JP2004015213A - 画像処理装置及び画像処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】構成が簡単で高速処理が可能であり、かつ大きなメモリ容量を必要としない構成で高品位な画像を記録する。
【解決手段】入力画像データを、各画素が所定の領域内に記録される複数のドットのパターンによって表わされる記録データに変換する際に、第1の階調値を有する第1の画素データを、第1の階調値より低い第2の階調値を有する第2の画素データに変換すると共に、該変換によって生じた誤差を周囲の画素に所定のパターンで分配する誤差拡散処理を多値ハーフトーン器2’で行い、第2の階調値のいずれかに対してドットのパターンが複数存在するとき、変換によって生じた誤差データに基づいて、第2の画素データに対応するドットのパターンを表わす情報をINDEX位置生成器4で生成する。
【選択図】 図1
【解決手段】入力画像データを、各画素が所定の領域内に記録される複数のドットのパターンによって表わされる記録データに変換する際に、第1の階調値を有する第1の画素データを、第1の階調値より低い第2の階調値を有する第2の画素データに変換すると共に、該変換によって生じた誤差を周囲の画素に所定のパターンで分配する誤差拡散処理を多値ハーフトーン器2’で行い、第2の階調値のいずれかに対してドットのパターンが複数存在するとき、変換によって生じた誤差データに基づいて、第2の画素データに対応するドットのパターンを表わす情報をINDEX位置生成器4で生成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像処理装置及び画像処理方法に関し、特に、入力画像データを、各画素が所定の領域内に記録される複数のドットのパターンによって表わされる記録データに変換する画像処理装置及び画像処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えばワードプロセッサ、パーソナルコンピュータ、ファクシミリ等に於ける情報出力装置として、所望される文字や画像等の情報を用紙やフィルム等シート状の記録媒体に記録を行うプリンタが広く使用されている。
【0003】
プリンタの記録方式としては様々な方式が知られているが、用紙等の記録媒体に非接触記録が可能である、カラー化が容易である、静粛性に富む、等の理由でインクジェット方式が近年特に注目されており、又その構成としては所望される記録情報に応じてインクを吐出する記録ヘッドを装着すると共に用紙等の記録媒体の送り方向と交差する方向に往復走査しながら記録を行なうシリアル記録方式が安価で小型化が容易などの点から一般的に広く用いられている。
【0004】
近年、このようなプリンタの記録解像度が飛躍的に向上し、画像(特に、カラー画像)を記録する用途が増えている。これは特に、デジタルカメラ等の画像入力装置の近年のめざましい発展の影響も受けており、両者間での相乗効果も大きい。
【0005】
上記のインクジェットプリンタのような、インクの有り無しだけで画像を表現するプリンタでも記録解像度が飛躍的に向上しており、なめらかな階調画像が記録できる装置も増えてきている。
【0006】
このような装置では、向上させた記録解像度の一部を、階調性の向上のために使用しており、1つの画素を複数のドットを用いた面積階調法による多値表現が可能となっている。
【0007】
例えば、加法混色系のR、G、Bを用いた入力信号を、減法混色系のシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)を用いた記録信号に変換するとき、いわゆる誤差拡散法により、源信号(CMY)を空間的に平均化すると共に源信号よりもレベルの少ない(例えば、8値の源信号に対して、4値)多値信号に変換する、多値ハーフトーンと呼ばれる処理を行い、記録時に使用する解像度を、多値ハーフトーンレベルに見合う解像度に落として、即ち、例えば4値の場合は縦横の解像度を各1/2に落として、各画素を2×2のマトリクス内に記録されるドットを用いて表現することによって実現している。
【0008】
但し、階調を表現するときに、入力階調数に応じた画素の記録方法(上記マトリクス内にドットを記録するパターン、以下ドットパターンと称する)を固定してしまうと、記録した画像に固定パターン(テクスチャ)が現れてしまい、画像品位が低下するので、様々な工夫が成されている。
【0009】
例えば、多値ハーフトーンレベル毎に、ドットパターンを記録媒体内の記録位置に応じてあらかじめ変化させた情報(INDEXテーブルと呼ぶ)を保持しておき、記録の際に、記録位置と多値ハーフトーンレベルとによってドットパターンを決定する方法や、多値ハーフトーンレベルに応じて発生させた乱数に応じてドットパターンを決定する方法等がある。
【0010】
このような多値ハーフトーンに対する記録データを生成する処理について、図を参照して簡単に説明する。
【0011】
図4は、INDEXテーブルを用いて多値ハーフトーンに対する記録データを生成する、画像処理に関する概略構成を示すブロック図である。加法混色系のRGBそれぞれ8ビットのデータで表わされた入力画像の各画素のデータは、色変換器1で記録用の減法混色系のYMCそれぞれ8ビットで表わされる画素データに変換された後、多値ハーフトーン器2へ送られる。
【0012】
多値ハーフトーン器2では、空間的に信号を平均化して信号レベルの分解能を、例えば、3ビット(8値)に落として出力される(このデータを、INDEXデータと呼ぶ)。
【0013】
多値ハーフトーン器2から出力されたINDEXデータは、記録装置3に入力される。記録装置3では、記録位置等に応じて、必要なデータ処理を記録データ処理器31で施して記録データとして出力する。この時、記録位置と入力INDEXデータとの関係をあらかじめ設定した、INDEXテーブル32のデータを参照しながら、INDEXデータ変換器33で変換して各画素に対する記録データを生成している。
【0014】
このINDEXデータの意味を分かり易く説明するために、記録媒体上に記録される画像データの一部を拡大して示す図5を参照して簡単に説明する。
【0015】
図中の大文字A、Bで画定される太線の枠内の1つの領域50が、多値ハーフトーン器2で出力されるデータの1画素に相当する領域で、小文字a、bで画定される1つの領域の大きさが、記録解像度に相当する。
【0016】
