JP2004015563A - 圧電振動子およびその製造方法 - Google Patents

圧電振動子およびその製造方法 Download PDF

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Masayuki Kikushima
菊島 正幸
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Abstract

【課題】小型化の可能な圧電振動子の提供を目的とする。
【解決手段】音叉型圧電振動片20とその音叉型圧電振動片を取り囲む中間板60とを一体形成しつつ、音叉型圧電振動片20の両表面を中間板60の両表面より内側に配置し、中間板60の両表面に底板44および蓋板48を接合した。また、音叉型圧電振動片20に形成された励振電極に導通する接続電極と、底板44に形成された外部電極に導通するマウント電極とを、金属バンプを介して導通可能とした。
【選択図】  図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧電振動子およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電気回路において一定の周波数を得るため、圧電振動子が広く利用されている。図6に圧電振動子の説明図を示す。同図(1)は、(2)のE−E線における平面断面図であり、同図(2)は、(1)のD−D線における側面断面図である。圧電振動子101は、パッケージ140の内部に圧電振動片120を実装したものである。
【0003】
一般に、電気回路において比較的低周波の周波数を得るには、音叉型の圧電振動片が使用される。音叉型圧電振動片120は、基部122から2本の振動腕126を延設し、その振動腕に励振電極(不図示)を形成したものである。この音叉型圧電振動片120は、その基部122がパッケージ140に固着されて支持されるので、その支持部124には接続電極(不図示)が形成され、その接続電極から上記励振電極に通電可能とされている。
【0004】
一方、パッケージ140にはキャビティ142が形成されている。また、パッケージ140の底板144の上面には、外部電極158と導通するマウント電極154が形成されている。そして、このマウント電極154の上面に導電性接着剤156を塗布し、音叉型圧電振動片120の支持部を実装している。さらに、キャビティ142上方の開口部に蓋板148を装着し、キャビティ内部を真空に保持している。
【0005】
マウント電極154は、タングステンメタライズの表面に、NiメッキおよびAuメッキ等を施したものである。なお、タングステンメタライズをスクリーン印刷方式等によって厚塗りすることにより、マウント電極154の高さを確保している。これにより、圧電振動子101に衝撃力等が作用した場合に、撓んだ音叉型圧電振動片120が、底板144に当接して破損するのを防止している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
近年、圧電振動子が使用される通信機器等は小型化され、これにともなって圧電振動子の小型化が強く要求されている。
ところが、上述した従来技術では、タングステンメタライズをスクリーン印刷方式等により厚塗りしてマウント電極154を形成するので、マウント電極154の上面が山状に形成される。そして、その上面に音叉型圧電振動片120を実装すると、時間の経過とともにマウント電極154の上面に沿って音叉型圧電振動片が傾倒し、その先端部が下降する(先端部がお辞儀をする)現象が発生する。そこで、図7に示すように、あらかじめ音叉型圧電振動片120を上向きに実装しておき、先端部が下降しても音叉型圧電振動片が水平となるようにしている。
【0007】
しかし、音叉型圧電振動片120の先端部の下降量にはばらつきが存在する。その場合でも、衝撃力等により撓んだ音叉型圧電振動片120が、底板144に当接して破損するのを防止するためには、音叉型圧電振動片の上下方向におけるキャビティ142のクリアランスを広く確保する必要がある。したがって、パッケージ140が大型化して、圧電振動子の小型化が困難になるという問題がある。
本発明は上記問題点に着目し、小型化が可能な圧電振動子およびその製造方法の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る圧電振動子は、圧電振動片の両表面を、前記圧電振動片を取り囲む中間板の両表面より内側に配置しつつ、前記圧電振動片および前記中間板を一体形成し、前記中間板の両表面に底板および蓋板を接合して形成した構成とした。
