JP2004014192A - 燃料電池装置及び燃料電池装置の制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料電池による発電を行う燃料電池装置において、高効率な発電を実現すると共に、その発電特性の制御も可能とする燃料電池装置の提供を目的とする。
【解決手段】電解質膜を挟持する燃料側電極、空気側電極に対して表面弾性波素子や音源などの加振デバイスを振動が伝播するように形成し、活性化を図る場合には、該加振デバイスに所要の信号を供給する。加振デバイスからの振動に応じて燃料電池の発電部の電極界面における気孔部分でのガス交換を効率良くすすめることができ、該触媒の活性化係数を高めることで発電量を大きくできる。
【選択図】 図1
【解決手段】電解質膜を挟持する燃料側電極、空気側電極に対して表面弾性波素子や音源などの加振デバイスを振動が伝播するように形成し、活性化を図る場合には、該加振デバイスに所要の信号を供給する。加振デバイスからの振動に応じて燃料電池の発電部の電極界面における気孔部分でのガス交換を効率良くすすめることができ、該触媒の活性化係数を高めることで発電量を大きくできる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
本発明は電解質膜を水素側電極と酸素側電極で挟んで水素などの燃料流体を供給すると共に空気を供給して所要の起電力を発生させる燃料電池装置及び燃料電池装置の制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池は水素ガスやメタノールなどの燃料流体を供給することで発電体に電力を発生させる装置であり、一般的にはプロトン伝導体膜を酸素側電極と水素側電極で挟んだ構造を有している。酸素側電極には、酸素を供給するために空気が供給され、他方の水素側電極には、燃料流体が供給される。燃料電池が発電する場合には、イオン交換膜である電解質膜中をプロトンが移動し、酸素側電極の酸素と反応して電流が発生すると共に酸素側電極では水が生成される。燃料電池の発電体部分は電解質膜電極複合体(Membrane Electrode Assembly:MEA)と呼ばれており、この電解質膜電極複合体を単体で或いは平面的に並べることで平面構造の燃料電池が構成され、或いは積層することで積層構造(スタック構造)の燃料電池が構成される。
【0003】
このような燃料電池は、最近では輸送用車両などの分野で電気自動車やハイブリッド式車両としての応用が大きく期待されている他、住宅用電源システムなどについても実用化が期待されており、さらには燃料電池の軽量性や小型性を活かした携帯機器や小型電源などについても研究や開発が進められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
効率の良い燃料電池装置を製造するためには、電池内部での種々の損失を抑えることが必要である。この電池内部での損失としては、触媒活性に基づく損失、内部抵抗に基づく損失、ガスや水などの移動による損失などが挙げられ、これらの損失を如何に抑制するかが重要な課題となる。これらの損失の中、触媒活性に基づく損失は触媒を担持させる方法や、触媒の種類、サイズなどに左右されるものであり、触媒中の活性金属の粒径を小さく均一に分散させて反応に寄与する表面積を改善したり、白金などの触媒に異種金属を合金化させて酸素の還元特性を改善する例などが知られる。
【0005】
しかしながら、これらの触媒活性に基づく損失では、十分な損失の低下が得られていないのが現状であり、更なる高効率な燃料電池の発電特性が要求されている。また、材料や構造の改善による場合では、一旦製造された後においては、その特性を変えることができないと言う問題も生ずる。損失は低く抑えることが望ましいが、燃料電池が発電した電力が供給されるところの負荷は一般に変動し得るものであり、その負荷変動に追従するような制御も必要とされる場合もある。
【0006】
そこで、本発明は上述の技術的な課題に鑑み、燃料電池による発電を行う燃料電池装置において、高効率な発電を実現すると共に、その発電特性の制御も可能とする燃料電池装置及び燃料電池装置の制御方法の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の燃料電池装置は、電解質膜と、前記電解質膜の一方の面に配設されて燃料流体が供給される燃料側電極と、前記電解質膜の他方の面に配設されて空気が供給される空気側電極と、前記燃料側電極及び前記空気側電極の少なくとも一方の電極界面を加振する加振手段とを有することを特徴とする。
【0008】
電解質膜を挟持する燃料側電極と空気側電極でそれぞれ燃料流体と空気とが供給され、これら燃料流体と空気をそれぞれ電極界面で活性化させて所要の電力を発生させる。加振手段からの振動が伝播した場合では、その電極界面におけるガス交換反応が大きく促進されることになり、従って、当該燃料電池装置の出力向上を図ることができる。
【0009】
また、本発明の他の燃料電池装置は、電解質膜と、前記電解質膜の一方の面に配設されて燃料流体が供給される燃料側電極と、前記電解質膜の他方の面に配設されて空気が供給される空気側電極と、前記燃料側電極及び前記空気側電極の少なくとも一方に接続され該電極に表面弾性波を伝播させる表面弾性波素子を有することを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、電解質膜を挟持する燃料側電極と空気側電極でそれぞれ燃料流体と空気とが供給され、これら燃料流体と空気をそれぞれ電極界面で活性化させて所要の電力が発生される。表面弾性波素子は所要の弾性波を発生させることができ、その弾性波によって電極界面でのガス交換を促進させることができる。これによって電極界面での反応ガス不足を抑えることができ、当該燃料電池装置の出力向上を図ることができる。
【0011】
また、本発明の燃料電池装置の制御方法は、電解質膜を挟持する燃料側電極と空気側電極を有する電解質膜電極複合体を形成する工程と、前記電解質膜電極複合体に音波を伝播できるように音源を配設する工程と、前記電解質膜電極複合体に燃料流体及び空気を送ると共に前記音源を駆動して前記電極における反応を制御しながら発電を行う工程とを有することを特徴とする。
【0012】
電解質膜電極複合体の構成として、電解質膜を挟持するように燃料側電極、空気側電極を配設することによって、燃料側電極に燃料を供給し、空気側電極に空気を供給すれば発電が生ずることになる。このような電解質膜電極複合体に対して音波を伝播できるように音源を配設することで、音源からの音波が電解質膜電極複合体に到達することとなり、この到達した音波によってガス交換を容易に進行させることができる。従って、音波について制御を行うことでガス交換による反応の活性度を調節できることになり、発電量の制御も実現される。
【0013】
また、本発明の燃料電池装置の制御方法は、電解質膜を挟持する燃料側電極と空気側電極を有する電解質膜電極複合体を形成する工程と、前記電解質膜電極複合体の各電極にある気孔に対して表面弾性波を伝播させる表面弾性波素子を配設する工程と、前記電解質膜電極複合体に燃料流体及び空気を送ると共に前記表面弾性波素子を駆動して前記電解質膜電極複合体の前記電極における反応を制御しながら発電を行う工程とを有することを特徴とする。
【0014】
この燃料電池装置の制御方法によれば、先の制御方法における音波の代わりに表面弾性波が使用され、表面弾性波が気孔に到達すれば共鳴現象によってガスの置換を容易に進行させることができる。従って、表面弾性波について制御を行うことでガス交換による反応の活性度を調節できることになり、発電量も確実に制御される。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0016】
本実施形態は、表面弾性波素子を用いて弾性波を発生させ、その振動を電解質膜電極複合体の各電極に存在する気孔に伝達し、気孔内に所要の定在波が発生してガス交換が進展する。図1はその表面弾性波素子を用いた燃料電池装置の部分的な模式図である。表面弾性波素子1は、圧電性基板5上に少なくとも一対の櫛形電極2が形成された構造を有しており、櫛形電極2に交流電力を供給することで圧電性基板5の表面に弾性波が発生する。この表面弾性波素子1は、後述するように、燃料電池本体のセパレータに接続するように構成されていても良く、表面弾性波素子1自体がセパレータの一部として機能する構造であっても良い。少なくとも表面弾性波素子1は、電解質膜電極複合体の各電極までに弾性波を伝播し得るように電解質膜電極複合体に直接的或いは間接的に接続される。
【0017】
電解質膜電極複合体は、図1では簡単のために省略しているが、プロトンを透過させる膜である電解質膜を燃料側電極と空気側電極で挟持した構造を有しており、燃料側電極に水素やメタノールなどの燃料流体を供給し、空気側電極に空気を供給することで両電極間に起電力を生じさせる機構部である。電解質膜電極複合体は、MEA(Membrane Electrode Assembly)或いは膜電極接合体と称される部材である。ここで燃料側電極と空気側電極は炭素繊維膜上に白金などの触媒が担持された炭素粒子を設けた構造とされることが多く、電極界面は多くの気孔が形成された多孔質状態とされることがしばしば行われる。電極製造方法の一例について説明すれば、白金を担持させたカーボンブラックをフッ素系固体高分子樹脂に分散させ、十分に攪拌した後、カーボンシートに塗布し、その後塗布部分を硬化させて形成する。このようにカーボンブラックを高分子樹脂に分散させたものを塗布する場合、塗布部分を硬化させて電極を形成することで、その電極界面には炭素粒子3に囲まれた0.1μmから10μm程度の気孔4が分布することになる。この気孔4は炭素粒子の間の隙間を模式的に示しており、気孔4には触媒も臨むことになる。
【0018】