図中50で示す領域が上下左右に繰り返されて1ページの画像Pが形成される。この領域50内には、51〜54で示すようにa、bで画定される領域が4個存在する。この4つの領域に対するドットパターンで、領域50に割り当てられた階調値を表現する。
【0017】
この時、例えば、階調値1を表現する場合、ドットを記録する位置としては4箇所あり、いずれの位置にドットを記録してもいずれも階調値1に相当する濃度レベルとなる。
【0018】
このように同じ階調値に対して複数のドットパターンが存在する場合に、予め定められたINDEXテーブル32のデータを参照しながら、INDEXデータ変換器33でどの位置にドットを記録するのかを決定する。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようにINDEXテーブルを用いて画素毎のドットパターンを決定する方法では、INDEXデータの大きさ(ビット数)に比例してテーブルのサイズが大きくなる。
【0020】
また、最近では、CMYにK(ブラック)を加えた4色以外にも淡マゼンタや淡シアンなどの色(インク)を記録に使用するプリンタも提案されているが、このようなプリンタに対する記録データを生成する際には、使用される色(インク)毎にテーブルを設ける必要があるので、テーブルデータ全体の容量が大きくなり、これらを格納するためのメモリ容量が増大し、装置全体のコストが増加してしまう。
【0021】
特に、INDEXデータに応じてドットパターンを決定する際に、同じドットパターンが使用される周期が一定であると、繰り返しパターンによるテクスチャが発生しやすくなるので、繰り返し周期を工夫する必要があり、そのため、テーブルサイズが更に大きくなる傾向にある。
【0022】
また、記録データ生成の際に、各INDEXデータ毎にテーブル参照する処理が必要となり、記録解像度が高くなるにつれて記録データの生成を高速で行うのが困難になるという問題も生じる。
【0023】
一方、上記繰り返し周期によるテクスチャを回避し、かつ、テーブル参照の処理を軽減するため、INDEXデータに対するドットパターンを乱数によって決定する方法も考案されている。
【0024】
図6は、乱数を用いて多値ハーフトーンに対する記録データを生成する、画像処理に関する概略構成を示すブロック図である。図4に示した構成との違いは、INDEXテーブル32の代わりに、乱数発生器34が設けられている点である。
【0025】
なお、図6に示した構成では、乱数発生器33は、記録装置3内に配置されているが、多値ハーフトーン器2と記録装置3との間にINDEXデータ変換器33を配置し、乱数発生器34のデータによって多値ハーフトーン器2からのデータを記録解像度に合わせたドットパターンに変換して、記録装置3へデータを送る構成としてもよい。
【0026】
このように乱数を用いると、INDEXテーブルの繰り返し周期に起因する固定のテクスチャの発生が抑制されると共に、テーブルを保持しておく必要が無いため、必要なメモリ容量が低減されるのでコスト面でも有利である。
【0027】
しかしながら、各INDEXデータ毎に乱数を発生する必要があるため、回路負荷が増え高速化が困難となるという問題が生じる。
【0028】
本発明は以上のような状況を鑑みてなされたものであり、高品位画像の記録を可能とし、構成が簡単で高速処理が可能であり、かつ大きなメモリ容量を必要としない画像処理装置及び画像処理方法を提供することを目的とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の画像処理装置は、入力画像データを、各画素が所定の領域内に記録される複数のドットのパターンによって表わされる記録データに変換する画像処理装置であって、
第1の階調値を有する第1の画素データを、前記第1の階調値より低い第2の階調値を有する第2の画素データに変換すると共に、該変換によって生じた誤差を周囲の画素に所定のパターンで分配する誤差拡散処理を行う、多値ハーフトーン手段と、
前記第2の階調値のいずれかに対して前記ドットのパターンが複数存在するとき、前記変換によって生じた誤差に関する情報に基づいて、前記第2の画素データに対応する前記ドットのパターンを表わす情報を生成するインデックス情報生成手段と、を備えている。
【0030】
また、上記目的を達成する本発明の画像処理方法は、入力画像データを、各画素が所定の領域内に記録される複数のドットのパターンによって表わされる記録データに変換する画像処理方法であって、
第1の階調値を有する第1の画素データを、前記第1の階調値より低い第2の階調値を有する第2の画素データに変換すると共に、該変換によって生じた誤差を周囲の画素に所定のパターンで分配する誤差拡散処理を行う、多値ハーフトーン工程と、
前記第2の階調値のいずれかに対して前記ドットのパターンが複数存在するとき、前記変換によって生じた誤差に関する情報に基づいて、前記第2の画素データに対応する前記ドットのパターンを表わす情報を生成するインデックス情報生成工程と、を備えている。
【0031】
すなわち、本発明では、入力画像データを、各画素が所定の領域内に記録される複数のドットのパターンによって表わされる記録データに変換する際に、第1の階調値を有する第1の画素データを、第1の階調値より低い第2の階調値を有する第2の画素データに変換すると共に、該変換によって生じた誤差を周囲の画素に所定のパターンで分配する誤差拡散処理を行い、第2の階調値のいずれかに対してドットのパターンが複数存在するとき、変換によって生じた誤差に関する情報に基づいて、第2の画素データに対応するドットのパターンを表わす情報を生成する。
【0032】
このようにすると、第1の階調値から変換した第2の階調値(階調レベル)のいずれかに対して複数のドットパターンが存在するときに、従来行われていた記録位置に対応したインデックス情報に基づいてドットパターンを選択する手法と比べて使用するメモリ容量が大幅に低減され、乱数を発生させてドットパターンを選択する手法と比べて処理に要する時間が短縮され、かつテクスチャの発生を抑制して高品位の画像記録が可能となる。
【0033】
従って、高品位な画像の記録を可能にすると共に、構成が簡単となり高速処理が可能であり、かつ装置のコストを低減することが可能となる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下添付図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の実施形態では、プリンタ等の記録装置に対する記録データを生成する処理に本発明を適用した場合を例に挙げて説明する。
