JP2004017948A - ワイパーブレードゴムおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガラス面との摺動抵抗が小さく鳴きやびびりが生じにくく、低温での柔軟性、屈曲性が良好で、かつ耐久性に優れ良好な意匠性を有するワイパーブレードゴムを提供する。
【解決手段】本発明のワイパーブレードゴムは、少なくとも外表面がシリコーンゴムにより被覆された本体と、該本体のガラス面との接触側の端部に接着して設けられた高硬度の有機ゴムから成る拭取り層とを有する。このようなワイパーブレードゴムを製造するには、有機過酸化物架橋剤を含む未架橋シリコーンゴム組成物を用いて本体を押し出し成形すると同時に、有機ゴムと有機過酸化物架橋剤を必須成分とする未架橋組成物により拭取り層を押し出し成形した後、加熱・架橋する。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワイパーブレードゴムとその製造方法に係わり、さらに詳しくは、ガラス面に対する摺動性が良好で耐久性に優れたワイパーブレードゴムとそのようなワイパーブレードゴムを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、自動車などの車両のワイパーブレードゴムとして、天然ゴムやCR(クロロプレンゴム)、NBR(ブタジエン−アクリロニトリロゴム)のような有機ゴムが使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの有機ゴムから成るワイパーブレードゴムにおいては、以下に示すような問題があった。
【0004】
すなわち、天然ゴムから成るワイパーブレードゴムにおいては、耐候性が悪く、経時的に劣化して作動時に破断するおそれがあるばかりでなく、低温で硬くなりゴム弾性が乏しくなるという問題があった。
【0005】
このような天然ゴムのワイパーブレードゴムでは、表面を塩素化処理することで、ガラス面に対する摩擦抵抗(摺動抵抗)を下げているが、塩素化処理された層が摩耗することにより摺動抵抗が増大し、ガラス面との接触により鳴きやびびりのような異状音が発生した。
【0006】
また、CRやNBRから成るワイパーブレードゴムでは、前記した天然ゴムのワイパーブレードゴムと同様に、耐候性が悪く物理的特性が温度に大きく依存するばかりでなく、表面硬度を十分に高くすることができないため、ガラス面との接触の摩擦抵抗(摺動抵抗)が大きいという問題があった。
【0007】
また、ワイパーブレードゴムとして、耐候性や温度特性に優れたEPDM(エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体)の使用も考えられているが、EPDMのワイパーブレードゴムでは、表面を塩素化処理することができないため、ガラス面に対する摺動抵抗を低減することが難しく、鳴きやびびり音の発生および拭取り性の低下の問題を解決することができなかった。
【0008】
さらに、これらの有機ゴムのワイパーブレードゴムは、いずれも耐久性(屈曲耐久性)が十分でなく、屈曲作動の繰返しにより破断が生じやすいばかりでなく、明色に着色することが不可能な材料を使用しているため、意匠性に乏しかった。
【0009】
またさらに、耐候性および耐屈曲性に優れたシリコーンゴムによりワイパーブレードゴムを構成することも提案されているが、シリコーンゴムは耐摩耗性に乏しく、そのうえガラス面との接触抵抗が大きく、かつ表面処理が難しい材料であることから、鳴きやびびり音の発生を解決することができないという問題があった。そして、これらの問題を解決するため、シリコーンゴム内部に潤滑作用のある物質を添加することが提案されているが、そのような構造のシリコーンワイパーブレードゴムでは、使用中にガラス面にシリコーンゴムが付着して視界を妨げるという重大な問題が発生し、そのため自動車メーカーの純正部品への採用が見送られているのが現状であった。
【0010】
本発明は、これらの問題を解決するためになされたもので、ガラス面との摺動抵抗が小さく、鳴きやびびりのような異状音の発生が防止されるうえに、耐久性に優れ、柔軟性についての温度依存性がなく、かつ良好な意匠性を有するワイパーブレードゴム、およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明のワイパーブレードゴムは、少なくとも外表面がシリコーンゴムにより被覆された本体と、該本体のガラス面との接触側の端部に接着して設けられた高硬度の有機ゴムから成る拭取り層とを有することを特徴とする。
