JP2004014700A - 電磁弁用ソレノイド - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ソレノイド8の磁気吸引面17には、室内13に満たされる液化ガス燃料が非常に高圧でも、その液化ガス燃料が収納部26内のコイル支持部材22に浸入しないように室内13と収納部26とを区画シールする金属製の蓋部材30が設けられている。この蓋部材30は、ステータコア23の内外周側の磁力を室内13に導く内周磁極部31、外周磁極部32と、リング状の磁気遮断部33とを接合してなる。このため、非常に高い圧力の液化ガス燃料が室内13に供給されても、その高い圧力はコイル支持部材22に作用せず、液化ガス燃料が外部に漏れる不具合はない。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アーマチャを吸引する磁気吸引面に作動流体が触れた状態で使用される電磁弁用ソレノイドに関するものであり、特に磁気吸引面に加わる作動流体の圧力が高圧な電磁弁に用いて好適な技術である。
【0002】
【従来の技術】
アーマチャを吸引するソレノイドの磁気吸引面に作動流体が触れた状態で使用される電磁弁がある(例えば、特開昭64−73166号公報に開示される可変吐出量高圧ポンプに使用される電磁弁等)。
この種の電磁弁の一例を図7を参照して説明する。
この電磁弁は、弁部J1が設けられたニードルJ2、このニードルJ2に設けられた鉄製のアーマチャJ3を吸引するソレノイドJ4等から構成されるものであり、アーマチャJ3を収容する室内J5には作動流体(燃料等)が満たされる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ソレノイドJ4は、図7に示されるように、コイルJ6、樹脂製のコイル支持部材J7、ステータコアJ8を備えるものであり、コイル支持部材J7は作動流体で満たされる室内J5に露出している。
従来の可変吐出量高圧ポンプのように、作動流体が軽油等の場合は、作動流体が樹脂製のコイル支持部材J7に触れても問題はない。しかし、軽油に代えてジメチルエーテル等の液化ガス燃料を用いる場合は、液化ガスの飽和蒸気圧が高い(90℃で約3MPa)ため、可変吐出量高圧ポンプへの燃料供給圧力が軽油と比較して非常に高い圧力となり、室内J5に非常に高い圧力が加わる。
【0004】
▲1▼第1の課題
上記の例のように、非常に高い圧力の作動流体が室内J5に供給されると、樹脂製のコイル支持部材J7が高い圧力によって変形等の破損が発生する可能性がある。
コイル支持部材J7に破損が発生した場合は、室内J5に高圧供給された作動流体がコイル支持部材J7の破損部分を通ってステータコアJ8の上方へ漏れる可能性がある。
【0005】
▲2▼第2の課題
また、作動流体がジメチルエーテルのようなエラストマと化学反応する場合は、材質がNBR製のOリングJ9を使用する必要があるが、電磁弁のように発熱し、高温となる部位には耐熱が低く、使用できないという問題がある。
【0006】
【発明の目的】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、例えソレノイドの磁気吸引面に作動流体によって非常に高い圧力が加えられても、作動流体の圧力がコイルおよびコイル支持部材に作用しないようにしてコイル支持部材の破損や変形を防ぎ、作動流体がコイル支持部材を通って漏れることのない電磁弁用ソレノイドの提供にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
〔請求項1の手段〕
請求項1の手段を採用することにより、次の作用と効果を奏する。
コイルが発生する磁力は、内周磁極部および外周磁極部を介して磁気吸引面に導かれる。内周磁極部と外周磁極部の間は磁気遮断部によって磁束の短絡が回避される。このため、コイルが発生する磁力は、内周磁極部および外周磁極部を介してアーマチャに作用し、アーマチャを磁気吸引面に吸引する。
