JP2004015310A - 歪補償回路および送信機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の歪補償回路は、無線通信機器にて使用される電力増幅器8の出力信号の一部を用いて当該電力増幅器8で発生する歪を検出する歪検出部15と、電力増幅器8で発生する歪を補償する歪補償部2と、を備え、さらに、歪補償部2出力のディジタル信号を直交変調するディジタル直交変調部3と、直交変調後の信号をD/A(ディジタル/アナログ)変換するD/A変換器4と、D/A変換後のアナログ信号に対して周波数変換を施した信号を電力増幅器8に対して出力するミキサ6と、を備える。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線通信機器(送信機)の送信電力増幅器で生じる非線形歪を補償する歪補償回路に関するものであり、特に、マルチキャリア共通増幅器に適用可能な歪補償回路および当該歪補償回路を備えた送信機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
以下、従来の歪補償回路について説明する。図5は、たとえば、Y. Nagata, ”Linear Amplification Technique for Digital Mobile Communications,” 39thVehicular Technology Conference, pp.159−164, May 1989に記載された適応型ディジタルプリディストータと呼ばれる従来の歪補償回路の構成の一例を示す図である。
【0003】
図5において、101−I,101−Qは入力端子であり、102は歪補償部であり、103−I,103−QはD/A変換器(D/A)であり、104−I,104−Qはアナログ低域通過フィルタ(LPF)であり、105はアナログ直交変調部であり、106は電力増幅器であり、107は方向性結合器であり、108はアナログ直交復調部であり、109−I,109−Qはアナログ低域通過フィルタ(LPF)であり、110−I,110−QはA/D変換器(A/D)であり、111は歪検出部である。
【0004】
ここで、上記のように構成される従来の歪補償回路の動作について説明する。まず、ベースバンド波形生成部(図示しない)で生成されたIチャネルとQチャネルのベースバンド信号が入力端子101−I,101−Qから入力される。歪補償部102では、電力増幅器106で生じる非線形歪を打ち消すように、入力信号と逆歪信号とを合成する。逆歪信号は、入力信号の振幅に応じて歪補償部102に記憶されている。
【0005】
D/A変換器103−I,103−Qでは、歪補償後の信号をアナログ信号に変換する。そして、アナログ低域通過フィルタ104−I,104−Qでは、受け取ったアナログ信号の折り返し成分を除去する。
【0006】
アナログ直交変調部105では、局部発振信号112を用いて、折り返し成分除去後の信号を中間周波数(IF)または無線周波数(RF)の信号に直交変調する。なお、アナログ直交変調部105の出力がIF信号のときは、周波数変換部(図示しない)で局部発振信号(図示しない)と合成してRF信号を生成する。電力増幅器106では、受け取ったRF信号を増幅する。
【0007】
方向性結合器107では、増幅後の信号の一部を取り出し、アナログ直交復調部108に入力する。なお、入力する信号は、RF信号でもよいし、あるいは周波数変換部(図示しない)でIF信号に変換した後の信号でもよい。アナログ直交復調部108では、受け取ったRF信号またはIF信号を、局部発振信号112を用いて直交復調し、Iチャネル,Qチャネルのベースバンド信号を生成する。
【0008】
アナログ低域通過フィルタ109−I,109−Qでは、A/D変換による信号帯域への折り返し成分を除去する。その後、A/D変換器110−I,110−Qでは、折り返し成分除去後の信号をディジタル信号に変換する。歪検出部111では、A/D変換後の信号と入力端子101−I,101−Qで受け取った信号とを比較して歪量を検出する。そして、歪補償部102では、現在記憶している逆歪信号を前記検出結果に基づいて更新する。
【0009】
