JP2007207472A - 燃料電池装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池の発電に伴う電力消費を低減するとともに、燃料電池を使用した機器の負荷変動の影響を受けることなく、高負荷時にも安定した電力を供給できる燃料電池装置を提供する。
【解決手段】アノード電極、カソード電極及び該アノード電極と該カソード電極との間に挟持された電解質膜を有する膜電極接合体と、前記アノード電極に接する液体燃料吸収保持体と、燃料タンクと連結し、前記液体燃料吸収保持体に燃料を供給する燃料ポンプと、を備え、外部電子機器の負荷の要求電力に応じて前記燃料ポンプの動作を制御する制御手段を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池装置に関する。
携帯電話、携帯型情報端末、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯型オーディオ、携帯型ビジュアル機器など携帯用電子機器の普及が進んでいる。従来、このような携帯用電子機器は、一次電池又は二次電池によって駆動されている。特に、二次電池としては、ニッカド電池又はリチウムイオン電池が用いられ、小型で高エネルギー密度を持つ電池が開発されている。しかし、二次電池は一定量の電力使用後に充電機器を用いて一定時間の充電をおこなう必要があるため、短い充電時間で長時間連続駆動が可能な電池が要望されている。
この要望に応えるため、充電を必要としない燃料電池が提案されている。燃料電池は、燃料の持つ化学エネルギーを電気化学的にエネルギーに変換する発電機である。このような燃料電池の例としては、パーフルオロカーボンスルフォン酸系の電解質を用いてアノード極で水素ガスを還元し、カソード極で酸素を還元して発電を行うという固体高分子型燃料電池(Polymer Electrolyte Fuel Cell:以下、PEFCと称する。)が知られている。このようなPEFCは、出力密度が高い電池であるという特徴を有しており、その開発が進められている。
ここで、PEFCで行われている反応式を以下に示す。
アノード:H2 → 2H++2e-
カソード:2H++2e-+(1/2)O2 → H2
このようなPEFCに燃料として用いられる水素ガスは容積エネルギー密度が低く、燃料タンクの体積を大きくする必要があることや、燃料ガス、酸化ガス(空気など)を燃料電池本体(発電部)に供給する装置、電池性能を安定にするため加湿する装置などの補機が必要であり、燃料電池システムが大型になるため、携帯電子機器用の電源としては適さない。
一方、燃料となるメタノールから直接プロトンを取り出すことにより発電を行う直接型メタノール燃料電池(Direct Methanol Fuel Cell;以下、DMFCと称する。)は、上記のPEFCと比較してその出力が小さくなるという欠点があるものの、燃料の体積エネルギー密度を上げることができ、燃料電池本体の構成が簡単になるので小型化が可能となる。このため、携帯機器用電源として注目されており、幾つかの提案がなされている。
ここで、DMFCで行われている反応式を以下に示す。
アノード:CH3OH+H2O → CO2+6e-+6H+
カソード:(3/2)O2+6H++6e- → 3H2
上記のPEFC及びDMFCの何れの反応式が示すように、燃料電池を用いて発電することにより、カソード側では水が生成される。
上記の式ではメタノールと水は等モルで反応するが、実際に燃料極に供給されるメタノール濃度は等モルではなく、通常3〜5質量%の低濃度のものが供給される。これはメタノールの濃度が高いとメタノールが電解質膜を通過するクロスオーバーという現象が起こり、本来DMFCの2つの電極−アノード、カソード−のうちアノードで起こるべきメタノールの反応がカソードでも起こり燃料の無駄とカソード側の電位上昇による電池効率の著しい低下となるためである。このため、メタノール濃度は上記のような低濃度でアノードに供給され、電池の運転が行なわれる。
このような燃料をDMFCに供給する方法には、アクティブ型と呼ばれる電池への燃料供給をポンプにより行なうタイプとパッシブ型と呼ばれるポンプを用いずに毛細管力により燃料を供給するタイプがある。
アクティブ型はポンプを用いているのでカソードで生成した水を回収し、高濃度の燃料をこの生成水で希釈しながら電池に供給する希釈循環型のシステムを構築することができる。これにより燃料タンク中のメタノール濃度を上げることが可能になり、60質量%のメタノール水を用いれば3〜5質量%に比べて1/20〜1/12に燃料タンクを小さくできる。しかし、電池本体以外に燃料供給、水供給、水回収用の3つのポンプが必要となることや生成水とメタノールを混合するためのミキシング機構やそれらを駆動するための駆動回路、電力などが必要となる。このため燃料タンクは小さくなるが、その他の部品のしめる体積が大きくなり、また必要な電力も多くなるという問題がある。
