JPH08217731A - キノン誘導体 - Google Patents

キノン誘導体

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Publication number
JPH08217731A
JPH08217731A JP7023094A JP2309495A JPH08217731A JP H08217731 A JPH08217731 A JP H08217731A JP 7023094 A JP7023094 A JP 7023094A JP 2309495 A JP2309495 A JP 2309495A JP H08217731 A JPH08217731 A JP H08217731A
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JP
Japan
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group
compound
optionally substituted
substituted
formula
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Withdrawn
Application number
JP7023094A
Other languages
English (en)
Inventor
Mitsuru Shiraishi
充 白石
Yasuko Ashida
康子 蘆田
Shigenori Ookawa
滋紀 大川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Publication date
Application filed by Takeda Chemical Industries Ltd filed Critical Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】抗アレルギー作用を有する新規化合物を提供す
る。 【構成】一般式 【化1】 〔式中、R1およびR2はそれぞれメチル基またはメトキ
シ基を示すか、R1とR2が互いに結合してR1とR2で−
CH=CH−CH=CH−を示す。R3は置換されてい
てもよい芳香族基を示す。R4,R5はそれぞれ水素原
子,置換されていてもよい炭化水素残基,置換されてい
てもよい水酸基,置換されていてもよいアシル基,置換
されていてもよいカルバモイル基,一般式R−O−CO
−(式中、Rは置換されていてもよい炭化水素残基を示
す。),R−O−SO2−(式中、Rは前記と同意義で
ある。)で示される基を示すか、またはR4とR5が結合
して環を形成していてもよい。nは0または1〜15の
整数を示す。〕で表わされるキノン誘導体またはそのヒ
ドロキノン体、あるいはそれらの塩。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医薬として有用なキノ
ン誘導体に関する。本発明の新規キノン誘導体は、抗ア
レルギー作用特にアトピー性皮膚炎の治療および予防作
用を有する。
【0002】
【従来の技術】アトピー性皮膚炎は、血清IgE値の上
昇および皮膚機能異常のアトピー素因に加えて、ダニ,
食物,ストレス等の環境因子が加わり皮疹の形成に至る
免疫反応を基盤とする疾患である。IgE抗体産生異常
の原因として、主にTh2様細胞数の増加や機能亢進が
考えられ、IL−4の産生亢進が憎悪因子のひとつとな
っている。アトピー性皮膚炎の治療薬は、外用薬として
ステロイド薬、内服薬として抗アレルギー薬、抗ヒスタ
ミン薬が用いられているが、内服薬のみでは有効性が低
く、薬物療法の主体はステロイド外用薬である。しか
し、ステロイド外用薬は作用が強く、ステロイド皮膚症
といった副作用が生じ、休薬による憎悪作用も考えら
れ、使用法が難しい。アトピー患者は健常者に比べてT
h2様細胞が活性化されており、上皮、真皮上層にも活
性化リンパ球、マクロファージ、好酸球等の湿潤がみら
れ、免疫反応が起きやすい状態となっている。さらに血
中の好酸球増多を認めることも多い。Th2様細胞から
産生されるサイトカインのうちIL−4はIgE抗体産
生を促進し、IL−5は好酸球の分化、増殖、遊走を促
進すると共に、その延命効果も示す。したがって、Th
2様細胞の機能を抑える薬物は、アトピー疾患を改善す
る可能性を秘めている〔最新医学・49巻 40−55
頁1994年、医学のあゆみ 168巻 731−73
5頁 1994年、メビオ(Mebio)19巻 1992
年、治療学8 26巻 1992年〕。たとえば特開昭
61−44840、特開昭63−101322にはトロ
ンボキサンA2合成酵素阻害作用,トロンボキサンA2
容体拮抗作用を有するキノン誘導体が開示されている。
しかしながら、抗アレルギー作用を有する(置換アミ
ノ)キノン誘導体は知られていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は抗アレルギー
作用を有する新規キノン誘導体またはそのヒドロキノン
体およびそれらの塩を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、一般式
【化2】 〔式中、R1およびR2はそれぞれメチル基またはメトキ
シ基を示すか、R1とR2が互いに結合してR1とR2で−
CH=CH−CH=CH−を示す。R3は置換されてい
てもよい芳香族基を示す。R4,R5はそれぞれ水素原
子,置換されていてもよい炭化水素残基,置換されてい
てもよい水酸基,置換されていてもよいアシル基,置換
されていてもよいカルバモイル基,一般式R−O−CO
−(式中、Rは置換されていてもよい炭化水素残基を示
す。),R−O−SO2−(式中、Rは前記と同意義で
