JP2004017743A - 自律飛行カイトプレーンシステムおよびカイトプレーン制御装置 - Google Patents

自律飛行カイトプレーンシステムおよびカイトプレーン制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】カイトプレーンを、簡易な制御装置または制御システムによって、飛行経路に沿って正確に自律飛行させる。
【解決手段】飛行制御装置1001が、目標飛行経路における目標高度の時間微分値に基づいて定常スロットル出力値を算出する一方、目標高度とカイトプレーンが実際に飛行している現在高度との差を高度誤差として算出し、さらにその高度誤差の時間微分値を算出し、高度誤差と高度誤差の時間微分値とに基づいてスロットル出力補正値を算出し、そのスロットル出力補正値によって定常スロットル出力値を補正してスロットル出力値を算出し、それに基づいてカイトプレーン1001のスロットル制御を行う。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は自律飛行カイトプレーンシステムおよびカイトプレーン制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば活火山の活動状況の観察や大気調査などのように危険地域あるいは危険な状態における観測や調査を有効に行うためには、地上の観測点からの調査だけでは不十分であり、また地上からは人の到達が困難な場所の観測や調査を行うことが必要となる場合も多い。しかし、危険地域や危険な状態における人による調査や観測には、その観測者らの生命に多大な危険が伴う。
【0003】
そこで、従来、そのような危険を伴う観測・調査には、遠隔操縦される模型飛行機のような無人飛行機が用いられている。この用途に用いられる無人飛行機としては、いわゆるDボックス構造のような構造力学的にリジッドである固定翼と、エルロン、エレベータ、ラダー等の補助翼と、内燃機関エンジンのような動力源によって回転させて推力を発生するプロペラとを備えた、いわゆる固定翼機が用いられる場合と、ローターと呼ばれる回転翼を内燃機関エンジンのような動力源によって回転させて揚力を発生することによって飛行する、いわゆる回転固定翼機が用いられる場合とがある。
【0004】
また、このような無線操縦される固定翼型あるいは回転翼型の無人飛行機のなかには、例えばある程度の高度以上に達すると、自動操縦モードに切り替えられるなどして、所定の調査・観測プログラムに則した飛行を行って、地上の所定位置へと帰還するように設定されたものもある。
【0005】
しかし、そのような従来の無人飛行機は一般に、ウイングスパンが1〜2[m]程度の小型の固定翼機または回転翼機であるため、実機(有人飛行機)と比較してレイノルズ数が極めて低い領域での飛行となることから、重量のかさむ各種の調査・観測用機器を搭載して正確な飛行を行うためには、レイノルズ数を高くして安定性および揚力を稼ぐために比較的速い速度で飛行しなければならない。
【0006】
このため、例えば火山活動観測や大気調査などを有効に行うためには、重量のかさむ各種の調査・観測用機器を搭載して比較的低速度で飛行することが望ましいという要請に対応することが困難となる場合がある。また、そのような低レイノルズ数領域での正確な手動操縦飛行を行うためには、かなりの熟練を要するので、初心者や模型固定翼飛行機の操縦に習熟していない調査者や観測者にとっては無人飛行機を使いこなすことが困難あるいは不可能であるという問題もある。
【0007】
あるいは、回転翼機の場合には、燃料が切れるとオートローテーションによって注意深く下降する以外に安全な帰還方法がないので、調査・観測ミッションを遂行するための十分な燃料が必要となるが、重量のかさむ各種の調査・観測用機器を搭載しているので、燃料を搭載する余裕が少なくなり、その結果、飛行可能範囲が限られたものとなる傾向にあるという問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明者らは、上記のような調査・観測用の無人飛行機として、無線遠隔手動操縦されるカイトプレーンを用いることを案出した。カイトプレーンは一般に、カイト(凧)形状の可撓翼を備えた飛行機であり、その揚力発生の流体力学的なメカニズムがいわゆる翼理論よりもむしろ凧の原理に則したものであるため、いわゆるリジッド翼を有する飛行機に比べて、翼の寸法に対する翼面積が大きく、低速でも大きな揚力を得ることができ、離着陸距離が短く、低速飛行が可能、ゆっくりとした飛行で操縦が簡単、エンジンが停止しても墜落の危険がない、最大迎え角が大きくて失速することが少い、といった特長を備えている。このような特長は、上記のような調査・観測用の無人飛行機として極めて好適で、望ましいものである。
【0009】
ところが、手動で操縦する限りは、操縦者がカイトプレーンを視認することができて、なおかつ無線操縦用の電波が届く範囲内でしか、飛行させることができないので、その飛行可能範囲や到達高度等に制約が多いという不都合は解消することができないという問題がある。換言すれば、操縦者の視認や無線操縦の電波の到達距離に関係なく、カイトプレーンを自律的に飛行させることができれば、例えば活火山の観測や、遭難者の探索、気象観測、環境調査、監視作業などさまざまな用途に対して十分に対応することができる。
【0010】
しかしながら、カイトプレーンを所定の目標経路に沿って自律的に飛行させるという技術は、提案されておらず、またそれに近似した技術についても示唆されていないのが現状である。
【0011】
また、カイトプレーンのような可撓翼機以外では、固定翼機を自律飛行させるための制御技術については種々提案され、また実用化されているが、飛行速度が高くて応答性が極めて俊敏な固定翼機に対して案出された自律飛行制御技術を、それとは揚力発生の流体力学的な作用および数式モデルの非線形性の点で大幅に異なっており低速飛行に特に適している可撓カイト翼を備えたカイトプレーンに流用しようとしても、理論的な不整合が極めて多く、また実際に固定翼機の自律飛行制御技術をカイトプレーンに流用して自律飛行を試行しても満足な結果を得ることができなかった。また、従来の固定翼機を自律飛行させるための制御装置では、カイトプレーンのような可撓翼飛行機を自律飛行させるための制御装置としては、その回路構成や制御系の数式モデルが煩雑に過ぎてしまい、またその重量や容積が必要以上に大きなものとなってしまうという問題もあった。
【0012】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、活火山の観測や、遭難者の探索、気象観測、環境調査、監視などのような、無人飛行機によって行うことが要請される各種用途に好適であるカイトプレーンを、簡易な制御装置または制御システムによって、飛行経路に沿って正確に自律飛行させることができる自律飛行カイトプレーンシステムおよびカイトプレーン制御装置を実現することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明による自律飛行カイトプレーンシステムは、機体に推進力を与えるためのスロットル装置と、機体のロール回りの運動姿勢を操縦するためのエルロンと、機体のヨー回りの運動姿勢を操縦するためのラダーと、機体のピッチング回りの運動姿勢を操縦するためのエレベータとを有する胴体と、下面側に前記胴体が吊り下げられて、対気速度に応じて揚力を発生する凧状の可撓翼とを有するカイトプレーンと、前記カイトプレーンを飛行させる目標の経路として定められた目標飛行経路の情報を記憶する情報記憶部と、前記目標飛行経路における目標高度の時間微分値に基づいて定常スロットル出力値を算出する一方、前記目標高度と前記カイトプレーンが実際に飛行している現在高度との差を高度誤差として算出し、さらにその高度誤差の時間微分値を算出し、前記高度誤差と前記高度誤差の時間微分値とに基づいてスロットル出力補正値を算出し、そのスロットル出力補正値によって前記定常スロットル出力値を補正してスロットル出力値を算出し、それに基づいて前記スロットル装置におけるスロットル制御を行うことによって、前記カイトプレーンの実際の飛行高度を制御するスロットル制御系と、前記カイトプレーンを飛行させる経路としてあらかじめ定められた目標飛行経路における目標水平位置と前記カイトプレーンが実際に飛行している現在水平位置との差を水平位置誤差として算出し、その水平位置誤差に基づいて前記エルロンの操舵角を算出し、それに基づいて前記エルロンの操舵角を制御することによって、前記カイトプレーンの水平方向での飛行位置の制御を行うエルロン制御系と、前記カイトプレーンを飛行させる経路としてあらかじめ定められた目標飛行経路における目標方位と前記カイトプレーンが実際に飛行している現在方位との差を方位誤差として算出し、その方位誤差に基づいて前記ラダーの操舵角を算出し、それに基づいて前記ラダーの操舵角を制御することによって、前記カイトプレーンの飛行方位の制御を行うラダー制御系とを有すると共に、前記カイトプレーンに付設される飛行制御装置と、前記カイトプレーンの現在高度を計測するセンサーと、前記カイトプレーンの現在水平位置を計測するセンサーと、前記カイトプレーンの現在方位を計測するセンサーとを有するセンサー系とを備えたものである。
【0014】
本発明による自律飛行カイトプレーンシステムでは、特にスロットル制御系が、目標飛行経路における目標高度の時間微分値に基づいて定常スロットル出力値を算出する一方、目標高度とカイトプレーンが実際に飛行している現在高度との差を高度誤差として算出し、さらにその高度誤差の時間微分値を算出し、高度誤差と高度誤差の時間微分値とに基づいてスロットル出力補正値を算出し、そのスロットル出力補正値によって定常スロットル出力値を補正してスロットル出力値を算出し、それに基づいてスロットル装置におけるスロットル制御を行うことによって、カイトプレーンの飛行速度を制御量として取り扱わずにカイトプレーンの実際の飛行高度を制御する。このようにすることにより、特に飛行高度について簡易な構成の制御装置による正確な制御が行われ、所定の飛行経路に沿ったカイトプレーンの自律飛行が実現される。
【0015】
なお、前記飛行制御装置が、前記高度誤差に基づいて前記エレベータの操舵角を算出し、それに基づいて前記エレベータにおける操舵角を制御することによって、前記カイトプレーンのピッチング方向の飛行姿勢の制御または飛行高度の補助的な調節を行うエレベータ制御系を、さらに備えており、かつ前記スロットル制御系は、前記カイトプレーンの現在速度については制御対象から除外して前記スロットル制御を行うようにしてもよい。このようにすることにより、上記のようなスロットル制御による飛行高度の制御を補助するようにして飛行高度の調節を行うことができ、また制御装置系における現在速度という1種類のディメンジョンに関する計測および制御を省略して、少なくともその分、装置構成のさらなる簡易化が達成される。
【0016】
また、前記スロットル制御系が、前記スロットル出力補正値を、あらかじめ定められたファジィ演算則に基づいて演算するようにすることが望ましい。すなわち、飛行速度が高くてレイノルズ数も大きく、応答性も高い固定翼機の場合には、クリスプな制御則によって飛行制御を行うことが適しているが、それとはむしろ逆の特性を備えたカイトプレーンの場合には、スロットルや各種の操舵角の制御量の演算には、ファジィ制御則を用いることが望ましいことを、本発明者らは案出し、種々の解析および実験等によって確認した。また、ファジィ制御則を用いることで、簡易な装置構成によって実質的に有効なカイトプレーンの自動操縦のエキスパートシステムが実現化される。
【0017】
また、前記エルロン制御系が、前記エルロンの操舵角を、あらかじめ定められたファジィ演算則に基づいて演算するものであり、前記ラダー制御系が、前記ラダーの操舵角を、あらかじめ定められたファジィ演算則に基づいて演算するものであるようにしてもよい。
【0018】
また、前記飛行制御装置に対して通信手段を介して前記目標飛行経路の書き換えを行う機能と、前記カイトプレーンの現在高度の情報と現在水平位置の情報と現在方位の情報とを通信手段を介して収集する機能とを備えた飛行設定・モニタ装置を、さらに備えるようにしてもよい。このようにすることにより、地上側でカイトプレーンの飛行状況をモニタリングすることが可能となると共に、目標飛行経路の書き換えを行うことが可能となる。
【0019】
また、通信手段を介して前記カイトプレーンを無線マニュアル操縦する無線マニュアル操縦装置をさらに備え、かつ前記飛行制御装置が、前記無線マニュアル操縦装置からの通信手段を介した遠隔手動操縦による制御を行うための遠隔手動制御装置をさらに備えると共に、前記目標飛行経路に追随する飛行経路制御を行う制御モードである自動操縦モードと、前記無線マニュアル操縦装置による遠隔手動制御を行う制御モードである手動操縦モードとを、通信手段を介して切り替える切替装置とをさらに備えて、手動でも自動でも操縦可能にしてもよい。
【0020】
また、そのように操縦モードを切り替え可能とする場合には、前記飛行制御装置が、前記制御モードが手動操縦モードから自動操縦モードに切り替えられると、その時点での前記カイトプレーンの現在位置に最も近い前記目標飛行経路上の目標点を求めて、その目標点を目標経路位置として、その目標経路位置へと向かって飛行する制御を行う機能を、さらに備えるようにすることが望ましい。
【0021】
