JP2004009994A - 列車事故防止システム - Google Patents

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Abstract

【課題】列車軌道に障害物が侵入したとき障害物を安全地帯に移動させて、列車を停止させることなく列車事故を防止するようにした列車事故防止システムを提供すること。
【解決手段】監視装置5は、列車軌道3の予め定められた範囲への障害物4の侵入を監視し、障害物4の侵入を検出したとき障害物侵入情報を障害物侵入情報出力手段6に出力する。障害物侵入情報出力手段6は、障害物移動手段8を制御して、侵入してきた障害物4を瞬時にプラットホーム2の床下の安全地帯7に移動させる。障害物4の安全地帯7への避難を確認した後、障害物移動手段8は、基の位置に戻った後、列車が通過することにより、列車を停止することなく、列車事故を防止する。
【選択図】   図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラットホーム、踏切、高架下及ぴトンネル等の列車軌道上に転落した乗客や落下物等障害物の侵入を連続的に監視し、障害物の侵入を発見したとき速やかに、障害物を予め定められた安全地帯に移動させる列車車故防止システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、プラットホーム、踏切、高架下及びトンネル、山岳地帯等の列車軌道上の監視は、駅職員等による直接的な目視確認や、TVカメラで撮像した列車軌道上の監視情報をTVモニタに表示して、駅職員がこのTVモニタを観察して間接的な目視確認などで行っている。このような目視確認により駅職員が列車軌道上に異常を発見するシステムでは、駅職員による人間系で進入する列車に赤ランプの点灯、赤旗の提示、発煙筒の点火などの停止操作を行動で列車の運転手に伝えていたため、運転手が見落としたり、気がつくのに時間がかかり、行動が遅く重大事故を発生していた。場合によっては、2次災害が発生していた。
【0003】
さらに、このような人間による体制では、乗降客の安全や列車の円滑な運行のために専任の駅職員を常時配置させていなければならなかった。この専任の駅職員の配置は、安価な運賃を提供する面から考えられず、駅職員数としては、円滑な列車の運行に必要な最小限の人数により運営しているのが現実である。
【0004】
また、全ての場所を連続的に監視することは、人間の能力や体カから限界があり、多数の駅職員を確保するのも現実的でない。
【0005】
この点に対処して列車軌道上をTVカメラにより監視し、このTVカメラ出力の画像信号から異常の発生を検出し、自動的に列車の運転手に無線で連絡する手段が実用化され始めている。
【0006】
【発明が解決しようとしている課題】
しかしながら、列車の走行に対する障害物の検出が難しく、痛ましい人身事故が絶えない。
【0007】
本発明は、係る従来の問題を解決すべくなされたもので、列車軌道に障害物が侵入したとき障害物を安全地帯に移動させて、列車事故を防止するようにした列車事故防止システムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の目的を達成するため、次の構成からなる列車事故防止システムを提供するものである。
【0009】
即ち、請求項1の列車事故防止システムは、列車軌道の予め定められた範囲への障害物の侵入を監視する監視装置と、この監視装置に接続されこの監視装置が障害物の侵入を検出したとき障害物侵入情報を出力する障害物侵入情報出力手段と、この障害物侵入情報出力手段から出力された障害物侵入情報が入力されたとき障害物を予め定められた安全地帯に移動させる障害物移動手段とを具備してなることを特徴とする。請求項1の発明によれば、列車事故を防止することができる。
【0010】
請求項2の列車事故防止システムは、前記障害物移動手段は前記障害物侵入情報が出力されたとき瞬時に膨張し、この膨張により前記障害物を前記安全地帯に移動させるエアバッグ装置であることを特徴とする。請求項2の発明によれば、列車事故を防止することができる。
【0011】
請求項3の列車事故防止システムは、前記安全地帯は開閉蓋を備えたピットであって、前記障害物移動手段は前記障害物侵入情報が出力されたとき前記ピットの開閉蓋が開くことを特徴とする。請求項3の発明によれば、列車事故を防止することができる。
【0012】
請求項4の列車事故防止システムは、前記障害物移動手段は前記障害物侵入情報が出力されたとき前記障害物を前記安全地帯に搬送させる搬送装置であることを特徴とする。請求項4の発明によれば、列車事故を防止することができる。
【0013】
請求項5の列車事故防止システムは、前記障害物移動手段は前記障害物侵入情報が出力されたとき前記障害物を上方に跳ね上げる跳ね上げ装置であることを特徴とする。請求項5の発明によれば、列車事故を防止することができる。
【0014】
請求項6の列車事故防止システムは、前記障害物移動手段は前記障害物侵入情報が出力されたとき流体を噴出させて前記障害物を前記安全地帯に移動させる流体噴出装置であることを特徴とする。請求項6の発明によれば、列車事故を防止することができる。
【0015】
請求項7の列車事故防止システムは、前記ピットの開口部に設けられた予め定められた荷重以上の荷重を有する前記障害物が載ると開く開閉蓋とを備え、障害物が前記列車軌道に侵入し、前記開閉蓋に載ったとき前記開閉蓋が開いて前記ピット内に避難することを特徴とする。請求項7の発明によれば、列車事故を防止することができる。
【0016】
請求項8の列車事故防止システムは、前記エアバッグ装置は列車前面に設けられていることを特徴とする。請求項8の発明によれば、列車事故を防止することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
実施形態1
