JP2004018445A - 不飽和エーテルの製造方法 - Google Patents

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Takahiro Suzuki
鈴木 隆裕
Kenji Kobayashi
小林 健司
Noriyuki Taki
滝 敬之
Satoshi Asano
浅野 聡
Toshiya Saito
斉藤 俊哉
Kazutoshi Takatsuna
高綱 和敏
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Tonen Chemical Corp
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Abstract

【課題】脂肪族共役ジエンとアルコールとを触媒の存在下に反応せしめて不飽和エーテルを製造する新規な方法を提供するものである。
【解決手段】脂肪族共役ジエンとアルコールとを触媒の存在下に反応させて不飽和エーテルを製造する方法において、触媒が、ヘテロポリ酸、ヘテロポリ酸塩及び固体超強酸より成る群から選ばれる一つ以上の触媒であることを特徴とする方法。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、不飽和エーテルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
不飽和エーテル、とりわけ不飽和脂肪族エーテルは、溶媒又はガソリン添加剤として使用することができ、かつ分子内に二重結合を有していることから、例えば、アルコール、アルデヒド等の原料として有用である。従来、該不飽和エーテルを製造するために種々の方法が提案されている。
【0003】
米国特許第2,922,822号明細書には、炭素数4〜12個の共役ジオレフィンと炭素数1〜8個の第一級脂肪族モノアルコールとを、触媒の存在下に液相で反応させて不飽和エーテルを製造する方法が開示されている。該方法においては、触媒として酸性イオン交換樹脂が使用されている。
【0004】
英国特許第943,160号公報には、共役ジエンとヒドロキシル基含有有機化合物とを、触媒及び助触媒の存在下に反応させて置換アリルエーテルを製造する方法が開示されている。ここで、使用される触媒は、銅塩触媒であり、例えば、塩化銅、臭化銅等が挙げられている。また、助触媒として、塩化水素、臭化水素等の酸助触媒が挙げられている。
【0005】
特開昭56−40631号公報には、共役ジエンと低級アルカノールを、非塩基性中性極性溶媒の存在下に、酸性触媒を用いて反応させることによるオレフィン型不飽和エーテルの製造方法が開示されている。該方法において酸性触媒として、酸性イオン交換樹脂、例えば、アンバーライトが開示されている。
【0006】
特表平9−508109号公報には、n−ブチルアルデヒド及び/又はn−ブタノールを製造する方法の一工程として、1,3−ブタジエンをアルコールと触媒の存在下で反応せしめて不飽和エーテルを製造する方法が開示されている。使用される触媒は、ブレンステッド酸又はリン若しくは窒素含有配位子を有する所定の元素の錯体である。ここで、ブレンステッド酸として、塩酸のようなハロゲン化水素酸、硫酸、リン酸等の非酸化ブレンステッド酸、有機又は無機の陽イオン交換体が挙げられている。また、H型のβ−ゼオライト、Y−ゼオライトのようなゼオライト、ベントナイト、モンモリロナイト又はアタパルジャイトのような酸性白土、リン酸塩を基礎とする非ゼオライト系モレキュラーシーブ、及び酸性又は酸含浸金属酸化物を使用し得ることが記載されている。
【0007】
特表2001−500868号公報には、n−ブチルアルキルエーテルを製造する方法の一工程として、1,3−ブタジエンをアルコールと触媒の存在下で反応せしめて不飽和エーテルを製造する方法が開示されている。使用される触媒は、特表平9−508109号公報と同様に、ブレンステッド酸又はリン若しくは窒素含有配位子を有する所定の元素の錯体である。ここで、ブレンステッド酸として、塩酸のようなハロゲン化水素酸、硫酸、リン酸等の非酸化ブレンステッド酸、有機又は無機の陽イオン交換体が挙げられている。
【0008】
特表2001−513075号公報には、ブレンステッド酸及び水の存在下に、1,3−ブタジエンをアルコールと反応せしめてアルコキシブテンを製造する方法が開示されている。ここで、ブレンステッド酸として、塩酸のようなハロゲン化水素酸、硫酸、リン酸等の非酸化ブレンステッド酸、有機陽イオン交換体が挙げられている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、脂肪族共役ジエンとアルコールとを触媒の存在下に反応せしめて不飽和エーテルを製造する新規な方法を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく種々検討した。その結果、下記の触媒、ヘテロポリ酸、ヘテロポリ酸塩又は固体超強酸が、脂肪族共役ジエンとアルコールとの反応による不飽和エーテルの製造に有効であることを見出し、本発明を完成するに至った。ヘテロポリ酸、ヘテロポリ酸塩又は固体超強酸が、該反応の触媒として有効であることは、従来、知られていなかったことである。
