JP2004011697A - エア抜き用の栓部材 - Google Patents
エア抜き用の栓部材 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004011697A JP2004011697A JP2002163368A JP2002163368A JP2004011697A JP 2004011697 A JP2004011697 A JP 2004011697A JP 2002163368 A JP2002163368 A JP 2002163368A JP 2002163368 A JP2002163368 A JP 2002163368A JP 2004011697 A JP2004011697 A JP 2004011697A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- air
- air hole
- main body
- housing
- hole
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Closures For Containers (AREA)
- Self-Closing Valves And Venting Or Aerating Valves (AREA)
- Supply Devices, Intensifiers, Converters, And Telemotors (AREA)
Abstract
【課題】エア孔P1、P2からオイルが流出することを防止する。
【解決手段】エア孔P1付きの本体11と、エア孔P2付きの蓋体12とを組み合わせ、多孔質の遮蔽材15を設ける。
本体11をギヤボックスのハウジング21の給油口21aに装着すると、エア孔P1、P2は、ハウジング21の内外に連通するエア経路を形成し、遮蔽材15は、エア経路を通気可能に遮断してエアだけを流通させる。
【選択図】 図1
【解決手段】エア孔P1付きの本体11と、エア孔P2付きの蓋体12とを組み合わせ、多孔質の遮蔽材15を設ける。
本体11をギヤボックスのハウジング21の給油口21aに装着すると、エア孔P1、P2は、ハウジング21の内外に連通するエア経路を形成し、遮蔽材15は、エア経路を通気可能に遮断してエアだけを流通させる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、オイルなどが不用意に流出するおそれがないエア抜き用の栓部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえばギヤボックスの給油口には、エア孔を有する給油口栓が取外し可能に装着されている。
【0003】
給油口栓のエア孔は、ギヤボックスのハウジングの内外を連通させる。すなわち、エア孔は、運転中の油温の上昇によりハウジング内のエア圧が上昇すると、内部のエアをハウジング外に放出させ、ハウジング内のエア圧が低下すると、外部のエアをハウジング内に導入し、ハウジング内のエア圧を一定にしてオイル漏れを防止することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
かかる従来技術によるときは、エア孔は、エアが通る数mm程度の径に形成されているから、エアの放出時にオイルも外部に流出しがちであるという問題があった。なお、輸送中のオイル漏れを防止するために、運転開始までエア孔を閉じておくことが推奨されているが、運転に際してエア孔を開くことを忘れ、思わぬオイル漏れを発生させることが少なくないという問題もあった。
【0005】
そこで、この発明の目的は、かかる従来技術の問題に鑑み、エア経路を通気可能に遮断する遮蔽材を設けることによって、輸送中や運転中にオイルなどが流出するおそれがないエア抜き用の栓部材を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するためのこの発明の構成は、ハウジングに形成する取付孔に着脱可能に装着し、ハウジングの内外に連通するエア経路を有する栓部材であって、エア経路を栓部材の内部において通気可能に遮断する多孔質の遮蔽材を備えることをその要旨とする。
【0007】
なお、エア経路を形成するエア孔付きの本体、エア孔付きの蓋体を組み合わせ、遮蔽材は、エア孔の一方または双方を閉じることができる。
【0008】
また、エア経路を形成するエア孔付きの本体から形成し、遮蔽材は、エア孔を閉じることができ、本体には、エア孔の開口部分を保護するカバー材を付設することができる。
【0009】
さらに、エア経路を形成するエア孔付きの本体、エア孔付きの補助ブロックを組み合わせ、遮蔽材は、エア孔の一方または双方を閉じてもよい。
【0010】
なお、遮蔽材は、シート状に広げて対応するエア孔を閉じることができる。
【0011】
【作用】
