JP2004008689A - 糸巻きゴルフボール - Google Patents

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Abstract

【課題】スピン性能及び打球感を保持しながら、飛距離に優れた糸巻きゴルフボールを提供する。
【解決手段】ソリッドセンタと該ソリッドセンタに糸ゴムを巻きつけて、さらにカバーで被覆した糸巻きゴルフボールにおいて、前記ゴルフボールの一次固有振動数(FB)に対する前記ソリッドセンタの一次固有振動数(FC)の比(FC/FB)が下記式を満たすことを特徴とする。
0.95≦FC/FB ≦1.10
ここで、前記ソリッドセンタは、一次固有振動数(FC)が750Hz〜1000Hzであり、98Nの荷重をかけた状態から1274Nの荷重をかけたときまでの変形量(mm)が2.7〜4.3とされる。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、打球感とスピン性能に優れ、さらに飛距離を改善した糸巻きゴルフボールに関する。
【0002】
【従来の技術】
ゴルフボールの打球感、スピン性能及び飛距離は、ゴルフボールの特性のうち最も重要なものである。ここで打球感はドライバーで打撃する際のプレーヤーの受ける衝撃感と、インパクト時の打球音が含まれる。またスピン性能はゴルフボールのバックスピンによってグリーン上で速やかに停止でき、またゴルフボールにサイドスピンをかけ、飛行軌跡がドローまたはフェイドになるようにコントロールすることができる性能である。このような優れたコントロール性のため、スピン量の大きいゴルフボールはプロゴルファあるいは低ハンディキャップのゴルファに好んで採用されている。さらに飛距離はドライバーで打撃した際のゴルフボールの静止するまでの距離であり、初心者及びプロゴルファを問わず重要な特性である。
【0003】
従来、これらの特性を改善するため、ゴルフボールの構造、その構成部材の材料の種類または物理特性等を調整してその最適化が図られていた。
【0004】
一般にソリッドコアにカバーを被覆したソリッドボールの場合、飛距離は優れるが、スピン性能に劣りコントロール性には限界がある。一方、センタに糸ゴムを巻きつけた後、カバーで被覆した、いわゆる糸巻きゴルフボールの場合、打球感及びスピン性能は優れるが、飛距離には限界がある。
【0005】
ゴルフボールの飛距離は、ゴルフボールの一次固有振動数(FB)とクラブヘッドの一次固有振動数(FK)に関係し、そのFB値とFK値が近くなれば、メカニカルインピーダンスのマッチングによりそのゴルフクラブでゴルフボールを打撃したときに大きな反発弾性が得られて、飛距離が大きくなることが知られている。
【0006】
ここで、市販されているゴルフボールの一次固有振動数(FB)は600〜1600Hz程度である。一方、最近主流となっている飛距離性能に優れるチタン合金製クラブヘッドの場合、一次固有振動数(FK)は約1400〜1800Hzでありゴルフボールの値に近づいている。かかる状況において、ゴルフボールの飛距離をのばすため、、ゴルフクラブの一次固有振動数を低くするか、あるいはゴルフボールの一次固有振動数を高くすることが考えられる。しかし、ゴルフボールの一次固有振動数(FB)を高くすることは、ゴルフボールを硬くすることを意味し、飛距離は増大するが、その反動として打球時の衝撃も大きくなる。現在市販されているゴルフボールでは、一次固有振動数(FB)が1000Hz以上のゴルフボールは飛距離が良好であるけれども、打球時の衝撃が大きく打球感が硬くなる。
【0007】
また特開平11−76461号公報には、ソリッドゴルフボールに関する次の技術が提案されている。この技術は飛距離と打球感を向上させることを目的とし、ソリッドセンタと該ソリッドセンタを被覆するカバーとからなるゴルフボールにおいて、前記ゴルフボールの一次固有振動数(BF)に対する前記ソリッドセンタの一次固有振動数(CF)の比(CF/BF)が下記式を満たすことを特徴とする。
0.95≦CF/BF≦1.10