【0011】
即ち、本発明は、
(1)脂肪族共役ジエンとアルコールとを触媒の存在下に反応させて不飽和エーテルを製造する方法において、触媒が、ヘテロポリ酸、ヘテロポリ酸塩及び固体超強酸より成る群から選ばれる一つ以上の触媒であることを特徴とする方法である。
【0012】
上記の特表平9−508109号公報には、1,3−ブタジエンをアルコールと触媒の存在下で反応せしめて不飽和エーテルを製造する方法において、触媒として、酸性又は酸含浸金属酸化物を使用し得ることが記載されている。ここで、酸性又は酸含浸金属酸化物とは、米国特許第4873017号明細書に記載されている通り、アニオンが金属酸化物に担持された固体触媒である。該触媒におけるアニオンとは、SO、BF、CO、BO、HPO、SeO、MoO、B及びPFである。該触媒では、不飽和エーテルの収率を十分に高くすることはできなかった。本発明の固体超強酸触媒は、かかるアニオンを金属酸化物に担持した触媒を含まない。
【0013】
好ましい態様として、
(2)ヘテロポリ酸が、リンモリブデン酸、砒素モリブデン酸、ケイモリブデン酸、ゲルマノモリブデン酸、ホウモリブデン酸、リンモリブドタングステン酸、リンモリブドバナジン酸、リンモリブドニオブ酸、リンモリブドタングストニオブ酸、リンモリブドタングストバナジン酸、砒素モリブドタングステン酸、砒素モリブドバナジン酸、砒素モリブドニオブ酸、砒素モリブドタングストニオブ酸、砒素モリブドタングストバナジン酸、ケイモリブドタングステン酸、ケイモリブドバナジン酸、ケイモリブドタングストニオブ酸、ケイモリブドタングストバナジン酸、ゲルマノモリブドタングステン酸、ゲルマノモリブドタングストニオブ酸、ゲルマノモリブドタングストバナジン酸、ホウモリブドタングステン酸、ホウモリブドタングストバナジン酸、ホウモリブドタングストニオブ酸、リンタングステン酸、砒素タングステン酸、ケイタングステン酸、ゲルマノタングステン酸、ホウタングステン酸、リンタングストバナジン酸、リンタングストニオブ酸、砒素タングストバナジン酸、砒素タングストニオブ酸、ケイタングストバナジン酸、ケイタングストニオブ酸、ゲルマノタングストバナジン酸、ゲルマノタングストニオブ酸、ホウタングストバナジン酸、ホウタングストニオブ酸、リンバナジン酸、砒素バナジン酸、ケイバナジン酸、ゲルマノバナジン酸、ホウバナジン酸、リンニオブ酸、砒素ニオブ酸、ケイニオブ酸、ゲルマノニオブ酸、ホウニオブ酸より成る群から選ばれる一つ以上であるところの上記(1)記載の方法、
(3)ヘテロポリ酸が、リンモリブデン酸、ケイモリブデン酸、リンモリブドバナジン酸、ケイモリブドバナジン酸、リンタングステン酸、ケイタングステン酸、リンタングストバナジン酸及びケイタングストバナジン酸より成る群から選ばれる一つ以上であるところの上記(1)記載の方法、
(4)ヘテロポリ酸が、リンモリブデン酸、ケイモリブデン酸、リンタングステン酸及びケイタングステン酸より成る群から選ばれる一つ以上であるところの上記(1)記載の方法、
(5)ヘテロポリ酸塩が、ヘテロポリ酸が、リンモリブデン酸、砒素モリブデン酸、ケイモリブデン酸、ゲルマノモリブデン酸、ホウモリブデン酸、リンモリブドタングステン酸、リンモリブドバナジン酸、リンモリブドニオブ酸、リンモリブドタングストニオブ酸、リンモリブドタングストバナジン酸、砒素モリブドタングステン酸、砒素モリブドバナジン酸、砒素モリブドニオブ酸、砒素モリブドタングストニオブ酸、砒素モリブドタングストバナジン酸、ケイモリブドタングステン酸、ケイモリブドバナジン酸、ケイモリブドタングストニオブ酸、ケイモリブドタングストバナジン酸、ゲルマノモリブドタングステン酸、ゲルマノモリブドタングストニオブ酸、ゲルマノモリブドタングストバナジン酸、ホウモリブドタングステン酸、ホウモリブドタングストバナジン酸、ホウモリブドタングストニオブ酸、リンタングステン酸、砒素タングステン酸、ケイタングステン酸、ゲルマノタングステン酸、ホウタングステン酸、リンタングストバナジン酸、リンタングストニオブ酸、砒素タングストバナジン酸、砒素タングストニオブ酸、ケイタングストバナジン酸、ケイタングストニオブ酸、ゲルマノタングストバナジン酸、ゲルマノタングストニオブ酸、ホウタングストバナジン酸、ホウタングストニオブ酸、リンバナジン酸、砒素バナジン酸、ケイバナジン酸、ゲルマノバナジン酸、ホウバナジン酸、リンニオブ酸、砒素ニオブ酸、ケイニオブ酸、ゲルマノニオブ酸及びホウニオブ酸の夫々のリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、ルビジウム塩、セシウム塩、ベリリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、ストロンチウム塩、バリウム塩、銅塩、銀塩、亜鉛塩、カドミウム塩、鉄塩、コバルト塩、ニッケル塩、ルテニウム塩、ロジウム塩、パラジウム塩、白金塩、アンモニウム塩、トリメチルアミン塩、トリエチルアミン塩及びピリジン塩より成る群から選ばれる一つ以上であるところの上記(1)〜(4)のいずれか一つに記載の方法、
