JP2006074567A - 圧電デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】 製品が小型化されても精度良く容易に製造することができ、特に、圧電振動片の電気的接合と、封止作業を同時に行うことで、大幅に生産性の向上を図ることができる圧電デバイス、とその製造方法を提供すること。
【解決手段】 ベース基体31と、前記ベース基体の上に積層固定された枠付きの圧電振動片32と、前記枠付き振動片の上に積層固定されたリッド33とを有しており、前記ベース基体には、その周縁部に沿って金属膜および封止材49と、この周縁部よりも内側で前記金属膜とほぼ同じ厚みとなるランド部52とが設けられていて、かつ前記封止材と、前記ランド部に設けられるバンプ53が、互いに近い融点である金属を用いて形成されている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、パッケージ内に圧電振動片を収容した圧電デバイスの改良に関する。
HDD(ハード・ディスク・ドライブ)、モバイルコンピュータ、あるいはICカード等の小型の情報機器や、携帯電話、自動車電話、またはページングシステム等の移動体通信機器において、圧電振動子や圧電発振器等の圧電デバイスが広く使用されている。
従来の圧電デバイスは、例えば、図14に示すように作成される(特許文献1参照)。
図14(a)において、圧電デバイス1は、パッケージ2内に、圧電振動片3を収容し、リッド4により気密に封止する構造である。
このため、先ず、パッケージ2と、圧電振動片3と、リッド4とを別々に製造する。
パッケージ2は、セラミックなどの圧電材料を成形して、内部に空間S1を形成し、貫通孔2bを設ける。そして、電極部2a,実装端子5,金属被覆部6等を導電パターンにより形成する。電極部2aは、図面の紙面の奥行き方向に、2つ並ぶように一対が形成される。これら導電パターンは、パッケージ2の成形後に、タングステンメタライズなどの導電ペーストを対応箇所に塗布し、焼成後にメッキを施すことで形成される。
また、パッケージ2の上端部には、リッド4を接合するための封止材7を所定の封止しろを形成するように配置する。
図14(b)に示すように、成形後に焼成したパッケージ2の電極部2a上に、導電性接着剤8を塗布して、圧電振動片3の端部を載置し、導電性接着剤8を乾燥硬化させることにより、パッケージ2の内部空間S1内に圧電振動片3を片持ち式に接合する。さらに、真空中でリッド4を封止材7にて気密に封止する。
次いで、必要に応じて、パッケージ2を加熱することにより、貫通孔2bを介して、内部空間S1内を脱ガスする。
最後に、貫通孔2bに金属封止材9を配置し(例えば、図示のパッケージ2の天地の方向を逆にして、貫通孔2bを上方に開口させ、上からボール状の金属封止材9を載置する)、レーザ光などを照射して、溶融させることにより貫通孔2b内に充填して孔封止をし、圧電デバイス1を完成させる。
特開2000−106515
ところが、図14のような製造方法においては、以下のような種々の問題がある。
先ず、図14の製造方法では、パッケージ2や圧電振動片3,リッド4をそれぞれ用意して、これらを接合する手法であり、圧電デバイス1の小型化が進むと、個々の部品の大きさも小さくなり、接合や、成形、導電パターンの形成などの精密な作業の困難性が大きくなる。
特に、パッケージ2内に形成した電極部2aの間隔等をきわめて近接させるための加工精度の確保が難しい。また、これらの電極部等について、短絡を生じないように導電性接着剤8を塗布する困難や、圧電振動片3の図示しない電極との位置合わせ、その片持ち構造における水平な姿勢を維持した接合など、多くの点で困難性が増大する。
すなわち、このような製造方法をとるためには、パッケージ2の内部空間S1は、圧電振動片3の上述した接合作業を実行するため、空間的な余裕が必要で、その分、小型化を阻害し、あるいは敢えて極端に空間を小さくすれば、圧電振動片の接合作業が極端に困難になり、完成度も下がり、不良の発生が増大する。