【0008】
電磁弁用ソレノイドの磁気吸引面には、金属製の蓋部材が設けられて収納部と室内とを区画シールしている。このため、例え室内に非常に高い圧力の作動流体が満たされて、作動流体の圧力が磁気吸引面に加えられても、その高い圧力はコイルおよびコイル支持部材に作用しない。この結果、樹脂製のコイル支持部材が高い圧力によって破損したり変形したりせず、室内に満たされた作動流体がコイル支持部材を通って漏れる不具合はない。
【0009】
〔請求項2の手段〕
請求項2の手段を採用し、室内に露出する磁気遮断部の外径寸法を、コイル支持部材の外径寸法よりも小さく設けても良い。
このように設けることにより、磁気吸引面に対向するアーマチャの径を小さくすることができる。これによってアーマチャを軽量化でき、電磁弁の応答性を高めることができる。
【0010】
〔請求項3の手段〕
非常に高い圧力の作動流体が室内に供給されると、磁気遮断部にはコイル側に抜け出る方向の強い力が加わる。
そこで、請求項3の手段を採用し、磁気遮断部の室内側の幅を収納部側の幅よりも大きく設けても良い。
このように設けることにより、磁気遮断部が受ける圧力を内周磁極部および外周磁極部で受けることができ、磁気遮断部の強度を高めることができる。
【0011】
〔請求項4の手段〕
請求項4の手段を採用し、磁気遮断部の室内側の幅を段差部を介して収納部側の幅よりも大きく設けても良い。
このように設けることにより、段差部によって磁気遮断部の軸方向位置が定まるため内周磁極部、磁気遮断部および外周磁極部からなる蓋部材の組付精度が高められる。
【0012】
〔請求項5の手段〕
請求項5の手段を採用し、磁気吸引面に触れる作動流体が、液化ガス燃料(ジメチルエーテル、LPG等)であっても良い。
この場合、作動流体が超臨界に達して浸透性が極端に高くなっても、作動流体が金属製の蓋部材によってシールされるため、室内に満たされた作動流体がコイル支持部材を通って漏れる不具合はない。
また、作動流体としてジメチルエーテルのようなエラストマと化学反応する場合であっても、室内に満たされた作動流体がコイル支持部材を通って漏れる不具合はないため、高い信頼性を得ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、複数の実施例と変形例を用いて説明する。
〔第1実施例〕
図1〜図3を参照して第1実施例を説明する。なお、以下の実施例では、理解の容易化を図るために図面の上下を電磁弁1の上下として説明するが、電磁弁1の組付方向を変えても良いことは言うまでもない。
【0014】
図1は電磁弁1の断面図を示すものであり、この電磁弁1は、作動流体を高圧圧縮するポンプの圧縮室に装着され、開動作することで高圧に圧縮された作動流体を低圧側に連通させるものであり、バルブシート2が設けられたバルブボディ3、弁部4が設けられた弁体5、スペーサ6、リターンスプリング7、ソレノイド8およびハウジング9等より構成される。
【0015】
バルブボディ3は、下端面に高圧圧縮された作動流体が満たされるものであり、バルブボディ3の軸芯には上下方向に伸びる弁体5の摺動孔11が形成され、その摺動孔11の下端には弁部4が着座するバルブシート2が形成されている。摺動孔11の下部には作動流体を低圧側へ導くための横孔12が形成されている。
また、バルブボディ3には、バルブボディ3とソレノイド8の間に形成される室内13に作動流体を導く縦孔14が形成されている。
【0016】
弁体5は、バルブボディ3の摺動孔11によって上下方向に摺動自在に支持されるニードル15と、ソレノイド8の発生する磁力に引きつけられる鉄製のアーマチャ16とを固着したものである。
ニードル15の下端には、バルブシート2に着座して摺動孔11の下端を閉塞する弁部4が形成されており、この弁部4がバルブシート2から離座するとバルブボディ3の下端面で圧縮された作動流体が横孔12へ導かれる。
