JP2004009393A - シュリンクフィルム、その製造方法および加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、本発明は、シュリンクフィルムを最終的な熱収縮前に不要に収縮させることなく、該フィルム上にインキを印刷または接着剤、粘着剤やニスを塗布してなるシュリンクフィルムまたはその方法及びその印刷物と塗布物に関する。
【解決手段】シュリンクフィルムに、電子線硬化型被覆剤を印刷または塗布し、電子線を照射して該被覆剤を硬化させてなるシュリンクフィルムである。シュリンクフィルムに、電子線硬化型被覆剤を印刷または塗布し、電子線を照射して該被覆剤を硬化させるシュリンクフィルムの製造方法である。電子線の加速電圧が120kV以下である上記シュリンクフィルムの製造方法である。電子線照射装置が真空管型である上記シュリンクフィルムの製造方法である。シュリンクフィルムに、被覆剤を印刷または塗布する前に、電子線を照射するシュリンクフィルムの加工方法である。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シュリンクフィルムを最終的な熱収縮前に不要に収縮させることなく、該フィルム上にインキを印刷または接着剤、粘着剤やニスを塗布してなるシュリンクフィルムまたはその方法及びその印刷物と塗布物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、シュリンクフィルムが、ペットボトルをはじめ各種容器に広く使用されているが、その表面には内容物、製造会社名、商品名、絵柄等の印刷が施されたり、容器に接着させるために接着剤や粘着剤が施されている。シュリンクフィルムラベルは、シュリンクフィルムで筒状体をつくり、ペットボトル等の容器に被せたり、または粘着ラベルとして容器に貼着し、しかる後に該容器を熱をかけフィルムを収縮させて容器に密着させるものである。しかしながら、一般にはシュリンクフィルム上にインキ、接着剤、ニス等の被覆剤が印刷または塗布された後、溶剤や水を飛ばすために乾燥工程で一度加熱されてしまうことにより、最終工程で熱収縮を起こす前に、熱によるシワやひずみが生じ印刷画像がゆがんだり、容器との接着性が十分得られなかったりして製品としての価値をなくしてしまう。また、紫外線硬化による印刷においても同様で紫外線照射装置から発生する熱線により同様の問題が生じるものである。このため特開2001−239739号公報では非収縮性または収縮しずらいフィルムをシュリンクフィルムに貼り合わせて印刷を行ったり、また特開平5−42756号公報では印刷表面に冷風を送って熱収縮を防いだりなどの対策が必要になっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はかかる事情を鑑みてなされたものであって、電子線照射を利用しシュリンクフィルムへの印刷またはコーティングを行うことにより、上記のような特別の所作を施すことなく、容器へ密着させる最終工程の熱収縮前にシュリンクフィルムにシワやひずみが生じないようにできるものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するために、第1に、シュリンクフィルムに、電子線硬化型被覆剤を印刷または塗布し、電子線を照射して該被覆剤を硬化させてなるシュリンクフィルムを提供する。
【0005】
第2に、シュリンクフィルムに、電子線硬化型被覆剤を印刷または塗布し、電子線を照射して該被覆剤を硬化させるシュリンクフィルムの製造方法を提供する。
【0006】
第3に、電子線の加速電圧が120kV以下である上記シュリンクフィルムの製造方法を提供する。
【0007】
第4に、電子線照射装置が真空管型である上記シュリンクフィルムの製造方法を提供する。
【0008】
第5に、シュリンクフィルムに、被覆剤を印刷または塗布する前に、電子線を照射するシュリンクフィルムの加工方法を提供する。
【0009】
第6に、上記被覆剤が電子線硬化型被覆剤であるシュリンクフィルムの加工方法を提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について具体的に説明する。
【0011】
本発明の「硬化」は、硬化は勿論、架橋、乾燥をも意味する。
【0012】
本発明で用いられるシュリンクフィルムは、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、その他の樹脂からなるプラスチックフィルムを延伸してなる一般に使用されている熱収縮性フィルム(基材)が挙げられる。
【0013】
これらのシュリンクフィルム上に印刷または塗布する電子線硬化型のインキ、接着剤、粘着剤、ニス等の被覆剤を構成する材料としては、通常、一分子中にα,β−不飽和二重結合を有する2官能以上のモノマーおよびもしくは単官能のモノマーの、ビニル型モノマー、アリル型モノマー、アクリレート型若しくはメタクリレート型(以下、(メタ)アクリレート型という)モノマー等を挙げることができる。また、(メタ)アクリレート型モノマーは、α,β−不飽和二重結合以外の官能基を有する場合もある。なお、単官能モノマーは、単独でも、または架橋密度を調整すべく2官能以上のモノマーと併用し得る。
【0014】
ビニル型モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、N−ビニルピロリドン、酢酸ビニル、アルキルビニルエーテル等が、アリル型モノマーとしては、トリメタクリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート等が挙げられる。
【0015】