(6)ヘテロポリ酸塩が、リンモリブデン酸、ケイモリブデン酸、リンモリブドバナジン酸、ケイモリブドバナジン酸、リンタングステン酸、ケイタングステン酸、リンタングストバナジン酸及びケイタングストバナジン酸の夫々のリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、ルビジウム塩、セシウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、バリウム塩、銅塩、銀塩、亜鉛塩、鉄塩、コバルト塩、ニッケル塩、ルテニウム塩、ロジウム塩、パラジウム塩、白金塩、アンモニウム塩、トリメチルアミン塩及びピリジン塩より成る群から選ばれる一つ以上であるところの上記(1)〜(4)のいずれか一つに記載の方法、
(7)ヘテロポリ酸塩が、リンモリブデン酸、ケイモリブデン酸、リンタングステン酸及びケイタングステン酸の夫々のリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、ルビジウム塩及びセシウム塩より成る群から選ばれる一つ以上であるところの上記(1)〜(4)のいずれか一つに記載の方法、
(8)固体超強酸が、三酸化クロム(CrO)、三酸化モリブデン(MoO)及び三酸化タングステン(WO)から選ばれる一つ以上が酸化ジルコニウム(ZrO)、二酸化スズ(SnO)、二酸化チタン(TiO)及び三酸化第二鉄(Fe)から選ばれる一つ以上に担持されているものであるところの上記(1)〜(7)のいずれか一つに記載の方法、
(9)固体超強酸が、CrO/ZrO、MoO/ZrO、WO/ZrO、CrO/SnO、MoO/SnO、WO/SnO、CrO/TiO、MoO/TiO、WO/TiO、CrO/Fe、MoO/Fe及びWO/Feより成る群から選ばれる一つ以上であるところの上記(1)〜(7)のいずれか一つに記載の方法、
(10)固体超強酸が、CrO/ZrO、MoO/ZrO及びWO/ZrOから選ばれる一つ以上であるところの上記(1)〜(7)のいずれか一つに記載の方法、
(11)固体超強酸が、WO/ZrOであるところの上記(1)〜(7)のいずれか一つに記載の方法、
(12)脂肪族共役ジエンが、炭素数4〜16個の直鎖又は分岐のものから選ばれるところの上記(1)〜(11)のいずれか一つの記載の方法、
(13)脂肪族共役ジエンが、炭素数4〜12個の直鎖又は分岐のものから選ばれるところの上記(1)〜(11)のいずれか一つの記載の方法、
(14)脂肪族共役ジエンが、炭素数4〜8個の直鎖又は分岐のものから選ばれるところの上記(1)〜(11)のいずれか一つの記載の方法、
(15)脂肪族共役ジエンが、1,3−ブタジエンであるところの上記(1)〜(11)のいずれか一つの記載の方法、
(16)アルコールが、炭素数1〜12個の脂肪族アルコールから選ばれるところの上記(1)〜(15)のいずれか一つの記載の方法、
(17)アルコールが、炭素数1〜8個の脂肪族アルコールから選ばれるところの上記(1)〜(15)のいずれか一つの記載の方法、
(18)アルコールが、炭素数1〜4個の脂肪族アルコールから選ばれるところの上記(1)〜(15)のいずれか一つの記載の方法、
(19)アルコールが、メタノールであるところの上記(1)〜(15)のいずれか一つの記載の方法
を挙げることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明において使用される触媒であるヘテロポリ酸及びヘテロポリ酸塩は公知である。ヘテロポリ酸及びヘテロポリ酸塩を構成するポリ酸及びヘテロ原子は、ADVANCES IN CATALYSIS(1996年、第41巻、第118〜121頁、ACADEMIC PRESS, INC.)に開示されているものから成ることができる。例えば、ヘテロ原子が、リン、砒素、ケイ素、ホウ素又はゲルマニウム等であり、ポリ酸が、モリブデン酸、タングステン酸、ニオブ酸、バナジン酸等であるケギン構造又はその類縁体のヘテロポリ酸である。また、ヘテロポリ酸塩は、上記のヘテロポリ酸の周期表第1族、第2族、第8〜12族の金属塩、及びアンモニウム、アミン等の有機塩基塩であり、正塩又は部分塩のいずれであってもよく、好ましくは、部分塩が使用される。ヘテロポリ酸には、ケギン構造、ドーソン構造、アンダーソン構造等の種々のものがある。これらのうち、限定されるものではないが、好ましくはケギン構造のものが使用される。
