JP2004012001A - 天井埋め込み型の空調システム - Google Patents
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Abstract
【課題】設置が容易な構造にして設置時間、設置費用が削減されるとともに、天井材、天井
骨材の破材を削減し処理費用が削減される天井埋め込み型の空調システムを提供する。
【解決手段】格子状に枠組みされたT字状天井骨材1に天井材2を組み合わせて簡易施工天井を構成し、熱交換器3、送風機4を備える空調機本体6に連結される接続ダクト12、接続ダクト12に接続される空気吹出し口8を簡易施工天井に取り付ける天井埋め込み型の空調システムにおいて、空気吹出し口8の外形寸法は、天井材と同一寸法に形成され、空気吹出し口8が、T字状天井骨材1に載置されている。
【選択図】 図1
骨材の破材を削減し処理費用が削減される天井埋め込み型の空調システムを提供する。
【解決手段】格子状に枠組みされたT字状天井骨材1に天井材2を組み合わせて簡易施工天井を構成し、熱交換器3、送風機4を備える空調機本体6に連結される接続ダクト12、接続ダクト12に接続される空気吹出し口8を簡易施工天井に取り付ける天井埋め込み型の空調システムにおいて、空気吹出し口8の外形寸法は、天井材と同一寸法に形成され、空気吹出し口8が、T字状天井骨材1に載置されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、格子状に枠組みされたT字状天井骨材に天井材を組み合わせて構成される、いわゆる簡易施工天井(グリッド天井と称される)に据え付けるのに好適な天井埋め込み型の空調システに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、簡易施工天井に天井埋め込み型の空調システムが据え付けられる場合には、T字状天井骨材にネジ止めされている天井材および骨材の一部を切り欠きながら、空気吹出し口を嵌め込むための天井開口部を天井面に設け、該天井開口部へ空気吹出し口を嵌め込んだ後、天井スラブより吊り下げられた吊ボルトに空気吹出し口を固定するようになっていた。
【0003】
また従来、大型の簡易施工天井に天井埋め込み型の空調システムを据え付ける場合には、天井材と空気吹出し口とを組み合わせた大型天井材等が利用されている。
【0004】
なお本技術に関連するものとして、例えば特開平6―272949号公報に記載されるものが挙げられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前者では天井面に設けられた天井開口部の周囲に補強のための天井骨材を新たに設置する必要があるとともに、空気吹出し口を独自に天井スラブより吊り下げる必要があり、設置工事に費用、時間とも多くかかるものであった。また、天井材の切断による破材、天井骨材の切断による破材が生じ、廃棄処理に費用がかかった。
【0006】
また後者では、天井材と空気吹出し口とを組み合わせて構成された大型天井材は、寸法、重量により作業性が悪く据え付けにくいものであった。
さらに前記両者とも、空調システムの計画変更による空気吹出し口の位置変更は容易でなく、また吹出し口の設置に対しても自由度が少なく空調空間のムラは改善しにくいものであった。さらに、空調機本体のメンテナンス用に点検口を別途設置する必要があり、天井面の外観を損なうものになっていた。
【0007】
本発明の目的は、設置が容易な構造であって設置時間、設置費用を削減するとともに、天井材、天井骨材の破材を削減し処理費用が削減される天井埋め込み型の空調システムを提供することにある。
また、本発明の目的は、空調システムの計画変更にも天井材、天井骨材などを新たに加工することなく対応できるとともに、空調機本体のメンテナンス用の点検口を専用に設ける必要がないために美的外観が確保される天井埋め込み型の空調システムを提供することにある。
さらに本発明の目的は、空気吹出し口に角度調節が可能なようにベーンが取り付けられ、該ベーンを遠隔操作して温度ムラが容易に改善される天井埋め込み型の空調システムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明に係る天井埋め込み型の空調システムの発明は、格子状に枠組みしたT字状天井骨材に天井材を組み合わせて簡易施工天井を構成し、熱交換器、送風機を備える空調機本体に連結される接続ダクト、該接続ダクトに接続される空気吹出し口を前記簡易施工天井に取り付ける天井埋め込み型の空調システムにおいて、前記空気吹出し口の外法寸法は、前記天井材と同一寸法に形成され、該空気吹出し口が、前記T字状天井骨材に載置されている。
