JP2004008029A - 飼料用添加物、それが添加された飼料及び釣り餌 - Google Patents
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Abstract
【課題】飼料への添加物として良好に用いられるこんにゃくトビ粉特有の臭いとえぐみが消失し、また成型が容易である飼料用添加物を提供する。
【解決手段】こんにゃく特有の臭いおよびえぐみを消去するために、エタノールなどの有機溶剤をこんにゃくトビ粉に加え攪拌し、その後ろ過により分離して乾燥することにより洗浄されたこんにゃくトビ粉からなる飼料用添加物およびその飼料用添加物を好ましくは5〜70質量%含む飼料、特に養魚用飼料。
【選択図】 なし
【解決手段】こんにゃく特有の臭いおよびえぐみを消去するために、エタノールなどの有機溶剤をこんにゃくトビ粉に加え攪拌し、その後ろ過により分離して乾燥することにより洗浄されたこんにゃくトビ粉からなる飼料用添加物およびその飼料用添加物を好ましくは5〜70質量%含む飼料、特に養魚用飼料。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、飼料用添加物、飼料及び釣り餌に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
こんにゃくは、古くは生のこんにゃく芋から直接作られていたが、生芋の保存性に問題があることから、現在では約90%が芋を切断して乾燥、粉末化して得られるこんにゃく精粉を使用して製造されるようになった。こんにゃくトビ粉はこのこんにゃく精粉を製造する際に周囲に飛び散る微粉末で、こんにゃく芋全体の約45%を占めている。しかし、こんにゃくトビ粉は主にこんにゃく芋の表皮からなっており、それ自体ではこんにゃくは製造することができないばかりか、独特のえぐみと臭いを有するために一部肥料として使用される以外は廃棄物として処理されていた。
【0003】
こんにゃくトビ粉は、年間3000〜4000トン発生することから近年これを利用する試みが盛んに行われている。例えば特開平5−185053号公報、特開平8−283716号公報、特開平9−103192号公報、特開平11−49545号公報、特開平11−61831号公報、特開平11−61832号公報、特開2001−115456号公報にはこんにゃくトビ粉の粘着性を利用して土壌の固化や廃棄物の固化に用いるものが開示されており、特開平7−292221号公報、特開2000−327931号公報、特開2001−304671号公報にはこんにゃくトビ粉をプラスチックなどの構造体に含有させたものが開示されている。また、特開平10−120478号公報、特開平11−292654号公報にはセラミックス基材にこんにゃくトビ粉を混錬して焼成し、多孔質セラミックスを製造する技術が開示されている。
【0004】
一方、こんにゃくトビ粉を飼料用途として使用するものとしては例えば、特開平7−118号公報に家畜用ペレット状飼料が、特開2001−211837号公報に養魚用の固形飼料用粘結剤が開示されている。
しかし、これまで飼料用途としてはこんにゃくトビ粉特有のえぐみと臭いが問題になっていた。
【0005】
釣り餌は、古くは天然のものそのままが用いられてきた。しかし、天然素材をそのまま利用する場合、腐敗の問題があるため、近年では保存性の良い粉末状の釣り餌や生き餌に似せて加工した人工餌などが多く使用されるようになった。粉末状の集魚用釣り餌や団子用釣り餌には魚介類エキス、蚕蛹、アミノ酸類などの集魚用原料の他に、米糠、小麦粉、フスマ、トウモロコシ、カキガラ、砂などの粘結剤、増量剤なども含有されている。また、クロダイ、メジナ、ボラ、カレイ、コノシロ、アイゴなどを釣るために使用する釣り餌には海中でばらけて適度な濁りを出すことも重要な要素となっている。人工餌としては上記のような原料に加えてポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸などの合成物質やゼラチン、寒天、グアーガム、アラビアガム、ローストビーンガム、マンナンなどの天然物質を使用して成形固化して製造されている。
【0006】
しかし、例えば特開昭48−32688号公報、特開昭55−137187号公報、特開平1−289435号公報、特開平4−94652号公報、特開平10−191840号公報、特開2000−308461号公報のように、こんにゃくマンナンまたはこんにゃく精粉を用いる例は開示されているものの、釣り餌の原料としてこんにゃくトビ粉が用いられる例はこれまでなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、こんにゃくトビ粉特有の臭いとえぐみがない飼料、釣り餌を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、こんにゃくトビ粉を有機溶剤で洗浄することで特有のえぐみと臭いを除去することができ、飼料用添加物、釣り餌、養魚用飼料の原料として好適に使用できることを見出し、本発明に到達した。
【0009】
すなわち本発明の第一は、有機溶剤を用いて洗浄したこんにゃくトビ粉からなる飼料用添加物を要旨とするものである。また本発明の第二は、本発明の第一の飼料用添加物が添加された飼料を要旨とするものである。さらに本発明の第三は、有機溶媒を用いて洗浄したこんにゃくトビ粉を含有することを特徴とする釣り餌を要旨とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明で用いられるこんにゃくトビ粉とは、こんにゃく芋からこんにゃく精粉を製造する際に周囲に飛び散る微粉末であり、主にこんにゃく芋の表皮を成分とする。こんにゃくトビ粉は、全国蒟蒻原料協同組合から入手可能である。
【0011】
本発明の飼料用添加物は、こんにゃくトビ粉を有機溶剤により洗浄して得られたものを主成分とする。したがって、本発明の飼料用添加物を得るためには、こんにゃくトビ粉を有機溶剤を用いて洗浄することが必要となる。洗浄に使用する有機溶剤としては、特に限定されないが、毒性が低く、揮発性が高いもので、主な臭い成分であるアミン類、えぐみ成分であるホモゲンチジン酸等の有機酸類が溶解するものが好ましい。かかる有機溶剤としては、例えばメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノールなどのアルコール類、ヘキサン、ペンタン、ジエチルエーテル、クロロホルム、ジクロロメタン、アセトン、アセトニトリル、酢酸エチルなどが挙げられる。これらの中で好ましい例としては、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ヘキサン、アセトンが挙げられ、特に好ましい例としてはエタノールが挙げられる。また、これらの有機溶剤で洗浄する際には洗浄効率をあげるために例えば水、酸、アルカリ、界面活性剤などの添加物を本発明の効果を損なわない範囲で加えることができる。
【0012】
洗浄に使用する有機溶剤の量は、こんにゃくトビ粉に対して望ましくは1〜30倍量程度、さらに望ましくは1〜10倍量程度が良い。溶剤の使用量がこの範囲以下であれば、こんにゃくトビ粉全体に溶剤が行き渡らず、洗浄が不十分になる恐れがあり、この範囲を超える量の溶剤を用いてももはや効果が向上することはなく、コストが高くなるのみである。
【0013】
洗浄方法は、いかなる方法を用いてもよいが例えば、こんにゃくトビ粉を容器に入れ、そこに所定量の有機溶剤を導入した後均一に攪拌し、ろ過やデカンテーションなどの方法で有機溶剤を除去する方法が挙げられる。この操作は1回に限定されるものではなく、同じこんにゃくトビ粉に対して数回の洗浄を行っても良い。
【0014】
洗浄時間は、1〜48時間、好ましくは2〜20時間である。洗浄時間がこの範囲より短いと、十分に洗浄が行われず、この範囲を超えていたずらに長く時間をかけて洗浄を行っても、もはや洗浄効果の増大は見込めない。
【0015】
洗浄温度は、使用する溶剤の沸点にもよるが、好ましくは、0℃から80℃、さらに好ましくは室温程度から60℃の範囲がよい。洗浄温度がこの範囲以下であれば、洗浄効率が低下し、この範囲以上の温度をかけても洗浄効率に大きな影響はなく、いたずらにエネルギー使用量が増えるのみである。
【0016】
このようにして有機溶剤で洗浄したこんにゃくトビ粉は有機溶剤を含んでいるため、乾燥工程へと送ることが好ましい。乾燥の方法は特に限定されず、温風乾燥、真空乾燥、凍結乾燥、天日乾燥、日陰干しなど公知の乾燥方法を用いることができる。有機溶剤としてエタノールなど安全性の高いものを使用した場合は、少量残存していても大きな問題にはならないことから低コストに抑えられる天日乾燥、日陰乾燥などでも良い。しかし、その他の溶媒を用いる場合や、製造効率を高くする場合には温風乾燥、真空乾燥などが好ましい。
【0017】
乾燥する温度は、使用する有機溶剤にもよるが、10℃から250℃が好ましく、20℃から180℃がより好ましい。乾燥する温度がこの範囲より低い場合、乾燥速度が遅くなる問題があり、この範囲より高い場合、こんにゃくトビ粉が焦げたり内容物が変性する可能性がある。