【0015】
該ヘテロポリ酸及びヘテロポリ酸塩は、公知の方法により製造することができる。例えば、ケギン構造のヘテロポリ酸は、下記式で示される通り、
【化1】
12NaMoO+NaSiO+26HCl→HSiMo1240+26NaCl+11H
モリブデン酸ナトリウム等のポリ原子の酸素酸塩とヘテロ原子の単純酸素酸、又はその塩を含む酸性水溶液を熱することにより得られる。ヘテロポリ酸塩は、ヘテロポリ酸の水溶液を所定量の塩基で中和することにより得られる。該塩基としては、周期表第1族、第2族、第8〜12族の金属塩、又はオニウムのハロゲン塩、炭酸塩、重炭酸塩、硝酸塩、酢酸塩、硫酸塩、アルコラート、あるいはアンモニウム、ピリジン、トリメチルアミン、トリエチルアミン等の有機塩基類等がある。上記のヘテロポリ酸及びヘテロポリ酸塩の製造法は、単に一例を示したものに過ぎず、これらに限定されるものではない。
【0016】
本発明において使用されるヘテロポリ酸としては、例えば、リンモリブデン酸、砒素モリブデン酸、ケイモリブデン酸、ゲルマノモリブデン酸、ホウモリブデン酸、リンモリブドタングステン酸、リンモリブドバナジン酸、リンモリブドニオブ酸、リンモリブドタングストニオブ酸、リンモリブドタングストバナジン酸、砒素モリブドタングステン酸、砒素モリブドバナジン酸、砒素モリブドニオブ酸、砒素モリブドタングストニオブ酸、砒素モリブドタングストバナジン酸、ケイモリブドタングステン酸、ケイモリブドバナジン酸、ケイモリブドタングストニオブ酸、ケイモリブドタングストバナジン酸、ゲルマノモリブドタングステン酸、ゲルマノモリブドタングストニオブ酸、ゲルマノモリブドタングストバナジン酸、ホウモリブドタングステン酸、ホウモリブドタングストバナジン酸、ホウモリブドタングストニオブ酸、リンタングステン酸、砒素タングステン酸、ケイタングステン酸、ゲルマノタングステン酸、ホウタングステン酸、リンタングストバナジン酸、リンタングストニオブ酸、砒素タングストバナジン酸、砒素タングストニオブ酸、ケイタングストバナジン酸、ケイタングストニオブ酸、ゲルマノタングストバナジン酸、ゲルマノタングストニオブ酸、ホウタングストバナジン酸、ホウタングストニオブ酸、リンバナジン酸、砒素バナジン酸、ケイバナジン酸、ゲルマノバナジン酸、ホウバナジン酸、リンニオブ酸、砒素ニオブ酸、ケイニオブ酸、ゲルマノニオブ酸、ホウニオブ酸等が挙げられる。好ましくは、ヘテロポリ酸として、リンモリブデン酸、ケイモリブデン酸、リンモリブドバナジン酸、ケイモリブドバナジン酸、リンタングステン酸、ケイタングステン酸、リンタングストバナジン酸、ケイタングストバナジン酸が使用され、より好ましくは、リンモリブデン酸、ケイモリブデン酸、リンタングステン酸、ケイタングステン酸が使用される。
【0017】
本発明において使用されるヘテロポリ酸塩としては、例えば、上記のヘテロポリ酸のリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、ルビジウム塩、セシウム塩、ベリリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、ストロンチウム塩、バリウム塩、銅塩、銀塩、亜鉛塩、カドミウム塩、鉄塩、コバルト塩、ニッケル塩、ルテニウム塩、ロジウム塩、パラジウム塩、白金塩等の金属塩、又はアンモニウム塩、トリメチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ピリジン塩等の有機塩基塩等が挙げられる。これらのうち、好ましくは、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、ルビジウム塩、セシウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、バリウム塩、銅塩、銀塩、亜鉛塩、鉄塩、コバルト塩、ニッケル塩、ルテニウム塩、ロジウム塩、パラジウム塩、白金塩等の金属塩、又はアンモニウム塩、トリメチルアミン塩、ピリジン塩等の有機塩基塩等が使用され、より好ましくはリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、ルビジウム塩、セシウム塩等の金属塩が使用される。ヘテロポリ酸塩を触媒として使用する場合、予め別途ヘテロポリ酸と塩基より調製したものを使用し得るほか、反応系へヘテロポリ酸と塩基を加えて、該反応器中でヘテロポリ酸塩として使用することもできる。
【0018】
