JP2004006262A - プラズマ処理方法および装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】溝6および7からなる放電空間にプラズマ放電させ、この放電空間の開口部15に近接させた基板16に対して放電を行うプラズマ処理において、プラズマ処理用ガスとは別の充填用ガスを充填用ガス装置17より開口部15に向って供給し、意図しない部位でのプラズマを抑制することで精度のよいプラズマ処理を行うことができる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロマシンの製造など、微細パターンを形成するプラズマ処理装置及び方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
まず、従来例について図7を参照して説明する。図7において、第1電極101と第2電極102をそれぞれ対向して配置し、第1電極101および第2電極102間にプラズマを生成するための放電空間103を形成し、第1電極101に高周波電源104を接続して高周波電力を第1電極101に印加し、第2電極102を接地することで、第1および第2電極間にプラズマ放電を開始することができる。さらに図7において、第1電極101と第2電極102の間の放電空間103の一端にガス供給口105を設けガス配管106を用いてガス供給装置107と接続しガスを第1および第2電極間に流通させプラズマ放電を行うとともに、ガス供給口105と反対側の端面にプラズマ処理を行うための開口部108を設けることで、開口部108に近接させた基板109に対してエッチング、成膜、表面改質等の各種プラズマ処理を行うことができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図7に示した従来の方式では、電極と被処理物の間に異常放電が発生するという問題点があった。図7において、第1電極−第2電極間だけでなく、意図しない部位である第1電極−被処理物間および第2電極−被処理物間においてもプラズマが発生することがある。プラズマが発生する条件は、第1電極−第2電極間、または、第1電極−被処理物間および第2電極−被処理物間の距離とその間のガスの状態(ガス種、圧力、流速など)に左右され、プラズマを発生しやすいヘリウムガスを用いた場合、容易に第1電極−被処理物間および第2電極−被処理物間に放電が発生する。この意図しない部位での放電は、意図しない領域を処理することとなり、プラズマ処理精度悪化の原因となる。
【0004】
本発明は、上記の従来の問題点に鑑み、意図しない部位での放電を抑制することで、プラズマ処理を精度よく行うことができるプラズマ処理方法および装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本願第1発明のプラズマ処理方法は、容器内に第1および第2電極を対向させ、第1および第2電極間にプラズマを生成するための放電空間を形成し、放電空間にプラズマ処理用ガスを供給し、放電空間の圧力Pを100Pa乃至200kPaに保ち、第1および第2電極を結ぶ線分と放電空間の重なりで定義される放電空間の厚みDと放電空間の圧力Pとの積PDを、0.1(Pa・m)乃至120(Pa・m)に保ち、第1電極に高周波電力を印加することでプラズマを発生させ、放電空間に被処理物を近接させ処理を行うプラズマ処理方法であって、充填用ガスを容器内に導入することを特徴とする。
【0006】
本願第1発明のプラズマ処理方法において、好適には、充填用ガスの導入位置が、第1電極と被処理物間、または、第2電極と被処理物間であることが望ましい。
【0007】
また好適には、充填用ガスとして希ガス以外のガスを用いることが望ましく、パッシェンの法則における最小着火電圧が250V以上であるガス、または、窒素、6フッ化硫黄のいずれか、または、飽和または不飽和炭化水素ガス、または、少なくともひとつの酸素原子またはハロゲン原子を含むガスを用いてもよい。
【0008】
また好適には、プラズマ処理用ガスとして希ガスを用いることが望ましい。
【0009】
また、プラズマ処理用ガスとして、希ガスおよび反応性ガスの混合ガスを用いてもよく、さらに好適には、反応性ガスとして窒素、6フッ化硫黄のいずれか、または、飽和または不飽和炭化水素ガス、または、少なくともひとつの酸素原子またはハロゲン原子を含むガスを用いてもよい。
