JP2004010435A - 被覆光ファイバの製造装置及び製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】樹脂被覆後における変動幅を抑制できる、被覆光ファイバの製造装置及び製造方法を提供する。
【解決手段】光ファイバ線引ライン上の樹脂被覆用UVランプ4の直下に該光ファイバが通過しヘリウムガスが供給される通路10Aを有する冷却管10を配置し、この冷却管10の出口における樹脂温度を60℃以下に制御した。
【選択図】 図1
【解決手段】光ファイバ線引ライン上の樹脂被覆用UVランプ4の直下に該光ファイバが通過しヘリウムガスが供給される通路10Aを有する冷却管10を配置し、この冷却管10の出口における樹脂温度を60℃以下に制御した。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被覆光ファイバを冷却する冷却管を備えた被覆光ファイバの製造装置及び製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図6は、光ファイバ線引装置の概略図を示す。
【0003】
光ファイバ線引装置では、図6Aに示すように、ガラス母材を線引炉1内で加熱溶融し、炉下口から直径125μmのファイバ2を引き出した後、まず低弾性のUV硬化型の樹脂(プライマリー)をダイス3で塗布し、UVランプ4でUV光を照射し樹脂を硬化させて被覆する。
【0004】
図6Bに示すように、ファイバ2の直径d1=125μmに対し、プライマリー7を被覆した後の直径は、d2=197μmである。UV照射直後の樹脂の温度は約120℃である。
【0005】
ついで、被覆後のプライマリー7を空冷し、樹脂・エアー間の対流熱伝達により冷却する。樹脂周囲の空気温度は約50℃である。
【0006】
つぎに、その外側に高弾性のUV硬化型の樹脂(セカンダリー)をダイス5で塗布し、UVランプ6でUV光を照射し、セカンダリーを硬化させて被覆する。このとき、図6Cに示すように、セカンダリー8を被覆した後の直径は、d3=240μmである。
【0007】
このようにファイバ2に対し連続的に2層の硬さの異なるUV硬化型の樹脂を被覆した後、巻き取り手段9を通じ、速度1200m/分でファイバ2をボビン9Aに巻き取る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、プライマリー被覆用UVランプ4の下端位置をX軸の原点0mとした場合、被覆後のプライマリー7を空冷しただけでは、図7に示すように、原点0mから略2.5m離れた位置にて、略20℃程度の冷却効果が得られるだけで、被覆後のプライマリー7の温度を低くすることができないという問題があった。プライマリー7の温度が高い場合、セカンダリー8に塗りむらが発生し、被覆後の直径変動幅が大きくなるという問題があった。また、プライマリー被覆周囲の気体の流速が遅い場合、被覆周囲のプライマリー揮発分を随伴しながらセカンダリーが被覆されるため、塗りむらが発生し、被覆後の直径変動幅が大きくなるという問題があった。
【0009】
そこで、本発明の目的は、上述した従来の技術が有する課題を解消し、樹脂被覆後における変動幅を抑制できる、被覆光ファイバの製造装置及び製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、光ファイバ線引ライン上の樹脂被覆用UVランプの直下に該光ファイバが通過しヘリウムガスが供給される通路を有する冷却管を配置した被覆光ファイバの製造装置において、この冷却管の出口における樹脂温度を略60℃以下に制御したことを特徴とする。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のものにおいて、前記冷却管の管体を水冷したことを特徴とする。
【0012】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載のものにおいて、前記ヘリウムガスの流速を300cm/秒以上としたことを特徴とする。
【0013】
請求項4記載の発明は、光ファイバ線引ライン上の樹脂被覆用UVランプの直下に該光ファイバが通過しヘリウムガスが供給される通路を有する冷却管を配置した被覆光ファイバの製造方法において、この冷却管の出口における樹脂温度を略60℃以下に制御することを特徴とする。
【0014】
請求項5記載の発明は、請求項4記載のものにおいて、前記冷却管の管体を水冷したことを特徴とする。
【0015】
