JP2004010696A - 耐酸化分解性樹脂組成物およびそれを用いた有機電界発光素子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】耐酸化分解性樹脂組成物であって、該樹脂組成物を0.05から20.0μmの膜厚の樹脂膜とし、該樹脂膜をUVオゾン処理した時の膜厚減少速度が0.015μm/分以下または酸素プラズマ処理した時の膜厚減少速度が0.005μm/分以下であることを特徴とする耐酸化分解性樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体素子の表面保護膜及び層間絶縁膜、有機電界発光素子の絶縁層などに適し、UVオゾン処理やプラズマ処理などの洗浄工程に対して優れた膜厚保持性を有する耐酸化分解性樹脂組成物並びにこれらを用いた有機電界発光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体素子の表面保護膜及び層間絶縁膜、有機電界発光素子の絶縁膜などには酸化珪素膜などの無機膜、あるいはポリイミド、ノボラック樹脂、アクリル樹脂などの有機樹脂が用いられてきた。酸化珪素膜は無機膜であるため、形成するのに高温が必要であること、パターン化するのにフォトレジストをマスクにエッチングする必要があるなど、工程の負荷が大きい問題があった。また、有機樹脂はスピンコートし、その後、パターン化、熱処理という工程で膜を得ることができる。しかし、このようにして得た膜は、その後の洗浄工程であるUVオゾン処理やプラズマ処理で必要以上に膜厚が減少すること、また、処理による分解物が膜内に残留し画素の発光を阻害し信頼性を低下させるなどの問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、洗浄工程として行われているUVオゾン処理、酸素プラズマ処理に対して、優れた膜厚保持性を有する耐酸化分解性樹脂組成物を得、さらにこれを用いた高い信頼性を有する有機電界素子を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記した課題を達成するため、本発明は、以下の構成をとる。すなわち、本発明は、耐酸化分解性樹脂組成物であって、該樹脂組成物を0.05〜20.0μmの膜厚の樹脂膜とし、該樹脂膜をUVオゾン処理した時の膜厚減少速度が0.015μm/分以下または酸素プラズマ処理した時の膜厚減少速度が0.005μm/分以下であることを特徴とする耐酸化分解性樹脂組成物をその骨子とする。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明は、半導体素子の表面保護膜及び層間絶縁膜、有機電界発光素子の絶縁層などに用いられる耐酸化分解性樹脂組成物に関するものであり、これらの製造工程の中で行われる洗浄処理であるUVオゾン処理やプラズマ処理に対して、優れた膜厚保持性を有することを特徴とする。
【0006】
例えば、有機電界発光装置に設けられた絶縁層がUVオゾン処理によって膜厚が減少すると、絶縁層の欠損等による電流のショートの発生や、絶縁層の薄膜化によって電界が集中する際に絶縁破壊や電流リーク発生などの現象が起こりやすくなることや、処理による分解物が膜内に残留し、画素の発光を阻害し、信頼性を低下させる問題があるために、絶縁層のUVオゾン処理耐性、酸素プラズマ耐性が重要となるのである。
【0007】
これらの洗浄処理耐性を向上させるため、本発明は鋭意検討した結果、特定の構造を有する樹脂と架橋剤を含む樹脂組成物を用いることで、これらの洗浄処理耐性を容易に向上できることを見いだした。
【0008】
さらに、これらに光酸発生剤や光重合開始剤などの感光成分を含んだ組成物とすることで、フォトリソグラフィーにより必要なパターンを得ることでき、必要な信頼性を有した絶縁膜を容易に達成できることを見出し、本発明に到達した。
【0009】
本発明においてUVオゾン処理とは、紫外線を照射しながらオゾンを作用させ、表面を酸化しながら分解する処理である。この処理により、基板に付着した汚れを分解・除去することができる。この処理は液晶表示素子、半導体基板などの洗浄などでは一般的なものである。
【0010】
また、本発明において酸素プラズマ処理とは、真空容器中に微量な酸素ガスを流し、電界を加え、酸素のプラズマ、ラジカルを作り、これにより表面を酸化しながら分解する処理を指す。この処理もUVオゾン処理と同様な硬化が期待される汎用の処理である。
【0011】
本発明において、膜厚0.05から20.0μmの樹脂膜をUVオゾン処理した時の膜厚減少速度が0.015μm/分以下または酸素プラズマ処理した時の膜厚減少速度が0.005μm/分以下であることが必要である。上記した範囲を超えると、信頼性の高い絶縁膜が得られないので好ましくない。
【0012】
本発明の耐酸化分解性樹脂組成物を得る方法は特に限定されないが、以下に記載する組成物を用いることで、容易に得ることができる。
【0013】
本発明で使用する下記一般式(1)の構造を有するポリイミド樹脂は、一般にテトラカルボン酸無水物とジアミンを反応させて得たポリイミド前駆体を熱処理することで得ることができる。
【0014】
【化4】
【0015】
(式中、R1は少なくとも2個以上の炭素原子を有する4価の有機基、R2は2価の有機基を示す。さらに、R1,R2の少なくともどちらか一方にケイ素原子を有する基をR1もしくはR2成分の1〜30モル%含む。)
この熱処理の温度は、120℃から280℃の範囲で、時間は1分から2時間処理することが好ましい。120℃未満では十分にイミド化することが難しく、280℃を越えると、例えば、有機電界発光素子全体を熱にさらした場合、素子に悪影響を与えることがある。より好ましい範囲としては180℃から250℃である。また、熱処理時間が1分未満であるとイミド化反応が十分に進みにくく、十分な信頼性のある膜を得ることが難しい。熱処理時間が2時間を越えると、有機電界発光素子に悪影響を与える可能性があることと、生産性が低下する傾向となる。より好ましい範囲としては3分から1時間である。
【0016】
一般式(1)の構造を有するポリイミド樹脂を得るための前駆体としては、ポリアミド酸、ポリアミド酸エステル、ポリイソイミド、ポリアミド酸スルホンアミドなどがある。
【0017】
本発明に使用されるポリイミド樹脂としては、好ましくは、テトラカルボン酸とジアミンを反応させて得たポリイミド前駆体を使用することが出来、その場合、一般式(1)中のR1がテトラカルボン酸残基、R2がジアミン残基を示している。
【0018】
一般式(1)のポリイミドの原料として使用できる酸二無水物としては、具体的には、ピロメリット酸二無水物、3,3’、4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5,6−ピリジンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物などの芳香族テトラカルボン酸二無水物や、ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物などの脂肪族のテトラカルボン酸二無水物などを挙げることができる。これらの酸二無水物は、単独又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0019】
また、一般式(1)のポリイミドの原料として使用できるジアミンの具体的な例としては、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルヒド、4,4’−ジアミノジフェニルスルヒド、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、ベンジン、m−フェニレンジアミン、P−フェニレンジアミン、1,5−ナフタレンジアミン、2,6−ナフタレンジアミン、ビス(4−アミノフェノキシフェニル)スルホン、ビス(3−アミノフェノキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}エーテル、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジエチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’,3,3’−テトラメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’,4,4’−テトラメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジ(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル、あるいはこれらの芳香族環にアルキル基やハロゲン原子で置換した化合物や、脂肪族のシクロヘキシルジアミン、メチレンビスシクロヘキシルアミンなどが挙げられる。
【0020】
これらのうち、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルヒド、4,4’−ジアミノジフェニルスルヒド、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン等が好ましい。特に好ましくは3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼンである。これらのジアミンは、単独又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0021】
本発明に使用するポリイミドは、下記一般式(4)、(5)の構造のいずれか一種以上を有しているのが好ましい。
【0022】
【化5】
【0023】
(式中、R5、R7は炭素数2〜20の有機基、R6は少なくとも1つの芳香族環を有する炭素数6〜30の有機基である。)
【0024】
【化6】
【0025】
(式中、R8、R10は炭素数2〜20の有機基、R9は少なくとも1つの芳香族環を有する炭素数6〜30の有機基、pは1〜4までの整数である)。
【0026】
一般式(1)における、フェノール性水酸基を有したR2成分として、下記一般式(6)、(7)、(8)、(9)、(10)、(11)の構造をあげることが出来、好ましく使用される。
【0027】
【化7】
【0028】
(式中、R11、R13は少なくとも1つの芳香族環を有する炭素数6〜30の有機基、R12は炭素数2〜20の有機基である。)
【0029】
【化8】
【0030】
(式中、R14、R16は少なくとも1つの芳香族環を有する炭素数6〜30の有機基、R15は炭素数2〜20の有機基、t、uは1または2である。)
【0031】
【化9】
【0032】
(式中、R18は少なくとも1つの芳香族環を有する炭素数6〜30の有機基、R17、R19は炭素数2〜20の有機基である。)
【0033】
【化10】
【0034】
(式中、R21は少なくとも1つの芳香族環を有する炭素数6〜30の有機基、R20、R22は炭素数2〜20の有機基、vは1〜4の整数である。)
【0035】
【化11】
【0036】
(式中、R24は少なくとも1つの芳香族環を有する炭素数6〜30の有機基、R23は炭素数2〜20の有機基である。)