【0018】
以上のようにして有機溶剤で洗浄したこんにゃくトビ粉は、えぐみと臭いが有機溶剤によって除去されているが、粘着性を発現するために重要なグルコマンナン、重要な栄養素となる蛋白質、魚類を誘引する効果が高くうまみ成分であるアミノ酸は有機溶剤によってほとんど除去されることなく残っている。
【0019】
本発明の飼料用添加物は、以上のようにして得られたこんにゃくトビ粉を主成分とするものであり、それに含まれる主な栄養素は、糖質が約50質量%、蛋白質が約20質量%、遊離アミノ酸が約5質量%であり、アミノ酸ではグルタミン酸、アスパラギン酸、アルギニン、バリン、セリン、フェニルアラニン、ロイシン、グリシン、リジンなどが多く含まれている。また、アデノシン、グアノシンなどの核酸も含まれている。
【0020】
本発明の飼料用添加物には、本発明の効果を損なわない範囲で、有機溶剤で洗浄されたこんにゃくトビ粉以外に他の添加物を含ませることができる。かかる例として好ましいものは、ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK群、ニコチン酸、パントテン酸、ビオチン、コリン、タウリンなどのビタミン類、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、トリプトファン、メチオニン、プロリン、グリシン、セリン、トレオニン、システイン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン、グルタミン酸、チロシン、リジン、アルギニン、ヒスチジンなどのアミノ酸類、動植物由来の蛋白質類、DNA、RNAなどの核酸類、ショ糖、ブドウ糖、果糖などの糖類、大豆油、菜種油、オリーブ油、コーン油、牛脂、豚脂、コレステロール、β−シトステロール、カンペステロール、ブラシカステロール、スチグマステロール、スフィンゴ脂質、リン脂質、グリセロ脂質などの油脂類、トウモロコシ、マイロ、大麦、大豆、米、ゴマ、ゴマ粕、オカラ、フスマ、米糠、小麦粉、片栗粉、粟、ヒエ、魚粉、カキガラ、骨粉、全卵粉、卵黄粉、粉乳などの動植物由来の飼料原料、エトキシキン、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソールなどの抗酸化剤、プロピオン酸、プロピオン酸カルシウム、プロピオン酸ナトリウムなどの防黴剤、アルギン酸ナトリウム、カゼインナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、プロピレングリコール、ポリアクリル酸ナトリウム、ゼラチン、グルコマンナン、グアーガム、アラビアガム、ローストビーンガム、寒天などの粘結剤、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルなどの乳化剤、ギ酸などの調整剤、塩化カリウム、塩化ナトリウム、クエン酸鉄、コハク酸クエン酸鉄ナトリウム、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、炭酸亜鉛、炭酸コバルト、炭酸水素ナトリウム、炭酸マグネシウム、炭酸マンガン、DL−トレオニン鉄、乳酸カルシウム、フマル酸第1鉄、ペプチド亜鉛、ペプチド鉄、ペプチド銅、ペプチドマンガン、ヨウ化カリウム、ヨウ素酸カルシウム、硫酸亜鉛、硫酸亜鉛メチオニン、硫酸コバルト、硫酸鉄、硫酸銅、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸マンガン、リン酸1水素カリウム、リン酸2水素カリウム、リン酸1水素ナトリウム、リン酸2水素ナトリウムなどのミネラル類、アスタキサンチン、クリプトキサンチン、β―カロチンなどの色素類、アミラーゼ、プロテアーゼ、キシラナーゼ・ペクチナーゼ複合酵素、セルラーゼ、フィターゼ、ラクターゼ、リパーゼなどの酵素類、サリノマイシンナトリウム、センジュラマイシンナトリウム、デコキネート、クエン酸モランテル、デストマイシンA、ハイグロマイシンB、亜鉛バシトラシン、アラビマイシン、エフロトマイシン、キタサマイシン、リン酸タイロシン、ビコザマイシン、硫酸コリスチンなどの抗菌性物質、乳酸菌、酪酸菌、ビフィズス菌などの生菌剤が挙げられる。
【0021】
こんにゃくトビ粉の洗浄に用いられた有機溶媒は、使用後そのまま廃棄しても良いが、こんにゃくトビ粉中に含まれる脂質類を多く含むために、有機溶媒を留去して該脂質類を回収し、健康食品、化粧品、医薬品などの原料として使用しても良い。かかる脂質類としては、オレイン酸、リノール酸、α−リノレン酸などの脂肪酸、経口摂取すると血中コレステロール量を低下させる作用が知られている植物ステロール類とそのエステル、皮膚の保湿効果が知られ、化粧品や美容食品に利用されているグルコシルセラミド、化粧品原料や乳化剤として使用されるステリルグリコシド、ジアシルグリセロール、モノアシルグリセロールなどが含まれる。
【0022】
本発明の第二の飼料は、上記した飼料用添加物が添加された飼料であり、対象動物としては、例えばウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ニワトリ、カモ、アヒルなどの家畜用飼料、イヌ、ネコ、サルなどのペット用飼料、ワニ、カメ、カエルなどの爬虫類、両生類の養殖または飼育用飼料、タイ、ハマチ、ウナギ、ヒラメなどの養魚用飼料、コイ、キンギョ、フナ、メダカ、グッピー、ネオンテトラ、ディスカス、アロワナなどの国産または外国産の観賞魚用飼料、エビ、カニなどの甲殻類、アワビ、サザエなどの貝類、その他シャコ、ユムシ、ゴカイなどの養殖用飼料などが挙げられる。
【0023】
これらの内、海水又は淡水において魚介類を飼育するための養魚用飼料は特に好ましい。かかる魚介類としては、タイ、ハマチ、ヒラメ、ウナギ、カンパチ、ヒラマサ、イセエビ、クルマエビ、アワビ、サザエ、イソシジミ貝、アサリ、ゴカイなどの養殖魚介類に限らず、コイ、キンギョ、フナ、メダカ、グッピー、ネオンテトラ、ディスカス、アロワナなどの国内産または外国産の観賞魚も含む。
【0024】
本発明の飼料の形態は限定されないが、飼料用添加物に含まれるグルコマンナンに由来する粘着性を有するために、成形性に優れており、ペレット状飼料、粒状飼料、ゲル状飼料など形態を付与した飼料に添加することで優れた効果を期待できる。
【0025】
特に養魚用飼料の形態としては、使用者が扱いやすいことから、ペレット状、棒状、団子状などに成形されたものが好ましい。また、多孔質構造や中空構造にして水に浮くようにしても、沈下速度を調節しても良いし、水中でバラけるようにしても良い。
【0026】
本発明の飼料における飼料用添加物の添加量は特に限定されないが、1質量%から90質量%添加することが好ましく、5質量%から70質量%がより好ましい。添加する量がこの範囲より少ない場合、成形性が悪くなるためにペレット状飼料などにするには、他に粘結剤を添加しなくてはならない問題があり、この範囲より多い場合、他の成分を添加する量が少なくなり、栄養バランスが偏る問題がある。
【0027】
本発明の飼料用添加物を飼料に添加する方法は特に限定されず、公知の方法を使用することができる。例えば、粉体ミキサー、乳鉢、ボールミルなどで他の粉体中に添加する方法、攪拌機、乳化機などで液体中に添加する方法、ペレッター、ニーダー、混練機、吐出機で粘度の高いものに添加する方法などが挙げられる。
【0028】
養魚用飼料の場合、本発明の効果を損なわない範囲で従来養魚用飼料に用いられている公知の成分を配合することができる。かかる例として好ましいものは、サバエキス、アサリエキス、イガイエキス、エビエキス、オキアミエキス、イカエキスなどの種々魚介類のエキス又は乾燥後粉末にしたもの、アスパラギン酸、グルタミン、グリシン、イソロイシン、フェニルアラニン、ベタイン、アラニン、プロリン、メチオニン、リジン、セリン、イノシン−5’−1−リン酸、アデノシン−5‘−1−リン酸などのアミノ酸類、ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK群、ニコチン酸、パントテン酸、ビオチン、コリン、タウリンなどのビタミン類、動植物由来の蛋白質類、DNA、RNAなどの核酸類、ショ糖、ブドウ糖、果糖などの糖類、大豆油、菜種油、オリーブ油、コーン油、牛脂、豚脂、コレステロール、β−シトステロール、カンペステロール、ブラシカステロール、スチグマステロール、スフィンゴ脂質、リン脂質、グリセロ脂質などの油脂類、トウモロコシ、マイロ、大麦、大豆、米、ゴマ、ゴマ粕、オカラ、フスマ、米糠、小麦粉、片栗粉、粟、ヒエ、魚粉、カキガラ、骨粉、全卵粉、卵黄粉、粉乳などの動植物由来の飼料原料、赤色2号、赤色3号、赤色40号、黄色5号、緑色3号、青色1号、青色2号、紫芋色素、クチナシ赤色素、エルダーベリー色素、シソ色素、ムラサキトウモロコシ色素、ブドウ果汁色素、コチニール色素、ベニコウジ色素、アカネ色素、トウガラシ色素、ニンジンカロテン、クロロフィリン、クロロフィル、鉄クロロフィリンナトリウム、スピルリナ色素、カカオ色素、タマネギ色素、カラメルI〜IV、植物炭末色素