【0009】
上記構成により、天井材や天井骨材を空気吹出し口の天井開口部を設けるために切断する必要がなくなる。また、空気吹出し口を小型化することにより、空気吹出し口を独自に吊ボルトにて吊り下げる必要がなく、すでに吊り下げられている簡易施工天井の天井骨材に載置することができるようになる。
空調の計画変更時には、空気吹出し口を変更予定の位置に嵌っている天井材と変更することにより、新たに天井材や吊ボルトを設置することなく空気吹出し口の位置変更を実施することができる。
天井材は小型化して空調機下面に配置されているため、空調機のメンテナンス時には、天井材の一枚または複数枚を天井面の下方から天井骨材の隙間より抜き取ることにより点検することが可能となり、別途天井面に点検口を設ける必要がなくなる。
【0010】
また上記目的を達成するために本発明に係る天井埋め込み型の空調システムに係る他の発明は、格子状に枠組みされたT字状天井骨材に天井材を組み合わせて簡易施工天井を構成し、熱交換器、送風機を備える空調機本体に連結される接続ダクト、該接続ダクトに接続される空気吹出し口を前記簡易施工天井に取り付ける天井埋め込み型の空調システムにおいて、前記空気吹出し口の外形寸法は、前記天井材と同一寸法に形成され、該空気吹出し口が、前記T字状天井骨材に載置され、前記空気吹出し口に、風向切替用のベーンが設けられ、該風向切替用のベーン角度は、電動機によって遠隔操作できるものである。
上記構成により、空気吹出し口に角度調節が可能なベーンが取り付けられているので、該ベーンを遠隔操作して温度ムラを容易に改善ができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る天井埋め込み型の空調システムの実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の空調システムに係る実施例の概略系統図である。図1において、格子の一辺または二辺分の長さのT字状天井骨材1は、断面がT字状をした部材の両端に設けられた差込部を互いに組み合わせて格子状の天井材保持面1a(図3参照)を形成することができるようになっている。すなわち、天井材保持面1aが上面に位置するようにT字状天井骨材1が逆T字状態に組み合わされている。天井材2をのせる天井材保持面1aより上方に立ち上がった立ち上がり部1bに、吊り下げ用取り付け穴(図示せず)が設けられ、該取り付け穴に天井スラブ15に固定されたワイヤー16(または吊ボルト)が通され、適度な長さに調節されて天井材保持面1aが天井スラブ15より懸架される。ワイヤー16は、T字状天井骨材1と天井材2との合計重量に十分耐えられる強度を有するように太さおよび本数が設定されている。天井保持面1aは、居室側と天井裏側とに部屋が仕切られるよう天井全面に設置され、天井保持面1aのT字状天井骨材1の立ち上がり部1bにより形成される正方形よりわずかに小さい寸法の天井材2をT字状天井骨材1の天井材保持面1aに載置して天井が施工される。施工にあたって天井材2は、天井保持面1aの下方より斜めにしてT字状天井骨材1の格子を通過させる。そして、天井保持面1aの上方において天井保持面1aに面を合わせた方向に天井材2の方向を調整したのち、降下させて天井保持面1aに載置される。
【0012】
天井材2の寸法(長さ)は、300ないし1000mmの範囲にすることが好ましい。その理由は、1000mm以上になると使用される天井材2や空気吹出し口の全体寸法が大きくなり、また重くなって作業者の作業性が損なわれる。また、300mm以下では天井材2やT字状天井骨材1が多量に必要になり、作業量及び部材が増え、費用増加につながる。
【0013】
天井裏には、天井スラブ15より吊り下がっている吊ボルト17に天井埋め込み型の空調機本体6、熱交換器3、送風機4を収納するケーシング5が取り付けられている。空調機本体6の空気(AIR)吹出し側には、可とう性を有するダクト12が接続されており、該ダクト12のもう一端(空気吹出し側と反対側)には空気吹出し口8が取り付けられている。空気吹出し口8の外形寸法は、前記天井材2と同一寸法にて製作されており、天井材2に替えて、空気吹出し口8がT字状天井骨材1の天井保持面1aに載置される。したがって、空気吹出し口8は空調機本体6の近傍に設置される。空気吹出し口8は小型軽量に構成されており、このため天井スラブ15より空気吹出し口8のみを吊り下げる専用の吊ボルトは必要がなくなる。また、空気吹出し口8は、斜め下方向に全周にわたって空気を吹出し、このため居室内の広い範囲に調和空気を吹出すことができるようになっている。天井の格子の一部には、空気が通過できる貫通穴を有する天井材18(または照明器具)が形成されている。