パッシブ型はポンプを用いずに毛管力で燃料供給するため、上記のミキシング機構が不要で電力も少なくて済む。しかし、燃料タンクが大きくなることや電池の負荷に対する追従性−すなわち負荷が大きくなるときに大きな電力を発生できない−等の点で問題がある。
パッシブ型における負荷に対する燃料の追随性を改良する方法として、手動により燃料を供給する構成とした燃料電池が提案されている(特許文献1参照)。この方法は、液体燃料を燃料タンクから毛管力により単位セルに燃料供給するパッシブ型燃料電池で、燃料貯蔵槽を手動押圧することで一定量の燃料を燃料供給体に補給するものである。
特開2005−216821号公報
しかし、上記特許文献1に記載の従来技術においては使用者がノック操作を行うことにより手動で燃料を供給するように構成されているので、電池の負荷が大きくなり、高電力が必要になった場合に、使用者が燃料供給の不足を感知してから手動操作で供給を行うことになる。パッシブ型の燃料電池装置はその構成上、一旦燃料供給不足が生じると直ちに燃料を供給したとしてもすぐに定常状態に復帰できないという問題がある。このように上記特許文献に記載の従来技術では、電池の負荷が大きくなり、高出力が必要になったときにタイミング良く供給することは難しく、安定した機器の動作を得られないと言う問題がある。
本発明は、これらの問題を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、燃料電池の発電に伴う電力消費を低減するとともに、燃料電池を使用した機器の負荷変動の影響を受けることなく、高負荷時にも安定した電力を供給できる燃料電池装置を提供することである。
上記の課題は、以下の構成により解決される。
1. アノード電極、カソード電極及び該アノード電極と該カソード電極との間に挟持された電解質膜を有する膜電極接合体と、
前記アノード電極に接する液体燃料吸収保持体と、
燃料タンクと連結し、前記液体燃料吸収保持体に燃料を供給する燃料ポンプと、
を備え、外部電子機器の負荷の要求電力に応じて前記燃料ポンプの動作を制御する制御手段を有することを特徴とする燃料電池装置。
2. 前記燃料ポンプは圧電素子のアクチュエータを用いることを特徴とする1に記載の燃料電池装置。
3. 前記燃料吸収保持体は毛管力により液体燃料をアノード電極に供給することを特徴とする1又は2に記載の燃料電池装置。
本発明によれば、外部電子機器の負荷が小さく低消費電力の場合は、液体燃料吸収保持体による毛管力により、燃料供給することで燃料電池の消費電力を少なくすることができ、また、負荷が大きく高消費電力の場合には、燃料ポンプを作動させることで安定した電力供給を行える。よって、燃料電池の発電に伴う電力消費を低減するとともに、燃料電池を使用した機器の負荷変動の影響を受けることなく、高負荷時にも安定した電力を供給できる燃料電池装置を提供することができる。
本発明に係わる第1の実施形態の燃料電池装置の構成を図1に示す。図1(A)に燃料電池装置Aと電子機器18及び燃料電池装置Aの駆動制御部19を示す。燃料電池装置Aは、燃料電池として直接型メタノール(DMFC)燃料電池を採用している。図1(B)は、燃料電池装置Aの内部構造の一部を拡大して模式的に示す図である。
燃料電池1は、電解質膜11の両面にアノード電極(以下、アノードと称する。)12とカソード電極(以下、カソードと称する。)13を接合したMEA(Membrane Electrode Assembly)構造を取り、アノード12には燃料吸収保持体14を貼り合わせ、カソード13にはセパレータ15を貼り合わせてガス流路である空気流路150が形成されている。燃料吸収保持体14は液体燃料を毛管力で浸透しうるものであれば特に限定されるものではなく、粒子やフィラーからなる多孔質体や、抄紙法等で製造した不織布、繊維を織った織布等を用いることができる。
燃料吸収保持体14の上には燃料ポンプであるマイクロポンプ16を取り付け、さらにその上に燃料タンク17を配置している。
図1(B)にマイクロポンプ16と燃料タンク17の拡大図を示す。マイクロポンプ16は燃料タンク17の燃料を流入口163から取り入れ、流出口164から燃料吸収保持体14に流出している。この燃料吸収保持体14はマイクロポンプ16からの燃料をアノードに供給している。
外部の電子機器18の負荷の大きさに応じて、駆動制御部19が燃料電池装置Aの燃料ポンプであるマイクロポンプ16に駆動信号を送るようにしている。負荷が小さいときは、駆動制御部19は、マイクロポンプ16に駆動信号を送らずに停止状態を維持し、燃料吸収保持体14の毛管力によりアノードに燃料供給する。この時、駆動電圧が不要であり燃料供給に伴う電力消費はない。