などの着色料、シェラック、カウナウバロウ、ミツロウ、マイクロクリスタンワックスなどの光沢剤、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、レシチン、キラヤ抽出物、大豆サポニン、クエン酸三ナトリウムなどの乳化剤、カラギナン、アルギン酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、グアーガム、アラビアガム、ローストビーンガム、ペクチン、寒天、グルコマンナン、カードラン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、キトサンなどの増粘剤、ゲル化剤、米糠、オカラ、小麦フスマ、マッシュポテト、小麦粉、片栗粉、グルテン、トウモロコシ、ソバ粉、サツマイモ、タルク、雲母、砂、土などの増量材を添加することもできる。
【0029】
さらに、上記以外に、保存安定性を高めるために安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、プロピオン酸、プロピオン酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸ブチル、亜硫酸ナトリウム、次亜硫酸ナトリウム、二酸化硫黄、エゴノキ抽出物、ニンニクエキス、シラコタンパク抽出物、ε−ポリリシンなどの保存料、L−アスコルビン酸、エリソルビン酸、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、カテキン、トコフェロール類、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ローズマリー抽出物、米糠油抽出物、ペパー抽出物などの酸化防止剤、オルトフェニルフェノール、ジフェニル、イマザリル、チアベンダゾールなどの防黴剤、氷酢酸、酢酸ナトリウム、リゾチーム、ワサビ抽出物、シソ抽出物、茶抽出物などの日持向上剤などを添加することができる。
【0030】
本発明の飼料用添加物を含有した飼料は、廃棄物であったこんにゃくトビ粉を原料とするために低コストになり、これまで問題であったこんにゃくトビ粉特有のえぐみや臭いは解消している。また、こんにゃくトビ粉の持つ粘着性によって、成形加工が容易であり、こんにゃくトビ粉の豊富なアミノ酸類、蛋白質などの栄養素は残存しているため、飼料として好適なものである。
【0031】
次に本発明の第三の釣り餌について説明する。
本発明における釣り餌とは、海、川、湖沼、池、水路などにおいて魚介類を獲るために使用するものであれば特に限定されない。かかる例としては、実際に釣り針に付ける刺し餌、魚介類を寄せるために使用する撒き餌、魚介類捕獲用の網カゴやネットの中に入れる餌、自然に存在する餌に似せて作られた人工餌などが挙げられる。
【0032】
本発明の釣り餌は、上記した飼料用添加物と同様に有機溶剤で洗浄したこんにゃくトビ粉が成分として含まれているものである。こんにゃくトビ粉を有機溶剤で洗浄するには、本発明の第一の飼料用添加物において採用した方法が好ましく用いられる。有機溶剤で洗浄したこんにゃくトビ粉の含有量は、1質量%から90質量%が好ましく、5質量%から70質量%がより好ましい。添加量がこの範囲より少ない場合は、本発明の効果が発現しない問題があり、この範囲より多い場合は、魚介類を誘引するための物質の添加量が少なくなるために釣果が低下する問題がある。
【0033】
本発明の釣り餌の形態は特に限定されないが、有機溶剤で洗浄したこんにゃくトビ粉がが適度な粘着性を有することから、ペレット状、棒状、シート状、団子状などに成形される釣り餌が好ましい。また、多孔質構造や中空構造にして水に浮くようにしても、沈下速度を調節しても良いし、水中でバラけるようにしても良い。さらに、魚や甲殻類、ミミズやゴカイなどの環状動物に似せた人工餌も好ましい。
【0034】
有機溶剤で洗浄したこんにゃくトビ粉を既存の釣り餌に添加する方法は、特に限定されず、公知の方法を使用することができる。例えば、粉体ミキサー、乳鉢、ボールミルなどで他の粉体中に添加する方法、攪拌機、乳化機などで液体中に添加する方法、ニーダー、混練機、吐出機で粘度の高いものに添加する方法などが挙げられる。
【0035】
本発明の釣り餌は、微粉であるこんにゃくトビ粉を原料としているため、水中でばらけると適度な濁りを発生する。従って、適度な濁りを好むクロダイ、メジナ、ボラ、カレイ、コノシロ、アイゴなどの魚介類を釣るための釣り餌も優れた効果を発現する。
【0036】
本発明の釣り餌には、本発明の効果を損なわない範囲で、釣り餌に用いられている公知の成分を配合することができる。かかる成分としては、通常釣り餌、養殖用魚餌、集魚用餌として使用されている魚介類のエキス又は粉末乾燥物、アラ粕など水産業廃棄物を乾燥したもの、アミノ酸類、反射光や落下態様によって魚介類の好奇心を引くものなどが挙げられる。例えばその具体例を示すと、通常釣り餌、養殖用魚餌、集魚用餌として使用されている魚介類のエキス又は粉末乾燥物としては、カタクチイワシ、キビナゴ、ウルメイワシ、イカナゴ、アジ、サバ、サンマ、ドジョウ、キンギョ、メダカ、カツオ等の魚類のエキス又は乾燥後粉末にしたもの、ゴカイ、イワムシ、イトメ、イソゴカイ、エゾゴカイ、ウチワゴカイ、アオイソメ、アカムシ、スゴカイ、タマキシゴカイ、エラコ等の多毛類のエキス又は乾燥後粉末にしたもの、ユムシ、オオミドリムシ等のユムシ類のエキス又は乾燥後粉末にしたもの、イトミミズ、エラミミズ、ユリミミズ等のイトミミズ類、シマミミズ、サクラミミズ、カッショクツリミミズ等のツリミミズ類、ドバミミズ、ヒトツモンミミズ等の大型ミミズのエキス又は乾燥後粉末にしたもの、ウミユスリカ、ウミアメンボ、カイコガ、カゲロウ類、カワゲラ、トビゲラ類、あかむし類、イナゴ、フキバッタ、コオロギ等の昆虫類のエキス又は乾燥後粉末にしたもの。アサリ、アオヤギ、サザエ、トコブシ、クジャクガイ、ヒバリガイ、イガイ、カキ等の貝類のエキス又は乾燥後粉末にしたもの、イソガニ、イワガニ、ヒライソガニ、ケフサイソガニ、オサガニ、コメツキガニ、スナガニ、シオマネキ、サバガニ、ガザミ等のカニ類のエキス又は乾燥後粉末にしたもの、クルマエビ、シバエビ、サルエビ、アカエビ、トラエビ、ヨシエビ、フトミゾエビ、モエビ、イセエビ、サラサエビ、アカシマモエビ、スジエビ、スジエビモドキ、イソスジエビ、アシナガスジエビ、シラタエビ、サクラエビ、テッポウエビ、エビジャコ、ヌカエビ、ヌマエビ、ミナミヌマエビ、テナガエビ、ヒラテナガエビ、ミナミテナガエビ等のエビ類のエキス又は乾燥後粉末にしたもの、イサザアミ、オキアミ、コマセアミなどのアミ類のエキス又は乾燥後粉末にしたもの、フジツボ、カメノテ、シャコ、日本スナモグリ、カメジャコ、アメリカザリガニ、フナムシ、ヤドカリ等のその他の甲殻類のエキス又は乾燥後粉末にしたもの、イカ、タコなどの軟体動物のエキス又は乾燥後粉末にしたもの、ヒツジ、ブタ、ウマ、ウシ、ニワトリ、七面鳥等の肉又は内臓のエキス又は乾燥後粉末にしたもの、イモ類、ポテト類、リンゴ、ミカン、ハバノリ、セイヨウハバノリ、ハバモドキ、アオノリ類、アオサ類、ウシケノリ類等の植物のエキス又は乾燥後粉末にしたものが挙げられる。これらの中で、サバエキス、アサリエキス、イガイエキス、エビエキス、オキアミエキス、イカエキスは養殖魚用に市販されており、簡単に入手できる上、集魚力も高いことから好ましい。アミノ酸類としては、集魚効果の高いものが好ましく、かかる例としてはアスパラギン酸、グルタミン、グリシン、イソロイシン、フェニルアラニン、ベタイン、アラニン、プロリン、メチオニン、リジン、セリン、イノシン−5’−1−リン酸、アデノシン−5‘−1−リン酸などが挙げられる。反射光や落下態様によって魚介類の好奇心を引くものとしては例えば、カキガラ、炭酸カルシウム、骨粉、押し麦、トウモロコシ、鉄粉、アルミニウム箔などが挙げられる。
【0037】
また、例えば赤色2号、赤色3号、赤色40号、黄色5号、緑色3号、青色1号、青色2号、紫芋色素、クチナシ赤色素、エルダーベリー色素、シソ色素、ムラサキトウモロコシ色素、ブドウ果汁色素、コチニール色素、ベニコウジ色素、アカネ色素、トウガラシ色素、ニンジンカロテン、クロロフィリン、クロロフィル、鉄クロロフィリンナトリウム、スピルリナ色素、カカオ色素、タマネギ色素、カラメルI〜IV、植物炭末色素などの着色料、シェラック、カウナウバロウ、ミ
ツロウ、マイクロクリスタンワックスなどの光沢剤、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、レシチン、キラヤ抽出物、大豆サポニン、クエン酸三ナトリウムなどの乳化剤、カラギナン、アルギン酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、グアーガム、アラビアガム、ローストビーンガム、ペクチン、寒天、グルコマンナン、カードラン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、キトサンなどの増粘剤、ゲル化剤、米糠、オカラ、小麦フスマ、マッシュポテト、小麦粉、片栗粉、グルテン、トウモロコシ、ソバ粉、サツマイモ、タルク、雲母、砂、土などの増量材を添加することもできる。