(メタ)アクリレート型モノマーでは、多官能としては、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等のトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等のテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の脂肪族(メタ)アクリレートや、ジシクロペンタジエニルジ(メタ)アクリレート等の脂環式(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート、エトキシ化ビスフェノールFジアクリレート等の芳香族(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0016】
単官能モノマーとしては、ブチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコールアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート等のアルコキシアルキレングリコール(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の脂肪族(メタ)アクリレートや、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリール(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等の脂環式(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート等の芳香族(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0017】
α,β−不飽和二重結合以外の官能基を有する(メタ)アクリレートとしては、水酸基を有する2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アルコキシヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキルジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、モノヒドロキシペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等や、アリル基を有するアリルアクリレート、グリシジル基を有するグリシジル(メタ)アクリレート、カルボキシル基を有するアクリル酸、メタアクリル酸、モノアクリロキシコハク酸エステル等、リン酸基を有するエチレンオキサイド変性リン酸(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性アルコキシリン酸(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0018】
その他の(メタ)アクリレートとしては、Si原子を含むシリコン変性(メタ)アクリレート、F原子を含むフッソ変性(メタ)アクリレート、ハロゲン原子を含むテトラブロモビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、テトラクロロビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、P原子を含む(メタ)アクリロイル基含有フォスファゼン樹脂、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート等を挙げることができる。
【0019】
本発明でいうモノマーとは、上記したような比較的低分子量、例えば重量平均分子量が 1000未満のいわゆる狭義のモノマーの他、ある程度分子量の大きい、例えば重量平均分子量が 1000以上10000未満のオリゴマー、プレポリマーも含む意であり、α,β−不飽和二重結合を有するオリゴマーの例としては、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル化マレイン酸変性ポリブタジエン等を挙げることができる。
【0020】
また上記に示したモノマー、オリゴマーおよびもしくはプレポリマーに、熱可塑性樹脂を併用してもよい。熱可塑性樹脂としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリウレタン樹脂、アルキッド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アクリル−ウレタン樹脂,アクリル−ポリエステル樹脂などのグラフト共重合体等が挙げられ、いずれか1種を用いても良いし、あるいは2種以上を混合して用いることも可能である。
【0021】
インキや塗料の着色には、顔料もしくは染料等の着色剤がバインダー樹脂に分散して用いられる。顔料としては一般的に用いられているものや、特に耐光性、耐候性が求められる場合は、キナクリドン系、アンスラキノン系、ペリレン系、ペリノン系、ジケトピロロピロール系、イソインドリノン系、縮合アゾ系、ベンズイミダゾロン系、モノアゾ系、不溶性アゾ系、ナフトール系、フラバンスロン系、アンスラピリミジン系、キノフタロン系、ピランスロン系、ピラゾロン系、チオインジゴ系、アンスアンスロン系、ジオキサジン系、フタロシアニン系、インダンスロン系等の有機顔料や、ニッケルジオキシンイエロー、銅アゾメチンイエロー等の金属錯体、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛等の金属酸化物、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等の金属塩、カーボンブラック、アルミニウム、雲母等の無機顔料が挙げられる。またメタリック感やパール感を出すためにはアルミニウム等の金属微粉やマイカ微粉が用いられる。染料としては、アゾ系、キノリン系、スチルベン系、チアゾール系、インジゴイド系、アントラキノン系、オキサジン系等が挙げられる。