この先行技術はソリッドゴルフボールであるため、打球感およびスピン性能の改善には限界がある。
【0008】
一方、飛距離に優れ、スピン性能及び打球感を保持した糸巻きゴルフボールが提案されている。例えば特許第2751022号公報には、センターの直径30〜35mmで、上記センターに初期荷重10kgをかけた状態から終荷重30kgをかけたときまでの歪み量が1.2〜2.5mmである糸巻きゴルフボールが開示されている。この技術はソリッドセンタのゴム組成物に熱可塑性樹脂を配合、または架橋剤により荷重変形量を少なくし、直径を所定範囲にすることで糸巻きゴルフボールの本来有する優れた打球感を維持しながら飛距離を改善しようとするものである。
【0009】
また、特開2002−65902号公報には、ソリッドセンターが、直径35〜38mmおよび初期荷重9.8Nを負荷した状態から、終荷重294Nを負荷したときまでの圧縮変形量が0.5mm以上1.5mm未満を有し、該カバーのショアD硬度(C)が40〜55であり、ディンプル凹部とディンプル開口部を結ぶ面とで囲まれる部分の体積の総和であるディンプル総体積V(cm)とし、表面に全くディンプルが存在しない球体であると仮定した場合のゴルフボールの体積V(cm)として、これらに所定の関係が成立する技術が開示されている。
【0010】
しかしながら、これらの従来の糸巻きゴルフボールにおいては、センターの架橋密度、糸ゴムのモジュラス、糸ゴムの伸長率等が考慮されておらず、(FC/FB)の値は低くなり、打球感、スピン性能(コントロール性)及び飛距離を綜合的に充分満足できるものではない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
発明者は、糸巻きゴルフボールにおいて一次固有振動数(FB)に対する、そのセンタの一次固有振動数(FC)の比(FC/FB)を1.0に近づけることで、スピン性能、打球感および飛距離を綜合的に改善できるとの知見を得た。本発明は係る知見に基づき、スピン性能、打球感および飛距離のすべてが優れた糸巻きゴルフボールを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明はソリッドセンタと該ソリッドセンタに糸ゴムを巻きつけて、さらにカバーで被覆した糸巻きゴルフボールにおいて、前記ゴルフボールの一次固有振動数(FB)に対する前記ソリッドセンタの一次固有振動数(FC)の比(FC/FB)が下記式を満たすことを特徴とする糸巻きゴルフボールである。
【0013】
0.95≦FC/FB ≦1.10
本発明において前記ソリッドセンタの一次固有振動数(FC)が750〜1000Hzであることが好ましい。また前記ソリッドセンタに98Nの荷重をかけた状態から1274Nの荷重をかけたときまでの変形量(mm)が2.7〜4.3とすることで、スピン性能、打球感及び飛距離を綜合的にバランス良く改善できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
(ボール構造)
本発明の対象となるゴルフボールは、ソリッドセンタを糸ゴムで巻きつけて糸ゴム層を形成し、さらにカバーで被覆してなる糸巻きゴルフボールである。ソリッドセンタは、一層であっても2層以上のマルチセンタであってもよく、さらにカバーも同様に、一層カバーに限定されず、2層以上のマルチカバーが採用できる。図1に本発明の糸巻きゴルフボール1の断面図を示す。図において、ソリッドセンタ2の周りに糸ゴムを巻きつけて糸ゴム層3が形成され、さらにその外側にはカバー4で被覆される。カバー4の表面には、ディプル5が所定の配列で形成される。
【0015】
(一次固有振動数の定義)
ゴルフボールのソリッドセンタの一次固有振動数(FC)とは、ソリッドセンタ単体の一次固有振動数をいい、ソリッドセンタが二層以上のマルチセンタの場合には、マルチセンタ全体における一次固有振動数をいう。ゴルフボールの一次固有振動数(FB)とは、ゴルフボール全体としての一次固有振動数をいう。
【0016】
