JP2004013118A - 光ファイバシートおよびその作製方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】
【解決手段】光ファイバシート11は、貼り合わされた上下の軟質樹脂製のシート2間に光ファイバ3が配線された構成される。光ファイバ3が概ね環状をなす態様で配線されており、この環状をなす光ファイバ3で囲まれた領域Pのシート2に気泡逃がし用の穴10をあける。光ファイバシート作製時のシート2貼り合わせの際、光ファイバ3で囲まれた部分Pの気泡は穴から容易にシート外に逃げることができ、シート内部に気泡が残る問題は発生しない。
【選択図】 図1
【解決手段】光ファイバシート11は、貼り合わされた上下の軟質樹脂製のシート2間に光ファイバ3が配線された構成される。光ファイバ3が概ね環状をなす態様で配線されており、この環状をなす光ファイバ3で囲まれた領域Pのシート2に気泡逃がし用の穴10をあける。光ファイバシート作製時のシート2貼り合わせの際、光ファイバ3で囲まれた部分Pの気泡は穴から容易にシート外に逃げることができ、シート内部に気泡が残る問題は発生しない。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明に属する技術分野】
この発明は、光ファイバを挟んで少なくとも2枚の軟質樹脂製のシートを貼り合わせてなる光ファイバシート、およびその作製方法に関し、主として、光ファイバが環状をなす態様で配線された光ファイバシートに関する。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバシート内の光ファイバは、目的・使用箇所等に応じて種々の態様でシート内に配線されるが、従来例を示した図7の光ファイバシート1のように、貼り合わされた2枚の軟質樹脂製シート2の間に、光ファイバ3が環状をなす態様で配線される場合がある。図示例ではシート2の広い面積の部分の周縁近傍を巡っているテープ状光ファイバ束3’のインプット側とアウトプット側とが密着合流、あるいは多少のギャップは存在するがほぼエア封止された密着に近い状態にて端部封止がなされた状態にて、光ファイバ3が環状をなす配線となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記の光ファイバシート1を作成する場合、粘着剤(常温感圧性接着剤)を表面に塗布した下側のシート2上に光ファイバ3を所望の態様で配置した後、裏面に粘着剤を塗布した上側のシート2を貼り合わせるが、上記のように光ファイバ3がシート2内で環状をなしていると、シート貼り合わせ時に、光ファイバ3で囲まれた部分(図7の符号Pの領域)に空気が残留して気泡となる。
この気泡は、光ファイバがシール作用を有するためシート外に逃げることができず、図8に示すようにシート2内部に(上下のシート2間に)気泡4が残ってしまう場合がある。シート内部に気泡が残ると、上下のシート2が密着しないので、外観を損ない、配線した光ファイバ3が堅固に固定されずにみだりに動いてしまい、光ファイバを保持する光ファイバシートの接着機能が損なわれる。また、光ファイバの配線パターンによっては、気泡の発生場所と光ファイバシート端部までの距離が長くなり、同じ現象が発生するおそれもある。さらに、光ファイバシート面積が広い場合などにも同じ現象が発生する可能性がある。
【0004】
本発明は上記従来の欠点を解消するためになされたもので、光ファイバ配線パターンにより、光ファイバシート内にて空気が残留するようなおそれがある場合、例えば、全体に渡ってあるいは所々にて光ファイバを、例えば環状をなす態様で配線する場合等において、光ファイバで囲まれた部分におけるシート内部に気泡が残ってしまう恐れのない光ファイバシートを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する請求項1の発明は、光ファイバを挟んで少なくとも2枚の軟質樹脂製のシートを貼り合わせてなる光ファイバシートにおいて、
前記光ファイバシート内に、前記光ファイバシートを上下面に貫通する少なくとも1カ所の穴が設けられていることを特徴とする。
【0006】
請求項2は、請求項1の光ファイバシートにおいて、光ファイバが、光ファイバシート全体に渡ってあるいは所々にて概ね環状をなす態様で配線されるとともに、前記概ね環状をなす光ファイバで囲まれた領域のシートに前記穴をあけたことを特徴とする。
【0007】
