JP2004006071A - コネクタ - Google Patents

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Yukinori Saka
阪 幸則
Tokuji Yamaoka
山岡 篤司
Koji Okuya
奥谷 幸治
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Sumitomo Wiring Systems Ltd
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Abstract

【課題】離脱作業性を向上させる。
【解決手段】嵌合過程では、撓み変形したロックアーム27の前進規制部29aによりスライダ50が撓み許容位置から前進規制された後、ばね押さえ41がフード部11の前端面10aに押圧されることで圧縮コイルばね40が弾縮される。嵌合作業を中断すると、圧縮コイルばね40が解放されて両ハウジング10,20が離脱される。正規嵌合に達すると、ロックアーム27が復帰してロック突部13に係止するとともに、前進規制部29aがスライダ50から解離することで圧縮コイルばね40が解放されてスライダ50が撓み規制位置へ前進する。離脱時には、スライダ50を撓み許容位置まで後退させつつ押圧操作片部57を操作してロックアーム27を撓ませてロック突部13との係止状態を解除する。その後雌ハウジング20を雄ハウジング10から相対的に後方へ移動させて引き離す。
【選択図】 図14

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半嵌合防止機能を備えたコネクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車のエアバッグ回路に使用されるコネクタとして、嵌合作業時に半嵌合状態のまま放置されるのを防止する機能を備えたものが知られている。このものは、図21及び図22に示すように、雄雌両ハウジング1,2が嵌合されるのに伴って、雄ハウジング1のロックアーム3が雌ハウジング2のロック部4に乗り上げつつ弾性変形されるとともに、撓んだロックアーム3によって雄ハウジング1に組み付けられたスライダ5が後退不能に保持され、そのスライダ5内に配されたばね6が雌ハウジング2のリブ7によって弾縮されることで、ばね6には両ハウジング1,2を離間させる付勢力が蓄積される。半嵌合状態で嵌合作業を中断すると、ばね6に蓄積された付勢力が解放されることで、両ハウジング1,2が強制的に離間され、もって両ハウジング1,2が半嵌合状態のまま放置されることが防がれる。
【0003】
両ハウジング1,2が正規嵌合に達すると、ロックアーム3が復帰してロック部4に係止する。このロックアーム3の復帰動作に伴ってロックアーム3がスライダ5から解離するので、ばね6の付勢力が解放されてスライダ5が後退移動する。このとき、スライダ5の規制部8がロックアーム3の上方の撓み空間内に進入することで、その撓み変形を規制する。これにより両ハウジング1,2を正規嵌合した状態に強固に保持することができ、もってエアバッグ回路の接続信頼性の向上が図られている。
一方、メンテナンスなどの事情により両ハウジング1,2を離脱する際には、スライダ5を前進移動させて規制部8をロックアーム3の前方へ退避させてから、ロックアーム3をロック部4から解離させつつ撓み変形させて、雄ハウジング1を後方へ引っ張るようにしている。
なお、上記のようなコネクタの一例が特開2000−331745公報に記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、両ハウジング1,2を離脱する際には、スライダ5を前方へ押し込む作業と、雄ハウジング1を後方へ引っ張る作業とを連続して行うのであるが、両者1,5の操作方向が全くの逆方向になるため、作業性が芳しくなかった。