JP2004009369A - オレフィン系樹脂被覆鉄線及びその製造方法 - Google Patents

オレフィン系樹脂被覆鉄線及びその製造方法 Download PDF

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古川 孝
Nobutaka Yuzawa
湯澤 伸貴
Takeshi Tachikawa
立川 毅
Ariyoshi Oki
大木 有美
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Abstract

【課題】鉄芯線と外層オレフィン系樹脂層との間の接着剤層の形成のための一工程や溶媒の留去工程が不必要で、よって高効率な製造ができ、且つ鉄芯線と外層オレフィン系樹脂層との接着力が強められたオレフィン系樹脂被覆鉄線及びその製造方法の提供。
【解決手段】鉄芯線(A)、接着剤(B)層及び外層オレフィン系樹脂(C)層からなるオレフィン系樹脂被覆鉄線において、接着剤(B)及び外層オレフィン系樹脂(C)が共押出成形法により形成被覆されていることを特徴とするオレフィン系樹脂被覆鉄線及びその製造方法。
【選択図】   なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、オレフィン系樹脂被覆鉄線及びその製造方法に関し、更に詳しくは鉄芯線と外層オレフィン系樹脂層が強く接着されているオレフィン系樹脂被覆鉄線及び従来法より効率良く製造できるその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、フェンス、生簀用金網等には、塩化ビニル被覆鉄線が使用されていたが、環境負荷や廃棄物処理の問題が指摘され、塩化ビニル樹脂からオレフィン系樹脂への置き換えが求められている。しかしながら、鉄線材の使用目的に応じる外層を形成する特性、例えば耐磨耗性、耐環境破壊応力等を満たすオレフィン系樹脂は存在するが、オレフィン系樹脂は接着性が充分ではなく、鉄芯線との接着が不充分な線材を使用して金網、ネット、フェンス等に加工すると鉄芯線と外層被覆樹脂に歪みが生じ、亀裂や剥離が起こり、芯線に錆が発生する等の問題があった。
このため、例えば、特開平11−277678号公報に記載されているように、鉄芯線のメッキ層とその外側の樹脂層の間に、カルボキシル基を導入したポリオレフィンエマルジョンから形成された接着剤層の使用が提案されているが、これによると、この接着剤層形成のために一工程が必要となり、かつエマルジョンに配合されている溶媒の留去も行わねばならず、生産効率が低下し、これに加えて、これを採用しても鉄芯線と樹脂層の接着性は充分なものとは言えず、更に強く接着されたオレフィン系樹脂被覆線材の開発が求められていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題点に鑑み、鉄芯線と外層オレフィン系樹脂層との間の接着剤層の形成のための一工程や溶媒の留去工程が不必要で、よって高効率な製造ができ、且つ鉄芯線と外層オレフィン系樹脂層との接着力が強められたオレフィン系樹脂被覆鉄線及びその製造方法を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究し、接着性樹脂の性能及び樹脂の被覆成形法を検討した結果、特定の成形方法、即ち共押出成形法を採用することにより、上記の公知法や工程毎の複数の押出成形法、タンデム押出成形法では得られない優れた鉄芯線と外層オレフィン系樹脂との接着性が付与されることを見出し、本発明を完成させた。
【0005】
すなわち、本発明の第1の発明によれば、鉄芯線(A)、接着剤(B)層及び外層オレフィン系樹脂(C)層からなるオレフィン系樹脂被覆鉄線において、接着剤(B)及び外層オレフィン系樹脂(C)が共押出成形法により形成被覆されていることを特徴とするオレフィン系樹脂被覆鉄線が提供される。
【0006】
