JP2004010065A - 厚紙の折曲構造 - Google Patents

Abstract

【課題】積上荷重による胴膨れが生じにくく、美観が維持され、かつケーサーでの製函適性に優れた厚紙の折曲構造を提供する。
【解決手段】立面板１と平面板２の稜部に、一本の罫線７と、平行にずれた二本の罫線８とを、切目を挟んで交互に配設し、これらの罫線７，８に沿って立面板１と平面板２の稜部を折り曲げる。この折曲構造を採用した紙箱では、積上荷重が作用した時、罫線８の折曲角の変化により高さ方向の変形が吸収され、製函時には、罫線７の部分により罫線８の片折れが防止される。
【選択図】　図１

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ラップラウンドケースの稜部などに適用される厚紙の折曲構造に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
例えば、缶ビールの包装には、図７に示すように、缶Ｃを巻き込むように各一対の立面板５１及び平面板５２を折り曲げ、継代５３を貼着して周壁を形成し、各立面板５１及び平面板５２から延出したフラップ５４，５５を閉じて端面を閉止する段ボール製のラップラウンドケースが使用されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のようなラップラウンドケースを多数積み上げて保管しておくと、積上荷重で平面板５２の段ボールに缶が食い込む現象などから、立面板５１が膨らんで、美観が損なわれるという問題がある。
【０００４】
その対策として、立面板５１と平面板５２の稜部に全長に亘って平行な二本の罫線を入れ、その一本を座屈誘導線とすることも考えられるが、この場合、ケーサーでの製函時に折れ曲る罫線が一定せず、製函不良が発生する恐れがある。
【０００５】
そこで、この発明は、ラップラウンドケース等に適用した時、積上荷重による胴膨れが生じにくく、美観が維持され、かつケーサーでの製函適性に優れた厚紙の折曲構造を提供しようとするものである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、この発明は、二枚の板材の境界部分に、一本の罫線と、平行にずれた二本の罫線とを、切目を挟んで交互に配設し、これらの罫線に沿って二枚の板材を折り曲げるようにしたのである。
【０００７】
このような折曲構造を紙箱の立面板と平面板の稜部に適用すると、積上荷重が作用した時、平行な二本の罫線の折曲角が変化して、高さ方向の変形が吸収されるので、胴膨れが抑制される。
【０００８】
また、製函時に立面板と平面板の稜部を折り曲げる際、一本の罫線に続いて、平行な二本の罫線が均等に折れるので、一方の罫線で片折れすることがなく、製函不良の発生が防止される。
【０００９】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【００１０】
この段ボール製ラップラウンドケースは、図１及び図２に示すように、缶Ｃを巻き込むように各一対の立面板１及び平面板２を折り曲げ、継代３を貼着して周壁を形成し、フラップ４，５を閉じて端面を閉止するものであり、立面板１及びフラップ４には、半切による開封用の切裂帯６が設けられている。
【００１１】
このラップラウンドケースのブランクでは、図３に示すように、一方の平面板２とその両側の立面板１との稜部に、中央に位置する一本の罫線７と、平行にずれた二本の罫線８とが、切目を挟んで交互に配設されている。また、罫線７を下端とする立面板１の高さは、缶Ｃの高さよりも小さくなっている。
【００１２】
上記ブランクを組み立てて、缶Ｃを包装する際、図４に示すように、立面板１を平面板２から折り曲げると、まず、中央の一本の罫線７が折れ始め、これに伴い二本の罫線８が均等に折れ始める。
【００１３】
そして、図５に示すように、立面板１が起立すると、二本の罫線８の間の部分が斜めに曲がり、一本の罫線７の周辺部分も引き締められて、缶Ｃがタイトに包装される。
【００１４】
このように包装すると、積上荷重が作用した時、缶Ｃの上下のフランジが平面板２の段ボールに食い込んでも、罫線８の折曲角が変化して、高さ方向の変形が吸収されるので、立面板１が膨らみにくい。
【００１５】
また、製函時に、一方の罫線８で片折れすることがないので、高速のケーサーで包装しても、製函不良のトラブルが発生することがない。
【００１６】
さらに、ブランクの面積を従来のものより小さくすることができ、缶Ｃが直接積上荷重を受けることから、材料に低グレードの段ボールを使用できるので、包装コストを削減することができる。
【００１７】
なお、この実施形態では、下方の平面板２と両側の立面板１の稜部に罫線７，８を設けたが、これに代えて、又は加えて、上方の平面板２と両側の立面板１の稜部に罫線７，８を設けるようにしてもよい。
【００１８】
そのほか、図６に示すように、切裂帯６を上方へアーチ形に湾曲させると、立面板１が切裂帯６で座屈しにくくなり、開封してトレー状となった部分を持ち運んでも、立面板１の中央部が縦方向に折れにくくなる。
【００１９】
【発明の効果】
以上のように、この発明に係るラップラウンドケースでは、積上荷重が作用した時、平行な二本の罫線の折曲角が変化して高さ方向の変形を吸収するので、胴膨れが抑制され、製函時には、一本の罫線の部分が平行な二本の罫線の片折れを阻止するので、製函不良の発生も防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】この発明に係るラップラウンドケースの包装状態を示す斜視図
【図２】同上の上下反転した状態を示す斜視図
【図３】同上のラップラウンドケースのブランクを示す図
【図４】同上の包装過程を示す部分拡大断面図
【図５】同上の包装状態を示す部分拡大断面図
【図６】切裂帯をアーチ形にした例を示す図
【図７】従来のラップラウンドケースの包装状態を示す斜視図
【符号の説明】
１　立面板
２　平面板
３　継代
４，５　フラップ
６　切裂帯
７，８　罫線

Claims (2)

1. 二枚の板材の境界部分に、一本の罫線と、平行にずれた二本の罫線とを、切目を挟んで交互に配設し、これらの罫線に沿って二枚の板材を折り曲げた厚紙の折曲構造。
2. 商品を巻き込むように各一対の立面板及び平面板を折り曲げて周壁を形成し、フラップを閉じて端面を閉止する紙箱において、少なくとも一方の平面板と一対の立面板の稜部に、請求項１に記載の折曲構造を適用したことを特徴とする紙箱。

Images