請求3は、請求項1または2の光ファイバシートにおける穴が、気泡逃がし用の穴であることを特徴とする。
【0008】
請求項4の発明は、光ファイバシートの作製方法であって、光ファイバを挟んで少なくとも2枚の軟質樹脂製のシートを貼り合わせてなる光ファイバシートであり、前記光ファイバを挟み込む上面側および又は下面側を構成するシートには、シート厚み方向にシート外に連通する連通部が形成されていて、前記光ファイバシートの張り合わせに際し、前記光ファイバシート間の気泡を前記連通部から排出することを特徴とする。
【0009】
請求項5は、請求項4の光ファイバシートの作製方法において、連通部が、上面側および下面側のシートにて連続していることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施形態の光ファイバシート11の一部切り欠き平面図、図2は図1のB−B断面図である。この光ファイバシート11は、光ファイバ3を挟んで2枚の軟質樹脂製のシート2を貼り合わせた構成であるが、光ファイバ3がシート2内で環状をなす態様で配線されている。図示例ではシート2の広い面積の部分の周縁近傍を巡っているテープ状光ファイバ束3’のインプット側とアウトプット側とが密着合流することで、光ファイバ3が環状をなす配線となっている。そして、この光ファイバシート11は、環状をなす光ファイバ3で囲まれた部分のシート2に穴10をあけている。
【0011】
上記の光ファイバシート11を作成する場合、粘着剤(常温感圧性接着剤)を表面に塗布した下側のシート2上に光ファイバ3を所望の態様で配置した後、裏面に同じく粘着剤を塗布した上側のシート2を貼り合わせる。その貼り合わせの際、光ファイバ3で囲まれた部分(図1の符号Pの領域)の気泡は、光ファイバ3で遮られて外側には逃げることはできないが、内側に穴10があいているので、気泡は容易に内側に移動(矢印で示す)して、穴10の内周部からシート外に逃げることができる。したがって、シート2の光ファイバ3で囲まれた部分に気泡が残る問題は発生せず、シート2の密着不良で光ファイバ3がみだりに動いてしまう恐れは解消される。
【0012】
シート2の材質は特に限定されない。例えば、最外層を構成する上面側と下面側の2枚のシートは、片面に粘着剤が塗布された可撓性を有する軟質樹脂シートである。シート1の材質と厚みは、必要とされる作業性、耐擦過性、曲げ剛性、引張り強さなどに応じてヤング率を考慮して適宜選択され、好ましくは、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン6、ナイロン66、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリ4−メチルテルペン、ポリ塩化ビニリデン、可塑化ポリ塩化ビニル、ポリエーテルエステル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、軟質ポリウレタンなどが挙げられる。
さらに、シート1の材質の組み合せは任意であり、例えば、上下のシート1、1を同種の材質とするか、あるいは異種の材質の組み合せとすることもできる。
そして、シート1には、光ファイバシート11の製造時に、上側のシートと下側のシートを貼り合わせるために、片面にゴム系、アクリル系の常温感圧性接着剤(粘着剤)が塗布されている また、粘着剤としては、通常、ゴム系、アクリル系等の常温感圧性接着剤が用いられる。
シートに配線される光ファイバは、通常は、裸ファイバにUV樹脂コーティングを施したいわゆるUV線(径250μm)、シリコン樹脂を施したシリコン素線等が用いられるが、これに限定されず、任意である。
【0013】
本発明における光ファイバ3の配線の態様としては、種々の場合が考えられる。例えば図3に示すように、1枚の光ファイバシート21内に複数のテープ状光ファイバ束3’が配線されて、それぞれが光ファイバ3の環を形成している場合にも適用できる。この場合は、それぞれの光ファイバ3の環の中でシート2に穴10をあけるとよい。
【0014】
上述の実施形態では、光ファイバ3のインプット側とアウトプット側が密着合流して閉じた環状の配線態様となっているが、インプット側とアウトプット側との間に若干の隙間があるような合流の仕方(すなわち概ね環状をなす場合)でも、やはり気泡が逃げずに残る可能性があるので、そのように光ファイバ3が一部開放の概ね環状をなす場合でも、シート2の光ファイバ3で囲まれた部分に穴をあけることは有効である。