【0035】
図1は、RGBの画像データから記録装置に対する記録データを生成する画像処理に関する概略構成を示すブロック図である。図1において、上記で従来例に関して説明した図4に示した構成要素と同様な構成要素を同様な符号で表わしている。
【0036】
本実施形態は画像処理に関する構成として、加法混色系のRGBそれぞれ8ビットで表わされる各画素のデータを、減法混色系のYMCそれぞれ8ビットで表わされる画素データに変換する色変換器1と、YMCそれぞれ8ビットで表わされる画素データを、誤差拡散法を用いて空間的に平均化して信号レベルの分解能を落として、YMCそれぞれ3ビットのデータとして出力する多値ハーフトーン器2’と、多値ハーフトーン器2から出力されたINDEX値及び誤差データに基づいて、INDEX値に対するドットパターン(ドット配置)を決定して4ビットのデータで出力するINDEX位置生成器4と、INDEX位置生成器4からの出力データに必要な処理を施して記録データを生成する記録データ処理器31を含む記録装置3’とを有している。
【0037】
図1に示した構成において、図4に示した従来の構成と異なっているのは、多値ハーフトーン器2’と記録装置3との間に、INDEX位置生成器4が設けられている点である。また、多値ハーフトーン器2’が、INDEX値に加え誤差拡散処理で生じた誤差データを出力する点と、記録装置3’内にINDEXテーブル32及びINDEXデータ変換器33が設けられていない点とが、図4に示した構成とは異なっている。
【0038】
このように、本実施形態は、多値ハーフトーン器2の出力(INDEX値)と、多値ハーフトーン器2から出力される誤差データとに基づいて、INDEX位置生成器4でINDEX値に対するドットパターン(ドット配置)を決定するように構成されている。
【0039】
このため、INDEX値が同じであっても、誤差データは、その画素の周囲の入力データによって変化するため、必ずしも同じ値とはならない。従って、INDEX位置生成器4から出力されるINDEX値が同じであっても、誤差データの値は画素毎に異なった値となる場合が多い。特に、処理する画像が自然画像のようなデータに対して誤差拡散法を適用する場合には、誤差データがほとんどランダムな値となることが知られている。このため、上記従来例で説明した乱数を用いた方法とほぼ同等な効果を得る事が出来る。
【0040】
図2は、本実施形態の多値ハーフトーン器2の内部構成とその出力とを詳細に示す図である。一般的な多値ハーフトーン器の構成は、例えば、特許登録番号第3200287号、及び3200274号等に詳しく記載されており周知であるが、上述のように本実施形態の多値ハーフトーン器2’は、後続のINDEX位置生成器4に出力される信号が異なっている。
【0041】
多値ハーフトーン器2’へ入力された信号は、加算器21で誤差データ制御器26から出力された誤差データ(このデータは、周囲に配分された誤差データである)と加算され、比較器23へ出力される。比較器23ではこの値と比較基準器22からの比較基準信号と比較し、INDEX値を出力する。このINDEX値は、代表値化器24によって、加算器21の出力と同じディメンジョンに信号レベルを変換された後、減算器25へ出力され、比較器23の入力信号と比較後の信号(代表値化器24から出力されたINDEX値)との差が取られ、誤差データとして誤差データ制御器26へ出力される。
【0042】
誤差データ制御器26では、誤差データを予め決められた係数で所定の周囲画素に配分すると共に、入力データに応じた周囲誤差を収集して、加算器21へ送るように構成されている。以上の構成は、従来から周知の多値ハーフトーン器と同様である。
【0043】
本実施形態の多値ハーフトーン器2’は、比較器23から出力されるINDEX値を、INDEX位置生成器4へ出力すると共に、減算器25の出力である誤差データもINDEX位置生成器4へ出力する。これに応じてINDEX位置生成器4は、INDEX値と誤差データとから、INDEX値に対するドットパターン(ドット配置)を決定して出力するように構成されている。
【0044】
INDEX位置生成器4の構成については、様々な形態が考えられるが以下でその一例を説明する。
【0045】
例えば、図5に示したように、1画素が1つの領域の大きさが記録解像度に相当する2×2のマトリクス状の4つの領域で形成され、INDEX値として取り得る値が0〜4の5通りである場合を想定する。この場合、INDEX値の1に対しては、図3の(a)から(d)に示すように4つの領域のいずれか1つにドットが形成される4通りのドットパターンが存在する。従って、4種類の情報それぞれにいずれか1つのドットパターンを対応させるように構成すればよい。ここで、4種類の情報を識別するためには最低2ビットのデータが有ればよい。
【0046】
一方、誤差データは、入力信号に対して負の値も考慮する必要があるため、出力信号の分解能を表現するビット数+1ビット以上必要であり、上記4種類の情報の識別に必要な2ビットよりは十分に大きな値である。本発明はこれに着目して、誤差データの一部を抜き出して、ドットパターン決定用の情報として使用するものである。
【0047】
上述のようにINDEX値は0〜4の5つの値を取るため、入力信号が8ビット(0〜255)の場合は、分解能は、1/4=64値(6ビット)であり、実効誤差データは7ビットとなるので、2ビットデータを得るには十分である。
【0048】
例えば、7ビットの実効誤差データの下位2ビットをドットパターン決定用の制御信号として用いると、INDEX値=1に対して、
制御信号=(00)のとき、出力値=(0001)
(01)のとき、出力値=(0010)
(10)のとき、出力値=(0100)
(11)のとき、出力値=(1000)
となるように構成すれば、制御信号から4種類のドットパターンが一意に決定される。
【0049】
この場合、INDEX位置生成器4の構成としては、ロジック回路によってハードウェアとして構成してもよいし、テーブル等の手段を用いてソフトウェアとして構成することもできる。詳細な構成については、他の構成要素との関係や、画像処理装置あるいは記録システム全体の構成に応じて適宜選択される。