本発明によるカイトプレーン制御装置は、機体に推進力を与えるためのスロットル装置と、機体のロール回りの運動姿勢を操縦するためのエルロンと、機体のヨー回りの運動姿勢を操縦するためのラダーと、機体のピッチング回りの運動姿勢を操縦するためのエレベータとを有する胴体と、下面側に前記胴体が吊り下げられて、対気速度に応じて揚力を発生する凧状の可撓翼とを備えたカイトプレーンの飛行経路の自動制御を行って、前記カイトプレーンを自律飛行させる、カイトプレーン制御装置であって、前記カイトプレーンを飛行させる目標の経路として定められた目標飛行経路の情報を記憶する情報記憶部と、前記目標飛行経路における目標高度の時間微分値に基づいて定常スロットル出力値を算出する一方、前記目標高度と前記カイトプレーンが実際に飛行している現在高度との差を高度誤差として算出し、さらにその高度誤差の時間微分値を算出し、前記高度誤差と前記高度誤差の時間微分値とに基づいてスロットル出力補正値を算出し、そのスロットル出力補正値によって前記定常スロットル出力値を補正してスロットル出力値を算出し、それに基づいて前記スロットル装置におけるスロットル制御を行うことによって、前記カイトプレーンの実際の飛行高度を制御するスロットル制御系と、前記カイトプレーンを飛行させる経路としてあらかじめ定められた目標飛行経路における目標水平位置と前記カイトプレーンが実際に飛行している現在水平位置との差を水平位置誤差として算出し、その水平位置誤差に基づいて前記エルロンの操舵角を算出し、それに基づいて前記エルロンの操舵角を制御することによって、前記カイトプレーンの水平方向での飛行位置の制御を行うエルロン制御系と、前記カイトプレーンを飛行させる経路としてあらかじめ定められた目標飛行経路における目標方位と前記カイトプレーンが実際に飛行している現在方位との差を方位誤差として算出し、その方位誤差に基づいて前記ラダーの操舵角を算出し、それに基づいて前記ラダーの操舵角を制御することによって、前記カイトプレーンの飛行方位の制御を行うラダー制御系と、前記カイトプレーンの現在高度を計測するセンサーと、前記カイトプレーンの現在水平位置を計測するセンサーと、前記カイトプレーンの現在方位を計測するセンサーとを備えたセンサー系とを備えて、前記カイトプレーンに付設されるものである。
【0022】
なお、前記高度誤差に基づいて前記エレベータの操舵角を算出し、それに基づいて前記エレベータにおける操舵角を制御することによって、前記カイトプレーンのピッチング方向の飛行姿勢の制御または飛行高度の補助的な調節を行うエレベータ制御系を、さらに備えており、かつ前記スロットル制御系は、前記カイトプレーンの現在速度については制御対象から除外して前記スロットル制御を行うようにしてもよい。
【0023】
また、前記スロットル制御系が、前記スロットル出力補正値を、あらかじめ定められたファジィ演算則に基づいて演算するようにしてもよい。
【0024】
また、前記エルロン制御系が、前記エルロンの操舵角を、あらかじめ定められたファジィ演算則に基づいて演算するものであり、前記ラダー制御系が、前記ラダーの操舵角を、あらかじめ定められたファジィ演算則に基づいて演算するものであるようにしてもよい。
【0025】
また、前記飛行制御装置に対して通信手段を介して前記目標飛行経路の書き換えを行う機能と、前記カイトプレーンの現在高度の情報と現在水平位置の情報と現在方位の情報とを通信手段を介して収集する機能とを備えており前記カイトプレーンから距離を隔てて配置される飛行設定・モニタ装置に対して、前記目標飛行経路の書き換えのための情報と、前記カイトプレーンの現在高度の情報と現在水平位置の情報と現在方位の情報とを、前記通信手段を介して送信する通信装置を、さらに備えるようにしてもよい。
【0026】
また、前記カイトプレーンから距離を隔てて配置されて前記通信手段を介して前記カイトプレーンを無線マニュアル操縦する前記無線マニュアル操縦装置からの通信手段を介した遠隔手動操縦による制御を行うための遠隔手動制御装置をさらに備えると共に、前記目標飛行経路に追随する飛行経路制御を行う制御モードである自動操縦モードと、前記無線マニュアル操縦装置による遠隔手動制御を行う制御モードである手動操縦モードとを、通信手段を介して切り替える切替装置とを備えるようにしてもよい。
【0027】
また、前記制御モードが手動操縦モードから自動操縦モードに切り替えられると、その時点での前記カイトプレーンの現在位置に最も近い前記目標飛行経路上の目標点を求めて、その目標点を目標経路位置として、その目標経路位置へと向かって飛行する制御を行う機能を、さらに備えるようにしてもよい。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0029】
図1は、本発明の一実施の形態に係る自律飛行カイトプレーンシステムの全体的な概要構成を表したものである。なお、本発明の実施の形態に係るカイトプレーン制御装置は、実質的にこの自律飛行カイトプレーンシステムにおける、例えばカイトプレーンの機内に組み込まれて用いられるものであるから、以下、それらを併せて説明する。
【0030】
この自律飛行カイトプレーンシステムは、三角カイト(三角凧)状の可撓翼を備えた小型無人飛行機であるカイトプレーン1001と、カイトプレーン1001に搭載されてその自律飛行制御を行うための飛行制御装置2001と、そのカイトプレーン1001の飛行経路等の設定および飛行状況等の表示を、地上側にて無線通信手段等を介して行うための飛行設定・モニタ装置3001と、自律飛行制御から手動操縦に切り替えられたときにその手動(マニュアル)による無線操縦を行うための無線マニュアル操縦装置4001とから、その主要部が構成されている。
【0031】
本実施の形態に係る自律飛行カイトプレーンシステムの主要部は多くの構成要素を含んでいるため、説明の簡潔化ならびにその理解を容易なものとするために、以下の説明では、まず、本実施の形態に係るカイトプレーン制御システムの概要構成およびその作用のうちの自律飛行制御に関する概要を説明し、その後、システム内の個々の構成要素についてを、さらに詳細に説明する。
【0032】
カイトプレーン1001(無人飛行機としての本体のみ)は、全長×全幅×全高が例えば2[m]×3[m]×1[m]程度、全備重量が数[kg]ないし10[kg]程度のもので、可撓性の主翼であるデルタカイト(三角凧)翼1の下に、例えば2ストロークまたは4ストロークの無線操縦模型用エンジンあるいは電動模型飛行機用の電動機のような動力源2およびその動力によって回転して推進力を発生するプロペラ装置3と、主に機体の姿勢制御を流体力学的な力によって制御するためのエルロン(補助翼)4、ラダー(垂直尾翼)5、エレベータ(水平尾翼)6と、それらの各舵を機械的に動作させるサーボモータ装置系(胴体に内蔵されているので図示省略)とを備えた胴体7が、あたかも吊り下げられるように配置されている。
【0033】
動力源2の推力あるいはそれに対応した操作量(例えば4ストロークエンジンのような内燃機関の場合はスロットル開度など)T、および各舵の舵角の操作量(エルロン;αae,ラダー;αrud,エレベータ;α)は、例えば胴体7に内蔵された飛行制御装置2001から出力される操作信号、または無線マニュアル操縦装置4001から無線を介して受信した操作信号によって制御されるように設定されている。
【0034】
スロットルは、例えばプロペラの回転数を操作することで、機体(カイトプレーン1001)の進行速度と上昇・下降とが操縦されることとなる。
【0035】
動力付きのカイトプレーンでは一般に、進行速度と上昇・下降とを独立して(完全に別けて別個に)操縦することは、極めて困難あるいは実質的に不可能である。これは、一般にカイトプレーンが、いわゆる可撓翼を備えた種類の飛行機であって、通常のリジッド翼(固定翼)を備えた種類の飛行機とは本質的に異なったものであり、流体工学的な観点からは、むしろ動力付きのパラグライダーやパラセイルに近いものであることによる。また逆に、それ故にこそ、失速速度を低くすることができ、また最大迎角(失速が生じる限界の迎え角)までの迎角許容範囲を固定翼機の場合と比較して飛躍的に広いものとすることができると共に、低速でも大きな揚力を得ることができ、延いては比較的重量のかさむ研究・観測用等の器材を積載しても低速かつ安全に飛行することが可能であるといったメリットがある。また、いわゆる上翼型(いわゆるパラソル型)固定翼飛行機は一般に自律安定性が良好な傾向にあるが、それと同様に、翼が機体の高い位置に配置されていて、その下に重量物である胴体7が吊り下げられた状態になっているので(しかも、デルタカイト翼1はまさにパラソルに近いものであるから)、極めて安定性に優れているという特長がある。
【0036】
しかし、進行速度と上昇・下降とが従属事象的にしか制御できないため、一般的な固定翼の飛行機のために種々案出された目標軌道追随型の自律飛行制御技術をカイトプレーン1001に適用することは、極めて困難あるいは実際上不可能である。
【0037】
そこで、本実施の形態に係る自律飛行カイトプレーンシステムでは、上記のようなカイトプレーンが基本的に備えている特質を巧妙に利用して、進行速度および飛行経路上での通過時刻(あるいは到達時刻)については制御対象のディメンジョンから除外して、制御量として目標飛行軌道のような軌道(x,y,z,t;ここにx,y,zは三次元座標系、tは時刻)を設定するのではなく、目標飛行経路のような経路(x,y,z)を設定し、それに対応する操作量として、スロットル量(T)のような推力に関するディメンジョンを操作量とする。
【0038】
このように進行速度および時刻のディメンジョンを無視しても実際上有効な制御を実現することができるのは、カイトプレーンの場合には一般に、仮にスロットル量を0にして推力を停止してもパラシュートのように空気抵抗力やグライディングによって緩やかに下降するので、失速したり墜落する心配がほとんど無いことと、例えば火山活動の観測などのような用途に本実施の形態のカイトプレーン1001が用いられることを想定すれば、あらかじめ定められた飛行経路上での時刻と進行速度については制御対象から外しても、実質的な不都合は少ない(または無い)からである。しかも、制御対象のディメンジョンの個数を1つ減らすことができるので、少くともその分、制御系を簡易化することができるという副次的なメリット(利点)も得ることができる。
【0039】
機体後方にあるエレベータ6は、機首の上げ下げ(いわゆるピッチング方向)を操縦するためのもので、機体のピッチング方向を制御することによってデルタカイト翼1の迎え角を調節する機能と、スロットル制御による上昇・下降を補助する機能とを、果たすように設定されている。すなわち、上記のように機体の上昇・下降についてはスロットル操作によって支配的に制御されるように設定されているので、このエレベータ6については、一般的な固定翼機の場合とは異なり、機体の上昇・下降の操縦に関しては補助的に機能するだけでよいものとしている。実際上、このエレベータ6は、例えば着陸時のいわゆるフレアー態勢の際の姿勢変化(機首の上げ下げ)などの場合や、突風のような外乱に起因して機体の姿勢が例えば突然に失速を生じるほどの「頭上げ状態」になってしまうほど大幅に変化した際などに、その姿勢変化を正すことが必要な場合などに限って使用するように設定すればよい。
【0040】
ラダー5は、ヨー(型揺れ)回りの運動を操縦するためのもので、これについては一般的な固定翼機の場合とほぼ同様なものとなっている。
【0041】
エルロン4は、例えば右が下げ舵の場合は左が上げ舵となり、左が下げ舵の場合は右が上げ舵となる、というように、左右が互いに連動して逆向きに動作するように設定されており、機体のロール方向(機体の長手方向を中心軸とした回動方向)およびヨー回りの運動を操縦するためのもので、その点では一般的な固定翼機の場合のエルロンと近似したものである。但し、このカイトプレーン1001におけるエルロン4の場合には、主翼であるデルタカイト翼1自体の揚力に対して直接的な影響を与えることがほとんどない、という点では、固定翼機の場合のエルロンとは基本的に異なっている。すなわち、固定翼機の場合には一般に、主翼の後縁にエルロンが設けられていて、そのエルロンを上げ下げすることで、左右の主翼における揚力のバランスが変化して、それが機体をロール方向に傾けさせることになる。しかし、このカイトプレーン1001におけるエルロン4の場合には、デルタカイト翼1とは完全に別体であるため、デルタカイト翼1自体の揚力は基本的には変化することがほとんど無い。
【0042】
このようなカイトプレーン1001におけるエルロン4の特質を生かすことで、エルロン4の制御は、それ以外のスロットルやラダー5やエレベータ6の制御系とは、ほぼ完全に独立したものとすることが可能である。これは、一例を述べると、一般的な固定翼機の場合にはエルロンを操作するとそれに起因した揚力の低下によって飛行高度が下がるので、そのときのエルロン操作量に連動してスロットルを高出力に調節することや、左右の翼での抵抗に偏りが生じることなどに起因して旋回方向とは反対方向に機種が向く傾向にあるのでラダーであて舵を取ることが必要になるが、カイトプレーン1001の場合には、そのようなスロットルやラダーなどのあて舵がほとんど不要となるので、他の制御系に対する影響を補正するためのいわゆるミキシングなどは考慮する必要なく、独立してエルロン4のみを制御するだけで、ロール回りおよびヨー回りの操縦を行うことができる。
【0043】
ここで、カイトプレーン1001に機体固定の座標系を想定し、各種状態量を定義し、その運動方程式を考える。いま、X,Y,Zは機体に働く空気力、L,M,Nは機体に働くモーメントとする。状態量としては、Xi,Yi,Ziは位置、P,Q,Rは角速度、Ψは向き、U,V,Wは機体固定の座標系から見た各方向の速度、VCGは機体の重心の速度であるとする。なお、添字は地上固定の座標系から見た量を表すものとする。このような定義に基づけば、カイトプレーン1001の基本的な運動を記述する数式モデルは、図38に示したような6自由度運動方程式となる。ここに、Ixx,Iyy,Izzは慣性モーメント、Ixy,Iyz,Izxは慣性乗積、mは機体の重量、θはピッチ角である。また、X,Y,Z,L,M,Nは機体の速さU,V,Wに依存する。
【0044】
上記のような運動方程式で表されるカイトプレーン1001の運動について、本実施の形態では、主に縦系(z軸での運動系)と横系(x軸およびy軸での運動系)とに分割することが可能な制御システムを構築する。次に、そのような本実施の形態に係る制御システムの全体的な概要について説明する。
【0045】
図39は、本実施の形態に係る自律飛行カイトプレーンシステムの制御系としての全体的な構成を模式的に表したものである。このような全体的な構成として大雑把に見ると、一般的な状態フィードバック制御系とほぼ同様に、目標飛行経路生成部11に対して指令値を与えて目標飛行経路を生成し、実際の制御対象12であるカイトプレーン1001の状態と比較し、コントローラ13で目標の飛行経路に沿って制御対象12が運動するような制御入力を生成する。コントローラ13によって生成された制御入力は、サーボモータ系14によって機械的あるいは電子的に実行される。そして運動中の制御対象12の応答は各種センサー15によって検出され、その検出された各種情報に基づいて、観測部16が各種の状態量の計測・推定を行う。ここで、以下に詳細に説明するように、本実施の形態では、さらに具体的には、目標飛行経路生成部11としては飛行設定・モニタ装置3001が、コントローラ13および観測部16としては飛行制御装置2001が、各種センサー15としてはセンサー1101〜1151が、制御対象12およびサーボモータ系14としてはカイトプレーン1001が、それぞれ該当するものである。