かかる発明の構成によるときは、遮蔽材は、ハウジングの内外に連通するエア経路を通気可能に遮断し、エアだけをエア経路に流通させ、オイルなどの液体を流通させることがない。すなわち、ハウジング内のエア圧が変動しても、エア通路を介してエアが流通し、ハウジング内のエア圧を一定に保つことができ、このとき、オイルなどが外部に流出するおそれがない。なお、遮蔽材は、栓部材の内部においてエア経路を遮断するため、不用意に脱落したり、汚れたりすることがない。ただし、遮蔽材としては、径0.3〜3μmの均一な気孔を約50万個/in2程度有する厚さ数10μmのポリウレタン製の多孔質のシート材を使用することができ、たとえば石川県根上町所在の平松産業株式会社製の商品名「ルストレFGX」が好適である。
【0012】
エア孔付きの本体、蓋体を組み合わせれば、両者のエア孔と、両者の内部空間とを介してエア経路を形成することができ、遮蔽材は、両者の一方または双方の内部において、一方または双方のエア孔を閉じることにより、エア経路を通気可能に遮断することができる。
【0013】
エア孔付きの本体は、その内部においてエア孔を閉じる遮蔽材を介し、エア経路を通気可能に遮断することができる。なお、ここでいう内部とは、直接外部に露出しない本体の外側部分を含むものとする。
【0014】
エア孔付きの本体にカバー材を付設すれば、カバー材は、たとえば本体の上面に開口するエア孔を上方から閉じる遮蔽材を有効に保護することができる。
【0015】
エア孔付きの本体、補助ブロックを組み合わせるときは、補助ブロックは、たとえばハウジング内にエア孔を横向きに開口させることにより、オイルなどの流出を一層有効に防止することができる。
【0016】
遮蔽材は、シート状に広げることにより、エア孔の開口部分を極めて簡単に閉じることができる。なお、シート状に広げて使用する遮蔽材は、1枚だけでもよく、複数枚を重ねて通気性を調節してもよい。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を以って発明の実施の形態を説明する。
【0018】
エア抜き用の栓部材は、エア孔P1付きの本体11と、エア孔P2付きの蓋体12とを組み合わせ、多孔質の遮蔽材15を備えてなる(図1、図2)。なお、栓部材は、たとえばギヤボックスのハウジング21に形成する給油口21aとしての取付孔に着脱可能に装着して使用する。
【0019】
本体11は、たとえば耐油性のゴム材や合成樹脂材から一体成形されており、適度の弾性を有するものとする。本体11は、給油口21aに適合する浅い有底円筒状に形成されている。本体11の上部には、外フランジ11aが形成され、外フランジ11aの内面には、リング状の係合溝11bが形成されている。また、本体11の底面には、エア孔P1が中心部に形成され、本体11の下部外周には、外向きに断面山形に膨出するリング状の係合突部11cが形成されている。
【0020】
蓋体12は、中心部が僅かにドーム状に膨出する円板状に形成され、蓋体12の外周には、段12aを介して外フランジ12bが形成されている。また、蓋体12には、エア孔P2が偏心位置に形成されている。蓋体12は、外フランジ12bを本体11の係合溝11bに嵌め込むことにより、本体11の上部を閉じるようにして本体11と一体に組み立てることができる。そこで、エア孔P1、P2は、本体11、蓋体12の各内部を通るエア経路Kを形成することができ、エア経路Kは、ハウジング21の内外に連通している。
【0021】
遮蔽材15は、たとえば厚さ30〜35μmのポリウレタン製の多孔質のシート材である。遮蔽材15は、本体11の底面上において、底面のほぼ全体に広げて貼着され、本体11のエア孔P1を通気可能に閉じることにより、栓部材の内部においてエア経路Kを通気可能に遮断することができる。
【0022】
かかる栓部材は、ハウジング21の給油口21aに着脱自在に装着し、係合突部11cを給油口21aの内側に弾発的に係合させて外れ止めするとともに、給油口21aを塞ぐことができる。また、栓部材は、ハウジング21内のエア圧が上昇すると、エア経路Kを介し、遮蔽材15を通してハウジング21内のエアだけを外部に放出し、ハウジング21内のエア圧が低下すると、エア経路Kを介し、遮蔽材15を通してハウジング21内にエアを導入することができる。
【0023】
【他の実施の形態】
シート状の遮蔽材15は、本体11、蓋体12の間に挟み込むようにして栓部材の内部に設けてもよい(図3(A))。なお、遮蔽材15は、本体11の係合溝11bの下壁の上面、または蓋体12の外フランジ12bの下面に外周部分を貼着し、エア孔P1、P2を間接的に閉じてエア経路Kを通気可能に遮断することができる。ただし、遮蔽材15は、蓋体12の天面のほぼ全面に貼着してエア孔P2を直接閉じてもよい(同図(B))。
【0024】
栓部材は、ハウジング21の内部に向けて開口する深い中空部11dを有するエア孔P1付きの本体11から形成してもよい(図4)。ただし、エア孔P1は、中空部11dの奥部に横向きに形成され、ハウジング21の外部において本体11の外側面に開口しており、本体11の上部外周には、エア孔P1の外側の開口部分を保護するスカート部11eが垂設されている。そこで、ハウジング21の内外に連通するエア経路Kは、中空部11d、エア孔P1、スカート部11eの内側の隙間11e1を通るように形成されている。なお、図4の栓部材は、本体11の中間部外周に下向きに形成する係合突部11f、本体11の下部外周に外向きに形成する係合突部11cを介し、ハウジング21を挟み込むようにして給油口21aに着脱可能に装着することができる。