次に、本発明の列車事故防止システムの実施形態を、図1及び図2を参照して説明する。図1は平面図であり、図2は図1の側面図である。この実施形態の列車事故防止システム1は、列車軌道3への障害物4の侵入を監視する監視装置5と、障害物侵入情報を出力する障害物侵入情報出力手段6と、プラットホーム2の下方に設けられる安全地帯7と、障害物4を安全地帯7に移動させる障害物移動手段8と、監視装置5が検出した障害物4を安全地帯7に瞬時に自動的に移動させるように制御する中央制御装置9とからなる。
【0018】
列車軌道3は、列車が走行する線路及び走行する列車の車幅範囲である。列車軌道3に侵入するものは、異物と定義し、異物のうち列車の走行に支障となるものは障害物4と定義する。列車の走行に支障とならない大きさの鳥、虫、紙屑などの塵、犬、猫などの侵入は対象外で、障害物4ではない。列車の走行に支障となる障害物4には、列車軌道3の線路10上に並べられた石、人体、自動車、大きな荷物などがある。障害物4の侵入とは、列車軌道3に列車の走行に支障となるものが入った状態をいう。監視とは、列車の走行に対して支障となる障害物4が列車軌道3に侵入したとき、この侵入したことを出力する動作を連続的に行うことをいう。
【0019】
監視装置5は、列車軌道3の予め定められた範囲例えばプラットホーム2敷地内の列車軌道3への障害物4の侵入を監視する。監視装置5は、列車軌道3への障害物4の侵入を監視するためのもので、主として障害物4の検出を電気信号で出力する装置で、光電変換装置、機械―電気変換装置などがある。光電変換装置は、例えばCCD―TVカメラ、TVカメラ、ITVカメラ、カラーTVカメラ、白黒TVカメラ、赤外線TVカメラ、暗視TVカメラなど撮像環境に応じて適宜選択して利用される。各TVカメラは、予め定められた範囲例えばプラットホーム2の敷地内に敷設された列車軌道3を全長に渉って監視するように1台又は複数台設けられる。機械―電気変換装置は、例えばピエゾ抵抗装置、圧電装置である。
【0020】
監視装置5は、列車の走行に支障となるものを識別して障害物4を検出する。監視装置5は、列車軌道3に異物情報が侵入したのを検出する監視センサ部と、異物情報について障害物4に該当するか、どうかを判定する判定手段とからなる。監視センサ部は、列車軌道3への異物の侵入を監視する監視センサと、異物が侵入したことを出力する信号処理手段とからなる。監視装置5の監視エリアは、列車軌道3であり、各線路10間のみならず線路10の外側も含む列車が走行する車幅部分である。図1は、監視エリアに監視装置5が配列された状態を示している。
【0021】
障害物侵入情報出力手段6は、監視装置5に接続され障害物4の列車軌道3への侵入を検出したとき障害物侵入情報を出力する。障害物侵入情報出力手段6は、監視装置5が検出した障害物4が何であるかを出力する。
【0022】
障害物移動手段8は、列車軌道3に設けられ障害物侵入情報出力手段6から障害物侵入情報が出力されたとき、障害物4を予め定められた安全地帯7に移動させる。障害物移動手段8は、障害物4を瞬時に移動させるもので例えばエアバッグ装置、開閉蓋、跳ね上げ手段、ベルトコンベア、回転ローラ、流体の噴射機構などである。
【0023】
エアバッグ装置は、バッグを瞬時に膨張させることにより、障害物4を瞬時に安全地帯7に押出し、移動させるように作用する。開閉蓋は、障害物4が落下したとき、外部からの開制御又は荷重で開き障害物4をピット内に導入させる作用をする。エアバッグ装置は、列車軌道3内の表面部に埋め込んで固定される。エアバツク跳ね上げ手段は、障害物4が落下したとき、障害物4を跳ね上げて安全地帯7に押出し、移動させるように作用する。ベルトコンベアは、障害物4がベルトコンベア上に落下し、ベルトコンベアが移動を開始して瞬時に安全地帯7に障害物4を移動させるように作用する。
【0024】
回転ローラは、列車軌道3に侵入した障害物4が回転中の回転ローラ上に落下し、障害物4を瞬時に安全地帯7に移動させるように作用する。流体の噴射機構は、列車軌道3に侵入した障害物4が落下しつつあるとき、気体又は液体を噴射させ、流体噴射流のテーパを形成して障害物4を安全地帯7に瞬時に押出し、移動させるように作用する。
【0025】
安全地帯7は、列車軌道3に至近で、列車が事故を起こすことなく、安全に通過できる空間であり、列車が通過したとき列車が障害物4に全く接触しない場所で障害物4が開放される場所である。安全地帯7は、列車の車幅より外側空間や、プラットホーム2の床板下部の空間、線路10間の内外の地下に設けられるピットなどである。
【0026】
次に、列車事故防止システム1による列車の事故防止手順を、図3及び図1、図2を参照して説明する。列車事故防止システム1の電源を投入して列車事故防止システム1の動作がスタートする(F−1)。監視センサは列車軌道3の異物の侵入を監視し、監視信号を信号処理手段に出力する(F−2)。信号処理手段は、A/D変換器でデジタル信号に変換し、1フレーム前の信号と比較して差信号を取り出し、差信号があると異物有りを出力する(F−3)。差信号零は、異物無しであり、異常無しである(F−4)。
【0027】
異物有りの出力は、判定手段に入力され、判定手段は、障害物4か、否かの判定を行う。判定手段は、予め障害物パターンとして記憶された記憶装置から障害物パターンを読出し、比較照合することにより、差信号零を出力即ち一致したとき障害物4と判定する(F−5)。判定手段は、差信号ありのとき、障害物4でない紙屑や鳥などと判定し、異常無しを出力する(F−6)。
【0028】
障害物4と判定したとき、判定手段は、障害物侵入情報を当該監視装置5の障害物移動手段8に入力する。障害物移動手段8は、障害物4を安全地帯7に移動させるための動作をする(F−7)。この結果、障害物移動手段8は、障害物4を安全地帯7に移動させる(F−8)。列車は、障害物4が安全地帯7に移動したのち、列車軌道3を通過することにより列車事故を防止することができる(F−9)。
【0029】
