JP2004006447A - 熱処理装置およびそれに用いられる温度制御方法 - Google Patents

熱処理装置およびそれに用いられる温度制御方法 Download PDF

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Akira Hattori
服部 昌
Makoto Ito
伊藤 眞
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Abstract

【課題】導入すべきウェーハの大きさや数量に変動がある場合にも炉内の温度の急激な低下および大きなオーバーシュートを生じることがなく、操作量の設定および変更が容易な熱処理装置およびその温度制御方法を提供する。
【解決手段】炉1は、温度制御のための3つの各ゾーン101〜103を有しており、温度制御部20は、これらのゾーンに対応して設けられる各プロファイル71〜73および各スパイク81〜83が検出した測定温度を設定温度に近づけるように、供給すべき電力を調整して対応する領域を加熱する各ヒータ91〜93を制御する操作量を示す制御信号St,Sc,Sbを出力し、下部蓋10が開けられてウェーハ3およびそれらを搭載するボート2が反応管4内部に導入される際には、BTMヒータ93の発熱量を増加させるように上記操作量に対して所定のバイアス操作量を加算する。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内部に導入されたウェーハなどの対象物に対して熱拡散、酸化、CVD等の熱処理を行う熱処理装置およびそれに用いられる温度制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体ウェーハを熱処理するための熱処理装置においては、炉内の温度がほぼ一定に保たれた状態で炉内にウェーハが導入される。しかし、縦型の熱処理装置では炉内上方の温度と下方の温度とに差が生じることがあるため、熱処理すべき各ウェーハ間の温度を均一にすることが求められる。
【0003】
このような要求に応えるために、例えば従来より鉛直方向に温度制御のための層構造を有する複数の加熱ゾーンが設けられる縦型熱処理装置が提案されている。この従来の縦型熱処理装置においては、上記複数の加熱ゾーン毎に温度が検出され、それぞれの加熱ゾーンに加えられるべき熱量(すなわち発熱量)を調整する温度制御が行われる。この構成により、炉内の温度が高精度に制御される。
【0004】
ここで、導入される多くのウェーハおよびそれらのウェーハを搭載するボートは常温であり比較的大きな熱容量を有するため、これらが炉内に導入されると炉内の温度は急激に低下する。ここで、炉内の温度低下が検出されるのを待ってから炉内の温度を上昇させるような制御が行われるとすると、炉の時定数が大きいことにより炉内の温度が目標値を大きくオーバーシュートする。その結果、炉内の温度の整定(目標温度に対し微少な温度差内で安定させること)が困難となり、半導体ウェーハの処理に要する時間が長くなってスループットが低下する。また近年、半導体ウェーハは大口径化が進み、熱処理すべきウェーハ面内の温度を均一にすることが求められている。大口径のウェーハ面の中心部と外周部とで大きな温度差が生じるとクラックや欠け等を生じる可能性があるからである。そのため炉内の温度が急激に変化しないような温度制御が好ましい。そこで、内部にウェーハを導入する際に生じる炉内の温度の急激な低下およびその後の大きなオーバーシュートが生じない熱処理装置およびそれに用いられる温度制御方法が求められている。
【0005】
このような要求に応えるために、例えば特開2000−181549号公報では、上記複数の加熱ゾーンが設けられるとともに、内部にウェーハを導入する際には通常のPID制御に代えて予め定められた固定された制御パターンに基づく温度制御を行う縦型熱処理装置の構成が開示されている。この構成により、炉内にウェーハを導入する際に生じる温度低下を回復するための整定時間が短縮される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記公報に開示される従来の縦型熱処理装置は、内部にウェーハが導入される際にはどのような場合であっても固定された制御パターンに基づく温度制御が行われる。このことから、導入すべきウェーハの大きさや数量に変動がある場合には、その変動に対応する温度制御を行うことができない。
【0007】
また、上記公報に開示される従来の縦型熱処理装置は、各加熱ゾーン間の熱干渉を考慮して全加熱ゾーンにおける適切な温度制御を行うための制御パターンが精密に作成される。そのため上記制御パターンの作成は容易ではない。さらに例えば或る加熱ゾーンに対応するヒータが経時変化により劣化した場合には適切な制御を行うための操作量が変化する。このような場合には上記制御パターンは変更されることが好ましい。しかし、この場合も上記制御パターンの変更は容易ではない。
【0008】
そこで、本発明の目的は、導入すべきウェーハの大きさや数量に変動がある場合にもウェーハを導入する際に生じる炉内の温度の急激な低下およびその後の大きなオーバーシュートを生じることがなく、また適切な温度制御を行うための操作量の設定および変更が容易な熱処理装置およびそれに用いられる温度制御方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
