JP2004016993A - 茶葉の色彩選別機 - Google Patents
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Abstract
【課題】茶葉の色彩選別に先立ち、レンズ収差をも考慮した判定手段による判定を行うことにより色彩選別精度を向上させ、或いは、茶葉の色彩選別に先立ち、CCDの撮像範囲に照射される光の照射量を客観的に求めることにより色彩選別精度を向上させることができる茶葉の色彩選別機を提供する。
【解決手段】上下2段のシュート1、2と、各シュートの下部から落下する茶葉を撮像し画像を得るCCDカメラ3、4と、蛍光灯5,6と、被撮像物が所定色彩を有するものであるか否かを判定する判定手段12と、該判定手段12により白茎であると判定されたものを吹き飛ばすエアノズル7、8とを備え、茶葉中の白茎を選別するための茶葉の色彩選別機であって、茶葉の色彩選別に先立ち、撮像範囲に同一の色彩を有する標本Tを設置し、該標本TをCCDカメラで撮像して判定手段又は光源を調整するものである。
【選択図】 図1
【解決手段】上下2段のシュート1、2と、各シュートの下部から落下する茶葉を撮像し画像を得るCCDカメラ3、4と、蛍光灯5,6と、被撮像物が所定色彩を有するものであるか否かを判定する判定手段12と、該判定手段12により白茎であると判定されたものを吹き飛ばすエアノズル7、8とを備え、茶葉中の白茎を選別するための茶葉の色彩選別機であって、茶葉の色彩選別に先立ち、撮像範囲に同一の色彩を有する標本Tを設置し、該標本TをCCDカメラで撮像して判定手段又は光源を調整するものである。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、茶葉中の白茎などの所定色彩を有するものを選別して取り除くための茶葉の色彩選別機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、茶葉の色彩に基づいて当該茶葉中から茎等を選別する色彩選別機として、例えば実開平1−88783号公報で開示されているものが挙げられる。同公報で開示された色彩選別機は、シュートに沿って茶葉を整列落下させ、そのシュート下端から落下する茶葉をCCDカメラで撮像するとともに、撮像で得られた画像における各画素の出力電圧に基づいて、茶葉であるか茎であるかを判別し得るものである。
【0003】
更に詳しくは、シュートの下端から落下する茶葉に対し、ランプで光を照射するとともに、その光が落下中の茶葉に当たって反射したものをCCDカメラが捉えることにより撮像が行われ、そのCCDカメラで得られた画像における各画素の出力電圧が低い場合は、被撮像物が茶葉であると認識する一方、出力電圧が高い場合は、被撮像物が茎であると認識するよう構成されている。
【0004】
そして、被撮像物が茎であると認識された場合、エアノズルからエアを噴出し、他のものとは落下軌跡を異ならせることにより、茶葉から茎のみを選別し得るよう構成されている。即ち、被撮像物の色彩によってCCDカメラで得られた画像の各画素における出力電圧が異なるため、当該出力電圧と所定基準値とを比較すれば、被撮像物を色彩によって選別することができるのである。
【0005】
然るに、各画素の出力電圧は、ランプによって照射される光の照射量によって変化するため、所定基準値及び検出される出力電圧の絶対値が異なってしまい、常時一定の選別精度を得るのが難しくなる。具体的には、ランプによる光の照射量が低くなると、出力電圧の振幅は小さくなる一方、ノイズは小さくならないため、SN比が悪化して精度のよい選別が困難となってしまうのであるで、従来の色彩選別機においては、ランプの寿命等により光の照射量が低くなった場合、ランプに印加する電圧を増加して、常時一定の明るさでCCDカメラによる撮像を行うようにしていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の色彩選別機においては、ランプによって照射される光の照射量が高いのか、或いは低いのかを客観的に判断するための手段を具備していないので、作業者がランプの照射量が低い(即ち、撮像範囲が暗い)と主観的に判断するか、或いはランプの寿命と実際の使用期間とを比較して、間接的にランプの照射量が低いと判断する必要があり、選別精度を向上させるには十分ではなかった。
【0007】
即ち、同公報で開示された従来の色彩選別機は、ランプの照射量が低い場合、当該ランプに印加する電圧を高くし、常時一定の照射量を得ることができるとしているものの、何をもってランプの照射量が低いと判断するかが開示されておらず、作業者の目視による判断又はランプの使用期間等で照射量の調整を行うことが必要となってしまうのである。このように、客観的な所定基準によらないで、光の照射量を常時一定とすることは極めて困難であるとともに、光の照射量が不安定になる原因ともなり得るのである。
【0008】
ところで、CCDカメラの受光部は、通常、レンズで構成されているため、当該レンズが生じる収差によっても、色彩選別精度が悪化してしまうという問題もある。より具体的には、たとえランプの光の照射量が厳密に一定とされた場合であっても、レンズ収差がある限り、出力電圧はCCDカメラの撮像範囲の中央から外側に向かって低くなってしまい、判定手段による判定に悪影響を及ぼすので、色彩選別精度が悪化してしまう原因となるのである。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、第1の目的は、茶葉の色彩選別に先立ち、レンズ収差をも考慮した判定手段による判定を行うことにより色彩選別精度を向上させることにあり、第2の目的は、茶葉の色彩選別に先立ち、CCDの撮像範囲に照射される光の照射量を客観的に求めることにより色彩選別精度を向上させることができる茶葉の色彩選別機を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、所定角度傾斜して配設されるとともに、その上部から下部に茶葉を整列させつつ流し得るシュートと、該シュート上に茶葉を供給すべく当該シュートの上部に茶葉を落下させる供給手段と、前記シュートの下部から落下する茶葉を撮像し画像を得るCCDカメラと、該CCDカメラの撮像範囲に対し光を照射する光源と、該CCDカメラで得られた画像の色彩に基づき、被撮像物が所定色彩を有するものであるか否かを判定する判定手段と、該判定手段により所定色彩を有するものであると判定されたものを吹き飛ばし、前記シュートによる落下軌跡とは異なる軌跡で落下させるエアノズルとを備え、茶葉中の所定色彩を有するものを選別して取り除くための茶葉の色彩選別機であって、茶葉の色彩選別に先立ち、前記CCDカメラの撮像範囲に同一の色彩を有する標本を設置し、該標本を前記CCDカメラで撮像して前記判定手段又は光源を調整することを特徴とする。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の茶葉の色彩選別機において、前記判定手段が、前記CCDカメラで得られた画像における画素毎の出力電圧と所望に設定されたしきい値とを比較することにより、被撮像物が所定色彩を有するものであるか否かを判定するとともに、前記CCDカメラで前記標本を撮像して得られた画像における画素毎の出力電圧に基づいて前記しきい値が調整されることを特徴とする。
【0012】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の茶葉の色彩選別機において、前記CCDカメラの撮像範囲における中央から外側に亘る出力電圧の減少割合を補正データとして用い、前記しきい値を補正することを特徴とする。
【0013】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の茶葉の色彩選別機において、前記光源が、前記CCDカメラで前記標本を撮像して得られた画像における画素毎の出力電圧に基づいて照射量が調整されることを特徴とする。
【0014】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の茶葉の色彩選別機において、前記標本の撮像により得られた画像における画素毎の出力電圧と所望に設定された基準レベルとを比較するとともに、前記出力電圧が基準レベルより高い場合は、前記光源の照射量を低くするとともに、前記出力電圧が基準レベルより低い場合は、前記光源の照射量を高くするよう制御する制御手段を具備したことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