【0010】
本願第2発明のプラズマ処理装置は、容器と、容器を排気する排気装置と、高周波電源と、高周波電源に接続された第1電極と、第1電極に対向する第2電極と、第1および第2電極間にプラズマを生成するための空間であって第1および第2電極を結ぶ線分と空間の重なりで定義される空間の厚みDと空間の圧力Pとの積PDが0.1(Pa・m)乃至120(Pa・m)であるような放電空間と、放電空間にプラズマ処理用ガスを供給するプラズマ処理用ガス供給装置と、放電空間の圧力Pを100Pa乃至200kPaに制御可能な調圧装置とを備え、放電空間の近傍に設置された被処理物を処理するプラズマ処理装置であって、容器内に充填用ガスを供給する充填用ガス供給装置と、ガス吹き出し口に充填用ガスを供給する配管と、容器内に充填用ガスを吹き出すガス吹き出し口とを備えることを特徴とする。
【0011】
本願第2発明のプラズマ処理装置において、好適には、ガス吹き出し口が第1および第2電極近傍であることが望ましい。
【0012】
また好適には、ガス吹き出し口は被処理物と第1および第2電極の間に向いていることが望ましい。
【0013】
また好適には、ガス吹き出し口が放電空間よりも上方にあることが望ましい。
【0014】
本願第3発明のプラズマ処理方法は、容器内に電極および被処理物を対向させ、電極および被処理物間にプラズマを生成するための放電空間を形成し、放電空間にプラズマ処理用ガスを供給し、放電空間の圧力Pを100Pa乃至200kPaに保ち、電極および被処理物を結ぶ線分と放電空間の重なりで定義される放電空間の厚みDと放電空間の圧力Pとの積PDを、0.1(Pa・m)乃至120(Pa・m)に保ち、電極または被処理物に高周波電力を印加することでプラズマを発生させ、被処理物の処理を行うプラズマ処理方法であって、充填用ガスを容器内に導入することを特徴とする。
【0015】
本願第3発明のプラズマ処理方法において、好適には、充填用ガスの導入位置が、電極と被処理物間であることが望ましい。
【0016】
また好適には、充填用ガスとして希ガス以外のガスを用いることが望ましく、パッシェンの法則における最小着火電圧が250V以上であるガス、または、窒素、6フッ化硫黄のいずれか、または、飽和または不飽和炭化水素ガス、または、少なくともひとつの酸素原子またはハロゲン原子を含むガスを用いてもよい。
【0017】
また好適には、プラズマ処理用ガスとして希ガスを用いることが望ましい。
【0018】
また、プラズマ処理用ガスとして、希ガスおよび反応性ガスの混合ガスを用いてもよく、さらに好適には、反応性ガスとして窒素、6フッ化硫黄のいずれか、または、飽和または不飽和炭化水素ガス、または、少なくともひとつの酸素原子またはハロゲン原子を含むガスを用いてもよい。
【0019】
本願第4発明のプラズマ処理装置は、容器と、容器を排気する排気装置と、高周波電源と、電極と、被処理物および電極間にプラズマを生成するための空間であって被処理物および電極を結ぶ線分と空間の重なりで定義される空間の厚みDと空間の圧力Pとの積PDが0.1(Pa・m)乃至120(Pa・m)であるような放電空間と、放電空間にプラズマ処理用ガスを供給するプラズマ処理用ガス供給装置と、放電空間の圧力Pを100Pa乃至200kPaに制御可能な調圧装置とを備え、被処理物を処理するプラズマ処理装置であって、容器内に充填用ガスを供給する充填用ガス供給装置と、ガス吹き出し口に充填用ガスを供給する配管と、容器内に充填用ガスを吹き出すガス吹き出し口とを備えることを特徴とする。
【0020】
本願第4発明のプラズマ処理装置において、好適には、ガス吹き出し口が電極近傍であることが望ましい。
【0021】
また好適には、ガス吹き出し口は被処理物および電極の間に向いていることが望ましい。
【0022】
また好適には、ガス吹き出し口が放電空間よりも上方にあることが望ましい。
【0023】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、図1〜図4および表1を参照しながら、本願第1の実施形態に係る発明を説明する。
【0024】