【0012】
本発明のワイパーブレードゴムにおいて、有機ゴムはEPDMであることができる。また、拭取り層の厚さを2mm以下とすることができる。さらに、シリコーンゴムは、有機過酸化物架橋型シリコーンゴム組成物の硬化物であることができる。
【0013】
本発明のワイパーブレードゴムの製造方法は、少なくとも外表面がシリコーンゴムにより被覆された本体と、該本体のガラス面との接触側の端部に接着して設けられた高硬度の有機ゴムから成る拭取り層とを有するワイパーブレードゴムを製造するにあたり、(a)ケイ素原子に結合する脂肪族不飽和炭化水素基を少なくとも2個有するポリオルガノシロキサンと、(b)シリカ系補強性充填剤および(c)有機過酸化物架橋剤を必須成分とする未架橋シリコーンゴム組成物を用いて、前記本体を押し出し成形すると同時に、前記有機ゴムと有機過酸化物架橋剤を必須成分とする未架橋有機ゴム組成物により前記拭取り層を押し出し成形して、所望形状の複合成形体となし、次いでこの複合成形体を加熱し架橋することを特徴とする。そして、このワイパーブレードゴムの製造方法において、有機ゴムはEPDMであることができる。
【0014】
本発明のワイパーブレードゴムは、本体の少なくとも外表面がシリコーンゴムにより被覆されており、そのようなワイパーブレードゴム本体の先端部(ガラス面との接触側端部)に、高硬度の有機ゴムから成る拭取り層が一体に接着された構造を有しているので、ガラス面との摺動抵抗が小さく、鳴きやびびりのような異状音の発生が防止される。また、屈曲性が良好で耐久性に優れている。さらに、シリコーンゴム部分の色彩を明色に着色することが可能であるので、優れた意匠性を発揮することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
図1は、本発明のワイパーブレードゴムの第1の実施形態を示す断面図である。図において、符号1はシリコーンゴムから成るワイパーブレード本体を示し、その下半部には、金具取付け用の複数本の凹溝1aが形成されている。このワイパーブレード本体1のガラス面と接触する側の先端部に、高硬度の有機ゴムから成る拭取り層2が接着して設けられている。
【0017】
拭取り層2の厚さは2mm以下とすることが望ましく、より好ましくは0.01〜1.0mmとする。一般に、ワイパーブレードゴムの先端部は、ガラス面との接触抵抗を少なくし、かつガラス面に柔軟に接して雨滴を掻き取る必要があることから、厚さが設定される。拭取り層2の厚さが2mmを超えると、柔軟性が乏しくなり、拭取り性の低下や接触抵抗の増加が生じる。高硬度の有機ゴムから成る拭取り層2の厚さが十分に薄い場合には、十分に高い表面硬度がガラス表面との低い接触抵抗を付与し、かつ内側の低硬度のシリコーンゴム層により、ガラス面への追従性が改善されるので、拭取り性が大幅に改善される。
【0018】
第1の実施形態のワイパーブレードゴムにおいては、最も耐屈曲性を必要とするワイパーブレード本体1が、耐候性に優れ気温の変動に対して硬さの変化の少ないシリコーンゴムにより構成されているので、耐久性が大幅に向上する。また、ガラス面との接触側の先端部に高硬度の有機ゴムから成る拭取り層2が設けられているので、ガラス面に対する摺動抵抗が低減され、作動時の鳴きやびびりのような異状音の発生がなくなるうえに、先端部にかけられる一定の圧力により、拭きむらを解消することができる。さらに、シリコーンゴムに対しては明るい色彩に着色することができるので、意匠的な価値の付加も可能である。さらに、ワイパーブレード本体1の下端部の金具取付け部3が、有機ゴムにより構成されているので、ワイパー金具の取付け・固定も容易である。
【0019】
次に、発明の第2および第3の実施の形態について説明する。
【0020】
第2の実施形態においては、図2に示すように、ワイパーブレード本体の中心部4が高硬度の有機ゴムにより構成され、この本体中心部4のガラス面との接触部を除く外表面に、シリコーンゴムから成る被覆層5が形成されている。そして、このような構造を有するワイパーブレード本体6のガラス面との接触側の先端部に、高硬度の有機ゴムから成る拭取り層2が設けられている。また、ワイパーブレード本体6の下端部にも、拭取り層2を構成する有機ゴムと同種または異種の高硬度有機ゴムから成る取付け部3が接着して設けられている。
【0021】