第1実施形態に係る茶葉の色彩選別機は、茶葉中の白茎(所定色彩を有するもの)を選別して取り除くためのものであり、図1に示すように、床面に固設されたフレーム9と、上下2段に配設された第1シュート1及び第2シュート2と、CCDカメラ3及び4と、光源としての蛍光灯5及び6と、エアノズル7及び8と、判定手段12(図3参照)と、第1案内部材13及び第2案内部材14とから主に構成されている。
【0016】
フレーム9は、少なくとも梁9a〜9dを含むものであり、このうち梁9a上にはCCDカメラ3が配設されて第1シュート1から落下する茶葉を撮像するとともに、梁9b上にはCCDカメラ4が配設されて第2シュート2から落下する茶葉を撮像するよう構成されている。また、梁9dからステーS1及びS2が垂下して形成され、これらステーS1、S2のそれぞれにエアノズル7、蛍光灯5が固定されるとともに、同様に、梁9aからステーS3及びS4が垂下して形成され、これらステーS3及びS4のそれぞれにエアノズル8、蛍光灯6が固定されている。
【0017】
一方、フレーム9の梁9c上には、ホッパ10及び振動フィーダ11が配設されており、ホッパ10から供給された茶葉を振動しつつ第1シュート1の上部まで搬送し得るよう構成されている。かかる供給手段により、第1シュート1上部には茶葉が所定量ずつ均等に供給されることとなり、以下の色彩選別を容易とすることができる。
【0018】
第1シュート1及び第2シュート2は、薄板材を図2の如く折り曲げ形成して所定角度傾斜して上下2段に形成されたものであり、上段の第1シュート1から下段の第2シュート2に亘って順次茶葉を流し得るものである。このような折り曲げ形状により、傾斜方向に凹溝1a及び2aが複数並列して形成されることとなり、かかる凹溝1a及び2aに沿ってシュート1及び2の上部から下部に茶葉を整列させつつ流し得るよう構成されている。尚、本実施形態においては、凹溝1a及び2aが断面略V字形状とされ、茶葉の整列をより良好なものとしているが、他の形状(断面略U字等)としてもよい。
【0019】
エアノズル7及び8は、同図に示すように、第1シュート1及び第2シュート2の表面(上面)側に各々配設され、後述する判定手段12により所定色彩を有するものであると判定されたもの(本実施形態においては白茎)を吹き飛ばし、第1シュート1又は第2シュート2による落下軌跡とは異なる軌跡で落下させるものである。
【0020】
即ち、エアノズル7及び8は、第1シュート1の凹溝1a及び2aに対応して複数並列に配設され、これら第1シュート1又は第2シュート2から落下する茶葉のうち、エアノズル7又は8が駆動して吹き飛ばされたものは、通常の落下軌跡より下方の軌跡に沿って落下(遠方側に落下)するよう構成されているのである。ここで、本実施形態においては、判定手段12にて白茎と色彩判定したものをエアノズル7及び8にて吹き飛ばすよう構成されているが、良品の茶葉(即ち、白茎でない茶葉)と色彩判定したものをエアノズル7及び8からのエアにて吹き飛ばすよう構成してもよい。
【0021】
蛍光灯5及び6は、CCDカメラ3及び4のそれぞれの撮像範囲に光を照射するものであり、夫々が第1シュート1及び第2シュート2の幅方向に延設されるよう構成されている。更に、これら蛍光灯5及び6は、ステーS2及びS4に固定されているので、CCDカメラ3及び4の撮像範囲外であって、且つ、当該撮像範囲より上側に配設されることとなっている。尚、これら蛍光灯5及び6に代えて他の光源(例えばハロゲンランプ、発熱電球、キセノンランプ又はLED等)としてもよい。
【0022】
然るに、蛍光灯5及び6による光の照射によって、CCDカメラ3及び4によって得られる画像をより鮮明とし、後述する判定手段12による判定をより精度良く行うことができるとともに、これら蛍光灯5及び6がCCDカメラ3及び4の撮像範囲より上側に配設されているので、エアノズル7、8で吹き飛ばされたものが蛍光灯5や6に干渉してしまうのを回避することができる。
【0023】
即ち、エアノズル7、8は、第1シュート1及び第2シュート2の表面(上面)側に各々配設され、その駆動により、通常の落下軌跡より下方の軌跡に沿って落下させる構成とされているので、撮像範囲より下方に蛍光灯5及び6が配設されていると、吹き飛ばされたものが干渉してしまうのに対し、これを回避することができるのである。
【0024】
CCDカメラ3及び4は、第1シュート1及び第2シュート2から落下する茶葉を当該シュート1及び2の裏面(下面)側から撮像してデジタル画像を得るものであり、当該第1シュート1又は第2シュート2の直下における幅方向一列に撮像範囲が設定されている。即ち、CCDカメラ3及び4によって得られる画像のうち、色彩選別の対象とされるセンシング範囲のことを撮像範囲としている。尚、CCDカメラ3及び4にて撮像範囲のアナログ画像を得るように構成してもよい。
【0025】
かかるCCDカメラ3及び4の受光部は、汎用的CCDカメラと同様、レンズにより構成されており、蛍光灯5、6から照射された光が被撮像物に当り、その反射した光がレンズに入射することにより、CCDカメラによる撮像が行われる。即ち、被撮像物が有する色彩により、レンズを介して入射する反射光のレベル(輝度)が異なるので、そのレベルが画像の各画素に反映されて、色彩に応じた出力電圧とされる。
【0026】
また、CCDカメラ3及び4は、撮像した画像を画素データとして保持するものであるため、第1シュート1及び第2シュート2の直下における幅方向一列の画素が上記撮像範囲を成すこととなる。かかる画素は、図9に示すように、一つの凹溝1a又は2aに対応する部位に複数配置(同図中G1〜G8)することとなり、これら画素G1〜G8のうち、いずれか1つの画素における出力電圧が後述するしきい値を超えた場合、白茎であると判定する。尚、撮像範囲をいずれの高さで設定するかは、適宜決定されるものとし、蛍光灯5及び6やエアノズル7及び8の配設位置や向き等によって色彩判定するのに最も適当な高さに調整されるのが好ましい。
【0027】
更に、CCDカメラ3及び4は、図3で示すように、それぞれ判定手段12と電気的に接続されている。かかる判定手段12は、例えばマイコンから成るもので、CCDカメラ3及び4で得られた画像(即ち、撮像範囲の画素)の色彩に基づき、撮像した茶葉が白茎であるか否か(被撮像物が所定色彩を有するものであるか否か)を判定するものである。即ち、撮像した画像の画像処理により白茎を識別し得れば足り、2値化処理して白黒判定してもよいし、色調(濃淡)を加味した画像処理を施してもよい。
【0028】
具体的には、CCDカメラ3及び4で撮像した画像の出力電圧(白色では出力電圧が大きく、黒色に近くなるほど出力電圧は小さくなる)を縦軸に、撮像範囲における幅方向の位置を横軸にとってグラフ化すると所定の波形が得られるが、かかる波形のうち出力電圧(入力レベル)が所定のしきい値より高い部位は白茎とされ、低い部位は白茎でないと判定される。
【0029】
ここで、既述のように、CCDカメラ3及び4の受光部は、レンズで構成されているため、レンズ収差が生じている。このレンズ収差とは、レンズの中央において入射される光の密度の方が、外側より相対的に高くなる現象をいい、これに伴い、同一の色彩を有する被撮像物を撮像した場合であっても、図4の符号Sで示すように、出力電圧は、撮像範囲の中央から外側に亘って減少してしまう。
【0030】
このまま、同図中Hで示すような、直線状のしきい値Hを設定すると、同一の色彩を有する被撮像物を撮像した場合であっても、撮像範囲の中央近傍においては白茎と判定され、それより外側においては白茎でないと判定される。このように、同一の色彩の被撮像物を撮像したにもかかわらず、当該被撮像物の位置によって白茎であるか否かの判定が変わってしまい、誤判定を生じてしまうのが明らかである。
【0031】
本実施形態においては、上記誤判定を回避すべく、茶葉の色彩選別に先立ち、図5に示すように、同一の色彩(グレーや白色等)を有する標本T(テストピース)をCCDカメラ3、4にて撮像するとともに、その撮像範囲における中央から外側に亘る出力電圧の減少割合を補正データとして用い、しきい値Hを補正するよう構成されている。
【0032】
尚、このような標本Tは、木製や金属製等の板材における少なくともCCDカメラ3、4と対向する面がグレーや白等同一の色彩にて着色されたものから成り、シュート1及び2上に茶葉を流す前にCCDカメラ3、4の撮像範囲(即ち、茶葉の落下軌跡上の位置)に設置されるものである。勿論、以下のしきい値H’調整作業が終了した後は、標本Tを取り外し、本来の色彩選別作業が行われることとなるが、色彩選別作業時に茶葉が通過しない部位(第1シュート1及び第2シュート2における隣り合う凹溝1a、2a位置する凸部等)に標本Tを設置することによりCCDカメラ3、4の撮像範囲の一部に配設するようにすれば、当該標本Tを常時設置しておき調整することができる。