また、本発明の第2の発明によれば、接着剤(B)がエチレン系樹脂にカルボン酸基含有化合物、カルボン酸エステル含有化合物あるいは酸無水物をグラフト付加した樹脂、アイオノマー樹脂、エチレン−無水マレイン酸共重合体、及びエチレン−α,β−カルボン酸エステル−無水マレイン酸共重合体からなる群から選ばれる1種あるいは2種以上の接着性樹脂であり、外層オレフィン系樹脂(C)が、エチレン単独重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、及びエチレン−α−オレフィン共重合体からなる群から選ばれる1種あるいは2種以上のエチレン系樹脂であることを特徴とする第1の発明に記載のオレフィン系樹脂被覆鉄線が提供される。
【0007】
また、本発明の第3の発明によれば、接着剤(B)が無水マレイン酸グラフト付加エチレン系樹脂であり、外層オレフィン系樹脂(C)が密度0.94〜0.97g/cmの高密度エチレン単独重合体及び密度0.90〜0.97g/cmのエチレン−α−オレフィン共重合体からなる群から選ばれる1種あるいは2種以上のエチレン系樹脂であることを特徴とする第1あるいは第2の発明に記載のオレフィン系樹脂被覆鉄線が提供される。
【0008】
また、本発明の第4の発明によれば、接着剤(B)のメルトマスフローレートが0.1〜35g/10分であり、外層オレフィン系樹脂(C)のメルトマスフローレートが0.1〜35g/10分であることを特徴とする第1〜3のいずれかの発明に記載のオレフィン系樹脂被覆鉄線が提供される。
【0009】
また、本発明の第5の発明によれば、鉄芯線(A)、接着剤(B)層及び外層オレフィン系樹脂(C)層からなるオレフィン系樹脂被覆鉄線の製造方法において、鉄芯線(A)に接着剤(B)層及び外層オレフィン系樹脂(C)層を共押出成形法によって被覆形成することを特徴とするオレフィン系樹脂被覆鉄線の製造方法が提供される。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のオレフィン系樹脂被覆線材及びその製造方法について、各項目毎に詳細に説明する。
【0011】
1.鉄芯線(A)
本発明において使用される鉄芯線(A)は、従来塩化ビニル被覆鉄線等に使用されている公知のものであれば良く、特に限定されない。鉄芯線(A)の直径は0.35mm〜5.00mmで、その表面は一般に亜鉛メッキされている。
なお、本発明では、鉄芯線(A)と外層オレフィン系樹脂(C)層とは、従来品に比べて強く接着しているので、上記メッキ層は、不可欠のものではない。しかしながら、長期の防錆効果のためには、上記メッキ層があることが望ましい。
【0012】
2.接着剤(B)
本発明において使用される接着剤(B)は、押出成形法を適用できる接着性樹脂からなり、エチレン系樹脂にカルボン酸基含有化合物、カルボン酸エステル含有化合物あるいは酸無水物をグラフト付加した樹脂、アイオノマー樹脂、エチレン−無水マレイン酸共重合体、及びエチレン−α,β−カルボン酸エステル−無水マレイン酸共重合体からなる群から選ばれる1種あるいは2種以上の接着性樹脂からなる。
ここで、エチレン系樹脂とは、高圧ラジカル法で製造されるエチレン単独重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、並びにフィリップス法、スタンダード法、チグラー法、もしくはメタロセン触媒系などのシングルサイト触媒を用いる重合法によって製造されるエチレン単独重合体あるいはエチレンと炭素数3〜12のブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、デセン−1、ドデセン−1、4−メチルペンテン−1等のα−オレフィンとの共重合体を意味する。
【0013】
グラフト付加に用いるカルボン酸基含有化合物としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アクリル酸、メタクリル酸、ソルビン酸、クロトン酸、シトラコン酸等の不飽和カルボン酸等を例示できる。