アーマチャ16は、縦孔14を介して作動流体が導かれる室内13に配置されるものであり、ソレノイド8が磁力を発生するとアーマチャ16がリターンスプリング7の付勢力に打ち勝ってソレノイド8の下端面(磁気吸引面17)に引きつけられて弁部4がバルブシート2へ着座する。
【0017】
スペーサ6は、バルブボディ3とソレノイド8の間に配置される筒体であり、バルブボディ3とソレノイド8の間にアーマチャ16が可動するスペース(室内13)を形成するものである。
リターンスプリング7は、弁体5を下方へ付勢する圧縮コイルバネであり、ソレノイド8のパイプ24(後述する)のバネ支持部材24aと、弁体5とに挟まれた状態で保持される。
ソレノイド8は、磁力によって弁体5を上方へ吸引して、弁体5の弁部4をバルブシート2に着座させるものであり、詳細は後述する。
【0018】
ハウジング9は、電磁弁1を例えばポンプ等の本体に装着するリテーニングナットであり、このハウジング9を本体に強く締めつけることにより、バルブボディ3、スペーサ6、ソレノイド8が軸方向に強く押しつけられる。
【0019】
次に、ソレノイド8の詳細を説明する。
ソレノイド8は、図2および図3(a)に示されるように、コイル21、コイル支持部材22、ステータコア23、パイプ24等より構成される。
コイル21は表面に絶縁皮膜が施された導電線を円筒状に巻回した周知なものであり、通電によって磁力を発生する。
コイル支持部材22は、コイル21およびコイル通電用のリード端子25をモールドして保持する樹脂であり、コイル21をモールドする部分は円筒状を呈する。
ステータコア23は、コイル21の周囲に磁路を形成する軟磁性体金属(鉄等)であり、コイル支持部材22を収納する収納部26を備える。
【0020】
ソレノイド8の磁気吸引面17には、室内13に満たされる作動流体が例え非常に高圧でも、その作動流体が収納部26内のコイル支持部材22に浸入しないように室内13と収納部26とを区画シールする金属製の蓋部材30が設けられている。
この蓋部材30を全て磁性体金属で形成すると、蓋部材30に磁路が形成されてコイル21の発生した磁力が室内13のアーマチャ16に届かない。逆に、蓋部材30を全て非磁性体金属で形成すると、蓋部材30で磁路が遮断されてコイル21の発生した磁力が室内13のアーマチャ16に届かない。
【0021】
そこで、蓋部材30は、ステータコア23の内周側の磁力を室内13に導く軟磁性体金属(鉄等)よりなる内周磁極部31と、ステータコア23の外周側の磁力を室内13に導く軟磁性体金属(鉄等)よりなる外周磁極部32と、内周磁極部31と外周磁極部32との間に配置された非磁性体金属(ステンレス、アルミニウム等)よりなるリング状の磁気遮断部33とを接合してなる。
内周磁極部31と磁気遮断部33の内周接合部34の全周、および磁気遮断部33と外周磁極部32の外周接合部35の全周は、レーザ溶接、レーザビーム溶接、ろう付け等の手段によって封止されるものであり、内外周接合部34、35からステータコア23内の収納部26に作動流体が浸入できないように設けられている。
【0022】
このように設けられることにより、作動流体として超高圧となる液化ガス燃料(ジメチルエーテル、LPG等)を用いた場合であっても、上述したように作動流体が金属製の蓋部材30によってシールされるため、室内13に満たされた作動流体がコイル支持部材22を破損させて漏れる不具合はない。
このため、ステータコア23の上側のシール対策を廃止でき、従来技術で示したOリングJ9(符号は図7参照)を廃止でき、電磁弁1に使用されるOリングの数を減らすことができる。
さらに、作動流体としてジメチルエーテルのようなエラストマと化学反応する流体を用いる場合であっても、作動流体がOリング等のゴム製のシール部材に触れないため不具合が発生せず、高い信頼性を得ることができる。