ソリッドセンタ及びゴルフボールの一次固有振動数(FC、FB)の測定方法の概略を図2にしたがって説明する。図2ではゴルフボールの測定方法を説明するが、ソリッドセンタの場合は、ゴルフボールをソリッドセンタに置き換えてそのまま測定できる。
【0017】
(a)ゴルフボールを直径10mmの平坦円形になるように研磨し、ゴルフボールGを加振機17の取付け台17aの支持部17b上に、前記平坦円形部分を載せて瞬間接着剤で固定する。
【0018】
(b)加振機17の取付け台17aの下側に加速度ピックアップ19を取付ける。
【0019】
(c)加振機でゴルフボールGを加振し、ゴルフボール上面に配置された反射テープ20を介して、レーザー照射部14、マニピュレータ12及びレーザードップラー速度計11によって、ゴルフボールの振動速度Vを測定する。これは公知のレーザードップラー振動計の原理を用いるものである。なお反射テープは住友スリーエム社製のスコッチライト反射テープを用い、その約5mm平方のものを反射面がレーザー照射側になるように向けてボールに貼り付けた。
【0020】
(d)加速度ピックアップ19から出た電圧信号をパワーアンプ15で増幅した後、加速度AをFFTアナライザー13に取り込む。一方、計測された速度Vをレーザードップラ速度計11からFFTアナライザー13に取り込む。
【0021】
(e)FFTアナライザー13で100〜4000Hz領域で測定されたの加速度Aと速度Vから次の式によって周波数伝達関数G(s)を求める。
【0022】
G(s)=出力速度Vのフーリエ変換/入力加速度Aのフーリエ変換
(f)上記周波数伝達関数G(s)から、周波数100Hz〜2000Hzの範囲で示すピークのうち最も大きいピーク値を極大値の周波数として読み取り、一次固有振動数とする。なお周波数100Hz〜2000Hzの範囲で示すピークを検出するのは、周波数が2000Hzを超えると二次の固有振動数が検出される可能性があるからである。また図2において、加振機アンプ16は加振機17の振動の振幅を制御するもので、FFTアナライザー13から出力される電圧信号を増幅する機能を有する。
【0023】
上記測定に用いた、各種測定機器の仕様は表1に示すとおりである。
【0024】
【表1】
Figure 2004008689
【0025】
(FC/FBの最適範囲)
本発明のゴルフボールは、ゴルフボール全体の一次固有振動数FBに対するセンタの一次固有振動数FCの比(FC/FB)が0.95以上で1.10以下であり、好ましくは0.95以上で1.05以下、さらに好ましくは0.95以上1.02以下、特に0.99以上で1.02以下である。この範囲において、スピン性能、打球感及び飛距離の性能が綜合的に最も優れている。この条件は、センタの材料の種類、配合の種類、硬度及び直径などを調整することで、さらに糸巻き層の厚さ、糸ゴムのモジュラスなど、さらにカバーの材料、配合、硬度及び層厚さを調整することで達成できる。
【0026】
(ソリッドセンタ)
本発明の糸巻きゴルフボールに使用されるソリッドセンタは、一次固有振動数が750〜1000Hzの範囲、好ましくは800〜950Hz、さらに好ましくは800〜920Hz、特に好ましくは805〜910Hzの範囲に設定されることが好ましい。一次固有振動数が750Hz未満では、ゴルフボールをドライバで打撃した時の打球音(以下、「インパクト音」という)が低くなりすぎ、飛距離も小さくなる。一方、1000Hzを超えると、インパクト音は硬い感触になり好ましくない。
【0027】
次にソリッドセンタに98Nの荷重をかけた状態から1274Nの荷重をかけたときまでの変形量HB(mm)は2.7〜4.3の範囲、さらに好ましくは3.0〜4.1、特に3.3〜4.0の範囲が好ましい。変形量が4.3よりも大きいとゴルフボールの変形量が大きくなり飛距離が小さくなり、一方2.7よりも小さいとゴルフボールにした状態における打球感が硬くなり好ましくない。
【0028】