第1の発明は、内部に導入される対象物に加熱処理を行う熱処理装置であって、
複数の加熱領域を有し、前記対象物が内部に導入される格納手段と、
前記複数の加熱領域に対応して設けられ、前記対象物を所定の発熱量で加熱する複数の加熱手段と、
前記複数の加熱領域に対応して設けられ、前記対象物付近の温度を検出する複数の温度検出手段と、
前記複数の温度検出手段により検出された温度が所定の目標温度に合致するように対応する加熱手段の発熱量を制御するための出力操作量を算出し、算出された出力操作量に基づいて対応する加熱手段の発熱量を制御する温度制御手段と
を備え、
前記温度制御手段は、前記対象物が導入される際に最初に近づくべき加熱領域に対応する第1の加熱手段の発熱量を制御するための出力操作量を算出する際には、所定の目標温度に合致するように当該第1の加熱手段の発熱量を制御するための第1の操作量を算出した後、当該第1の操作量に対して所定の第1のバイアス操作量を加算することにより当該出力操作量を算出することを特徴とする。
【0010】
このような第1の発明によれば、ウェーハが導入される際に最初に近づくべき加熱領域に対応する加熱手段の発熱量を制御するための出力操作量を算出する際には、さらにバイアス操作量を加算する温度制御が行われる。この構成により、炉内にウェーハを導入する際に生じる炉内の温度変化を小さくすることができ、またその後のオーバーシュートを小さくして炉内温度の整定を短時間で行うことができる。
【0011】
また、第1の発明によれば、温度検出手段により検出された温度が所定の目標温度に合致するように対応する加熱手段の発熱量を制御するための操作量を算出するとともに、バイアス操作量を加算する温度制御を行う。この構成により、導入すべきウェーハの大きさや数量に変動がある場合にも適切な温度制御が行われる。
【0012】
さらに、第1の発明によれば、予め定められた所定のバイアス操作量を加算する温度制御が行われる。この構成により、加熱手段が経年変化に基づく劣化により加熱すべき発熱量を発生させることができなくなった場合においても適切な制御を行うために、バイアス操作量およびその加算時間の一方または双方を増加させるような変更を容易に行うことができる。
【0013】
また、第1の発明によれば、ウェーハが導入される際に最初に近づくべき加熱領域の加熱手段の発熱量が増加され、そのほかの加熱手段の発熱量は増加されない。この構成により、各加熱領域の全ての発熱量が増加される構成よりも消費電力を小さくすることができる。
【0014】
第2の発明は、第1の発明において、
前記温度制御手段は、前記第1の加熱手段の発熱量を制御するための出力操作量を算出する際に、
前記対象物が導入される時点までおよびその後の所定の時点より後では、対応する温度検出手段により検出された温度が所定の目標温度に合致するように当該第1の加熱手段の発熱量を制御するための出力操作量を算出し、
前記対象物が導入される時点から前記所定の時点までは、当該第1の加熱手段の発熱量を制御するための第1の操作量を算出した後、当該第1の操作量に対して前記第1のバイアス操作量を加算することにより当該出力操作量を算出することを特徴とする。
【0015】
第3の発明は、第1の発明において、
前記温度制御手段は、前記対象物が導入される際に最初に近づくべき加熱領域に隣接する加熱領域に対応する第2の加熱手段の発熱量を制御するための出力操作量を算出する際には、当該第2の加熱手段の発熱量を制御するための第2の操作量を算出した後、当該第2の操作量に対して所定の第2のバイアス操作量を加算することにより当該出力操作量を算出することを特徴とする。
【0016】
このような第3の発明によれば、所定の第2のバイアス操作量がさらに加算されることにより、ウェーハが導入される際に最初に近づくべき加熱領域に隣接する加熱領域に対応する加熱手段の発熱量も増加される。この構成により、ウェーハが導入される際に最初に近づくべき加熱領域とそれに隣接する加熱領域のそれぞれの加熱により、ウェーハは十分な熱量の熱を受けることができるので、ウェーハの導入による温度低下をより小さくすることができる。
【0017】
第4の発明は、第3の発明において、
前記第2のバイアス操作量に対応する発熱量は、前記第1のバイアス操作量に対応する発熱量の略25%以下に設定されることを特徴とする。
【0018】
第5の発明は、複数の加熱領域を有し、内部に導入される対象物に対して当該複数の加熱領域において加熱処理を行う熱処理装置の温度制御方法であって、
前記複数の加熱領域の温度を検出する温度検出ステップと、
前記複数の加熱領域毎に前記対象物を所定の発熱量で加熱する加熱ステップと、
前記温度検出ステップにおいて検出された温度が所定の目標温度に合致するように前記加熱ステップにおける前記発熱量を制御するための出力操作量を算出し、算出された出力操作量に基づいて前記加熱領域に対応する発熱量を制御する温度制御ステップとを含み、