【0033】
レンズ収差を考慮したしきい値H’は、H’=しきい値H×出力電圧Sの減少割合−黒データなる演算式にて求めることができる。ここで、演算式中の「黒データ」とは、CCDカメラの暗時出力電圧特性により遮光時(黒レベル)においても得られる出力電圧のことをいい、露光時間と温度に比例した値のことをいう。このように黒データを減算することにより、暗時の出力電圧の安定化(即ち、出力電圧Sの安定化)を図ることができる。
【0034】
例えば、上記演算式における減少割合として、中央を100%(即ち、乗じる値が1とされる)とするとともに、外側を1%(即ち、乗じる値が0.01とされる)とした場合、図6に示すような、しきい値H’が得られる。該しきい値H’によれば、レンズ収差を考慮した判定手段12による判定を行うことができ、より色彩選別精度を向上させることができる。また、上記の如き簡易な演算式によって補正データを得るとともに、レンズ収差を考慮したしきい値H’を求めることができるので、しきい値調整作業をより素早く行うことができる。
【0035】
ここで、上記の如くレンズ収差を考慮してしきい値H’を演算式にて求める他、CCD出力データ側で補正するようにしてもよい。その場合、具体的には、図4のように得られる出力電圧Sを、しきい値Hに合わせて直線状に補正することとなる。即ち、標本で得られた補正量をしきい値設定側に加味して補正する方法とCCD出力データ側に加味して補正する方法の何れであってもよい。
【0036】
更に、上記の如く標本Tを用いているので、客観的判断基準に基づいてレンズ収差を考慮したしきい値H’を求めることができ、色彩選別精度を更に向上させることができる。尚、色彩選別に先立ち、CCDカメラ4、4にて標本Tを撮像し、その出力電圧に基づいてしきい値を求めるものであれば、他の補正方法(出力電圧Sの減少割合を補正データとして用いないもの等)によるものであってもよい。即ち、判定手段12は、CCDカメラ3、4で標本Tを撮像して得られた画像における画素毎の出力電圧に基づいてしきい値を調整するものであれば足りる。
【0037】
また、判定手段12は、エアノズル7、8とも電気的に接続されており、判定手段12による色彩判定に基づきエアノズル7、8が制御されるよう構成されている。これにより、判定手段12が白茎であると判定した場合、エアノズル7又は8を駆動させ、吹き飛ばして落下軌跡を異ならせることにより選別可能とされているのである。
【0038】
第1案内部材13及び第2案内部材14は、エアノズル7、8により吹き飛ばされたもの(本実施形態においては白茎と判定された茶葉)を案内し、所定の位置(振動コンベア16の部位16a、16b)まで落下させるもので、このうち第1案内部材13は、第1シュート1から落下するものにおいて吹き飛ばされた白茎を案内し、第2案内部材14は、第2シュート2から落下するものにおいて吹き飛ばされた白茎を案内するよう構成されている。
【0039】
第1案内部材13は、図7に示すように、第1シュート1及び第2シュート2の幅方向へ2又に分岐して形成されたもので、上下端が開口しつつ側面が板材で囲まれて構成されている。この第1案内部材13は、2又に分岐した先の一対の脚部13a及び13bを有し、これら脚部13a及び13bがフレーム9の梁9bに固定されている。尚、脚部13a及び13bに跨った底面は、傾斜面13aa及び13baを成しており、エアノズル7で吹き飛ばされて第1案内部材13に落下した白茎のうち、傾斜面13aa又は13ba上に落下したものは当該傾斜面13aa又は13baに沿って左右いずれかの脚部13a又は13bまで滑り、そこから落下する一方、傾斜面13aa又は13baより側方に落下したものは直に脚部13a又は13bから落下する。
【0040】
このように、第1案内部材13が、左右の脚部13a及び13bを有した2又形状とされることにより、図8で示すように、CCDカメラ4の撮像範囲(同図中斜線で示した部分)を回避した形状とすることができ、本実施形態の如くシュートが上下2段に亘って配設され、且つ、案内部材がCCDカメラとシュートとの間に位置する場合であっても、常に正確に色彩選別することができる。
【0041】
一方、第2案内部材14は、エアノズル8で吹き飛ばされた白茎を振動コンベア16の部位16aに案内しつつ落下させるもので、第2シュート2の下方から部位16aまで延びる略板状のもので構成されている。尚、本実施形態においては、第2シュート2の下方に更なる別途のシュートが形成されておらず、そのシュートの直下における撮像範囲が存在しないので、第1案内部材13の如き撮像範囲を回避した形状とする必要がない(即ち、単なる板材による案内で十分)のである。
【0042】
上記構成の茶葉の色彩選別機によれば、ホッパ10に供給された茶葉は、振動フィーダ11を介して第1シュート1の上部に至り、そこから各凹溝1aに沿って流れることとなり、当該第1シュート1の下部から落下する。その際、蛍光灯5により照らされた撮像範囲をCCDカメラ3が撮像し、デジタル画像を得るとともに、その画像データを判定手段12に送信する。
【0043】
かかる判定手段12において、落下中の茶葉が白茎でないと色彩判定した場合、エアノズル7の停止状態を維持する一方、白茎であると色彩判定した場合、エアノズル7を駆動させ、当該落下中の茶葉にエアを吹き付ける。このとき、判定手段12のしきい値は、予め標本Tに基づく補正が行われているため、誤判定が回避される。
【0044】
判定手段12により、レンズ収差を考慮した判定により白茎とされたものは、エアを吹き付けられて吹き飛ばされ、他のものとは落下軌跡を異ならせて、第1案内部材13に落下する。尚、エアが吹き付けられない茶葉は、そのまま落下して第2シュート2を流れることとなる。
【0045】
第1案内部材13内に落下した白茎は、傾斜面13aa、13baを滑って、又は直に左右の脚部13a又は13bに至り、そこから振動コンベア16の部位16bに落下する。一方、第2シュート2を流れる茶葉は、その下部から落下する過程において、上記と同様、蛍光灯6により照らされつつCCDカメラ4で撮像される。このとき、既述の如く、CCDカメラ4の撮像範囲は、第1案内部材13によって妨げられず、良好な撮像を行うことができる。
【0046】
CCDカメラ4で得られたデジタル画像のデータは判定手段12に送信され、上記と同様の色彩判定が行われる。このときの判定手段12におけるしきい値も、予め標本Tに基づく補正が行われているため、誤判定が回避されている。そして、判定手段12で白茎でないと判定された場合、エアノズル8の停止状態は維持され、その茶葉はそのまま落下して振動コンベア15に至る一方、白茎であると判定された場合、エアノズル8が駆動され、エアを吹き付けることによって、その白茎を第2案内部材14に吹き飛ばし、振動コンベア16の部位16aに落下させる。
【0047】
振動コンベア15に落下した良品と判定された茶葉は、製茶工程における次工程に搬送されることとなり、振動コンベア16に落下した白茎と判定された茶葉は所定の場所へ搬送されることとなる。このように、色彩選別後のものを各々振動コンベア上に落下させているので、その後の搬送作業を容易とすることができる。尚、かかる振動コンベアに代えて、回収箱を第1案内部材13又は第2案内部材14下に配設し、それぞれを回収するよう構成してもよい。
【0048】
本実施形態によれば、上下2段に亘って第1シュート1及び第2シュート2を配設し、2回の色彩選別を行うよう構成したので、より精度良く茶葉から白茎を選別することができる。また、第1シュート1落下時に白茎であると判定されたものは、振動コンベア16の部位16bに落下し、第2シュート2落下時に白茎であると判定されたものは、振動コンベア16の部位16aに落下するよう構成されているので、選別精度の悪い方(通常は1回目に選別された部位16bに落下したもの)を更にホッパ10に供給し、選別精度を向上させることができる。
【0049】
次に、本発明に係る第2実施形態について説明する。
本実施形態に係る茶葉の色彩選別機は、上記第1実施形態と同様、茶葉中の白茎(所定色彩を有するもの)を選別して取り除くためのものであり、図1に示すように(外観は、第1実施形態と略等しい)、床面に固設されたフレーム9と、上下2段に配設された第1シュート1及び第2シュート2と、CCDカメラ3及び4と、光源としての蛍光灯5及び6と、エアノズル7及び8と、判定手段12(図9参照)と、制御手段(同図9参照)、第1案内部材13及び第2案内部材14とから主に構成されている。尚、第1実施形態と同様の構成のものには、同一の符号を付すとともに、その詳細については割愛する。
【0050】