【0015】
また、光ファイバが交差して環を形成する場合にも適用可能である。光ファイバが交差することは必ずしも好ましくはないが、光ファイバ3の交差が多重交差でなく1段だけの交差であれば、特に問題がない場合も多いので、そのような場合には、光ファイバの交差により形成された環の内部に穴をあけるとよい。
【0016】
上述の実施形態は1つのテープ状光ファイバ束が環状ないし概ね環状をなす場合であるが、このような場合に限らず、上述の如く概ね周囲を光ファイバで囲まれた領域が生じる場合に、その領域のシートに穴をあけることは有効である。図4に、この場合の光ファイバシート31を示す。光ファイバ3の配線態様および穴10の存在は図3の実施形態と同じであるが、3つのテープ状光ファイバ束3’で囲まれた領域にも気泡逃がし用の穴10Aをあけている。
3つのテープ状光ファイバ束3’で囲まれた領域は、三方を囲まれて気泡の逃げ道となる部分が狭く、シート内に気泡が残る恐れがあるが、穴10Aの存在で、貼り合わせ時に気泡をシート外に逃がすことができる。
【0017】
さらに、上述よりもさらに隙間が広がり開口部を形成する場合で、環状あるいは概ね環状とは言えない場合、例えば、図5に示した光ファイバシート41のように光ファイバ3が単純な湾曲部だけを形成するように布線された場合においても、湾曲部の深さによっては開口部(シート端部)までの距離が長くなるため気泡の逃げ道が無くなる。その結果、空気が残留して気泡発生の可能性もあるが、そのような場合においても湾曲部の適宜箇所に穴10B等を形成することにより対処可能である。
【0018】
本発明は光ファイバを挟んで上面側と下面側を構成する一対の軟質樹脂製のシートを貼り合わせた光ファイバシートであるが、シートが3枚以上多層積層され、各層間に光ファイバが配線されている場合も含むものである。要するに、少なくとも、光ファイバを挟んで2枚の軟質樹脂製のシートを貼り合わせた構成が含まれていればよい。
【0019】
また、本発明において、シートの輪郭は特に限定されない。
さらに説明すると、▲1▼穴の機能は、気泡を逃がす機能のみには限定されない、例えば、光ファイバシートの物理的、機械的特性の向上、取り扱い性の向上などの、種々の機能を有する場合がある。▲2▼光ファイバの配線パターンは、環状や概ね環状には限定されない。要は、光ファイバシート内にて張り合わせの際、あるいはその後において気泡が残留したり発生するおそれのある箇所に本発明を採用することができる。▲3▼穴は必ずしも実施例のように上面側と下面側にて連通する必要は無い。図6に示した光ファイバシート51のように、少なくとも片側のシートの張り合わせ面に溜まったエアーを外部へ排出するシート厚み方向に連通する連通部10Cを形成すれば良い。従って、本発明の連通部とはエア流通機能を有する構造の総称であるから、穴以外の種々の実施例が存在する。
【0020】
【発明の効果】
請求項1および3によれば、光ファイバを挟んで少なくとも2枚の軟質樹脂製のシートを貼り合わせてなる光ファイバシートにおいて、光ファイバシート内に、光ファイバシートを上下面に貫通する少なくとも1カ所の穴が設けられているので、光ファイバシート作製時のシート貼り合わせの際、光ファイバで囲まれた部分の気泡は、シート上の少なくとも1カ所の穴から容易にシート外に逃げることができ、シート内部に気泡が残る問題は発生せず、上下シートの密着不良をなくすことができた。これにより、配線した光ファイバが堅固に保持される光ファイバシートを得ることができた。
【0021】
さらに、請求項2および3によれば、光ファイバが、光ファイバシート全体に渡ってあるいは所々にて概ね環状をなす態様で配線された場合に、概ね環状をなす光ファイバで囲まれた領域のシートに前記穴をあけたことにより、光ファイバシート作製時のシート貼り合わせの際、光ファイバで囲まれた部分の気泡は穴から容易にシート外に逃げることができ、シート内部に気泡が残る問題は発生せず、上下シートの密着不良をなくすことができた。これにより、配線した光ファイバが堅固に保持される光ファイバシートを得ることができた。
【0022】
