JP2004018499A - アミド誘導体を含有する医薬組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、優れた低比重リポ蛋白(以下、LDLと略す。)酸化抑制作用及びアシルコエンザイム・コレステロール・アシルトランスフェラーゼ(以下、ACATと略す。)阻害作用を有し、高脂血症又は動脈硬化性疾患の治療剤又は予防剤として有用なアミド誘導体、その薬理上許容される塩、そのエステル又はその他の誘導体及びそれらを有効成分として含有する医薬組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
狭心症、心筋梗塞などの虚血性心疾患の成因の中で、最も重要な位置を占めるものが粥状動脈硬化症である。その粥状動脈硬化症の主な原因として、血管内皮細胞下の泡沫細胞がコレステロールエステルを蓄積することが挙げられている。ACAT阻害剤は、この泡沫細胞でのコレステロールエステルの合成を阻害し、コレステロールエステルの蓄積を減少させ、コレステロールエステルの蓄積による粥状病変の形成及び発展を抑制する。一方、粥状動脈化硬化症は高コレステロール血症と相関していることが確立されている。食物中のコレステロールは遊離コレステロールとして、腸管粘膜細胞に吸収され、ACATによってエステル化されて、血液中に移行する。従って、ACAT阻害剤は、食物中のコレステロールの血中への移行を阻害することによって血中コレステロールの上昇を抑制する。このような理由から、ACAT阻害作用を有する化合物は、高脂血症又は動脈硬化性疾患の治療剤及び/又は予防剤として有用である。
【0003】
ACAT阻害作用を有する化合物としては、例えば、特開平11−158133号に記載された下記一般式(A)
【0004】
【化2】
【0005】
[式中、R1aは、ヒドロキシ基を示し、R1b及びR1cは、同一又は異なって、水素原子又はC1−C4アルキル基を示し、R2は、C4−C6アルキル基を示し、R3は、カルボキシ基、カルバモイル基、モノ(C1−C6アルキル)カルバモイル基又はジ(C1−C6アルキル)カルバモイル基等を示し、Aは、単結合又はC1−C4アルキレン基を示す。]を有する化合物が挙げられる。
【0006】
上記化合物(A)は、R2を有する基が炭素原子に置換しているが、本発明の化合物(I)におけるR2を有する基は、窒素原子に置換している点で上記化合物(A)と相違する。
【0007】
更に、上記化合物(A)のR2基はアルキル基であるが、本発明の化合物(I)は、低級アルカノイル基である点でも上記化合物(A)と相違する。
【0008】
また、上記化合物(A)のフェニル基の置換基であるR1aは水酸基のみ示すが、本発明の化合物(I)は、フェニル基の置換基としてR1は水酸基に加え、低級アルコキシ基でもあり得る点で相違する。
【0009】
更に、上記化合物(A)は、フェニル基の置換基であるR1b及びR1cが、水素原子又はC1−C4アルキル基を示すが、本発明の化合物(I)は、フェニル基の必須の置換基として、3位及び5位にメチル基を有する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者等は、LDL酸化抑制作用及びACAT阻害作用を有する化合物の開発を目指し、種々のアミド誘導体の合成とその薬理活性について、永年に亘り鋭意研究をおこなった結果、特異な構造を有するアミド誘導体が、優れたLDL酸化抑制作用及びACAT阻害作用を併せ持ち、且つ優れた経口吸収性を示し、更に副作用(特に、副腎毒性)が低く、安全域(薬効と毒性発現の濃度差)が広いため、高脂血症又は動脈硬化性疾患の治療剤又は予防剤(特に、治療剤)として有用であることを見いだし、本発明を完成した。
【0011】
本出願は、優れたLDL酸化抑制作用及びACAT阻害作用を有するアミド誘導体、その薬理上許容される塩、そのエステル又はその他の誘導体、及び、高脂血症又は動脈硬化性疾患の予防剤又は治療剤として有用な前記アミド誘導体、その薬理上許容される塩、そのエステル又はその他の誘導体それらを有効成分として含有する医薬組成物を提供する。
【0012】
【課題を解決するための手段】
(1) 本発明の医薬組成物の有効成分であるアミド誘導体、その薬理上許容される塩、そのエステル又はその他の誘導体は、下記一般式(I)を有する。
【0013】
【化3】
【0014】
式中、
R1は、ヒドロキシ基又は低級アルコキシ基を示し、
R2は、低級アルカノイル基を示し、
R3は、カルボキシ基、カルバモイル基、モノ(低級アルキル)カルバモイル基又はジ(低級アルキル)カルバモイル基を示し、
Aは、単結合又はC1−C6アルキレン基を示す。
【0015】
上記において、好適には、
(2) (1)において、
R1が、C1−C2アルコキシ基又はヒドロキシ基であるアミド誘導体又はその薬理上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物、
(3) (1)において、
R1が、メトキシ基であるアミド誘導体又はその薬理上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物、
(4) (1)において、
R1が、ヒドロキシ基であるアミド誘導体又はその薬理上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物、
(5) (1)乃至(4)より選択されるいずれか一項において、
R2が、C2−C6アルカノイル基であるアミド誘導体又はその薬理上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物、
(6) (1)乃至(4)より選択されるいずれか一項において、
R2が、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ペンタノイル基又はヘキサノイル基であるアミド誘導体又はその薬理上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物、
(7) (1)乃至(4)より選択されるいずれか一項において、
R2が、プロピオニル基、ブチリル基又はペンタノイル基であるアミド誘導体又はその薬理上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物、
(8) (1)乃至(4)より選択されるいずれか一項において、
R2が、ブチリル基であるアミド誘導体又はその薬理上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物、
(9) (1)乃至(8)より選択されるいずれか一項において、
R3が、カルバモイル基、モノ(低級アルキル)カルバモイル基又はジ(低級アルキル)カルバモイル基であるアミド誘導体又はその薬理上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物、
(10) (1)乃至(8)より選択されるいずれか一項において、
R3が、カルバモイル基、モノ(C1−C2アルキル)カルバモイル基又はジ(C1−C2アルキル)カルバモイル基であるアミド誘導体又はその薬理上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物、
(11) (1)乃至(8)より選択されるいずれか一項において、
R3が、カルバモイル基又はモノ(C1−C2アルキル)カルバモイル基であるアミド誘導体又はその薬理上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物、
(12) (1)乃至(8)より選択されるいずれか一項において、
R3が、カルバモイル基又はモノメチルカルバモイル基であるアミド誘導体又はその薬理上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物、
(13) (1)乃至(12)より選択されるいずれか一項において、
Aが、単結合、メチレン基、エチレン基又はトリメチレン基であるアミド誘導体又はその薬理上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物、
(14) (1)乃至(12)より選択されるいずれか一項において、
Aが、単結合又はメチレン基であるアミド誘導体又はその薬理上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物、
(15) (1)乃至(12)より選択されるいずれか一項において、
Aが、単結合であるアミド誘導体又はその薬理上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物並びに、
(16) (1)において、
{N−[(2−t−ブチル−5−ジメチルカルバモイルメチルフェニルカルバモイル)メチル]−N−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)}プロピオン酸アミド,
4−t−ブチル−3−{2−[ブチリル−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)アミノ]アセチルアミノ}ベンズアミド,
3−{2−[ブチリル−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)アミノ]アセチルアミノ}−4−t−ブチル−N−メチルベンズアミド,
4−t−ブチル−3−{2−[ブチリル−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)アミノ]アセチルアミノ}フェニル酢酸,
4−t−ブチル−3−{2−[(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)−プロピオニルアミノ]アセチルアミノ}フェニル酢酸,
{N−[(2−t−ブチル−5−ジメチルカルバモイルメチルフェニル)カルバモイルメチル]−N−(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)}プロピオン酸アミド,
4−t−ブチル−3−{2−[ブチリル−(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)アミノ]アセチルアミノ}安息香酸,
4−t−ブチル−3−{2−[ブチリル−(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)アミノ]アセチルアミノ}ベンズアミド,
3−{2−[ブチリル−(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)アミノ]アセチルアミノ}−4−t−ブチル−N−メチルベンズアミド,
4−t−ブチル−3−{2−[ブチリル−(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)アミノ]アセチルアミノ}フェニル酢酸及び
4−t−ブチル−3−{2−[(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)−ペンタノイルアミノ]アセチルアミノ}安息香酸
からなる群から選択されるいずれか1つの化合物又はその薬理上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物
を挙げることができる。
【0016】
更に、(2)乃至(4)、(5)乃至(8)、(9)乃至(12)、並びに、(13)乃至(15)から成る群から選択されるいずれか一項を任意に組み合わせた化合物を有効成分として含有する医薬組成物も好適である。そのような化合物としては、例えば、
(2)、(5)、(9)及び(13)から成る群で組み合わせた化合物、
(2)、(6)、(10)及び(14)から成る群で組み合わせた化合物、
(2)、(7)、(11)及び(14)から成る群で組み合わせた化合物、
(3)、(8)、(12)及び(15)から成る群で組み合わせた化合物並びに(4)、(8)、(12)及び(15)から成る群で組み合わせた化合物
を挙げることができる。
【0017】
上記式中、R1の定義における「低級アルコキシ基」は、低級アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、イソペンチル、2−メチルブチル、ネオペンチル、1−エチルプロピル、ヘキシル、イソヘキシル、4−メチルペンチル、3−メチルペンチル、2−メチルペンチル、1−メチルペンチル、3,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル又は2−エチルブチル基のような炭素数1乃至6個の直鎖又は分枝鎖アルキル基)が酸素原子に結合した基を示し、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、ペントキシ、イソペントキシ、2−メチルブトキシ、ネオペントキシ、ヘキシルオキシ、4−メチルペントキシ、3−メチルペントキシ、2−メチルペントキシ、3,3−ジメチルブトキシ、2,2−ジメチルブトキシ、1,1−ジメチルブトキシ、1,2−ジメチルブトキシ、1,3−ジメチルブトキシ又は2,3−ジメチルブトキシ基のような炭素数1乃至6個の直鎖又は分枝鎖アルコキシ基であり、好適には、C1−C4アルコキシ基であり、更に好適には、C1−C2アルコキシ基であり、最も好適には、メトキシ基である。
【0018】
上記式中、R2の定義における「低級アルカノイル基」は、水素原子又は前記低級アルキル基がカルボキシ基に結合した基を示し、例えば、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、s−ブチリル、t−ブチリル、ペンタノイル、イソペンタノイル、2−メチルブチリル、ネオペンタノイル、1−エチルプロピオニル、ヘキサノイル、4−メチルペンタノイル、3−メチルペンタノル、2−メチルペンタノイル、1−メチルペンタノイル、3,3−ジメチルブチリル、2,2−ジメチルブチリル、1,1−ジメチルブチリル、1,2−ジメチルブチリル、1,3−ジメチルブチリル、2,3−ジメチルブチリル、2−エチルブチリル、ペンタノイル又はヘキサノイル基のような炭素数1乃至7個の低級アルカノイル基であり、好適には、C2−C6アルカノイル基であり、より好適には、アセチル、プロピオニル、ブチリル、ペンタノイル又はヘキサノイル基であり、更に好適には、プロピオニル、ブチリル又はペンタノイル基であり、最も好適には、ブチリル基である。
【0019】
上記式中、R3の定義における「モノ(低級アルキル)カルバモイル基」は、前記「低級アルキル基」が1個カルバモイル基に結合した基を示し、例えば、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、プロピルカルバモイル、イソプロピルカルバモイル、ブチルカルバモイル、イソブチルカルバモイル、s−ブチルカルバモイル、t−ブチルカルバモイル、ペンチルカルバモイル、イソペンチルカルバモイル、2−メチルブチルカルバモイル、ネオペンチルカルバモイル、1−エチルプロピルカルバモイル又はヘキシルカルバモイル基のようなモノ(C1−C6アルキル)カルバモイル基であり、好適には、モノ(C1−C4アルキル)カルバモイル基であり、更に好適には、モノ(C1−C2アルキル)カルバモイル基であり、最も好適には、メチルカルバモイル基である。
【0020】
上記式中、R3の定義における「ジ(低級アルキル)カルバモイル基」は、前記「低級アルキル基」が2個カルバモイル基に結合した基を示し、例えば、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジエチルカルバモイル、N−エチル−N−メチルカルバモイル、N,N−ジプロピルカルバモイル、N,N−ジブチルカルバモイル、N,N−ジペンチルカルバモイル又はN,N−ジヘキシルカルバモイル基のようなジ(C1−C6アルキル)カルバモイル基であり、好適には、ジ(C1−C4アルキル)カルバモイル基であり、更に好適には、ジ(C1−C2アルキル)カルバモイル基であり、最も好適には、N,N−ジメチルカルバモイル基である。
【0021】
上記式中、Aの定義における「C1−C6アルキレン基」は、例えば、メチレン、メチルメチレン、エチルメチレン、エチレン、プロピレン、トリメチレン、1−メチルエチレン、ジメチルメチレン、テトラメチレン、1−メチルトリメチレン、2−メチルトリメチレン、3−メチルトリメチレン、1−メチルプロピレン、1,1−ジメチルエチレン、ペンタメチレン、1−メチルテトラメチレン、2−メチルテトラメチレン、3−メチルテトラメチレン、4−メチルテトラメチレン、1,1−ジメチルトリメチレン、2,2−ジメチルトリメチレン、3,3−ジメチルトリメチレン、ヘキサメチレン、1−メチルペンタメチレン、2−メチルペンタメチレン、3−メチルペンタメチレン、4−メチルペンタメチレン、5−メチルペンタメチレン、1,1−ジメチルテトラメチレン、2,2−ジメチルテトラメチレン、3,3−ジメチルテトラメチレン又は4,4−ジメチルテトラメチレン基のような炭素数1乃至6個の直鎖又は分枝鎖アルキレン基であり、好適には、C1−C4アルキレン基であり、更に好適には、メチレン、エチレン又はトリメチレン基であり、最も好適には、メチレン基である。
【0022】
「その薬理上許容される塩」とは、本発明の化合物(I)は、カルボキシ基のような酸性基を有する場合には塩基と反応させることにより、塩にすることができるので、その塩を示す。
【0023】
酸性基に基づく塩としては、好適には、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩のようなアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩のようなアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、鉄塩等の金属塩;アンモニウム塩のような無機塩、t−オクチルアミン塩、ジベンジルアミン塩、モルホリン塩、グルコサミン塩、フェニルグリシンアルキルエステル塩、エチレンジアミン塩、N−メチルグルカミン塩、グアニジン塩、ジエチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン塩、クロロプロカイン塩、プロカイン塩、ジエタノールアミン塩、N−ベンジルフェネチルアミン塩、ピペラジン塩、テトラメチルアンモニウム塩、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩のような有機塩等のアミン塩;及び、グリシン塩、リジン塩、アルギニン塩、オルニチン塩、グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩のようなアミノ酸塩であり、最も好適には、アルカリ金属塩である。
【0024】
本発明の化合物(I)、その薬理上許容される塩、そのエステル又はその他の誘導体は、大気中に放置したり、又は、再結晶をすることにより、水分を吸収し、吸着水が付いたり、水和物となる場合があり、そのような水和物も本発明の塩に包含される。
【0025】
上記における「エステル」とは、本発明の化合物(I)は、エステルにすることができるので、そのエステルをいい、そのようなエステルとしては、「ヒドロキシ基のエステル」及び「カルボキシ基のエステル」を挙げることができ、各々のエステル残基が「一般的保護基」又は「生体内で加水分解のような生物学的方法により開裂し得る保護基」であるエステルをいう。
【0026】
「一般的保護基」とは、加水素分解、加水分解、電気分解、光分解のような化学的方法により開裂し得る保護基をいう。
【0027】
「ヒドロキシ基のエステル」に斯かる「一般的保護基」としては、好適には、前記「低級アルキル基」;ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、ペンタノイル、ピバロイル、バレリル、イソバレリル、オクタノイル、ノナノイル、デカノイル、3−メチルノナノイル、8−メチルノナノイル、3−エチルオクタノイル、3,7−ジメチルオクタノイル、ウンデカノイル、ドデカノイル、トリデカノイル、テトラデカノイル、ペンタデカノイル、ヘキサデカノイル、1−メチルペンタデカノイル、14−メチルペンタデカノイル、13,13−ジメチルテトラデカノイル、ヘプタデカノイル、15−メチルヘキサデカノイル、オクタデカノイル、1−メチルヘプタデカノイル、ノナデカノイル、アイコサノイル、ヘナイコサノイルのようなアルカノイル基、クロロアセチル、ジクロロアセチル、トリクロロアセチル、トリフルオロアセチルのようなハロゲン化アルキルカルボニル基、メトキシアセチルのようなアルコキシアルキルカルボニル基、アクリロイル、プロピオロイル、メタクリロイル、クロトノイル、イソクロトノイル、(E)−2−メチル−2−ブテノイルのような不飽和アルキルカルボニル基等の「低級脂肪族アシル基」(好適には、炭素数1乃至6個の低級脂肪族アシル基である。);ベンゾイル、α−ナフトイル、β−ナフトイルのようなアリ−ルカルボニル基、2−ブロモベンゾイル、4−クロロベンゾイルのようなハロゲン化アリ−ルカルボニル基、2,4,6−トリメチルベンゾイル、4−トルオイルのような低級アルキル化アリ−ルカルボニル基、4−アニソイルのような低級アルコキシ化アリ−ルカルボニル基、4−ニトロベンゾイル、2−ニトロベンゾイルのようなニトロ化アリ−ルカルボニル基、2−(メトキシカルボニル)ベンゾイルのような低級アルコキシカルボニル化アリ−ルカルボニル基、4−フェニルベンゾイルのようなアリ−ル化アリ−ルカルボニル基等の「芳香族アシル基」;メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、s−ブトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニルのような低級アルコキシカルボニル基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、2−トリメチルシリルエトキシカルボニルのようなハロゲン又はトリ低級アルキルシリル基で置換された低級アルコキシカルボニル基等の「アルコキシカルボニル基」;テトラヒドロピラン−2−イル、3−ブロモテトラヒドロピラン−2−イル、4−メトキシテトラヒドロピラン−4−イル、テトラヒドロチオピラン−2−イル、4−メトキシテトラヒドロチオピラン−4−イルのような「テトラヒドロピラニル又はテトラヒドロチオピラニル基」;テトラヒドロフラン−2−イル、テトラヒドロチオフラン−2−イルのような「テトラヒドロフラニル又はテトラヒドロチオフラニル基」;トリメチルシリル、トリエチルシリル、イソプロピルジメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、メチルジイソプロピルシリル、メチルジ−t−ブチルシリル、トリイソプロピルシリルのようなトリ低級アルキルシリル基、ジフェニルメチルシリル、ジフェニルブチルシリル、ジフェニルイソプロピルシリル、フェニルジイソプロピルシリルのような1乃至2個のアリ−ル基で置換されたトリ低級アルキルシリル基等の「シリル基」;メトキシメチル、1,1−ジメチル−1−メトキシメチル、エトキシメチル、プロポキシメチル、イソプロポキシメチル、ブトキシメチル、t−ブトキシメチルのような低級アルコキシメチル基、2−メトキシエトキシメチルのような低級アルコキシ化低級アルコキシメチル基、2,2,2−トリクロロエトキシメチル、ビス(2−クロロエトキシ)メチルのようなハロゲノ低級アルコキシメチル等の「アルコキシメチル基」;1−エトキシエチル、1−(イソプロポキシ)エチルのような低級アルコキシ化エチル基、2,2,2−トリクロロエチルのようなハロゲン化エチル基等の「置換エチル基」;ベンジル、α−ナフチルメチル、β−ナフチルメチル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、α−ナフチルジフェニルメチル、9−アンスリルメチルのような1乃至3個のアリ−ル基で置換された低級アルキル基、4−メチルベンジル、2,4,6−トリメチルベンジル、3,4,5−トリメチルベンジル、4−メトキシベンジル、4−メトキシフェニルジフェニルメチル、2−ニトロベンジル、4−ニトロベンジル、4−クロロベンジル、4−ブロモベンジル、4−シアノベンジルのような低級アルキル、低級アルコキシ、ニトロ、ハロゲン、シアノ基でアリ−ル環が置換された1乃至3個のアリ−ル基で置換された低級アルキル基等の「アラルキル基」;ビニルオキシカルボニル、アリルオキシカルボニルのような「アルケニルオキシカルボニル基」;或いはベンジルオキシカルボニル、4−メトキシベンジルオキシカルボニル、3,4−ジメトキシベンジルオキシカルボニル、2−ニトロベンジルオキシカルボニル、4−ニトロベンジルオキシカルボニルのような、1乃至2個の低級アルコキシ又はニトロ基でアリ−ル環が置換されていてもよい「アラルキルオキシカルボニル基」であり、好適には、低級アルキル基、低級脂肪族アシル基、芳香族アシル基、アラルキル基、アルコキシメチル基又はトリ低級アルキルシリル基であり、より好適には、メチル、ベンジル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、ベンゾイル、ベンジル、メトキシメチル、ナフチル、4−メトキシベンジル、トリメチルシリル又はt−ブチルジメチルシリル基であり、最も好適には、メチル、アセチル、プロピオニル、ブチリル又はベンジル基である。
【0028】
「カルボキシ基のエステル」に斯かる「一般的保護基」としては、好適には、前記「低級アルキル基」;エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−メチル−2−プロペニル、1−メチル−1−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、2−メチル−2−プロペニル、2−エチル−2−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、1−メチル−2−ブテニル、1−メチル−1−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル、1−エチル−2−ブテニル、3−ブテニル、1−メチル−3−ブテニル、2−メチル−3−ブテニル、1−エチル−3−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、1−メチル−2−ペンテニル、2−メチル−2−ペンテニル、3−ペンテニル、1−メチル−3−ペンテニル、2−メチル−3−ペンテニル、4−ペンテニル、1−メチル−4−ペンテニル、2−メチル−4−ペンテニル1−ヘキセニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニル、5−ヘキセニルのような「低級アルケニル基」;エチニル、2−プロピニル、1−メチル−2−プロピニル、2−メチル−2−プロピニル、2−エチル−2−プロピニル、2−ブチニル、1−メチル−2−ブチニル、2−メチル−2−ブチニル、1−エチル−2−ブチニル、3−ブチニル、1−メチル−3−ブチニル、2−メチル−3−ブチニル、1−エチル−3−ブチニル、2−ペンチニル、1−メチル−2−ペンチニル、2−メチル−2−ペンチニル、3−ペンチニル、1−メチル−3−ペンチニル、2−メチル−3−ペンチニル、4−ペンチニル、1−メチル−4−ペンチニル、2−メチル−4−ペンチニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニル、4−ヘキシニル、5−ヘキシニルのような「低級アルキニル基」;トリフルオロメチル、トリクロロメチル、ジフルオロメチル、ジクロロメチル、ジブロモメチル、フルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2,2,2−トリクロロエチル、2−ブロモエチル、2−クロロエチル、2−フルオロエチル、2−ヨードエチル、3−クロロプロピル、4−フルオロブチル、6−ヨードヘキシル、2,2−ジブロモエチルのような「ハロゲノ低級アルキル基」;2−ヒドロキシエチル、2,3−ジヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、3,4−ジヒドロキシブチル、4−ヒドロキシブチルのような「ヒドロキシ低級アルキル基」;アセチルメチルのような「低級脂肪族アシル低級アルキル基」;前記「アラルキル基」;或いは前記「シリル基」であり、好適には、低級アルキル基又はアラルキル基であり、最も好適には、メチル、ベンジル又は4−メトキシベンジル基である。
【0029】
「生体内で加水分解のような生物学的方法により開裂し得る保護基」とは、人体内で加水分解等の生物学的方法により開裂し、フリーの酸又はその塩を生成する保護基をいい、そのような誘導体か否かは、ラットやマウスのような実験動物に静脈注射により投与し、その後の動物の体液を調べ、元となる化合物又はその薬理学的に許容される塩を検出できることにより決定でき、
「ヒドロキシ基のエステル」に斯かる「生体内で加水分解のような生物学的方法により開裂し得る保護基」としては、好適には、ホルミルオキシメチル、アセトキシメチル、ジメチルアミノアセトキシメチル、プロピオニルオキシメチル、ブチリルオキシメチル、ピバロイルオキシメチル、バレリルオキシメチル、イソバレリルオキシメチル、ヘキサノイルオキシメチル、1−ホルミルオキシエチル、1−アセトキシエチル、1−プロピオニルオキシエチル、1−ブチリルオキシエチル、1−ピバロイルオキシエチル、1−バレリルオキシエチル、1−イソバレリルオキシエチル、1−ヘキサノイルオキシエチル、1−ホルミルオキシプロピル、1−アセトキシプロピル、1−プロピオニルオキシプロピル、1−ブチリルオキシプロピル、1−ピバロイルオキシプロピル、1−バレリルオキシプロピル、1−イソバレリルオキシプロピル、1−ヘキサノイルオキシプロピル、1−アセトキシブチル、1−プロピオニルオキシブチル、1−ブチリルオキシブチル、1−ピバロイルオキシブチル、1−アセトキシペンチル、1−プロピオニルオキシペンチル、1−ブチリルオキシペンチル、1−ピバロイルオキシペンチル、1−ピバロイルオキシヘキシルのような1−(「低級脂肪族アシル」オキシ)「低級アルキル基」、シクロペンチルカルボニルオキシメチル、シクロヘキシルカルボニルオキシメチル、1−シクロペンチルカルボニルオキシエチル、1−シクロヘキシルカルボニルオキシエチル、1−シクロペンチルカルボニルオキシプロピル、1−シクロヘキシルカルボニルオキシプロピル、1−シクロペンチルカルボニルオキシブチル、1−シクロヘキシルカルボニルオキシブチルのような1−(「シクロアルキル」カルボニルオキシ)「低級アルキル基」、ベンゾイルオキシメチルのような1−(「芳香族アシル」オキシ)「低級アルキル基」等の1−(アシルオキシ)「低級アルキル基」;メトキシカルボニルオキシメチル、エトキシカルボニルオキシメチル、プロポキシカルボニルオキシメチル、イソプロポキシカルボニルオキシメチル、ブトキシカルボニルオキシメチル、イソブトキシカルボニルオキシメチル、ペンチルオキシカルボニルオキシメチル、ヘキシルオキシカルボニルオキシメチル、シクロヘキシルオキシカルボニルオキシメチル、シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ(シクロヘキシル)メチル、1−(メトキシカルボニルオキシ)エチル、1−(エトキシカルボニルオキシ)エチル、1−(プロポキシカルボニルオキシ)エチル、1−(イソプロポキシカルボニルオキシ)エチル、1−(ブトキシカルボニルオキシ)エチル、1−(イソブトキシカルボニルオキシ)エチル、1−(t−ブトキシカルボニルオキシ)エチル、1−(ペンチルオキシカルボニルオキシ)エチル、1−(ヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル、1−(シクロペンチルオキシカルボニルオキシ)エチル、1−(シクロペンチルオキシカルボニルオキシ)プロピル、1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)プロピル、1−(シクロペンチルオキシカルボニルオキシ)ブチル、1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)ブチル、1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル、1−(エトキシカルボニルオキシ)プロピル、1−(メトキシカルボニルオキシ)プロピル、1−(エトキシカルボニルオキシ)プロピル、1−(プロポキシカルボニルオキシ)プロピル、1−(イソプロポキシカルボニルオキシ)プロピル、1−(ブトキシカルボニルオキシ)プロピル、1−(イソブトキシカルボニルオキシ)プロピル、1−(ペンチルオキシカルボニルオキシ)プロピル、1−(ヘキシルオキシカルボニルオキシ)プロピル、1−(メトキシカルボニルオキシ)ブチル、1−(エトキシカルボニルオキシ)ブチル、1−(プロポキシカルボニルオキシ)ブチル、1−(イソプロポキシカルボニルオキシ)ブチル、1−(ブトキシカルボニルオキシ)ブチル、1−(イソブトキシカルボニルオキシ)ブチル、1−(メトキシカルボニルオキシ)ペンチル、1−(エトキシカルボニルオキシ)ペンチル、1−(メトキシカルボニルオキシ)ヘキシル、1−(エトキシカルボニルオキシ)ヘキシルのような「(低級アルコキシカルボニルオキシ)アルキル基」;(5−フェニル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチル、[5−(4−メチルフェニル)−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル]メチル、[5−(4−メトキシフェニル)−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル]メチル、[5−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル]メチル、[5−(4−クロロフェニル)−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル]メチル、(2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチル、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチル、(5−エチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチル、(5−プロピル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチル、(5−イソプロピル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチル、(5−ブチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルのような「オキソジオキソレニルメチル基」等の「カルボニルオキシ低級アルキル基」:フタリジル、ジメチルフタリジル、ジメトキシフタリジルのような「フタリジル基」:前記「低級脂肪族アシル基」:前記「芳香族アシル基」:「コハク酸のハーフエステル塩残基」:「燐酸エステル塩残基」:「アミノ酸等のエステル形成残基」:カルバモイル基:1乃至2個の低級アルキル基で置換されたカルバモイル基:或いはピバロイルオキシメチルオキシカルボニルのような「1−(アシルオキシ)アルキルオキシカルボニル基」を挙げることができ、最も好適には、カルボニルオキシ低級アルキル基、コハク酸のハーフエステル塩残基又は燐酸エステル塩残基である。
【0030】
一方、「カルボキシ基のエステル」に斯かる「生体内で加水分解のような生物学的方法により開裂し得る保護基」としては、好適には、メトキシエチル、1−エトキシエチル、1−メチル−1−メトキシエチル、1−(イソプロポキシ)エチル、2−メトキシエチル、2−エトキシエチル、1,1−ジメチル−1−メトキシエチル、エトキシメチル、n−プロポキシメチル、イソプロポキシメチル、n−ブトキシメチル、t−ブトキシメチルのような低級アルコキシ低級アルキル基、2−メトキシエトキシメチルのような低級アルコキシ化低級アルコキシ低級アルキル基、フェノキシメチルのような「アリール」オキシ「低級アルキル基」、2,2,2−トリクロロエトキシメチル、ビス(2−クロロエトキシ)メチルのようなハロゲン化低級アルコキシ低級アルキル基等の「アルコキシアルキル基」;メトキシカルボニルメチルのような「「低級アルコキシ」カルボニル「低級アルキル基」」;シアノメチル、2−シアノエチルのような「シアノ「低級アルキル基」;メチルチオメチル、エチルチオメチルのような「「低級アルキル」チオメチル基」;フェニルチオメチル、ナフチルチオメチルのような「「アリール」チオメチル基」;2−メタンスルホニルエチル、2−トリフルオロメタンスルホニルエチルのような「ハロゲンで置換されていてもよい「低級アルキル」スルホニル「低級アルキル基」」;2−ベンゼンスルホニルエチル、2−トルエンスルホニルエチルのような「「アリール」スルホニル「低級アルキル基」」;前記「1−(アシルオキシ)「低級アルキル基」」;前記「フタリジル基」;前記「アリール基」;前記「低級アルキル基」;カルボキシメチルのような「カルボキシアルキル基」;或いはフェニルアラニンのような「アミノ酸のアミド形成残基」であり、最も好適には、アミノ酸のアミド形成残基である。
【0031】