表面弾性波素子1で発生した弾性波は、該表面弾性波素子1に直接的或いは間接的に接続される電解質膜電極複合体に伝播され、該弾性波によって電解質膜電極複合体の電極に形成される気孔4が共鳴が生じ、該弾性波のエネルギーが気孔4内の水素や酸素などの気体に集中されることになる。気孔4内に定在波が発生することで、気孔4内の気体温度の上昇と熱膨張によってガスの排出が効率良く行われることになる。この場合の弾性波の振動数は、その気孔サイズや温度にも依存し、一例として15MHzから200MHzの範囲が好ましく、特には50MHz乃至60MHzが好ましい。この点については、検証するための実験を本件発明者らは行っており、この実験の内容については後述する。
【0019】
触媒金属上での反応は、特に水素を燃料とする燃料電池ではプロトン、酸素、電子が会合し水を生成する電極反応が律側となる場合が多い。この電極反応の速度を決定づける要因の一つに電極内への反応ガス拡散速度が挙げられる。一般に水素燃料型燃料電池セルでは、酸素極(空気極)で酸素ガスが、燃料極(水素極)で水素ガスが反応する。電極内の反応は白金等の貴金属の微粒子がカーボン等に担持されている触媒表面上で生じる。この触媒は、約0.1〜10μmの粒子間隙間、すなわち気孔に隣接しており、この気孔を通過して反応ガスは触媒に届く。従来の燃料電池では高電流密度での発電時(=過電圧を上げる場合)に、反応ガスの供給が追いつかず出力低下の原因となる。すなわち反応ガスの供給はその供給パスである気孔が担っており、気孔中のガスを速やかに排出することができれば高出力が実現される。そして、本実施の形態のように弾性波を利用することで、この約0.1〜10μmの平均孔径である電極の気孔内のガスを音波又は気孔共鳴によって強制排気することが実現され、このようなガス交換の促進から発電量を高めることが実現される。
【0020】
更に、このような気孔4内での共鳴現象によるガス交換の促進作用と並行して、弾性波が触媒に作用して当該触媒の界面における反応が活性化する。一般に燃料電池には炭素繊維膜上に白金等の触媒が担持された炭素粒子を設置する所謂触媒電極が用いられる。触媒として機能する金属は、ナトリウムやカリウムのような反応活性の高すぎるものや、金のようにガス吸着が起こりにくいもの等の金属は不向きで、ガス分子をよく吸着するものの自身は安定であるような金属が好都合であるが、特に白金は燃料電池の電極反応において有用な触媒である。触媒に表面弾性波を作用させることで、その反応を制御できることは、例えば、Surface Science 357−358 (1996)769−772にも、表面弾性波によってパラジウム触媒の一酸化炭素等の酸化反応を検証したものが知られており、また、Applied Surface Science 169−170 (2001) 259−263にも表面弾性波の作用によって、エチレンなどの反応に大きな違いが生ずることが示されている。本実施形態においては、触媒は、燃料側電極と電解質膜の間若しくは燃料側電極と一体的に触媒層として設けられ、例えば炭素系材料の多孔質表面に担持されて存在する。この触媒に対して、表面弾性波を発生させる表面弾性波素子から有効に弾性波が伝播するように接続させ、表面弾性波素子に供給される高周波信号を制御させることで、触媒における反応自体を確実に制御できることになる。
【0021】
図2は表面弾性波素子を搭載した燃料電池装置の一例を示す図である。この燃料電池装置は、流体案内溝12aを有した板状のセパレータ12と流体案内溝13aを有した板状のセパレータ13で電解質膜電極複合体(Membrane Electrode Assembly)11を挟持し、さらにセパレータ13の電解質膜電極複合体11が配された面とは逆側の面に表面弾性波素子14を貼り合わせた構造を有する。
【0022】
電解質膜電極複合体11は、プロトン伝導体などの電解質膜11aを燃料側電極11bと空気側電極11cで挟持した構造を有しており、空気側電極11cや燃料側電極11bは、金属板や、多孔質性の金属材料、或いは炭素材料などの導電性材料からなり、これら空気側電極11cや燃料側電極11bには集電体が接続される。集電体は、電極で発生する起電力を取り出すための電極材であり、金属材料や炭素材料、導電性を有する不織布などを用いて構成される。空気側電極11cや燃料側電極11bに炭素系材料が使用される場合では、炭素系材料の多孔質表面に白金などの触媒を担持させるようにしても良く、本実施の形態では、燃料側電極11bと電解質膜11aの間若しくは燃料側電極11bと一体的に触媒が担持され、空気側電極と電解質膜11aの間若しくは空気側電極11cと一体的に触媒が担持される。
【0023】
発電時には、燃料側電極ではセパレータ12から水素ガス(H2)などの燃料気体やメタノールなどの燃料液体が供給される。燃料が水素である場合、水素ガス(H2)が気体流路を通過する間にプロトンを発生させ、解離したプロトン(H+)は燃料側電極11bから空気側電極11cに向かって電解質膜11aの膜中を移動する。この移動したプロトンは、空気側電極11cの触媒付近で酸素(空気)と反応して、これにより所望の起電力が取り出される。
【0024】
このような固体高分子膜を用いた構成の燃料電池では、水素を燃料とする場合、負極である燃料側電極では触媒と高分子電解質の接触界面においてH2→2H++2e−の如き反応が生ずる。酸素を酸化剤とした場合、正極である空気側電極では同様に1/2O2+2H++2e−=H2Oの如き反応が起こり、結果として水が生成される。この構成の燃料電池では、プロトン伝導体膜でプロトンが解離しつつ、燃料側電極から供給されるプロトンが空気側電極に移動するので、プロトンの伝導率が高くなるという特徴がある。また、水を供給する加湿装置などが不要であるので、燃料電池システムの簡略化や軽量化を図ることができる。
【0025】
このような電解質膜電極複合体11は、一対のセパレータ12、13によって挟持されている。セパレータ12、13は例えば合成樹脂やその他の誘電体材料から構成される略板状の部材であり、各セパレータ12、13の電解質膜電極複合体11当接面には流体案内溝12a、13aが形成される。当該燃料電池装置が積層タイプである場合には、セパレータ12,13は空気極と燃料極を接続させる導電体であっても良く、耐腐食性の高い金属や炭素系材料を選んでも良い。流体案内溝12a、13aは複数の互いに平行して延長される溝からなり、その断面は例えば矩形状とされるが、三角形状や半円若しくはアーチ状でも良く、また、溝自体は延長される部分で均一でなくとも良く、例えば流体の入り口側で断面が大きく先細りとなるような形状であっても良い。
【0026】
セパレータ12はその電解質膜電極複合体11当接面に形成された複数の流体案内溝12aによって、燃料流体を電解質膜電極複合体11の燃料側電極11bに案内する。また、セパレータ13はその電解質膜電極複合体11当接面に形成された複数の流体案内溝13aによって、空気を電解質膜電極複合体11の空気側電極11cに案内する。セパレータ12とセパレータ13は同一の構造とすることも可能であるが、異なる構造であっても良く、例えば、溝の位置が対称的とならないものであっても良い。また、溝のピッチやサイズなどがセパレータ12、13の間で異なる構造であっても良い。
【0027】
空気側のセパレータ13の裏面側には、表面弾性波素子14が貼り合わされて接続される。表面弾性波素子14は、圧電体基板14c上に一対の電極14a、14bが形成された構造を有している。一対の電極14a、14bは、ミアンダ状(蛇行状)に延在されるパターンで形成されるが、ミアンダ状は一例であって、他のパターンにすることも可能である。本実施の形態では、表面弾性波素子14の一対の電極14a、14bが形成された面が空気側のセパレータ13の裏面に貼り合わせられるが、セパレータ13の裏面と圧電体基板14cが直接接続するような構造であっても良い。
【0028】
表面弾性波素子14は、表面弾性波(Surface Acoustic Wave)を発生させる素子であり、高周波信号が供給され、圧電体内部を伝播する弾性波動が表面に集中して伝播することを利用した素子である。表面弾性波は圧電体基板14cの表面で主に伝播することになるが、その振動はセパレータ13を介して電解質膜電極複合体11まで伝わることになる。高周波電力によって発生した表面弾性波が電解質膜電極複合体11の電極表面の多孔質界面に伝播され、その電極表面に形成されている気孔内に弾性波のエネルギーに基づき定在波が発生し、気孔内の気体温度の上昇と熱膨張によってガスの排出が効率良く行われることになる。また、この弾性波は電解質膜電極複合体11の電極表面の触媒にも作用し、その触媒界面における反応を制御することができる。
【0029】
本実施の形態においては、貼り合わせられる表面弾性波素子14は1つであるが、複数の表面弾性波素子14を1つのセパレータ13に接続させることもでき、複数の弾性波の干渉作用によって高効率となる周波数や位置を組み合わせることも可能である。また、表面弾性波素子14は空気側電極のセパレータ13に貼り合わせられているが、燃料側電極のセパレータ12に接続される構造であっても良い。
【0030】
図3は表面弾性波素子14上にセパレータ13、電解質膜電極複合体11、及びセパレータ12を積層した構造の燃料電池装置を示す。電解質膜電極複合体11の上面にはセパレータ12に形成された流体案内溝12aから水素やメタノールなどの燃料流体が供給され、セパレータ13に形成された流体案内溝13aから空気が電解質膜電極複合体11の下面に供給されて発電を行う。図3中、矢印は表面弾性波素子14で発生した弾性波がセパレータ13を介して伝播する様子を模式的に示すものであり、外部から高周波信号を供給した時に触媒における反応が活性化され、高周波信号の供給を停止した時に触媒における反応が通常のレベルに戻されることになる。従って、外部からの信号によって発電量を確実に制御することが可能となり、効率の良い発電が実現される。
【0031】