グラフト付加に用いるカルボン酸エステル含有化合物としては、例えば、上記カルボン酸基含有化合物のメチル、エチル、プロピル、ブチルエステル等を例示できる。
グラフト付加に用いる酸無水物としては、例えば、無水マレイン酸、イタコン酸無水物、シトラコン酸無水物、無水ハイミック酸、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、4−メチルシクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物等を例示できる。
【0014】
アイオノマー樹脂は、エチレンとα,β−不飽和カルボン酸との共重合体を金属イオンで部分的あるいは完全に中和した樹脂であり、α,β−不飽和カルボン酸としてはアクリル酸、メタクリル酸等を例示でき、金属イオンとしては、亜鉛、ナトリウム等を例示できる。
【0015】
これらに加えて、本発明では、接着剤(B)として、エチレン−無水マレイン酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル−無水マレイン酸共重合体等も使用することができる。
これら接着性樹脂の中では、無水マレイン酸グラフト付加エチレン系樹脂、アイオノマー樹脂を好適に使用することができる。
【0016】
本発明における接着剤(B)層は、鉄芯線(A)の上に、共押出成形により成形されるので、接着剤(B)のメルトマスフローレートは、0.1〜35g/10分、好ましくは0.5〜10g/10分であることが望ましい。
【0017】
3.外層オレフィン系樹脂(C)
外層オレフィン系樹脂(C)は、使用目的に応じて公知の特性を有する公知のオレフィン系樹脂を適期選択して使用することができる。
外層オレフィン系樹脂(C)としては、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、3−メチルブテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、デセン−1等の炭素数2以上のα−オレフィンの単独重合体、これら単量体の2種以上からなるランダム、ブロックまたはグラフト重合体、あるいはこれらの2種以上からなる重合体(同種を含む)の混合物を例示できる。これらのオレフィン系樹脂の中では、エチレン系樹脂を好適に使用することができる。ここでいうエチレン系樹脂は、上記接着剤(B)で説明したものと同様のものである。
【0018】
エチレン系樹脂の中では、耐磨耗性を鉄線にもたせるためには、例えば、密度0.94〜0.97g/cmのエチレン単独重合体やエチレン−α−オレフィン共重合体、いわゆる高密度ポリエチレンを好適に使用することができる。
また、耐環境破壊応力性を鉄線にもたせるには、直鎖状エチレン−α−オレフィン共重合体を好適に使用することができる。この直鎖状エチレン−α−オレフィン共重合体は、フィリップス法、スタンダード法、チグラー法、もしくはメタロセン触媒系などのシングルサイト触媒を用いる重合法によって製造されるエチレンと炭素数3〜12のブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、デセン−1、ドデセン−1、4−メチルペンテン−1等のα−オレフィンとの共重合体である。この場合、直鎖状エチレン−α−オレフィン共重合体としては、密度0.90〜0.97g/cmのものが好適である。
したがって、耐磨耗性と耐環境破壊応力性の両方の特性を鉄線に付与するには、高密度ポリエチレンと直鎖状エチレン−α−オレフィン共重合体の混合物を用いることが好ましく、例えば、高密度ポリエチレン95〜60重量%、好ましくは80〜65重量%及び直鎖状エチレン−α−オレフィン共重合体5〜40重量%、好ましくは20〜35重量%からなる混合樹脂を外層オレフィン系樹脂(C)として使用すればよい。
【0019】
本発明で使用される外層オレフィン系樹脂(C)層は、共押出成形により成形されるので、外層オレフィン系樹脂のメルトマスフローレートは、0.1〜35g/10分、好ましくは0.5〜10g/10分であることが望ましい。