判定手段12は、第1実施形態と同様、レンズ収差を考慮してしきい値が調整され、CCDカメラ3及び4で得られた画像(即ち、撮像範囲の画素)の色彩に基づき、撮像した茶葉が白茎であるか否か(被撮像物が所定色彩を有するものであるか否か)を判定するものである。尚、この判定手段12を、レンズ収差を考慮した調整がなされていない(しきい値が標本Tの撮像に基づき調整されていない)ものとしてもよい。
【0051】
また、判定手段12は、図10に示すように、CCDカメラ3、4及びエアノズル7、8と電気的に接続されており、CCDカメラ3、4の画像データが送信される一方、エアノズル7、8の駆動制御を行い得るよう構成されている。即ち、CCDカメラ3、4で撮像した被撮像物が白茎であると判定された場合、エアノズル7又は8を駆動させ、吹き飛ばして落下軌跡を異ならせることにより選別可能とされているのである。
【0052】
更に、判定手段12には、制御手段17が電気的に接続されており、かかる制御手段17には蛍光灯5、6(厳密には、これら蛍光灯5、6に電圧を印加するための調整器等)が接続されている。これにより、茶葉の色彩選別に先立ち、CCDカメラ3、4で標本T(第1実施形態と同様のもの)を撮像して得られた画像における画素毎の出力電圧に基づいて、蛍光灯5、6の光の照射量(照度)を自動的に調整することができる。以下に、制御手段17における照度の自動調整について説明する。
【0053】
図11に示すように、まず所定の基準レベル(飽和しないレベル)を設定(S1)しておき、標本Tの撮像(S2)を行う。この撮像により得られた画像における出力電圧と設定された基準レベルとを比較(S3)し、これらが等しい(許容誤差範囲内)か、或いは等しくないか(許容誤差範囲を超えた)かを判定(S4)する。
【0054】
出力電圧が基準レベルと等しい場合は、調整作業を終了する一方、等しくない場合は、蛍光灯5、6に印加される電圧が制御される(S5)。かかる電圧制御工程では、出力電圧が基準レベルより高い場合は、蛍光灯5、6の光の照射量を低くすべく電圧を所定量下げる一方、出力電圧が基準レベルより低い場合は、蛍光灯5、6の光の照射量を高くすべく電圧を所定量上げる制御が行われる。
【0055】
上記の如く制御された電圧にて蛍光灯5、6に電力供給し、その時の電圧が予め設定された上限値より高いか否かを判定する(S6)。当該電圧が上限値より高い場合は、蛍光灯5、6の交換を促すための交換表示を行い(S8)、上限値より低い場合は、予め設定された下限値より低いか否かを判定する(S7)。そして、当該電圧が下限値より低い場合は、別途の調整が必要であることを表示(S9)する一方、下限値より高い場合は、再び基準レベルと出力電圧とが等しいか否かの判定(S4)が行われる。以下の工程は、上記と同様である。
【0056】
尚、蛍光灯5、6に印加する電圧を高くすると、管電流が増加し、光の照射量が増加するとともに、印加する電圧を低くすると、管電流が減少し、光の照射量が減少する。また、別途のタイマ等を用いて、上記自動調整を例えば1時間毎に行うようにするのが好ましい。
【0057】
上記の如く、制御手段17によって蛍光灯5、6の調整を行うようにすれば、自動的に撮像範囲に照射される光の照射量が常時一定とすることができ、作業者の煩雑な調整作業を省略しつつ色彩選別精度を更に向上させることができる。尚、制御手段17による制御に代えて、作業者がボリューム等でマニュアル調整するようにしてもよい。
【0058】
以上、本実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば判定手段で白茎と判定しなかったものをエアノズルで吹き飛ばし、白茎と選別するものとしてもよい。但し、本実施形態の如く白茎を吹き飛ばして選別するものの方が、装置のランニングコストや茶葉の品質維持の観点からは好ましい。即ち、茶葉中に含まれる少量の白茎を吹き飛ばす方が、その他大量の良品の茶葉を吹き飛ばすよりもエアノズルの駆動回数が断然少ないため、装置のランニングコストが低減できるとともに、良品の茶葉を吹き飛ばした場合、茶葉の剣先が折れてしまうなど品質上の不具合が生じるので、不良品である白茎を吹き飛ばした方が好ましいのである。
【0059】
更に、茶葉の色彩選別に先立ち設置される標本Tは、CCDカメラに対向する面が同一の色彩となっていれば、他の構成のもの(ブロック状のものやフレームに固定されたステー等)としてもよい。また、標本Tの色彩は、着色材の色であっても標本自体の色であってもよく、同一色彩を有した粘着テープ等を板材等に貼付して構成してもよい。更に、標本の設置位置は、CCDの撮像範囲であれば色彩選別機内のいずれの箇所であってもよい。
【0060】
勿論、選別すべき対象物も本実施形態の如く茶葉中に含まれた白茎に限らず、黄葉、赤棒又は異物など所定色彩を有した種々のものを判定手段にて判定し、エアノズルで取り除くようにしてもよい。この場合、CCDカメラの感度設定を適宜変更する必要があるが、茶葉中に含まれた白茎の他、所謂不良品及び異物を選別除去することができる。
【0061】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、茶葉の色彩選別に先立ち、CCDカメラの撮像範囲に同一の色彩を有する標本を設置し、該標本をCCDカメラで撮像して判定手段又は光源を調整するので、レンズ収差をも考慮した判定手段による判定を行うことにより色彩選別精度を向上させることができ、また、茶葉の色彩選別に先立ち、CCDの撮像範囲に照射される光の照射量を客観的に求めることにより色彩選別精度を向上させることができる。
【0062】
請求項2の発明によれば、CCDカメラで標本を撮像して得られた画像における画素毎の出力電圧に基づいてしきい値が調整されるので、レンズ収差をも考慮した判定手段による判定を行うことにより色彩選別精度を向上させることができる。
【0063】
請求項3の発明によれば、CCDカメラの撮像範囲における中央から外側に亘る出力電圧の減少割合を補正データとして用い、しきい値を補正するので、より素早くしきい値の調整を行うことができる。
【0064】
請求項4の発明によれば、CCDカメラで標本を撮像して得られた画像における画素毎の出力電圧に基づいて光源の照射量が調整されるので、CCDの撮像範囲に照射される光の照射量を客観的に求めることにより色彩選別精度を向上させることができる。
【0065】
請求項5の発明によれば、標本の撮像により得られた画像における画素毎の出力電圧と所望に設定された基準レベルとを比較するとともに、出力電圧が基準レベルより高い場合は、光源の照射量を低くするとともに、出力電圧が基準レベルより低い場合は、光源の照射量を高くするよう制御する制御手段を具備したので、自動的に撮像範囲に照射される光の照射量が常時一定とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る茶葉の色彩選別機を示す側面図
【図2】本発明の第1実施形態に係る茶葉の色彩選別機におけるシュート(第1シュート、第2シュート及びそれぞれの下方に配設されたエアノズル)を示す斜視図
【図3】本発明の第1実施形態に係る茶葉の色彩選別機における判定手段及びそれと接続された主な構成要素を示すブロック図
【図4】本発明の第1実施形態に係る茶葉の色彩選別機において、CCDカメラにより得られた画像の出力電圧を示すグラフ
【図5】本発明の第1実施形態に係る茶葉の色彩選別機において用いられる標本Tを示す模式図
【図6】図4におけるしきい値を調整した後の状態を示すグラフ
【図7】本発明の第1実施形態に係る茶葉の色彩選別機における案内部材を示す左側面図及び正面図
【図8】本発明の第1実施形態に係る茶葉の色彩選別機における案内部材の脚部及びその間に位置するCCDカメラの撮像範囲を示す模式図
【図9】本発明の第1実施形態に係る茶葉の色彩選別機において撮像された画像の画素を示す模式図
【図10】本発明の第2実施形態に係る茶葉の色彩選別機における判定手段及びそれと接続された主な構成要素を示すブロック図
【図11】本発明の第2実施形態に係る茶葉の色彩選別機における光源の照度調整工程を示すフローチャート
【符号の説明】
1…第1シュート
2…第2シュート
3、4…CCDカメラ
5、6…蛍光灯(光源)
7、8…エアノズル
9…フレーム
10…ホッパ(供給手段)
11…振動フィーダ(供給手段)
12…判定手段
13…第1案内部材
14…第2案内部材
15、16…振動コンベア
17…制御手段
S…出力電圧
H…しきい値(調整前)
H’…しきい値(調整後)
T…標本
【発明の属する技術分野】