この点に関しては、パッケージ2の上端の部分を利用して、封止材7を配置する手法においても、同様の問題があり、十分な封止強度や封止性能を得るためには、パッケージ2を小さくするため、封止しろの幅を狭くすることには、限界がある。また、導電性接着剤8は、銀フィラーなどを含んでおり、そのため最低限の塗布面積を必要とし、圧電デバイス1のこれ以上の小型化には作業上の限界に来ている。
さらに、極めて小さな個々の部品を扱って、接合などの作業を、製品単位で行うので、生産性が悪く、大量生産に不向きである。
本発明は、以上の課題を解決するためになされたもので、製品が小型化されても精度良く容易に製造することができ、特に、圧電振動片の電気的接合と、封止作業を同時に行うことで、大幅に生産性の向上を図ることができる圧電デバイスを提供することを目的とする。
上述の目的は、第1の発明にあっては、ベース基体と、前記ベース基体の上に積層固定された枠付きの圧電振動片と、前記枠付き振動片の上に積層固定されたリッドとを有しており、前記ベース基体には、その周縁部に沿って金属膜および封止材と、この周縁部よりも内側で前記金属膜とほぼ同じ厚みとなるランド部とが設けられていて、かつ前記封止材と、前記ランド部に設けられるバンプとが、互いに近い融点である金属を用いて形成されている圧電デバイスにより、達成される。
第1の発明の構成によれば、圧電振動片を構成するものとして、枠付きの圧電振動片が使用されているので、枠の部分が圧電振動片を収容する容器ないしパッケージの一部となり、この部分がベースとリッドとで挟まれて固定される構造であるから、従来のように、箱状のパッケージの内側に、圧電振動片を片持ち式に固定するために必要とされる種々の作業が不要である。
すなわち、パッケージ内の電極部の短絡を避けて、導電性接着剤を微量塗布したり、圧電振動片の姿勢や向きを正しく位置合わせする等の精密で困難な作業を避けることができ、製造がきわめて容易である。しかも、パッケージの内面で圧電振動片の接合作業を行う必要がないことから、圧電振動片の収容スペースも、作業性を考慮してその分大きくしないで済み、小型化に有利である。
加えて、前記金属膜および封止材と、前記ランド部の厚みとが、ほぼ同じとされているので、前記リッドを前記枠付き振動子に接合する際に、隙間を生じることがない。しかも前記封止材と前記ランド部に設けられるバンプとを、互いに近い融点である金属を用いて形成しているので、前記枠付き振動片が、前記ランド部に対して、同じ加熱条件で接合できる。このように、リッド層の接合と各枠付き振動片の電気的接続を同時に行うことができるので、製造効率がきわめて良好となる。
かくして、製品が小型化されても精度良く容易に製造することができ、特に、圧電振動片の電気的接合と、封止作業を同時に行うことで、大幅に生産性の向上を図ることができる圧電デバイスの製造方法を提供することができる。
第2の発明は、第1の発明の構成において、前記金属膜が、ニッケルおよび/またはクロムの下地層の上に金層を形成したもので、その上に金バンプを設けたものであり、前記封止材が金錫合金であることを特徴とする。
第2の発明の構成によれば、前記封止材と前記ランド部に設けられるバンプとを、互いに近い融点である金属を用いて形成する上で、好適な構成とすることができる。
第3の発明は、第1または2のいずれかの発明の構成において、前記枠付きの圧電振動片が、音叉型振動片であることを特徴とする。
第3の発明の構成によれば、パッケージ側への接合の作業を不要とすることで、特に従来の音叉型の振動片に見られるパッケージ側への接合の困難性を解消することができる。しかも、接合強度の不足から耐衝撃性に劣る欠点を有していた点なども改善される。
第4の発明は、第1または2のいずれかの発明の構成において、前記枠付きの圧電振動片が、周囲を囲む枠部の内側の厚みを薄くすることで振動領域を形成した矩形の振動片であることを特徴とする。
第4の発明の構成によれば、特に従来のATカット振動片などの矩形の振動片におけるパッケージ側への接合の作業を不要とし、従来において、接合強度の不足から耐衝撃性に劣る欠点を有していた点なども改善される。