前記温度制御ステップは、前記対象物が導入される際に最初に近づくべき加熱領域に対応する第1の発熱量を制御するための出力操作量を算出する際には、所定の目標温度に合致するように当該第1の発熱量を制御するための第1の操作量を算出した後、当該第1の操作量に対して所定の第1のバイアス操作量を加算することにより当該出力操作量を算出することを特徴とする。
【0019】
第6の発明は、第5の発明において、
前記温度制御ステップは、前記第1の発熱量を制御するための出力操作量を算出する際に、
前記対象物が導入される時点までおよびその後の所定の時点より後では、前記温度検出ステップにおいて検出された温度が所定の目標温度に合致するように当該第1の発熱量を制御するための出力操作量を算出し、
前記対象物が導入される時点から前記所定の時点までは、当該第1の発熱量を制御するための出力操作量を算出した後、当該第1の操作量に対して前記第1のバイアス操作量を加算することにより当該出力操作量を算出することを特徴とする。
【0020】
第7の発明は、第5の発明において、
前記温度検出ステップは、前記対象物が導入される際に最初に近づくべき加熱領域に隣接する加熱領域に対応する第2の発熱量を制御するための出力操作量を算出する際には、当該第2の発熱量を制御するための第2の操作量を算出した後、算出された第2の操作量に対して所定の第2のバイアス操作量を加算することにより当該出力操作量を算出することを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
<1.第1の実施形態>
<1.1 熱処理装置全体の構成および動作>
まず、本発明に係る熱処理装置の一例としての縦型熱処理装置を第1の実施形態として説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る縦型熱処理装置の構成を示す模式図である。この熱処理装置は、熱処理を行う炉1と、その内部の温度を制御する温度制御部20とを備える。炉1は、温度制御のために定められた3層の領域を有しており、これらの領域を上層からトップ(TOP)ゾーン101、センタ(CNT)ゾーン102、ボトム(BTM)ゾーン103と称する。この炉1は、石英または炭化珪素から成る反応管4と、反応管4の内部へ各種処理に用いられるガスを導入するガス導入口5と、反応管4の内部からガスを排出するガス排出口6と、周囲の温度を検出するための例えば熱電対で構成されるTOPプロファイル71,CNTプロファイル72,およびBTMプロファイル73と、同様に周囲の温度を検出するTOPスパイク81,CNTスパイク82,およびBTMスパイク83と、後述する制御信号により供給すべき電力を調整して対応する領域を加熱するTOPヒータ91,CNTヒータ92,およびBTMヒータ93と、開閉自在の下部蓋10とを含む。
【0022】
なお、反応管4の内部には熱処理の対象物である複数の半導体ウェーハ3と、ウェーハ3を搭載するボート2とが格納されている。これらのウェーハ3およびボート2は、閉じられていた下部蓋10が開けられる動作(以下「ボートイン開始動作」と称する)が完了した後、炉1の下方から反応管4の内部に導入される。さらにそれらの導入完了後に下部蓋10が閉められる動作(以下「ボートイン終了動作」と称する)が完了することにより、ウェーハ3およびボート2は、反応管4の内部に密閉された状態で格納される。
【0023】
TOPヒータ91は、トップゾーン101に対応した位置に設けられており、トップゾーン101の雰囲気を加熱することにより、対応する位置に格納されるウェーハ3に対して熱処理を行う。なお、TOPヒータ91は、後述する温度制御部20からの制御信号Stが与えられ、当該制御信号Stが示す発熱量に基づいてヒータ内部の発熱体へ供給すべき電力が調整されることにより、ウェーハ3に対する加熱量(すなわち発熱量)を制御される。TOPスパイク81は、このTOPヒータ91近傍の空間に設置されており、TOPヒータ91近傍の温度を測定して測定温度PTC_TOPを示す信号を温度制御部20に与える。TOPプロファイル71は、トップゾーン101の領域内のウェーハ3近傍に設置されており、その近傍の温度を測定して測定温度MTC_TOPを示す信号を温度制御部20に与える。
【0024】
同様に、CNTヒータ92は、センタゾーン102に対応した位置に設けられて、温度制御部20からの制御信号Scにより発熱量を制御される。CNTスパイク82は、このCNTヒータ92近傍の空間に設置されており、CNTヒータ92近傍の温度を測定して測定温度PTC_CNTを示す信号を温度制御部20に与える。CNTプロファイル72は、センタゾーン102の領域内のウェーハ3近傍に設置されており、その近傍の温度を測定して測定温度MTC_CNTを示す信号を温度制御部20に与える。また、BTMヒータ93は、ボトムゾーン103に対応した位置に設けられて、温度制御部20からの制御信号Sbにより発熱量を制御される。BTMスパイク83は、このBTMヒータ93近傍の空間に設置されており、BTMヒータ93近傍の温度を測定して測定温度PTC_BTMを示す信号を温度制御部20に与える。BTMプロファイル73は、ボトムゾーン103の領域内のウェーハ3近傍に設置されており、その近傍の温度を測定して測定温度MTC_BTMを示す信号を温度制御部20に与える。
【0025】
<1.2 温度制御部の構成および動作>