「その他の誘導体」とは、本発明の化合物(I)が、カルボキシ基を有する場合、上記「薬理上許容される塩」及び上記「そのエステル」以外の誘導体にすることができるので、その誘導体を示す。そのような誘導体としては、例えば、アミド基を有する化合物[R3においては、カルバモイル基、モノ(低級アルキル)カルバモイル基及びジ(低級アルキル)カルバモイル基以外のアミド基]を挙げることができる。
【0032】
本発明の一般式(I)を有する化合物の具体例としては、例えば、下記表1に記載の化合物を挙げることができるが、本発明は、これらの化合物に限定されるものではない。なお、表1の化合物は、式(I)の構造式を有する。
【0033】
更に表中の略号は以下の通りである。
Ac : アセチル基
Bu : n−ブチル基
Byr : ブチリル基
Et : エチル基
Hex : ヘキシル基
Hpo : ヘプタノイル基
Hxo : ヘキサノイル基
Me : メチル基
Peo : ペンタノイル基
Pn : n−ペンチル基
Pr : n−プロピル基
Prn : プロピオニル基
Single : 単結合。
【0034】
【表1】
【0035】
【化4】
【0036】
本発明の医薬組成物の有効成分である一般式(I)を有するアミド誘導体において好適な化合物としては、
化合物番号:1−3,5,8−10,12,15−17,19,29−31,33,36−40,50−52,54,57−59,64,72−74,79,102−104,109,117−119,121,124−126,128,135,145−147,149,152−154,156,159−161,163,173−175,180−182,184,187−189,191,201−203,205,208−210,212,229−231,233,236−238,240,258−260,265,273−275,280,318−320,322,325−327,329,333,334,336及び337
であり、更に好適な化合物としては、
化合物番号:2,3,29−31,36−40,57−59,64,72−74,117−119,121,145−147,149,152−154,156,159−161,163,174,175,180−182,184,187−189,191,201−203,205,208,229−231,233,236,240,258−260,265,273,318−320及び322
であり、より好適な化合物としては、
化合物番号:3,40,58,59,72,180,201,203,233,236,240,258,259,260,273及び318
であり、最も好適な化合物としては、
化合物番号40:{N−[(2−t−ブチル−5−ジメチルカルバモイルメチルフェニルカルバモイル)メチル]−N−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)}プロピオン酸アミド,
化合物番号58:4−t−ブチル−3−{2−[ブチリル−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)アミノ]アセチルアミノ}ベンズアミド,
化合物番号59:3−{2−[ブチリル−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)アミノ]アセチルアミノ}−4−t−ブチル−N−メチルベンズアミド,
化合物番号72:4−t−ブチル−3−{2−[ブチリル−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)アミノ]アセチルアミノ}フェニル酢酸,
化合物番号236:4−t−ブチル−3−{2−[(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)−プロピオニルアミノ]アセチルアミノ}フェニル酢酸,
化合物番号240:{N−[(2−t−ブチル−5−ジメチルカルバモイルメチルフェニルカルバモイル)メチル]−N−(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)}プロピオン酸アミド,
化合物番号258:4−t−ブチル−3−{2−[ブチリル−(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)アミノ]アセチルアミノ}安息香酸,
化合物番号259:4−t−ブチル−3−{2−[ブチリル−(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)アミノ]アセチルアミノ}ベンズアミド,
化合物番号260:3−{2−[ブチリル−(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)アミノ]アセチルアミノ}−4−t−ブチル−N−メチルベンズアミド,
化合物番号273:4−t−ブチル−3−{2−[ブチリル−(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)アミノ]アセチルアミノ}フェニル酢酸及び
化合物番号318:4−t−ブチル−3−{2−[(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)−ペンタノイルアミノ]アセチルアミノ}安息香酸
を挙げることができる。
【0037】
【発明の実施の形態】
本発明の医薬組成物の有効成分である化合物(I)は、以下に記載する方法に従って製造することができる。
【0038】
A法は、化合物(I)において、R3がカルボキシ基である化合物(Ia)、及びR3が、カルバモイル基、モノ(低級アルキル)カルバモイル基又はジ(低級アルキル)カルバモイル基である化合物(Ib)を製造する方法である。
【0039】
【化5】
【0040】
式中、R1、R2及びAは、前述したものと同意義を示し、R4は、カルボキシ基の保護基を示し、R5及びR6は、同一又は異なって、水素原子又は低級アルキル基を示し、R1aは、R1基の定義におけるヒドロキシ基が、保護されてもよいヒドロキシ基である他R1の基の定義における基と同様の基を示す。
【0041】
上記において、R1aの定義における「保護されてもよいヒドロキシ基」の「保護基」は、有機合成化学の分野で使用されるヒドロキシ基の保護基であれば特に限定はされないが、例えば、前記「ヒドロキシ基のエステルに斯かる一般的保護基」と同意義を示し、好適には、低級アルキル基、低級脂肪族アシル基、芳香族アシル基、アラルキル基、アルコキシメチル基又はトリ低級アルキルシリル基であり、より好適には、メチル、ベンジル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、ベンゾイル、ベンジル、メトキシメチル、ナフチル、4−メトキシベンジル、トリメチルシリル又はt−ブチルジメチルシリル基であり、最も好適には、メチル、アセチル、プロピオニル、ブチリル又はベンジル基である。
【0042】
上記において、R4の定義における「カルボキシ基の保護基」は、有機合成化学の分野で使用されるカルボキシ基の保護基であれば特に限定はされないが、例えば、前記「カルボキシ基のエステルに斯かる一般的保護基」と同意義を示し、好適には、低級アルキル基又はアラルキル基であり、最も好適には、メチル、ベンジル又は4−メトキシベンジル基である。
【0043】
第A1工程は、一般式(Ia)を有する化合物を製造する工程であり、一般式(II)を有する化合物のR4の定義におけるカルボキシ基の保護基を除去した後、所望によりR1aにおけるヒドロキシ基の保護基を除去することにより行われる。
【0044】
カルボキシ基の保護基の除去はその保護基の種類によって異なるが、一般に有機合成化学の技術において周知の方法、例えば、T.W.Green,(Protective Groups in Organic Synthesis),John Wiley & Sons:J.F.W.McOmis,(Protective Groups in OrganicChemistry),Plenum Pressに記載の方法により以下のように行うことができる。
【0045】
カルボキシル基の保護基が、低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、ヒドロキシ低級アルキル基又は低級脂肪族アシル低級アルキル基である場合には、酸又は塩基で処理することにより除去することができる。
【0046】
上記反応に使用される酸は、例えば、塩酸、硫酸、燐酸又は臭化水素酸である。
【0047】
上記反応に使用される塩基は、化合物の他の部分に影響を与えないものであれば特に限定はないが、例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムのようなアルカリ金属炭酸塩類;炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムのようなアルカリ金属重炭酸塩類;水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウムのようなアルカリ金属水素化物類;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸化物類;リチウムメトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシドのようなアルカリ金属アルコキシド類;又はトリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)のような有機アミン類であり、好適には、アルカリ金属水酸化物類(最も好適には、水酸化ナトリウム)である。
【0048】
尚、塩基による加水分解では異性化が起こることがある。
【0049】
上記反応において使用される不活性溶媒は、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン又はジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル類;メタノ−ル、エタノ−ル、n−プロパノ−ル、イソプロパノ−ル、n−ブタノ−ル、イソブタノ−ル、t−ブタノ−ル、イソアミルアルコ−ル、ジエチレングリコール、グリセリン、オクタノール、シクロヘキサノール、メチルセロソルブのようなアルコ−ル類;水;又は上記有機溶媒と水との混合溶媒であり、好適には、アルコール類又はアルコール類と水の混合溶媒であり、最も好適には、メタノール又はエタノールと水の混合溶媒である。
【0050】
反応温度は、原料化合物、試薬等によって異なるが、通常、−10℃乃至100℃(好適には、30℃乃至80℃)である。
【0051】
反応時間は、原料化合物、試薬、反応温度によって異なるが、通常、30分間乃至12時間(好適には、1時間乃至5時間)である。
【0052】
カルボキシ基の保護基が、アラルキル基又はハロゲノ低級アルキル基である場合は、通常、不活性溶媒中、還元により除去される。
【0053】
還元方法としては、カルボキシ基の保護基がハロゲノ低級アルキル基である場合には、亜鉛−酢酸のような化学的還元による方法が好適であり、アラルキル基である場合には、パラジウム炭素、白金のような触媒を用い接触還元による方法を行なうか又は硫化カリウム、硫化ナトリウムのようなアルカリ金属硫化物を用いて、化学的還元による方法により実施される。
【0054】
上記反応に使用される不活性溶媒は、本反応に関与しないものであれば特に限定はないが、例えば、メタノ−ル、エタノ−ルのようなアルコ−ル類;テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエ−テル類;酢酸のような脂肪酸;又は上記有機溶媒と水との混合溶媒が好適である。
【0055】
反応温度及び反応時間は、原料化合物、溶媒及び還元方法等により異なるが、通常、反応温度は、−20℃乃至100℃であり、反応時間は、5分間乃至12時間である。
【0056】
カルボキシ基の保護基が、シリル基である場合には、通常、塩酸、臭化水素酸、硫酸、過塩素酸、燐酸のような無機酸又は酢酸、蟻酸、蓚酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸のような有機酸で処理することにより除去できる。
【0057】
尚、弗素アニオンにより除去する場合に、蟻酸、酢酸、プロピオン酸のような有機酸を加えることによって、反応が促進することがある。
【0058】
上記反応に使用される不活性溶媒は、本反応に不活性なものであれば特に限定はされないが、好適には、ジエチルエ−テル、ジイソプロピルエ−テル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエ−テル類;アセトニトリル、イソブチロニトリルのようなニトリル類;酢酸のような有機酸;水;又は上記溶媒の混合溶媒である。
【0059】
反応温度及び反応時間は、原料化合物、酸、溶媒等により異なるが、通常、反応温度は、0℃乃至100℃(好適には、10℃乃至50℃)であり、反応時間は、1時間乃至24時間である。
【0060】
ヒドロキシ基の保護基の除去はその保護基の種類によって異なるが、一般に有機合成化学の技術において周知の方法、例えば、T.W.Green,(Protective Groups in Organic Synthesis),John Wiley & Sons:J.F.W.McOmis,(Protective Groups in OrganicChemistry),Plenum Pressに記載の方法により以下のように行うことができる。
【0061】
ヒドロキシ基の保護基が、シリル基である場合には、通常、弗化テトラブチルアンモニウム、弗化水素酸、弗化水素酸−ピリジン、弗化カリウムのような弗素アニオンを生成する化合物で処理するか又は塩酸、臭化水素酸、硫酸、過塩素酸、燐酸のような無機酸又は酢酸、蟻酸、蓚酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸のような有機酸で処理することにより除去できる。
【0062】
尚、弗素アニオンにより除去する場合に、蟻酸、酢酸、プロピオン酸のような有機酸を加えることによって、反応が促進することがある。
【0063】
上記反応に使用される不活性溶媒は、本反応に不活性なものであれば特に限定はされないが、好適には、ジエチルエ−テル、ジイソプロピルエ−テル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエ−テル類;アセトニトリル、イソブチロニトリルのようなニトリル類;酢酸のような有機酸;水;又は上記溶媒の混合溶媒である。
【0064】
反応温度及び反応時間は、原料化合物、触媒、溶媒等により異なるが、通常、反応温度は、0℃乃至100℃(好適には、10℃乃至50℃)であり、反応時間は、1時間乃至24時間である。
【0065】
ヒドロキシ基の保護基が、アラルキル基又はアラルキルオキシカルボニル基である場合には、通常、不活性溶媒中、還元剤と接触させることにより(好適には、触媒下、常温にて接触還元)除去する方法又は酸化剤を用いて除去する方法が好適である。
【0066】
接触還元による除去に使用される不活性溶媒は、本反応に関与しないものであれば特に限定はないが、例えば、ヘキサン、ヘプタン、リグロイン、石油エーテルのような脂肪族炭化水素類;トルエン、ベンゼン、キシレンのような芳香族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸プロピルのようなエステル類;ジエチルエ−テル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエ−テル類;メタノ−ル、エタノ−ル、n−プロパノール、イソプロパノ−ル、n−ブタノ−ル、イソブタノ−ル、t−ブタノ−ル、イソアミルアルコ−ル、ジエチレングリコール、グリセリン、オクタノール、シクロヘキサノール、メチルセロソルブのようなアルコ−ル類;ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチルリン酸トリアミドのようなアミド類;蟻酸、酢酸のような脂肪酸類;水;又は上記溶媒の混合溶媒であり、好適には、アルコ−ル類(最も好適には、メタノール)である。
【0067】
接触還元による除去に使用される触媒は、通常、接触還元反応に使用されるものであれば特に限定はないが、例えば、パラジウム−炭素、パラジウム−黒、ラネ−ニッケル、酸化白金、白金黒、ロジウム−酸化アルミニウム、トリフェニルホスフィン−塩化ロジウム又はパラジウム−硫酸バリウムであり、好適には、パラジウム−炭素である。
【0068】
圧力は、特に限定はないが、通常1乃至10気圧で行なわれる。
【0069】
接触還元による除去における反応温度及び反応時間は、原料化合物、触媒、溶媒等により異なるが、通常、反応温度は、0℃乃至100℃(好適には、20℃乃至70℃)であり、反応時間は、5分間乃至48時間(好適には、1時間乃至24時間)である。
【0070】
酸化による除去において使用される不活性溶媒は、本反応に関与しないものであれば特に限定はないが、好適には、含水有機溶媒である。
【0071】
このような有機溶媒として好適には、アセトンのようなケトン類;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素のようなハロゲン化炭化水素類;アセトニトリルのようなニトリル類;ジエチルエ−テル、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエ−テル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミドのようなアミド類;又はジメチルスルホキシドのようなスルホキシド類である。
【0072】
上記反応において使用される酸化剤は、酸化に使用される化合物であれば特に限定はないが、好適には、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、アンモニウムセリウムナイトレイト(CAN)又は2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−p−ベンゾキノン(DDQ)が用いられる。
【0073】
酸化による除去における反応温度及び反応時間は、原料化合物、触媒、溶媒等により異なるが、通常、反応温度は、0℃乃至150℃であり、反応時間は、10分間乃至24時間である。
【0074】
また、液体アンモニア中若しくはメタノ−ル、エタノ−ル、n−プロパノール、イソプロパノ−ル、n−ブタノ−ル、イソブタノ−ル、t−ブタノ−ル、イソアミルアルコ−ル、ジエチレングリコール、グリセリン、オクタノール、シクロヘキサノール、メチルセロソルブのようなアルコ−ル類中において、−78℃乃至0℃で、金属リチウム、金属ナトリウムのようなアルカリ金属類を作用させることによっても除去できる。
【0075】
更に、溶媒中、塩化アルミニウム−沃化ナトリウム又は、トリメチルシリルイオダイドのようなアルキルシリルハライド類を用いて除去することができる。
【0076】
上記反応において使用される溶媒は、本反応に関与しないものであれば特に限定はないが、好適には、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素のようなハロゲン化炭化水素類;アセトニトリルのようなニトリル類;又は上記溶媒の混合溶媒である。
【0077】
反応温度及び反応時間は、原料化合物、溶媒等により異なるが、通常、反応温度は、0℃乃至50℃であり、反応時間は、5分間乃至72時間である。
【0078】
尚、反応基質が硫黄原子を有する場合は、好適には、塩化アルミニウム−沃化ナトリウムが用いられる。
【0079】
ヒドロキシ基の保護基が、低級脂肪族アシル基、芳香族アシル基又はアルコキシカルボニル基である場合には、不活性溶媒中、塩基で処理することにより除去される。
【0080】
上記反応において使用される塩基は、化合物の他の部分に影響を与えないものであれば特に限定はないが、例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムのようなアルカリ金属炭酸塩類;炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムのようなアルカリ金属重炭酸塩類;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸化物類;リチウムメトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム−t−ブトキシドのような金属アルコキシド類;又はアンモニア水、濃アンモニア−メタノ−ルのようなアンモニア類であり、好適には、アルカリ金属水酸化物類、金属アルコキシド類又はアンモニア類(最も好適には、アルカリ金属水酸化物類又は金属アルコキシド類)である。
【0081】
上記反応において使用される不活性溶媒は、通常の加水分解反応に使用されるものであれば特に限定はないが、例えば、ジエチルエ−テル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエ−テル類;メタノ−ル、エタノ−ル、n−プロパノール、イソプロパノ−ル、n−ブタノ−ル、イソブタノ−ル、t−ブタノ−ル、イソアミルアルコ−ル、ジエチレングリコール、グリセリン、オクタノール、シクロヘキサノール、メチルセロソルブのようなアルコ−ル類;水;又は上記溶媒の混合溶媒である。
【0082】
反応温度及び反応時間は、原料化合物、使用される塩基、溶媒等により異なり特に限定はないが副反応を抑制するために、通常、反応温度は、−20℃乃至150℃であり、反応時間は、1時間乃至10時間である。
【0083】
ヒドロキシ基の保護基が、低級アルキル基、アルコキシメチル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロチオピラニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロチオフラニル基又は置換エチル基である場合には、通常、不活性溶媒中、酸で処理することにより除去される。
【0084】
上記反応において使用される酸は、通常、ブレンステッド酸又はルイス酸として使用されるものであれば特に限定はなく、好適には、塩化水素;塩酸、硫酸、硝酸のような無機酸;又は酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸のような有機酸等のブレンステッド酸:又は三弗化ホウ素、三臭化ホウ素のようなルイス酸であるが、ダウエックス50Wのような強酸性の陽イオン交換樹脂も使用することができる。
【0085】
上記反応において使用される不活性溶媒は、本反応に不活性なものであれば特に限定はないが、例えば、ヘキサン、ヘプタン、リグロイン、石油エーテルのような脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンのようなハロゲン化炭化水素類;蟻酸エチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、炭酸ジエチルのようなエステル類;ジエチルエ−テル、ジイソプロピルエ−テル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエ−テル類;メタノ−ル、エタノ−ル、n−プロパノ−ル、イソプロパノ−ル、n−ブタノ−ル、イソブタノ−ル、t−ブタノ−ル、イソアミルアルコ−ル、ジエチレングリコール、グリセリン、オクタノール、シクロヘキサノール、メチルセロソルブのようなアルコ−ル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノンのようなケトン類;水;又は上記溶媒の混合溶媒であり、好適には、ハロゲン化炭化水素類(最も好適には、ジクロロメタン)である。
【0086】
反応温度及び反応時間は、原料化合物、使用される酸、溶媒等により異なるが、通常、反応温度は、−10℃乃至200℃(好適には、0℃乃至150℃)であり、反応時間は、5分間乃至48時間(好適には、30分間乃至10時間)である。
【0087】
ヒドロキシ基の保護基が、アルケニルオキシカルボニル基である場合は、通常、ヒドロキシ基の保護基が前記の脂肪族アシル基、芳香族アシル基又はアルコキシカルボニル基である場合の除去反応の条件と同様にして、塩基と処理することにより達成される。
【0088】
尚、アリルオキシカルボニル基の場合は、特にパラジウム、及びトリフェニルホスフィン、又はビス(メチルジフェニルホスフィン)(1,5−シクロオクタジエン)イリジウム(I)・ヘキサフルオロホスフェートを使用して除去する方法が簡便で、副反応が少なく実施することができる。
【0089】
なお、本工程では、所望により、ヒドロキシ基の保護基の除去の後に、カルボキシ基の保護基を除去してもよい。
【0090】
反応終了後、目的化合物(Ia)は常法に従って反応混合物から採取される。例えば、反応終了後、反応液に水酸化ナトリウム水溶液を加え、水と混和しない溶媒(例えばベンゼン、エーテル、酢酸エチル等)を用いて水層をを洗浄した後、濃塩酸等を用いて溶液(水層)のpHを酸性とし、水と混和しない溶媒(例えばベンゼン、エーテル、酢酸エチル等)を用いて目的化合物を抽出し、抽出液を水洗した後、無水硫酸マグネシウム等を用いて乾燥させ、溶媒を留去することによって目的化合物が得られる。得られる目的化合物は必要ならば、常法、例えば再結晶、再沈澱又はクロマトグラフィーにより更に精製できる。
【0091】
第A2工程は、一般式(Ib)を有する化合物を製造する工程であり、化合物(Ia)を一般式(III)を有する化合物と反応させることにより行われる。
【0092】
化合物(Ia)を化合物(III)と反応させる方法は、ペプチド合成法における常法、例えば、アジド法、活性エステル法、混合酸無水物法又は縮合法(好適には、縮合法)によって行われる。
【0093】
アジド法は、不活性溶媒中、化合物(Ia)を化合物(III)と反応させ、アミノ酸ヒドラジドを製造した後、亜硝酸化合物と反応させ、アジド化合物に変換し、更にアンモニアと処理することにより行われる。
【0094】
アジド化の工程及びアンモニアと処理する際に使用される不活性溶媒は、本反応に不活性なものであれば特に限定はないが、例えば、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド又はヘキサメチルリン酸トリアミドのようなアミド類;ジメチルスルホキシド又はスルホランのようなスルホキシド類;又はN−メチルピロリドンのようなピロリドン類であり、好適には、アミド類(最も好適には、ジメチルホルムアミド)である。
【0095】
又、本工程の2つの反応(アジド化及びアンモニアとの反応)は、通常1つの反応液中で行われる。
【0096】
使用される亜硝酸化合物は、例えば、亜硝酸ナトリウムのようなアルカリ金属亜硝酸塩又は亜硝酸イソアミルのような亜硝酸アルキルである。
【0097】
反応温度は、原料化合物、試薬等によって異なるが、通常、アジド化の工程における反応温度は、−70℃乃至50℃(好適には、−50℃乃至0℃)であり、アンモニアとの反応における反応温度は、−70℃乃至50℃(好適には、−10℃乃至10℃)である。
【0098】
反応時間は、原料化合物、試薬、反応温度によって異なるが、通常、アジド化の工程における反応時間は、5分間乃至3時間(好適には、10分間乃至1時間)であり、アンモニアとの反応における反応時間は、5時間乃至7日間(好適には、10時間乃至5日間)である。
【0099】
活性エステル法は、不活性溶媒中、化合物(Ia)と活性エステル化剤を反応させ、活性エステルを製造した後、更に不活性溶媒中、化合物(III)と反応させることによって行われる。
【0100】
活性エステルを製造する際及び活性エステルを化合物(III)と反応させる際に使用される不活性溶媒は、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定はないが、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、クロロベンゼン又はジクロロベンゼンのようなハロゲン化炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン又はジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル類;アセトニトリル又はイソブチロニトリルのようなニトリル類;又はホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホラミド(HMPA)又はヘキサメチルホスホラストリアミド(HMPT)のようなアミド類であり、好適には、ハロゲン化炭化水素類、エーテル類、ニトリル類又はアミド類であり、最も好適には、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル又はジメチルホルムアミドである。
【0101】
上記反応において使用される活性エステル化剤は、例えば、N−ヒドロキシサクシンイミド、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール又はN−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミドのようなN−ヒドロキシ化合物或はジピリジルジスルフィドのようなジスルフィド化合物であり、活性エステル化反応は、好適には、ジシクロヘキシルカルボジイミド、1,1−カルボニルビス−1H−イミダゾール又はトリフェニルホスフィンのような縮合剤の存在下において行われる。
【0102】
反応温度は、原料化合物、試薬等によって異なるが、通常、活性エステル化反応における反応温度は、−20℃乃至100℃(好適には、0℃乃至50℃)であり、活性エステル化合物とアンモニアとの反応における反応温度は、−20℃乃至100℃(好適には、0℃乃至50℃)である。
【0103】
反応時間は、原料化合物、試薬、反応温度によって異なるが、活性エステル化反応及び活性エステル化合物とアンモニアとの反応ともに、通常、30分間乃至60時間(好適には、1時間乃至48時間)である。
【0104】
混合酸無水物法は、不活性溶媒中、塩基の存在下又は非存在下(好適には、存在下)、化合物(Ia)を混合酸無水物化剤と反応させ、混合酸無水物を製造した後、更に不活性溶媒中、混合酸無水物を化合物(III)と反応させることにより行われる。
【0105】
混合酸無水物を製造する際に使用される不活性溶媒は、反応を阻害せず出発物質をある程度溶解する物であれば特に限定はないが、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、クロロベンゼン又はジクロロベンゼンのようなハロゲン化炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン又はジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル類;或はホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホラミド(HMPA)又はヘキサメチルホスホラストリアミド(HMPT)のようなアミド類であり、好適には、ハロゲン化炭化水素類(最も好適には、ジクロロメタン)である。
【0106】
混合酸無水物化剤は、例えば、オキザリルクロリドのようなハロゲン化オキザリル、クロル炭酸エチル又はクロル炭酸イソブチルのような炭酸C1−C4アルキルハライド、ピバロイルクロリドのようなC1−C5アルカノイルハライド或はジエチルシアノリン酸又はジフェニルシアノリン酸のようなC1−C4アルキル若しくはジC6−C14アリールシアノリン酸であり、好適には、ハロゲン化オキザリル(最も好適には、オキザリルクロリド)である。
【0107】
使用される塩基は、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム又は炭酸リチウムのようなアルカリ金属炭酸塩類;或はトリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)又は1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(DBU)のような有機アミン類であり、好適には、有機アミン類(最も好適には、トリエチルアミン)である。
【0108】
混合酸無水物を製造する反応における反応温度は、原料化合物、試薬等によって異なるが、通常、−50℃乃至100℃(好適には、−10℃乃至50℃)である。
【0109】
混合酸無水物を製造する反応における反応時間は、原料化合物、試薬、反応温度によって異なるが、通常、5分間乃至20時間(好適には、10分間乃至10時間)である。
【0110】
混合酸無水物と化合物(III)の反応において使用される不活性溶媒は、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定はないが、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル類;又はホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホラミド(HMPA)、ヘキサメチルホスホラストリアミド(HMPT)のようなアミド類であり、好適には、アミド類(最も好適には、ジメチルホルムアミド)である。
【0111】
混合酸無水物と化合物(III)の反応における反応温度は、原料化合物、試薬等によって異なるが、通常、−30℃乃至100℃(好適には、0℃乃至80℃)である。
【0112】
混合酸無水物と化合物(III)の反応における反応時間は、原料化合物、試薬、反応温度によって異なるが、通常、5分間乃至24時間(好適には、10分間乃至12時間)である。
【0113】
縮合法は、不活性溶媒中、縮合剤の存在下、化合物(Ia)を化合物(III)と反応させることによって行われる。
【0114】
使用される縮合剤は、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド、1,1−カルボニルビス−1H−イミダゾール又は1−メチル−2−クロロ−ピリジニウムヨージド−トリエチルアミンであり、好適には、1,1−カルボニルビス−1H−イミダゾールである。
【0115】
本反応は、前記の活性エステルを製造する反応と同様の条件下で行うことができる。
【0116】
本工程において、R1が低級アルコキシ基である場合、前記A法第A1工程における「ヒドロキシ基の保護基が低級アルキル基である場合の保護基の除去」と同様に行うことにより、R1がヒドロキシ基である化合物を得る事ができる。
【0117】
反応終了後、本工程の目的化合物(Ib)は常法に従って反応混合物から採取される。例えば、反応終了後、溶媒を留去すること、又は溶媒を留去した残渣に水を注ぎ、水と混和しない溶媒(例えばベンゼン、エーテル、酢酸エチル等)を加えて目的化合物を抽出し、抽出した有機層を水洗した後、無水硫酸マグネシウム等を用いて乾燥させ、溶媒を留去することによって目的化合物が得られる。得られる目的化合物は必要ならば、常法、例えば再結晶、再沈澱又はクロマトグラフィー等によって更に精製できる。
【0118】
B法は、前記A法の原料化合物である化合物(II)を製造する方法である。
【0119】
【化6】
【0120】
式中、R1a、R2、R4及びAは、前述したものと同意義を示し、Xは、ハロゲン原子(好適には、塩素原子)を示す。
【0121】
第B1工程は、一般式(V)を有する化合物を製造する工程であり、不活性溶媒中、化合物(IV)を還元剤と反応させることにより行なわれる。
【0122】
上記反応において使用される不活性溶媒は、反応を阻害せず出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定はないが、例えば、メタノール、エタノールのようなアルコール類;又は水であり、好適には、アルコール類(最も好適には、メタノール)である。
【0123】
上記反応において使用される還元剤は、例えば、パラジウム−炭素、亜鉛−酢酸、鉄−塩酸又は錫−塩酸であり、好適には、パラジウム−炭素である。
【0124】
反応温度は、溶媒、原料化合物、試薬等により異なるが、通常、−20℃乃至150℃(好適には、0℃乃至100℃)である。
【0125】
反応時間は、溶媒、原料化合物、試薬、反応温度等により異なるが、通常、10分間乃至24時間(好適には、20分間乃至12時間)である。
【0126】
反応終了後、本工程の目的化合物(V)は常法に従って反応混合物から採取される。例えば、反応混合物をアルカリ性とし、又、不溶物が存在する場合には濾過により除去した後、水と混和しない溶媒(例えば、ベンゼン、エーテル又は酢酸エチル等)を加え抽出し、目的化合物を含む有機層を水洗した後、無水硫酸マグネシウム等を用いて乾燥させ、溶媒を留去することによって目的化合物が得られる。得られる目的化合物は必要ならば、常法、例えば再結晶、再沈澱又はクロマトグラフィー等によって更に精製できる。
【0127】
第B2工程は、化合物(VII)を製造する工程であり、不活性溶媒中、塩基の存在下又は非存在下(好適には存在下)、化合物(V)を一般式(VI)を有する化合物と反応させることにより行なわれる。
【0128】