図1ないし図3は、本発明の圧電デバイスの一実施形態を示しており、図1はその概略斜視図、図2は図1のA−A線概略断面図、図3は図1の圧電デバイスの枠付き振動片の概略平面図である。
これらの図において、圧電デバイス30は、圧電振動子を構成した例を示しており、圧電デバイス30は、パッケージ37内に圧電振動片(振動片本体)を収容している。
具体的には、圧電デバイス30は、ベース基体31と、このベース基体31の上に積層固定された枠付き振動片32と、この枠付き振動片32の上に積層固定されたリッド33とを有している。
上記パッケージ37は、この圧電デバイス30では、圧電振動片を気密に収容するもので、ベース基体31と、枠付き振動片32の枠部分と、リッド33を含んで構成されている。
ベース基体31は、パッケージ37の底部を形成するもので、例えば、第1の基板41と、第2の基板42とを積層して形成されており、ほぼ中央付近に貫通孔43が形成されている。この実施形態では、貫通孔は第1の基板41に形成された第1の孔44と、第2の基板42に形成され第1の孔44よりも小径の第2の孔45とを有しており、第1の孔44と第2の孔45とは連通されている。そして、貫通孔43は図示するような段付き孔とされて、段部に導電パターン(金属被覆部)43aが形成されており、金属封止材46を充填することにより塞がれている。
枠付き振動片32は、図2および図3を参照して理解されるように、振動片本体39と、この振動片本体の周囲を矩形の枠状に包囲する、振動片本体39と一体の枠部36とを有している。
振動片本体39は、図1および図3を参照して理解されるように、枠部36の一辺の中央から、内側の空間に向かって突出するように一体に形成した基部38と、この基部38から、図において枠部36の長手方向に沿って平行に延びる一対の振動腕34,35とを備えている。図3に示すように、各振動腕34,35の表裏面(図3では上下の各面)には、励振電極13,14が形成されている。励振電極13と励振電極14は対をなし、互いに異極として機能する電極で、振動片本体39の内部に効率よく電界を形成するものである。このため、図3に示すように、各振動腕34,35においては、表裏の主面に一方の電極が、各振動腕34,35の側面部には、他方の電極が配置されている。
そして、各励振電極13,14は基部38に引き回されて、引出し電極13a,14aが設けられている。励振電極13,14、および引出し電極13a,14aの構造は、表裏同じである。
尚、各振動腕34,35にはその長さ方向に延びる有底の溝を表裏にそれぞれ形成し、各長溝内に励振電極を形成してもよい。
図3に示すように、枠付き振動片32の枠部36の表面には、陽極接合のための金属被覆層51が形成されている。金属被覆層51としては、例えば、水晶の上に下地としてのニッケルもしくはクロム膜を形成し、その上に金層を形成して設けることができる。また、金層に代えて、タングステン、シリコン、ニッケル、チタン等を被覆して形成してもよい。
枠付き振動片32の枠部36の裏面には、図2に符号36aで示すように、接合用の金属膜が形成されている。この金属膜36bは上記金属被覆層51と同じ金属で形成することができる。
図4は、ベース基体31の平面図であり、表面側(上面側)が示されている。
ベース基体層31には、図2で説明した実装端子47,48とベース基体31の厚み方向に延びる導電スルーホールなどで接続されたランド部52,52が形成されている。ランド部52,52は、例えば、バンプ53やこれに代え、導電性接着剤などを用いて、枠付き振動片32の引出し電極13a,14aと電気的に接続されることにより、振動片本体39に駆動電圧を供給するようになっている。
ベース基体31の周縁には、接合しろの幅で封止材49が配置されている。封止材49は、水晶の上に、例えば、下地としてのニッケルもしくはクロム膜を形成して、金メッキした金属膜上に、金錫などでなる封止材49をプリフォームしたものである。