ある。)で示される基を示すか、またはR4とR5が結合
して環を形成していてもよい。nは0または1〜15の
整数を示す。〕で表わされるキノン誘導体またはそのヒ
ドロキノン体、あるいはそれらの塩に関する。
【0005】前記一般式(Ia)中、R3で示される置換
されていてもよい芳香族基における芳香族基としては芳
香族炭化水素残基,芳香族複素環基があげられる。該芳
香族炭化水素残基としてはたとえばフェニル基,ナフチ
ル基(1−ナフチル,2−ナフチル)などがあげられ
る。該芳香族複素環基としては、たとえば1個の硫黄原
子、窒素原子または酸素原子を含む5〜7員環基、2〜
4個の窒素原子を含む5〜6員環基、1〜2個の窒素原
子および1個の硫黄原子または酸素原子を含む5〜6員
環基が挙げられ、これらの芳香族複素環基は2個以下の
窒素原子をふくむ6員環、ベンゼン環または1個の硫黄
原子を含む5員環と縮合していてもよい。複素環基の具
体例としては、例えば、チエニル(2−チエニル,3−
チエニル)、フリル(2−フリル,3−フリル)、ピリ
ジル(2−ピリジル,3−ピリジル,4−ピリジル)、
ピリミジニル(2−ピリミジニル,4−ピリミジニル,
5−ピリミジニル,6−ピリミジニル)、ピリダジニル
(3−ピリダジニル,4−ピリダジニル)、2−ピラジ
ニル、ピロリル(2−ピロリル,3−ピロリル)、イミ
ダゾリル(2−イミダゾリル,4−イミダゾリル,5−
イミダゾリル)、ピラゾリル(3−ピラゾリル,4−ピ
ラゾリル)、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、チア
ゾリル(2−チアゾリル,4−チアゾリル,5−チアゾ
リル)、オキサゾリル(2−オキサゾリル,4−オキサ
ゾリル,5−オキサゾリル)、トリアゾリル(1,2,4
−トリアゾール−3−イル,1,2,3−トリアゾール−
4−イル)、テトラゾール−5−イル、ベンズイミダゾ
ール−2−イル、インドール−3−イル、ベンズピラゾ
ール−3−イル、1H−ピロロ〔2,3−b〕ピラジン
−2−イル、1H−ピロロ〔2,3−b〕ピリジン−6
−イル、1H−イミダゾ〔4,5−b〕ピリジン−2−
イル、1H−イミダゾ〔4,5−c〕ピリジン−2−イ
ル、1H−イミダゾ〔4,5−b〕ピラジン−2−イル
等が挙げられる。芳香族基のなかでもフェニル,チエニ
ルが好ましく、フェニルが最も好ましい。芳香族基は環
上の任意の位置に1〜3個置換基を有していてもよく、
このような置換基としてはたとえばメチル、エチル,プ
ロピル,イソプロピルなどの低級アルキル、メトキシな
どの低級アルコキシ、フロル,クロル,ブロムなどのハ
ロゲンのほか水酸基,メチレンジオキシ,トリメチレ
ン,トリフルオロメチルなどがあげられるが、なかでも
低級アルキル,ハロゲンが好ましく、フロル,メチルが
最も好ましい。
【0006】前記一般式(Ia)中、R4,R5で示される
置換されていてもよい炭化水素残基における炭化水素残
基としては、脂肪族炭化水素残基、脂環族炭化水素残
基、脂環族−脂肪族炭化水素残基、芳香脂肪族炭化水素
残基、芳香族炭化水素残基が挙げられ、該脂肪族炭化水
素残基としては、炭素数6以下のものたとえばメチル、
エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチ
ル、sec.−ブチル、t.−ブチル、ペンチル、イソペンチ
ル、ネオペンチル、t.−ペンチル、ヘキシル、イソヘキ
シルなど炭素数1〜8の飽和脂肪族炭化水素残基、たと
えばエテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−
ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、2−メチル−
1−プロペニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3
−ペンテニル、4−ペンテニル、3−メチル−2−ブテ
ニル、1−ヘキセニル、3−ヘキセニル、2,4−ヘキ
サジエニル、5−ヘキセニル、エチニル、1−プロピニ
ル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3
−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−ペ
ンチニル、4−ペンチニル、1−ヘキシニル、3−ヘキ
シニル、2,4−ヘキサジイニル、5−ヘキシニルなど
炭素数2〜6の不飽和脂肪族炭化水素残基が、該脂環族
炭化水素残基としては炭素数3〜7のもの、たとえばシ
クロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロ
ヘキシル、シクロヘプチルなど炭素数3〜7の飽和脂環
族炭化水素残基および1−シクロペンテニル、2−シク
ロペンテニル、3−シクロペンテニル、1−シクロヘキ
セニル、2−シクロヘキセニル、3−シクロヘキセニ
ル、1−シクロヘプテニル、2−シクロヘプテニル、3
−シクロヘプテニル、2,4−シクロヘプタジエニルな
ど炭素数5〜7の不飽和脂環族炭化水素残基が、該脂環
族−脂肪族炭化水素残基としては上記脂環族炭化水素残
基と上記脂肪族炭化水素残基とが結合したもののうち、
炭素数4〜9のもの、たとえばシクロプロピルメチル、
シクロプロピルエチル、シクロブチルメチル、シクロペ
ンチルメチル、2−シクロペンテニルメチル、3−シク
ロペンテニルメチル、シクロヘキシルメチル、2−シク
ロヘキセニルメチル、3−シクロヘキセニルメチル、シ
クロヘキシルエチル、シクロヘキシルプロピル、シクロ
ヘプチルメチル、シクロヘプチルエチルなどが、該芳香
脂肪族炭化水素残基としては、たとえばベンジル、フェ
ネチル、1−フェニルエチル、3−フェニルプロピル、
2−フェニルプロピル、1−フェニルプロピルなど炭素
数7〜9のフェニルアルキル、α−ナフチルメチル、α