【0014】
これにより、天井裏に設置されている空調機本体6より吹出された調和空気は、接続ダクト12を通って空気吹出し口8より居室内へ吹出される。吹出された空気は居室内を循環した後、天井材2の前記貫通穴より天井裏に入る。天井裏内を流れて送風機4の空気吸込み口より吸い込まれ、再び調和空気となって空気吹出し口8から吹出される。
【0015】
本実施例によれば、従来構成による空調システムに比べて、天井面に天井開口部を別途設けること、その周囲を補強すること、空気吹出し口も天井スラブより専用吊ボルトで吊り下げることなどの必要がなくなる。このため、工事の時間、費用を削減できる効果がある。また、工事にともなう天井材の端材、天井骨材の端材等が発生せず、廃棄物を処理する必要がなくなる。さらに設置後の空調の計画変更があった場合でも、空気吹出し口と変更移動先の天井材とを入れ替え、接続ダクトの長さを調整することで実施することができ、新たに天井開口部を設置するために天井材を切断すること、その周囲を補強すること、空気吹出し口専用の吊ボルトを設置することなどの必要がなくなり、工事の時間、費用を削減できる効果がある。
【0016】
図2は、本発明の空調システムに係る他の実施例の概略系統図、図3は、図1のA部拡大図である。
前記実施例と異なる点は、空気吹出し口8に風向切替用ベーン9、該ベーン9の風向角度を切替える電動機10、電動機10へ信号を送って電動機10の回転運動、往復運動もしくは任意角度に固定する遠隔操作機11が備えられていることである。このため、空気吹出し口8の据付位置が、たとえば窓際にあるものにおいては、調和空気の吹出し方向を窓側に集中させることができる。
本実施例によれば、空調負荷の大きい方向に集中的に調和空気を吹出すことができ、効率的な空調が実施できる。また、風向切替用ベーンにより、居室内の温度ムラを低減することができる。
【0017】
図4は、本発明の空調システムに係るさらに他の実施例の上面図、図5は、図4の図示下方からみた側面図である。
上記実施例と異なる点は、空調機本体6に略楕円形に形成された接続フランジ7が設けられており、該接続フランジ7に、該接続フランジ7と同一円周長を有し、略楕円形に形成され可とう性の接続ダクト12´の一端が接続されるものである。また、接続ダクト12´の他端には、空気吹出し口8´が接続されるものである。
本実施例によれば、空調機本体の高さ方向の寸法を低くすることができ、天井裏の寸法が大きく取れない場所(すなわち天井裏高さが低い場所)にも本空調システムを設置することができる。
【0018】
図6は、本発明の空調システムに係るさらに他の実施例の下面図で、(A),(B),(C)は変形例である。
(A)は、空調機本体6が1台の場合であって、該空調機本体6は2本の接続フランジ7´を備え、該2本の接続フランジ7´のそれぞれに可とう性接続ダクト12´の一端が接続され、該接続ダクト12´の他端のそれぞれに空気吹出し口8´が取り付けられている例である。すなわち、2箇所の空気吹出し口8´から調和空気を吹出すことができるようになっている。
同様に(B)は、空調機本体6が1台に対して、3本のダクト12´が接続されている例、(C)は空調機本体6が1台に対して、4本のダクト12´が接続されている例である。
本実施例によれば、居室内の空調のムラをさらに改善できる効果がある。
【0019】
図7は、本発明の空調システムに係るさらに他の実施例の概略系統図である。本実施例は、複数台が設置された空調機本体6のそれぞれに集中制御装置13が備えられ、さらにこれら複数の集中制御装置13を一括して制御できる集中制御指令装置14が設けられているものである。集中制御指令装置14には各空調機本体6の吸込み空気温度が均一になるよう空調機本体6が運転できるようにプログラムされており、集中制御指令装置14によって複数の空調機本体6の設定温度、風量等が切替えられるようになっている。
本実施例によれば、一箇所の集中制御指令装置を操作するだけで、居室内の空調のムラを改善できる効果がある。