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、離脱作業性を向上させることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、一方のコネクタハウジングと、一方のコネクタハウジングを嵌合可能な他方のコネクタハウジングと、一方のコネクタハウジングに設けられたロック部と、他方のコネクタハウジングに設けられるとともに、両コネクタハウジングが嵌合される過程では前記ロック部に乗り上げつつ撓み変形され、正規嵌合に達すると復帰してロック部に係止されるロックアームと、他方のコネクタハウジングに組み付けられるとともに、前記ロックアームの撓み空間内に進入してその撓み変形を規制する撓み規制位置と、前記撓み空間から後退してロックアームの撓み変形を許容する撓み許容位置との間を前記両コネクタハウジングの嵌合方向に沿って前後に移動可能とされるスライダと、両端を前方へ向けるよう湾曲した姿勢とされるとともに、一端側が前記スライダに設けられた受け部によって受けられるのに対し、他端側が嵌合時に前記一方のコネクタハウジングに設けられた押圧部によって押圧可能とされる付勢部材とを備え、前記スライダを前記撓み許容位置に組み付けた状態で両コネクタハウジングが嵌合されるのに伴い、前記ロック部に乗り上げて撓み変形した前記ロックアームがスライダに係止することでスライダが撓み許容位置から撓み規制位置側へ前進移動するのが規制されるとともに、前記付勢部材がその他端側を前記押圧部によって押圧されることで受け部との間で両コネクタハウジングを離間させるような付勢力を蓄積しつつ弾縮され、前記両コネクタハウジングが正規嵌合されるのに伴って、前記ロックアームが復帰して前記ロック部に係止するとともに前記スライダに対するロックアームの係止状態が解除されることで、前記付勢部材に蓄積された付勢力が解放されてスライダが撓み規制位置へと前進移動され、前記両コネクタハウジングを離脱する際には、前記スライダを前記撓み規制位置から前記撓み許容位置へと後退移動させるとともに前記ロックアームを撓み変形させつつ前記一方のコネクタハウジングから前記他方のコネクタハウジングを相対的に後方へ引っ張るようにしたところに特徴を有する。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記スライダには、前記他方のコネクタハウジングに設けられた保持部に対して弾性的に係止することでスライダが前記撓み許容位置から前進移動するのを規制可能な保持アームが設けられ、この保持アームと保持部との少なくともいずれか一方には、前記スライダに対して前進移動させるような所定以上の力が作用したときに保持アームを保持部から解離させつつ撓み変形させるよう案内可能な案内面が設けられているところに特徴を有する。
【0007】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載のものにおいて、前記スライダには、前記撓み許容位置において前記ロックアームを押圧して強制的に撓み変形させるための押圧操作部が設けられているところに特徴を有する。
請求項4の発明は、請求項1または請求項2に記載のものにおいて、前記ロックアームには、前記両コネクタハウジングを離脱する際に前記撓み許容位置側へ移動する前記スライダによって押圧されることで、ロックアームを撓み変形させて前記ロック部との係止状態を解除するよう案内可能な解除案内部が設けられているところに特徴を有する。
【0008】
【発明の作用及び効果】
<請求項1の発明>
両コネクタハウジングを嵌合すると、ロックアームがロック部に乗り上げつつ撓み変形されるとともに、スライダに係止することでスライダが撓み許容位置から撓み規制位置側へ前進移動するのが規制される。この状態で一方のコネクタハウジングの押圧部により付勢部材の他端側が押圧されることで付勢部材は、押圧部と受け部との間で弾縮されて両コネクタハウジングを離間させるような付勢力を蓄積する。ここで、嵌合途中の段階で嵌合作業を中断した場合には、付勢部材に蓄積された付勢力が解放されることで、両コネクタハウジングが強制的に離間されるので、両コネクタハウジングが半嵌合状態のまま放置されることが防止される。両コネクタハウジングが正規嵌合に達すると、ロックアームが復帰してロック部に係止するとともに、スライダに対するロックアームの係止状態が解除されることで、それまでに付勢部材に蓄積された付勢力が解放されて、スライダが撓み規制位置へと前進移動される。このとき撓み規制位置に配されたスライダによりロックアームの撓み変形が規制されるから、両コネクタハウジングを正規嵌合状態に強固に保持することができる。
