JP2004008165A - 中鎖脂肪含有ゲル状食品 - Google Patents

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Abstract

【課題】糖尿病性腎疾患の患者が、高カロリーで、かつ急激な血糖値の上昇を起こさないためのゲル状食品を提供する。
【解決手段】(A)中鎖脂肪1〜10重量%、(B)血糖値遅延上昇性糖質5〜50重量%、(C)ゲル化剤0.05〜5重量%、(D)水30〜70重量%からなるゲル状食品であって、ゼリー強度が1×10g以下のゲル状食品。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、中鎖脂肪、血糖値遅延上昇性糖質、ゲル化剤、水を主成分として含有するゲル状食品に関する。
【0002】
【従来の技術】
中鎖脂肪は、主に炭素数6個〜炭素数12個を構成脂肪酸とするトリグリセリドである。中鎖脂肪は、消化、吸収、代謝において一般の油脂と大きく異なる生理学的特性を有する。主な特徴としては、腸から吸収され、膵リパーゼや胆汁酸がなくても加水分解され、糖質、蛋白質などと同様に門脈を経て肝臓に運ばれる。その後、速やかに酸化されてエネルギーとなる。
【0003】
中鎖脂肪は、低蛋白高カロリーの食材に配合されて各種食品に利用されている。これを含む食品は一般の油脂なみの高カロリーでありながら、消化吸収がきわめて容易であり、消化吸収系統器官の衰弱した患者の負担を非常に軽くしながら高カロリーを与えることができる。従って中鎖脂肪を含む食品は一般食品から十分なカロリーを摂取しにくい急性腎不全、慢性腎不全、人工透析患者などをはじめ、体力を回復するのに十分なカロリー摂取が望まれる術後患者、未熟児などの治療食に幅広く応用されてきている。腎不全患者らにはカロリー補給の目的で、ゼリー、クッキー、アイスクリームなどの菓子類に、卵料理、ポテト料理の献立に、更には炒め物やドレッシングに、腎不全患者に幅広く使用されている。また、このような中鎖脂肪を含有するゼリー、クッキーなどが市販されている。特開平6−62771号公報に中鎖脂肪含有豆腐様食品について記載されている。しかしながら急激な血糖値の上昇を避けなければならない糖尿病性腎疾患の患者まで配慮した中鎖脂肪を含有する食品は存在しないし、特開平6−62771号公報にもそれについて示されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記のような課題のもとでなされたものである。
本発明の目的は、糖尿病性腎疾患者らに好適な中鎖脂肪、血糖値遅延上昇性糖質、ゲル化剤、水を主成分とするゲル状食品を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、中鎖脂肪と血糖値遅延上昇性糖質を組み合わせ、ゲル化剤、水を配合したゲル状食品が、高カロリーで血糖値の遅延上昇に相乗作用が認められることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は[1]〜[5]である。
[1](A)中鎖脂肪1〜10重量%、(B)血糖値遅延上昇性糖質5〜50重量%、(C)ゲル化剤0.05〜5重量%、(D)水30〜70重量%からなるゲル状食品であって、ゼリー強度が1×10g以下のゲル状食品。
[2](A)の中鎖脂肪が、炭素数6個〜炭素数12個の脂肪酸を構成脂肪酸とするトリグリセリドである前記[1]に記載のゲル状食品。
[3](B)の血糖値遅延上昇性糖質が、還元澱粉糖化物、蔗糖転移糖化物およびフラクトースからなる群より選択される1種または2種以上である前記[1]または[2]に記載のゲル状食品。
[4](C)ゲル化剤が、海藻抽出物、種子粘質物、微生物産生粘質物、植物抽出物および植物分泌粘質物からなる群より選択される1種または2種以上である前記[1]〜[3]のいずれかに記載のゲル状食品。