図4は表面弾性波素子の一例の平面図である。圧電体基板14cは、LiNbO3やLiTaO3などの強誘電体材料基板からなり、本実施の形態においては、結晶の切断方向を工夫して圧電体基板14cの主面に垂直な方向での弾性波成分が高くなるように設定することが望ましい。一対の電極14a、14bはトランスデューサとして機能し、指を合わせて組むような櫛形形式でパターニングされている。一対の電極14a、14bは、弾性波を生じさせるような構造であれば、他の構造であっても良く、さらに多くの電極を設けるようにしても良い。例えば、2枚の面状電極を圧電体を挟んで対向させるようにすることも可能である。
【0032】
他の実施の形態の燃料電池装置について、図5、図6を参照しながら説明する。表面弾性波素子と、流路を構成する電極部とが同一圧電体基板上に並べて配置され、表面弾性波素子に信号を与えて弾性波を生じさせ、そのまま空気や燃料の流路として利用される櫛形電極部から電解質膜電極複合体の気孔部に弾性波を作用させて気孔内のガス交換を促進させると共に電解質膜電極複合体の触媒に弾性波を作用させる例である。
【0033】
図5は燃料電池装置の断面図である。圧電体基板21の表面の一部に絶縁体膜25、25に挟まれた櫛形電極部22を設けて表面弾性波素子24を形成し、更に同じ圧電体基板61の表面に櫛形電極部27を形成し、その櫛形電極部27の表面に電解質膜電極複合体を取り付けた構造を有している。
【0034】
電解質膜電極複合体は、具体的には、発電時にプロトンが移動する電解質膜28を空気側電極26と燃料側電極29が挟む構造となっており、空気側電極26の表面には圧電体基板21の表面に形成されている櫛形電極部27が接続する。この電解質膜・電極複合体においては、空気側電極26の表面に櫛形電極部27の間の流路23から空気が供給され、反対側の燃料側電極29には水素などの燃料が供給されて、所要の発電が行われる。発電時には、空気側電極26及び燃料側電極29の触媒界面で反応が生ずるが、その反応は表面弾性波素子24からの音波によって制御される。表面弾性波素子24は、所要の高周波信号を与えることで発振し、その振動が圧電体基板21の表面を伝播して櫛形電極部27に振動が到達する。櫛形電極部27はその電極構造からSAWフィルターとして機能し、櫛形電極部27による周波数の選択性からさらに精密な触媒反応の制御も可能である。
【0035】
図6は表面弾性波素子24の断面図であり、圧電体基板21の表面の一部に絶縁体膜25、25に挟まれた櫛形電極部22が設けられている。表面弾性波素子24は圧電体基板21上で信号入力部として機能することになる。
【0036】
本実施の形態の燃料電池装置は、圧電体基板21上の表面弾性波素子24によって弾性波を発生させることができ、その弾性波によって電解質膜電極複合体の空気側電極26と燃料側電極29に形成された気孔内でのガス交換が促進されることになる。このため表面弾性波素子24に高周波信号を供給することで、電極界面における反応が促進され、発電量を改善することができる。また、表面弾性波素子24から供給される弾性波によって、電解質膜電極複合体の空気側電極26と燃料側電極29に担持されている触媒の反応作用も増大させることができ、その触媒の反応を活性化させることによっても発電量を高めることができる。
【0037】
図7は本件発明者らが行った実験データを示す図である。実験は弾性波発生素子を形成した燃料電池装置を用い、弾性波発生素子を振動させて幾つかの振動数における燃料電池装置の出力を測定したものである。
【0038】
実験に先立ち、形成した燃料電池装置についてその製法から説明すると、先ず、電極として、カーボンブラック(ValKan72XC(商品名))に対し担持量比46%の白金を担持させた触媒をフッ素系固体高分子樹脂に分散させ、充分に攪拌した後、300μmのカーボンシートに塗布した。白金担持密度は1mg/cm2であった。電極は触媒面積7cm2の円形に切り抜き、市販ナフィオン(商品名)膜(ナフィオン112)にホットプレスすることで電解質膜電極複合体(MEA)を構成した。この電解質膜電極複合体をさらに燃料電池用セパレータに挟み、ガス経路に漏れがないことを確認した後、空気極側に乾燥した純酸素を50ml/分、燃料極側に相対湿度50%の水素を50ml/分それぞれ流した。燃料電池装置の燃料電池部分は23℃に設定した。
【0039】
続いて、セパレータに櫛形電極を蒸着したリチウムナイオベート(LiNbO2)基板を貼り付け、弾性波発生素子を形成した。櫛形電極部には金などの金属膜を用い、該櫛形電極からは金リード線を燃料電池装置の外部に引き出し外部交流電源に接続した。
【0040】
以上の如き設定を行った後、燃料電池セルに反応ガスを流しながら、外部交流電源の周波数を変化させて、0MHz(=f1)、5MHz(=f2)、15MHz(=f3)、55MHz(=f4)、150MHz(=f5)、200MHz(=f6)の振動数の弾性波を酸素極及び水素極に伝播させ、その各状態でゼロ電圧時の出力電流をそれぞれ観察した。その結果を図7に示す。図7に示すように、低周波数域(f1、f2)と高周波数域(f6)では、十分な出力が得られないことが示されているが、中間の周波数域(f3〜f5)では概ね1000mA/cm2以上の出力が得られており、例えば弾性波発生素子の振動周波数をfとすると、15MHz≦f≦190MHzの範囲では有効な出力が得られていることが分かる。
【0041】
ここで、弾性波などの振動現象によって燃料電池の出力が向上することについては、次のように説明される。電極内には実測(ポロシメーター)から0.1μm〜10μmの気孔が分布する。仮に分布径平均を1μm、気孔の形状を2連続筒型と仮定すると、その共鳴振動数νはν=(v/2π)√(A/V)で表せる。ここでAは筒の長さの半分(単位m)、Vは筒の円形部の面積を筒の長さ半分で割った値である。vは音速(m/s)である。温度がT(℃)の時、v=331.5+0.61T(m/s)と示されるので燃料電池の作動環境温度と考えられる‐20℃≦T≦80℃では50MHz≦f≦60MHzが共鳴振動数となる。一方、0.1μmの気孔には同温度範囲で15.8MHz≦f0.1≦18.9MHz、10μmの気孔には158MHz≦f10≦189MHzが共鳴振動数となる。共鳴振動数と温度の関係をまとめたものが次の表1である。
【0042】
【表1】
【0043】
従って、振動周波数fが約15MHz≦f≦190MHzの範囲では、電極界面の気孔部分に共鳴現象は発生し、この共鳴現象によって、その電極表面に形成されている気孔内の気体温度の上昇と熱膨張によってガスの排出が効率良く行われることになる。更に、この弾性波は電解質膜電極複合体11の電極表面の触媒にも作用し、その触媒界面における反応を制御することができる。
【0044】
次に、他の実施形態の燃料電池装置について説明する。図8は音源を利用した燃料電池装置の部分的な模式図である。音源31は、所要の音波を発生できる装置であれば、種々の装置を設けることが可能であり、具体的には平面スピーカーなどの各種スピーカーやマイクロホンを用いることが可能であって、さらにはリチウムナイオベート、水晶、チタン酸鉛等の基板に金属電極を形成したセパレータを用いても良い。また、プロトン伝導体(電解質膜)の両面に触媒を備えた電解質膜電極複合体(Membrane Electrode Assembly)において、プロトン伝導体の両電極に金属電極を形成し、両電極に交流電圧を印加することでプロトン伝導膜はその振動現象をおこす。これを音源として用い、該音源から電極内に音波を導入することも可能である。
【0045】
音源31から出力された音波は、電解質膜電極複合体の電極界面を構成する炭素粒子32に囲まれた0.1μmから10μm程度の平均孔径を有する気孔33に到達する。気孔33は炭素粒子32の間の隙間を模式的に示しており、気孔33には触媒も臨む。このような燃料電池装置においては、比較的に周波数の低い音波などの振動が電解質膜電極複合体の電極界面の気孔33内に到達する。音波は空気などの媒介気体若しくは媒介液体の波動現象であることから、気孔33内部に到達した場合では、その気孔33内部に存在する気体を波動現象に従って移動させ、ガスの置換を促進させることが可能となる。このため気孔33内部では、ミクロンオーダーの比較的に狭い気孔内であっても必要なガスが触媒まで効率良く供給され触媒界面における反応が促進される。なお、音源からの音波の振動数は30000Hz以下であればかまわないが、好ましくは10Hz≦f≦20000Hzがよい。このような振動数領域ならば市販の音源(スピーカー等)が使用可能である。
【0046】
図9は他の実施形態にかかる燃料電池装置の模式図である。この燃料電池装置は、流体案内溝45を有した板状のセパレータ44が電解質膜電極複合体(Membrane Electrode Assembly)に取り付けられており、この電解質膜電極複合体の出力にはモニター48が接続し、該モニター48には制御回路47が接続する。制御回路47はスピーカーなどの音源46にも接続され、音源46の駆動は制御回路47からの信号によって制御される。
【0047】
電解質膜電極複合体は、プロトン伝導体などの電解質膜41を燃料側電極43と空気側電極42で挟持した構造を有しており、空気側電極42や燃料側電極43は、金属板や、多孔質性の金属材料、或いは炭素材料などの導電性材料からなり、これら空気側電極42や燃料側電極43には集電体が接続される。集電体は、電極で発生する起電力を取り出すための電極材であり、金属材料や炭素材料、導電性を有する不織布などを用いて構成される。集電体は空気側電極42や燃料側電極43と一体化する構造であっても良い。空気側電極42や燃料側電極43に炭素系材料が使用される場合では、炭素系材料の多孔質表面に白金などの触媒を担持させるようにしても良く、例えば、燃料側電極43と電解質膜41の間若しくは燃料側電極43と一体的に触媒が担持され、空気側電極42と電解質膜41の間若しくは空気側電極42と一体的に触媒が担持される。
【0048】