図1において、(a)は装置の正面図、(b)は側面図、(c)は装置の主要部のみの平面図を示している。図1(a)において、容器1内に設置された第1電極2および第2電極3はそれぞれ一面を溶射によって酸化シリコンでコーティングされた厚さ1mmのコーティング層4およびコーティング層5によって覆われており、コーティング層4およびコーティング層5の表面にそれぞれ段差0.1mmの溝6および溝7が加工してある。さらに容器1には排気装置8が調圧装置9を介して接続されており、容器1内の圧力が調節可能となっている。コーティング層4とコーティング層5を対向するよう配置し、第1電極2に高周波電源10を整合回路11を介し接続して高周波電力を印加し、第2電極3を接地することで、溝6および溝7によって形成される放電空間にプラズマを発生させることができる。
【0025】
さらに、溝6および溝7からなる放電空間の一端にプラズマ処理用ガス供給口12を設けガス配管13を用いてプラズマ処理用ガス供給装置14と接続し、放電空間にプラズマ処理用ガスを流通させてプラズマ放電を行うとともに、プラズマ処理用ガス供給口12と反対側の端面にプラズマ処理を行うための開口部15を設けることで、開口部15に近接させた基板16に対してエッチング、成膜、表面改質等の各種プラズマ処理を行うことができる。このとき、充填用ガス供給装置17およびガス配管18を経て吹き出し口19から供給される充填用ガスを、基板16と、第1電極2および第2電極3の間隙に流通させることで、基板16と、第1電極2および第2電極3との間に発生する意図しない部位での放電を抑制することができる。
【0026】
表1には、図1に示した装置構成にて、高周波電力50W、プラズマ処理用ガスとしてヘリウムガスおよび酸素ガスの混合ガスを溝に流通させ、溝幅(狙い寸法)1mmにてプラズマを発生させ、第1および第2電極表面より2mm上方に配置した有機膜をエッチングした場合の、加工寸法の狙い寸法からの偏差を示している。ここに加工寸法は、図2に示すように、エッチングされた有機膜の凹み型断面形状において、最小値を0とした場合、(最大値−最小値)×0.8となる高さでの凹み部の幅である。また、処理圧力は80kPaである。表1の(A)は充填用ガスとして窒素ガスを吹き出し口より供給した場合、(B)は充填用ガスを供給しなかった場合である。ここで、(A)では充填ガス供給口を第1および第2電極表面より10mm上方に設置してある。
【0027】
【表1】
【0028】
表1からわかる通り、(A)ではほぼ狙いどおりの寸法が得られているのに対し、(B)では狙い寸法よりもかなり広がっている。表1(A)および(B)についてのそれぞれの処理後の被処理物表面の状態と処理中のプラズマ領域について図3に示す。図3において、(A)では、意図した部位である第1電極−第2電極間のみでのプラズマ放電でありほぼ狙い寸法に近い幅にて処理が行えたが、(B)においては処理中第1電極−被処理物間および第2電極−被処理物間においてもプラズマが発生し、意図した部位以外のプラズマ処理が行われたことを示している。以上のことから、充填用ガスにより意図した部位以外でのプラズマ放電が抑制できることがわかる。
【0029】
表2は、表1に示したものと同様の条件において、プラズマ処理用ガスおよび充填用ガスとしてそれぞれさまざまなガスを流通させた場合の、被処理領域の狙い寸法からの偏差を示している。表2から、ヘリウムとアルゴンをプラズマ処理用ガスとして用いた場合では、充填用ガスとして、同じくヘリウムとアルゴンを用いた場合を除き、第1および第2電極−被処理物間での放電が抑制されている。ヘリウムとアルゴンを充填用ガスとして用いた場合では、第1および第2電極と基板間にて放電が発生しているが、希ガス類はプラズマを容易に発生させるため、充填用ガスとしては不適当である。この傾向は圧力を低下させた場合についても同様で、100Paにおいてまで第1および第2電極−被処理物間での放電が抑制された。
【0030】
【表2】
【0031】
プラズマ放電を開始させるためには、圧力および第1および第2電極間のギャップに対応した所定の電圧が必要となり、これはパッシェンの法則として知られている。パッシェンの法則によれば、放電空間の圧力Pと、放電空間の厚みDに対してその積PDが規定され、積PDに対応した最小着火電圧Vs以上の電圧を対向する第1および第2電極間に印加することでプラズマを発生することができる。対向する第1および第2電極間に過度に高い電圧を印加すると、アーク放電に移行し、電極を損傷する等の危険な状態となる。