上記のヘテロポリ酸及び/又はヘテロポリ酸塩は、そのまま使用してもよく又は担体に担持させて使用してもよい。担体としては、触媒に通常公知のものを使用することができる。液相で反応を行う場合、好ましくは、ゾルゲル法によりヘテロポリ酸、ヘテロポリ酸塩を原料であるアルコールに対して不溶にし得るものが使用される。該担体としては、限定されるものではないが、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、シリカ‐アルミナ、ゼオライト等が挙げられる。これにより、原料であるアルコール中へのヘテロポリ酸、ヘテロポリ酸塩の溶解を効果的に防止することができる。気相で反応を行う場合、担体としては、限定されるものではないが、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、シリカ‐アルミナ、シリカ‐チタニア、ゼオライト、活性炭、珪藻土、粘土鉱物等が使用される。液相及び気相のいずれの場合においても、担体へのヘテロポリ酸及び/又はヘテロポリ酸塩の担持量は、触媒全体の重量に対して、好ましくは0.01〜50重量%、より好ましくは0.1〜30重量%、更に好ましくは1〜20重量%である。
【0019】
本発明において使用される固体超強酸触媒も公知である。本発明において使用される固体超強酸触媒は、好ましくは三酸化クロム(CrO)、三酸化モリブデン(MoO)、三酸化タングステン(WO)等から選ばれる金属酸化物を、好ましくは酸化ジルコニウム(ZrO)、二酸化スズ(SnO)、二酸化チタン(TiO)、三酸化第二鉄(Fe)等から選ばれる金属酸化物担体に担持したものである。例えば、CrO/ZrO、MoO/ZrO、WO/ZrO、CrO/SnO、MoO/SnO、WO/SnO、CrO/TiO、MoO/TiO、WO/TiO、CrO/Fe、MoO/Fe、WO/Fe等が挙げられる。これらのうち、好ましくはCrO/ZrO、MoO/ZrO、WO/ZrOが使用され、より好ましくはWO/ZrOが使用される。
【0020】
該固体超強酸触媒は、公知の方法により製造することができる。上記の金属酸化物を金属酸化物担体に担持する方法としては、乾式、湿式のいずれでもよく、例えば、混合、含浸、共沈等が挙げられる。これらの方法は、例えば、「触媒」(第31巻、第7号、第512〜518頁、触媒学会、1989年)、「触媒調製の進歩」(小野嘉夫編、触媒調製化学振興会発行、2000年)等に開示されている。
【0021】
本発明において使用される脂肪族共役ジエンは直鎖又は分岐のいずれであってもよい。該脂肪族共役ジエンの炭素数は、好ましくは4〜16個であり、より好ましくは4〜12個であり、特に好ましくは4〜8個である。脂肪族共役ジエンとして、好ましくは、1,3−ブタジエン、イソプレン、ペンタジエン、ヘキサジエン、オクタジエン、ピペリレン等が使用される。
【0022】
本発明において使用されるアルコールに特に制限はなく、脂肪族アルコール、脂環族アルコール又は芳香族アルコールのいずれも使用することができる。好ましくは脂肪族アルコールが使用される。脂肪族アルコールとしては、炭素数が、好ましくは1〜12個、より好ましくは1〜8個、特に好ましくは1〜4個のアルコールが使用される。これらのうち、好ましくは、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブタノール等が使用され得る。
【0023】
本発明におけるアルコール/脂肪族共役ジエンのモル比は、上限が好ましくは10、より好ましくは8、更に好ましくは6であり、下限が好ましくは0.5、より好ましくは1である。上記上限を超えては単位時間当りの目的物の生産効率が低くなり、上記下限未満では望ましくない副生成物が多くなる。
【0024】
脂肪族共役ジエンとアルコールとを触媒の存在下に反応させて不飽和エーテルを製造する方法において、反応器として、従来から使用されている公知の反応器を使用することができ、バッチ式又は連続式反応器のいずれでもよい。また、上記反応は液相、気相又は気液混相のいずれでも行うことができる。ヘテロポリ酸及び/又はヘテロポリ酸塩を担体に担持させて使用する場合に、連続式反応器では液相又は気相反応が好ましく、バッチ式反応器では液相反応が好ましい。ヘテロポリ酸及び/又はヘテロポリ酸塩を担体に担持せずそのまま使用する場合に、連続式反応器では気相反応が好ましく、バッチ式反応器では液相反応が好ましい。固体超強酸を使用する場合も、液相、気相又は気液混相のいずれでも行うことができる。反応器もバッチ式又は連続式反応器のいずれでもよい。連続式反応器では、液相又は気相反応が好ましく、バッチ式反応器では液相反応が好ましい。また、いずれの触媒においても、液相反応においては溶媒を使用することができる。溶媒としては、好ましくは炭化水素類例えばドデカン等、ジメチルスルホキシド(DMSO)、メチルエチルケトン(MEK)等の非プロトン溶媒の他、反応基質であるアルコール自体が使用され得る。また、気相反応においては、反応ガスに反応条件下で不活性のガス、例えば、窒素を混合することもできるが、一般に反応ガスは希釈せずに使用される。