【0050】
また、上記のように誤差データを符号付きの情報として、そこから抽出した2ビットのデータを制御信号として使用してもよいが、絶対値をとって、即ち、負のデータの場合は、符号無し正の値にした後に、同様に制御信号として使用しても良い。
【0051】
更に、誤差データに、少数点以下の値が含まれる構成の場合でも、同様に構成出来る。この場合は、少数点を含めて、実効的に意味のある値を示す最下位2ビットを用いたり、小数点以上2ビットを用いても良い。
【0052】
上記で、誤差データから下位の2ビットを抽出して制御信号として用いたとのは、画素毎の変化が大きくランダムな値が得られるためであるが、下位2ビットに限定されるものでは無く、任意の連続した2ビットまたは、任意の2ビットでも良い。
【0053】
例えば、上位の方の2ビットを選択した場合は、データの変動が少なくなり、結果的に高周波成分の変動が少なくなるという効果が得られる。
【0054】
また、誤差データから2ビットを抜き出して制御信号として使用するのは、1つのINDEX値に対して最大で4通りのドットパターンが存在するためであり、1画素を構成する領域の数や1つのINDEX値に対するドットパターンの最大数に応じて、制御信号のビット数が変化するのは当業者には容易に理解されよう。
【0055】
更に、上記の実施形態では、誤差データとして、INDEX値を生成した後の誤差データを使用しているが、INDEX値を生成するために使用する誤差データ(即ち、加算器21へ入力される誤差データ)を使用しても良いし、あるいは別系統の色を処理する時の誤差データを使用してもよい。
【0056】
[その他の実施形態]
以上の実施形態は、プリンタ等の記録装置に対する記録データを生成する処理に本発明を適用したものであるが、この場合、本発明の機能を実現する各構成要素は、パーソナルコンピュータ等のホスト機器にプリンタドライバの一部として組み込まれていても、記録装置の内部の画像処理回路に組み込まれてもよいし、記録装置とは別体のインターフェイス機器として構成されてもよい。
【0057】
更に、記録装置の記録方式についても特に限定されず、インクジェットプリンタ以外の様々な方式の記録装置に適用できる。
【0058】
なお、本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ,インターフェース機器,リーダ,プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、プリンタ,複写機,ファクシミリ装置など)に適用してもよい。
【0059】
また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
【0060】
この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0061】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROMなどを用いることができる。
【0062】
また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0063】
さらに、記憶媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0064】
本発明を上記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体には、先に説明した(図1および図2に示す)各構成要素の機能を実現するプログラムコードが格納されることになる。
【0065】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、従来行われていた記録位置に対応したインデックス情報に基づいてドットパターンを選択する手法と比べて使用するメモリ容量が大幅に低減され、乱数を発生させてドットパターンを選択する手法と比べて処理に要する時間が短縮され、かつテクスチャの発生を抑制して高品位の画像記録が可能となる。
【0066】
従って、高品位な画像の記録を可能にすると共に、構成が簡単となり高速処理が可能であり、かつ装置のコストを低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の代表的な実施形態の画像処理に関する概略構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態の多値ハーフトーン器2の内部構成とその出力とを詳細に示す図である。
【図3】INDEX値の1に対する4通りのドットパターンを示す図である。
【図4】従来の画像処理に関する概略構成を示すブロック図である。
【図5】記録媒体上に記録される画像データの一部を拡大して示す図である。
【図6】従来の画像処理に関する別の構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 色変換器
2、2’ 多値ハーフトーン器
3、3’ 記録装置
4 INDEX位置生成器
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像処理装置及び画像処理方法に関し、特に、入力画像データを、各画素が所定の領域内に記録される複数のドットのパターンによって表わされる記録データに変換する画像処理装置及び画像処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えばワードプロセッサ、パーソナルコンピュータ、ファクシミリ等に於ける情報出力装置として、所望される文字や画像等の情報を用紙やフィルム等シート状の記録媒体に記録を行うプリンタが広く使用されている。
【0003】
プリンタの記録方式としては様々な方式が知られているが、用紙等の記録媒体に非接触記録が可能である、カラー化が容易である、静粛性に富む、等の理由でインクジェット方式が近年特に注目されており、又その構成としては所望される記録情報に応じてインクを吐出する記録ヘッドを装着すると共に用紙等の記録媒体の送り方向と交差する方向に往復走査しながら記録を行なうシリアル記録方式が安価で小型化が容易などの点から一般的に広く用いられている。
【0004】
近年、このようなプリンタの記録解像度が飛躍的に向上し、画像(特に、カラー画像)を記録する用途が増えている。これは特に、デジタルカメラ等の画像入力装置の近年のめざましい発展の影響も受けており、両者間での相乗効果も大きい。