【0032】
本実施形態では、安全のため、対向する第1および第2電極間に印加する電圧を1kVと規定し、空気に対して積PDとしてはおよそ0.1(Pa・m)から120(Pa・m)の範囲において着火電圧Vsが1kV以下を満たしていた。このため、積PDとしては0.1(Pa・m)から120(Pa・m)であるような条件下で処理をする必要がある。
【0033】
また、本実施形態において、プラズマ処理を行う容器内にはさまざまな放電領域が存在し、さらに圧力にも場所によって差が存在すると考えられるため、プラズマ処理を行う容器内の意図した領域以外での放電抑制のためのガス種を選定する際には、パッシェンの法則における積PDを特定の値に固定しそのときのVsを比較するということが困難となる。
【0034】
そこで、意図した領域以外での放電抑制のためのガス種の選定のためには、それぞれのガスにおける最小着火電圧Vsminを基準に判断するのが適当であると考えられる。表3にパッシェンの法則における最小着火電圧を各ガスについて示す。これによれば、充填用ガスとして不適当な希ガスはVsminが250V未満であり、Vsminが250V以上のガスを充填用ガスとして使用することが適当であると考えられる。
【0035】
【表3】
【0036】
以上に述べた本実施形態においては、プラズマ処理用のガスのうち反応性ガスとしては酸素原子またはハロゲン元素を含むガス、たとえば酸素やフルオロカーボンなどを用いるとエッチングなどのプラズマ処理が可能であり、メタンやプロパンなどの飽和炭化水素や不飽和炭化水素、または窒素を用いることで成膜や表面処理などのプラズマ処理が可能である。
【0037】
また、充填用ガスとしては、上記に述べた窒素や、6フッ化硫黄のようにプラズマを抑制するようなガスを用いてもよいが、上記反応性ガスにあげた種類のものはプラズマ近傍に存在すればプラズマ処理用ガスと同様の効果が得られ、なおかつ、意図しない部位でのプラズマを抑制するため、充填用ガスとして用いることができる。
【0038】
(第2の実施形態)
次に、本願第2の実施形態に係る発明を、図4、図5、表4および表5を参照しながら説明する。
【0039】
図4は第1の実施形態における図1(b)と同様の装置断面図であるが、吹き出し口19の位置を可変としている。表4に、表1の(A)と同じ条件のものに対して、吹き出し口19の位置のみを変えて実験を行った場合の結果を示す。表4(A)は表1(A)と同じく第1および第2電極表面から10mmの上方に吹き出し口19を設置したもの、(C)では50mm上方に設置し、(D)では10mm下方に設置し、実験を行ったものである。表2から、吹き出し口を第1および第2電極表面より上方に設置した(A)および(C)においては意図しない部位での放電が抑制されているのに対し、(D)においては抑制されていない。(D)においては、意図しない部位でのプラズマを引き起こす希ガスであるヘリウムの比重が窒素ガスの比重よりも軽いため、充填用ガスである窒素を第1および第2電極表面に導入しても下方に拡散し、ヘリウムガスの濃度の高い領域を被処理物周辺に生成し、結果として、被処理物−第1および第2電極間のプラズマ放電を抑制する効果が薄かったと考えられる。
【0040】
さらに、表4における3分間の実験を連続的に100回繰り返した場合の100回目の結果を表5に示す。ここで、表5(A)´、(C)´、(D)´は表4(A)、(C)、(D)にそれぞれ対応している。表5(C)´では、表4(C)の「50mm上方に充填用ガスを設置した場合」において意図した部位での放電のみが確認されていた1回目の実験に対し、100回目では意図した部位以外でのプラズマが発生していることを示す。図5に表5(A)´と(C)´における被処理物、第1および第2電極、吹き出し口のそれぞれの位置関係と、ガス流れの関係を示す。
【0041】
【表4】
【0042】
意図しない部位でのプラズマが表4(C)では発生しなかったのに対し、表5(C)´に発生した原因としては、繰り返し実験を行うことで、容器内全体でのヘリウムガスの濃度が上がり、意図しない部位でのプラズマが起こりやすくなったことが考えられる。