【0025】
遮蔽材15は、エア孔P1の内側または外側の開口部分を閉じるようにして貼着することができる(図4の一点鎖線、二点鎖線)。なお、遮蔽材15は、エア孔P1の内側、外側の開口部分の双方を閉じてもよい。遮蔽材15は、エア孔P1の外側の開口部分を閉じる場合であっても、スカート部11eによって保護されて本体11の外部に露出することがない。
【0026】
栓部材は、ハウジング21の内部に向けて開口する中空部11dを有するエア孔P1、P1…付きの本体11に対し、エア孔P1、P1…の開口部分を保護するカバー材13を付設して形成することができる(図5)。
【0027】
本体11の上部には、大径の平板状の笠部11gが形成されており、本体11の軸方向のエア孔P1、P1…は、笠部11gの中心部に1個、周縁部に複数個が形成され、カバー材13は、笠部11gに対して上方から嵌合されている。ただし、笠部11gの上面、カバー材13の天面の間には、間隙dが形成されている。各エア孔P1の一端は、間隙dに開口し、笠部11gの中心部のエア孔P1の他端は、中空部11dの天面に開口し、周縁部のエア孔P1、P1の他端は、ハウジング21の外部の笠部11gの下面に開口している。そこで、ハウジング21の内外に連通するエア経路Kは、中空部11d、中心部のエア孔P1、間隙d、周縁部のエア孔P1、P1を介して形成されている。なお、図5の栓部材は、本体11の中間部、下部の係合リブ11h、11hを弾性変形させるようにしてハウジング21の給油口21aに着脱可能に装着することができる。
【0028】
遮蔽材15は、中空部11dの天面に貼着して中心部のエア孔P1の開口部分を閉じ、または、笠部11gの上面に貼着して中心部、周縁部のエア孔P1、P1…の開口部分を閉じることができる(図5の一点鎖線、二点鎖線)。なお、遮蔽材15は、中空部11dの天面、笠部11gの上面の双方に貼着してもよい。
【0029】
栓部材は、中空部11dを有するエア孔P1、P1付きの本体11に対し、エア孔P3、P3付きの補助ブロック14をハウジング21の内側から組み合わせて形成してもよい(図6)。
【0030】
本体11側の横向きのエア孔P1、P1は、中空部11dの奥部において斜め下向きに形成されており(同図(A))、笠部11gの下側においてハウジング21の外部に開口している。一方、補助ブロック14側のエア孔P3、P3は、ハウジング21の内側において横向きに開口しており、補助ブロック14、本体11の軸方向に屈曲して中空部11dに上向きに開口している。なお、各エア孔P3は、補助ブロック14の本体11との接触部分に溝形に形成されている。また、補助ブロック14は、ねじ付きのステム14aを本体11の天面のボス11kにねじ込むことにより、本体11に組み付けられている。
【0031】
補助ブロック14は、本体11の中空部11dに圧入して組み立て(同図(B))、ハウジング21の内側に横向きに開口するエア孔P3、P3は、共通の軸方向のエア孔P4を介して中空部11dに開口させてもよい。なお、図6(A)、(B)の栓部材は、それぞれ本体11の下部外面の雄ねじ11mを介して給油口21aにねじ込まれている。
【0032】
遮蔽材15は、補助ブロック14の上面に貼着して、中空部11dに開口する各エア孔P3またはエア孔P4の一端を閉じてもよく(図6(A)、(B)の各一点鎖線)、中空部11dの奥部に開口する各エア孔P1の一端を閉じてもよい(同図(A)、(B)の各二点鎖線)。図6(A)において、ハウジング21の内外に連通するエア経路K、Kは、それぞれエア孔P3、中空部11d、エア孔P1を介して形成されており、図6(B)において、同様のエア経路Kは、エア孔P3、P3、共通のエア孔P4、中空部11d、エア孔P1、P1を介して形成されている。
【0033】
以上の説明において、遮蔽材15は、エア孔Pi(i=1、2…)を閉じてエア経路Kを通気可能に遮断することができればよく、図示以外の任意の構造とすることができる。たとえば、遮蔽材15は、エア孔Piの一端の開口部分を閉じるに代えて、エア孔Piに対し、シート状のものを丸めて装填してもよく(図7(A))、ブロック状に成形して装填してもよい(同図(B))。また、図1〜図6において、シート状の遮蔽材15は、1箇所に2枚以上を重ねて使用してもよい。
【0034】
なお、栓部材は、ギヤボックスの給油口21aの他、ギヤボックスのエア抜き孔や、任意の機械装置のオイル、冷却水などの液体を収容するタンクの補給口やエア抜き孔を含む任意の取付孔にも広く好適に使用することができる。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、栓部材のエア経路を通気可能に遮断する多孔質の遮蔽材を設けることによって、遮蔽材は、エア経路を通してエアだけを流通させ、オイルなどの流通を阻止することができるから、オイルなどが輸送中や運転中に流出するおそれがないという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】全体構成分解斜視図