従って、障害物4が落下したとき、障害物移動手段8による障害物4を移動させる速度が、事故防止を決定する。
【0030】
次に、障害物移動手段8の実施例を説明する。
実施例1
障害物移動手段8としてエアバッグ装置を使用した実施例を、図4〜図6を参照して説明する。図1、図2と同一部分には、同一符号を付与し、その詳細な説明は重複するので省略する。図4は、列車軌道3に敷設される開閉蓋20の設置状態説明図であり、図5はエアバッグ装置21の説明図であり、図6は障害物4を安全地帯7に移動させる作用を説明するためのシステム構成図である。
【0031】
この実施例は、図2に示す障害物移動手段8を図5に示すエアバッグ装置21により構成し、監視装置の障害物検知センサにより図6に示す障害物4を検出したときエアバッグ装置21のバッグ22を図5(b)に示すように瞬時に膨張させて図6に示す障害物4を安全地帯7に押出し、移動させることにより障害物4を瞬時に避難させ、列車を停止させることなく列車事故を防止するケースである。
【0032】
障害物検知センサは、図6に示すように列車軌道3内を監視するように設置されたTVカメラ23である。このTVカメラ23により障害物4を検知すると、エアバッグ装置21のバッグ22に高圧エアが瞬時に吸入され、エアバッグ装置21は、障害物4を予め定められた安全地帯7に押出す。この安全地帯7は、プラットホーム2の床下空間であるため、広くひろがっており、障害物4の押出される方向にバラツキが生じても、障害物4は安全地帯7に押出される。
【0033】
このとき、例えばエアバッグ装置21のバッグ22は、一度に全て同じ速度およぴ圧力で膨らむのではなく、障害物4の位置、形状、重量等を確認し、他の列車の進行状況も勘案したうえで押出す安全地帯7の方向を判断し、障害物4が最速にて安全に安全地帯7に押出されるように変形制御されながら膨張するとさらによい。この実現手段としては、例えばエアバッグ装置21を個々に独立して膨らむエアバッグ装置21の集合体で構成し、各エアバッグ装置21の膨張する速度を選択することにより障害物4を所望する方向に押出すことができる。
【0034】
その後、エアバッグ装置21は、エアバッグ装置21と列車との干渉を回避するためにバッグ22を収縮させる。即ち、障害物4が安全地帯7に移動したことを確認したのち、バッグ22内のエアは、排気され収縮されてエアバッグ装置21内に収納される。
【0035】
列車は、エアバッグ装置21が収縮したのち、列車軌道3を走行する。エアバッグ装置21による事故防止対策エリアを広くするために、多数のエアバッグ装置21が、線路10間を含む列車軌道3に配列されている。図4はこの状態を示している。図4には、図5に示す各エアバッグ装置21の上方に位置して設けられる開閉蓋20が示されている。即ち、列車軌道3には、多数のエアバッグ装置21がそれぞれ予め定められたパターンで配列されている。10は、線路である。この各エアバッグ装置21には、アドレスが付与され図6に示す中央制御装置9により選択されて瞬時に当該エアバッグ装置21のバッグ22を膨張させるように制御可能になっている。
【0036】
障害物4が落下する位置に設けられたエアバッグ装置21のバッグ22は、中央制御装置9により選択されて図4、図5に示す開閉蓋20が開くと同時に膨張制御される。選択されたエアバッグ装置21を膨張させる制御機構は、バッグ22に接続された高圧ガスボンベのバルブが瞬時に開に制御されて、高圧ガスボンベから高圧ガスがバッグ22内に一気に流入し、エアバッグ装置21のバッグ22は瞬時に膨張する構成である。このバッグ22が瞬時に膨張するプロセスは、障害物4を最速にて安全地帯7に押出すように制御する。
【0037】
また、列車との距離が近い場合には、障害物4を跳ね飛ばすようにバッグ22に高圧エアを瞬時に噴出させて膨張させる。例えば障害物4が当該エアバッグ装置21上に落下時又は当該エアバッグ装置21上に落下した後に、エアバッグ装置21が瞬時に膨張するとバネ作用により障害物4は、跳ね飛ばされる。この跳ね飛ばされた位置を安全地帯7に選択することにより障害物4は、瞬時に安全地帯7に避難できることになる。瞬時に膨張させるエアバッグ装置21は、図4、図5に示すように列車軌道3内における障害物4の落下位置に設けられている開閉蓋20下方のエアバッグ装置21である。
【0038】
エアバッグ装置21の大きさは、障害物4の大きさ、重量、膨張時間によって選択される。障害物4に比較してエアバッグ装置21が小さすぎると、障害物4を跳ね飛ばすためのバネ作用が発生しない。障害物4に比較してエアバッグ装置21が大きすぎると、臨界膨張するまでの時間が長くなりバネ効果を利用できない。この実施例では、列車軌道3がプラットホーム2の敷地内であるため障害物4は、主として人間や荷物などである。従って、エアバッグ装置21の能力は、人間を押し出し又は跳ね飛ばす能力を有するように構成される。
【0039】
次に、膨張させるエアバッグ装置21の選択システムを、図6を参照して説明する。障害物4の落下位置情報は、監視センサ例えばTVカメラ23によって列車軌道3を撮像することにより得られる。TVカメラ23は、列車軌道3を撮像視野として設置され、図4に示すように障害物4が落下するエアバッグ装置21の配列エリアを撮像する。障害物4が落下するエアバッグ装置21の位置情報は、障害物落下位置検出手段24により、TVカメラ23の撮像信号から該当するエアバッグ装置21のアドレスをパターン認識技術により求められる。
【0040】
求められたアドレスのエアバッグ装置21の上方に設けられる図5に示す開閉蓋20は、上記落下位置情報により制御される開閉蓋開閉制御手段25により開制御される。上記落下位置情報が同時に高圧ボンベ栓開閉制御手段26にも供給され、高圧ボンベ栓開閉制御手段26は、高圧ボンベの栓(バルブ)を開に制御してエアバッグ装置21に高圧エアを瞬時に吸入してバッグ22を図5(b)に示すように瞬時に膨張させる。バッグ22が膨張するタイミングは、障害物4の落下するタイミングと一致又は落下の前後が望ましい。この結果、障害物4は、瞬時に安全地帯7に押出され移動させられ、避難する。即ち、障害物4は、図6に矢印14で示す安全地帯7の方向に線路10を越えて押し出し又は跳ね飛ばされる。