第2の実施形態では、ワイパーブレード本体6の中心部5を構成する高硬度有機ゴムの優れた反発弾性力により、ガラス面に対する拭取り性がいっそう向上する。また、第1の実施形態のワイパーブレードゴムに比べて、材料価格が高いシリコーンゴムの使用量が低減されるので、よりいっそうコストの改善を図ることができる。
【0022】
第3の実施形態においては、図3に示すように、最も耐候性および意匠性を必要とするワイパーブレード本体の中心部、およびガラス面との接触部を除く外表面が、シリコーンゴムにより構成されている。そして、そのようなワイパーブレード本体のガラス面との接触側の先端部に、高硬度の有機ゴムから成る拭取り層2が設けられている。また、ワイパーブレード本体の下端部にも、拭取り層2を構成する有機ゴムと同種または異種の高硬度有機ゴムから成る取付け部3が接着して設けられている。なお、図3において、符号7は、シリコーンゴムから成る本体部を示し、8は高硬度の有機ゴムから成る本体部を示す。
【0023】
第3の実施形態において、第2の実施形態のワイパーブレードゴムに比べてシリコーンゴムの使用量が低減されており、さらにコストの改善を図ることが可能である。
【0024】
次に、第1乃至第3の実施形態において、ワイパーブレードゴムを構成するシリコーンゴム層および有機ゴム層についてさらに説明する。
【0025】
シリコーンゴム層および高硬度の有機ゴム層は、いずれも有機過酸化物により架橋・硬化されていることが好ましく、かつ両層の接合面は架橋・接着されていることが好ましい。有機過酸化物による架橋および架橋・接着を行うには、有機過酸化物系の架橋剤を含むシリコーンゴム組成物および有機ゴム組成物を使用し、例えば、後述する2色押出し成形方法により所望形状に成形した後、加熱し架橋する方法を採ることができる。
【0026】
シリコーンゴムは、シロキサン結合を有する重合体(ポリオルガノシロキサン)であり、有機過酸化物硬化型の熱硬化性シリコーンゴム組成物(以下、過酸化物型シリコーンゴムと示す。)の硬化物を使用することができる。
【0027】
過酸化物型シリコーンゴムとしては、例えば(a)ケイ素原子に結合する脂肪族不飽和炭化水素基を少なくとも2個有するポリオルガノシロキサンと、(b)シリカ系補強性充填剤および(c)有機過酸化物を必須成分とする組成物を挙げることができる。
【0028】
主剤である(a)成分は、分子骨格が直鎖状、分岐状または環状のいずれであってもよく、重合度(分子中のSi原子の数)が10〜20000、好ましくは100〜15000程度のものである。(b)成分のシリカ系補強性充填剤は、形成されるシリコーンゴム層の強度特性を高めるために配合される充填剤である。フュームドシリカ、沈降法シリカ、溶融シリカなどを挙げることができ、特に粒子径が20μm以下のものが好適している。また、この(b)成分は、オルガノシラン、オルガノシロキサン、オルガノシラザンなどで予め表面処理されたものであっても良く、また上記処理剤とインプロセスで反応させたものであっても良い。
【0029】
(c)成分の有機過酸化物は、(a)成分の架橋剤になる成分であって、例えばベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ジターシャリーブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ターシャリーブチルパーオキシ)ヘキサン、1,1−ジテレブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、p−メチルベンゾイルパーオキサイドなどが挙げられる。
【0030】
この過酸化物型シリコーンゴムは、(a)成分に(b)成分を均一に混練りした後、(c)成分である有機過酸化物を均一に混合することにより調製される。有機過酸化物の配合量は、(a)成分100重量部に対して0.1〜5重量部とすることが望ましい。
【0031】
ガラス面との摺動摩擦抵抗を低減するため、有機ゴムとしてはできるだけ硬度の高いものを使用することが好ましい。EPDM、特に高硬度のEPDMを用いることが望ましい。有機ゴムとしてEPDMを使用した場合には、拭取り性能に優れ、かつ前記したシリコーンゴム層との接着強度に優れたワイパーブレードゴムを得ることができる。
【0032】
EPDMは、エチレンとプロピレンおよびこれら以外の第3成分を共重合させたポリマーであり、有機過酸化物により架橋・硬化されているものが用いられる。第3成分としては、エチリデンノルボルネン、1,4−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエンのような、側鎖に不飽和結合を有する有機化合物モノマーが用いられる。
