレーザー発振器を使用して、一方のレーザー発振器のレーザービームは直接ターゲットに照射するように配置するとともに、該一方のレーザー発振器のレーザービーム光路上に移動式反射ミラーを配置し、他方のレーザー発振器のレーザービームを前記移動式反射ミラーで反射させて、前記一方のレーザー発振器のレーザービームに代えて前記ターゲットに照射可能となるように、2台のレーザー発振器配置と移動式反射ミラーとを配置してなることを特徴とする酸化物超電導導体の製造装置。
  4. 前記移動式反射ミラーがエアーシリンダーにより一方のレーザービーム光路上から移動可能としたことを特徴とする請求項3に記載の酸化物超電導導体の製造装置。
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