請求項4によれば、光ファイバを挟んで少なくとも2枚の軟質樹脂製のシートを貼り合わせてなる光ファイバシートにて、光ファイバを挟み込む上面側および又は下面側を構成する光ファイバシートに、シート厚み方向に連通する連通部が形成されていて、前記光ファイバシートの張り合わせに際し、前記光ファイバシート間の気泡を連通部から排出することができるから、光ファイバシート作製時のシート貼り合わせの際、光ファイバで囲まれた部分の気泡は連通部から容易にシート外に逃げることができ、シート内部に気泡が残る問題は発生せず、上下シートの密着不良をなくすことができた。これにより、配線した光ファイバが堅固に保持される光ファイバシートを得ることができた。
【0023】
請求項5によれば、前記連通部が、上面側および下面側の光ファイバシートにて連続しているので、光ファイバシート作製時のシート貼り合わせの際、光ファイバで囲まれた部分の気泡はシート上下面に連続している穴から容易にシート外に逃げることができ、シート内部に気泡が残る問題は発生せず、上下シートの密着不良をなくすことができた。これにより、配線した光ファイバが堅固に保持される光ファイバシートを得ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の光ファイバシートの一部切り欠き平面図である。
【図2】図1のB−B断面図である。
【図3】本発明の他の実施形態の光ファイバシートの一部切り欠き平面図である。
【図4】本発明のさらに他の実施形態の光ファイバシートの一部切り欠き平面図である。
【図5】本発明のさらに他の実施形態の光ファイバシートの一部切り欠き平面図である。
【図6】本発明のさらに他の実施形態の光ファイバシートの断面図である。
【図7】従来の光ファイバシートの一部切り欠き平面図である。
【図8】図7のA−A断面図である。
【符号の説明】
2 シート(軟質樹脂製のシート)
3 光ファイバ
3’ テープ状光ファイバ束
10、10A、10B、10C 気泡逃がし用の穴(連通部)
11、21、31、41、51 光ファイバシート
【発明に属する技術分野】
この発明は、光ファイバを挟んで少なくとも2枚の軟質樹脂製のシートを貼り合わせてなる光ファイバシート、およびその作製方法に関し、主として、光ファイバが環状をなす態様で配線された光ファイバシートに関する。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバシート内の光ファイバは、目的・使用箇所等に応じて種々の態様でシート内に配線されるが、従来例を示した図7の光ファイバシート1のように、貼り合わされた2枚の軟質樹脂製シート2の間に、光ファイバ3が環状をなす態様で配線される場合がある。図示例ではシート2の広い面積の部分の周縁近傍を巡っているテープ状光ファイバ束3’のインプット側とアウトプット側とが密着合流、あるいは多少のギャップは存在するがほぼエア封止された密着に近い状態にて端部封止がなされた状態にて、光ファイバ3が環状をなす配線となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記の光ファイバシート1を作成する場合、粘着剤(常温感圧性接着剤)を表面に塗布した下側のシート2上に光ファイバ3を所望の態様で配置した後、裏面に粘着剤を塗布した上側のシート2を貼り合わせるが、上記のように光ファイバ3がシート2内で環状をなしていると、シート貼り合わせ時に、光ファイバ3で囲まれた部分(図7の符号Pの領域)に空気が残留して気泡となる。
この気泡は、光ファイバがシール作用を有するためシート外に逃げることができず、図8に示すようにシート2内部に(上下のシート2間に)気泡4が残ってしまう場合がある。シート内部に気泡が残ると、上下のシート2が密着しないので、外観を損ない、配線した光ファイバ3が堅固に固定されずにみだりに動いてしまい、光ファイバを保持する光ファイバシートの接着機能が損なわれる。また、光ファイバの配線パターンによっては、気泡の発生場所と光ファイバシート端部までの距離が長くなり、同じ現象が発生するおそれもある。さらに、光ファイバシート面積が広い場合などにも同じ現象が発生する可能性がある。
【0004】
本発明は上記従来の欠点を解消するためになされたもので、光ファイバ配線パターンにより、光ファイバシート内にて空気が残留するようなおそれがある場合、例えば、全体に渡ってあるいは所々にて光ファイバを、例えば環状をなす態様で配線する場合等において、光ファイバで囲まれた部分におけるシート内部に気泡が残ってしまう恐れのない光ファイバシートを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する請求項1の発明は、光ファイバを挟んで少なくとも2枚の軟質樹脂製のシートを貼り合わせてなる光ファイバシートにおいて、
