JP2010053812A - 電磁アクチュエータ - Google Patents

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Abstract

【課題】 電磁アクチュエータのメインステータ16の材料である複合焼結磁性材に含有される樹脂成分(樹脂粉等)を燃料、特に腐食性のある燃料から保護することで、耐久性を高めることを課題とする。
【解決手段】 電磁アクチュエータは、サブステータ17の第1磁性リング61とストッパ18との全周溶接部P1、サブステータ17の第2磁性リング62と中間ハウジング19との全周溶接部P2、サブステータ17の第1磁性リング61と非磁性リング64との全周溶接部P3、サブステータ17の第2磁性リング62と非磁性リング64との全周溶接部P4、中間ハウジング19と上部ハウジング20との全周溶接部P5等によって、アーマチャ14を収容するアーマチャ収納空間41に対して、メインステータ16を収容するステータ収納空間42が気密または液密に封止されている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、移動体を駆動する電磁アクチュエータに関するもので、特にバルブを往復移動させる電磁アクチュエータを備えた電磁弁に係わる。
[従来の技術]
従来より、内燃機関に燃料を噴射供給する燃料噴射ノズルの上端部に設置されたオリフィスプレートに対して着座、離脱してオリフィスを閉鎖、開放するバルブと、このバルブをその軸線方向に往復移動させる電磁アクチュエータとを備えたインジェクタ用電磁弁が公知である。
ここで、電磁アクチュエータの動作応答性を高めるために、動作応答性に大きく作用する固定コアや可動コアの材料に複合焼結磁性材を用いたものがある。
複合焼結磁性材は、図12に示したように、表面を非磁性材製の絶縁膜(例えば酸化物や合成樹脂被膜)101で覆った磁性体金属粉(例えば鉄粉等)102と合成樹脂粉103とを圧縮して成形した圧粉体(複合磁性材)を金型を用いて圧縮成形し、この圧縮成形した複合磁性材を焼結して固めた複合焼結磁性材よりなる。
この複合焼結磁性材は、渦電流の発生が少ないという利点がある反面、強度や硬度が小さく、且つ脆いという欠点がある。このため、固定コアがコイルに発生する電磁力により可動コアを吸引して、可動コアが固定コアに衝突した衝突エネルギーによって複合焼結磁性材製の固定コアや可動コアが破損するという可能性があった。
そこで、図13に示したように、内燃機関用燃料噴射弁(インジェクタ)のノズルニードル55をその軸線方向に往復移動させる可動コアと、燃料噴射弁の上端部に設置される有底円筒状の第1、第2ハウジング111、112と、これらの第1、第2ハウジング111、112に収容される電磁コイル113と、この電磁コイル113に発生する電磁力により可動コアを引き寄せる固定コアとを備えた電磁アクチュエータが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
そして、電磁アクチュエータの可動コアは、インジェクタ本体内に収容されるノズルニードル55を直接駆動するプランジャ型のアーマチャ104を有している。
また、電磁アクチュエータの固定コアは、第2ハウジング112の内部に収容される複合焼結磁性材製のメインステータ106、およびこのメインステータ106のアーマチャ側端面に対向して配置される軟質磁性材製のサブステータ107によって構成されている。また、第2ハウジング112の内部には、アーマチャ104を移動自在に収容するアーマチャ収納空間114と、メインステータ106を移動自在に収容するステータ収納空間115とが形成されている。また、メインステータ106は、サブステータ107に一体的に形成された円柱棒軸状の軸部116によって第2ハウジング112に固定されている。
なお、アーマチャ104は、サブステータ107のアーマチャ側端面(磁極面)との間に所定のエアギャップ(以下ギャップと略す)を隔てて対向して配置されるサブステータ側端面(磁極面)を有している。
一方、図14に示したように、磁性材製の内側磁気コア121、およびこの内側磁気コア121の径方向の外側に配置される磁性材製の外側磁気コア122に、その中心軸方向に8個のスリット123、124を等間隔で形成した電磁式燃料噴射弁が公知である(例えば、特許文献2参照)。
この電磁式燃料噴射弁においては、内側磁気コア121および外側磁気コア122に8個のスリット123、124が形成され、互いに分割されているので、コイルボビン125に巻回される電磁コイル126に流す駆動電流をオフした時に、内側磁気コア121および外側磁気コア122に生成される渦電流が磁気コア全体の周面に発生せず、各分割部の周面に発生する。これにより、内側磁気コア121および外側磁気コア122を8分割すると、分割されていない断面円形の磁気コアの周長よりも渦電流の経路が2倍以上の長さになる。すなわち、磁気回路を分割すると、渦電流の経路が2倍以上の長さになる。
[従来の技術の不具合]
ところが、特許文献1に記載の電磁アクチュエータにおいては、サブステータ107の外周面と第2ハウジング112の内周面との間に形成される隙間を介して、アーマチャ収納空間114とステータ収納空間115とが連通している。
ここで、アーマチャ収納空間114は、一般的に燃料で満たされている。このため、燃料として、仮に腐食性のある燃料を使用する場合、例えばDME燃料(ジメチルエーテル燃料)やCNGガス燃料(液化天然ガス燃料)を使ったり、腐食性の成分を含む燃料を使ったりする場合、腐食性のある燃料がサブステータ107の外周面と第2ハウジング112の内周面との間に形成される隙間を介して、アーマチャ収納空間114からステータ収納空間115に流れ込み、複合焼結磁性材からなるメインステータ106に触れ、複合焼結磁性材に含有される合成樹脂成分(合成樹脂粉や合成樹脂被膜等)が腐食性のある燃料で劣化して耐久性が低下するという問題がある。
一方、特許文献2に記載の電磁式燃料噴射弁においては、内側磁気コア121の外周と外側磁気コア122の内周との間に、合成樹脂によりモールド成形され、且つコイルボビン125に巻回される電磁コイル126が設置されている。
また、電磁コイル126の端末リード線に接続するターミナルとコネクタとの間に、ターミナルとコネクタとの間の隙間をシールする合成ゴム製のOリングが装着されている。これにより、電磁コイル126をモールド成形する合成樹脂および合成ゴム製のOリングが燃料に触れる可能性があるため、燃料として腐食性のある燃料を使用した場合、電磁コイル126をモールド成形する合成樹脂および合成ゴム製のOリングが燃料で劣化して耐久性が低下するという問題がある。
特開2004−88891号公報 実開平5−83360号公報
本発明の目的は、複合磁性材に含有される樹脂成分(樹脂粉等)を燃料、特に腐食性のある燃料から保護することで、耐久性を高めることのできる電磁アクチュエータを提供することにある。
請求項1に記載の発明によれば、電磁アクチュエータの可動コアに対向して配置される固定コアは、金属粉と樹脂粉とを固めた複合磁性材によって形成されるメインステータ、およびこのメインステータの可動コア側端面に対向して設置されて軟質磁性材を含んで構成されるサブステータを有している。このサブステータは、ハウジングに全周溶接により接合されている。そして、電磁アクチュエータのハウジングは、サブステータとの溶接部によって、可動コアを収容する第1空間に対して、メインステータを収容する第2空間が気密または液密に封止されている。
これによって、可動コアを収容する第1空間に対して、メインステータを収容する第2空間の気密性を確保できるので、第1空間内に満たされる燃料、特に腐食性のある燃料がメインステータを構成する複合磁性材に含有される樹脂成分(樹脂粉等)や第2空間内に収容される樹脂部品に直接触れないようになる。したがって、第1空間内に満たされる燃料、特に腐食性のある燃料から、複合磁性材に含有される樹脂成分(樹脂粉等)や樹脂部品を保護できるので、電磁アクチュエータ、特に複合磁性材からなるメインステータの耐久性を高めることができる。
請求項2に記載の発明によれば、サブステータは、ハウジングの内部空間を第1空間と第2空間とに区画するように、第1空間と第2空間との中間に設置されている。
ここで、サブステータは、ハウジングの端面または外周面または内周面に対向して配置されている。また、サブステータは、ハウジングの外周面または内周面に径方向に重なるように設置されている。また、サブステータは、ハウジングの端面に板厚方向(可動コアの移動方向、軸線方向)に重なるように設置されている。
請求項3に記載の発明によれば、ハウジングは、メインステータの内周全体を覆うようにメインステータよりも径方向の内側に配置される有底筒状の第1金属パイプ、およびメインステータの外周全体を覆うようにメインステータよりも径方向の外側に配置される筒状の第2金属パイプを有している。
請求項4に記載の発明によれば、サブステータは、第1金属パイプに接触するように設置される環状の第1磁性部、および第2金属パイプに接触するように設置される環状の第2磁性部を有している。そして、第1磁性部は、第1金属パイプに全周溶接により接合されている。また、第2磁性部は、第2金属パイプに全周溶接により接合されている。
これにより、電磁アクチュエータのハウジングは、第1金属パイプと第1磁性部との溶接部、および第2金属パイプと第2磁性部との溶接部によって、可動コアを収容する第1空間に対して、メインステータを収容する第2空間が気密または液密に封止される。
請求項5に記載の発明によれば、サブステータは、第1磁性部の外周と第2磁性部の内周との間に、第1磁性部と第2磁性部との間で磁束が漏れることを防止する非磁性材製の磁気抵抗部を有している。
この磁気抵抗部は、第1磁性部に全周溶接により接合されており、且つ第2磁性部に全周溶接により接合されている。
これにより、電磁アクチュエータのハウジングは、第1金属パイプと第1磁性部との溶接部、第2金属パイプと第2磁性部との溶接部、第1磁性部と磁気抵抗部との溶接部、および第2磁性部と磁気抵抗部との溶接部によって、可動コアを収容する第1空間に対して、メインステータを収容する第2空間が気密または液密に封止される。
請求項6に記載の発明によれば、サブステータは、第1磁性部の外周と第2磁性部の内周との間に、第1磁性部と第2磁性部との間で磁束が漏れることを抑える軟質磁性材製の磁気抵抗部を有している。
この磁気抵抗部は、第1磁性部および第2磁性部よりも板厚が薄い薄肉部(磁気絞り)である。
請求項7に記載の発明によれば、移動体を駆動する、つまり移動体をその移動方向(軸線方向)に移動させる可動コアは、サブステータ(のアーマチャ側端面)との間にギャップを隔てて対向して配置されるアーマチャを有している。そして、サブステータのメインステータ側端面に、サブステータの内周部からサブステータの外周部まで延びる放射状の第1スリットを複数形成し、且つサブステータのアーマチャ側端面に、サブステータの内周部からサブステータの外周部まで延びる放射状の第2スリットを複数形成している。
請求項8に記載の発明によれば、第1スリットおよび第2スリットは、サブステータよりも径方向の外側からサブステータを見たとき、隣合う2つの第1スリット間に、これらの第1スリットに対して逆方向に切り込みが入れられた第2スリットが設けられるように、第1スリットと第2スリットとが互い違いにサブステータに設置されている。
請求項9に記載の発明によれば、第1スリットは、サブステータをその板厚方向に貫通しない深さである。また、第2スリットは、サブステータをその板厚方向に貫通しない深さである。そして、第1スリットの深さは、少なくともサブステータの板厚の半分以上とされている。また、第2スリットの深さは、少なくともサブステータの板厚の半分以上とされている。