【0009】
この場合、圧電振動片は中間板と一体形成されているので、時間の経過とともに圧電振動片の先端部が下降することがなく、さらに圧電振動片と底板および蓋板とのすき間を精度良くコントロールすることができる。したがって、圧電振動片と底板および蓋板とのクリアランスを必要最小限度に設定することが可能となり、圧電振動子を小型化することができる。一方、中間板の両表面を圧電振動片の両表面より外側に配置したので、底板および蓋板に圧電振動片の逃げ加工を施す必要がなく、底板および蓋板には平板を使用することが可能である。したがって、製品コストを削減することができる。
【0010】
また、前記圧電振動片に形成された励振電極に導通する接続電極と、前記底板に形成された外部電極に導通するマウント電極とを、金属バンプを介して導通可能としてもよい。また、前記圧電振動片に形成された励振電極に導通する接続電極と、前記底板に形成された外部電極に導通するマウント電極とを、ワイヤを介して導通可能としてもよい。これにより、従来のようにマウント電極上に圧電振動片を実装しなくても、外部電極から励振電極に対して通電可能とすることができる。
【0011】
また、前記中間板と前記底板および前記蓋板との接続部分における、前記中間板ならびに前記底板および前記蓋板の表面に、金属被膜を形成し、対向する前記金属被膜の間に金属ロウ材を配置して、前記中間板の両表面に前記底板および前記蓋板を接合してもよい。これにより、材料の異なる中間板と底板および蓋板とを接合することが可能となり、圧電振動子の内部を気密封止することができる。
【0012】
また、圧電振動片は、基部から振動腕を延設し、その振動腕に励振電極を形成した、音叉型圧電振動片であってもよい。音叉型圧電振動片は長い振動腕を有するため、その先端部とパッケージとの当接を回避すべく、圧電振動子のパッケージが大型化する傾向にある。そこで、上述した本発明を採用すれば、圧電振動片と底板および蓋板とのクリアランスを必要最小限度に設定することが可能となり、圧電振動子を小型化することができる。
【0013】
一方、本発明に係る圧電振動子の製造方法は、圧電振動片の両表面を、前記圧電振動片を取り囲む中間板の両表面より内側に配置しつつ、前記圧電振動片および前記中間板を一体形成する工程と、前記圧電振動片に電極を形成するとともに、前記中間板と前記底板および前記蓋板との接合部分における前記中間板の両表面に、電極材料被膜を形成する工程と、前記中間板と底板および蓋板とを接合する工程と、を有する構成とした。この場合、圧電振動片と底板および蓋板とのクリアランスが、圧電振動片が中間板の両表面より内側への段差により確保されることから、圧電振動片の固定のための調整作業工程を組み込まなくてよく、製造工程の合理化によるコスト削減が可能となる。さらに、圧電振動片の電極形成と同時に、中間板の両表面に金属被膜を形成するので、製造工程が簡略化され、製造コストを削減することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明に係る圧電振動子およびその製造方法の好ましい実施の形態を、添付図面に従って詳細に説明する。なお以下に記載するのは本発明の実施形態の一態様にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0015】
図1および図2に、実施形態に係る圧電振動子の説明図を示す。図1は分解図であり、図2(1)は(2)のB−B線における平面断面図であり、図2(2)は(1)のA−A線における側面断面図である。なお、図2(1)では音叉型圧電振動片の電極を記載しているが、図1および図2(2)では電極の記載を省略している。本実施形態に係る圧電振動子1は、音叉型圧電振動片20とその音叉型圧電振動片を取り囲む中間板60とを一体形成しつつ、中間板60の両表面を音叉型圧電振動片20の両表面より外側に配置し、中間板60の両表面に底板44および蓋板48を接合したものである。
【0016】
音叉型圧電振動片20は、水晶等の圧電材料で構成し、基部22から2本の振動腕26を延設して形成する。音叉型圧電振動片20の表面には、Au/Cr膜からなる電極を形成する。具体的には、図2(1)に示すように、振動腕26に励振電極36を形成し、基部22に接続電極34を形成して、接続電極から励振電極に通電可能とする。一方、音叉型圧電振動片20を取り囲むように、圧電振動子1のパッケージ40を構成する中間板60を形成する。中間板60も水晶等の圧電材料で構成し、支持部24を介して音叉型圧電振動片20と一体的に形成する。ここで、図1および図2(2)に示すように、音叉型圧電振動片20の両平面20aが、中間板60の両表面60aより、厚さ方向内側に位置するように形成する。一例を挙げれば、中間板60の厚さを100μm程度に形成し、その両平面60aより5〜10μm程度内側に、音叉型圧電振動片20の両平面20aを位置させる。