請求項6記載の発明は、請求項4又は5記載のものにおいて、前記ヘリウムガスの流速を300cm/秒以上としたことを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による被覆光ファイバの製造装置及び製造方法の一実施形態を添付した図面を参照して説明する。
【0017】
図1Aに示すように、光ファイバ線引装置では、ガラス母材を線引炉1内で加熱溶融し、炉下口から直径125μmのファイバ2を引き出した後、まず低弾性のUV硬化型の樹脂(プライマリー)をダイス3で塗布し、UVランプ4でUV光を照射し樹脂を硬化させて被覆する。
【0018】
図1Bに示すように、ファイバ2の直径d1=125μmに対し、プライマリー7を被覆した後の直径は、d2=197μmである。UV照射直後の樹脂の温度は約120℃である。
【0019】
UVランプ4は内径20mm、高さH=300mmの石英管を含み、UVランプ4の直下には冷却管10が設置されている。
【0020】
この冷却管10は、図2に示すように、略立方体状の金属製の管体10Aを含み、この管体10Aには、ファイバ2が通過する内径8mmの通路10Bが上下に貫通して形成され、この通路10Bには、ヘリウムガスが流速300cm/秒以上で下から上への上方流で供給されている。
【0021】
これにより、被覆後のプライマリー7が、通路10Bに供給されるヘリウムガスに接触し、樹脂・ヘリウムガス間の対流熱伝達により冷却される。
【0022】
冷却管10の管体10Aには、通路10Bと交差しない貫通孔10Cを通じて冷却水が供給され、水冷によって管体温度が一定に維持されている。ファイバ速度は1200m/分である。
【0023】
この構成では、プライマリー7の冷却において、UVランプ4の下端から冷却管10の上端までの間が空冷であり、冷却管10の内側がヘリウムガス冷却となる。樹脂周囲の空気温度は約50℃である。
【0024】
本実施形態では、図3に示すように、プライマリー7の温度が、空冷の領域では120℃から115℃にまで降下し、ヘリウムガス冷却の領域では115℃から56℃にまで降下する。
【0025】
すなわち、プライマリー7の温度が、ヘリウムガスを満たした冷却管10の出口(X=2.6m)で60℃以下になるように、予め、冷却管10の長さが2000mm程度に最適化されると共に、管体10Aを水冷することにより、冷却管10の温度は一定に保たれる。
【0026】
つぎに、図1Aにて、プライマリー7の外側に高弾性のUV硬化型の樹脂(セカンダリー)をダイス5で塗布し、UVランプ6でUV光を照射し、セカンダリーを硬化させて被覆する。UVランプ6は内径20mm、高さH=300mmの石英管を含む。図1Cに示すように、セカンダリー8を被覆した後の直径は、d3=240μmである。
【0027】
このようにファイバ2に対し連続的に2層の硬さの異なるUV硬化型の樹脂を被覆した後、巻き取り手段9を通じ、速度1200m/分でファイバ2をボビン9Aに巻き取る。
【0028】
図4は、冷却管10の出口のプライマリー温度に対するセカンダリー被覆後の直径変動幅を示し、図5は、ヘリウムガス流速に対するセカンダリー被覆後の直径変動幅を示している。
【0029】
いずれも試験値であるが、冷却管10の出口のプライマリー温度が60℃を越えた場合、セカンダリー被覆後の直径変動幅が大きくなり、また、ヘリウムガス流速が300cm/秒に達しない場合、セカンダリー被覆後の直径変動幅が大きくなることが判明した。
【0030】
上記構成では、冷却管10の長さLが長くなればなるほど、冷却管10の出口におけるプライマリーの温度は低下する。しかし、図4を参照し、冷却管10の出口のプライマリー温度が60℃以下であれば、その直径変動幅は0.5μmで略一定であり、それ以上、いかに温度低下させても、その直径変動幅が0.5μmを大きく下回ることはない。
【0031】
本実施形態では、冷却管10の長さLを、少なくとも1600mm以上(図3)、ここでは2000mmに最適化し、管体10Aを水冷して冷却管10の温度を一定に保つ構成としたため、冷却管10の出口のプライマリー温度を60℃以下(56℃)に制御することができる。
【0032】
従って、セカンダリー8に塗りむらが発生することがなく、被覆後の直径変動幅を0.5μmに抑制できる。
【0033】
また、冷却管10内を流れるヘリウムガスの流速が300cm/秒以上になるように設計したため、セカンダリー8に塗りむらが発生することがなく、被覆後の直径変動幅を0.5μmに抑制できる。
【0034】
例えば、冷却管10内を流れるヘリウムガスの流速が、臨界領域200cm/秒〜250cm/秒以下の場合、プライマリー被覆の周囲に発生する霧状のプライマリー揮発分(ミスト)の除去が不完全となり、セカンダリーを塗布する際にミストの随伴によって塗りむらが発生するからである。
【0035】