ゴルフボールは、全体としての直径がR&Dの規格で1.68インチ(42.67mm)以上と規定されている。そして一般に市販されているゴルフボールの直径は1.680インチ(42.67mm)〜1.686インチ(42.82mm)の範囲である。そこで、糸巻きゴルフボールの、反発弾性、打球感及びスピン性能を発揮するには、ソリッドセンタ直径は35〜38mmであることが好ましい。二層以上のマルチピースセンタの場合は、センタ全体としての直径が35〜38mmであれば、各ソリッドセンタ相互の層の厚みは任意に調整し得る。ソリッドセンタの直径は、35mm未満では反発性が低く飛距離が不充分であり、38mmを超えると、糸ゴム層の厚さが不充分となり、反発性に不利となる。なおソリッドセンタの直径を小さくするとFC値は高くなり、一方、大きくするとFC値は低くなる。
【0029】
本発明においてソリッドセンタのゴム組成物としては、ゴム成分として、シス−1,4構造を少なくとも40重量%以上、好ましくは80重量%以上有するハイシスポリブタジエンゴムを含有することが好ましい。また、ゴム成分の20重量%未満であれば、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレンポリブタジエンゴム、EPDMなどのジエン系ゴム成分を用いてもよい。さらに、ジエン系ゴム以外のゴム成分や、エラストマー、アイオノマー等のゴム以外のポリマー成分を含有してもよい。このようなゴム組成物において、ハイシスポリブタジエンゴムの含有率が高い程、ソリッドセンタの一次固有振動数(FC)を高くすることができる。
【0030】
ソリッドセンタの組成物は、必要に応じて、加硫剤、架橋剤、加硫促進剤、活性剤、改質剤、比重調整剤などの充填剤が適宜配合され得る。ここで、架橋剤は、例えば不飽和カルボン酸の金属塩、有機過酸化物などが挙げられる。不飽和カルボン酸の金属塩としては、特にアクリル酸又はメタクリル酸等の炭素数3〜8のα,β―不飽和カルボン酸の亜鉛、マグネシウム塩等の一価又は二価の金属塩が挙げられるが、これらのうち、FCをそれ程高くすることなく高い反発性を付与するアクリル酸亜鉛が好ましい。不飽和カルボン酸の配合量は、多くなる程、センタの架橋度が大きくなるため、ソリッドセンタが硬くなる(FCが高くなる)傾向にあることから、本発明の要件を満足するためには、一般に、基材ゴム100質量部に対して15〜45質量部とすることが好ましい。45質量部より多いと硬くなり(FCが高くなり)すぎて、打撃時の衝撃が大きくなり、10質量部未満では軟らかくなり(FC が低くなり)すぎて、反発性が悪くなり飛距離が低下するからである。
【0031】
有機過酸化物としては、ジクミルパーオキサイド又はt―ブチルパーオキサイドが挙げられ、これらのうちジクミルパーオキサイドが好ましい。有機過酸化物の配合量としては、基材ゴム100質量部に対して0.5〜3.0質量部であることが好ましい。0.5質量部未満では軟らかくなり(FCが低くなり)すぎて反発性が悪くなり飛距離が低下するからである。3.0質量部を超えると硬くなり(FCが高くなり)すぎて、打球時の衝撃が大きくなるからである。
【0032】
比重調整剤としては、低比重用充填剤又は高比重充填剤を、本発明の要件(FC/FB)を満たすために適宜配合できる。低比重用充填剤は、ソリッドセンタの重量を軽くすることによってFCを高くするために配合され、具体的には酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等が挙げられるが、これらのうち、特に酸化亜鉛が好ましい。高比重充填剤は、センタの重量を重くすることによってFCを低くするために配合され、比重8〜20の金属粉、金属酸化物、金属窒化物等またはそれらの混合物が用いられ、具体的にはタングステン(比重19.3)、タングステンカーバイト(比重15.8)、モリブデン(比重10.2)、鉛(比重11.3)、酸化鉛(比重19.3)、ニッケル(比重8.9)及び銅(比重8.9)またはこれらの混合物が挙げられる。低比重充填剤と高比重金属粉末とを混合して用いてもよい。以上のような化合物を配合してなるゴム組成物をロールやニーダーを用いて混練した後、金型内で圧縮、加硫成形することによりソリッドセンタが得られる。
【0033】