[5]カロリーが1.5kcal/g以上、蛋白質含量が0.5%以下である前記[1]〜[4]のいずれかに記載のゲル状食品。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明のゲル状食品は、中鎖脂肪、血糖値遅延上昇性糖質、ゲル化剤および水を主成分として含有する。
本発明に用いる中鎖脂肪は、炭素数6個〜炭素数12個の脂肪酸のトリグリセリドであり、好ましくは炭素数8個と10個の脂肪酸を主体とするトリグリセリドである。炭素数が6個より短い脂肪酸は風味が悪く、炭素数が12個より長い脂肪酸は中鎖脂肪の特有の生理効果が十分に得られない。一般に中鎖脂肪は、ヤシ油を高圧蒸気によって加水分解し、ヤシ油混合脂肪酸を得る。この混合脂肪酸から分別蒸留して、炭素数8個と炭素数10個の脂肪酸を取り出し、これらを単独あるいは必要とする割合に調整し、グリセリンとのエステル化を行う。このエステル化物(トリグリセリド)、すなわち中鎖脂肪は、脱酸、水洗、乾燥、脱色の工程を経てつくられる。具体的な商品として、日本油脂(株)製のパナセート810、花王フード(株)製のココナードMTなどが挙げられる。
【0007】
本発明に用いる中鎖脂肪は粉末状の中鎖脂肪を用いることができる。粉末状の中鎖脂肪は、中鎖脂肪を乳化剤と加工澱粉などで乳化液を調製し、これをスプレードライヤーなどの乾燥機で乾燥粉末としたものである。中鎖脂肪をカゼインなどの蛋白質で乳化液を調製し、これを乾燥粉末したものは蛋白質が含まれるため好ましくない。粉末状の中鎖脂肪のその含量は70〜80重量%である。具体的な商品として、日本油脂(株)製のマクトンZなどが挙げられる。
【0008】
本発明に用いる血糖値遅延上昇性糖質とは、糖質負荷試験の結果において、ショ糖と比較して投与後の血糖値、血清中のインスリン濃度がショ糖のように急激に上昇しない糖質である。例えば、糖質を還元して得られるソルビトール、イソマルチトール、パラチニット、マルチトール、マルトトリイトールなどの還元澱粉糖化物、ショ糖に転移酵素を作用させて得られるパラチノース、トレハルロース、果物に含まれるフルクトースなどが挙げられる。好ましくはトレハルロースが挙げられる。還元澱粉糖化物は多量に摂取した場合に下痢症状を誘発するおそれがあり、パラチノースは製品に大きな割合で配合した場合に、製品中に結晶が析出するおそれがある。
【0009】
本発明に用いるゲル化剤は、ゲル状食品に適度なゼリー強度および食感を付与させるために必要な成分である。ゲル化剤としては、具体的には、例えば、カラギーナン、ローカストビーンガム、グアーガム、キサンタンガム、ジュランガム、寒天、ゼラチンなどが挙げられる。これらは単独であるいは2種以上を組み合わせて使用することができるが、ゲル状食品に適度なゼリー強度および食感を付与させるためには2種以上を組み合わせて使用することが好ましい。
【0010】
本発明のゲル状食品のゼリー強度は、1×10g以下である。また本発明はゲル状食品であり、ゼリー強度は1×10g以上が好ましい。本発明のゲル状食品としては、ソフトゼリー、ゼリー飲料、水羊羹などが挙げられる。ソフトゼリーのゼリー強度は1×10〜1×10gであり、ゼリー飲料のゼリー強度は1×10〜1×10gであり、水羊羹のゼリー強度は1×10〜1×10gであることが好ましい。ゼリー強度は以下の方法で測定した数値である。測定装置はRHEONER RE−3305である。測定試料の大きさ:横20mm、縦20mm、高さ30mm、プランジャー直径:16mm、進入速度:1mm/sec、進入距離:2mmで測定する。測定は20±2℃で行う。
【0011】
本発明のゲル状食品には、前記以外の成分の他に、中鎖脂肪以外の油脂、乳化剤、デキストリン、食物繊維、微量栄養成分であるビタミン類、ミネラル類などを配合することができる。この中でもデキストリンとしては血糖値の上昇が抑えられるという点から還元デキストリンを単独で、もしくは、還元デキストリンと食物繊維を併用するのが好ましい。更に、小豆、抹茶、薩摩芋、牛乳、クリーム、果汁などの天然風味素材、乳化安定剤、甘味料、酸味料、香料、色素などを添加することができる。乳化剤としては、例えば、ポリグリセリン脂肪酸エステル、レシチン、ショ糖脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリドなどを挙げることができるが、特に水中に油脂を乳化安定化させる点から親水性−親油性バランス(以下HLBと略する)が7以上のポリグリセリン脂肪酸エステルが好適である。