発電時には、燃料側電極ではセパレータ44から水素ガス(H2)などの燃料気体やメタノールなどの燃料液体が供給される。燃料が水素である場合、水素ガス(H2)が気体流路を通過する間にプロトンを発生させ、解離したプロトン(H+)は燃料側電極43から空気側電極42に向かって電解質膜41の膜中を移動する。この移動したプロトンは、空気側電極42の触媒付近で酸素(空気)と反応して、これにより所望の起電力が取り出される。
【0049】
このような固体高分子膜を用いた構成の燃料電池では、水素を燃料とする場合、負極である燃料側電極では触媒と高分子電解質の接触界面においてH2→2H++2e−の如き反応が生ずる。酸素を酸化剤とした場合、正極である空気側電極では同様に1/2O2+2H++2e−=H2Oの如き反応が起こり、結果として水が生成される。この構成の燃料電池では、プロトン伝導体膜でプロトンが解離しつつ、燃料側電極から供給されるプロトンが空気側電極に移動するので、プロトンの伝導率が高くなるという特徴がある。また、水を供給する加湿装置などが不要であるので、燃料電池システムの簡略化や軽量化を図ることができる。
【0050】
セパレータ44は例えば合成樹脂やその他の誘電体材料から構成される略板状の部材であり、燃料流体を電解質膜電極複合体の燃料側電極43に案内する。各セパレータ44の電解質膜電極複合体の当接面には流体案内溝45が形成される。当該燃料電池装置が積層タイプである場合には、セパレータは空気極と燃料極を接続させる導電体であっても良く、耐腐食性の高い金属や炭素系材料を選んでも良い。流体案内溝45は複数の互いに平行して延長される溝からなり、その断面は例えば矩形状とされるが、三角形状や半円若しくはアーチ状でも良く、また、溝自体は延長される部分で均一でなくとも良く、例えば流体の入り口側で断面が大きく先細りとなるような形状であっても良い。
【0051】
モニター48は、電解質膜41を燃料側電極43と空気側電極42で挟持した電解質膜電極複合体からの出力を監視する回路であり、その電解質膜電極複合体からの出力は発電電力として負荷の駆動に使用される。モニター48は例えば電解質膜電極複合体からの出力が低下した際に、その旨の信号を制御回路47に送る。制御回路47は、種々の制御を行うことが可能であるが、本例では特に当該燃料電池装置の出力を一定に保持するように作動する。すなわち、モニター48は電解質膜電極複合体からの出力が低下した際にその旨の信号を制御回路47に送ることから、制御回路47では常に電解質膜電極複合体の発電状態を把握することができ、出力低下時にはスピーカーなどの音源46を駆動する。この音源46の駆動によって、気相中を音源46からの音波が伝播し、その音波が電解質膜電極複合体の電極界面における気孔内部に到達した場合では、その気孔内部に存在する気体を波動現象に従って移動させる。この波動現象に伴うガスの置換から、電解質膜電極複合体の触媒界面における反応が促進され、発電出力の低下が防止され、或いは発電出力の回復が図れることになる。
【0052】
このような音波に基づく発電量の向上については、前述の図7に示した実験と同様の実験を行っている。これについて図10を参照しながら説明すると、実験は音源から音波を出力し、幾つかの音声周波数における燃料電池装置の出力を測定したものである。
【0053】
実験に用いた燃料電池装置の製法については、前述の実験のものと同様であって、先ず、電極として、カーボンブラック(ValKan72XC(商品名))に対し担持量比46%の白金を担持させた触媒をフッ素系固体高分子樹脂に分散させ、充分に攪拌した後、300μmのカーボンシートに塗布した。白金担持密度は1mg/cm2であった。電極は触媒面積7cm2の円形に切り抜き、市販ナフィオン(商品名)膜(ナフィオン112)にホットプレスすることで電解質膜電極複合体(MEA)を構成した。この電解質膜電極複合体をさらに燃料電池用セパレータに挟み、ガス経路に漏れがないことを確認した後、空気極側に乾燥した純酸素を50ml/分、燃料極側に相対湿度50%の水素を50ml/分それぞれ流した。燃料電池装置の燃料電池部分は23℃に設定した。
【0054】
続いて、マイクロホンを電極上方に接着し、音声信号として正弦波の信号、1Hz(=f11)、10Hz(=f12)、100Hz(=f13)、1kHz(=f14)、10kHz(=f15)、20kHz(=f16)、30kHz(=f17)のそれぞれを音源としてのマイクロホンに与えた。この間、マイクロホンに印加する正弦波の振幅は0.2Vに設定した。このようなマイクロホンに各周波数の信号を与えた結果、その各状態でゼロ電圧時の出力電流をそれぞれ観察したところ、図10に示す実験結果が得られた。図10に示すように、極低周波数域(f11)と高周波数域(f16、f17)では、十分な出力が得られないことが示されているが、中間の周波数域(f12〜f15)では概ね950mA/cm2以上の出力が得られており、例えば音源に供給される印加周波数(音波振動数)をfとすると、10Hz≦f≦20000Hzの範囲では有効な出力が得られていることが分かる。
【0055】
このように音源を利用した燃料電池装置においては、比較的に周波数の低い音波などの振動が電解質膜電極複合体の電極界面の気孔内に到達することで、気孔内部に存在する気体を波動現象に従って移動させ、ガスの置換を促進させることが可能となる。このため音源を駆動することで、比較的に狭い気孔内であっても必要なガスが触媒まで効率良く供給され触媒界面における反応が促進される。また、音源を用いて出力制御も可能であり、出力低下時に音波振動を発生させ、その音波振動を燃料電池に与えることで、発電の出力低下を抑制したり、発電の出力回復を図ることができる。
【0056】
なお、本発明においては、燃料電池装置を搭載する機器としては、如何なるものでも可能であり、パーソナルコンピュータ、携帯電話機やPDA(Personal Digital Assistant)などの電子機器の他、本発明は、プリンターやファクシミリ、パソコン用周辺機器、電話機、テレビジョン受像機、画像表示装置、通信機器、カメラ、オーディオビデオ機器、扇風機、冷蔵庫、ヘアドライヤー、アイロン、ポット、掃除機、炊飯器、電磁調理器、照明器具、ゲーム機やラジコンカーなどの玩具、電動工具、医療機器、測定機器、車両搭載用機器、事務機器、健康美容器具、電子制御型ロボット、衣類型電子機器、各種電動機器、車両、船舶、航空機などの輸送用機械、家庭用若しくは事業用発電装置、その他の用途に使用できるものである。
【0057】
また、本発明では、燃料として主に水素ガスを使用する例について説明したが、いわゆるダイレクトメタノール方式に対応してメタノール(液体)等のアルコールを燃料とする構成としても良い。
【0058】
【発明の効果】
本発明の燃料電池装置によれば、弾性波発生素子や音源などの加振手段からの振動によって、燃料電池の発電部の電極界面における気孔部分でのガス交換を効率良くすすめることができ、この作用によって触媒反応を活性化して発電量を向上させることができる。また、このような弾性波発生素子や音源などの加振手段からの振動は、燃料電池装置本体の外部から与えられる信号によって制御できるものであり、従って、信号を制御することで発電量の制御も実現されることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態にかかる燃料電池装置の模式図である。
【図2】本発明の実施形態にかかる燃料電池装置の分解斜視図である。
【図3】図2に示した実施形態にかかる燃料電池装置の側断面図である。
【図4】図2に示した本発明の実施形態にかかる燃料電池装置の表面弾性波素子の部分の平面図である。
【図5】本発明の他の実施形態にかかる燃料電池装置の側断面図である。
【図6】図5に示した実施形態にかかる燃料電池装置の表面弾性波素子の部分の側断面図である。
【図7】本発明のかかる燃料電池装置の出力と印加振動数の関係を示す実験データである。
【図8】本発明のさらに他の実施形態にかかる燃料電池装置の模式図である。
【図9】本発明のまた他の実施形態にかかる燃料電池装置のブロック図である。
【図10】本発明のかかる燃料電池装置の出力と印加振動数の関係を示す実験データである。
【符号の説明】
1 表面弾性波素子
2 櫛形電極
3 炭素粒子
4 気孔
5 圧電性基板
11 電解質膜・電極複合体
11a 電解質膜
11b 燃料側電極
11c 空気側電極
12、13 セパレータ
14 表面弾性波素子
14a、14b 電極
14c 圧電体基板
21 圧電体基板
24 表面弾性波素子
26 空気側電極
28 電解質膜
29 燃料側電極
31 音源
32 炭素粒子
33 気孔
41 電解質膜
42 空気側電極
43 燃料側電極
44 セパレータ
46 音源
47 制御回路
48 モニター
本発明は電解質膜を水素側電極と酸素側電極で挟んで水素などの燃料流体を供給すると共に空気を供給して所要の起電力を発生させる燃料電池装置及び燃料電池装置の制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池は水素ガスやメタノールなどの燃料流体を供給することで発電体に電力を発生させる装置であり、一般的にはプロトン伝導体膜を酸素側電極と水素側電極で挟んだ構造を有している。酸素側電極には、酸素を供給するために空気が供給され、他方の水素側電極には、燃料流体が供給される。燃料電池が発電する場合には、イオン交換膜である電解質膜中をプロトンが移動し、酸素側電極の酸素と反応して電流が発生すると共に酸素側電極では水が生成される。燃料電池の発電体部分は電解質膜電極複合体(Membrane Electrode Assembly:MEA)と呼ばれており、この電解質膜電極複合体を単体で或いは平面的に並べることで平面構造の燃料電池が構成され、或いは積層することで積層構造(スタック構造)の燃料電池が構成される。
【0003】