【0022】
バインダー樹脂としては、上記のモノマー、オリゴマー、プレポリマーや熱可塑性樹脂を利用することができ、それぞれ単独でも複数を併用することもできる。熱可塑性樹脂のアクリル樹脂、ポリウレタン樹脂は耐候性が良く、またアクリル樹脂の中では顔料分散性に優れる極性基や官能基を有していたり、共重合成分の1種としてスチレンを必須成分とする樹脂が好ましい。顔料分散性に優れる極性基としては水酸基、カルボキシル基、チオール基、アミノ基、アミド基、ケトン基等の官能基が挙げられ、顔料分散性に優れる結合としてはウレタン、ウレア、エステルなどの結合が挙げられる。
【0023】
また塗布される電子線硬化型の各種印刷インキや塗料、接着剤、粘着剤、ニス等には、必要に応じて、レベリング剤、消泡剤、ブロッキング防止剤、接着助剤、分散剤、乾燥調整剤、耐摩擦剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、スリップ性向上剤、トラッピング性向上剤等の各種添加剤を用いることができる。
【0024】
着色剤の分散や塗工時の適度な粘度を確保する為には、乾燥工程でシュリンクフィルムへの影響がない範囲内で溶剤が含まれてもよい。溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系化合物、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、酢酸メトキシエチル等のエステル系化合物、ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジオキサン等のエーテル系化合物、トルエン、キシレン等の芳香族化合物、ペンタン、ヘキサン等の脂肪族化合物、塩化メチレン、クロロベンゼン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素化合物、エタノール、イソプロピルアルコール、ブチルセロソルブ等のアルコール類、水等が挙げられる。
【0025】
電子線硬化型の印刷インキ、粘着剤、接着剤、ニスを基材に印刷または塗布する方法としては、通常のグラビア印刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷、凸版印刷等の一般的な印刷方式の他、インクジェットをはじめとするオンディマンド印刷方式があげられる。また塗布方式としては、グラビアコート方式、リバースコート方式、キスコート方式、ダイコート方式、リップコート方式、コンマコート方式、ブレードコート方式、ロールコート方式、ナイフコート方式、カーテンコート方式、スロットオリフィス方式、スプレーコート方式等の各方式があげられ、1回または数回に分けて塗布しても、また異なる方式を複数組み合わせても良い。
【0026】
シュリンクフィルムに電子線硬化型被覆剤(インキ、接着剤、粘着剤、ニス等)を印刷または塗布する前に、電子線をシュリンクフィルムに照射することによりフィルムの表面改質を行い、インキ、接着剤、粘着剤、ニスとフィルムとの接着性を向上させることが出来る。
【0027】
なお、電子線をシュリンクフィルムに照射することによりフィルムの表面改質を行う場合、被覆剤としては、無溶剤型(電子線硬化型、紫外線硬化型等)は勿論、溶剤型の、電子線や紫外線等の硬化型ではない被覆剤を適用することもできる。
【0028】
本発明で使用する電子線は、印刷層、接着層、粘着層、ニス層を効率良く硬化、架橋、乾燥させたり、フィルムの表面層を改質するために、下地のシュリンクフィルムには出来るだけダメージを与えないように、120kV以下、より好ましくは100kV以下の加速電圧で照射することが好ましく、通常のインキ、接着剤、粘着剤、ニスの膜厚を考えると80kV以下がより好ましい。10〜80kVの範囲がより好ましい。
【0029】
シュリンクフィルムへの電子線の利用方法としてはフィルムの強度をあげるためにシュリンクフィルムに照射して内部を架橋する特開2000−148020号公報が挙げられるが、加速電圧を考慮せずに透過性の高い電子線を過剰に照射した場合は、シュリンク性能を損なったり、フィルムの強度を逆に低下させてしまう。本発明では、加速電圧と電子線の透過深度の関係を考慮し、加速電圧を選定し、シュリンクフィルムの表面に設けられた印刷層、接着層、粘着層またはニス層を効率良く硬化、架橋、乾燥させたり、フィルムの表面層を改質させてシュリンクフィルムを製造または加工するものである。
【0030】
上記のごとく効率よく電子線を照射するために本発明では真空管型電子線照射装置を使用する。この装置は、円筒状をなすガラスまたはセラミック製の真空容器と、その容器内に設けられ、陰極から放出された電子を電子線として取り出してこれを加速する電子線発生部と、真空容器の端部に設けられ、電子線を射出する電子線射出部と、給電部より給電するためのピン部とを有する。電子線射出部には薄膜状の照射窓が設けられている。電子線射出部の照射窓は、ガスは透過せずに電子線を透過する機能を有しており偏平状をなしている。そして、照射室内に配置された被照射物に照射窓から射出された電子線が照射される。本発明における真空管型電子線照射装置は、従来のドラム型の電子線照射装置のごとく、電子線発生部であるドラム内を常に真空引きしながら電子線を照射するタイプの装置と異なり、電子線発生部を真空引きする必要がないため、小型で、移動可能とできる装置である。なお、真空管型電子線照射装置としては、通常、円柱状の形状を有する照射管を用いるものであり、たとえば、1本ないし複数本の照射管を使用した装置である。
【0031】