【0041】
障害物4が避難した後、直ちに中央制御装置9は、列車を通過させるためにエアバッグ収縮制御手段27を制御してバッグ22内の高圧エアを一気に排気制御して、バッグ22を収縮させる。バッグ22の収縮は、列車軌道3に列車が入線可能になり、列車は線路10を走行する。この結果、エアバッグ装置21は、障害物4が列車軌道3に侵入したのにもかかわらず、列車を停止させることなく、列車事故を防止させることができる。これらの列車事故防止プロセスは、中央制御装置9により制御され、中央制御装置9は、制御プログラム用記憶装置28に記憶されたプログラムにより制御される。
【0042】
監視センサは、多少障害物4の発見が遅れるが圧電体によって検出することができる。この圧電体は、各エアバッグ装置21の開閉蓋20の表面に設け、障害物4が圧電体上に落下したときの圧力を電気信号に変換して、障害物落下信号を出力する。この障害物落下信号は、開閉蓋20を開くと同時に高圧ガスボンベのバルブを開に制御することにより、高圧ガスがエアバッグ装置21のバッグ22内に瞬時に流れ込み、バッグ22は図5(b)に示すように開閉蓋20を越えて膨らみ満タンに膨張する。
【0043】
このようにして障害物4を矢印14で示す安全地帯7の方向に押し出し又は跳ね飛ばすことができる。即ち、障害物4は、安全地帯7に瞬時に跳ね飛ばされて避難でき、列車を停止させることなく列車事故を防止することができる。
【0044】
実施例2
次に、図2に示す障害物移動手段8として開閉蓋31を使用した実施例を、図7を参照して説明する。図1、図2と同一部分には、同一符号を付与し、その詳細な説明は、重複するので省略する。この実施例は、障害物移動手段を開閉蓋31により構成し、障害物4を検出したとき当該開閉蓋31を下方に開き障害物4を図2に示すプラットホーム2下方の安全地帯7の他の実施例として形成されたピット32に落とし、障害物4を瞬時に避難させて列車事故を防止るケースである。開閉蓋31は、障害物4の自重によって下方に開くように構成することもできる。
【0045】
この実施例は、障害物4が落下したとき直接ピット32内に案内する方法であるため、開閉蓋31及びピット32の間口の大きさは、身長、胸囲、胴回りなどの大きさ以上の余裕をもった大きさである。ピット32の深さは、障害物4がピット32内に落下したとき障害物4が全て線路10の摺動面より下方に位置するように選択される。従って、障害物4がピット32内に落下したとき、列車は、当該線路10上を、通過可能状態となる。 障害物4が人間である場合、人間が1個のピット32内に充分入る大きさの構造になっている。
【0046】
ピット32内は、障害物4例えば人体がピット32内に落下したとき、骨折や怪我をしないように衝撃吸収構造にすることが望ましい。このようなピット32は、図1に示すパターンのように列車軌道3内に配列して設けられる。
【0047】
障害物4の自重によって開閉する開閉蓋31を各ピット32の上面に設けた構造の実施例によれば、コンピュータ制御することなく、障害物4を瞬時にピット32内に導入することができる。即ち、ピット32の開口部に設けられる開閉蓋31は、予め定められた荷重以上の荷重を有する前記障害物4が開閉蓋31上に載ると開くように構成される。開閉蓋31の開閉は、蓋が下方に移動するよう構成することが望ましい。勿論、蓋は、水平方向に移動してもよい。
【0048】
実施例3
開閉蓋の開閉制御手段35は、障害物4の落下に合わせてコンピュータ30により制御してもよい。即ち、図7に示すようにプラットホーム2の側縁部および列車軌道3の全体を撮像可能なようにTVカメラ23を設け、このTVカメラ23が、障害物4の落下を検出したとき、TVカメラ23は障害物4が落下する位置に相当する開閉蓋31のアドレスを出力する。このアドレスの開閉蓋の開閉制御手段35に障害物検出信号を出力する。この障害物検出信号が入力された開閉蓋の開閉制御手段35は、当該開閉蓋31を開状態に制御する。
【0049】
開閉蓋31を開状態に制御するタイミングは、障害物4が落下する前、直前、落下したときに開に制御することが望ましい。開閉蓋31の開く方向は、列車が通過する必要があるため下方又は水平方向(スライド)である。この結果、障害物4が落下する位置の開閉蓋31が開き、障害物4は、ピット32内に落下又は避難する。このようにして、列車は、停止させることなく障害物4の頭上をけがすることもなく、通過することができ、列車事故を防止することができる。
【0050】
次に、障害物4が落下する位置に相当する開閉蓋31のアドレスを図7に示すTVカメラ23により出力する手段を、図8を参照して説明する。予め開閉蓋31の配列位置座標信号を記憶する。この位置座標信号は、予め監視エリアとして設定された図7に示す列車軌道3内のTVカメラ23により撮像した開閉蓋31の配列パターン36と、線路10を含む列車軌道3内の予め定められた少なくとも2点の基準位置信号37、38と、線路10とを撮像した信号(図8(a))である。この位置座標信号は、記憶装置に記憶される。TVカメラ23が落下する障害物4を撮像したときの上記基準位置信号37、38を含む撮像信号(図8(b))と、上記記憶装置から読み出された位置座標信号(図8(a))とを重ね合わせることにより、障害物4が落下する開閉蓋31のアドレスを出力(図8(c))することができる。
【0051】
この実施例によれば、障害物4の自重が軽量で落下した位置の開閉蓋31を開に制御できない場合でも、開閉蓋31を開に制御して図7に示す安全地帯であるピット32内に避難させ、列車事故を防止することができる。
【0052】
実施例4