一方、両コネクタハウジングを正規嵌合状態から離脱するには、スライダを撓み規制位置から撓み許容位置へと後退移動させてから、ロックアームを撓み変形させてロック部との係止状態を解除しつつ一方のコネクタハウジングから他方のコネクタハウジングを相対的に後方へ引っ張ることで、両コネクタハウジングを引き離すようにする。
このように、付勢部材をその両端が前方を向くように湾曲した姿勢としたから、正規嵌合時に解放される付勢部材の付勢力によってスライダを前進移動させることができる。従って、両コネクタハウジングを離脱する際におけるスライダの操作方向を他方のコネクタハウジングの離脱方向と同方向とすることができ、もって離脱作業性が良好となる。
【0009】
<請求項2の発明>
両コネクタハウジングを嵌合するまでの間、スライダを撓み許容位置に保持することができる。つまりスライダを撓み許容位置に位置決めした状態で嵌合作業を行うことができるから、作業性が良好となる。そして、嵌合時に付勢部材の付勢力がスライダを前進移動させるよう作用すると、案内面によって保持アームが保持部から解離しつつ撓み変形するよう案内されて自動的にその係止状態が解除され、もってスライダが撓み規制位置へと前進移動される。このように保持アームと保持部とをいわゆるセミロック構造としたから、例えば保持アームを撓み変形させる作業を別途に行う場合と比較して作業性が良好となる。
【0010】
<請求項3の発明>
両コネクタハウジングを離脱させる際、スライダを撓み規制位置から撓み許容位置まで後退させつつ押圧操作部を操作することにより、ロックアームを押圧して強制的に撓み変形させることができる。つまり、スライダを後退させる操作に連続して押圧操作部を操作してロックアームを撓み変形させることができるから、例えばスライダを後退させた後に改めてロックアームを押圧操作する必要があるものと比較して作業性が良好となる。
<請求項4の発明>
両コネクタハウジングを離脱する際に、スライダを撓み規制位置から撓み許容位置側へ移動させると、スライダが解除案内部を押圧することでロックアームが撓み変形されて、ロック部との係止状態が解除される。スライダを後退させる操作を行うことで、ロックアームを自動的に撓み変形させることができるから、例えばロックアームを撓み変形させる操作を別途に行う必要があるものと比較して、離脱作業性を向上させることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態を図1ないし図15によって説明する。本実施形態では、自動車のエアバッグ回路に使用されるコネクタを例示する。このものは、機器に直結された雄コネクタハウジング10(以下、単に雄ハウジング10という)と、図示しない電線の端末側に設けられた雌コネクタハウジング20(以下、単に雌ハウジング20という)とを互いに嵌合可能に備え、このうち雌ハウジング20には、ロックアーム27が設けられるとともに、スライダ50と圧縮コイルばね40とばね押さえ41とが装着されている。なお以下では、両ハウジング10,20における嵌合面側を前方とし、上下方向については図1や図11などを基準とする。
【0012】
雄ハウジング10は、合成樹脂製とされ、図11に示すように、前方へ突出する略筒状のフード部11を備えている。雄ハウジング10の奥壁面からは、タブ状をなす雄端子12が4本突設され、その周囲がフード部11によって取り囲まれている。フード部11の上面幅方向略中央には、ロック突部13が上方に突出して設けられている。ロック突部13の前端面は、ロックアーム27が乗り上げ易くなるよう後方に向かって上り勾配をなすテーパ状に形成されている。
【0013】
雌ハウジング20は、合成樹脂製とされ、図1及び図5に示すように、電線に接続された雌端子金具(図示せず)を収容可能な端子収容部21を備え、この端子収容部21のうち前半部の周囲には、前方から雄ハウジング10のフード部11が嵌合可能とされる略長円環状の嵌合溝部22が所定深さ形成されている。嵌合溝部22の周囲には、後に詳しく説明するように上壁部30及び下壁部33(ストッパ壁部34)や雌ハウジング20に組み付けられるスライダ50の両側部53,54が取り囲むようにして配される(図7)。
【0014】