このような燃料電池は、最近では輸送用車両などの分野で電気自動車やハイブリッド式車両としての応用が大きく期待されている他、住宅用電源システムなどについても実用化が期待されており、さらには燃料電池の軽量性や小型性を活かした携帯機器や小型電源などについても研究や開発が進められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
効率の良い燃料電池装置を製造するためには、電池内部での種々の損失を抑えることが必要である。この電池内部での損失としては、触媒活性に基づく損失、内部抵抗に基づく損失、ガスや水などの移動による損失などが挙げられ、これらの損失を如何に抑制するかが重要な課題となる。これらの損失の中、触媒活性に基づく損失は触媒を担持させる方法や、触媒の種類、サイズなどに左右されるものであり、触媒中の活性金属の粒径を小さく均一に分散させて反応に寄与する表面積を改善したり、白金などの触媒に異種金属を合金化させて酸素の還元特性を改善する例などが知られる。
【0005】
しかしながら、これらの触媒活性に基づく損失では、十分な損失の低下が得られていないのが現状であり、更なる高効率な燃料電池の発電特性が要求されている。また、材料や構造の改善による場合では、一旦製造された後においては、その特性を変えることができないと言う問題も生ずる。損失は低く抑えることが望ましいが、燃料電池が発電した電力が供給されるところの負荷は一般に変動し得るものであり、その負荷変動に追従するような制御も必要とされる場合もある。
【0006】
そこで、本発明は上述の技術的な課題に鑑み、燃料電池による発電を行う燃料電池装置において、高効率な発電を実現すると共に、その発電特性の制御も可能とする燃料電池装置及び燃料電池装置の制御方法の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の燃料電池装置は、電解質膜と、前記電解質膜の一方の面に配設されて燃料流体が供給される燃料側電極と、前記電解質膜の他方の面に配設されて空気が供給される空気側電極と、前記燃料側電極及び前記空気側電極の少なくとも一方の電極界面を加振する加振手段とを有することを特徴とする。
【0008】
電解質膜を挟持する燃料側電極と空気側電極でそれぞれ燃料流体と空気とが供給され、これら燃料流体と空気をそれぞれ電極界面で活性化させて所要の電力を発生させる。加振手段からの振動が伝播した場合では、その電極界面におけるガス交換反応が大きく促進されることになり、従って、当該燃料電池装置の出力向上を図ることができる。
【0009】
また、本発明の他の燃料電池装置は、電解質膜と、前記電解質膜の一方の面に配設されて燃料流体が供給される燃料側電極と、前記電解質膜の他方の面に配設されて空気が供給される空気側電極と、前記燃料側電極及び前記空気側電極の少なくとも一方に接続され該電極に表面弾性波を伝播させる表面弾性波素子を有することを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、電解質膜を挟持する燃料側電極と空気側電極でそれぞれ燃料流体と空気とが供給され、これら燃料流体と空気をそれぞれ電極界面で活性化させて所要の電力が発生される。表面弾性波素子は所要の弾性波を発生させることができ、その弾性波によって電極界面でのガス交換を促進させることができる。これによって電極界面での反応ガス不足を抑えることができ、当該燃料電池装置の出力向上を図ることができる。
【0011】
また、本発明の燃料電池装置の制御方法は、電解質膜を挟持する燃料側電極と空気側電極を有する電解質膜電極複合体を形成する工程と、前記電解質膜電極複合体に音波を伝播できるように音源を配設する工程と、前記電解質膜電極複合体に燃料流体及び空気を送ると共に前記音源を駆動して前記電極における反応を制御しながら発電を行う工程とを有することを特徴とする。
【0012】
電解質膜電極複合体の構成として、電解質膜を挟持するように燃料側電極、空気側電極を配設することによって、燃料側電極に燃料を供給し、空気側電極に空気を供給すれば発電が生ずることになる。このような電解質膜電極複合体に対して音波を伝播できるように音源を配設することで、音源からの音波が電解質膜電極複合体に到達することとなり、この到達した音波によってガス交換を容易に進行させることができる。従って、音波について制御を行うことでガス交換による反応の活性度を調節できることになり、発電量の制御も実現される。
【0013】
また、本発明の燃料電池装置の制御方法は、電解質膜を挟持する燃料側電極と空気側電極を有する電解質膜電極複合体を形成する工程と、前記電解質膜電極複合体の各電極にある気孔に対して表面弾性波を伝播させる表面弾性波素子を配設する工程と、前記電解質膜電極複合体に燃料流体及び空気を送ると共に前記表面弾性波素子を駆動して前記電解質膜電極複合体の前記電極における反応を制御しながら発電を行う工程とを有することを特徴とする。
【0014】
この燃料電池装置の制御方法によれば、先の制御方法における音波の代わりに表面弾性波が使用され、表面弾性波が気孔に到達すれば共鳴現象によってガスの置換を容易に進行させることができる。従って、表面弾性波について制御を行うことでガス交換による反応の活性度を調節できることになり、発電量も確実に制御される。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0016】
本実施形態は、表面弾性波素子を用いて弾性波を発生させ、その振動を電解質膜電極複合体の各電極に存在する気孔に伝達し、気孔内に所要の定在波が発生してガス交換が進展する。図1はその表面弾性波素子を用いた燃料電池装置の部分的な模式図である。表面弾性波素子1は、圧電性基板5上に少なくとも一対の櫛形電極2が形成された構造を有しており、櫛形電極2に交流電力を供給することで圧電性基板5の表面に弾性波が発生する。この表面弾性波素子1は、後述するように、燃料電池本体のセパレータに接続するように構成されていても良く、表面弾性波素子1自体がセパレータの一部として機能する構造であっても良い。少なくとも表面弾性波素子1は、電解質膜電極複合体の各電極までに弾性波を伝播し得るように電解質膜電極複合体に直接的或いは間接的に接続される。
【0017】
電解質膜電極複合体は、図1では簡単のために省略しているが、プロトンを透過させる膜である電解質膜を燃料側電極と空気側電極で挟持した構造を有しており、燃料側電極に水素やメタノールなどの燃料流体を供給し、空気側電極に空気を供給することで両電極間に起電力を生じさせる機構部である。電解質膜電極複合体は、MEA(Membrane Electrode Assembly)或いは膜電極接合体と称される部材である。ここで燃料側電極と空気側電極は炭素繊維膜上に白金などの触媒が担持された炭素粒子を設けた構造とされることが多く、電極界面は多くの気孔が形成された多孔質状態とされることがしばしば行われる。電極製造方法の一例について説明すれば、白金を担持させたカーボンブラックをフッ素系固体高分子樹脂に分散させ、十分に攪拌した後、カーボンシートに塗布し、その後塗布部分を硬化させて形成する。このようにカーボンブラックを高分子樹脂に分散させたものを塗布する場合、塗布部分を硬化させて電極を形成することで、その電極界面には炭素粒子3に囲まれた0.1μmから10μm程度の気孔4が分布することになる。この気孔4は炭素粒子の間の隙間を模式的に示しており、気孔4には触媒も臨むことになる。
【0018】
表面弾性波素子1で発生した弾性波は、該表面弾性波素子1に直接的或いは間接的に接続される電解質膜電極複合体に伝播され、該弾性波によって電解質膜電極複合体の電極に形成される気孔4が共鳴が生じ、該弾性波のエネルギーが気孔4内の水素や酸素などの気体に集中されることになる。気孔4内に定在波が発生することで、気孔4内の気体温度の上昇と熱膨張によってガスの排出が効率良く行われることになる。この場合の弾性波の振動数は、その気孔サイズや温度にも依存し、一例として15MHzから200MHzの範囲が好ましく、特には50MHz乃至60MHzが好ましい。この点については、検証するための実験を本件発明者らは行っており、この実験の内容については後述する。
【0019】
触媒金属上での反応は、特に水素を燃料とする燃料電池ではプロトン、酸素、電子が会合し水を生成する電極反応が律側となる場合が多い。この電極反応の速度を決定づける要因の一つに電極内への反応ガス拡散速度が挙げられる。一般に水素燃料型燃料電池セルでは、酸素極(空気極)で酸素ガスが、燃料極(水素極)で水素ガスが反応する。電極内の反応は白金等の貴金属の微粒子がカーボン等に担持されている触媒表面上で生じる。この触媒は、約0.1〜10μmの粒子間隙間、すなわち気孔に隣接しており、この気孔を通過して反応ガスは触媒に届く。従来の燃料電池では高電流密度での発電時(=過電圧を上げる場合)に、反応ガスの供給が追いつかず出力低下の原因となる。すなわち反応ガスの供給はその供給パスである気孔が担っており、気孔中のガスを速やかに排出することができれば高出力が実現される。そして、本実施の形態のように弾性波を利用することで、この約0.1〜10μmの平均孔径である電極の気孔内のガスを音波又は気孔共鳴によって強制排気することが実現され、このようなガス交換の促進から発電量を高めることが実現される。
【0020】