次に、実施例3の他の実施例を、図9を参照して説明する。図9は、1個の開閉蓋31を拡大して示す図である。開閉蓋31の配列パターンは、図1と同様で線路10の内側および外側に敷設される。図1、図7と同一部分には、同一符号を付与し、その詳細な説明は重複するので省略する。この実施例は、障害物4の情報を得るのにTVカメラを使用せず、各開閉蓋31の上面にセンサ例えば光電変換センサ41を設け、この光電変換センサ41により障害物4の落下を検出して開閉蓋31を開に制御するケースである。
【0053】
各ピット32の各開閉蓋31上には、光電変換センサ41が設けられる。この光電変換センサ41は、障害物4が落下して来ない定常状態において、太陽光や電球光を多量に受光してフルパワーの光電流を光電流の変化検出手段42に出力する。あるとき、障害物4が落下してきたところの、光電変換センサ41出力は、当該障害物4により入射光が遮断又は減衰し、光電流が減少する。この光電流の減少量は、光電流の変化検出手段42により監視され、障害物4が上方にあるときより下方に近づくにつれて大きくなる。
【0054】
光電流の変化検出手段42は、このような光電流の減少過程から障害物4の位置を認識して、開閉蓋の開閉制御手段35により障害物4の落下するタイミングで開閉蓋31を開状態に制御して障害物4をピット32内に避難させ、列車を停止させることなく列車事故を防止する。光電流の変化検出手段42が検出する障害物4の落下による光電流の減少と、お天気の変化(夜になる)による光電流の減少の区別は、光電流減少の立下り特性によって区別することができる。この実施例によれば、軽量の障害物4でも検出して、開閉蓋31を開に制御し、障害物4をピット32に一時避難させることができる。
【0055】
実施例5
次に、図2に示す障害物移動手段8として跳ね上げ装置を使用した実施例を、図10を参照して説明する。図1、図2、図4と同一部分には、同一符号を付与し、その詳細な説明は重複するので省略する。この実施例は、実施例1のエアバッグ装置21を跳ね上げ装置45により構成したもので、障害物4を瞬時に安全地帯7に移動させて、列車を停止させることなく、列車事故を防止するようにしたケースである。
【0056】
障害物4の検知は、TVカメラ23でもよいし、図9で説明した光電変換センサ41により検知してもよい。即ち、この実施例は、TVカメラ23により障害物4の落下を監視し、障害物4が落下すると、この落下位置に設けられた跳ね上げ装置45の跳ね上げ板48を跳ね上げさせて障害物4を瞬時に安全地帯7に移動させるケースである。
【0057】
跳ね上げ装置45は、列車軌道3に予め定められた図1に示すような配列パターンで多数配列されている。各跳ね上げ装置45には、アドレスが付与されている。跳ね上げ装置45は、基台46に収納時収縮状態のバネ47の一端が固定され、このバネ47の他端が跳ね上げ板48に固定されている。跳ね上げ板48は端部に設けられる支点49を中心として回動可能な構造で、他端部に操作機構を有する。この操作機構は、跳ね上げ操作時に、跳ね上げ板48の留め金(図示せず)を外してバネ47を一気に伸張させて跳ね上げ板48を跳ね上げさせ、跳ね上げ板48の戻り操作時は、ピストン(図示せず)により跳ね上げ板48を戻り操作(収納)するように制御する。
【0058】
TVカメラ23は、常時列車軌道3を撮像して監視し、障害物4の侵入例えば落下を検出する。この障害物落下位置の検出手段は、図8で説明した手段により行う。即ち、TVカメラ23は、障害物4の落下を検出すると障害物落下位置検出手段24に出力する。障害物落下位置検出手段24は、落下位置のアドレスに設けられている跳ね上げ装置45の操作機構51に障害物落下情報を出力する。操作機構51は、障害物落下情報により障害物落下位置に設置されている跳ね上げ装置45の跳ね上げ板48の留め金を障害物4が落下するタイミングで外して、障害物4を矢印14で示す方向に線路10を越えて瞬時に跳ね上げ、プラットホーム2下の安全地帯7に移動させる。これらのプロセスは、中央制御装置9により自動的に行われる。
【0059】
この実施例では、大小2個の障害物4が落下して2個の跳ね上げ装置45が、障害物4を安全地帯7に押出して移動させるケースである。このとき、障害物落下位置検出手段24は、障害物4の位置、形状、重量、容量等の大小を確認し、他の線路の列車の運行状況も勘案したうえで、跳ね上げ速度や跳ね上げ順序を制御して障害物4を安全地帯7に押出すようにすることが好ましい。
【0060】
この跳ね上げ装置45は、障害物4を最速にて安全に安全地帯7に制御しながら押出し、列車を停止させることなく避難させる。障害物4の避難を確認した後、跳ね上げ装置45と列車との干渉を回避するため、速やかに跳ね上げ装置45は、ピストン(図示せず)により跳ね上げ板48を収納位置に戻す。この結果、列車は、停止することなく走行できる。これらの一連の避難制御は、中央制御装置9により自動的に行われる。
【0061】
実施例6
次に、図2に示す障害物移動手段8として搬送装置を使用した実施例を、図11を参照して説明する。図1、図2、図4と同一部分には、同一符号を付与し、その詳細な説明は重複するので省略する。この実施例は、実施例5の跳ね上げ装置45を搬送装置により構成したもので、障害物4を瞬時に安全地帯7に搬送させて、列車を停止させることなく、列車事故を防止するようにしたケースである。搬送装置の配列パターンは、図1と同様である。
【0062】
搬送装置はローラ、ベルトコンベア、ボールなどであり、障害物4を載せて略平行に搬送する機構で、この実施例ではローラ53である。このローラ53は基台54上にモータ(図示せず)の回転軸に連結されて回転駆動されるように設けられてローラ装置55が構成されている。このようなローラ53は、プラットホーム2の床下である安全地帯7の方向に搬送するように多数配列される。ローラ53が設けられたローラ装置55は、列車軌道3内の予め定められた位置に配列されている。ローラ装置55など搬送装置は、列車軌道3内でかつ線路10の内側および外側の地中に埋め込まれて固定されている。
【0063】