以上、一実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は、これに限定されるものでないことは明らかである。上記実施形態では、冷却管10の長さLを最適化することにより、冷却管10の出口のプライマリー温度を60℃以下に制御したが、ほかの制御手段によって、冷却管10の出口のプライマリー温度を60℃以下に制御することは可能である。
【0036】
【発明の効果】
本発明では、被覆後のプライマリーを、冷却管を用いて、樹脂・ヘリウムガス間の対流熱伝達により冷却するため、十分な冷却効果が得られ、セカンダリーの被覆後の変動幅を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】A,B,Cは、本発明による被覆光ファイバの製造装置及び製造方法の一実施形態を示す図である。
【図2】A,Bは、冷却管の部分を拡大して示す図である。
【図3】プライマリーの温度降下を示す線図である。
【図4】冷却管の出口のプライマリー温度に対するセカンダリー被覆後の変動幅を示す線図である。
【図5】ヘリウムガス流速に対するセカンダリー被覆後の変動幅を示す線図である。
【図6】A,B,Cは、従来の被覆光ファイバの製造装置を示す図である。
【図7】従来のプライマリーの温度降下を示す線図である。
【符号の説明】
1 線引炉
2 ファイバ
3 ダイス(プライマリー)
4 UVランプ(プライマリー)
5 ダイス(セカンダリー)
6 UVランプ(セカンダリー)
7 プライマリー
8 セカンダリー
10 冷却管
【発明の属する技術分野】
本発明は、被覆光ファイバを冷却する冷却管を備えた被覆光ファイバの製造装置及び製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図6は、光ファイバ線引装置の概略図を示す。
【0003】
光ファイバ線引装置では、図6Aに示すように、ガラス母材を線引炉1内で加熱溶融し、炉下口から直径125μmのファイバ2を引き出した後、まず低弾性のUV硬化型の樹脂(プライマリー)をダイス3で塗布し、UVランプ4でUV光を照射し樹脂を硬化させて被覆する。
【0004】
図6Bに示すように、ファイバ2の直径d1=125μmに対し、プライマリー7を被覆した後の直径は、d2=197μmである。UV照射直後の樹脂の温度は約120℃である。
【0005】
ついで、被覆後のプライマリー7を空冷し、樹脂・エアー間の対流熱伝達により冷却する。樹脂周囲の空気温度は約50℃である。
【0006】
つぎに、その外側に高弾性のUV硬化型の樹脂(セカンダリー)をダイス5で塗布し、UVランプ6でUV光を照射し、セカンダリーを硬化させて被覆する。このとき、図6Cに示すように、セカンダリー8を被覆した後の直径は、d3=240μmである。
【0007】
このようにファイバ2に対し連続的に2層の硬さの異なるUV硬化型の樹脂を被覆した後、巻き取り手段9を通じ、速度1200m/分でファイバ2をボビン9Aに巻き取る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、プライマリー被覆用UVランプ4の下端位置をX軸の原点0mとした場合、被覆後のプライマリー7を空冷しただけでは、図7に示すように、原点0mから略2.5m離れた位置にて、略20℃程度の冷却効果が得られるだけで、被覆後のプライマリー7の温度を低くすることができないという問題があった。プライマリー7の温度が高い場合、セカンダリー8に塗りむらが発生し、被覆後の直径変動幅が大きくなるという問題があった。また、プライマリー被覆周囲の気体の流速が遅い場合、被覆周囲のプライマリー揮発分を随伴しながらセカンダリーが被覆されるため、塗りむらが発生し、被覆後の直径変動幅が大きくなるという問題があった。
【0009】
そこで、本発明の目的は、上述した従来の技術が有する課題を解消し、樹脂被覆後における変動幅を抑制できる、被覆光ファイバの製造装置及び製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、光ファイバ線引ライン上の樹脂被覆用UVランプの直下に該光ファイバが通過しヘリウムガスが供給される通路を有する冷却管を配置した被覆光ファイバの製造装置において、この冷却管の出口における樹脂温度を略60℃以下に制御したことを特徴とする。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のものにおいて、前記冷却管の管体を水冷したことを特徴とする。
【0012】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載のものにおいて、前記ヘリウムガスの流速を300cm/秒以上としたことを特徴とする。