【0046】
このように、全体的な構成としては上記のようにフィードバック系の様相を呈しているが、本実施の形態に係る制御システムでは、コントローラ13にファジィ制御を用いている。このようにファジィ制御を用いることで、厳密な数式モデルを必要としない簡易な制御回路構成によって非線形な制御を実現することができることや、IA(人工知能)のような極めて煩雑な装置構成を用いなくとも簡易な制御回路構成によって熟練者の経験や直感を効果的に反映することができる、いわゆるエキスパートシステムのような制御システムを構築することができる、といったメリットが得られる。
【0047】
また、本実施の形態に係る制御システムでは、特にコントローラ13におけるスロットルの制御系が、固定翼機の場合のような他の飛行機における自律飛行制御用システムとは異なっていることが特徴的な点である。そこで、次に、そのような本実施の形態に係る制御システムのさらに特徴的な点の概要について説明する。
【0048】
[縦系の制御]
縦系の制御は、スロットルとエレベータ6で行う。但し、自動も手動も同様に、ほとんどスロットルによる制御を主体として上昇・下降を調節することで飛行高度の操縦を行うものとし、エレベータ6は例えば誤差や外乱が大きくてピッチング方向の姿勢変化や上下動が著しい場合などにのみ、スロットルの補助や姿勢変化への対応のために用いられるように設定されている。
【0049】
スロットル(T)の制御系は、図29に示したようなものとなっている。ここで、Zrは目標高度、Ziは実際のカイトプレーン1001の現在高度、Wrは微分器2631TD1によってZrから算出される目標降下速度、TはWrに対応した定常状態のスロットル出力(推力,またはそれに対応したスロットル開度など)、ΔTは目標高度と現在高度との差に基づいて演算された、推力の調整量(補正量と呼ぶ場合有り)、ST1,ST2,ST3はスケーリングファクターである。スケーリングファクターは実測値をファジィ変数が定義されている台集合に変換(または逆変換)するためのもので、言わば数値をファジィ制御用にするために設定された特殊なゲインである。
【0050】
関数変換器2631TF1における関数f(Wr)によって、Zrの時間微分に対応した定常状態のスロットル出力Tを演算し、高度誤差eの値とその時間微分(de/dt)とから、ファジィ演算器2631TF2におけるファジィ演算(FLC)によって、調整量ΔTを求める。このとき用いられるファジィ制御規則を図30に示す。なお、図30において、NはNegative、ZはZero、PはPositive、BはBig、MはMidium、SはSmallを、それぞれ表している。その数値的な変換レートなどについては、カイトプレーン1001のスロットル出力の大きさや揚力係数など種々の仕様に対応して適宜に設定する。
【0051】
本実施の形態に係る制御システムにおけるスロットルの制御系は、上記のように極めて簡易な構成でありながら、調整量ΔTを迅速に算出して確実に目標高度をトレースすることが可能な制御を実現することができるものとなっている。
【0052】
エレベータ6の操舵角(α)の制御系は、機体の飛行高度を操縦するという目的では用いられず、機体のピッチング回りの姿勢調節を行うために用いられる。これは、カイトプレーン1001ではエレベータ6の存在理由が、飛行高度の操縦に関しては補助的なものであること、および突発的な姿勢変化や着陸時の姿勢調節のような特殊な場合にのみ限られるためである。また、ファジィ制御を用いてエキスパートシステムを構築するという観点からも、熟練者が手動で操縦する場合、着陸時のフレア以外にはエレベータ6を積極的に縦方向の主舵として用いることは少なく、補助的に用いられることが殆どであり、例えば、飛行高度をエレベータ6によって積極的に(主舵として)操縦することも少ないので、飛行高度操縦に関してはエキスパートシステムとしてのモデルとなり得るデータが得られない、という理由もある。
【0053】
このエレベータの舵角の制御は、図29に示したように、スロットルの制御系とは独立したものとなっており、高度誤差eに基づいたファジィ演算(FLC)を行って、操舵角αを算出するように設定されている。ここで、図29において、Se1,Se2はファジィ演算FLCのためのスケーリングファクタである。操舵角αのファジィ演算規則の一例を図31に示す。このエレベータ6の操舵角αのファジィ演算則は、その制御の目的がスロットル制御の補助的なものであることから、スロットルの演算則よりも簡易で緩い制御則に設定してある。
【0054】
[横系の制御]
横系の制御は、エルロン4およびラダー5のうちの一方または両方を操舵することで行う。この場合、特にロール回りの操縦はエルロン4を主体として行い、ヨー回りの操縦はラダー5を主体として行う。但し、例えば機体の旋回動作を実行する場合などでは、機体を旋回方向に傾けて旋回するためには、エルロン4の操舵によるロール回りの操縦を行って旋回し、その旋回によって結果的にヨー回りの操縦(つまり向きの変化)を達成するということなども可能であることは言うまでもない。
【0055】
手動の場合には一般に、ラダー5はエルロン4の補助的なものとして用いられており、あるいは時として横滑り等が生じた際のあて舵として操舵する場合もあるが、通常の旋回時などには実質的にほとんどエルロン4のみが操舵されている。しかし、エルロン4のみに依存してラダー5を省略してしまうと、操縦の自由度が制約されてしまうので、例えば大きな外乱が入ったときなどに、十分な対応ができなくなる虞がある。そこで、敢えてラダー5およびエルロン4の2種類の補助翼を操舵できるようにしている。
【0056】
これらエルロン4,ラダー5の制御系を図32に示す。またそれに用いられるファジィ制御規則(FLC ,FLC)を図33に示す。ファジィ制御規則としては基本的にエルロン4,ラダー5は、共に同様のものを用いるが(それぞれFLCae,FLC)、外乱が入ったときのあて舵の大きさは、エルロン4の方をラダー5よりも大きくなるように設定している。これは、ラダー5の方が、エルロン4に比べて縦方向の機体姿勢に対する干渉が大きいので、操舵による姿勢制御の縦横の独立性を損なうことを避けると共に、効果的な操舵特性を得るためである。
【0057】
ここで、図32において、Yrは横方向の目標値、Yは実際のカイトプレーン1001のy方向の位置、Ψrは向きの目標値、Ψは実際のカイトプレーン1001の向き、Sr1,Sr2,Sa1,Sa2はスケーリングファクタ、FLC ,FLCはそれぞれエルロン4のファジィ制御規則,ラダー5のファジィ制御規則である。エルロン4の制御系,およびラダー5の制御系は、互いに独立して、それぞれ水平位置誤差eと方位誤差Ψとに基づいたファジィ演算を行って、それぞれエルロン操舵角αae,ラダー操舵角αrudを算出する。
【0058】
[目標飛行経路]
目標飛行経路は、直線をつなぎ合わせたものであり、適当な条件の下で切り換える(書き換える)ことで実現する。図40は目標飛行経路の設定の一例を模式的に表したものである。x,x,xは経路の切り換えまでの距離、γ,γ,γは経路の切り換え後の方向を、それぞれ表しており、これらは操作者(ユーザー)が適宜に設定することができる慣性座標からスタートして、距離xだけ進んだ地点で進行方向をγに切り換える。このとき、新たな座標系(Xp1,Xp2,Xp3)を定義する。同様にして目標飛行経路を切り換える度に座標系を再定義する。横方向の変位は、切り換えで定義された座標系から見た距離で表す。例えば3回に亘って飛行経路の切り換えを行った後の機体の横方向の位置は、座標系(Xp3,Yp3,Zp3)から見たYとなる。また、このときの目標値Ψrは、Ψr=γ=γ+γ+γとなる。なお、γ,γ,γの符号(正・負)は右手系(カルテシアン座標)に従うものとなることは言うまでもない。
【0059】
[外乱に対する対応]
外乱は、例えば上昇気流や突風のような突発的なものと、例えば定常的な横風のような機体が飛行中に常に影響を受けるものとの、2種類に大別することができる。上下方向(z軸方向)または機体の進行方向での外乱に関しては単純に目標値との誤差に基づいて各制御系を目標追随制御するだけでよいが、機体の進行方向に対して横方向に外乱が加わって来た場合には、機体は図41に模式的に示したように斜め方向に流されて行くことになる。ここで、横方向の外乱をVdisyとする。U´=Rot(Zi−Ψ)Ui,V´=Rot(Zi−Ψ)Viである(Rotは回転変換行列)。このとき、図42に模式的に示したように、外乱の影響を打ち消すために向きの目標値Ψrを、Ψr=−α,α=a・tan(V´/U´)とする。式;Ψr=−α,α=tan(V´/U´)より、目標飛行経路の切り換えと外乱とを考え合わせた向きの目標値Ψrは、Ψr=γ−a・tan(V´/U´)となる。例えば無風状態で、向きおよび変位が目標飛行経路に追随しているときのエルロン4,ラダー5のそれぞれの舵角(翼角)αae,αrud[rad]はいずれも0である。しかし横方向に外乱を受けた状態では、それまでの(無風時と同じ)状態を保つためには、あて舵を加える必要がある。その値を舵角補正値としてそれぞれΔαae,Δαrudと呼ぶことにすると、舵角補正値Δαae,Δαrudは、横滑りの速さに対応して定まるものである。すなわち、エルロン4の場合、Δαae=fa(V´)であり、fa(V´)は計測によって得たデータに基づいて求めることができる。
【0060】
次に、本実施の形態に係る自律飛行カイトプレーンシステムについて、さらに詳細に説明する。
【0061】
図2は、本実施の形態に係る自律飛行カイトプレーンシステムの全体的な構成として、カイトプレーン、飛行制御装置、飛行設定・モニタ装置、無線マニュアル操縦装置を表した図である。
【0062】
飛行制御装置2001では、加速度センサー1101が接続ケーブル1102を介して、方位センサー1111が接続ケーブル1112を介して、角速度センサー1121が接続ケーブル1122を介して、風速センサー1131が接続ケーブル1132を介して、気圧センサー1141が接続ケーブル1142を介して、カイト側GPSセンサー1151が接続ケーブル1153を介して、無線マニュアル操縦受信装置1211が接続ケーブル1213を介して、カイト側無線通信装置1201が接続ケーブル1203を介して、それぞれ飛行制御演算装置2001に接続されている。
【0063】
また、カイト側GPSアンテナ1152が接続ケーブル1154を介してカイト側GPSセンサー1151に接続され、カイト側無線通信アンテナ1202が接続ケーブル1204を介してカイト側無線通信装置1201に接続され、無線マニュアル操縦アンテナ1212が接続ケーブル1214を介して無線操縦受信装置1213に接続されている。
【0064】
飛行設定・モニタ装置3001では、入力装置3401が接続ケーブル3402を介して、表示装置3301が接続ケーブル3302を介して、モニタ側GPS3101が接続ケーブル3103を介して、モニタ側無線通信装置3201が接続ケーブル3203を介して、それぞれ飛行情報送受信・演算装置5001に接続されている。
【0065】
また、モニタ側GPSアンテナ3102が接続ケーブル3104を介してモニタ側GPS3101に接続され、モニタ側無線通信アンテナ3202が接続ケーブル3204を介してモニタ側無線通信装置3201に接続されている。
【0066】
無線マニュアル操縦装置4001では、カイトプレーン1001を手動で操縦するために必要となる操作スイッチ(図示省略)およびカイトプレーンの手動操縦と自動操縦を切り替える手動/自動切替スイッチ(図示省略)、ソフト手動モード・自動経路飛行モード・自動着陸モードとを切り替えるスイッチ等(図示省略)を備えている。
【0067】
[飛行制御装置]
図3は、飛行制御装置の主要部の構成を表したブロック図である。この飛行制御装置2001では、アナログセンサーデータ取込部2111は、接続ケーブル1102、1112、1122、1132、1142を介してそれぞれ加速度センサー1101、方位センサー1111、角速度センサー1121、風速センサー1131、気圧センサー1141から入力されたアナログ信号を数値情報に変換して飛行操作量演算部2501へと送出する。
【0068】
飛行情報送受信部2131は、接続ケーブル1203を介してカイト側無線通信装置1201からの無線信号を受け取って文字列情報に変換して飛行操作量演算部2501へと送出し、また飛行操作量演算部2501から送られた文字列情報を信号化して接続ケーブル1203を介してカイト側無線通信装置1201へと送出するように設定されている。
【0069】
GPSデータ取込部2121は、接続ケーブル1153を介してカイト側GPSセンサー1151から送られて来たデータ信号を文字列情報に変換して飛行操作量演算部2501へと送出する。
【0070】
マニュアル操縦信号読込部2151は、接続ケーブル1213を介して無線マニュアル操縦受信装置1211からの無線信号を受信し、それを文字列情報に変換して、飛行操作量演算部2501へと送出する。
【0071】
飛行操作量出力部2141は、飛行操作量演算部2501から送られて来た操作量情報を受け取り、それを無線マニュアル操縦と同様の信号に変換して、操作量切替部2161へと送出するように設定されている。
【0072】
操作量切替部2161は、接続ケーブ1213を介して無線マニュアル操縦受信装置1211からの無線操縦信号を受け取る。あるいは、飛行操作量出力部2141から操作量情報に応じた無線操縦信号を受け取る。そしてこれらの信号を無線マニュアル操縦受信装置1211からの信号によって機械的に切り替えて、カイトプレーンの駆動部へと送出することができるように設定されている。
【0073】
図4は、飛行操作量演算部の主要部の構成を表したブロック図である。この飛行操作量演算部2501では、センサーデータ変換部2511は、アナログセンサーデータ取込部2111より送られて来たセンサーデータの数値情報から、そのそれぞれのセンタデータごとに加速度、方位、角速度、風速、高度の実データを計算し、その計算結果を情報記憶部2521へと送出する。また、制御時刻管理部2551からの起動指令を受けた時点、あるいはこのセンサーデータ変換部2511自体の処理が終了した時点で、処理終了信号を制御時刻管理部2551へと送出するように設定されている。
