JP2004017105A - 箱型断面長尺溶接構造物の溶接歪み取り方法および装置 - Google Patents

箱型断面長尺溶接構造物の溶接歪み取り方法および装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ブーム等の箱型断面長尺溶接構造物の縦板に発生した溶接歪みに対し、ローラ圧延を用いた溶接歪み取り方法あるいは溶接歪み取り装置を提案し、溶接歪みの歪み取り作業の内容を改善する。
【解決手段】上下板2に2枚の縦板1を組合わせ箱型断面を形成する長尺溶接構造物(ブーム4等)の溶接ビード5に沿って溶接ビード近傍の縦板1に対し、内側ローラ24aと外側ローラ41aにより縦板4を挟み込み、さらに加圧した状態で長尺溶接構造物をスライドさせ、ローラ圧延を行うことを特徴とする。
【選択図】    図6

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブーム等の長尺溶接構造物の箱組み溶接後の溶接歪み取り方法と溶接歪み取り装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
クレーン車あるいは高所作業車に用いられる伸縮ブームは、基端ブームに対し中間ブームと先端ブームが、順次摺動自在に嵌挿されて構成される。各段のブームは、上下板に縦板を組合わせて箱状断面を形成するものであって、箱型断面長尺溶接構造物としてよく知られたものである。そこで、クレーン車のブームを例に従来の技術を説明する。
【0003】
図8の(a)と(b)は、箱組み溶接を行ったブーム4の例を示す図である。
【0004】
(a)に示したブーム4は2枚の縦板1及び上板2、下板3が切り板のままで組み合わされ、その接合部に溶接が施される。このような溶接をすみ肉溶接と呼んでいる。
【0005】
(b)に示したブーム4は2枚の縦板1が、その上下端部を内側に折り曲げてコの字形状の断面を有する。縦板1の上下のフランジ部分1aと1bに対し、上板2と下板3を重なり合うように組み合わせたのち、その接合部に溶接が施される。このような溶接をフレア溶接と呼んでいる。
【0006】
図9は図8のB部詳細図であって、接合部の溶接ビードの詳細(斜線部)を示すものである。すなわち、(a)の5はすみ肉溶接の溶接ビード、(b)の5はフレア溶接の溶接ビードである。
【0007】
図10は図8のA−A矢視断面図であって、上記溶接により縦板1に発生した溶接歪みの例を示すものである。(a)は縦板に波打ち状の歪みが発生しており、座屈変形と呼ばれる。また、(b)は縦板全体にソリ(曲がり)が発生している。このような溶接歪みは、溶接ビード5が溶接直後の溶けた状態から冷えて固まったときに、母材である縦板1に溶接ビードに沿って引張り応力が残留し、その外側にそれと釣合う形で圧縮応力が残留する。そのために前記溶接ビード5に沿って座屈変形又は全体にソリ(曲がり)が発生すると考えられる。図中に示した寸法Hは、座屈変形の波打ちの高さを表しており、溶接歪みの大きさの尺度とするものである。
【0008】
ブーム4の縦板1の溶接歪みが発生する部分は、伸縮ブームを組立てた時にスライドプレートが摺接する個所である。そのため、ブーム伸縮動作時にスライドプレートと縦板1が安定して接触せず、振動あるいは異音の発生の原因となるものである。また、縦板1の溶接歪みは伸縮ブームを伸長すると、外部から見てその変形した状態がよく判るものであるため、非常に外観を損なうものであった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述したブーム等の箱型断面長尺溶接構造物の縦板に発生した歪み取り方法としては、従来から作業者がハンマで縦板の波打ち部分を叩いて修正する方法、あるいはガス火炎などで加熱し水冷する方法(局部加熱水冷法)が取られていた。しかし、ハンマによる溶接歪み取り作業は、重たいハンマを振り上げて、大音響の中での長時間に及ぶ作業であって、まさに3k作業(きつい、汚い、危険な作業)であり改善が望まれていた。また、局部加熱水冷法は、作業者の勘と経験に頼るところが大きく、熟練作業者でないと施行が困難であった。
【0010】