更に、このような気孔4内での共鳴現象によるガス交換の促進作用と並行して、弾性波が触媒に作用して当該触媒の界面における反応が活性化する。一般に燃料電池には炭素繊維膜上に白金等の触媒が担持された炭素粒子を設置する所謂触媒電極が用いられる。触媒として機能する金属は、ナトリウムやカリウムのような反応活性の高すぎるものや、金のようにガス吸着が起こりにくいもの等の金属は不向きで、ガス分子をよく吸着するものの自身は安定であるような金属が好都合であるが、特に白金は燃料電池の電極反応において有用な触媒である。触媒に表面弾性波を作用させることで、その反応を制御できることは、例えば、Surface Science 357−358 (1996)769−772にも、表面弾性波によってパラジウム触媒の一酸化炭素等の酸化反応を検証したものが知られており、また、Applied Surface Science 169−170 (2001) 259−263にも表面弾性波の作用によって、エチレンなどの反応に大きな違いが生ずることが示されている。本実施形態においては、触媒は、燃料側電極と電解質膜の間若しくは燃料側電極と一体的に触媒層として設けられ、例えば炭素系材料の多孔質表面に担持されて存在する。この触媒に対して、表面弾性波を発生させる表面弾性波素子から有効に弾性波が伝播するように接続させ、表面弾性波素子に供給される高周波信号を制御させることで、触媒における反応自体を確実に制御できることになる。
【0021】
図2は表面弾性波素子を搭載した燃料電池装置の一例を示す図である。この燃料電池装置は、流体案内溝12aを有した板状のセパレータ12と流体案内溝13aを有した板状のセパレータ13で電解質膜電極複合体(Membrane Electrode Assembly)11を挟持し、さらにセパレータ13の電解質膜電極複合体11が配された面とは逆側の面に表面弾性波素子14を貼り合わせた構造を有する。
【0022】
電解質膜電極複合体11は、プロトン伝導体などの電解質膜11aを燃料側電極11bと空気側電極11cで挟持した構造を有しており、空気側電極11cや燃料側電極11bは、金属板や、多孔質性の金属材料、或いは炭素材料などの導電性材料からなり、これら空気側電極11cや燃料側電極11bには集電体が接続される。集電体は、電極で発生する起電力を取り出すための電極材であり、金属材料や炭素材料、導電性を有する不織布などを用いて構成される。空気側電極11cや燃料側電極11bに炭素系材料が使用される場合では、炭素系材料の多孔質表面に白金などの触媒を担持させるようにしても良く、本実施の形態では、燃料側電極11bと電解質膜11aの間若しくは燃料側電極11bと一体的に触媒が担持され、空気側電極と電解質膜11aの間若しくは空気側電極11cと一体的に触媒が担持される。
【0023】
発電時には、燃料側電極ではセパレータ12から水素ガス(H2)などの燃料気体やメタノールなどの燃料液体が供給される。燃料が水素である場合、水素ガス(H2)が気体流路を通過する間にプロトンを発生させ、解離したプロトン(H+)は燃料側電極11bから空気側電極11cに向かって電解質膜11aの膜中を移動する。この移動したプロトンは、空気側電極11cの触媒付近で酸素(空気)と反応して、これにより所望の起電力が取り出される。
【0024】
このような固体高分子膜を用いた構成の燃料電池では、水素を燃料とする場合、負極である燃料側電極では触媒と高分子電解質の接触界面においてH2→2H++2e−の如き反応が生ずる。酸素を酸化剤とした場合、正極である空気側電極では同様に1/2O2+2H++2e−=H2Oの如き反応が起こり、結果として水が生成される。この構成の燃料電池では、プロトン伝導体膜でプロトンが解離しつつ、燃料側電極から供給されるプロトンが空気側電極に移動するので、プロトンの伝導率が高くなるという特徴がある。また、水を供給する加湿装置などが不要であるので、燃料電池システムの簡略化や軽量化を図ることができる。
【0025】
このような電解質膜電極複合体11は、一対のセパレータ12、13によって挟持されている。セパレータ12、13は例えば合成樹脂やその他の誘電体材料から構成される略板状の部材であり、各セパレータ12、13の電解質膜電極複合体11当接面には流体案内溝12a、13aが形成される。当該燃料電池装置が積層タイプである場合には、セパレータ12,13は空気極と燃料極を接続させる導電体であっても良く、耐腐食性の高い金属や炭素系材料を選んでも良い。流体案内溝12a、13aは複数の互いに平行して延長される溝からなり、その断面は例えば矩形状とされるが、三角形状や半円若しくはアーチ状でも良く、また、溝自体は延長される部分で均一でなくとも良く、例えば流体の入り口側で断面が大きく先細りとなるような形状であっても良い。
【0026】
セパレータ12はその電解質膜電極複合体11当接面に形成された複数の流体案内溝12aによって、燃料流体を電解質膜電極複合体11の燃料側電極11bに案内する。また、セパレータ13はその電解質膜電極複合体11当接面に形成された複数の流体案内溝13aによって、空気を電解質膜電極複合体11の空気側電極11cに案内する。セパレータ12とセパレータ13は同一の構造とすることも可能であるが、異なる構造であっても良く、例えば、溝の位置が対称的とならないものであっても良い。また、溝のピッチやサイズなどがセパレータ12、13の間で異なる構造であっても良い。
【0027】
空気側のセパレータ13の裏面側には、表面弾性波素子14が貼り合わされて接続される。表面弾性波素子14は、圧電体基板14c上に一対の電極14a、14bが形成された構造を有している。一対の電極14a、14bは、ミアンダ状(蛇行状)に延在されるパターンで形成されるが、ミアンダ状は一例であって、他のパターンにすることも可能である。本実施の形態では、表面弾性波素子14の一対の電極14a、14bが形成された面が空気側のセパレータ13の裏面に貼り合わせられるが、セパレータ13の裏面と圧電体基板14cが直接接続するような構造であっても良い。
【0028】
表面弾性波素子14は、表面弾性波(Surface Acoustic Wave)を発生させる素子であり、高周波信号が供給され、圧電体内部を伝播する弾性波動が表面に集中して伝播することを利用した素子である。表面弾性波は圧電体基板14cの表面で主に伝播することになるが、その振動はセパレータ13を介して電解質膜電極複合体11まで伝わることになる。高周波電力によって発生した表面弾性波が電解質膜電極複合体11の電極表面の多孔質界面に伝播され、その電極表面に形成されている気孔内に弾性波のエネルギーに基づき定在波が発生し、気孔内の気体温度の上昇と熱膨張によってガスの排出が効率良く行われることになる。また、この弾性波は電解質膜電極複合体11の電極表面の触媒にも作用し、その触媒界面における反応を制御することができる。
【0029】
本実施の形態においては、貼り合わせられる表面弾性波素子14は1つであるが、複数の表面弾性波素子14を1つのセパレータ13に接続させることもでき、複数の弾性波の干渉作用によって高効率となる周波数や位置を組み合わせることも可能である。また、表面弾性波素子14は空気側電極のセパレータ13に貼り合わせられているが、燃料側電極のセパレータ12に接続される構造であっても良い。
【0030】
図3は表面弾性波素子14上にセパレータ13、電解質膜電極複合体11、及びセパレータ12を積層した構造の燃料電池装置を示す。電解質膜電極複合体11の上面にはセパレータ12に形成された流体案内溝12aから水素やメタノールなどの燃料流体が供給され、セパレータ13に形成された流体案内溝13aから空気が電解質膜電極複合体11の下面に供給されて発電を行う。図3中、矢印は表面弾性波素子14で発生した弾性波がセパレータ13を介して伝播する様子を模式的に示すものであり、外部から高周波信号を供給した時に触媒における反応が活性化され、高周波信号の供給を停止した時に触媒における反応が通常のレベルに戻されることになる。従って、外部からの信号によって発電量を確実に制御することが可能となり、効率の良い発電が実現される。
【0031】
図4は表面弾性波素子の一例の平面図である。圧電体基板14cは、LiNbO3やLiTaO3などの強誘電体材料基板からなり、本実施の形態においては、結晶の切断方向を工夫して圧電体基板14cの主面に垂直な方向での弾性波成分が高くなるように設定することが望ましい。一対の電極14a、14bはトランスデューサとして機能し、指を合わせて組むような櫛形形式でパターニングされている。一対の電極14a、14bは、弾性波を生じさせるような構造であれば、他の構造であっても良く、さらに多くの電極を設けるようにしても良い。例えば、2枚の面状電極を圧電体を挟んで対向させるようにすることも可能である。
【0032】
他の実施の形態の燃料電池装置について、図5、図6を参照しながら説明する。表面弾性波素子と、流路を構成する電極部とが同一圧電体基板上に並べて配置され、表面弾性波素子に信号を与えて弾性波を生じさせ、そのまま空気や燃料の流路として利用される櫛形電極部から電解質膜電極複合体の気孔部に弾性波を作用させて気孔内のガス交換を促進させると共に電解質膜電極複合体の触媒に弾性波を作用させる例である。
【0033】
図5は燃料電池装置の断面図である。圧電体基板21の表面の一部に絶縁体膜25、25に挟まれた櫛形電極部22を設けて表面弾性波素子24を形成し、更に同じ圧電体基板61の表面に櫛形電極部27を形成し、その櫛形電極部27の表面に電解質膜電極複合体を取り付けた構造を有している。
【0034】
電解質膜電極複合体は、具体的には、発電時にプロトンが移動する電解質膜28を空気側電極26と燃料側電極29が挟む構造となっており、空気側電極26の表面には圧電体基板21の表面に形成されている櫛形電極部27が接続する。この電解質膜・電極複合体においては、空気側電極26の表面に櫛形電極部27の間の流路23から空気が供給され、反対側の燃料側電極29には水素などの燃料が供給されて、所要の発電が行われる。発電時には、空気側電極26及び燃料側電極29の触媒界面で反応が生ずるが、その反応は表面弾性波素子24からの音波によって制御される。表面弾性波素子24は、所要の高周波信号を与えることで発振し、その振動が圧電体基板21の表面を伝播して櫛形電極部27に振動が到達する。櫛形電極部27はその電極構造からSAWフィルターとして機能し、櫛形電極部27による周波数の選択性からさらに精密な触媒反応の制御も可能である。
【0035】
図6は表面弾性波素子24の断面図であり、圧電体基板21の表面の一部に絶縁体膜25、25に挟まれた櫛形電極部22が設けられている。表面弾性波素子24は圧電体基板21上で信号入力部として機能することになる。