【0005】
上記のインクジェットプリンタのような、インクの有り無しだけで画像を表現するプリンタでも記録解像度が飛躍的に向上しており、なめらかな階調画像が記録できる装置も増えてきている。
【0006】
このような装置では、向上させた記録解像度の一部を、階調性の向上のために使用しており、1つの画素を複数のドットを用いた面積階調法による多値表現が可能となっている。
【0007】
例えば、加法混色系のR、G、Bを用いた入力信号を、減法混色系のシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)を用いた記録信号に変換するとき、いわゆる誤差拡散法により、源信号(CMY)を空間的に平均化すると共に源信号よりもレベルの少ない(例えば、8値の源信号に対して、4値)多値信号に変換する、多値ハーフトーンと呼ばれる処理を行い、記録時に使用する解像度を、多値ハーフトーンレベルに見合う解像度に落として、即ち、例えば4値の場合は縦横の解像度を各1/2に落として、各画素を2×2のマトリクス内に記録されるドットを用いて表現することによって実現している。
【0008】
但し、階調を表現するときに、入力階調数に応じた画素の記録方法(上記マトリクス内にドットを記録するパターン、以下ドットパターンと称する)を固定してしまうと、記録した画像に固定パターン(テクスチャ)が現れてしまい、画像品位が低下するので、様々な工夫が成されている。
【0009】
例えば、多値ハーフトーンレベル毎に、ドットパターンを記録媒体内の記録位置に応じてあらかじめ変化させた情報(INDEXテーブルと呼ぶ)を保持しておき、記録の際に、記録位置と多値ハーフトーンレベルとによってドットパターンを決定する方法や、多値ハーフトーンレベルに応じて発生させた乱数に応じてドットパターンを決定する方法等がある。
【0010】
このような多値ハーフトーンに対する記録データを生成する処理について、図を参照して簡単に説明する。
【0011】
図4は、INDEXテーブルを用いて多値ハーフトーンに対する記録データを生成する、画像処理に関する概略構成を示すブロック図である。加法混色系のRGBそれぞれ8ビットのデータで表わされた入力画像の各画素のデータは、色変換器1で記録用の減法混色系のYMCそれぞれ8ビットで表わされる画素データに変換された後、多値ハーフトーン器2へ送られる。
【0012】
多値ハーフトーン器2では、空間的に信号を平均化して信号レベルの分解能を、例えば、3ビット(8値)に落として出力される(このデータを、INDEXデータと呼ぶ)。
【0013】
多値ハーフトーン器2から出力されたINDEXデータは、記録装置3に入力される。記録装置3では、記録位置等に応じて、必要なデータ処理を記録データ処理器31で施して記録データとして出力する。この時、記録位置と入力INDEXデータとの関係をあらかじめ設定した、INDEXテーブル32のデータを参照しながら、INDEXデータ変換器33で変換して各画素に対する記録データを生成している。
【0014】
このINDEXデータの意味を分かり易く説明するために、記録媒体上に記録される画像データの一部を拡大して示す図5を参照して簡単に説明する。
【0015】
図中の大文字A、Bで画定される太線の枠内の1つの領域50が、多値ハーフトーン器2で出力されるデータの1画素に相当する領域で、小文字a、bで画定される1つの領域の大きさが、記録解像度に相当する。
【0016】
図中50で示す領域が上下左右に繰り返されて1ページの画像Pが形成される。この領域50内には、51〜54で示すようにa、bで画定される領域が4個存在する。この4つの領域に対するドットパターンで、領域50に割り当てられた階調値を表現する。
【0017】
この時、例えば、階調値1を表現する場合、ドットを記録する位置としては4箇所あり、いずれの位置にドットを記録してもいずれも階調値1に相当する濃度レベルとなる。
【0018】
このように同じ階調値に対して複数のドットパターンが存在する場合に、予め定められたINDEXテーブル32のデータを参照しながら、INDEXデータ変換器33でどの位置にドットを記録するのかを決定する。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようにINDEXテーブルを用いて画素毎のドットパターンを決定する方法では、INDEXデータの大きさ(ビット数)に比例してテーブルのサイズが大きくなる。
【0020】
また、最近では、CMYにK(ブラック)を加えた4色以外にも淡マゼンタや淡シアンなどの色(インク)を記録に使用するプリンタも提案されているが、このようなプリンタに対する記録データを生成する際には、使用される色(インク)毎にテーブルを設ける必要があるので、テーブルデータ全体の容量が大きくなり、これらを格納するためのメモリ容量が増大し、装置全体のコストが増加してしまう。
【0021】
特に、INDEXデータに応じてドットパターンを決定する際に、同じドットパターンが使用される周期が一定であると、繰り返しパターンによるテクスチャが発生しやすくなるので、繰り返し周期を工夫する必要があり、そのため、テーブルサイズが更に大きくなる傾向にある。
【0022】
また、記録データ生成の際に、各INDEXデータ毎にテーブル参照する処理が必要となり、記録解像度が高くなるにつれて記録データの生成を高速で行うのが困難になるという問題も生じる。
【0023】
一方、上記繰り返し周期によるテクスチャを回避し、かつ、テーブル参照の処理を軽減するため、INDEXデータに対するドットパターンを乱数によって決定する方法も考案されている。
【0024】
図6は、乱数を用いて多値ハーフトーンに対する記録データを生成する、画像処理に関する概略構成を示すブロック図である。図4に示した構成との違いは、INDEXテーブル32の代わりに、乱数発生器34が設けられている点である。
【0025】
なお、図6に示した構成では、乱数発生器33は、記録装置3内に配置されているが、多値ハーフトーン器2と記録装置3との間にINDEXデータ変換器33を配置し、乱数発生器34のデータによって多値ハーフトーン器2からのデータを記録解像度に合わせたドットパターンに変換して、記録装置3へデータを送る構成としてもよい。
【0026】