−ナフチルエチル、β−ナフチルメチル、β−ナフチル
エチルなど炭素数11〜13のナフチルアルキルが、該
芳香族炭化水素残基としては、たとえばフェニル、ナフ
チル(α−ナフチル,β−ナフチル)などが挙げられ
る。
【0007】これらの炭化水素残基はたとえば水酸基,
カルボキシル基,ハロゲン原子(フッ素原子,塩素原
子,臭素原子,ヨウ素原子),カルバモイル,シアノ,
アルコキシ(たとえばメトキシ,エトキシ,プロポキシ
など炭素数1〜4のもの),ニトロキシ,スルファモイ
ルなどで置換されていてもよい。R4,R5で示される置
換されていてもよい水酸基としては、無置換の水酸基の
他一般式R−O−(式中、Rは前記と同意義である。)
で示される基が挙げられる。Rで示される置換されてい
てもよい炭化水素残基としてはR4,R5で示される置換
されていてもよい炭化水素残基が挙げられる。この一般
式R−O−で示される基の中でも置換されていてもよい
アルコキシ基が好ましく、置換されていてもよいアルコ
キシ基におけるアルコキシ基としてはたとえばメトキ
シ,エトキシ,プロポキシ,イソプロポキシ,ブトキ
シ,イソブトキシ,t−ブトキシなど炭素数1〜6のも
のが好ましい。アルコキシ基が置換基を有する場合、該
置換基としてはたとえば水酸基,カルボキシル基などが
好ましい。R4,R5で示される置換されていてもよいア
シル基としては、一般式R−CO−(式中、Rは前記と
同意義である。)または一般式R−SO2−(式中、R
は前記と同意義である。)で示される基が挙げられる。
一般式R−CO−で示される基の中でも置換されていて
もよいアルカノイル基,置換されていてもよいシクロア
ルキルカルボニル基,置換されていてもよいベンゾイル
基,置換されていてもよいフェニルアルカノイル基が好
ましく、一般式R−SO2−で示される基の中でも置換
されていてもよいアルキルスルホニル基,置換されてい
てもよいシクロアルキルスルホニル基および置換されて
いよもよいフェニルスルホニル基が好ましい。
【0008】上記置換されていてもよいアルカノイル基
におけるアルカノイルとしては、たとえばホルミル,ア
セチル,プロピオニル,ブチリル,イソブチリル,バレ
リル,ピバロイルなど炭素数1〜6のものが、置換され
ていてもよいシクロアルキルカルボニルのシクロアルキ
ルカルボニルとしてはたとえばシクロプロピルカルボニ
ル,シクロペンチルカルボニル,シクロヘキシルカルボ
ニルなどシクロ(C3-6)アルキル−カルボニルが、置
換されていてもよいフェニルアルカノイルにおけるフェ
ニルアルカノイルとしてはたとえばフェニルアセチル,
フェニルプロピオニルなどのフェニル−(C2-4)アル
カノイルが、置換されていてもよいアルキルスルホニル
におけるアルキルスルホニル基としてはたとえばメチル
スルホニル,エチルスルホニル,プロピルスルホニル,
イソプロピルスルホニル,ブチルスルホニル,イソブチ
ルスルホニル,t−ブチルスルホニルなど炭素数1〜6
のものが、置換されていてもよいシクロアルキルスルホ
ニルとしてはたとえばシクロプロピルスルホニル,シク
ロペンチルスルホニル,シクロヘキシルスルホニルなど
炭素数3〜6のものが挙げられる。上記アルカノイル
基,シクロアルキルカルボニル基,ベンゾイル基,フェ
ニルアルカノイル基は任意の位置に1個以上の置換基を
有していてもよく、該置換基としてはたとえば水酸基,
カルボキシル基,ハロゲン原子(フッ素,塩素,臭素,
ヨウ素)などがあげられる。上記アルキルスルホニル基
が置換基を有する場合、該置換基としてはたとえば水酸
基,カルボキシル基などが好ましい。上記シクロアルキ
ルスルホニル基,フェニルスルホニル基は置換基を有し
ていてもよく、該置換基としてはたとえば水酸基,カル
ボキシル基,ハロゲン原子(フッ素,塩素,臭素,ヨウ
素)などがあげられる。
【0009】置換されていてもよいカルバモイル基とし
ては無置換のカルバモイルの他たとえば(C1-4)アル
キルカルバモイル(メチルカルバモイル,エチルカルバ
モイル,プロピルカルバモイル,イソプロピルカルバモ
イルなど)、フェニルカルバモイル,アラルキルカルバ
モイル(フェニルメチルカルバモイル,フェネチルカル
バモイル)、ヒドロキシカルバモイルなどのモノ置換カ
ルバモイル、たとえばジメチルカルバモイル,ジエチル
カルバモイル,ジフェニルカルバモイル,ジベンジルカ
ルバモイル,N−ヒドロキシ−N−フェニルカルバモイ
ル,N−ヒドロキシ−N−メチルカルバモイルなどのジ
置換カルバモイルがあげられる。前記一般式R−O−C
O−で示される基の中でも置換されていてもよいアルコ
キシカルボニル基、置換されていてもよいフェノキシカ
ルボニル基および置換されていてもよいフェニルアルコ
キシカルボニル基が好ましく、一般式R−O−SO2
で示される基の中でも置換されていてもよいアルコキシ
スルホニル基が好ましい。上記置換されていてもよいア
ルコキシカルボニル基におけるアルコキシカルボニルと
してはたとえばメトキシカルボニル,エトキシカルボニ
ル,プロポキシカルボニル,イソプロポキシカルボニ
ル,ブトキシカルボニル,イソブトキシカルボニル,t
−ブトキシカルボニルなど(C1-6)アルコキシ−カル
ボニルがあげられ、置換されていてもよいフェニルアル
コキシカルボニル基におけるフェニルアルコキシカルボ
ニルとしては、たとえばベンジロキシカルボニル,フェ
ニルエトキシカルボニルなどのフェニル−(C1-4)ア
ルコキシ−カルボニルがあげられ、置換されていてもよ
いアルコキシスルホニル基におけるアルコキシスルホニ
ルとしてはたとえばメトキシスルホニル,エトキシスル
ホニル,プロポキシスルホニル,イソプロポキシスルホ
ニルなど炭素数1〜4のものがあげられる。
【0010】上記アルコキシカルボニル,フェノキシカ
ルボニル,フェニルアルコキシカルボニル,アルコキシ