【0038】
さらに、上記以外に、保存安定性を高めるために安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、プロピオン酸、プロピオン酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸ブチル、亜硫酸ナトリウム、次亜硫酸ナトリウム、二酸化硫黄、エゴノキ抽出物、ニンニクエキス、シラコタンパク抽出物、ε−ポリリシンなどの保存料、L−アスコルビン酸、エリソルビン酸、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、カテキン、トコフェロール類、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ローズマリー抽出物、米糠油抽出物、ペパー抽出物などの酸化防止剤、オルトフェニルフェノール、ジフェニル、イマザリル、チアベンダゾールなどの防黴剤、氷酢酸、酢酸ナトリウム、リゾチーム、ワサビ抽出物、シソ抽出物、茶抽出物などの日持向上剤などを添加することができる。
【0039】
本発明の釣り餌は、廃棄物であったこんにゃくトビ粉を原料とするために低コストになり、これまで問題であったこんにゃくトビ粉特有のえぐみや臭いは解消している。また、こんにゃくトビ粉の持つ粘着性によって、成形加工が容易であり、水中で徐々にバラけるように製造したものは、こんにゃくトビ粉の微粉によって一部の釣り対象魚介類が好む適度な濁りを発生し、釣り餌として好適なものである。
【0040】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1
こんにゃくトビ粉1kgを攪拌槽に仕込み、そこにエタノール2Lを加え、常温で2時間攪拌した。その後、ろ過によりエタノール溶液とこんにゃくトビ粉を分離した。こんにゃくトビ粉を回収し、縦600mm、横400mm、高さ50mmのステンレス製平底バットに平らになるように入れて、70℃の乾燥機にて15時間乾燥した。得られた飼料用添加物は970gであり、こんにゃくトビ粉特有の臭いは消失していた。また、口に入れてもこんにゃくトビ粉特有のえぐみは消失していた。
【0041】
実施例2(家畜用飼料)
とうもろこし5kg、大豆粕2kg、魚粉600g、小麦ふすま500g、アルファルファ300g、炭酸カルシウム700g、リン酸カルシウム150g、食塩40g、ビタミン・ミネラル類10g、大豆油200gに実施例1の飼料添加物2kgを配合し、家畜用飼料とした。これを鶏20匹に与えたところ、実施例1の飼料用添加物を含まないものと同様によく摂取し、体重増加率、飼料摂取量、産卵率等に問題がなかった。
【0042】
実施例3(犬用ジャーキー)
食肉原料(豚肉、鶏肉、牛肉の中から1種類又は2種類以上の組み合わせ)400gと豚背脂肪25gを合わせ、肉挽き機により、直径10mm以下程度の肉塊に細砕し、これに水190g、小麦粉300g、食塩4g、重合リン酸塩2g及び糖類・調味料22g及び実施例1の飼料用添加物200gを混合して練り肉を調製した。次いで、これを充填成形機によりスティック状に成形し、加熱乾燥後、約3cmにカットし、犬用ジャーキー製造した。得られたジャーキーは本発明の飼料用添加物の粘着性により、適度な強さと弾力性を有しており、1mmの篩にかけても篩を通った粉はわずか0.6gであり、ほとんど崩れることなく成形されていた。また、3歳の柴犬3匹に与えたところ、5分ほどですべてを食べた。
【0043】
比較例1
実施例3において実施例1で得られた飼料用添加物を加えないで同様にペレット化しようと試みた。得られたジャーキーはスティック状を保っていたが、少し折り曲げると折れ、強度が弱いものであった。また、これを1mmの篩にかけると篩を通った粉は10gと多かった。
【0044】
比較例2
実施例3において実施例1で得られた飼料用添加物を、本発明の処理を行っていないこんにゃくトビ粉200gに代えて同様に犬用ジャーキーを製造した。得られたジャーキーは実施例3と同様の強度と弾力性を有していたが、こんにゃくトビ粉特有の臭いが残っており、3歳の柴犬3匹に与えたところ、ほとんど食べなかった。
【0045】
実施例4(養魚用飼料)
ブラウンフィッシュミール200g、オキアミミール150g、小麦粉150g、脱脂米糠100gに実施例1で得られた飼料用添加物を400g加えて均一になるように攪拌した。これをダイ直径8mmのディスクペレッターに導入し、80gの水を加えてペレット化した。得られたペレットは表面につやがあり、硬いものであった。これを1mmの篩にかけたところ、ふるいを通った粉はわずか13gであり、ほとんど崩れることなくペレット化されていた。
【0046】
比較例3
実施例4において実施例1で得られた飼料用添加物を加えないで同様にペレット化しようと試みた。しかし、ダイから出てきたものはすぐに崩れ、ペレットの形を保持することは無かった。
【0047】
比較例4
実施例4において実施例1で得られた飼料用添加物400gに代えて、エーテル化度0.6であるカルボキシメチルセルロースナトリウム塩を50g加えて同様にペレット化を試みた。得られたペレットは表面につやがあり、硬いものであった。これを1mmの篩にかけたところ、篩を通った粉はわずか15gであり、ほとんど崩れることなくペレット化されていた。
【0048】
実施例5
平均体重200gのヒラメ20尾を10尾ずつ2群に分けて養殖用の1m2の水槽に収容した。これに一方の水槽には実施例4で得られたペレットを1日1回飽食量給餌し、もう一方の水槽には比較例4で得られたペレットを1日1回飽食量給餌して30日間飼育した。試験後、いずれの水槽のヒラメも10尾とも元気であったが、実施例4で得られたペレットを給餌した方のヒラメの平均体重増加が69gと良好であったのに対し、比較例4で得られたペレットを給餌した方のヒラメの平均体重増加は52gとやや劣る結果となった。
【0049】
実施例6(練り餌)
魚粉150g、サナギ粉50g、ニンニク乾燥末15g、小麦粉100g、グルテン85gに実施例1の飼料用添加物100gを加えて均一になるように攪拌した。これに水250gを徐々に加え団子状に固められる状態にした。この練り餌を滋賀県大津市の琵琶湖においてコイ釣りに使用したところ、コイ釣り用に市販されている吸い込み仕掛けに練り付けて約50mの遠投を行っても崩れて落ちることが無く、水中では徐々に溶けて魚類を誘引し、コイが2匹、マブナが2匹、ブルーギルが1匹釣れた。この試験から、練り餌に優れた粘着性と魚類の誘引力が確認された。
【0050】
比較例5
実施例6において実施例1の飼料用添加物を添加しないで小麦粉を200gとした。これに水250gを徐々に加え団子状に固められる状態にした。この練り餌を実施例4を実施したのと同じ日に滋賀県大津市の琵琶湖においてコイ釣りに使用したところ、コイ釣り用に市販されている吸い込み仕掛けに練り付けて約50mの遠投を行うと崩れて落ちることが多く、あまり遠投できなかった。釣果はコイが1匹、ブルーギルが2匹であった。
【0051】
実施例7(撒き餌)
オキアミ3kgに実施例1の飼料添加物を500g添加し、よく攪拌して撒き餌を調製した。この撒き餌を福井県越前町の磯においてオキアミを刺し餌としてクロダイ釣りに使用したところ、実施例1の飼料用添加物の粘着力によって撒き餌は約20mの遠投が可能となり、水中で適度な濁りを発現すると共に撒き餌を速やかに沈下させ、魚類を誘引してクロダイ6匹、メジナ3匹、アジ28匹、アイナメ1匹が釣れた。
【0052】
比較例6
実施例7において実施例1の飼料用添加物を添加しないでオキアミ3kgのみを撒き餌とした。この撒き餌を実施例7を実施したのと同じ日に福井県越前町の磯においてオキアミを刺し餌としてクロダイ釣りに使用したところ、撒き餌はせいぜい8mしか投げられず、しかもばらばらになって広範囲に着水した。釣果はクロダイ1匹、メジナ2匹、アジ14匹であった。
【0053】
実施例8(団子状撒き餌)
米糠4kg、海砂700g、荒挽きのサナギ粉700g、押し麦300gに実施例1の飼料用添加物1kgを加えてよく攪拌し、海水2kgを徐々に加えて団子状撒き餌を調製した。この団子状撒き餌を三重県英虞湾においてクロダイの筏釣りに使用したところ、実施例1の飼料用添加物によって水中で適度な濁りを発現すると共に団子状撒き餌を速やかに沈下させ、魚類を誘引してクロダイ15匹、ボラ4匹が釣れた。
【0054】
比較例7
実施例8において実施例1の飼料用添加物を添加しないで米糠を5kgとした。この団子状撒き餌を実施例8を実施したのと同じ日に三重県英虞湾においてクロダイの筏釣りに使用したところ、釣果はクロダイ5匹、ボラ2匹であった。
【0055】
【発明の効果】