このように乱数を用いると、INDEXテーブルの繰り返し周期に起因する固定のテクスチャの発生が抑制されると共に、テーブルを保持しておく必要が無いため、必要なメモリ容量が低減されるのでコスト面でも有利である。
【0027】
しかしながら、各INDEXデータ毎に乱数を発生する必要があるため、回路負荷が増え高速化が困難となるという問題が生じる。
【0028】
本発明は以上のような状況を鑑みてなされたものであり、高品位画像の記録を可能とし、構成が簡単で高速処理が可能であり、かつ大きなメモリ容量を必要としない画像処理装置及び画像処理方法を提供することを目的とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の画像処理装置は、入力画像データを、各画素が所定の領域内に記録される複数のドットのパターンによって表わされる記録データに変換する画像処理装置であって、
第1の階調値を有する第1の画素データを、前記第1の階調値より低い第2の階調値を有する第2の画素データに変換すると共に、該変換によって生じた誤差を周囲の画素に所定のパターンで分配する誤差拡散処理を行う、多値ハーフトーン手段と、
前記第2の階調値のいずれかに対して前記ドットのパターンが複数存在するとき、前記変換によって生じた誤差に関する情報に基づいて、前記第2の画素データに対応する前記ドットのパターンを表わす情報を生成するインデックス情報生成手段と、を備えている。
【0030】
また、上記目的を達成する本発明の画像処理方法は、入力画像データを、各画素が所定の領域内に記録される複数のドットのパターンによって表わされる記録データに変換する画像処理方法であって、
第1の階調値を有する第1の画素データを、前記第1の階調値より低い第2の階調値を有する第2の画素データに変換すると共に、該変換によって生じた誤差を周囲の画素に所定のパターンで分配する誤差拡散処理を行う、多値ハーフトーン工程と、
前記第2の階調値のいずれかに対して前記ドットのパターンが複数存在するとき、前記変換によって生じた誤差に関する情報に基づいて、前記第2の画素データに対応する前記ドットのパターンを表わす情報を生成するインデックス情報生成工程と、を備えている。
【0031】
すなわち、本発明では、入力画像データを、各画素が所定の領域内に記録される複数のドットのパターンによって表わされる記録データに変換する際に、第1の階調値を有する第1の画素データを、第1の階調値より低い第2の階調値を有する第2の画素データに変換すると共に、該変換によって生じた誤差を周囲の画素に所定のパターンで分配する誤差拡散処理を行い、第2の階調値のいずれかに対してドットのパターンが複数存在するとき、変換によって生じた誤差に関する情報に基づいて、第2の画素データに対応するドットのパターンを表わす情報を生成する。
【0032】
このようにすると、第1の階調値から変換した第2の階調値(階調レベル)のいずれかに対して複数のドットパターンが存在するときに、従来行われていた記録位置に対応したインデックス情報に基づいてドットパターンを選択する手法と比べて使用するメモリ容量が大幅に低減され、乱数を発生させてドットパターンを選択する手法と比べて処理に要する時間が短縮され、かつテクスチャの発生を抑制して高品位の画像記録が可能となる。
【0033】
従って、高品位な画像の記録を可能にすると共に、構成が簡単となり高速処理が可能であり、かつ装置のコストを低減することが可能となる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下添付図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の実施形態では、プリンタ等の記録装置に対する記録データを生成する処理に本発明を適用した場合を例に挙げて説明する。
【0035】
図1は、RGBの画像データから記録装置に対する記録データを生成する画像処理に関する概略構成を示すブロック図である。図1において、上記で従来例に関して説明した図4に示した構成要素と同様な構成要素を同様な符号で表わしている。
【0036】
本実施形態は画像処理に関する構成として、加法混色系のRGBそれぞれ8ビットで表わされる各画素のデータを、減法混色系のYMCそれぞれ8ビットで表わされる画素データに変換する色変換器1と、YMCそれぞれ8ビットで表わされる画素データを、誤差拡散法を用いて空間的に平均化して信号レベルの分解能を落として、YMCそれぞれ3ビットのデータとして出力する多値ハーフトーン器2’と、多値ハーフトーン器2から出力されたINDEX値及び誤差データに基づいて、INDEX値に対するドットパターン(ドット配置)を決定して4ビットのデータで出力するINDEX位置生成器4と、INDEX位置生成器4からの出力データに必要な処理を施して記録データを生成する記録データ処理器31を含む記録装置3’とを有している。
【0037】
図1に示した構成において、図4に示した従来の構成と異なっているのは、多値ハーフトーン器2’と記録装置3との間に、INDEX位置生成器4が設けられている点である。また、多値ハーフトーン器2’が、INDEX値に加え誤差拡散処理で生じた誤差データを出力する点と、記録装置3’内にINDEXテーブル32及びINDEXデータ変換器33が設けられていない点とが、図4に示した構成とは異なっている。
【0038】
このように、本実施形態は、多値ハーフトーン器2の出力(INDEX値)と、多値ハーフトーン器2から出力される誤差データとに基づいて、INDEX位置生成器4でINDEX値に対するドットパターン(ドット配置)を決定するように構成されている。
【0039】
このため、INDEX値が同じであっても、誤差データは、その画素の周囲の入力データによって変化するため、必ずしも同じ値とはならない。従って、INDEX位置生成器4から出力されるINDEX値が同じであっても、誤差データの値は画素毎に異なった値となる場合が多い。特に、処理する画像が自然画像のようなデータに対して誤差拡散法を適用する場合には、誤差データがほとんどランダムな値となることが知られている。このため、上記従来例で説明した乱数を用いた方法とほぼ同等な効果を得る事が出来る。
【0040】
図2は、本実施形態の多値ハーフトーン器2の内部構成とその出力とを詳細に示す図である。一般的な多値ハーフトーン器の構成は、例えば、特許登録番号第3200287号、及び3200274号等に詳しく記載されており周知であるが、上述のように本実施形態の多値ハーフトーン器2’は、後続のINDEX位置生成器4に出力される信号が異なっている。