【0017】
図3に、図2(2)のC部の拡大図を示す。音叉型圧電振動片20の接続電極34の表面には、金属バンプ56を形成する。金属バンプ56は、Au材料等で構成する。金属バンプ56の高さは、音叉型圧電振動片20の表面から中間板60の表面までの高さと同程度か、それ以上の高さに形成する。一方、中間板60の表面には、金属被膜64,68を形成する。この金属被膜は、上述した電極と同様に、水晶等からなる中間板60との密着性に優れたCr膜の下層と、耐蝕性に優れたAu膜の上層との2層構造とする。なお、Cr膜の代わりにNi膜等を、Au膜の代わりにAg膜等を使用することも可能である。この金属被膜64,68は、中間板表面の全周にわたって形成する。
【0018】
一方、中間板60の下面に接合する底板44は、セラミック材料やガラス材料などにより構成する。なお、中間板60の材料と熱膨張係数が同等の材料で底板を構成するのが好ましい。また、底板44の表面には、タングステンあるいはモリブデン等をメタライズ(シルク印刷)し、さらにNiメッキおよびAuメッキの3層構造からなる電極パターンを形成する。具体的には、底板44の上面にマウント電極54を形成し、底板44の下面に外部電極58を形成し、スルーホール57を介して外部電極からマウント電極に通電可能とする。一方、中間板60との接続部分における底板44の表面には、金属被膜45を形成する。この金属被膜45は、上述した電極と同様の構造とする。もっとも、他の金属材料からなる被膜を形成してもよい。そして、中間板60の金属被膜64との間に、低融点の金属ロウ材65を配置して、中間板60と底板44とを接合する。具体的には、融点が270℃程度のAu/Sn合金等を、金属ロウ材65として使用する。
【0019】
この底板44を中間板60に接合することにより、底板に形成したマウント電極54が、中間板の接続電極34上に形成した金属バンプ56に当接する。これにより、金属バンプ56を介してマウント電極54と接続電極34とが導通可能となり、外部電極58から励振電極(不図示)に対して通電可能となる。なお、金属バンプは底板44のマウント電極54上に形成してもよい。ところで、金属バンプ56が接続電極34に当接することにより、音叉型圧電振動片20が上向きに屈曲するおそれがある。そこで、音叉型圧電振動片20を挟んで金属バンプ56の反対側にも、ダミーの金属バンプ(不図示)を形成して、後述する蓋板に当接させるのが好ましい。これにより、音叉型圧電振動片20が屈曲するおそれがなくなるとともに、製造時に音叉型圧電振動片の表裏を誤って組み付けることがなくなる。
【0020】
一方、金属バンプの代わりにワイヤを介して、マウント電極と接続電極とを導通可能としてもよい。図4にワイヤを使用した圧電振動子の分解図を示す。この場合、音叉型圧電振動片220の基部222に凹部223を形成し、その底面上に接続電極を形成する。また、底板244の中央部付近にマウント電極254を形成する。そして、接続電極とマウント電極とをワイヤボンディングし、ワイヤ256を介して両者の導通を確保する。ワイヤ256はAu材料等で構成する。なお、マウント電極254を底板244の中央部付近に形成したのは、音叉型圧電振動片220の基部222より振動腕226の近傍に、ボンディングツールを挿入するスペースを確保しやすいからである。したがって、基部222の周囲にボンディングツールを挿入するスペースが確保できれば、図1と同様に、底板の端部付近にマウント電極を形成することができる。
【0021】
また、図3に示すように、中間板の上面に接合する蓋板48は、ガラス材料や金属材料、セラミック材料などにより構成する。蓋板48も、中間板60の材料と熱膨張係数が同等の材料で構成するのが好ましい。なお、蓋板48をガラス材料で構成した場合には、後述するように、圧電振動子1の内部に封入した音叉型圧電振動片にレーザを照射して、周波数調整を行うことができる。一方、中間板60との接続部分における蓋板48の表面には、金属被膜49を形成する。この金属被膜49は、ガラス等からなる蓋板48との密着性に優れたNi膜の下層と、耐蝕性に優れたAu膜の上層との2層構造とする。もっとも、他の金属材料からなる被膜を形成してもよい。そして、中間板60の金属被膜68との間に、上述した金属ロウ材69を配置して、中間板60と蓋板48とを接合する。