外部の電子機器18の負荷が大きいときは毛管力だけでは燃料供給が不足するため駆動制御部19からマイクロポンプ16の駆動信号を送り、マイクロポンプ16の内部にある圧電素子161を振動させ、その圧電素子161の振動により、振動板162が振動し、この振動により振動板162に対向する燃料流路の体積が変化することで燃料タンク17の燃料を強制的に燃料保持吸収体14に供給する。この時の駆動方法は、負荷の大きさに応じて、駆動電圧や、駆動周波数を変えることが好ましい。
このように燃料吸収保持体14とマイクロポンプ16を用いることにより、電力消費が少なく且つ外部電子機器の負荷に応じた燃料供給を行い、安定した電力供給ができる燃料電池装置を提供することができる。
また、マイクロポンプ16、燃料吸収保持体14、アノード12の毛管力は、マイクロポンプ16<燃料吸収保持体14<アノード12と設定することにより、燃料タンクからの液体燃料を途中で途絶させることなくアノード12に毛管力で供給することができる。
それぞれの構成部分について、さらに詳しく説明する。
ここでは、アノード12は電解質膜11に接する触媒層とこれに積層されたカーボンペーパ等の拡散電極からなり、カソード13も電解質膜11に接する触媒層とこれに積層された同様の拡散電極からなっている。
(電解質膜)
本発明の電解質膜11は、有機または無機材料からなる多孔質基体にプロトン伝導性有機物質を含む複合膜である。
プロトン伝導性有機物質としては、プロトン伝導性を有するモノマーやポリマーが用いられる。プロトン伝導性モノマーとしては、例えばトリフルオロメタンスルホン酸、テトラフルオロエタンジスルホン酸等のフッ素化スルホン酸の誘導体、(HO)2OP(CF2)PO(OH)2、(HO)2OP(CF22PO(OH)2等のフッ素化二リン酸の誘導体、(CF3SO2CH2SO2CF2CF22、CF3SO2NHSO249等のフッ素化スルホニル酸の誘導体が挙げられる。また、同様な性質を有するプロトン伝導性ポリマーとしては、有機系の含フッ素高分子を骨格とするイオン交換樹脂、例えばパーフルオロカーボンスルフォン酸樹脂等が挙げられる。ナフィオン112(商品名、デュポン社製)、ナフィオン117(商品名、デュポン社製)やDOW膜(商品名、ダウ・ケミカル社製)等として入手できる。
その他にスルホン化ポリエーテルケトン、スルホン化ポリエーテルスルホン、スルホン化ポリエーテルエーテルスルホン、スルホン化ポリスルホン、スルホン化ポリスルフィド、スルホン化ポリフェニレン等のスルホン化プラスチック系電解質、スルホアルキル化ポリエーテルエーテルケトン、スルホアルキル化ポリエーテルスルホン、スルホアルキル化ポリエーテルエーテルスルホン、スルホアルキル化ポリスルホン、スルホアルキル化ポリスルフィド、スルホアルキル化ポリフェニレン等のスルホアルキル化プラスチック系電解質等が有る。なお、これらの電解質材料のスルホン酸当量としては0.5〜2.0ミリ当量/g乾燥樹脂程度、好ましくは0.7〜1.6ミリ当量/g乾燥樹脂である。スルホン酸当量が0.5ミリ当量/g乾燥樹脂より小さい場合はイオン伝導抵抗が大きくなり、2.0ミリ当量/g乾燥樹脂より大きい場合には水に溶解しやすくなる。
また、フッ素系電解質材料として、例えば、
一般式 CF2=CF−(OCF2CFX)m−Oq−(CF2)n−A
(式中、m=0〜3、n=0〜12、q=0または1、X=FまたはCF3、A=スルホン酸型官能基)で表されるフロロビニル化合物とテトラフロロエチレン、ヘキサフロロプロピレン、クロロトリフロロエチレンまたはパーフロロアルキルビニルエーテルの如きパーフロロオレフィンとの共重合体が挙げられる。フロロビニル化合物の好ましい例としては、例えば、CF2=CFO(CF2)aSO2F、CF2=CFOCF2CF(CF3)O(CF2)aSO2F、CF2=CF(CF2)bSO2F、CF2=CF(OCF2CF(CF3))cO(CF22SO2F(ここに、a=1〜8、b=0〜8、c=1〜5の整数)を用いることもできる。
多孔質基体としては、有機多孔質基体と無機多孔質基体がある。
有機多孔質基体としての有機材料としては、ポリフロロカーボン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリ脂環式オレフィン、ポリオキシメチレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリパラフェニレンベンズビスチアゾール、ポリパラフェニレンベンズビスオキサゾール、ポリベンズイミダゾール、ポリパラアミド、ポリメタアミド、フェノール樹脂等の高分子にイオン導電性を付与した材料が挙げられる。