請求項7ないし請求項9に記載の発明によれば、サブステータの各断面で全周磁路になることを防止することができる。これにより、スリットが形成されていないタイプのサブステータと比べて、渦電流の経路が長くなるので、電気抵抗が大きくなり、サブステータの渦電流損失を低減することが可能となる。これによって、電磁コイルのコイル外径を大きくすることなく、固定コア(メインステータ、サブステータ)による可動コアの吸引力を向上できるので、電磁アクチュエータの動作応答性を高めることができる。
請求項10に記載の発明によれば、移動体を駆動する、つまり移動体をその移動方向(軸線方向)に移動させる可動コアは、サブステータ(のアーマチャ側端面)との間にギャップを隔てて対向して配置されるアーマチャを有している。そして、サブステータのアーマチャ側端面に、サブステータの内周部からサブステータの外周部まで延びる放射状のスリットを複数形成している。
請求項11に記載の発明によれば、スリットは、サブステータをその板厚方向に貫通しない深さである。そして、スリットの深さは、少なくともサブステータの板厚の半分以上とされている。
請求項10および請求項11に記載の発明によれば、サブステータの各断面で全周磁路になることを防止することができる。これにより、スリットが形成されていないタイプのサブステータと比べて、渦電流の経路が長くなるので、電気抵抗が大きくなり、サブステータの渦電流損失を低減することが可能となる。これによって、電磁コイルのコイル外径を大きくすることなく、固定コア(メインステータ、サブステータ)による可動コアの吸引力を向上できるので、電磁アクチュエータの動作応答性を高めることができる。
請求項12に記載の発明によれば、移動体を駆動する、つまり移動体をその移動方向(軸線方向)に移動させる可動コアは、サブステータ(のアーマチャ側端面)との間にギャップを隔てて対向して配置されるアーマチャを有している。そして、サブステータは、メインステータのアーマチャ側端面の中央部に対向して設置される磁性部、およびメインステータのアーマチャ側端面の外周部に対向して設置される磁気抵抗部を有している。そして、磁性部は、磁気抵抗部に全周溶接により接合して、第1空間に対して第2空間を気密封止している。また、磁気抵抗部は、ハウジングに全周溶接により接合して、第1空間に対して第2空間を気密封止している。
すなわち、サブステータの磁性部と磁気抵抗部との接合部を全周溶接により接合して磁性部と磁気抵抗部との間を気密封止(または液密封止)している。また、ハウジングとサブステータの磁気抵抗部との接合部を全周溶接により接合してハウジングと磁気抵抗部との間を気密封止(または液密封止)している。
これによって、可動コアを収容する第1空間に対して、メインステータを収容する第2空間を確実に気密封止(または液密封止)することができる。
請求項13に記載の発明によれば、磁性部のアーマチャ側端面に、磁性部の内周部または中心部から磁性部の外周部まで延びる放射状の第1スリットを複数形成し、且つ磁性部のメインステータ側端面に、磁性部の内周部または中心部から磁性部の外周部まで延びる放射状の第2スリットを複数形成している。
請求項14に記載の発明によれば、第1スリットおよび第2スリットは、サブステータの磁性部よりも径方向の外側からサブステータの磁性部を見たとき、隣合う2つの第1スリット間に、これらの第1スリットに対して逆方向に切り込みが入れられた第2スリットが設けられるように、第1スリットと第2スリットとが互い違いに磁性部に設置されている。
請求項15に記載の発明によれば、第1スリットは、磁性部をその板厚方向に貫通しない深さである。また、第2スリットは、前記磁性部をその板厚方向に貫通しない深さである。そして、第1スリットの深さは、少なくとも磁性部の板厚の半分以上とされている。また、第2スリットの深さは、少なくとも磁性部の板厚の半分以上とされている。
請求項13ないし請求項15に記載の発明によれば、サブステータの各断面で全周磁路になることを防止することができる。これにより、スリットが形成されていないタイプのサブステータと比べて、渦電流の経路が長くなるので、電気抵抗が大きくなり、サブステータの渦電流損失を低減することが可能となる。これによって、電磁コイルのコイル外径を大きくすることなく、固定コア(メインステータ、サブステータ)による可動コアの吸引力を向上できるので、電磁アクチュエータの動作応答性を高めることができる。
請求項16に記載の発明によれば、第1空間内に充満する燃料の流動抵抗力を利用して可動コアの動きを鈍らせるダンパ機構を設けている。例えば可動コアがフルリフトする時に、第1空間内に充満する燃料の流動抵抗力(油密ダンパ作用)を利用して可動コアの動きを鈍らせるようにした場合、可動コアがサブステータ等に衝突する衝突速度が遅くなり、可動コアのバウンスを抑えることができる。
また、可動コアがフルリフトする際に、可動コアがフルリフト位置に到達する寸前で、第1空間内に充満する燃料の流動抵抗力(油密ダンパ作用)を利用して可動コアの動きを鈍らせるようにした場合、電磁アクチュエータの動作応答性の低下を抑えることができる。
請求項17に記載の発明によれば、サブステータは、磁性部の外周面を周方向に取り囲む磁気抵抗部を構成する環状の非磁性部を有している。ここで、非磁性部は、サブステータの磁性部との接合部を全周溶接により接合しているので、磁性部の外周面と非磁性部の内周面との間が気密封止(または液密封止)される。つまり、磁性部の内周部または中心部から磁性部の外周部(外周面)まで延びる放射状の第1、第2スリットにおける磁性部の外周部(外周面)で開口した外周開口部分は、磁気的には開放されているが、燃料通路(燃料逃がし通路)としては環状の非磁性部によって閉鎖されている。
そして、可動コアのサブステータ側端面は、可動コアがフルリフトした際に非磁性部に当接する環状突起を有している。そして、可動コアを収容する第1空間は、可動コアの環状突起よりも径方向の内側で、且つ磁性部のアーマチャ側端面と可動コアのサブステータ側端面との間に形成される内側空間、および可動コアの環状突起よりも径方向の外側で、且つ可動コアとハウジングとの間に形成される外側空間を有している。
そして、第1空間内に充満する燃料の流動抵抗力を利用して可動コアの動きを鈍らせるダンパ機構は、サブステータの非磁性部、可動コアの環状突起、第1空間内に充満する燃料、内側空間と外側空間とを連通するクリアランスによって構成されている。
これによって、可動コアがフルリフトする時に、可動コアがフルリフト位置に到達する寸前で、内側空間内に充満する燃料がサブステータの非磁性部と可動コアの環状突起との間に形成されるクリアランスを通過して、外側空間側に流れ込む際に発生する燃料の流動抵抗力(油密ダンパ作用)によって、可動コアの動きが鈍くなる。これにより、可動コアがサブステータ等に衝突する衝突速度が遅くなるので、可動コアのバウンスを抑えることができる。
請求項18に記載の発明によれば、可動コアに駆動される移動体は、インジェクタ用電磁弁のバルブである。このバルブは、可動コアにより開弁作動方向または閉弁作動方向に駆動される。
本発明を実施するための最良の形態は、複合磁性材に含有される樹脂成分(樹脂粉等)を燃料、特に腐食性のある燃料から保護することで、電磁アクチュエータの耐久性を高めるという目的を、ハウジングとサブステータとの溶接部(接合部)を全周溶接により接合して、可動コアを収容する第1空間に対して、メインステータを収容する第2空間を気密または液密に封止することで実現した。
[実施例1の構成]
図1ないし図4は本発明の実施例1を示したもので、図1はインジェクタを示した図で、図2はインジェクタ用電磁弁を示した図で、図3は電磁アクチュエータを示した図で、図4はサブステータ(磁性+非磁性プレート)を示した図である。
本実施例の燃料噴射装置は、例えば複数の気筒を有するディーゼルエンジン等の内燃機関(エンジン)用の燃料噴射システムとして知られるコモンレール式燃料噴射システム(蓄圧式燃料噴射装置)である。
このコモンレール式燃料噴射システムは、燃料を加圧して高圧化する燃料供給ポンプ(サプライポンプ)と、このサプライポンプより圧送された高圧燃料を蓄圧するコモンレールと、このコモンレールから高圧燃料が分配供給される複数のインジェクタとを備え、コモンレール内に蓄圧された高圧燃料を各インジェクタを介してエンジンの各気筒毎の燃焼室内に噴射供給するように構成されている。
本実施例のインジェクタは、エンジンの各気筒毎に対応して搭載されて、コモンレールの内部に蓄圧された高圧燃料を、直接燃焼室内に霧状に噴射供給する直接噴射タイプの内燃機関用燃料噴射弁である。このインジェクタは、コモンレールより分岐する複数のインジェクタ配管の燃料流方向の下流端に接続されて、エンジンの各気筒毎の燃焼室内への燃料噴射を行う燃料噴射ノズル、およびこの燃料噴射ノズルの弁体を開弁作動方向に駆動するインジェクタ用電磁弁等から構成された電磁式燃料噴射弁である。
ここで、本実施例のインジェクタは、燃料噴射ノズルのハウジングであるインジェクタボディ(ロアボディ)1と電磁弁のハウジングであるバルブボディ2との間にオリフィスプレート(バルブシート)3を挟み込んだ状態で、インジェクタボディ1の軸線方向の後端部(図示上端部)の外周にフランジハウジング4を締め付け固定することで、燃料噴射ノズルと電磁弁とが一体的に結合されている。
燃料噴射ノズルは、インジェクタボディ1と、複数の噴射孔を開閉するノズルニードル5と、このノズルニードル5を摺動自在に収容するノズルボディ6と、ノズルニードル5の軸線方向の後端部(図示上端部)に連結されて、インジェクタボディ1の内部に摺動自在に収容されるコマンドピストン7とを備えている。
電磁弁は、燃料噴射ノズルの軸線方向の後端部(図示上端部)に組み付けられるオリフィスプレート3と、このオリフィスプレート3に対して着座、離脱することが可能なバルブ(電磁弁の弁体)10と、このバルブ10を駆動する電磁アクチュエータとによって構成されている。
電磁アクチュエータは、電磁弁の弁体であるバルブ10を開弁作動方向または閉弁作動方向に駆動する可動コアと、この可動コアをバルブ10と共にオリフィスプレート3の弁座に押し付ける方向(閉弁作動方向)に付勢するコイルスプリング11と、可動コアを引き寄せる電磁力を発生する円筒状の電磁石とを備えている。この電磁石は、電力の供給を受けて可動コアと固定コアとの間に磁気吸引力(電磁力)を発生するソレノイドコイル(電磁コイル)12、およびこの電磁コイル12に発生する電磁力により可動コアを引き寄せる固定コア等によって構成されている。
ここで、電磁弁のバルブ10を駆動する電磁アクチュエータの可動コアは、固定コアのサブステータ17のアーマチャ側端面(電磁石の磁極面)との間に所定のギャップを隔てて対向して配置される平板型のアーマチャ14、およびバルブボディ2によって軸線方向に摺動自在に支持されるシャフト(アーマチャステム)15等を有している。
電磁アクチュエータの固定コアは、内部に電磁コイル12を収容する複合焼結磁性材製のメインステータ16、およびこのメインステータ16よりもアーマチャ側に配置される軟質磁性材(軟磁性鋼材)と非磁性材からなるサブステータ17等によって構成されている。
なお、本実施例の電磁アクチュエータを利用したインジェクタ用電磁弁の詳細は後述する。
燃料噴射ノズルのノズルニードル5は、ノズルボディ6に形成された複数の噴射孔を開閉する。
ノズルボディ6およびインジェクタボディ1は、例えばクロム・モリブデン鋼または低炭素鋼等の金属材料によって円筒形状に形成されている。
ノズルボディ6の軸線方向の先端側には、エンジンの各気筒毎の燃焼室内に高圧燃料を噴射する複数の噴射孔が形成されている。また、ノズルボディ6の軸線方向の中央部には、燃料溜まり室21が形成されている。また、インジェクタボディ1の軸線方向の後端側(図示上端側)には、圧力制御室22が形成されている。また、インジェクタボディ1の軸線方向の前端部(図示下端部)には、ノズルニードル5を閉弁方向に付勢するコイルスプリング(ニードル付勢手段)23が収容されている。