そこで、本願発明は、ローラ圧延を用いた溶接歪み取り方法あるいは溶接歪み取り装置を提案し、上述したブーム等の箱型断面長尺溶接構造物に発生した溶接歪みの歪み取り作業内容を改善しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本願の請求項1に記載された箱型断面長尺溶接構造物の溶接歪み取り方法は、上下板に2枚の縦板を組合わせ箱型断面を形成する長尺溶接構造物の箱組み溶接後の歪み取り方法であって、溶接ビードに沿って溶接ビード近傍の縦板に対しローラ圧延を行うことを特徴とする。
【0012】
このように、溶接ビードに沿って溶接ビード近傍の縦板に対しローラ圧延を行うことにより、縦板の座屈変形等の溶接歪みが発生している部分を均一に溶接ビードに沿って圧延し内部の残留応力を減少させることができるので、残留応力により発生している溶接歪みを取ることができるのである。
【0013】
さらに、本願の請求項2に記載された箱型断面長尺溶接構造物の溶接歪み取り装置は、上下板に2枚の縦板を組合わせ箱型断面を形成する長尺溶接構造物の箱組み溶接後の歪み取り装置であって、箱組み溶接後の長尺溶接構造物を載置して、基台上を長尺溶接構造物の長手方向にスライド自在なスライド台と、前記スライド台をスライド駆動するスライド台駆動手段と、内側ローラを回転自在に備え、前記スライド台のスライド行程上に配置された内側ローラ用中子と、長尺溶接構造物の縦板に対し前記内側ローラを長尺溶接構造物の内側から加圧するよう、内側ローラ用中子に配置された内側ローラ加圧手段と、前記基台に対し内側ローラ用中子を所定位置に保持する中子保持手段と、外側ローラを回転自在に備え、前記スライド台のスライド行程上であって前記内側ローラ用中子に対応する位置に外側ローラを保持する外側ローラ保持手段と、長尺溶接構造物の縦板に対し前記外側ローラを長尺溶接構造物の外側から加圧するよう、外側ローラ保持手段に配置された外側ローラ加圧手段と、を備え、前記スライド台に箱組み溶接後の長尺溶接構造物を載置し、溶接ビード近傍の縦板を前記内側ローラと外側ローラにより挟み込み、内側ローラ加圧手段と外側ローラ加圧手段により加圧した状態で、前記スライド台をスライド台駆動手段によりスライドさせることにより、前記長尺溶接構造物の溶接ビードに沿って溶接ビード近傍の縦板に対しローラ圧延を行うことを特徴とする。
【0014】
上記箱型断面長尺溶接構造物の溶接歪み取り装置は、溶接ビード近傍の縦板を前記内側ローラと外側ローラにより挟み込み、内側ローラ加圧手段と外側ローラ加圧手段により加圧した状態で、前記スライド台をスライド台駆動手段によりスライドさせることによるローラ圧延を行うので、縦板の溶接歪みが発生している部分を均一に溶接ビードに沿って圧延し内部の残留応力を減少させることができ、残留応力により発生している溶接歪みを取ることができるのである。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1に、本発明の実施の形態に係る箱型断面長尺溶接構造物の溶接歪み取り装置10全体を示す。本実施の形態の説明にあたっては、箱型断面長尺溶接構造物としてクレーン車等のブーム4に溶接歪み取り装置10を適用する例を上げる。
【0016】
11は箱組み溶接後のブーム4を載置して、基台13上をブーム長手方向にスライド自在なスライド台である。スライド台11は工場内に据え付けられた長尺な基台13のほぼ全長にわたって、基台13の上面をスライドできるようになっている。
【0017】
12は前記スライド台11をスライド駆動する、スライド台駆動手段である。本実施の形態のスライド台駆動手段12はチェーン駆動を採用している。チェーン18を基台左側端部13aに回転自在に設けたスプロケット17aと、基台中央部13bに回転自在に設けたスプロケット17bに掛けまわし、チェーン18の一部を前記スライド台端部11aと連結している。基台中央部13bのスプロケット17bは図示しない電動モータと減速機によって回転駆動するようになっている。したがって、電動モータによってチェーン18を駆動することにより、スライド台11をスライド駆動することができる。
【0018】
14は、内側ローラを回転自在に備え、前記スライド台11のスライド行程上である基台中央部13bに配置された内側ローラ用中子である。15は、前記基台13に対し内側ローラ用中子14を所定位置に保持する中子保持手段である。具体的には、中子保持手段15は、パイプ等の長尺な棒状の部材であってその一端を基台左側端部13aに連結固定しており、その他端を内側ローラ用中子14に連結固定したものである。
【0019】