スルホニル基は置換されていてもよく、該置換基として
はたとえば水酸基,カルボキシル基,ハロゲン原子(フ
ッ素,塩素,臭素,ヨウ素)などがあげられる。
【化3】 形成することを意味する。このような環状アミノ基は、
環構成原子として少なくとも1個の窒素原子を有し、そ
の他酸素原子,硫黄原子を有していてもよく、窒素原子
を介して結合する基であって、その具体例としてはたと
えばピロリジノ,ピペリジノ,モルホリノ,ピペラジ
ノ,チオモルホリノ,1−イミダゾリルなどがあげら
れ、これらはその環上にたとえばメチル,エチル,プロ
ピルなど炭素数1〜3のアルキル基,たとえばフッ素,
塩素,臭素などのハロゲン原子,カルボキシ,シアノ,
カルバモイルなどから選ばれた1〜2個の基を有してい
てもよい。前記一般式(Ia)で表わされる化合物のヒド
ロキノン体は一般式
【化4】 〔式中、各記号は前記と同意義である〕で表わされる化
合物を意味する。nは0または1〜15の整数を示す
が、なかでも1〜10の整数が好ましく、特に1〜7の
整数が好ましい。
【0011】本発明の化合物(Ia)は、たとえば一般式
【化5】 (式中、R1,R2,R3,R4,R5およびnは前記と同
意義であり、R6は水素原子,メチル基,メトキシメチ
ル基,ベンジル基,2−テトラヒドロピラニル基を、R
7は水素原子,水酸基,メトキシ基,メトキシメチルオ
キシ基,ベンジルオキシ基,2−テトラヒドロピラニル
オキシ基を示す。)で表わされる化合物に酸化剤を反応
させることによって製造することができる。一般式(I
I)で表わされる化合物の酸化は、式(II)におけるR6
およびR7の種類によって使用する酸化剤の種類と反応
条件が異なる。一般式(II)においてR6およびR7が水
素原子である化合物、すなはちフェノール化合物は、フ
レミー塩(Fremy's salt)を酸化剤として用いること
によって容易にキノン化合物(Ia)に導くことができ
る。この場合フレミー塩の使用量は化合物(II)1モル
に対して2〜4モル程度であり、溶媒としてはメタノー
ル,アセトニトリル,エタノール,ジオキサン,1,2
−ジメトキシエタンおよびこれらの含水溶媒などが好ま
しく用いられる。反応温度は10−80℃で、反応時間
は通常2〜10時間程度である。一般式(II)において
6が水素原子でR7が水酸基である化合物、すなわちヒ
ドロキノン化合物は緩和な酸化剤たとえば、空気,酸
素,フレミー塩,酸化第2鉄,硫酸第2鉄,過酸化水
素,過酸などを用いて容易にキノン化合物(Ia)に導く
ことができる。これらの反応は通常溶媒の存在下に行わ
れ、該溶媒としては、たとえばメタノール,アセトニト
リル,ジオキサン,1,2−ジメトキシエタンおよびこ
れらの有機溶媒と水からなる含水溶媒系が挙げられる。
空気または酸素を酸化剤に用いる場合は反応溶液のpH
を中性から弱アルカリ性(pH7.0からpH9.0)に
保って行われる。pHを保つためには適当な緩衝溶液
(例、リン酸緩衝液)が用いられる。反応温度は−10
℃から30℃で反応時間は通常24時間までである。
【0012】酸化剤として塩化第2鉄,硫酸第2鉄,フ
レミー塩,過酸化水素,過酸(例、過酢酸,m−クロロ
過安息香酸)が用いられる場合、酸化剤の使用量は化合
物(II)1モルに対して1〜4モル程度が好ましい。反
応温度が−10℃〜30℃で反応時間は通常1時間まで
である。一般式(II)においてR6がメチル基,メトキ
シメチル基,ベンジル基,2−テトラヒドロピラニル基
でR7がメトキシ基,メトキシメチルオキシ基,ベンジ
ルオキシ基,2−テトラヒドロピラニルオキシ基である
化合物、すなわちヒドロキノンジエーテル化合物は、酸
化銀(AgO)または硝酸第2セリウムアンモニウム
(以後CANと略称する)を酸化剤として用いることに
よって容易にキノン化合物(Ia)に導くことができる。
酸化銀(AgO)が使用される場合は水または含水有機
溶媒(例、ジオキサン,アセトニトリル)中、硝酸存在
下に−10℃から30℃の温度範囲で行われる。また、
CANを酸化剤として用いる場合は、含水有機溶媒
(例、アセトニトリル,メタノール),特に含水アセト
ニトリル中、CAN単独あるいはCANとピリジン−
2,6−ジカルボン酸N−オキシド,ピリジン−2,4,
6−トリカルボン酸もしくはピリジン−2,6−ジカル
ボン酸などとの共存下に行うことによって実施される。
CANと上記ピリジンカルボン酸類との混合割合は通常
1:1(モル当量)が適当である。反応温度は−5℃か
ら30℃程度である。出発物質として用いる一般式(I
I)で表わされる化合物は、たとえば、後記の参考例に
示す方法により製造することができる。また一般式(I
a)で表わされる化合物は、一般式(III)で表わされる
化合物から以下の反応式1で示すそれ自体公知の反応に
よって導くこともできる。
【0013】反応式1
【化6】 〔式中、R1,R2,R3,R4,R5およびnは前記と同
意義であり、n′は1〜16の整数を示す。〕 出発物質として用いる式(III)で表わされる化合物は
公知であるか、たとえば後記の参考例に示す方法により
製造することができる。上記目的化合物または原料化合
物のうち、塩基性化合物は、常法に従い酸を使用して塩
に変換することができる。この反応に対する適当な酸
は、好ましくは、薬理学的に許容されうる塩を与える酸
である。たとえば、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、
硝酸またはスルファミン酸などの無機酸、酢酸、酒石
酒、クエン酸、フマール酸、マレイン酸、p−トルエン
スルホン酸、メタンスルホン酸またはグルタミン酸など
の有機酸が挙げられる。また、得られる化合物が塩であ
る場合は常法に従って遊離体へ変換してもよい。
【0014】かくして得られる本発明の化合物(Ia)ま
たは原料化合物は、反応化合物から通常の分離精製手