そして、ノズルボディ6およびインジェクタボディ1の内部には、コモンレールに接続される配管継ぎ手のインレットポートから、燃料中に混入した異物を捕捉するバーフィルタを経て、燃料溜まり室21および圧力制御室22に高圧燃料を供給するための燃料供給通路(高圧燃料通路)24が形成されている。
そして、圧力制御室22の開口周縁部には、オリフィスプレート3が組み付けられている。また、オリフィスプレート3の内部には、通過する燃料の流量を調節する入口側、出口側オリフィス25、26が形成されている。
圧力制御室22は、オリフィスプレート3に形成された入口側オリフィス25を介して燃料供給通路24に連通している。また、圧力制御室22は、出口側オリフィス26、電磁弁側のバルブ収容室、燃料排出通路27を介して、アウトレット28またはアーマチャ収納空間41に連通している。
また、インジェクタボディ1の内部には、コイルスプリング23を収容するスプリング収納空間29から余剰燃料が流れ込む燃料回収通路が形成されている。
燃料回収通路内に流入した余剰燃料は、電磁弁側の燃料排出通路、アウトレット28を経て、燃料タンクに戻される。
また、インジェクタボディ1の軸線方向の後端部には、図1および図2に示したように、図示上方に突出するように円筒部31が設けられている。この円筒部31の内周には、電磁弁側のバルブボディ2の外周ねじ部に螺合する内周ねじ部が形成されている。また、円筒部31の外周には、電磁弁側のフランジハウジング4の内周ねじ部に螺合する外周ねじ部が形成されている。
また、円筒部31は、後述する中間スペーサ33の図示下端面(密着面)に対向して配置される平面状の密着面(対向面)を有し、インジェクタボディ1の円筒部31の環状端面とフランジハウジング4の段差部32の環状端面との間に中間スペーサ33が挟み込まれることによって、円筒部31の密着面と中間スペーサ33の密着面とが面シールされる。
次に、本実施例の電磁アクチュエータを利用したインジェクタ用電磁弁の詳細を図1および図2に基づいて説明する。
本実施例の電磁弁は、上述したように、バルブボディ2、オリフィスプレート3、フランジハウジング4、バルブ10および電磁アクチュエータによって構成されている。この電磁アクチュエータは、電磁弁のバルブ10を開弁作動方向または閉弁作動方向に駆動する可動コア(アーマチャ14)と、この可動コアとの間に所定のギャップを隔てて対向して配置される固定コア(メインステータ16、サブステータ17)と、可動コアおよび固定コアを収容する内部空間を有するハウジングと、このハウジング内部に保持されて、電力の供給を受けると電磁力を発生する電磁コイル12とを備えている。
バルブ10は、可動コアのシャフト15の先端側に保持される球面体形状の弁体(ボールバルブ)であって、例えばクロム・モリブデン鋼または低炭素鋼等の金属材料によって球面体(ボール)形状に形成されている。このバルブ10は、オリフィスプレート3の出口側オリフィス26の開口周縁部(オリフィスプレート3の弁座)に対して着座、離脱することで、電磁弁の弁孔として機能する出口側オリフィス26を閉鎖、開放する。また、バルブ10は、電磁アクチュエータによって、オリフィスプレート3に着座して出口側オリフィス26を閉鎖するバルブ全閉位置と、オリフィスプレート3より離座して出口側オリフィス26を開放するバルブ全開位置との2位置に駆動される。
ここで、電磁アクチュエータのハウジングは、非磁性鋼材からなる下部ハウジング(バルブボディ2、オリフィスプレート3)と、非磁性鋼材からなるフランジハウジング4と、非磁性鋼材からなるコップ状のストッパ(有底筒状の第1金属パイプ)18と、非磁性鋼材または磁性鋼材からなる円筒状の中間ハウジング(筒状の第2金属パイプ)19と、非磁性鋼材からなる上部ハウジング20と、非磁性鋼材からなる円環状の中間スペーサ33とによって構成されている。
また、電磁アクチュエータのハウジングは、可動コア(アーマチャ14)および固定コア(メインステータ16、サブステータ17)を収容する内部空間を有している。このハウジングの内部空間は、可動コアのうち少なくともアーマチャ14を燃料と共に収容するアーマチャ収納空間(第1空間)41、およびメインステータ16を収容するステータ収納空間(第2空間)42を有している。なお、メインステータ16の内部には、電磁コイル12を収容する円筒状のコイル収納空間43が形成されている。また、ストッパ18の内部には、コイルスプリング11を収容するスプリング収納空間44が形成されている。
ここで、本実施例のアーマチャ収納空間41は、円板状空間であって、バルブボディ2のアーマチャ収納空間41内に臨む壁面(アーマチャ側端面)と、電磁石の磁極面(サブステータ17のアーマチャ収納空間41内に臨む壁面:アーマチャ側端面)との間に形成されている。このアーマチャ収納空間41の外周部は、インジェクタボディ1の円筒部31のアーマチャ収納空間41内に臨む内壁面(アーマチャ14の外周部を円周方向に取り囲む内壁面)によって覆われている。
また、本実施例のステータ収納空間42は、円筒状空間であって、サブステータ17のステータ収納空間42内に臨む壁面(メインステータ側端面)と、上部ハウジング20のステータ収納空間42内に臨む壁面(メインステータ側端面)との間に形成されている。このステータ収納空間42の内周部は、ストッパ18のステータ収納空間42内に臨む壁面(外周面)によって覆われている。また、ステータ収納空間42の外周部は、中間ハウジング19のステータ収納空間42内に臨む壁面(内周面)によって覆われている。
バルブボディ2は、非磁性鋼材(例えばクロム・モリブデン鋼)によって円筒形状に形成されている。このバルブボディ2の内部には、燃料排出通路27が形成されている。また、バルブボディ2は、電磁石のサブステータ17の磁極面およびストッパ18のリフト規制面との間に、アーマチャ14と共に燃料を収容するアーマチャ収納空間41を形成している。また、バルブボディ2の中心軸線上には、可動コアのシャフト15が摺動する摺動孔(貫通孔)が形成されている。また、摺動孔のオリフィスプレート側の開口端には、摺動孔の孔径よりも大きい開口径のバルブ収容室が設けられている。また、摺動孔のアーマチャ側の開口端には、電磁弁の閉弁時におけるバウンスを低減するため、バルブボディ2とアーマチャ14間に燃料の流動抵抗力(油密ダンパ作用)を持たせるためのクリアランス調整用プレート34を収容する円形状凹部が形成されている。
フランジハウジング4は、非磁性鋼材(例えばクロム・モリブデン鋼)によって円筒形状に形成されている。このフランジハウジング4は、インジェクタボディ1の円筒部31の外周ねじ部に螺合する内周ねじ部を有している。また、フランジハウジング4は、段差部32より図示上方側に厚肉部を有し、且つ段差部32より図示下方側に厚肉部よりも薄い薄肉部を有している。なお、フランジハウジング4の内周と上部ハウジング20の外周との間には、気密性を確保するための合成ゴム製のOリング45が配置されている。
本実施例の可動コアは、軟磁性鋼材の一例として純鉄または低炭素鋼またはフェライト系の磁性ステンレス鋼(SUS13)によって構成(形成)されている。この可動コアは、中実円柱状のシャフト15と円板型のアーマチャ14とが一体化された一体部品であって、電磁弁のバルブ10の移動方向(電磁弁の中心軸線方向)と同一方向に往復移動する磁性可動体(ムービングコア)を構成している。
可動コアのシャフト15は、アーマチャ14の反サブステータ側端面の中央部より軸線方向の先端側(図示下方側)に向けて突出している。このシャフト15は、バルブボディ2の摺動孔内に摺動自在に支持されている。また、シャフト15の軸線方向の先端凹部内には、バルブ10が組み込まれている。
可動コアのアーマチャ14は、そのサブステータ側端面(図示上端面)に、電磁石の磁極面(サブステータ17の磁極面)との間に所定のギャップを隔てて対向して配置される磁極面を有している。このアーマチャ14には、アーマチャ14を軸線方向(アーマチャ14の板厚方向)に貫通する複数の貫通孔が形成されている。これらの貫通孔は、アーマチャ14がストッパ18の規制面に当接した際に、電磁石のサブステータ17の磁極面とアーマチャ14の磁極面との間に挟み込まれる不要な燃料を逃がすために形成されている。
なお、シャフト15とアーマチャ14とを別部品で構成して、両者を圧入または溶接等により結合しても良い。この場合には、シャフト15の材質として耐摺動性に優れる軸受鋼および非磁性材を用いても良い。
可動コアは、電磁コイル12の電磁力によってサブステータ17の磁極面側に吸引され、開弁作動方向(電磁アクチュエータの軸線方向の上方側(一方側):図示上方側)に移動する。これにより、バルブ10がオリフィスプレート3の弁座より離座して出口側オリフィス26を開く。
また、可動コアは、電磁コイル12への通電が停止されると、コイルスプリング11の付勢力(バネ荷重)によって閉弁作動方向(電磁アクチュエータの軸線方向の下方側(他方側):図示下方側)に移動してバルブ10をオリフィスプレート3に押し当てる。これにより、バルブ10がオリフィスプレート3の弁座に着座して出口側オリフィス26を閉じる。
すなわち、オリフィスプレート3の図示上端面は、コイルスプリング11の付勢力によって可動コアが図示下方に押し戻されて、可動コアがオリフィスプレート3の弁座(図示上端面)側に移動した際に、可動コアのアーマチャ14の移動量を規制する第1規制面として利用されている。これにより、バルブ10がオリフィスプレート3の第1規制面に着座した際に、バルブ10および可動コアのそれ以上の移動が規制される。つまり、バルブ10の位置がデフォルト位置となる。これに伴ってアーマチャ14の位置がデフォルト位置にて規制される。
したがって、本実施例の電磁弁は、常閉型(ノーマリクローズタイプ)の電磁開閉弁を構成する。
電磁石は、通電されると周囲に磁束を発生させる電磁コイル12、およびこの電磁コイル12に励磁電流(インジェクタ駆動電流)が流れると磁化される固定コア(メインステータ16、サブステータ17)等によって構成されている。
電磁コイル12は、電力の供給を受けると可動コア(アーマチャ14)と固定コア(メインステータ16、サブステータ17)との間に磁気吸引力(電磁力)を発生するソレノイドコイルである。この電磁コイル12は、合成樹脂製のコイルボビン13の外周に、絶縁被膜を施した導線が複数回巻装されている。コイルボビン13は、メインステータ16のコイル収納空間43内に収容された樹脂成形部品である。
なお、メインステータ16のコイル収納空間43内でコイルボビン13に巻回された電磁コイル12は、合成樹脂(モールド樹脂)によってモールド成形されている。
電磁コイル12は、コイルボビン13の一対の鍔状部間に巻装されたコイル部、およびこのコイル部より取り出された一対の端末リード線を有している。
電磁コイル12より引き出された一対の端末リード線には、一対のターミナル46を介して、一対の外部接続端子(スタッドボルト)47が電気的に接続されている。
一対のターミナル46は、上部ハウジング20に形成されるターミナル貫通孔48をその軸線方向に貫通するように設置されている。そして、電磁コイル12の端末リード線をターミナル46の第1結合部に巻回して熱かしめを行うことで、電磁コイル12とターミナル46とが電気的に接続される。一対のスタッドボルト47は、合成樹脂製のコネクタハウジング(ターミナルレジン)49の端面(図示上端面)よりボルト軸部が突出した状態で、ボルト頭部がコネクタハウジング49内に保持固定されている。これらのスタッドボルト47は、橋渡しターミナル(図示せず)を介して、ターミナル46の第2結合部に溶接等により電気的に接続されている。
ここで、本実施例の電磁弁では、電磁コイル12に流れる励磁電流を遮断した後の残留磁気による応答不良を防止するため、可動コアのアーマチャ14がフルリフトした場合でも、アーマチャ14の磁極面とサブステータ17の磁極面との間に適正な軸線方向隙間(ギャップ)を確保している。このギャップは、ストッパ18によって確保されている。