しかしながら、上記従来の構成では、フィードバック側のアナログ直交復調部108の直交度誤差や、アナログ低域通過フィルタ109−I,109−Q、A/D変換器110−I,110−QのI/Qチャネル間の利得誤差によって、歪補償の性能が劣化する場合があった。また、上記構成では、フィードバック側のA/D変換器が2つ必要になる。
【0010】
そこで、以降では、上記の問題点を解決する従来技術について説明する。図6は、たとえば、特開2001−103104号公報に記載された従来の適応型ディジタルプリディストータ(歪補償回路)の構成を示す図である。図6において、109はアナログ低域通過フィルタ(LPF)であり、110はA/D変換器(A/D)であり、113は帯域通過フィルタ(BPF)であり、114はミキサであり、116−I,116−Qはディジタル低域通過フィルタ(LPF)である。
【0011】
方向性結合器107では、電力増幅器106出力(RF信号)の一部を取り出す。ミキサ114では、受け取ったRF信号と局部発振信号112とを混合する。アナログ低域通過フィルタ109では、ミキサ114の出力信号に含まれる周波数の和成分を除去してIF信号に変換する。A/D変換器110では、アナログのIF信号をディジタルのIF信号に変換する。なお、A/D変換器110の標本化周波数は、後述のディジタル直交復調処理を簡単にするため、IF周波数の4倍とすることが多い。
【0012】
ディジタル直交復調部115では、A/D変換後のIF信号に対して、IF中心周波数と同じ周波数でかつ互いに直交した位相関係にある局部発振信号を乗算する。標本化周波数をIF周波数の4倍に選ぶと、局部発振信号は、Iチャネルで「1、0、−1、0」、Qチャネルで「0、−1、0、1」となってディジタル直交復調処理が簡単になる。ディジタル低域通過フィルタ116−I,116−Qでは、周波数の和成分を除去してIチャネルとQチャネルのベースバンド信号を生成する。歪検出部111では、このベースバンド信号と入力端子101−I,101−Qで受け取った信号とを比較して歪量を検出する。そして、歪補償部102では、現在記憶している逆歪信号を検出結果に基づいて更新する。
【0013】
このように、上記公報記載の従来の歪補償回路では、アナログ低域通過フィルタやA/D変換器が1系統なので、I/Qチャネル間の利得誤差を生じない。また、IF周波数の4倍に等しい標本化周波数の信号を等価的に4相に4分周することによって直交した局部発振信号を得ているので、極めて高い直交性が保証される。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報記載の従来の歪補償回路では、アナログ直交変調部105で直交変調を行っている。そのため、マルチキャリア共通増幅器に適用した場合、出力側のアナログ直交変調部105の直交度誤差や、D/A変換器103−I,103−Q、アナログ低域通過フィルタ104−I,104−QのI/Qチャネル間利得誤差によって、影像成分が発生する。すなわち、図7に示すように、アナログ直交変調部105の出力では、マルチキャリアを構成する搬送波信号の中心周波数に対称な周波数位置に、影像成分が発生する。これによって、電力増幅器106が非線形歪を生じない場合であっても、影像成分によって隣接チャネル漏洩電力比が劣化する、という問題があった。
【0015】
このとき、隣接チャネル漏洩電力比40dBを実現するためには、影像除去比40dBが必要になる。ところが、それを実現するためには、I/Qチャネル間の利得誤差を0.1dB未満かつ直交度誤差を1度未満、にする必要があり、上記アナログ直交変調部105では実現が難しい。
【0016】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、マルチキャリア共通増幅器に適用した場合であっても、影像成分によって隣接チャネル漏洩電力比が劣化しない歪補償回路および送信機を得ることを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる歪補償回路にあっては、無線通信機器にて使用される送信電力増幅器の出力信号の一部を用いて当該送信電力増幅器で発生する歪を検出する歪検出部と、前記送信電力増幅器で発生する歪を補償する歪補償部と、を備え、さらに、前記歪補償部出力のディジタル信号を直交変調するディジタル直交変調手段と、直交変調後の信号をD/A(ディジタル/アナログ)変換するD/A変換手段と、D/A変換後のアナログ信号または当該アナログ信号に対して周波数変換を施した信号を前記送信電力増幅器に対して出力する周波数変換手段と、を備えることを特徴とする。