ポリフロロカーボンにイオン導電性を付与した高分子としては、テトラフロロエチレン、ヘキサフロロプロピレン、クロロトリフロロエチレン、パーフロロアルコキシビニルエーテルの如きパーフロロオレフィンの単独または共重合体のスルホン化物等が挙げられる。例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン(FEP)、ポリテトラフルオロエチレン−パーフルオロプロピルビニルエーテル(PFA)、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン−パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール、ポリパーフルオロブテニルビニルエーテル等のスルホン化物等が挙げられる。
また、充填するプロトン伝導性有機物質と有機多孔質基体としての有機材料は同系統の材料であることが、両者の接着性等の相性や寿命の観点から好ましい。例えば、ポリパーフルオロカーボンスルホン酸系プロトン伝導性有機物質に対してはPTFE、FEPまたはPFAなどのパーフルオロカーボン重合体のスルホン化物等が特性上好ましい。芳香族炭化水素系プロトン伝導性有機物質に対してはポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィッド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリパラフェニレンベンズビスチアゾール、ポリパラフェニレンベンズビスオキサゾール、ポリベンズイミダゾールのスルホン化物等が特性上好ましい。
無機多孔質基体としての無機材料としては、シリカ(SiO2)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化ホウ素(B23)、チタニア(TiO2)、アルミナ(Al23)等や、Ti、Al、BおよびZrの水酸化物、そしてそれらの任意組み合わせが挙げられる。本発明においては、シリカ(SiO2)が好ましい。また、シリカ(SiO2)の中でも非晶質シリカが好ましく、乾式法、湿式法、エアロゲル法いずれの製法によるものでも良いが、取扱いのしやすさより湿式法のコロイダルシリカが好ましい。
無機材料の平均粒子径は30nm以上2μm未満が好ましく、より好ましくは40nm以上1μm未満である。
無機多孔質基体は、可燃性支持体上に無機微粒子および可燃性有機微粒子を含む分散液を積層し、次いで分散液を積層した可燃性支持体を焼成することにより得られる。
可燃性支持体としては、濾紙などの紙、不織布などの布、ポリエチレンテレフタレートなどの高分子フィルム等、可燃性であれば任意の素材で形成した支持体を用いることができる。支持体の表面は平滑であることが好ましい。平滑であれば、得られるプロトン伝導性膜の面も平滑となり、固体高分子形燃料電池の電解質とした場合に、電極とプロトン伝導性膜との界面での接触が密となる。支持体の表面粗さは特に制限はないが、無機微粒子および可燃性有機微粒子を含む分散液を積層する面の表面粗さRzが3μm以下であることが好ましい。表面粗さRzは、JISのRz(最大高さ)に相当する十点平均面粗さのことをいい、粗さの曲面から基準面積分だけ抜き取った部分の平均面を基準面として、最高から5番目までの山の標高の平均値と最深から5番目までの谷底の深さの平均値との距離を入力換算したものである。測定には、例えば、東京精密(株)製の触針式の3次元粗さ計(サーフコム570A−3DF)を用いることができる。また、無機微粒子および可燃性有機微粒子を含む分散液を積層することによる支持体の反り(カール)、たわみなどを防ぐために、分散液を積層する面とは反対側の面に、バッキング層を設けることが好ましい場合もある。
可燃性有機微粒子としては、最終的には燃えて無くなるものであれば任意の素材の有機微粒子を用いることができるが、分散液に用いる分散媒としての溶媒に膨潤しないものが好ましい。本発明においては、分散媒としては安全面の観点から水が好ましいので、可燃性有機微粒子としては、水に溶解ないしは膨潤しない、アクリル樹脂、スチレン樹脂、スチレン/アクリル系樹脂、スチレン/ジビニルベンゼン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、等のポリマービーズを用いることができる。好ましくは、スチレン樹脂、スチレン/ジビニルベンゼン系樹脂である。ポリマービーズの粒径は20nm以上2μm未満が好ましく、さらに好ましくは100nm以上1.5μm未満である。
以下に、無機微粒子および可燃性有機微粒子を含む分散液の調製方法について説明する。
無機微粒子と可燃性有機微粒子の使用割合は無機多孔質基体の空隙率をどのくらいにしたいかによっても異なるが、概ね、無機微粒子を35〜95体積%、可燃性有機微粒子を5〜65体積%の割合で用いる(無機微粒子と可燃性有機微粒子の体積の総和を1とする)。また、分散液の濃度としては、固形分濃度として5〜80質量%、好ましくは10〜40質量%となるように調製する。