16は、外側ローラを回転自在に備え、前記スライド台11のスライド行程上であって前記内側ローラ用中子14に対応する位置に外側ローラを保持する外側ローラ保持手段である。なお、図1において外側ローラ保持手段16は、その内側に配置する内側ローラ用中子14を示すため、その手前側の部分を省略して図示している。
【0020】
図2は、図1のC部詳細図であって、ブーム溶接歪み取り装置10の中央部の詳細を示す図である。スライド台11全体は基台13の右側部分に位置した状態であり、このスライド台11の位置は、溶接歪み取りを行うブーム4をスライド台11上に載せたり、降ろしたりする時の位置である。
【0021】
上記スライド台11の状態において、前記内側ローラ用中子14はスライド台端部11aの上に載った状態となっている。この状態からスライド台駆動手段12によってスライド台11及びブーム4を図面左側にスライド駆動すると、内側ローラ用中子14及び中子保持手段15がブーム4内部に入りこんで、ブーム4が基台左側端部13aに向かってスライドしていくことになる。
【0022】
図3は、内側ローラ用中子14の詳細図である。内側ローラ用中子14は、中子本体20と中子支持部21、22および連結部23とから構成されている。中子本体20はその中央部に内側ローラ24、25を上下に回転自在に配置している。
【0023】
図4は図3のD−D断面詳細図である。内側ローラ24、25はそれぞれ左右に一対配置されており、4つの内側ローラ24a、24b、25a、25bがブームの箱型断面の4つ隅部の溶接ビードに沿って、一度に縦板に対しローラ圧延を行うことができるようになっている。
【0024】
図4に示した右上の内側ローラ24aはその軸部26がローラ支持部27に滑り軸受け28を介して回転自在に支持されている。また、ローラ支持部27は前記中子本体20に対して側方に張出可能に構成されている。さらに、図示しない内側ローラ加圧手段によって、内側ローラ24aがブーム縦板に当接した状態でさらに縦板に対して加圧可能となっている。内側ローラ加圧手段の加圧機構は油圧シリンダとリンクから構成され、油圧シリンダの伸縮動作がリンクを介してローラ支持部27に伝達され、内側ローラ24aが縦板に対し加圧されるようになっている。他の内側ローラ24b、25a、25bも、上述した右上の内側ローラ24aと同じ構成である。
【0025】
図3に示した中子支持部21、22は前記中子本体20の長手方向の前後に配置して中子本体20と一体に構成されており、中子本体20を支持するようになっている。中子支持部21、22は回転自在な車輪29を有しており、前記スライド台11のスライドに伴ない、スライド台11の上面及びブームの下板3の上面を車輪29が転動して中子本体20を支持するようになっている。
【0026】
内側ローラ用中子14は、前記中子保持手段15と連結部23を介して、その連結ピン30を抜き差しすることにより連結解除可能となっている。中子保持手段15は長尺のパイプによって構成されており、その内部には油圧ホース等の送油手段31が配置され、前記内側ローラ加圧手段の油圧シリンダに圧油を供給するようになっている。
【0027】
なお、上述した内側ローラ用中子14は、溶接歪み取りを行おうとするブーム断面寸法に合わせて前記内側ローラ24a、24b、25a、25bの上下左右の配置寸法の異なるものが複数準備される。そして、ブーム溶接歪み取りを行おうとする、ブーム断面寸法に合った内側ローラ用中子を選択し、前記連結部23で中子保持手段15に連結し、使用するようになっている。
【0028】
図5は図2のE−E矢視詳細図であって、外側ローラを保持する外側ローラ保持手段16を示している。41a、41b、42a、42bは図4に示した内側ローラ用中子14の内側ローラ24a、24b、25a、25bに対応する位置に保持された外側ローラである。右上の外側ローラ41aはローラ支持体43によって回転自在に支持され、ローラ支持体43は外側ローラ加圧手段44によって支持されている。また、外側ローラ加圧手段44は油圧シリンダから構成されており、その先端に保持した外側ローラ41aを外側ローラ保持手段16の中央部に載置されるブーム4に向かって水平方向に移動可能となっており、外側ローラ41aがブーム4の縦板1に当接した状態でさらに加圧することが可能となっている。
【0029】
外側ローラ加圧手段44は外枠45に上下方向移動可能に取付けられており、上下位置調整シリンダ46によって、ブーム4の断面寸法に合わせてその上下位置を調整することができるようになっている。他の外側ローラ41b、42a、42bも上述した右上の外側ローラ41aと同じ構成である。