段、たとえば抽出、濃縮、中和、ろ過、再結晶、カラム
(あるいは薄層)クロマトグラフィーなどの手段を用い
ることによって単離できる。 上記式(Ia)で示されるキノン誘導体は生体内では式
(Ib)で表わされるヒドロキノン誘導体との間で生化学
的に相互変換が可能であり、これらの化合物は生理学的
にも薬理学的意義においても等価であると見なされう
る。キノン化合物(Ia)は、例えば緩和な還元剤である
ナトリウムハイドロサルファイト,酸性亜硫酸ナトリウ
ム,水素化ホウ素ナトリウムを用いてそれ自体常法公知
の方法で還元することによって容易にヒドロキノン化合
物(Ib)に導くことができる。キノン化合物(Ia)およ
びそのヒドロキノン体(Ib)は、構造上キノン核側鎖ア
ルファ(α)炭素において不斉中心をもつため光学活性
を有する化合物が存在する。従って本発明化合物(Ia)
および(Ib)は光学活性化合物およびラセミ化合物のい
ずれも含むことを意味する。
【0015】本発明の化合物は抗アレルギー作用を有
し、毒性が低いため、抗アレルギー剤として、種々のア
レルギー疾患(たとえば喘息,鼻炎,アトピー性皮膚炎
など)の予防,治療剤として用いられる。本発明化合物
はそのままもしくは自体公知の薬学的に許容される担
体、賦形剤などと混合した医薬組成物〔例、貼布剤、外
用剤、錠剤、顆粒剤、カプセル剤(ソフトカプセル、マ
イクロカプセルを含む)、液剤、注射剤、坐剤〕として
人およびその他の哺乳動物に対して種々のアレルギー疾
患特にアトピー性皮膚炎の治療および予防に用いられ
る。投与ルートは経口もしくは非経口のいずれでもよ
い。投与量は投与対象、投与ルート、症状などにより多
少異なるが、例えば、成人の患者に対して経口投与する
場合、通常1回量として約10mg〜500mg程度、好ま
しくは40〜80mg程度を1日1〜2回程度投与するの
が好都合である。本発明化合物は、側鎖アルファ位の炭
素にかさ高い基を有する構造により生体内代謝による不
活化反応を受けにくくなっており、血中での薬剤有効濃
度を長時間維持することができ、低薬用量で優れた薬効
を示す。
【0016】本発明の化合物はさらにたとえば抗ヒスタ
ミン剤あるいはステロイド剤を配合することができる。
化合物(Ia)または(Ib)と抗ヒスタミン剤あるいはス
テロイド剤とを併用することによっても優れた抗アトピ
ー性皮膚炎の治療,予防剤として使用されうる。かかる
抗ヒスタミン剤としてはターフェナジン、エピナスチ
ン、ケトティフェン、ステロイド剤としてはジ酢酸ジフ
ロラゾン,ジフロプレドナードおよび吉草酸ペタメタゾ
ンが挙げられる。これらは通常用られる投与量で用いら
れる。また、本発明化合物をアトピー性皮膚炎の外用剤
として用いる場合は、さらに抗真菌剤を配合することが
できる。抗真菌剤としてはたとえばオキシコナゾール,
ミコナゾール,エコナゾール,イソコナゾール,スルコ
ナゾール,チオコナゾール,クロコナゾール,ケトコナ
ゾール,ネチコナゾール,ラトコナゾール,フルコナゾ
ール,イトラコナゾール,オモコナゾール,フェンチコ
ナゾール,ターコナゾール,クロトリマゾール,ビフォ
ナゾールなどのアゾール系抗真菌剤;トルナフタート,
クロトリマゾール,ビフォナゾールなどのアゾール系抗
真菌剤;トルナフタート,トルシクラート,リラナフタ
ート(ピリテトレート)などのチオカルバミン酸系抗真
菌剤;テルビナフィン,ナフチフィンなどのアリルアミ
ン系抗真菌剤;ブタナフィンなどのベンジルアミン系抗
真菌剤;アモロルフィンなどのモルホリン系抗真菌剤;
ハロプロジンなどのヨードプロパルギル系抗真菌剤;シ
クロピロクスオラミンなどのピリミジン系抗真菌剤;エ
キサラミドなどのベンズアミド系抗真菌剤;グアニジノ
チアゾール系抗真菌剤;バリオチン,シッカニン,ピロ
ールニトリルなどの抗真菌性抗生物質;ウンデシレン酸
またはそのエステル(たとえば、フェニル−1−ヨード
−10−ウンデシノエートなど)などのウンデシレン酸
系抗真菌剤;などが挙げられる。抗真菌剤の含有量は、
外用剤の局所用媒体中、真菌症に対する有効量、たとえ
ば、0.2〜5重量%、好ましくは0.5〜3重量%程度
である。
【0017】
【実施例】以下に、参考例、実施例および実験例を記載
して本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら
に限定されるものではない。 参考例1(化合物A−1の製造) トリメチルヒドロキノン(4.9g)、フェニル−1,3
−プロパンジオール(4.9g)のトルエン(200m
l)溶液に三フッ化ホウ素ジエチルエーテル(1.6g)
のトルエン(10ml)溶液を60℃で滴下し、60℃で
6時間撹拌した。溶媒を留去した後、残留物をテトラヒ
ドロフラン(150ml)に溶解し、これに塩化第二鉄
(16.6g)の水溶液(150ml)を加え、室温で3
0分撹拌した。テトラヒドロフランを減圧下に留去した
後、酢酸エチル(150ml×2)で抽出した。抽出液を
合わせ、水洗後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒
を留去した。残留物をシリカゲル・クロマトグラフィー
(溶出液、イソプロピルエーテル)に付して精製し、3
−(3,5,6−トリメチル−1,4−ベンゾキノン−2
−イル)−3−フェニルプロパノール(5.5g)を得
た(化合物A−1)。物性を〔表1〕に示す。
【0018】参考例2(化合物A−2の製造) 7−(3,5,6−トリメチル−1,4−ベンゾキノン−
2−イル)−7−フェニルヘプタン酸(2.2g)のジ
クロロエタン(15ml)溶液に塩化チオニル(3.0m
l)のジクロロエタン(10ml)溶液を30〜40℃で
滴下し、60℃で4時間撹拌した。反応液を減圧下に濃
縮した後、残留物を塩化メチレン(15ml)に溶解し
た。これをジメチルアミン(3.0ml)、トリエチルア