【0037】
【化12】
【0038】
(式中、R26は少なくとも1つの芳香族環を有する炭素数6〜30の有機基、R25は炭素数2〜20の有機基、wは1または2を表す)。
【0039】
一般式(4)として好ましい構造を下記化学式(12群)にあげる。
【0040】
【化13】
【0041】
一般式(5)として好ましい構造を下記化学式(13群)にあげる。
【0042】
【化14】
【0043】
一般式(6)、(8)、(10)として好ましい構造を下記化学式(14群)にあげる。
【0044】
【化15】
【0045】
一般式(7)、(9)、(11)として好ましい構造を下記化学式(15群)にあげる。
【0046】
【化16】
【0047】
本発明に使用するポリイミドは、一般式(1)の繰り返し構造のみを持つものであってもよく、上記した構造を適宜含むものであっても良い。
【0048】
一般式(1)の構造を有するポリイミドの末端をモノアミンにより封止する事が出来る。
【0049】
このようなモノアミンの例としては、アニリン、ナフチルアミン、アミノピリジンなど、フェノール性水酸基を有した3−アミノ−4,6−ジヒドロキシピリミジン、2−アミノフェノール、3−アミノフェノール、4−アミノフェノール、5−アミノ−8−ヒドロキシキノリン、4−アミノ−8−ヒドロキシキノリン、1−ヒドロキシ−8−アミノナフタレン、1−ヒドロキシ−7−アミノナフタレン、1−ヒドロキシ−6−アミノナフタレン、1−ヒドロキシ−5−アミノナフタレン、1−ヒドロキシ−4−アミノナフタレン、1−ヒドロキシ−3−アミノナフタレン、1−ヒドロキシ−2−アミノナフタレン、1−アミノ−7−ヒドロキシナフタレン、2−ヒドロキシ−7−アミノナフタレン、2−ヒドロキシ−6−アミノナフタレン、2−ヒドロキシ−5−アミノナフタレン、2−ヒドロキシ−4−アミノナフタレン、2−ヒドロキシ−3−アミノナフタレン、1−アミノ−2−ヒドロキシナフタレンなど、カルボキシル基を有した、1−カルボキシ−8−アミノナフタレン、1−カルボキシ−7−アミノナフタレン、1−カルボキシ−6−アミノナフタレン、1−カルボキシ−5−アミノナフタレン、1−カルボキシ−4−アミノナフタレン、1−カルボキシ−3−アミノナフタレン、1−カルボキシ−2−アミノナフタレン、1−アミノ−7−カルボキシナフタレン、2−カルボキシ−7−アミノナフタレン、2−カルボキシ−6−アミノナフタレン、2−カルボキシ−5−アミノナフタレン、2−カルボキシ−4−アミノナフタレン、2−カルボキシ−3−アミノナフタレン、1−アミノ−2−カルボキシナフタレン、2−アミノニコチン酸、4−アミノニコチン酸、5−アミノニコチン酸、6−アミノニコチン酸、4−アミノサリチル酸、5−アミノサリチル酸、6−アミノサリチル酸、3−アミノ−o−トルイック酸、アメライド、2−アミノ安息香酸、3−アミノ安息香酸、4−アミノ安息香酸、2−アミノベンゼンスルホン酸、3−アミノベンゼンスルホン酸、4−アミノベンゼンスルホン酸など、チオール基を有した5−アミノ−8−メルカプトキノリン、4−アミノ−8−メルカプトキノリン、1−メルカプト−8−アミノナフタレン、1−メルカプト−7−アミノナフタレン、1−メルカプト−6−アミノナフタレン、1−メルカプト−5−アミノナフタレン、1−メルカプト−4−アミノナフタレン、1−メルカプト−3−アミノナフタレン、1−メルカプト−2−アミノナフタレン、1−アミノ−7−メルカプトナフタレン、2−メルカプト−7−アミノナフタレン、2−メルカプト−6−アミノナフタレン、2−メルカプト−5−アミノナフタレン、2−メルカプト−4−アミノナフタレン、2−メルカプト−3−アミノナフタレン、1−アミノ−2−メルカプトナフタレン、3−アミノ−4,6−ジメルカプトピリミジン、2−アミノチオフェノール、3−アミノチオフェノール、4−アミノチオフェノール等が挙げられる。
【0050】
これらのうち、5−アミノ−8−ヒドロキシキノリン、1−ヒドロキシ−7−アミノナフタレン、1−ヒドロキシ−6−アミノナフタレン、1−ヒドロキシ−5−アミノナフタレン、1−ヒドロキシ−4−アミノナフタレン、2−ヒドロキシ−7−アミノナフタレン、2−ヒドロキシ−6−アミノナフタレン、2−ヒドロキシ−5−アミノナフタレン、1−カルボキシ−7−アミノナフタレン、1−カルボキシ−6−アミノナフタレン、1−カルボキシ−5−アミノナフタレン、2−カルボキシ−7−アミノナフタレン、2−カルボキシ−6−アミノナフタレン、2−カルボキシ−5−アミノナフタレン、2−アミノ安息香酸、3−アミノ安息香酸、4−アミノ安息香酸、4−アミノサリチル酸、5−アミノサリチル酸、6−アミノサリチル酸、2−アミノベンゼンスルホン酸、3−アミノベンゼンスルホン酸、4−アミノベンゼンスルホン酸、3−アミノ−4,6−ジヒドロキシピリミジン、2−アミノフェノール、3−アミノフェノール、4−アミノフェノール、2−アミノチオフェノール、3−アミノチオフェノール、4−アミノチオフェノール等が好ましく使用される。これらのモノアミンは、単独又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0051】
一般式(1)の構造を有するポリイミドの末端を酸無水物、酸クロリド、モノカルボン酸で封止することも出来る。このようなものの例としては、無水フタル酸、無水マレイン酸、ナジック酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物、3−ヒドロキシフタル酸無水物等の酸無水物、2−カルボキシフェノール、3−カルボキシフェノール、4−カルボキシフェノール、2−カルボキシチオフェノール、3−カルボキシチオフェノール、4−カルボキシチオフェノール、1−ヒドロキシ−8−カルボキシナフタレン、1−ヒドロキシ−7−カルボキシナフタレン、1−ヒドロキシ−6−カルボキシナフタレン、1−ヒドロキシ−5−カルボキシナフタレン、1−ヒドロキシ−4−カルボキシナフタレン、1−ヒドロキシ−3−カルボキシナフタレン、1−ヒドロキシ−2−カルボキシナフタレン、1−メルカプト−8−カルボキシナフタレン、1−メルカプト−7−カルボキシナフタレン、1−メルカプト−6−カルボキシナフタレン、1−メルカプト−5−カルボキシナフタレン、1−メルカプト−4−カルボキシナフタレン、1−メルカプト−3−カルボキシナフタレン、1−メルカプト−2−カルボキシナフタレン、2−カルボキシベンゼンスルホン酸、3−カルボキシベンゼンスルホン酸、4−カルボキシベンゼンスルホン酸等のモノカルボン酸類及びこれらのカルボキシル基が酸クロリド化したモノ酸クロリド化合物及び、テレフタル酸、フタル酸、マレイン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、3−ヒドロキシフタル酸、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸、1,2−ジカルボキシナフタレン、1,3−ジカルボキシナフタレン、1,4−ジカルボキシナフタレン、1,5−ジカルボキシナフタレン、1,6−ジカルボキシナフタレン、1,7−ジカルボキシナフタレン、1,8−ジカルボキシナフタレン、2,3−ジカルボキシナフタレン、2,6−ジカルボキシナフタレン、2,7−ジカルボキシナフタレン等のジカルボン酸類のモノカルボキシル基だけが酸クロリド化したモノ酸クロリド化合物、モノ酸クロリド化合物とN−ヒドロキシベンゾトリアゾールやN−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミドとの反応により得られる活性エステル化合物などが挙げられる。
【0052】
これらのうち、無水フタル酸、無水マレイン酸、ナジック酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物、3−ヒドロキシフタル酸無水物等の酸無水物、3−カルボキシフェノール、4−カルボキシフェノール、3−カルボキシチオフェノール、4−カルボキシチオフェノール、1−ヒドロキシ−7−カルボキシナフタレン、1−ヒドロキシ−6−カルボキシナフタレン、1−ヒドロキシ−5−カルボキシナフタレン、1−メルカプト−7−カルボキシナフタレン、1−メルカプト−6−カルボキシナフタレン、1−メルカプト−5−カルボキシナフタレン、3−カルボキシベンゼンスルホン酸、4−カルボキシベンゼンスルホン酸等のモノカルボン酸類及びこれらのカルボキシル基が酸クロリド化したモノ酸クロリド化合物及びテレフタル酸、フタル酸、マレイン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、1,5−ジカルボキシナフタレン、1,6−ジカルボキシナフタレン、1,7−ジカルボキシナフタレン、2,6−ジカルボキシナフタレン等のジカルボン酸類のモノカルボキシル基だけが酸クロリド化したモノ酸クロリド化合物、モノ酸クロリド化合物とN−ヒドロキシベンゾトリアゾールやN−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミドとの反応により得られる活性エステル化合物が好ましく使用される。これらは、単独又は2種以上を組み合わせて使用される。
【0053】
上記したモノアミン、酸無水物、酸クロリド、モノカルボン酸等の末端封止剤の使用量は、ポリイミド樹脂全体の0.1〜60モル%の範囲が好ましく、特に好ましくは5〜50モル%である。
【0054】
樹脂中に導入された末端封止剤は、以下の方法で容易に検出できる。例えば、末端封止剤が導入されたポリマーを、酸性溶液に溶解し、ポリマーの構成単位であるアミン成分と酸無水成分に分解、これをガスクロマトグラフィー(GC)や、NMR測定することにより、末端封止剤を容易に検出できる。これとは別に、末端封止剤が導入された樹脂を直接、熱分解ガスクロクロマトグラフ(PGC)や赤外スペクトル及びC13NMRスペクトル測定でも、容易に検出可能である。
【0055】
本発明で使用するポリイミド樹脂は、このままあるいは前駆体の状態で、例えば、N−メチルピロリドンやガンマブチロラクトン、あるいはこれらに乳酸エチルやプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどを混合した溶液に溶解させ、さらに光酸発生剤であるナフトキノンジアジドスルホン酸エステル、トリフェニルスルホニウム塩、ジフェニルスルホウニウム塩などを混合して、露光部がアルカリ現像液で溶解するポジ型感光性耐酸化性樹脂組成物前駆体溶液とすることも出来る。
【0056】
また、ビスアジド類を加え、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、ミヒラーケトンなどの光重合開始剤、および/またはチオキサントンなどの増感剤を組み合わせ、露光した部分が残るネガ型感光性耐酸化分解性樹脂組成物前駆体溶液とすることも出来る。ただし、得られるパターン断面の形状の点からは、ポジ型の感光性を与える方が好ましい。
【0057】