分散媒としては水系溶媒が好ましい。水系溶媒としては、水およびアルコール類など各種既知のものが使用できるが、水または水を主成分とする混合溶媒が好ましく使用される。
無機微粒子と可燃性有機微粒子を分散する分散助剤としては、例えば、高級脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルエステル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、スルホコハク酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、グリセリンエステル、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アミンオキシド等の各種の界面活性剤を用いることができる。
分散する分散方法としては、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等が挙げられ、これらは単独であるいは適宜組み合わせて用いることができる。
本発明においては、多孔質基体の空隙率は、特に制限はないが、概ね10〜70%であることが好ましく、より好ましくは20〜40%である。多孔質基体の空隙率をこの範囲内に調整することにより、高いプロトン伝導性、低いメタノール透過性、十分な薄膜化に耐えられるだけの物理的強度が更に良くなる。
空隙率は、単位面積当S(cm2)あたりの質量W(g)、平均厚みt(μm)および密度d(g/cm3)から次式により算出することができる。
空隙率(%)=(1−(104・W/(S・t・d)))×100
多孔質基体の平均膜厚は、特に制限はないが、通常は500μm以下であり、好ましくは300μm以下、より好ましくは50〜200μmである。膜厚は1/10000シックネスゲージで測定できる。平均膜厚は任意の箇所を5点を測定し、その平均を算出することにより求めることができる。
可燃性支持体上に無機微粒子および可燃性有機微粒子を含む分散液を積層する工程としては、分散液を減圧吸引濾過器を用いてメンブレンフィルタでろ過を行い、ろ紙上に無機微粒子および可燃性有機微粒子を含む層を堆積させ乾燥する方法、あるいは、分散液を可燃性支持体に塗布して乾燥する方法などがある。本発明においては、分散液を可燃性支持体に塗布する方式が好ましい。塗布方式としては、例えば、ロールコーティング法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコーティング法、スプレーコーティング法、カーテン塗布方法、エクストルージョン法等よく知られた塗布方式を採用することができる。
無機微粒子から形成された無機多孔質膜を形成するには、無機微粒子および可燃性有機微粒子を含む分散液を積層した可燃性支持体を、窒素雰囲気中で電気炉で加熱処理して焼成すればよい。加熱処理は、例えばケイ化モリブデンといった発熱体を備えた電気炉を用いて行うことができ、1000℃以下、より好ましくは400〜950℃で行われる。加熱のための時間は、目的とする無機多孔質膜の大きさにより適宜設定することが可能であり、具体的には例えば2時間程度の加熱時間とすることができる。加熱時間が長すぎると焼結が進行しすぎて、平均細孔径が小さくなるおそれがある。焼成工程の後に、冷却を行うが、この冷却の温度については特に制限はないが、取扱いの容易性といった点では、無機多孔質膜を室温にまで冷却することが好ましい。無機多孔質膜を得るための加熱処理における昇温速度および降温速度は、適宜設定することができる。昇温速度および降温速度の双方について200〜300℃/hとすることが好ましい。
本発明においては、多孔質基体の形状はプロトン伝導性有機物質が充填できる形状であれば、特に制限は無い。そのような形状としては、例えば、フィルム状、フィブリル状、織布状、不織布状、スポンジ状、粒状、ウイスカ状が挙げられる。好ましくはフィルム状である。
多孔質基体にプロトン伝導性有機物質を充填する方法は、特に限定されるものでない。例えば、多孔質基体にプロトン伝導性ポリマー溶液を塗布する方法、多孔質基体をプロトン伝導性ポリマー溶液に浸漬する方法などにより、多孔質基体の空隙にプロトン伝導性有機物質を充填することができる。その際、超音波を使用したり、減圧にすることによりプロトン伝導性有機物質を空隙に充填し易くすることができる。