本実施例のストッパ18は、非磁性鋼材の一例としてのクロム・モリブデン鋼(SCM415等)によって構成(形成)されている。また、ストッパ18は、他端側(図示下端側)が開口し、一端側(図示上端側)が閉塞された有底円筒状の非磁性金属パイプである。また、ストッパ18は、メインステータ16の内周部をガイドするように、ステータ収納空間42内にメインステータ16を収容している。このストッパ18は、電磁石のメインステータ16の内周よりも径方向の内側に配置されている。
そして、ストッパ18は、固定コアのサブステータ17の内周部(内周面)に対して接触または対向するように配置されている。
ストッパ18は、可動コア、特にアーマチャ14のフルリフト位置を規制するアーマチャストッパであって、電磁石のメインステータ16の内周面(内壁面)との間に所定の筒状隙間が形成されている。このストッパ18の内部(スプリング収納空間44)には、バルブ10および可動コアを、オリフィスプレート3の弁座に押し付ける方向(閉弁作動方向)に付勢するコイルスプリング11が収容されている。
また、ストッパ18の軸線方向の先端面(図示下端面)は、電磁コイル12の電磁力によって可動コアが図示上方に引き寄せられて、可動コアがサブステータ17の磁極面側に移動した際に、可動コアのアーマチャ14のフルリフト位置を規制するリフト規制面として利用されている。これにより、アーマチャ14がストッパ18のリフト規制面に当接した際に、可動コアのそれ以上の移動が規制される。つまり、アーマチャ14の位置がフルリフト位置となる。これに伴って、バルブ10のリフト位置もフルリフト位置にて規制される。
ストッパ18のリフト規制面と電磁石のサブステータ17の磁極面とは、面一に形成されている。なお、ストッパ18のリフト規制面とサブステータ17の磁極面とは、面一であるものに限定されず、ストッパ18のリフト規制面がサブステータ17の磁極面よりもアーマチャ側に突出しているものであっても良い。
また、ストッパ18は、電磁コイル12に流れる励磁電流を遮断した後の残留磁気による応答不良を防止するために非磁性鋼材(非磁性金属)によって形成することが望ましい。また、ストッパ18は、サブステータ17の内周面に対向して設置される円筒状の外周面(スプリング収納空間44の開口部よりも径方向の外側面)を有している。また、ストッパ18の外周面は、サブステータ17の内周面に当接している。そして、ストッパ18は、サブステータ17の内周面に全周レーザ溶接により接合されている。
本実施例の中間ハウジング19は、非磁性鋼材の一例としてのクロム・モリブデン鋼(SCM415等)によって構成(形成)されている。この中間ハウジング19は、両端が開口した円筒状の非磁性金属パイプである。なお、中間ハウジング19は、非磁性鋼材(非磁性金属)により構成しても、磁性鋼材(磁性金属)により構成しても構わない。
中間ハウジング19は、メインステータ16の外周部をガイドするように、ステータ収納空間42内にメインステータ16を収容している。この中間ハウジング19は、電磁石のメインステータ16の外周全体を覆うように、つまりメインステータ16の周囲を周方向に取り囲むように設置されて、メインステータ16の外周面よりも径方向の外側に配置されている。
そして、中間ハウジング19は、電磁石のサブステータ17の外周部(特にメインステータ側端面の外周端縁)に対して接触または対向するように配置されている。また、中間ハウジング19は、上部ハウジング20の外周部(特にメインステータ側の外周面)に対して接触または対向するように配置されている。
また、中間ハウジング19は、内径の大きい円筒状の径大部(円筒部)、および内径の小さい円筒状の径小部(円筒部)を有している。径大部と径小部との間に形成される段差部の外周には、インジェクタボディ1の円筒部31の環状端面との間に中間スペーサ33を挟み込む円環状のフランジ50が径方向の外側に向けて突出するように設けられている。
フランジ50は、中間スペーサ33を間に挟んで、インジェクタボディ1の円筒部31の環状端面とフランジハウジング4の段差部32の環状端面との間に挟み込まれている。また、フランジ50は、中間スペーサ33の図示上端面(密着面)に対向して配置される平面状の密着面(対向面)を有し、インジェクタボディ1の円筒部31の環状端面とフランジハウジング4の段差部32の環状端面との間に中間スペーサ33が挟み込まれることによって、中間スペーサ33の密着面とフランジ50の密着面とが面シールされる。
中間ハウジング19の径大部は、メインステータ16の外周面および上部ハウジング20の外周面を覆うように円筒状に形成されている。この中間ハウジング19の径大部は、メインステータ16の外周面および上部ハウジング20の外周面に対向して設置される内周面を有している。また、中間ハウジング19の径大部の内周面は、上部ハウジング20の外周面に当接している。そして、中間ハウジング19の径大部は、上部ハウジング20の外周面に全周レーザ溶接により接合されている。
中間ハウジング19の径小部は、メインステータ16の外周面を覆うように円筒状に形成されている。また、中間ハウジング19の径小部は、サブステータ17のメインステータ側端面(外周側端面)に対向して設置される円環状の環状先端面(中間ハウジング19の径小部のアーマチャ側の環状端面)を有している。また、中間ハウジング19の径小部のアーマチャ側の環状先端面は、サブステータ17の外周側端面に当接している。そして、中間ハウジング19の径小部は、サブステータ17の外周側端面に全周レーザ溶接により接合されている。これにより、サブステータ17および中間ハウジング19と上部ハウジング20との間にメインステータ16およびストッパ18が保持固定される。
中間スペーサ33は、非磁性鋼材の一例としての非磁性ステンレス鋼(SUS303等)によって構成(形成)されている。この中間スペーサ33は、中間ハウジング19のフランジ50近傍の周囲を周方向に取り囲むように円環形状に形成されている。また、中間スペーサ33は、自身の厚みによって可動コアのアーマチャ14のフルリフト量を決めるリフト調整用中間スペーサであって、インジェクタボディ1の円筒部31の環状端面と中間ハウジング19のフランジ50の環状端面との間に挟み込まれている。
そして、中間スペーサ33の密着面(図示上端面)には、中間ハウジング19のフランジ50の密着面との間のシール面圧を上げるための円環状凹部(窪み、溝)が形成されている。また、中間スペーサ33の密着面(図示下端面)には、インジェクタボディ1の円筒部31の密着面との間のシール面圧を上げるための円環状凹部(窪み、溝)が形成されている。
そして、フランジハウジング4をインジェクタボディ1の円筒部31の外周ねじ部にねじ込むことによって、中間スペーサ33を挟んで中間ハウジング19のフランジ50が、インジェクタボディ1の円筒部31の環状端面に押し当てられる。すると、メインステータ16、サブステータ17、ストッパ18および上部ハウジング20が、インジェクタボディ1に対して位置決めされる。これにより、インジェクタボディ1とバルブボディ2との間に挟み込まれたオリフィスプレート3の弁座とサブステータ17の磁極面およびストッパ18の規制面との間の軸方向距離が決まり、バルブ10およびアーマチャ14のフルリフト量が設定される。
上部ハウジング20は、例えば非磁性鋼材(例えばSCM415等)によって円筒形状に形成されている。この上部ハウジング20は、図示上端面(コネクタ側端面)と図示下端面(メインステータ側端面)とを連通するように軸線方向に貫通するターミナル貫通孔48を有している。このターミナル貫通孔48は、ステータ収納空間42内に臨む壁面で開口しているので、ステータ収納空間42と連通している。そして、ターミナル貫通孔48の内部には、金属製のターミナル46、合成樹脂製の絶縁ブッシュ51および合成ゴム製のOリング52が挿入されている。
絶縁ブッシュ51は、円筒形状に形成されており、上部ハウジング20とターミナル46との間の電気絶縁性を確保する絶縁体である。また、Oリング52は、上部ハウジング20とターミナル46との間の気密性を確保するシール材である。
また、上部ハウジング20のメインステータ側端面は、メインステータ16のアーマチャ側端面に対して反対側の端面(図示上端面)に当接するように対向して配置されている。また、上部ハウジング20のメインステータ側端面の中央部には、内部にスプリング収納空間44が形成されたストッパ18の図示上方側(閉塞部側)を圧入嵌合(圧入固定)するストッパ嵌合孔(圧入孔)53が形成されている。
電磁アクチュエータの固定コアは、上述したように、複合焼結磁性材からなるメインステータ16、および軟磁性鋼材を含んで構成されるサブステータ17等を有している。メインステータ16およびサブステータ17は、電磁コイル12への通電により可動コアのアーマチャ14と共に磁化される磁性固定体(ステータコア)である。そして、メインステータ16およびサブステータ17は、電磁コイル12およびアーマチャ14を伴って磁気回路を形成する。
メインステータ16は、表面を非磁性材製の絶縁被膜(例えば酸化物や合成樹脂被膜)で覆った磁性体金属粉(例えば鉄粉等)と合成樹脂粉(例えば耐熱性に優れるポリフェニレンサルファイド:PPSまたはポリイミド樹脂:PI)とを圧縮して成形した圧粉体(複合磁性材)を金型を用いて圧縮成形し、この圧縮成形した複合磁性材を焼結して固めた複合焼結磁性材よりなる。この複合焼結磁性材は、渦電流の発生が少ないという利点がある反面で、強度や硬度が低く、且つ脆いという欠点を有している。
このメインステータ16は、内周側コア部、外周側コア部、これらの両コア部を繋ぐ連結部(上端部)を有し、内周側コア部の外周と外周側コア部の内周との間に挟み込まれるようにコイル収納空間43が形成されている。内周側コア部および外周側コア部は、円筒形状に形成されている。また、内周側コア部の外周と外周側コア部の内周との間に形成されるコイル収納空間43には、電磁コイル12およびコイルボビン13が収容されている。また、外周側コア部、つまりメインステータ16のコイル収納空間43よりも半径方向の外径側は、円筒状の中間ハウジング19によって保護されている。
ここで、メインステータ16は、中間ハウジング19の段差部54に対応した段差部を有する有底二重円筒状に形成され、中間ハウジング19の内周側に挿入されている。メインステータ16の外周側コア部の外周は、段差部を境に図示下方に向かって縮径している。そして、段差部が中間ハウジング19の内周側に設けられた段差部54と当接することにより、メインステータ16が中間ハウジング19から脱落するのを防止している。
サブステータ17は、メインステータ16の内周側コア部および外周側コア部のアーマチャ側端面に対向して配置される円環板形状の磁性プレート(磁性+非磁性プレート)である。また、サブステータ17は、可動コアのアーマチャ14の磁極面との間に所定の隙間を隔てて対向する磁極面(アーマチャ側端面)を有している。また、サブステータ17は、電磁アクチュエータのハウジングの内部空間をアーマチャ収納空間41とステータ収納空間42とに区画するように、アーマチャ収納空間41とステータ収納空間42との中間に設置されている。
サブステータ17は、軟磁性鋼材からなる第1、第2磁性リング61、62および非磁性鋼材からなる非磁性リング64を有している。
第1、第2磁性リング61、62は、軟磁性鋼材の一例として、鉄の中に珪素が含有された珪素鋼によって構成(形成)されている。本実施例では、珪素の含有率が1質量以上3質量以下の珪素鋼(1LSS〜3LSS)が用いられる。
第1磁性リング61は、ストッパ18のリフト規制面近傍の外周を覆うようにストッパ18よりも径方向の外側に配置される円環状の第1磁性部である。この第1磁性リング61は、ストッパ18の先端外周面に直接接触するように設置されて、ストッパ18の先端外周面に全周レーザ溶接により接合されている。