本発明に使用するポリイミド樹脂に、さらにシリコン成分として、トリメトキシアミノプロピルシラン、トリメトキシエポキシシラン、トリメトキシビニルシラン、トリメトキシチオールプロピルシランなどのシランカップリング剤、あるいは、一般式(1)のR1成分として、ジメチルシランジフタル酸、1,3−ビス(フタル酸)テトラメチルジシロキサンなどのシリコン原子含有テトラカルボン酸をR1成分の1〜30モル%共重合あるいはブレンドするか、R2成分として、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、1,3−ビス(4−アニリノ)テトラメチルジシロキサンなどのシリコン原子含有ジアミンをR2成分の1〜30モル%を共重合あるいはブレンドすることで、基板に対する接着性を高めるとともに、酸素プラズマ、UVオゾン処理に対する耐性を高めることが出来る。
【0058】
本発明に用いられる一般式(3)で表されるオキサゾール構造を有する樹脂としては、例えば、ビスアミノフェノール化合物にジカルボン酸を反応させたものであり、その場合、一般式(3)中のR3成分がビスアミノフェノール残基となり、R4成分がジカルボン酸残基となる。
【0059】
【化17】
【0060】
(式中、R3は炭素数2以上の4価の有機基、R4は炭素数2以上の2価の有機基を示す。)
ここで、ビスアミノフェノール化合物としては、ジヒドロキシジアミノベンゼン、ジヒドロキシジアミノビフェニル、ビス(アミノヒドロキシフェニル)スルホンビス(アミノヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(アミノヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(ヒドロキシアミノフェニル)シクロヘキサンなどが挙げられる。
【0061】
また、ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、ビス(カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ジフェニルメタンジカルボン酸、ビス(カルボキシル)フェニルプロパン、ターフェニルジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン酸、ジエチルグルタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ノルボルネンジカルボン酸などの脂肪族ジカルボン酸などが使用できる。
【0062】
本発明で使用するオキサゾール構造を有する樹脂は、ポリイミド樹脂と同様に、モノアミン類、酸無水物、酸クロリド、モノカルボン酸を用いて末端を封止することも出来る。
【0063】
さらに、トリメトキシアミノプロピルシラン、トリメトキシエポキシシラン、トリメトキシビニルシラン、トリメトキシチオールプロピルシランなどのシランカップリング剤、一般式(3)のR3成分として、ビス(アミノ−ヒドロキシフェニル)ジメチルシランなどのシリコン原子含有ビスアミノフェノール、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、1,3−ビス(4−アニリノ)テトラメチルジシロキサンなどのジアミン化合物をR3成分の1〜30モル%共重合すること、あるいはケイ素原子を含んだポリイミド樹脂あるいはポリイミド前駆体を加えることで、基板に対する接着性を高めるとともに、酸素プラズマ耐性、UVオゾン耐性を高めることが出来る。
【0064】
本発明に用いられるノボラック樹脂としては、フェノール類をトルエンスルホン酸、シュウ酸、塩酸などの酸触媒の存在下、ホルムアルデヒドと付加縮合反応させたものを指す。このポリマーを得る反応は定法として知られている。
【0065】
フェノール類の具体例としては、フェノール、クレゾール、レゾルシノール、キシレノール、エチルフェノール、トリメチルフェノール、プロピルフェノール、ブチルフェノール、ジヒドロキシベンゼン、ナフトール類などを挙げることができる。これらのフェノール類は、それぞれ単独で、または2種類以上混合して使用することができる。フェノール類と付加縮合反応させるホルムアルデヒドとしては、例えば、ホルムアルデヒド水溶液(ホルマリン)やパラホルムアルデヒド等が用いられる。
【0066】
フェノール類とホルムアルデヒドの付加縮合反応は、通常、60〜120℃で2〜30時間行われる。この反応において、通常は、触媒として有機酸、無機酸、二価金属塩等が用いられる。触媒の具体例としては、シュウ酸、塩酸、硫酸、過塩素酸、p−トルエンスルホン酸、トリクロル酢酸、リン酸、ギ酸、酢酸亜鉛、酢酸マグネシウムなどが挙げられる。この付加縮合反応は、無溶媒で行っても、適当な溶媒中で反応を行ってもよい。このようにして得られたポリマーはメタノールや水に投入して沈殿化させ、モノマー類や触媒を取り除く。このポリマーを乾燥させ、ノボラック樹脂からなるポリマー粉体を得る。
【0067】
このようなノボラック樹脂に、ナフトキノンジアジドなどの光酸発生剤、溶解性を調整するためのポリフェノール化合物を加えることで、例えば、露光した部分が溶解するポジ型の感光性樹脂にすることができる。
【0068】
また、ノボラック樹脂にベンジルアミン系の化合物を添加し、酸の作用により架橋する架橋剤と光酸発生剤を組み合わせたり、アミンの作用で架橋する架橋剤と光アミン発生剤を組み合わせたりすることで、露光した部分が不溶化するネガ型の感光性樹脂を得ることができる。ただし、有機発光素子の絶縁膜に使用する場合、ネガ型より露光部が溶解するポジ型にする方がパターン断面のテーパー形状の面から好ましい。
【0069】
ノボラック樹脂に、さらにトリメトキシアミノプロピルシラン、トリメトキシエポキシシラン、トリメトキシビニルシラン、トリメトキシチオールプロピルシランなどのシランカップリング剤を加えること、ヒドロキシフェニルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤を加えること、シリコン原子を含んだポリイミド樹脂,ポリイミド前駆体,ポリベンゾオキサゾール樹脂,ポリベンゾオキサゾール前駆体等をブレンドすることで、基板に対する接着性を高めるとともに酸素プラズマ耐性、UVオゾン耐性を高めることが出来る。
【0070】
本発明に用いられるアクリル樹脂としては、アクリルモノマーを含むモノマーを過酸化ベンゾイル、アゾイソブチルニトリルなどのラジカル開始剤、ナトリウムメトキシド、ナトリウム、ブチルリチウムなどのアニオン重合開始剤、硫酸、リン酸などのカチオン重合開始剤などを用いて重合したポリマーを指す。このようなポリマーの重合は定法である。
【0071】
アクリルモノマーの例としては、アクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸シクロヘキシル等のメタクリル酸アルキルエステルまたはメタクリル酸シクロアルキルエステル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル等のメタクリル酸ヒドロキシアルキル、メタクリル酸アミノメチル、メタクリル酸N−メチルアミノメチル、メタクリル酸N,N−ジエチルアミノエチル等のメタクリル酸アミノアルキル、メタクリルアミドなどを挙げることができる。また、共重合できる成分としては、ビニルモノマー類であるスチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、酢酸イソプロペニル等のビニル誘導体、マレイン酸、フマル酸等の不飽和二塩基酸、その酸無水物、そのモノメチルエステル、モノエチルエステル等のモノエステル、もしくはそのジメチルエステル、ジエチルエステル等のジエステルなどを挙げることが出来る。
【0072】
さらにアクリル樹脂にグリシジルメタクリレートなどを付加させて、光架橋成分を導入することも出来る。
【0073】
また、アクリル樹脂に、更にアクリルゴム等のエラストマ成分を含有させ、耐衝撃性を向上させることも出来る。
【0074】
アクリル樹脂に感光性を与えるためにビスアジド類を加え、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、ミヒラーケトンなどの光重合開始剤、および/またはチオキサントンなどの増感剤を組み合わせ、露光した部分が残るネガ型感光性耐酸化分解性樹脂組成物前駆体、あるいは、ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル類などの光酸発生剤を添加して、露光した部分が溶解するポジ型感光性耐酸化分解性樹脂組成物とすることが出来る。ここで、得られるパターンの断面形状から、ポジ型の感光性にする方が好ましい。
【0075】
アクリル樹脂に、さらにトリメトキシアミノプロピルシラン,トリメトキシエポキシシラン,トリメトキシビニルシラン,トリメトキシチオールプロピルシラン,トリメトキシヒドロキシフェニルシランなどのシランカップリング剤を加えること、シリコン原子を含んだポリイミド樹脂,ポリイミド前駆体,ポリベンゾオキサゾール樹脂,ポリベンゾオキサゾール前駆体等をブレンドすることで、基板に対する接着性を高めるとともに酸素プラズマ耐性、UVオゾン耐性を高めることが出来る。
【0076】
本発明におけるエポキシ樹脂としては、エポキシ化合物のフェノール類又はその誘導体を苛性ソーダ等のアルカリ金属水酸化物の存在下、エピハロヒドリンと反応させたもの、オレフィンの過酸によるエポキシ化などによって得られる生成物を指す。このポリマーを得る反応は定法として知られている。例えばエピクロロヒドリンとビスフェノールAを水酸化アルカリ存在下で反応させて得られる。
【0077】
原料となるエポキシ化合物としては、ビスフェノールA型またはビスフェノールF型、ビフェニル型が好ましく、市販のものとしては、”エピコート807”、”エピコート827”、”エピコート828”、”エピコート1009”、”エピコート1031””エピコートYX−4400”(油化シェルエポキシ(株)製)、”エピクロンN−3050”、”エピクロンN−7050”(大日本インキ化学工業(株)製)、”D.E.R.330”、”D.E.R.331”、”D.E.R.361”、”D.E.R.642U”、”D.E.R.673MF”(ダウケミカル日本(株)製)、”YD8125”、”YDF170”、”YDFP2004”、”YDFP2007”(東都化成(株)製)などが挙げられる。
【0078】
エポキシ化合物とエピハロヒドリンとの反応は、好ましくはジメチルスルホキシドの存在下に行われる。エピハロヒドリンの使用量は、エポキシ化合物におけるアルコール性水酸基1当量に対して1当量以上使用すればよい。しかしながら、アルコール性水酸基1当量に対して15当量を越えても増量した硬化はほとんど無くなる一方、容積効率が悪くなる傾向がある。また、アルカリ金属水酸化物の使用量は、エポキシ化したいアルコール水酸基1当量に対してほぼ1当量使用すればよい。アルコール性水酸基1当量に対して2当量を越えるとゲル化などが起こる傾向にある。反応温度は、30〜100℃が好ましい。反応温度が30℃未満であると反応が遅くなり長時間の反応が必要となる。反応温度が100℃を超えると副反応が多く起こりやすい傾向となる。反応終了後、過剰のエピハロヒドリン及びジメチルスルホキシドを減圧下留去した後、有機溶剤に生成した樹脂を溶解させアルカリ金属水酸化物で脱ハロゲン化水素反応を行うこともできる。
【0079】
ここで、アルカリ金属水酸化物の具体例としては、苛性ソーダ、苛性カリ、水酸化リチウム、水酸化カルシウムなどが挙げられる。