【0074】
GPSデータ変換部2531は、GPSデータ取込部2121より送られて来た文字列情報から、カイトプレーンの現在位置情報(緯度、経度、高度)を抽出して情報記憶部2521へと送出する。
【0075】
送受信信号変換部2541では、飛行情報送受信部2401から送られて来た文字列情報から必要な情報を抽出して情報記憶部2521へと送出する。また、制御時刻管理部2551からの起動指令を受けた時点、あるいはこの送受信信号変換部2541自体の処理が終了した時点で、処理終了信号を制御時刻管理部2551へと送出するように設定されている。
【0076】
情報記憶部2521は、センサーデータ変換部2511、GPSデータ変換部2531、送受信信号変換部2541、操作量演算部2601からそれぞれ送られて来た各種情報を書き換え可能に記録保存する。また、送受信信号変換部2541または操作量演算部2601からの要求に応じて、そのとき読み出し要求のあった情報を読み出してそのときの要求のあったブロックへと送出することができるように設定されている。
【0077】
制御時刻管理部2551は、飛行操作量演算部2501全体の時間管理を行い、操作量演算部2601、送受信信号変換部2541、センサーデータ変換部2511のそれぞれのブロックに対する起動指令を送出し、また操作量演算部2601、送受信信号変換部2541、センサーデータ変換部2511のそれぞれのブロックからの処理終了信号を受け取る。
【0078】
図5は、操作量演算部の主要部の構成を表したブロック図である。この操作量演算部2601では、飛行状態観測部2611は、制御時刻管理部2551からの起動信号を受け取り、情報記憶部2521から必要な情報を読み出し、飛行制御に必要な状態を演算し、その演算結果を情報記憶部2521へと送出する。また、飛行モード・経路演算部2621に起動信号を送出する。
【0079】
飛行モード・経路演算部2621は、飛行状態観測部2611からの起動信号を受け取り、情報記憶部2521から必要な情報を読み出して、飛行モードおよび飛行経路を演算し、その演算結果を情報記憶部2521へと送出する。また、自動飛行制御演算部2631に対して起動信号を送出する。
【0080】
自動飛行制御演算部2631は、飛行モード・経路演算部2621からの起動信号を受け取り、情報記憶部2521から必要な情報を読み出して、操作量を演算し、その演算結果を情報記憶部2521と飛行操作量出力部2301とに送出するように設定されている。
【0081】
[飛行設定・モニタ装置]
図6は、飛行設定・モニタ装置の構成および機能における最も中心的な部分である、飛行情報送受信・演算装置の主要部の構成を表したブロック図である。この飛行情報送受信・演算装置5001では、入力情報取込部5101は、接続ケーブル3402を介して入力装置3401から入力された信号を取り込み、その信号を文字列や数値情報に変換して、飛行情報演算部5501へと送出する。
【0082】
GPSデータ取込部5201は、接続ケーブル3103を介してモニタ側GPS3101からデータ信号を取り込み、それを文字列情報に変換して飛行情報演算部5501へと送出する。
【0083】
飛行情報送受信部5401は、接続ケーブル3203を介してモニタ側無線通信装置3201からの無線信号を受け取り、それを文字列情報に変換して、飛行情報演算部5501へと送出する。また、その文字列情報を信号化して、接続ケーブル3203を介してモニタ側無線通信装置3201へと送出する。
【0084】
モニタ情報出力部5301は、飛行情報演算部5501から送られて来た情報を信号化し、接続ケーブル3302を介して表示装置3301へと送出するように設定されている。そして表示装置3301では、接続ケーブル3302を介してモニタ情報出力部5301から送られて来た信号に基づいて文字情報や図形情報を表示する。
【0085】
図7は、飛行情報演算部における主要部の構成を表したブロック図である。この飛行情報演算部5501では、入力情報変換部5511は、入力情報取込部5101より送られて来た入力情報から必要な情報を抽出して、情報記憶部5521へと送出する。また、情報処理部5601に対して入力情報の処理の起動指令を送出する。
【0086】
GPSデータ変換部5531は、GPSデータ取込部5201より送られて来た文字列情報から位置情報(緯度、経度、高度)を抽出して、情報記憶部5521へと送出する。
【0087】
送受信信号変換部5541は、飛行情報送受信部5401より送られて来た文字列情報から必要な情報を抽出して、情報記憶部5521へと送出する。また、情報処理部5601に対して受信情報の処理の起動指令を送出する。
【0088】
情報記憶部5521は、入力情報変換部5511、GPSデータ変換部5531、送受信信号変換部5541、情報処理部5601からそれぞれ送られて来た情報を書き換え可能に記録保存することができるように設定されている。また、送受信信号変換部5541、情報処理部5601、モニタ情報合成部5551からの要求に応じて、そのとき要求のあった情報を該当するそれぞれのブロックへと送出することができるように設定されている。
【0089】
モニタ情報合成部5551は、情報処理部5601からモニタ情報の変更の起動指令を受け取り、情報記憶部5521から必要な情報を読み出して、モニタ情報出力部5301に対して各種情報の表示に必要な情報を送ることができるように設定されている。
【0090】
情報処理部5601は、入力情報変換部5511、送受信信号変換部5541からの処理の起動指令を受け取り、情報記憶部5521から必要な入力情報もしくは受信情報を読み出す。また、送受信信号変換部5541へ送信の起動指令を送出する、またはモニタ情報の変更の起動信号をモニタ情報合成部へと送出することができるように設定されている。
【0091】
次に、上記のような構成の自律飛行カイトプレーンシステムの動作についてさらに詳細に説明する。
【0092】
[システムの起動]
図8は、本実施の形態に係る自律飛行カイトプレーンシステムの起動の手順の概要を説明するための流れ図である。
【0093】
まず、操作者が飛行情報送受信・演算装置5001上の起動スイッチ(図示省略)を操作することによって、飛行設定・モニタ装置3001が起動する(S801)。続いて、操作者は飛行設定・モニタ装置3001の起動を表示装置3301もしくは起動ランプ等(図示省略)により確認した後(S801のY)、カイトプレーン1001上の起動スイッチ(図示省略)を操作してカイトプレーン1001を起動し、その後、カイトプレーンのエンジン1051を点火〜始動する(S803)。
【0094】
続いて、カイトプレーン1001の起動をカイトプレーン1001上の起動ランプ等(図示省略)で確認した後(S804のY)、無線マニュアル操縦装置4001上の手動/自動切替スイッチ(図示省略)を手動側にした状態で、無線マニュアル操縦装置4001上の起動スイッチ(図示省略)を操作して(S805)、無線マニュアル操縦装置4001を起動する(S806)。
【0095】
続いて、無線マニュアル操縦装置4001の起動を無線マニュアル操縦装置4001上の起動ランプ等(図示せず)で確認した後(S807のY)、飛行制御装置2001をカイトプレーン1001上の起動スイッチ(図示せず)により起動する(S808)。そして、図示は省略するが、飛行設定・モニタ装置3001の起動プロセスとしては、飛行情報送受信・演算装置5001が起動されると、接続ケーブル3402を介して入力装置3401へ電源が供給され、入力装置3401は入力待機状態となる。その後、入力操作があると、それに対応した入力信号が、接続ケーブル3402を介して飛行情報送受信・演算装置5001へと送出される。
【0096】
また、飛行情報送受信・演算装置5001が起動されると、接続ケーブル3103を介してモニタ側GPS3101へ電源が供給される。そしてモニタ側GPS3101では、GPSデータの受信状態となり、接続ケーブル3104を介してモニタ側GPSアンテナ3102よりGPSデータを受信すると、その情報は接続ケーブル3103を介して飛行情報送受信・演算装置5001へと送出される。
【0097】
また、接続ケーブル3203を介してモニタ側無線通信装置3201へ電源が供給され、モニタ側無線通信装置3201は、無線通信待機状態となり、飛行制御装置2001からの無線通信があると、モニタ側無線アンテナ3202から接続ケーブル3204を介して、無線信号を受信し、接続ケーブル3203を介して飛行送受信・演算装置5001へ無線信号が送られる。また、飛行送受信・演算装置5001から接続ケーブル3203を介して無線信号を受け取ると、モニタ側無線通信アンテナ3202から飛行制御装置2001に対して無線信号が送信される。
【0098】
また、接続ケーブル3302を介して表示装置3301に電源が供給される。そして表示装置3301は接続ケーブル3302を介して飛行送受信・演算装置5001から表示信号を受け取ってその表示信号に基づいて各種情報を画面に表示する。
【0099】
また、飛行情報送受信・演算装置5001内のGPSデータ取込部5201では、接続ケーブル3103を介してモニタ側GPS3101からGPSデータを受け取ると、そのデータを文字列情報に変換して、飛行情報演算部5501内のGPSデータ変換部5531へと送出する。
【0100】
また、GPSデータ変換部5531では、GPSデータ取込部5201から文字列情報を受け取ると、それをモニタ側現在位置情報として情報記憶部5521に送り、記録保存する。
【0101】
カイトプレーン1001の起動については、まず、エンジン1051を点火〜始動すると、エルロン1011、エレベータ1021、ラダー1031、エンジンスロットル(図示省略)が、飛行制御装置2001の指令に基づいて、駆動可能な状態となる。
【0102】
無線マニュアル操縦装置4001が起動すると、まず、エルロン1011、エレベータ1021、ラダー1031、エンジンスロットルのそれぞれについて、駆動指令および各モード選択信号を無線信号によって出力可能な状態にすることができる。
【0103】
また、飛行制御装置2001が起動すると、接続ケーブル1153を介してカイト側GPSセンサー1151へ電源が供給され、GPSデータの受信待機状態となって、カイト側GPSアンテナでデータを受信すると、受信した情報を接続ケーブル1154および接続ケーブル1153を介して飛行制御演算装置2001へと送出することが可能な状態になる。
【0104】
また、接続ケーブル1203を介してカイト側無線通信装置1201へ電源が供給され、無線通信状態となり、飛行設定・モニタ装置3001からの無線信号が送られると、カイト側無線アンテナ1202から接続ケーブル1204を介して、無線信号を受信し、接続ケーブル1203を介して飛行制御演算装置2001へ無線信号を送る。また、飛行制御演算装置2001から接続ケーブル1203を介して無線信号を受け取ると、接続ケーブル1204を介してカイト側無線通信アンテナ1202より、飛行設定・モニタ装置3001に対して無線信号を送信することができるようになる。
【0105】
また、接続ケーブル1213を介して無線マニュアル操縦受信装置1211へ電源が供給され、無線マニュアル操縦信号の受信状態となり、無線マニュアル操縦装置4001からの無線信号が送られると、無線マニュアル操縦アンテナ1212から接続ケーブル1214を介して無線信号を受信し、接続ケーブル1213を介して飛行制御演算装置2001へ無線信号を送出することが可能な状態となる。
【0106】
また、接続ケーブル1102を介して加速度センサー1101へ電源が供給され、加速度センサー1101で計測されたアナログ信号を、接続ケーブル1102を介して飛行制御装置2001へ送ることができるようになる。
【0107】
また、接続ケーブル1112を介して方位センサー1111へ電源が供給され、方位センサー1111で計測されたアナログ信号を、接続ケーブル1112を介して飛行制御装置2001へ送ることができるようになる。
【0108】
また、接続ケーブル1122を介して角速度センサー1121へ電源が供給され、角速度センサー1121で計測されたアナログ信号を、接続ケーブル1122を介して飛行制御装置2001へ送ることができるようになる。
【0109】
また、接続ケーブル1132を介して風速センサー1131へ電源が供給され、風速センサー1131で計測されたアナログ信号を、接続ケーブル1132を介して飛行制御装置2001へ送ることができるようになる。
【0110】
また、接続ケーブル1142を介して気圧センサー1141へ電源が供給され、気圧センサー1141で計測されたアナログ信号を、接続ケーブル1142を介して飛行制御装置2001へ送ることができるようになる。
【0111】
また、飛行制御装置2001内のアナログセンサーデータ取込部2111では、一定周期ごとに、それぞれのセンサーからのアナログデータを受け取り、それぞれのセンサーに対応する文字列情報に変換し、飛行操作量演算部2501へ送ることができるようになる。
【0112】
また、飛行操作量演算部2501内のセンサーデータ変換部2511では、制御時刻管理部2551からのデータ変換指令を受け取るごとに、アナログセンサーデータ取込部2111からの文字列情報を、それぞれ加速度情報、方位情報、角速度情報、風速情報、高度情報(以下、一括して「センサー情報」と言う)に変換し、情報記憶部2521へ送り記録保存することができる。
【0113】
また、飛行制御装置2001内のGPSデータ取込部2121では、カイト側GPSセンサー1151からデータが送られるごとに、文字列情報に変換し、飛行操作量演算部2501へ送ることができるようになる。
【0114】
また、飛行操作量演算部2501内のGPSデータ変換部2531では、GPSデータ取込部2121からのデータ(文字列情報)を受け取るごとに、このデータをカイト側現在位置情報(緯度、経度、高度)に変換し、情報記憶部2521へ送り記録保存することができるようになる。
【0115】