【0022】
以上により、圧電振動子1のパッケージ40が形成されるとともに、圧電振動子1の内部に音叉型圧電振動片20が封入される。そして、金属ロウ材により圧電振動子1の内部は真空状態に気密封止される。
【0023】
次に、上述した圧電振動子の具体的な製造方法について、図5のフローチャートを用いて説明する。本実施形態に係る圧電振動子の製造方法は、図5に示すように、音叉型圧電振動片を一体形成した中間板、底板、ならびに蓋板を並行して形成し、最後にこれらを組み合わせて圧電振動子を完成させる。
【0024】
音叉型圧電振動片を一体形成した中間板(以下、中間板等と呼ぶ)の形成(S350)は、以下の手順で行う。なお、中間板等は、水晶等の圧電材料のウエハ(圧電基板)において複数個を同時に形成する。まず、図2(1)に示す中間板60等の外形をエッチングで形成するとともに(S352)、音叉型圧電振動片20の表面をハーフエッチングする(S354)。具体的には、まず圧電基板の表面全体にAu/Cr膜等の耐蝕膜を形成する。次に、耐蝕膜の表面全体にレジストを塗布し、露光・現像して、中間板等の形状以外の部分におけるレジストを除去する。そして、残したレジストをマスクとして、耐蝕膜をエッチングする。その後、マスクに使用したレジストは除去する。次に、圧電基板の表面全体に再度レジストを塗布し、露光・現像して、音叉型圧電振動片の形状部分のレジストを除去する。以上の準備の後に、残っている耐蝕膜をマスクとして圧電基板をエッチングし、中間板等の外形形状を成形する。次に、残っている中間板の表面のレジストをマスクとして、音叉型圧電振動片の表面の耐蝕膜をエッチングする。そして、残したレジスト膜と耐蝕膜をマスクとして、音叉型圧電振動片の表面をハーフエッチングする。
【0025】
次に、図3に示す音叉型圧電振動片20の表面に接続電極34等の各電極を形成するとともに、中間板60の両表面に電極材料による金属被膜64,68を形成する(S356)。具体的には、まず中間板等の表面全体にAu/Cr膜等の電極材料被膜を形成する。次に、中間板等の表面全体にレジストを塗布し、露光・現像して、音叉型圧電振動片の電極形状および中間板の金属被膜形状以外の部分におけるレジストを除去する。そして、残したレジストをマスクとして、電極材料被膜をエッチングする。その後、レジストを除去すれば、音叉型圧電振動片20の電極および中間板60の金属被膜64,68が同時に完成する。このように、音叉型圧電振動片の電極形成と同時に、中間板の金属被膜形成を行うことにより、製造コストを削減することができる。その後、音叉型圧電振動片の振動腕の先端部に、周波数調整用の錘付けを行う(S358)。
【0026】
次に、図3に示す音叉型圧電振動片20の接続電極34の表面に、金属バンプ56を形成する(S360)。具体的には、バンプ56の形成部分以外の部分をマスクして、Au材料等によりメッキバンプを形成する。また、ワイヤボンダを用いてスタッドバンプを形成してもよい。以上の各工程を経て、圧電基板において複数の中間板60等が完成する。そこで、圧電基板から各中間板60等を分離する(S362)。各中間板60等の分離は、ダイシング等によって行う。
【0027】
一方、中間板等の形成と並行して、図3に示す底板44の形成(S370)および蓋板48の形成(S380)を行う。底板44は、セラミックシート等において複数個を同時に形成する。まず、マウント電極54と外部電極58とを導通するためのスルーホール57を、底板44に形成する(S372)。次に、底板44の表面にマウント電極54等の電極パターンを形成するとともに、中間板60との接続部分における底板44の表面に金属被膜45を形成する(S374)。具体的には、タングステンあるいはモリブデン等をメタライズ(シルク印刷)し、さらにNiメッキおよびAuメッキの3層構造からなる金属皮膜45を形成する。次に、形成された金属被膜45の表面に、金属ロウ材65を配置する(S376)。金属ロウ材65の配置は、スクリーン印刷方式等によって行う。以上の各工程を経て、セラミックシートにおいて複数の底板44が完成する。そこで、セラミックシートから各底板44を分離する(S378)。各底板44の分離は、ダイシング等によって行う。なお、ステップ376の金属ロウ材の配置と、ステップ378のダイシングとは、逆の順序で行ってもよい。
【0028】