【0080】
エポキシ樹脂を得るために使用するエポキシ樹脂硬化剤の具体例としては、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、トリス(ヒドロキシフェニル)アルカン類、フェノール類変性ポリブタジエン、フェノール類アラルキル樹脂、フェノール類とジシクロペンタジエンの重付加物、等の多価フェノール系のエポキシ樹脂硬化剤;ジシアンジアミド、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン、等のアミン系のエポキシ樹脂硬化剤;無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、等の酸無水物系のエポキシ樹脂硬化剤;が挙げられ、必要に応じてその2種以上を用いることもできる。中でも、硬化物の低吸水性の観点から、多価フェノール系のエポキシ樹脂硬化剤が好ましく、フェノールノボラックが特に好ましい。硬化反応は、上記した硬化剤を使用し、エポキシ基を開環させて行う。
【0081】
エポキシ樹脂硬化剤の使用量は特に限定されないが、通常、本発明の樹脂組成物から得られる硬化物のガラス転移温度が高くなるように設定する。例えば、エポキシ樹脂硬化剤としてフェノールノボラックを用いる場合、エポキシ樹脂のエポキシ当量とエポキシ樹脂硬化剤の水酸基当量が、好ましくは1:0.8〜1:1.2の範囲、より好ましくは、1:1である。
【0082】
本発明で使用するエポキシ樹脂に、エポキシ樹脂硬化剤の代わりに、ジフェニルヨードニウムトリフレート、ジフェニルヨードニウムピレンスルホネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、1,1−ビス(4−クロロフェニル)−2,2,2−トリクロロエタン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、4−トリスフェナシルスルホン、メシチルフェナシルスルホン、ビス(フェニルスルホニル)メタン、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)フタルイミドなどの光酸発生剤や光アミン発生剤を添加してネガ型の感光性耐酸化分解性樹脂組成物にすることが出来る。
【0083】
さらにトリメトキシアミノプロピルシラン、トリメトキシエポキシシラン、トリメトキシビニルシラン、トリメトキシチオールプロピルシランなどのシランカップリング剤を加えること、シリコン原子を含んだポリイミド樹脂,ポリイミド前駆体,ポリベンゾオキサゾール樹脂,ポリベンゾオキサゾール前駆体等をブレンドすることで、基板に対する接着性を高めるとともに酸素プラズマ耐性、UVオゾン耐性を高めることが出来る。
【0084】
本発明に使用する有機物を含んだシリカ樹脂としては、アルコキシシランの加水分解あるいは縮合生成物が好ましく使用される。これらのシリカ樹脂を基板に塗布し、焼成することによってシリカ膜を形成する手段が一般的に知られており、好ましく使用される。
【0085】
アルコキシシランの具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン、メトキシトリエトキシシラン、ブトキシシラン、エチルブトキシシラン、フェノキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、テトラ(メトキシエトキシ)シラン、テトラ(エトキシエトキシ)シラン、ジメチルジ(メトキシエトキシ)シランなどを挙げることができる。これらのアルコキシシランは単独で用いても良いが、混合して用いることもできる。また、テトラアルコキシチタン、テトラアルコキシジルコニウムに代表される金属アルコキシド、あるいは金属アセチルアセトンのような金属アルコキシドの誘導体を共縮合させることも可能である。
【0086】
ここで、アルコキシシランの加水分解及び縮合反応は、通常、有機溶剤中で行われる。したがって、アルコキシシラン溶液の溶剤としては、公知の有機溶剤を適宜使用できるが、分子内に少なくとも一個の水酸基及びエーテル結合を有する液体が好ましく、また沸点が100〜300℃の液体であることが好ましい。このような有機溶剤の例としては、3−メチルー3−メトキシブタノール、3−メチルー3−エトキシブチルアセテート、プロピレングリコール−モノ−メチルエーテル、プロピレングリコール−モノ−メチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコール−モノ−メチルエーテル、トリプロピレングリコール−モノ−メチルエーテル、プロピレングリコール−モノ−3級−ブチルエーテル、イソブチルアルコール、イソアミルアルコール、エチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブ、ブチルセロソルブアセテート、メチルカルビトール、メチルカルビトールアセテート、エチルカルビトール、エチルカルビトールアセテート、等が挙げられる。これらの有機溶剤の使用量は任意に選択可能であるが、アルコキシシラン1重量部に対して、0.5〜3.0重量部の範囲で用いるのが好ましい。
【0087】
通常、アルコキシシラン溶液に水と、必要に応じて加水分解触媒を加えて、アルコキシ基の一部または全部を加水分解した後、副生するアルコール及び水を流出させながら縮合を行う。ここで、縮合反応により副生するアルコールとは、アルコキシシラン[RXSi(OR’)4−X]の分解により生じたアルコールR’OHである。また、溶液中には加水分解のために過剰に加えた水や縮合反応によって新たに生成した水も含まれている。アルコール及び水の留出は、通常の蒸留法、すなわちアルコキシシラン溶液を加熱することにより行えばよい。
加水分解縮合反応をさせるために用いる水はイオン交換水が好ましく、その量はアルコキシシラン1モルに対して、1〜4倍モルの範囲で用いるのが好ましい。また、必要に応じて用いられる加水分解触媒としては、酸触媒が好ましく、塩酸、硫酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、リン酸、ホウ酸、パラトルエンスルフォン酸などが好ましく使用される。
【0088】
この重合反応時にテトラカルボン酸2無水物、あるいはジカルボン酸の活性エステル、または、ジアミン、あるいはビスアミノフェノールの1種または2種以上を加えてポリイミドやポリベンゾオキサゾールで部分的に変性することもできる。さらに、ここでケイ素原子を含んだ酸成分、ジアミン成分を加えても良い。
【0089】
これらの反応条件は、反応系の構成に応じて決定され、特に限定されるものではないが、加水分解は0〜70℃、1〜5時間、縮合は70〜150℃、1〜10時間で進行せしめることが好ましい。
【0090】
本発明に使用する有機物を含んだシリカ樹脂のポリマー溶液にトリフェニルスルホニウム塩やジフェニルヨードニウム塩、イミドスルホニウム塩のような光酸発生剤、o−ニトロベンジルエステル、コバルト−アミン錯体、カルバメート類、アシルオキシム類などの光アミン発生剤を加えて、露光した部分が残るネガ型の感光性耐酸化分解性樹脂組成物にすることも出来る。また、ポリマー中のカルボキシル基やフェノール性水酸基などのアルカリ可溶基を酸により脱離する保護基である、t−ブトキシカルボニル基、ベンジル基、トリメチルシリル基、などで、一部あるいは全てを保護して溶解速度を調整することも出来る。
【0091】
本発明において一般式(2)で表される基を有する架橋剤は、UVオゾン処理耐性、酸素プラズマ耐性を高めるために、使用するのが特に好ましい。
【0092】
【化18】
【0093】
(式中、Raは水素原子、炭素数1から20までのアルキル基、炭素数4から20までの脂環式基またはRbCO基を示す。また、Rbは、炭素数1から20までのアルキル基を示す。好ましくは、Raは炭素数1から20までのアルキル基または炭素数4から20までの脂環式基である。)
一般式(2)で表される基を含有する架橋剤としては、たとえば、基を1つ有するものとして”ML−26X”、”ML−24X”、”ML−236TMP”、”4−メチロール3M6C”、”ML−MC”、”ML−TBC”(本州化学工業(株)製)等、2つ有するものとして”DM−BI25X−F”(旭有機材工業(株)製)、”DML−MBPC”、”DML−MBOC”、”ジメチロール−Bis−C”、”ジメチロール−BisOC−P”、”DML−BisOC−Z”、”DML−BisOCHP−Z”、”DML−MB25”、”DML−MTrisPC”、”DML−Bis25X−34XL”、”DML−Bis25X−PCHP”(本州化学工業(株)製)、”ニカラックMX−280”、”ニカラックMX−290”、((株)三和ケミカル製)、4つ有するものとして”ニカラックMX−270”((株)三和ケミカル製)等、5つ有するものとして”ニカラックMX−750LM”((株)三和ケミカル製)等、6つ有するものとして”ニカラックMW−30HM”、”ニカラックMW−100LM”(三和ケミカル製)等が挙げられる。
【0094】
また、一般式(2)で表される基を含有する架橋剤が、一般式(16)で表される化合物であることが好ましい。
【0095】
【化19】
【0096】
(一般式(16)中、Raは前記に等しく、R19及びR20は水素原子炭素数1から20までのアルキル基、炭素数4から20までの脂環式基またはR21COO基を示す。ここで、R21は、炭素数1から20までのアルキル基を示す)。
【0097】
一般式(16)で表される化合物としては、有機基を2つ有するものとして、”46DMOC”、”46DMOIPP”、”46DMOEP”、”46DMOCHP”(旭有機材工業(株)製)、”DML−OCHP”、”DML−PC”、”DML−PCHP”、”DML−PTBP”、”DML−34X”、”DML−EP”、”DML−POP”、”DML−OC”、”DML−PFP”、”DML−PSBP”、”DMOM−PTBP”(本州化学工業(株)製)、2,6−ジメトキシメチル−4−t−ブチルフェノール、2,6−ジメトキシメチル−p−クレゾール、2,6−ジアセトキシメチル−p−クレゾール等、有機基を3つ有するものとして”TriML−P”、”TriML−35XL”、”TriML−TrisCR−HAP”(本州化学工業(株)製)等、4つ有するものとして”TM−BIP−A”(旭有機材工業(株)製)、”TML−BP”、”TML−HQ”、”TML−pp−BPF”、”TML−BPA”、”TMOM−BP”(本州化学工業(株)製)、6つ有するものとして”HML−TPPHBA”、”HML−TPHAP”(本州化学工業(株)製)などが挙げられる。
【0098】
これらのうち、好ましくは、上記した有機基を2つ有するものとして、”DML−MBPC”、”DML−MBOC”、”ジメチロール−BisOC−P”、”DML−MTrisPC”及び、一般式(16)で表される化合物としては、”46DMOC”、”46DMOEP”、”46DMOCHP”、”DML−OCHP”、”DML−PC”、”DML−PCHP”、”DML−PTBP”、”DML−34X”、”DML−EP”、”DML−POP”、”DML−PFP”、”DML−PSBP”、2,6−ジメトキシメチル−4−t−ブチルフェノール、2,6−ジメトキシメチル−p−クレゾール、2,6−ジアセトキシメチル−p−クレゾール等、3つ有するものとして”TriML−P”、”TriML−35XL”等、4つ有するものとして”TM−BIP−A”、”TML−BP”、”TML−HQ”、”TML−pp−BPF”、”TML−BPA”、”TMOM−BP”等、6つ有するものとして”HML−TPPHBA”、”HML−TPHAP”などが挙げられる。