また、飛行制御装置2001内の飛行操作量出力部2141では、飛行操作量演算部2501から操作量情報を受け取ると、操作量信号に変換し、操作量切替部2161へ送ることができるようになる。
ここで、このシステムで共通に用いられる、入力処理、選択入力処理、表示処理、無線通信処理、無線操縦通信処理について説明する。
【0116】
[入力処理]
操作者が飛行設定・モニタ装置3001の入力装置3401を操作することによって各種の入力処理を行うことができる。入力装置3401の操作によって入力された信号は、接続ケーブル3402を介して飛行情報送受信・演算装置5001に送られる。飛行情報送受信・演算装置5001に送られた入力信号は、入力情報取込部5101で文字列情報に変換され、さらに飛行情演算部5501の入力情報変換部5511へと送られる。
【0117】
入力情報変換部5511では、文字列情報を受け取ると、受け取った文字列情報に対応して指定の情報に変換され、さらに情報記憶部5521に送られ記録保存される。同時に、入力情報変換部5511では、受け取った文字列情報に対応して、指定の処理開始指令を情報処理部5601へと送出する。
【0118】
[表示処理]
入力情報変換部5511または送受信信号変換部5541の指令に基づいて、情報処理部5601は、表示装置3301の内容に変更が必要であるかどうかを判断し、変更が必要である場合には、モニタ情報合成部5551に表示内容の変更指令を送る。モニタ情報合成部5551では、表示内容の変更指令を受け取ると、情報記憶部5521から表示に必要な情報を読み出して、表示内容の信号を合成し、その合成してなる信号をモニタ情報出力部5301へと送出する。
【0119】
モニタ情報出力部5301では、表示内容の信号を受け取ると、それをいわゆる画像信号に変換し、接続ケーブル3302を介して表示装置3301に送る。表示装置3301では、送られて来た画像信号に基づいて、表示画面に各種情報等の画像表示を行う。このようにして、例えば図9に一例を示したような、カイトプレーンの現在位置を3次元相対座標で表示する画像を、表示装置3301の画面上に出力することができる。また、例えば図10に一例を示したような、カイトプレーンの飛行モード、現在位置、目標点位置などの数値データを表示する画像を、表示装置3301の画面上に出力することができる。
【0120】
[無線通信処理]
飛行設定・モニタ装置3001と飛行制御装置2001間の無線通信は、以下のような手順で行われる。
【0121】
飛行設定・モニタ装置3001から飛行制御装置2001に情報を送信する場合には、入力情報変換部5511および送受信信号変換部5541の指令により、情報処理部5601は、無線通信による情報送信が必要であるかどうかを判断し、情報送信が必要である場合には、送受信信号変換部5541に対して、送信する情報に対応した送信指令を送る。
【0122】
送受信信号変換部5541では、送信する情報に対応する送信指令を受け取ると、対応する送信指令に従って情報記憶部5521から送信に必要となる情報を読み出して、送信する情報を生成し、それを飛行情報送受信部5401へと送出する。そして飛行情報送受信部5401では、送受信信号変換部5541から送信情報が送られて来ると、送信情報を指定の送信信号に変換して、接続ケーブル3203を介してモニタ側無線通信装置3201へと送出する。
【0123】
モニタ側無線通信装置3201では、飛行情報送受信部5401から信号を受け取ると、それを接続ケーブル3204を介してモニタ側無線通信アンテナ3202によって無線信号として出力する。
【0124】
他方、飛行制御装置2001では、カイト側無線通信アンテナ1202が無線信号を受信すると、その信号は接続ケーブル1204を介してカイト側無線通信装置1201へと送られる。カイト側無線通信装置1201は、さらにその無線信号を信号化し、接続ケーブル1203を介して飛行情報送受信部2131へと送出する。
【0125】
飛行情報送受信部2131では、カイト側無線通信装置1201から信号を受け取ると、受け取った信号から文字列情報に変換して送受信信号変換部2541へと送出する。そして送受信信号変換部2541では、制御時刻管理部2551からの指令を受け取るごとに、飛行情報送受信部2401から受け取った文字列情報から、それに対応した情報を生成して情報記憶部2521へと送出する。情報記憶部2521では、受信した情報ごとに弁別して読み出し可能に記録保存する。
【0126】
なお、飛行制御装置2001から飛行設定・モニタ装置3001へと各種情報を送信する場合には、上記の通信と逆方向に情報が伝達されることは言うまでもない。
【0127】
[無線操縦通信処理]
無線マニュアル操縦装置4001と飛行制御装置2001との間での無線通信は以下に説明するような手順によって行われる。
【0128】
無線マニュアル操縦装置4001で設定された無線マニュアル操縦信号は、接続ケーブル1214を介して無線マニュアル操縦アンテナ1212から無線マニュアル操縦受信装置1211によって受信される。無線マニュアル操縦受信装置1211では、受信された無線マニュアル操縦信号が接続ケーブル1213を介して飛行制御装置2001の操作量切替部2161およびマニュアル操縦信号読込部2151に送られる。マニュアル操縦信号読込部2151では、マニュアル操縦信号をマニュアル信号変換部2561に送る。そしてマニュアル信号変換部2561では、マニュアル操縦信号読込部2151から送られて来たマニュアル操縦信号を操作量および飛行モード等の情報に変換し、マニュアル操縦情報として情報記憶部2521に送って記録保存する。
【0129】
[初期化]
システムが起動した後、操作者がシステムの初期化を行う。この初期化では、基準点および滑走路範囲の緯度・経度・高度が設定される。基準点は、図11に一例を示したような、本システムが管理する3次元座標の原点位置として設定および処理される。滑走路範囲は、例えば図27に一例を示したように、カイトプレーンが離着陸に使用可能な滑走路の区域表す4つの点で表すことができる。
【0130】
[基準点の設定]
図12は、初期化ないし基準点の設定に関する主要な処理手順の概要を表したものである。基準点の設定は、入力装置3401から行う場合と、飛行制御装置2001から飛行設定・モニタ装置3001に、無線通信でカイトプレーンの現在位置を送信することによって基準点を設定する場合とが可能である。
【0131】
入力装置3401から行う場合では(S1201のY)、操作者は、既述の入力処理によって、基準点の緯度・経度・高度の入力を行う(S1202)。このとき、情報記憶部5521に記録される情報を基準点情報とする。そして入力情報変換部5511は基準点の位置情報の入力に対応する処理開始指令を情報処理部5601へと送る(図示省略)。
【0132】
あるいは、飛行制御装置2001から現在位置を設定する場合では(S1201のN)、操作者は入力処理によって基準点送信要求の入力を行う(S1203)。このとき、入力情報変換部5511は基準点送信要求に対応する処理開始指令を情報処理部5601へと送る。情報処理部5601は、基準点送信要求に対応する処理開始指令を受け取ると、送受信信号変換部5541に対し、基準点送信要求の送信指令を送り、既述の無線通信処理によって基準点送信要求が飛行制御装置2001へと送信される(S1204)。
【0133】
送受信信号変換部2541では、既述の無線通信処理によって基準点送信要求を受け取ると(S1205)、情報記憶部2521からカイトプレーンの現在位置情報を読み出して、それを現在位置の文字列情報に変換して飛行情報送受信部2401へと送る。
【0134】
飛行情報送受信部2401では、無線通信処理によってカイトプレーン1001の現在位置の情報を飛行設定・モニタ装置3001へと送信する。飛行設定・モニタ装置3001では、送られて来た情報を情報記憶部5521に記録保存する(S1206)。このとき情報記憶部5521に記録保存された情報も「基準点情報」である。そして送受信信号変換部5541は、基準点の位置情報の受信に対応する処理開始指令を情報処理部5601へと送る(図示省略)。
【0135】
情報処理部5601では、基準点の位置情報の入力もしくは制御装置2001からの無線通信による基準点の位置情報の受信に対応する処理開始指令を受け取ると、表示装置3301の3次元座標の中心を基準点に設定する演算を行って、その演算結果を基準点の設定情報として情報記憶部5521送り、記録保存する(S1207)。
【0136】
[滑走路範囲の設定]
図13は、基準点の設定から滑走路範囲の入力を行って初期化を終了するまでの主要な手順を表したものである。図12に基づいて説明した手順に引き続いて、情報処理部5601は基準点の入力に伴う表示の変更指令をモニタ情報合成部5551へ送り、既述の表示処理によって基準点の設定に伴う表示を行う(S1301)。
【0137】
続いて、操作者は入力処理によって滑走路範囲の緯度・経度・高度の入力を行う(S1302)。その情報は情報記憶部5521に記録保存される(S1303)。このとき情報記憶部5521に記録される情報を滑走路範囲情報とする。またこのとき、入力情報変換部5511は、滑走路範囲の位置情報の入力に対応する処理開始指令を情報処理部5601へと送る(図示省略)。
【0138】
情報処理部5601では、滑走路範囲の入力に伴う表示の変更指令をモニタ情報合成部5551へと送り、既述したような表示処理によって滑走路範囲の設定に伴う表示を行う(S1304)。またこのとき基準点および滑走路範囲の設定が終了した後、基準点情報および滑走路範囲情報(あわせて「初期化情報」と呼ぶ)の送信要求が成されると(S1305)、初期化情報が飛行制御装置2001へと送信される(S1306)。またこのとき、入力情報変換部5511は、初期化情報送信指令に対応する処理開始指令を、情報処理部5601へと送出する。すなわち、この部分の手順は、さらに詳細には、情報処理部5601が初期化情報送信指令に対応する処理開始指令を受け取ると、送受信信号変換部5541に対して初期化情報の送信指令を送り、無線通信処理によって初期化情報が飛行制御装置2001へと送信される。このとき、制御装置2001の情報記憶部2521に記録保存される情報も「初期化情報」とする。以上の操作によってシステムの初期化が終了する。
【0139】
[目標点の設定]
次に、操作者は飛行経路の目標点を設定する。図11は、目標点と飛行経路との関係についての一例を表したものである。目標点は、飛行経路の参照となる点である。例えば、図11(A)では、目標点を直線で補間した線を飛行経路としている。また、図11(B)では、目標点を適切な規則に基づいた曲線で補間して、その曲線をある程度再現可能な補助目標点を求め、その補助目標点を直線により補間した線を飛行経路としている。
【0140】
図14は、目標点の設定の主要な処理の手順を表したものである。操作者は、入力処理によって目標点を入力する(S1401)。その入力に際しては、例えば基準点からの相対位置、すなわち基準点に対して北(x)方向、西(y)方向、高さ(z)方向の相対位置を入力する方法や、地上に地理学的に設定された一般的な緯度・経度・高度のような絶対位置を入力する方法などがある。
【0141】
入力情報変換部5511は、入力処理によって目標点の文字列情報を受け取ると、それを目標点の位置情報に変換し、その目標点の位置情報を情報記憶部5521に送って記録保存する(S1402)。またそれと並行して、入力情報変換部5511が、情報処理部5601に目標点の入力に対応する処理開始指令を送る(図示省略)。
【0142】
情報処理部5601では、目標点の入力に対応する処理開始指令を受け取ると、情報処理部5521から目標点の位置情報を読み出し、目標点が相対位置で入力されていない場合にはそれに対応する絶対位置値を演算し、目標点が絶対位置値で入力されている場合には相対位置を演算する(S1403)。
そして読み出した位置情報または得られた結果を情報処理部5521へと送出し、目標点の絶対位置情報および相対位置情報として記録保存する(S1404)。
【0143】
また、情報処理部5601は、情報記憶部5521にあらかじめ保存されていた飛行経路の種類を読み出して、図11(B)に示したような飛行経路の種類に対応する補助目標点の基準位置および相対位置を演算し(S1405)、その演算結果を情報記憶部5521に送って、補助目標点の絶対位置情報および相対位置情報として記録保存する(S1406)。
【0144】
また、情報処理部5601は、目標点および補助目標点に関する演算と演算結果の記録保存が終了すると、表示変更指令をモニタ情報合成部に送り、表示処理によって目標点の設定に伴う表示を行う(S1407)。
【0145】
[目標点と補助目標点の送信]
次に、操作者は、目標点および補助目標点を飛行制御装置2001へと送信する。図15は、目標点と補助目標点の送信の主要な処理の手順を表したものである。
【0146】
操作者は、入力処理によって標点の送信指令の入力を行う(S1501)。そして入力情報変換部5511は、目標点の送信指令の文字列情報を受け取ると、情報処理部5601に対して、目標点の送信の処理開始指令を送る。情報処理部5601では、目標点の送信の処理開始指令を受け取ると、送受信信号変換部5541に対して、目標点の送信指令を送り、無線通信処理によって目標点の絶対位置情報または相対位置情報、および補助目標点の絶対位置情報または相対位置情報を、飛行制御装置2001へと送信する(S1502)。
【0147】
飛行制御装置2001は、無線通信処理によって、目標点の絶対位置情報または相対位置情報、および補助目標点の絶対位置情報または相対位置情報を受け取り、それを目標点および補助目標点情報として情報記憶部5521に記録保存する(S1503)。
【0148】
[飛行経路種類の入力]
操作者は、飛行経路種類を入力することができる。図16は、飛行経路種類の入力の主要な処理の手順を表したものである。操作者は、入力処理により、飛行経路の種類を入力する(S1601)。入力情報変換部5511では、飛行経路の種類の入力に対応する文字情報を受け取ると、飛行経路の種類情報を生成して、それを情報記憶部5521へと送り、飛行経路の種類情報として記録保存する(S1602)。続いて、入力情報変換部5511が、飛行経路の変更に対応する処理開始指令を情報処理部5601に送る(図示省略)。
【0149】