また、蓋板48は、ガラス基板等において複数個を同時に形成する。まず、中間板60との接続部分における蓋板48の表面に、金属被膜49を形成する(S382)。具体的には、蓋板48における金属被膜49の形成部分以外の部分をマスクして、NiメッキおよびAuメッキを施す。次に、形成された金属被膜49の表面に、金属ロウ材69を配置する(S384)。金属ロウ材69の配置は、スクリーン印刷方式等によって行う。以上の各工程を経て、ガラス基板において複数の蓋板48が完成する。そこで、ガラス基板から各蓋板48を分離する(S386)。各蓋板48の分離は、ダイシング等によって行う。なお、ステップ384の金属ロウ材の配置と、ステップ386のダイシングとは、逆の順序で行ってもよい。
【0029】
次に、図3に示す中間板60の両表面に、底板44および蓋板48を接合する(S390)。具体的には、まず中間板60ならびに底板44および蓋板48を、真空チャンバ内に配置する。次に、中間板60の両表面に、底板44および蓋板48を配置する。そして、底板44および蓋板48を中間板60に押し当てつつ、加熱して金属ロウ材を溶融させ、中間板60ならびに底板44および蓋板48の表面に形成した金属被膜を相互に接合する。以上により、圧電振動子1の内部が真空状態に気密封止される。なお、底板44または蓋板48をガラス材料で構成した場合には、中間板60に対して陽極接合することが可能である。この場合、底板44または蓋板48に金属被膜を形成する必要はなく、また接合部分に金属ロウ材を配置する必要もないため、製造コストを削減することができる。
【0030】
なお、以上では、中間板60ならびに底板44および蓋板48を個片に分離した後に接合する方法について述べたが、複数の中間板60を形成した圧電基板に対し、複数の底板44を形成したセラミックシート、および複数の蓋板48を形成したガラス基板を接合して、複数の圧電振動子を同時に形成し、その後に各圧電振動子に分離してもよい。この場合には、微少な個片を取り扱う必要がないので、製造工程が簡略化され、製造コストを削減することができる。
【0031】
次に、圧電振動子の周波数調整を行う(S392)。一般に、音叉型圧電振動片の共振周波数は、パッケージに実装することによって変動するので、実装後の音叉型圧電振動片に対して周波数調整を行うことが望ましい。この点、蓋板をガラス材料で構成すれば、圧電振動子の内部の音叉型圧電振動片に対し、レーザを照射して周波数調整を行うことができる。具体的には、まず図3に示す圧電振動子1の外部電極58から、音叉型圧電振動片20の励振電極(不図示)に通電し、圧電振動子の共振周波数を測定する。次に、共振周波数の測定値と目標値とを比較し、周波数調整量を決定する。そして、ガラス製の蓋板48を通してレーザを照射し、音叉型圧電振動片の振動腕の先端部に形成した錘を除去する。なお、レーザの照射時間と錘の除去量との関係、および錘の除去量と周波数調整量との関係をあらかじめ把握しておき、上記で決定した周波数調整量に対応する時間だけレーザの照射を行う。その後、圧電振動子の周波数を再度測定し、目標値に一致しているか確認する。以上により、圧電振動子が完成する。
【0032】
以上に詳述した本実施形態に係る圧電振動子により、圧電振動子を小型化することができる。この点、従来の圧電振動子では、パッケージの底板の表面に、タングステンメタライズをスクリーン印刷方式等により厚塗りしてマウント電極を形成し、その上面に音叉型圧電振動片を実装していたので、時間の経過とともに音叉型圧電振動片の先端部が下降する現象が発生していた。しかも、音叉型圧電振動片の先端部の下降量にはばらつきがあり、このばらつきを考慮してパッケージのクリアランスを広く確保する必要があったので、圧電振動子の小型化が困難であった。
【0033】
しかし、本実施形態に係る圧電振動子では、音叉型圧電振動片とそれを取り囲む中間板とを一体形成しつつ、中間板の両表面を音叉型圧電振動片の両表面より外側に配置し、中間板の両表面に底板および蓋板を接合する構成とした。この場合、音叉型圧電振動片は中間板と一体形成されているので、時間の経過とともに音叉型圧電振動片の先端部が下降することがなく、さらに音叉型圧電振動片と底板および蓋板とのすき間を精度良くコントロールすることができる。したがって、音叉型圧電振動片と底板および蓋板とのクリアランスを必要最小限度に設定することが可能となり、圧電振動子を小型化(薄型化)することができる。
【0034】