【0099】
これらのうち、特に好ましくは、上記した有機基を2つ有するものとして、”DML−MBPC”、”DML−MBOC”、及び一般式(16)で表される化合物としては、”DML−OCHP”、”DML−PC”、”DML−PCHP”、”DML−PTBP”、”DML−POP”、2,6−ジメトキシメチル−4−t−ブチルフェノール、2,6−ジメトキシメチル−p−クレゾール、2,6−ジアセトキシメチル−p−クレゾール等があげられる。これらの化合物の化学式を化学式(17群)に挙げる。
【0100】
【化20】
【0101】
これらのうち、最も好ましくは、一般式(16)で表される化合物としては、”DML−OCHP”、”DML−PC”、”DML−PCHP”、”DML−PTBP”、”DML−POP”、2,6−ジメトキシメチル−4−t−ブチルフェノール、2,6−ジメトキシメチル−p−クレゾール、2,6−ジアセトキシメチル−p−クレゾール等があげられる。
【0102】
また、上記した以外の架橋剤である2価以上のエポキシ化合物、ビスマレイミド類、ビス(エチニル)イミド類などを加えることも出来る。
【0103】
一般式(2)で表される基を含有する架橋剤の添加量としては、ポリイミド樹脂、オキサゾール樹脂、ノボラック樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリカ樹脂などの樹脂成分100重量部に対して、0.1〜30重量部が好ましい。さらに好ましくは0.5〜15重量部である。0.1重量部より少ないと十分なUVオゾン処理耐性、酸素プラズマ耐性が出しにくい。また、30重量部より多いと、プリベーク中に架橋反応を起こしたり、得られた耐熱性組成物が脆くなり、クラックが生じるなどの問題が発生する可能性がある。
【0104】
イミド構造を有する樹脂、オキサゾール構造を有する樹脂、ノボラック樹脂のいずれかの樹脂を使用する場合、光酸発生剤を添加することが好ましい。光酸発生剤を添加することで感光性を付与することができる。とくに、下記一般式(4)で表される構造単位を主成分とするポリマーにおいて好ましく用いられる。
【0105】
【化21】
【0106】
(式中、R5、R7は炭素数2〜20の有機基、R6は少なくとも1つの芳香族環を有する炭素数6〜30の有機基である)。
【0107】
本発明で用いる光酸発生剤としては、ジアゾニウム塩、ジアゾキノンスルホン酸アミド、ジアゾキノンスルホン酸エステル、ジアゾキノンスルホン酸塩、ニトロベンジルエステル、オニウム塩、ハロゲン化物、ハロゲン化イソシアネート、ハロゲン化トリアジン、ビスアリールスルホニルジアゾメタン、ジスルホン等の光照射により分解し、酸を発生する化合物が挙げられる。
【0108】
特に、o−キノンジアジド化合物は未露光部の水溶性を抑制する効果を有するために望ましい。このような化合物としては、1,2−ベンゾキノン−2−アジド−4−スルホン酸エステル又はスルホン酸アミド、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸エステル又はスルホン酸アミド、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸エステル又はスルホン酸アミド等がある。これらは、例えば、1,2−ベンゾキノン−2−アジド−4−スルホニルクロリド、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホニルクロリド、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホニルクロリド等のo−キノンジアジドスルホニルクロリド類とポリヒドロキシ化合物又はポリアミノ化合物を脱塩酸触媒の存在下で縮合反応することによって得ることができる。
【0109】
ポリヒドロキシ化合物としては、ヒドロキノン、レゾルシノール、ピロガロール、ビスフェノールA、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1−[1−(4−ヒドロキシフェニル)イソプロピル]−4−[1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、4−フェニルメチル−1,2,3−ベンゼントリオール、4−エチル−1,3−ベンゼンジオール、4−フェニルメチル−1,3−ベンゼンジオール、4−(1−メチル−1−フェニルエチル)−1,3−ベンゼンジオール、(2,4−ジヒドロキシフェニル)フェニルメタノン、4−ジフェニルメチル−1,2,3−ベンゼントリオール、2,4’、4”−トリヒドロキシトリフェニルメタン、2,6−ビス[(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)メチル]−4−メチルフェノール、4,4’−[1−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、4,6−ビス[(4−ヒドロキシフェニル)メチル]−1,3−ベンゼンジオール、4,4’,4”,4’”−(1,2−エタンジイリデン)テトラキスフェノール、2,6−ビス[(4−ヒドロキシフェニル)メチル]−4−メチルフェノール、4,4’−[4−(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキシリデン]ビスフェノール、2,4−ビス[(4−ヒドロキシフェニル)メチル]−6−シクロヘシルフェノール、2,2’−メチレンビス[6−[(2/4−ヒドロキシフェニル)メチル]−4−メチルフェノール]、2,2’−ビフェノール、4,4’−シクロヘシリデンビスフェノール4,4’−シクロペンチリデンビスフェノール2,2’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−[1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビス[ベンゼン−1,2−ジオール]、5,5’−[1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビス[ベンゼン−1,2,3−トリオール]4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]−1,3−ベンゼンジオール、4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキシル]−1,2−ベンゼンジオール、4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキシル]−1,3−ベンゼンジオール、4−[(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキシリデン]−1,2,3−ベンゼントリオール没食子酸メチル、没食子酸エチル等が挙げられる。
【0110】
ポリアミノ化合物としては、1,4−フェニレンジアミン、1,3−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド等が挙げられる。
【0111】
また、ポリアミノ化合物としては、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、3,3’−ジヒドロキシベンジジン等が挙げられる。
【0112】
本発明で用いられる光酸発生剤の具体例としては、3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸メチル、4,4’−[1−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール、4,4’,4”−エチリデントリスフェノール、4,6−ビス[(4−ヒドロキシフェニル)メチル]−1,3−ベンゼンジオール、4,4,4’,4’−テトラキス[(1−メチルエチリデン)ビス(1,4−シクロヘキシリデン)]フェノール、4,4’−[4−(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキシリデン]ビスフェノールのいずれかであって、かつ少なくとも一つのヒドロキシル基が1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホニル基または1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニル基であるo−キノンジアジド化合物が挙げられる。
【0113】
光酸発生剤の添加量は特に限定されないが、例えば、o−キノンジアジド化合物は、一般式(3)で表されるオキサゾール構造を有する樹脂100重量部に対して、好ましくは5から100重量部、より好ましくは5から40重量部の範囲で配合される。配合量が5重量部未満では十分な感度が得にくく、また、100重量部を超えると、光照射およびそれに続く現像によるパターンの形成が難しく、また樹脂組成物の耐熱性が低下する可能性がある。
【0114】
本発明に使用できるその他の光酸発生剤として、オニウム塩、ハロゲン含有化合物、ジアゾケトン化合物、ジアゾメタン化合物、スルホン化合物、スルホン酸エステル化合物、スルホンイミド化合物などを例として挙げることができる。
【0115】
オニウム塩の具体的な例としては、ジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ホスニウム塩、オキソニウム塩などを挙げることができる。好ましいオニウム塩としては、ジフェニルヨードニウムトリフレート、ジフェニルヨードニウムピレンスルホネート、ジフェニルヨードニウムドデシルベンゼンスルホネート、トリフェニルスルホニウムトリフレート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムナフタレンスルホネート、(ヒドロキシフェニル)ベンジルメチルスルホニウムトルエンスルホネートなどが挙げられる。
【0116】
ハロゲン含有化合物の具体的な例としては、ハロアルキル基含有炭化水素化合物、ハロアルキル基含有ヘテロ環状化合物などが挙げられる。好ましいハロゲン含有化合物としては、1,1−ビス(4−クロロフェニル)−2,2,2−トリクロロエタン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ナフチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジンなどを挙げることができる。
【0117】