上記反応において使用される不活性溶媒は、反応を阻害せず出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定はないが、例えば、ヘキサン、ヘプタン、リグロイン又は石油エーテルのような脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン又はキシレンのような芳香族炭化水素類;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、クロロベンゼン又はジクロロベンゼンのようなハロゲン化炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン又はジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル類;酢酸エチル又は酢酸プロピルのようなエステル類;アセトニトリルのようなニトリル類;アセトン又はメチルエチルケトンのようなケトン類;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール又はイソブタノールのようなアルコール類;ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホラミド(HMPA)又はヘキサメチルホスホラストリアミド(HMPT)のようなアミド類;或いはジメチルスルホキシド又はスルホランのようなスルホキシド類であり、好適には、アミド類(最も好適には、ジメチルホルムアミド)である。
【0129】
上記反応において使用される塩基は、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム又は炭酸リチウムのようなアルカリ金属炭酸塩類;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム又は炭酸水素リチウムのようなアルカリ金属重炭酸塩類;酢酸ナトリウムのようなアルカリ金属酢酸塩類;水素化リチウム、水素化ナトリウム又は水素化カリウムのようなアルカリ金属水素化物類;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム又は水酸化リチウムのようなアルカリ金属水酸化物類;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシド又はリチウムメトキシドのようなアルカリ金属アルコキシド類;メチルメルカプタンナトリウム又はエチルメルカプタンナトリウムのようなメルカプタンアルカリ金属類;トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)又は1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(DBU)のような有機アミン類;メチルリチウム、エチルリチウム又はブチルリチウムのようなアルキルリチウム類;弗化ナトリウム、弗化カリウム、沃化カリウムのようなアルカリ金属ハロゲン化物類;リチウムジイソプロピルアミド又はリチウムジシクロヘキシルアミドのようなリチウムアルキルアミド類;或いは上記2以上の塩基の組み合わせであり、好適には、有機アミン類又はアルカリ金属ハロゲン化物類或いは前記塩基の組み合わせ(最も好適には、N,N−ジイソプロピルエチルアミン又はトリエチルアミン或いはN,N−ジイソプロピルエチルアミンと沃化カリウムの組み合わせ)である。
【0130】
反応温度は、原料化合物、試薬等によって異なるが、通常、0℃乃至200℃(好適には、0℃乃至150℃)である。
【0131】
反応時間は、原料化合物、試薬、反応温度によって異なるが、通常、10分間乃至60時間(好適には、30分間乃至48時間)である。
【0132】
尚、本工程において、よう化カリウムを触媒として用いることができる。
【0133】
反応終了後、本工程の目的化合物(VII)は常法に従って反応混合物から採取される。例えば、反応終了後、溶媒を留去し、得られる残渣に水を加えた後、水と混和しない溶媒(例えばベンゼン、エーテル、酢酸エチル等)を加えて目的化合物を抽出し、抽出した有機層を水洗した後、無水硫酸マグネシウム等を用いて乾燥させ、溶媒を留去することによって目的化合物が得られる。得られる目的化合物は必要ならば、常法、例えば再結晶、再沈澱、クロマトグラフィーによって更に精製することができる。
【0134】
第B3工程は、化合物(II)を製造する工程であり、不活性溶媒中、化合物(VII)を一般式(VIII)を有する化合物と反応させることにより行なわれる。
【0135】
上記反応において使用される不活性溶媒は、反応を阻害せず出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定はないが、例えば、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホラミド(HMPA)又はヘキサメチルホスホラストリアミド(HMPT)のようなアミド類であり、好適には、ジメチルアセトアミドである。
【0136】
反応温度は、原料化合物、溶媒等によって異なるが、通常、−20℃乃至100℃(好適には、0℃乃至50℃)である。
【0137】
反応時間は、原料化合物、溶媒、反応温度によって異なるが、通常、10分間乃至10時間(好適には、30分間乃至5時間)である。
【0138】
反応終了後、本工程の目的化合物(II)は常法に従って反応混合物から採取される。例えば、反応終了後、溶媒を留去し、得られる残渣に水を加えた後、水と混和しない溶媒(例えばベンゼン、エーテル、酢酸エチル等)を加えて目的化合物を抽出し、抽出した有機層を水洗した後、無水硫酸マグネシウム等を用いて乾燥させ、溶媒を留去することによって目的化合物が得られる。得られる目的化合物は必要ならば、常法、例えば再結晶、再沈澱、クロマトグラフィーによって更に精製することができる。
【0139】
C法は、前記B法の原料化合物である化合物(VI)を製造する方法である。
【0140】
【化7】
【0141】
式中、R4、A及びXは、前述したものと同意義を示し、R8は、低級アルキル基又はアリール基を示す。
【0142】
第C1工程は、一般式(XI)を有する化合物を製造する工程であり、不活性溶媒中、塩基の存在下、一般式(IX)を有する化合物を一般式(X)を有する化合物と反応させることにより行なわれる。
【0143】
上記反応において使用される不活性溶媒は、反応を阻害せず出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定はないが、例えば、好適には、ベンゼン、トルエン又はキシレンのような芳香族炭化水素類;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、クロロベンゼン又はジクロロベンゼンのようなハロゲン化炭化水素類;或いはジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン又はジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル類であり、好適には、ハロゲン化炭化水素類又はエーテル類(最も好適には、ジクロロメタン又はテトラヒドロフラン)である。
【0144】
上記反応において使用される塩基は、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、イソプロビルエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリンのような有機塩基類であり、好適には、トリエチルアミンである。
【0145】
反応温度は、溶媒、原料化合物、試薬等により異なるが、通常、−40℃乃至50℃(好適には、−20℃乃至25℃)である。
【0146】
反応時間は、溶媒、原料化合物、試薬、反応温度等により異なるが、通常、5分間乃至10時間(好適には、10分間乃至3時間)である。
【0147】
本工程は、好適には窒素気流下に行なわれる。
【0148】
反応終了後、本工程の目的化合物(XI)は常法に従って反応混合物から採取される。例えば、反応終了後、反応液に水を加え、水と混和しない溶媒(例えばベンゼン、エーテル、酢酸エチル等)を加えて目的化合物を抽出した後、抽出した有機層を水洗し、無水硫酸マグネシウム等を用いて乾燥させた後、溶媒を留去することによって目的化合物が得られる。得られる目的化合物は必要ならば、常法、例えば再結晶、再沈澱、クロマトグラフィーにより更に精製できる。本工程の目的化合物は、精製することなく次工程に用いることもできる。
【0149】
第C2工程は、一般式(XII)を有する化合物を製造する工程であり、不活性溶媒中、化合物(XI)をアルカリ金属シアニドと反応させることにより行なわれる。
【0150】
上記反応において使用される不活性溶媒は、反応を阻害せず出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定はないが、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン又はジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル類;アセトニトリル、イソブチロニトリルのようなニトリル類;ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホロトリアミドのようなアミド類;或いはジメチルスルホキシド、スルホランのようなスルホキシド類であり、好適には、アミド類(最も好適には、ジメチルホルムアミド)である。
【0151】
上記反応において使用されるアルカリ金属シアノドは、例えば、シアン化リチウム、シアン化ナトリウム又はシアン化カリウムが好適である。
【0152】
本反応ではクラウンエーテル化合物を添加することが出来る。使用されるクラウンエーテル化合物は、例えば、12−クラウン−4、15−クラウン−5、18一クラウン−6、1−アザ−12−クラウン−4、1−アザ−15−クラウン−5、1−アザ−18−クラウン−6、ベンゾ−15−クラウン−5、4’−ニトロベンゾ−15−クラウン−5、ベンゾ−18−クラウン−6、ジベンゾ−18−クラウン−6、ジベンゾ−24−クラウン−8、ジシクロヘキサノ−18−クラウン−6又はジシクロヘキサノ−24−クラウン−8であり、好適には、15−クラウン−5、18−クラウン−6、1−アザ−15−クラウン−5、1−アザ−18−クラウン−6、ベンゾ−15−クラウン−5、4’−ニトロベンゾ−15一クラウン−5、ベンゾ−18−クラウン−6、ジベンゾ−18一クラウン−6又はジシクロヘキサノ−18−クラウン−6であり、更に好適には、15−クラウン−5、18一クラウン−6、1−アザ−18−クラウン−6、ベンゾ−18−クラウン−6、ジベンゾ−18−クラウン−6又はジシクロヘキサノ−18−クラウン−6であり、最も好適には、15−クラウン−5又は18−クラウン−6である。
【0153】
反応温度は、溶媒、原料化合物、試薬等により異なるが、通常、0℃乃至180℃(好適には、0℃乃至50℃)である。
【0154】
反応時間は、溶媒、原料化合物、試薬、反応温度等により異なるが、通常、1時間乃至24時間(好適には、2時間乃至12時間)である。
【0155】
本工程は、好適には窒素気流下に行なわれる。
【0156】
尚、本工程においては沃化ナトリウムのような沃化アルカリ金属を共存させて行うことが出来る。
【0157】
反応終了後、本工程の目的化合物(XII)は常法に従って反応混合物から採取される。例えば、反応終了後、反応液に水を加え、水と混和しない溶媒(例えばベンゼン、エーテル、酢酸エチル等)を加えて目的化合物を抽出した後、抽出した有機層を水洗し、無水硫酸マグネシウム等を用いて乾燥させた後、溶媒を留去することによって目的化合物が得られる。得られる目的化合物は必要ならば、常法、例えば再結晶、再沈澱、クロマトグラフィーにより更に精製できる。
【0158】
第C3工程は、一般式(XIII)を有する化合物を製造する工程であり、化合物(XII)のシアノ基を、酸又はアルカリにより加水分解することにより行なわれる。
【0159】
酸による加水分解は、不活性溶媒(好適には、アセトニトリル、イソブチロニトリルのようなニトリル類)中、化合物(XII)を含水塩酸、含水硫酸、含水硝酸のような含水鉱酸と1時間乃至10時間(好適には、1.5時間乃至7時間)で、室温乃至100℃(好適には、50℃乃至100℃)で反応させることにより行われる。
【0160】
アルカリによる加水分解は、1乃至10当量(好適には、1乃至5当量)の水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸化物又は水酸化カルシウム、水酸化バリウム等のアルカリ土類金属水酸化物を1乃至10当量(好適には、1乃至6当量)用いて、不活性溶媒(好適には、水、メタノール、エタノールのようなアルコール類、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル類又はこれら溶媒の混合溶媒)中、化合物(XII)と0℃乃至120℃(好適には、20℃乃至100℃)、30分間乃至48時間(好適には、1時間乃至24時間)反応させることにより行われる。
【0161】
反応終了後、本工程の目的化合物(XIII)は、常法により反応混合物から採取することができる。
【0162】
例えば、アルカリによる加水分解の場合には、反応液に塩酸のような鉱酸を加え、酸性にし、目的化合物が、溶媒中で沈殿として析出すれば、これを濾取により採取できる。又、溶媒を留去し、残留物をカラムクロマトグラフィーに付して、目的化合物を単離することでき、更に、酸性にした後、残留物に水と酢酸エチルのような水不混和性有機溶媒を加え、有機溶媒で抽出し、無水硫酸マグネシウム等で乾燥した後、溶媒を留去することにより、目的化合物を採取することができる。
【0163】
酸による加水分解の場合には、目的化合物が反応系中に析出しているなら、これを濾取することにより単離できる。又、酢酸エチルのような水不混和性有機溶媒で抽出し、無水硫酸マグネシウム等で乾燥した後、溶媒を留去することにより、目的化合物を得ることができる。
【0164】
第C4工程は、一般式(XIV)を有する化合物を製造する工程であり、化合物(XIII)のカルボキシ基を保護することにより行われる。
【0165】
カルボキシ基を保護する方法は、その保護基の種類によって異なるが、一般に有機合成化学の技術において周知の方法、例えば、T.W.Green,(Protective Groups in Organic Synthesis),John Wiley & Sons:J.F.W.McOmis,(Protective Groups in OrganicChemistry),Plenum Pressに記載の方法により以下のように行うことができる。
【0166】
例えば、不活性溶媒中(好適には、ジメチルホルムアミドのようなアミド類)、塩基の存在下又は非存在下(好適には、炭酸カリウムのようなアルカリ金属炭酸塩類の存在下)、化合物(XIII)を、下記式
R4−X (XV)
又は、
R4−O−R4 (XVI)
[式中、R4及びXは前述したものと同意義を示す。]と、−20℃乃至溶媒の還流温度(好適には、0℃乃至溶媒の還流温度)で、10分間乃至3日間(好適には、1時間乃至6時間)反応させることにより行われる。
【0167】
また、別途、化合物(XIII)のカルボキシ基を保護する方法としては、不活性溶媒中(好適には、ジクロロメタンのようなハロゲン化炭化水素類)、縮合剤及び塩基の存在下又は非存在下(好適には、オキサゾリルクロリド及びジシクロヘキシルカルボジイミドのようなカルボジイミド類の存在下)、化合物(XIII)を、下記式
R4−OH (XVII)
[式中、R4は前述したものと同意義を示す。]
と、−20℃乃至80℃(好適には、0℃乃至室温)で、10分間乃至3日間(好適には、30分間乃至1日間)反応させることにより行われる。
【0168】
反応終了後、本工程の目的化合物(XIV)は常法に従って反応混合物から採取される。例えば、反応終了後、溶媒を留去し、得られる残渣に水を加えた後、水と混和しない溶媒(例えばベンゼン、エーテル、酢酸エチル等)を加えて目的化合物を抽出し、抽出した有機層を水洗した後、無水硫酸マグネシウム等を用いて乾燥させ、溶媒を留去することによって目的化合物が得られる。得られる目的化合物は必要ならば、常法、例えば再結晶、再沈澱、クロマトグラフィーによって更に精製することができる。
【0169】
第C5工程は、一般式(XVIII)を有する化合物を製造する工程であり、不活性溶媒中、化合物(XIV)を還元剤と反応させることにより行なわれ、本工程は前記B法第B1工程と同様に行なわれる。
【0170】
第C6工程は、化合物(VI)を製造する工程であり、不活性溶媒中、塩基の存在下又は非存在下(好適には存在下)、化合物(XVIII)を一般式(XIX)を有する化合物と反応させることにより行なわれる。
【0171】
上記反応において使用される不活性溶媒は、反応を阻害せず出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定はないが、例えば、ヘキサン、ヘプタン、リグロイン又は石油エーテルのような脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン又はキシレンのような芳香族炭化水素類;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、クロロベンゼン又はジクロロベンゼンのようなハロゲン化炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン又はジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル類;酢酸エチル又は酢酸プロピルのようなエステル類;アセトニトリルのようなニトリル類;アセトン又はメチルエチルケトンのようなケトン類;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール又はイソブタノールのようなアルコール類;ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホラミド(HMPA)又はヘキサメチルホスホラストリアミド(HMPT)のようなアミド類;或いはジメチルスルホキシド又はスルホランのようなスルホキシド類であり、好適には、アミド類(最も好適には、ジメチルホルムアミド)である。
【0172】
上記反応において使用される塩基は、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム又は炭酸リチウムのようなアルカリ金属炭酸塩類;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム又は炭酸水素リチウムのようなアルカリ金属重炭酸塩類;酢酸ナトリウムのようなアルカリ金属酢酸塩類;或はトリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)又は1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(DBU)のような有機アミン類であり、好適には、有機アミン類(最も好適には、トリエチルアミン)である。
【0173】
反応温度は、原料化合物、試薬等によって異なるが、通常、−10℃乃至100℃(好適には、0℃乃至50℃)である。
【0174】
反応時間は、原料化合物、試薬、反応温度によって異なるが、通常、10分間乃至24時間(好適には、30分間乃至15時間)である。
【0175】
尚、本工程において、ジメチルアミノピリジン又はピリジンを触媒として用いることができる。
【0176】
本工程の目的化合物(VI)は、例えば、反応終了後、溶媒を留去し、得られる残渣に水を加えた後、水と混和しない溶媒(例えばベンゼン、エーテル、酢酸エチル等)を加えて目的化合物を抽出し、抽出した有機層を水洗した後、無水硫酸マグネシウム等を用いて乾燥させ、溶媒を留去することによって目的化合物が得られる。得られる目的化合物は必要ならば、常法、例えば再結晶、再沈澱、クロマトグラフィーによって更に精製することができる。
【0177】
第C7工程及び第C8工程は、前記第C1工程及び第C2工程とは別途、化合物(XII)を製造する工程である。
【0178】
第C7工程は、一般式(XX)を製造する工程であり、化合物(IX)のヒドロキシ基をハロゲン化させることにより行われ、不活性溶媒中、化合物(IX)をハロゲン化剤と反応させることにより行なわれる。
【0179】
上記反応において使用されるハロゲン化剤は、例えば、チオニルクロリド、チオニルブロミド、チオニルアイオダイドのようなチオニルハライド類;スルフリルクロリド、スルフリルブロミド、スルフリルアイオダイドのようなスルフリルハライド類;三塩化燐、三臭化燐、三沃化燐のような三ハロゲン化燐類;五塩化燐、五臭化燐、五沃化燐のような五ハロゲン化燐類;又はオキシ塩化燐、オキシ臭化燐、オキシ沃化燐のようなオキシハロゲン化燐類であり、好適には、チオニルハライド類(最も好適には、チオニルクロリド)である。
【0180】
上記反応において使用される不活性溶媒は、反応を阻害せず出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定はないが、例えば、ヘキサン、ヘプタン、リグロイン又は石油エーテルのような脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン又はキシレンのような芳香族炭化水素類;或いはジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、クロロベンゼン又はジクロロベンゼンのようなハロゲン化炭化水素類であり、好適には、芳香族炭化水素類又はハロゲン化炭化水素類(最も好適には、ベンゼン又はジクロロメタン)である。
【0181】
反応温度は、原料化合物、試薬等によって異なるが、通常、−20℃乃至100℃(好適には、0℃乃至50℃)である。
【0182】
反応時間は、原料化合物、試薬、反応温度によって異なるが、通常、10分間乃至10時間(好適には、1時間乃至5時間)である。
【0183】
本工程の目的化合物(XX)は、例えば、反応終了後、溶媒を留去し、得られる残渣に水を加えた後、水と混和しない溶媒(例えばベンゼン、エーテル、酢酸エチル等)を加えて目的化合物を抽出し、抽出した有機層を水洗した後、無水硫酸マグネシウム等を用いて乾燥させ、溶媒を留去することによって目的化合物が得られる。得られる目的化合物は必要ならば、常法、例えば再結晶、再沈澱、クロマトグラフィーによって更に精製することができる。
【0184】
第C8工程は、化合物(XII)を製造する工程であり、化合物(XX)のヒドロキシ基をシアノ化することにより行なわれ、不活性溶媒中、化合物(XX)をアルカリ金属シアニドと反応させることにより行なわれる。尚、本工程においては沃化ナトリウムのような沃化アルカリ金属を共存させて行うことができ、本工程は、前記C法第C2工程と同様に行われる。
【0185】
原料化合物(III)、(IV)、(VIII)、(IX)、(X)、(XV)、(XVI)、(XVII)及び(XIX)は、公知か、公知の方法又はそれに類似した方法に従って容易に製造される[例えば、J.Chem.Soc., 1961, 611−618等]。
【0186】
本発明の前記一般式(I)を有するアミド誘導体、その薬理上許容される塩、そのエステル又はその他の誘導体は、優れたLDL酸化抑制作用及びACAT阻害作用を有し、且つ優れた経口吸収性を示し、副作用(特に、副腎毒性)が低く、安全域(薬効と毒性発現の濃度差)が広いため、高脂血症又は動脈硬化性疾患の治療剤又は予防剤(特に、治療剤)として有用である。
【0187】
本発明の前記一般式(I)を有するアミド誘導体、その薬理上許容される塩、そのエステル又はその他の誘導体を、上記治療剤又は予防剤として使用する場合には、それ自体或は適宜の薬理学的に許容される、賦形剤、希釈剤等と混合し、例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤若しくはシロップ剤等による経口的又は注射剤若しくは坐剤等による非経口的に投与することができる。
【0188】
これらの製剤は、賦形剤(例えば、乳糖、白糖、葡萄糖、マンニトール、ソルビトールのような糖誘導体;トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、α澱粉、デキストリンのような澱粉誘導体;結晶セルロースのようなセルロース誘導体;アラビアゴム;デキストラン;プルランのような有機系賦形剤:及び、軽質無水珪酸、合成珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、メタ珪酸アルミン酸マグネシウムのような珪酸塩誘導体;燐酸水素カルシウムのような燐酸塩;炭酸カルシウムのような炭酸塩;硫酸カルシウムのような硫酸塩等の無機系賦形剤を挙げることができる。)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウムのようなステアリン酸金属塩;タルク;コロイドシリカ;ビーガム、ゲイ蝋のようなワックス類;硼酸;アジピン酸;硫酸ナトリウムのような硫酸塩;グリコール;フマル酸;安息香酸ナトリウム;DLロイシン;脂肪酸ナトリウム塩;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウムのようなラウリル硫酸塩;無水珪酸、珪酸水和物のような珪酸類;及び、上記澱粉誘導体を挙げることができる。)、結合剤(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、マクロゴール、及び、前記賦形剤と同様の化合物を挙げることができる。)、崩壊剤(例えば、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、内部架橋カルボキシメチルセルロースナトリウムのようなセルロース誘導体;カルボキシメチルスターチ、カルボキシメチルスターチナトリウム、架橋ポリビニルピロリドンのような化学修飾されたデンプン・セルロース類を挙げることができる。)、安定剤(メチルパラベン、プロピルパラベンのようなパラオキシ安息香酸エステル類;クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコールのようなアルコール類;塩化ベンザルコニウム;フェノール、クレゾールのようなフェノール類;チメロサール;デヒドロ酢酸;及び、ソルビン酸を挙げることができる。)、矯味矯臭剤(例えば、通常使用される、甘味料、酸味料、香料等を挙げることができる。)、希釈剤等の添加剤を用いて周知の方法で製造される。
【0189】
その使用量は症状、年齢等により異なるが、経口投与の場合には、1回当り1日下限1mg(好適には、10mg)、上限2000mg(好適には、400mg)を、静脈内投与の場合には、1回当り1日下限0.1mg(好適には、1mg)、上限500mg(好適には、300mg)を成人に対して、1日当り1乃至6回症状に応じて投与することが望ましい。
【0190】
【実施例】
以下に、実施例、参考例及び試験例を示し、本発明を更に詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定するものではない。
【0191】
実施例1
3−{2−[アセチル−(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)アミノ]アセチルアミノ}−4−t−ブチル安息香酸(例示化合物番号:201)
参考例14で得られた化合物2.8g(5.802mmol)のメタノール20.0ml溶液に、水酸化ナトリウム2.32g(58.017mmol)の水10.0ml溶液を加え、室温で3時間攪拌した。溶媒を留去した後、残渣をエチルエーテルで洗浄した。濃塩酸を残渣が酸性となるまで加えた後、酢酸エチルで抽出し、水、飽和食塩水で洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥し溶媒を留去した後、残渣をヘキサン−酢酸エチルで再結晶し、標記化合物2.4g(97%)を結晶として得た。
分解点:267.0−268.0℃;
IRスペクトル(KBr)cm−1: 3183, 2960, 2612, 1714, 1696, 1662, 1485, 1418,
1227, 1010, 773;
NMRスペクトル(400MHz,CD3OD)δppm: 1.35(9H,s), 1.93(3H,s), 2.29(6H,s),3.74(3H,s), 4.50(2H,s), 7.11(2H,s), 7.57(1H,d,J=8.3Hz), 7.73(1H,d,J=2.0Hz), 7.88(1H,dd,J=2.0,J=8.3Hz)。
【0192】
実施例2
3−{2−[アセチル−(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)アミノ]アセチルアミノ}−4−t−ブチル−N−メチルベンズアミド(例示化合物番号:203)
実施例1で得られた化合物2.4g(5.627mmol)のジクロロメタン30ml溶液に1,1−カルボニルビス−1H−イミダゾール1.5g(9.144mmol)を加え、室温で1時間攪拌した後、メチルアミン(40%メタノール溶液)4.9ml(60.960mmol)を加え、室温で二日攪拌した。溶媒を留去後、残渣を酢酸エチルで抽出し、10%−塩酸、飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥し溶媒を留去した後、残渣をエチルエーテルで再結晶し、標記化合物物1.9g(77%)を結晶として得た。
融点:152.0−152.5℃;
IRスペクトル(KBr)cm−1: 3307, 2957, 2873, 1664, 1645, 1524, 1485, 1413,1322, 1223, 101, 767;
NMRスペクトル(400MHz,CD3OD)δppm: 1.34(9H,s), 1.93(3H,s), 2.28(6H,s),2.90(3H,s), 3.74(3H,s), 4.49(2H,s), 7.11(2H,s), 7.53〜7.57(2H,m), 7.69(1H,dd,J=2.0Hz,J=8.2Hz)。
【0193】
実施例3
3−{2−[アセチル−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)アミノ]アセチルアミノ}−4−t−ブチル−N−メチルベンズアミド(例示化合物番号:3)
実施例2で得られた化合物1.9g(4.323mmol)のジクロロメタン20ml溶液を、−78℃に冷却後、三臭化ホウ素(2molllerジクロロメタン溶液)10.81ml(21.615mmol)を滴下し室温で一時間攪拌した。再び−78℃に冷却後、メタノールを約20ml加え室温で一時間攪拌した。溶媒を留去後、残渣を酢酸エチルで抽出し、飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥し溶媒を留去した後、残渣を酢酸エチル−エチルエーテル−ジクロロメタンで再結晶し、標記化合物1.3g(68%)を結晶として得た。
融点:147−148℃;
IRスペクトル(KBr)cm−1: 3306, 2966, 2874, 1643, 1525, 1489, 1413, 1318,1237, 1205, 997, 768;
NMRスペクトル(400MHz,CD3OD)δppm: 1.34(9H,s), 1.92(3H,s,), 2.22(6H,s), 2.90(3Hs), 4.47(2H,s), 7.00(2H,s), 7.52〜7.57(2H,m), 7.69(1H,dd,J=2.0Hz,J=8.2Hz)。
【0194】
実施例4
4−t−ブチル−3−{2−[ブチリル−(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)アミノ]アセチルアミノ}安息香酸(例示化合物番号:258)
参考例13で得られた化合物10.9g(23.261mmol)のメタノール100.0ml溶液に、水酸化ナトリウム9.30g(232.60mmol)の水30ml溶液を加え、60℃で2時間攪拌した。溶媒を留去した後、残渣をエチルエーテルで洗浄した。濃塩酸を残渣が酸性となるまで加えた後、酢酸エチルで抽出し、水、飽和食塩水で洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥し溶媒を留去した後、残渣をヘキサン−ジクロロメタンで再結晶し、標記化合物7.0g(66%)を結晶として得た。
融点:134.0−135.0℃;
IRスペクトル(CHCl3)cm−1: 3089, 2970, 2936, 2876, 1695, 1633, 1483, 1424, 1306, 1074, 1010;
NMRスペクトル(400MHz,CDCl3)δppm: 0.87(3H,tri,J=7.4Hz), 1.47(9H,s), 1.58〜1.68(2H,m), 2.17(2H,tri,J=7.4Hz), 2.30(6H,s), 3.76(3H,s), 4.46(2H,brs), 6.91(2H,s), 7.51(1H,d,J=8.5Hz), 7.86(1Hdd,J=1.6,J=8.5Hz), 8.17(1H,d,J=1.6Hz), 8.56(1H,s)。
【0195】
実施例5
4−t−ブチル−3−{2−[ブチリル−(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)アミノ]アセチルアミノ}ベンズアミド(例示化合物番号:259)
実施例4で得られた化合物1.0g(2.200mmol)のジクロロメタン10ml溶液に1,1−カルボニルビス−1H−イミダゾール461mg(2.860mmol)を加え、室温で30分攪拌した後、濃アンモニア水1.4ml(21.999mmol)を加え室温で2時間攪拌した。溶媒を留去後、残渣を酢酸エチルで抽出し、10%−塩酸、飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥し溶媒を留去した。残渣をヘキサン−エチルエーテルで再結晶し、標記化合物940mg(94%)を結晶として得た。
融点:219.0−220.0℃;
IRスペクトル(KBr)cm−1: 3328, 3206, 2963, 2874, 1664, 1484, 1421, 1221,1074, 1012, 771;
NMRスペクトル(400MHz,CDCl3)δppm: 0.87(3H,tri,J=7.5Hz), 1.46(9H,s), 1.57〜1.67(2H,m), 2.16(2H,tri,J=7.5Hz), 2.29(6H,s), 3.75(3H,s), 4.44(2H,brs), 5.52(1H,br), 6.14(1H,br), 6.90(2H,s), 7.51(1H,d,J=8.2Hz), 7.62〜7.69(1H,m), 7.97(1H,s), 8.56(1H,brs)。
【0196】
実施例6
4−t−ブチル−3−{2−[ブチリル−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)アミノ]アセチルアミノ}ベンズアミド(例示化合物番号:58)
実施例5で得られた化合物33.9g(74.739mmol)を用い、実施例3と同様の方法によって標記化合物22.2g(68%)を結晶として得た。
融点:245.0−245.5℃;
IRスペクトル(KBr)cm−1: 3302, 2965, 2874, 1664, 1524, 1488, 1420, 1236,1206, 1074;
NMRスペクトル(400MHz,CDCl3)δppm: 0.85(3H,tri,J=7.4Hz), 1.46(9H,s), 1.56〜1.63(2H,m), 2.15(2H,tri,J=7.4Hz), 2.21(6H,s), 4.47(2H,brs), 5.65(1H,brs), 5.75(1H,br), 6.37(1H,br), 6.83(2H,s), 7.51(1H,d,J=8.4Hz), 7.66(1H,d,J=8.4Hz), 7.96(1H,s), 8.67(1H,brs)。
【0197】
実施例7
4−t−ブチル−3−{2−[(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)−ペンタノイルアミノ]アセチルアミノ}安息香酸(例示化合物番号:318)
参考例12で得られた化合物2.6g(5.387mmol)を用いて実施例1と同様の方法によって標記化合物1.4g(55%)を結晶として得た。
融点:177.0−178.0℃;
IRスペクトル(KBr)cm−1: 3421, 3257, 2959, 2873, 2616, 1696, 1667, 1484,1419, 1222, 1011, 774;
NMRスペクトル(400MHz,CD3OD)δppm: 0.814(3H,tri,J=7.3Hz), 1.24,(2H,qu,J=7.4Hz), 1.35(9H,s), 1.54(2H,quint,J=7.4Hz), 2.19(2H,tri,J=7.4Hz), 2.29(6H,s), 3.75(3H,s), 4.50(2H,s), 7.09(2H,s), 7.57(1H,d,J=8.2Hz), 7.73(1H,d,J=1.9Hz), 7.87(1H,dd,J=1.9Hz,J=8.2Hz)。
【0198】
実施例8
4−t−ブチル−3−{2−[(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)−プロピオニルアミノ]アセチルアミノ}フェニル酢酸(例示化合物番号:236)
参考例15で得られた化合物1.38g(2.95mmol)を用いて実施例1と同様の方法によって、標記化合物1.30g(97%)を結晶として得た。
融点: 182−184℃ (エーテル);
IRスペクトル(KBr)cm−1: 3186, 2967, 1722, 1652, 1615, 1539, 1485, 1217,1016;