センタの一次固有振動数は、センタ材質(センタの配合組成)だけでなく、製造条件を変えることによっても変更し得る。具体的には、混練時間、ムーニー粘度、加硫温度、時間の調整により硬度を増大させることで、一次固有振動数を高くすることができる。特に、ソリッドセンタの硬度分布を表面は硬く、内側は柔かくすることでFCの値は高くなる。
【0034】
(糸ゴム層)
本発明において、糸ゴム層を形成する糸ゴム組成物は、ゴム成分として低シスポリイソプレンゴムを基材とすることが好ましい。さらに低シスポリイソプレンゴムに天然ゴム、合成高シスポリイソプレンゴムまたはハイシスポリブタジエンゴムなどを混合して用いることができる。またゴム成分としてラテックスを原料とするものも使用できる。糸ゴム組成物には必要に応じて、加硫剤、架橋剤、加硫促進剤、活性剤、改質剤などの配合剤が適宜配合される。
【0035】
糸ゴム組成物の加硫特性において、モジュラスを高くするためには低シスポリイソプレンゴムに対する天然ゴム及び合成高シスポリイソプレンゴムの混合割合を高くすれば良い。その結果FB値は高くなる。また糸ゴム層のゴルフボールに対する容積比を大きくすることでFB値は高くなる。
【0036】
また、ゴルフボールのFBは、糸ゴムの断面積またはゴム糸の幅および厚みで調整することができ、糸ゴムの断面積を大きくすると、FB値は低くなる。さらに糸ゴムのソリッドセンタに巻きつける際の伸長率を大きくすることで、FB値を高く設定することもできる。
【0037】
なお、ソリッドセンタを糸ゴムで被覆して形成される糸巻きコアに98Nの荷重をかけた状態から1274Nの荷重をかけたときまでの変形量HC(mm)と前記ソリッドセンタの変形量HB(mm)との差(HB−HC)は0.2〜0.8の範囲が好ましい。変形量の差が0.8よりも大きいと、ゴルフボールの打球感が硬くなり、また通常糸ゴムの引張力が高く維持されることになり糸切れによるゴルフボールの耐久性が低下する。一方0.2よりも小さい場合、通常糸ゴムの引張力が低く維持されることになり反発性が低下する。
【0038】
(カバー)
本発明の糸巻きゴルフボールは公知のカバー材料を用いることができ、具体的には、アイオノマー、バラタ、ポリウレタン樹脂、各種熱可塑性エラストマー、繊維強化樹脂、金属粉末配合樹脂などが用いられる。これらのうちアイオノマー又はアイオノマーと他の熱可塑性樹脂との混合物が好ましく用いられる。カバー用組成物においてアイオノマーの含有率が高い程、カバーが硬くなり、ゴルフボール全体としての一次固有振動数(FB)を高くできる。
【0039】
上記アイオノマーとしては、エチレンー(メタ)アクリル酸共重合体中のカルボン酸の一部を金属イオンで中和したもの、又はその混合物が用いられる。中和する金属イオンとしては、Naイオン、Kイオン、Liイオン等のアルカリ金属イオン;Znイオン、Caイオン、Mgイオン等の二価の金属イオン;Alイオン、Ndイオン等の三価の金属イオンなどが挙げられる。具体的には、三井デユポンケミカル社製のハイミラン、エクソン社製のアイオテックなどが挙げられる。上記バラタには、天然バラタ、合成バラタ又はこれらの混合物があり、合成バラタは、トランスポリイソプレンで、クラレイソプレン社からTP301として市販されている。
【0040】
またカバー用組成物には、本発明の要件を満たす範囲内で、二酸化チタン等の着色剤、紫外線吸収剤、光安定剤、蛍光増白剤等の充填剤が適宜配合され得る。
【0041】
カバーの硬度及び剛性を高くすることで、ゴルフボールの一次固有振動数(FB)を高くすることができ、またカバーの厚さを厚くすることで、FB値を高く調整することができる。
【0042】
カバー用組成物の配合組成、カバーの厚みは、ゴルフボール全体としての一次固有振動数(FB)が700〜1800Hz、好ましくは700〜1800Hz、さらに好ましくは750〜1000Hz、さらに好ましくは750〜1000Hz、特に800〜900Hzとなるように調整されるが、好ましくはカバーの厚みは1.0〜5.0mmとする。またカバーのショアD硬度は40〜62の範囲が好ましい。ショアD硬度が40未満の場合、スピン量が多くなり、飛距離が不利隣、ショアD硬度が62を超えると、打球感が硬くなる。