ジアゾケトン化合物の具体的な例としては、1,3−ジケト−2−ジアゾ化合物、ジアゾベンゾキノン化合物、ジアゾナフトキノン化合物などが挙げられる。好ましいジアゾケトン化合物は、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸と2,2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンとのエステル、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸と1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンとのエステルなどを挙げることができる。
【0118】
ジアゾメタン化合物の具体的な例としては、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トリルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−キシリルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−クロロフェニルスルホニル)ジアゾメタン、メチルスルホニル−p−トルエンスルホニルジアゾメタン、シクロヘキシルスルホニル(1,1−ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1,1−ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、フェニルスルホニル(ベンゾイル)ジアゾメタン等を挙げることができる。
【0119】
スルホン化合物の具体的な例としては、β−ケトスルホン化合物、β−スルホニルスルホン化合物などが挙げられる。好ましい化合物としては、4−トリスフェナシルスルホン、メシチルフェナシルスルホン、ビス(フェニルスルホニル)メタンなどが挙げられる。
【0120】
スルホン酸エステル化合物の例としては、アルキルスルホン酸エステル、ハロアルキルスルホン酸エステル、アリールスルホン酸エステル、イミノスルホネートなどが挙げられる。ここで、スルホン酸化合物の具体的な例としてはベンゾイントシレート、ピロガロールトリメシレート、ニトロベンジル−9,10−ジエトキシアントラセン−2−スルホネートなどを挙げることができる。
【0121】
また、光酸発生剤として、スルホンイミド化合物の具体的な例としては、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシルイミド、N−(カンファースルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(カンファースルホニルオキシ)フタルイミド、N−(カンファースルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(カンファースルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(カンファースルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(カンファースルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(カンファースルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシルイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシルイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシルイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(2−フルオロフェニルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシルイミド等を挙げることができる。
【0122】
本発明の耐酸化分解性樹脂組成物には、未露光部と露光部の溶解速度比を調整する等の目的で、溶解調整剤を用いることもできる。
【0123】
溶解調整剤としては、ポリヒドロキシ化合物、スルホンアミド化合物、ウレア化合物など、いずれの化合物でも好ましく用いることができる。とくに、キノンジアジド化合物を合成する際の原料であるポリヒドロキシ化合物が好ましく用いられる。具体的には、3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸メチル、4,4’−[1−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール、4,4’,4”−エチリデントリスフェノール、4,6−ビス[(4−ヒドロキシフェニル)メチル]−1,3−ベンゼンジオール、4,4,4’,4’−テトラキス[(1−メチルエチリデン)ビス(1,4−シクロヘキシリデン)]フェノールなどが挙げられる。
【0124】
溶解調整剤は、樹脂100重量部に対して好ましくは1から100重量部、より好ましくは5から40重量部の範囲で配合される。配合量が1重量部未満では十分な効果が得られず、また、100重量部を越えると樹脂組成物の耐熱性が低下する可能性がある。
【0125】
また、必要に応じて本発明の耐酸化分解性樹脂組成物と基板との塗れ性を向上させる目的で、界面活性剤、乳酸エチルやプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル類、エタノールなどのアルコール類、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類を混合してもよい。また、二酸化ケイ素、二酸化チタンなどの無機粒子、あるいはポリイミドの粉末などを添加することもできる。
【0126】
さらに、シリコンウエハなどの下地基板との接着性を高めるために、シランカップリング剤、チタンキレート剤などを、樹脂前駆体組成物のワニスに0.5から10重量%添加したり、下地基板をこのような薬液で前処理したりすることもできる。
【0127】
ワニスに添加する場合、メチルメタクリロキシジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤、チタンキレート剤、アルミキレート剤をワニス中の樹脂成分に対して0.5から10重量%添加するのが好ましい。
【0128】
また、下地基板を薬液で前処理する場合、上記で述べたカップリング剤をイソプロパノール、エタノール、メタノール、水、テトラヒドロフラン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチル、アジピン酸ジエチルなどの溶媒に0.5から20重量%溶解させた溶液をスピンコート、浸漬、スプレー塗布、蒸気処理などで基板表面を前処理する。また、その後、50℃から300℃までの温度をかけることで、基板と上記カップリング剤との反応を進行させることもできる。
【0129】
次に、本発明の耐酸化分解性樹脂組成物を用いて耐酸化分解性樹脂パターンを形成する方法について説明するが、本発明はこれに限定されない。
【0130】
感光性の耐酸化分解性前駆体組成物を基板上に塗布する。基板としてはシリコンウエハ、セラミックス類、ガリウムヒ素、ソーダ硝子、石英硝子などが用いられるが、これらに限定されない。塗布方法としてはスピンナを用いた回転塗布、スプレー塗布、ロールコーティングなどの方法が使用できる。また、塗布膜厚は、塗布手法、組成物の固形分濃度、粘度などによって異なるが、通常、乾燥後の膜厚が、0.1から10μmになるように塗布される。
【0131】
次に、感光性の耐酸化分解性前駆体組成物を塗布した基板を乾燥して、感光性の耐酸化分解性前駆体組成物被膜を得る。乾燥はオーブン、ホットプレート、赤外線などを使用し、50℃から180℃の範囲で1分から数時間行うのが好ましい。
【0132】
次に、この感光性の耐酸化分解性前駆体組成物被膜上に所望のパターンを有するマスクを通して化学線を照射し、露光する。露光に用いられる化学線としては、紫外線、可視光線、電子線、X線などがあるが、本発明では水銀灯のi線(365nm)、h線(405nm)、g線(436nm)を用いるのが好ましい。
【0133】
耐酸化分解性樹脂のパターンを形成するには、露光後、現像液を用いて露光部を除去することによって達成される。現像液としては、テトラメチルアンモニウムの水溶液、ジエタノールアミン、ジエチルアミノエタノール、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、トリエチルアミン、ジエチルアミン、メチルアミン、ジメチルアミン、酢酸ジメチルアミノエチル、ジメチルアミノエタノール、ジメチルアミノエチルメタクリレート、シクロヘキシルアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどのアルカリ性を示す化合物の水溶液が好ましい。また、現像性を高めるために、これらのアルカリ水溶液に、N−メチル−2−ピロリドン、N、N−ジメチルホルムアミド、N、N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクロン、ジメチルアクリルアミドなどの極性溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル類、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、イソブチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類などを単独あるいは数種を組み合わせたものを添加してもよい。
【0134】
現像後は水にてリンス処理をする。リンスを効果的に行う等の目的で、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル類などを水に加えてリンス処理をしても良い。
【0135】
現像後、180℃から500℃の温度を加えて、樹脂前駆体を耐酸化分解性樹脂被膜に変換する。この加熱処理は温度を選び、段階的に昇温するか、ある温度範囲を選び連続的に昇温しながら5分から5時間実施するのが好ましい。一例としては、130℃、200℃、350℃で各30分づつ熱処理する。あるいは室温から250℃まで2時間かけて、または、400℃まで2時間かけて直線的に昇温するなどの方法が挙げられる。
【0136】
本発明の耐酸化分解性樹脂組成物は、半導体のパッシベーション膜、半導体素子の保護膜、有機電界発光素子などを搭載した表示装置における絶縁層などの用途に好適に用いられる。
【0137】
本発明の耐酸化分解性樹脂組成物を有機電界発光素子の絶縁層に使用する場合、絶縁層形成後に電荷移動層、発光層などを蒸着で形成するのが好ましい。その際、絶縁層のパターンが90度以上の角度で形成されていると、蒸着で全面をうまく覆えずに、電気的に導通不良が生じ、発光しないことがある。そこで、電気的な接続不良を無くすために、絶縁層は正のテーパーになっていることが好ましい。このテーパー角としては10度から90度、さらに好ましくは20度から70度であり、より好ましくは20度から60度である。このような点から、感光材料としては正のテーパーをつけやすい、露光部分が溶解するポジ型の感光材料が好ましい。
【0138】