【図2】図1の縦断面説明図
【図3】他の実施の形態を示す図2相当説明図(1)
【図4】他の実施の形態を示す図2相当図(1)
【図5】他の実施の形態を示す図2相当図(2)
【図6】他の実施の形態を示す図2相当説明図(2)
【図7】他の実施の形態を示す要部拡大説明図
【符号の説明】
K…エア経路
Pi(i=1、2…)…エア孔
11…本体
12…蓋体
13…カバー材
14…補助ブロック
15…遮蔽材
21…ハウジング
【発明の属する技術分野】
この発明は、オイルなどが不用意に流出するおそれがないエア抜き用の栓部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえばギヤボックスの給油口には、エア孔を有する給油口栓が取外し可能に装着されている。
【0003】
給油口栓のエア孔は、ギヤボックスのハウジングの内外を連通させる。すなわち、エア孔は、運転中の油温の上昇によりハウジング内のエア圧が上昇すると、内部のエアをハウジング外に放出させ、ハウジング内のエア圧が低下すると、外部のエアをハウジング内に導入し、ハウジング内のエア圧を一定にしてオイル漏れを防止することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
かかる従来技術によるときは、エア孔は、エアが通る数mm程度の径に形成されているから、エアの放出時にオイルも外部に流出しがちであるという問題があった。なお、輸送中のオイル漏れを防止するために、運転開始までエア孔を閉じておくことが推奨されているが、運転に際してエア孔を開くことを忘れ、思わぬオイル漏れを発生させることが少なくないという問題もあった。
【0005】
そこで、この発明の目的は、かかる従来技術の問題に鑑み、エア経路を通気可能に遮断する遮蔽材を設けることによって、輸送中や運転中にオイルなどが流出するおそれがないエア抜き用の栓部材を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するためのこの発明の構成は、ハウジングに形成する取付孔に着脱可能に装着し、ハウジングの内外に連通するエア経路を有する栓部材であって、エア経路を栓部材の内部において通気可能に遮断する多孔質の遮蔽材を備えることをその要旨とする。
【0007】
なお、エア経路を形成するエア孔付きの本体、エア孔付きの蓋体を組み合わせ、遮蔽材は、エア孔の一方または双方を閉じることができる。
【0008】
また、エア経路を形成するエア孔付きの本体から形成し、遮蔽材は、エア孔を閉じることができ、本体には、エア孔の開口部分を保護するカバー材を付設することができる。
【0009】
さらに、エア経路を形成するエア孔付きの本体、エア孔付きの補助ブロックを組み合わせ、遮蔽材は、エア孔の一方または双方を閉じてもよい。
【0010】
なお、遮蔽材は、シート状に広げて対応するエア孔を閉じることができる。
【0011】
【作用】
かかる発明の構成によるときは、遮蔽材は、ハウジングの内外に連通するエア経路を通気可能に遮断し、エアだけをエア経路に流通させ、オイルなどの液体を流通させることがない。すなわち、ハウジング内のエア圧が変動しても、エア通路を介してエアが流通し、ハウジング内のエア圧を一定に保つことができ、このとき、オイルなどが外部に流出するおそれがない。なお、遮蔽材は、栓部材の内部においてエア経路を遮断するため、不用意に脱落したり、汚れたりすることがない。ただし、遮蔽材としては、径0.3〜3μmの均一な気孔を約50万個/in2程度有する厚さ数10μmのポリウレタン製の多孔質のシート材を使用することができ、たとえば石川県根上町所在の平松産業株式会社製の商品名「ルストレFGX」が好適である。
【0012】
エア孔付きの本体、蓋体を組み合わせれば、両者のエア孔と、両者の内部空間とを介してエア経路を形成することができ、遮蔽材は、両者の一方または双方の内部において、一方または双方のエア孔を閉じることにより、エア経路を通気可能に遮断することができる。
【0013】
エア孔付きの本体は、その内部においてエア孔を閉じる遮蔽材を介し、エア経路を通気可能に遮断することができる。なお、ここでいう内部とは、直接外部に露出しない本体の外側部分を含むものとする。
【0014】
エア孔付きの本体にカバー材を付設すれば、カバー材は、たとえば本体の上面に開口するエア孔を上方から閉じる遮蔽材を有効に保護することができる。
【0015】
エア孔付きの本体、補助ブロックを組み合わせるときは、補助ブロックは、たとえばハウジング内にエア孔を横向きに開口させることにより、オイルなどの流出を一層有効に防止することができる。
【0016】
遮蔽材は、シート状に広げることにより、エア孔の開口部分を極めて簡単に閉じることができる。なお、シート状に広げて使用する遮蔽材は、1枚だけでもよく、複数枚を重ねて通気性を調節してもよい。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を以って発明の実施の形態を説明する。