【0043】
(ゴルフボール製造方法)
本発明のゴルフボールは、従来公知の方法で製造することができる。例えば、ソリッドセンタに糸ゴムを一定の伸長率で巻きつけて糸ゴム層を形成する。その後、予め作成した一対のカバーのハーフシェルを前記糸ゴム層の外側に被せて金型で加熱して一体成形する方法、あるいは前記糸ゴム層にカバー用組成物をインジェクション成形等により被覆してゴルフボールを製造することができる。
【0044】
【実施例】
次の方法でゴルフボールの製造し、性能を評価した。
【0045】
(1) ソリッドセンタ
ソリッドセンタは、基材ゴムとして、JSR(株)社製のハイシスポリブタジエン(1,4−シス含量が96%)、架橋剤としてデクミルパーオキサイド(DCP)、共架橋剤としてアクリル酸亜鉛等を配合したゴム組成物(S1〜S7)を用いてソリッドセンタ径37mmの単層センタを作成した。配合内容は表2に示す。ソリッドセンタの成形条件はいずれも、165℃で20分間である。
【0046】
【表2】
Figure 2004008689
【0047】
(2) 糸ゴム層
前記ソリッドセンタの周りに、基材ゴムとして天然ゴム/低シスポリイソプレンゴムの混合比が、40/60(質量比)の加硫糸ゴム(幅が1.5mm、厚みが0.5mm)を巻きつけた。ソリッドセンタに糸ゴム層を形成し、表4に示す直径でかつ変形量の糸巻きセンタを製造した。
【0048】
(3) カバー
カバーは、アイオノマー樹脂等のポリマー成分100質量部に対して、二酸化チタンを4質量部配合した樹脂組成物を用いて作成し、厚さ1.6mm、2.85mmとした。カバー配合は表3に示すC1〜C7を採用し、また使用した材料の詳細は次のとおりである。
【0049】
【表3】
Figure 2004008689
【0050】
(注1)サーリン8945:デュポン社製のナトリウムイオン中和エチレン−メタクリル酸共重合体アイオノマー樹脂、ショアD硬度が61
(注2)サーリン9945:デュポン社製の亜鉛イオン中和エチレン−メタクリル酸共重合体アイオノマー樹脂、ショアD硬度が59
(注3)ハイミラン1605:三井デユポンケミカル社製のナトリウムイオン中和エチレン−メタクリル酸共重合体アイオノマー樹脂、ショアD硬度が61
(注4)ハイミラン1706:三井デユポンケミカル社製亜鉛イオン中和エチレン−メタクリル酸共重合体アイオノマー樹脂、ショアD硬度が60
(注5)セプトンHG252:(株)クラレ社製の、分子鎖末端に水酸基が付加した水素添加スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)ブロック共重合体、スチレン含量:約40質量%、JIS−A硬度が80
(注6)エポフレンドA1010:ダイセル科学工業(株)製のエポキシ基を含有するポリブタジエンブロックを有するスチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)ブロック共重合体、スチレン/ブタジエンの割合は40/60(質量比)、エポキシ含量は約1.5〜1.7質量%、JIS−A硬度は70
(注7)サノールLS770:三共(株)製の老化防止剤
(4) ゴルフボールの製造方法
ゴルフボールは、上記で作成した糸ゴムセンタに、ハーフシェルに成形されたカバー材を上下から2枚で被覆して、ゴルフボールのディンプルが施された金型で、プレス成形した。その表面にペイント処理を施して、直径42.75mmの糸巻きゴルフボールを作成した。
【0051】
(5) ゴルフボールの性能評価方法
ソリッドセンタ、糸ゴム層及びカバー組成物を調整することで、ソリッドセンタの固有振動数(FC)とゴルフボールの固有振動数(FB)の比が異なるゴルフボールを製造し、その飛距離、打球音及びスピン性能を評価し、その結果を表4に示す。
【0052】
ゴルフボールの評価方法は次のとおりである。
<飛距離>