【0043】
【表5】
【0044】
さらに、(A)´では充填用ガスが被処理物−第1および第2電極間に全量近く供給されたのに対し、(C)´では、被処理物−第1および第2電極間への充填用ガスの供給量が少なく、被処理物−第1および第2電極間のプラズマを抑制する効果が薄かったため意図しない部位でのプラズマが発生したと考えられる。以上のことから、吹き出し口は被処理物−第1および第2電極間に供給することが意図しない部位での放電抑制に効果があることがわかる。
【0045】
以上のべた本実施形態において、吹き出し口が、被処理物を含む平面に平行な方向である場合について述べているが、充填用ガスは被処理物と第1および第2電極の間隙に供給されればよく、図1のごとく斜め方向に向いていてもよい。
【0046】
(第3の実施形態)
次に、本願第3の実施形態に係る発明を、図6、表6を参照しながら説明する。
【0047】
図6は第1の実施形態における図1(a)と同様の装置断面図であるが、電極を1つとし、電極に高周波を印加し、被処理物を接地している。表6に、表1の(A)と同じ条件のものに対して、電極および高周波を被処理物に印加した実験を行った場合の結果を示す。表6(A)は表1(A)と同じく2つの電極を対向させ第1電極に高周波を印加したもの、(E)では電極に高周波を印加し、被処理物を接地し実験を行ったものである。表6から、電極を1つとし、高周波を被処理物に印加しても同等の効果が得られることがわかる。
【0048】
【表6】
【0049】
なお、本実施形態では、高周波電力は電極に印加した場合のみを示したが、被処理物に印加しても本質的には放電領域の生成位置が変化しないため、同様の効果が得られることはいうまでもない。
【0050】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本願第1発明のプラズマ処理方法によれば、容器内に第1および第2電極を対向させ、第1および第2電極間にプラズマを生成するための放電空間を形成し、放電空間にプラズマ処理用ガスを供給し、放電空間の圧力Pを100Pa乃至200kPaに保ち、第1および第2電極を結ぶ線分と放電空間の重なりで定義される放電空間の厚みDと放電空間の圧力Pとの積PDを、0.1(Pa・m)乃至120(Pa・m)に保ち、第1電極に高周波電力を印加することでプラズマを発生させ、充填用ガスを容器内に導入し、放電空間に被処理物を近接させ処理を行うプラズマ処理方法であって、意図しない部位での放電を抑制することで、プラズマ処理を精度よく行うことができるプラズマ処理方法を提供することができる。
【0051】
また、本願第2発明のプラズマ処理装置によれば、容器と、容器を排気する排気装置と、高周波電源と、高周波電源に接続された第1電極と、第1電極に対向する第2電極と、第1および第2電極間にプラズマを生成するための空間であって第1および第2電極を結ぶ線分と空間の重なりで定義される空間の厚みDと空間の圧力Pとの積PDが0.1(Pa・m)乃至120(Pa・m)であるような放電空間と、放電空間にプラズマ処理用ガスを供給するプラズマ処理用ガス供給装置と、放電空間の圧力Pを100Pa乃至200kPaに制御可能な調圧装置と、容器内に充填用ガスを供給する充填用ガス供給装置と、ガス吹き出し口に充填用ガスを供給する配管と、容器内に充填用ガスを吹き出すガス吹き出し口とを備え、放電空間の近傍に設置された被処理物を処理するプラズマ処理装置であって、意図しない部位での放電を抑制し、プラズマ処理を精度よく行うことができるプラズマ処理装置を提供することができる。
【0052】
また、本願第3発明のプラズマ処理方法によれば、容器内に電極および被処理物を対向させ、電極および被処理物間にプラズマを生成するための放電空間を形成し、放電空間にプラズマ処理用ガスを供給し、放電空間の圧力Pを100Pa乃至200kPaに保ち、電極および被処理物を結ぶ線分と放電空間の重なりで定義される放電空間の厚みDと放電空間の圧力Pとの積PDを、0.1(Pa・m)乃至120(Pa・m)に保ち、電極または被処理物に高周波電力を印加することでプラズマを発生させ、充填用ガスを容器内に導入し、被処理物の処理を行うプラズマ処理方法であって、意図しない部位での放電を抑制することで、プラズマ処理を精度よく行うことができるプラズマ処理方法を提供することができる。