【0018】
エア抜き用の栓部材は、エア孔P1付きの本体11と、エア孔P2付きの蓋体12とを組み合わせ、多孔質の遮蔽材15を備えてなる(図1、図2)。なお、栓部材は、たとえばギヤボックスのハウジング21に形成する給油口21aとしての取付孔に着脱可能に装着して使用する。
【0019】
本体11は、たとえば耐油性のゴム材や合成樹脂材から一体成形されており、適度の弾性を有するものとする。本体11は、給油口21aに適合する浅い有底円筒状に形成されている。本体11の上部には、外フランジ11aが形成され、外フランジ11aの内面には、リング状の係合溝11bが形成されている。また、本体11の底面には、エア孔P1が中心部に形成され、本体11の下部外周には、外向きに断面山形に膨出するリング状の係合突部11cが形成されている。
【0020】
蓋体12は、中心部が僅かにドーム状に膨出する円板状に形成され、蓋体12の外周には、段12aを介して外フランジ12bが形成されている。また、蓋体12には、エア孔P2が偏心位置に形成されている。蓋体12は、外フランジ12bを本体11の係合溝11bに嵌め込むことにより、本体11の上部を閉じるようにして本体11と一体に組み立てることができる。そこで、エア孔P1、P2は、本体11、蓋体12の各内部を通るエア経路Kを形成することができ、エア経路Kは、ハウジング21の内外に連通している。
【0021】
遮蔽材15は、たとえば厚さ30〜35μmのポリウレタン製の多孔質のシート材である。遮蔽材15は、本体11の底面上において、底面のほぼ全体に広げて貼着され、本体11のエア孔P1を通気可能に閉じることにより、栓部材の内部においてエア経路Kを通気可能に遮断することができる。
【0022】
かかる栓部材は、ハウジング21の給油口21aに着脱自在に装着し、係合突部11cを給油口21aの内側に弾発的に係合させて外れ止めするとともに、給油口21aを塞ぐことができる。また、栓部材は、ハウジング21内のエア圧が上昇すると、エア経路Kを介し、遮蔽材15を通してハウジング21内のエアだけを外部に放出し、ハウジング21内のエア圧が低下すると、エア経路Kを介し、遮蔽材15を通してハウジング21内にエアを導入することができる。
【0023】
【他の実施の形態】
シート状の遮蔽材15は、本体11、蓋体12の間に挟み込むようにして栓部材の内部に設けてもよい(図3(A))。なお、遮蔽材15は、本体11の係合溝11bの下壁の上面、または蓋体12の外フランジ12bの下面に外周部分を貼着し、エア孔P1、P2を間接的に閉じてエア経路Kを通気可能に遮断することができる。ただし、遮蔽材15は、蓋体12の天面のほぼ全面に貼着してエア孔P2を直接閉じてもよい(同図(B))。
【0024】
栓部材は、ハウジング21の内部に向けて開口する深い中空部11dを有するエア孔P1付きの本体11から形成してもよい(図4)。ただし、エア孔P1は、中空部11dの奥部に横向きに形成され、ハウジング21の外部において本体11の外側面に開口しており、本体11の上部外周には、エア孔P1の外側の開口部分を保護するスカート部11eが垂設されている。そこで、ハウジング21の内外に連通するエア経路Kは、中空部11d、エア孔P1、スカート部11eの内側の隙間11e1を通るように形成されている。なお、図4の栓部材は、本体11の中間部外周に下向きに形成する係合突部11f、本体11の下部外周に外向きに形成する係合突部11cを介し、ハウジング21を挟み込むようにして給油口21aに着脱可能に装着することができる。
【0025】
遮蔽材15は、エア孔P1の内側または外側の開口部分を閉じるようにして貼着することができる(図4の一点鎖線、二点鎖線)。なお、遮蔽材15は、エア孔P1の内側、外側の開口部分の双方を閉じてもよい。遮蔽材15は、エア孔P1の外側の開口部分を閉じる場合であっても、スカート部11eによって保護されて本体11の外部に露出することがない。
【0026】
栓部材は、ハウジング21の内部に向けて開口する中空部11dを有するエア孔P1、P1…付きの本体11に対し、エア孔P1、P1…の開口部分を保護するカバー材13を付設して形成することができる(図5)。
【0027】
本体11の上部には、大径の平板状の笠部11gが形成されており、本体11の軸方向のエア孔P1、P1…は、笠部11gの中心部に1個、周縁部に複数個が形成され、カバー材13は、笠部11gに対して上方から嵌合されている。ただし、笠部11gの上面、カバー材13の天面の間には、間隙dが形成されている。各エア孔P1の一端は、間隙dに開口し、笠部11gの中心部のエア孔P1の他端は、中空部11dの天面に開口し、周縁部のエア孔P1、P1の他端は、ハウジング21の外部の笠部11gの下面に開口している。そこで、ハウジング21の内外に連通するエア経路Kは、中空部11d、中心部のエア孔P1、間隙d、周縁部のエア孔P1、P1を介して形成されている。なお、図5の栓部材は、本体11の中間部、下部の係合リブ11h、11hを弾性変形させるようにしてハウジング21の給油口21aに着脱可能に装着することができる。
【0028】