【0041】
多値ハーフトーン器2’へ入力された信号は、加算器21で誤差データ制御器26から出力された誤差データ(このデータは、周囲に配分された誤差データである)と加算され、比較器23へ出力される。比較器23ではこの値と比較基準器22からの比較基準信号と比較し、INDEX値を出力する。このINDEX値は、代表値化器24によって、加算器21の出力と同じディメンジョンに信号レベルを変換された後、減算器25へ出力され、比較器23の入力信号と比較後の信号(代表値化器24から出力されたINDEX値)との差が取られ、誤差データとして誤差データ制御器26へ出力される。
【0042】
誤差データ制御器26では、誤差データを予め決められた係数で所定の周囲画素に配分すると共に、入力データに応じた周囲誤差を収集して、加算器21へ送るように構成されている。以上の構成は、従来から周知の多値ハーフトーン器と同様である。
【0043】
本実施形態の多値ハーフトーン器2’は、比較器23から出力されるINDEX値を、INDEX位置生成器4へ出力すると共に、減算器25の出力である誤差データもINDEX位置生成器4へ出力する。これに応じてINDEX位置生成器4は、INDEX値と誤差データとから、INDEX値に対するドットパターン(ドット配置)を決定して出力するように構成されている。
【0044】
INDEX位置生成器4の構成については、様々な形態が考えられるが以下でその一例を説明する。
【0045】
例えば、図5に示したように、1画素が1つの領域の大きさが記録解像度に相当する2×2のマトリクス状の4つの領域で形成され、INDEX値として取り得る値が0〜4の5通りである場合を想定する。この場合、INDEX値の1に対しては、図3の(a)から(d)に示すように4つの領域のいずれか1つにドットが形成される4通りのドットパターンが存在する。従って、4種類の情報それぞれにいずれか1つのドットパターンを対応させるように構成すればよい。ここで、4種類の情報を識別するためには最低2ビットのデータが有ればよい。
【0046】
一方、誤差データは、入力信号に対して負の値も考慮する必要があるため、出力信号の分解能を表現するビット数+1ビット以上必要であり、上記4種類の情報の識別に必要な2ビットよりは十分に大きな値である。本発明はこれに着目して、誤差データの一部を抜き出して、ドットパターン決定用の情報として使用するものである。
【0047】
上述のようにINDEX値は0〜4の5つの値を取るため、入力信号が8ビット(0〜255)の場合は、分解能は、1/4=64値(6ビット)であり、実効誤差データは7ビットとなるので、2ビットデータを得るには十分である。
【0048】
例えば、7ビットの実効誤差データの下位2ビットをドットパターン決定用の制御信号として用いると、INDEX値=1に対して、
制御信号=(00)のとき、出力値=(0001)
(01)のとき、出力値=(0010)
(10)のとき、出力値=(0100)
(11)のとき、出力値=(1000)
となるように構成すれば、制御信号から4種類のドットパターンが一意に決定される。
【0049】
この場合、INDEX位置生成器4の構成としては、ロジック回路によってハードウェアとして構成してもよいし、テーブル等の手段を用いてソフトウェアとして構成することもできる。詳細な構成については、他の構成要素との関係や、画像処理装置あるいは記録システム全体の構成に応じて適宜選択される。
【0050】
また、上記のように誤差データを符号付きの情報として、そこから抽出した2ビットのデータを制御信号として使用してもよいが、絶対値をとって、即ち、負のデータの場合は、符号無し正の値にした後に、同様に制御信号として使用しても良い。
【0051】
更に、誤差データに、少数点以下の値が含まれる構成の場合でも、同様に構成出来る。この場合は、少数点を含めて、実効的に意味のある値を示す最下位2ビットを用いたり、小数点以上2ビットを用いても良い。
【0052】
上記で、誤差データから下位の2ビットを抽出して制御信号として用いたとのは、画素毎の変化が大きくランダムな値が得られるためであるが、下位2ビットに限定されるものでは無く、任意の連続した2ビットまたは、任意の2ビットでも良い。
【0053】
例えば、上位の方の2ビットを選択した場合は、データの変動が少なくなり、結果的に高周波成分の変動が少なくなるという効果が得られる。
【0054】
また、誤差データから2ビットを抜き出して制御信号として使用するのは、1つのINDEX値に対して最大で4通りのドットパターンが存在するためであり、1画素を構成する領域の数や1つのINDEX値に対するドットパターンの最大数に応じて、制御信号のビット数が変化するのは当業者には容易に理解されよう。
【0055】
更に、上記の実施形態では、誤差データとして、INDEX値を生成した後の誤差データを使用しているが、INDEX値を生成するために使用する誤差データ(即ち、加算器21へ入力される誤差データ)を使用しても良いし、あるいは別系統の色を処理する時の誤差データを使用してもよい。
【0056】
[その他の実施形態]
以上の実施形態は、プリンタ等の記録装置に対する記録データを生成する処理に本発明を適用したものであるが、この場合、本発明の機能を実現する各構成要素は、パーソナルコンピュータ等のホスト機器にプリンタドライバの一部として組み込まれていても、記録装置の内部の画像処理回路に組み込まれてもよいし、記録装置とは別体のインターフェイス機器として構成されてもよい。
【0057】
更に、記録装置の記録方式についても特に限定されず、インクジェットプリンタ以外の様々な方式の記録装置に適用できる。
【0058】
なお、本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ,インターフェース機器,リーダ,プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、プリンタ,複写機,ファクシミリ装置など)に適用してもよい。
【0059】
また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
【0060】
この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0061】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROMなどを用いることができる。