【0018】
つぎの発明にかかる歪補償回路にあっては、無線通信機器にて使用される送信電力増幅器の出力信号の一部を用いて当該送信電力増幅器で発生する歪を検出する歪検出部と、前記送信電力増幅器で発生する歪を補償する歪補償部と、を備え、さらに、前記歪補償部出力のディジタル信号を直交変調して互いに直交する2チャネルの中間周波数信号を出力するディジタル直交変調手段と、直交変調後の各信号を個別にD/A(ディジタル/アナログ)変換するD/A変換手段と、D/A変換後のアナログ信号を直交変調し、当該変調後の信号を前記送信電力増幅器に対して出力するアナログ直交変調手段と、を備えることを特徴とする。
【0019】
つぎの発明にかかる歪補償回路にあっては、前記D/A変換手段における標本化周波数を、当該D/A変換手段の出力信号の中心周波数の4倍とすることを特徴とする。
【0020】
つぎの発明にかかる送信機にあっては、送信電力増幅器の出力信号の一部を用いて当該送信電力増幅器で発生する歪を検出する歪検出部と、前記送信電力増幅器で発生する歪を補償する歪補償部と、を備えた歪補償回路、を有し、前記歪補償回路は、さらに、前記歪補償部出力のディジタル信号を直交変調するディジタル直交変調手段と、直交変調後の信号をD/A(ディジタル/アナログ)変換するD/A変換手段と、D/A変換後のアナログ信号または当該アナログ信号に対して周波数変換を施した信号を前記送信電力増幅器に対して出力する周波数変換手段と、を備えることを特徴とする。
【0021】
つぎの発明にかかる送信機にあっては、送信電力増幅器の出力信号の一部を用いて当該送信電力増幅器で発生する歪を検出する歪検出部と、前記送信電力増幅器で発生する歪を補償する歪補償部と、を備えた歪補償回路、を有し、前記歪補償回路は、さらに、前記歪補償部出力のディジタル信号を直交変調して互いに直交する2チャネルの中間周波数信号を出力するディジタル直交変調手段と、直交変調後の各信号を個別にD/A(ディジタル/アナログ)変換するD/A変換手段と、D/A変換後のアナログ信号を直交変調し、当該変調後の信号を前記送信電力増幅器に対して出力するアナログ直交変調手段と、を備えることを特徴とする。
【0022】
つぎの発明にかかる送信機にあっては、前記D/A変換手段における標本化周波数を、当該D/A変換手段の出力信号の中心周波数の4倍とすることを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明にかかる歪補償回路および送信機の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0024】
実施の形態1.
図1は、本発明にかかる適応型ディジタルプリディストータ(歪補償回路)の実施の形態1の構成を示す図である。図1において、1−I,1−Qは入力端子であり、2は歪補償部であり、3はディジタル直交変調部であり、4はD/A変換器(D/A)であり、5はアナログ低域通過フィルタ(LPF)であり、6はミキサであり、7は帯域通過フィルタ(BPF)であり、8は電力増幅器であり、9は方向性結合器であり、10はミキサであり、11はアナログ低域通過フィルタ(LPF)であり、12はA/D変換器(A/D)であり、13はディジタル直交復調部であり、14−I,14−Qはディジタル低域通過フィルタ(LPF)であり、15は歪検出部であり、16は局部発振信号である。この歪補償回路は、無線通信機器(送信機)の電力増幅器8で生じる非線形歪を補償する。
【0025】
ここで、上記のように構成される本発明にかかる歪補償回路の動作について説明する。まず、ベースバンド波形生成部(図示しない)で生成されたIチャネルとQチャネルのベースバンド信号が入力端子1−I,1−Qから入力される。歪補償部2では、電力増幅器8で生じる非線形歪を打ち消すように、入力信号と逆歪信号とを合成する。逆歪信号は、入力信号の振幅に応じて歪補償部2に記憶されている。
【0026】
ディジタル直交変調部3では、歪補償部2が出力する歪補償後の信号を直交変調し、IF信号を出力する。すなわち、ディジタル直交変調部3では、歪補償後のIチャネルとQチャネルの信号に、IF中心周波数と同じ周波数でかつ互いに直交した位相関係にある局部発振信号を乗算し、2つのチャネルを合成する。