ここで、本実施形態では、上記金属膜と封止材49とを合わせた厚みと、ランド部52の金属およびバンプ53もしくは導電性接着剤とを合わせた厚みとを、ほぼ等しくなるようにしている。そして、バンプ53は封止材49と、好ましくは同じ金属である金錫、あるいはきわめて融点が近い金属による金属ボールで形成されている。なお、この場合、接合の際に図2に示されているように、枠付き振動片32側の金属膜36bも上記厚みと関係するが、僅かな厚みであるから、特別問題とはならない。しかしながら、封止材49の厚みと同等な大きさに金属膜36bを作ってしまうと、これを含めた厚みについて、内側の接合構造であるランド部52およびバンプ53の厚みと一致させるようにしなければならない。
図5は図1のB−B線切断端面図である。図5および図2を参照して理解されるように、封止材49の厚みと、ランド部52の金属およびバンプ53もしくは導電性接着剤との厚みであるギャップG2は、接合状態で等しくされていて、しかもバンプ53と封止材49の融点はほぼ同じ、もしくは一致しているので、枠付き振動片32は、ベース基体31に対する接合工程(後述)では、その接合と同時に、振動片本体39のランド部52,52に対する電気的接続がされるようになっている。
なお、振動片本体39の少なくとも励振部分は、パッケージ37の内部空間S2内で、下側に封止材49と一致したギャップG2、上側に封止材(金属被覆層51)の厚みと一致したギャップG1を有することにより、振動を妨げられることがないようになっている。
本実施形態の圧電デバイス30は以上のように構成されており、実装端子47,48を所定の実装基板(図示せず)等に対して、半田などにより接合することにより、実装基板側から、供給された駆動電圧が振動片本体39の励振電極13,14に印加されて、各振動腕34,35が、互いの先端部を接近・離間するように所定の周波数で屈曲振動することができる。
図6ないし図8は、圧電デバイス30の枠付き振動片の変形例を示している。
図6は枠付き振動片32−1の概略平面図(概略表面図)、図7は枠付き振動片の概略底面図(概略裏面図)、図8は図6のC−C線切断端面図である。
これらの図において、枠付き振動片32−1は、上述した枠付き振動片32と同じ材料で形成され、全体を矩形の振動片として構成した例である。この枠付き振動片32−1は、枠部36と、この枠部36と一体で、枠部36よりも厚みを薄く形成して設けた振動領域61とを有している。
振動領域61の中央付近の比較的広い領域には、励振電極が形成されており、表側に励振電極13が、裏側に励振電極14が同じ大きさで矩形に設けられている。各例励振電極13,14は、各一辺の中央付近から細幅で延長されて、枠付き振動片の幅方向端部に引き回されて、引出し電極13a,14aが設けられている。
表側の引出し電極13aには、枠付き振動片32−1の表裏に貫通する導電スルーホールが設けられ、裏面の引出し電極13a−1と接続されている。すなわち、裏面には、引出し電極13a−1と14aとのふたつの引出し電極が設けられている。これら引出し電極13a−1と14aは、図2,図5で説明したのと同様の手法でベース基体31と接続されるようになっている。
枠付き振動片32−1の表面側において、枠部36には、金属被覆層51が設けられている。
かくして、この枠付き振動片32−1を図1ないし図5で説明したベース基体31とリッド33に配置することで、圧電デバイスを形成することができる。
この場合、振動片が矩形の振動片として機能することができ、それ以外の点は圧電デバイス30と同じ作用効果を発揮することができる。
(圧電デバイスの製造方法)
次に、圧電デバイス30の製造方法の実施形態を説明する。
図9は圧電デバイス30の製造方法の一例を示すフローチャートであり、この実施形態では、圧電デバイス30の製造工程は図9に示すように前工程と、後工程を有している。
(前工程)
圧電デバイス30の製造方法における前工程は、図9のST11ないしST14に示す基体ベース層の形成工程と、ST21ないしST24に示す枠付き振動片を形成するための素子層の形成工程と、リッド層の形成工程とを有している。
これらの基体ベース層の形成工程と、素子層の形成工程と、リッド層の形成工程は、それぞれ別々に行われる工程である。すなわち、前工程は組み立ての準備工程であり、複数の固定が並列的に行われる。
(ベース基体層の形成工程)