次に、温度制御部20の詳細な構成およびその温度制御動作について説明する。図2は、温度制御部20の詳細な構成を示すブロック図である。この温度制御部20は、トップゾーン101における温度制御を行うトップゾーン用PID制御部201と、センタゾーン102における温度制御を行うセンタゾーン用PID制御部202と、ボトムゾーン103における温度制御を行うボトムゾーン用PID制御部203と、ボトムゾーン用PID制御部203から出力される操作量(以下「第1の操作量」と称する)に対して加算すべき所定の操作量(以下「バイアス操作量」と称する)を所定の時間だけ出力するボトムゾーン用バイアス制御部213と、ボトムゾーン用PID制御部203からの出力値とボトムゾーン用バイアス制御部213からの出力値とを加算し制御信号Sbとして出力する加算器223とを含む。また、上記ボトムゾーン用バイアス制御部213には、後述するシーケンス制御部30から出力されるボートイン開始信号が与えられる。
【0026】
トップゾーン用PID制御部201は、トップゾーン101における上記測定温度PTC_TOPおよびMTC_TOPが入力されて、測定温度と設定された目標温度との偏差に対して比例・積分・微分演算(PID演算)を行い、測定温度MTC_TOPが目標温度で安定するように、TOPヒータ91の発熱量を示す制御信号Stを出力する。
【0027】
同様に、センタゾーン用PID制御部202は、センタゾーン102における上記測定温度PTC_CNTおよびMTC_CNTが入力されて、測定温度と設定された目標温度との偏差に基づいてPID演算を行い、測定温度MTC_CNTが目標温度で安定するように、CNTヒータ92の発熱量を示す制御信号Scを出力する。
【0028】
ボトムゾーン用PID制御部203は、ボトムゾーン103における上記測定温度PTC_BTMおよびMTC_BTMが入力されて、測定温度と設定された目標温度との偏差に基づいてPID演算を行い、測定温度MTC_BTMが目標温度で安定するような第1の操作量を示す信号を出力する。
【0029】
このように各ゾーン用PID制御部201〜203は、熱処理装置の動作中に実行される各種処理に応じて設定される温度を目標値として各ゾーンの温度を制御するが、この制御はボートイン開始動作からボートイン終了動作までの期間を含む全ての動作期間、すなわち熱処理装置が動作中の間、停止されることなく継続的に行われる。ボトムゾーン用バイアス制御部213は、上記のようにボトムゾーン用PID制御部203から継続的に出力される第1の操作量に対して、加算器223により加算されるべき所定のバイアス操作量を所定の期間だけ一時的に出力する。以下、このボトムゾーン用バイアス制御部213の動作について詳述する。
【0030】
ボトムゾーン用バイアス制御部213は、ウェーハを導入する際に生じる炉内の温度の急激な低下およびその後の大きなオーバーシュートが生じないように、ボトムゾーン用PID制御部203が出力する第1の操作量が示すBTMヒータ93の発熱量を一時的に増加させるように所定のバイアス操作量を出力する。具体的には本熱処理装置は熱処理を含む各種処理が所定の手順で行われるように制御するシーケンス制御部30を備えており、このシーケンス制御部30は上記ボートイン開始動作およびボートイン終了動作に応じて下部蓋10が開けられたことを示すボートイン開始信号Soおよび下部蓋10が閉められたことを示すボートイン終了信号Ssを出力する。ボトムゾーン用バイアス制御部213は、このシーケンス制御部30からのボートイン開始信号Soが入力されると、所定の時点(例えばボートイン終了信号Ssが入力される時点またはそれ以前の予め定められた時点)まで所定のバイアス操作量を出力する。このバイアス操作量は、予め定められた一定の値であっても、時間経過に応じて予め定められたように変化する所定の値であってもよい。
【0031】
<1.3 ボトムゾーン用バイアス制御部の作用>
次に、ボトムゾーン用バイアス制御部213の作用について、図3および図4を参照しつつ説明する。図3は、本熱処理装置においてボトムゾーン用バイアス制御部213が動作していない(すなわちバイアス操作量が0に設定された)場合の各ゾーンの測定温度を示すグラフである。したがって、ここでは各ゾーン用PID制御部201〜203による温度制御のみが行われる。なお、ボートイン開始動作は時刻0分の時点において始まる。
【0032】
図3を参照すると、ウェーハ3近傍に設置される各プロファイル71〜73の測定温度MTC_TOP,MTC_CNT,MTC_BTMは、ボートイン開始動作時点から急激に低下する。それは常温で熱容量の大きいボート2およびウェーハ3が炉内に導入されたことによる。このような測定温度の低下に応じて、各ゾーン用PID制御部201〜203は、所定の目標温度へ近づけるように各ヒータ91〜93の発熱量を増加する制御を行う。この制御により、各ヒータ91〜93付近に配置された各スパイク81〜83の測定温度PTC_TOP,PTC_CNT,PTC_BTMは急激に上昇する。数分後、測定温度MTC_TOP,MTC_CNT,MTC_BTMが上昇に転じると、各ヒータ91〜93の発熱量は減少するように制御されるが、炉の時定数が大きいことにより測定温度MTC_TOP,MTC_CNT,MTC_BTMは目標温度を大きくオーバーシュートする。その結果、ボートイン開始動作時点から30分が経過した時点でも、測定温度MTC_TOP,MTC_CNT,MTC_BTMは目標温度近傍で安定した値をとることはない。このように、各ゾーン用PID制御部201〜203による温度制御のみを行う方法では、炉内の温度が急激に下降し上昇する大きな温度変化が生じ、また大きなオーバーシュートのため炉内温度の整定が困難になり、処理時間が長くかかることになる。