【0012】
本発明のゲル状食品は、中鎖脂肪1〜10重量%、血糖値遅延上昇性糖質5〜50重量%、ゲル化剤0.05〜5重量%、水30〜70重量%の割合、好ましくは中鎖脂肪2〜5重量%、血糖値遅延上昇性糖質10〜35重量%、ゲル化剤0.1〜2重量%、水40〜60重量%の割合で配合する。なお、その他の成分として前記した原材料などを配合することができる。
【0013】
本発明で使用する中鎖脂肪が1重量%未満ではゲル状食品の高カロリー性を保持することが難しく、10重量%を超えるとゲル状食品の物性が軟らかくなり、ゲル状の物性が得られない。また、本発明で使用する血糖値遅延上昇性糖質が5重量%未満では、血糖値の上昇を抑えることが困難となり、50重量%を超えるとゲル状食品の物性が固くなり、ゲル状の物性が得られない。ゲル化剤の量が0.05重量%未満の場合にはゲル状食品の物性が軟らかくなり、ゲル状の物性が得られない。ゲル化剤の量が5重量%を超えるとゲル状食品の物性が固くなり、ゲル状の物性が得られない。
【0014】
次に、本発明のゲル状食品の製造方法について記す。
本発明のゲル状食品は、水に寒天やカラギーナンなどのゲル化剤を加熱溶解させ、これに中鎖脂肪、血糖値遅延上昇性糖質を配合した後、容器に充填し、密封した後、加熱殺菌し、冷却して得ることができる。
【0015】
中鎖脂肪を配合し、その中鎖脂肪が製品において分離しないように加熱殺菌前に安定な乳化均質状態にしておくことが必要である。その目的に乳化剤を添加したり、ホモジナイザー、ホモミキサー、コロイドミル、超音波乳化機などの機械的な均質化処理を単独であるいは併用して行う。乳化剤として水溶性乳化剤を用いる場合には、ゲル化剤の加熱溶解液に水溶性乳化剤を溶解し、また油溶性乳化剤を用いる場合には、予め中鎖脂肪に油溶性乳化剤を溶解させる。粉末状の中鎖脂肪を用いると、乳化剤または乳化機を用いなくても、寒天等のゲル化剤の水溶液にそのまま溶解させれば、機械的な均質化処理を行わなくても安定な中鎖脂肪の乳化状態の乳化液が得られるので粉末状の中鎖脂肪を用いるのが好ましい。
【0016】
その他の成分として、前記のデキストリン、ビタミン類、ミネラル類、天然風味素材、乳化安定剤、甘味料、酸味料、香料、色素などの材料を使用する場合には、ビタミン類、香料、色素などが水溶性物質であれば、冷却前の加熱溶解液に混合溶解させ、香料、色素などが油溶性物質であれば、中鎖脂肪に溶解させて使用することができる。
【0017】
本発明のゲル状食品は水に前記の原材料を溶解させ、均質化させた後、容器に充填し、加熱殺菌した後冷却して得ることができる。殺菌はゲル状食品が酸性の場合は80℃〜95℃で2分〜30分の加熱、ゲル状食品が中性の場合はレトルトによる110℃〜120℃で5分〜40分の加熱が好ましい。
【0018】
本発明のゲル状食品としては、具体的には例えば、ソフトゼリー、ゼリー飲料、水羊羹などが挙げられる。容器に関して、ソフトゼリーの場合は汎用性のプラスチックカップおよびポーションカップ、ゼリー飲料の場合は手軽に摂取できるスパウト付きパウチ、水羊羹の場合はレトルト加熱耐性が備わっているプラスチックカップおよび缶が好ましい。
【0019】
本発明のゲル状食品は高カロリーである。具体的にはゲル状食品のカロリーは1.5kcal/g以上が好ましい。本発明のゲル状食品、蛋白質含量が0.5%以下が好ましい。また本発明のゲル状食品は急激な血糖値の上昇を与えないものである。
【0020】
【発明の効果】