【0023】
次に、図2および図3(a)を参照してソレノイド8の組立を説明する。
樹脂製のコイル支持部材22でモールドされたコイル21を、ステータコア23の収納部26に収納する。次に、ステータコア23の中央の貫通穴にパイプ24を挿入するとともに、内周磁極部31、磁気遮断部33、外周磁極部32を上述のように接合した蓋部材30をステータコア23の下面に組付ける。
次に、図3(a)の矢印Aに示すステータコア23と蓋部材30の接合部を全周に亘ってレーザ溶接等の溶接技術によって封止するとともに、図3(a)の矢印Bに示すパイプ24と蓋部材30の接合部を全周に亘ってレーザ溶接等の溶接技術によって封止する。
以上によって室内13の作動流体がコイル支持部材22に浸入しないソレノイド8の組立が完了する。
【0024】
上記構成よりなる電磁弁1の作動および効果を説明する。
コイル21が通電されて磁力を発生すると、その磁力は内周磁極部31および外周磁極部32を介して磁気吸引面17に導かれる。内周磁極部31と外周磁極部32の間は磁気遮断部33によって磁束の短絡が回避されているため、コイル21が発生する磁力は、内周磁極部31および外周磁極部32を介して室内13のアーマチャ16を吸引する。アーマチャ16が磁気吸引面17に吸引されて上方へ変位すると、弁部4がバルブシート2に着座し、電磁弁1が閉じられる。
【0025】
コイル21の通電が停止されて磁力が消えると、リターンスプリング7の付勢力によって弁体5が下方へ押し戻され、弁部4がバルブシート2から離座し、電磁弁1が開かれる。
アーマチャ16が配置される室内13は、横孔12および縦孔14を介して低圧側に通じており、電磁弁1の開閉に関係なく作動流体が満たされる。
【0026】
このように、室内13には作動流体が満たされるが、コイル21およびコイル支持部材22は蓋部材30によって完全に覆われており、作動流体がコイル21およびコイル支持部材22に触れることはない。
このため、非常に高い圧力の作動流体が室内13に供給されても、その高い圧力はコイル支持部材22に作用しない。この結果、樹脂製のコイル支持部材22が高い圧力によって破損したり変形したりせず、作動流体が漏れる不具合はない。
【0027】
次に、磁気遮断部33について説明する。
室内13に非常に高い圧力の作動流体が供給されると、磁気遮断部33にはコイル21側に抜け出る方向の強い力が加わる。
しかるに、磁気遮断部33の内外周は、図3(a)に示すように全周溶接されており、強度が十分あるため作動流体の高圧によって破損することはない。
【0028】
上記に対し、図3(c)に示すように、磁気遮断部33の室内13側の幅を段差部36を介して収納部26側の幅よりも大きく設けても良い。
このように設けることにより、磁気遮断部33が受ける大きな圧力を段差部36を介して内周磁極部31および外周磁極部32で受けることができ、磁気遮断部33の強度が高められる。このように設けることによって高圧に対する磁気遮断部33の強度が高まり、作動流体がコイル21およびコイル支持部材22に触れる不具合が発生しない。
なお、段差部36によって磁気遮断部33の軸方向位置が定まるため、内周磁極部31、磁気遮断部33および外周磁極部32からなる蓋部材30の組付精度が高められる。
【0029】
ここで、図3(b)に示すように、磁気遮断部33によってコイル支持部材22の下面を蓋するように設けるとともに、段差部36によって磁気遮断部33の強度を高めた場合は、室内13に露出する磁気遮断部33の外径寸法a1がコイル支持部材22の外径寸法b1より大きくなってしまう。すると、弁体5のアーマチャ16の外径を大きくする必要があり、大きくすることで重くなるため、結果的に電磁弁1の応答性が悪化してしまう。
【0030】