第2磁性リング62は、非磁性リング64の外周全体を覆うように第1磁性リング61および非磁性リング64よりも径方向の外側に配置される円環状の第2磁性部である。この第2磁性リング62は、中間ハウジング19の径小部のアーマチャ側の環状端面(環状先端面)に直接接触するように設置されて、中間ハウジング19の環状先端面に全周レーザ溶接により接合されている。
非磁性リング64は、非磁性鋼材の一例としての非磁性ステンレス鋼(SUS304等)によって構成(形成)されている。この非磁性リング64は、第1磁性リング61の外周と第2磁性リング62の内周との間に設置されて、第1磁性リング61の外周全体を覆うように第1磁性リング61よりも径方向の外側に配置されると共に、第2磁性リング62の内周全体を覆うように第2磁性リング62よりも径方向の内側に配置される円環状の非磁性部(磁気抵抗部)である。
そして、非磁性リング64は、磁気抵抗部としての磁気絞り部を構成している。すなわち、非磁性リング64は、第1磁性リング61と第2磁性リング62との間で磁束が漏れることを防止して(磁束を流れ難くして)、サブステータ17の磁極面に対する可動コアのアーマチャ14の磁気吸引力を増加させるように働く。そして、非磁性リング64は、第1磁性リング61の外周面に対向して配置される内周面、および第2磁性リング62の内周面に対向して配置される外周面を有している。そして、非磁性リング64は、第1磁性リング61の外周面に全周レーザ溶接により接合されている。また、非磁性リング64は、第2磁性リング62の内周面に全周レーザ溶接により接合されている。
以上により、電磁アクチュエータのハウジングを構成するストッパ18、中間ハウジング19および上部ハウジング20は、サブステータ17の第1磁性リング61とストッパ18との全周溶接部P1、サブステータ17の第2磁性リング62と中間ハウジング19との全周溶接部P2、サブステータ17の第1磁性リング61と非磁性リング64との全周溶接部P3、サブステータ17の第2磁性リング62と非磁性リング64との全周溶接部P4、中間ハウジング19と上部ハウジング20との全周溶接部P5、中間スペーサ33の板厚方向の両側の面シールおよびOリング52等によって、アーマチャ収納空間41に対してステータ収納空間42が気密または液密に封止される。
[実施例1の作用]
次に、本実施例の電磁アクチュエータを利用したインジェクタ用電磁弁を備えたインジェクタの作用を図1ないし図4に基づいて簡単に説明する。
インジェクタの電磁弁の電磁コイル12が通電されると、電磁コイル12および固定コア(メインステータ16、サブステータ17)よりなる電磁石に電磁力が発生する。この電磁石の電磁力によってサブステータ17の磁極面側に可動コアのアーマチャ14が吸引される。そして、アーマチャ14がサブステータ17の磁極面に近づく方向(軸線方向の一方側)へ移動して、アーマチャ14がストッパ18のリフト規制面に当接する。これにより、アーマチャ14の位置がフルリフト位置にて規制される。
このとき、バルブ10よりも燃料流方向の上流側の圧力制御室22内には、コモンレールからインレットポート、入口側オリフィス25を介して高圧燃料が導入されている。また、バルブ10よりも燃料流方向の下流側の燃料排出通路27内は、燃料排出通路、アウトレット28を介して、燃料タンク(燃料系の低圧側)に連通している。
このため、バルブ10よりも燃料流方向の上流側の方が、バルブ10よりも燃料流方向の下流側よりも燃料圧力が高いので、可動コアのアーマチャ14の軸線方向の上方側への移動(リフト)に伴って、バルブ10がオリフィスプレート3の弁座から離脱して、オリフィスプレート3の出口側オリフィス26が開放される。したがって、圧力制御室22の内部に充満していた燃料は、圧力制御室22から燃料流路孔(出口側オリフィス26を含む)→バルブ収容室→燃料排出通路27→燃料排出通路→アウトレット28を経て燃料タンクに戻される。
以上の電磁弁自身の開弁動作に伴って、圧力制御室22内の燃料圧力(ノズルニードル5を押し下げる方向(閉弁方向)に作用する油圧力)が低下し、燃料溜まり室21内の燃料圧力(ノズルニードル5を押し上げる方向(開弁方向)に作用する油圧力)が、圧力制御室22内の油圧力にコイルスプリング23の付勢力(ノズルニードル5を押し下げる方向(閉弁方向)に作用する付勢力)を加えた合力よりも大きくなる。これにより、ノズルニードル5がノズルボディ6の弁座(シート面)より離脱するため、複数の噴射孔が開放される。すなわち、燃料噴射ノズルの弁体(ノズルニードル5)が開弁し、コモンレールの内部に蓄圧された高圧燃料がエンジンの各気筒毎の燃焼室内に噴射供給される。よって、エンジンの各気筒毎の燃焼室内への燃料噴射が開始される。
噴射タイミングから指令噴射期間が経過すると、電磁弁の電磁コイル12への通電が停止される。すると、可動コアのアーマチャ14がコイルスプリング11の付勢力によってサブステータ17の磁極面より遠ざかる方向へ移動し、バルブ10がオリフィスプレート3の弁座に押し付けられる。これにより、出口側オリフィス26が閉塞されるため、コモンレールから燃料供給通路24、入口側オリフィス25を経由して圧力制御室22内に供給される高圧燃料が圧力制御室22内に充満する。これに伴って、圧力制御室22内の燃料圧力が上昇し、圧力制御室22内の燃料圧力にコイルスプリング23の付勢力を加えた合力が燃料溜まり室21内の燃料圧力よりも大きくなり、ノズルニードル5がノズルボディ6の弁座(シート面)に着座するため、複数の噴射孔が閉塞される。すなわち、燃料噴射ノズルの弁体(ノズルニードル5)が閉弁し、エンジンの各気筒毎の燃焼室内への燃料噴射が終了する。
[実施例1の効果]
以上のように、本実施例の電磁アクチュエータを利用したインジェクタ用電磁弁においては、バルブ10および可動コアの動作応答性を高めるために、動作応答性に大きく作用する固定コア(特にメインステータ16)の材料に複合焼結磁性材を用いている。この複合焼結磁性材は、渦電流の発生が少ないという利点がある反面、強度や硬度が小さく、且つ脆いという欠点がある。このため、本実施例の電磁アクチュエータにおいては、複合焼結磁性材からなるメインステータ16のアーマチャ側端面を覆うように、軟磁性鋼材からなる円環状の第1、第2磁性リング61、62および非磁性鋼材からなる円環状の非磁性リング64を有するサブステータ17を配置しているので、固定コア(メインステータ16、サブステータ17)が電磁コイル12に発生する電磁力により可動コアのアーマチャ14を吸引して、可動コアのアーマチャ14が仮に固定コアに衝突した場合でも複合焼結磁性材製の固定コア(メインステータ16)の破損を防止することができる。
そして、本実施例のサブステータ17は、電磁アクチュエータのハウジングの内部空間をアーマチャ収納空間41とステータ収納空間42とに区画するように、アーマチャ収納空間41とステータ収納空間42との中間に設置されている。また、サブステータ17の第1磁性リング61は、電磁アクチュエータのハウジングを構成するストッパ18の先端外周面に全周レーザ溶接により接合されている。また、サブステータ17の第2磁性リング62は、電磁アクチュエータのハウジングを構成する中間ハウジング19の径小部の環状先端面に全周レーザ溶接により接合されている。また、サブステータ17の非磁性リング64は、第1磁性リング61の外周面に全周レーザ溶接により接合され、且つ第2磁性リング62の内周面に全周レーザ溶接により接合されている。さらに、中間ハウジング19の径大部は、上部ハウジング20の外周側端面に全周レーザ溶接により接合されている。
そして、電磁アクチュエータのハウジング(特にインジェクタボディ1)は、インジェクタボディ1の円筒部31の環状端面とフランジハウジング4の段差部32の環状端面との間に中間スペーサ33が挟み込まれることによって、円筒部31の密着面と中間スペーサ33の密着面とが面シールされる。また、インジェクタボディ1の円筒部31の環状端面とフランジハウジング4の段差部32の環状端面との間に中間スペーサ33が挟み込まれることによって、中間スペーサ33の密着面とフランジ50の密着面とが面シールされる。また、上部ハウジング20とターミナル46との間には、合成ゴム製のOリング52が挿入されている。
これにより、電磁アクチュエータのハウジングを構成するストッパ18、中間ハウジング19および上部ハウジング20は、サブステータ17の第1磁性リング61とストッパ18との全周溶接部P1、サブステータ17の第2磁性リング62と中間ハウジング19との全周溶接部P2、サブステータ17の第1磁性リング61と非磁性リング64との全周溶接部P3、サブステータ17の第2磁性リング62と非磁性リング64との全周溶接部P4、中間ハウジング19と上部ハウジング20との全周溶接部P5、中間スペーサ33の板厚方向の両側の面シールおよびOリング52等によって、アーマチャ14を燃料と共に収容するアーマチャ収納空間41に対して、メインステータ16を収容するステータ収納空間42が気密または液密に封止されている。
これによって、アーマチャ収納空間41に対してステータ収納空間42の気密性を確保することができる。ここで、アーマチャ収納空間41内に満たされる燃料として、腐食性のある燃料を使用する場合、例えばDME燃料(ジメチルエーテル燃料)やCNGガス燃料(液化天然ガス燃料)を使ったり、腐食性の成分を含む燃料を使ったりする場合であっても、アーマチャ収納空間41に対してステータ収納空間42の気密性を確保できるので、腐食性のある燃料がメインステータ16を構成する複合焼結磁性材に含有される樹脂成分(樹脂粉等)やステータ収納空間42内に収容される樹脂部品(コイルボビン13、電磁コイル12をモールド成形する合成樹脂(モールド樹脂)、合成樹脂製の絶縁ブッシュ51)およびゴム部品(ステータ収納空間42に連通するターミナル貫通孔48内に収容される合成ゴム製のOリング52)に直接触れないようになる。
したがって、アーマチャ収納空間41内に満たされる、例えば腐食性のある燃料から、メインステータ16を構成する複合焼結磁性材に含有される樹脂成分(樹脂粉等)や樹脂部品およびゴム部品を保護することができるので、電磁アクチュエータ、特に複合焼結磁性材からなるメインステータ16の耐久性を高めることができる。
図5は本発明の実施例2を示したもので、図5(a)、(b)はサブステータ(磁性プレート)を示した図である。
本実施例の電磁アクチュエータのサブステータ17は、ストッパ18の先端外周面に直接接触するように設置される円環状の第1磁性部(第1磁性固定体)71、中間ハウジング19の径小部のアーマチャ側の環状端面(環状先端面)に直接接触するように設置される円環状の第2磁性部(第2磁性固定体)72、および第1磁性部71の外周と第2磁性部72の内周との間に設置される円環状の磁気抵抗部(非磁性固定体)74を有している。
これらの第1、第2磁性部71、72および磁気抵抗部74は、軟磁性鋼材によって一体化された円環状の磁性プレートを構成する。この磁性プレートは、軟磁性鋼材の一例として、実施例1と同様に、鉄の中に珪素が含有された珪素鋼によって構成(形成)されている。本実施例では、珪素の含有率が1質量以上3質量以下の珪素鋼(1LSS〜3LSS)が用いられる。
そして、サブステータ(磁性プレート)17のアーマチャ側端面には、実施例1の非磁性鋼材からなる非磁性リング64に相当する部分に円環状の凹部(リング溝)75が形成されている。このリング溝75は、2つの第1、第2磁性部71、72よりも磁気抵抗部74の板厚(t)を薄くすることで形成される。なお、サブステータ(磁性プレート)17のメインステータ側端面、つまり第1、第2磁性部71、72および磁気抵抗部74の各平端面の位置は同一平面上(面一)となっている。
第1磁性部71は、ストッパ18のリフト規制面近傍の外周を覆うようにストッパ18よりも径方向の外側に配置されて、ストッパ18の先端外周面に全周レーザ溶接により接合されている。