本発明の飼料用添加物は、こんにゃくトビ粉特有の臭いとえぐみが消失しているために飼料用添加物として良好に用いられ、飼料のコストを低く抑えることができる。更にはこんにゃくトビ粉の持つ粘着性で成型が容易であり、栄養分や魚類誘引性に富み、適度な濁りを有することから濁りを好む魚に対する釣り餌として好適に使用できるものである。
【発明が属する技術分野】
本発明は、飼料用添加物、飼料及び釣り餌に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
こんにゃくは、古くは生のこんにゃく芋から直接作られていたが、生芋の保存性に問題があることから、現在では約90%が芋を切断して乾燥、粉末化して得られるこんにゃく精粉を使用して製造されるようになった。こんにゃくトビ粉はこのこんにゃく精粉を製造する際に周囲に飛び散る微粉末で、こんにゃく芋全体の約45%を占めている。しかし、こんにゃくトビ粉は主にこんにゃく芋の表皮からなっており、それ自体ではこんにゃくは製造することができないばかりか、独特のえぐみと臭いを有するために一部肥料として使用される以外は廃棄物として処理されていた。
【0003】
こんにゃくトビ粉は、年間3000〜4000トン発生することから近年これを利用する試みが盛んに行われている。例えば特開平5−185053号公報、特開平8−283716号公報、特開平9−103192号公報、特開平11−49545号公報、特開平11−61831号公報、特開平11−61832号公報、特開2001−115456号公報にはこんにゃくトビ粉の粘着性を利用して土壌の固化や廃棄物の固化に用いるものが開示されており、特開平7−292221号公報、特開2000−327931号公報、特開2001−304671号公報にはこんにゃくトビ粉をプラスチックなどの構造体に含有させたものが開示されている。また、特開平10−120478号公報、特開平11−292654号公報にはセラミックス基材にこんにゃくトビ粉を混錬して焼成し、多孔質セラミックスを製造する技術が開示されている。
【0004】
一方、こんにゃくトビ粉を飼料用途として使用するものとしては例えば、特開平7−118号公報に家畜用ペレット状飼料が、特開2001−211837号公報に養魚用の固形飼料用粘結剤が開示されている。
しかし、これまで飼料用途としてはこんにゃくトビ粉特有のえぐみと臭いが問題になっていた。
【0005】
釣り餌は、古くは天然のものそのままが用いられてきた。しかし、天然素材をそのまま利用する場合、腐敗の問題があるため、近年では保存性の良い粉末状の釣り餌や生き餌に似せて加工した人工餌などが多く使用されるようになった。粉末状の集魚用釣り餌や団子用釣り餌には魚介類エキス、蚕蛹、アミノ酸類などの集魚用原料の他に、米糠、小麦粉、フスマ、トウモロコシ、カキガラ、砂などの粘結剤、増量剤なども含有されている。また、クロダイ、メジナ、ボラ、カレイ、コノシロ、アイゴなどを釣るために使用する釣り餌には海中でばらけて適度な濁りを出すことも重要な要素となっている。人工餌としては上記のような原料に加えてポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸などの合成物質やゼラチン、寒天、グアーガム、アラビアガム、ローストビーンガム、マンナンなどの天然物質を使用して成形固化して製造されている。
【0006】
しかし、例えば特開昭48−32688号公報、特開昭55−137187号公報、特開平1−289435号公報、特開平4−94652号公報、特開平10−191840号公報、特開2000−308461号公報のように、こんにゃくマンナンまたはこんにゃく精粉を用いる例は開示されているものの、釣り餌の原料としてこんにゃくトビ粉が用いられる例はこれまでなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、こんにゃくトビ粉特有の臭いとえぐみがない飼料、釣り餌を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、こんにゃくトビ粉を有機溶剤で洗浄することで特有のえぐみと臭いを除去することができ、飼料用添加物、釣り餌、養魚用飼料の原料として好適に使用できることを見出し、本発明に到達した。
【0009】
すなわち本発明の第一は、有機溶剤を用いて洗浄したこんにゃくトビ粉からなる飼料用添加物を要旨とするものである。また本発明の第二は、本発明の第一の飼料用添加物が添加された飼料を要旨とするものである。さらに本発明の第三は、有機溶媒を用いて洗浄したこんにゃくトビ粉を含有することを特徴とする釣り餌を要旨とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明で用いられるこんにゃくトビ粉とは、こんにゃく芋からこんにゃく精粉を製造する際に周囲に飛び散る微粉末であり、主にこんにゃく芋の表皮を成分とする。こんにゃくトビ粉は、全国蒟蒻原料協同組合から入手可能である。
【0011】
本発明の飼料用添加物は、こんにゃくトビ粉を有機溶剤により洗浄して得られたものを主成分とする。したがって、本発明の飼料用添加物を得るためには、こんにゃくトビ粉を有機溶剤を用いて洗浄することが必要となる。洗浄に使用する有機溶剤としては、特に限定されないが、毒性が低く、揮発性が高いもので、主な臭い成分であるアミン類、えぐみ成分であるホモゲンチジン酸等の有機酸類が溶解するものが好ましい。かかる有機溶剤としては、例えばメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノールなどのアルコール類、ヘキサン、ペンタン、ジエチルエーテル、クロロホルム、ジクロロメタン、アセトン、アセトニトリル、酢酸エチルなどが挙げられる。これらの中で好ましい例としては、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ヘキサン、アセトンが挙げられ、特に好ましい例としてはエタノールが挙げられる。また、これらの有機溶剤で洗浄する際には洗浄効率をあげるために例えば水、酸、アルカリ、界面活性剤などの添加物を本発明の効果を損なわない範囲で加えることができる。
【0012】
洗浄に使用する有機溶剤の量は、こんにゃくトビ粉に対して望ましくは1〜30倍量程度、さらに望ましくは1〜10倍量程度が良い。溶剤の使用量がこの範囲以下であれば、こんにゃくトビ粉全体に溶剤が行き渡らず、洗浄が不十分になる恐れがあり、この範囲を超える量の溶剤を用いてももはや効果が向上することはなく、コストが高くなるのみである。
【0013】
洗浄方法は、いかなる方法を用いてもよいが例えば、こんにゃくトビ粉を容器に入れ、そこに所定量の有機溶剤を導入した後均一に攪拌し、ろ過やデカンテーションなどの方法で有機溶剤を除去する方法が挙げられる。この操作は1回に限定されるものではなく、同じこんにゃくトビ粉に対して数回の洗浄を行っても良い。
【0014】
洗浄時間は、1〜48時間、好ましくは2〜20時間である。洗浄時間がこの範囲より短いと、十分に洗浄が行われず、この範囲を超えていたずらに長く時間をかけて洗浄を行っても、もはや洗浄効果の増大は見込めない。
【0015】
洗浄温度は、使用する溶剤の沸点にもよるが、好ましくは、0℃から80℃、さらに好ましくは室温程度から60℃の範囲がよい。洗浄温度がこの範囲以下であれば、洗浄効率が低下し、この範囲以上の温度をかけても洗浄効率に大きな影響はなく、いたずらにエネルギー使用量が増えるのみである。
【0016】
このようにして有機溶剤で洗浄したこんにゃくトビ粉は有機溶剤を含んでいるため、乾燥工程へと送ることが好ましい。乾燥の方法は特に限定されず、温風乾燥、真空乾燥、凍結乾燥、天日乾燥、日陰干しなど公知の乾燥方法を用いることができる。有機溶剤としてエタノールなど安全性の高いものを使用した場合は、少量残存していても大きな問題にはならないことから低コストに抑えられる天日乾燥、日陰乾燥などでも良い。しかし、その他の溶媒を用いる場合や、製造効率を高くする場合には温風乾燥、真空乾燥などが好ましい。
【0017】
乾燥する温度は、使用する有機溶剤にもよるが、10℃から250℃が好ましく、20℃から180℃がより好ましい。乾燥する温度がこの範囲より低い場合、乾燥速度が遅くなる問題があり、この範囲より高い場合、こんにゃくトビ粉が焦げたり内容物が変性する可能性がある。
【0018】
以上のようにして有機溶剤で洗浄したこんにゃくトビ粉は、えぐみと臭いが有機溶剤によって除去されているが、粘着性を発現するために重要なグルコマンナン、重要な栄養素となる蛋白質、魚類を誘引する効果が高くうまみ成分であるアミノ酸は有機溶剤によってほとんど除去されることなく残っている。
【0019】
本発明の飼料用添加物は、以上のようにして得られたこんにゃくトビ粉を主成分とするものであり、それに含まれる主な栄養素は、糖質が約50質量%、蛋白質が約20質量%、遊離アミノ酸が約5質量%であり、アミノ酸ではグルタミン酸、アスパラギン酸、アルギニン、バリン、セリン、フェニルアラニン、ロイシン、グリシン、リジンなどが多く含まれている。また、アデノシン、グアノシンなどの核酸も含まれている。