本発明は、茶葉中の白茎などの所定色彩を有するものを選別して取り除くための茶葉の色彩選別機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、茶葉の色彩に基づいて当該茶葉中から茎等を選別する色彩選別機として、例えば実開平1−88783号公報で開示されているものが挙げられる。同公報で開示された色彩選別機は、シュートに沿って茶葉を整列落下させ、そのシュート下端から落下する茶葉をCCDカメラで撮像するとともに、撮像で得られた画像における各画素の出力電圧に基づいて、茶葉であるか茎であるかを判別し得るものである。
【0003】
更に詳しくは、シュートの下端から落下する茶葉に対し、ランプで光を照射するとともに、その光が落下中の茶葉に当たって反射したものをCCDカメラが捉えることにより撮像が行われ、そのCCDカメラで得られた画像における各画素の出力電圧が低い場合は、被撮像物が茶葉であると認識する一方、出力電圧が高い場合は、被撮像物が茎であると認識するよう構成されている。
【0004】
そして、被撮像物が茎であると認識された場合、エアノズルからエアを噴出し、他のものとは落下軌跡を異ならせることにより、茶葉から茎のみを選別し得るよう構成されている。即ち、被撮像物の色彩によってCCDカメラで得られた画像の各画素における出力電圧が異なるため、当該出力電圧と所定基準値とを比較すれば、被撮像物を色彩によって選別することができるのである。
【0005】
然るに、各画素の出力電圧は、ランプによって照射される光の照射量によって変化するため、所定基準値及び検出される出力電圧の絶対値が異なってしまい、常時一定の選別精度を得るのが難しくなる。具体的には、ランプによる光の照射量が低くなると、出力電圧の振幅は小さくなる一方、ノイズは小さくならないため、SN比が悪化して精度のよい選別が困難となってしまうのであるで、従来の色彩選別機においては、ランプの寿命等により光の照射量が低くなった場合、ランプに印加する電圧を増加して、常時一定の明るさでCCDカメラによる撮像を行うようにしていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の色彩選別機においては、ランプによって照射される光の照射量が高いのか、或いは低いのかを客観的に判断するための手段を具備していないので、作業者がランプの照射量が低い(即ち、撮像範囲が暗い)と主観的に判断するか、或いはランプの寿命と実際の使用期間とを比較して、間接的にランプの照射量が低いと判断する必要があり、選別精度を向上させるには十分ではなかった。
【0007】
即ち、同公報で開示された従来の色彩選別機は、ランプの照射量が低い場合、当該ランプに印加する電圧を高くし、常時一定の照射量を得ることができるとしているものの、何をもってランプの照射量が低いと判断するかが開示されておらず、作業者の目視による判断又はランプの使用期間等で照射量の調整を行うことが必要となってしまうのである。このように、客観的な所定基準によらないで、光の照射量を常時一定とすることは極めて困難であるとともに、光の照射量が不安定になる原因ともなり得るのである。
【0008】
ところで、CCDカメラの受光部は、通常、レンズで構成されているため、当該レンズが生じる収差によっても、色彩選別精度が悪化してしまうという問題もある。より具体的には、たとえランプの光の照射量が厳密に一定とされた場合であっても、レンズ収差がある限り、出力電圧はCCDカメラの撮像範囲の中央から外側に向かって低くなってしまい、判定手段による判定に悪影響を及ぼすので、色彩選別精度が悪化してしまう原因となるのである。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、第1の目的は、茶葉の色彩選別に先立ち、レンズ収差をも考慮した判定手段による判定を行うことにより色彩選別精度を向上させることにあり、第2の目的は、茶葉の色彩選別に先立ち、CCDの撮像範囲に照射される光の照射量を客観的に求めることにより色彩選別精度を向上させることができる茶葉の色彩選別機を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、所定角度傾斜して配設されるとともに、その上部から下部に茶葉を整列させつつ流し得るシュートと、該シュート上に茶葉を供給すべく当該シュートの上部に茶葉を落下させる供給手段と、前記シュートの下部から落下する茶葉を撮像し画像を得るCCDカメラと、該CCDカメラの撮像範囲に対し光を照射する光源と、該CCDカメラで得られた画像の色彩に基づき、被撮像物が所定色彩を有するものであるか否かを判定する判定手段と、該判定手段により所定色彩を有するものであると判定されたものを吹き飛ばし、前記シュートによる落下軌跡とは異なる軌跡で落下させるエアノズルとを備え、茶葉中の所定色彩を有するものを選別して取り除くための茶葉の色彩選別機であって、茶葉の色彩選別に先立ち、前記CCDカメラの撮像範囲に同一の色彩を有する標本を設置し、該標本を前記CCDカメラで撮像して前記判定手段又は光源を調整することを特徴とする。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の茶葉の色彩選別機において、前記判定手段が、前記CCDカメラで得られた画像における画素毎の出力電圧と所望に設定されたしきい値とを比較することにより、被撮像物が所定色彩を有するものであるか否かを判定するとともに、前記CCDカメラで前記標本を撮像して得られた画像における画素毎の出力電圧に基づいて前記しきい値が調整されることを特徴とする。
【0012】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の茶葉の色彩選別機において、前記CCDカメラの撮像範囲における中央から外側に亘る出力電圧の減少割合を補正データとして用い、前記しきい値を補正することを特徴とする。
【0013】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の茶葉の色彩選別機において、前記光源が、前記CCDカメラで前記標本を撮像して得られた画像における画素毎の出力電圧に基づいて照射量が調整されることを特徴とする。
【0014】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の茶葉の色彩選別機において、前記標本の撮像により得られた画像における画素毎の出力電圧と所望に設定された基準レベルとを比較するとともに、前記出力電圧が基準レベルより高い場合は、前記光源の照射量を低くするとともに、前記出力電圧が基準レベルより低い場合は、前記光源の照射量を高くするよう制御する制御手段を具備したことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
第1実施形態に係る茶葉の色彩選別機は、茶葉中の白茎(所定色彩を有するもの)を選別して取り除くためのものであり、図1に示すように、床面に固設されたフレーム9と、上下2段に配設された第1シュート1及び第2シュート2と、CCDカメラ3及び4と、光源としての蛍光灯5及び6と、エアノズル7及び8と、判定手段12(図3参照)と、第1案内部材13及び第2案内部材14とから主に構成されている。
【0016】
フレーム9は、少なくとも梁9a〜9dを含むものであり、このうち梁9a上にはCCDカメラ3が配設されて第1シュート1から落下する茶葉を撮像するとともに、梁9b上にはCCDカメラ4が配設されて第2シュート2から落下する茶葉を撮像するよう構成されている。また、梁9dからステーS1及びS2が垂下して形成され、これらステーS1、S2のそれぞれにエアノズル7、蛍光灯5が固定されるとともに、同様に、梁9aからステーS3及びS4が垂下して形成され、これらステーS3及びS4のそれぞれにエアノズル8、蛍光灯6が固定されている。
【0017】
一方、フレーム9の梁9c上には、ホッパ10及び振動フィーダ11が配設されており、ホッパ10から供給された茶葉を振動しつつ第1シュート1の上部まで搬送し得るよう構成されている。かかる供給手段により、第1シュート1上部には茶葉が所定量ずつ均等に供給されることとなり、以下の色彩選別を容易とすることができる。
【0018】
第1シュート1及び第2シュート2は、薄板材を図2の如く折り曲げ形成して所定角度傾斜して上下2段に形成されたものであり、上段の第1シュート1から下段の第2シュート2に亘って順次茶葉を流し得るものである。このような折り曲げ形状により、傾斜方向に凹溝1a及び2aが複数並列して形成されることとなり、かかる凹溝1a及び2aに沿ってシュート1及び2の上部から下部に茶葉を整列させつつ流し得るよう構成されている。尚、本実施形態においては、凹溝1a及び2aが断面略V字形状とされ、茶葉の整列をより良好なものとしているが、他の形状(断面略U字等)としてもよい。
【0019】