図10にそれぞれ示すものは、ベース基体層を形成するための第2の基板層142と第1の基板層141である。これらは、図2で説明した第2の基板42と、第1の基板41とに相当するもので、それぞれ複数枚の基板を一度に形成できる大きさのウエハーを用いている。この実施形態では、例えば、図10において、縦4個、横5個の製品に対応した各基板を形成できる大きさとされたウエハーが示されているが、より多くの数を同時に形成すれば、より生産効率は向上する。
ベース基体層を形成するための第2の基板層142と第1の基板層141は、それぞれ絶縁材料で形成され、セラミックが適している。また、材料としては後述する素子層やリッド層の熱膨張係数と一致もしくは、きわめて近い熱膨張係数を備えたものが必要で、この実施形態では、例えば、ガラスセラミックのグリーンシートが利用されている。グリーンシートは、例えば、所定の溶液中にセラミックパウダを分散させ、バインダを添加して生成される混練物をシート状の長いテープ形状に成形し、これを所定の長さにカットして得られるものである(ST11)。
この実施形態では、例えば、ガラス、フォルステライト(2MgO・SiO)、バインダーをミキシングして得られるグリーンシートを使用している。
図10に示すように、第2の基板層142には、図2で説明した第2の孔45を穿設する(ST12)。
次いで、図10に示すように、第2の基板層142と第1の基板層141とを重ねる。
続いて、ベース基体層131を焼成し(ST14)、焼成後に必要な箇所に導電ペーストを塗布する。例えば、図1ないし図5で説明した実装端子47,48の箇所と、貫通孔43の段部の金属被覆部43aに、例えば銅ペースト等の塗布し、乾燥後に、ニッケル、金の順にメッキを施す。また、ランド部52,52には、金錫によるバンプ53,53を形成する。なお、端子等の導電パターンの形成は、セラミック材料の焼成前に導電ペーストを塗布し、焼成後にメッキするようにしてもよい。
また、この時、先に説明したランド部52,52およびバンプ53,53と封止材49もこれらの厚みが(接合状態で)等しくなるように形成される(バンプ53,53と封止材49は図10では図示を省略している)。
(素子層の形成工程)
図11に示すように、素子層132を用意する。この素子層132は、図2ないし図4で説明した枠付き振動片32を形成するもので、圧電材料として、水晶が使用されており、水晶以外にもタンタル酸リチウム,ニオブ酸リチウム等の圧電材料を利用することができる。この実施形態では、具体的には、水晶Z板でなるウエハーが使用されている。
素子層132では、図11に示すように、少なくとも、複数個の製品に対応した数の振動片本体39の外形をウエットもしくはドライエッチングにより形成する(ST21)。この場合、ひとつの素子層132は、上述したベース基体層131と同じ数だけの製品に対応した数だけ枠付き振動片32を形成することができるようにされており、その外形寸法は、ベース基体層131と一致されている。
さらに、素子層132には図3などで説明した電極パターンを形成する。すなわち、励振電極13,14および金属被覆層51に対応した箇所に、枠付き振動片32の枠部36の表面には、陽極接合のための金属被覆層51を形成する。これは水晶ウエハの上に下地としてのニッケルもしくクロム膜をスパッタリングなどで形成し、その上に金層を形成して設けることができる。なお、図11では、金属被覆層51は過度に細かい形態を図示することの困難さに鑑み記載していない。
なお、必要により、素子層132の励振電極13,14の各引出し電極などにプローブをコンタクトさせることによって、駆動電圧を印加し、周波数を見ながら、例えばレーザ光を振動腕の先端付近の電極部に照射して、金属被膜を蒸散させ、質量削減方式による周波数の調整を行うようにしてもよい。
(リッド層の形成工程)
リッド層は、ベース基体層131や素子層132と同様に、これらと同じ数の複数の製品に対応した数のリッド33を切断により形成できる大きさを備えており、その外形寸法は、ベース基体層131や素子層132と一致されたガラスウエハーを用いて形成することができる。