そこで、この実施例の磁気遮断部33は、図3(a)、(c)に示すように、室内13に露出する磁気遮断部33の外径寸法a2をコイル支持部材22の外径寸法b2よりも小さく設けている。
このように設けることにより、弁体5のアーマチャ16を小径化して軽量化できるため、電磁弁1の応答性を高めることができる。
【0031】
〔第2実施例〕
この第2実施例は、図4に示すように、ジメチルエーテル等の液化ガスを燃料とするコモンレール式燃料噴射システムの可変吐出量高圧ポンプ40の電磁弁1に本発明を適用するものである。
図4に示す可変吐出量高圧ポンプ40は、コモンレールへ高圧燃料を圧送するポンプであり、エンジンのクランク軸等によって回転駆動されるカム41によってピストン42が上下して加圧室43の拡張と縮小を繰り返す。加圧室43には燃料供給ポート44から燃料が供給されるように設けられており、加圧室43で加圧された燃料は燃料吐出ポート45からコモンレールへ送られる。
また、加圧室43には、加圧燃料を低圧側(燃料供給側)へ溢流させることで燃料吐出量を調整する電磁弁1が取り付けられており、上述したようにこの電磁弁1に本発明が適用される。
【0032】
液化ガス燃料用の燃料噴射装置として、ディーゼルエンジン用のコモンレール式燃料噴射装置を適用する場合、基本的に既存の噴射システムを使用することができる。しかし、液化ガス燃料は軽油に比較して飽和圧力が高い(90℃で約3MPa)。このため、可変吐出量高圧ポンプ40へ送る燃料供給圧力が軽油と比較して非常に高い圧力となる。そして、室内13には、図5に示す縦孔14を介して可変吐出量高圧ポンプ40へ送られた燃料供給圧力が加わるため、室内13に満たされる液化ガス燃料(作動流体に相当する)の圧力は非常に高圧となってしまう。
【0033】
このため、従来技術(符号、図7参照)で示したコイル支持部材が直接室内に露出するタイプのソレノイドでは、樹脂製のコイル支持部材が非常に高い圧力の液化ガス燃料によって破損する可能性がある。コイル支持部材に破損が発生した場合は、室内に高圧供給された作動流体がコイル支持部材の破損部分を通って漏れる可能性がある。また、コイル支持部材に破損が生じなくても、コイル支持部材が非常に高い圧力で変形し、その変形部分から高圧の作動流体が漏れる可能性もある。
【0034】
そこで、本発明を適用したソレノイド8を用いることにより、第1実施例で示したように、非常に高圧の液化ガス燃料(作動流体)が室内13に満たされても、コイル支持部材22は蓋部材30によって完全に覆われて液化ガス燃料がコイル支持部材22に触れることはない。
つまり、非常に高い圧力の液化ガス燃料が室内13に満たされた状態であっても、液化ガス燃料の圧力はコイル支持部材22に作用しない。この結果、樹脂製のコイル支持部材22が非常に高い圧力の液化ガス燃料によって破損したり変形したりせず、液化ガス燃料が漏れる不具合はない。
【0035】
この第2実施例のソレノイド8は、図5に示すように、ステータコア23を、断面略T字形を呈した中心コア51と、断面略L字形を呈した外周コア52とを接合して設けたものであり、蓋部材30を構成する内周磁極部31が中心コア51と一体に形成され、外周磁極部32が外周コア52と一体に形成されたものである。
そして、この実施例では、中心コア51と外周コア52との間にコイル21をモールドしたコイル支持部材22および磁気遮断部33を組付け、内周磁極部31と磁気遮断部33の内周接合部34、および磁気遮断部33と外周磁極部32の外周接合部35を、レーザ溶接、レーザビーム溶接等の溶接手段によって全周溶接し、内外周接合部34、35を溶接部53、54によって封止している。
【0036】
また、この実施例の電磁弁1は、ステータコア23とハウジング9との間にソレノイドケース55を介在したものであり、外周磁極部32とソレノイドケース55の接合部56も、レーザ溶接、レーザビーム溶接等の溶接手段によって全周溶接し、接合部56を溶接部57によって封止している。