エアノズル7及び8は、同図に示すように、第1シュート1及び第2シュート2の表面(上面)側に各々配設され、後述する判定手段12により所定色彩を有するものであると判定されたもの(本実施形態においては白茎)を吹き飛ばし、第1シュート1又は第2シュート2による落下軌跡とは異なる軌跡で落下させるものである。
【0020】
即ち、エアノズル7及び8は、第1シュート1の凹溝1a及び2aに対応して複数並列に配設され、これら第1シュート1又は第2シュート2から落下する茶葉のうち、エアノズル7又は8が駆動して吹き飛ばされたものは、通常の落下軌跡より下方の軌跡に沿って落下(遠方側に落下)するよう構成されているのである。ここで、本実施形態においては、判定手段12にて白茎と色彩判定したものをエアノズル7及び8にて吹き飛ばすよう構成されているが、良品の茶葉(即ち、白茎でない茶葉)と色彩判定したものをエアノズル7及び8からのエアにて吹き飛ばすよう構成してもよい。
【0021】
蛍光灯5及び6は、CCDカメラ3及び4のそれぞれの撮像範囲に光を照射するものであり、夫々が第1シュート1及び第2シュート2の幅方向に延設されるよう構成されている。更に、これら蛍光灯5及び6は、ステーS2及びS4に固定されているので、CCDカメラ3及び4の撮像範囲外であって、且つ、当該撮像範囲より上側に配設されることとなっている。尚、これら蛍光灯5及び6に代えて他の光源(例えばハロゲンランプ、発熱電球、キセノンランプ又はLED等)としてもよい。
【0022】
然るに、蛍光灯5及び6による光の照射によって、CCDカメラ3及び4によって得られる画像をより鮮明とし、後述する判定手段12による判定をより精度良く行うことができるとともに、これら蛍光灯5及び6がCCDカメラ3及び4の撮像範囲より上側に配設されているので、エアノズル7、8で吹き飛ばされたものが蛍光灯5や6に干渉してしまうのを回避することができる。
【0023】
即ち、エアノズル7、8は、第1シュート1及び第2シュート2の表面(上面)側に各々配設され、その駆動により、通常の落下軌跡より下方の軌跡に沿って落下させる構成とされているので、撮像範囲より下方に蛍光灯5及び6が配設されていると、吹き飛ばされたものが干渉してしまうのに対し、これを回避することができるのである。
【0024】
CCDカメラ3及び4は、第1シュート1及び第2シュート2から落下する茶葉を当該シュート1及び2の裏面(下面)側から撮像してデジタル画像を得るものであり、当該第1シュート1又は第2シュート2の直下における幅方向一列に撮像範囲が設定されている。即ち、CCDカメラ3及び4によって得られる画像のうち、色彩選別の対象とされるセンシング範囲のことを撮像範囲としている。尚、CCDカメラ3及び4にて撮像範囲のアナログ画像を得るように構成してもよい。
【0025】
かかるCCDカメラ3及び4の受光部は、汎用的CCDカメラと同様、レンズにより構成されており、蛍光灯5、6から照射された光が被撮像物に当り、その反射した光がレンズに入射することにより、CCDカメラによる撮像が行われる。即ち、被撮像物が有する色彩により、レンズを介して入射する反射光のレベル(輝度)が異なるので、そのレベルが画像の各画素に反映されて、色彩に応じた出力電圧とされる。
【0026】
また、CCDカメラ3及び4は、撮像した画像を画素データとして保持するものであるため、第1シュート1及び第2シュート2の直下における幅方向一列の画素が上記撮像範囲を成すこととなる。かかる画素は、図9に示すように、一つの凹溝1a又は2aに対応する部位に複数配置(同図中G1〜G8)することとなり、これら画素G1〜G8のうち、いずれか1つの画素における出力電圧が後述するしきい値を超えた場合、白茎であると判定する。尚、撮像範囲をいずれの高さで設定するかは、適宜決定されるものとし、蛍光灯5及び6やエアノズル7及び8の配設位置や向き等によって色彩判定するのに最も適当な高さに調整されるのが好ましい。
【0027】
更に、CCDカメラ3及び4は、図3で示すように、それぞれ判定手段12と電気的に接続されている。かかる判定手段12は、例えばマイコンから成るもので、CCDカメラ3及び4で得られた画像(即ち、撮像範囲の画素)の色彩に基づき、撮像した茶葉が白茎であるか否か(被撮像物が所定色彩を有するものであるか否か)を判定するものである。即ち、撮像した画像の画像処理により白茎を識別し得れば足り、2値化処理して白黒判定してもよいし、色調(濃淡)を加味した画像処理を施してもよい。
【0028】
具体的には、CCDカメラ3及び4で撮像した画像の出力電圧(白色では出力電圧が大きく、黒色に近くなるほど出力電圧は小さくなる)を縦軸に、撮像範囲における幅方向の位置を横軸にとってグラフ化すると所定の波形が得られるが、かかる波形のうち出力電圧(入力レベル)が所定のしきい値より高い部位は白茎とされ、低い部位は白茎でないと判定される。
【0029】
ここで、既述のように、CCDカメラ3及び4の受光部は、レンズで構成されているため、レンズ収差が生じている。このレンズ収差とは、レンズの中央において入射される光の密度の方が、外側より相対的に高くなる現象をいい、これに伴い、同一の色彩を有する被撮像物を撮像した場合であっても、図4の符号Sで示すように、出力電圧は、撮像範囲の中央から外側に亘って減少してしまう。
【0030】
このまま、同図中Hで示すような、直線状のしきい値Hを設定すると、同一の色彩を有する被撮像物を撮像した場合であっても、撮像範囲の中央近傍においては白茎と判定され、それより外側においては白茎でないと判定される。このように、同一の色彩の被撮像物を撮像したにもかかわらず、当該被撮像物の位置によって白茎であるか否かの判定が変わってしまい、誤判定を生じてしまうのが明らかである。
【0031】
本実施形態においては、上記誤判定を回避すべく、茶葉の色彩選別に先立ち、図5に示すように、同一の色彩(グレーや白色等)を有する標本T(テストピース)をCCDカメラ3、4にて撮像するとともに、その撮像範囲における中央から外側に亘る出力電圧の減少割合を補正データとして用い、しきい値Hを補正するよう構成されている。
【0032】
尚、このような標本Tは、木製や金属製等の板材における少なくともCCDカメラ3、4と対向する面がグレーや白等同一の色彩にて着色されたものから成り、シュート1及び2上に茶葉を流す前にCCDカメラ3、4の撮像範囲(即ち、茶葉の落下軌跡上の位置)に設置されるものである。勿論、以下のしきい値H’調整作業が終了した後は、標本Tを取り外し、本来の色彩選別作業が行われることとなるが、色彩選別作業時に茶葉が通過しない部位(第1シュート1及び第2シュート2における隣り合う凹溝1a、2a位置する凸部等)に標本Tを設置することによりCCDカメラ3、4の撮像範囲の一部に配設するようにすれば、当該標本Tを常時設置しておき調整することができる。
【0033】
レンズ収差を考慮したしきい値H’は、H’=しきい値H×出力電圧Sの減少割合−黒データなる演算式にて求めることができる。ここで、演算式中の「黒データ」とは、CCDカメラの暗時出力電圧特性により遮光時(黒レベル)においても得られる出力電圧のことをいい、露光時間と温度に比例した値のことをいう。このように黒データを減算することにより、暗時の出力電圧の安定化(即ち、出力電圧Sの安定化)を図ることができる。
【0034】
例えば、上記演算式における減少割合として、中央を100%(即ち、乗じる値が1とされる)とするとともに、外側を1%(即ち、乗じる値が0.01とされる)とした場合、図6に示すような、しきい値H’が得られる。該しきい値H’によれば、レンズ収差を考慮した判定手段12による判定を行うことができ、より色彩選別精度を向上させることができる。また、上記の如き簡易な演算式によって補正データを得るとともに、レンズ収差を考慮したしきい値H’を求めることができるので、しきい値調整作業をより素早く行うことができる。
【0035】
ここで、上記の如くレンズ収差を考慮してしきい値H’を演算式にて求める他、CCD出力データ側で補正するようにしてもよい。その場合、具体的には、図4のように得られる出力電圧Sを、しきい値Hに合わせて直線状に補正することとなる。即ち、標本で得られた補正量をしきい値設定側に加味して補正する方法とCCD出力データ側に加味して補正する方法の何れであってもよい。
【0036】
更に、上記の如く標本Tを用いているので、客観的判断基準に基づいてレンズ収差を考慮したしきい値H’を求めることができ、色彩選別精度を更に向上させることができる。尚、色彩選別に先立ち、CCDカメラ4、4にて標本Tを撮像し、その出力電圧に基づいてしきい値を求めるものであれば、他の補正方法(出力電圧Sの減少割合を補正データとして用いないもの等)によるものであってもよい。即ち、判定手段12は、CCDカメラ3、4で標本Tを撮像して得られた画像における画素毎の出力電圧に基づいてしきい値を調整するものであれば足りる。