ゴルフラボラトリ社製のスイングロボットにメタルヘッド製ドライバー(住友ゴム工業株式会社製 XX10#1 ロフト角10°、Sシャフト)を取付け、ゴルフボールをクラブヘッドスピード45m/秒で打撃し、落下点までの距離を測定し飛距離とした。12回打撃を行い、その平均の値を各ゴルフボールの結果とした。
【0053】
<スピン性能>
ゴルフラボラトリ社製のスイングロボットにメタルヘッド製ドライバー(住友ゴム工業株式会社製 XX10サンドウエッジ)を取付け、ゴルフボールをクラブヘッドスピード20m/秒で打撃し、打ち出し直後のバックスピン量を測定した。12回打撃を行い、その平均の値を各ゴルフボールの結果とした。
【0054】
<打球感>
(i) 衝撃感
打球時の衝撃の少なさを、10人のゴルファーによる官能評価の平均で表した。官能評価は、最も衝撃が少ないときを10点満点とした。比較例3の衝撃性を5点としたときの比較により行なった。
(ii) 打音好感度
打球時の打球音(インパクト音)について、10人のゴルファーによる官能評価の平均で表した。官能評価は、インパクト音が最良であると感じられるときを10点満点として、比較例3のインパクト音を5点としたときの比較により行なった。
【0055】
(6) 評価結果
実施例1〜4のゴルフボールはFC/FBが、0.95〜1.10の範囲に含まれるもので、飛距離、打球感およびスピン性能(コントロール性能)が綜合的に優れている。それに対して(FC/FB)の値の小さい比較例1は、飛距離は低めで、スピン性能と打球感は劣っている。一方、(FC/FB)の値の大きい比較例2は、スピン性能は優れるが、飛距離と打球感は劣っている。ツーピースのソリッドゴルフボールである比較例3は、飛距離に優れるがスピン性能と打球感において劣っている。
【0056】
FC値は、実施例2が870Hz、実施例4が845Hz、一方比較例2が850Hzと近い値であるが、飛距離及び打球感において、実施例2,4と比較例2は大幅に異なっている。ゴルフボールの一次固有振動数が同じであっても、センタの固有振動数が異なれば、飛距離、打撃感(衝撃性、インパクト音)が異なり、一方、センタの固有振動数が同じであっても(実施例2実施例3及び比較例1の対比)、ゴルフボールの固有振動数が異なれば、飛距離、衝撃性が異なることがわかる。従って、ゴルフボールの固有振動数については、ソリッドセンタとゴルフボールの固有振動数の相関関係が重要であることがわかる。
【0057】
【表4】
Figure 2004008689
【0058】
【発明の効果】
本発明のゴルフボールは、ソリッドセンタの一次固有振動数(FC)とゴルフボールの一次固有振動数(FB)との比率(FC/FB)を0.95〜1.10の範囲とすることにより、従来の糸巻きゴルフボールのスピン性能、打球感を保持しながら飛距離を改善することができる。
【0059】
さらに、本発明のゴルフボールにおいてソリッドセンタの一次固有振動数(FC)を750〜1000Hzに調整することで、より優れた飛距離と打球感が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の糸巻きゴルフボールの断面図を示す。
【図2】一次固有振動数を測定装置の概略図を示す。
【符号の説明】
1 ゴルフボール、2 ソリッドセンタ、3 糸ゴム層、4 カバー、6 ディンプル。

Claims (3)

  1. ソリッドセンタと該ソリッドセンタに糸ゴムを巻きつけて、さらにカバーで被覆した糸巻きゴルフボールにおいて、前記ゴルフボールの一次固有振動数(FB)に対する前記ソリッドセンタの一次固有振動数(FC)の比(FC/FB)が下記式を満たすことを特徴とする糸巻きゴルフボール。
    0.95≦FC/FB ≦1.10
  2. 前記ソリッドセンタの一次固有振動数(FC)が750Hz〜1000Hzである請求項1に記載の糸巻きゴルフボール。
  3. 前記ソリッドセンタに98Nの荷重をかけた状態から1274Nの荷重をかけたときまでの変形量(mm)が2.7〜4.3である請求項1に記載の糸巻きゴルフボール。
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