端子収容部21内には、図4及び図5に示すように、後方から雌端子金具を挿入可能なキャビティ23が4室幅方向に並んで形成されている。端子収容部21には、各キャビティ23内に進入することで各雌端子金具に係止して抜け止め保持可能なリテーナ24が側方から装着されている。端子収容部21の外周面には、嵌合溝部22内に嵌合されるフード部11の内周面との間で狭圧されることで両ハウジング10,20間の防水を図るためのシールリング25が嵌着されており、その前方に配されたリテーナ24によってシールリング25の抜け止めが図られている。
【0015】
端子収容部21の上面幅方向略中央には、図1及び図5に示すように、支持部26が突設されるとともにこの支持部26からロックアーム27が前後に延出して設けられている。このロックアーム27は、支持部26を支点として上下にシーソー状に撓み変形可能とされており、撓み変形時にはロックアーム27のうち支持部26よりも前側の前部が上方へ、後部が下方へ変位されるようになっている(図12(A))。このロックアーム27の前部の上方の空間が撓み空間Sとなっており、また後部の下方の空間も同様の撓み空間となっている。ロックアーム27の下面には、後方へ開口する溝部28が設けられており、この溝部28の前端面28aがロック突部13に対して係止可能となっている。溝部28の前端面28aは、後方へ向かって下り勾配をなす逆テーパ状に形成されている。ロックアーム27の前端部における幅方向略中央には、前方及び上方へ突出する突出部29が設けられている。この突出部29は、嵌合過程でロックアーム27における他の部分に先行してロック突部13に対して乗り上げ可能となっている。突出部29のうち上方に突出した部分の後端面は、スライダ50の前端面に対して係止することでスライダ50が前進移動するのを規制可能な前進規制部29aとされている(図12(A))。また上記した上壁部30は、端子収容部21の上面のうちロックアーム27から所定幅空けた両側方に一対配設されている。
【0016】
端子収容部21の両側面のうち、嵌合溝部22よりも後方部分は、上下に真っ直ぐな面として形成されている。この端子収容部21の両側面後端部からは、図2及び図3に示すように、嵌合作業時に押し込み操作が可能な押込操作部31が上方、側方及び後方へ突出して一対設けられている。押込操作部31の外側面は、前方へ行くに連れて側方に張り出す階段状に形成されることで後方から押圧し易くなっている。押込操作部31からは、端子収容部21との間に所定間隔空けて側壁部32が前方へ突出して設けられている。この側壁部32は、端子収容部21の半分程度の長さを有している。
【0017】
両押込操作部31の下端部には、図1及び図2に示すように、両側縁が側壁部32に沿って起立した下壁部33が架け渡すようにして設けられている。この下壁部33のうち両側端部33aが、その前面を側壁部32とほぼ揃えているのに対し、端子収容部21に対応する部分がその前面を端子収容部21とほぼ揃える長さに形成されている。この下壁部33の両側端部33aの前面には、スライダ50が係止することでスライダ50を後止め可能となっている(図11(B))。下壁部33のうち、端子収容部21に対応した部分は、中央部分を除いた両側前部が内側に張り出しており、ここがばね押さえ41を前止まりするストッパ壁部34となっている。なおストッパ壁部34のすぐ内側が上記した嵌合溝部22とされている。端子収容部21の下面幅方向略中央には、嵌合溝部22の一部をなすとともにフード部11の前端部を嵌合可能な嵌合部35が突設され、この嵌合部35は、下壁部33との間にばね押さえ41のガイド部43の進入を許容する間隔を空けて配設されている(図11(A))。
【0018】
側壁部32と端子収容部21と押込操作部31と下壁部33の側端部33aとによって囲まれた空間は、図3及び図6に示すように、前方から圧縮コイルばね40を収容可能なばね収容空間36となっていて、雌ハウジング20における両端に一対配されている。圧縮コイルばね40は、両端を前方へ向けて略U字型に湾曲した姿勢で上記ばね収容空間36内に収容されるようになっており、上側端部40aがスライダ50により保持されるのに対し、下側端部40bがばね押さえ41によって保持されるようになっている。またばね収容空間36を構成する押込操作部31の前面は、圧縮コイルばね40に沿って湾曲した曲面31aとされている。
【0019】