【0025】
脂肪族共役ジエンとアルコールとの混合物は、連続式反応器を使用した際には、好ましくは固定床触媒中に通される。空間速度は液相反応においては(LHSV)、上限が好ましくは10hr−1、より好ましくは5hr−1であり、更に好ましくは2hr−1である。下限は好ましくは0.01hr−1、より好ましくは0.1hr−1、更に好ましくは0.2hr−1である。気相反応においては(GHSV)、上限が好ましくは5,000hr−1、より好ましくは4,000hr−1であり、更に好ましくは3,000hr−1である。下限は好ましくは1hr−1、より好ましくは5hr−1、更に好ましくは10hr−1である。いずれの場合においても、上記上限を超えては転化率が低下し、上記下限未満では生産効率が低下する。
【0026】
反応温度は、上限が好ましくは250℃、より好ましくは200℃、更に好ましくは180℃であり、下限が好ましくは40℃、より好ましくは50℃、更に好ましくは60℃である。上記上限を超えては、望ましくない副生成物が多くなり、かつ触媒が劣化し易くなる。上記下限未満では、反応速度が低下する。反応中の圧力は、所望の反応温度において、所望の反応相を保持し得る圧力であれば特に制限はない。上限が好ましくは10MPa、より好ましくは5MPa、更に好ましくは3MPaであり、下限が好ましくは0.001MPa、より好ましくは0.05MPa、更に好ましくは0.1MPaである。
【0027】
本発明においては、上記の触媒を使用して、脂肪族共役ジエンとアルコールとを反応させて不飽和エーテルを製造する。該不飽和エーテルは、溶媒又はガソリン添加剤として使用することができると共に、例えば、アルコール、アルデヒド、ケトン等の原料として使用し得る。
【0028】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
【0029】
【実施例】
<ヘテロポリ酸触媒>
実施例1及び2で使用したヘテロポリ酸触媒は、下記のようにしてリンタングステン酸(HPW1240)又はケイタングステン酸(HSiW1240)を触媒担体シリカ(SiO)に担持したものである。
【0030】
ヘテロポリ酸を触媒担体に担持する方法は、「触媒技術の動向と展望」1998年、第149〜153頁、触媒学会編の記載に準拠した。まず、各ヘテロポリ酸1.5グラム、水18グラム及び1−ブタノール14.8グラムを混合してコロイド状液体を製造した。該液体にオルトケイ酸エチル41.7グラムを加えて攪拌して均一にし、次いで、40℃で1時間、続いて80℃で3時間攪拌してゲル化を促進しウェットゲルを形成せしめた。減圧下、45℃で該ウェットゲルを乾燥した。次いで、該ゲルを80℃で3時間、熱水で抽出して、担持されなかったヘテロポリ酸を除去した後、該ゲルを150℃で3時間、減圧下で焼成して、シリカ(SiO)に担持されたリンタングステン酸(HPW1240)又はケイタングステン酸(HSiW1240)を得た。得られた触媒の各ヘテロポリ酸担持量は、触媒の全重量に対していずれも11重量%であった。
【0031】
<ヘテロポリ酸塩触媒>
実施例3で使用したヘテロポリ酸塩触媒は、下記のようにして調製したケイタングステン酸セシウム塩(CsSiW1240)である。
【0032】
ケイタングステン酸水和物(HSiW1240・7.8HO)の飽和水溶液(0.027モルのHSiW1240を含有する)に、炭酸セシウム(CsCO)の飽和水溶液(0.027モルのCsCOを含有する)を徐々に滴下添加した。滴下終了後、エバポレーターを使用して、約1時間、80℃で加熱しながら減圧乾燥して、ケイタングステン酸セシウム塩(CsSiW1240)を得た。
【0033】
<固体超強酸触媒>
実施例4で使用した固体超強酸触媒WO/ZrOは、下記のようにして調製した。
【0034】
固体超強酸触媒を調製する方法は、「触媒」(第31巻、第7号、第512〜518頁、触媒学会、1989年)の記載に準拠した。タングステン酸(HWO、和光純薬株式会社製)8.33グラムと水酸化ジルコニウム[Zr(OH)・nHO、n=21重量%、添川理化学株式会社製]50.0グラムを室温において乳鉢を用いて混合した。次いで、該混合物を、空気雰囲気下に100℃/0.5時間の昇温速度で800℃まで昇温し、該温度で3時間焼成した後、放冷した。49.5グラムのWO/ZrOが得られた。
【0035】
<比較触媒>
比較例6で使用した超強酸性を示す酸含浸金属酸化物触媒SO 2−/ZrOは、下記のようにして調製した。
【0036】