【0020】
本発明の飼料用添加物には、本発明の効果を損なわない範囲で、有機溶剤で洗浄されたこんにゃくトビ粉以外に他の添加物を含ませることができる。かかる例として好ましいものは、ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK群、ニコチン酸、パントテン酸、ビオチン、コリン、タウリンなどのビタミン類、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、トリプトファン、メチオニン、プロリン、グリシン、セリン、トレオニン、システイン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン、グルタミン酸、チロシン、リジン、アルギニン、ヒスチジンなどのアミノ酸類、動植物由来の蛋白質類、DNA、RNAなどの核酸類、ショ糖、ブドウ糖、果糖などの糖類、大豆油、菜種油、オリーブ油、コーン油、牛脂、豚脂、コレステロール、β−シトステロール、カンペステロール、ブラシカステロール、スチグマステロール、スフィンゴ脂質、リン脂質、グリセロ脂質などの油脂類、トウモロコシ、マイロ、大麦、大豆、米、ゴマ、ゴマ粕、オカラ、フスマ、米糠、小麦粉、片栗粉、粟、ヒエ、魚粉、カキガラ、骨粉、全卵粉、卵黄粉、粉乳などの動植物由来の飼料原料、エトキシキン、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソールなどの抗酸化剤、プロピオン酸、プロピオン酸カルシウム、プロピオン酸ナトリウムなどの防黴剤、アルギン酸ナトリウム、カゼインナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、プロピレングリコール、ポリアクリル酸ナトリウム、ゼラチン、グルコマンナン、グアーガム、アラビアガム、ローストビーンガム、寒天などの粘結剤、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルなどの乳化剤、ギ酸などの調整剤、塩化カリウム、塩化ナトリウム、クエン酸鉄、コハク酸クエン酸鉄ナトリウム、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、炭酸亜鉛、炭酸コバルト、炭酸水素ナトリウム、炭酸マグネシウム、炭酸マンガン、DL−トレオニン鉄、乳酸カルシウム、フマル酸第1鉄、ペプチド亜鉛、ペプチド鉄、ペプチド銅、ペプチドマンガン、ヨウ化カリウム、ヨウ素酸カルシウム、硫酸亜鉛、硫酸亜鉛メチオニン、硫酸コバルト、硫酸鉄、硫酸銅、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸マンガン、リン酸1水素カリウム、リン酸2水素カリウム、リン酸1水素ナトリウム、リン酸2水素ナトリウムなどのミネラル類、アスタキサンチン、クリプトキサンチン、β―カロチンなどの色素類、アミラーゼ、プロテアーゼ、キシラナーゼ・ペクチナーゼ複合酵素、セルラーゼ、フィターゼ、ラクターゼ、リパーゼなどの酵素類、サリノマイシンナトリウム、センジュラマイシンナトリウム、デコキネート、クエン酸モランテル、デストマイシンA、ハイグロマイシンB、亜鉛バシトラシン、アラビマイシン、エフロトマイシン、キタサマイシン、リン酸タイロシン、ビコザマイシン、硫酸コリスチンなどの抗菌性物質、乳酸菌、酪酸菌、ビフィズス菌などの生菌剤が挙げられる。
【0021】
こんにゃくトビ粉の洗浄に用いられた有機溶媒は、使用後そのまま廃棄しても良いが、こんにゃくトビ粉中に含まれる脂質類を多く含むために、有機溶媒を留去して該脂質類を回収し、健康食品、化粧品、医薬品などの原料として使用しても良い。かかる脂質類としては、オレイン酸、リノール酸、α−リノレン酸などの脂肪酸、経口摂取すると血中コレステロール量を低下させる作用が知られている植物ステロール類とそのエステル、皮膚の保湿効果が知られ、化粧品や美容食品に利用されているグルコシルセラミド、化粧品原料や乳化剤として使用されるステリルグリコシド、ジアシルグリセロール、モノアシルグリセロールなどが含まれる。
【0022】
本発明の第二の飼料は、上記した飼料用添加物が添加された飼料であり、対象動物としては、例えばウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ニワトリ、カモ、アヒルなどの家畜用飼料、イヌ、ネコ、サルなどのペット用飼料、ワニ、カメ、カエルなどの爬虫類、両生類の養殖または飼育用飼料、タイ、ハマチ、ウナギ、ヒラメなどの養魚用飼料、コイ、キンギョ、フナ、メダカ、グッピー、ネオンテトラ、ディスカス、アロワナなどの国産または外国産の観賞魚用飼料、エビ、カニなどの甲殻類、アワビ、サザエなどの貝類、その他シャコ、ユムシ、ゴカイなどの養殖用飼料などが挙げられる。
【0023】
これらの内、海水又は淡水において魚介類を飼育するための養魚用飼料は特に好ましい。かかる魚介類としては、タイ、ハマチ、ヒラメ、ウナギ、カンパチ、ヒラマサ、イセエビ、クルマエビ、アワビ、サザエ、イソシジミ貝、アサリ、ゴカイなどの養殖魚介類に限らず、コイ、キンギョ、フナ、メダカ、グッピー、ネオンテトラ、ディスカス、アロワナなどの国内産または外国産の観賞魚も含む。
【0024】
本発明の飼料の形態は限定されないが、飼料用添加物に含まれるグルコマンナンに由来する粘着性を有するために、成形性に優れており、ペレット状飼料、粒状飼料、ゲル状飼料など形態を付与した飼料に添加することで優れた効果を期待できる。
【0025】
特に養魚用飼料の形態としては、使用者が扱いやすいことから、ペレット状、棒状、団子状などに成形されたものが好ましい。また、多孔質構造や中空構造にして水に浮くようにしても、沈下速度を調節しても良いし、水中でバラけるようにしても良い。
【0026】
本発明の飼料における飼料用添加物の添加量は特に限定されないが、1質量%から90質量%添加することが好ましく、5質量%から70質量%がより好ましい。添加する量がこの範囲より少ない場合、成形性が悪くなるためにペレット状飼料などにするには、他に粘結剤を添加しなくてはならない問題があり、この範囲より多い場合、他の成分を添加する量が少なくなり、栄養バランスが偏る問題がある。
【0027】
本発明の飼料用添加物を飼料に添加する方法は特に限定されず、公知の方法を使用することができる。例えば、粉体ミキサー、乳鉢、ボールミルなどで他の粉体中に添加する方法、攪拌機、乳化機などで液体中に添加する方法、ペレッター、ニーダー、混練機、吐出機で粘度の高いものに添加する方法などが挙げられる。
【0028】
養魚用飼料の場合、本発明の効果を損なわない範囲で従来養魚用飼料に用いられている公知の成分を配合することができる。かかる例として好ましいものは、サバエキス、アサリエキス、イガイエキス、エビエキス、オキアミエキス、イカエキスなどの種々魚介類のエキス又は乾燥後粉末にしたもの、アスパラギン酸、グルタミン、グリシン、イソロイシン、フェニルアラニン、ベタイン、アラニン、プロリン、メチオニン、リジン、セリン、イノシン−5’−1−リン酸、アデノシン−5‘−1−リン酸などのアミノ酸類、ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK群、ニコチン酸、パントテン酸、ビオチン、コリン、タウリンなどのビタミン類、動植物由来の蛋白質類、DNA、RNAなどの核酸類、ショ糖、ブドウ糖、果糖などの糖類、大豆油、菜種油、オリーブ油、コーン油、牛脂、豚脂、コレステロール、β−シトステロール、カンペステロール、ブラシカステロール、スチグマステロール、スフィンゴ脂質、リン脂質、グリセロ脂質などの油脂類、トウモロコシ、マイロ、大麦、大豆、米、ゴマ、ゴマ粕、オカラ、フスマ、米糠、小麦粉、片栗粉、粟、ヒエ、魚粉、カキガラ、骨粉、全卵粉、卵黄粉、粉乳などの動植物由来の飼料原料、赤色2号、赤色3号、赤色40号、黄色5号、緑色3号、青色1号、青色2号、紫芋色素、クチナシ赤色素、エルダーベリー色素、シソ色素、ムラサキトウモロコシ色素、ブドウ果汁色素、コチニール色素、ベニコウジ色素、アカネ色素、トウガラシ色素、ニンジンカロテン、クロロフィリン、クロロフィル、鉄クロロフィリンナトリウム、スピルリナ色素、カカオ色素、タマネギ色素、カラメルI〜IV、植物炭末色素
などの着色料、シェラック、カウナウバロウ、ミツロウ、マイクロクリスタンワックスなどの光沢剤、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、レシチン、キラヤ抽出物、大豆サポニン、クエン酸三ナトリウムなどの乳化剤、カラギナン、アルギン酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、グアーガム、アラビアガム、ローストビーンガム、ペクチン、寒天、グルコマンナン、カードラン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、キトサンなどの増粘剤、ゲル化剤、米糠、オカラ、小麦フスマ、マッシュポテト、小麦粉、片栗粉、グルテン、トウモロコシ、ソバ粉、サツマイモ、タルク、雲母、砂、土などの増量材を添加することもできる。