【0020】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、天井埋め込み型の空調システムにおいて、設置が容易な構造にして設置時間、設置費用が削減されるとともに、天井材、天井骨材の破材を削減し処理費用が削減される。
また本発明によれば、天井埋め込み型の空調システムにおいて、計画変更にも天井材、天井骨材を新たに加工することなく対応できるとともに、空調機本体のメンテナンス用の点検口を専用に設ける必要がないために美的外観が確保される。
さらに本発明によれば、天井埋め込み型の空調システムにおいて、空気吹出し口に角度調節が可能がベーンが取り付けられ、該ベーンを遠隔操作することによって温度ムラが容易に改善される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の空調システムに係る実施例の概略系統図である。
【図2】本発明の空調システムに係る他の実施例の概略系統図である。
【図3】図1のA部拡大図である。
【図4】本発明の空調システムに係るさらに他の実施例の上面図である。
【図5】図4の図示下方からみた側面図である。
【図6】本発明の空調システムに係るさらに他の実施例の下面図で、(A),(B),(C)は変形例である。
【図7】本発明の空調システムに係るさらに他の実施例の概略系統図である。
【符号の説明】
1…T字状天井骨材、1a…天井保持面、1b…立ち上がり部、2…天井材、3…熱交換器、4…送風機、5…ケーシング、6…空調機本体、7、7´…接続フランジ、8、8´…空気吹出し口、9…風向切替用ベーン、10…電動機、11…遠隔操作機、12、12´、12´´…接続ダクト、13…集中制御装置、14…集中制御指令装置、15…天井スラブ、16…ワイヤー、17…吊ボルト、18…貫通穴を有する天井材。
【発明の属する技術分野】
本発明は、格子状に枠組みされたT字状天井骨材に天井材を組み合わせて構成される、いわゆる簡易施工天井(グリッド天井と称される)に据え付けるのに好適な天井埋め込み型の空調システに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、簡易施工天井に天井埋め込み型の空調システムが据え付けられる場合には、T字状天井骨材にネジ止めされている天井材および骨材の一部を切り欠きながら、空気吹出し口を嵌め込むための天井開口部を天井面に設け、該天井開口部へ空気吹出し口を嵌め込んだ後、天井スラブより吊り下げられた吊ボルトに空気吹出し口を固定するようになっていた。
【0003】
また従来、大型の簡易施工天井に天井埋め込み型の空調システムを据え付ける場合には、天井材と空気吹出し口とを組み合わせた大型天井材等が利用されている。
【0004】
なお本技術に関連するものとして、例えば特開平6―272949号公報に記載されるものが挙げられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前者では天井面に設けられた天井開口部の周囲に補強のための天井骨材を新たに設置する必要があるとともに、空気吹出し口を独自に天井スラブより吊り下げる必要があり、設置工事に費用、時間とも多くかかるものであった。また、天井材の切断による破材、天井骨材の切断による破材が生じ、廃棄処理に費用がかかった。
【0006】
また後者では、天井材と空気吹出し口とを組み合わせて構成された大型天井材は、寸法、重量により作業性が悪く据え付けにくいものであった。
さらに前記両者とも、空調システムの計画変更による空気吹出し口の位置変更は容易でなく、また吹出し口の設置に対しても自由度が少なく空調空間のムラは改善しにくいものであった。さらに、空調機本体のメンテナンス用に点検口を別途設置する必要があり、天井面の外観を損なうものになっていた。
【0007】
本発明の目的は、設置が容易な構造であって設置時間、設置費用を削減するとともに、天井材、天井骨材の破材を削減し処理費用が削減される天井埋め込み型の空調システムを提供することにある。
また、本発明の目的は、空調システムの計画変更にも天井材、天井骨材などを新たに加工することなく対応できるとともに、空調機本体のメンテナンス用の点検口を専用に設ける必要がないために美的外観が確保される天井埋め込み型の空調システムを提供することにある。