【0030】
なお、11、12、13および17bは既述したスライド台、スライド台駆動手段、基台およびスプロケットである。
【0031】
47はブーム押さえ手段であって、その先端に配置した回転自在な押さえローラ48を押さえシリンダ49によって上下移動自在に構成しており、ローラ圧延作業中に上方に向かって浮き上がろうとするブーム4を上から押さえつけることができるようになっている。
【0032】
上述した構成の溶接歪み取り装置10による、ブーム4のブーム箱組み溶接後の溶接歪み取り作業は以下の通りである。
【0033】
図1に示すように、上下板に縦板を組合わせた箱状断面を形成するブーム箱組み溶接を行ったブーム4を、溶接歪み取り装置10のスライド台11の上に載置する。さらに、図示しないスライド台11に設けた固定解除可能な固定手段によって、ブーム4をスライド台11に固定する。
【0034】
このとき、図5に示すように内側ローラ24a・・・及び外側ローラ41a・・・はブーム縦板1から離れた位置で待機している。
【0035】
次に、図1に示した状態からスライド台11をスライド台駆動手段12によって、ブーム4全体を溶接歪み取り装置10の図面左側であって、所定のローラ圧延開始位置まで移動する。後述するローラ圧延はスライド台11の戻りのスライド行程で行われることになる。このとき、内側ローラ用中子14はブーム4の内部にあって、ブーム4の右端部近傍に位置するようになる。
【0036】
なお、ブーム4の組立て行程における、箱組み溶接後の溶接歪み取りの段階では、ブーム4の端部には他の部品は取付けられておらず、前述した内側ローラ用中子14は容易にブーム4の内部に進入することができる。
【0037】
ここで、内側ローラ24a・・・及び外側ローラ41a・・・を、内側ローラ加圧手段および外側ローラ加圧手段44によって縦板4に当接させ、さらに、ローラの接触部の縦板1に発生する応力が、縦板1の降伏点を越える圧延応力となるまで加圧する。この時の右上の内側ローラ24a、外側ローラ41a及びブーム4との関係を図6に示す。内側ローラ24aと外側ローラ41aが縦板1を挟み込む位置は上板2に縦板1を溶接する溶接ビード5の近傍であって、わずかに下方に離れた位置である。
【0038】
なお、上記内側ローラ24a及び外側ローラ41aの径寸法、幅寸法、加圧力、および溶接ビード5からの距離等のローラ圧延の諸条件は、ブーム上下板と縦板の材質・寸法、溶接条件等を考慮して実験的に溶接歪み取りが最適となる数値を選定する。
【0039】
この状態のまま、ブーム4を右方向に向かってスライド台駆動手段12によってローラ圧延しながらスライド駆動する。内側ローラ24a・・・及び外側ローラ41a・・・によって、強力に縦板1を挟み込んでいるため上記スライド駆動には大きな力を要するが、スライド台駆動手段12は十分な駆動力を有するよう設計されている。
【0040】
ブーム4のほぼ全長に渡る必要部分に対しローラ圧延を行った後、スライド台11のスライド駆動を停止する。ここで、内側ローラ加圧手段および外側ローラ加圧手段44による、内側ローラ24a・・・及び外側ローラ41a・・・の縦板1への加圧を停止し、さらに内側ローラ24a・・・及び外側ローラ41a・・・が縦板1から離れるように動作させる。
【0041】
さらに、スライド台11を図1の図面右方向に移動させ、内側ローラ用中子14が完全にブーム4の左端部から抜け出るようにする。スライド台11に設けた固定手段によるブーム4の固定を解除し、ブーム4をスライド台11から次の作業工程の個所へ移動させる。以上が溶接歪み取り装置10によるブーム4の溶接歪みの歪み取り作業の内容である。
【0042】
図7は、上記歪み取り装置の効果の一例を示すグラフである。グラフの左右方向目盛りはブームの長手方向位置を表しており、上下方向目盛りは縦板の歪み量Hの寸法を表している。グラフ上の破線は溶接後の縦板形状を表しており、実線は歪み取り作業を行った後の縦板形状を表している。
【0043】
なお、上記効果確認時のブーム側の条件は、ブーム縦板の材質はHT590、板圧t3.2、溶接入熱量7382J/cmであり、歪み取り装置の条件は圧延力11000kg、ローラ圧延幅25mmである。
【0044】
図7のグラフに示されたように、溶接後の平均歪み量H=8.0mmが、本願の溶接歪み取り装置による歪み取り作業後、平均歪み量H=1.2mmに減少していることがわかる。これは、平均歪み量Hが85%減少したことを示している。