ローラ53は、障害物4が落下し、TVカメラ23から障害物落下情報が出力されるとローラ操作機構56により操作されて、回転されると共に、ローラ装置55は、矢印57の方向に上下動可能に構成されている。このようなローラ装置55は、線路10の高さと同等又はやや高い位置に上昇させて、落下した障害物4を回転するローラ53により瞬時に搬送する。
【0064】
即ち、回転するローラ53上に落下した障害物4は、矢印14で示す方向の安全地帯7に搬送される。TVカメラ23は、列車軌道3のエリアを監視し、障害物4が発生すると、この障害物4を含む基準位置を撮像し、撮像された障害物4の落下位置情報を、障害物落下位置検出手段24に出力する。障害物落下位置検出手段24は、障害物落下位置情報をローラ操作機構56に出力し、このローラ操作機構56は、当該列車軌道3のローラ装置55を上方の予め定められた位置に上昇させると、同時にローラ53を回転させる。この結果、落下した障害物4は、安全地帯7に瞬時に避難することができる。その後、直ちに、ローラ装置55を最低の高さ位置に戻した後、列車は、この位置を通過する。
【0065】
障害物4を避難させた後、ローラ装置55を最低の高さ位置に戻したのは、通過する列車との干渉(接触)を回避するためである。ローラ装置55を戻す高さ位置は、線路10より低くすることである。
【0066】
障害物4を安全地帯7に避難させるとき、ローラ操作機構56は、中央制御装置9の制御により自動的に障害物4の位置、形状、重量等を確認し、他の列車の進行状況も勘案したうえで、押出す安全地帯7の方向を判断し、障害物4が最速にて安全に安全地帯7に押出されるように操作することが望ましい。
【0067】
実施例7
次に、図2に示す障害物移動手段8として動力源を有しない搬送装置を使用した実施例を、図12を参照して説明する。図1、図2、図4と同一部分には、同一符号を付与し、その詳細な説明は重複するので省略する。この実施例は、実施例6のローラ装置55を安全地帯7の方向に低くなる搬送装置58により構成したもので、動力源を必要とすることなく下り勾配のローラ53の列上を障害物4が瞬時に安全地帯7に移動して、列車を停止させることなく、列車事故を防止するようにしたケースである。
【0068】
搬送機構はローラ、ベルトコンベア、ボールなどであり、障害物4を載せて下り勾配を搬送する機構で、この実施例では実施例6と同様にローラ53である。
【0069】
安全地帯7の方向に低くなる搬送装置58は、下り勾配の坂道であり、この勾配の表面に多数の回動自在に取り付けられたローラ53を配列することにより高速度で列車軌道3を通り安全地帯7に障害物4を避難させることができる。下り勾配の角度は、障害物4を避難させるための時間を決定する。この実施例は、搬送装置は、ローラ53を回転させるための動力源を必要としないため、安価、軽量化することができ、設備工事し易い。
【0070】
障害物4の落下を監視するための監視センサは、TVカメラ23であり、このTVカメラ23は、実施例6と同様に障害物落下位置検出手段24に障害物落下情報を出力する。障害物落下位置検出手段24は、障害物落下位置情報をローラ操作機構56に出力する。ローラ操作機構56は、中央制御装置9の制御により自動的に障害物落下位置の搬送装置58を線路10の高さと等しいか、より高くなるように高さ調整するだけで、障害物4が矢印14で示すように線路10を飛び越してプラットホーム2下の安全地帯7に滑走移動する。
【0071】
障害物4が安全地帯7に滑り落ちて避難したのち、搬送装置58は、矢印57で示す線路10の表面より下方に移動制御される。この結果、列車は搬送装置58に接触することなく走行することができる。即ち、列車は、障害物4が列車軌道3に落下しても、障害物4を瞬時に安全地帯7に移動させることができるので、停止することなく、列車事故を防止することができる。
【0072】
上記搬送装置58のローラ53が配列される傾斜面の角度は、変化できる構造にすれば、列車との距離がある場合には、できるだけ緩やかな勾配の方が、障害物4を円滑に安全地帯7に移動させることができる。しかしながら、列車との距離が短い距離の場合には、できる限り急勾配にして避難させることが望ましい。
【0073】
実施例8
次に、図2に示す障害物移動手段8として流体により下り勾配を形成した実施例を、図13を参照して説明する。図1、図2、図4と同一部分には、同一符号を付与し、その詳細な説明は重複するので省略する。この実施例は、実施例7の下り勾配(傾斜面)を流体によって形成した流体噴出装置60により構成したもので、障害物4を瞬時に安全地帯7に移動させて、列車を停止させることなく、列車事故を防止するようにしたケースである。
【0074】
流体により形成する流体噴出装置60は、空気などの気体や水などの高圧流体61を噴出させて流体の下り勾配を形成し、障害物4は流体の下り勾配を安全地帯7に移動し、避難する。流体による下り勾配の形成は、操作機構62により線路10より高く、障害物4の搬送方向に流体の噴出高さが順次低くなるように制御する。障害物4の移動は、水、空気等の流体により障害物4を浮き上がらせながら移送する。流体は、流体噴出装置60の上面に設けられた多数の穴から噴出される。
【0075】
下り勾配を流体により形成する流体噴出装置60は、列車軌道3内の予め定められた位置に設けられ、各流体噴出装置60には、アドレスが付与される。
【0076】
障害物4の落下を監視するための監視センサは、TVカメラ23であり、このTVカメラ23は、実施例7と同様に障害物落下位置検出手段24に障害物落下情報を出力する。障害物落下位置検出手段24は、障害物落下情報から得た障害物落下位置情報を操作機構62に出力する。操作機構62は、中央制御装置9により自動的に障害物落下位置の流体噴出装置60を線路10の高さと等しいか、より高くなるように高さ調整する。この結果障害物4は、下り勾配の水面により矢印14で示すように線路10を飛び越して、プラットホーム2下の安全地帯7に滑走移動させられる。
【0077】