すなわち、リッド層133として使用可能なウエハーは、後述する周波数調整において、外部から照射されるレーザ光を透過できる透明な材料であることが必要で、水晶やガラスが使用できる。水晶である場合には、素子層132と同じ水晶Z板が使用される。ガラスである場合には、水晶Z板の熱膨張係数である13.8ppm/一度(摂氏)とほぼ一致した透明な材料を選択する。このような材料としては、例えば、通常のソーダガラスや、硼珪酸ガラスではなく、高膨張ガラスが使用される。すなわち、高膨張ガラスの成分比を調整することにより、その熱膨張係数を、上述した13.8ppm/一度(摂氏)に適合させる。
(接合工程)
図12は、リッド層133と、素子層132を接合する様子を示す切断端面図である。リッド層133と、素子層132との接合は、この場合、既に説明したように、陽極接合により行う。
ガラス製であるリッド層133には、その軟化点よりも低い温度を加えた状態で、このリッド層133と、接合膜である金属被覆層51との間で、金属被覆層51側が陽極になるようにして、直流電源65から直流電圧を印加する。
すなわち、陽極接合は、表面どうしを密着させて固相のまま接合する手法で、平滑な表面をもつ面どうしで、その表面原子の結合を生じさせて接合する方法である。したがって、ガラス製であるリッド層133には、印加された直流電圧の作用によって、イオンが移動し、金属被覆層51とのギャップ及びその近傍に形成された空間電荷層に、継続して印加された電圧がかかるようになる。そうすると、リッド層133と金属被覆層51との間に静電引力が発生し、互いに密着して、強電界によりガラス側から電極側へイオンの移動が進み、界面で電極側の原子と共有結合を生じて、結合が行われると考えられる。
このようにして、リッド層133と素子層132が精密に接合される(ST24)。
(後工程)
次に、図13に示すように、ベース基体層131と素子層132を接合する(ST51)。
すなわち、ベース基体層131と素子層132を図示のように重ねると、ベース基体層131にプリフォームされた金属膜と封止材49とを合わせた厚みと、ランド部52の金属およびバンプ53もしくは導電性接着剤とを合わせた厚みとが等しいので、封止材49が素子層132と金属膜36bと当接する状態で、バンプ53も素子層132の図3で説明した各振動子本体39の引出し電極13a,14aと当接することができる。
しかも、バンプ53は封止材49と同じ金属である金錫で形成されている。このため、図2の状態で、例えば、真空チャンバーなどに収容して、真空雰囲気下で加熱すると、封止材49とバンプ53が同時に溶融して、接合することで、ベース基体層131と素子層132の機械的接合と、上記各振動子本体39と各ランド部52との電気的接合が同時に行われる。
また、この接合に続いて、内部空間S2の脱ガスを行うことができる。すなわち、封止材49等から生じるガスその他の気体成分を内部から貫通孔43を介して排出することができる。
続いて、真空雰囲気下において、各貫通孔43の段部に図示しない金属封止材、例えば球形の金属ボールを載置し、これにレーザ光など照射して溶融することにより図2で示すように封止材46の充填を行う。この際、金属の封止材46は、段部の金属被覆部43aと濡れることで、適切に充填されて、気密に孔封止される(ST52)。
次に、ベース基体層131、素子層132、リッド層133が接合された図13の複合パッケージ37−1は、個々の製品に対応した平面方向に関して、縦横の切断線Cに沿ってダイシングされる(ST53)。
ST53によるカット後は、個々の製品に関して、図2のリッド33を介して、外部からレーザ光を内部の振動片本体39の先端付近の励振電極に照射し、質量削減方式による周波数調整を行う(ST54)。次いで、個々の製品に関して、必要な検査を行い(ST55)、圧電デバイス30が完成する。
このように、本実施形態の製造方法によれば、複数個の製品の大きさに相当するベース基体層131と、素子層132と、リッド層133とを積層固定するようにしているので、ベースに圧電振動片を収容し、これをリッドで気密に封止する工程を、従来のように個々の製品単位で行うのではなく、製品の複数個に関して同時に処理できる。このため、大幅に生産性を向上させることができる。