【0013】
請求項4記載の発明は、光ファイバ線引ライン上の樹脂被覆用UVランプの直下に該光ファイバが通過しヘリウムガスが供給される通路を有する冷却管を配置した被覆光ファイバの製造方法において、この冷却管の出口における樹脂温度を略60℃以下に制御することを特徴とする。
【0014】
請求項5記載の発明は、請求項4記載のものにおいて、前記冷却管の管体を水冷したことを特徴とする。
【0015】
請求項6記載の発明は、請求項4又は5記載のものにおいて、前記ヘリウムガスの流速を300cm/秒以上としたことを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による被覆光ファイバの製造装置及び製造方法の一実施形態を添付した図面を参照して説明する。
【0017】
図1Aに示すように、光ファイバ線引装置では、ガラス母材を線引炉1内で加熱溶融し、炉下口から直径125μmのファイバ2を引き出した後、まず低弾性のUV硬化型の樹脂(プライマリー)をダイス3で塗布し、UVランプ4でUV光を照射し樹脂を硬化させて被覆する。
【0018】
図1Bに示すように、ファイバ2の直径d1=125μmに対し、プライマリー7を被覆した後の直径は、d2=197μmである。UV照射直後の樹脂の温度は約120℃である。
【0019】
UVランプ4は内径20mm、高さH=300mmの石英管を含み、UVランプ4の直下には冷却管10が設置されている。
【0020】
この冷却管10は、図2に示すように、略立方体状の金属製の管体10Aを含み、この管体10Aには、ファイバ2が通過する内径8mmの通路10Bが上下に貫通して形成され、この通路10Bには、ヘリウムガスが流速300cm/秒以上で下から上への上方流で供給されている。
【0021】
これにより、被覆後のプライマリー7が、通路10Bに供給されるヘリウムガスに接触し、樹脂・ヘリウムガス間の対流熱伝達により冷却される。
【0022】
冷却管10の管体10Aには、通路10Bと交差しない貫通孔10Cを通じて冷却水が供給され、水冷によって管体温度が一定に維持されている。ファイバ速度は1200m/分である。
【0023】
この構成では、プライマリー7の冷却において、UVランプ4の下端から冷却管10の上端までの間が空冷であり、冷却管10の内側がヘリウムガス冷却となる。樹脂周囲の空気温度は約50℃である。
【0024】
本実施形態では、図3に示すように、プライマリー7の温度が、空冷の領域では120℃から115℃にまで降下し、ヘリウムガス冷却の領域では115℃から56℃にまで降下する。
【0025】
すなわち、プライマリー7の温度が、ヘリウムガスを満たした冷却管10の出口(X=2.6m)で60℃以下になるように、予め、冷却管10の長さが2000mm程度に最適化されると共に、管体10Aを水冷することにより、冷却管10の温度は一定に保たれる。
【0026】
つぎに、図1Aにて、プライマリー7の外側に高弾性のUV硬化型の樹脂(セカンダリー)をダイス5で塗布し、UVランプ6でUV光を照射し、セカンダリーを硬化させて被覆する。UVランプ6は内径20mm、高さH=300mmの石英管を含む。図1Cに示すように、セカンダリー8を被覆した後の直径は、d3=240μmである。
【0027】
このようにファイバ2に対し連続的に2層の硬さの異なるUV硬化型の樹脂を被覆した後、巻き取り手段9を通じ、速度1200m/分でファイバ2をボビン9Aに巻き取る。
【0028】
図4は、冷却管10の出口のプライマリー温度に対するセカンダリー被覆後の直径変動幅を示し、図5は、ヘリウムガス流速に対するセカンダリー被覆後の直径変動幅を示している。
【0029】
いずれも試験値であるが、冷却管10の出口のプライマリー温度が60℃を越えた場合、セカンダリー被覆後の直径変動幅が大きくなり、また、ヘリウムガス流速が300cm/秒に達しない場合、セカンダリー被覆後の直径変動幅が大きくなることが判明した。
【0030】
上記構成では、冷却管10の長さLが長くなればなるほど、冷却管10の出口におけるプライマリーの温度は低下する。しかし、図4を参照し、冷却管10の出口のプライマリー温度が60℃以下であれば、その直径変動幅は0.5μmで略一定であり、それ以上、いかに温度低下させても、その直径変動幅が0.5μmを大きく下回ることはない。
【0031】
本実施形態では、冷却管10の長さLを、少なくとも1600mm以上(図3)、ここでは2000mmに最適化し、管体10Aを水冷して冷却管10の温度を一定に保つ構成としたため、冷却管10の出口のプライマリー温度を60℃以下(56℃)に制御することができる。