NMRスペクトル(400MHz,CD3OD)δppm: 1.04(3H,t,J=7.5Hz), 1.24(9H,s), 2.19(2H,q,J=7.5Hz), 2.28(6H,s), 3.55(2H,s), 3.74(3H,s), 4.74(2H,s), 7.03(1H,d,J=1.8Hz), 7.09(2H,s), 7.17(1H,dd,J=1.8Hz,J=8.2Hz), 7.40(1H,d,J=8.2Hz)。
【0199】
実施例9
4−t−ブチル−3−{2−[ブチリル−(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)アミノ]アセチルアミノ}フェニル酢酸(例示化合物番号:273)
参考例16で得られた化合物1.27g(2.63mmol)を用いて実施例1と同様の方法によって、標記化合物1.21g(98%)を結晶として得た。
融点:202−203℃ (酢酸エチル−ヘキサン);
IRスペクトル(KBr)cm−1: 3219, 2963, 2626, 1665, 1528, 1485, 1421, 1219,
1081, 1012;
NMRスペクトル(400MHz,CDCl3)δppm: 0.85(3H,t,J=7.4Hz), 1.40(9H,s), 1.56 ̄1.66(2H,m), 2.15(2H,t,J=7.4Hz), 2.28(6H,s), 3.59(2H,s), 3.74(3H,s), 4.43(2H,brs), 6.90(2H,s), 7.09(1H,d,J=8.1Hz), 7.35(1H,d,J=8.1Hz), 7.40(1H,s), 8.41(1H,s)。
【0200】
実施例10
4−t−ブチル−3−{2−[ブチリル−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)アミノ]アセチルアミノ}フェニル酢酸(例示化合物番号:72)
実施例9で得られた化合物194mg(0.41mmol)を用いて実施例3と同様の方法によって、標記化合物160mg(85%)を結晶として得た。
融点:134℃ (分解) (酢酸エチル−ヘキサン);
IRスペクトル(KBr)cm−1:3289, 2964, 1672, 1633, 1488, 1428, 1208, 1081;NMRスペクトル(400MHz,CDCl3)δppm: 0.83(3H,t,J=7.4Hz), 1.48(9H,s), 1.52 ̄1.62(2H,m), 2.05 ̄2.09(2H,m), 2.11(6H,s), 3.59(2H,s), 3.71(2H,brs), 4.60(2H,brs), 6.70(2H,s), 7.02(1H,d,J=7.9Hz), 7.39(1H,d,J=7.9Hz), 7.66(1H,brs), 9.01(1H,brs)。
【0201】
実施例11
{ N −[(2−t−ブチル−5−ジメチルカルバモイルメチルフェニル)カルバモイルメチル]− N −(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)}プロピオン酸アミド(例示化合物番号:240)
実施例8で得られた化合物631.8mg(1.39mmol)のジクロロメタン7ml溶液に1,1−カルボニルビス−1H−イミダゾール340mg(2.09mmol)を加え、室温で30分攪拌した後、ジメチルアミン50%水溶液1ml(9.87mmol)を加え、室温で1日攪拌した。溶媒を留去後、残渣を酢酸エチルで抽出し、10%−塩酸、飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥し溶媒を留去した後、残渣をジエチルエーテルでトリチレートし標記化合物620mg(93%)を結晶として得た。融点:162−163℃ (エーテル);
IRスペクトル(KBr)cm−1: 3447, 3270, 2953, 1651, 1522, 1485, 1420, 1397,1219, 1011;
NMRスペクトル(400MHz,CDCl3)δppm: 1.08(3H,t,J=7.4Hz), 1.42(9H,s), 2.20(2H,q,J=7.4Hz), 2.28(6H,s), 2.96(3H,s), 3.03(3H,s), 3.68(2H,s), 3.74(3H,s), 4.42(2H,s), 6.90(2H,s), 7.08(1H,d,J=8.2Hz), 7.36(1H,d,J=8.2Hz), 7.38(1H,d,J=8.2Hz), 8.41(1H,brs)。
【0202】
実施例12
{ N −[(2−t−ブチル−5−ジメチルカルバモイルメチルフェニル)カルバモイルメチル]− N −(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)}プロピオン酸アミド(例示化合物番号:40)
実施例11で得られた化合物0.95g(1.97mmol)を用いて実施例3と同様の方法によって、標記化合物0.88g(96%)を結晶として得た。
融点:150−150.5℃(エーテル);
IRスペクトル(KBr)cm−1: 3277, 2966, 1636, 1488, 1400, 1303, 1209;
NMRスペクトル(400MHz, CDCl3)δppm: 1.07(3H,t,J=7.4Hz), 1.43(9H,s), 2.17(6H,s), 2.18(2H,q,J=7.5Hz), 2.96(3H,s), 3.03(3H,s), 3.68(2H,s), 4.46(2H,s), 5.93(1H,s), 6.80(1H,s), 7.09(1H,dd,J=1.6Hz,J=8.2Hz), 7.36(1H,d,J=8.2Hz), 7.40(1H,d,J=1.6Hz), 8.56(1H,brs)。
【0203】
実施例13
4−t−ブチル−3−{2−[ヘプタノイル−(4−ヒドロキシ−3、5−ジメチルフェニル)アミノ]アセチルアミノ}フェニル酢酸(例示化合物番号:180)
参考例18で得られた化合物1.54g(3.02mmol)を用いて実施例1と同様の方法によって、標記化合物1.47g(98%)を結晶として得た。
融点:175.5−176.5℃(酢酸エチル);
IRスペクトル(KBr)cm−1:3289, 2957, 1675, 1633, 1488, 1423, 1316, 1205, 1082;
NMRスペクトル(400MHz, CD3OD)δppm: 0.84(3H,t,J=7.0Hz), 1.15 ̄1.27(6H,m), 1.31(9H,s), 1.51 ̄1.58(2H,m), 2.17(2H,q,J=8.0Hz), 2.20(6H,s), 3.55(2H,s), 4.45(2H,s), 7.00(2H,s), 7.03(1H,d,J=1.8Hz), 7.17(1H,dd,J=1.8Hz,J=8.2Hz), 7.39(1H,d,J=8.2Hz)。
【0204】
実施例14
3−{2−[ブチリル−(4−メトキシ−3、5−ジメチルフェニル)アミノ]アセチルアミノ}−4−t−ブチル−N−メチルベンズアミド(例示化合物番号:260)
実施例4で得られた化合物2.8g(6.2mmol)を用いて実施例2と同様の方法によって、標記化合物2.8g(97%)を結晶として得た。
融点:165.5−166.0℃;
IRスペクトル(CHCl3)cm−1: 3692, 3464, 3329, 2967, 2876, 1659, 1537, 1483, 1417, 1306, 1010;
NMRスペクトル(400MHz,CDCl3)δppm: 0.87(3H,tri,J=7.4Hz), 1.44(9H,s), 1.58〜1.67(2H,m), 2.16(2H,tri,J=7.4Hz), 2.29(6Hs), 2.97(3H,d,J=4.8Hz), 3.75(3H,s), 4.43(2H,s), 6.24(1H,brs), 6.90(2H,s), 7.48(1H,d,J=8.1Hz), 7.63(1H,d,J=8.1Hz), 7.88(1H,s), 8.52(1H,brs)。
【0205】
実施例15
3−{2−[ブチリル−(4−ヒドロキシ−3、5−ジメチルフェニル)アミノ]アセチルアミノ}−4−t−ブチル−N−メチルベンズアミド(例示化合物番号:59)
実施例14で得られた化合物570mg(1.2mmol)を用いて実施例3と同様の方法によって、標記化合物493mg(89%)を結晶として得た。
融点:151.0−152.0℃;
IRスペクトル(KBr)cm−1: 3317, 2964, 2874, 1641, 1559, 1488, 1413, 1318,1205, 1080;
NMRスペクトル(400MHz,CDCl3)δppm: 0.86(3H,tri,J=7.5Hz), 1.44(9H,s), 1.56〜1.65(2H,m), 2.15(2H,tri,J=7.5Hz), 2.22(6H,s), 2.97(3H,d,J=5.0Hz), 4.43(2H,brs), 5.35(1H,brs), 6.31(1H,brs), 6.84(2H,s), 7.48(1H,d,J=8.0Hz),7.62(1H,d,J=8.0Hz), 7.88(1H,s), 8.59(1H,brs)。
【0206】
参考例1
2−メトキシ−1,3−ジメチル−4−ニトロベンゼン
2,6−ジメチル−4−ニトロフェノール50.55g(302.4mmol)のジメチルホルムアミド500ml溶液に窒素気流下、炭酸カリウム125.4g(907.2mmol)を加え、室温で30分撹拌した後、ヨウ化メチル28.2ml (453.6mmol)を滴下し、室温で3.5時間攪拌した。反応液に水を加え、溶媒を留去した。残渣に水を加えてジエチルエーテルで抽出し、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。残渣にヘキサンを加えてトリチレートした後、エーテルで洗浄し、標記化合物49.38g(90%)を淡黄色結晶として得た。
融点:90℃;
IRスペクトル (KBr pellet)cm−1: 2966, 1518, 1346, 1231, 1004;
NMRスペクトル (400MHz, CDCl3)δppm: 2.36 (6H,s), 3.79 (3H,s), 7.92 (2H,s)。
【0207】
参考例2
4 −メトキシ−3,5−ジメチルフェニルアミン
参考例1で得られた2−メトキシ−1,3−ジメチルニトロベンゼン49.37g(27.25mmol)のメタノール500ml溶液に10%パラジウム炭素触媒4.0gを加え、水素気流下、室温で7.5時間攪拌した。10%パラジウム炭素触媒をセライト濾過により除いた後、溶媒を留去した。残渣をヘキサンを用いてトリチレートし、標記化合物38.28g(93%)を淡褐色結晶として得た。
融点:58〜59.5℃;
IRスペクトル(KBr pellet)cm−1: 3401, 3324, 2949, 1640, 1487, 1291, 1017;
NMRスペクトル(400MHz, CDCl3)δppm: 2.20(6H,s), 3.40(2H,brs), 3.65(3H,s), 6.35(2H,s)。
【0208】
参考例3
4−t−ブチル−3−(2−クロロアセチルアミノ)安息香酸 メチルエステル3−アミノ−4−t−ブチル安息香酸 メチルエステル19.3g(93.283mmol)のジクロロメタン100ml溶液に、トリエチルアミン39.1ml(279.85mmol)と触媒量のジメチルアミノピリジンを加え、0℃に冷却後クロロ酢酸クロリド14.9ml(186.57mmol)を滴下した。室温で一晩攪拌した後、トリエチルアミン39.1ml(279.85mmol)を加え、0℃に冷却後クロロ酢酸クロリド7.40ml(93.283mmol)を滴下し、室温で1時間攪拌した。溶媒を留去後、残渣を酢酸エチルで抽出し、10%−塩酸、飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=2/1)に付し溶媒を留去した。残渣を酢酸エチルで再結晶し、標記化合物18.0g(68%)を結晶として得た。
融点:121.3−122.3℃;
IRスペクトル(CHCl3)cm−1: 3429, 2972, 2877, 1721, 1687, 1529, 1515, 1438, 1410, 1303, 1272, 1125;
NMRスペクトル(400MHz,CDCl3)δppm: 1.45(9H,s), 3.90(3H,s), 4.29(2H,s),7.50(1H,d,J=8.3Hz), 7.86(1H,dd,J=2.0Hz,J=8.3Hz), 8.30(1H,d,J=2.0Hz), 8.46(1H,brs)。
【0209】
参考例4
4−t−ブチル−3−[2−(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニルアミノ)アセチルアミノ]安息香酸 メチルエステル
参考例3で得られた化合物20.6g(72.746mmol)、よう化カリウム10.98g(66.113mmol)と参考例2で得られた4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニルアミン10.0g(66.133mmol)のN、N−ジメチルホルムアミド200ml溶液に、N、N−ジイソプロピルエチルアミン22.6ml(132.30mmol)を滴下し、室温で一晩攪拌した後90℃で5時間攪拌した。溶媒を留去後、残渣を酢酸エチルで抽出し、水、飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去した後、残渣をシリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=2/1)に付し、標記化合物20.8g(79%)を結晶として得た。
融点:84.0−85.0℃;
IRスペクトル(CHCl3)cm−1: 3419, 3375, 2955, 1721, 1683, 1611, 1530, 1495, 1302, 1126, 1010;
NMRスペクトル(400MHz,CDCl3)δppm: 1.28(9H,s), 2.24(6H,s), 3.66(3H,s),3.90(3H,s), 3.93(2H,d,J=5.5Hz), 4.19(1H,tri,J=5.5Hz), 6.39(2H,s), 7.43(1H,d,J=8.2Hz), 7.79(1H,dd,J=1.8Hz), 8.50(1H,d,J=1.8Hz), 8.92(1H,s)。
【0210】
参考例5
メタンスルホン酸 4−t−ブチル−3−ニトロベンジルエステル
(4−t−ブチル−3−ニトロフェニル)メタノール5.06g(24.28mmol)のジクロロメタン60ml溶液に窒素気流下、トリエチルアミン5.4ml(38.69mmol)を加え、−10℃に冷却後メタンスルホン酸クロリド3.0ml(38.69mmol)を滴下し、−10℃で2時間攪拌した。溶媒を留去後、残渣を酢酸エチルで抽出し、飽和塩化アンモニウム水溶液、飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=4/1)に付し溶媒を留去し、標記化合物6.67g(96%)を得た。
IRスペクトル (liquid film)cm−1: 2972, 2917, 2878, 1535, 1361, 1177;
NMRスペクトル(400MHz, CDCl3)δppm: 1.41(9H,s), 3.03(3H,s), 5.22(2H,s), 7.37(1H,d,J=1.9Hz), 7.49(1H,dd,J=1.9Hz,J=8.3Hz), 7.61(1H,d,J=8.3Hz)。
【0211】
参考例6
(4−t−ブチル−3−ニトロフェニル)アセトニトリル
参考例5で得られたメタンスルホン酸 4−t−ブチル−3−ニトロベンジルエステル5.31g(18.48mmol)のジメチルホルムアミド溶液45ml溶液を窒素気流下、−10℃に冷却し、よう化ナトリウム4.43g(29.57mmol)、シアン化カリウム1.93g(29.57mmol)を加え、室温で7時間攪拌した。酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=6/1)に付し溶媒を留去し、標記化合物3.32g(82%)を結晶として得た。
融点:58.5−60℃ (酢酸エチル:ヘキサン);
IRスペクトル(KBr)cm−1: 2972, 2916, 2255, 1528, 1372, 1252, 1064;
NMRスペクトル(400MHz, CDCl3)δppm: 1.40(9H,s), 3.77(2H,s), 7.28(1H,d,J=2.0Hz), 7.44(1H,dd,J=2.0Hz,J=8.2Hz), 7.59(1H,d, J=8.2Hz)。
【0212】
参考例7
(4−t−ブチル−3−ニトロフェニル)酢酸
参考例6で得られた(4−t−ブチル−3−ニトロフェニル)アセトニトリル3.29g(15.07mmol)水25ml溶液に硫酸25mlを加え、2.5時間加熱還流した。酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ジクロロメタン/メタノール=20/1)に付し溶媒を留去し、標記化合物3.30g(92%)を無色の結晶として得た。
融点:156.5〜158℃(酢酸エチル−ヘキサン);
IRスペクトル(KBr)cm−1:2976, 2910, 2658, 2570, 1720, 1531, 1372, 1244;NMRスペクトル(400MHz, CDCl3)δppm: 1.39(9H,s), 3.66(2H,s), 7.26(1H,d,J=2.0Hz), 7.36(1H,dd,J=2.0Hz,J=8.3Hz), 7.52(1H,d,J=8.3Hz)。
【0213】
参考例8
(4−t−ブチル−3−ニトロフェニル)酢酸 メチルエステル
参考例7で得られた(4−t−ブチル−3−ニトロフェニル)酢酸3.27g(13.78mmol)のジクロロメタン50ml溶液を窒素気流下、0℃に冷却し、オキザリルクロリド1.9ml(22.05mmol)、触媒量のジメチルホルムアミドを加え、室温で2時間攪拌した。溶媒を留去し、トルエンで共沸した後、再びジクロロメタン50ml溶液とし、窒素気流下、メタノール0.9ml(22.05mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。溶媒を留去後、残渣を酢酸エチルで抽出し、飽和塩化アンモニウム水溶液、飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=5/1)に付し溶媒を留去し、標記化合物3.19g(92%)を無色の結晶として得た。
融点:98−99℃(酢酸エチル−ヘキサン);
IRスペクトル(KBr)cm−1:2978, 2882, 1731, 1532, 1372, 1346, 1231, 1192, 998;
NMRスペクトル(400MHz, CDCl3)δppm: 1.39(9H,s), 3.63(2H,s), 3.72(3H,s), 7.25(1H,d,J=1.8Hz), 7.36(1H,dd,J=1.8Hz,J=8.3Hz), 7.50(1H,d,J=8.3Hz)。
【0214】
参考例9
(3−アミノ−4−t−ブチルフェニル)酢酸 メチルエステル
参考例2と同様の方法によって、参考例8で得られた(4−t−ブチル−3−ニトロフェニル)酢酸 メチルエステル2.62g(10.4mmol)を用いて、標記化合物2.30g(100%)を得た。
IRスペクトル(liquid film)cm−1: 3494, 3385, 2955, 1736, 1624, 1426, 1258, 1156, 1017;
NMRスペクトル(400MHz, CDCl3)δppm: 1.40(9H,s), 3.50(2H,s), 3.68(3H,s), 3.81(2H,brs), 6.57(1H,d,J=1.7Hz), 6.64(1H,dd,J=1.7Hz,J=8.0Hz), 7.17(1H,d,J=8.0Hz)。
【0215】
参考例10
[4−t−ブチル−3−(2−クロロアセチルアミノ)フェニル]酢酸 メチルエステル
参考例3と同様の方法によって、参考例9で得られた(3−アミノ−4−t−ブチルフェニル)酢酸 メチルエステル8.07g(36.5mmol)を使用して、標記化合物10.50g(97%)を結晶として得た。
融点:78−79℃;
IRスペクトル(KBr)cm−1: 3252, 2971, 1749, 1661, 1533, 1437, 1348, 1201,1169;
NMRスペクトル(400MHz, CDCl3)δppm: 1.42(9H,s), 3.62(2H,s), 3.70(3H,s), 4.25(2H,s), 7.12(1H,dd,J=1.9Hz, J=8.2Hz), 7.37(1H,d,J=8.2Hz), 7.62(1H,d,J=1.9Hz), 8.43(1H,brs)。
【0216】
参考例11
{4−t−ブチル−3−[2−(4−メトキシ−3、5−ジメチルフェニルアミノ)アセチルアミノ]フェニル}酢酸 メチルエステル
参考例4と同様の方法によって、参考例10で得られた[4−t−ブチル−3−(2−クロロアセチルアミノ)フェニル]酢酸 メチルエステル1.41g(4.74mmol)を用いて、標記化合物1.86g(95%)を得た。
IRスペクトル(Thin film)cm−1: 3360, 2954, 1738, 1677, 1528, 1424, 1227,1162, 1014;
NMRスペクトル(400MHz, CDCl3)δppm: 1.24 (9H, s), 2.23(6H,s), 3.62(2H,s), 3.65(3H,s), 3.69(3H,s), 3.89(2H,d,J=5.4Hz), 4.18(1H,t,J=5.4Hz), 6.37(2H,s), 7.41(1H,dd,J=1.8Hz,J=8.2Hz), 7.30(1H,d,J=8.2Hz), 7.84(1H,d,J=1.8Hz), 8.89(1H,brs)。
【0217】
参考例12
4−t−ブチル−3−{2−[(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)−ペンタノイルアミノ]アセチルアミノ}安息香酸 メチルエステル
参考例4で得られた4−t−ブチル−3−[2−(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニルアミノ)アセチルアミノ]安息香酸 メチルエステル3.0g(7.528mmol)のジメチルアセトアミド30ml溶液を、0℃に冷却後、ペンタン酸クロリド1.34ml(11.292mmol)を滴下した。室温で3時間攪拌し、溶媒を留去後、残渣を酢酸エチルで抽出し、飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥し溶媒を留去した後、残渣をヘキサン−酢酸エチルで再結晶し、標記化合物2.6g(72%)を結晶として得た。
融点:152.5−153.5℃;
IRスペクトル(CHCl3)cm−1: 3320, 2960, 2874, 1720, 1687, 1633, 1483, 1438, 1304, 1125, 1009;
NMRスペクトル(400MHz,CDCl3)δppm: 0.82(3H,tri,J=7.3Hz), 1.20〜1.30(2H,m), 1.46(9H,s), 1.54〜1.62(2H,m), 2.30,(6H,s), 3.75(3H,s), 3.88(3H,s), 4.45(2H,s), 6.90(2H,s), 7.49(1H,d,J=8.3Hz), 7.83(1H,dd,J=1.7Hz,J=8.3Hz),
8.13(1H,d,J=1.7Hz), 8.53(1H,s)。
【0218】
参考例13
4−t−ブチル−3−{2−[ブチリル−(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)アミノ]アセチルアミノ}安息香酸 メチルエステル
参考例11で得られた{4−t−ブチル−3−[2−(4−メトキシ−3、5−ジメチルフェニルアミノ)アセチルアミノ]フェニル}酢酸 メチルエステル1.50g(3.64mmol)と酪酸クロリドを用い、参考例12と同様の方法によって、標記化合物10,9g(89%)を得た。
IRスペクトル(CHCl3)cm−1: 3306, 2966, 2874, 1643, 1525, 1489, 1413, 1318, 1237, 1205, 997, 768;
NMRスペクトル(400MHz,CDCl3)δppm: 0.826(3H,tri,J=7.3Hz), 1.28(9H,s), 1.54〜1.64(2H,m), 2.10(2H,tri,J=7.3Hz), 2.25(6H,s), 3.73(3H,s), 3.89(3H,s), 4.72(2H,brs), 6.96(2H,s), 7.63(1H,d,J=2.0Hz), 7.66(1H,d,J=8.6Hz), 8.00(1H,dd,J=2.0Hz,J=8.6Hz)。
【0219】
参考例14
3−{2−[アセチル−(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)アミノ]アセチルアミノ}−4−t−ブチル安息香酸 メチルエステル
参考例4で得られた4−t−ブチル−3−[2−(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニルアミノ)アセチルアミノ]安息香酸 メチルエステル1.50g(3.64mmol)とアセチルクロリドを用い、参考例12と同様の方法によって、標記化合物2.8g(77%)を結晶として得た。
融点:212.5−213.0℃(酢酸エチル−ヘキサン);
IRスペクトル(KBr)cm−1: 3225, 2955, 1726, 1664, 1528, 1485, 1302, 1225,1121, 1008, 770;
NMRスペクトル(400MHz,CDCl3)δppm: 1.46(9H,s), 1.99(3H,s), 2.30(6H,s),3.75(3H,s), 3.89(3H,s), 4.45(2H,s), 6.92(2H,s), .50(1H,d,J=8.3Hz), 7.83(1H,dd,J=1.8Hz,J=8.3Hz), 8.15(1H,d,J=1.8Hz), 8.51(1H,s)。
【0220】
参考例15
{(4−t−ブチル−3−{2−[(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)−プロピオニルアミノ]アセチルアミノ}フェニル}酢酸 メチルエステル
参考例11で得られた{4−t−ブチル−3−[2−(4−メトキシ−3、5−ジメチルフェニルアミノ)アセチルアミノ]フェニル}酢酸 メチルエステル1.50g(3.64mmol)とプロピオン酸クロリドを用い、参考例12と同様の方法によって、標記化合物1.40g(82%)を結晶として得た。
融点:156−157℃(エーテル);
IRスペクトル(KBr)cm−1: 3260, 2953, 1740, 1664, 1485, 1421, 1220, 1165,1012;
NMRスペクトル(400MHz, CDCl3)δppm: 1.09(3H,t,J=7.4Hz), 1.42(9H,s), 2.20(2H,q,J=7.4Hz), 2.28(6H,s), 3.60(2H,s), 3.69(3H,s), 3.74(3H,s), 4.43(2H,s), 6.90(2H,s), 7.10(1H,dd,J=1.6Hz,J=8.2Hz), 7.37(1H,d,J=8.2Hz), 7.46(1H,d,J=1.6Hz), 8.43(1H, brs)。
【0221】
参考例16
{4−t−ブチル−3−{2−[ブチリル−(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)アミノ]アセチルアミノ}フェニル}酢酸 メチルエステル
参考例11で得られた{4−t−ブチル−3−[2−(4−メトキシ−3、5−ジメチルフェニルアミノ)アセチルアミノ]フェニル}酢酸 メチルエステル472mg(1.14mmol)と酪酸クロリドを用い、参考例12と同様の方法によって、標記化合物519mg(94%)を結晶として得た。
融点:137−138℃ (酢酸エチル−ヘキサン);
IRスペクトル(KBr)cm−1: 3262, 2958, 1741, 1663, 1485, 1420, 1219, 1164,1081, 1012;
NMRスペクトル(400MHz, CDCl3)δppm: 0.87(3H,t,J=7.4Hz), 1.43(9H,s), 1.58 ̄1.67(2H,m), 2.15(2H,t,J=7.5Hz), 2.29(6H,s), 3.60(2H,s), 3.65(3H,s), 3.69(3H,s), 3.75(3H,s), 4.43(2H,s), 6.90(2H,s), 7.10(1H,dd,J=1.4Hz,J=8.1Hz), 7.37(1H,d,J=8.1Hz), 7.44(1H,d,J=1.4Hz), 8.41(1H,.brs)。
【0222】
参考例17
{4−t−ブチル−3−{2−[ヘプタノイル−(4−メトキシ−3、5−ジメチルフェニル)アミノ]アセチルアミノ}フェニル}酢酸 メチルエステル
参考例11で得られた{4−t−ブチル−3−[2−(4−メトキシ−3、5−ジメチルフェニルアミノ)アセチルアミノ]フェニル}酢酸 メチルエステル1.80g(4.36mmol)とヘプタン酸クロリドを用い、参考例12と同様の方法によって、標記化合物2.02g(83%)を得た。
融点:125℃ (エーテル);
IRスペクトル(KBr)cm−1: 3241, 2954, 2862, 1743, 1658, 1537, 1487, 1417,1224, 1161;
NMRスペクトル(400MHz, CDCl3)δppm: 0.83 (3H,t,J=7.0Hz), 1.15 ̄1.28(6H,m), 1.43(9H,s), 1.55 ̄1.62(2H,m), 2.16(2H,t,J=7.5Hz), 2.29(6H,s), 3.60(2H,s), 3.69(3H,s), 3.75(3H,s), 4.43(2H,s), 6.90(2H,s), 7.10(1H,dd,J=1.8Hz,J=8.1Hz), 7.37(1H,d,J=8.1Hz), 7.44(1H,d,J=1.8Hz), 8.41(1H,brs)。
【0223】
参考例18
{4−t−ブチル−3−{2−[ヘプタノイル−(4−ヒドロキシ−3、5−ジメチルフェニル)アミノ]アセチルアミノ}フェニル}酢酸 メチルエステル
参考例17で得られた{4−t−ブチル−3−{2−[ヘプタノイル−(4−メトキシ−3、5−ジメチルフェニル)アミノ]アセチルアミノ}フェニル}酢酸 メチルエステル1.75g(3.34mmol)を用いて、実施例8と同様にして、標記化合物1.71g(99%)を得た。
融点:145−145.5℃(エーテル);
IRスペクトル(KBr)cm−1: 3269, 2955, 2871, 1741, 1673, 1635, 1525, 1488,1435, 1317, 1238, 1202;
NMRスペクトル(400MHz, CDCl3)δppm: 0.82(3H,t,J=7.0Hz), 1.14 ̄1.28(6H,m), 1.44(9H,s), 1.53 ̄1.60(2H,m), 2.14(2H,t,J=7.6Hz), 2.17(6H,s), 3.60(2H,s), 3.70(3H,s), 4.48(2H,s), 5.86(1H,brs), 6.80(2H,s), 7.11(1H,dd,J=1.8Hz,J=8.2Hz), 7.38(1H,d,J=8.2Hz), 7.43(1H,d,J=1.8Hz), 8.60(1H,brs)。
【0224】
試験例1
血清コレステロールの測定
雄性syrian Hamster (日本SLC、8週令、110−130g体重)を1週間馴化した後、各群の体重の平均が均一になるように群分けを行った(各群n=6)。各化合物をPropylene glycol : Tween 80=4: 1溶液に懸濁・調製し、2ml/kg体重の割合で7日間連続投与した。Control群はPropylene glycol : Tween 80=4: 1溶液のみを投与した。最終投与の次の日の朝から絶食を行い、4時間後にエーテル麻酔下で腹部大動脈から採血を行った。40分間室温放置後、遠心分離(2000×g, 15分, 4℃)を行い、血清を得た。血清脂質の濃度測定は、オートアナライザー(日立工機)で行った。データは、各群における血清コレステロールの平均値を算出し、controlに対する変化率で表記し、結果を表2に示す。
【0225】
【表2】
化合物(投与量) 血清コレステロール低下(%)
実施例6(3mg/kg) 22.3
本試験の結果、本発明の化合物は、特開平11−158133号記載の化合物よりも優れた血清コレステロール低下作用を示した。
【0226】
試験例2
ACAT阻害活性
(1)β−Very low density lipoprotein(以下、β−VLDLと略す。)の調製
2%コレステロール食を2週間負荷した日本白色種ウサギを1晩絶食し、エチレンジアミンテトラ酢酸(最終濃度:5mM、以下、EDTAと略す。)を抗凝固剤として採血を行った。得られた血漿より、HatchおよびLees等の方法 [Hatch, FT.and Lees, RS., Adv.Lipid Res., 6, 1−68, (1968).]に従い、β−VLDL(d<1.006g/ml)を調製し、150mM塩化ナトリウムを含む10mMリン酸ナトリウム緩衝剤(pH7.4)により透析して(4℃)実験に使用した。
(2)マクロファージの調製
マクロファージ(以下、Mφと略す。)を、EdelsonおよびCohn等の方法
[Edelson, PJ. and Cohn, ZA., 1976, in IN VITRO Methods in Cell−Mediated and Tumor Immunity, eds. Bloon, BR and David, JR.,(Academic, New York), 330−340.]に従い、雌DDYマウス(体重20−30g)の腹腔より生理食塩水(以下、PBSと略す。)を用いて集めた。これらをプールし、4℃、400×gで10分間遠心分離することによりMφを集めた後、PBSを加え、再度遠心分離することにより、Mφを洗浄した。Mφを10%(vol/vol)子牛血清(FCS)、ペニシリン(100units/ml)及びストレプトマイシン(100μg/ml)を含む Dulbecco’smodified Eagle’s 培地(DMEM)に、細胞数が3×106 cells/mlになるように懸濁した。この細胞懸濁液1mlずつを35×10mmのプラスチックのペトリ皿に接種し、CO2インキュベーター(5%CO2/95%air)に移し、37℃で2時間培養を行った。PBSで2度洗浄を行った後、実験に使用した。
(3)MφにおけるACAT阻害活性の測定
MφにおけるACAT阻害活性は、Brown等の方法 [Brown, MS., Goldstein JL., Krieger, M., Ho,YK. and Anderson, RGW. (1979), J.Cell Biol., 82, 597−613]に従って測定した。β−VLDL(最終濃度:50μgコレステロール/ml)、
[14C]oleate/アルブミン(最終濃度:0.2mMオレイン酸、0.6mg/mlアルブミン)およびエタノールに溶解した試験化合物をMφに添加した後、CO2インキュベーターで3時間培養した。細胞をPBSを用いて3回洗浄した後、1mlのヘキサン/イソプロパノール(3:2, vol/vol)により脂質を抽出した。抽出物を窒素気流下で蒸発乾固させた後、シリカゲル薄層クロマトグラフィーを用い、ヘキサン:ジエチルエーテル:酢酸=85:15:1の展開溶媒により、Cholesteryl[14C]oleateを分画した。対照群と試験化合物添加群における Cholesteryl[14C]oleate画分の放射活性を比較することにより、ACAT活性を50%阻害するのに必要な試験化合物の濃度IC50を算出した。結果を表3に示す。本試験の結果、本発明の化合物は、優れたACAT阻害作用を有することが明らかである。
【0227】
【表3】
化合物 IC50(μg/ml)
実施例14 0.009
。
【0228】
試験例3
大動脈病変面積の測定
12週齢の雄性アポリポプロテインE欠損マウスをコントロール群及び試験化合物投与群の2群(各群8−9例)にわけ、12週間、試験化合物投与群には、vehicle (プロピレングリコール:Tween 80=4:1)に溶解した試験化合物を強制経口投与し、コントロール群には、vehicleのみを投与した。12週目に動物を解剖し、心臓および大動脈弓部を摘出した。大動脈弁部のパラフィンブロック標本の作製は以下の方法で行った。脱水およびパラフィン浸透は自動包埋装置(製品名:サクラ密閉式自動包埋装置ETP−120AZ,サクラ精機)を、大動脈弁部の包埋は包埋センター(製品名:Tissue−Tek II, サクラ精機)を使用した。滑走式ミクロトーム(製品名:滑走式ミクロトームTU−113,大和光機工業)を用いて、連続薄切切片(5(m)を作製した。連続10枚切片を1単位として合計4単位を用いて評価を行った。上記作製した連続切片をエラスチカマッソン染色後、画像を顕微鏡に接続したデジタルカメラ(製品名:デジタルCCDカメラ HC−2500,フジ写真フィルム株式会社)を用いて撮影した。解析ソフト(製品名:Qwin,ライカ社)を用いて動脈硬化病変面積を計測し、4枚の平均値を表示した。結果を表4に示す。
【0229】
【表4】
化合物(投与量) 動脈硬化病変面積(μm2)
実施例6(30mg/kg) 3.5×104
........................................................