【0036】
本実施の形態の燃料電池装置は、圧電体基板21上の表面弾性波素子24によって弾性波を発生させることができ、その弾性波によって電解質膜電極複合体の空気側電極26と燃料側電極29に形成された気孔内でのガス交換が促進されることになる。このため表面弾性波素子24に高周波信号を供給することで、電極界面における反応が促進され、発電量を改善することができる。また、表面弾性波素子24から供給される弾性波によって、電解質膜電極複合体の空気側電極26と燃料側電極29に担持されている触媒の反応作用も増大させることができ、その触媒の反応を活性化させることによっても発電量を高めることができる。
【0037】
図7は本件発明者らが行った実験データを示す図である。実験は弾性波発生素子を形成した燃料電池装置を用い、弾性波発生素子を振動させて幾つかの振動数における燃料電池装置の出力を測定したものである。
【0038】
実験に先立ち、形成した燃料電池装置についてその製法から説明すると、先ず、電極として、カーボンブラック(ValKan72XC(商品名))に対し担持量比46%の白金を担持させた触媒をフッ素系固体高分子樹脂に分散させ、充分に攪拌した後、300μmのカーボンシートに塗布した。白金担持密度は1mg/cm2であった。電極は触媒面積7cm2の円形に切り抜き、市販ナフィオン(商品名)膜(ナフィオン112)にホットプレスすることで電解質膜電極複合体(MEA)を構成した。この電解質膜電極複合体をさらに燃料電池用セパレータに挟み、ガス経路に漏れがないことを確認した後、空気極側に乾燥した純酸素を50ml/分、燃料極側に相対湿度50%の水素を50ml/分それぞれ流した。燃料電池装置の燃料電池部分は23℃に設定した。
【0039】
続いて、セパレータに櫛形電極を蒸着したリチウムナイオベート(LiNbO2)基板を貼り付け、弾性波発生素子を形成した。櫛形電極部には金などの金属膜を用い、該櫛形電極からは金リード線を燃料電池装置の外部に引き出し外部交流電源に接続した。
【0040】
以上の如き設定を行った後、燃料電池セルに反応ガスを流しながら、外部交流電源の周波数を変化させて、0MHz(=f1)、5MHz(=f2)、15MHz(=f3)、55MHz(=f4)、150MHz(=f5)、200MHz(=f6)の振動数の弾性波を酸素極及び水素極に伝播させ、その各状態でゼロ電圧時の出力電流をそれぞれ観察した。その結果を図7に示す。図7に示すように、低周波数域(f1、f2)と高周波数域(f6)では、十分な出力が得られないことが示されているが、中間の周波数域(f3〜f5)では概ね1000mA/cm2以上の出力が得られており、例えば弾性波発生素子の振動周波数をfとすると、15MHz≦f≦190MHzの範囲では有効な出力が得られていることが分かる。
【0041】
ここで、弾性波などの振動現象によって燃料電池の出力が向上することについては、次のように説明される。電極内には実測(ポロシメーター)から0.1μm〜10μmの気孔が分布する。仮に分布径平均を1μm、気孔の形状を2連続筒型と仮定すると、その共鳴振動数νはν=(v/2π)√(A/V)で表せる。ここでAは筒の長さの半分(単位m)、Vは筒の円形部の面積を筒の長さ半分で割った値である。vは音速(m/s)である。温度がT(℃)の時、v=331.5+0.61T(m/s)と示されるので燃料電池の作動環境温度と考えられる‐20℃≦T≦80℃では50MHz≦f≦60MHzが共鳴振動数となる。一方、0.1μmの気孔には同温度範囲で15.8MHz≦f0.1≦18.9MHz、10μmの気孔には158MHz≦f10≦189MHzが共鳴振動数となる。共鳴振動数と温度の関係をまとめたものが次の表1である。
【0042】
【表1】
【0043】
従って、振動周波数fが約15MHz≦f≦190MHzの範囲では、電極界面の気孔部分に共鳴現象は発生し、この共鳴現象によって、その電極表面に形成されている気孔内の気体温度の上昇と熱膨張によってガスの排出が効率良く行われることになる。更に、この弾性波は電解質膜電極複合体11の電極表面の触媒にも作用し、その触媒界面における反応を制御することができる。
【0044】
次に、他の実施形態の燃料電池装置について説明する。図8は音源を利用した燃料電池装置の部分的な模式図である。音源31は、所要の音波を発生できる装置であれば、種々の装置を設けることが可能であり、具体的には平面スピーカーなどの各種スピーカーやマイクロホンを用いることが可能であって、さらにはリチウムナイオベート、水晶、チタン酸鉛等の基板に金属電極を形成したセパレータを用いても良い。また、プロトン伝導体(電解質膜)の両面に触媒を備えた電解質膜電極複合体(Membrane Electrode Assembly)において、プロトン伝導体の両電極に金属電極を形成し、両電極に交流電圧を印加することでプロトン伝導膜はその振動現象をおこす。これを音源として用い、該音源から電極内に音波を導入することも可能である。
【0045】
音源31から出力された音波は、電解質膜電極複合体の電極界面を構成する炭素粒子32に囲まれた0.1μmから10μm程度の平均孔径を有する気孔33に到達する。気孔33は炭素粒子32の間の隙間を模式的に示しており、気孔33には触媒も臨む。このような燃料電池装置においては、比較的に周波数の低い音波などの振動が電解質膜電極複合体の電極界面の気孔33内に到達する。音波は空気などの媒介気体若しくは媒介液体の波動現象であることから、気孔33内部に到達した場合では、その気孔33内部に存在する気体を波動現象に従って移動させ、ガスの置換を促進させることが可能となる。このため気孔33内部では、ミクロンオーダーの比較的に狭い気孔内であっても必要なガスが触媒まで効率良く供給され触媒界面における反応が促進される。なお、音源からの音波の振動数は30000Hz以下であればかまわないが、好ましくは10Hz≦f≦20000Hzがよい。このような振動数領域ならば市販の音源(スピーカー等)が使用可能である。
【0046】
図9は他の実施形態にかかる燃料電池装置の模式図である。この燃料電池装置は、流体案内溝45を有した板状のセパレータ44が電解質膜電極複合体(Membrane Electrode Assembly)に取り付けられており、この電解質膜電極複合体の出力にはモニター48が接続し、該モニター48には制御回路47が接続する。制御回路47はスピーカーなどの音源46にも接続され、音源46の駆動は制御回路47からの信号によって制御される。
【0047】
電解質膜電極複合体は、プロトン伝導体などの電解質膜41を燃料側電極43と空気側電極42で挟持した構造を有しており、空気側電極42や燃料側電極43は、金属板や、多孔質性の金属材料、或いは炭素材料などの導電性材料からなり、これら空気側電極42や燃料側電極43には集電体が接続される。集電体は、電極で発生する起電力を取り出すための電極材であり、金属材料や炭素材料、導電性を有する不織布などを用いて構成される。集電体は空気側電極42や燃料側電極43と一体化する構造であっても良い。空気側電極42や燃料側電極43に炭素系材料が使用される場合では、炭素系材料の多孔質表面に白金などの触媒を担持させるようにしても良く、例えば、燃料側電極43と電解質膜41の間若しくは燃料側電極43と一体的に触媒が担持され、空気側電極42と電解質膜41の間若しくは空気側電極42と一体的に触媒が担持される。
【0048】
発電時には、燃料側電極ではセパレータ44から水素ガス(H2)などの燃料気体やメタノールなどの燃料液体が供給される。燃料が水素である場合、水素ガス(H2)が気体流路を通過する間にプロトンを発生させ、解離したプロトン(H+)は燃料側電極43から空気側電極42に向かって電解質膜41の膜中を移動する。この移動したプロトンは、空気側電極42の触媒付近で酸素(空気)と反応して、これにより所望の起電力が取り出される。
【0049】
このような固体高分子膜を用いた構成の燃料電池では、水素を燃料とする場合、負極である燃料側電極では触媒と高分子電解質の接触界面においてH2→2H++2e−の如き反応が生ずる。酸素を酸化剤とした場合、正極である空気側電極では同様に1/2O2+2H++2e−=H2Oの如き反応が起こり、結果として水が生成される。この構成の燃料電池では、プロトン伝導体膜でプロトンが解離しつつ、燃料側電極から供給されるプロトンが空気側電極に移動するので、プロトンの伝導率が高くなるという特徴がある。また、水を供給する加湿装置などが不要であるので、燃料電池システムの簡略化や軽量化を図ることができる。
【0050】
セパレータ44は例えば合成樹脂やその他の誘電体材料から構成される略板状の部材であり、燃料流体を電解質膜電極複合体の燃料側電極43に案内する。各セパレータ44の電解質膜電極複合体の当接面には流体案内溝45が形成される。当該燃料電池装置が積層タイプである場合には、セパレータは空気極と燃料極を接続させる導電体であっても良く、耐腐食性の高い金属や炭素系材料を選んでも良い。流体案内溝45は複数の互いに平行して延長される溝からなり、その断面は例えば矩形状とされるが、三角形状や半円若しくはアーチ状でも良く、また、溝自体は延長される部分で均一でなくとも良く、例えば流体の入り口側で断面が大きく先細りとなるような形状であっても良い。
【0051】
モニター48は、電解質膜41を燃料側電極43と空気側電極42で挟持した電解質膜電極複合体からの出力を監視する回路であり、その電解質膜電極複合体からの出力は発電電力として負荷の駆動に使用される。モニター48は例えば電解質膜電極複合体からの出力が低下した際に、その旨の信号を制御回路47に送る。制御回路47は、種々の制御を行うことが可能であるが、本例では特に当該燃料電池装置の出力を一定に保持するように作動する。すなわち、モニター48は電解質膜電極複合体からの出力が低下した際にその旨の信号を制御回路47に送ることから、制御回路47では常に電解質膜電極複合体の発電状態を把握することができ、出力低下時にはスピーカーなどの音源46を駆動する。この音源46の駆動によって、気相中を音源46からの音波が伝播し、その音波が電解質膜電極複合体の電極界面における気孔内部に到達した場合では、その気孔内部に存在する気体を波動現象に従って移動させる。この波動現象に伴うガスの置換から、電解質膜電極複合体の触媒界面における反応が促進され、発電出力の低下が防止され、或いは発電出力の回復が図れることになる。