さらに本発明の目的は、空気吹出し口に角度調節が可能なようにベーンが取り付けられ、該ベーンを遠隔操作して温度ムラが容易に改善される天井埋め込み型の空調システムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明に係る天井埋め込み型の空調システムの発明は、格子状に枠組みしたT字状天井骨材に天井材を組み合わせて簡易施工天井を構成し、熱交換器、送風機を備える空調機本体に連結される接続ダクト、該接続ダクトに接続される空気吹出し口を前記簡易施工天井に取り付ける天井埋め込み型の空調システムにおいて、前記空気吹出し口の外法寸法は、前記天井材と同一寸法に形成され、該空気吹出し口が、前記T字状天井骨材に載置されている。
【0009】
上記構成により、天井材や天井骨材を空気吹出し口の天井開口部を設けるために切断する必要がなくなる。また、空気吹出し口を小型化することにより、空気吹出し口を独自に吊ボルトにて吊り下げる必要がなく、すでに吊り下げられている簡易施工天井の天井骨材に載置することができるようになる。
空調の計画変更時には、空気吹出し口を変更予定の位置に嵌っている天井材と変更することにより、新たに天井材や吊ボルトを設置することなく空気吹出し口の位置変更を実施することができる。
天井材は小型化して空調機下面に配置されているため、空調機のメンテナンス時には、天井材の一枚または複数枚を天井面の下方から天井骨材の隙間より抜き取ることにより点検することが可能となり、別途天井面に点検口を設ける必要がなくなる。
【0010】
また上記目的を達成するために本発明に係る天井埋め込み型の空調システムに係る他の発明は、格子状に枠組みされたT字状天井骨材に天井材を組み合わせて簡易施工天井を構成し、熱交換器、送風機を備える空調機本体に連結される接続ダクト、該接続ダクトに接続される空気吹出し口を前記簡易施工天井に取り付ける天井埋め込み型の空調システムにおいて、前記空気吹出し口の外形寸法は、前記天井材と同一寸法に形成され、該空気吹出し口が、前記T字状天井骨材に載置され、前記空気吹出し口に、風向切替用のベーンが設けられ、該風向切替用のベーン角度は、電動機によって遠隔操作できるものである。
上記構成により、空気吹出し口に角度調節が可能なベーンが取り付けられているので、該ベーンを遠隔操作して温度ムラを容易に改善ができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る天井埋め込み型の空調システムの実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の空調システムに係る実施例の概略系統図である。図1において、格子の一辺または二辺分の長さのT字状天井骨材1は、断面がT字状をした部材の両端に設けられた差込部を互いに組み合わせて格子状の天井材保持面1a(図3参照)を形成することができるようになっている。すなわち、天井材保持面1aが上面に位置するようにT字状天井骨材1が逆T字状態に組み合わされている。天井材2をのせる天井材保持面1aより上方に立ち上がった立ち上がり部1bに、吊り下げ用取り付け穴(図示せず)が設けられ、該取り付け穴に天井スラブ15に固定されたワイヤー16(または吊ボルト)が通され、適度な長さに調節されて天井材保持面1aが天井スラブ15より懸架される。ワイヤー16は、T字状天井骨材1と天井材2との合計重量に十分耐えられる強度を有するように太さおよび本数が設定されている。天井保持面1aは、居室側と天井裏側とに部屋が仕切られるよう天井全面に設置され、天井保持面1aのT字状天井骨材1の立ち上がり部1bにより形成される正方形よりわずかに小さい寸法の天井材2をT字状天井骨材1の天井材保持面1aに載置して天井が施工される。施工にあたって天井材2は、天井保持面1aの下方より斜めにしてT字状天井骨材1の格子を通過させる。そして、天井保持面1aの上方において天井保持面1aに面を合わせた方向に天井材2の方向を調整したのち、降下させて天井保持面1aに載置される。
【0012】
天井材2の寸法(長さ)は、300ないし1000mmの範囲にすることが好ましい。その理由は、1000mm以上になると使用される天井材2や空気吹出し口の全体寸法が大きくなり、また重くなって作業者の作業性が損なわれる。また、300mm以下では天井材2やT字状天井骨材1が多量に必要になり、作業量及び部材が増え、費用増加につながる。
【0013】