【0033】
EPDMを架橋するための有機過酸化物架橋剤としては、例えば、1,3−ビス(ターシャリーブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ターシャリーブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ジクミルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、1,1−ジテレブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジベンゾイルパーオキシヘキサン、n−ブチル−4、4−ジテレブチルパーオキシバレレート、テレブチルパーオキシベンゾエイト、ジテレブチルパーオキシジイソプロピルベンゼン、テレブチルクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジテレブチルパーオキシヘキサン、ジテレブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジテレブチルパーオキシヘキシン−3などが挙げられる。これらの群から選択される1種または2種以上の有機過酸化物を使用することができる。
【0034】
これらの有機過酸化物架橋剤は、前記した有機ゴム成分100gに対して、活性酸素量が0.005〜0.02モルとなるように配合することが好ましい。活性酸素量が0.005モルよりも少ない場合には、ゴム分子間の架橋が不十分となるおそれがある。反対に、活性酸素量が0.02モルよりも多い場合には、弾性が低下し、ゴム状とならないおそれがあるばかりでなく、架橋に使用されずに残留した有機過酸化物架橋剤により、ブルームが発生するおそれがある。
【0035】
次に、本発明の第1の実施形態に係るワイパーブレードゴムを、2色押し出し成形により製造する方法について説明する。
【0036】
まず、EPDMなどの有機ゴム成分と前記した有機過酸化物架橋剤等とを混合してなる未架橋の有機ゴム組成物と、シリコーンゴムの生ゴムと有機過酸化物架橋剤およびシリカ系補強性充填剤等とを混合してなる未架橋のシリコーンゴム組成物とをそれぞれ調製し、これらの未架橋組成物をクロスヘッド型押出機の所定の投入口にそれぞれ投入する。
【0037】
そして、クロスヘッド型押出機により、シリコーンゴム組成物をワイパーブレード本体の所望の形状に押し出し成形するとともに、その先端部および金具取付け側下端部に、有機ゴムを押し出し成形し、拭取り部および取付け部を形成する。
【0038】
次いで、こうして得られた複合成形体を架橋装置に導入し、例えば熱空気の存在下で加熱することにより、未架橋のシリコーンゴム組成物および有機ゴム組成物をそれぞれ架橋するとともに、これらの層の界面を架橋・接着する。このような有機過酸化物による架橋および架橋・接着にあたっては、常圧熱風加熱炉(HAV)、流動床式加熱炉(LCM)、加硫缶などを使用することが好ましい。
【0039】
こうして、シリコーンゴム成形部と有機ゴム成形部とが一体化されたワイパーブレードゴムが得られる。次いで、このワイパーブレードゴムを水冷装置に導入し、水冷する。その後、製品中に残存する過酸化物の除去のために、適当な温度と時間(例えば、150℃で1時間程度)の後架橋を施すことで、安定した特性を得ることができる。
【0040】
次に、本発明の具体的実施例について記載する。なお、以下の実施例において、部は重量部を表わす。
【0041】
実施例
まず、ジシクロペンタジエンを第3成分とするEPDMであるEP75F(日本合成ゴム(株)の商品名)100部に、有機過酸化物架橋剤であるジクミルパーオキサイド3部を添加して混合し、先端拭取り部成形用の未架橋EPDM組成物を調製した。
【0042】
また、TSE260−5U(ジーイー東芝シリコーン(株)社の商品名)100部に、有機過酸化物架橋剤としてTC−12(ジーイー東芝シリコーン(株)社の商品名)1.5部を添加して混合し、本体成形用のシリコーンゴム未架橋組成物を調製した。
【0043】
次いで、これらの未架橋組成物を、前記したクロスヘッド型押出機を用いて押出成形した。そして、図1に示すように、シリコーンゴムから成るワイパーブレード本体1の先端部に、EPDMから成る拭取り層2が接着して設けられ、かつ下端部にもEPDMから成る金具取付け部3が一体に設けられた構造を有するワイパーブレードゴムを得た。
【0044】