【0032】
従って、セカンダリー8に塗りむらが発生することがなく、被覆後の直径変動幅を0.5μmに抑制できる。
【0033】
また、冷却管10内を流れるヘリウムガスの流速が300cm/秒以上になるように設計したため、セカンダリー8に塗りむらが発生することがなく、被覆後の直径変動幅を0.5μmに抑制できる。
【0034】
例えば、冷却管10内を流れるヘリウムガスの流速が、臨界領域200cm/秒〜250cm/秒以下の場合、プライマリー被覆の周囲に発生する霧状のプライマリー揮発分(ミスト)の除去が不完全となり、セカンダリーを塗布する際にミストの随伴によって塗りむらが発生するからである。
【0035】
以上、一実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は、これに限定されるものでないことは明らかである。上記実施形態では、冷却管10の長さLを最適化することにより、冷却管10の出口のプライマリー温度を60℃以下に制御したが、ほかの制御手段によって、冷却管10の出口のプライマリー温度を60℃以下に制御することは可能である。
【0036】
【発明の効果】
本発明では、被覆後のプライマリーを、冷却管を用いて、樹脂・ヘリウムガス間の対流熱伝達により冷却するため、十分な冷却効果が得られ、セカンダリーの被覆後の変動幅を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】A,B,Cは、本発明による被覆光ファイバの製造装置及び製造方法の一実施形態を示す図である。
【図2】A,Bは、冷却管の部分を拡大して示す図である。
【図3】プライマリーの温度降下を示す線図である。
【図4】冷却管の出口のプライマリー温度に対するセカンダリー被覆後の変動幅を示す線図である。
【図5】ヘリウムガス流速に対するセカンダリー被覆後の変動幅を示す線図である。
【図6】A,B,Cは、従来の被覆光ファイバの製造装置を示す図である。
【図7】従来のプライマリーの温度降下を示す線図である。
【符号の説明】
1 線引炉
2 ファイバ
3 ダイス(プライマリー)
4 UVランプ(プライマリー)
5 ダイス(セカンダリー)
6 UVランプ(セカンダリー)
7 プライマリー
8 セカンダリー
10 冷却管
Claims (6)
- 光ファイバ線引ライン上の樹脂被覆用UVランプの直下に該光ファイバが通過しヘリウムガスが供給される通路を有する冷却管を配置した被覆光ファイバの製造装置において、
この冷却管の出口における樹脂温度を略60℃以下に制御したことを特徴とする被覆光ファイバの製造装置。 - 前記冷却管の管体を水冷したことを特徴とする請求項1記載の被覆光ファイバの製造装置。
- 前記ヘリウムガスの流速を300cm/秒以上としたことを特徴とする請求項1又は2記載の被覆光ファイバの製造装置。
- 光ファイバ線引ライン上の樹脂被覆用UVランプの直下に該光ファイバが通過しヘリウムガスが供給される通路を有する冷却管を配置した被覆光ファイバの製造方法において、
この冷却管の出口における樹脂温度を略60℃以下に制御することを特徴とする被覆光ファイバの製造方法。 - 前記冷却管の管体を水冷したことを特徴とする請求項4記載の被覆光ファイバの製造方法。
- 前記ヘリウムガスの流速を300cm/秒以上としたことを特徴とする請求項4又は5記載の被覆光ファイバの製造方法。
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JP2002166700A JP2004010435A (ja) | 2002-06-07 | 2002-06-07 | 被覆光ファイバの製造装置及び製造方法 |
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JP (1) | JP2004010435A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN101973714A (zh) * | 2010-10-29 | 2011-02-16 | 中天科技光纤有限公司 | 光纤冷却管 |
-
2002
- 2002-06-07 JP JP2002166700A patent/JP2004010435A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN101973714A (zh) * | 2010-10-29 | 2011-02-16 | 中天科技光纤有限公司 | 光纤冷却管 |
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