即ち、障害物4を検知すると瞬時に流体が噴出し、障害物4を安全地帯7に押出す。障害物4が安全地帯7に滑り落ちて避難したのち、速やかに流体の噴出は、停止する。流体噴出装置60は、線路10の表面より下方に戻され、列車は流体噴出装置60に接触することなく走行することができる。この結果、列車は、障害物4が列車軌道3に落下しても、障害物4を瞬時に安全地帯7に移動させることができるので、停止することなく、列車事故を防止することができる。
【0078】
また、障害物4を安全地帯7に移動させる際、流体は、流体噴出装置60に形成された全ての穴から一度に同じ流量、圧力で噴出するのではなく、障害物4の位置、形状、重量等を確認し、他の列車の進行状況も勘案したうえで押出す安全地帯7の方向を判断し、障害物4が最速にて安全に安全地帯7に押出されるように制御しながら噴出することが望ましい。上記流体噴出装置60は、流体の噴出強度を高くすることにより上下動することなく構成することができる。この場合、障害物4を安全地帯7に移動させた直後、列車は列車軌道3を走行することができる。
【0079】
実施形態2
次に、列車事故防止システム1の他の実施形態を、図14〜図16を参照して説明する。図1と同一部分については、同一符号を付与し、その詳細な説明は重複するので省略する。この実施形態は、列車側に障害物移動手段を設けた例である。この実施例は、図14、図15に示すように列車70の前面に障害物移動手段としてエアバッグ装置21を設け、列車の運転手又はセンサが前方に障害物4を発見したとき、バッグ22を瞬時に膨張させて障害物4を矢印14の方向に移動させ安全地帯に押出して、列車事故を防止するようにしたケースである。
【0080】
図5に示すように列車70の前面例えば床部71の下面には、バッグ22が前方に開くようにエアバッグ装置21が取着されている。このエアバッグ装置21は、列車70の運転手又は列車70の前面に設けた監視センサが、スイッチ操作することにより開閉蓋を開き、その後高圧ガスボンベ(図示せず)のバルブを開くことにより、高圧ボンベ内の高圧ガスがバッグ22内に一気に吸入されるように操作される。
【0081】
列車70は、バッグ22内にエアを充満させた状態で、且つ減速された状態で障害物4と接触する。このとき、バッグ22は、障害物4を掬いあげながら、エア圧で図2に示す安全地帯7の方向に押出し、障害物4を避難させる。従って、列車70は、障害物4と間接的に接触するが、障害物4を安全地帯7に避難させるので、停止するような事故とはならない。
【0082】
障害物4は、直接列車70に接触せず、列車軌道外に押出されるため、列車が停止するような列車事故とならない。
【0083】
障害物4の検知は、列車運転者の目視、列車に取り付けた障害物検知センサそして図1〜図13のように外部に監視センサ例えばTVカメラ23を設けて無線により障害物検知信号を送信してもよい。列車の運転手は、前方を監視しながら信号と障害物4の有無を監視しながら運転しているため、監視センサはなくてもよい。
【0084】
エアバツグ装置21は、障害物4が確実に押出されるよう、予めセンサにより障害物4の位置、形状、重量、容量等を確認し、他の列車の進行状況も勘案したうえで障害物4を押出す安全地帯7の方向を判断し、エアバツグ装置21のバッグ22の膨らむ速度や膨らむ方向、膨らんだ後の圧力等を制御しながら膨張させることが望ましい。このように障害物4を安全地帯7に押出すようにバッグ22を膨張させるための手段は、例えばバッグ22を図16に示すように個々に膨らむ比較的小さなエアバッグ装置の集合体で構成し、個々のバッグ22について充満する容量まで膨張させる速度を、図16に示すように安全地帯7側のエアバッグ装置を僅かに遅延させるように操作する。複数のエアバッグ装置間の高圧ガスの供給速度の差は、予め高圧ボンベのバルブの開口を変えておくことにより実現することができる。
【0085】
また、膨張したエアバッグ装置の列車70への巻き込みを回避するための手段は、障害物4が線路10を越えて安全地帯7に移動したことを確認したのち、速やかにエアバッグ装置集合体のエアを抜きバッグ22をエアバッグ装置内に収納するか又は、エアバッグ装置集合体を列車70から切り離すことである。
【0086】
さらに、図7、図9に示す安全地帯7やピット32は、障害物4が瞬時に避難するため、その動作速度が高速である。従って、安全地帯7やピット32の表面は、弾性体で形成することが望ましい。
【0087】
さらに、障害物4は、列車の走行に支障となるものであり、鳥、犬、猫、紙屑などは列車の走行に支障とならないため障害物4ではない。しかし、この発明によれば鳥、犬、猫などは、安全地帯7やピット32に避難させることができる。
【0088】
もし、鳥、犬、猫などは、障害物4として扱わず除外したい場合には、次のような方法により選択することができる。この実施例を図17を参照して説明する。
【0089】
図1〜図16と同一部分には同一符号を付与し、説明は重複するので省略する。
TVカメラ23は、プラットホーム2前の列車軌道3に侵入した障害物4を発見し、信号処理手段73は、プラットホーム2前の列車軌道3をTVカメラ23により撮像した画像信号において障害物4のない正常状態の画像に、変化の有無を監視する画像信号の変化検出手段である。特に、列車軌道3の正常状態の画像信号は、常時小石の堰堤と枕木、線路以外全く変化のない静止画の信号である。変化の有無は、この正常状態に人間が侵入したり、鳥が飛んできたり、犬が侵入したり、紙屑が風でとんできたりして画像信号が変化するか、しないかをいう。
【0090】
信号処理手段73の構成は、次の通りである。TVカメラ23出力の画像信号は、A/D変換回路74に供給されてデジタル信号に変換されたのち、監視信号用記憶装置75に記憶される。この監視信号用記憶装置75に記憶された最新の画像信号と、今撮像した画像信号とは、比較回路76に供給され、比較回路76は、画像信号の変化の有無を判定して、変化の有無を出力する。このような信号処理手段73は、A/D変換回路74、監視信号用記憶装置75、比較回路76とから変化情報の有無を出力するように構成されている。