コントロール群 9.7×104
本発明の化合物投与群における動脈硬化病変面積は、コントロール群に比べて著しく減縮されたことから、本発明の化合物は、優れた抗動脈硬化作用を有することが明らかである。
【0230】
試験例4
副腎毒性の測定
実施例6の化合物36 mgをN,N−Dimethylacetamide 72μlに溶解し、Polyethylene Glycol 400 2378μlを加えることで15 mg/ml溶液を作製した。エーテル麻酔したHartrey系モルモット(雄性、5週令、300−400 g)の総頚静脈を露出させ、その部位から上記薬剤溶液を2 ml/kgの割合で投与した(30 mg/kg)。一週間通常飼育した後、エーテル麻酔下で腹部大動脈より放血し致死させた。副腎を摘出した後、直ちに生理食塩水で洗浄し、10%ホルマリン固定液中で固定した。固定後、常法に従いパラフィンブロックに包埋、ミクロトームを用いて薄切し、未染色標本を作製した。上記標本を、HE染色し、病理学的評価を行った。その結果、副腎毒性が著しく低いことが明らかとなった。
【0231】
製剤例1
ハードカプセル剤
標準二分式ハードゼラチンカプセルの各々に、100mgの粉末状の実施例6の化合物、150mgのラクトース、50mgのセルロース及び6mgのステアリン酸マグネシウムを充填することにより、単位カプセルを製造し、洗浄後、乾燥する。
【0232】
【発明の効果】
本発明の前記一般式(I)を有するアミド誘導体、その薬理上許容される塩、そのエステル又はその他の誘導体を有効成分として含有する医薬組成物は、優れたLDL酸化抑制作用及びACAT阻害作用を有し、且つ優れた経口吸収性を示し、副作用(特に、副腎毒性)が低く、安全域(薬効と毒性発現の濃度差)が広いため、高脂血症又は動脈硬化性疾患の治療剤又は予防剤(特に、治療剤)として有用である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、優れた低比重リポ蛋白(以下、LDLと略す。)酸化抑制作用及びアシルコエンザイム・コレステロール・アシルトランスフェラーゼ(以下、ACATと略す。)阻害作用を有し、高脂血症又は動脈硬化性疾患の治療剤又は予防剤として有用なアミド誘導体、その薬理上許容される塩、そのエステル又はその他の誘導体及びそれらを有効成分として含有する医薬組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
狭心症、心筋梗塞などの虚血性心疾患の成因の中で、最も重要な位置を占めるものが粥状動脈硬化症である。その粥状動脈硬化症の主な原因として、血管内皮細胞下の泡沫細胞がコレステロールエステルを蓄積することが挙げられている。ACAT阻害剤は、この泡沫細胞でのコレステロールエステルの合成を阻害し、コレステロールエステルの蓄積を減少させ、コレステロールエステルの蓄積による粥状病変の形成及び発展を抑制する。一方、粥状動脈化硬化症は高コレステロール血症と相関していることが確立されている。食物中のコレステロールは遊離コレステロールとして、腸管粘膜細胞に吸収され、ACATによってエステル化されて、血液中に移行する。従って、ACAT阻害剤は、食物中のコレステロールの血中への移行を阻害することによって血中コレステロールの上昇を抑制する。このような理由から、ACAT阻害作用を有する化合物は、高脂血症又は動脈硬化性疾患の治療剤及び/又は予防剤として有用である。
【0003】
ACAT阻害作用を有する化合物としては、例えば、特開平11−158133号に記載された下記一般式(A)
【0004】
【化2】
【0005】
[式中、R1aは、ヒドロキシ基を示し、R1b及びR1cは、同一又は異なって、水素原子又はC1−C4アルキル基を示し、R2は、C4−C6アルキル基を示し、R3は、カルボキシ基、カルバモイル基、モノ(C1−C6アルキル)カルバモイル基又はジ(C1−C6アルキル)カルバモイル基等を示し、Aは、単結合又はC1−C4アルキレン基を示す。]を有する化合物が挙げられる。
【0006】
上記化合物(A)は、R2を有する基が炭素原子に置換しているが、本発明の化合物(I)におけるR2を有する基は、窒素原子に置換している点で上記化合物(A)と相違する。
【0007】
更に、上記化合物(A)のR2基はアルキル基であるが、本発明の化合物(I)は、低級アルカノイル基である点でも上記化合物(A)と相違する。
【0008】
また、上記化合物(A)のフェニル基の置換基であるR1aは水酸基のみ示すが、本発明の化合物(I)は、フェニル基の置換基としてR1は水酸基に加え、低級アルコキシ基でもあり得る点で相違する。
【0009】
更に、上記化合物(A)は、フェニル基の置換基であるR1b及びR1cが、水素原子又はC1−C4アルキル基を示すが、本発明の化合物(I)は、フェニル基の必須の置換基として、3位及び5位にメチル基を有する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者等は、LDL酸化抑制作用及びACAT阻害作用を有する化合物の開発を目指し、種々のアミド誘導体の合成とその薬理活性について、永年に亘り鋭意研究をおこなった結果、特異な構造を有するアミド誘導体が、優れたLDL酸化抑制作用及びACAT阻害作用を併せ持ち、且つ優れた経口吸収性を示し、更に副作用(特に、副腎毒性)が低く、安全域(薬効と毒性発現の濃度差)が広いため、高脂血症又は動脈硬化性疾患の治療剤又は予防剤(特に、治療剤)として有用であることを見いだし、本発明を完成した。
【0011】
本出願は、優れたLDL酸化抑制作用及びACAT阻害作用を有するアミド誘導体、その薬理上許容される塩、そのエステル又はその他の誘導体、及び、高脂血症又は動脈硬化性疾患の予防剤又は治療剤として有用な前記アミド誘導体、その薬理上許容される塩、そのエステル又はその他の誘導体それらを有効成分として含有する医薬組成物を提供する。
【0012】
【課題を解決するための手段】
(1) 本発明の医薬組成物の有効成分であるアミド誘導体、その薬理上許容される塩、そのエステル又はその他の誘導体は、下記一般式(I)を有する。
【0013】
【化3】
【0014】
式中、
R1は、ヒドロキシ基又は低級アルコキシ基を示し、
R2は、低級アルカノイル基を示し、
R3は、カルボキシ基、カルバモイル基、モノ(低級アルキル)カルバモイル基又はジ(低級アルキル)カルバモイル基を示し、
Aは、単結合又はC1−C6アルキレン基を示す。
【0015】
上記において、好適には、
(2) (1)において、
R1が、C1−C2アルコキシ基又はヒドロキシ基であるアミド誘導体又はその薬理上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物、
(3) (1)において、
R1が、メトキシ基であるアミド誘導体又はその薬理上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物、
(4) (1)において、
R1が、ヒドロキシ基であるアミド誘導体又はその薬理上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物、
(5) (1)乃至(4)より選択されるいずれか一項において、
R2が、C2−C6アルカノイル基であるアミド誘導体又はその薬理上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物、
(6) (1)乃至(4)より選択されるいずれか一項において、
R2が、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ペンタノイル基又はヘキサノイル基であるアミド誘導体又はその薬理上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物、
(7) (1)乃至(4)より選択されるいずれか一項において、
R2が、プロピオニル基、ブチリル基又はペンタノイル基であるアミド誘導体又はその薬理上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物、
(8) (1)乃至(4)より選択されるいずれか一項において、
R2が、ブチリル基であるアミド誘導体又はその薬理上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物、
(9) (1)乃至(8)より選択されるいずれか一項において、
R3が、カルバモイル基、モノ(低級アルキル)カルバモイル基又はジ(低級アルキル)カルバモイル基であるアミド誘導体又はその薬理上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物、
(10) (1)乃至(8)より選択されるいずれか一項において、
R3が、カルバモイル基、モノ(C1−C2アルキル)カルバモイル基又はジ(C1−C2アルキル)カルバモイル基であるアミド誘導体又はその薬理上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物、
(11) (1)乃至(8)より選択されるいずれか一項において、
R3が、カルバモイル基又はモノ(C1−C2アルキル)カルバモイル基であるアミド誘導体又はその薬理上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物、
(12) (1)乃至(8)より選択されるいずれか一項において、
R3が、カルバモイル基又はモノメチルカルバモイル基であるアミド誘導体又はその薬理上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物、
(13) (1)乃至(12)より選択されるいずれか一項において、
Aが、単結合、メチレン基、エチレン基又はトリメチレン基であるアミド誘導体又はその薬理上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物、
(14) (1)乃至(12)より選択されるいずれか一項において、
Aが、単結合又はメチレン基であるアミド誘導体又はその薬理上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物、
(15) (1)乃至(12)より選択されるいずれか一項において、
Aが、単結合であるアミド誘導体又はその薬理上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物並びに、
(16) (1)において、
{N−[(2−t−ブチル−5−ジメチルカルバモイルメチルフェニルカルバモイル)メチル]−N−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)}プロピオン酸アミド,
4−t−ブチル−3−{2−[ブチリル−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)アミノ]アセチルアミノ}ベンズアミド,
3−{2−[ブチリル−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)アミノ]アセチルアミノ}−4−t−ブチル−N−メチルベンズアミド,
4−t−ブチル−3−{2−[ブチリル−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)アミノ]アセチルアミノ}フェニル酢酸,
4−t−ブチル−3−{2−[(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)−プロピオニルアミノ]アセチルアミノ}フェニル酢酸,
{N−[(2−t−ブチル−5−ジメチルカルバモイルメチルフェニル)カルバモイルメチル]−N−(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)}プロピオン酸アミド,
4−t−ブチル−3−{2−[ブチリル−(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)アミノ]アセチルアミノ}安息香酸,
4−t−ブチル−3−{2−[ブチリル−(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)アミノ]アセチルアミノ}ベンズアミド,
3−{2−[ブチリル−(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)アミノ]アセチルアミノ}−4−t−ブチル−N−メチルベンズアミド,
4−t−ブチル−3−{2−[ブチリル−(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)アミノ]アセチルアミノ}フェニル酢酸及び
4−t−ブチル−3−{2−[(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)−ペンタノイルアミノ]アセチルアミノ}安息香酸
からなる群から選択されるいずれか1つの化合物又はその薬理上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物
を挙げることができる。
【0016】
更に、(2)乃至(4)、(5)乃至(8)、(9)乃至(12)、並びに、(13)乃至(15)から成る群から選択されるいずれか一項を任意に組み合わせた化合物を有効成分として含有する医薬組成物も好適である。そのような化合物としては、例えば、
(2)、(5)、(9)及び(13)から成る群で組み合わせた化合物、
(2)、(6)、(10)及び(14)から成る群で組み合わせた化合物、
(2)、(7)、(11)及び(14)から成る群で組み合わせた化合物、
(3)、(8)、(12)及び(15)から成る群で組み合わせた化合物並びに(4)、(8)、(12)及び(15)から成る群で組み合わせた化合物
を挙げることができる。
【0017】
上記式中、R1の定義における「低級アルコキシ基」は、低級アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、イソペンチル、2−メチルブチル、ネオペンチル、1−エチルプロピル、ヘキシル、イソヘキシル、4−メチルペンチル、3−メチルペンチル、2−メチルペンチル、1−メチルペンチル、3,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル又は2−エチルブチル基のような炭素数1乃至6個の直鎖又は分枝鎖アルキル基)が酸素原子に結合した基を示し、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、ペントキシ、イソペントキシ、2−メチルブトキシ、ネオペントキシ、ヘキシルオキシ、4−メチルペントキシ、3−メチルペントキシ、2−メチルペントキシ、3,3−ジメチルブトキシ、2,2−ジメチルブトキシ、1,1−ジメチルブトキシ、1,2−ジメチルブトキシ、1,3−ジメチルブトキシ又は2,3−ジメチルブトキシ基のような炭素数1乃至6個の直鎖又は分枝鎖アルコキシ基であり、好適には、C1−C4アルコキシ基であり、更に好適には、C1−C2アルコキシ基であり、最も好適には、メトキシ基である。
【0018】
上記式中、R2の定義における「低級アルカノイル基」は、水素原子又は前記低級アルキル基がカルボキシ基に結合した基を示し、例えば、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、s−ブチリル、t−ブチリル、ペンタノイル、イソペンタノイル、2−メチルブチリル、ネオペンタノイル、1−エチルプロピオニル、ヘキサノイル、4−メチルペンタノイル、3−メチルペンタノル、2−メチルペンタノイル、1−メチルペンタノイル、3,3−ジメチルブチリル、2,2−ジメチルブチリル、1,1−ジメチルブチリル、1,2−ジメチルブチリル、1,3−ジメチルブチリル、2,3−ジメチルブチリル、2−エチルブチリル、ペンタノイル又はヘキサノイル基のような炭素数1乃至7個の低級アルカノイル基であり、好適には、C2−C6アルカノイル基であり、より好適には、アセチル、プロピオニル、ブチリル、ペンタノイル又はヘキサノイル基であり、更に好適には、プロピオニル、ブチリル又はペンタノイル基であり、最も好適には、ブチリル基である。
【0019】
上記式中、R3の定義における「モノ(低級アルキル)カルバモイル基」は、前記「低級アルキル基」が1個カルバモイル基に結合した基を示し、例えば、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、プロピルカルバモイル、イソプロピルカルバモイル、ブチルカルバモイル、イソブチルカルバモイル、s−ブチルカルバモイル、t−ブチルカルバモイル、ペンチルカルバモイル、イソペンチルカルバモイル、2−メチルブチルカルバモイル、ネオペンチルカルバモイル、1−エチルプロピルカルバモイル又はヘキシルカルバモイル基のようなモノ(C1−C6アルキル)カルバモイル基であり、好適には、モノ(C1−C4アルキル)カルバモイル基であり、更に好適には、モノ(C1−C2アルキル)カルバモイル基であり、最も好適には、メチルカルバモイル基である。
【0020】
上記式中、R3の定義における「ジ(低級アルキル)カルバモイル基」は、前記「低級アルキル基」が2個カルバモイル基に結合した基を示し、例えば、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジエチルカルバモイル、N−エチル−N−メチルカルバモイル、N,N−ジプロピルカルバモイル、N,N−ジブチルカルバモイル、N,N−ジペンチルカルバモイル又はN,N−ジヘキシルカルバモイル基のようなジ(C1−C6アルキル)カルバモイル基であり、好適には、ジ(C1−C4アルキル)カルバモイル基であり、更に好適には、ジ(C1−C2アルキル)カルバモイル基であり、最も好適には、N,N−ジメチルカルバモイル基である。
【0021】
上記式中、Aの定義における「C1−C6アルキレン基」は、例えば、メチレン、メチルメチレン、エチルメチレン、エチレン、プロピレン、トリメチレン、1−メチルエチレン、ジメチルメチレン、テトラメチレン、1−メチルトリメチレン、2−メチルトリメチレン、3−メチルトリメチレン、1−メチルプロピレン、1,1−ジメチルエチレン、ペンタメチレン、1−メチルテトラメチレン、2−メチルテトラメチレン、3−メチルテトラメチレン、4−メチルテトラメチレン、1,1−ジメチルトリメチレン、2,2−ジメチルトリメチレン、3,3−ジメチルトリメチレン、ヘキサメチレン、1−メチルペンタメチレン、2−メチルペンタメチレン、3−メチルペンタメチレン、4−メチルペンタメチレン、5−メチルペンタメチレン、1,1−ジメチルテトラメチレン、2,2−ジメチルテトラメチレン、3,3−ジメチルテトラメチレン又は4,4−ジメチルテトラメチレン基のような炭素数1乃至6個の直鎖又は分枝鎖アルキレン基であり、好適には、C1−C4アルキレン基であり、更に好適には、メチレン、エチレン又はトリメチレン基であり、最も好適には、メチレン基である。
【0022】
「その薬理上許容される塩」とは、本発明の化合物(I)は、カルボキシ基のような酸性基を有する場合には塩基と反応させることにより、塩にすることができるので、その塩を示す。
【0023】
酸性基に基づく塩としては、好適には、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩のようなアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩のようなアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、鉄塩等の金属塩;アンモニウム塩のような無機塩、t−オクチルアミン塩、ジベンジルアミン塩、モルホリン塩、グルコサミン塩、フェニルグリシンアルキルエステル塩、エチレンジアミン塩、N−メチルグルカミン塩、グアニジン塩、ジエチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン塩、クロロプロカイン塩、プロカイン塩、ジエタノールアミン塩、N−ベンジルフェネチルアミン塩、ピペラジン塩、テトラメチルアンモニウム塩、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩のような有機塩等のアミン塩;及び、グリシン塩、リジン塩、アルギニン塩、オルニチン塩、グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩のようなアミノ酸塩であり、最も好適には、アルカリ金属塩である。
【0024】
本発明の化合物(I)、その薬理上許容される塩、そのエステル又はその他の誘導体は、大気中に放置したり、又は、再結晶をすることにより、水分を吸収し、吸着水が付いたり、水和物となる場合があり、そのような水和物も本発明の塩に包含される。
【0025】
上記における「エステル」とは、本発明の化合物(I)は、エステルにすることができるので、そのエステルをいい、そのようなエステルとしては、「ヒドロキシ基のエステル」及び「カルボキシ基のエステル」を挙げることができ、各々のエステル残基が「一般的保護基」又は「生体内で加水分解のような生物学的方法により開裂し得る保護基」であるエステルをいう。
【0026】
「一般的保護基」とは、加水素分解、加水分解、電気分解、光分解のような化学的方法により開裂し得る保護基をいう。
【0027】
「ヒドロキシ基のエステル」に斯かる「一般的保護基」としては、好適には、前記「低級アルキル基」;ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、ペンタノイル、ピバロイル、バレリル、イソバレリル、オクタノイル、ノナノイル、デカノイル、3−メチルノナノイル、8−メチルノナノイル、3−エチルオクタノイル、3,7−ジメチルオクタノイル、ウンデカノイル、ドデカノイル、トリデカノイル、テトラデカノイル、ペンタデカノイル、ヘキサデカノイル、1−メチルペンタデカノイル、14−メチルペンタデカノイル、13,13−ジメチルテトラデカノイル、ヘプタデカノイル、15−メチルヘキサデカノイル、オクタデカノイル、1−メチルヘプタデカノイル、ノナデカノイル、アイコサノイル、ヘナイコサノイルのようなアルカノイル基、クロロアセチル、ジクロロアセチル、トリクロロアセチル、トリフルオロアセチルのようなハロゲン化アルキルカルボニル基、メトキシアセチルのようなアルコキシアルキルカルボニル基、アクリロイル、プロピオロイル、メタクリロイル、クロトノイル、イソクロトノイル、(E)−2−メチル−2−ブテノイルのような不飽和アルキルカルボニル基等の「低級脂肪族アシル基」(好適には、炭素数1乃至6個の低級脂肪族アシル基である。);ベンゾイル、α−ナフトイル、β−ナフトイルのようなアリ−ルカルボニル基、2−ブロモベンゾイル、4−クロロベンゾイルのようなハロゲン化アリ−ルカルボニル基、2,4,6−トリメチルベンゾイル、4−トルオイルのような低級アルキル化アリ−ルカルボニル基、4−アニソイルのような低級アルコキシ化アリ−ルカルボニル基、4−ニトロベンゾイル、2−ニトロベンゾイルのようなニトロ化アリ−ルカルボニル基、2−(メトキシカルボニル)ベンゾイルのような低級アルコキシカルボニル化アリ−ルカルボニル基、4−フェニルベンゾイルのようなアリ−ル化アリ−ルカルボニル基等の「芳香族アシル基」;メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、s−ブトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニルのような低級アルコキシカルボニル基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、2−トリメチルシリルエトキシカルボニルのようなハロゲン又はトリ低級アルキルシリル基で置換された低級アルコキシカルボニル基等の「アルコキシカルボニル基」;テトラヒドロピラン−2−イル、3−ブロモテトラヒドロピラン−2−イル、4−メトキシテトラヒドロピラン−4−イル、テトラヒドロチオピラン−2−イル、4−メトキシテトラヒドロチオピラン−4−イルのような「テトラヒドロピラニル又はテトラヒドロチオピラニル基」;テトラヒドロフラン−2−イル、テトラヒドロチオフラン−2−イルのような「テトラヒドロフラニル又はテトラヒドロチオフラニル基」;トリメチルシリル、トリエチルシリル、イソプロピルジメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、メチルジイソプロピルシリル、メチルジ−t−ブチルシリル、トリイソプロピルシリルのようなトリ低級アルキルシリル基、ジフェニルメチルシリル、ジフェニルブチルシリル、ジフェニルイソプロピルシリル、フェニルジイソプロピルシリルのような1乃至2個のアリ−ル基で置換されたトリ低級アルキルシリル基等の「シリル基」;メトキシメチル、1,1−ジメチル−1−メトキシメチル、エトキシメチル、プロポキシメチル、イソプロポキシメチル、ブトキシメチル、t−ブトキシメチルのような低級アルコキシメチル基、2−メトキシエトキシメチルのような低級アルコキシ化低級アルコキシメチル基、2,2,2−トリクロロエトキシメチル、ビス(2−クロロエトキシ)メチルのようなハロゲノ低級アルコキシメチル等の「アルコキシメチル基」;1−エトキシエチル、1−(イソプロポキシ)エチルのような低級アルコキシ化エチル基、2,2,2−トリクロロエチルのようなハロゲン化エチル基等の「置換エチル基」;ベンジル、α−ナフチルメチル、β−ナフチルメチル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、α−ナフチルジフェニルメチル、9−アンスリルメチルのような1乃至3個のアリ−ル基で置換された低級アルキル基、4−メチルベンジル、2,4,6−トリメチルベンジル、3,4,5−トリメチルベンジル、4−メトキシベンジル、4−メトキシフェニルジフェニルメチル、2−ニトロベンジル、4−ニトロベンジル、4−クロロベンジル、4−ブロモベンジル、4−シアノベンジルのような低級アルキル、低級アルコキシ、ニトロ、ハロゲン、シアノ基でアリ−ル環が置換された1乃至3個のアリ−ル基で置換された低級アルキル基等の「アラルキル基」;ビニルオキシカルボニル、アリルオキシカルボニルのような「アルケニルオキシカルボニル基」;或いはベンジルオキシカルボニル、4−メトキシベンジルオキシカルボニル、3,4−ジメトキシベンジルオキシカルボニル、2−ニトロベンジルオキシカルボニル、4−ニトロベンジルオキシカルボニルのような、1乃至2個の低級アルコキシ又はニトロ基でアリ−ル環が置換されていてもよい「アラルキルオキシカルボニル基」であり、好適には、低級アルキル基、低級脂肪族アシル基、芳香族アシル基、アラルキル基、アルコキシメチル基又はトリ低級アルキルシリル基であり、より好適には、メチル、ベンジル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、ベンゾイル、ベンジル、メトキシメチル、ナフチル、4−メトキシベンジル、トリメチルシリル又はt−ブチルジメチルシリル基であり、最も好適には、メチル、アセチル、プロピオニル、ブチリル又はベンジル基である。
【0028】
「カルボキシ基のエステル」に斯かる「一般的保護基」としては、好適には、前記「低級アルキル基」;エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−メチル−2−プロペニル、1−メチル−1−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、2−メチル−2−プロペニル、2−エチル−2−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、1−メチル−2−ブテニル、1−メチル−1−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル、1−エチル−2−ブテニル、3−ブテニル、1−メチル−3−ブテニル、2−メチル−3−ブテニル、1−エチル−3−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、1−メチル−2−ペンテニル、2−メチル−2−ペンテニル、3−ペンテニル、1−メチル−3−ペンテニル、2−メチル−3−ペンテニル、4−ペンテニル、1−メチル−4−ペンテニル、2−メチル−4−ペンテニル1−ヘキセニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニル、5−ヘキセニルのような「低級アルケニル基」;エチニル、2−プロピニル、1−メチル−2−プロピニル、2−メチル−2−プロピニル、2−エチル−2−プロピニル、2−ブチニル、1−メチル−2−ブチニル、2−メチル−2−ブチニル、1−エチル−2−ブチニル、3−ブチニル、1−メチル−3−ブチニル、2−メチル−3−ブチニル、1−エチル−3−ブチニル、2−ペンチニル、1−メチル−2−ペンチニル、2−メチル−2−ペンチニル、3−ペンチニル、1−メチル−3−ペンチニル、2−メチル−3−ペンチニル、4−ペンチニル、1−メチル−4−ペンチニル、2−メチル−4−ペンチニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニル、4−ヘキシニル、5−ヘキシニルのような「低級アルキニル基」;トリフルオロメチル、トリクロロメチル、ジフルオロメチル、ジクロロメチル、ジブロモメチル、フルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2,2,2−トリクロロエチル、2−ブロモエチル、2−クロロエチル、2−フルオロエチル、2−ヨードエチル、3−クロロプロピル、4−フルオロブチル、6−ヨードヘキシル、2,2−ジブロモエチルのような「ハロゲノ低級アルキル基」;2−ヒドロキシエチル、2,3−ジヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、3,4−ジヒドロキシブチル、4−ヒドロキシブチルのような「ヒドロキシ低級アルキル基」;アセチルメチルのような「低級脂肪族アシル低級アルキル基」;前記「アラルキル基」;或いは前記「シリル基」であり、好適には、低級アルキル基又はアラルキル基であり、最も好適には、メチル、ベンジル又は4−メトキシベンジル基である。
【0029】
「生体内で加水分解のような生物学的方法により開裂し得る保護基」とは、人体内で加水分解等の生物学的方法により開裂し、フリーの酸又はその塩を生成する保護基をいい、そのような誘導体か否かは、ラットやマウスのような実験動物に静脈注射により投与し、その後の動物の体液を調べ、元となる化合物又はその薬理学的に許容される塩を検出できることにより決定でき、
「ヒドロキシ基のエステル」に斯かる「生体内で加水分解のような生物学的方法により開裂し得る保護基」としては、好適には、ホルミルオキシメチル、アセトキシメチル、ジメチルアミノアセトキシメチル、プロピオニルオキシメチル、ブチリルオキシメチル、ピバロイルオキシメチル、バレリルオキシメチル、イソバレリルオキシメチル、ヘキサノイルオキシメチル、1−ホルミルオキシエチル、1−アセトキシエチル、1−プロピオニルオキシエチル、1−ブチリルオキシエチル、1−ピバロイルオキシエチル、1−バレリルオキシエチル、1−イソバレリルオキシエチル、1−ヘキサノイルオキシエチル、1−ホルミルオキシプロピル、1−アセトキシプロピル、1−プロピオニルオキシプロピル、1−ブチリルオキシプロピル、1−ピバロイルオキシプロピル、1−バレリルオキシプロピル、1−イソバレリルオキシプロピル、1−ヘキサノイルオキシプロピル、1−アセトキシブチル、1−プロピオニルオキシブチル、1−ブチリルオキシブチル、1−ピバロイルオキシブチル、1−アセトキシペンチル、1−プロピオニルオキシペンチル、1−ブチリルオキシペンチル、1−ピバロイルオキシペンチル、1−ピバロイルオキシヘキシルのような1−(「低級脂肪族アシル」オキシ)「低級アルキル基」、シクロペンチルカルボニルオキシメチル、シクロヘキシルカルボニルオキシメチル、1−シクロペンチルカルボニルオキシエチル、1−シクロヘキシルカルボニルオキシエチル、1−シクロペンチルカルボニルオキシプロピル、1−シクロヘキシルカルボニルオキシプロピル、1−シクロペンチルカルボニルオキシブチル、1−シクロヘキシルカルボニルオキシブチルのような1−(「シクロアルキル」カルボニルオキシ)「低級アルキル基」、ベンゾイルオキシメチルのような1−(「芳香族アシル」オキシ)「低級アルキル基」等の1−(アシルオキシ)「低級アルキル基」;メトキシカルボニルオキシメチル、エトキシカルボニルオキシメチル、プロポキシカルボニルオキシメチル、イソプロポキシカルボニルオキシメチル、ブトキシカルボニルオキシメチル、イソブトキシカルボニルオキシメチル、ペンチルオキシカルボニルオキシメチル、ヘキシルオキシカルボニルオキシメチル、シクロヘキシルオキシカルボニルオキシメチル、シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ(シクロヘキシル)メチル、1−(メトキシカルボニルオキシ)エチル、1−(エトキシカルボニルオキシ)エチル、1−(プロポキシカルボニルオキシ)エチル、1−(イソプロポキシカルボニルオキシ)エチル、1−(ブトキシカルボニルオキシ)エチル、1−(イソブトキシカルボニルオキシ)エチル、1−(t−ブトキシカルボニルオキシ)エチル、1−(ペンチルオキシカルボニルオキシ)エチル、1−(ヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル、1−(シクロペンチルオキシカルボニルオキシ)エチル、1−(シクロペンチルオキシカルボニルオキシ)プロピル、1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)プロピル、1−(シクロペンチルオキシカルボニルオキシ)ブチル、1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)ブチル、1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル、1−(エトキシカルボニルオキシ)プロピル、1−(メトキシカルボニルオキシ)プロピル、1−(エトキシカルボニルオキシ)プロピル、1−(プロポキシカルボニルオキシ)プロピル、1−(イソプロポキシカルボニルオキシ)プロピル、1−(ブトキシカルボニルオキシ)プロピル、1−(イソブトキシカルボニルオキシ)プロピル、1−(ペンチルオキシカルボニルオキシ)プロピル、1−(ヘキシルオキシカルボニルオキシ)プロピル、1−(メトキシカルボニルオキシ)ブチル、1−(エトキシカルボニルオキシ)ブチル、1−(プロポキシカルボニルオキシ)ブチル、1−(イソプロポキシカルボニルオキシ)ブチル、1−(ブトキシカルボニルオキシ)ブチル、1−(イソブトキシカルボニルオキシ)ブチル、1−(メトキシカルボニルオキシ)ペンチル、1−(エトキシカルボニルオキシ)ペンチル、1−(メトキシカルボニルオキシ)ヘキシル、1−(エトキシカルボニルオキシ)ヘキシルのような「(低級アルコキシカルボニルオキシ)アルキル基」;(5−フェニル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチル、[5−(4−メチルフェニル)−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル]メチル、[5−(4−メトキシフェニル)−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル]メチル、[5−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル]メチル、[5−(4−クロロフェニル)−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル]メチル、(2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチル、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチル、(5−エチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチル、(5−プロピル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチル、(5−イソプロピル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチル、(5−ブチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルのような「オキソジオキソレニルメチル基」等の「カルボニルオキシ低級アルキル基」:フタリジル、ジメチルフタリジル、ジメトキシフタリジルのような「フタリジル基」:前記「低級脂肪族アシル基」:前記「芳香族アシル基」:「コハク酸のハーフエステル塩残基」:「燐酸エステル塩残基」:「アミノ酸等のエステル形成残基」:カルバモイル基:1乃至2個の低級アルキル基で置換されたカルバモイル基:或いはピバロイルオキシメチルオキシカルボニルのような「1−(アシルオキシ)アルキルオキシカルボニル基」を挙げることができ、最も好適には、カルボニルオキシ低級アルキル基、コハク酸のハーフエステル塩残基又は燐酸エステル塩残基である。
【0030】
一方、「カルボキシ基のエステル」に斯かる「生体内で加水分解のような生物学的方法により開裂し得る保護基」としては、好適には、メトキシエチル、1−エトキシエチル、1−メチル−1−メトキシエチル、1−(イソプロポキシ)エチル、2−メトキシエチル、2−エトキシエチル、1,1−ジメチル−1−メトキシエチル、エトキシメチル、n−プロポキシメチル、イソプロポキシメチル、n−ブトキシメチル、t−ブトキシメチルのような低級アルコキシ低級アルキル基、2−メトキシエトキシメチルのような低級アルコキシ化低級アルコキシ低級アルキル基、フェノキシメチルのような「アリール」オキシ「低級アルキル基」、2,2,2−トリクロロエトキシメチル、ビス(2−クロロエトキシ)メチルのようなハロゲン化低級アルコキシ低級アルキル基等の「アルコキシアルキル基」;メトキシカルボニルメチルのような「「低級アルコキシ」カルボニル「低級アルキル基」」;シアノメチル、2−シアノエチルのような「シアノ「低級アルキル基」;メチルチオメチル、エチルチオメチルのような「「低級アルキル」チオメチル基」;フェニルチオメチル、ナフチルチオメチルのような「「アリール」チオメチル基」;2−メタンスルホニルエチル、2−トリフルオロメタンスルホニルエチルのような「ハロゲンで置換されていてもよい「低級アルキル」スルホニル「低級アルキル基」」;2−ベンゼンスルホニルエチル、2−トルエンスルホニルエチルのような「「アリール」スルホニル「低級アルキル基」」;前記「1−(アシルオキシ)「低級アルキル基」」;前記「フタリジル基」;前記「アリール基」;前記「低級アルキル基」;カルボキシメチルのような「カルボキシアルキル基」;或いはフェニルアラニンのような「アミノ酸のアミド形成残基」であり、最も好適には、アミノ酸のアミド形成残基である。
【0031】
「その他の誘導体」とは、本発明の化合物(I)が、カルボキシ基を有する場合、上記「薬理上許容される塩」及び上記「そのエステル」以外の誘導体にすることができるので、その誘導体を示す。そのような誘導体としては、例えば、アミド基を有する化合物[R3においては、カルバモイル基、モノ(低級アルキル)カルバモイル基及びジ(低級アルキル)カルバモイル基以外のアミド基]を挙げることができる。
【0032】
本発明の一般式(I)を有する化合物の具体例としては、例えば、下記表1に記載の化合物を挙げることができるが、本発明は、これらの化合物に限定されるものではない。なお、表1の化合物は、式(I)の構造式を有する。
【0033】
更に表中の略号は以下の通りである。
Ac : アセチル基
Bu : n−ブチル基
Byr : ブチリル基
Et : エチル基
Hex : ヘキシル基
Hpo : ヘプタノイル基
Hxo : ヘキサノイル基
Me : メチル基
Peo : ペンタノイル基
Pn : n−ペンチル基
Pr : n−プロピル基