第2磁性部72は、中間ハウジング19の環状先端面に全周レーザ溶接により接合されている。
磁気抵抗部74は、2つの第1、第2磁性部71、72よりも板厚が薄い薄肉部である。つまり磁気抵抗部74の板厚(t)は、2つの第1、第2磁性部71、72よりも薄くなっている。これにより、磁気抵抗部74は、磁気回路中に薄肉磁気絞りを構成しているので、第1磁性部71と第2磁性部72との間で磁束が漏れることを防止して(磁束を流れ難くして)、サブステータ17の磁極面に対するアーマチャ14の磁気吸引力を増加させることが可能となる。
以上のように、本実施例の電磁アクチュエータのサブステータ(磁性プレート)17は、軟磁性鋼材によってサブステータ17を一部品化し、実施例1の非磁性鋼材からなる非磁性リング64に相当する部分にリング溝75を形成して、磁気抵抗部74を薄肉磁気絞りとしている。これによって、実施例1よりも全周レーザ溶接を実施する箇所を減少できるので、電磁アクチュエータの製造コスト、特にサブステータ(磁性プレート)17の製造コストを低減することができる。
図6および図7は本発明の実施例3を示したもので、図6(a)、(b)および図7はサブステータ(磁性+非磁性プレート)を示した図である。
ここで、特許文献1に記載の電磁アクチュエータにおいては、渦電流損失が小さく、高い動作応答性を得ることが可能な複合焼結磁性材製のメインステータよりもアーマチャ側に軟質磁性材製のサブステータを配置しているので、サブステータの渦電流損失により動作応答性が悪化してしまうという問題がある。
そこで、本実施例の電磁アクチュエータのサブステータ(磁性+非磁性プレート)17は、サブステータ17の内周部(内周面)からサブステータ17の外周部(外周面)まで真っ直ぐに延びる放射状の第1、第2スリット66、67を複数形成して、サブステータ17を周方向に複数個(16個)に分割している。
複数の第1スリット66は、軟磁性鋼材からなる第1、第2磁性リング61、62および非磁性鋼材からなる非磁性リング64によって構成される円環状のサブステータ(磁性+非磁性プレート)17のメインステータ側端面に形成されている。また、複数の第2スリット67は、サブステータ(磁性+非磁性プレート)17のアーマチャ側端面に形成されている。
第1スリット66および第2スリット67は、サブステータ17よりも径方向の外側からサブステータ17の外周面を見たとき、隣合う2つの第1スリット66間に、これらの第1スリット66に対して逆方向に切り込みが入れられた第2スリット67が設けられるように、第1スリット66と第2スリット67とを互い違いに等間隔でサブステータ17に設置している。
なお、第1スリット66は、サブステータ17のメインステータ側端面においてサブステータ17の周方向に所定の間隔(等間隔、例えば45°間隔)で複数個(8個)形成されている。また、第2スリット67は、サブステータ17のアーマチャ側端面においてサブステータ17の周方向に所定の間隔(等間隔、例えば45°間隔)で複数個(8個)形成されている。
また、各第1スリット66は、サブステータ17をその板厚方向に貫通しない深さ{D(S1)}であり、また、各第2スリット67は、サブステータ17をその板厚方向に貫通しない深さ{D(S2)}である。
また、各第1スリット66の深さ{D(S1)}は、少なくともサブステータ17の板厚(T)の半分以上とされており、また、各第2スリット67の深さ{D(S2)}は、少なくともサブステータ17の板厚(T)の半分以上とされている。つまり、第1スリット66の深さ{D(S1)}と第2スリット67の深さ{D(S2)}との間にオーバーラップを持たせている{D(S1)+D(S2)>T}。
以上のように、本実施例の電磁アクチュエータにおいては、軟磁性鋼材からなる第1、第2磁性リング61、62および非磁性鋼材からなる非磁性リング64等によって構成されるサブステータ17の両端面(メインステータ側端面およびアーマチャ側端面)に互い違いに放射状の第1、第2スリット66、67を設けることにより、スリットが形成されていないタイプ(実施例1)のサブステータ(磁性+非磁性プレート)17と比べて、渦電流の経路が長くなるので、渦電流の電気抵抗が大きくなり、サブステータ17の渦電流損失を低減することが可能となる。
また、第1、第2スリット66、67の深さ{D(S1)、D(S2)}を、サブステータ(磁性+非磁性プレート)17の板厚(プレート厚さ:T)の1/2以上(例えば2/3程度の深さ)とすることで、サブステータ(磁性+非磁性プレート)17の各第1、第2磁性リング61、62の周方向断面で全周磁路になることを防ぐことができる。すなわち、渦電流損失が小さく、高い動作応答性を得ることが可能な複合焼結磁性材製のメインステータ16よりもアーマチャ側に、軟質磁性材を含んで構成されるサブステータ(磁性+非磁性プレート)17を配置した電磁アクチュエータを利用したインジェクタ用電磁弁の場合であっても、サブステータ(磁性+非磁性プレート)17における渦電流の経路が長くなるので、渦電流の電気抵抗が大きくなり、電磁コイル12に供給される駆動電流がオフになった時に、サブステータ17の第1、第2磁性リング61、62に発生する渦電流が小さくなる。
これによって、電磁コイル12のコイル外径を大きくすることなく、つまり電磁アクチュエータの体格をコイル径方向に大型化することなく、固定コア(メインステータ16、サブステータ17)による可動コアのアーマチャ14の磁気吸引力を向上することができる。したがって、電磁弁のバルブ10および電磁アクチュエータのアーマチャ14等の動作応答性を高めることができる。
図8および図9は本発明の実施例4を示したもので、図8はサブステータ(磁性プレート)を示した図で、図9は磁気吸引力波形を示したグラフである。
本実施例の電磁アクチュエータのサブステータ(磁性プレート)17は、第1磁性部71の内周部(内周面)から第1磁性部71の外周部(外周面)まで真っ直ぐに延びる放射状の第1スリット76を複数形成すると共に、第2磁性部72の内周部(内周面)から第2磁性部72の外周部(外周面)まで真っ直ぐに延びる放射状の第2スリット77を複数形成して、サブステータ17の各第1、第2磁性部71、72を周方向に複数個(16個)に分割している。なお、磁気抵抗部74は、その板厚(t)が、2つの第1、第2磁性部71、72よりも薄くなっている。
複数の第1、第2スリット76、77は、2つの第1、第2磁性リング71、72間に磁気抵抗部74およびリング溝75を配置した軟磁性鋼材からなる円環状のサブステータ(磁性プレート)17の第1、第2磁性リング71、72の各アーマチャ側端面に形成されている。
また、各第1スリット76は、サブステータ17の第1磁性リング71をその板厚方向に貫通しない深さであり、また、各第2スリット77は、サブステータ17の第2磁性リング72をその板厚方向に貫通しない深さである。
また、各第1スリット76の深さは、少なくともサブステータ17の板厚(T)の半分以上で、且つリング溝75の深さと同等以上とされている。
以上のように、本実施例の電磁アクチュエータにおいては、2つの第1、第2磁性リング71、72間に磁気抵抗部74およびリング溝75を配置した軟磁性鋼材からなる円環状のサブステータ17の第1、第2磁性部71、72の各アーマチャ側端面に放射状の第1、第2スリット76、77を設けることにより、スリットが形成されていないタイプ(実施例2)のサブステータ(磁性プレート)17と比べて、渦電流の経路が長くなるので、渦電流の電気抵抗が大きくなり、サブステータ17の渦電流損失を低減することが可能となる。
また、第1、第2スリット76、77の深さを、サブステータ(磁性プレート)17の板厚(プレート厚さ:T)の1/2以上(例えば2/3程度の深さ)で、且つリング溝75の深さと同等以上とすることで、サブステータ17の周方向断面で全周磁路になることを防ぐことができる。すなわち、渦電流損失が小さく、高い動作応答性を得ることが可能な複合焼結磁性材製のメインステータ16よりもアーマチャ側に、軟質磁性材からなるサブステータ(磁性プレート)17を配置した電磁アクチュエータを利用したインジェクタ用電磁弁の場合であっても、サブステータ(磁性プレート)17における渦電流の経路が長くなるので、渦電流の電気抵抗が大きくなり、電磁コイル12に供給される駆動電流がオフになった時に、サブステータ17に発生する渦電流が小さくなる。
これによって、電磁コイル12のコイル外径を大きくすることなく、つまり電磁アクチュエータの体格をコイル径方向に大型化することなく、固定コア(メインステータ16、サブステータ17)による可動コアのアーマチャ14の磁気吸引力を向上することができる。したがって、電磁弁のバルブ10および電磁アクチュエータのアーマチャ14等の動作応答性を高めることができる。
ここで、図9のグラフから、スリットが形成されていないタイプ(実施例2)のサブステータ17と比べて、本実施例のように第1、第2スリット76、77を形成したサブステータ17の方が、固定コア(メインステータ16、サブステータ17)による可動コアのアーマチャ14の磁気吸引力が向上していることが分かる。
図10および図11は本発明の実施例5を示したもので、図10はインジェクタの電磁アクチュエータを示した図で、図11(a)はサブステータ(磁性+非磁性プレート)を示した図で、図11(b)は磁性プレートを示した図である。
ここで、特許文献1に記載のプランジャ型の可動コアを有する電磁アクチュエータは、平板型の可動コアを有する電磁アクチュエータ(実施例1〜4)に対して電磁コイルが同一外径であっても、可動コアと固定コアとの間に作用する磁気吸引力が小さい。このため、電磁コイルの外径(コイル径)を大きくする必要がある。また、内燃機関(エンジン)への燃料の噴射圧力を高圧化すると、全閉方向に付勢するコイルスプリングの付勢力をより大きくする必要があり、このコイルスプリングの付勢力に打ち勝つ吸引力を得るために電磁コイルの外径(コイル径)を更に大きくする必要がある。
以上のように、電磁コイルおよび固定コア等により構成される電磁石の磁気吸引力を大きくするという目的で、電磁コイルの外径を現状のものよりも大きくすると、電磁アクチュエータの体格(径方向のサイズ)が大きくなり過ぎて、エンジン等への搭載性が悪化するという問題がある。
そこで、平板型の可動コアに代えてプランジャ型の可動コアを採用した場合であっても、電磁コイル12の大型化を阻止して搭載性を悪化させることなく、渦電流損失を低減して動作応答性を高めるという目的で、図10および図11に示した電磁アクチュエータを利用したインジェクタ用電磁弁を採用している。
本実施例のインジェクタは、燃料のリークレス化を図るために、電磁アクチュエータによりノズルニードルを直接動かす、所謂直接駆動方式のインジェクタである。このインジェクタは、インジェクタ本体と、このインジェクタ本体の弁体であるノズルニードル55を直接駆動する電磁アクチュエータとを備えている(図13参照)。
インジェクタ本体のハウジングは、インジェクタボディ56およびノズルボディ57によって構成されており、これらはリテーニングナット58の締め付けにより一体結合される。インジェクタボディ56およびノズルボディ57には、同軸の貫通孔が設けられ、これらの貫通孔には、長尺のノズルニードル55が収容されている(図13参照)。
インジェクタボディ56の図示下部には、コイルスプリング59を収容するスプリング収納空間29が形成されており、ノズルニードル55は、コイルスプリング59の付勢力を受けて、常に図示下方に付勢されている。
また、インジェクタボディ56の図示下端には、スプリング収納空間29の下部を形成するディスタンスピース78が配置されている。このディスタンスピース78は、リテーニングナット58の締結軸力を受けるノズルボディ57によってインジェクタボディ56の図示下部に組み付けられている。