下壁部33と端子収容部21と押込操作部31とによって囲まれた空間は、図4に示すように、後方へ開口する角孔状をなしており、ここが後方からばね押さえ41を挿入可能なばね押さえ収容空間37となっている。ばね押さえ41は、幅方向に沿って細長い板状に形成されるとともにその両側端部後面からは、圧縮コイルばね40の下側端部40bに嵌入可能な略円錐状をなすばね保持部42が一対突設されている。ばね押さえ41のうち幅方向中央部分は、高さ寸法が低く、且つ後方へ延出するガイド部43となっており、このガイド部43が下壁部33の上面及び嵌合部35の下面に摺接されることで、ばね押さえ41の雌ハウジング20に対する移動動作が案内可能となっている。ばね押さえ41のうちガイド部43を挟んだ両側部分は、図7及び図11(A)に示すように、雌ハウジング20に組み付けた状態で嵌合溝部22内に進入するような高さ寸法を有しており、この進入部分(上端部)が両ハウジング10,20の嵌合時に雄ハウジング10のフード部11の前端面10aによって押圧可能な被押圧部44となっている。このばね押さえ41は、前面がストッパ壁部34に当接または近接した初期位置(図11)と、初期位置よりも所定距離後退した押込位置(図13)との間を嵌合方向に沿って前後に移動可能となっている。
【0020】
スライダ50は、図1及び図5に示すように、全体が略長方形の枠型に形成されるとともにその内側に雌ハウジング20を貫通させた状態で組み付けられるようになっており、雌ハウジング20に対して嵌合方向に沿って前後に相対移動可能とされている。詳しくは、スライダ50は、長さ寸法が端子収容部21よりも短くなっており、組付状態では、図7に示すように、その上部51がロックアーム27及び上壁部30の上側に、下部52が下壁部33の下側に配されるとともに、両側部53,54が側壁部32を貫通させるとともに嵌合溝部22を取り囲んで配されるようになっている。
【0021】
スライダ50の上部51の下面からは、図1及び図5に示すように、一対の壁が下方へ突設されるとともにその壁の後端部からは片持ち状の保持アーム55がそれぞれ後方へ延出して設けられている。保持アーム55は、上下に撓み変形可能とされ、その先端下面からは鈎部56が突設されている。両保持アーム55は、スライダ50が雌ハウジング20の前方から組み付けられるのに伴って、ロックアーム27の側方に進入するとともに、スライダ50が所定位置に達すると、図11(A)に示すように、端子収容部21の上面に突設された保持突部38に対して鈎部56が係止される。これにより、スライダ50を雌ハウジング20に対して前止まり状態に保持できるようになっている。このときスライダ50は、その上部51がロックアーム27の撓み空間Sから後方へ退避しており、この位置がロックアーム27の撓み変形を許容する撓み許容位置とされている。一方、スライダ50が撓み許容位置から所定距離前進し、上部51が撓み空間S内に進入した位置がロックアーム27の撓み変形を規制する撓み規制位置となっている(図14(A))。このとき撓み空間S内に進入する上部51の前半部分が撓み規制部51aとなっている。保持突部38に対して係止する鈎部56の前面は、前方へ向かって上り勾配をなすテーパ状の案内面56aとされている。従ってスライダ50に対して前進させるような所定以上の力が作用したときには、案内面56aによって案内されて保持アーム55が保持突部38との係止状態を解除しつつ自動的に撓まされるようになっている。
【0022】
上部51の後端部には、図3及び図5に示すように、一対のスリットを入れることで片持ち状の押圧操作片部57が幅方向中央位置に設けられている。この押圧操作片部57は、後端部が上方へ突出しており、その突出部分57aを上方から押圧操作することで撓み変形して下方へ変位されるようになっている。押圧操作片部57は、スライダ50が撓み許容位置のときにロックアーム27の後部(支持部26よりも後側部分)の上方に配されるようになっている。従って押圧操作片部57を操作して撓み変形させることでロックアーム27を押圧して撓ませることができるようになっている(図15(A))。
【0023】
スライダ50の下部52のうち側部53,54寄りの位置には、図1及び図5に示すように、ストッパ壁部34の前面に突き当たることでスライダ50を撓み許容位置から後退不能に支持する支持板部58が一対突設されている。下部52のうち後端部からは、下方へ突出するとともに後方へ引っ張り操作が可能な引っ張り操作部59(なおこの引っ張り操作部59は、押し込み操作することも可能なので、以下では単に操作部59とする)がほぼ全幅にわたって設けられている。
【0024】