この場合、ベース基体層131と、素子層132と、リッド層133とを積層固定するためには、固定後に固定状態を維持する必要があり、このため、各層の熱膨張係数を一致させるようにしている。
さらに、素子層32−1としては、枠付きの圧電振動片を構成するものが使用されるので、図2に示すように、枠の部分が圧電振動片を収容するパッケージ37の一部となり、この部分がベース基体31とリッド33とで挟まれて固定される構造であるから、従来のように、箱状のパッケージの内側に、圧電振動片を片持ち式に固定するために必要とされる種々の作業が不要である。
特に、ベース基体層131と素子層132とを接合する際に、圧電振動片の電気的接続も同時に、しかも簡単に行うことができるので、パッケージ内の電極部の短絡を避けて、導電性接着剤を微量塗布したり、圧電振動片の姿勢や向きを正しく位置合わせする等の精密で困難な作業を避けることができ、製造がきわめて容易である。しかも、パッケージの内面で圧電振動片の接合作業を行う必要がないことから、圧電振動片の収容スペースも、作業性を考慮してその分大きくしないで済み、小型化に有利である。
かくして、製品が極端に小型化されても精度良く容易に製造することができ、大幅に生産性の向上を図ることができる圧電デバイスの製造方法を提供することができる。
本発明は上述の実施形態に限定されない。各実施形態の各構成はこれらを適宜組み合わせたり、省略し、図示しない他の構成と組み合わせることができる。
また、この発明は、パッケージに被われるようにして、内部に圧電振動片を収容するものであれば、圧電振動子、圧電発振器等の名称にかかわらず、全ての圧電デバイスに適用することができる。
本発明の圧電デバイスの実施形態を示す概略斜視図。 図1のA−A線概略断面図。 図1の圧電デバイスの枠付き振動片の概略平面図。 図1の圧電デバイスのベース基体の概略平面図。 図1のB−B線概略断面図。 図1の圧電デバイスの枠付き振動片の変形例に係る概略平面図。 図1の圧電デバイスの枠付き振動片の変形例に係る概略底面図。 図6のC−C線切断端面図。 図1の圧電デバイスの製造方法の実施形態を示すフローチャート。 図1の圧電デバイスの製造方法の実施形態の工程図。 図1の圧電デバイスの製造方法の実施形態の工程図。 図1の圧電デバイスの製造方法の実施形態の工程図。 図1の圧電デバイスの製造方法の実施形態の工程図。 従来の圧電デバイスの一例を示す概略断面図。
符号の説明
30・・・圧電デバイス、31・・・ベース基体、32・・・枠付き振動片、33・・・リッド、34,35・・・振動腕、36・・・枠部、37・・・パッケージ、39・・・振動片本体、131・・・ベース基体層、132・・・素子層、133・・・リッド層

Claims (4)

  1. ベース基体と、
    前記ベース基体の上に積層固定された枠付きの圧電振動片と、
    前記枠付き振動片の上に積層固定されたリッドと
    を有しており、
    前記ベース基体には、その周縁部に沿って金属膜および封止材と、この周縁部よりも内側で前記金属膜とほぼ同じ厚みとなるランド部とが設けられていて、
    かつ前記封止材と、前記ランド部に設けられるバンプとが、互いに近い融点である金属を用いて形成されている
    ことを特徴とする圧電デバイス。
  2. 前記金属膜が、ニッケルおよび/またはクロムの下地層の上に金層を形成したものであり、前記封止材が金錫合金であることを特徴とする請求項1に記載の圧電デバイス。
  3. 前記枠付きの圧電振動片が、音叉型振動片であることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の圧電デバイス。
  4. 前記枠付きの圧電振動片が、周囲を囲む枠部の内側の厚みを薄くすることで振動領域を形成した矩形の振動片であることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の圧電デバイス。
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