情報処理部5601では、飛行経路の変更に対応する処理開始指令を受け取ると、目標点の位置情報と飛行経路の種類情報とを読み出し、飛行経路の種類情報に基づいて補助目標点を再計算し(S1603)、それによって得られた補助目標点の情報を、情報記憶部5521へと送出して、新たな補助目標点の絶対位置情報または相対位置情報として記録保存する(S1604)。
【0150】
続いて、情報処理部5601は、送受信信号変換部5541に対して、目標点の送信指令を送り、無線通信処理によって、目標点の絶対位置情報または相対位置情報、および補助目標点の絶対位置情報または相対位置情報を、飛行制御装置2001へと送信する(S1605)。
【0151】
飛行制御装置2001では、無線通信処理により、目標点の絶対位置情報または相対位置情報、および補助目標点の絶対位置情報または相対位置情報を受け取って、それを目標点および補助目標点情報として、情報記憶部2521に記録保存する(S1606)。
【0152】
[手動飛行操作]
操作者は、例えば無線マニュアル操縦装置4001の手動/自動切替スイッチ(図示省略)を手動側に切り替えることなどにより、無線マニュアル操縦装置4001を用いた手動によってカイトプレーン1001の飛行操作を行うことができる。図17は、そのような手動飛行操作に関する主要な処理の手順を表したものである。
【0153】
操作者は、無線マニュアル操縦装置4001の手動/自動切替スイッチを手動側をONに切り替える(S1701)。この無線マニュアル操縦装置4001の手動/自動切替スイッチの手動側ON信号は、既述の無線操縦通信処理によって飛行制御装置2001に送られて(S1702)、飛行モードがマニュアル操縦情報の手動モードに設定され、またそれが情報記憶部2521に記録保存される(S1703)。
【0154】
飛行制御装置2001内の操作量切替部2161では、手動/自動切替スイッチの手動側ON信号を受けると、接続ケーブル1213からの信号が有効となるように回路が切り替わる(S1704)。
【0155】
この状態で、操作者が無線マニュアル操縦装置4001を操作すれば、無線マニュアル操縦装置4001の操縦信号は、無線操縦通信処理によって操作量切替部2161から直接カイトプレーン1001に与えられて、カイトプレーン1001は操作者によって手動で操縦される(S1705)。また、このとき操作量演算部2601の飛行状態観測部2611では、制御時刻管理部2551からの指令により情報記憶部2521から、基準点情報、センサー情報、カイト側現在位置情報、モニタ側現在位置情報、および後述する自動飛行操作量情報を読み出して、後述する内容と同様な飛行状態の演算を行って、その演算結果を情報記憶部2521へと送り、飛行状態情報として記録保存する。また、飛行状態観測部2611は、飛行状態の観測演算が終了すると飛行モード・経路演算部2621に飛行状態演算終了信号を送る(図示省略)。飛行モード・経路演算部2621では、飛行状態観測部2611から飛行状態演算終了信号を受け取ると、情報記憶部2521から、マニュアル操縦情報およびその他の情報を読み出して、マニュアル操縦情報が手動モードであれば自動飛行制御演算部2631へと飛行モード・経路演算終了信号を送る(図示省略)。そして自動飛行制御演算部2631では、飛行モード・経路演算部2621からモード・経路演算終了信号を受け取ると、情報記憶部2521から、マニュアル操縦情報およびその他の情報を読み出して、マニュアル操縦情報が手動モードであれば、飛行操作量出力部2141に対してマニュアル操縦情報内の操作量と同じ操作量情報を送り、さらに同じ情報を情報記憶部2521へと送って記録保存する(図示省略)。
【0156】
[自動飛行]
操作者が無線マニュアル操縦装置4001の手動/自動切替スイッチを自動側にONに切り替えることで、カイトプレーン1001を自動飛行状態にすることができる。
【0157】
まず、操作者は、カイトプレーンが自動飛行可能な状態か否かを判断する。たとえば、(1)離陸準備が整った状態、(2)手動によって安定して飛行中の状態、などのように、自動飛行制御が実行できる状態にあるか否かを判断する。
【0158】
操作者は、自動飛行可能な状態にあると判断すると、それまで手動側にONとなっていた無線マニュアル操縦装置4001の手動/自動切替スイッチ(図示省略)を自動側にONに切り替える。
【0159】
無線マニュアル操縦装置4001の手動/自動切替スイッチの自動側ON信号は、無線マニュアル操縦アンテナより接続ケーブル1214を介して無線マニュアル操縦受信装置1211で受信される。受信された手動/自動切替スイッチの自動側ON信号は、接続ケーブル1213を介して飛行制御装置2001内の操作量切替部2161に入力される。
【0160】
飛行制御演算装置2001内の操作量切替部2161では、手動/自動切替スイッチの自動側ON信号を受けると、飛行操作量出力部2141からの操作量の信号が有効となるように回路が切り替わる。
【0161】
[飛行状態観測]
図18は、飛行状態観測部の主要な動作を説明するための流れ図である。また図19は、飛行状態観測部の飛行状態演算の処理の主要な手順を表したものである。
【0162】
飛行状態観測部2611は、制御時刻管理部2551から操作量演算開始指令を受け取ると、情報記憶部2521から、基準点情報、センサー情報、カイト側現在位置情報、モニタ側現在位置情報、自動飛行操作量情報、飛行状態情報を読み出す(S1801)。
【0163】
次いで、飛行状態観測部2611は、センサー情報のうちの加速度情報から、センサー飛行速度Vを求める(S1802〜S1901)。また、時刻kにおけるセンサー飛行速度ベクトルVは、加速度ベクトルをaとすれば、図20の一覧表中にその他の数式と共に式1として示したように、加速度ベクトルaをt=0からt=kに亘って時間積分する演算によって得ることができる。また、センサー情報のうちの角速度情報からセンサー飛行姿勢R(Rはベクトル量)を求める(S1802〜S1901)。また、センサー飛行姿勢行列Rは、角速度をωとすれば、図20にも式2として示したように、R=R+ω×R(ここに×はベクトル積)によって得ることができる(S1802〜S1901)。
【0164】
また、この飛行状態観測部2611は、センサー情報のうちの風速情報を、センサー風速Vswとして求め、センサー情報のうちの高度情報を、センサー高度Hとして求め、センサー情報のうちの方位情報を、方位角αとして求める(S1802〜S1902)。
【0165】
また、カイト側現在位置情報と基準点情報もしくはモニタ側現在位置情報とを比較し、カイトプレーンの現在の時刻での「相対位置P(Pはベクトル量)」を求める(S1802〜S1903)。なお、この相対位置Pの要素:高度は、センサー高度Hsと比較され、その結果に基づいて必要があれば補正される。
【0166】
ついで、飛行状態観測部2611は、求めた相対位置Pと、飛行状態情報の相対位置の時系列情報とから、カイトプレーンの飛行速度Vを求める(S1904)。この飛行速度V(高度、水平方向の速度)は、図20にも式3として示したように、時系列相対位置Pベクトルの各サンプリングタイム毎の差分値をサンプリングタイムdtで除算したものの総和を取り、それをn回で平均することによって求められる。なお、飛行速度ベクトルVは、センサー飛行速度ベクトルVと比較されて、必要があれば補正される。
【0167】
次いで、飛行状態観測部2611は、操作量情報のスロット出力Tおよび飛行速度Vおよび方位αから、風向きおよび風速を求める(S1802〜1905)。図21は、飛行速度と風向きと機首機方向との関係を説明するための図である。
【0168】
風の速度ベクトルVは、図20に式4として示したように、Vのz成分と無風状態におけるスロット出力Tでの直進速度を与える関数とに基づいて求めることができる。なお、このVについても、センサー風速Vswと比較されて、必要があれば修正される。
【0169】
このようにして得られたセンサー飛行速度V、センサー飛行姿勢R、センサー風速Vsw、センサー高度H、方位角α、相対位置P、飛行速度V、風速度Vを、飛行状態情報として情報記憶部2551へと送って記録保存し(S1906〜S1803)、飛行モード・経路演算部2621へと飛行状態演算終了信号を送って処理を終了する。
【0170】
[飛行モード・経路演算部]
次に、飛行モード・経路演算部2621の主要な動作について説明する。図22は、飛行モード・経路演算部2621の主要な動作を説明するための流れ図である。
【0171】
まず、飛行モード・経路演算部2621は、飛行状態観測部より2611より「飛行状態演算終了信号」を受け取ると、情報記憶部2521から、飛行状態情報、マニュアル操作情報、飛行モード・経路目標情報、目標点および補助目標点情報、着陸経路目標点情報を読み出す(S2201)。
【0172】
[飛行モード]
この自律飛行カイトプレーンシステムでは、(1)手動操作モードと、3つの自動モード、すなわち(2)ソフト手動モード、(3)自動経路飛行モード、(4)自動着陸モード、の4つの飛行モードが用意されている。これらの飛行モードは、無線マニュアル操縦装置4001もしくは飛行設定・モニタ装置3001によって設定・切り替えを行うことができるようになっている。
【0173】
(1)の手動モードおよび(2),(3),(4)の自動モードの切り替えについては、無線マニュアル操縦装置4001でのみ切り替えることができる。
【0174】
また、(2),(3),(4)の自動モードの切り替えについては、無線マニュアル操縦装置4001もしくは飛行設定・モニタ装置3001によって設定することができるようになっている。
【0175】
無線マニュアル操縦装置4001による手動モード設定では、既述の[手動飛行操作]で説明した処理が行われる。また、無線マニュアル操縦装置4001による自動モード設定では、操作者が無線マニュアル操縦装置4001のモード切替スイッチ(図示省略)を所望のモードに切り替え操作することで、モードの切り替えを行うことができる。
【0176】
無線マニュアル操縦装置4001で自動モードが設定されると、設定されたモードは、既述の無線操縦通信処理によってマニュアル信号変換部2561に送られ、マニュアル操縦情報のうちの情報の一つとして情報記憶部2521に記録保存される。
【0177】
また、飛行設定・モニタ装置3001による自動モード設定では、入力処理によってモード設定信号が入力される。モード設定信号に基づいて設定が変更されると、その設定されたモードは、無線通信処理によって飛行制御装置2001に送信されて、送受信信号変換部2541による変換を受けた後、マニュアル操縦情報に含まれて情報記憶部2521に記録保存される。
【0178】
(1)の手動モードは、[手動飛行操作]で説明したような処理を行うモードである(よってその詳細はここでは繰り返さない)。(2)のソフト手動モードは、飛行操作量演算部2501を介して、無線マニュアル操縦装置4001による手動飛行操作を行うモードである。(3)の自動経路飛行モードは、飛行モード・経路演算部2621によって演算された経路に沿ってカイトプレーン1001が飛行するように自動操縦を行うモードである。(4)の自動着陸モードは、飛行モード・経路演算部2621によって演算された経路に沿ってカイトプレーン1001が着陸するように自動操縦を行うモードである。
【0179】
次に、各モードの設定および飛行経路の演算方法について説明する。
【0180】
[飛行モード設定・経路演算]
図23,24,25は、図22に示したS2202の手順およびそれ以後における情報処理の主要な動作をさらに詳細に示した流れ図である。また、図26(A)は目標経路の設定を説明するための図である。
【0181】
飛行モード・経路演算部2621は、マニュアル操縦情報の手動モードを検出すると(S2301のY)、飛行モードを手動モードとする(図24のS2401)。あるいは、マニュアル操縦情報のソフト手動モードを検出すると(S2302のY)、飛行モードをソフト手動モードとする(S2402)。あるいは、マニュアル操縦情報が自動経路飛行モードで(S2303のY)、かつ飛行モード・経路目標情報がその他のモードであれば(S2204のN)、飛行モードを自動経路飛行モードに変更し、さらにモード切替中信号を生成する(S2305)。飛行モード・経路目標情報が自動経路飛行モード(S2304のY)かつモード切替中であり(S2306のY)、かつ現在のカイトプレーンの位置が後述する切替目標点と切替目標点から最も近い目標点もしくは補助目標点からなる新たな飛行経路よりも、目標点もしくは補助目標点からなる経路の方が近くなると(S2307のY)、モード切替中信号を削除する(S2308)。
【0182】
飛行モード・経路演算部2621は、飛行モード・経路目標情報が自動経路飛行モードで、かつモード切替中信号を検出せず、かつカイトプレーンの現在位置が目標点もしくは補助目標点情報の最後の目標点から、一定の範囲内になければ、目標点もしくは補助目標点を直線で補間した経路とカイトプレーン1001の現在位置Pi=(Yi,Zi)との距離が最も小さくなる点Pr=(Yr ,Zr)T(Tは転置の意。以下同様)と補間した直線の方向Ψrとを計算し(S2309,S2403)、これを経路目標情報として飛行モード・経路目標情報を書き換える(S2404)。また、飛行モード・経路演算部2621は、モード切替中信号を生成すると、モードの切替時点のカイトプレーン1001の位置Pを「切替目標点」として「目標点および補助目標点情報」に追加し、情報記憶部2521へ送り記録保存する(S2501)。また、飛行モード・経路演算部2621は、「切替目標点」から最も近い目標点もしくは補助目標点を直線で補間した経路を新たな経路とし、この経路とカイトプレーンの現在位置Pi =(Yi,Zi)との距離が最も小さくなる点Pr=(Yr ,Zr)Tと補間した直線の方向Ψrとを計算し、経路目標情報として飛行モード・経路目標情報を書き換える(S2502,S2405)。
【0183】
[自動着陸モードの設定]
飛行モード・経路演算部2621は、マニュアル操縦情報が自動着陸モードで、飛行モード・経路目標情報がその他のモードであれば(S2503のN)、飛行モードを自動着陸モードとし、この時点のカイトプレーンの位置を「着陸開始目標点」とする(S2504)。
【0184】