【0020】
4.その他の配合物(D)
本発明で使用される接着剤(B)及び外層オレフィン系樹脂(C)には、必要に応じて、その他の各種添加剤や補助資材を配合することができる。この各種添加剤や補助資材としては、難燃剤、安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、核剤、滑剤、充填剤、分散剤、金属不活性剤、中和剤、加工助剤、離型剤、発泡剤、気泡防止剤、着色剤、殺菌剤、防カビ剤等を挙げることができる。
【0021】
特に、本発明で使用される接着剤(B)及び外層オレフィン系樹脂(C)には、酸化防止剤を配合することが好ましい。酸化防止剤としては、フェノール系、リン系、アミン系、イオウ系等を挙げることができ、単独でも2種以上混合して使用してもよく、その配合量は、樹脂成分100重量部に対して、0.001〜5重量部程度である。
【0022】
5.オレフィン系樹脂被覆鉄線の製造方法
本発明のオレフィン系樹脂被覆鉄線は、2台の押出機を用いて中央に鉄芯線(A)を貫通させた一つの共通のダイ(金型)に樹脂を導き、鉄芯線(A)を引きながらダイ内部あるいはダイ開口部において樹脂同士を接触させ共押出成形し、接着剤(B)層と外層オレフィン系樹脂(C)層を形成し、鉄芯線(A)に被覆させることにより得られる。ダイとしては、ブラックボックスダイ、マルチマニホールドダイ、マルチスロットダイ等を使用することができる。
この際、本発明では、接着剤(B)及び外層オレフィン系樹脂(C)は、190〜250℃に加熱して押出せばよい。
強い接着性は、共押出成形法を採用した場合にのみに得られ、実施例で説明するステップ押出成形法やタンデム押出成形法を採用した場合は得られない。この強い接着性は押出成形時の接着剤(B)と外層オレフィン系樹脂(C)の界面での温度が寄与しているものと考えられる。
【0023】
本発明のオレフィン系樹脂被覆鉄線において、接着剤(B)層の厚みは、30〜250μm程度が例示される。この厚みを均一で30μm未満とすることは共押出成形法では困難であり、一方、これが250μmを超えると、JIS G3543で規定されている塩化ビニル樹脂被覆鉄線での樹脂層厚(即ち、接着剤(B)層厚と外層オレフィン系樹脂(C)層厚の和)が大きくなりすぎるので、規格上から望ましくない。
【0024】
また、本発明においては、接着剤(B)層と外層オレフィン系樹脂(C)層の間に、中間層を共押出成形し樹脂層を3層構造としてもよい。例えば、接着層と外層オレフィン系樹脂(C)層の間に、耐衝撃樹脂層を、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体等を使用して形成することができる。この際は、押出機を1台追加して3台使用して、1つの共押出ダイを用いて、同様にしてオレフィン系樹脂被覆鉄線を製造することができる。
【0025】
上記のようにして得られた本発明のオレフィン系樹脂被覆鉄線は、接着剤(B)及び外層オレフィン系樹脂(C)が共押出成形法により鉄芯線(A)上に形成被覆されているので、製造効率がよく、かつ鉄芯線(A)と外層オレフィン系樹脂(C)層との接着力が強められている。したがって、金網、ネット、フェンス等の分野で有効に使用することができる。
【0026】
【実施例】
次に実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、本明細書中で用いられた評価は、それぞれ以下の方法によるものである。
【0027】
1.評価方法
(1)メルトマスフローレート:JIS K6922−1に準拠して測定した。なお、温度190℃、荷重2.16kgの条件を用いた。
(2)密度:JIS K6922−2に準拠して測定した。
(3)接着性:
(3−1)鉄芯線(A)との接着性:得られたオレフィン系樹脂被覆鉄線を切断し、鉄芯線(A)の接線にそって平行に2箇所ナイフで樹脂層に切り込みを入れ、これを両手で引き剥がして接着性を測定した。引き剥がせない場合を○で評価し合格とし、そうでない場合を×で評価し、不合格とした。