天井裏には、天井スラブ15より吊り下がっている吊ボルト17に天井埋め込み型の空調機本体6、熱交換器3、送風機4を収納するケーシング5が取り付けられている。空調機本体6の空気(AIR)吹出し側には、可とう性を有するダクト12が接続されており、該ダクト12のもう一端(空気吹出し側と反対側)には空気吹出し口8が取り付けられている。空気吹出し口8の外形寸法は、前記天井材2と同一寸法にて製作されており、天井材2に替えて、空気吹出し口8がT字状天井骨材1の天井保持面1aに載置される。したがって、空気吹出し口8は空調機本体6の近傍に設置される。空気吹出し口8は小型軽量に構成されており、このため天井スラブ15より空気吹出し口8のみを吊り下げる専用の吊ボルトは必要がなくなる。また、空気吹出し口8は、斜め下方向に全周にわたって空気を吹出し、このため居室内の広い範囲に調和空気を吹出すことができるようになっている。天井の格子の一部には、空気が通過できる貫通穴を有する天井材18(または照明器具)が形成されている。
【0014】
これにより、天井裏に設置されている空調機本体6より吹出された調和空気は、接続ダクト12を通って空気吹出し口8より居室内へ吹出される。吹出された空気は居室内を循環した後、天井材2の前記貫通穴より天井裏に入る。天井裏内を流れて送風機4の空気吸込み口より吸い込まれ、再び調和空気となって空気吹出し口8から吹出される。
【0015】
本実施例によれば、従来構成による空調システムに比べて、天井面に天井開口部を別途設けること、その周囲を補強すること、空気吹出し口も天井スラブより専用吊ボルトで吊り下げることなどの必要がなくなる。このため、工事の時間、費用を削減できる効果がある。また、工事にともなう天井材の端材、天井骨材の端材等が発生せず、廃棄物を処理する必要がなくなる。さらに設置後の空調の計画変更があった場合でも、空気吹出し口と変更移動先の天井材とを入れ替え、接続ダクトの長さを調整することで実施することができ、新たに天井開口部を設置するために天井材を切断すること、その周囲を補強すること、空気吹出し口専用の吊ボルトを設置することなどの必要がなくなり、工事の時間、費用を削減できる効果がある。
【0016】
図2は、本発明の空調システムに係る他の実施例の概略系統図、図3は、図1のA部拡大図である。
前記実施例と異なる点は、空気吹出し口8に風向切替用ベーン9、該ベーン9の風向角度を切替える電動機10、電動機10へ信号を送って電動機10の回転運動、往復運動もしくは任意角度に固定する遠隔操作機11が備えられていることである。このため、空気吹出し口8の据付位置が、たとえば窓際にあるものにおいては、調和空気の吹出し方向を窓側に集中させることができる。
本実施例によれば、空調負荷の大きい方向に集中的に調和空気を吹出すことができ、効率的な空調が実施できる。また、風向切替用ベーンにより、居室内の温度ムラを低減することができる。
【0017】
図4は、本発明の空調システムに係るさらに他の実施例の上面図、図5は、図4の図示下方からみた側面図である。
上記実施例と異なる点は、空調機本体6に略楕円形に形成された接続フランジ7が設けられており、該接続フランジ7に、該接続フランジ7と同一円周長を有し、略楕円形に形成され可とう性の接続ダクト12´の一端が接続されるものである。また、接続ダクト12´の他端には、空気吹出し口8´が接続されるものである。
本実施例によれば、空調機本体の高さ方向の寸法を低くすることができ、天井裏の寸法が大きく取れない場所(すなわち天井裏高さが低い場所)にも本空調システムを設置することができる。
【0018】
図6は、本発明の空調システムに係るさらに他の実施例の下面図で、(A),(B),(C)は変形例である。
(A)は、空調機本体6が1台の場合であって、該空調機本体6は2本の接続フランジ7´を備え、該2本の接続フランジ7´のそれぞれに可とう性接続ダクト12´の一端が接続され、該接続ダクト12´の他端のそれぞれに空気吹出し口8´が取り付けられている例である。すなわち、2箇所の空気吹出し口8´から調和空気を吹出すことができるようになっている。
同様に(B)は、空調機本体6が1台に対して、3本のダクト12´が接続されている例、(C)は空調機本体6が1台に対して、4本のダクト12´が接続されている例である。
本実施例によれば、居室内の空調のムラをさらに改善できる効果がある。
【0019】
図7は、本発明の空調システムに係るさらに他の実施例の概略系統図である。本実施例は、複数台が設置された空調機本体6のそれぞれに集中制御装置13が備えられ、さらにこれら複数の集中制御装置13を一括して制御できる集中制御指令装置14が設けられているものである。集中制御指令装置14には各空調機本体6の吸込み空気温度が均一になるよう空調機本体6が運転できるようにプログラムされており、集中制御指令装置14によって複数の空調機本体6の設定温度、風量等が切替えられるようになっている。