遮蔽材15は、中空部11dの天面に貼着して中心部のエア孔P1の開口部分を閉じ、または、笠部11gの上面に貼着して中心部、周縁部のエア孔P1、P1…の開口部分を閉じることができる(図5の一点鎖線、二点鎖線)。なお、遮蔽材15は、中空部11dの天面、笠部11gの上面の双方に貼着してもよい。
【0029】
栓部材は、中空部11dを有するエア孔P1、P1付きの本体11に対し、エア孔P3、P3付きの補助ブロック14をハウジング21の内側から組み合わせて形成してもよい(図6)。
【0030】
本体11側の横向きのエア孔P1、P1は、中空部11dの奥部において斜め下向きに形成されており(同図(A))、笠部11gの下側においてハウジング21の外部に開口している。一方、補助ブロック14側のエア孔P3、P3は、ハウジング21の内側において横向きに開口しており、補助ブロック14、本体11の軸方向に屈曲して中空部11dに上向きに開口している。なお、各エア孔P3は、補助ブロック14の本体11との接触部分に溝形に形成されている。また、補助ブロック14は、ねじ付きのステム14aを本体11の天面のボス11kにねじ込むことにより、本体11に組み付けられている。
【0031】
補助ブロック14は、本体11の中空部11dに圧入して組み立て(同図(B))、ハウジング21の内側に横向きに開口するエア孔P3、P3は、共通の軸方向のエア孔P4を介して中空部11dに開口させてもよい。なお、図6(A)、(B)の栓部材は、それぞれ本体11の下部外面の雄ねじ11mを介して給油口21aにねじ込まれている。
【0032】
遮蔽材15は、補助ブロック14の上面に貼着して、中空部11dに開口する各エア孔P3またはエア孔P4の一端を閉じてもよく(図6(A)、(B)の各一点鎖線)、中空部11dの奥部に開口する各エア孔P1の一端を閉じてもよい(同図(A)、(B)の各二点鎖線)。図6(A)において、ハウジング21の内外に連通するエア経路K、Kは、それぞれエア孔P3、中空部11d、エア孔P1を介して形成されており、図6(B)において、同様のエア経路Kは、エア孔P3、P3、共通のエア孔P4、中空部11d、エア孔P1、P1を介して形成されている。
【0033】
以上の説明において、遮蔽材15は、エア孔Pi(i=1、2…)を閉じてエア経路Kを通気可能に遮断することができればよく、図示以外の任意の構造とすることができる。たとえば、遮蔽材15は、エア孔Piの一端の開口部分を閉じるに代えて、エア孔Piに対し、シート状のものを丸めて装填してもよく(図7(A))、ブロック状に成形して装填してもよい(同図(B))。また、図1〜図6において、シート状の遮蔽材15は、1箇所に2枚以上を重ねて使用してもよい。
【0034】
なお、栓部材は、ギヤボックスの給油口21aの他、ギヤボックスのエア抜き孔や、任意の機械装置のオイル、冷却水などの液体を収容するタンクの補給口やエア抜き孔を含む任意の取付孔にも広く好適に使用することができる。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、栓部材のエア経路を通気可能に遮断する多孔質の遮蔽材を設けることによって、遮蔽材は、エア経路を通してエアだけを流通させ、オイルなどの流通を阻止することができるから、オイルなどが輸送中や運転中に流出するおそれがないという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】全体構成分解斜視図
【図2】図1の縦断面説明図
【図3】他の実施の形態を示す図2相当説明図(1)
【図4】他の実施の形態を示す図2相当図(1)
【図5】他の実施の形態を示す図2相当図(2)
【図6】他の実施の形態を示す図2相当説明図(2)
【図7】他の実施の形態を示す要部拡大説明図
【符号の説明】
K…エア経路
Pi(i=1、2…)…エア孔
11…本体
12…蓋体
13…カバー材
14…補助ブロック
15…遮蔽材
21…ハウジング
Claims (6)
- ハウジングに形成する取付孔に着脱可能に装着し、ハウジングの内外に連通するエア経路を有する栓部材であって、前記エア経路を栓部材の内部において通気可能に遮断する多孔質の遮蔽材を備えることを特徴とするエア抜き用の栓部材。
- 前記エア経路を形成するエア孔付きの本体、エア孔付きの蓋体を組み合わせ、前記遮蔽材は、前記エア孔の一方または双方を閉じることを特徴とする請求項1記載のエア抜き用の栓部材。
- 前記エア経路を形成するエア孔付きの本体から形成し、前記遮蔽材は、前記エア孔を閉じることを特徴とする請求項1記載のエア抜き用の栓部材。
- 前記本体には、前記エア孔の開口部分を保護するカバー材を付設することを特徴とする請求項3記載のエア抜き用の栓部材。
- 前記エア経路を形成するエア孔付きの本体、エア孔付きの補助ブロックを組み合わせ、前記遮蔽材は、前記エア孔の一方または双方を閉じることを特徴とする請求項1記載のエア抜き用の栓部材。