(3−2)接着剤(B)層と外層オレフィン系樹脂(C)層との接着性:接着剤(B)層と外層オレフィン系樹脂(C)層との間に切り込みを入れ、これを両手で引き剥がして接着性を測定した。引き剥がせない場合を○で評価し合格とし、そうでない場合を×で評価し、不合格とした。
【0028】
実施例1
接着剤(B)として、メルトマスフローレート1.63g/10分の無水マレイン酸グラフト付加エチレン−アクリル酸エチル共重合体(GA−004、日本ユニカー製)を用い、外層オレフィン系樹脂(C)として、密度0.964g/cm、メルトマスフローレート7.0g/10分のエチレン単独重合体(HJ−560、日本ポリケム製)を用いた。
鉄芯線(A)として、直径2.3mmの表面亜鉛メッキ鉄線(JIS G3547 SWMGS品)を用い、口径3.2mmのマルチマニホールドダイからなる共通のダイ及び接着剤(B)用と外層オレフィン系樹脂(C)用の2台の押出機を使用して、接着剤(B)は220℃で、外層オレフィン系樹脂(C)は240℃で、接着剤(B)層及び外層オレフィン系樹脂(C)層の厚みがそれぞれ200μmになるように、引張速度30mで共押出成形をし、オレフィン系樹脂被覆鉄線を得た。得られたオレフィン系樹脂被覆鉄線につきその接着性を評価した。結果を表1に示す。
【0029】
比較例1
実施例1の共押出成形に代えて、接着剤(B)層をまず単層の押出成形をし、次いで外層オレフィン系樹脂(C)層を単層でこの上に押出成形するステップ押出成形を採用した以外は、実施例1と同様にしてオレフィン系樹脂被覆鉄線を得た。得られたオレフィン系樹脂被覆鉄線につきその接着性を評価した。結果を表1に示す。
【0030】
比較例2
実施例1の共押出成形に代えて、それぞれ別個のダイを備えた2台の押出機を使用して、連続して接着剤(B)層及び外層オレフィン系樹脂(C)層を押出成形するタンデム押出成形を採用した以外は、実施例1と同様にしてオレフィン系樹脂被覆鉄線を得た。得られたオレフィン系樹脂被覆鉄線につきその接着性を評価した。結果を表1に示す。
【0031】
実施例2
接着剤(B)層厚、及び外層オレフィン系樹脂(C)層厚を、それぞれ50μm、400μmとなるようにした以外は、実施例1と同様にしてオレフィン系樹脂被覆鉄線を得た。得られたオレフィン系樹脂被覆鉄線につきその接着性を評価した。結果を表1に示す。
【0032】
実施例3
接着剤(B)層厚、及び外層オレフィン系樹脂(C)層厚を、それぞれ100μm、350μmとなるようにした以外は、実施例1と同様にしてオレフィン系樹脂被覆鉄線を得た。得られたオレフィン系樹脂被覆鉄線につきその接着性を評価した。結果を表1に示す。
【0033】
実施例4
外層オレフィン系樹脂(C)を、密度0.964g/cm、メルトマスフローレート7.0g/10分のエチレン単独重合体(HJ−560、日本ポリケム製)70重量%と密度0.945g/cm、メルトマスフローレート0.8g/10分のエチレン−ヘキセン−1共重合体(GFH−4580H、日本ユニカー製)30重量%とからなる樹脂組成物(メルトマスフローレート3.6g/10分)に代えた以外は、実施例1と同様にしてオレフィン系樹脂被覆鉄線を得た。得られたオレフィン系樹脂被覆鉄線につきその接着性を評価した。結果を表1に示す。
【0034】
実施例5
接着剤(B)を、アイオノマー樹脂(1652、三井デユポンポリケミカル社製)に代えた以外は、実施例1と同様にしてオレフィン系樹脂被覆鉄線を得た。得られたオレフィン系樹脂被覆鉄線につきその接着性を評価した。結果を表1に示す。
【0035】
【表1】
Figure 2004009369
【0036】
表1より明らかなように、実施例1の被覆鉄線の鉄芯線(A)との接着性は、接着剤(B)層が破壊され引き剥ができず、また接着剤(B)層と外層オレフィン系樹脂(C)層も引き剥がし不可能であり、強い接着性を持つものであった。比較例1、2は、鉄芯線(A)との接着性は接着剤(B)層が破壊され引き剥ができず良好であったが、接着剤(B)層と外層オレフィン系樹脂(C)層の引き剥がしは、比較例1では非常に容易にでき、比較例2でも可能であり、比較例2の被覆鉄線に撚りを加え歪を与えたところ、接着剤(B)層と外層オレフィン系樹脂(C)層が剥離することが確認され、共に接着性が不合格と評価された。