【0033】
これらの問題点は、ボトムゾーン用バイアス制御部213の動作により解決される。すなわち、ボトムゾーン用バイアス制御部213は、ボートイン開始動作時点から所定のバイアス操作量をボトムゾーン用PID制御部203から出力される第1の操作量に対して加算する。そのため、ボートイン開始動作時点からボトムゾーン用PID制御部203のみが動作している場合よりもBTMヒータ93の発熱量が大きくなる。したがって、炉1の下方からゆっくりと導入されるボート2およびウェーハ3がこのBTMヒータ93による通常より大きな熱量の熱を受け、ボトムゾーン103において十分に熱せられる。このことによりトップゾーン101においてはもちろん、センタゾーン102においてもボート2およびウェーハ3の導入による温度低下が小さくなる。このようなボトムゾーン用バイアス制御部213による制御は、ボート2およびウェーハ3を導入することにより生じるべき外乱の影響を打ち消すような操作量を加えるという意味で、フィードフォワード制御であると言える。以下、上記ボトムゾーン用バイアス制御部213の動作について、図4に示す具体例を用いて説明する。
【0034】
図4は、本熱処理装置においてボトムゾーン用バイアス制御部213が動作している場合の各ゾーンの測定温度を示すグラフである。なお、ボートイン開始動作は時刻0分の時点において始まる。図4を参照すると、ウェーハ3近傍に設置される各プロファイル71〜73の測定温度MTC_TOP,MTC_CNT,MTC_BTMは、ボートイン開始動作時点から急激に低下することなく、緩やかに上昇している。それはボートイン開始動作時点から所定のバイアス操作量が加算されるため、BTMヒータ93の発熱量がバイアス操作量に対応する量だけ大きくなるからである。また、常温で熱容量の大きいボート2およびウェーハ3が炉内に導入されたことによる温度低下に応じて、各ゾーン用PID制御部201〜203は、所定の目標温度へ近づけるように各ヒータ91〜93の発熱量を増加する制御を行う。この制御により、各ヒータ91〜93付近に配置された各スパイク81〜83の測定温度PTC_TOP,PTC_CNT,PTC_BTMは緩やかに上昇する。約10分後、各ヒータ91〜93の発熱量は減少するように制御され、また上記バイアス量も0に設定されるが、炉の時定数が大きいことにより測定温度MTC_TOP,MTC_CNT,MTC_BTMは目標温度を少しだけオーバーシュートする。もっとも、このオーバーシュート量は温度の整定に影響が出ない程度に十分に小さいため、ボートイン開始動作時点から30分が経過した時点で、測定温度MTC_TOP,MTC_CNT,MTC_BTMは目標温度でほぼ整定されている。
【0035】
このように、各ゾーン用PID制御部201〜203による温度制御に対してボトムゾーン用バイアス制御部213のバイアス操作量を加算する温度制御を行う方法により、炉内の温度が急激に下降し上昇する大きな温度変化が生じることがなく、またオーバーシュートにより炉内温度の整定が困難になることもない。
【0036】
<1.4 第1の実施形態の効果>
以上のように上記第1の実施形態によれば、炉内にウェーハを導入する時点からボトムゾーン用バイアス制御部213によりバイアス操作量を加算する温度制御が行われる。この構成により、炉内にウェーハを導入する際に生じる炉内の温度変化を小さくすることができ、またその後のオーバーシュートを小さくして炉内温度の整定を短時間で行うことができる。
【0037】
また、第1の実施形態によれば、各ゾーン用PID制御部201〜203により温度制御を行いつつ、同時にボトムゾーン用バイアス制御部213によりバイアス操作量を加算する温度制御を行う。この構成により、PID制御に代えて予め定められた固定のパターンのみを用いて制御を行う従来の構成では対応できない場合、すなわち導入すべきウェーハの大きさや数量に変動がある場合にも各ゾーン用PID制御部201〜203により適切な温度制御が行われるため、導入すべきウェーハの大きさや数量に変動がある場合にも、炉内にウェーハを導入する際に生じる炉内の温度変化を小さくすることができ、またその後のオーバーシュートを小さくして炉内温度の整定を短時間で行うことができる。
【0038】
さらに、第1の実施形態によれば、ボトムゾーン用バイアス制御部213により予め定められた所定のバイアス操作量を予め定められた時間だけ加算する温度制御が行われる。この構成により、例えばBTMヒータ93が経年変化に基づく劣化により所定の制御信号Sbに応じて加熱すべき発熱量を発生させることができなくなった場合においても適切な制御を行うために、バイアス操作量およびその加算時間の一方または双方を増加させるような変更を容易に行うことができる。このような変更は、例えば熱処理装置を使用する者に十分な専門知識がない場合であっても簡単に行うことができる。なお、上記ヒータの劣化以外の様々な環境要因が変化した場合であっても、上記変更を行うことにより容易に対応することができる。