- 前記遮蔽材は、シート状に広げて対応する前記エア孔を閉じることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか記載のエア抜き用の栓部材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002163368A JP2004011697A (ja) | 2002-06-04 | 2002-06-04 | エア抜き用の栓部材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002163368A JP2004011697A (ja) | 2002-06-04 | 2002-06-04 | エア抜き用の栓部材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004011697A true JP2004011697A (ja) | 2004-01-15 |
Family
ID=30431871
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002163368A Pending JP2004011697A (ja) | 2002-06-04 | 2002-06-04 | エア抜き用の栓部材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004011697A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102004052361A1 (de) * | 2004-10-28 | 2006-05-11 | Schreiner Group Gmbh & Co. Kg | Belüftungseinrichtung zur Ermöglichung des Gasaustauschs durch eine Wandung eines Gehäuses |
JP2007532842A (ja) * | 2004-04-12 | 2007-11-15 | ゴア エンタープライズ ホールディングス,インコーポレイティド | 金属製通気口 |
JP2010228801A (ja) * | 2009-03-30 | 2010-10-14 | Kodama Jushi Kogyo Kk | ガス抜きプラグ |
DE102014215127B3 (de) * | 2014-08-01 | 2015-10-08 | Schaeffler Technologies AG & Co. KG | Getriebe |
JPWO2021186815A1 (ja) * | 2020-03-16 | 2021-09-23 | ||
DE102016121595B4 (de) | 2015-11-17 | 2024-02-15 | ZAE-AntriebsSysteme GmbH & Co KG | Getriebe mit Druckausgleich |
Citations (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS52153023A (en) * | 1976-06-15 | 1977-12-19 | Kyoritsu Kk | Air bleeder |
JPS5328056U (ja) * | 1976-08-16 | 1978-03-10 | ||
JPS5383354U (ja) * | 1976-12-09 | 1978-07-10 | ||
JPS61108573U (ja) * | 1984-12-21 | 1986-07-09 | ||
JPS62163671U (ja) * | 1986-04-08 | 1987-10-17 | ||
JPS63175372U (ja) * | 1986-12-09 | 1988-11-14 | ||
JPH0372167U (ja) * | 1989-11-20 | 1991-07-22 | ||
JP2000035001A (ja) * | 1998-07-21 | 2000-02-02 | Toyota Autom Loom Works Ltd | ブリーザー |
-
2002
- 2002-06-04 JP JP2002163368A patent/JP2004011697A/ja active Pending
Patent Citations (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS52153023A (en) * | 1976-06-15 | 1977-12-19 | Kyoritsu Kk | Air bleeder |
JPS5328056U (ja) * | 1976-08-16 | 1978-03-10 | ||
JPS5383354U (ja) * | 1976-12-09 | 1978-07-10 | ||
JPS61108573U (ja) * | 1984-12-21 | 1986-07-09 | ||
JPS62163671U (ja) * | 1986-04-08 | 1987-10-17 | ||
JPS63175372U (ja) * | 1986-12-09 | 1988-11-14 | ||
JPH0372167U (ja) * | 1989-11-20 | 1991-07-22 | ||