また、重合性のプロトン伝導性有機物質を多孔質基体の空隙に充填させ、In−situ重合することもできる。具体的には、多孔質基体の細孔表面をプラズマ、紫外線、電子線、ガンマ線等のエネルギーにより活性化した後、その表面上にイオン交換基を持つモノマーを接触させ、または塗布し、多孔質基体表面上および空隙内部においてグラフト重合反応を生じさせ、空隙を実質的にプロトン伝導性ポリマーで充填する、あるいは、重合性のプロトン伝導性有機物質を気化させてプラズマ重合を行う、などの方法を行っても良い。また、重合性のプロトン伝導性有機物質に重合開始剤を添加して加熱するなどにより重合することもできる。
(触媒層)
本発明に用いるアノード極側触媒層2およびカソード極側触媒層3について以下に説明する。触媒層は、電池反応の反応場となる層であり、主成分は、触媒金属あるいは触媒金属担持カーボンと高分子電解質である。触媒金属としては、公知の触媒金属を用いることができる。例えば、貴金属触媒として、白金、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、イリジウム、金、銀、鉄、コバルト、ニッケル、クロム、タングステン、マガジン、バナジウムまたはこれらの多元合金を用いることができ、白金および白金合金から選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。これらの貴金属触媒をカーボン粒子に担持させた貴金属触媒担持カーボン粒子を用いることができる。
カーボン粒子としては、活性炭、カーボンブラック、グラファイトおよびそれらの混合物を好ましく採用することができる。例えばカーボンブラックとしては、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック等が挙げられ、Denka BLACK(電気化学工業社製)、Valcan XC−72(キャボット社製)、Black Pearl 2000(同前)、Ketjen Black EC300J(ケェチェンブラック・インターナショナル社製)等市販のものを採用することができる。また、そのカーボン粒子に親水化処理をしても良い。特に、カルボキシル化合物で処理してカルボキシル化したものまたはスルホン化物で処理してスルホン化したものが好ましい。
貴金属触媒をカーボン粒子に担持させるには、例えばカーボンブラック分散液に白金やルテニウム等の貴金属触媒の塩を加え、ヒドラジン等を用いて還元し、濾過、乾燥することで得られる。また、更に熱処理を行っても良い。市販のValcan XC−72に白金或いは白金−ルテニウム触媒を担持させたもの(田中貴金属(株)製)等を用いることもできる。
触媒層用の電解質材料としては、プロトン伝導性高分子電解質膜に用いられる様なイオン導電性を有する電解質であれば特に制限は無く、例えば、フッ素系電解質材料、部分フッ素系電解質材料、炭化水素系電解質材料等が挙げられる。この触媒層における貴金属触媒担持カーボンと高分子電解質の比率は、必要とされる電極特性に応じて適宜決められるべきもので、特に限定されるものではないが、貴金属触媒担持カーボン/高分子電解質の質量比率で5/95〜95/5が好ましく、40/60〜85/15がさらに好ましいものである。また、触媒層には、種々の添加物を加えることもできる。例えば、電子伝導性向上のための炭素などの導電剤や、結着性向上のための高分子バインダー、撥水性向上のための撥水性付与剤等の添加物などがあるが、特に限定されることなく用いることができる。撥水性付与剤としては、テフロン(登録商標)の様なポリテトラフロロエチレン(PTFE)、テトラフロロエチレン−パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフロロエチレン−ヘキサフロロプロピレン共重合体等の含フッ素樹脂が挙げられる。
(拡散電極)
本発明に用いられる拡散電極について説明する。拡散電極は、触媒層への反応ガスの供給および電子の授受を行い、その電子を集電する電極の役割をする。一般に、多孔質かつ電子伝導性を有する材料が用いられる。その材質は、多孔質かつ電子伝導性を有するものであれば良く、好ましくは、多孔質のカーボンクロス、カーボンペーパー等を用いる。
(電解質膜と触媒層、拡散電極との接合体)
アノード極側触媒層とカソード極側触媒層および電解質膜11との接合体の作製方法としては、アノード極側触媒層とカソード極側触媒層に用いるインクを電解質膜11に直接塗設する方法、拡散電極に用いる基材にアノード極側触媒層とカソード極側触媒層を塗設したもので電解質膜11を挟持する方法、支持体に塗設した後電解質膜11や拡散電極に転写する方法等が挙げられる。しかし、これらの方法に限定されるものではない。
(燃料吸収保持体)