【0029】
さらに、上記以外に、保存安定性を高めるために安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、プロピオン酸、プロピオン酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸ブチル、亜硫酸ナトリウム、次亜硫酸ナトリウム、二酸化硫黄、エゴノキ抽出物、ニンニクエキス、シラコタンパク抽出物、ε−ポリリシンなどの保存料、L−アスコルビン酸、エリソルビン酸、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、カテキン、トコフェロール類、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ローズマリー抽出物、米糠油抽出物、ペパー抽出物などの酸化防止剤、オルトフェニルフェノール、ジフェニル、イマザリル、チアベンダゾールなどの防黴剤、氷酢酸、酢酸ナトリウム、リゾチーム、ワサビ抽出物、シソ抽出物、茶抽出物などの日持向上剤などを添加することができる。
【0030】
本発明の飼料用添加物を含有した飼料は、廃棄物であったこんにゃくトビ粉を原料とするために低コストになり、これまで問題であったこんにゃくトビ粉特有のえぐみや臭いは解消している。また、こんにゃくトビ粉の持つ粘着性によって、成形加工が容易であり、こんにゃくトビ粉の豊富なアミノ酸類、蛋白質などの栄養素は残存しているため、飼料として好適なものである。
【0031】
次に本発明の第三の釣り餌について説明する。
本発明における釣り餌とは、海、川、湖沼、池、水路などにおいて魚介類を獲るために使用するものであれば特に限定されない。かかる例としては、実際に釣り針に付ける刺し餌、魚介類を寄せるために使用する撒き餌、魚介類捕獲用の網カゴやネットの中に入れる餌、自然に存在する餌に似せて作られた人工餌などが挙げられる。
【0032】
本発明の釣り餌は、上記した飼料用添加物と同様に有機溶剤で洗浄したこんにゃくトビ粉が成分として含まれているものである。こんにゃくトビ粉を有機溶剤で洗浄するには、本発明の第一の飼料用添加物において採用した方法が好ましく用いられる。有機溶剤で洗浄したこんにゃくトビ粉の含有量は、1質量%から90質量%が好ましく、5質量%から70質量%がより好ましい。添加量がこの範囲より少ない場合は、本発明の効果が発現しない問題があり、この範囲より多い場合は、魚介類を誘引するための物質の添加量が少なくなるために釣果が低下する問題がある。
【0033】
本発明の釣り餌の形態は特に限定されないが、有機溶剤で洗浄したこんにゃくトビ粉がが適度な粘着性を有することから、ペレット状、棒状、シート状、団子状などに成形される釣り餌が好ましい。また、多孔質構造や中空構造にして水に浮くようにしても、沈下速度を調節しても良いし、水中でバラけるようにしても良い。さらに、魚や甲殻類、ミミズやゴカイなどの環状動物に似せた人工餌も好ましい。
【0034】
有機溶剤で洗浄したこんにゃくトビ粉を既存の釣り餌に添加する方法は、特に限定されず、公知の方法を使用することができる。例えば、粉体ミキサー、乳鉢、ボールミルなどで他の粉体中に添加する方法、攪拌機、乳化機などで液体中に添加する方法、ニーダー、混練機、吐出機で粘度の高いものに添加する方法などが挙げられる。
【0035】
本発明の釣り餌は、微粉であるこんにゃくトビ粉を原料としているため、水中でばらけると適度な濁りを発生する。従って、適度な濁りを好むクロダイ、メジナ、ボラ、カレイ、コノシロ、アイゴなどの魚介類を釣るための釣り餌も優れた効果を発現する。
【0036】
本発明の釣り餌には、本発明の効果を損なわない範囲で、釣り餌に用いられている公知の成分を配合することができる。かかる成分としては、通常釣り餌、養殖用魚餌、集魚用餌として使用されている魚介類のエキス又は粉末乾燥物、アラ粕など水産業廃棄物を乾燥したもの、アミノ酸類、反射光や落下態様によって魚介類の好奇心を引くものなどが挙げられる。例えばその具体例を示すと、通常釣り餌、養殖用魚餌、集魚用餌として使用されている魚介類のエキス又は粉末乾燥物としては、カタクチイワシ、キビナゴ、ウルメイワシ、イカナゴ、アジ、サバ、サンマ、ドジョウ、キンギョ、メダカ、カツオ等の魚類のエキス又は乾燥後粉末にしたもの、ゴカイ、イワムシ、イトメ、イソゴカイ、エゾゴカイ、ウチワゴカイ、アオイソメ、アカムシ、スゴカイ、タマキシゴカイ、エラコ等の多毛類のエキス又は乾燥後粉末にしたもの、ユムシ、オオミドリムシ等のユムシ類のエキス又は乾燥後粉末にしたもの、イトミミズ、エラミミズ、ユリミミズ等のイトミミズ類、シマミミズ、サクラミミズ、カッショクツリミミズ等のツリミミズ類、ドバミミズ、ヒトツモンミミズ等の大型ミミズのエキス又は乾燥後粉末にしたもの、ウミユスリカ、ウミアメンボ、カイコガ、カゲロウ類、カワゲラ、トビゲラ類、あかむし類、イナゴ、フキバッタ、コオロギ等の昆虫類のエキス又は乾燥後粉末にしたもの。アサリ、アオヤギ、サザエ、トコブシ、クジャクガイ、ヒバリガイ、イガイ、カキ等の貝類のエキス又は乾燥後粉末にしたもの、イソガニ、イワガニ、ヒライソガニ、ケフサイソガニ、オサガニ、コメツキガニ、スナガニ、シオマネキ、サバガニ、ガザミ等のカニ類のエキス又は乾燥後粉末にしたもの、クルマエビ、シバエビ、サルエビ、アカエビ、トラエビ、ヨシエビ、フトミゾエビ、モエビ、イセエビ、サラサエビ、アカシマモエビ、スジエビ、スジエビモドキ、イソスジエビ、アシナガスジエビ、シラタエビ、サクラエビ、テッポウエビ、エビジャコ、ヌカエビ、ヌマエビ、ミナミヌマエビ、テナガエビ、ヒラテナガエビ、ミナミテナガエビ等のエビ類のエキス又は乾燥後粉末にしたもの、イサザアミ、オキアミ、コマセアミなどのアミ類のエキス又は乾燥後粉末にしたもの、フジツボ、カメノテ、シャコ、日本スナモグリ、カメジャコ、アメリカザリガニ、フナムシ、ヤドカリ等のその他の甲殻類のエキス又は乾燥後粉末にしたもの、イカ、タコなどの軟体動物のエキス又は乾燥後粉末にしたもの、ヒツジ、ブタ、ウマ、ウシ、ニワトリ、七面鳥等の肉又は内臓のエキス又は乾燥後粉末にしたもの、イモ類、ポテト類、リンゴ、ミカン、ハバノリ、セイヨウハバノリ、ハバモドキ、アオノリ類、アオサ類、ウシケノリ類等の植物のエキス又は乾燥後粉末にしたものが挙げられる。これらの中で、サバエキス、アサリエキス、イガイエキス、エビエキス、オキアミエキス、イカエキスは養殖魚用に市販されており、簡単に入手できる上、集魚力も高いことから好ましい。アミノ酸類としては、集魚効果の高いものが好ましく、かかる例としてはアスパラギン酸、グルタミン、グリシン、イソロイシン、フェニルアラニン、ベタイン、アラニン、プロリン、メチオニン、リジン、セリン、イノシン−5’−1−リン酸、アデノシン−5‘−1−リン酸などが挙げられる。反射光や落下態様によって魚介類の好奇心を引くものとしては例えば、カキガラ、炭酸カルシウム、骨粉、押し麦、トウモロコシ、鉄粉、アルミニウム箔などが挙げられる。
【0037】
また、例えば赤色2号、赤色3号、赤色40号、黄色5号、緑色3号、青色1号、青色2号、紫芋色素、クチナシ赤色素、エルダーベリー色素、シソ色素、ムラサキトウモロコシ色素、ブドウ果汁色素、コチニール色素、ベニコウジ色素、アカネ色素、トウガラシ色素、ニンジンカロテン、クロロフィリン、クロロフィル、鉄クロロフィリンナトリウム、スピルリナ色素、カカオ色素、タマネギ色素、カラメルI〜IV、植物炭末色素などの着色料、シェラック、カウナウバロウ、ミ
ツロウ、マイクロクリスタンワックスなどの光沢剤、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、レシチン、キラヤ抽出物、大豆サポニン、クエン酸三ナトリウムなどの乳化剤、カラギナン、アルギン酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、グアーガム、アラビアガム、ローストビーンガム、ペクチン、寒天、グルコマンナン、カードラン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、キトサンなどの増粘剤、ゲル化剤、米糠、オカラ、小麦フスマ、マッシュポテト、小麦粉、片栗粉、グルテン、トウモロコシ、ソバ粉、サツマイモ、タルク、雲母、砂、土などの増量材を添加することもできる。
【0038】