インジェクタボディ56の図示上側には、インレット79から供給された高圧燃料をノズルニードル55と貫通孔との間に形成されるクリアランスに導く第1燃料供給通路81、およびこの第1燃料供給通路81によって供給される高圧燃料をアーマチャ収納空間41に導く第2燃料供給通路82が形成されている。
第1燃料供給通路81からノズルニードル55の周囲に導かれた高圧燃料は、ノズルボディ57の貫通孔とノズルニードル55との間に形成されるノズル室83に導かれ、ノズルニードル55が上昇(フルリフト)すると、ノズルボディ57に形成される噴射孔から噴射される。
インジェクタ本体と電磁アクチュエータとは、インジェクタボディ56と第1ハウジング84との間に第2ハウジング85および中間スペーサ86を挟み込んだ状態で、インジェクタボディ56の円筒部87の外周に第1ハウジング84の円筒部(薄肉部)88を締め付け固定することで、インジェクタ本体と電磁アクチュエータとが一体的に結合されている。
電磁アクチュエータは、電力の供給を受けて電磁力(磁気吸引力)を発生する電磁コイル12と、ノズルニードル55をその軸線方向に往復移動させるプランジャ型の可動コア(アーマチャ14)と、このアーマチャ14との間に所定のギャップを隔てて対向して配置される固定コア(メインステータ16、サブステータ17)と、アーマチャ14、メインステータ16およびサブステータ17を収容する内部空間(アーマチャ収納空間41、ステータ収納空間42等)を有するハウジングと、アーマチャ収納空間41内に充満する燃料の流動抵抗力を利用してアーマチャ14の動きを鈍らせるダンパ機構とを備えている。
電磁アクチュエータのハウジングは、インジェクタボディ56の円筒部87の外周に締め付け固定される非磁性鋼材からなる有底円筒状の第1ハウジング84、内部空間(アーマチャ収納空間41、ステータ収納空間42等)を有する軟質磁性材(軟磁性鋼材)からなる有底円筒状の第2ハウジング85、およびインジェクタボディ56の環状端面と第2ハウジング85の環状端面との間に挟み込まれた非磁性材からなる中間スペーサ86によって構成されている。
第1ハウジング84の薄肉部88には、インジェクタボディ56の円筒部87の外周ねじ部に螺合する内周ねじ部が形成されている。なお、第1ハウジング84の円筒部(厚肉部)89の内周と第2ハウジング85の円筒部(薄肉部)90の外周との間には、電磁コイル12を収容する円筒状のコイル収納空間43が形成されている。なお、コイル収納空間43内で巻回された電磁コイル12は、合成樹脂(モールド樹脂)によってモールド成形されている。
電磁アクチュエータの固定コアは、複合焼結磁性材からなるメインステータ16、および軟磁性鋼材を含んで構成されるサブステータ17等を有している。
メインステータ16は、第2ハウジング85に圧入固定される中実円柱状のピン91の外周を取り囲むように円筒状に形成されている。
サブステータ17は、第2ハウジング85の内部空間をアーマチャ収納空間41とステータ収納空間42とに区画するように、アーマチャ収納空間41とステータ収納空間42との中間に設置されている。このサブステータ17は、軟磁性鋼材からなる円板状の磁性部(磁性プレート)63、およびこの磁性プレート63の径方向の外側に設置される円環状の非磁性部(非磁性リング)64等によって構成されている。
磁性プレート63は、非磁性リング64の内周面に直接接触するように設置されて、非磁性リング64の内周面に全周レーザ溶接により接合されている。
ここで、本実施例のサブステータ17は、磁性プレート63の中心部から磁性プレート63の外周部(外周面)まで真っ直ぐに延びる放射状の第1、第2スリット66、67を複数形成して、サブステータ17を周方向に複数個(16個)に分割している。
複数の第1スリット66は、軟磁性鋼材からなる磁性プレート63のメインステータ側端面に形成されている。また、複数の第2スリット67は、磁性プレート63のアーマチャ側端面に形成されている。
第1スリット66および第2スリット67は、サブステータ17の磁性プレート63よりも径方向の外側からサブステータ17の外周面を見たとき、隣合う2つの第1スリット66間に、これらの第1スリット66に対して逆方向に切り込みが入れられた第2スリット67が設けられるように、第1スリット66と第2スリット67とを互い違いに等間隔で磁性プレート63に設置している。
なお、第1スリット66は、磁性プレート63のメインステータ側端面においてサブステータ17の周方向に所定の間隔(等間隔、例えば45°間隔)で複数個(8個)形成されている。また、第2スリット67は、磁性プレート63のアーマチャ側端面においてサブステータ17の周方向に所定の間隔(等間隔、例えば45°間隔)で複数個(8個)形成されている。
また、各第1スリット66は、実施例3と同様に、サブステータ17の磁性プレート63をその板厚方向に貫通しない深さ{D(S1)}であり、また、各第2スリット67は、サブステータ17の磁性プレート63をその板厚方向に貫通しない深さ{D(S2)}である(図7参照)。また、各第1スリット66の深さ{D(S1)}は、少なくともサブステータ17の板厚(T)の半分以上とされており、また、各第2スリット67の深さ{D(S2)}は、少なくともサブステータ17の板厚(T)の半分以上とされている。つまり、第1スリット66の深さ{D(S1)}と第2スリット67の深さ{D(S2)}との間にオーバーラップを持たせている(図7参照)。
非磁性リング64は、磁性プレート63の外周面を周方向に取り囲むように設置されている。この非磁性リング64は、磁性プレート63の外周面で開口する複数の第1、第2スリット66、67を塞ぐように円環状に形成されている。また、非磁性リング64は、第2ハウジング85の薄肉部90の内周面に直接接触するように設置されて、第2ハウジング85の薄肉部90の内周面に全周レーザ溶接により接合されている。なお、実施例1〜4と同様に磁気抵抗部を構成する非磁性リング64は、磁性プレート63の外周と第2ハウジング85の薄肉部90の内周との間に設置されて、磁性プレート63と第2ハウジング85との間で磁束が漏れることを防止して(磁束を流れ難くして)、サブステータ17の磁極面に対するアーマチャ14の磁気吸引力を増加させる磁気絞り部である。
電磁アクチュエータの可動コアは、サブステータ17のアーマチャ側端面(磁極面)との間に所定のギャップを隔てて対向して配置されて、軟磁性鋼材からなるアーマチャ14を有している。
アーマチャ14は、ノズルニードル55の上端部を圧入嵌合している。このアーマチャ14は、そのサブステータ側端面に、アーマチャ14がフルリフトした際に非磁性リング64のアーマチャ側端面に当接する円環状の環状突起92を有している。この環状突起92は、アーマチャ14のサブステータ側端面の外周部からサブステータ17の非磁性リング64のアーマチャ側端面側に向かって突出している。
ここで、アーマチャ収納空間41は、円筒状空間であって、インジェクタボディ56のアーマチャ収納空間41内に臨む壁面と、サブステータ17のアーマチャ収納空間41内に臨む壁面(アーマチャ側端面)との間に形成されている。このアーマチャ収納空間41の外周部は、第2ハウジング85および中間スペーサ86のアーマチャ収納空間41内に臨む壁面(内周面)によって覆われている。また、アーマチャ収納空間41は、環状突起92よりも径方向の内側で、且つサブステータ17の磁性プレート63のアーマチャ側端面とアーマチャ14のサブステータ側端面との間に形成される円形状の内側空間93、および環状突起92よりも径方向の外側で、且つアーマチャ14の径方向の外周面と第2ハウジング85の内周面との間に形成される円筒状の外側空間94を有している。
また、本実施例のステータ収納空間42は、円筒状空間であって、サブステータ17のステータ収納空間42内に臨む壁面(メインステータ側端面)と、第2ハウジング85のステータ収納空間42内に臨む壁面(底面、メインステータ側端面)との間に形成されている。このステータ収納空間42の内周部は、ピン91のステータ収納空間42内に臨む壁面(外周面)によって覆われている。また、ステータ収納空間42の外周部は、第2ハウジング85のステータ収納空間42内に臨む壁面(内周面)によって覆われている。
以上のように、電磁アクチュエータのハウジングを構成する第1、第2ハウジング84、85は、サブステータ17の磁性プレート63と非磁性リング64の全周溶接部P6、サブステータ17の非磁性リング64と第2ハウジング85との全周溶接部P7等によって、アーマチャ14を燃料と共に収容するアーマチャ収納空間41に対して、メインステータ16を収容するステータ収納空間42が気密または液密に封止されている。
本実施例のダンパ機構は、サブステータ17の非磁性リング64、アーマチャ14の環状突起92、アーマチャ収納空間41内に充満する燃料、内側空間93と外側空間94とを連通するクリアランス95を有している。このクリアランス95は、サブステータ17の非磁性リング64のアーマチャ側端面とアーマチャ14の環状突起92のサブステータ側端面(最頂面)との間に形成されている。
これによって、アーマチャ14がフルリフトする時に、アーマチャ14がフルリフト位置に到達する寸前で、内側空間93内に充満する燃料が、サブステータ17の非磁性リング64とアーマチャ14の環状突起92との間に形成されるクリアランス95を通過して外側空間94側に流れ込む際に発生する燃料の流動抵抗力(油密ダンパ作用)によって、アーマチャ14の動きが鈍くなる。これにより、アーマチャ14の環状突起92がサブステータ17の非磁性リング64に衝突する衝突速度が遅くなるので、アーマチャ14のバウンスを抑えることができる。
以上のように、本実施例の電磁アクチュエータにおいては、軟磁性鋼材からなる磁性プレート63および非磁性鋼材からなる非磁性リング64によって構成されるサブステータ17の両端面(メインステータ側端面およびアーマチャ側端面)に互い違いに放射状の第1、第2スリット66、67を設けることにより、スリットが形成されていないタイプ(実施例1)のサブステータ(磁性+非磁性プレート)17と比べて、渦電流の経路が長くなるので、渦電流の電気抵抗が大きくなり、サブステータ17の渦電流損失を低減することが可能となる。
また、第1、第2スリット66、67の深さ{D(S1)、D(S2)}を、サブステータ(磁性+非磁性プレート)17の板厚(プレート厚さ:T)の1/2以上(例えば2/3程度の深さ)とすることで、サブステータ(磁性+非磁性プレート)17の磁性プレート63の周方向断面で全周磁路になることを防ぐことができる。すなわち、渦電流損失が小さく、高い動作応答性を得ることが可能な複合焼結磁性材製のメインステータ16よりもアーマチャ側に、軟質磁性材を含んで構成されるサブステータ(磁性+非磁性プレート)17を配置した電磁アクチュエータを利用したインジェクタ用電磁弁の場合であっても、サブステータ(磁性+非磁性プレート)17における渦電流の経路が長くなるので、渦電流の電気抵抗が大きくなり、電磁コイル12に供給される駆動電流がオフになった時に、サブステータ17の磁性プレート63に発生する渦電流が小さくなる。
これによって、電磁コイル12のコイル外径を大きくすることなく、つまり電磁アクチュエータの体格をコイル径方向に大型化することなく、固定コア(メインステータ16、サブステータ17)による可動コアのアーマチャ14の磁気吸引力を向上することができる。したがって、電磁弁のバルブ10および電磁アクチュエータのアーマチャ14等の動作応答性を高めることができる。
また、平板型のアーマチャ14に代えてプランジャ型のアーマチャ14を採用した場合であっても、電磁コイル12の大型化を阻止して搭載性を悪化させることなく、渦電流損失を低減することができるので、電磁弁のバルブ10および電磁アクチュエータのアーマチャ14等の動作応答性を高めることができる。
[変形例]