Prn : プロピオニル基
Single : 単結合。
【0034】
【表1】
【0035】
【化4】
【0036】
本発明の医薬組成物の有効成分である一般式(I)を有するアミド誘導体において好適な化合物としては、
化合物番号:1−3,5,8−10,12,15−17,19,29−31,33,36−40,50−52,54,57−59,64,72−74,79,102−104,109,117−119,121,124−126,128,135,145−147,149,152−154,156,159−161,163,173−175,180−182,184,187−189,191,201−203,205,208−210,212,229−231,233,236−238,240,258−260,265,273−275,280,318−320,322,325−327,329,333,334,336及び337
であり、更に好適な化合物としては、
化合物番号:2,3,29−31,36−40,57−59,64,72−74,117−119,121,145−147,149,152−154,156,159−161,163,174,175,180−182,184,187−189,191,201−203,205,208,229−231,233,236,240,258−260,265,273,318−320及び322
であり、より好適な化合物としては、
化合物番号:3,40,58,59,72,180,201,203,233,236,240,258,259,260,273及び318
であり、最も好適な化合物としては、
化合物番号40:{N−[(2−t−ブチル−5−ジメチルカルバモイルメチルフェニルカルバモイル)メチル]−N−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)}プロピオン酸アミド,
化合物番号58:4−t−ブチル−3−{2−[ブチリル−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)アミノ]アセチルアミノ}ベンズアミド,
化合物番号59:3−{2−[ブチリル−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)アミノ]アセチルアミノ}−4−t−ブチル−N−メチルベンズアミド,
化合物番号72:4−t−ブチル−3−{2−[ブチリル−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)アミノ]アセチルアミノ}フェニル酢酸,
化合物番号236:4−t−ブチル−3−{2−[(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)−プロピオニルアミノ]アセチルアミノ}フェニル酢酸,
化合物番号240:{N−[(2−t−ブチル−5−ジメチルカルバモイルメチルフェニルカルバモイル)メチル]−N−(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)}プロピオン酸アミド,
化合物番号258:4−t−ブチル−3−{2−[ブチリル−(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)アミノ]アセチルアミノ}安息香酸,
化合物番号259:4−t−ブチル−3−{2−[ブチリル−(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)アミノ]アセチルアミノ}ベンズアミド,
化合物番号260:3−{2−[ブチリル−(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)アミノ]アセチルアミノ}−4−t−ブチル−N−メチルベンズアミド,
化合物番号273:4−t−ブチル−3−{2−[ブチリル−(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)アミノ]アセチルアミノ}フェニル酢酸及び
化合物番号318:4−t−ブチル−3−{2−[(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)−ペンタノイルアミノ]アセチルアミノ}安息香酸
を挙げることができる。
【0037】
【発明の実施の形態】
本発明の医薬組成物の有効成分である化合物(I)は、以下に記載する方法に従って製造することができる。
【0038】
A法は、化合物(I)において、R3がカルボキシ基である化合物(Ia)、及びR3が、カルバモイル基、モノ(低級アルキル)カルバモイル基又はジ(低級アルキル)カルバモイル基である化合物(Ib)を製造する方法である。
【0039】
【化5】
【0040】
式中、R1、R2及びAは、前述したものと同意義を示し、R4は、カルボキシ基の保護基を示し、R5及びR6は、同一又は異なって、水素原子又は低級アルキル基を示し、R1aは、R1基の定義におけるヒドロキシ基が、保護されてもよいヒドロキシ基である他R1の基の定義における基と同様の基を示す。
【0041】
上記において、R1aの定義における「保護されてもよいヒドロキシ基」の「保護基」は、有機合成化学の分野で使用されるヒドロキシ基の保護基であれば特に限定はされないが、例えば、前記「ヒドロキシ基のエステルに斯かる一般的保護基」と同意義を示し、好適には、低級アルキル基、低級脂肪族アシル基、芳香族アシル基、アラルキル基、アルコキシメチル基又はトリ低級アルキルシリル基であり、より好適には、メチル、ベンジル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、ベンゾイル、ベンジル、メトキシメチル、ナフチル、4−メトキシベンジル、トリメチルシリル又はt−ブチルジメチルシリル基であり、最も好適には、メチル、アセチル、プロピオニル、ブチリル又はベンジル基である。
【0042】
上記において、R4の定義における「カルボキシ基の保護基」は、有機合成化学の分野で使用されるカルボキシ基の保護基であれば特に限定はされないが、例えば、前記「カルボキシ基のエステルに斯かる一般的保護基」と同意義を示し、好適には、低級アルキル基又はアラルキル基であり、最も好適には、メチル、ベンジル又は4−メトキシベンジル基である。
【0043】
第A1工程は、一般式(Ia)を有する化合物を製造する工程であり、一般式(II)を有する化合物のR4の定義におけるカルボキシ基の保護基を除去した後、所望によりR1aにおけるヒドロキシ基の保護基を除去することにより行われる。
【0044】
カルボキシ基の保護基の除去はその保護基の種類によって異なるが、一般に有機合成化学の技術において周知の方法、例えば、T.W.Green,(Protective Groups in Organic Synthesis),John Wiley & Sons:J.F.W.McOmis,(Protective Groups in OrganicChemistry),Plenum Pressに記載の方法により以下のように行うことができる。
【0045】
カルボキシル基の保護基が、低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、ヒドロキシ低級アルキル基又は低級脂肪族アシル低級アルキル基である場合には、酸又は塩基で処理することにより除去することができる。
【0046】
上記反応に使用される酸は、例えば、塩酸、硫酸、燐酸又は臭化水素酸である。
【0047】
上記反応に使用される塩基は、化合物の他の部分に影響を与えないものであれば特に限定はないが、例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムのようなアルカリ金属炭酸塩類;炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムのようなアルカリ金属重炭酸塩類;水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウムのようなアルカリ金属水素化物類;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸化物類;リチウムメトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシドのようなアルカリ金属アルコキシド類;又はトリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)のような有機アミン類であり、好適には、アルカリ金属水酸化物類(最も好適には、水酸化ナトリウム)である。
【0048】
尚、塩基による加水分解では異性化が起こることがある。
【0049】
上記反応において使用される不活性溶媒は、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン又はジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル類;メタノ−ル、エタノ−ル、n−プロパノ−ル、イソプロパノ−ル、n−ブタノ−ル、イソブタノ−ル、t−ブタノ−ル、イソアミルアルコ−ル、ジエチレングリコール、グリセリン、オクタノール、シクロヘキサノール、メチルセロソルブのようなアルコ−ル類;水;又は上記有機溶媒と水との混合溶媒であり、好適には、アルコール類又はアルコール類と水の混合溶媒であり、最も好適には、メタノール又はエタノールと水の混合溶媒である。
【0050】
反応温度は、原料化合物、試薬等によって異なるが、通常、−10℃乃至100℃(好適には、30℃乃至80℃)である。
【0051】
反応時間は、原料化合物、試薬、反応温度によって異なるが、通常、30分間乃至12時間(好適には、1時間乃至5時間)である。
【0052】
カルボキシ基の保護基が、アラルキル基又はハロゲノ低級アルキル基である場合は、通常、不活性溶媒中、還元により除去される。
【0053】
還元方法としては、カルボキシ基の保護基がハロゲノ低級アルキル基である場合には、亜鉛−酢酸のような化学的還元による方法が好適であり、アラルキル基である場合には、パラジウム炭素、白金のような触媒を用い接触還元による方法を行なうか又は硫化カリウム、硫化ナトリウムのようなアルカリ金属硫化物を用いて、化学的還元による方法により実施される。
【0054】
上記反応に使用される不活性溶媒は、本反応に関与しないものであれば特に限定はないが、例えば、メタノ−ル、エタノ−ルのようなアルコ−ル類;テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエ−テル類;酢酸のような脂肪酸;又は上記有機溶媒と水との混合溶媒が好適である。
【0055】
反応温度及び反応時間は、原料化合物、溶媒及び還元方法等により異なるが、通常、反応温度は、−20℃乃至100℃であり、反応時間は、5分間乃至12時間である。
【0056】
カルボキシ基の保護基が、シリル基である場合には、通常、塩酸、臭化水素酸、硫酸、過塩素酸、燐酸のような無機酸又は酢酸、蟻酸、蓚酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸のような有機酸で処理することにより除去できる。
【0057】
尚、弗素アニオンにより除去する場合に、蟻酸、酢酸、プロピオン酸のような有機酸を加えることによって、反応が促進することがある。
【0058】
上記反応に使用される不活性溶媒は、本反応に不活性なものであれば特に限定はされないが、好適には、ジエチルエ−テル、ジイソプロピルエ−テル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエ−テル類;アセトニトリル、イソブチロニトリルのようなニトリル類;酢酸のような有機酸;水;又は上記溶媒の混合溶媒である。
【0059】
反応温度及び反応時間は、原料化合物、酸、溶媒等により異なるが、通常、反応温度は、0℃乃至100℃(好適には、10℃乃至50℃)であり、反応時間は、1時間乃至24時間である。
【0060】
ヒドロキシ基の保護基の除去はその保護基の種類によって異なるが、一般に有機合成化学の技術において周知の方法、例えば、T.W.Green,(Protective Groups in Organic Synthesis),John Wiley & Sons:J.F.W.McOmis,(Protective Groups in OrganicChemistry),Plenum Pressに記載の方法により以下のように行うことができる。
【0061】
ヒドロキシ基の保護基が、シリル基である場合には、通常、弗化テトラブチルアンモニウム、弗化水素酸、弗化水素酸−ピリジン、弗化カリウムのような弗素アニオンを生成する化合物で処理するか又は塩酸、臭化水素酸、硫酸、過塩素酸、燐酸のような無機酸又は酢酸、蟻酸、蓚酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸のような有機酸で処理することにより除去できる。
【0062】
尚、弗素アニオンにより除去する場合に、蟻酸、酢酸、プロピオン酸のような有機酸を加えることによって、反応が促進することがある。
【0063】
上記反応に使用される不活性溶媒は、本反応に不活性なものであれば特に限定はされないが、好適には、ジエチルエ−テル、ジイソプロピルエ−テル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエ−テル類;アセトニトリル、イソブチロニトリルのようなニトリル類;酢酸のような有機酸;水;又は上記溶媒の混合溶媒である。
【0064】
反応温度及び反応時間は、原料化合物、触媒、溶媒等により異なるが、通常、反応温度は、0℃乃至100℃(好適には、10℃乃至50℃)であり、反応時間は、1時間乃至24時間である。
【0065】
ヒドロキシ基の保護基が、アラルキル基又はアラルキルオキシカルボニル基である場合には、通常、不活性溶媒中、還元剤と接触させることにより(好適には、触媒下、常温にて接触還元)除去する方法又は酸化剤を用いて除去する方法が好適である。
【0066】
接触還元による除去に使用される不活性溶媒は、本反応に関与しないものであれば特に限定はないが、例えば、ヘキサン、ヘプタン、リグロイン、石油エーテルのような脂肪族炭化水素類;トルエン、ベンゼン、キシレンのような芳香族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸プロピルのようなエステル類;ジエチルエ−テル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエ−テル類;メタノ−ル、エタノ−ル、n−プロパノール、イソプロパノ−ル、n−ブタノ−ル、イソブタノ−ル、t−ブタノ−ル、イソアミルアルコ−ル、ジエチレングリコール、グリセリン、オクタノール、シクロヘキサノール、メチルセロソルブのようなアルコ−ル類;ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチルリン酸トリアミドのようなアミド類;蟻酸、酢酸のような脂肪酸類;水;又は上記溶媒の混合溶媒であり、好適には、アルコ−ル類(最も好適には、メタノール)である。
【0067】
接触還元による除去に使用される触媒は、通常、接触還元反応に使用されるものであれば特に限定はないが、例えば、パラジウム−炭素、パラジウム−黒、ラネ−ニッケル、酸化白金、白金黒、ロジウム−酸化アルミニウム、トリフェニルホスフィン−塩化ロジウム又はパラジウム−硫酸バリウムであり、好適には、パラジウム−炭素である。
【0068】
圧力は、特に限定はないが、通常1乃至10気圧で行なわれる。
【0069】
接触還元による除去における反応温度及び反応時間は、原料化合物、触媒、溶媒等により異なるが、通常、反応温度は、0℃乃至100℃(好適には、20℃乃至70℃)であり、反応時間は、5分間乃至48時間(好適には、1時間乃至24時間)である。
【0070】
酸化による除去において使用される不活性溶媒は、本反応に関与しないものであれば特に限定はないが、好適には、含水有機溶媒である。
【0071】
このような有機溶媒として好適には、アセトンのようなケトン類;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素のようなハロゲン化炭化水素類;アセトニトリルのようなニトリル類;ジエチルエ−テル、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエ−テル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミドのようなアミド類;又はジメチルスルホキシドのようなスルホキシド類である。
【0072】
上記反応において使用される酸化剤は、酸化に使用される化合物であれば特に限定はないが、好適には、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、アンモニウムセリウムナイトレイト(CAN)又は2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−p−ベンゾキノン(DDQ)が用いられる。
【0073】
酸化による除去における反応温度及び反応時間は、原料化合物、触媒、溶媒等により異なるが、通常、反応温度は、0℃乃至150℃であり、反応時間は、10分間乃至24時間である。
【0074】
また、液体アンモニア中若しくはメタノ−ル、エタノ−ル、n−プロパノール、イソプロパノ−ル、n−ブタノ−ル、イソブタノ−ル、t−ブタノ−ル、イソアミルアルコ−ル、ジエチレングリコール、グリセリン、オクタノール、シクロヘキサノール、メチルセロソルブのようなアルコ−ル類中において、−78℃乃至0℃で、金属リチウム、金属ナトリウムのようなアルカリ金属類を作用させることによっても除去できる。
【0075】
更に、溶媒中、塩化アルミニウム−沃化ナトリウム又は、トリメチルシリルイオダイドのようなアルキルシリルハライド類を用いて除去することができる。
【0076】
上記反応において使用される溶媒は、本反応に関与しないものであれば特に限定はないが、好適には、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素のようなハロゲン化炭化水素類;アセトニトリルのようなニトリル類;又は上記溶媒の混合溶媒である。
【0077】
反応温度及び反応時間は、原料化合物、溶媒等により異なるが、通常、反応温度は、0℃乃至50℃であり、反応時間は、5分間乃至72時間である。
【0078】
尚、反応基質が硫黄原子を有する場合は、好適には、塩化アルミニウム−沃化ナトリウムが用いられる。
【0079】
ヒドロキシ基の保護基が、低級脂肪族アシル基、芳香族アシル基又はアルコキシカルボニル基である場合には、不活性溶媒中、塩基で処理することにより除去される。
【0080】
上記反応において使用される塩基は、化合物の他の部分に影響を与えないものであれば特に限定はないが、例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムのようなアルカリ金属炭酸塩類;炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムのようなアルカリ金属重炭酸塩類;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸化物類;リチウムメトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム−t−ブトキシドのような金属アルコキシド類;又はアンモニア水、濃アンモニア−メタノ−ルのようなアンモニア類であり、好適には、アルカリ金属水酸化物類、金属アルコキシド類又はアンモニア類(最も好適には、アルカリ金属水酸化物類又は金属アルコキシド類)である。
【0081】
上記反応において使用される不活性溶媒は、通常の加水分解反応に使用されるものであれば特に限定はないが、例えば、ジエチルエ−テル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエ−テル類;メタノ−ル、エタノ−ル、n−プロパノール、イソプロパノ−ル、n−ブタノ−ル、イソブタノ−ル、t−ブタノ−ル、イソアミルアルコ−ル、ジエチレングリコール、グリセリン、オクタノール、シクロヘキサノール、メチルセロソルブのようなアルコ−ル類;水;又は上記溶媒の混合溶媒である。
【0082】
反応温度及び反応時間は、原料化合物、使用される塩基、溶媒等により異なり特に限定はないが副反応を抑制するために、通常、反応温度は、−20℃乃至150℃であり、反応時間は、1時間乃至10時間である。
【0083】
ヒドロキシ基の保護基が、低級アルキル基、アルコキシメチル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロチオピラニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロチオフラニル基又は置換エチル基である場合には、通常、不活性溶媒中、酸で処理することにより除去される。
【0084】
上記反応において使用される酸は、通常、ブレンステッド酸又はルイス酸として使用されるものであれば特に限定はなく、好適には、塩化水素;塩酸、硫酸、硝酸のような無機酸;又は酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸のような有機酸等のブレンステッド酸:又は三弗化ホウ素、三臭化ホウ素のようなルイス酸であるが、ダウエックス50Wのような強酸性の陽イオン交換樹脂も使用することができる。
【0085】
上記反応において使用される不活性溶媒は、本反応に不活性なものであれば特に限定はないが、例えば、ヘキサン、ヘプタン、リグロイン、石油エーテルのような脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンのようなハロゲン化炭化水素類;蟻酸エチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、炭酸ジエチルのようなエステル類;ジエチルエ−テル、ジイソプロピルエ−テル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエ−テル類;メタノ−ル、エタノ−ル、n−プロパノ−ル、イソプロパノ−ル、n−ブタノ−ル、イソブタノ−ル、t−ブタノ−ル、イソアミルアルコ−ル、ジエチレングリコール、グリセリン、オクタノール、シクロヘキサノール、メチルセロソルブのようなアルコ−ル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノンのようなケトン類;水;又は上記溶媒の混合溶媒であり、好適には、ハロゲン化炭化水素類(最も好適には、ジクロロメタン)である。
【0086】
反応温度及び反応時間は、原料化合物、使用される酸、溶媒等により異なるが、通常、反応温度は、−10℃乃至200℃(好適には、0℃乃至150℃)であり、反応時間は、5分間乃至48時間(好適には、30分間乃至10時間)である。
【0087】
ヒドロキシ基の保護基が、アルケニルオキシカルボニル基である場合は、通常、ヒドロキシ基の保護基が前記の脂肪族アシル基、芳香族アシル基又はアルコキシカルボニル基である場合の除去反応の条件と同様にして、塩基と処理することにより達成される。
【0088】
尚、アリルオキシカルボニル基の場合は、特にパラジウム、及びトリフェニルホスフィン、又はビス(メチルジフェニルホスフィン)(1,5−シクロオクタジエン)イリジウム(I)・ヘキサフルオロホスフェートを使用して除去する方法が簡便で、副反応が少なく実施することができる。
【0089】
なお、本工程では、所望により、ヒドロキシ基の保護基の除去の後に、カルボキシ基の保護基を除去してもよい。
【0090】
反応終了後、目的化合物(Ia)は常法に従って反応混合物から採取される。例えば、反応終了後、反応液に水酸化ナトリウム水溶液を加え、水と混和しない溶媒(例えばベンゼン、エーテル、酢酸エチル等)を用いて水層をを洗浄した後、濃塩酸等を用いて溶液(水層)のpHを酸性とし、水と混和しない溶媒(例えばベンゼン、エーテル、酢酸エチル等)を用いて目的化合物を抽出し、抽出液を水洗した後、無水硫酸マグネシウム等を用いて乾燥させ、溶媒を留去することによって目的化合物が得られる。得られる目的化合物は必要ならば、常法、例えば再結晶、再沈澱又はクロマトグラフィーにより更に精製できる。
【0091】
第A2工程は、一般式(Ib)を有する化合物を製造する工程であり、化合物(Ia)を一般式(III)を有する化合物と反応させることにより行われる。
【0092】
化合物(Ia)を化合物(III)と反応させる方法は、ペプチド合成法における常法、例えば、アジド法、活性エステル法、混合酸無水物法又は縮合法(好適には、縮合法)によって行われる。
【0093】
アジド法は、不活性溶媒中、化合物(Ia)を化合物(III)と反応させ、アミノ酸ヒドラジドを製造した後、亜硝酸化合物と反応させ、アジド化合物に変換し、更にアンモニアと処理することにより行われる。
【0094】
アジド化の工程及びアンモニアと処理する際に使用される不活性溶媒は、本反応に不活性なものであれば特に限定はないが、例えば、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド又はヘキサメチルリン酸トリアミドのようなアミド類;ジメチルスルホキシド又はスルホランのようなスルホキシド類;又はN−メチルピロリドンのようなピロリドン類であり、好適には、アミド類(最も好適には、ジメチルホルムアミド)である。
【0095】
又、本工程の2つの反応(アジド化及びアンモニアとの反応)は、通常1つの反応液中で行われる。
【0096】
使用される亜硝酸化合物は、例えば、亜硝酸ナトリウムのようなアルカリ金属亜硝酸塩又は亜硝酸イソアミルのような亜硝酸アルキルである。
【0097】
反応温度は、原料化合物、試薬等によって異なるが、通常、アジド化の工程における反応温度は、−70℃乃至50℃(好適には、−50℃乃至0℃)であり、アンモニアとの反応における反応温度は、−70℃乃至50℃(好適には、−10℃乃至10℃)である。
【0098】
反応時間は、原料化合物、試薬、反応温度によって異なるが、通常、アジド化の工程における反応時間は、5分間乃至3時間(好適には、10分間乃至1時間)であり、アンモニアとの反応における反応時間は、5時間乃至7日間(好適には、10時間乃至5日間)である。
【0099】
活性エステル法は、不活性溶媒中、化合物(Ia)と活性エステル化剤を反応させ、活性エステルを製造した後、更に不活性溶媒中、化合物(III)と反応させることによって行われる。
【0100】
活性エステルを製造する際及び活性エステルを化合物(III)と反応させる際に使用される不活性溶媒は、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定はないが、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、クロロベンゼン又はジクロロベンゼンのようなハロゲン化炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン又はジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル類;アセトニトリル又はイソブチロニトリルのようなニトリル類;又はホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホラミド(HMPA)又はヘキサメチルホスホラストリアミド(HMPT)のようなアミド類であり、好適には、ハロゲン化炭化水素類、エーテル類、ニトリル類又はアミド類であり、最も好適には、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル又はジメチルホルムアミドである。
【0101】
上記反応において使用される活性エステル化剤は、例えば、N−ヒドロキシサクシンイミド、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール又はN−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミドのようなN−ヒドロキシ化合物或はジピリジルジスルフィドのようなジスルフィド化合物であり、活性エステル化反応は、好適には、ジシクロヘキシルカルボジイミド、1,1−カルボニルビス−1H−イミダゾール又はトリフェニルホスフィンのような縮合剤の存在下において行われる。
【0102】
反応温度は、原料化合物、試薬等によって異なるが、通常、活性エステル化反応における反応温度は、−20℃乃至100℃(好適には、0℃乃至50℃)であり、活性エステル化合物とアンモニアとの反応における反応温度は、−20℃乃至100℃(好適には、0℃乃至50℃)である。
【0103】
反応時間は、原料化合物、試薬、反応温度によって異なるが、活性エステル化反応及び活性エステル化合物とアンモニアとの反応ともに、通常、30分間乃至60時間(好適には、1時間乃至48時間)である。
【0104】
混合酸無水物法は、不活性溶媒中、塩基の存在下又は非存在下(好適には、存在下)、化合物(Ia)を混合酸無水物化剤と反応させ、混合酸無水物を製造した後、更に不活性溶媒中、混合酸無水物を化合物(III)と反応させることにより行われる。
【0105】
混合酸無水物を製造する際に使用される不活性溶媒は、反応を阻害せず出発物質をある程度溶解する物であれば特に限定はないが、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、クロロベンゼン又はジクロロベンゼンのようなハロゲン化炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン又はジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル類;或はホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホラミド(HMPA)又はヘキサメチルホスホラストリアミド(HMPT)のようなアミド類であり、好適には、ハロゲン化炭化水素類(最も好適には、ジクロロメタン)である。
【0106】
混合酸無水物化剤は、例えば、オキザリルクロリドのようなハロゲン化オキザリル、クロル炭酸エチル又はクロル炭酸イソブチルのような炭酸C1−C4アルキルハライド、ピバロイルクロリドのようなC1−C5アルカノイルハライド或はジエチルシアノリン酸又はジフェニルシアノリン酸のようなC1−C4アルキル若しくはジC6−C14アリールシアノリン酸であり、好適には、ハロゲン化オキザリル(最も好適には、オキザリルクロリド)である。
【0107】
使用される塩基は、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム又は炭酸リチウムのようなアルカリ金属炭酸塩類;或はトリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)又は1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(DBU)のような有機アミン類であり、好適には、有機アミン類(最も好適には、トリエチルアミン)である。
【0108】
混合酸無水物を製造する反応における反応温度は、原料化合物、試薬等によって異なるが、通常、−50℃乃至100℃(好適には、−10℃乃至50℃)である。
【0109】
混合酸無水物を製造する反応における反応時間は、原料化合物、試薬、反応温度によって異なるが、通常、5分間乃至20時間(好適には、10分間乃至10時間)である。
【0110】
混合酸無水物と化合物(III)の反応において使用される不活性溶媒は、反応を阻害せず、出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定はないが、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル類;又はホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホラミド(HMPA)、ヘキサメチルホスホラストリアミド(HMPT)のようなアミド類であり、好適には、アミド類(最も好適には、ジメチルホルムアミド)である。
【0111】
混合酸無水物と化合物(III)の反応における反応温度は、原料化合物、試薬等によって異なるが、通常、−30℃乃至100℃(好適には、0℃乃至80℃)である。
【0112】
混合酸無水物と化合物(III)の反応における反応時間は、原料化合物、試薬、反応温度によって異なるが、通常、5分間乃至24時間(好適には、10分間乃至12時間)である。
【0113】
縮合法は、不活性溶媒中、縮合剤の存在下、化合物(Ia)を化合物(III)と反応させることによって行われる。
【0114】
使用される縮合剤は、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド、1,1−カルボニルビス−1H−イミダゾール又は1−メチル−2−クロロ−ピリジニウムヨージド−トリエチルアミンであり、好適には、1,1−カルボニルビス−1H−イミダゾールである。
【0115】
本反応は、前記の活性エステルを製造する反応と同様の条件下で行うことができる。
【0116】
本工程において、R1が低級アルコキシ基である場合、前記A法第A1工程における「ヒドロキシ基の保護基が低級アルキル基である場合の保護基の除去」と同様に行うことにより、R1がヒドロキシ基である化合物を得る事ができる。
【0117】
反応終了後、本工程の目的化合物(Ib)は常法に従って反応混合物から採取される。例えば、反応終了後、溶媒を留去すること、又は溶媒を留去した残渣に水を注ぎ、水と混和しない溶媒(例えばベンゼン、エーテル、酢酸エチル等)を加えて目的化合物を抽出し、抽出した有機層を水洗した後、無水硫酸マグネシウム等を用いて乾燥させ、溶媒を留去することによって目的化合物が得られる。得られる目的化合物は必要ならば、常法、例えば再結晶、再沈澱又はクロマトグラフィー等によって更に精製できる。
【0118】
B法は、前記A法の原料化合物である化合物(II)を製造する方法である。
【0119】
【化6】
【0120】
式中、R1a、R2、R4及びAは、前述したものと同意義を示し、Xは、ハロゲン原子(好適には、塩素原子)を示す。
【0121】
第B1工程は、一般式(V)を有する化合物を製造する工程であり、不活性溶媒中、化合物(IV)を還元剤と反応させることにより行なわれる。
【0122】
上記反応において使用される不活性溶媒は、反応を阻害せず出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定はないが、例えば、メタノール、エタノールのようなアルコール類;又は水であり、好適には、アルコール類(最も好適には、メタノール)である。
【0123】
上記反応において使用される還元剤は、例えば、パラジウム−炭素、亜鉛−酢酸、鉄−塩酸又は錫−塩酸であり、好適には、パラジウム−炭素である。
【0124】
反応温度は、溶媒、原料化合物、試薬等により異なるが、通常、−20℃乃至150℃(好適には、0℃乃至100℃)である。
【0125】
反応時間は、溶媒、原料化合物、試薬、反応温度等により異なるが、通常、10分間乃至24時間(好適には、20分間乃至12時間)である。
【0126】
反応終了後、本工程の目的化合物(V)は常法に従って反応混合物から採取される。例えば、反応混合物をアルカリ性とし、又、不溶物が存在する場合には濾過により除去した後、水と混和しない溶媒(例えば、ベンゼン、エーテル又は酢酸エチル等)を加え抽出し、目的化合物を含む有機層を水洗した後、無水硫酸マグネシウム等を用いて乾燥させ、溶媒を留去することによって目的化合物が得られる。得られる目的化合物は必要ならば、常法、例えば再結晶、再沈澱又はクロマトグラフィー等によって更に精製できる。
【0127】
第B2工程は、化合物(VII)を製造する工程であり、不活性溶媒中、塩基の存在下又は非存在下(好適には存在下)、化合物(V)を一般式(VI)を有する化合物と反応させることにより行なわれる。
【0128】
上記反応において使用される不活性溶媒は、反応を阻害せず出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定はないが、例えば、ヘキサン、ヘプタン、リグロイン又は石油エーテルのような脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン又はキシレンのような芳香族炭化水素類;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、クロロベンゼン又はジクロロベンゼンのようなハロゲン化炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン又はジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル類;酢酸エチル又は酢酸プロピルのようなエステル類;アセトニトリルのようなニトリル類;アセトン又はメチルエチルケトンのようなケトン類;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール又はイソブタノールのようなアルコール類;ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホラミド(HMPA)又はヘキサメチルホスホラストリアミド(HMPT)のようなアミド類;或いはジメチルスルホキシド又はスルホランのようなスルホキシド類であり、好適には、アミド類(最も好適には、ジメチルホルムアミド)である。
【0129】
上記反応において使用される塩基は、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム又は炭酸リチウムのようなアルカリ金属炭酸塩類;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム又は炭酸水素リチウムのようなアルカリ金属重炭酸塩類;酢酸ナトリウムのようなアルカリ金属酢酸塩類;水素化リチウム、水素化ナトリウム又は水素化カリウムのようなアルカリ金属水素化物類;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム又は水酸化リチウムのようなアルカリ金属水酸化物類;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシド又はリチウムメトキシドのようなアルカリ金属アルコキシド類;メチルメルカプタンナトリウム又はエチルメルカプタンナトリウムのようなメルカプタンアルカリ金属類;トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)又は1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(DBU)のような有機アミン類;メチルリチウム、エチルリチウム又はブチルリチウムのようなアルキルリチウム類;弗化ナトリウム、弗化カリウム、沃化カリウムのようなアルカリ金属ハロゲン化物類;リチウムジイソプロピルアミド又はリチウムジシクロヘキシルアミドのようなリチウムアルキルアミド類;或いは上記2以上の塩基の組み合わせであり、好適には、有機アミン類又はアルカリ金属ハロゲン化物類或いは前記塩基の組み合わせ(最も好適には、N,N−ジイソプロピルエチルアミン又はトリエチルアミン或いはN,N−ジイソプロピルエチルアミンと沃化カリウムの組み合わせ)である。
【0130】
反応温度は、原料化合物、試薬等によって異なるが、通常、0℃乃至200℃(好適には、0℃乃至150℃)である。
【0131】
反応時間は、原料化合物、試薬、反応温度によって異なるが、通常、10分間乃至60時間(好適には、30分間乃至48時間)である。
【0132】
尚、本工程において、よう化カリウムを触媒として用いることができる。
【0133】