【0037】
また、判定手段12は、エアノズル7、8とも電気的に接続されており、判定手段12による色彩判定に基づきエアノズル7、8が制御されるよう構成されている。これにより、判定手段12が白茎であると判定した場合、エアノズル7又は8を駆動させ、吹き飛ばして落下軌跡を異ならせることにより選別可能とされているのである。
【0038】
第1案内部材13及び第2案内部材14は、エアノズル7、8により吹き飛ばされたもの(本実施形態においては白茎と判定された茶葉)を案内し、所定の位置(振動コンベア16の部位16a、16b)まで落下させるもので、このうち第1案内部材13は、第1シュート1から落下するものにおいて吹き飛ばされた白茎を案内し、第2案内部材14は、第2シュート2から落下するものにおいて吹き飛ばされた白茎を案内するよう構成されている。
【0039】
第1案内部材13は、図7に示すように、第1シュート1及び第2シュート2の幅方向へ2又に分岐して形成されたもので、上下端が開口しつつ側面が板材で囲まれて構成されている。この第1案内部材13は、2又に分岐した先の一対の脚部13a及び13bを有し、これら脚部13a及び13bがフレーム9の梁9bに固定されている。尚、脚部13a及び13bに跨った底面は、傾斜面13aa及び13baを成しており、エアノズル7で吹き飛ばされて第1案内部材13に落下した白茎のうち、傾斜面13aa又は13ba上に落下したものは当該傾斜面13aa又は13baに沿って左右いずれかの脚部13a又は13bまで滑り、そこから落下する一方、傾斜面13aa又は13baより側方に落下したものは直に脚部13a又は13bから落下する。
【0040】
このように、第1案内部材13が、左右の脚部13a及び13bを有した2又形状とされることにより、図8で示すように、CCDカメラ4の撮像範囲(同図中斜線で示した部分)を回避した形状とすることができ、本実施形態の如くシュートが上下2段に亘って配設され、且つ、案内部材がCCDカメラとシュートとの間に位置する場合であっても、常に正確に色彩選別することができる。
【0041】
一方、第2案内部材14は、エアノズル8で吹き飛ばされた白茎を振動コンベア16の部位16aに案内しつつ落下させるもので、第2シュート2の下方から部位16aまで延びる略板状のもので構成されている。尚、本実施形態においては、第2シュート2の下方に更なる別途のシュートが形成されておらず、そのシュートの直下における撮像範囲が存在しないので、第1案内部材13の如き撮像範囲を回避した形状とする必要がない(即ち、単なる板材による案内で十分)のである。
【0042】
上記構成の茶葉の色彩選別機によれば、ホッパ10に供給された茶葉は、振動フィーダ11を介して第1シュート1の上部に至り、そこから各凹溝1aに沿って流れることとなり、当該第1シュート1の下部から落下する。その際、蛍光灯5により照らされた撮像範囲をCCDカメラ3が撮像し、デジタル画像を得るとともに、その画像データを判定手段12に送信する。
【0043】
かかる判定手段12において、落下中の茶葉が白茎でないと色彩判定した場合、エアノズル7の停止状態を維持する一方、白茎であると色彩判定した場合、エアノズル7を駆動させ、当該落下中の茶葉にエアを吹き付ける。このとき、判定手段12のしきい値は、予め標本Tに基づく補正が行われているため、誤判定が回避される。
【0044】
判定手段12により、レンズ収差を考慮した判定により白茎とされたものは、エアを吹き付けられて吹き飛ばされ、他のものとは落下軌跡を異ならせて、第1案内部材13に落下する。尚、エアが吹き付けられない茶葉は、そのまま落下して第2シュート2を流れることとなる。
【0045】
第1案内部材13内に落下した白茎は、傾斜面13aa、13baを滑って、又は直に左右の脚部13a又は13bに至り、そこから振動コンベア16の部位16bに落下する。一方、第2シュート2を流れる茶葉は、その下部から落下する過程において、上記と同様、蛍光灯6により照らされつつCCDカメラ4で撮像される。このとき、既述の如く、CCDカメラ4の撮像範囲は、第1案内部材13によって妨げられず、良好な撮像を行うことができる。
【0046】
CCDカメラ4で得られたデジタル画像のデータは判定手段12に送信され、上記と同様の色彩判定が行われる。このときの判定手段12におけるしきい値も、予め標本Tに基づく補正が行われているため、誤判定が回避されている。そして、判定手段12で白茎でないと判定された場合、エアノズル8の停止状態は維持され、その茶葉はそのまま落下して振動コンベア15に至る一方、白茎であると判定された場合、エアノズル8が駆動され、エアを吹き付けることによって、その白茎を第2案内部材14に吹き飛ばし、振動コンベア16の部位16aに落下させる。
【0047】
振動コンベア15に落下した良品と判定された茶葉は、製茶工程における次工程に搬送されることとなり、振動コンベア16に落下した白茎と判定された茶葉は所定の場所へ搬送されることとなる。このように、色彩選別後のものを各々振動コンベア上に落下させているので、その後の搬送作業を容易とすることができる。尚、かかる振動コンベアに代えて、回収箱を第1案内部材13又は第2案内部材14下に配設し、それぞれを回収するよう構成してもよい。
【0048】
本実施形態によれば、上下2段に亘って第1シュート1及び第2シュート2を配設し、2回の色彩選別を行うよう構成したので、より精度良く茶葉から白茎を選別することができる。また、第1シュート1落下時に白茎であると判定されたものは、振動コンベア16の部位16bに落下し、第2シュート2落下時に白茎であると判定されたものは、振動コンベア16の部位16aに落下するよう構成されているので、選別精度の悪い方(通常は1回目に選別された部位16bに落下したもの)を更にホッパ10に供給し、選別精度を向上させることができる。
【0049】
次に、本発明に係る第2実施形態について説明する。
本実施形態に係る茶葉の色彩選別機は、上記第1実施形態と同様、茶葉中の白茎(所定色彩を有するもの)を選別して取り除くためのものであり、図1に示すように(外観は、第1実施形態と略等しい)、床面に固設されたフレーム9と、上下2段に配設された第1シュート1及び第2シュート2と、CCDカメラ3及び4と、光源としての蛍光灯5及び6と、エアノズル7及び8と、判定手段12(図9参照)と、制御手段(同図9参照)、第1案内部材13及び第2案内部材14とから主に構成されている。尚、第1実施形態と同様の構成のものには、同一の符号を付すとともに、その詳細については割愛する。
【0050】
判定手段12は、第1実施形態と同様、レンズ収差を考慮してしきい値が調整され、CCDカメラ3及び4で得られた画像(即ち、撮像範囲の画素)の色彩に基づき、撮像した茶葉が白茎であるか否か(被撮像物が所定色彩を有するものであるか否か)を判定するものである。尚、この判定手段12を、レンズ収差を考慮した調整がなされていない(しきい値が標本Tの撮像に基づき調整されていない)ものとしてもよい。
【0051】
また、判定手段12は、図10に示すように、CCDカメラ3、4及びエアノズル7、8と電気的に接続されており、CCDカメラ3、4の画像データが送信される一方、エアノズル7、8の駆動制御を行い得るよう構成されている。即ち、CCDカメラ3、4で撮像した被撮像物が白茎であると判定された場合、エアノズル7又は8を駆動させ、吹き飛ばして落下軌跡を異ならせることにより選別可能とされているのである。
【0052】
更に、判定手段12には、制御手段17が電気的に接続されており、かかる制御手段17には蛍光灯5、6(厳密には、これら蛍光灯5、6に電圧を印加するための調整器等)が接続されている。これにより、茶葉の色彩選別に先立ち、CCDカメラ3、4で標本T(第1実施形態と同様のもの)を撮像して得られた画像における画素毎の出力電圧に基づいて、蛍光灯5、6の光の照射量(照度)を自動的に調整することができる。以下に、制御手段17における照度の自動調整について説明する。
【0053】
図11に示すように、まず所定の基準レベル(飽和しないレベル)を設定(S1)しておき、標本Tの撮像(S2)を行う。この撮像により得られた画像における出力電圧と設定された基準レベルとを比較(S3)し、これらが等しい(許容誤差範囲内)か、或いは等しくないか(許容誤差範囲を超えた)かを判定(S4)する。
【0054】
出力電圧が基準レベルと等しい場合は、調整作業を終了する一方、等しくない場合は、蛍光灯5、6に印加される電圧が制御される(S5)。かかる電圧制御工程では、出力電圧が基準レベルより高い場合は、蛍光灯5、6の光の照射量を低くすべく電圧を所定量下げる一方、出力電圧が基準レベルより低い場合は、蛍光灯5、6の光の照射量を高くすべく電圧を所定量上げる制御が行われる。