前記光ファイバシート内に、前記光ファイバシートを上下面に貫通する少なくとも1カ所の穴が設けられていることを特徴とする。
【0006】
請求項2は、請求項1の光ファイバシートにおいて、光ファイバが、光ファイバシート全体に渡ってあるいは所々にて概ね環状をなす態様で配線されるとともに、前記概ね環状をなす光ファイバで囲まれた領域のシートに前記穴をあけたことを特徴とする。
【0007】
請求3は、請求項1または2の光ファイバシートにおける穴が、気泡逃がし用の穴であることを特徴とする。
【0008】
請求項4の発明は、光ファイバシートの作製方法であって、光ファイバを挟んで少なくとも2枚の軟質樹脂製のシートを貼り合わせてなる光ファイバシートであり、前記光ファイバを挟み込む上面側および又は下面側を構成するシートには、シート厚み方向にシート外に連通する連通部が形成されていて、前記光ファイバシートの張り合わせに際し、前記光ファイバシート間の気泡を前記連通部から排出することを特徴とする。
【0009】
請求項5は、請求項4の光ファイバシートの作製方法において、連通部が、上面側および下面側のシートにて連続していることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施形態の光ファイバシート11の一部切り欠き平面図、図2は図1のB−B断面図である。この光ファイバシート11は、光ファイバ3を挟んで2枚の軟質樹脂製のシート2を貼り合わせた構成であるが、光ファイバ3がシート2内で環状をなす態様で配線されている。図示例ではシート2の広い面積の部分の周縁近傍を巡っているテープ状光ファイバ束3’のインプット側とアウトプット側とが密着合流することで、光ファイバ3が環状をなす配線となっている。そして、この光ファイバシート11は、環状をなす光ファイバ3で囲まれた部分のシート2に穴10をあけている。
【0011】
上記の光ファイバシート11を作成する場合、粘着剤(常温感圧性接着剤)を表面に塗布した下側のシート2上に光ファイバ3を所望の態様で配置した後、裏面に同じく粘着剤を塗布した上側のシート2を貼り合わせる。その貼り合わせの際、光ファイバ3で囲まれた部分(図1の符号Pの領域)の気泡は、光ファイバ3で遮られて外側には逃げることはできないが、内側に穴10があいているので、気泡は容易に内側に移動(矢印で示す)して、穴10の内周部からシート外に逃げることができる。したがって、シート2の光ファイバ3で囲まれた部分に気泡が残る問題は発生せず、シート2の密着不良で光ファイバ3がみだりに動いてしまう恐れは解消される。
【0012】
シート2の材質は特に限定されない。例えば、最外層を構成する上面側と下面側の2枚のシートは、片面に粘着剤が塗布された可撓性を有する軟質樹脂シートである。シート1の材質と厚みは、必要とされる作業性、耐擦過性、曲げ剛性、引張り強さなどに応じてヤング率を考慮して適宜選択され、好ましくは、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン6、ナイロン66、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリ4−メチルテルペン、ポリ塩化ビニリデン、可塑化ポリ塩化ビニル、ポリエーテルエステル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、軟質ポリウレタンなどが挙げられる。
さらに、シート1の材質の組み合せは任意であり、例えば、上下のシート1、1を同種の材質とするか、あるいは異種の材質の組み合せとすることもできる。
そして、シート1には、光ファイバシート11の製造時に、上側のシートと下側のシートを貼り合わせるために、片面にゴム系、アクリル系の常温感圧性接着剤(粘着剤)が塗布されている また、粘着剤としては、通常、ゴム系、アクリル系等の常温感圧性接着剤が用いられる。
シートに配線される光ファイバは、通常は、裸ファイバにUV樹脂コーティングを施したいわゆるUV線(径250μm)、シリコン樹脂を施したシリコン素線等が用いられるが、これに限定されず、任意である。
【0013】
本発明における光ファイバ3の配線の態様としては、種々の場合が考えられる。例えば図3に示すように、1枚の光ファイバシート21内に複数のテープ状光ファイバ束3’が配線されて、それぞれが光ファイバ3の環を形成している場合にも適用できる。この場合は、それぞれの光ファイバ3の環の中でシート2に穴10をあけるとよい。