反応終了後、本工程の目的化合物(VII)は常法に従って反応混合物から採取される。例えば、反応終了後、溶媒を留去し、得られる残渣に水を加えた後、水と混和しない溶媒(例えばベンゼン、エーテル、酢酸エチル等)を加えて目的化合物を抽出し、抽出した有機層を水洗した後、無水硫酸マグネシウム等を用いて乾燥させ、溶媒を留去することによって目的化合物が得られる。得られる目的化合物は必要ならば、常法、例えば再結晶、再沈澱、クロマトグラフィーによって更に精製することができる。
【0134】
第B3工程は、化合物(II)を製造する工程であり、不活性溶媒中、化合物(VII)を一般式(VIII)を有する化合物と反応させることにより行なわれる。
【0135】
上記反応において使用される不活性溶媒は、反応を阻害せず出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定はないが、例えば、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホラミド(HMPA)又はヘキサメチルホスホラストリアミド(HMPT)のようなアミド類であり、好適には、ジメチルアセトアミドである。
【0136】
反応温度は、原料化合物、溶媒等によって異なるが、通常、−20℃乃至100℃(好適には、0℃乃至50℃)である。
【0137】
反応時間は、原料化合物、溶媒、反応温度によって異なるが、通常、10分間乃至10時間(好適には、30分間乃至5時間)である。
【0138】
反応終了後、本工程の目的化合物(II)は常法に従って反応混合物から採取される。例えば、反応終了後、溶媒を留去し、得られる残渣に水を加えた後、水と混和しない溶媒(例えばベンゼン、エーテル、酢酸エチル等)を加えて目的化合物を抽出し、抽出した有機層を水洗した後、無水硫酸マグネシウム等を用いて乾燥させ、溶媒を留去することによって目的化合物が得られる。得られる目的化合物は必要ならば、常法、例えば再結晶、再沈澱、クロマトグラフィーによって更に精製することができる。
【0139】
C法は、前記B法の原料化合物である化合物(VI)を製造する方法である。
【0140】
【化7】
【0141】
式中、R4、A及びXは、前述したものと同意義を示し、R8は、低級アルキル基又はアリール基を示す。
【0142】
第C1工程は、一般式(XI)を有する化合物を製造する工程であり、不活性溶媒中、塩基の存在下、一般式(IX)を有する化合物を一般式(X)を有する化合物と反応させることにより行なわれる。
【0143】
上記反応において使用される不活性溶媒は、反応を阻害せず出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定はないが、例えば、好適には、ベンゼン、トルエン又はキシレンのような芳香族炭化水素類;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、クロロベンゼン又はジクロロベンゼンのようなハロゲン化炭化水素類;或いはジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン又はジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル類であり、好適には、ハロゲン化炭化水素類又はエーテル類(最も好適には、ジクロロメタン又はテトラヒドロフラン)である。
【0144】
上記反応において使用される塩基は、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、イソプロビルエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリンのような有機塩基類であり、好適には、トリエチルアミンである。
【0145】
反応温度は、溶媒、原料化合物、試薬等により異なるが、通常、−40℃乃至50℃(好適には、−20℃乃至25℃)である。
【0146】
反応時間は、溶媒、原料化合物、試薬、反応温度等により異なるが、通常、5分間乃至10時間(好適には、10分間乃至3時間)である。
【0147】
本工程は、好適には窒素気流下に行なわれる。
【0148】
反応終了後、本工程の目的化合物(XI)は常法に従って反応混合物から採取される。例えば、反応終了後、反応液に水を加え、水と混和しない溶媒(例えばベンゼン、エーテル、酢酸エチル等)を加えて目的化合物を抽出した後、抽出した有機層を水洗し、無水硫酸マグネシウム等を用いて乾燥させた後、溶媒を留去することによって目的化合物が得られる。得られる目的化合物は必要ならば、常法、例えば再結晶、再沈澱、クロマトグラフィーにより更に精製できる。本工程の目的化合物は、精製することなく次工程に用いることもできる。
【0149】
第C2工程は、一般式(XII)を有する化合物を製造する工程であり、不活性溶媒中、化合物(XI)をアルカリ金属シアニドと反応させることにより行なわれる。
【0150】
上記反応において使用される不活性溶媒は、反応を阻害せず出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定はないが、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン又はジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル類;アセトニトリル、イソブチロニトリルのようなニトリル類;ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホロトリアミドのようなアミド類;或いはジメチルスルホキシド、スルホランのようなスルホキシド類であり、好適には、アミド類(最も好適には、ジメチルホルムアミド)である。
【0151】
上記反応において使用されるアルカリ金属シアノドは、例えば、シアン化リチウム、シアン化ナトリウム又はシアン化カリウムが好適である。
【0152】
本反応ではクラウンエーテル化合物を添加することが出来る。使用されるクラウンエーテル化合物は、例えば、12−クラウン−4、15−クラウン−5、18一クラウン−6、1−アザ−12−クラウン−4、1−アザ−15−クラウン−5、1−アザ−18−クラウン−6、ベンゾ−15−クラウン−5、4’−ニトロベンゾ−15−クラウン−5、ベンゾ−18−クラウン−6、ジベンゾ−18−クラウン−6、ジベンゾ−24−クラウン−8、ジシクロヘキサノ−18−クラウン−6又はジシクロヘキサノ−24−クラウン−8であり、好適には、15−クラウン−5、18−クラウン−6、1−アザ−15−クラウン−5、1−アザ−18−クラウン−6、ベンゾ−15−クラウン−5、4’−ニトロベンゾ−15一クラウン−5、ベンゾ−18−クラウン−6、ジベンゾ−18一クラウン−6又はジシクロヘキサノ−18−クラウン−6であり、更に好適には、15−クラウン−5、18一クラウン−6、1−アザ−18−クラウン−6、ベンゾ−18−クラウン−6、ジベンゾ−18−クラウン−6又はジシクロヘキサノ−18−クラウン−6であり、最も好適には、15−クラウン−5又は18−クラウン−6である。
【0153】
反応温度は、溶媒、原料化合物、試薬等により異なるが、通常、0℃乃至180℃(好適には、0℃乃至50℃)である。
【0154】
反応時間は、溶媒、原料化合物、試薬、反応温度等により異なるが、通常、1時間乃至24時間(好適には、2時間乃至12時間)である。
【0155】
本工程は、好適には窒素気流下に行なわれる。
【0156】
尚、本工程においては沃化ナトリウムのような沃化アルカリ金属を共存させて行うことが出来る。
【0157】
反応終了後、本工程の目的化合物(XII)は常法に従って反応混合物から採取される。例えば、反応終了後、反応液に水を加え、水と混和しない溶媒(例えばベンゼン、エーテル、酢酸エチル等)を加えて目的化合物を抽出した後、抽出した有機層を水洗し、無水硫酸マグネシウム等を用いて乾燥させた後、溶媒を留去することによって目的化合物が得られる。得られる目的化合物は必要ならば、常法、例えば再結晶、再沈澱、クロマトグラフィーにより更に精製できる。
【0158】
第C3工程は、一般式(XIII)を有する化合物を製造する工程であり、化合物(XII)のシアノ基を、酸又はアルカリにより加水分解することにより行なわれる。
【0159】
酸による加水分解は、不活性溶媒(好適には、アセトニトリル、イソブチロニトリルのようなニトリル類)中、化合物(XII)を含水塩酸、含水硫酸、含水硝酸のような含水鉱酸と1時間乃至10時間(好適には、1.5時間乃至7時間)で、室温乃至100℃(好適には、50℃乃至100℃)で反応させることにより行われる。
【0160】
アルカリによる加水分解は、1乃至10当量(好適には、1乃至5当量)の水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸化物又は水酸化カルシウム、水酸化バリウム等のアルカリ土類金属水酸化物を1乃至10当量(好適には、1乃至6当量)用いて、不活性溶媒(好適には、水、メタノール、エタノールのようなアルコール類、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル類又はこれら溶媒の混合溶媒)中、化合物(XII)と0℃乃至120℃(好適には、20℃乃至100℃)、30分間乃至48時間(好適には、1時間乃至24時間)反応させることにより行われる。
【0161】
反応終了後、本工程の目的化合物(XIII)は、常法により反応混合物から採取することができる。
【0162】
例えば、アルカリによる加水分解の場合には、反応液に塩酸のような鉱酸を加え、酸性にし、目的化合物が、溶媒中で沈殿として析出すれば、これを濾取により採取できる。又、溶媒を留去し、残留物をカラムクロマトグラフィーに付して、目的化合物を単離することでき、更に、酸性にした後、残留物に水と酢酸エチルのような水不混和性有機溶媒を加え、有機溶媒で抽出し、無水硫酸マグネシウム等で乾燥した後、溶媒を留去することにより、目的化合物を採取することができる。
【0163】
酸による加水分解の場合には、目的化合物が反応系中に析出しているなら、これを濾取することにより単離できる。又、酢酸エチルのような水不混和性有機溶媒で抽出し、無水硫酸マグネシウム等で乾燥した後、溶媒を留去することにより、目的化合物を得ることができる。
【0164】
第C4工程は、一般式(XIV)を有する化合物を製造する工程であり、化合物(XIII)のカルボキシ基を保護することにより行われる。
【0165】
カルボキシ基を保護する方法は、その保護基の種類によって異なるが、一般に有機合成化学の技術において周知の方法、例えば、T.W.Green,(Protective Groups in Organic Synthesis),John Wiley & Sons:J.F.W.McOmis,(Protective Groups in OrganicChemistry),Plenum Pressに記載の方法により以下のように行うことができる。
【0166】
例えば、不活性溶媒中(好適には、ジメチルホルムアミドのようなアミド類)、塩基の存在下又は非存在下(好適には、炭酸カリウムのようなアルカリ金属炭酸塩類の存在下)、化合物(XIII)を、下記式
R4−X (XV)
又は、
R4−O−R4 (XVI)
[式中、R4及びXは前述したものと同意義を示す。]と、−20℃乃至溶媒の還流温度(好適には、0℃乃至溶媒の還流温度)で、10分間乃至3日間(好適には、1時間乃至6時間)反応させることにより行われる。
【0167】
また、別途、化合物(XIII)のカルボキシ基を保護する方法としては、不活性溶媒中(好適には、ジクロロメタンのようなハロゲン化炭化水素類)、縮合剤及び塩基の存在下又は非存在下(好適には、オキサゾリルクロリド及びジシクロヘキシルカルボジイミドのようなカルボジイミド類の存在下)、化合物(XIII)を、下記式
R4−OH (XVII)
[式中、R4は前述したものと同意義を示す。]
と、−20℃乃至80℃(好適には、0℃乃至室温)で、10分間乃至3日間(好適には、30分間乃至1日間)反応させることにより行われる。
【0168】
反応終了後、本工程の目的化合物(XIV)は常法に従って反応混合物から採取される。例えば、反応終了後、溶媒を留去し、得られる残渣に水を加えた後、水と混和しない溶媒(例えばベンゼン、エーテル、酢酸エチル等)を加えて目的化合物を抽出し、抽出した有機層を水洗した後、無水硫酸マグネシウム等を用いて乾燥させ、溶媒を留去することによって目的化合物が得られる。得られる目的化合物は必要ならば、常法、例えば再結晶、再沈澱、クロマトグラフィーによって更に精製することができる。
【0169】
第C5工程は、一般式(XVIII)を有する化合物を製造する工程であり、不活性溶媒中、化合物(XIV)を還元剤と反応させることにより行なわれ、本工程は前記B法第B1工程と同様に行なわれる。
【0170】
第C6工程は、化合物(VI)を製造する工程であり、不活性溶媒中、塩基の存在下又は非存在下(好適には存在下)、化合物(XVIII)を一般式(XIX)を有する化合物と反応させることにより行なわれる。
【0171】
上記反応において使用される不活性溶媒は、反応を阻害せず出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定はないが、例えば、ヘキサン、ヘプタン、リグロイン又は石油エーテルのような脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン又はキシレンのような芳香族炭化水素類;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、クロロベンゼン又はジクロロベンゼンのようなハロゲン化炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン又はジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル類;酢酸エチル又は酢酸プロピルのようなエステル類;アセトニトリルのようなニトリル類;アセトン又はメチルエチルケトンのようなケトン類;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール又はイソブタノールのようなアルコール類;ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホラミド(HMPA)又はヘキサメチルホスホラストリアミド(HMPT)のようなアミド類;或いはジメチルスルホキシド又はスルホランのようなスルホキシド類であり、好適には、アミド類(最も好適には、ジメチルホルムアミド)である。
【0172】
上記反応において使用される塩基は、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム又は炭酸リチウムのようなアルカリ金属炭酸塩類;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム又は炭酸水素リチウムのようなアルカリ金属重炭酸塩類;酢酸ナトリウムのようなアルカリ金属酢酸塩類;或はトリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)又は1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(DBU)のような有機アミン類であり、好適には、有機アミン類(最も好適には、トリエチルアミン)である。
【0173】
反応温度は、原料化合物、試薬等によって異なるが、通常、−10℃乃至100℃(好適には、0℃乃至50℃)である。
【0174】
反応時間は、原料化合物、試薬、反応温度によって異なるが、通常、10分間乃至24時間(好適には、30分間乃至15時間)である。
【0175】
尚、本工程において、ジメチルアミノピリジン又はピリジンを触媒として用いることができる。
【0176】
本工程の目的化合物(VI)は、例えば、反応終了後、溶媒を留去し、得られる残渣に水を加えた後、水と混和しない溶媒(例えばベンゼン、エーテル、酢酸エチル等)を加えて目的化合物を抽出し、抽出した有機層を水洗した後、無水硫酸マグネシウム等を用いて乾燥させ、溶媒を留去することによって目的化合物が得られる。得られる目的化合物は必要ならば、常法、例えば再結晶、再沈澱、クロマトグラフィーによって更に精製することができる。
【0177】
第C7工程及び第C8工程は、前記第C1工程及び第C2工程とは別途、化合物(XII)を製造する工程である。
【0178】
第C7工程は、一般式(XX)を製造する工程であり、化合物(IX)のヒドロキシ基をハロゲン化させることにより行われ、不活性溶媒中、化合物(IX)をハロゲン化剤と反応させることにより行なわれる。
【0179】
上記反応において使用されるハロゲン化剤は、例えば、チオニルクロリド、チオニルブロミド、チオニルアイオダイドのようなチオニルハライド類;スルフリルクロリド、スルフリルブロミド、スルフリルアイオダイドのようなスルフリルハライド類;三塩化燐、三臭化燐、三沃化燐のような三ハロゲン化燐類;五塩化燐、五臭化燐、五沃化燐のような五ハロゲン化燐類;又はオキシ塩化燐、オキシ臭化燐、オキシ沃化燐のようなオキシハロゲン化燐類であり、好適には、チオニルハライド類(最も好適には、チオニルクロリド)である。
【0180】
上記反応において使用される不活性溶媒は、反応を阻害せず出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定はないが、例えば、ヘキサン、ヘプタン、リグロイン又は石油エーテルのような脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン又はキシレンのような芳香族炭化水素類;或いはジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、クロロベンゼン又はジクロロベンゼンのようなハロゲン化炭化水素類であり、好適には、芳香族炭化水素類又はハロゲン化炭化水素類(最も好適には、ベンゼン又はジクロロメタン)である。
【0181】
反応温度は、原料化合物、試薬等によって異なるが、通常、−20℃乃至100℃(好適には、0℃乃至50℃)である。
【0182】
反応時間は、原料化合物、試薬、反応温度によって異なるが、通常、10分間乃至10時間(好適には、1時間乃至5時間)である。
【0183】
本工程の目的化合物(XX)は、例えば、反応終了後、溶媒を留去し、得られる残渣に水を加えた後、水と混和しない溶媒(例えばベンゼン、エーテル、酢酸エチル等)を加えて目的化合物を抽出し、抽出した有機層を水洗した後、無水硫酸マグネシウム等を用いて乾燥させ、溶媒を留去することによって目的化合物が得られる。得られる目的化合物は必要ならば、常法、例えば再結晶、再沈澱、クロマトグラフィーによって更に精製することができる。
【0184】
第C8工程は、化合物(XII)を製造する工程であり、化合物(XX)のヒドロキシ基をシアノ化することにより行なわれ、不活性溶媒中、化合物(XX)をアルカリ金属シアニドと反応させることにより行なわれる。尚、本工程においては沃化ナトリウムのような沃化アルカリ金属を共存させて行うことができ、本工程は、前記C法第C2工程と同様に行われる。
【0185】
原料化合物(III)、(IV)、(VIII)、(IX)、(X)、(XV)、(XVI)、(XVII)及び(XIX)は、公知か、公知の方法又はそれに類似した方法に従って容易に製造される[例えば、J.Chem.Soc., 1961, 611−618等]。
【0186】
本発明の前記一般式(I)を有するアミド誘導体、その薬理上許容される塩、そのエステル又はその他の誘導体は、優れたLDL酸化抑制作用及びACAT阻害作用を有し、且つ優れた経口吸収性を示し、副作用(特に、副腎毒性)が低く、安全域(薬効と毒性発現の濃度差)が広いため、高脂血症又は動脈硬化性疾患の治療剤又は予防剤(特に、治療剤)として有用である。
【0187】
本発明の前記一般式(I)を有するアミド誘導体、その薬理上許容される塩、そのエステル又はその他の誘導体を、上記治療剤又は予防剤として使用する場合には、それ自体或は適宜の薬理学的に許容される、賦形剤、希釈剤等と混合し、例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤若しくはシロップ剤等による経口的又は注射剤若しくは坐剤等による非経口的に投与することができる。
【0188】
これらの製剤は、賦形剤(例えば、乳糖、白糖、葡萄糖、マンニトール、ソルビトールのような糖誘導体;トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、α澱粉、デキストリンのような澱粉誘導体;結晶セルロースのようなセルロース誘導体;アラビアゴム;デキストラン;プルランのような有機系賦形剤:及び、軽質無水珪酸、合成珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、メタ珪酸アルミン酸マグネシウムのような珪酸塩誘導体;燐酸水素カルシウムのような燐酸塩;炭酸カルシウムのような炭酸塩;硫酸カルシウムのような硫酸塩等の無機系賦形剤を挙げることができる。)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウムのようなステアリン酸金属塩;タルク;コロイドシリカ;ビーガム、ゲイ蝋のようなワックス類;硼酸;アジピン酸;硫酸ナトリウムのような硫酸塩;グリコール;フマル酸;安息香酸ナトリウム;DLロイシン;脂肪酸ナトリウム塩;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウムのようなラウリル硫酸塩;無水珪酸、珪酸水和物のような珪酸類;及び、上記澱粉誘導体を挙げることができる。)、結合剤(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、マクロゴール、及び、前記賦形剤と同様の化合物を挙げることができる。)、崩壊剤(例えば、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、内部架橋カルボキシメチルセルロースナトリウムのようなセルロース誘導体;カルボキシメチルスターチ、カルボキシメチルスターチナトリウム、架橋ポリビニルピロリドンのような化学修飾されたデンプン・セルロース類を挙げることができる。)、安定剤(メチルパラベン、プロピルパラベンのようなパラオキシ安息香酸エステル類;クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコールのようなアルコール類;塩化ベンザルコニウム;フェノール、クレゾールのようなフェノール類;チメロサール;デヒドロ酢酸;及び、ソルビン酸を挙げることができる。)、矯味矯臭剤(例えば、通常使用される、甘味料、酸味料、香料等を挙げることができる。)、希釈剤等の添加剤を用いて周知の方法で製造される。
【0189】
その使用量は症状、年齢等により異なるが、経口投与の場合には、1回当り1日下限1mg(好適には、10mg)、上限2000mg(好適には、400mg)を、静脈内投与の場合には、1回当り1日下限0.1mg(好適には、1mg)、上限500mg(好適には、300mg)を成人に対して、1日当り1乃至6回症状に応じて投与することが望ましい。
【0190】
【実施例】
以下に、実施例、参考例及び試験例を示し、本発明を更に詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定するものではない。
【0191】
実施例1
3−{2−[アセチル−(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)アミノ]アセチルアミノ}−4−t−ブチル安息香酸(例示化合物番号:201)
参考例14で得られた化合物2.8g(5.802mmol)のメタノール20.0ml溶液に、水酸化ナトリウム2.32g(58.017mmol)の水10.0ml溶液を加え、室温で3時間攪拌した。溶媒を留去した後、残渣をエチルエーテルで洗浄した。濃塩酸を残渣が酸性となるまで加えた後、酢酸エチルで抽出し、水、飽和食塩水で洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥し溶媒を留去した後、残渣をヘキサン−酢酸エチルで再結晶し、標記化合物2.4g(97%)を結晶として得た。
分解点:267.0−268.0℃;
IRスペクトル(KBr)cm−1: 3183, 2960, 2612, 1714, 1696, 1662, 1485, 1418,
1227, 1010, 773;
NMRスペクトル(400MHz,CD3OD)δppm: 1.35(9H,s), 1.93(3H,s), 2.29(6H,s),3.74(3H,s), 4.50(2H,s), 7.11(2H,s), 7.57(1H,d,J=8.3Hz), 7.73(1H,d,J=2.0Hz), 7.88(1H,dd,J=2.0,J=8.3Hz)。
【0192】
実施例2
3−{2−[アセチル−(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)アミノ]アセチルアミノ}−4−t−ブチル−N−メチルベンズアミド(例示化合物番号:203)
実施例1で得られた化合物2.4g(5.627mmol)のジクロロメタン30ml溶液に1,1−カルボニルビス−1H−イミダゾール1.5g(9.144mmol)を加え、室温で1時間攪拌した後、メチルアミン(40%メタノール溶液)4.9ml(60.960mmol)を加え、室温で二日攪拌した。溶媒を留去後、残渣を酢酸エチルで抽出し、10%−塩酸、飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥し溶媒を留去した後、残渣をエチルエーテルで再結晶し、標記化合物物1.9g(77%)を結晶として得た。
融点:152.0−152.5℃;
IRスペクトル(KBr)cm−1: 3307, 2957, 2873, 1664, 1645, 1524, 1485, 1413,1322, 1223, 101, 767;
NMRスペクトル(400MHz,CD3OD)δppm: 1.34(9H,s), 1.93(3H,s), 2.28(6H,s),2.90(3H,s), 3.74(3H,s), 4.49(2H,s), 7.11(2H,s), 7.53〜7.57(2H,m), 7.69(1H,dd,J=2.0Hz,J=8.2Hz)。
【0193】
実施例3
3−{2−[アセチル−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)アミノ]アセチルアミノ}−4−t−ブチル−N−メチルベンズアミド(例示化合物番号:3)
実施例2で得られた化合物1.9g(4.323mmol)のジクロロメタン20ml溶液を、−78℃に冷却後、三臭化ホウ素(2molllerジクロロメタン溶液)10.81ml(21.615mmol)を滴下し室温で一時間攪拌した。再び−78℃に冷却後、メタノールを約20ml加え室温で一時間攪拌した。溶媒を留去後、残渣を酢酸エチルで抽出し、飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥し溶媒を留去した後、残渣を酢酸エチル−エチルエーテル−ジクロロメタンで再結晶し、標記化合物1.3g(68%)を結晶として得た。
融点:147−148℃;
IRスペクトル(KBr)cm−1: 3306, 2966, 2874, 1643, 1525, 1489, 1413, 1318,1237, 1205, 997, 768;
NMRスペクトル(400MHz,CD3OD)δppm: 1.34(9H,s), 1.92(3H,s,), 2.22(6H,s), 2.90(3Hs), 4.47(2H,s), 7.00(2H,s), 7.52〜7.57(2H,m), 7.69(1H,dd,J=2.0Hz,J=8.2Hz)。
【0194】
実施例4
4−t−ブチル−3−{2−[ブチリル−(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)アミノ]アセチルアミノ}安息香酸(例示化合物番号:258)
参考例13で得られた化合物10.9g(23.261mmol)のメタノール100.0ml溶液に、水酸化ナトリウム9.30g(232.60mmol)の水30ml溶液を加え、60℃で2時間攪拌した。溶媒を留去した後、残渣をエチルエーテルで洗浄した。濃塩酸を残渣が酸性となるまで加えた後、酢酸エチルで抽出し、水、飽和食塩水で洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥し溶媒を留去した後、残渣をヘキサン−ジクロロメタンで再結晶し、標記化合物7.0g(66%)を結晶として得た。
融点:134.0−135.0℃;
IRスペクトル(CHCl3)cm−1: 3089, 2970, 2936, 2876, 1695, 1633, 1483, 1424, 1306, 1074, 1010;
NMRスペクトル(400MHz,CDCl3)δppm: 0.87(3H,tri,J=7.4Hz), 1.47(9H,s), 1.58〜1.68(2H,m), 2.17(2H,tri,J=7.4Hz), 2.30(6H,s), 3.76(3H,s), 4.46(2H,brs), 6.91(2H,s), 7.51(1H,d,J=8.5Hz), 7.86(1Hdd,J=1.6,J=8.5Hz), 8.17(1H,d,J=1.6Hz), 8.56(1H,s)。
【0195】
実施例5
4−t−ブチル−3−{2−[ブチリル−(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)アミノ]アセチルアミノ}ベンズアミド(例示化合物番号:259)
実施例4で得られた化合物1.0g(2.200mmol)のジクロロメタン10ml溶液に1,1−カルボニルビス−1H−イミダゾール461mg(2.860mmol)を加え、室温で30分攪拌した後、濃アンモニア水1.4ml(21.999mmol)を加え室温で2時間攪拌した。溶媒を留去後、残渣を酢酸エチルで抽出し、10%−塩酸、飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥し溶媒を留去した。残渣をヘキサン−エチルエーテルで再結晶し、標記化合物940mg(94%)を結晶として得た。
融点:219.0−220.0℃;
IRスペクトル(KBr)cm−1: 3328, 3206, 2963, 2874, 1664, 1484, 1421, 1221,1074, 1012, 771;
NMRスペクトル(400MHz,CDCl3)δppm: 0.87(3H,tri,J=7.5Hz), 1.46(9H,s), 1.57〜1.67(2H,m), 2.16(2H,tri,J=7.5Hz), 2.29(6H,s), 3.75(3H,s), 4.44(2H,brs), 5.52(1H,br), 6.14(1H,br), 6.90(2H,s), 7.51(1H,d,J=8.2Hz), 7.62〜7.69(1H,m), 7.97(1H,s), 8.56(1H,brs)。
【0196】
実施例6
4−t−ブチル−3−{2−[ブチリル−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)アミノ]アセチルアミノ}ベンズアミド(例示化合物番号:58)
実施例5で得られた化合物33.9g(74.739mmol)を用い、実施例3と同様の方法によって標記化合物22.2g(68%)を結晶として得た。
融点:245.0−245.5℃;
IRスペクトル(KBr)cm−1: 3302, 2965, 2874, 1664, 1524, 1488, 1420, 1236,1206, 1074;
NMRスペクトル(400MHz,CDCl3)δppm: 0.85(3H,tri,J=7.4Hz), 1.46(9H,s), 1.56〜1.63(2H,m), 2.15(2H,tri,J=7.4Hz), 2.21(6H,s), 4.47(2H,brs), 5.65(1H,brs), 5.75(1H,br), 6.37(1H,br), 6.83(2H,s), 7.51(1H,d,J=8.4Hz), 7.66(1H,d,J=8.4Hz), 7.96(1H,s), 8.67(1H,brs)。
【0197】
実施例7
4−t−ブチル−3−{2−[(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)−ペンタノイルアミノ]アセチルアミノ}安息香酸(例示化合物番号:318)
参考例12で得られた化合物2.6g(5.387mmol)を用いて実施例1と同様の方法によって標記化合物1.4g(55%)を結晶として得た。
融点:177.0−178.0℃;
IRスペクトル(KBr)cm−1: 3421, 3257, 2959, 2873, 2616, 1696, 1667, 1484,1419, 1222, 1011, 774;
NMRスペクトル(400MHz,CD3OD)δppm: 0.814(3H,tri,J=7.3Hz), 1.24,(2H,qu,J=7.4Hz), 1.35(9H,s), 1.54(2H,quint,J=7.4Hz), 2.19(2H,tri,J=7.4Hz), 2.29(6H,s), 3.75(3H,s), 4.50(2H,s), 7.09(2H,s), 7.57(1H,d,J=8.2Hz), 7.73(1H,d,J=1.9Hz), 7.87(1H,dd,J=1.9Hz,J=8.2Hz)。
【0198】
実施例8
4−t−ブチル−3−{2−[(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)−プロピオニルアミノ]アセチルアミノ}フェニル酢酸(例示化合物番号:236)
参考例15で得られた化合物1.38g(2.95mmol)を用いて実施例1と同様の方法によって、標記化合物1.30g(97%)を結晶として得た。
融点: 182−184℃ (エーテル);
IRスペクトル(KBr)cm−1: 3186, 2967, 1722, 1652, 1615, 1539, 1485, 1217,1016;
NMRスペクトル(400MHz,CD3OD)δppm: 1.04(3H,t,J=7.5Hz), 1.24(9H,s), 2.19(2H,q,J=7.5Hz), 2.28(6H,s), 3.55(2H,s), 3.74(3H,s), 4.74(2H,s), 7.03(1H,d,J=1.8Hz), 7.09(2H,s), 7.17(1H,dd,J=1.8Hz,J=8.2Hz), 7.40(1H,d,J=8.2Hz)。
【0199】
実施例9
4−t−ブチル−3−{2−[ブチリル−(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)アミノ]アセチルアミノ}フェニル酢酸(例示化合物番号:273)
参考例16で得られた化合物1.27g(2.63mmol)を用いて実施例1と同様の方法によって、標記化合物1.21g(98%)を結晶として得た。
融点:202−203℃ (酢酸エチル−ヘキサン);
IRスペクトル(KBr)cm−1: 3219, 2963, 2626, 1665, 1528, 1485, 1421, 1219,
1081, 1012;
NMRスペクトル(400MHz,CDCl3)δppm: 0.85(3H,t,J=7.4Hz), 1.40(9H,s), 1.56 ̄1.66(2H,m), 2.15(2H,t,J=7.4Hz), 2.28(6H,s), 3.59(2H,s), 3.74(3H,s), 4.43(2H,brs), 6.90(2H,s), 7.09(1H,d,J=8.1Hz), 7.35(1H,d,J=8.1Hz), 7.40(1H,s), 8.41(1H,s)。
【0200】
実施例10
4−t−ブチル−3−{2−[ブチリル−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)アミノ]アセチルアミノ}フェニル酢酸(例示化合物番号:72)
実施例9で得られた化合物194mg(0.41mmol)を用いて実施例3と同様の方法によって、標記化合物160mg(85%)を結晶として得た。
融点:134℃ (分解) (酢酸エチル−ヘキサン);
IRスペクトル(KBr)cm−1:3289, 2964, 1672, 1633, 1488, 1428, 1208, 1081;NMRスペクトル(400MHz,CDCl3)δppm: 0.83(3H,t,J=7.4Hz), 1.48(9H,s), 1.52 ̄1.62(2H,m), 2.05 ̄2.09(2H,m), 2.11(6H,s), 3.59(2H,s), 3.71(2H,brs), 4.60(2H,brs), 6.70(2H,s), 7.02(1H,d,J=7.9Hz), 7.39(1H,d,J=7.9Hz), 7.66(1H,brs), 9.01(1H,brs)。
【0201】
実施例11
{ N −[(2−t−ブチル−5−ジメチルカルバモイルメチルフェニル)カルバモイルメチル]− N −(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)}プロピオン酸アミド(例示化合物番号:240)
実施例8で得られた化合物631.8mg(1.39mmol)のジクロロメタン7ml溶液に1,1−カルボニルビス−1H−イミダゾール340mg(2.09mmol)を加え、室温で30分攪拌した後、ジメチルアミン50%水溶液1ml(9.87mmol)を加え、室温で1日攪拌した。溶媒を留去後、残渣を酢酸エチルで抽出し、10%−塩酸、飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥し溶媒を留去した後、残渣をジエチルエーテルでトリチレートし標記化合物620mg(93%)を結晶として得た。融点:162−163℃ (エーテル);
IRスペクトル(KBr)cm−1: 3447, 3270, 2953, 1651, 1522, 1485, 1420, 1397,1219, 1011;
NMRスペクトル(400MHz,CDCl3)δppm: 1.08(3H,t,J=7.4Hz), 1.42(9H,s), 2.20(2H,q,J=7.4Hz), 2.28(6H,s), 2.96(3H,s), 3.03(3H,s), 3.68(2H,s), 3.74(3H,s), 4.42(2H,s), 6.90(2H,s), 7.08(1H,d,J=8.2Hz), 7.36(1H,d,J=8.2Hz), 7.38(1H,d,J=8.2Hz), 8.41(1H,brs)。
【0202】
実施例12
{ N −[(2−t−ブチル−5−ジメチルカルバモイルメチルフェニル)カルバモイルメチル]− N −(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)}プロピオン酸アミド(例示化合物番号:40)
実施例11で得られた化合物0.95g(1.97mmol)を用いて実施例3と同様の方法によって、標記化合物0.88g(96%)を結晶として得た。
融点:150−150.5℃(エーテル);
IRスペクトル(KBr)cm−1: 3277, 2966, 1636, 1488, 1400, 1303, 1209;
NMRスペクトル(400MHz, CDCl3)δppm: 1.07(3H,t,J=7.4Hz), 1.43(9H,s), 2.17(6H,s), 2.18(2H,q,J=7.5Hz), 2.96(3H,s), 3.03(3H,s), 3.68(2H,s), 4.46(2H,s), 5.93(1H,s), 6.80(1H,s), 7.09(1H,dd,J=1.6Hz,J=8.2Hz), 7.36(1H,d,J=8.2Hz), 7.40(1H,d,J=1.6Hz), 8.56(1H,brs)。
【0203】
実施例13
4−t−ブチル−3−{2−[ヘプタノイル−(4−ヒドロキシ−3、5−ジメチルフェニル)アミノ]アセチルアミノ}フェニル酢酸(例示化合物番号:180)
参考例18で得られた化合物1.54g(3.02mmol)を用いて実施例1と同様の方法によって、標記化合物1.47g(98%)を結晶として得た。
融点:175.5−176.5℃(酢酸エチル);