次いで、こうして得られたワイパーブレードゴムの物理的性能として、シリコーンゴム層とEPDM層との接着強度を測定した。また、ワイパーとしての機能試験を行った。
【0045】
シリコーンゴム層とEPDM層との接着強度の測定は、以下に示すように行った。すなわち、クロスヘッド型押出機を使用し、前述した2色押し出し成形を行うことにより、シリコーンゴム層とEPDM層とが積層された複合体の試験片を作製した。そしてこの試験片を、JISK6301に規定される引張り試験機を用い、シリコーンゴム層とEPDM層とを強制的に剥離し、剥離時の最大荷重を測定するとともに剥離状態を観察した。
【0046】
この試験の結果、シリコーンゴム層とEPDM層との接着性は良好であり、接着強度を越える荷重を与えた場合、両層はその接合面で剥離せず、試験片そのものが破壊(材料破壊)を呈し、両層の接着強度が実用上十分に強いことがわかった。
【0047】
また、ワイパーブレードゴムとしての機能試験では、JISD5710に規定される試験機を使用し、拭取り性能評価と耐久性能試験を行った。また、ワイパーブレードゴムの円滑作動の可否と、著しいびびりおよび異状音の有無を調べた。
【0048】
拭取り性能の評価では、水滴の拭き残しラインの数を測定した。耐久性能試験では、往復動試験機により、滑り速度6000mm/分、荷重100g、滑り距離(ストローク)100mmの条件で、相手材1/4インチガラス球に対する初期および10万回耐久後の摩擦係数を測定した。
【0049】
これらの試験の結果、全体がシリコーンゴムにより構成されたワイパーブレードゴムでは、ガラス面との接触摩擦が大きく、作動時に鳴きやびびりが観察され、かつ耐久性に乏しかったのに対して、実施例のワイパーブレードゴムはガラス面に対して円滑に作動し、拭取り性能および耐久性がともに良好であった。また、低温時の作動、鳴き、びびりなどの異状音の有無については、従来の天然ゴム製のワイパーブレードゴムを超える性能が見られた。
【0050】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明のワイパーブレードゴムは、ガラス面との摺動抵抗が小さく、鳴きやびびりのような異状音の発生が防止されるうえに、低温での柔軟性、屈曲性が良好で耐久性に優れている。また、シリコーンゴム部分の色彩を明色に着色することが可能であるので、優れた意匠性を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のワイパーブレードゴムの第1の実施形態を示す断面図。
【図2】本発明のワイパーブレードゴムの第2の実施形態を示す断面図。
【図3】本発明のワイパーブレードゴムの第3の実施形態を示す断面図。
【符号の説明】
1………シリコーンゴムから成るワイパーブレード本体、2………高硬度の有機ゴムから成る拭取り層、3………高硬度の有機ゴムから成る取付け部、4………高硬度の有機ゴムから成る本体中心部、5………シリコーンゴムから成る被覆層、6………ワイパーブレード本体、7………シリコーンゴムから成る本体部、8………高硬度の有機ゴムから成る本体部

Claims (4)

  1. 少なくとも外表面がシリコーンゴムにより被覆された本体と、該本体のガラス面との接触側の端部に接着して設けられた高硬度の有機ゴムから成る拭取り層とを有することを特徴とするワイパーブレードゴム。
  2. 前記有機ゴムが、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体)であることを特徴とする請求項1記載のワイパーブレードゴム。
  3. 少なくとも外表面がシリコーンゴムにより被覆された本体と、該本体のガラス面との接触側の端部に接着して設けられた高硬度の有機ゴムから成る拭取り層とを有するワイパーブレードゴムを製造するにあたり、
    (a)ケイ素原子に結合する脂肪族不飽和炭化水素基を少なくとも2個有するポリオルガノシロキサンと、(b)シリカ系補強性充填剤および(c)有機過酸化物架橋剤を必須成分とする未架橋シリコーンゴム組成物を用いて、前記本体を押し出し成形すると同時に、前記有機ゴムと有機過酸化物架橋剤を必須成分とする未架橋有機ゴム組成物により前記拭取り層を押し出し成形して、所望形状の複合成形体となし、次いでこの複合成形体を加熱し架橋することを特徴とするワイパーブレードゴムの製造方法。
  4. 前記有機ゴムが、EPDMであることを特徴とする請求項3記載のワイパーブレードゴムの製造方法。
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