ミン(0.8ml)の塩化メチレン(15ml)溶液に氷冷
下滴下し、室温で13時間撹拌した。溶媒を減圧下に留
去した後、残留物に酢酸エチル(100ml)、水(10
0ml)を加え、分液し、水層をさらに酢酸エチル(12
0ml×3)で抽出した。抽出液をあわせ、水、飽和食塩
水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶
媒を減圧下に留去し、残留物をシリカゲル・クロマトグ
ラフィー(溶出液、酢酸エチル:ヘキサン=1:1→
2:1)に付して精製し、N,N−ジメチル−7−(3,
5,6−トリメチル−1,4−ベンゾキノン−2−イル)
−7−フェニルヘプタン酸アミド(2.0g)を橙色オ
イルとして得た(化合物A−2)。物性を〔表1〕に示
す。同様にして、〔表1〕に示す化合物A−3〜A−8
を製造した。
【0019】参考例3(化合物B−1の製造) 3−(3,5,6−トリメチル−1,4−ベンゾキノン−
2−イル)−3−フェニルプロパノール(6.4g)の
酢酸エチル(200ml)溶液をハイドロサルファイトナ
トリウム水溶液(200ml×3)と激しく振り混ぜた
後、酢酸エチル層を水洗、無水硫酸マグネシウムで乾燥
し、溶媒を減圧下に留去した。残留物をジメチルホルム
アミド(100ml)に溶解し、氷冷、窒素気流下、60
%油性水素化ナトリウム(1.7g)を加えた。これに
よう化メチル(4.3ml)のジメチルホルムアミド(1
0ml)溶液を滴下し、氷冷下で30分撹拌した。反応液
に水(120ml)、ジイソプロピルエーテル(120m
l)を加え、分液し、水層をさらにジイソプロピルエー
テル(120ml×2)で抽出した。抽出液をあわせ、飽
和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。
溶媒を減圧下に留去し、残留物をシリカゲル・クロマト
グラフィー(溶出液、酢酸エチル:ヘキサン=1:2)
に付して精製し、3−(2,5−ジメトキシ−3,4,6
−トリメチルフェニル)−3−フェニルプロパノール
(5.5g)を得た(化合物B−1)。物性を〔表2〕
に示す。
【0020】参考例4(化合物B−2の製造) 3−(2,5−ジメトキシ−3,4,6−トリメチルフェ
ニル)−3−フェニルプロパノール(4.2g)、トリ
エチルアミン(2.8ml)のジクロロメタン(40ml)
溶液に、氷冷、アルゴン雰囲気下、塩化メタンスルホニ
ル(1.9ml)のジクロロメタン(5ml)溶液を滴下し
た。滴下終了後、氷冷下で30分撹拌した。反応液に水
(50ml)を加え、分液し、水層をさらにジクロロメタ
ン(50ml×2)で抽出した。抽出液をあわせ、冷1N
塩酸、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水
で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を
減圧下に留去した。残留物をアセトン(30ml)に溶解
し、よう化ナトリウム(4.5g)を加えて、60℃で
14時間撹拌した。溶媒を減圧下に留去した後、残留物
にジイソプロピルエーテル(50ml)、水(50ml)を
加え、分液し、水層をさらにジイソプロピルエーテル
(50ml×5)で抽出した。抽出液をあわせ、ハイドロ
サルファイトナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄後、
無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下に留去
した後、シリカゲル・クロマトグラフィー(溶出液、ジ
イソプロピルエーテル:ヘキサン=1:5)に付して精
製し、1−ヨード−3−(2,5−ジメトキシ−3,4,
6−トリメチルフェニル)−3−フェニルプロパン
(4.5g)を得た(化合物B−2)。物性を〔表2〕
に示す。
【0021】参考例5(化合物B−3の製造) 1−ヨード−3−(2,5−ジメトキシ−3,4,6−ト
リメチルフェニル)−3−フェニルプロパン(2.1
g)のジメチルホルムアミド(10ml)溶液にジエチル
アミン(1.6ml)を加え、アルゴン雰囲気下、50℃
で1.5時間撹拌した。反応液に酢酸エチル(50m
l)、水(50ml)を加え、分液し、水層をさらに酢酸
エチル(50ml×3)で抽出した。抽出液をあわせ、
水、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで
乾燥した。溶媒を減圧下に留去し、残留物をシリカゲル
・クロマトグラフィー(溶出液、クロロホルム:エタノ
ール=5:1)に付して精製し、N,N−ジエチル−
〔3−(2,5−ジメトキシ−3,4,6−トリメチルフ
ェニル)−3−フェニル〕プロピルアミン(1.7g)
を淡黄色オイルとして得た(化合物B−3)。物性を
〔表2〕に示す。同様にして、〔表2〕に示す化合物B
−4〜B−12,B−14を製造した。 参考例6(化合物B−13の製造) イミダゾール(0.18g)、60%油性水素化ナトリ
ウム(0.10g)、ジメチルホルムアミド(10ml)
の溶液に1−ヨード−3−(2,5−ジメトキシ−3,
4,6−トリメチルフェニル)−3−フェニルプロパン
(1.0g)のジメチルホルムアミド(10ml)溶液を
加え、100℃で2時間撹拌した。反応液に酢酸エチル
(50ml)、水(50ml)を加え、分液し、水層をさら
に酢酸エチル(50ml×2)で抽出した。抽出液をあわ
せ、水、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥した。溶媒を減圧下に留去し、残留物をシリカ
ゲル・クロマトグラフィー(溶出液、クロロホルム:エ
タノール=50:1→4:1)に付して精製し、1−
〔3−(2,5−ジメトキシ−3,4,6−トリメチルフ
ェニル)−3−フェニルプロピル〕イミダゾール(0.