あるいは、マニュアル操縦情報が自動経路飛行モードで、飛行モード・経路目標情報が自動経路飛行モードであり(S2304のY)、モード切替中信号を検出せず(S2306のN)、カイトプレーンの現在位置が目標点もしくは補助目標点情報の最後の目標点から一定の範囲内にあれば(S2505のY)、飛行モードを自動着陸モードとし、目標点もしくは補助目標点情報の最後の目標点を「着陸開始目標点」とする(S2506)。
【0185】
[自動着陸モード時の目標経路演算]
飛行モード・経路演算部2621は、飛行状態情報の風向きおよび風速などから、着陸目標点、着陸滑走終了目標点、着陸経路開始目標点、着陸補助目標点を演算し、これらの目標点情報と着陸開始目標点情報とを、着陸経路目標点情報として情報記憶部2521へ送って記録保存する(S2507,S2508)。
【0186】
次いで、飛行モード・経路演算部2621は、送受信信号変換部2541に着陸経路の送信指令を送り(S2509)、送受信信号変換部2541は、着陸経路の送信指令を受け取ると、情報記憶部2521から着陸経路目標点情報を読み出して、それを無線通信処理によって飛行設定・モニタ装置3001に送る。飛行設定・モニタ装置3001では、無線通信処理によって着陸経路目標点情報を受信すると、表示処理によって表示装置3301に着陸経路を表示する。
【0187】
また、飛行モード・経路演算部2621は、自動着陸モード時、現在のカイトプレーンの位置と着陸経路目標点を直線により結んだ着陸経路との距離が最も小さくなる点Pr=(Yr ,Zr)Tと補間した直線の方向Ψrとを計算し(S2403)、それを経路目標情報として飛行モード・経路目標情報を書き換える(S2404)。また、飛行モード・経路目標情報を情報記憶部2521へと送り記録保存する。
【0188】
次に、飛行モード・経路演算部2621における着陸経路の演算方法について説明する。図26(B),図27は、着陸の経路を決定するための目標点とそれを用いた着陸経路の一例を表したものである。
【0189】
まず、「飛行状態情報」の風向きから、着陸目標点、着陸滑走終了目標点を求める。カイトプレーンは一般に、飛行経路が風向きおよび風速によって顕著な影響を受けるため、風に向かって着陸することが望ましい。図26に示したように、着陸経路(着陸目標点と着陸滑走終了目標点とを結ぶ線分)を、風向きと平行になるように設定する。さらに、滑走路範囲内で滑走経路が最も長くなるように、風上に着陸滑走目標点を定めると共に、風下に着陸目標点を定める。ここで、着陸滑走目標点は滑走路範囲境界上に取り、着陸目標点は滑走路範囲境界上からの距離Lra、Lrbともに一定距離以上となるように取る。
【0190】
また、風速が大きいほど着陸経路の長さは短くてよい。従って、図26に示した着陸経路開始目標点は、着陸目標点から風速に応じた着陸距離および一定の着陸距離高さの位置となる。すなわち、着陸経路開始目標点は、着陸経路開始目標点相対位置ベクトルをPrs、着陸目標点相対位置ベクトルをPr、着陸高度をRh、着陸高度ベクトルをPrh=(0,0,Rh)T、風向き方向ベクトルをiw =(iwx,iwy,0)T、風速・距離換算関数をfr(Vw)とすれば、図20の式5にも示したように、Prs=Pr+fr(Vw)×iw +Prhによって求められる。
【0191】
着陸目標点、着陸経路開始目標点および着陸開始目標点を、直線もしくは曲線により補間し、曲線による補間を設定する場合は、さらに補間する曲線上に着陸補助目標点をとり、着陸補助目標点の直線補間を着陸経路とする。
【0192】
また、飛行モード・経路演算部2621では、定期的に送受信信号変換部2541に対してモニタ側現在位置情報の送信要求指令の送信指令を送る。飛行設定・モニタ装置3001内の送受信信号変換部5541では、既述の送受信処理に従って、飛行制御装置2001からモニタ側現在位置情報の送信要求指令を受け取ると、情報記憶部5221から、モニタ側現在位置情報を読み出して、送受信処理によってモニタ側現在位置情報を飛行制御装置2001へと送る。
【0193】
飛行制御装置2001内の送受信信号変換部2541では、送受信処理に従って飛行設定・モニタ装置3001からモニタ側現在位置情報を受け取ると、それを情報記憶部2521へ送ってモニタ側現在位置情報として記録保存する。
【0194】
飛行モード・経路演算部2621は、飛行モードの設定または飛行経路の演算および必要情報の送信指令の送信等の一連の処理が終了すると、自動飛行制御演算部2631に飛行モード・経路演算終了信号を送る(S2406)。
【0195】
[自動飛行制御操作量の演算]
図28は、自動飛行制御演算部の主要な動作を説明するための流れ図である。自動飛行制御演算部2631では、飛行モード・経路演算部2621から飛行モード・経路演算終了信号を受け取ると、情報記憶部2521から、マニュアル操縦情報、飛行状態情報および飛行モード・経路目標情報を読み出して(S2801)、自動飛行操作量を演算し(S2802)、その演算結果を飛行操作量出力部2141へと送り、さらに同じ情報を情報記憶部2521に送って操作量情報として記録保存する(S2803)。
【0196】
ここでは、自動飛行制御演算部2631での操作量の演算(S2802)について詳細に説明する。カイトプレーンの飛行を縦系(z軸方向)と横系(xy平面)とに分けて、それら2つの系を互いに独立して取り扱って、そのそれぞれに関して制御量の演算を行う。なお、全体の飛行はこれら2つの系(縦系と横系と)が合成されたものと見做すことができることは言うまでもない。
【0197】
縦系すなわち上昇・下降の運動を制御する場合には、カイトプレーン1001のエンジン1051の出力とエレベータ(水平尾翼;以下エレベータと呼ぶ)1021の操舵角とを操作量とする。
【0198】
横系すなわち水平方向の運動を制御する場合には、エルロン(補助翼;以下、エルロンと呼ぶ)1011およびラダー(垂直尾翼)1021の操舵角を操作量とする。
【0199】
[縦系の制御]
図29は、縦系の操作量(スロットル出力,エレベータ操舵角)に関する自動制御系の主要部の構成を表したブロック図である。まず、スロットル出力Tに関する演算方法について説明する。
【0200】
目標高度Zrを微分器2631TD1によって微分して、目標高度の速度Wrを求める。そしてWrを関数変換器2631TF1によって定常スロットル出力Tに変換する。すなわち定常スロットル出力Tは、T =f(Wr)によって演算される。
【0201】
続いて、目標高度Zrと現在の高度Ziとの誤差eを求め、これに比例器2631TP1によってST1を乗算する。さらに、eを微分器2631TD2によって微分し、その微分値(de/dt)に比例器2631TP2によってST2を乗算する。ここで、ST1のようなSは一般に、所定のゲインであることは言うまでもない(以下同様)。
【0202】
これら2つの値ST1×e、ST2×de/dtに、ファジイ演算器2631TF2によるファジイ推論演算FLC を作用させて、その結果に比例器2631TP3によってST3を乗算して、スロットル出力補正量ΔTを求める。すなわち、ΔTは、図20中にも式6として示したように、ΔT=ST3×FLC(ST1×e ,ST2×de /dt)、e =Zr −Ziによって演算される。
【0203】
さらに、TとΔTとの和によって最終的なスロットル出力Tが求められる。すなわち、スロットル出力Tは、図20中にも式6として示したように、T=T +ΔTによって求めることができる。
【0204】
次に、エレベータ操舵角の制御量αの演算方法について説明する。まず、高度誤差eに比例器2631EP1によってSe1を乗算する。さらに、その結果にファジイ演算器2631EF1によるファジイ推論演算FLCe を作用させ、その結果に比例器2631EP2によってSe2を乗算して、エレベータ操舵角 αを求める。すなわち、エレベータ操舵角αは、α =Se2×FLC (Se1×e)によって求めることができる。
【0205】
なお、このときのスロットルTに関してファジイ演算器2631EF2によって行われるファジイ推論演算FLC の制御規則は図30に一例を示したようなものであり、またエレベータ操舵角αに関してファジイ演算器2631EF1によって行われるファジイ推論演算FLC の制御規則は図31に一例を示したようなものである。
【0206】
[横系の制御]
図32は、横系の操作量すなわちエルロン操舵角αaeおよびラダー操舵角αrudについての制御方法を説明するブロック図である。
【0207】
まず、エルロン操舵角αaeの演算方法について説明する。まず、目標水平位置Yrと現在水平位置Yiとの誤差eを求める。また、目標方位Ψrと現在方位Ψiとの誤差eΨを求める。次に、これらの値e,eΨに、それぞれ比例器2631AP1、2631AP2によってSa1、Sa2をそれぞれ乗算し、これらの結果にファジイ演算器2631AF1によるファジイ推論演算FLCを作用させ、さらにその結果に比例器2631AP3によってSa3を乗算することで、エルロン操舵角αaeが演算される。すなわち、エルロン操舵角αaeは、図20にも式9として示したように、αae=Sa3×FLC(Sa1×e ,Sa2×eΨ),e =Yr −Yi,eΨ=Ψr −Ψiによって演算される。
【0208】
次に、ラダー操舵角αrudの演算方法について説明する。上記のようにして求めたe,eΨに対して、それぞれ比例器2631RP1、2631RP2によってSr1、Sr2を乗算し、その結果にファジイ演算器2631RF1によるファジイ推論演算FLCを作用させ、さらにその結果に比例器2631RP3によってSr3を乗算することで、ラダー操舵角αrudを演算することができる。すなわち、ラダー操舵角αrudは、図20にも式10として示したように、αrud=Sr3×FLC(Sr1×e ,Sr2×eΨ)によって演算される。
【0209】
なお、このときのファジイ演算器2631AF1によって行われるエルロン操舵角αaeに関するファジイ推論演算FLC の制御規則は図33に一例を示したようなものであり、またファジイ演算器2631RF1によって行われるラダー操舵角αrudに関するファジイ推論演算FLC の制御規則は図34に一例を示したようなものである。
【0210】
ここで、図35は、スロットル出力T、エレベータ操舵角α、エルロン操舵角αae、ラダー操舵角αrudについてのメンバーシップ関数のグラフの一例を表したものであり、図36は、飛行高度誤差ST1×e ,ST2×de /dt,方位誤差Sr2×eΨについてのメンバーシップ関数のグラフの一例を表したものであり、図37は、水平位置誤差Sa1×eのメンバーシップ関数についてのグラフの一例を表したものである。
【0211】
[終了操作]
操作者は、手動操作もしくは自動飛行によってカイトプレーンが地上に着陸すると、まず、カイトプレーン1001のエンジン1051を停止させる。その後、カイトプレーン1001上の起動スイッチをOFFに切り替えて、カイトプレーン1001および飛行制御演算装置2001を停止する。そして停止をカイトプレーン1001上の起動ランプ等で確認した後、無線マニュアル操縦装置4001上の起動スイッチによって無線マニュアル操縦装置4001を停止する。そして最後に、飛行情報送受信・演算装置5001上の起動スイッチ(図示せず)をOFFに操作して飛行設定・モニタ装置3001を停止させることにより、システムの一連の動作を終了する。
【0212】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1ないし7のいずれかに記載の自律飛行カイトプレーンシステムまたは請求項8ないし14のいずれかに記載のカイトプレーン制御装置によれば、特にスロットル制御系が、目標飛行経路における目標高度の時間微分値に基づいて定常スロットル出力値を算出する一方、目標高度とカイトプレーンが実際に飛行している現在高度との差を高度誤差として算出し、さらにその高度誤差の時間微分値を算出し、高度誤差と高度誤差の時間微分値とに基づいてスロットル出力補正値を算出し、そのスロットル出力補正値によって定常スロットル出力値を補正してスロットル出力値を算出し、それに基づいてスロットル装置におけるスロットル制御を行うことによって、カイトプレーンの飛行速度を制御量として取り扱わずにカイトプレーンの実際の飛行高度を制御して、特に飛行高度について簡易な構成の制御装置による正確な制御を行うことで、所定の飛行経路に沿ったカイトプレーンの自律飛行を実現することができ、その結果、活火山の観測や、遭難者の探索、気象観測、環境調査、監視などのような、無人飛行機によって行うことが要請される各種用途に好適であるカイトプレーンを、簡易な制御装置または制御システムによって、飛行経路に沿って正確に自律飛行させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る自律飛行カイトプレーンシステムの全体構成を表した図である。
【図2】飛行制御装置および飛行設定・モニタ装置に係るそれぞれの装置の接続関係等を表した図である。
【図3】飛行制御演算装置の主要部の構成を表したブロック図である。
【図4】飛行操作量演算部の主要部の構成を表したブロック図である。
【図5】操作量演算部の主要部の構成を表したブロック図である。
【図6】飛行情報送受信・演算装置の主要部の構成を表したブロック図である。
【図7】飛行情報演算部の主要部の構成を表したブロック図である。
【図8】自律飛行カイトプレーンシステムの起動の手順を表した流れ図である。
【図9】カイトプレーンの現在位置を3次元相対座標により表示した一例を示した図である。
【図10】カイトプレーンの飛行モード、現在位置、目標点位置などを数値データにより表示した一例を示した図である。
【図11】目標点と飛行経路との関係を表した図である。
【図12】初期化の主要な処理の手順を表した流れ図である。
【図13】図12に引き続いて初期化の主要な処理の手順を表した流れ図である。
【図14】目標点の設定の主要な処理の手順を表した流れ図である。
【図15】目標点および補助目標点の情報の送信の主要な処理の手順を表した流れ図である。
【図16】飛行経路種類の入力の主要な処理の手順を表した流れ図である。
【図17】手動飛行操作の主要な処理の手順を表した流れ図である。
【図18】飛行状態観測部の主要な動作を表した流れ図である。
【図19】飛行状態観測部における飛行状態演算の処理の主要な動作を表した流れ図である。
【図20】一連の制御で用いられる各種演算内容を表す数式を一覧表にして示した図である。
【図21】飛行速度と風向きと機首方向との関係を説明する図である。