【0053】
また、本願第4発明のプラズマ処理装置によれば、容器と、容器を排気する排気装置と、高周波電源と、電極と、被処理物および電極間にプラズマを生成するための空間であって被処理物および電極を結ぶ線分と空間の重なりで定義される空間の厚みDと空間の圧力Pとの積PDが0.1(Pa・m)乃至120(Pa・m)であるような放電空間と、放電空間にプラズマ処理用ガスを供給するプラズマ処理用ガス供給装置と、放電空間の圧力Pを100Pa乃至200kPaに制御可能な調圧装置と、容器内に充填用ガスを供給する充填用ガス供給装置と、ガス吹き出し口に充填用ガスを供給する配管と、容器内に充填用ガスを吹き出すガス吹き出し口とを備え、意図しない部位での放電を抑制し、プラズマ処理を精度よく行うことができるプラズマ処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態で用いたプラズマ処理装置の構成を示す図
【図2】本発明の第1実施形態で用いた狙い寸法からの加工寸法の偏差の定義を示す図
【図3】本発明の第1実施形態で用いたプラズマ領域と処理後の被処理物を示す図
【図4】本発明の第2実施形態で用いたプラズマ処理装置の構成を示す断面図
【図5】本発明の第2実施形態で用いたガス供給口の位置による充填用ガスの流れの違いを示す図
【図6】本発明の第3実施形態で用いたプラズマ処理装置の構成を示す図
【図7】従来例の説明で用いたプラズマ処理装置の構成を示す断面図
【符号の説明】
1 容器
2 第1電極(電極)
3 第2電極
4 コーティング層
5 コーティング層
6 溝
7 溝
8 排気装置
9 調圧装置
10 高周波電源
11 整合回路
12 プラズマ処理用ガス供給口
13 ガス配管
14 プラズマ処理用ガス供給装置
15 開口部
16 基板
17 充填用ガス供給装置
18 配管
19 吹き出し口
Claims (32)
- 容器内に第1および第2電極を対向させ、第1および第2電極間にプラズマを生成するための放電空間を形成し、放電空間にプラズマ処理用ガスを供給し、放電空間の圧力Pを100Pa乃至200kPaに保ち、第1および第2電極を結ぶ線分と放電空間の重なりで定義される放電空間の厚みDと放電空間の圧力Pとの積PDを、0.1(Pa・m)乃至120(Pa・m)に保ち、第1電極に高周波電力を印加することでプラズマを発生させ、放電空間に被処理物を近接させ処理を行うプラズマ処理方法であって、充填用ガスを容器内に導入することを特徴とするプラズマ処理方法。
- 充填用ガスの導入位置が、第1電極と被処理物間、または、第2電極と被処理物間であることを特徴とする請求項1記載のプラズマ処理方法。
- 充填用ガスとして希ガス以外のガスを用いることを特徴とする請求項1記載のプラズマ処理方法。
- 充填用ガスとして、パッシェンの法則における最小着火電圧が250V以上であるガスを用いることを特徴とする請求項2記載のプラズマ処理方法。
- 充填用ガスとして窒素、6フッ化硫黄のいずれかを用いることを特徴とする請求項2記載のプラズマ処理方法。
- 充填用ガスとして飽和または不飽和炭化水素ガスを用いることを特徴とする請求項2記載のプラズマ処理方法。
- 充填用ガスとして少なくともひとつの酸素原子またはハロゲン原子を含むガスを用いることを特徴とする請求項2記載のプラズマ処理方法。
- プラズマ処理用ガスとして希ガスを用いることを特徴とする請求項1記載のプラズマ処理方法。
- プラズマ処理用ガスとして、希ガスおよび反応性ガスの混合ガスを用いることを特徴とする請求項1記載のプラズマ処理方法。
- 反応性ガスとして窒素、6フッ化硫黄のいずれかを用いることを特徴とする請求項9記載のプラズマ処理方法。
- 反応性ガスとして飽和または不飽和炭化水素ガスを用いることを特徴とする請求項9記載のプラズマ処理方法。
- 反応性ガスとして少なくともひとつの酸素原子またはハロゲン原子を含むガスを用いることを特徴とする請求項9記載のプラズマ処理方法。