【0062】
また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0063】
さらに、記憶媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0064】
本発明を上記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体には、先に説明した(図1および図2に示す)各構成要素の機能を実現するプログラムコードが格納されることになる。
【0065】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、従来行われていた記録位置に対応したインデックス情報に基づいてドットパターンを選択する手法と比べて使用するメモリ容量が大幅に低減され、乱数を発生させてドットパターンを選択する手法と比べて処理に要する時間が短縮され、かつテクスチャの発生を抑制して高品位の画像記録が可能となる。
【0066】
従って、高品位な画像の記録を可能にすると共に、構成が簡単となり高速処理が可能であり、かつ装置のコストを低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の代表的な実施形態の画像処理に関する概略構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態の多値ハーフトーン器2の内部構成とその出力とを詳細に示す図である。
【図3】INDEX値の1に対する4通りのドットパターンを示す図である。
【図4】従来の画像処理に関する概略構成を示すブロック図である。
【図5】記録媒体上に記録される画像データの一部を拡大して示す図である。
【図6】従来の画像処理に関する別の構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 色変換器
2、2’ 多値ハーフトーン器
3、3’ 記録装置
4 INDEX位置生成器
Claims (12)
- 入力画像データを、各画素が所定の領域内に記録される複数のドットのパターンによって表わされる記録データに変換する画像処理装置であって、
第1の階調値を有する第1の画素データを、前記第1の階調値より低い第2の階調値を有する第2の画素データに変換すると共に、該変換によって生じた誤差を周囲の画素に所定のパターンで分配する誤差拡散処理を行う、多値ハーフトーン手段と、
前記第2の階調値のいずれかに対して前記ドットのパターンが複数存在するとき、前記変換によって生じた誤差に関する情報に基づいて、前記第2の画素データに対応する前記ドットのパターンを表わす情報を生成するインデックス情報生成手段と、を備えていることを特徴とする画像処理装置。 - 前記誤差に関する情報は、前記第2の階調値のいずれかに対して存在する前記ドットのパターンの数に対応したビット数からなることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
- 前記誤差に関する情報は、前記変換によって生じた誤差から抽出されることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
- 各画素が前記所定の領域内に最大で4つのドットによって表わされ、前記誤差に関する情報が2ビットからなることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
- 前記誤差に関する情報が、前記変換によって生じた誤差を2進数で表わしたときの下位2ビットであることを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
- 入力画像データを、各画素が所定の領域内に記録される複数のドットのパターンによって表わされる記録データに変換する画像処理方法であって、
第1の階調値を有する第1の画素データを、前記第1の階調値より低い第2の階調値を有する第2の画素データに変換すると共に、該変換によって生じた誤差を周囲の画素に所定のパターンで分配する誤差拡散処理を行う、多値ハーフトーン工程と、
前記第2の階調値のいずれかに対して前記ドットのパターンが複数存在するとき、前記変換によって生じた誤差に関する情報に基づいて、前記第2の画素データに対応する前記ドットのパターンを表わす情報を生成するインデックス情報生成工程と、を備えていることを特徴とする画像処理方法。 - 前記誤差に関する情報は、前記第2の階調値のいずれかに対して存在する前記ドットのパターンの数に対応したビット数からなることを特徴とする請求項6に記載の画像処理方法。
- 前記誤差に関する情報を、前記変換によって生じた誤差から抽出する工程を更に含むことを特徴とする請求項6に記載の画像処理方法。
- 各画素が前記所定の領域内に最大で4つのドットによって表わされ、前記誤差に関する情報が2ビットからなることを特徴とする請求項6に記載の画像処理方法。
- 前記変換によって生じた誤差を2進数で表わしたときの下位2ビットを前記誤差に関する情報として用いることを特徴とする請求項9に記載の画像処理方法。
- 請求項6から10のいずれか1項に記載された画像処理方法の各工程をコンピュータに実行させるためのプログラムコードを含むコンピュータプログラム。
- 請求項11に記載のコンピュータプログラムを記憶したことを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体。
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US9030713B2 (en) | 2010-07-27 | 2015-05-12 | Canon Kabushiki Kaisha | Data processing apparatus and data processing method |
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- 2002-06-04 JP JP2002163178A patent/JP2004015213A/ja not_active Withdrawn
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