【0039】
また、第1の実施形態によれば、ボトムゾーン用バイアス制御部213が加算するバイアス操作量によりBTMヒータ93の発熱量のみが増加される。この構成により、各ヒータ91〜93の全ての発熱量が増加される構成よりも消費電力を小さくすることができる。
【0040】
<2.第2の実施形態>
次に、本発明に係る熱処理装置の一例としての縦型熱処理装置を第2の実施形態として説明する。本発明の第2の実施形態に係る縦型熱処理装置の構成および動作は、上記第1の実施形態に係る縦型熱処理装置の構成および動作とほぼ同様であるが、第1の実施形態に係る温度制御部20に代えて温度制御部21を備える点が異なる。以下、この温度制御部21の構成および動作について詳述する。
【0041】
図5は、本実施形態に係る温度制御部21の詳細な構成を示すブロック図である。この温度制御部21は、図2に示す温度制御部20の構成に対して、さらにセンタゾーン用バイアス制御部212と、加算器222とを含む点が異なる。
【0042】
すなわち、各ゾーン用PID制御部201〜203は、熱処理装置の動作中に実行される各種処理に応じて設定される温度を目標値として各ゾーンの温度を熱処理装置の動作期間全てにわたって継続的に制御するが、ボトムゾーン用バイアス制御部213は、ボトムゾーン用PID制御部203から出力される第1の操作量に対して加算器223により加算されるべき所定の第1のバイアス操作量を一時的に出力し、センタゾーン用バイアス制御部212は、センタゾーン用PID制御部202から出力される操作量(以下「第2の操作量」と称する)に対して加算器222により加算されるべき所定のバイアス操作量(以下「第2のバイアス操作量」と称する)を一時的に出力する。
【0043】
このように、第1の実施形態に係る構成に対してさらにセンタゾーン用バイアス制御部212を設けて第2のバイアス操作量を出力させるのは、炉1の下方からゆっくりと導入されるボート2およびウェーハ3がBTMヒータ93による熱を受けるだけでは十分ではない場合もあるからである。すなわち、ボトムゾーン103の直上に位置するセンタゾーン102においても、センタゾーン用バイアス制御部212によって第2のバイアス操作量を加算する温度制御を行う構成により、ボート2およびウェーハ3は、さらにCNTヒータ92により大きな熱量の熱を受けることができる。そのためセンタゾーン102においてもボート2およびウェーハ3の導入による温度低下が小さくなる。
【0044】
このセンタゾーン用バイアス制御部212の動作は、ボトムゾーン用バイアス制御部213の動作と同様である。すなわち、センタゾーン用バイアス制御部212は、前述のシーケンス制御部30からのボートイン開始信号Soが入力されると、所定の時点(例えばボートイン終了信号Ssが入力される時点またはそれ以前の予め定められた時点)まで所定の第2のバイアス操作量を出力する。この第2のバイアス操作量は、予め定められた一定の値であっても、時間経過に応じて予め定められたように変化する所定の値であってもよい。この第2のバイアス操作量に対応するCNTヒータ92の発熱量の増加量は、第1のバイアス操作量に対応するBTMヒータ91の発熱量の増加量の25%以下の値に設定されるのが好ましい。その理由を含めて以下、センタゾーン用バイアス制御部212の作用について詳述する。
【0045】
図6は、本第2の実施形態に係るセンタゾーン用バイアス制御部212により出力される第2のバイアス操作量に対応するCNTヒータ92の発熱量の増加量が、ボトムゾーン用バイアス制御部213から出力される第1のバイアス操作量に対応するBTMヒータ91の発熱量の増加量の30%の値に設定される場合の各ゾーンの測定温度を示すグラフである。なお、ボートイン開始動作は時刻0分の時点において始まる。
【0046】
図6を参照すると、ウェーハ3近傍に設置される各プロファイル71〜73の測定温度MTC_TOP,MTC_CNT,MTC_BTMは、ボートイン開始動作時点から緩やかに上昇する。それはボートイン開始動作時点から第1および第2のバイアス操作量が加算されるため、BTMヒータ93およびCNTヒータ92の発熱量がこれらのバイアス操作量に対応する量だけ大きくなるからである。その後、各ヒータ91〜93の発熱量は減少するように制御されるが、炉の時定数が大きいことにより測定温度MTC_TOP,MTC_CNT,MTC_BTMは目標温度を10度以上オーバーシュートする。その結果、ボートイン開始動作時点から20分が経過した時点でも、測定温度MTC_TOP,MTC_CNT,MTC_BTMは目標温度近傍で安定した値をとることはない。なお、測定温度MTC_BTMが特に目標温度より高い値を示すのは、センタゾーン102からの大きな熱干渉を受けているためと考えられる。このように、CNTヒータ92の発熱量の増加量がBTMヒータ91の発熱量の増加量の30%の値に設定される場合には、炉内の温度が10度以上上昇する大きな温度変化が生じ、また大きなオーバーシュートのため炉内温度の整定が困難になり、処理時間が長くかかることになる。
【0047】