【図22】飛行モード・経路演算部の主要な動作を表した流れ図である。
【図23】モード設定の処理の主要な動作を表した流れ図である。
【図24】図23に関連してモード設定の処理の主要な動作を表した流れ図である。
【図25】図23,図24に関連してモード設定の処理の主要な動作を表した流れ図である。
【図26】目標経路の演算について模式的に表した図(A)および着陸の経路を決定する目標点を示した図(B)である。
【図27】決定された着陸経路の一例を表した図である。
【図28】縦系の操作量(スロットル出力およびエレベータ操舵角)の制御手順の主要な流れを表した図である。
【図29】縦系の制御ブロックを表した図である。
【図30】スロットルのファジイ規則を示した表である。
【図31】エレベータのファジイ規則を示した表である。
【図32】横系の制御ブロックを表した図である。
【図33】エルロンのファジイ規則を示した表である。
【図34】ラダーのファジイ規則を示した表である。
【図35】スロットル出力、エレベータ操舵角、エルロン操舵角、ラダー操舵角のメンバーシップ関数の一例を示した図である。
【図36】高度誤差のメンバーシップ関数の一例を示した図である。
【図37】水平誤差のメンバーシップ関数の一例を示した図である。
【図38】カイトプレーンに関する6自由度の運動方程式を表した図である。
【図39】本発明の一実施の形態に係るカイトプレーン制御装置における制御系の全体的な概要構成を表した図である。
【図40】目標飛行位置の切り換え(書き換え)の基本的な作用を模式的に説明するための図である。
【図41】外乱に対応するあて舵を切った場合の、カイトプレーンの機体の運動の力学的な解析の一例を模式的に表した図である。
【図42】外乱が入ったときにカイトプレーンの機体に作用する流体力等の力学的な解析の一例を模式的に表した図である。
【符号の説明】
1,1041…デルタカイト翼(主翼)、2…動力源、3…プロペラ装置、4,1011…エルロン、5,1031…ラダー、6,1021…エレベータ、7,1001…胴体(カイトプレーン本体)、1051…エンジン、1101…加速度センサー、1102…接続ケーブル、1111…方位センサー、1112…接続ケーブル、1121…角速度センサー、1122…接続ケーブル、1131…風速センサー、1132…接続ケーブル、1141…気圧センサー、1142…接続ケーブル、1151…カイト側GPSセンサー、1152…カイト側GPSアンテナ、1153…接続ケーブル、1154…接続ケーブル、1201…カイト側無線通信装置、1202…カイト側無線通信アンテナ、1203…接続ケーブル、1204…接続ケーブル、1211…無線マニュアル操縦受信装置、1212…無線マニュアル操縦アンテナ、1213…接続ケーブル、1214…接続ケーブル、2001…飛行制御装置、2111…アナログセンサーデータ取込部、2121…GPSデータ取込部、2131,2401,5401…飛行情報送受信部、2141,2301…飛行操作量出力部、2151…マニュアル操縦信号読込部、2161…操作量切替部、2201,5201…GPSデータ取込部、2501…飛行操作量演算部、2511…センサーデータ変換部、2521,5521…情報記憶部、2531…GPSデータ変換部、2541…送受信信号変換部、2551…制御時刻管理部、2561…マニュアル信号変換部、2601…操作量演算部、2611…飛行状態観測部、2621…飛行モード・経路演算部、2631…自動飛行制御演算部、3001…飛行設定・モニタ装置、3101…モニタ側GPS、3102…モニタ側GPSアンテナ、3103…接続ケーブル、3104…接続ケーブル、3201…モニタ側無線通信装置、3202…モニタ側無線通信アンテナ、3203…接続ケーブル、3204…接続ケーブル、3301…表示装置、3302…接続ケーブル、3401…入力装置、3402…接続ケーブル、4001…無線マニュアル操縦装置、5001…飛行情報送受信・演算装置、5101…入力情報取込部、5301…モニタ情報出力部、5401…飛行情報送受信部、5501…飛行情報演算部、5511…入力情報変換部、5531…GPSデータ変換部、5541…送受信信号変換部、5551…モニタ情報合成部、5601…情報処理部

Claims (14)

  1. 機体に推進力を与えるためのスロットル装置と、機体のロール回りの運動姿勢を操縦するためのエルロンと、
    機体のヨー回りの運動姿勢を操縦するためのラダーと、
    機体のピッチング回りの運動姿勢を操縦するためのエレベータとを有する胴体と、下面側に前記胴体が吊り下げられて、対気速度に応じて揚力を発生する凧状の可撓翼と
    を有するカイトプレーンと、
    前記カイトプレーンを飛行させる目標の経路として定められた目標飛行経路の情報を記憶する情報記憶部と、
    前記目標飛行経路における目標高度の時間微分値に基づいて定常スロットル出力値を算出する一方、前記目標高度と前記カイトプレーンが実際に飛行している現在高度との差を高度誤差として算出し、さらにその高度誤差の時間微分値を算出し、前記高度誤差と前記高度誤差の時間微分値とに基づいてスロットル出力補正値を算出し、そのスロットル出力補正値によって前記定常スロットル出力値を補正してスロットル出力値を算出し、それに基づいて前記スロットル装置におけるスロットル制御を行うことによって、前記カイトプレーンの実際の飛行高度を制御するスロットル制御系と、
    前記カイトプレーンを飛行させる経路としてあらかじめ定められた目標飛行経路における目標水平位置と前記カイトプレーンが実際に飛行している現在水平位置との差を水平位置誤差として算出し、その水平位置誤差に基づいて前記エルロンの操舵角を算出し、それに基づいて前記エルロンの操舵角を制御することによって、前記カイトプレーンの水平方向での飛行位置の制御を行うエルロン制御系と、
    前記カイトプレーンを飛行させる経路としてあらかじめ定められた目標飛行経路における目標方位と前記カイトプレーンが実際に飛行している現在方位との差を方位誤差として算出し、その方位誤差に基づいて前記ラダーの操舵角を算出し、それに基づいて前記ラダーの操舵角を制御することによって、前記カイトプレーンの飛行方位の制御を行うラダー制御系と
    を有すると共に、前記カイトプレーンに付設される飛行制御装置と、
    前記カイトプレーンの現在高度を計測するセンサーと、前記カイトプレーンの現在水平位置を計測するセンサーと、前記カイトプレーンの現在方位を計測するセンサーとを有するセンサー系と、
    を具備することを特徴とする自律飛行カイトプレーンシステム。
  2. 前記飛行制御装置が、前記高度誤差に基づいて前記エレベータの操舵角を算出し、それに基づいて前記エレベータにおける操舵角を制御することによって、前記カイトプレーンのピッチング方向の飛行姿勢の制御または飛行高度の補助的な調節を行うエレベータ制御系を、さらに備えており、
    かつ前記スロットル制御系は、前記カイトプレーンの現在速度については制御対象から除外して前記スロットル制御を行う
    ことを特徴とする請求項1記載の自律飛行カイトプレーンシステム。
  3. 前記スロットル制御系が、前記スロットル出力補正値を、あらかじめ定められたファジィ演算則に基づいて演算する
    ことを特徴とする請求項1または2記載の自律飛行カイトプレーンシステム。
  4. 前記エルロン制御系が、前記エルロンの操舵角を、あらかじめ定められたファジィ演算則に基づいて演算するものであり、
    前記ラダー制御系が、前記ラダーの操舵角を、あらかじめ定められたファジィ演算則に基づいて演算するものである
    ことを特徴とする請求項1ないし3のうちいずれか1つの項に記載の自律飛行カイトプレーンシステム。
  5. 前記飛行制御装置に対して通信手段を介して前記目標飛行経路の書き換えを行う機能と、前記カイトプレーンの現在高度の情報と現在水平位置の情報と現在方位の情報とを通信手段を介して収集する機能とを備えた飛行設定・モニタ装置を、さらに備えた
    ことを特徴とする請求項1ないし4のうちいずれか1つの項に記載の自律飛行カイトプレーンシステム。
  6. 通信手段を介して前記カイトプレーンを無線マニュアル操縦する無線マニュアル操縦装置をさらに備え、
    かつ前記飛行制御装置が、前記無線マニュアル操縦装置からの通信手段を介した遠隔手動操縦による制御を行うための遠隔手動制御装置をさらに備えると共に、前記目標飛行経路に追随する飛行経路制御を行う制御モードである自動操縦モードと、前記無線マニュアル操縦装置による遠隔手動制御を行う制御モードである手動操縦モードとを、通信手段を介して切り替える切替装置とを備えた
    ことを特徴とする請求項1ないし5のうちいずれか1つの項に記載の自律飛行カイトプレーンシステム。
  7. 前記飛行制御装置が、前記制御モードが手動操縦モードから自動操縦モードに切り替えられると、その時点での前記カイトプレーンの現在位置に最も近い前記目標飛行経路上の目標点を求めて、その目標点を目標経路位置として、その目標経路位置へと向かって飛行する制御を行う機能を、さらに備えた
    ことを特徴とする請求項6記載の自律飛行カイトプレーンシステム。
  8. 機体に推進力を与えるためのスロットル装置と、機体のロール回りの運動姿勢を操縦するためのエルロンと、機体のヨー回りの運動姿勢を操縦するためのラダーと、機体のピッチング回りの運動姿勢を操縦するためのエレベータとを有する胴体と、下面側に前記胴体が吊り下げられて、対気速度に応じて揚力を発生する凧状の可撓翼とを備えたカイトプレーンの飛行経路の自動制御を行って、前記カイトプレーンを自律飛行させる、カイトプレーン制御装置であって、
    前記カイトプレーンを飛行させる目標の経路として定められた目標飛行経路の情報を記憶する情報記憶部と、
    前記目標飛行経路における目標高度の時間微分値に基づいて定常スロットル出力値を算出する一方、前記目標高度と前記カイトプレーンが実際に飛行している現在高度との差を高度誤差として算出し、さらにその高度誤差の時間微分値を算出し、前記高度誤差と前記高度誤差の時間微分値とに基づいてスロットル出力補正値を算出し、そのスロットル出力補正値によって前記定常スロットル出力値を補正してスロットル出力値を算出し、それに基づいて前記スロットル装置におけるスロットル制御を行うことによって、前記カイトプレーンの実際の飛行高度を制御するスロットル制御系と、
    前記カイトプレーンを飛行させる経路としてあらかじめ定められた目標飛行経路における目標水平位置と前記カイトプレーンが実際に飛行している現在水平位置との差を水平位置誤差として算出し、その水平位置誤差に基づいて前記エルロンの操舵角を算出し、それに基づいて前記エルロンの操舵角を制御することによって、前記カイトプレーンの水平方向での飛行位置の制御を行うエルロン制御系と、
    前記カイトプレーンを飛行させる経路としてあらかじめ定められた目標飛行経路における目標方位と前記カイトプレーンが実際に飛行している現在方位との差を方位誤差として算出し、その方位誤差に基づいて前記ラダーの操舵角を算出し、それに基づいて前記ラダーの操舵角を制御することによって、前記カイトプレーンの飛行方位の制御を行うラダー制御系と、
    前記カイトプレーンの現在高度を計測するセンサーと、前記カイトプレーンの現在水平位置を計測するセンサーと、前記カイトプレーンの現在方位を計測するセンサーとを備えたセンサー系とを備えて、前記カイトプレーンに付設される
    ことを特徴とするカイトプレーン制御装置。
  9. 前記高度誤差に基づいて前記エレベータの操舵角を算出し、それに基づいて前記エレベータにおける操舵角を制御することによって、前記カイトプレーンのピッチング方向の飛行姿勢の制御または飛行高度の補助的な調節を行うエレベータ制御系を、さらに備えており、
    かつ前記スロットル制御系は、前記カイトプレーンの現在速度については制御対象から除外して前記スロットル制御を行う
    ことを特徴とする請求項8記載のカイトプレーン制御装置。
  10. 前記スロットル制御系が、前記スロットル出力補正値を、あらかじめ定められたファジィ演算則に基づいて演算する
    ことを特徴とする請求項8または9記載のカイトプレーン制御装置。
  11. 前記エルロン制御系が、前記エルロンの操舵角を、あらかじめ定められたファジィ演算則に基づいて演算するものであり、
    前記ラダー制御系が、前記ラダーの操舵角を、あらかじめ定められたファジィ演算則に基づいて演算するものである
    ことを特徴とする請求項8ないし10のうちいずれか1つの項に記載のカイトプレーン制御装置。
  12. 前記飛行制御装置に対して通信手段を介して前記目標飛行経路の書き換えを行う機能と、前記カイトプレーンの現在高度の情報と現在水平位置の情報と現在方位の情報とを通信手段を介して収集する機能とを備えており前記カイトプレーンから距離を隔てて配置される飛行設定・モニタ装置に対して、前記目標飛行経路の書き換えのための情報と、前記カイトプレーンの現在高度の情報と現在水平位置の情報と現在方位の情報とを、前記通信手段を介して送信する通信装置を、さらに備えた
    ことを特徴とする請求項8ないし11のうちいずれか1つの項に記載のカイトプレーン制御装置。
  13. 前記カイトプレーンから距離を隔てて配置されて前記通信手段を介して前記カイトプレーンを無線マニュアル操縦する前記無線マニュアル操縦装置からの通信手段を介した遠隔手動操縦による制御を行うための遠隔手動制御装置をさらに備えると共に、前記目標飛行経路に追随する飛行経路制御を行う制御モードである自動操縦モードと、前記無線マニュアル操縦装置による遠隔手動制御を行う制御モードである手動操縦モードとを、通信手段を介して切り替える切替装置とを備えた
    ことを特徴とする請求項8ないし12のうちいずれか1つの項に記載のカイトプレーン制御装置。
  14. 前記制御モードが手動操縦モードから自動操縦モードに切り替えられると、その時点での前記カイトプレーンの現在位置に最も近い前記目標飛行経路上の目標点を求めて、その目標点を目標経路位置として、その目標経路位置へと向かって飛行する制御を行う機能を、さらに備えた
    ことを特徴とする請求項13記載のカイトプレーン制御装置。
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