本発明のゲル状食品は、中鎖脂肪、血糖値遅延上昇性糖質をゲル化剤の水溶液に乳化、溶解させ、殺菌、冷却することにより得ることができ、病弱者、特に糖尿病性腎疾患の患者に美味しい低蛋白高カロリーのゲル状食品である。本発明のゲル状食品は、美味しく、喉ごしが良く、手軽に食べられ、毎日食しても飽きのこない好ましい食品であり、多量の中鎖脂肪を無理なく食することができる食品である。本発明のゲル状食品は、低蛋白高カロリーで急激な血糖値の上昇を抑制した食品であり、糖尿病性腎疾患の患者は本発明のゲル状食品を摂取することによって十分なカロリーを補給することができる。
【0021】
【実施例】
以下、具体例に基づいて、本発明を詳細に説明する。
実施例1
表1に示すように、29.93重量%の70℃の温水に1.0重量%のカラギーナン、0.5重量%のローカストビーンガム、35.0重量部のパラチノースシロップ(25%含水)、25.0重量%の液状還元デキストリン(30%含水)、2.0重量%の食物繊維を添加し、溶解させた。これに0.07重量%のポリグリセリン脂肪酸エステル(HLB9)、5.0重量%の粉末状の中鎖脂肪マクトンZ(日本油脂(株)製、商品名)を加えて溶解、乳化させた。
その後、この液に0.3重量%の酒石酸、0.2重量%のメロンフレーバー、1.0重量%のメロン果汁を添加、溶解させた。この液を10分間攪拌して完全に溶解し、乳化させた。このようにして、700kgの調合液を得た。その後、この液を25gずつポーションカップに流し込み、密封した後、85℃、15分間加熱し、その後冷却した。これによってメロン風味のソフトゼリーを得た。
このソフトゼリーの1カップ(25g)当たりのエネルギーは50kcalであった。一般のソフトゼリーの25g当たりのエネルギーは約20kcalであり、これに比べて、本実施例のソフトゼリーはこれに比べてかなり高カロリーであった。このソフトゼリーは、蛋白質を含まず、これを食しても表2に示すように、血糖値の急激な上昇は起こらないことにより、糖尿病性腎疾患の患者に有効に使用できた。
【0022】
比較例1
表1に示すように、実施例1のパラチノース、還元デキストリンの代わりに水飴を用いた以外は実施例1に準じて実施し、メロン風味のソフトゼリーを得た。これを試験例1に示す試験に供した。
【0023】
比較例2
表1に示すように、実施例1の中鎖脂肪の代わりにコーン油を用いた以外は実施例1に準じて実施し、メロン風味のソフトゼリーを得た。これを試験例1に示す試験に供した。
【0024】
比較例3
表1に示すように、実施例1の中鎖脂肪の代わりにパラチノースを増量した以外は実施例1に準じて実施し、メロン風味のソフトゼリーを得た。これを試験例1に示す試験に供した。
【0025】
比較例4
表1に示すように、77重量%の70℃の温水に1.0重量%のカラギーナン、0.5重量部のローカストビーンガム、20.0重量%の水飴(15%含水)、0.3重量%の酒石酸、0.2重量%のメロンフレーバー、1.0重量%のメロン果汁を添加、溶解させた。この液を10分間攪拌して完全に溶解、この液を25gずつポーションカップに流し込み、密封した後、85℃、15分間加熱し、その後冷却した。これによってメロン風味のソフトゼリーを得た。このエネルギーは0.9kcal/kgであり、実施例1のものに比べ、かなり低かった。
【0026】
【表1】
Figure 2004008165
【0027】
試験例1
実施例1、比較例1〜比較例3で得られたソフトゼリーを被験者として、腎疾患患者各5名ずつに対して、投与量各30gずつを摂取してもらい、摂取後の血糖値の変化を調べた。初期値の数値を100とし、被験者5名の平均を示す。その結果を表2に示す。
その結果、実施例1のソフトゼリーは、比較例1〜比較例3に比べ、摂取後の血糖値の緩やかな上昇変化を示し、本発明の効果が確認できた。
【0028】
【表2】
Figure 2004008165
【0029】
実施例2
表3に示すように、37.45重量%の75℃の温水に0.2重量%のジェランガム、0.1重量%のキサンタンガム、40.0重量%の還元デキストリン、10.0重量%のトレハルロースシロップを添加し、溶解させた。これに0.05重量%のポリグリセリン脂肪酸エステル(HLB12)、10.0重量%の粉末の中鎖脂肪マクトンZ(日本油脂(株)製、商品名)を加えて溶解および乳化させた。なお、粉末の中鎖脂肪は実施例1と同じものであった。