【0014】
上述の実施形態では、光ファイバ3のインプット側とアウトプット側が密着合流して閉じた環状の配線態様となっているが、インプット側とアウトプット側との間に若干の隙間があるような合流の仕方(すなわち概ね環状をなす場合)でも、やはり気泡が逃げずに残る可能性があるので、そのように光ファイバ3が一部開放の概ね環状をなす場合でも、シート2の光ファイバ3で囲まれた部分に穴をあけることは有効である。
【0015】
また、光ファイバが交差して環を形成する場合にも適用可能である。光ファイバが交差することは必ずしも好ましくはないが、光ファイバ3の交差が多重交差でなく1段だけの交差であれば、特に問題がない場合も多いので、そのような場合には、光ファイバの交差により形成された環の内部に穴をあけるとよい。
【0016】
上述の実施形態は1つのテープ状光ファイバ束が環状ないし概ね環状をなす場合であるが、このような場合に限らず、上述の如く概ね周囲を光ファイバで囲まれた領域が生じる場合に、その領域のシートに穴をあけることは有効である。図4に、この場合の光ファイバシート31を示す。光ファイバ3の配線態様および穴10の存在は図3の実施形態と同じであるが、3つのテープ状光ファイバ束3’で囲まれた領域にも気泡逃がし用の穴10Aをあけている。
3つのテープ状光ファイバ束3’で囲まれた領域は、三方を囲まれて気泡の逃げ道となる部分が狭く、シート内に気泡が残る恐れがあるが、穴10Aの存在で、貼り合わせ時に気泡をシート外に逃がすことができる。
【0017】
さらに、上述よりもさらに隙間が広がり開口部を形成する場合で、環状あるいは概ね環状とは言えない場合、例えば、図5に示した光ファイバシート41のように光ファイバ3が単純な湾曲部だけを形成するように布線された場合においても、湾曲部の深さによっては開口部(シート端部)までの距離が長くなるため気泡の逃げ道が無くなる。その結果、空気が残留して気泡発生の可能性もあるが、そのような場合においても湾曲部の適宜箇所に穴10B等を形成することにより対処可能である。
【0018】
本発明は光ファイバを挟んで上面側と下面側を構成する一対の軟質樹脂製のシートを貼り合わせた光ファイバシートであるが、シートが3枚以上多層積層され、各層間に光ファイバが配線されている場合も含むものである。要するに、少なくとも、光ファイバを挟んで2枚の軟質樹脂製のシートを貼り合わせた構成が含まれていればよい。
【0019】
また、本発明において、シートの輪郭は特に限定されない。
さらに説明すると、▲1▼穴の機能は、気泡を逃がす機能のみには限定されない、例えば、光ファイバシートの物理的、機械的特性の向上、取り扱い性の向上などの、種々の機能を有する場合がある。▲2▼光ファイバの配線パターンは、環状や概ね環状には限定されない。要は、光ファイバシート内にて張り合わせの際、あるいはその後において気泡が残留したり発生するおそれのある箇所に本発明を採用することができる。▲3▼穴は必ずしも実施例のように上面側と下面側にて連通する必要は無い。図6に示した光ファイバシート51のように、少なくとも片側のシートの張り合わせ面に溜まったエアーを外部へ排出するシート厚み方向に連通する連通部10Cを形成すれば良い。従って、本発明の連通部とはエア流通機能を有する構造の総称であるから、穴以外の種々の実施例が存在する。
【0020】
【発明の効果】
請求項1および3によれば、光ファイバを挟んで少なくとも2枚の軟質樹脂製のシートを貼り合わせてなる光ファイバシートにおいて、光ファイバシート内に、光ファイバシートを上下面に貫通する少なくとも1カ所の穴が設けられているので、光ファイバシート作製時のシート貼り合わせの際、光ファイバで囲まれた部分の気泡は、シート上の少なくとも1カ所の穴から容易にシート外に逃げることができ、シート内部に気泡が残る問題は発生せず、上下シートの密着不良をなくすことができた。これにより、配線した光ファイバが堅固に保持される光ファイバシートを得ることができた。
【0021】
さらに、請求項2および3によれば、光ファイバが、光ファイバシート全体に渡ってあるいは所々にて概ね環状をなす態様で配線された場合に、概ね環状をなす光ファイバで囲まれた領域のシートに前記穴をあけたことにより、光ファイバシート作製時のシート貼り合わせの際、光ファイバで囲まれた部分の気泡は穴から容易にシート外に逃げることができ、シート内部に気泡が残る問題は発生せず、上下シートの密着不良をなくすことができた。これにより、配線した光ファイバが堅固に保持される光ファイバシートを得ることができた。