さらに、上記以外に、保存安定性を高めるために安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、プロピオン酸、プロピオン酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸ブチル、亜硫酸ナトリウム、次亜硫酸ナトリウム、二酸化硫黄、エゴノキ抽出物、ニンニクエキス、シラコタンパク抽出物、ε−ポリリシンなどの保存料、L−アスコルビン酸、エリソルビン酸、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、カテキン、トコフェロール類、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ローズマリー抽出物、米糠油抽出物、ペパー抽出物などの酸化防止剤、オルトフェニルフェノール、ジフェニル、イマザリル、チアベンダゾールなどの防黴剤、氷酢酸、酢酸ナトリウム、リゾチーム、ワサビ抽出物、シソ抽出物、茶抽出物などの日持向上剤などを添加することができる。
【0039】
本発明の釣り餌は、廃棄物であったこんにゃくトビ粉を原料とするために低コストになり、これまで問題であったこんにゃくトビ粉特有のえぐみや臭いは解消している。また、こんにゃくトビ粉の持つ粘着性によって、成形加工が容易であり、水中で徐々にバラけるように製造したものは、こんにゃくトビ粉の微粉によって一部の釣り対象魚介類が好む適度な濁りを発生し、釣り餌として好適なものである。
【0040】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1
こんにゃくトビ粉1kgを攪拌槽に仕込み、そこにエタノール2Lを加え、常温で2時間攪拌した。その後、ろ過によりエタノール溶液とこんにゃくトビ粉を分離した。こんにゃくトビ粉を回収し、縦600mm、横400mm、高さ50mmのステンレス製平底バットに平らになるように入れて、70℃の乾燥機にて15時間乾燥した。得られた飼料用添加物は970gであり、こんにゃくトビ粉特有の臭いは消失していた。また、口に入れてもこんにゃくトビ粉特有のえぐみは消失していた。
【0041】
実施例2(家畜用飼料)
とうもろこし5kg、大豆粕2kg、魚粉600g、小麦ふすま500g、アルファルファ300g、炭酸カルシウム700g、リン酸カルシウム150g、食塩40g、ビタミン・ミネラル類10g、大豆油200gに実施例1の飼料添加物2kgを配合し、家畜用飼料とした。これを鶏20匹に与えたところ、実施例1の飼料用添加物を含まないものと同様によく摂取し、体重増加率、飼料摂取量、産卵率等に問題がなかった。
【0042】
実施例3(犬用ジャーキー)
食肉原料(豚肉、鶏肉、牛肉の中から1種類又は2種類以上の組み合わせ)400gと豚背脂肪25gを合わせ、肉挽き機により、直径10mm以下程度の肉塊に細砕し、これに水190g、小麦粉300g、食塩4g、重合リン酸塩2g及び糖類・調味料22g及び実施例1の飼料用添加物200gを混合して練り肉を調製した。次いで、これを充填成形機によりスティック状に成形し、加熱乾燥後、約3cmにカットし、犬用ジャーキー製造した。得られたジャーキーは本発明の飼料用添加物の粘着性により、適度な強さと弾力性を有しており、1mmの篩にかけても篩を通った粉はわずか0.6gであり、ほとんど崩れることなく成形されていた。また、3歳の柴犬3匹に与えたところ、5分ほどですべてを食べた。
【0043】
比較例1
実施例3において実施例1で得られた飼料用添加物を加えないで同様にペレット化しようと試みた。得られたジャーキーはスティック状を保っていたが、少し折り曲げると折れ、強度が弱いものであった。また、これを1mmの篩にかけると篩を通った粉は10gと多かった。
【0044】
比較例2
実施例3において実施例1で得られた飼料用添加物を、本発明の処理を行っていないこんにゃくトビ粉200gに代えて同様に犬用ジャーキーを製造した。得られたジャーキーは実施例3と同様の強度と弾力性を有していたが、こんにゃくトビ粉特有の臭いが残っており、3歳の柴犬3匹に与えたところ、ほとんど食べなかった。
【0045】
実施例4(養魚用飼料)
ブラウンフィッシュミール200g、オキアミミール150g、小麦粉150g、脱脂米糠100gに実施例1で得られた飼料用添加物を400g加えて均一になるように攪拌した。これをダイ直径8mmのディスクペレッターに導入し、80gの水を加えてペレット化した。得られたペレットは表面につやがあり、硬いものであった。これを1mmの篩にかけたところ、ふるいを通った粉はわずか13gであり、ほとんど崩れることなくペレット化されていた。
【0046】
比較例3
実施例4において実施例1で得られた飼料用添加物を加えないで同様にペレット化しようと試みた。しかし、ダイから出てきたものはすぐに崩れ、ペレットの形を保持することは無かった。
【0047】
比較例4
実施例4において実施例1で得られた飼料用添加物400gに代えて、エーテル化度0.6であるカルボキシメチルセルロースナトリウム塩を50g加えて同様にペレット化を試みた。得られたペレットは表面につやがあり、硬いものであった。これを1mmの篩にかけたところ、篩を通った粉はわずか15gであり、ほとんど崩れることなくペレット化されていた。
【0048】
実施例5
平均体重200gのヒラメ20尾を10尾ずつ2群に分けて養殖用の1m2の水槽に収容した。これに一方の水槽には実施例4で得られたペレットを1日1回飽食量給餌し、もう一方の水槽には比較例4で得られたペレットを1日1回飽食量給餌して30日間飼育した。試験後、いずれの水槽のヒラメも10尾とも元気であったが、実施例4で得られたペレットを給餌した方のヒラメの平均体重増加が69gと良好であったのに対し、比較例4で得られたペレットを給餌した方のヒラメの平均体重増加は52gとやや劣る結果となった。
【0049】
実施例6(練り餌)
魚粉150g、サナギ粉50g、ニンニク乾燥末15g、小麦粉100g、グルテン85gに実施例1の飼料用添加物100gを加えて均一になるように攪拌した。これに水250gを徐々に加え団子状に固められる状態にした。この練り餌を滋賀県大津市の琵琶湖においてコイ釣りに使用したところ、コイ釣り用に市販されている吸い込み仕掛けに練り付けて約50mの遠投を行っても崩れて落ちることが無く、水中では徐々に溶けて魚類を誘引し、コイが2匹、マブナが2匹、ブルーギルが1匹釣れた。この試験から、練り餌に優れた粘着性と魚類の誘引力が確認された。
【0050】
比較例5
実施例6において実施例1の飼料用添加物を添加しないで小麦粉を200gとした。これに水250gを徐々に加え団子状に固められる状態にした。この練り餌を実施例4を実施したのと同じ日に滋賀県大津市の琵琶湖においてコイ釣りに使用したところ、コイ釣り用に市販されている吸い込み仕掛けに練り付けて約50mの遠投を行うと崩れて落ちることが多く、あまり遠投できなかった。釣果はコイが1匹、ブルーギルが2匹であった。
【0051】
実施例7(撒き餌)
オキアミ3kgに実施例1の飼料添加物を500g添加し、よく攪拌して撒き餌を調製した。この撒き餌を福井県越前町の磯においてオキアミを刺し餌としてクロダイ釣りに使用したところ、実施例1の飼料用添加物の粘着力によって撒き餌は約20mの遠投が可能となり、水中で適度な濁りを発現すると共に撒き餌を速やかに沈下させ、魚類を誘引してクロダイ6匹、メジナ3匹、アジ28匹、アイナメ1匹が釣れた。
【0052】
比較例6
実施例7において実施例1の飼料用添加物を添加しないでオキアミ3kgのみを撒き餌とした。この撒き餌を実施例7を実施したのと同じ日に福井県越前町の磯においてオキアミを刺し餌としてクロダイ釣りに使用したところ、撒き餌はせいぜい8mしか投げられず、しかもばらばらになって広範囲に着水した。釣果はクロダイ1匹、メジナ2匹、アジ14匹であった。
【0053】
実施例8(団子状撒き餌)
米糠4kg、海砂700g、荒挽きのサナギ粉700g、押し麦300gに実施例1の飼料用添加物1kgを加えてよく攪拌し、海水2kgを徐々に加えて団子状撒き餌を調製した。この団子状撒き餌を三重県英虞湾においてクロダイの筏釣りに使用したところ、実施例1の飼料用添加物によって水中で適度な濁りを発現すると共に団子状撒き餌を速やかに沈下させ、魚類を誘引してクロダイ15匹、ボラ4匹が釣れた。
【0054】
比較例7
実施例8において実施例1の飼料用添加物を添加しないで米糠を5kgとした。この団子状撒き餌を実施例8を実施したのと同じ日に三重県英虞湾においてクロダイの筏釣りに使用したところ、釣果はクロダイ5匹、ボラ2匹であった。
【0055】
【発明の効果】
本発明の飼料用添加物は、こんにゃくトビ粉特有の臭いとえぐみが消失しているために飼料用添加物として良好に用いられ、飼料のコストを低く抑えることができる。更にはこんにゃくトビ粉の持つ粘着性で成型が容易であり、栄養分や魚類誘引性に富み、適度な濁りを有することから濁りを好む魚に対する釣り餌として好適に使用できるものである。
Claims (4)
- 有機溶剤を用いて洗浄したこんにゃくトビ粉からなる飼料用添加物。
- 請求項1記載の飼料用添加物が添加された飼料。
- 請求項1記載の飼料用添加物が添加された養魚用飼料。
- 有機溶媒を用いて洗浄したこんにゃくトビ粉を含有することを特徴とする釣り餌。
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