粉末の中鎖脂肪を乳化後、この液に、2.0重量%のオレンジ果汁、0.2重量%のフルーツフレーバーを添加し、溶解させた。その後、この液を10分間攪拌して完全に溶解し、乳化させた。このようにして、700kgの調合液を得た。その後、この液を70gずつスパウト付きのパウチに流し込み、密封した後、90℃、3分間加熱し、その後冷却した。これによってオレンジ風味のゼリー飲料を得た。
このゼリー飲料の1袋(70g)当たりのエネルギーは175kcalであった。一般のゼリー飲料の1袋(70g)当たりのエネルギーは20〜80kcalであり、これに比べてかなりの高カロリーであった。このゼリー飲料は、蛋白質は全く含まず、これを食しても血糖値の急激な上昇は起こらないことにより、糖尿病性腎疾患の患者に有効に使用できた。
【0030】
実施例3
表3に示すように、37.7重量%の90℃の熱水に、1.5重量%の寒天を添加し、完全に溶解させた。次にこの液に45.0重量%の還元水飴(ソルビトール、マルチトールなど含有)を添加し、溶解させた。これに0.1重量%のポリグリセリン脂肪酸エステル(HLB10)、5.0重量%の中鎖脂肪を加え、溶解および乳化させた。この液に10.5重量%の生餡(65%含水)、0.2重量%の小豆フレーバーを加え、溶解させた。その後、この液を溶解槽内で10分間攪拌し、予備乳化させた後、ホモジナイザーで均質化処理(均質圧100kg/cm)を行った。このようにして、700kgの調合液を得た。その後、この液を55gずつ、カップに流し込み、密封した後、115℃、30分間レトルトで処理を行った。これによって小豆風味の水羊羹を得た。
この水羊羹の1カップ(55g)当たりのエネルギーは100kcalで、蛋白含量は0.1gであった。これを食しても血糖値の急激な上昇は起こらないことにより、糖尿病性腎疾患の患者に有効に使用できた。
【0031】
比較例5
表3に示すように、33.0重量%の90℃の熱水に、1.5重量%の寒天を添加し、完全に溶解させた。この液に30.0重量%の砂糖、35.2重量%の生餡(65%含水)、0.2重量%の小豆フレーバーを加え、溶解させた。この液を55gずつ、カップに流し込み、密封した後、115℃、30分間レトルトで処理を行った。これによって一般的な小豆風味の水羊羹を得た。これの蛋白含量は3.0%であり、実施例3の水羊羹に比べ、かなりの高い数値であった。
【0032】
【表3】
Figure 2004008165
【0033】
以上の結果、本発明の実施例2、3は、比較例5に比べて、蛋白質含量が少ないゲル状食品となることがわかる。

Claims (5)

  1. (A)中鎖脂肪1〜10重量%、(B)血糖値遅延上昇性糖質5〜50重量%、(C)ゲル化剤0.05〜5重量%、(D)水30〜70重量%からなるゲル状食品であって、ゼリー強度が1×10g以下のゲル状食品。
  2. (A)の中鎖脂肪が、炭素数6個〜炭素数12個の脂肪酸を構成脂肪酸とするトリグリセリドである請求項1に記載のゲル状食品。
  3. (B)の血糖値遅延上昇性糖質が、還元澱粉糖化物、蔗糖転移糖化物およびフラクトースからなる群より選択される1種または2種以上である請求項1または2に記載のゲル状食品。
  4. (C)ゲル化剤が、海藻抽出物、種子粘質物、微生物産生粘質物、植物抽出物および植物分泌粘質物からなる群より選択される1種または2種以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載のゲル状食品。
  5. カロリーが1.5kcal/g以上、蛋白質含量が0.5%以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載のゲル状食品。
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