【0091】
判定手段77は、列車軌道3の画像信号において発生した変化情報が、予め記憶された走行する列車70に対する障害物4かどうかを自動的に判定する。判定手段77には、予め走行する列車70に対する障害物4の多数のパターンが記憶された障害物パターン用記憶装置79が設けられている。上記変化情報は、障害物パターン用記憶装置79に記憶された多数のパターンと比較回路80で比較され、比較回路80は障害物4のパターンと一致したとき、障害物発生情報を出力する。障害物4のパターンには、例えば泥酔した人のパターン、幼児、子供、大人の各パターン、その人の行動パターン、石、荷物などの落下物のパターン、落下中のパターンなどが、大きさ、形状を変えたパターン、自動車のパターンなどがある。これらのパターンは、障害物パターン用記憶装置79に辞書として記憶される。このような障害物発生情報を自動的に得るために制御プログラム用記憶装置28に記憶されたプログラムにより制御される中央制御装置9は、信号処理手段73及び判定手段77をコントロールして判定手段77は、障害物発生情報を自動的に出力する。障害物発生情報は、列車70に送信され、図14、図15に示すエアバッグ装置21により障害物4が保護される。
【0092】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば列車軌道に障害物が侵入したとき障害物を瞬時に安全地帯に移動させて、列車を停止させることなく列車事故を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る列車事故防止システムの実施形態を説明するための構成図。
【図2】図1の列車軌道とプラットホームとの関係を説明するための側面図。
【図3】図1の障害物侵入による列車事故防止のプロセスを説明するためのフローチャート。
【図4】図2の障害物移動手段の実施例を説明するための列車軌道構成図。
【図5】図4のエアバッグ装置を説明するための図。
【図6】図4の列車軌道とプラットホームとの関係を説明するための側面図。
【図7】図6の他の実施例を説明宇するための図。
【図8】図7の障害物が落下する位置の開閉蓋を決定するプロセスを説明するための図。
【図9】図7の他の実施例を説明するための図。
【図10】図6の他の実施例を説明するための図。
【図11】図10の他の実施例を説明するための図。
【図12】図11の他の実施例を説明するための図。
【図13】図12の他の実施例を説明するための図。
【図14】図4の他の実施例を説明するための平面図。
【図15】図14のエアバッグと障害物との関係を説明するための側面図。
【図16】図14の他の実施例を説明するための図。
【図17】図1の障害物を自動的に選択するための実施例を説明するための図。
【符号の説明】
1…列車事故防止システム、2…プラットホーム、3…列車軌道、4…障害物、5…監視装置、6…障害物侵入情報出力部、7…安全地帯、8…障害物移動手段、9…中央制御装置、10…線路、14,57…矢印、20,31…開閉蓋、21…エアバッグ装置、22…バッグ、23…TVカメラ、24…障害物落下位置検出手段、25…開閉蓋開閉制御手段、26…高圧ボンベ開閉バルブ制御手段、27…エアバッグ収縮制御手段、28,75,79…記憶装置、32…ピット、35…開閉蓋の開閉制御手段、36…パターン、37,38基準位置信号、41…光電変換センサ、42…光電流の変化検出手段、45…跳ね上げ装置、46,54…基台、47…バネ、48…跳ね上げ板、51,62…操作機構、53…ローラ、55…ローラ装置、56…ローラ操作機構、58…障害物落下位置の搬送装置、60…流体噴出装置、61…高圧流体、70…列車、71…床部、73…信号処理手段、74…A/D変換回路、76,80…比較回路、77…判定手段。

Claims (8)

  1. 列車軌道の予め定められた範囲への障害物の侵入を監視する監視装置と、この監視装置に接続されこの監視装置が障害物の侵入を検出したとき障害物侵入情報を出力する障害物侵入情報出力手段と、この障害物侵入情報出力手段から出力された障害物侵入情報が入力されたとき障害物を予め定められた安全地帯に移動させる障害物移動手段とを具備してなることを特徴とする列車事故防止システム。
  2. 前記障害物移動手段は前記障害物侵入情報が出力されたとき瞬時に膨張し、この膨張により前記障害物を前記安全地帯に移動させるエアバッグ装置であることを特徴とする請求項1記載の列車事故防止システム。
  3. 前記安全地帯は開閉蓋を備えたピットであって、前記障害物移動手段は前記障害物侵入情報が出力されたとき前記ピットの開閉蓋が開くことを特徴とする請求項1記載の列車事故防止システム。
  4. 前記障害物移動手段は前記障害物侵入情報が出力されたとき前記障害物を前記安全地帯に搬送させる搬送装置であることを特徴とする請求項1記載の列車事故防止システム。
  5. 前記障害物移動手段は前記障害物侵入情報が出力されたとき前記障害物を上方に跳ね上げる跳ね上げ装置であることを特徴とする請求項1記載の列車事故防止システム。
  6. 前記障害物移動手段は前記障害物侵入情報が出力されたとき流体を噴出させて前記障害物を前記安全地帯に移動させる流体噴出装置であることを特徴とする請求項1記載の列車事故防止システム。
  7. 前記ピットの開口部に設けられた予め定められた荷重以上の荷重を有する前記障害物が載ると開く開閉蓋とを備え、障害物が前記列車軌道に侵入し、前記開閉蓋に載ったとき前記開閉蓋が開いて前記ピット内に避難することを特徴とする請求項3記載の列車事故防止システム。
  8. 前記エアバッグ装置は列車前面に設けられていることを特徴とする請求項2記載の列車事故防止システム。
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