これらの問題点は、CNTヒータ92の発熱量の増加量がBTMヒータ91の発熱量の増加量の30%以上の値に設定される場合にはさらに大きくなることが明らかであるから、上記値を許容される限界値まで下げることにより解決される。以下、上記限界値について、図7に示す具体例を用いて説明する。
【0048】
図7は、本第2の実施形態に係るセンタゾーン用バイアス制御部212により出力される第2のバイアス操作量に対応するCNTヒータ92の発熱量の増加量が、ボトムゾーン用バイアス制御部213から出力される第1のバイアス操作量に対応するBTMヒータ91の発熱量の増加量の25%の値に設定される場合の各ゾーンの測定温度を示すグラフである。なお、ボートイン開始動作は時刻0分の時点において始まる。図7を参照すると、ウェーハ3近傍に設置される各プロファイル71〜73の測定温度MTC_TOP,MTC_CNT,MTC_BTMは、ボートイン開始動作時点から緩やかに上昇する。その後、各ヒータ91〜93の発熱量は減少するように制御されるが、炉の時定数が大きいことにより測定温度MTC_TOP,MTC_CNT,MTC_BTMは目標温度を8〜10度オーバーシュートする。もっとも、このオーバーシュート量は温度の整定に影響が出ない程度に十分に小さいため、ボートイン開始動作時点から20分が経過した時点で、測定温度MTC_TOP,MTC_CNT,MTC_BTMは目標温度でほぼ整定されている。
【0049】
このように、CNTヒータ92の発熱量の増加量がBTMヒータ91の発熱量の増加量の25%の値に設定される場合には、炉内の温度が8〜10度上昇するものの許容しうる範囲の温度変化であり、またオーバーシュートにより炉内温度の整定が困難になることもない。さらに、CNTヒータ92の発熱量の増加量がBTMヒータ91の発熱量の増加量の25%以下の値に設定される場合にはさらに温度変化が小さくなり、炉内温度の整定が容易になることは明らかである。したがって、センタゾーン用バイアス制御部212により出力される第2のバイアス操作量に対応するCNTヒータ92の発熱量の増加量は、第1のバイアス操作量に対応するBTMヒータ91の発熱量の増加量のほぼ25%以下の値に設定されるのが好ましいといえる。
【0050】
<3.変形例>
上記各実施形態では、各ゾーンにおける温度制御は別個に行われるように構成される。しかし、各ゾーン間の熱干渉を考慮して一体的に行われるように構成されてもよい。また、各ゾーンにおける温度制御はPID制御により行われるように構成されるが、所定の規則を用いたファジー制御など、設定された目標温度に整定させるような温度制御を行うことができる制御方法であればどのような制御方法であってもよい。
【0051】
上記各実施形態では、3つのゾーン(トップゾーン101、センタゾーン102、およびボトムゾーン103)における温度制御を行う構成であるが、ゾーンの数は2つであってもよいし、4つであっても、それ以上であってもよい。
【0052】
上記各実施形態では、温度制御部20が各ヒータ91〜93に対して制御信号St,Sc,Sbを与えてヒータ内部の発熱体に供給すべき電力を制御する構成であるが、温度制御部20が発熱体に供給すべき電力を各ヒータ91〜93に対して直接与えるように構成されてもよい。
【0053】
上記各実施形態では、バイアス操作量を加算する期間の始期はボートイン開始信号Soの入力時であるが、炉1の下方からゆっくりと導入されるボート2およびウェーハ3が通常より大きな熱量の熱を受けることができればよいので、ボートイン開始動作の開始時点近傍の所定の時点であってもよい。また、上記第2の実施形態では、ボトムゾーン用バイアス制御部213とセンタゾーン用バイアス制御部212とのバイアス操作量の加算開始時点は同時であるように構成されるが、ボートイン開始動作の開始時点近傍の互いに異なる所定の時点であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る縦型熱処理装置の構成を示す模式図である。
【図2】上記第1の実施形態に係る温度制御部の詳細な構成を示すブロック図である。
【図3】上記第1の実施形態に係るボトムゾーン用バイアス制御部が動作していない場合の各ゾーンの測定温度を示すグラフである。
【図4】上記第1の実施形態に係るボトムゾーン用バイアス制御部が動作している場合の各ゾーンの測定温度を示すグラフである。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る温度制御部の詳細な構成を示すブロック図である。
【図6】上記第2の実施形態に係るCNTヒータの発熱量の増加量がBTMヒータの発熱量の増加量の30%に設定される場合の各ゾーンの測定温度を示すグラフである。
【図7】上記第2の実施形態に係るCNTヒータの発熱量の増加量がBTMヒータの発熱量の増加量の25%に設定される場合の各ゾーンの測定温度を示すグラフである。
【符号の説明】
1  …炉
2  …ボート
3  …ウェーハ
4  …反応管
5  …ガス導入口
6  …ガス排出口
10 …下部蓋
20 …温度制御部
30 …シーケンス制御部
71 …TOPプロファイル
72 …CNTプロファイル
73 …BTMプロファイル
81 …TOPスパイク
82 …CNTスパイク
83 …BTMスパイク
91 …TOPヒータ