- 容器と、容器を排気する排気装置と、高周波電源と、高周波電源に接続された第1電極と、第1電極に対向する第2電極と、第1および第2電極間にプラズマを生成するための空間であって第1および第2電極を結ぶ線分と空間の重なりで定義される空間の厚みDと空間の圧力Pとの積PDが0.1(Pa・m)乃至120(Pa・m)であるような放電空間と、放電空間にプラズマ処理用ガスを供給するプラズマ処理用ガス供給装置と、放電空間の圧力Pを100Pa乃至200kPaに制御可能な調圧装置とを備え、放電空間の近傍に設置された被処理物を処理するプラズマ処理装置であって、
容器内に充填用ガスを供給する充填用ガス供給装置と、ガス吹き出し口に充填用ガスを供給する配管と、容器内に充填用ガスを吹き出すガス吹き出し口とを備えること
を特徴とするプラズマ処理装置。 - ガス吹き出し口が第1および第2電極近傍であることを特徴とする請求項13記載のプラズマ処理装置。
- ガス吹き出し口は被処理物と第1および第2電極の間に向いていることを特徴とする請求項13記載のプラズマ処理装置。
- ガス吹き出し口が放電空間よりも上方にあることを特徴とする請求項13記載のプラズマ処理装置。
- 容器内に電極および被処理物を対向させ、電極および被処理物間にプラズマを生成するための放電空間を形成し、放電空間にプラズマ処理用ガスを供給し、放電空間の圧力Pを100Pa乃至200kPaに保ち、電極および被処理物を結ぶ線分と放電空間の重なりで定義される放電空間の厚みDと放電空間の圧力Pとの積PDを、0.1(Pa・m)乃至120(Pa・m)に保ち、電極または被処理物に高周波電力を印加することでプラズマを発生させ、被処理物の処理を行うプラズマ処理方法であって、充填用ガスを容器内に導入することを特徴とするプラズマ処理方法。
- 充填用ガスの導入位置が、電極と被処理物間であることを特徴とする請求項17記載のプラズマ処理方法。
- 充填用ガスとして希ガス以外のガスを用いることを特徴とする請求項17記載のプラズマ処理方法。
- 充填用ガスとして、パッシェンの法則における最小着火電圧が250V以上であるガスを用いることを特徴とする請求項18記載のプラズマ処理方法。
- 充填用ガスとして窒素、6フッ化硫黄のいずれかを用いることを特徴とする請求項18記載のプラズマ処理方法。
- 充填用ガスとして飽和または不飽和炭化水素ガスを用いることを特徴とする請求項18記載のプラズマ処理方法。
- 充填用ガスとして少なくともひとつの酸素原子またはハロゲン原子を含むガスを用いることを特徴とする請求項18記載のプラズマ処理方法。
- プラズマ処理用ガスとして希ガスを用いることを特徴とする請求項17記載のプラズマ処理方法。
- プラズマ処理用ガスとして、希ガスおよび反応性ガスの混合ガスを用いることを特徴とする請求項17記載のプラズマ処理方法。
- 反応性ガスとして窒素、6フッ化硫黄のいずれかを用いることを特徴とする請求項25記載のプラズマ処理方法。
- 反応性ガスとして飽和または不飽和炭化水素ガスを用いることを特徴とする請求項25記載のプラズマ処理方法。
- 反応性ガスとして少なくともひとつの酸素原子またはハロゲン原子を含むガスを用いることを特徴とする請求項25記載のプラズマ処理方法。
- 容器と、容器を排気する排気装置と、高周波電源と、電極と、被処理物および電極間にプラズマを生成するための空間であって被処理物および電極を結ぶ線分と空間の重なりで定義される空間の厚みDと空間の圧力Pとの積PDが0.1(Pa・m)乃至120(Pa・m)であるような放電空間と、放電空間にプラズマ処理用ガスを供給するプラズマ処理用ガス供給装置と、放電空間の圧力Pを100Pa乃至200kPaに制御可能な調圧装置とを備え、被処理物を処理するプラズマ処理装置であって、容器内に充填用ガスを供給する充填用ガス供給装置と、ガス吹き出し口に充填用ガスを供給する配管と、容器内に充填用ガスを吹き出すガス吹き出し口とを備えることを特徴とするプラズマ処理装置。
- ガス吹き出し口が被処理物および電極近傍であることを特徴とする請求項29記載のプラズマ処理装置。
- ガス吹き出し口は被処理物および電極間に向いていることを特徴とする請求項29記載のプラズマ処理装置。
- ガス吹き出し口が放電空間よりも上方にあることを特徴とする請求項29記載のプラズマ処理装置。
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2003
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