70g)を淡黄色オイルとして得た(化合物B−1
3)。物性を〔表2〕に示す。 参考例7(化合物A−9の製造) 7−(3,5,6−トリメチル−1,4−ベンゾキノン
−2−イル)−7−(3−ピリジル)ヘプタン酸(1.
07g)、N−ヒドロキシコハク酸イミド(0.38
g)のジクロルメタン(15ml)溶液に0℃で1−エ
チル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイ
ミド塩酸塩(0.69g)を加え、室温に昇温し、16
時間撹拌した。反応液を氷冷し、25%アンモニア水
(0.61ml)を滴下し、滴下後、室温で2時間撹拌
した。反応液を減圧下に濃縮し、残渣に酢酸エチル,水
を加えて抽出した。酢酸エチル層を食塩水で洗浄、無水
硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧下で留去した。
残渣をイソプロピルエーテルで結晶化させて、7−
(3,5,6−トリメチル−1,4−ベンゾキノン−2
−イル)−7−(3−ピリジル)ヘプタン酸アミド
(0.97g)を黄色結晶として得た(化合物A−
9)。物性を〔表1〕に示す。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】実施例1(化合物1の製造) N,N−ジメチル−7−(3,5,6−トリメチル−1,4
−ベンゾキノン−2−イル)−7−フェニルヘプタン酸
アミド(1.3g)の酢酸エチル(60ml)溶液をハイ
ドロサルファイトナトリウム水溶液(50ml×3)と激
しく振り混ぜた後、酢酸エチル層を無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥し、溶媒を減圧下に留去した。残留物を無水テ
トラヒドロフラン(40ml)に溶解し、氷冷下に水素化
アルミニウムリチウム(0.5g)を加え、アルゴン雰
囲気下、室温で15時間撹拌した。反応液に希塩酸を加
えた後、酢酸エチル(100ml)、水(100ml)を加
えて分液し、水層をさらに酢酸エチル(100ml×2)
で抽出した。抽出液をあわせ、飽和食塩水で洗浄し、無
水硫酸マグネシウムで乾燥した。20%塩酸エタノール
溶液(1ml)を加え、溶媒を減圧下に留去した。残留物
をシリカゲル・クロマトグラフィー(溶出液、酢酸エチ
ル→クロロホルム:メタノール=4:1)に付して精製
し、N,N−ジメチル−〔7−(3,5,6−トリメチル
−1,4−ベンゾキノン−2−イル)−7−フェニル〕
ヘプチルアミン塩酸塩(0.95g)を得た(化合物
1)。物性およびスペクトルデータをそれぞれ〔表3〕
および〔表5〕に示す。同様にして、〔表3〕および
〔表4〕に示す化合物2〜5,18,19を製造した。
【0025】実施例2(化合物6の製造) N,N−ジエチル−〔3−(2,5−ジメトキシ−3,4,
6−トリメチルフェニル)−3−フェニル〕プロピルア
ミン(1.7g)のアセトニトリル−水(2:1,12m
l)溶液に硝酸セリウムアンモニウム(10g)のアセ
トニトリル−水(1:1,20ml)溶液を氷冷下滴下
し、40分撹拌した。アセトニトリルを減圧下に留去し
た後、クロロホルム(40ml)、水(40ml)を加え、
分液し、水層をさらにクロロホルム(40ml×2)で抽
出した。抽出液をあわせ、水、飽和食塩水で順次洗浄
後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下に
留去し、残留物をシリカゲル・クロマトグラフィー(溶
出液、クロロホルム:エタノール=5:1)に付して精
製した後、イソプロパノール−ジエチルエーテルから再
結晶して、N,N−ジエチル−〔3−(3,5,6−トリ
メチル−1,4−ベンゾキノン−2−イル)−3−フェ
ニル〕プロピルアミン硝酸塩(0.2g)を得た(化合
物6)。物性およびスペクトルデータをそれぞれ〔表
3〕および〔表5〕に示す。同様にして、〔表3〕に示
す化合物7〜10を製造した。
【0026】実施例3(化合物11の製造) N,N−ジベンジル−〔3−(2,5−ジメトキシ−3,
4,6−トリメチルフェニル)−3−フェニル〕プロピ
ルアミン(2.2g)のアセトニトリル−水(3:1,
20ml)溶液に硝酸セリウムアンモニウム(9.9g)
のアセトニトリル−水(1:1,20ml)溶液を氷冷下
滴下し、40分撹拌した。アセトニトリルを減圧下に留
去した後、クロロホルム(40ml)、水(40ml)を加
え、分液し、水層をさらにクロロホルム(40ml×3)
で抽出した。抽出液をあわせ、水、飽和食塩水で順次洗
浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下
に留去し、残留物をシリカゲル・クロマトグラフィー
(溶出液、クロロホルム:エタノール=20:1)に付
して精製した。得られたオイルをジエチルエーテルに溶
かし、20%塩酸−エーテル溶液を加えた。N,N−ジ
ベンジル−〔3−(3,5,6−トリメチル−1,4−ベ
ンゾキノン−2−イル)−3−フェニル〕プロピルアミ
ン塩酸塩(1.2g)を得た(化合物11)。物性およ
びスペクトルデータをそれぞれ〔表3〕および〔表5〕
に示す。同様にして、〔表3〕および〔表4〕に示す化
合物12〜17を製造した。 実施例4(化合物20の製造) 7−(3,5,6−トリメチル−1,4−ベンゾキノン