【0027】
D/A変換器4では、合成後のIF信号(ディジタル信号)をアナログ信号に変換する。D/A変換器4の標本化周波数は、ディジタル直交変調処理を簡単にするためIF周波数の4倍とすることが多い。標本化周波数をIF周波数の4倍にすると、局部発振信号は、Iチャネルで「1、0、−1、0」となり、Qチャネルで「0、−1、0、1」となる。
【0028】
アナログ低域通過フィルタ5では、受け取ったアナログ信号の折り返し成分を除去する。ミキサ6では、折り返し成分除去後の信号を局部発振信号16と混合する。そして、帯域通過フィルタ7で不要な周波数成分を減衰させた後、電力増幅器8では、不要周波数成分減衰後の信号を増幅する。なお、図1では、ミキサ10とミキサ6が局部発振信号16を共用する構成としたが、これに限らず、たとえば、局部発振信号を別々に設けてもよいし、または、それぞれの周波数が異なっていてもよい。
【0029】
方向性結合器9では、電力増幅器8出力の一部を取り出す。ミキサ10では、方向性結合器9出力の信号と局部発振信号16とを混合する。アナログ低域通過フィルタ11では、ミキサ10の出力信号に含まれる周波数の和成分を除去してIF信号に変換する。A/D変換器12では、アナログのIF信号をディジタルのIF信号に変換する。なお、A/D変換器12の標本化周波数は、ディジタル直交復調処理を簡単にするため、IF周波数の4倍とする。
【0030】
ディジタル直交復調部13では、A/D変換後のIF信号に対して、IF中心周波数と同じ周波数でかつ互いに直交した位相関係にある局部発振信号を乗算する。標本化周波数をIF周波数の4倍にすると、局部発振信号は、Iチャネルで「1、0、−1、0」となり、Qチャネルで「0、−1、0、1」となる。ディジタル低域通過フィルタ14−I,14−Qでは、周波数の和成分を除去してIチャネルとQチャネルのベースバンド信号を生成する。歪検出部15では、このベースバンド信号と入力端子1−I,1−Qで受け取った信号とを比較して歪量を検出する。そして、歪補償部2では、現在記憶している逆歪信号を検出結果に基づいて更新する。
【0031】
このように、本実施の形態では、直交変調をディジタル処理で行い、変調後のアナログ低域通過フィルタやD/A変換器を1系統としたので、I/Qチャネル間の利得誤差が発生しない。また、IF周波数の4倍に等しい標本化周波数の信号を等価的に4相に4分周することによって、直交した局部発振信号を得る構成としたので、極めて高い直交度が保証される。これにより、マルチキャリア共通増幅器に適用した場合であっても、影像成分による隣接チャネル漏洩電力比の劣化を防止できる。
【0032】
実施の形態2.
前述した実施の形態1では、折り返し成分を除去するために、アナログ低域通過フィルタ5や帯域通過フィルタ7に急峻な特性を持つフィルタが必要になる。
【0033】
図2は、アナログ低域通過フィルタ5や帯域通過フィルタ7に急峻な特性を持つフィルタが必要となる理由を示す図である。まず、図2(a)では、図1におけるD/A変換器4の出力信号のスペクトルを示している。この場合、IF周波数fIFを中心とした信号のほかに、標本化周波数fSの半分の周波数fS/2について対称に不要な折り返し成分が現れ、それが標本化周波数おきに繰り返し現れる。アナログ低域通過フィルタ5は、上記信号の折り返し成分を減衰させる(図2(b)参照)。さらに、ミキサ6では、周波数変換を行う(図2(c)参照)。そして、実施の形態1の構成では、不要成分の輻射を抑えるために、帯域通過フィルタ7にて図2(c)中の折り返し成分を十分に減衰させる必要がある。このとき、マルチキャリア増幅器では信号が広帯域となるため、図2(a)における信号帯域の上限周波数が標本化周波数の半分の周波数に近くなり、折り返し成分が近接する。そのため、実施の形態1では、急峻な特性のフィルタで折り返し成分を除去することが必要になる。
【0034】
しかしながら、アナログ低域通過フィルタ5や帯域通過フィルタ7の減衰特性を急峻にすると、信号帯域の群遅延変動が大きくなり、歪補償が困難になってしまう。そこで、実施の形態2では、アナログ低域通過フィルタ5や帯域通過フィルタ7の減衰特性を実施の形態1よりも緩和する。
【0035】