IRスペクトル(KBr)cm−1:3289, 2957, 1675, 1633, 1488, 1423, 1316, 1205, 1082;
NMRスペクトル(400MHz, CD3OD)δppm: 0.84(3H,t,J=7.0Hz), 1.15 ̄1.27(6H,m), 1.31(9H,s), 1.51 ̄1.58(2H,m), 2.17(2H,q,J=8.0Hz), 2.20(6H,s), 3.55(2H,s), 4.45(2H,s), 7.00(2H,s), 7.03(1H,d,J=1.8Hz), 7.17(1H,dd,J=1.8Hz,J=8.2Hz), 7.39(1H,d,J=8.2Hz)。
【0204】
実施例14
3−{2−[ブチリル−(4−メトキシ−3、5−ジメチルフェニル)アミノ]アセチルアミノ}−4−t−ブチル−N−メチルベンズアミド(例示化合物番号:260)
実施例4で得られた化合物2.8g(6.2mmol)を用いて実施例2と同様の方法によって、標記化合物2.8g(97%)を結晶として得た。
融点:165.5−166.0℃;
IRスペクトル(CHCl3)cm−1: 3692, 3464, 3329, 2967, 2876, 1659, 1537, 1483, 1417, 1306, 1010;
NMRスペクトル(400MHz,CDCl3)δppm: 0.87(3H,tri,J=7.4Hz), 1.44(9H,s), 1.58〜1.67(2H,m), 2.16(2H,tri,J=7.4Hz), 2.29(6Hs), 2.97(3H,d,J=4.8Hz), 3.75(3H,s), 4.43(2H,s), 6.24(1H,brs), 6.90(2H,s), 7.48(1H,d,J=8.1Hz), 7.63(1H,d,J=8.1Hz), 7.88(1H,s), 8.52(1H,brs)。
【0205】
実施例15
3−{2−[ブチリル−(4−ヒドロキシ−3、5−ジメチルフェニル)アミノ]アセチルアミノ}−4−t−ブチル−N−メチルベンズアミド(例示化合物番号:59)
実施例14で得られた化合物570mg(1.2mmol)を用いて実施例3と同様の方法によって、標記化合物493mg(89%)を結晶として得た。
融点:151.0−152.0℃;
IRスペクトル(KBr)cm−1: 3317, 2964, 2874, 1641, 1559, 1488, 1413, 1318,1205, 1080;
NMRスペクトル(400MHz,CDCl3)δppm: 0.86(3H,tri,J=7.5Hz), 1.44(9H,s), 1.56〜1.65(2H,m), 2.15(2H,tri,J=7.5Hz), 2.22(6H,s), 2.97(3H,d,J=5.0Hz), 4.43(2H,brs), 5.35(1H,brs), 6.31(1H,brs), 6.84(2H,s), 7.48(1H,d,J=8.0Hz),7.62(1H,d,J=8.0Hz), 7.88(1H,s), 8.59(1H,brs)。
【0206】
参考例1
2−メトキシ−1,3−ジメチル−4−ニトロベンゼン
2,6−ジメチル−4−ニトロフェノール50.55g(302.4mmol)のジメチルホルムアミド500ml溶液に窒素気流下、炭酸カリウム125.4g(907.2mmol)を加え、室温で30分撹拌した後、ヨウ化メチル28.2ml (453.6mmol)を滴下し、室温で3.5時間攪拌した。反応液に水を加え、溶媒を留去した。残渣に水を加えてジエチルエーテルで抽出し、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。残渣にヘキサンを加えてトリチレートした後、エーテルで洗浄し、標記化合物49.38g(90%)を淡黄色結晶として得た。
融点:90℃;
IRスペクトル (KBr pellet)cm−1: 2966, 1518, 1346, 1231, 1004;
NMRスペクトル (400MHz, CDCl3)δppm: 2.36 (6H,s), 3.79 (3H,s), 7.92 (2H,s)。
【0207】
参考例2
4 −メトキシ−3,5−ジメチルフェニルアミン
参考例1で得られた2−メトキシ−1,3−ジメチルニトロベンゼン49.37g(27.25mmol)のメタノール500ml溶液に10%パラジウム炭素触媒4.0gを加え、水素気流下、室温で7.5時間攪拌した。10%パラジウム炭素触媒をセライト濾過により除いた後、溶媒を留去した。残渣をヘキサンを用いてトリチレートし、標記化合物38.28g(93%)を淡褐色結晶として得た。
融点:58〜59.5℃;
IRスペクトル(KBr pellet)cm−1: 3401, 3324, 2949, 1640, 1487, 1291, 1017;
NMRスペクトル(400MHz, CDCl3)δppm: 2.20(6H,s), 3.40(2H,brs), 3.65(3H,s), 6.35(2H,s)。
【0208】
参考例3
4−t−ブチル−3−(2−クロロアセチルアミノ)安息香酸 メチルエステル3−アミノ−4−t−ブチル安息香酸 メチルエステル19.3g(93.283mmol)のジクロロメタン100ml溶液に、トリエチルアミン39.1ml(279.85mmol)と触媒量のジメチルアミノピリジンを加え、0℃に冷却後クロロ酢酸クロリド14.9ml(186.57mmol)を滴下した。室温で一晩攪拌した後、トリエチルアミン39.1ml(279.85mmol)を加え、0℃に冷却後クロロ酢酸クロリド7.40ml(93.283mmol)を滴下し、室温で1時間攪拌した。溶媒を留去後、残渣を酢酸エチルで抽出し、10%−塩酸、飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=2/1)に付し溶媒を留去した。残渣を酢酸エチルで再結晶し、標記化合物18.0g(68%)を結晶として得た。
融点:121.3−122.3℃;
IRスペクトル(CHCl3)cm−1: 3429, 2972, 2877, 1721, 1687, 1529, 1515, 1438, 1410, 1303, 1272, 1125;
NMRスペクトル(400MHz,CDCl3)δppm: 1.45(9H,s), 3.90(3H,s), 4.29(2H,s),7.50(1H,d,J=8.3Hz), 7.86(1H,dd,J=2.0Hz,J=8.3Hz), 8.30(1H,d,J=2.0Hz), 8.46(1H,brs)。
【0209】
参考例4
4−t−ブチル−3−[2−(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニルアミノ)アセチルアミノ]安息香酸 メチルエステル
参考例3で得られた化合物20.6g(72.746mmol)、よう化カリウム10.98g(66.113mmol)と参考例2で得られた4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニルアミン10.0g(66.133mmol)のN、N−ジメチルホルムアミド200ml溶液に、N、N−ジイソプロピルエチルアミン22.6ml(132.30mmol)を滴下し、室温で一晩攪拌した後90℃で5時間攪拌した。溶媒を留去後、残渣を酢酸エチルで抽出し、水、飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去した後、残渣をシリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=2/1)に付し、標記化合物20.8g(79%)を結晶として得た。
融点:84.0−85.0℃;
IRスペクトル(CHCl3)cm−1: 3419, 3375, 2955, 1721, 1683, 1611, 1530, 1495, 1302, 1126, 1010;
NMRスペクトル(400MHz,CDCl3)δppm: 1.28(9H,s), 2.24(6H,s), 3.66(3H,s),3.90(3H,s), 3.93(2H,d,J=5.5Hz), 4.19(1H,tri,J=5.5Hz), 6.39(2H,s), 7.43(1H,d,J=8.2Hz), 7.79(1H,dd,J=1.8Hz), 8.50(1H,d,J=1.8Hz), 8.92(1H,s)。
【0210】
参考例5
メタンスルホン酸 4−t−ブチル−3−ニトロベンジルエステル
(4−t−ブチル−3−ニトロフェニル)メタノール5.06g(24.28mmol)のジクロロメタン60ml溶液に窒素気流下、トリエチルアミン5.4ml(38.69mmol)を加え、−10℃に冷却後メタンスルホン酸クロリド3.0ml(38.69mmol)を滴下し、−10℃で2時間攪拌した。溶媒を留去後、残渣を酢酸エチルで抽出し、飽和塩化アンモニウム水溶液、飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=4/1)に付し溶媒を留去し、標記化合物6.67g(96%)を得た。
IRスペクトル (liquid film)cm−1: 2972, 2917, 2878, 1535, 1361, 1177;
NMRスペクトル(400MHz, CDCl3)δppm: 1.41(9H,s), 3.03(3H,s), 5.22(2H,s), 7.37(1H,d,J=1.9Hz), 7.49(1H,dd,J=1.9Hz,J=8.3Hz), 7.61(1H,d,J=8.3Hz)。
【0211】
参考例6
(4−t−ブチル−3−ニトロフェニル)アセトニトリル
参考例5で得られたメタンスルホン酸 4−t−ブチル−3−ニトロベンジルエステル5.31g(18.48mmol)のジメチルホルムアミド溶液45ml溶液を窒素気流下、−10℃に冷却し、よう化ナトリウム4.43g(29.57mmol)、シアン化カリウム1.93g(29.57mmol)を加え、室温で7時間攪拌した。酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=6/1)に付し溶媒を留去し、標記化合物3.32g(82%)を結晶として得た。
融点:58.5−60℃ (酢酸エチル:ヘキサン);
IRスペクトル(KBr)cm−1: 2972, 2916, 2255, 1528, 1372, 1252, 1064;
NMRスペクトル(400MHz, CDCl3)δppm: 1.40(9H,s), 3.77(2H,s), 7.28(1H,d,J=2.0Hz), 7.44(1H,dd,J=2.0Hz,J=8.2Hz), 7.59(1H,d, J=8.2Hz)。
【0212】
参考例7
(4−t−ブチル−3−ニトロフェニル)酢酸
参考例6で得られた(4−t−ブチル−3−ニトロフェニル)アセトニトリル3.29g(15.07mmol)水25ml溶液に硫酸25mlを加え、2.5時間加熱還流した。酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ジクロロメタン/メタノール=20/1)に付し溶媒を留去し、標記化合物3.30g(92%)を無色の結晶として得た。
融点:156.5〜158℃(酢酸エチル−ヘキサン);
IRスペクトル(KBr)cm−1:2976, 2910, 2658, 2570, 1720, 1531, 1372, 1244;NMRスペクトル(400MHz, CDCl3)δppm: 1.39(9H,s), 3.66(2H,s), 7.26(1H,d,J=2.0Hz), 7.36(1H,dd,J=2.0Hz,J=8.3Hz), 7.52(1H,d,J=8.3Hz)。
【0213】
参考例8
(4−t−ブチル−3−ニトロフェニル)酢酸 メチルエステル
参考例7で得られた(4−t−ブチル−3−ニトロフェニル)酢酸3.27g(13.78mmol)のジクロロメタン50ml溶液を窒素気流下、0℃に冷却し、オキザリルクロリド1.9ml(22.05mmol)、触媒量のジメチルホルムアミドを加え、室温で2時間攪拌した。溶媒を留去し、トルエンで共沸した後、再びジクロロメタン50ml溶液とし、窒素気流下、メタノール0.9ml(22.05mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。溶媒を留去後、残渣を酢酸エチルで抽出し、飽和塩化アンモニウム水溶液、飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=5/1)に付し溶媒を留去し、標記化合物3.19g(92%)を無色の結晶として得た。
融点:98−99℃(酢酸エチル−ヘキサン);
IRスペクトル(KBr)cm−1:2978, 2882, 1731, 1532, 1372, 1346, 1231, 1192, 998;
NMRスペクトル(400MHz, CDCl3)δppm: 1.39(9H,s), 3.63(2H,s), 3.72(3H,s), 7.25(1H,d,J=1.8Hz), 7.36(1H,dd,J=1.8Hz,J=8.3Hz), 7.50(1H,d,J=8.3Hz)。
【0214】
参考例9
(3−アミノ−4−t−ブチルフェニル)酢酸 メチルエステル
参考例2と同様の方法によって、参考例8で得られた(4−t−ブチル−3−ニトロフェニル)酢酸 メチルエステル2.62g(10.4mmol)を用いて、標記化合物2.30g(100%)を得た。
IRスペクトル(liquid film)cm−1: 3494, 3385, 2955, 1736, 1624, 1426, 1258, 1156, 1017;
NMRスペクトル(400MHz, CDCl3)δppm: 1.40(9H,s), 3.50(2H,s), 3.68(3H,s), 3.81(2H,brs), 6.57(1H,d,J=1.7Hz), 6.64(1H,dd,J=1.7Hz,J=8.0Hz), 7.17(1H,d,J=8.0Hz)。
【0215】
参考例10
[4−t−ブチル−3−(2−クロロアセチルアミノ)フェニル]酢酸 メチルエステル
参考例3と同様の方法によって、参考例9で得られた(3−アミノ−4−t−ブチルフェニル)酢酸 メチルエステル8.07g(36.5mmol)を使用して、標記化合物10.50g(97%)を結晶として得た。
融点:78−79℃;
IRスペクトル(KBr)cm−1: 3252, 2971, 1749, 1661, 1533, 1437, 1348, 1201,1169;
NMRスペクトル(400MHz, CDCl3)δppm: 1.42(9H,s), 3.62(2H,s), 3.70(3H,s), 4.25(2H,s), 7.12(1H,dd,J=1.9Hz, J=8.2Hz), 7.37(1H,d,J=8.2Hz), 7.62(1H,d,J=1.9Hz), 8.43(1H,brs)。
【0216】
参考例11
{4−t−ブチル−3−[2−(4−メトキシ−3、5−ジメチルフェニルアミノ)アセチルアミノ]フェニル}酢酸 メチルエステル
参考例4と同様の方法によって、参考例10で得られた[4−t−ブチル−3−(2−クロロアセチルアミノ)フェニル]酢酸 メチルエステル1.41g(4.74mmol)を用いて、標記化合物1.86g(95%)を得た。
IRスペクトル(Thin film)cm−1: 3360, 2954, 1738, 1677, 1528, 1424, 1227,1162, 1014;
NMRスペクトル(400MHz, CDCl3)δppm: 1.24 (9H, s), 2.23(6H,s), 3.62(2H,s), 3.65(3H,s), 3.69(3H,s), 3.89(2H,d,J=5.4Hz), 4.18(1H,t,J=5.4Hz), 6.37(2H,s), 7.41(1H,dd,J=1.8Hz,J=8.2Hz), 7.30(1H,d,J=8.2Hz), 7.84(1H,d,J=1.8Hz), 8.89(1H,brs)。
【0217】
参考例12
4−t−ブチル−3−{2−[(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)−ペンタノイルアミノ]アセチルアミノ}安息香酸 メチルエステル
参考例4で得られた4−t−ブチル−3−[2−(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニルアミノ)アセチルアミノ]安息香酸 メチルエステル3.0g(7.528mmol)のジメチルアセトアミド30ml溶液を、0℃に冷却後、ペンタン酸クロリド1.34ml(11.292mmol)を滴下した。室温で3時間攪拌し、溶媒を留去後、残渣を酢酸エチルで抽出し、飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥し溶媒を留去した後、残渣をヘキサン−酢酸エチルで再結晶し、標記化合物2.6g(72%)を結晶として得た。
融点:152.5−153.5℃;
IRスペクトル(CHCl3)cm−1: 3320, 2960, 2874, 1720, 1687, 1633, 1483, 1438, 1304, 1125, 1009;
NMRスペクトル(400MHz,CDCl3)δppm: 0.82(3H,tri,J=7.3Hz), 1.20〜1.30(2H,m), 1.46(9H,s), 1.54〜1.62(2H,m), 2.30,(6H,s), 3.75(3H,s), 3.88(3H,s), 4.45(2H,s), 6.90(2H,s), 7.49(1H,d,J=8.3Hz), 7.83(1H,dd,J=1.7Hz,J=8.3Hz),
8.13(1H,d,J=1.7Hz), 8.53(1H,s)。
【0218】
参考例13
4−t−ブチル−3−{2−[ブチリル−(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)アミノ]アセチルアミノ}安息香酸 メチルエステル
参考例11で得られた{4−t−ブチル−3−[2−(4−メトキシ−3、5−ジメチルフェニルアミノ)アセチルアミノ]フェニル}酢酸 メチルエステル1.50g(3.64mmol)と酪酸クロリドを用い、参考例12と同様の方法によって、標記化合物10,9g(89%)を得た。
IRスペクトル(CHCl3)cm−1: 3306, 2966, 2874, 1643, 1525, 1489, 1413, 1318, 1237, 1205, 997, 768;
NMRスペクトル(400MHz,CDCl3)δppm: 0.826(3H,tri,J=7.3Hz), 1.28(9H,s), 1.54〜1.64(2H,m), 2.10(2H,tri,J=7.3Hz), 2.25(6H,s), 3.73(3H,s), 3.89(3H,s), 4.72(2H,brs), 6.96(2H,s), 7.63(1H,d,J=2.0Hz), 7.66(1H,d,J=8.6Hz), 8.00(1H,dd,J=2.0Hz,J=8.6Hz)。
【0219】
参考例14
3−{2−[アセチル−(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)アミノ]アセチルアミノ}−4−t−ブチル安息香酸 メチルエステル
参考例4で得られた4−t−ブチル−3−[2−(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニルアミノ)アセチルアミノ]安息香酸 メチルエステル1.50g(3.64mmol)とアセチルクロリドを用い、参考例12と同様の方法によって、標記化合物2.8g(77%)を結晶として得た。
融点:212.5−213.0℃(酢酸エチル−ヘキサン);
IRスペクトル(KBr)cm−1: 3225, 2955, 1726, 1664, 1528, 1485, 1302, 1225,1121, 1008, 770;
NMRスペクトル(400MHz,CDCl3)δppm: 1.46(9H,s), 1.99(3H,s), 2.30(6H,s),3.75(3H,s), 3.89(3H,s), 4.45(2H,s), 6.92(2H,s), .50(1H,d,J=8.3Hz), 7.83(1H,dd,J=1.8Hz,J=8.3Hz), 8.15(1H,d,J=1.8Hz), 8.51(1H,s)。
【0220】
参考例15
{(4−t−ブチル−3−{2−[(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)−プロピオニルアミノ]アセチルアミノ}フェニル}酢酸 メチルエステル
参考例11で得られた{4−t−ブチル−3−[2−(4−メトキシ−3、5−ジメチルフェニルアミノ)アセチルアミノ]フェニル}酢酸 メチルエステル1.50g(3.64mmol)とプロピオン酸クロリドを用い、参考例12と同様の方法によって、標記化合物1.40g(82%)を結晶として得た。
融点:156−157℃(エーテル);
IRスペクトル(KBr)cm−1: 3260, 2953, 1740, 1664, 1485, 1421, 1220, 1165,1012;
NMRスペクトル(400MHz, CDCl3)δppm: 1.09(3H,t,J=7.4Hz), 1.42(9H,s), 2.20(2H,q,J=7.4Hz), 2.28(6H,s), 3.60(2H,s), 3.69(3H,s), 3.74(3H,s), 4.43(2H,s), 6.90(2H,s), 7.10(1H,dd,J=1.6Hz,J=8.2Hz), 7.37(1H,d,J=8.2Hz), 7.46(1H,d,J=1.6Hz), 8.43(1H, brs)。
【0221】
参考例16
{4−t−ブチル−3−{2−[ブチリル−(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)アミノ]アセチルアミノ}フェニル}酢酸 メチルエステル
参考例11で得られた{4−t−ブチル−3−[2−(4−メトキシ−3、5−ジメチルフェニルアミノ)アセチルアミノ]フェニル}酢酸 メチルエステル472mg(1.14mmol)と酪酸クロリドを用い、参考例12と同様の方法によって、標記化合物519mg(94%)を結晶として得た。
融点:137−138℃ (酢酸エチル−ヘキサン);
IRスペクトル(KBr)cm−1: 3262, 2958, 1741, 1663, 1485, 1420, 1219, 1164,1081, 1012;
NMRスペクトル(400MHz, CDCl3)δppm: 0.87(3H,t,J=7.4Hz), 1.43(9H,s), 1.58 ̄1.67(2H,m), 2.15(2H,t,J=7.5Hz), 2.29(6H,s), 3.60(2H,s), 3.65(3H,s), 3.69(3H,s), 3.75(3H,s), 4.43(2H,s), 6.90(2H,s), 7.10(1H,dd,J=1.4Hz,J=8.1Hz), 7.37(1H,d,J=8.1Hz), 7.44(1H,d,J=1.4Hz), 8.41(1H,.brs)。
【0222】
参考例17
{4−t−ブチル−3−{2−[ヘプタノイル−(4−メトキシ−3、5−ジメチルフェニル)アミノ]アセチルアミノ}フェニル}酢酸 メチルエステル
参考例11で得られた{4−t−ブチル−3−[2−(4−メトキシ−3、5−ジメチルフェニルアミノ)アセチルアミノ]フェニル}酢酸 メチルエステル1.80g(4.36mmol)とヘプタン酸クロリドを用い、参考例12と同様の方法によって、標記化合物2.02g(83%)を得た。
融点:125℃ (エーテル);
IRスペクトル(KBr)cm−1: 3241, 2954, 2862, 1743, 1658, 1537, 1487, 1417,1224, 1161;
NMRスペクトル(400MHz, CDCl3)δppm: 0.83 (3H,t,J=7.0Hz), 1.15 ̄1.28(6H,m), 1.43(9H,s), 1.55 ̄1.62(2H,m), 2.16(2H,t,J=7.5Hz), 2.29(6H,s), 3.60(2H,s), 3.69(3H,s), 3.75(3H,s), 4.43(2H,s), 6.90(2H,s), 7.10(1H,dd,J=1.8Hz,J=8.1Hz), 7.37(1H,d,J=8.1Hz), 7.44(1H,d,J=1.8Hz), 8.41(1H,brs)。
【0223】
参考例18
{4−t−ブチル−3−{2−[ヘプタノイル−(4−ヒドロキシ−3、5−ジメチルフェニル)アミノ]アセチルアミノ}フェニル}酢酸 メチルエステル
参考例17で得られた{4−t−ブチル−3−{2−[ヘプタノイル−(4−メトキシ−3、5−ジメチルフェニル)アミノ]アセチルアミノ}フェニル}酢酸 メチルエステル1.75g(3.34mmol)を用いて、実施例8と同様にして、標記化合物1.71g(99%)を得た。
融点:145−145.5℃(エーテル);
IRスペクトル(KBr)cm−1: 3269, 2955, 2871, 1741, 1673, 1635, 1525, 1488,1435, 1317, 1238, 1202;
NMRスペクトル(400MHz, CDCl3)δppm: 0.82(3H,t,J=7.0Hz), 1.14 ̄1.28(6H,m), 1.44(9H,s), 1.53 ̄1.60(2H,m), 2.14(2H,t,J=7.6Hz), 2.17(6H,s), 3.60(2H,s), 3.70(3H,s), 4.48(2H,s), 5.86(1H,brs), 6.80(2H,s), 7.11(1H,dd,J=1.8Hz,J=8.2Hz), 7.38(1H,d,J=8.2Hz), 7.43(1H,d,J=1.8Hz), 8.60(1H,brs)。
【0224】
試験例1
血清コレステロールの測定
雄性syrian Hamster (日本SLC、8週令、110−130g体重)を1週間馴化した後、各群の体重の平均が均一になるように群分けを行った(各群n=6)。各化合物をPropylene glycol : Tween 80=4: 1溶液に懸濁・調製し、2ml/kg体重の割合で7日間連続投与した。Control群はPropylene glycol : Tween 80=4: 1溶液のみを投与した。最終投与の次の日の朝から絶食を行い、4時間後にエーテル麻酔下で腹部大動脈から採血を行った。40分間室温放置後、遠心分離(2000×g, 15分, 4℃)を行い、血清を得た。血清脂質の濃度測定は、オートアナライザー(日立工機)で行った。データは、各群における血清コレステロールの平均値を算出し、controlに対する変化率で表記し、結果を表2に示す。
【0225】
【表2】
化合物(投与量) 血清コレステロール低下(%)
実施例6(3mg/kg) 22.3
本試験の結果、本発明の化合物は、特開平11−158133号記載の化合物よりも優れた血清コレステロール低下作用を示した。
【0226】
試験例2
ACAT阻害活性
(1)β−Very low density lipoprotein(以下、β−VLDLと略す。)の調製
2%コレステロール食を2週間負荷した日本白色種ウサギを1晩絶食し、エチレンジアミンテトラ酢酸(最終濃度:5mM、以下、EDTAと略す。)を抗凝固剤として採血を行った。得られた血漿より、HatchおよびLees等の方法 [Hatch, FT.and Lees, RS., Adv.Lipid Res., 6, 1−68, (1968).]に従い、β−VLDL(d<1.006g/ml)を調製し、150mM塩化ナトリウムを含む10mMリン酸ナトリウム緩衝剤(pH7.4)により透析して(4℃)実験に使用した。
(2)マクロファージの調製
マクロファージ(以下、Mφと略す。)を、EdelsonおよびCohn等の方法
[Edelson, PJ. and Cohn, ZA., 1976, in IN VITRO Methods in Cell−Mediated and Tumor Immunity, eds. Bloon, BR and David, JR.,(Academic, New York), 330−340.]に従い、雌DDYマウス(体重20−30g)の腹腔より生理食塩水(以下、PBSと略す。)を用いて集めた。これらをプールし、4℃、400×gで10分間遠心分離することによりMφを集めた後、PBSを加え、再度遠心分離することにより、Mφを洗浄した。Mφを10%(vol/vol)子牛血清(FCS)、ペニシリン(100units/ml)及びストレプトマイシン(100μg/ml)を含む Dulbecco’smodified Eagle’s 培地(DMEM)に、細胞数が3×106 cells/mlになるように懸濁した。この細胞懸濁液1mlずつを35×10mmのプラスチックのペトリ皿に接種し、CO2インキュベーター(5%CO2/95%air)に移し、37℃で2時間培養を行った。PBSで2度洗浄を行った後、実験に使用した。
(3)MφにおけるACAT阻害活性の測定
MφにおけるACAT阻害活性は、Brown等の方法 [Brown, MS., Goldstein JL., Krieger, M., Ho,YK. and Anderson, RGW. (1979), J.Cell Biol., 82, 597−613]に従って測定した。β−VLDL(最終濃度:50μgコレステロール/ml)、
[14C]oleate/アルブミン(最終濃度:0.2mMオレイン酸、0.6mg/mlアルブミン)およびエタノールに溶解した試験化合物をMφに添加した後、CO2インキュベーターで3時間培養した。細胞をPBSを用いて3回洗浄した後、1mlのヘキサン/イソプロパノール(3:2, vol/vol)により脂質を抽出した。抽出物を窒素気流下で蒸発乾固させた後、シリカゲル薄層クロマトグラフィーを用い、ヘキサン:ジエチルエーテル:酢酸=85:15:1の展開溶媒により、Cholesteryl[14C]oleateを分画した。対照群と試験化合物添加群における Cholesteryl[14C]oleate画分の放射活性を比較することにより、ACAT活性を50%阻害するのに必要な試験化合物の濃度IC50を算出した。結果を表3に示す。本試験の結果、本発明の化合物は、優れたACAT阻害作用を有することが明らかである。
【0227】
【表3】
化合物 IC50(μg/ml)
実施例14 0.009
。
【0228】
試験例3
大動脈病変面積の測定
12週齢の雄性アポリポプロテインE欠損マウスをコントロール群及び試験化合物投与群の2群(各群8−9例)にわけ、12週間、試験化合物投与群には、vehicle (プロピレングリコール:Tween 80=4:1)に溶解した試験化合物を強制経口投与し、コントロール群には、vehicleのみを投与した。12週目に動物を解剖し、心臓および大動脈弓部を摘出した。大動脈弁部のパラフィンブロック標本の作製は以下の方法で行った。脱水およびパラフィン浸透は自動包埋装置(製品名:サクラ密閉式自動包埋装置ETP−120AZ,サクラ精機)を、大動脈弁部の包埋は包埋センター(製品名:Tissue−Tek II, サクラ精機)を使用した。滑走式ミクロトーム(製品名:滑走式ミクロトームTU−113,大和光機工業)を用いて、連続薄切切片(5(m)を作製した。連続10枚切片を1単位として合計4単位を用いて評価を行った。上記作製した連続切片をエラスチカマッソン染色後、画像を顕微鏡に接続したデジタルカメラ(製品名:デジタルCCDカメラ HC−2500,フジ写真フィルム株式会社)を用いて撮影した。解析ソフト(製品名:Qwin,ライカ社)を用いて動脈硬化病変面積を計測し、4枚の平均値を表示した。結果を表4に示す。
【0229】
【表4】
化合物(投与量) 動脈硬化病変面積(μm2)
実施例6(30mg/kg) 3.5×104
........................................................
コントロール群 9.7×104
本発明の化合物投与群における動脈硬化病変面積は、コントロール群に比べて著しく減縮されたことから、本発明の化合物は、優れた抗動脈硬化作用を有することが明らかである。
【0230】
試験例4
副腎毒性の測定
実施例6の化合物36 mgをN,N−Dimethylacetamide 72μlに溶解し、Polyethylene Glycol 400 2378μlを加えることで15 mg/ml溶液を作製した。エーテル麻酔したHartrey系モルモット(雄性、5週令、300−400 g)の総頚静脈を露出させ、その部位から上記薬剤溶液を2 ml/kgの割合で投与した(30 mg/kg)。一週間通常飼育した後、エーテル麻酔下で腹部大動脈より放血し致死させた。副腎を摘出した後、直ちに生理食塩水で洗浄し、10%ホルマリン固定液中で固定した。固定後、常法に従いパラフィンブロックに包埋、ミクロトームを用いて薄切し、未染色標本を作製した。上記標本を、HE染色し、病理学的評価を行った。その結果、副腎毒性が著しく低いことが明らかとなった。
【0231】
製剤例1
ハードカプセル剤
標準二分式ハードゼラチンカプセルの各々に、100mgの粉末状の実施例6の化合物、150mgのラクトース、50mgのセルロース及び6mgのステアリン酸マグネシウムを充填することにより、単位カプセルを製造し、洗浄後、乾燥する。
【0232】
【発明の効果】
本発明の前記一般式(I)を有するアミド誘導体、その薬理上許容される塩、そのエステル又はその他の誘導体を有効成分として含有する医薬組成物は、優れたLDL酸化抑制作用及びACAT阻害作用を有し、且つ優れた経口吸収性を示し、副作用(特に、副腎毒性)が低く、安全域(薬効と毒性発現の濃度差)が広いため、高脂血症又は動脈硬化性疾患の治療剤又は予防剤(特に、治療剤)として有用である。
Claims (18)
- 請求項1において、
R1が、C1−C2アルコキシ基又はヒドロキシ基であるアミド誘導体又はその薬理上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物。 - 請求項1において、
R1が、メトキシ基であるアミド誘導体又はその薬理上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物。 - 請求項1において、
R1が、ヒドロキシ基であるアミド誘導体又はその薬理上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物。 - 請求項1乃至4より選択されるいずれか一項において、
R2が、C2−C6アルカノイル基であるアミド誘導体又はその薬理上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物。 - 請求項1乃至4より選択されるいずれか一項において、
R2が、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ペンタノイル基又はヘキサノイル基であるアミド誘導体又はその薬理上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物。 - 請求項1乃至4より選択されるいずれか一項において、
R2が、プロピオニル基、ブチリル基又はペンタノイル基であるアミド誘導体又はその薬理上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物。 - 請求項1乃至4より選択されるいずれか一項において、
R2が、ブチリル基であるアミド誘導体又はその薬理上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物。 - 請求項1乃至8より選択されるいずれか一項において、
R3が、カルバモイル基、モノ(低級アルキル)カルバモイル基又はジ(低級アルキル)カルバモイル基であるアミド誘導体又はその薬理上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物。 - 請求項1乃至8より選択されるいずれか一項において、
R3が、カルバモイル基、モノ(C1−C2アルキル)カルバモイル基又はジ(C1−C2アルキル)カルバモイル基であるアミド誘導体又はその薬理上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物。 - 請求項1乃至8より選択されるいずれか一項において、
R3が、カルバモイル基又はモノ(C1−C2アルキル)カルバモイル基であるアミド誘導体又はその薬理上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物。 - 請求項1乃至8より選択されるいずれか一項において、
R3が、カルバモイル基又はモノメチルカルバモイル基であるアミド誘導体又はその薬理上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物。 - 請求項1乃至12より選択されるいずれか一項において、
Aが、単結合、メチレン基、エチレン基又はトリメチレン基であるアミド誘導体又はその薬理上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物。 - 請求項1乃至12より選択されるいずれか一項において、
Aが、単結合又はメチレン基であるアミド誘導体又はその薬理上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物。 - 請求項1乃至12より選択されるいずれか一項において、
Aが、単結合であるアミド誘導体又はその薬理上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物。 - 請求項1において、
{N−[(2−t−ブチル−5−ジメチルカルバモイルメチルフェニルカルバモイル)メチル]−N−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)}プロピオン酸アミド,
4−t−ブチル−3−{2−[ブチリル−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)アミノ]アセチルアミノ}ベンズアミド,
3−{2−[ブチリル−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)アミノ]アセチルアミノ}−4−t−ブチル−N−メチルベンズアミド,
4−t−ブチル−3−{2−[ブチリル−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)アミノ]アセチルアミノ}フェニル酢酸,
4−t−ブチル−3−{2−[(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)−プロピオニルアミノ]アセチルアミノ}フェニル酢酸,
{N−[(2−t−ブチル−5−ジメチルカルバモイルメチルフェニル)カルバモイルメチル]−N−(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)}プロピオン酸アミド,
4−t−ブチル−3−{2−[ブチリル−(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)アミノ]アセチルアミノ}安息香酸,
4−t−ブチル−3−{2−[ブチリル−(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)アミノ]アセチルアミノ}ベンズアミド,
3−{2−[ブチリル−(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)アミノ]アセチルアミノ}−4−t−ブチル−N−メチルベンズアミド,
4−t−ブチル−3−{2−[ブチリル−(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)アミノ]アセチルアミノ}フェニル酢酸及び
4−t−ブチル−3−{2−[(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)−ペンタノイルアミノ]アセチルアミノ}安息香酸
からなる群から選択されるいずれか1つの化合物又はその薬理上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物。 - 高脂血症を予防又は治療するための、請求項1乃至16から選択されるいずれか1項に記載の医薬組成物。
- 動脈硬化性疾患を予防又は治療するための、請求項1乃至16から選択されるいずれか1項に記載の医薬組成物。
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