このような構成の照射管を有する装置は、米国特許第5、414、267号に開示されており、Ushio International Technologies(UIT)社によりMin−EB装置として知られている。この装置においては、低加速電圧でも電子線の透過力の低下が小さく、有効に電子線を取り出すことができる。これによって、低深度で電子線を作用させることが可能となり、シュリンクフィルムの表面に設けられた印刷層、接着層、粘着層、ニス層を効率良く硬化、架橋、乾燥させたり、フィルムの表面層を改質させてシュリンクフィルムを加工するものである。また、低加速電圧、低エネルギーにより2次電子線の発生量を低下させることができるようになり、大がかりなシールド構造を必要としない特徴を有する。
【0032】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明する。以下の説明において、「部」、「%」は、それぞれ重量部、重量%である。
実施例1
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート74.9%、ハイドロキノン0.1%、DT150(東都化成製ジアリルフタレート樹脂)25%で作成したワニス45部を、藍顔料(東洋インキ製造製LIONOL BLUEFG7330)15部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート25部、ペンタエリスリトールテトラアクリレート15部と混合し、3本ロールにて分散させ電子線硬化型オフセットインキを調整した。該インキを熱収縮性ポリエステルフィルム(三菱樹脂製ヒシペットLX−10−Y  40μm)にオフセット印刷し、UIT社製真空管型電子線照射装置(以下Min−EB)を用いて、窒素ガス雰囲気下で、加速電圧50kV、照射線量35kGy(キログレイ)でインキを硬化させた。
【0033】
インキの硬化性は十分で電子線照射によるフィルムのシワまたはひずみがなく、またこのフィルム加工物をシュリンクさせた場合の熱収縮性も良好で意匠性に問題はなかった。
実施例2
3官能ウレタンアクリレート25部、トリプロピレングリコールジアクリレート25部、トリメチロールプロパン(プロピレンオキサイド)アクリレート35部、2−アクリロイルオキシプロピルハイドロゲンフタレート15部を、ディスパーで混合攪拌してコート用ニスを調整した。該コートニスを、線数300Lのアニロックスを使用し、熱収縮性ポリスチレンフィルム(シーアイ化成製ボンセット EPS62  60μm)に約5μmの膜厚でフレキソ印刷し、Min−EB装置を用いて、窒素ガス雰囲気下で、加速電圧50kV、照射線量30kGyでニスを硬化させた。
【0034】
インキの硬化性は十分で、電子線照射によるフィルムのシワまたはひずみがなく、またこのフィルム加工物をシュリンクさせた場合の熱収縮性も良好で意匠性に問題はなかった。
実施例3
Min−EB装置を用いて、加速電圧50kV、照射線量50kGyで照射した熱収縮性ポロプロピレンフィルム(東洋紡製パイレンフィルム−OT P6183  30μm)に、実施例1と同様にオフセット印刷しインキを硬化させた。
【0035】
インキの硬化性は十分で、電子線照射によるフィルムのシワまたはひずみがなく、またこのフィルム加工物をシュリンクさせた場合の熱収縮性も良好で意匠性に問題はなかった。更にインキとフィルム密着性は良好であった。
実施例4
EB照射装置として日新ハイボルテージ社製キュアトロンEBC−200−20−30を使用し、加速電圧175kVで実施例1と同様に印刷したインキを硬化させた。
【0036】
インキの硬化性またフィルムのシワまたはひずみは良好であった。但し、実施例1〜3に比べフィルム加工物をシュリンクさせた場合の熱収縮性が弱く意匠性が劣っていた。これは実施例1〜3の低加速電圧に比べ、加速電圧が高いため、と考えられる。
比較例1
実施例1で使用したインキ100部に光開始剤としてイルガキュア901(チバガイギー製)3部、増感剤としてEAB  1部を添加したUV硬化型インキを調整し、160W/cmのメタハラランプで30mJ/cm2の露光量でインキを硬化させた。
【0037】
インキの硬化性は十分であったが、フィルムのシワまたはひずみが発生し、フィルム加工物をシュリンクさせた場合意匠性が劣った。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では低加速電圧による電子線照射を行うことにより、シュリンクフィルムの表面に設けられた印刷層、粘着層、ニス層を効率良く硬化させたり、フィルムの表面層を改質させてフィルムのシュリンク性能を損なうことなくシュリンクフィルムを加工することが可能となり、またこれらの方法で加工された、美粧性に優れたシュリンクフィルム加工物が得られるようになった。

Claims (6)

  1. シュリンクフィルムに、電子線硬化型被覆剤を印刷または塗布し、電子線を照射して該被覆剤を硬化させてなることを特徴とするシュリンクフィルム。
  2. シュリンクフィルムに、電子線硬化型被覆剤を印刷または塗布し、電子線を照射して該被覆剤を硬化させることを特徴とするシュリンクフィルムの製造方法。
  3. 電子線の加速電圧が120kV以下であることを特徴とする請求項2記載のシュリンクフィルムの製造方法。
  4. 電子線照射装置が真空管型であることを特徴とする請求項2または3に記載のシュリンクフィルムの製造方法。
  5. シュリンクフィルムに、被覆剤を印刷または塗布する前に、電子線を照射することを特徴とするシュリンクフィルムの加工方法。
  6. 被覆剤が電子線硬化型被覆剤である請求項5記載のシュリンクフィルムの加工方法。
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