92 …CNTヒータ
93 …BTMヒータ
101 …トップ(TOP)ゾーン
102 …センタ(CNT)ゾーン
103 …ボトム(BTM)ゾーン
201 …トップゾーン用PID制御部
202 …センタゾーン用PID制御部
203 …ボトムゾーン用PID制御部
212 …センタゾーン用バイアス制御部
213 …ボトムゾーン用バイアス制御部
222,223 …加算器
PTC_TOP,PTC_CNT,PTC_BTM,
MTC_TOP,MTC_CNT,MTC_BTM …測定温度
St,Sc,Sb …制御信号
So …ボートイン開始信号
Ss …ボートイン終了信号

Claims (7)

  1. 内部に導入される対象物に加熱処理を行う熱処理装置であって、
    複数の加熱領域を有し、前記対象物が内部に導入される格納手段と、
    前記複数の加熱領域に対応して設けられ、前記対象物を所定の発熱量で加熱する複数の加熱手段と、
    前記複数の加熱領域に対応して設けられ、前記対象物付近の温度を検出する複数の温度検出手段と、
    前記複数の温度検出手段により検出された温度が所定の目標温度に合致するように対応する加熱手段の発熱量を制御するための出力操作量を算出し、算出された出力操作量に基づいて対応する加熱手段の発熱量を制御する温度制御手段と
    を備え、
    前記温度制御手段は、前記対象物が導入される際に最初に近づくべき加熱領域に対応する第1の加熱手段の発熱量を制御するための出力操作量を算出する際には、所定の目標温度に合致するように当該第1の加熱手段の発熱量を制御するための第1の操作量を算出した後、当該第1の操作量に対して所定の第1のバイアス操作量を加算することにより当該出力操作量を算出することを特徴とする、熱処理装置。
  2. 前記温度制御手段は、前記第1の加熱手段の発熱量を制御するための出力操作量を算出する際に、
    前記対象物が導入される時点までおよびその後の所定の時点より後では、対応する温度検出手段により検出された温度が所定の目標温度に合致するように当該第1の加熱手段の発熱量を制御するための出力操作量を算出し、
    前記対象物が導入される時点から前記所定の時点までは、当該第1の加熱手段の発熱量を制御するための第1の操作量を算出した後、当該第1の操作量に対して前記第1のバイアス操作量を加算することにより当該出力操作量を算出することを特徴とする、請求項1に記載の熱処理装置。
  3. 前記温度制御手段は、前記対象物が導入される際に最初に近づくべき加熱領域に隣接する加熱領域に対応する第2の加熱手段の発熱量を制御するための出力操作量を算出する際には、当該第2の加熱手段の発熱量を制御するための第2の操作量を算出した後、当該第2の操作量に対して所定の第2のバイアス操作量を加算することにより当該出力操作量を算出することを特徴とする、請求項1に記載の熱処理装置。
  4. 前記第2のバイアス操作量に対応する発熱量は、前記第1のバイアス操作量に対応する発熱量の略25%以下に設定されることを特徴とする、請求項3に記載の熱処理装置。
  5. 複数の加熱領域を有し、内部に導入される対象物に対して当該複数の加熱領域において加熱処理を行う熱処理装置の温度制御方法であって、
    前記複数の加熱領域の温度を検出する温度検出ステップと、
    前記複数の加熱領域毎に前記対象物を所定の発熱量で加熱する加熱ステップと、
    前記温度検出ステップにおいて検出された温度が所定の目標温度に合致するように前記加熱ステップにおける前記発熱量を制御するための出力操作量を算出し、算出された出力操作量に基づいて前記加熱領域に対応する発熱量を制御する温度制御ステップとを含み、
    前記温度制御ステップは、前記対象物が導入される際に最初に近づくべき加熱領域に対応する第1の発熱量を制御するための出力操作量を算出する際には、所定の目標温度に合致するように当該第1の発熱量を制御するための第1の操作量を算出した後、当該第1の操作量に対して所定の第1のバイアス操作量を加算することにより当該出力操作量を算出することを特徴とする、温度制御方法。
  6. 前記温度制御ステップは、前記第1の発熱量を制御するための出力操作量を算出する際に、
    前記対象物が導入される時点までおよびその後の所定の時点より後では、前記温度検出ステップにおいて検出された温度が所定の目標温度に合致するように当該第1の発熱量を制御するための出力操作量を算出し、
    前記対象物が導入される時点から前記所定の時点までは、当該第1の発熱量を制御するための出力操作量を算出した後、当該第1の操作量に対して前記第1のバイアス操作量を加算することにより当該出力操作量を算出することを特徴とする、請求項5に記載の温度制御方法。
  7. 前記温度検出ステップは、前記対象物が導入される際に最初に近づくべき加熱領域に隣接する加熱領域に対応する第2の発熱量を制御するための出力操作量を算出する際には、当該第2の発熱量を制御するための第2の操作量を算出した後、算出された第2の操作量に対して所定の第2のバイアス操作量を加算することにより当該出力操作量を算出することを特徴とする、請求項5に記載の温度制御方法。
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