本発明の有機電界発光素子の絶縁層の厚さは特に限定されるものではないが、成膜やパターニングの容易性を考えると、0.05〜20μmの範囲であることが好ましく、より好ましくは0.5〜20μm、さらに0.5〜15μmの範囲であることが好ましく、特に、0.8〜5μmの範囲であることが好ましい。絶縁層を上記範囲未満の厚さまで薄くすると、高精度のパターニングが可能となるが、絶縁破壊電圧が低下する可能性がある。。また、絶縁層を上記範囲を超えて厚くすると、例えば有機電界発光装置の製造時にマスク蒸着法により発光層や第二電極をパターニングする際に、シャドーマスクが基板上へ既に成膜した層を傷つけること(マスク傷)を防止するスペーサーとしての役割を付加させることができるものの、パターン加工精度が低下する可能性がある。
【0139】
有機電界発光装置の絶縁層は、隣り合う配線や電極をまたがるように形成されることが多いので、良好な電気絶縁性が要求される。絶縁層の体積抵抗率は5×106Ωcm以上であることが好ましく、さらには、5×107Ωcm以上であることがより好ましい。
【0140】
さらに長期の信頼性を考慮すると、85度の高温で1週間放置後に、絶縁層を形成する絶縁膜の絶縁破壊強度は150kV/mm以上あることが好ましい。これ未満では、使用中に絶縁破壊強度が低下し、表示不良などの問題が生じることがある。
【0141】
本発明の有機電界発光素子は、表示装置として好適に使用される。具体的には例えば、LCD、ECD、ELD、有機電界発光素子を用いた表示装置(有機電界発光装置)などが該当する。有機電界発光装置とは、基板上に形成された第一電極と、第一電極上に形成された少なくとも有機化合物からなる発光層を含む薄膜層と、薄膜層上に形成された第二電極とを含む有機電界発光素子からなる表示装置である。
【0142】
【実施例】
以下、実施例をあげて本発明を説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、実施例中の耐酸化分解性樹脂組成物の作製・評価は以下の方法により行った。
【0143】
耐酸化分解性樹脂組成物膜の作製
厚さ1.1mmの5cm×5cmの無アルカリガラス基板上に、耐酸化分解性樹脂前駆体組成物をスピンコート方法で塗布し、ついでホットプレ−ト(大日本スクリーン製造(株)製SCW−636)で110℃×2分プリベークして耐酸化分解性樹脂前駆体膜を作製した。このものをヤマト科学(株)製オーブン(DT−42)中の空気雰囲下で120℃から320℃の範囲で加熱して耐酸化分解性樹脂組成物膜を得た。
【0144】
膜厚の測定方法
大日本スクリーン製造(株)製ラムダエースSTM−602を使用し、ポリイミドならば屈折率1.78で、レジストならば屈折率1.64で測定を行った。
【0145】
UVオゾン処理方法
耐酸化分解性樹脂組成物膜を作製したガラス基板を岩田電気(株)製アイオゾンUV洗浄装置OC−4010を使用して、オゾン濃度100±50ppm、紫外線強度15mW/cm2(254nm)、照射距離25mmで60分間のUVオゾン処理を行った。
【0146】
酸素プラズマ処理方法
耐酸化分解性樹脂組成物膜を作製したガラス基板をヤマト科学(株)製プラズマリアクター装置PR−501Aを使用して、圧力40Pa、酸素ガス流量50ml/min、出力300Wで20分間の酸素プラズマ処理を行った。
【0147】
膜厚減少速度
膜厚の変化を、UVオゾン処理前または酸素プラズマ処理前の測定した膜厚と処理後の膜厚との差を算出して、その値を処理時間で割り膜厚減少速度とした。
【0148】
合成例1 ヒドロキシル基含有酸無水物(1)の合成
乾燥窒素気流下、2、2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(セントラル硝子(株)製、以下BAHFと略す)18.3g(0.05モル)とアリルグリシジルエーテル(東京化成(株)製)34.2g(0.3モル)をガンマブチロラクトン(三菱化学(株)製、以下GBLと略す)100gに溶解させ、−15℃に冷却した。ここに、GBL50gに溶解させた無水トリメリット酸クロリド(東京化成(株)製)22.1g(0.11モル)を反応溶液の温度が0℃を越えないように滴下した。滴下終了後、0℃で4時間反応させた。
【0149】
この溶液をトルエン(和光純薬(株)製)1Lに投入してヒドロキシル基含有酸無水物(1)を得た。下記にその構造式(18)を示した。
【0150】
【化22】
【0151】
合成例2 ヒドロキシル基含有ジアミン(1)の合成
BAHF18.3g(0.05モル)をアセトン(佐々木化学薬品(株)製、特級)100ml、プロピレンオキシド(東京化成(株)製)17.4g(0.3モル)に溶解させ、−15℃に冷却した。ここに、4−ニトロベンゾイルクロリド(東京化成(株)製)20.4g(0.11モル)をアセトン100mlに溶解させた溶液を滴下した。滴下終了後、−15℃で4時間反応させ、その後、室温に戻した。溶液をロータリーエバポレーターで濃縮し、得られた固体を水とアセトンで洗浄し、80℃の真空乾燥機で乾燥した。
【0152】
乾燥した固体25gと5%パラジウム−炭素(和光純薬(株)製)2gを500mlのオートクレーブにメチルセロソルブ(和光純薬(株)製)300mlとともに加えた。ここに、水素を圧力8kgf/cm2で加圧し、温度を60℃にまで上昇させて水素をこれ以上吸収しない段階まで攪拌を続けた。水素を吸収しなくなってから、10分間攪拌した後、加熱を停止し、温度が30℃以下になったところで、容器の圧力を放圧し、反応を停止させた。反応終了後、溶液をろ過して、ろ液を水1Lに投入して、目的物の沈殿を得た。これを50℃の真空乾燥機で20時間乾燥させヒドロキシル基含有ジアミン(1)を得た。下記にその構造式(19)を示した。
【0153】
【化23】
【0154】
また、以下の実施例で用いたナフトキノンジアジド化合物(1)の構造式(20)を下記に示す。
【0155】
【化24】
【0156】
(式中、3つのQのうち、平均2.3個は5−ナフトキノンジアジドスルホニル基、残りは水素原子である)。
【0157】
実施例1
窒素導入管、温度計、攪拌羽を取り付けた3つ口フラスコに4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(和歌山製化製、以下DAEと略する)9.01g(0.045モル)と1,3−ビス(テトラメチルジシロキサン)(東レダウコーニングシリコーン製、以下APDSと略す)1.24g(0.005モル)をN−メチルピロリドン(三菱化学製、以下、NMPと略する)180gに溶解させ30℃にした。ここに、合成例1で合成した酸無水物35.7g(0.05モル)を添加し、30℃で2時間攪拌し、その後、50℃で1時間攪拌した。
【0158】
この溶液100gにナフトキノンジアジド化合物(1)を4g、架橋剤として2,6−ジヒドロキシメチル−パラクレゾール(本州化学(株)製、DML−PC)3gを加えて攪拌し、口径0.22μmのポリテトラフルオロエチレン製のメンブレンフィルターでろ過を行った。
この溶液をガラス基板にスピンコートし、100℃で30分、その後230℃で1時間熱処理後の膜厚は1.0μmであった。ついで、UV−オゾン処理をしたところ膜厚減少量は0.45μmであり、UV−オゾン処理による膜厚減少速度は0.0075μm/分であった。また、酸素プラズマ処理による膜厚減少量は0.08μm、酸素プラズマ処理による膜厚減少速度は0.0044μm/分であった。
【0159】
実施例2
窒素導入管、温度計、攪拌羽を取り付けた3つ口フラスコに合成例2で合成したジアミン27.2g(0.045モル)、APDS1.24g(0.005)モルをNMP100gに溶解させ、30℃にした。ここに3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物17.6g(三菱化学製、以下、BPDAと略する)(0.06モル)を加え、30℃で2時間、その後、末端封止剤として2−アミノフェノール2.18g(東京化成(株)製、0.02モル)50℃で1時間攪拌した。この後、ジメチルホルミアミドジメチルアセタール11.9g(三菱レーヨン(株)製、0.1モル)をNMP30gとともに加え、30℃で3時間攪拌を続けた。反応終了後に酢酸4mlを加え、残ったジメチルホルムアミドジメチルアセタールを分解した。
【0160】
この溶液を水1Lに投入し、ポリマーの沈殿を得た。この沈殿を水で2回洗浄を繰り返し、50℃の真空乾燥機で48時間乾燥させた。
ポリマーの粉体2g、ナフトキノンジアジド化合物(1)を0.4g、架橋剤としてニカラックMX−270(三和ケミカル(株)製)0.4gをはかり取り、ガンマブチロラクトン(三菱化学(株)製、以下GBLと略す)15gに溶解させた。この溶液を口径0.22μmのポリテトラフルオロエチレン製のメンブレンフィルターでろ過を行った。
【0161】
この溶液をガラス基板にスピンコートし、100℃で30分、その後230℃で1時間熱処理した後の膜厚は1.5μmであった。ついで、UV−オゾン処理をしたところ膜厚減少量は0.48μmであり、膜厚減少速度は0.008μm/分であった。また、酸素プラズマ処理による膜厚減少量は0.12μm、膜厚減少速度は0.006μm/分であった。
【0162】
実施例3
窒素導入管、温度計、攪拌羽を取り付けた3つ口フラスコにDAE8.01g(0.04モル)、APDS1.24g(0.005)モル、3−アミノフェノール2.18g(0.02モル)をNMP30gに溶解させ、30℃にした。ここに3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物15.5g(ダイセル化学製、以下、ODPAと略する)(0.05モル)を加え、30℃で2時間、50℃で1時間攪拌した。この後、ジメチルホルミアミドジメチルアセタール9.5g(0.08モル)をNMP10gとともに加え、30℃で3時間攪拌を続けた。反応終了後に酢酸2mlを加え、残ったジメチルホルムアミドジメチルアセタールを分解した。
【0163】
この溶液を水1Lに投入し、ポリマーの沈殿を得た。この沈殿を水で2回洗浄を繰り返し、50℃の真空乾燥機で48時間乾燥させた。
【0164】
ポリマーの粉体2g、ナフトキノンジアジド化合物(1)を0.4g、架橋剤として2,6−ジメトキシメチル−パラクレゾール0.3gをはかり取り、GBL15gに溶解させた。この溶液を口径0.22μmのポリテトラフルオロエチレン製のメンブレンフィルターでろ過を行った。
【0165】
この溶液をガラス基板にスピンコートし、100℃で30分、その後230℃で1時間熱処理した後の膜厚は0.7μmであった。ついで、UV−オゾン処理をしたところ膜厚減少量は0.22μmであり、膜厚減少速度は0.0037μm/分であった。また、酸素プラズマ処理による膜厚減少量は0.05μm、膜厚減少速度は0.0025μm/分であった。
【0166】
実施例4
攪拌装置と温度計を取り付けた500mLの3つ口セパラブルフラスコにm−クレゾール75g(0.69モル)とp−クレゾール25g(0.23モル)を投入した。ここに37重量%のホルムアルデヒド水溶液70gとシュウ酸0.04gを添加した。攪拌を行いながら、オイルバスに入れ100℃に加熱し、10時間攪拌を続けた。その後、温度計を外し、内圧を30mmHgまで減圧して水を除去し、さらにその後180℃に加熱して1時間未反応物を除去した。その後、室温にまで冷却してノボラック樹脂Aを得た。