従って、強い接着性は、共押出成形法を採用した時のみに認められた。
また、実施例2及び3の樹脂被覆鉄線は、鉄芯線(A)との接着性は接着剤(B)層が破壊され引き剥ができず、また接着剤(B)層と外層オレフィン系樹脂(C)層も引き剥がし不可能であり、強い接着性を持つものであった。
また、実施例4の樹脂被覆鉄線は、鉄芯線(A)との接着性は、接着剤(B)層が破壊され引き剥ができず、また接着剤(B)層と外層オレフィン系樹脂(C)層も引き剥がし不可能であり、強い接着性を持つものであった。
また、実施例5の樹脂被覆鉄線は、鉄芯線(A)との接着性は接着剤(B)層が破壊され引き剥ができず、また接着剤(B)層と外層オレフィン系樹脂(C)層も引き剥がし不可能であり、強い接着性を持つものであった。
【0037】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明は、鉄芯線(A)、接着剤(B)層及び外層オレフィン系樹脂(C)層からなるオレフィン系樹脂被覆鉄線において、接着剤(B)及び外層オレフィン系樹脂(C)が共押出成形法により形成被覆されていることを特徴とするオレフィン系樹脂被覆鉄線及びこれによるオレフィン系樹脂被覆鉄線の製造方法であるので、共押出成形法を採用することにより、従来必要であったポリオレフィンエマルジョンなどを使用する工程及び溶媒留去の工程が不要で、よって製造効率がよく、なおかつ鉄芯線(A)と外層オレフィン系樹脂(C)層との接着力が強められたオレフィン系樹脂被覆鉄線が得られる。

Claims (5)

  1. 鉄芯線(A)、接着剤(B)層及び外層オレフィン系樹脂(C)層からなるオレフィン系樹脂被覆鉄線において、接着剤(B)及び外層オレフィン系樹脂(C)が共押出成形法により形成被覆されていることを特徴とするオレフィン系樹脂被覆鉄線。
  2. 接着剤(B)がエチレン系樹脂にカルボン酸基含有化合物、カルボン酸エステル含有化合物あるいは酸無水物をグラフト付加した樹脂、アイオノマー樹脂、エチレン−無水マレイン酸共重合体及びエチレン−α,β−カルボン酸エステル−無水マレイン酸共重合体からなる群から選ばれる1種あるいは2種以上の接着性樹脂であり、外層オレフィン系樹脂(C)がエチレン単独重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体及びエチレン−α−オレフィン共重合体からなる群から選ばれる1種あるいは2種以上のエチレン系樹脂であることを特徴とする請求項1に記載のオレフィン系樹脂被覆鉄線。
  3. 接着剤(B)が無水マレイン酸グラフト付加エチレン系樹脂であり、外層オレフィン系樹脂(C)が密度0.94〜0.97g/cmの高密度エチレン単独重合体及び密度0.90〜0.97g/cmのエチレン−α−オレフィン共重合体からなる群から選ばれる1種あるいは2種以上のエチレン系樹脂であることを特徴とする請求項1あるいは2に記載のオレフィン系樹脂被覆鉄線。
  4. 接着剤(B)のメルトマスフローレートが0.1〜35g/10分であり、外層オレフィン系樹脂(C)のメルトマスフローレートが0.1〜35g/10分であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のオレフィン系樹脂被覆鉄線。
  5. 鉄芯線(A)、接着剤(B)層及び外層オレフィン系樹脂(C)層からなるオレフィン系樹脂被覆鉄線の製造方法において、鉄芯線(A)に接着剤(B)層及び外層オレフィン系樹脂(C)層を共押出成形法によって被覆形成することを特徴とするオレフィン系樹脂被覆鉄線の製造方法。
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