−2−イル)−7−(3−ピリジル)ヘプタン酸アミド
(0.35g)の無水テトラヒドロフラン(10ml)
溶液にアルゴン雰囲気下水素化ホウ素ナトリウム(76
mg)を加え、室温で30分撹拌した。ついで、水素化
アルミニウムリチウム(0.11g)を加え、同条件下
で1日撹拌した。反応液に氷水を加えた後、酢酸エチル
で抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、溶媒を減圧
下で留去した。残渣をテトラヒドロフラン(5ml)に
溶解し、塩化第二鉄(0.54g)水(5ml)溶液を
加え、室温で30分撹拌した。反応液を減圧下で濃縮
し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出液、ク
ロロホルム:メタノール=10:1→5:1)に付し、
目的物を含む分画を集め、溶媒を留去した。残渣をさら
にセファデックス(Sephadex)LH-20クロマトグラフ
ィー(溶出液、水)に付して精製し、凍結乾燥すること
により、7−(3,5,6−トリメチル−1,4−ベン
ゾキノン−2−イル)−7−(3−ピリジル)ヘプチル
アミン塩酸塩(0.20g)を得た(化合物20)。物
性およびスペクトルデータをそれぞれ〔表3〕および
〔表5〕に示す。
【0027】
【表3】
【0028】
【表4】
【0029】
【表5】
【0030】
【表6】
【0031】実験例1 アスカリス免疫マウスの脾細胞
に及ぼす影響 実験方法:9週齢のBALB/c雌性マウス(静動協)
にDNP−アスカリス(2,4−dinitrophenylated Asc
aris Extract;(株)エル・エス・エル社製)40μg
/マウスをフロインド完全アジュバンド(FCF;ディ
フコ社製、米国)と共に腹腔内投与し、3週間後の脾細
胞を採取した。脾臓より脾細胞混合液を調製し、非慟化
牛胎児血清(10%V/V;同社製)、2−メルカプト
エタノール(50μM)、L−グルタミン(2mM)、
ゲンタマイシン(20μg/ml)を含むRPMI−16
40(バイオウィッカー社製、米国)培地に懸濁し、単
一浮遊細胞液とした。細胞数を3.3×106/mlに調製
し、DNP−アスカリスが12.5μg/mlになるように
薬物(25μM)を添加した96穴U底プレート(住友
ベークライト社製)に加え、37℃、5%炭酸ガスイン
キュベーター内で3日間培養した。培養終了後、PBS
緩衝液に溶解した3−(4,5−Dimethylthiazol−2−
yl)−2,5−diphenyl−tetrazolium bromide(MT
T;同仁研究所製)を0.85mg/mlになるように各ウ
ェルに添加し、炭酸ガスインキュベーター内でさらに6
時間培養した。これに、10%SDS−0.01N HC
l 混液をウェル当たり50μl づつ添加し、炭酸ガスイ
ンキュベーター内で18時間保温した後、620nmの吸
光度を測定した。つぎに、細胞数1.2×106/mlの脾
細胞浮遊液にDNP−アスカリスを40μg/mlになる
ように薬物(25μM)を添加した96穴U底プレート
に加え、37℃、5%炭酸ガスインキュベーター内で3
日間培養した。この培養液を200xgで5分間遠心して
培養上清を採取し、各上清中のIL−4,IFN−γの
産生量を、ELISA法で測定した〔マウスIL−4
ELISAキット(エンドジェン社製、米国)、マウス
IFN−γ ELISAキット(ゲンザイム社製、米
国)〕。これらの結果を〔表7〕に示す。
【0032】
【表7】
【0033】
【発明の効果】本発明の化合物は優れた抗アレルギー作
用を有し、抗アレルギー剤、特に抗アトピー性皮膚炎剤
として用いられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 295/10 C07D 295/10 Z // A61K 31/135 ADA A61K 31/135 ADA 31/165 31/165 31/17 ABF 31/17 ABF 31/255 31/255 31/27 31/27 31/395 31/395 31/40 31/40 31/415 31/415 31/445 31/445 31/535 31/535

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 【化1】 〔式中、R1およびR2はそれぞれメチル基またはメトキ
    シ基を示すか、R1とR2が互いに結合してR1とR2で−
    CH=CH−CH=CH−を示す。R3は置換されてい
    てもよい芳香族基を示す。R4,R5はそれぞれ水素原
    子,置換されていてもよい炭化水素残基,置換されてい
    てもよい水酸基,置換されていてもよいアシル基,置換
    されていてもよいカルバモイル基,一般式R−O−CO
    −(式中、Rは置換されていてもよい炭化水素残基を示
    す。),R−O−SO2−(式中、Rは前記と同意義で
    ある。)で示される基を示すか、またはR4とR5が結合
    して環を形成していてもよい。nは0または1〜15の
    整数を示す。〕で表わされるキノン誘導体またはそのヒ
    ドロキノン体、あるいはそれらの塩。
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