JP2000035001A (ja) * | 1998-07-21 | 2000-02-02 | Toyota Autom Loom Works Ltd | ブリーザー |
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007532842A (ja) * | 2004-04-12 | 2007-11-15 | ゴア エンタープライズ ホールディングス,インコーポレイティド | 金属製通気口 |
JP4718540B2 (ja) * | 2004-04-12 | 2011-07-06 | ゴア エンタープライズ ホールディングス,インコーポレイティド | 金属製通気口 |
DE102004052361A1 (de) * | 2004-10-28 | 2006-05-11 | Schreiner Group Gmbh & Co. Kg | Belüftungseinrichtung zur Ermöglichung des Gasaustauschs durch eine Wandung eines Gehäuses |
JP2010228801A (ja) * | 2009-03-30 | 2010-10-14 | Kodama Jushi Kogyo Kk | ガス抜きプラグ |
DE102014215127B3 (de) * | 2014-08-01 | 2015-10-08 | Schaeffler Technologies AG & Co. KG | Getriebe |
DE102016121595B4 (de) | 2015-11-17 | 2024-02-15 | ZAE-AntriebsSysteme GmbH & Co KG | Getriebe mit Druckausgleich |
JPWO2021186815A1 (ja) * | 2020-03-16 | 2021-09-23 | ||
WO2021186815A1 (ja) * | 2020-03-16 | 2021-09-23 | 日立Astemo株式会社 | 輸送用保護プラグ |
JP7442620B2 (ja) | 2020-03-16 | 2024-03-04 | 日立Astemo株式会社 | 輸送用保護プラグ |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
WO2020085210A1 (ja) | 通気部品 | |
US8905531B2 (en) | Ink tank and printer therewith | |
JP2007064425A (ja) | ブリーザプラグ | |
JP6186665B1 (ja) | キャップユニット及び飲料用容器 | |
JP2004011697A (ja) | エア抜き用の栓部材 | |
US20160355085A1 (en) | Valve device | |
US6783219B2 (en) | Ink cartridge | |
US20080135793A1 (en) | Closure for can filler port and can vent | |
JP2007315731A (ja) | 加湿器 | |
JP2003081080A (ja) | リザーバ | |
KR101777235B1 (ko) | 누수 방지 가습장치 | |
JP2007176526A (ja) | バルブ付き倒立容器 | |
TWI771457B (zh) | 自來水毛筆 | |
JPH10325574A (ja) | 給液タンクの給液時の気液入替え構造 | |
JP2009234638A (ja) | 混合容器 | |
JP3242057U (ja) | 給水タンク固定装置 | |
JP4898779B2 (ja) | 特には、タンク等の流体貯蔵容器のための通風装置 | |
KR101742175B1 (ko) | 건설기계용 연료탱크 캡 | |
CN221457321U (zh) | 一种集成呼吸器结构的油箱盖、燃油箱及拖拉机 | |
JPH0716083U (ja) | ブリーザーキャップ | |
JP2006076582A (ja) | タンク用キャップ | |
CN218045949U (zh) | 一种防漏香薰装置 | |
TWM550719U (zh) | 透氣瓶蓋之改良結構 | |
JP3967683B2 (ja) | 車両用液圧マスタシリンダのリザーバ | |
JPH0216128Y2 (ja) |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050407 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20080717 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080812 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20081216 |