図3は、本発明にかかる適応型ディジタルプリディストータ(歪補償回路)の実施の形態2の構成を示す図である。図3において、4−I,4−QはD/A変換器(D/A)であり、5−I,5−Qはアナログ低域通過フィルタ(LPF)であり、17はディジタル直交変調部であり、18はアナログ直交変調部である。
【0036】
ここで、上記のように構成される本発明にかかる歪補償回路の動作について説明する。なお、本実施の形態では、先に説明した実施の形態1と異なる動作についてのみ説明する。
【0037】
ディジタル直交変調部17では、歪補償部2が出力する歪補償後の信号を直交変調し、互いに直交する2チャネルのIF信号を出力する。この場合、ディジタル直交変調部17では、歪補償後のIチャネルとQチャネルの信号に、それぞれIF中心周波数と同一の周波数でかつ互いに直交した位相関係にある局部発振信号を乗算し、2つのチャネルを互いに位相が90度異なるように合成する。
【0038】
D/A変換器4−I,4−Qでは、合成されたIチャネルとQチャネルのIF信号をそれぞれアナログ信号に変換する。アナログ低域通過フィルタ5−I,5−Qでは、D/A変換器4−I,4−Qが出力したIF信号の折り返し成分を除去する。
【0039】
アナログ直交変調部18では、局部発振信号16を用いて、折り返し成分除去後の信号を中間周波数(IF)または無線周波数(RF)の信号に直交変調する。なお、アナログ直交変調部18の出力がIF信号のときは、周波数変換部(図示しない)で局部発振信号(図示しない)と合成し、RF信号を生成する。そして、不要な周波数成分を帯域通過フィルタ7で減衰後、電力増幅器8では、当該不要周波数成分減衰後の信号を増幅する。
【0040】
図4は、アナログ直交変調部18の出力信号のスペクトルを示す図である。ここでは、折り返し成分をアナログ直交変調部18の影像除去比だけ減衰させることができる。
【0041】
なお、図3では、アナログ直交変調部18とミキサ10が局部発振信号16を共用する構成としたが、これに限らず、局部発振信号を別々に設けてもよいし、または、それぞれの周波数が異なっていてもよい。
【0042】
このように、本実施の形態では、直交する2チャネルのIF信号をディジタル直交変調で合成し、その後、アナログ直交変調を実行して中間周波数(IF)または無線周波数(RF)の信号を生成する。このとき、折り返し成分をアナログ直交変調による影像除去比だけ減衰させる。これにより、不要な折り返し成分の輻射を抑えるために必要なアナログ低域通過フィルタや帯域通過フィルタの減衰特性を緩和することができる。
【0043】
【発明の効果】
以上、説明したとおり、本発明によれば、直交変調をディジタル処理で行い、変調後のアナログ低域通過フィルタやD/A変換器を1系統としたので、I/Qチャネル間の利得誤差が発生しない。これにより、マルチキャリア共通増幅器に適用した場合であっても、影像成分による隣接チャネル漏洩電力比の劣化を防止できる、という効果を奏する。
【0044】
つぎの発明によれば、直交する2チャネルのIF信号をディジタル直交変調で合成し、その後、アナログ直交変調を実行して中間周波数(IF)または無線周波数(RF)の信号を生成する。このとき、折り返し成分をアナログ直交変調による影像除去比だけ減衰させる。これにより、不要な折り返し成分の輻射を抑えるために必要なアナログ低域通過フィルタや帯域通過フィルタの減衰特性を緩和することができる、という効果を奏する。
【0045】
つぎの発明によれば、IF周波数の4倍に等しい標本化周波数の信号を等価的に4相に4分周することによって、直交した局部発振信号を得る構成としたので、極めて高い直交度を保証できる、という効果を奏する。
【0046】
つぎの発明によれば、直交変調をディジタル処理で行い、変調後のアナログ低域通過フィルタやD/A変換器を1系統としたので、I/Qチャネル間の利得誤差が発生しない。これにより、マルチキャリア共通増幅器に適用した場合であっても、影像成分による隣接チャネル漏洩電力比の劣化を防止できる、という効果を奏する。
【0047】
つぎの発明によれば、直交する2チャネルのIF信号をディジタル直交変調で合成し、その後、アナログ直交変調を実行して中間周波数(IF)または無線周波数(RF)の信号を生成する。このとき、折り返し成分をアナログ直交変調による影像除去比だけ減衰させる。これにより、不要な折り返し成分の輻射を抑えるために必要なアナログ低域通過フィルタや帯域通過フィルタの減衰特性を緩和することができる、という効果を奏する。
【0048】