該触媒を調製する方法は、「触媒調製の進歩」(小野嘉夫編、触媒調製化学振興会発行、2000年)の記載に準拠した。オキシ塩化ジルコニウム水和物(ZrOCl・8HO)200グラムを蒸留水2.5リットルに溶解した。得た水溶液に攪拌しながら28%アンモニア水をpH=8になるまで少量ずつ滴下添加した。該操作により溶液は一度固化した後、更に蒸留水を加えコロイド状態とした。得られた沈殿物に5リットルの蒸留水を加えて攪拌し、静置後、上澄み液をデカンテーションにより除去する操作を12回繰り返した。該洗浄により、沈殿物中の塩化物イオンをほぼ全量除去することができた。このようにして洗浄した沈殿物を吸引濾過した後、100℃で24時間乾燥して水酸化ジルコニウム[Zr(OH)]約98グラムを得た。該水酸化ジルコニウムを100メッシュ以下に粉砕した。次いで、その約20グラムを濾紙上にとり、0.5モル/リットルの希塩酸300ミリリットルを注いで、硫酸根(SO 2−)を水酸化ジルコニウムの表面に吸着させた。得られた物質を24時間風乾した後、空気雰囲気下に600℃で3時間焼成して硫酸根を担持したジルコニア(SO 2−/ZrO)を得た。
【0037】
【実施例1】
上記のようにして製造した、シリカ(SiO)に担持されたリンタングステン酸(HPW1240/SiO)触媒を使用した。
【0038】
該触媒30cmを、ステンレス鋼製の固定床管型反応器[内径15.8mm(外径19.2mm)×長さ300mm]中に充填した。反応系内のガスを除去するためにメタノールを供給し、系内がメタノールで充填された後、別途、調製した1,3−ブタジエンとメタノールとの混合溶液(メタノール/1,3−ブタジエンのモル比=4)を24cm/時間[LHSV(液空間速度)=0.8hr−1]で供給した。また、反応系内が液相を保持し得るように2.5MPaに加圧した。その後、反応器温度を150℃まで昇温した。
【0039】
反応器の温度が一定になった後、反応器の出口から15分間、反応後の生成物を回収した。ここで、該反応後の生成物は、ドライアイス‐エタノールでイソプロパノールを−72℃に冷却し、該イソプロパノール中に生成物をバブリングしつつ混合して回収した。次いで、該反応後の液体をガスクロマトグラフィー(内部標準物質:トルエン、島津製作所製GC−14A)を使用して分析し各成分を定量した。
【0040】
【実施例2】
上記のようにして製造した、シリカ(SiO)に担持されたケイタングステン酸(HSiW1240/SiO)触媒を使用した以外は、実施例1と同一条件で反応を実施し各成分を定量した。
【0041】
【実施例3】
上記のようにして製造した、ケイタングステン酸セシウム塩(CsSiW1240)触媒を使用した。
【0042】
該触媒10cmを、ステンレス鋼製の固定床管型反応器[内径15.8mm(外径19.2mm)×長さ300mm]中に充填した。反応系内のガスを除去するために窒素ガスで1時間系内をパージした後、1,3−ブタジエンとメタノールとの混合溶液を、プレヒーターを通して100℃に加熱して気化し、得た混合ガス(メタノール/1,3−ブタジエンのモル比=4)を4,400cm/時間[GHSV(ガス空間速度)=440hr−1]で反応器に供給した。反応中、反応器内の温度を100℃に保持し、かつ圧力を0.2MPaに保持して、気相にて反応を実施した。
【0043】
反応器の温度が一定になった後、 実施例1と同様にして反応後の生成物を回収し、分析して各成分を定量した。
【0044】
【実施例4】
上記のようにして製造したWO/ZrO触媒を使用した以外は、実施例1と同一条件で反応を実施し各成分を定量した。
【0045】
【比較例1】
触媒として、イオン交換樹脂(Amberlyst 16Wet、商標、ローム アンド ハース社製)を使用し、反応温度を110℃とした以外は、実施例1と同一条件で反応を実施し各成分を定量した。
【0046】
【比較例2】
触媒として、ゼオライト(USY、N.E.ケムキャット社製、Si/Al原子比=6)を使用し、反応温度を160℃とした以外は、実施例1と同一条件で反応を実施し各成分を定量した。
【0047】
【比較例3】
触媒として、ゼオライト(ZSM5、N.E.ケムキャット社製、Si/Al原子比=15)を使用し、反応温度を160℃とした以外は、実施例1と同一条件で反応を実施し各成分を定量した。
【0048】
【比較例4】
触媒として、シリカアルミナ(N632L、商標、日揮化学社製、Si/Al原子比=7.9)を使用し、反応温度を160℃とした以外は、実施例1と同一条件で反応を実施し各成分を定量した。
【0049】
【比較例5】
触媒として、イオン交換樹脂(Amberlyst 16Dry、商標、ローム アンド ハース社製)を使用した以外は、実施例3と同一条件で反応を実施し各成分を定量した。
【0050】
【比較例6】