【0022】
請求項4によれば、光ファイバを挟んで少なくとも2枚の軟質樹脂製のシートを貼り合わせてなる光ファイバシートにて、光ファイバを挟み込む上面側および又は下面側を構成する光ファイバシートに、シート厚み方向に連通する連通部が形成されていて、前記光ファイバシートの張り合わせに際し、前記光ファイバシート間の気泡を連通部から排出することができるから、光ファイバシート作製時のシート貼り合わせの際、光ファイバで囲まれた部分の気泡は連通部から容易にシート外に逃げることができ、シート内部に気泡が残る問題は発生せず、上下シートの密着不良をなくすことができた。これにより、配線した光ファイバが堅固に保持される光ファイバシートを得ることができた。
【0023】
請求項5によれば、前記連通部が、上面側および下面側の光ファイバシートにて連続しているので、光ファイバシート作製時のシート貼り合わせの際、光ファイバで囲まれた部分の気泡はシート上下面に連続している穴から容易にシート外に逃げることができ、シート内部に気泡が残る問題は発生せず、上下シートの密着不良をなくすことができた。これにより、配線した光ファイバが堅固に保持される光ファイバシートを得ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の光ファイバシートの一部切り欠き平面図である。
【図2】図1のB−B断面図である。
【図3】本発明の他の実施形態の光ファイバシートの一部切り欠き平面図である。
【図4】本発明のさらに他の実施形態の光ファイバシートの一部切り欠き平面図である。
【図5】本発明のさらに他の実施形態の光ファイバシートの一部切り欠き平面図である。
【図6】本発明のさらに他の実施形態の光ファイバシートの断面図である。
【図7】従来の光ファイバシートの一部切り欠き平面図である。
【図8】図7のA−A断面図である。
【符号の説明】
2 シート(軟質樹脂製のシート)
3 光ファイバ
3’ テープ状光ファイバ束
10、10A、10B、10C 気泡逃がし用の穴(連通部)
11、21、31、41、51 光ファイバシート
Claims (5)
- 光ファイバを挟んで少なくとも2枚の軟質樹脂製のシートを貼り合わせてなる光ファイバシートにおいて、
前記光ファイバシート内に、前記光ファイバシートを上下面に貫通する少なくとも1カ所の穴が設けられていることを特徴とする光ファイバシート。 - 前記光ファイバが、光ファイバシート全体に渡ってあるいは所々にて概ね環状をなす態様で配線されるとともに、前記概ね環状をなす光ファイバで囲まれた領域のシートに前記穴をあけたことを特徴とする請求項1記載の光ファイバシート。
- 前記穴が、気泡逃がし用の穴であることを特徴とする請求項1または2記載の光ファイバシート。
- 光ファイバを挟んで少なくとも2枚の軟質樹脂製のシートを貼り合わせてなる光ファイバシートであり、前記光ファイバを挟み込む上面側および又は下面側を構成するシートには、シート厚み方向にシート外に連通する連通部が形成されていて、前記光ファイバシートの張り合わせに際し、前記光ファイバシート間の気泡を前記連通部から排出することを特徴とする光ファイバシートの作製方法。
- 前記連通部が、上面側および下面側のシートにて連続していることを特徴とする請求項4記載の光ファイバシートの作製方法。
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---|---|---|---|
JP2002170559A JP2004013118A (ja) | 2002-06-11 | 2002-06-11 | 光ファイバシートおよびその作製方法 |
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JP2008191409A (ja) * | 2007-02-05 | 2008-08-21 | Fujikura Ltd | 光ファイバシート |
CN109103735A (zh) * | 2018-09-28 | 2018-12-28 | 深圳市杰普特光电股份有限公司 | 连续光纤激光模块 |
-
2002
- 2002-06-11 JP JP2002170559A patent/JP2004013118A/ja active Pending
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