つぎの発明によれば、IF周波数の4倍に等しい標本化周波数の信号を等価的に4相に4分周することによって、直交した局部発振信号を得る構成としたので、極めて高い直交度を保証できる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる歪補償回路の実施の形態1の構成を示す図である。
【図2】アナログ低域通過フィルタや帯域通過フィルタに急峻な特性を持つフィルタが必要となる理由を示す図である。
【図3】本発明にかかる歪補償回路の実施の形態2の構成を示す図である。
【図4】アナログ直交変調部の出力信号のスペクトルを示す図である。
【図5】従来の歪補償回路の構成の一例を示す図である。
【図6】従来の歪補償回路の構成の一例を示す図である。
【図7】従来技術の問題点を説明するための図である。
【符号の説明】
1−I,1−Q 入力端子、2 歪補償部、3,17 ディジタル直交変調部、4,4−I,4−Q D/A変換器(D/A)、5,5−I,5−Q,11 アナログ低域通過フィルタ(LPF)、6,10 ミキサ、7 帯域通過フィルタ(BPF)、8 電力増幅器、9 方向性結合器、12 A/D変換器(A/D)、13 ディジタル直交復調部、14−I,14−Q ディジタル低域通過フィルタ、15 歪検出部、16 局部発振信号、18 アナログ直交変調部。
Claims (6)
- 無線通信機器にて使用される送信電力増幅器の出力信号の一部を用いて当該送信電力増幅器で発生する歪を検出する歪検出部と、前記送信電力増幅器で発生する歪を補償する歪補償部と、を備える歪補償回路において、
前記歪補償部出力のディジタル信号を直交変調するディジタル直交変調手段と、
直交変調後の信号をD/A(ディジタル/アナログ)変換するD/A変換手段と、
D/A変換後のアナログ信号または当該アナログ信号に対して周波数変換を施した信号を前記送信電力増幅器に対して出力する周波数変換手段と、
を備えることを特徴とする歪補償回路。 - 無線通信機器にて使用される送信電力増幅器の出力信号の一部を用いて当該送信電力増幅器で発生する歪を検出する歪検出部と、前記送信電力増幅器で発生する歪を補償する歪補償部と、を備える歪補償回路において、
前記歪補償部出力のディジタル信号を直交変調して互いに直交する2チャネルの中間周波数信号を出力するディジタル直交変調手段と、
直交変調後の各信号を個別にD/A(ディジタル/アナログ)変換するD/A変換手段と、
D/A変換後のアナログ信号を直交変調し、当該変調後の信号を前記送信電力増幅器に対して出力するアナログ直交変調手段と、
を備えることを特徴とする歪補償回路。 - 前記D/A変換手段における標本化周波数を、当該D/A変換手段の出力信号の中心周波数の4倍とすることを特徴とする請求項1または2に記載の歪補償回路。
- 送信電力増幅器の出力信号の一部を用いて当該送信電力増幅器で発生する歪を検出する歪検出部と、前記送信電力増幅器で発生する歪を補償する歪補償部と、を備えた歪補償回路、を有する送信機において、
前記歪補償回路は、さらに、
前記歪補償部出力のディジタル信号を直交変調するディジタル直交変調手段と、
直交変調後の信号をD/A(ディジタル/アナログ)変換するD/A変換手段と、
D/A変換後のアナログ信号または当該アナログ信号に対して周波数変換を施した信号を前記送信電力増幅器に対して出力する周波数変換手段と、
を備えることを特徴とする送信機。 - 送信電力増幅器の出力信号の一部を用いて当該送信電力増幅器で発生する歪を検出する歪検出部と、前記送信電力増幅器で発生する歪を補償する歪補償部と、を備えた歪補償回路、を有する送信機において、
前記歪補償回路は、さらに、
前記歪補償部出力のディジタル信号を直交変調して互いに直交する2チャネルの中間周波数信号を出力するディジタル直交変調手段と、
直交変調後の各信号を個別にD/A(ディジタル/アナログ)変換するD/A変換手段と、
D/A変換後のアナログ信号を直交変調し、当該変調後の信号を前記送信電力増幅器に対して出力するアナログ直交変調手段と、
を備えることを特徴とする送信機。 - 前記D/A変換手段における標本化周波数を、当該D/A変換手段の出力信号の中心周波数の4倍とすることを特徴とする請求項4または5に記載の送信機。
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