【0055】
上記の如く制御された電圧にて蛍光灯5、6に電力供給し、その時の電圧が予め設定された上限値より高いか否かを判定する(S6)。当該電圧が上限値より高い場合は、蛍光灯5、6の交換を促すための交換表示を行い(S8)、上限値より低い場合は、予め設定された下限値より低いか否かを判定する(S7)。そして、当該電圧が下限値より低い場合は、別途の調整が必要であることを表示(S9)する一方、下限値より高い場合は、再び基準レベルと出力電圧とが等しいか否かの判定(S4)が行われる。以下の工程は、上記と同様である。
【0056】
尚、蛍光灯5、6に印加する電圧を高くすると、管電流が増加し、光の照射量が増加するとともに、印加する電圧を低くすると、管電流が減少し、光の照射量が減少する。また、別途のタイマ等を用いて、上記自動調整を例えば1時間毎に行うようにするのが好ましい。
【0057】
上記の如く、制御手段17によって蛍光灯5、6の調整を行うようにすれば、自動的に撮像範囲に照射される光の照射量が常時一定とすることができ、作業者の煩雑な調整作業を省略しつつ色彩選別精度を更に向上させることができる。尚、制御手段17による制御に代えて、作業者がボリューム等でマニュアル調整するようにしてもよい。
【0058】
以上、本実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば判定手段で白茎と判定しなかったものをエアノズルで吹き飛ばし、白茎と選別するものとしてもよい。但し、本実施形態の如く白茎を吹き飛ばして選別するものの方が、装置のランニングコストや茶葉の品質維持の観点からは好ましい。即ち、茶葉中に含まれる少量の白茎を吹き飛ばす方が、その他大量の良品の茶葉を吹き飛ばすよりもエアノズルの駆動回数が断然少ないため、装置のランニングコストが低減できるとともに、良品の茶葉を吹き飛ばした場合、茶葉の剣先が折れてしまうなど品質上の不具合が生じるので、不良品である白茎を吹き飛ばした方が好ましいのである。
【0059】
更に、茶葉の色彩選別に先立ち設置される標本Tは、CCDカメラに対向する面が同一の色彩となっていれば、他の構成のもの(ブロック状のものやフレームに固定されたステー等)としてもよい。また、標本Tの色彩は、着色材の色であっても標本自体の色であってもよく、同一色彩を有した粘着テープ等を板材等に貼付して構成してもよい。更に、標本の設置位置は、CCDの撮像範囲であれば色彩選別機内のいずれの箇所であってもよい。
【0060】
勿論、選別すべき対象物も本実施形態の如く茶葉中に含まれた白茎に限らず、黄葉、赤棒又は異物など所定色彩を有した種々のものを判定手段にて判定し、エアノズルで取り除くようにしてもよい。この場合、CCDカメラの感度設定を適宜変更する必要があるが、茶葉中に含まれた白茎の他、所謂不良品及び異物を選別除去することができる。
【0061】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、茶葉の色彩選別に先立ち、CCDカメラの撮像範囲に同一の色彩を有する標本を設置し、該標本をCCDカメラで撮像して判定手段又は光源を調整するので、レンズ収差をも考慮した判定手段による判定を行うことにより色彩選別精度を向上させることができ、また、茶葉の色彩選別に先立ち、CCDの撮像範囲に照射される光の照射量を客観的に求めることにより色彩選別精度を向上させることができる。
【0062】
請求項2の発明によれば、CCDカメラで標本を撮像して得られた画像における画素毎の出力電圧に基づいてしきい値が調整されるので、レンズ収差をも考慮した判定手段による判定を行うことにより色彩選別精度を向上させることができる。
【0063】
請求項3の発明によれば、CCDカメラの撮像範囲における中央から外側に亘る出力電圧の減少割合を補正データとして用い、しきい値を補正するので、より素早くしきい値の調整を行うことができる。
【0064】
請求項4の発明によれば、CCDカメラで標本を撮像して得られた画像における画素毎の出力電圧に基づいて光源の照射量が調整されるので、CCDの撮像範囲に照射される光の照射量を客観的に求めることにより色彩選別精度を向上させることができる。
【0065】
請求項5の発明によれば、標本の撮像により得られた画像における画素毎の出力電圧と所望に設定された基準レベルとを比較するとともに、出力電圧が基準レベルより高い場合は、光源の照射量を低くするとともに、出力電圧が基準レベルより低い場合は、光源の照射量を高くするよう制御する制御手段を具備したので、自動的に撮像範囲に照射される光の照射量が常時一定とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る茶葉の色彩選別機を示す側面図
【図2】本発明の第1実施形態に係る茶葉の色彩選別機におけるシュート(第1シュート、第2シュート及びそれぞれの下方に配設されたエアノズル)を示す斜視図
【図3】本発明の第1実施形態に係る茶葉の色彩選別機における判定手段及びそれと接続された主な構成要素を示すブロック図
【図4】本発明の第1実施形態に係る茶葉の色彩選別機において、CCDカメラにより得られた画像の出力電圧を示すグラフ
【図5】本発明の第1実施形態に係る茶葉の色彩選別機において用いられる標本Tを示す模式図
【図6】図4におけるしきい値を調整した後の状態を示すグラフ
【図7】本発明の第1実施形態に係る茶葉の色彩選別機における案内部材を示す左側面図及び正面図
【図8】本発明の第1実施形態に係る茶葉の色彩選別機における案内部材の脚部及びその間に位置するCCDカメラの撮像範囲を示す模式図
【図9】本発明の第1実施形態に係る茶葉の色彩選別機において撮像された画像の画素を示す模式図
【図10】本発明の第2実施形態に係る茶葉の色彩選別機における判定手段及びそれと接続された主な構成要素を示すブロック図
【図11】本発明の第2実施形態に係る茶葉の色彩選別機における光源の照度調整工程を示すフローチャート
【符号の説明】
1…第1シュート
2…第2シュート
3、4…CCDカメラ
5、6…蛍光灯(光源)
7、8…エアノズル
9…フレーム
10…ホッパ(供給手段)
11…振動フィーダ(供給手段)
12…判定手段
13…第1案内部材
14…第2案内部材
15、16…振動コンベア
17…制御手段
S…出力電圧
H…しきい値(調整前)
H’…しきい値(調整後)
T…標本
Claims (5)
- 所定角度傾斜して配設されるとともに、その上部から下部に茶葉を整列させつつ流し得るシュートと、
該シュート上に茶葉を供給すべく当該シュートの上部に茶葉を落下させる供給手段と、
前記シュートの下部から落下する茶葉を撮像し画像を得るCCDカメラと、
該CCDカメラの撮像範囲に対し光を照射する光源と、
該CCDカメラで得られた画像の色彩に基づき、被撮像物が所定色彩を有するものであるか否かを判定する判定手段と、
該判定手段により所定色彩を有するものであると判定されたものを吹き飛ばし、前記シュートによる落下軌跡とは異なる軌跡で落下させるエアノズルと、
を備え、茶葉中の所定色彩を有するものを選別して取り除くための茶葉の色彩選別機であって、
茶葉の色彩選別に先立ち、前記CCDカメラの撮像範囲に同一の色彩を有する標本を設置し、該標本を前記CCDカメラで撮像して前記判定手段又は光源を調整することを特徴とする茶葉の色彩選別機。 - 前記判定手段は、前記CCDカメラで得られた画像における画素毎の出力電圧と所望に設定されたしきい値とを比較することにより、被撮像物が所定色彩を有するものであるか否かを判定するとともに、前記CCDカメラで前記標本を撮像して得られた画像における画素毎の出力電圧に基づいて前記しきい値が調整されることを特徴とする請求項1記載の茶葉の色彩選別機。
- 前記CCDカメラの撮像範囲における中央から外側に亘る出力電圧の減少割合を補正データとして用い、前記しきい値を補正することを特徴とする請求項2記載の茶葉の色彩選別機。
- 前記光源は、前記CCDカメラで前記標本を撮像して得られた画像における画素毎の出力電圧に基づいて照射量が調整されることを特徴とする請求項1記載の茶葉の色彩選別機。
- 前記標本の撮像により得られた画像における画素毎の出力電圧と所望に設定された基準レベルとを比較するとともに、前記出力電圧が基準レベルより高い場合は、前記光源の照射量を低くするとともに、前記出力電圧が基準レベルより低い場合は、前記光源の照射量を高くするよう制御する制御手段を具備したことを特徴とする請求項4記載の茶葉の色彩選別機。
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-
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