【0167】
このノボラック樹脂A 20g、ナフトキノンジアジド化合物(1)5g、架橋剤として2,2’−ジ(ヒドロキシメチル)−メチレンビス−パラクレゾール2gを75gのプロピレングリコールモノメチルエーテル(クラレ(株)製)に溶解させ、口径0.22μmのポリテトラフルオロエチレン製メンブレンフィルターでろ過をした。
【0168】
この溶液をガラス基板にスピンコートし、100℃で30分、その後120℃で30分熱処理した後の膜厚は2.0μmであった。ついで、UV−オゾン処理したところ膜厚減少量は0.75μm、膜厚減少速度は0.013μm/分であった。
【0169】
実施例5
温度計、撹拌装置、窒素導入管、滴下ロートを取り付けた500mLの4つ口フラスコにプロピレングリコールモノメチルエーテル300mLを入れ、溶液の温度を85℃にした。ここにスチレン30g(東京化成(株)製、0.29モル)、メタクリル酸30g(東京化成(株)製、0.35モル)、メタクリル酸メチル40g(東京化成(株)製、0.4モル)をプロピレングリコールモノメチルエーテル100gで希釈した溶液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、溶液の温度を95℃に上昇し、アゾイソブチニトリル0.5g(東京化成(株)製)を30分毎に5回に分けて加えた。この後、溶液温度を95℃にして1時間30分攪拌し、溶液を室温にまで低下した。
【0170】
この溶液100gにナフトキノンジアジド化合物(1)2g、架橋剤としてニカラックMX−750LM(三和ケミカル(株)製)2gを混合し、0.22μmのメンブレンフィルターでろ過した。
この溶液をガラス基板にスピンコートし、100℃で30分、その後200℃で1時間熱処理した後の膜厚は5μmであった。ついで、UV−オゾン処理をしたところ膜厚減少量は0.38μm、膜厚減少速度は0.0063μm/分であった。また、酸素プラズマ処理による膜厚減少量は0.08μm、膜厚減少速度は0.004μm/分であった。
【0171】
実施例6
GK−4292(新日鐵化学製、エポキシ当量244)60.7g、光酸発生剤として2−(4−メトキシフェニル)4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン(みどり化学製、TAZ−104)2g、硬化成分としてH−1(明和化成製、フェノールノボラック樹脂)36.8g、架橋剤として2,6−ジメトキシメチル−4−t−ブチルフェノール(東京化成(株)製)10g、ビニルトリメトキシシラン(信越化学製、KBM−1003)2gをGBL100g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート50gに溶解させた。
【0172】
この溶液をガラス基板にスピンコートし、100℃で30分、その後200℃で1時間熱処理した後の膜厚は3μmであった。ついで、UV−オゾン処理をしたところ膜厚減少量は0.40μm、膜厚減少速度0.0067μm/分であった。また、酸素プラズマ処理による膜厚減少量は0.09μm、膜厚減少速度は0.0045μm/分であった。
【0173】
実施例7
メチルトリメトキシシラン(信越化学製、KBM−13)68g(0.5モル)、フェニルトリメトキシシラン(信越化学製、KBM−103)19.8g(0.1モル)をプロピレングリコールモノメチルエーテル171.6gに溶解させた。ここに酢酸0.88gと水32.4gを攪拌しながら加えた。30℃で5分攪拌を続け、その後にバスの温度を105℃にして3時間攪拌した。これにより副生するメタノールが中心となり49gの留出が見られた。次にバス温を125℃にし、内温を113℃とし、酢酸、水、プロピレングリコールモノメチルエーテルを主とした27gの留出を行った。その後、室温に冷却し、アルカリ可溶性のシロキサンポリマーを得た。
【0174】
この溶液20gに光酸発生剤としてベンゾイントシレート0.1g、架橋剤として2,6−ジアセトキシメチル−パラクレゾール 0.2gを加えた。
【0175】
この溶液をガラス基板にスピンコートし、100℃で30分、その後230℃で1時間熱処理した後の膜厚は0.7μmであった。ついで、UV−オゾン処理をしたところ膜厚減少量は0.15μm、膜厚減少速度は0.0025μm/分であった。また、酸素プラズマ処理による膜厚減少量は0.09μm、膜厚減少速度は0.0045μm/分であった。
【0176】
実施例8
BAHF36.6g(0.1モル)をNMP 150gとアセトン 30gの混合溶媒に溶解させ、溶液温度を3℃に冷却した。ここにグリシジルメチルエーテル88g(東京化成(株)製、1.0モル)を加えた。この溶液にアセトン100gに溶解させたジフェニルエーテルジカルボン酸クロリド32.5g(日本農薬(株)製、0.11モル)を溶液の内温が10℃を越えないように滴下した。滴下終了後、3℃で2時間、その後、室温に戻し、末端封止剤としてノルボルネンジカルボン酸無水物3.32g(東京化成(株)製、0.02モル)を加え、室温でさらに2時間攪拌した。
【0177】
攪拌終了後、水2Lに投入して白色沈殿を得た。この沈殿をろ過で集めた。再度、水2Lに白色沈殿を分散させ、攪拌後、ろ過して集めた。この操作を3回繰り返し、50℃の真空乾燥機で48時間乾燥させ、白色のポリマー沈殿を得た。このポリマー粉末10g、ナフトキノンジアジド化合物(1)2g、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン(本州化学(株)製)1g、架橋剤としてニカラックMX−290(三和ケミカル(株)製)0.8gをGBL50gに溶解し、0.22μmのメンブレンフィルターでろ過した。
【0178】
この溶液をガラス基板にスピンコートし、100℃で30分、その後230℃で1時間熱処理した後の膜厚は3.5μmであった。ついで、UV−オゾン処理をしたところ膜厚減少量は0.64μm、膜厚減少速度は0.011μm/分であった。また、酸素プラズマ処理による膜厚減少量は0.05μm、膜厚減少速度は0.0025μm/分であった。
【0179】
実施例9
撹拌装置、温度計のついた1Lの3つ口フラスコに無水ピロメリット酸10.9g(ダイセル化学(株)製、0.05モル)とベンゾフェノンテトラカルボン酸16.1g(ダイセル化学(株)製、0.05モル)をGBL250mLに分散させた。ここに2−ヒドロキシエチルメタクリレート26.0g(東京化成(株)製、0.2モル)をピリジン21g(東京化成(株)製、0.2モル)を加え、30℃で5時間攪拌し反応させた。この溶液を−10℃に冷却し、ジシクロヘキシルカルボジイミド41.3g(東京化成(株)製、0.2モル)をGBL50g、アセトン30gに溶解させた溶液を内温が0℃を越えないように滴下した。滴下終了後、3,5−ジアミノ安息香酸12.2g(東京化成(株)製、0.08モル)、4−DAE 4.0g(0.02モル)をGBL50gに分散させて加えた。30分間、−10℃で攪拌をし、その後溶液の温度を徐々に上げていき、30℃で3時間攪拌を続けた。反応終了後、溶液をろ過し、ろ液を水4Lに投入してポリマー沈殿を得た。このポリマー沈殿をろ過で集めて、再び水2Lで洗浄しろ過した。この操作を3回繰り返した後、50℃の真空乾燥機で48時間乾燥して、ポリマー粉体を得た。
【0180】
ポリマー粉体10g、N−フェニルジエタノールアミン 0.2g、N−フェニルグリシン 0.4g、エチレングリコールジメタクリレート(新中村化学(株)製、1G)2g、架橋剤として3,3’−メチレンビス(2−ヒドロキシ−5−メチル−ベンゼンメタノール(本州化学(株)製、DML−MBPC)をNMP 50gに溶解させ、さらに3−アミノプロピルトリエトキシシラン(信越化学(株)製、KBE−903)0.5gを加えた。この溶液を0.22μmのメンブレンフィルターでろ過した。
【0181】
この溶液をガラス基板にスピンコートし、100℃で30分、その後230℃で1時間熱処理した後の膜厚は1.2μmであった。ついで、UV−オゾン処理をしたところ膜厚減少量は0.30μm、膜厚減少速度は0.015μm/分であった。また、酸素プラズマ処理による膜厚減少量は0.07μm、膜厚減少速度は0.0043μm/分であった。
【0182】
比較例1
DAE10.01g(0.05モル)、3,5−ジアミノ安息香酸6.84g(0.045モル)、APDS1.24g(0.005モル)をNMP100gに溶解させた。ここに2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(セントラル硝子製)44.41g(0.1モル)をNMP50gとともに加えた。その後、30℃で2時間、その後40℃で3時間攪拌を続けた。
【0183】
この溶液をガラス基板にスピンコートし、100℃で30分、その後230℃で1時間熱処理した後の膜厚は1.5μmであった。ついで、UV−オゾン処理をしたところ膜厚減少量は1.02μm、膜厚減少速度は0.017μm/分であった。また、酸素プラズマ処理による膜厚減少量は0.13μm、膜厚減少速度は0.0065μm/分であった。
【0184】
比較例2
架橋剤を加えないこと以外は、実施例4と同一の組成で行った。
この溶液をガラス基板にスピンコートし、100℃で30分、その後150℃で1時間熱処理し、酸素プラズマ処理による膜厚減少量は0.22μm、膜厚減少速度は0.011μm/分であった。本比較例に使用したノボラック樹脂の場合、架橋剤を加えずに膜厚減少速度を0.005μm/分以下にすることはできなかった。
【0185】
【発明の効果】
本発明の耐酸化分解性樹脂組成物を有機発光素子の絶縁層に用いると、洗浄処理による膜減りが少なく、高い信頼性のある有機発光素子が得られる。
Claims (8)
- 耐酸化分解性樹脂組成物であって、該樹脂組成物を0.05〜20.0μmの膜厚の樹脂膜とし、該樹脂膜をUVオゾン処理した時の膜厚減少速度が0.015μm/分以下または酸素プラズマ処理した時の膜厚減少速度が0.005μm/分以下であることを特徴とする耐酸化分解性樹脂組成物。
- ノボラック樹脂と一般式(2)で表される基を有する架橋剤及び光酸発生剤を含むことを特徴とする請求項1記載の耐酸化分解性樹脂組成物。
- アクリル樹脂と一般式(2)で表される基を有する架橋剤を含むことを特徴とする請求項1記載の耐酸化分解性樹脂組成物。
- エポキシ樹脂と一般式(2)で表される基を有する架橋剤を含むことを特徴とする請求項1記載の耐酸化分解性樹脂組成物。
- 有機物を含んだシリカ樹脂と一般式(2)で表される基を有する架橋剤を含むことを特徴とする請求項1記載の耐酸化分解性樹脂組成物。
- 請求項1〜7のいずれか記載の耐酸化分解性樹脂組成物を絶縁層に用いたことを特徴とする有機電界発光素子。
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JP2007016214A (ja) * | 2005-06-09 | 2007-01-25 | Toray Ind Inc | 樹脂組成物およびそれを用いた表示装置 |
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