本実施例では、本発明の電磁アクチュエータを、電磁アクチュエータを利用したインジェクタ用電磁弁に適用しているが、内部に燃料が通過するものであれば、バルブ等の移動体だけでなく、シャッターやドア等の移動体を2位置にて駆動する電磁アクチュエータに適用しても良い。また、本発明の電磁アクチュエータを利用した電磁式流体制御弁を採用しても良い。電磁アクチュエータを利用した電磁式流体制御弁としては、サプライポンプの電磁弁(燃料調量弁)やコモンレールの減圧弁のようにバルブ等の移動体の位置を連続的または段階的に変更可能な電磁アクチュエータを備えた電磁式流量制御弁がある。
本実施例では、内燃機関用燃料噴射弁(インジェクタ)として、電磁弁の開弁時における燃料の排出をインジェクタボディ1の肩部に捩じ込まれたアウトレット28から行うサイドリターンタイプのインジェクタに適用したが、インジェクタとして、電磁弁の開弁時における燃料の排出を上部ハウジング20に設けられるトップリターンチューブから行うトップリターンタイプのインジェクタに適用しても良い。
インジェクタを示した断面図である(実施例1)。 インジェクタ用電磁弁を示した断面図である(実施例1)。 電磁アクチュエータを示した断面図である(実施例1)。 サブステータ(磁性+非磁性プレート)を示した平面図である(実施例1)。 (a)、(b)はサブステータ(磁性プレート)を示した斜視図、断面図である(実施例2)。 (a)、(b)はサブステータ(磁性+非磁性プレート)を示した平面図、斜視図である(実施例3)。 サブステータ(磁性+非磁性プレート)を示した展開図である(実施例3)。 サブステータ(磁性プレート)を示した斜視図である(実施例4)。 磁気吸引力波形を示したグラフである(実施例4)。 インジェクタの電磁アクチュエータを示した断面図である(実施例5)。 (a)はサブステータ(磁性+非磁性プレート)を示した平面図で、(b)は磁性プレートを示した斜視図である(実施例5)。 複合焼結磁性材を示した概念図である(従来の技術)。 電磁アクチュエータを備えたインジェクタを示した断面図である(従来の技術)。 電磁式燃料噴射弁を示した断面図である(従来の技術)。
符号の説明
1 インジェクタボディ
10 バルブ
12 電磁コイル
14 アーマチャ(可動コア)
16 メインステータ(固定コア)
17 サブステータ(固定コア)
18 ストッパ(ハウジング、第1金属パイプ)
19 中間ハウジング(ハウジング、第2金属パイプ)
20 上部ハウジング(ハウジング)
41 アーマチャ収納空間(第1空間)
42 ステータ収納空間(第2空間)
51 絶縁ブッシュ
52 Oリング
61 第1磁性リング(第1磁性部)
62 第2磁性リング(第2磁性部)
63 磁性プレート(磁性部)
64 非磁性リング(磁気抵抗部、非磁性部)
66 第1スリット
67 第2スリット
71 第1磁性部
72 第2磁性部
74 磁気抵抗部
76 第1スリット
77 第2スリット
92 アーマチャの環状突起
93 内側空間
94 外側空間
95 クリアランス
P1 全周溶接部
P2 全周溶接部
P3 全周溶接部
P4 全周溶接部
P5 全周溶接部
P6 全周溶接部
P7 全周溶接部

Claims (18)

  1. (a)移動体を駆動する可動コアと、
    (b)この可動コアに対向して配置される固定コアと、
    (c)前記可動コアおよび前記固定コアを収容する内部空間を有するハウジングと、
    (d)このハウジング内部に保持されて、電力の供給を受けて前記可動コアと前記固定コアとの間に磁気吸引力を発生させるコイルと
    を備えた電磁アクチュエータにおいて、
    前記固定コアは、金属粉と樹脂粉とを固めた複合磁性材によって形成されるメインステータ、およびこのメインステータの可動コア側端面に対向して設置されて軟質磁性材を含んで構成されるサブステータを有し、
    前記ハウジングの内部空間は、前記可動コアを収容する第1空間、および前記メインステータを収容する第2空間を有し、
    前記サブステータは、前記ハウジングに全周溶接により接合されており、
    前記ハウジングは、前記サブステータとの溶接部によって、前記第1空間に対して前記第2空間が気密または液密に封止されていることを特徴とする電磁アクチュエータ。
  2. 請求項1に記載の電磁アクチュエータにおいて、
    前記サブステータは、前記ハウジングの内部空間を前記第1空間と前記第2空間とに区画するように、前記第1空間と前記第2空間との中間に設置されていることを特徴とする電磁アクチュエータ。
  3. 請求項1または請求項2に記載の電磁アクチュエータにおいて、
    前記ハウジングは、前記メインステータの内周全体を覆うように前記メインステータよりも径方向の内側に配置される有底筒状の第1金属パイプ、および前記メインステータの外周全体を覆うように前記メインステータよりも径方向の外側に配置される筒状の第2金属パイプを有していることを特徴とする電磁アクチュエータ。
  4. 請求項3に記載の電磁アクチュエータにおいて、
    前記サブステータは、前記第1金属パイプに接触するように設置される環状の第1磁性部、および前記第2金属パイプに接触するように設置される環状の第2磁性部を有し、
    前記第1磁性部は、前記第1金属パイプに全周溶接により接合されており、
    前記第2磁性部は、前記第2金属パイプに全周溶接により接合されていることを特徴とする電磁アクチュエータ。
  5. 請求項4に記載の電磁アクチュエータにおいて、
    前記サブステータは、前記第1磁性部の外周と前記第2磁性部の内周との間に、非磁性材によって形成される磁気抵抗部を有し、
    前記磁気抵抗部は、前記第1磁性部に全周溶接により接合されており、且つ前記第2磁性部に全周溶接により接合されていることを特徴とする電磁アクチュエータ。
  6. 請求項4に記載の電磁アクチュエータにおいて、
    前記サブステータは、前記第1磁性部の外周と前記第2磁性部の内周との間に、軟質磁性材によって形成される磁気抵抗部を有し、
    前記磁気抵抗部は、前記第1磁性部および前記第2磁性部よりも板厚が薄い薄肉部であることを特徴とする電磁アクチュエータ。
  7. 請求項5または請求項6に記載の電磁アクチュエータにおいて、
    前記可動コアは、前記サブステータとの間にギャップを隔てて対向して配置されるアーマチャを有し、
    前記サブステータのメインステータ側端面には、前記サブステータの内周部から前記サブステータの外周部まで延びる放射状の第1スリットが複数形成されており、
    前記サブステータのアーマチャ側端面には、前記サブステータの内周部から前記サブステータの外周部まで延びる放射状の第2スリットが複数形成されていることを特徴とする電磁アクチュエータ。
  8. 請求項7に記載の電磁アクチュエータにおいて、
    前記第1スリットおよび前記第2スリットは、前記サブステータよりも径方向の外側から前記サブステータを見たとき、隣合う2つの前記第1スリット間に、これらの第1スリットに対して逆方向に切り込みが入れられた前記第2スリットが設けられるように、前記第1スリットと前記第2スリットとが互い違いに前記サブステータに設置されていることを特徴とする電磁アクチュエータ。
  9. 請求項7または請求項8に記載の電磁アクチュエータにおいて、
    前記第1スリットは、前記サブステータをその板厚方向に貫通しない深さであり、
    前記第2スリットは、前記サブステータをその板厚方向に貫通しない深さであり、
    前記第1スリットの深さは、少なくとも前記サブステータの板厚の半分以上とされており、
    前記第2スリットの深さは、少なくとも前記サブステータの板厚の半分以上とされていることを特徴とする電磁アクチュエータ。
  10. 請求項5または請求項6に記載の電磁アクチュエータにおいて、
    前記可動コアは、前記サブステータとの間にギャップを隔てて対向して配置されるアーマチャを有し、
    前記サブステータのアーマチャ側端面には、前記サブステータの内周部から前記サブステータの外周部まで延びる放射状のスリットが複数形成されていることを特徴とする電磁アクチュエータ。
  11. 請求項10に記載の電磁アクチュエータにおいて、
    前記スリットは、前記サブステータをその板厚方向に貫通しない深さであり、
    前記スリットの深さは、少なくとも前記サブステータの板厚の半分以上とされていることを特徴とする電磁アクチュエータ。
  12. 請求項1または請求項2に記載の電磁アクチュエータにおいて、
    前記可動コアは、前記サブステータとの間にギャップを隔てて対向して配置されるアーマチャを有し、
    前記サブステータは、前記メインステータのアーマチャ側端面の中央部に対向して設置される磁性部、および前記メインステータのアーマチャ側端面の外周部に対向して設置される磁気抵抗部を有し、
    前記磁性部は、前記磁気抵抗部に全周溶接により接合して、前記第1空間に対して前記第2空間を気密封止し、
    前記磁気抵抗部は、前記ハウジングに全周溶接により接合して、前記第1空間に対して前記第2空間を気密封止していることを特徴とする電磁アクチュエータ。
  13. 請求項12に記載の電磁アクチュエータにおいて、
    前記磁性部のアーマチャ側端面には、前記磁性部の内周部または中心部から前記磁性部の外周部まで延びる放射状の第1スリットが複数形成されており、
    前記磁性部のメインステータ側端面には、前記磁性部の内周部または中心部から前記磁性部の外周部まで延びる放射状の第2スリットが複数形成されていることを特徴とする電磁アクチュエータ。
  14. 請求項13に記載の電磁アクチュエータにおいて、
    前記第1スリットおよび前記第2スリットは、前記磁性部よりも径方向の外側から前記磁性部を見たとき、隣合う2つの前記第1スリット間に、これらの第1スリットに対して逆方向に切り込みが入れられた前記第2スリットが設けられるように、前記第1スリットと前記第2スリットとが互い違いに前記磁性部に設置されていることを特徴とする電磁アクチュエータ。
  15. 請求項13または請求項14に記載の電磁アクチュエータにおいて、
    前記第1スリットは、前記磁性部をその板厚方向に貫通しない深さであり、
    前記第2スリットは、前記磁性部をその板厚方向に貫通しない深さであり、
    前記第1スリットの深さは、少なくとも前記磁性部の板厚の半分以上とされており、
    前記第2スリットの深さは、少なくとも前記磁性部の板厚の半分以上とされていることを特徴とする電磁アクチュエータ。
  16. 請求項13ないし請求項15のうちのいずれか1つに記載の電磁アクチュエータにおいて、
    前記第1空間内に充満する燃料の流動抵抗力を利用して前記可動コアの動きを鈍らせるダンパ機構を備えたことを特徴とする電磁アクチュエータ。
  17. 請求項16に記載の電磁アクチュエータにおいて、
    前記サブステータは、前記磁性部の外周面を周方向に取り囲む前記磁気抵抗部を構成する環状の非磁性部を有し、
    前記可動コアは、そのサブステータ側端面に、前記可動コアがフルリフトした際に前記非磁性部に当接する環状突起を有し、
    前記第1空間は、前記環状突起よりも径方向の内側で、且つ前記磁性部のアーマチャ側端面と前記可動コアのサブステータ側端面との間に形成される内側空間、および前記環状突起よりも径方向の外側で、且つ前記可動コアと前記ハウジングとの間に形成される外側空間を有し、
    前記ダンパ機構は、前記非磁性部、前記環状突起、前記第1空間内に充満する燃料、前記内側空間と前記外側空間とを連通するクリアランスを有し、
    前記クリアランスは、前記非磁性部と前記環状突起との間に形成されていることを特徴とする電磁アクチュエータ。
  18. 請求項1ないし請求項17のうちのいずれか1つに記載の電磁アクチュエータにおいて、
    前記移動体は、インジェクタ用電磁弁のバルブであることを特徴とする電磁アクチュエータ。
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