【0045】
また、本願の溶接歪み取り装置による溶接歪み取りを行っても、ローラ圧延部分の板圧減少、加工硬化は微量であり、また、圧延痕の外観も問題ないことが確認されている。
【0046】
【発明の効果】
以上の如く構成し作用するものであるから、本願の請求項1に記載された箱型断面長尺溶接構造物の溶接歪み取り方法によれば、溶接ビードに沿って溶接ビード近傍の縦板に対しローラ圧延を行うことにより、縦板の溶接歪みが発生している部分を均一に溶接ビードに沿って圧延し内部の残留応力を減少させることができるので、残留応力により発生している溶接歪みを取ることができるのである。
【0047】
さらに、本願の請求項2に記載された箱型断面長尺溶接構造物の溶接歪み取り装置によれば、溶接ビード近傍の縦板を内側ローラと外側ローラにより挟み込み、内側ローラ加圧手段と外側ローラ加圧手段により加圧した状態で、スライド台をスライド台駆動手段によりスライドさせることによるローラ圧延を行うので、縦板の溶接歪みが発生している部分を均一に溶接ビードに沿って圧延し内部の残留応力を減少させることができ、残留応力により発生している溶接歪みを取ることができるのである。
【0048】
したがって、従来作業者が箱型断面長尺溶接構造物の溶接歪みの発生した部分をすべてハンマで叩いて修正していた作業を減らすことが可能となり、また、局部加熱水冷法のように熟練を要することなく溶接歪み取り作業を行うことができるので、その作業内容を大幅に改善することができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の実施の形態に係る長尺溶接構造物の溶接歪み取り装置の全体を示す図である。
【図2】図1のC部詳細図である。
【図3】内側ローラ用中子の詳細図である。
【図4】図3のD−D断面詳細図である。
【図5】図2のE−E矢視詳細図である。
【図6】ローラ圧延時の内側ローラa、外側ローラ及びブームとの関係を示す図である。
【図7】本願の歪み取り装置の効果を示すグラフである
【図8】箱組み溶接を行ったブームの例を示す図である。
【図9】図8のB部詳細図である。
【図10】図8のA−A矢視断面図である。
【符号の説明】
1は縦板、2は上板、3は下板、4はブーム、5は溶接ビード、10は溶接歪み取り装置、11はスライド台、12はスライド台駆動手段、13は基台、14は内側ローラ用中子、15は中子保持手段、16は外側ローラ保持手段、24aと24bと25aと25bは内側ローラ、41aと41bと42aと42bは外側ローラ、44は外側ローラ加圧手段

Claims (2)

  1. 上下板に2枚の縦板を組合わせ箱型断面を形成する長尺溶接構造物の箱組み溶接後の歪み取り方法であって、溶接ビードに沿って溶接ビード近傍の縦板に対しローラ圧延を行うことを特徴とする箱型断面長尺溶接構造物の溶接歪み取り方法。
  2. 上下板に2枚の縦板を組合わせ箱型断面を形成する長尺溶接構造物の箱組み溶接後の歪み取り装置であって、
    箱組み溶接後の長尺溶接構造物を載置して、基台上を長尺溶接構造物の長手方向にスライド自在なスライド台と、
    前記スライド台をスライド駆動するスライド台駆動手段と、
    内側ローラを回転自在に備え、前記スライド台のスライド行程上に配置された内側ローラ用中子と、
    長尺溶接構造物の縦板に対し前記内側ローラを長尺溶接構造物の内側から加圧するよう、内側ローラ用中子に配置された内側ローラ加圧手段と、
    前記基台に対し内側ローラ用中子を所定位置に保持する中子保持手段と、
    外側ローラを回転自在に備え、前記スライド台のスライド行程上であって前記内側ローラ用中子に対応する位置に外側ローラを保持する外側ローラ保持手段と、
    長尺溶接構造物の縦板に対し前記外側ローラを長尺溶接構造物の外側から加圧するよう、外側ローラ保持手段に配置された外側ローラ加圧手段と、を備え、
    前記スライド台に箱組み溶接後の長尺溶接構造物を載置し、溶接ビード近傍の縦板を前記内側ローラと外側ローラにより挟み込み、内側ローラ加圧手段と外側ローラ加圧手段により加圧した状態で、前記スライド台をスライド台駆動手段によりスライドさせることにより、前記長尺溶接構造物の溶接ビードに沿って溶接ビード近傍の縦板に対しローラ圧延を行うことを特徴とする箱型断面長尺溶接構造物の溶接歪み取り装置。
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