本発明に用いる燃料吸収保持体14としては、液体燃料を毛管力で浸透しうる部材からなるものであれば使用可能である。例えば、多孔質体としてのフェルト、スポンジ、または樹脂粒子焼結体、樹脂繊維焼結体、などの焼結体から構成されるものがあり、その他、天然繊維、ポリアセタール系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリビニル系樹脂などの1種または2種以上の組み合わせからなる繊維束帯からなるものが挙げられる。多孔質体の場合、孔径は0.5〜150μm程度が好ましい。また、孔の体積は、30〜80%となることが好ましい。孔径を0.5μmより小さい多孔質体を構成するのは困難であり、一方、150μmより大きくすると、毛管力が低下し、燃料の供給が円滑ではなくなる。また、孔の体積が30%より小さいと毛管力が充分に得ることができなくなり、80%より大きいと、実用的な強度を有する多孔質体を得るのが困難となる。このような燃料吸収保持体14をアノード12に接触させれば液体燃料を毛管力によりアノード12に供給することができる。
(燃料ポンプ)
燃料ポンプ16は、燃料電池の燃料である液体燃料の一定量を燃料電池1に供給できるものであれば、特に限定されないが、圧電素子を用いて簡単な構成で微少量の液体を高精度に搬送できるマイクロポンプが好ましい。マイクロポンプの詳細については、特開2001−322099号公報に記載されている。このような構成のマイクロポンプを用いることにより、小型で安定した燃料を供給することができる。
燃料ポンプの制御フローを図1(C)に示す。外部電子機器の負荷が一定レベルより小さい時、例えば携帯電話で受信待機状態の時などの時には、駆動制御部19からは燃料ポンプ停止命令が出され、燃料ポンプは停止状態となる。また、外部電子機器の負荷が一定レベルより大きい時、例えば携帯電話における通話状態の時やTV視聴時には、駆動制御部19から燃料ポンプ駆動命令が出され、燃料ポンプが駆動する。ポンプ駆動の切り替えについては、予め制御部に外部電子機器に応じて負荷レベルを設定する。または、電池の反応特性に応じて設定しておく。
このように外部電子機器の負荷状態に応じて燃料ポンプの駆動制御を行うことにより、燃料電池装置の消費電力を抑えることができる。
本発明に係わる第2の実施形態の燃料電池装置の構成を図2に示す。図2に示す燃料電池装置Bは、カソード13に空気を供給する空気供給ポンプ20とカソード13で生成する生成水を回収する生成水回収ポンプ21及び生成水回収ポンプ21から回収した回収水を気液分離装置22により気液分離し、回収水のみを燃料供給側に戻し、燃料ポンプ23から供給される高濃度な液体燃料と混合希釈した後吸収保持体14に燃料供給する機構を備えている。その他の構成は、第1の実施形態と同様である。このような構成にすることで回収水を用いて高濃度燃料を希釈できるので、燃料タンクの液体燃料の濃度を高くすることができ、燃料タンクの容積を小さくすることができる。アノード12に供給する燃料の濃度は、2〜10%が好ましい。2%以下では発電効率が極端に落ち、また10%以上だとメタノールが電解質膜を透過し、カソード13側で反応するクロスオーバー現象が発生してこの場合も発電効率が落ちる。より好ましい濃度としては、3〜5%である。このため、カソードで発生する生成水を燃料希釈用の水に用いることにより燃料電子装置の体積を小さくすることができ好ましい。
図3に生成水と高濃度燃料との混合の仕方についての説明図を模式的に示す。外部の電子機器の負荷が小さい時は、駆動制御部19からの駆動信号は送らず、燃料ポンプ23、空気供給ポンプ20、生成水回収ポンプ21を作動させない。この時は毛管力で燃料供給する。燃料供給は、気液分離装置を通過してきた生成水と高濃度燃料を貯蔵した燃料タンクからの燃料とがそれぞれ図3の燃料液供給路L1、希釈液供給路L2の経路を通過して合流部L3のところで合流し、燃料吸収保持体14に到達するまでの混合流部L4において混合状態となる。この時L1、L2の管の径をあらかじめ所定の径に設定することにより必要な濃度の液体燃料を調整することができる。
また、電子機器の負荷が大きいときは、毛管力だけでは燃料供給が不足するため駆動制御部19から燃料ポンプ23、空気供給ポンプ20、生成水回収ポンプ21に駆動信号を送り、燃料ポンプ23、空気供給ポンプ20、生成水回収ポンプ21のそれぞれを作動させる。この時燃料タンクの高濃度燃料と生成水とは所定の濃度になるように強制的に混合し、燃料保持吸収体14に供給する。また、空気供給ポンプ20、生成水回収ポンプ21も所定の量を送るように駆動する。各ポンプは、液体又は空気を一定量供給できるものであれば、特に限定されないが、圧電素子を用いて簡単な構成で微少量の液体を高精度に搬送できるマイクロポンプが好ましい。マイクロポンプの詳細については、特開2001−322099号公報に記載されている。このような構成のマイクロポンプを用いることにより、小型で安定した燃料を供給することができる。この時の駆動方法は、各ポンプとも負荷の大きさに応じて、駆動電圧や、駆動周波数を変えることが好ましい。また、気液分離装置22には通常気液分離に用いられる気液分離膜を用いることができるが、液体中から気泡を分離除去できる方法であれば任意の方法を用いることが出来る。