なお、図5中に示す符号58はOリングを示すものであり、符号59はコイル通電用の樹脂コネクタを示すものである。
【0037】
この実施例では、中心コア51と内周磁極部31が一体化されるとともに、外周コア52と外周磁極部32が一体化されているため、部品点数が少なく、組付けが容易になるため、ソレノイド8のコストを抑えることが可能になる。
また、ステータコア23の接合部が減るため、接合部で発生する漏れ磁束を減少させ、磁気抵抗の減少を図ることができ、ソレノイド8の磁気吸引力の低下を防ぐことができる。
【0038】
〔第3実施例〕
この第3実施例のソレノイド8は、図6に示すように、中心コア51の外周径を小さくし、代わりに外周コア52の軸方向長を長くして、外周コア52の内部に中心コア51を圧入したものである。
このように設けることにより、中心コア51と外周コア52が密着するため、中心コア51と外周コア52の接合部による漏れ磁束の減少および磁気抵抗の減少を図ることができ、ソレノイド8の磁気吸引力の低下を防ぐことができる。
【0039】
〔変形例〕
上記の実施例では、コイル21が通電されているときに電磁弁1が閉じられ、コイル21の通電が停止されている時に電磁弁1が開かれる例を示したが、通電と開閉が逆のタイプの電磁弁1のソレノイド8に本発明を適用しても良い。
また、液化ガス燃料以外の作動流体を制御する電磁弁に本発明を適用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】電磁弁の断面図である(第1実施例)。
【図2】ソレノイドの分解図である(第1実施例)。
【図3】ソレノイドの断面図である(第1実施例)。
【図4】可変吐出量高圧ポンプの断面図である(第2実施例)。
【図5】電磁弁の断面図である(第2実施例)。
【図6】電磁弁の断面図である(第3実施例)。
【図7】電磁弁の断面図である(従来例)。
【符号の説明】
8 ソレノイド
13 室内
16 アーマチャ
17 磁気吸引面
21 コイル
22 コイル支持部材
23 ステータコア
26 収納部
30 蓋部材
31 内周磁極部
32 外周磁極部
33 磁気遮断部
36 段差部
Claims (5)
- 通電により磁力を発生する略筒状を呈したコイル、このコイルを収納する略筒状を呈した樹脂製のコイル支持部材、このコイル支持部材を収納する収納部を有した磁性体金属よりなるステータコアを備え、
アーマチャを吸引する磁気吸引面に作動流体が触れる状態で使用される電磁弁用ソレノイドであって、
前記磁気吸引面には、前記アーマチャが配置されて作動流体が満たされる室内と前記収納部とを区画シールする金属製の蓋部材が設けられ、
この蓋部材は、前記ステータコアの内周側の磁力を前記室内に導く磁性体金属よりなる内周磁極部、前記ステータコアの外周側の磁力を前記室内に導く磁性体金属よりなる外周磁極部、および前記内周磁極部と前記外周磁極部との間に配置された非磁性体金属よりなるリング状の磁気遮断部を備えることを特徴とする電磁弁用ソレノイド。 - 請求項1の電磁弁用ソレノイドにおいて、
前記室内に露出する前記磁気遮断部の外径寸法は、前記コイル支持部材の外径寸法よりも小さく設けられていることを特徴とする電磁弁用ソレノイド。 - 請求項1または請求項2の電磁弁用ソレノイドにおいて、
前記磁気遮断部は、前記室内側の幅が前記収納部側の幅よりも大きく設けられていることを特徴とする電磁弁用ソレノイド。 - 請求項3の電磁弁用ソレノイドにおいて、
前記磁気遮断部は、前記室内側の幅が前記収納部側の幅よりも段差部を介して大きく設けられていることを特徴とする電磁弁用ソレノイド。 - 請求項1〜請求項4のいずれかの電磁弁用ソレノイドにおいて、
前記磁気吸引面に触れる作動流体は、液化ガス燃料であることを特徴とする電磁弁用ソレノイド。
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