本実施例によれば、一箇所の集中制御指令装置を操作するだけで、居室内の空調のムラを改善できる効果がある。
【0020】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、天井埋め込み型の空調システムにおいて、設置が容易な構造にして設置時間、設置費用が削減されるとともに、天井材、天井骨材の破材を削減し処理費用が削減される。
また本発明によれば、天井埋め込み型の空調システムにおいて、計画変更にも天井材、天井骨材を新たに加工することなく対応できるとともに、空調機本体のメンテナンス用の点検口を専用に設ける必要がないために美的外観が確保される。
さらに本発明によれば、天井埋め込み型の空調システムにおいて、空気吹出し口に角度調節が可能がベーンが取り付けられ、該ベーンを遠隔操作することによって温度ムラが容易に改善される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の空調システムに係る実施例の概略系統図である。
【図2】本発明の空調システムに係る他の実施例の概略系統図である。
【図3】図1のA部拡大図である。
【図4】本発明の空調システムに係るさらに他の実施例の上面図である。
【図5】図4の図示下方からみた側面図である。
【図6】本発明の空調システムに係るさらに他の実施例の下面図で、(A),(B),(C)は変形例である。
【図7】本発明の空調システムに係るさらに他の実施例の概略系統図である。
【符号の説明】
1…T字状天井骨材、1a…天井保持面、1b…立ち上がり部、2…天井材、3…熱交換器、4…送風機、5…ケーシング、6…空調機本体、7、7´…接続フランジ、8、8´…空気吹出し口、9…風向切替用ベーン、10…電動機、11…遠隔操作機、12、12´、12´´…接続ダクト、13…集中制御装置、14…集中制御指令装置、15…天井スラブ、16…ワイヤー、17…吊ボルト、18…貫通穴を有する天井材。
Claims (6)
- 格子状に枠組みされたT字状天井骨材に天井材を組み合わせて簡易施工天井を構成し、熱交換器、送風機を備える空調機本体に連結される接続ダクト、該接続ダクトに接続される空気吹出し口を前記簡易施工天井に取り付ける天井埋め込み型の空調システムにおいて、
前記空気吹出し口の外形寸法は、前記天井材と同一寸法に形成され、
該空気吹出し口が、前記T字状天井骨材に載置されていることを特徴とする天井埋め込み型の空調システム。 - 前記天井材の一辺の寸法は、300ないし1000mmの範囲とすることを特徴とする請求項1に記載の天井埋め込み型の空調システム。
- 前記接続ダクトは略楕円形に形成されて可とう性を有し、該接続ダクトは、前記空調機本体の略楕円形に形成された接続フランジに接続されることを特徴とする請求項1に記載の天井埋め込み型の空調システム。
- 前記空調機本体は、前記複数の接続ダクト及びそれぞれ複数の接続ダクトに接続された空気吹出し口に接続されることを特徴とする請求項1に記載の天井埋め込み型の空調システム。
- 格子状に枠組みされたT字状天井骨材に天井材を組み合わせて簡易施工天井を構成し、熱交換器、送風機を備える空調機本体に連結される接続ダクト、該接続ダクトに接続される空気吹出し口を前記簡易施工天井に取り付ける天井埋め込み型の空調システムにおいて、
前記空気吹出し口の外形寸法は、前記天井材と同一寸法に形成され、
該空気吹出し口は、前記T字状天井骨材に載置され、
該空気吹出し口に、風向切替用のベーンが設けられ、
該風向切替用のベーン角度は、電動機によって遠隔操作されるものであることを特徴とする天井埋め込み型の空調システム。 - 前記空調機本体は複数で構成されてそれぞれに集中制御装置が備えられ、該複数の集中制御装置が一括制御される集中制御指令装置が設けられていることを特徴とする請求項5に記載の天井埋め込み型の空調システム。
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-
2002
- 2002-06-06 JP JP2002165235A patent/JP2004012001A/ja not_active Withdrawn
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