また、音叉型圧電振動片は中間板と一体形成されているので、マウント電極に実装するための基部の面積を広く確保する必要がない。したがって、平面寸法においても圧電振動子を小型化することができる。さらに、中間板の両表面を音叉型圧電振動片の両表面より外側に配置したので、底板および蓋板に音叉型圧電振動片の逃げ加工を施す必要がなく、底板および蓋板には平板を使用することが可能である。したがって、製品コストを削減することができる。加えて、底板および蓋板で中間板をサンドイッチする構造としたので、圧電振動子の強度が高くなり、信頼性の高い圧電振動子を提供することができる。
【0035】
【発明の効果】
圧電振動片の両表面を、前記圧電振動片を取り囲む中間板の両表面より内側に配置しつつ、前記圧電振動片および前記中間板を一体形成し、前記中間板の両表面に底板および蓋板を接合して形成した構成としたので、圧電振動子を小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る圧電振動子の分解図である。
【図2】実施形態に係る圧電振動子の説明図であり、(1)は(2)のB−B線における平面断面図であり、(2)は(1)のA−A線における側面断面図である。
【図3】図2のC部における拡大図である。
【図4】ワイヤを使用した圧電振動子の分解図である。
【図5】実施形態に係る圧電振動子の製造方法のフローチャートである。
【図6】従来技術に係る圧電振動子の説明図であり、(1)は(2)のE−E線における平面断面図であり、(2)は(1)のD−D線における側面断面図である。
【図7】圧電振動片を上向きに実装した場合の説明図であり、図6(2)のD−D線に相当する部分における側面断面図である。
【符号の説明】
1………圧電振動子、20………音叉型圧電振動片、20a………表面、22………基部、24………支持部、26………振動腕、34………接続電極、36………励振電極、40………パッケージ、44………底板、45………金属被膜、48………蓋板、49………金属被膜、54………マウント電極、56………金属バンプ、57………スルーホール、58………外部電極、60………中間板、60a………表面、64………金属被膜、65………金属ロウ材、68………金属被膜、69………金属ロウ材、101………圧電振動子、120………音叉型圧電振動片、122………基部、124………支持部、126………振動腕、140………パッケージ、142………キャビティ、144………底板、148………蓋板、154………マウント電極、156………導電性接着剤、158………外部電極、220………音叉型圧電振動片、222………基部、223………凹部、226………振動腕、244………底板、254………マウント電極、256………ワイヤ。

Claims (6)

  1. 圧電振動片の両表面を、前記圧電振動片を取り囲む中間板の両表面より内側に配置しつつ、前記圧電振動片および前記中間板を一体形成し、前記中間板の両表面に底板および蓋板を接合して形成したことを特徴とする圧電振動子。
  2. 請求項1に記載の圧電振動子において、
    前記圧電振動片に形成された励振電極に導通する接続電極と、前記底板に形成された外部電極に導通するマウント電極とを、金属バンプを介して導通可能としたことを特徴とする圧電振動子。
  3. 請求項1に記載の圧電振動子において、
    前記圧電振動片に形成された励振電極に導通する接続電極と、前記底板に形成された外部電極に導通するマウント電極とを、ワイヤを介して導通可能としたことを特徴とする圧電振動子。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の圧電振動子において、前記中間板と前記底板および前記蓋板との接続部分における、前記中間板ならびに前記底板および前記蓋板の表面に、金属被膜を形成し、
    対向する前記金属被膜の間に金属ロウ材を配置して、前記中間板の両表面に前記底板および前記蓋板を接合したことを特徴とする圧電振動子。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の圧電振動子において、前記圧電振動片は、基部から振動腕を延設し、その振動腕に励振電極を形成した、音叉型圧電振動片であることを特徴とする圧電振動子。
  6. 圧電振動片の両表面を、前記圧電振動片を取り囲む中間板の両表面より内側に配置しつつ、前記圧電振動片および前記中間板を一体形成する工程と、
    前記圧電振動片に電極を形成するとともに、前記中間板と前記底板および前記蓋板との接合部分における前記中間板の両表面に、電極材料被膜を形成する工程と、
    前記中間板と底板および蓋板とを接合する工程と、
    を有することを特徴とする圧電振動子の製造方法。
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