【0052】
このような音波に基づく発電量の向上については、前述の図7に示した実験と同様の実験を行っている。これについて図10を参照しながら説明すると、実験は音源から音波を出力し、幾つかの音声周波数における燃料電池装置の出力を測定したものである。
【0053】
実験に用いた燃料電池装置の製法については、前述の実験のものと同様であって、先ず、電極として、カーボンブラック(ValKan72XC(商品名))に対し担持量比46%の白金を担持させた触媒をフッ素系固体高分子樹脂に分散させ、充分に攪拌した後、300μmのカーボンシートに塗布した。白金担持密度は1mg/cm2であった。電極は触媒面積7cm2の円形に切り抜き、市販ナフィオン(商品名)膜(ナフィオン112)にホットプレスすることで電解質膜電極複合体(MEA)を構成した。この電解質膜電極複合体をさらに燃料電池用セパレータに挟み、ガス経路に漏れがないことを確認した後、空気極側に乾燥した純酸素を50ml/分、燃料極側に相対湿度50%の水素を50ml/分それぞれ流した。燃料電池装置の燃料電池部分は23℃に設定した。
【0054】
続いて、マイクロホンを電極上方に接着し、音声信号として正弦波の信号、1Hz(=f11)、10Hz(=f12)、100Hz(=f13)、1kHz(=f14)、10kHz(=f15)、20kHz(=f16)、30kHz(=f17)のそれぞれを音源としてのマイクロホンに与えた。この間、マイクロホンに印加する正弦波の振幅は0.2Vに設定した。このようなマイクロホンに各周波数の信号を与えた結果、その各状態でゼロ電圧時の出力電流をそれぞれ観察したところ、図10に示す実験結果が得られた。図10に示すように、極低周波数域(f11)と高周波数域(f16、f17)では、十分な出力が得られないことが示されているが、中間の周波数域(f12〜f15)では概ね950mA/cm2以上の出力が得られており、例えば音源に供給される印加周波数(音波振動数)をfとすると、10Hz≦f≦20000Hzの範囲では有効な出力が得られていることが分かる。
【0055】
このように音源を利用した燃料電池装置においては、比較的に周波数の低い音波などの振動が電解質膜電極複合体の電極界面の気孔内に到達することで、気孔内部に存在する気体を波動現象に従って移動させ、ガスの置換を促進させることが可能となる。このため音源を駆動することで、比較的に狭い気孔内であっても必要なガスが触媒まで効率良く供給され触媒界面における反応が促進される。また、音源を用いて出力制御も可能であり、出力低下時に音波振動を発生させ、その音波振動を燃料電池に与えることで、発電の出力低下を抑制したり、発電の出力回復を図ることができる。
【0056】
なお、本発明においては、燃料電池装置を搭載する機器としては、如何なるものでも可能であり、パーソナルコンピュータ、携帯電話機やPDA(Personal Digital Assistant)などの電子機器の他、本発明は、プリンターやファクシミリ、パソコン用周辺機器、電話機、テレビジョン受像機、画像表示装置、通信機器、カメラ、オーディオビデオ機器、扇風機、冷蔵庫、ヘアドライヤー、アイロン、ポット、掃除機、炊飯器、電磁調理器、照明器具、ゲーム機やラジコンカーなどの玩具、電動工具、医療機器、測定機器、車両搭載用機器、事務機器、健康美容器具、電子制御型ロボット、衣類型電子機器、各種電動機器、車両、船舶、航空機などの輸送用機械、家庭用若しくは事業用発電装置、その他の用途に使用できるものである。
【0057】
また、本発明では、燃料として主に水素ガスを使用する例について説明したが、いわゆるダイレクトメタノール方式に対応してメタノール(液体)等のアルコールを燃料とする構成としても良い。
【0058】
【発明の効果】
本発明の燃料電池装置によれば、弾性波発生素子や音源などの加振手段からの振動によって、燃料電池の発電部の電極界面における気孔部分でのガス交換を効率良くすすめることができ、この作用によって触媒反応を活性化して発電量を向上させることができる。また、このような弾性波発生素子や音源などの加振手段からの振動は、燃料電池装置本体の外部から与えられる信号によって制御できるものであり、従って、信号を制御することで発電量の制御も実現されることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態にかかる燃料電池装置の模式図である。
【図2】本発明の実施形態にかかる燃料電池装置の分解斜視図である。
【図3】図2に示した実施形態にかかる燃料電池装置の側断面図である。
【図4】図2に示した本発明の実施形態にかかる燃料電池装置の表面弾性波素子の部分の平面図である。
【図5】本発明の他の実施形態にかかる燃料電池装置の側断面図である。
【図6】図5に示した実施形態にかかる燃料電池装置の表面弾性波素子の部分の側断面図である。
【図7】本発明のかかる燃料電池装置の出力と印加振動数の関係を示す実験データである。
【図8】本発明のさらに他の実施形態にかかる燃料電池装置の模式図である。
【図9】本発明のまた他の実施形態にかかる燃料電池装置のブロック図である。
【図10】本発明のかかる燃料電池装置の出力と印加振動数の関係を示す実験データである。
【符号の説明】
1 表面弾性波素子
2 櫛形電極
3 炭素粒子
4 気孔
5 圧電性基板
11 電解質膜・電極複合体
11a 電解質膜
11b 燃料側電極
11c 空気側電極
12、13 セパレータ
14 表面弾性波素子
14a、14b 電極
14c 圧電体基板
21 圧電体基板
24 表面弾性波素子
26 空気側電極
28 電解質膜
29 燃料側電極
31 音源
32 炭素粒子
33 気孔
41 電解質膜
42 空気側電極
43 燃料側電極
44 セパレータ
46 音源
47 制御回路
48 モニター
Claims (16)
- 電解質膜と、前記電解質膜の一方の面に配設されて燃料流体が供給される燃料側電極と、
前記電解質膜の他方の面に配設されて空気が供給される空気側電極と、
前記燃料側電極及び前記空気側電極の少なくとも一方の電極界面を加振する加振手段を有することを特徴とする燃料電池装置。 - 前記加振手段は所要の音源であり、該音源から発生する音波が電極界面におけるガス反応を促進させることを特徴とする請求項1記載の燃料電池装置。
- 前記音波は前記燃料側電極若しくは前記空気側電極と前記音源間の気相を介して伝播することを特徴とする請求項2記載の燃料電池装置。
- 前記音波はその音波振動数fが10Hz≦f≦20000Hzであることを特徴とする請求項2記載の燃料電池装置。
- 前記電極界面には複数の気孔が形成されてなることを特徴とする請求項1記載の燃料電池装置。
- 前記燃料側電極及び前記空気側電極には触媒が担持されることを特徴とする請求項1記載の燃料電池装置。
- 前記電解質膜がフッ素系高分子固体電解質膜であることを特徴とする請求項1記載の燃料電池装置。
- 電解質膜と、
前記電解質膜の一方の面に配設されて燃料流体が供給される燃料側電極と、
前記電解質膜の他方の面に配設されて空気が供給される空気側電極と、
前記燃料側電極及び前記空気側電極の少なくとも一方に接続され該電極に表面弾性波を伝播させる表面弾性波素子を有することを特徴とする燃料電池装置。 - 前記表面弾性波素子はその弾性波振動数fが15MHz≦f≦190MHzであることを特徴とする請求項8記載の燃料電池装置。
- 前記電極には複数の気孔が形成されてなることを特徴とする請求項8記載の燃料電池装置。
- 前記燃料側電極及び前記空気側電極には触媒が担持されることを特徴とする請求項8記載の燃料電池装置。
- 前記電解質膜がフッ素系高分子固体電解質膜であることを特徴とする請求項8記載の燃料電池装置。
- 電解質膜を挟持する燃料側電極と空気側電極を有する電解質膜電極複合体を形成する工程と、
前記電解質膜電極複合体に音波を伝播できるように音源を配設する工程と、
前記電解質膜電極複合体に燃料流体及び空気を送ると共に前記音源を駆動して前記電極における反応を制御しながら発電を行う工程とを有することを特徴とする燃料電池装置の制御方法。 - 前記燃料電池装置に接続される負荷の負荷抵抗を監視する監視手段を設け、該監視手段からの帰還信号から前記負荷に対して所定の出力を保つように前記音源を駆動することを特徴とする請求項13記載の燃料電池装置の制御方法。
- 電解質膜を挟持する燃料側電極と空気側電極を有する電解質膜電極複合体を形成する工程と、
前記電解質膜電極複合体の各電極にある気孔に対して表面弾性波を伝播させる表面弾性波素子を配設する工程と、
前記電解質膜電極複合体に燃料流体及び空気を送ると共に前記表面弾性波素子を駆動して前記電解質膜電極複合体の前記電極における反応を制御しながら発電を行う工程とを有することを特徴とする燃料電池装置の制御方法。 - 前記燃料電池装置に接続される負荷の負荷抵抗を監視する監視手段を設け、該監視手段からの帰還信号から前記負荷に対して所定の出力を保つように前記表面弾性波素子を駆動することを特徴とする請求項15記載の燃料電池装置の制御方法。
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-
2002
- 2002-06-04 JP JP2002163392A patent/JP2004014192A/ja active Pending
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