上記のようにして製造したSO 2−/ZrO触媒を使用した以外は、実施例1と同一条件で反応を実施し各成分を定量した。
【0051】
上記の結果を表1に示す。
【0052】
【表1】
Figure 2004018445
【0053】
表1において使用した記号は下記の通りである。
BD:1,3−ブタジエン
3M1BE:3−メトキシ−1−ブテン
1M2BE:1−メトキシ−2−ブテン
VHC:ビニルシクロヘキセン
MBE:3−メトキシ−1−ブテンと1−メトキシ−2−ブテンの合計
*1:気相反応による実施例及び比較例である。
【0054】
上記の表1において、1,3−ブタジエン転化率は、ガスクロマトグラフィーにより反応器入口及び出口における1,3−ブタジエンの濃度を測定して算出したものである。また、各生成物の収率は、1,3−ブタジエン転化率を基準にして算出したものである。
【0055】
実施例1及び2は、種類の異なるヘテロポリ酸を使用したものである。約50〜60%という高い1,3−ブタジエン転化率を示した。また、3−メトキシ−1−ブテン及び1−メトキシ−2−ブテンの収率も著しく高いものであった。実施例3は、ヘテロポリ酸塩を使用して気相にて反応を実施したものである。液相反応と比較して接触時間が短いため1,3−ブタジエン転化率は低下したが、3−メトキシ−1−ブテン及び1−メトキシ−2−ブテンの収率は比較的高かった。実施例4は、固体超強酸であるWO/ZrOを使用したものである。高い1,3−ブタジエン転化率を示し、3−メトキシ−1−ブテン及び1−メトキシ−2−ブテンの収率も著しく高いものであった。
【0056】
比較例1〜6は、該反応の触媒として従来から公知の各触媒を使用したものである。比較例1は、触媒として、イオン交換樹脂を使用したものである。実施例1、2及び4は、比較例1より反応温度は高いが、より高い1,3−ブタジエン転化率、並びにより高い3−メトキシ−1−ブテン及び1−メトキシ−2−ブテンの収率を示した。比較例2〜4は、触媒として夫々、ゼオライト(USY)、ゼオライト(ZSM5)及びシリカアルミナを使用したものである。実施例1、2及び4は、比較例2〜4と比較して、より高い1,3−ブタジエン転化率、並びにより高い3−メトキシ−1−ブテン及び1−メトキシ−2−ブテンの収率を示した。比較例5は、該反応に従来から公知のイオン交換樹脂を使用して気相で反応を実施したものである。同じく気相で反応した実施例3は、比較例5に比べて、より高い1,3−ブタジエン転化率、並びにより高い3−メトキシ−1−ブテン及び1−メトキシ−2−ブテンの収率を示した。比較例6は、触媒として超強酸性を示す酸含浸金属酸化物であるSO 2−/ZrO(米国特許第4873017号明細書に記載された触媒)を使用したものである。このように金属酸化物にアニオンを担持した触媒においては、1,3−ブタジエン転化率、並びに3−メトキシ−1−ブテン及び1−メトキシ−2−ブテンの収率は低いものであった。
【0057】
【発明の効果】
本発明は、脂肪族共役ジエンとアルコールとを触媒の存在下に反応せしめて不飽和エーテルを製造する新規な方法を提供するものである。

Claims (2)

  1. 脂肪族共役ジエンとアルコールとを触媒の存在下に反応させて不飽和エーテルを製造する方法において、触媒が、ヘテロポリ酸、ヘテロポリ酸塩及び固体超強酸より成る群から選ばれる一つ以上の触媒であることを特徴とする方法。
  2. ヘテロポリ酸が、リンタングステン酸、ケイタングステン酸、リンモリブデン酸及びケイモリブデン酸より成る群から選ばれ、ヘテロポリ酸塩が、リンタングステン酸、ケイタングステン酸、リンモリブデン酸及びケイモリブデン酸の夫々のリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、ルビジウム塩及びセシウム塩より成る群から選ばれ、かつ固体超強酸が、三酸化クロム、三酸化モリブデン及び三酸化タングステンから選ばれる一つ以上が酸化ジルコニウム、二酸化スズ、二酸化チタン及び三酸化第二鉄から選ばれる一つ以上に担持されているものであるところの請求項1記載の方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2005102975A1 (ja) * 2004-04-23 2005-11-03 Central Glass Company, Limited フッ素化エーテルの製造方法
JP2015182031A (ja) * 2014-03-25 2015-10-22 Jx日鉱日石エネルギー株式会社 脱水触媒、及び共役ジエンの製造方法
JP2015182032A (ja) * 2014-03-25 2015-10-22 Jx日鉱日石エネルギー株式会社 脱水触媒、及び共役ジエンの製造方法

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