以上のように燃料の供給方法を外部の電子機器の負荷に応じて、毛管力による供給とポンプ駆動による供給を使い分けることにより必要最低限のポンプ駆動で安定した電力供給を行うことができ、消費電力を低減することができるとともに、高濃度燃料を用いることで燃料タンクの容積を小さくでき、燃料電池装置全体を小さくすることができる。
以下、実施例により本発明について詳しく説明する。なお、本発明は、以下に記載のものに限定されるものではない。
(実施例1)
発電システム及び燃料電池装置としては、図1の構成のものを用いた。
アノード側触媒層およびカソード側触媒層中に含まれる触媒として、炭素微粒子(デンカブラック;電気化学社製)に粒子径3〜5nmの白金(Pt)−ルテニウム(Ru)合金を質量比で50%担持させた触媒担持炭素微粒子を使用した。なお、合金組成は原子比で50%Ruで、合金と炭素微粉末の質量比は1:1とした。この触媒担持炭素微粒子1gにアルドリッチ・ケミカル社製5質量%ナフィオン溶液18mlを加え、50℃にて3時間超音波混合機で攪拌し触媒ペーストとした。このペーストを、ポリテトラフルオロエチレンで撥水処理されたカーボンペーパー(東レ製:TGP−H−120)上にスクリーン印刷法で3mg/cm2塗布し、拡散電極として白金メッシュをのせた後乾燥させてアノードおよびカソードとした。次に、1枚の固体高分子電解質膜114(デュポン社製ナフィオン(登録商標)、膜厚150μm)に対し、上記で得たアノードおよびカソードを120℃で熱圧着して膜−電極部分を作製した。作製した膜−電極複合体のアノード側に燃料保持吸収体としてフェルト(厚さ2mm)を配置し、燃料流路を形成したマイクロポンプに組み入れて一体型のユニットを作製した。燃料として3質量%のメタノール水溶液を燃料タンクに充填し、毛管力だけ燃料供給したところ電圧0.4Vの時に80mAの電流値を観測した。また、高負荷の条件としてマイクロポンプの駆動周波数を20kHzとし、2ml/minで、供給し発電を行ったところ、電圧0.4Vの時に電流150mAの電流値を観測した。低負荷と高負荷を10分ごとに交互に作動させたところ、8時間安定した電力を供給することができた。
(比較例1)
比較例1としては、実施例1における高負荷の条件であるポンプ駆動を連続して行った。この時電圧0.4Vで電流150mAの電流値を観測し、安定した電力供給は5時間であった。
以上のように外部の負荷に応じて毛管力を用いた燃料供給とポンプによる燃料供給とを切り替えることにより、消費電力を抑えることができ、長期にわたり安定した電力供給のできるコンパクトな燃料電池装置を提供できることを確認できた。
本発明に係る燃料電池装置の第1の実施形態を示す概略図である。 本発明に係る燃料電池装置の第2の実施形態を示す概略図である。 生成水と高濃度燃料との混合の仕方について模式的に示した図である。
符号の説明
1 燃料電池
11 電解質膜
12 アノード電極(アノード)
13 カソード電極(カソード)
14 燃料吸収保持体
15 セパレータ
16、23 燃料ポンプ
17 燃料タンク
18 電子機器
19 駆動制御部
20 空気供給ポンプ
21 生成水回収ポンプ
22 気液分離装置
A、B 燃料電池装置
L1 燃料液供給路
L2 希釈液供給路
L3 合流部
L4 混合流路

Claims (3)

  1. アノード電極、カソード電極及び該アノード電極と該カソード電極との間に挟持された電解質膜を有する膜電極接合体と、
    前記アノード電極に接する液体燃料吸収保持体と、
    燃料タンクと連結し、前記液体燃料吸収保持体に燃料を供給する燃料ポンプと、
    を備え、外部電子機器の負荷の要求電力に応じて前記燃料ポンプの動作を制御する制御手段を有することを特徴とする燃料電池装置。
  2. 前記燃料ポンプは圧電素子のアクチュエータを用いることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池装置。
  3. 前記燃料吸収保持体は毛管力により液体燃料をアノード電極に供給することを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池装置。
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CN111933979A (zh) * 2020-07-29 2020-11-13 维沃移动通信有限公司 电子设备

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