スライダ50の両側部53,54の上部後面には、図4及び図6に示すように、圧縮コイルばね40の上側端部40aをほぼ緊密に挿入可能な略円形のばね挿入凹部60が形成されている。このばね挿入凹部60の奥面が圧縮コイルばね40を受け止める受け部60aとなっている。両側部53,54の下部後面には、ばね押さえ41と共に圧縮コイルばね40の下側部分を収容する収容凹部61が形成されている。この収容凹部61の前面にばね押さえ41が係止することで前止まり状態に支持されるようになっている。側部53,54のうち両凹部60,61の間の部分が、後方へ突出するとともに圧縮コイルばね40を支持可能なばね支持部62となっており、その後面が圧縮コイルばね40に沿って湾曲した曲面62aとなっている。そして、スライダ50が撓み許容位置のときには、ばね支持部62と押込操作部31との両曲面31a,62a間で圧縮コイルばね40をほぼ緊密に保持できるようになっている(図11(B))。
【0025】
両側部53,54のうちばね支持部62の外側には、図4及び図5に示すように、側壁部32を挿通可能な挿通孔63が前後に開口して形成され、その挿通孔63の外側周縁部には、側壁部32の外側面に突設された前止まり突部39を挿通可能な挿通溝64が設けられている。この挿通溝64の後端には、前止まり壁部65が設けられており、この前止まり壁部65は、スライダ50が撓み規制位置に達すると前止まり突部39が係止されることで、スライダ50を前止まり可能となっている(図14(A))。また図1の右側の側部54には、リテーナ24を挿通可能なリテーナ挿通孔が開設されている(図8)。
【0026】
次に、雌コネクタの組み付け手順の一例を説明する。図5及び図6に示す状態から、まずばね押さえ41を雌ハウジング20の後方からばね押さえ収容空間37内に挿入して初期位置に配し、その状態で圧縮コイルばね40を略U字型に湾曲した姿勢としつつばね収容空間36内に前方から収容する。圧縮コイルばね40の下側端部40bをばね押さえ41のばね保持部42に外嵌したら、雌ハウジング20の前方からスライダ50を撓み許容位置に組み付ける。組み付け過程では、保持アーム55は、ロックアーム27の側方に進入し保持突部38に鈎部56が乗り上げることで上方へ撓み変形され、また両ばね支持部62がばね収容空間36内に進入する。そして、スライダ50が撓み許容位置に達すると、図11に示すように、保持アーム55は、鈎部56が保持突部38を乗り越えるとともに復帰し、鈎部56の前面が保持突部38の後面に対して係止される。これにより、嵌合作業前の段階でスライダ50は、撓み許容位置から前止まり状態に保持される。このとき、ばね挿入凹部60内に圧縮コイルばね40の上側端部40aが挿入されてその前端面が受け部60aに当接される。また雌端子金具、リテーナ24及びシールリング25などを雌ハウジング20に対して装着しておく。
【0027】
続いて、雄雌のコネクタの嵌合作業を説明する。嵌合作業を行うにあたって、作業者は、雌ハウジング20の嵌合溝部22を雄ハウジング10のフード部11に整合させつつ、雌ハウジング20とスライダ50とのいずれか一方、または双方20,50を雄ハウジング10に対して押し込むようにする。雄ハウジング10のフード部11を雌ハウジング20の嵌合溝部22内に嵌合すると、ロックアーム27の突出部29がロック突部13に対して乗り上げることで、ロックアーム27が撓み変形される。このとき、ロックアーム27の前端部及び突出部29が上方の撓み空間S内に進入するとともに前進規制部29aがスライダ50の上部51の前端面に係止することで、スライダ50が撓み許容位置から前進移動するのが規制される。その後嵌合が進行すると、図12に示すように、フード部11の前端面10aがばね押さえ41の被押圧部44に当接される。この状態からさらに嵌合が進行すると、フード部11の前端面10aによって被押圧部44が後方へ押し込まれて、ばね押さえ41が初期位置から押込位置側へ後退移動される。このとき圧縮コイルばね40の上側端部40aが前進規制されたスライダ50の受け部60aによって受けられているから、圧縮コイルばね40は、この受け部60aと後退するばね押さえ41との間で弾縮されるとともに、次第に両ハウジング10,20を離間させるような付勢力が蓄積されていく(図13(B))。
【0028】
ところで、このような半嵌合状態であるにも拘わらず嵌合作業を中断した場合には、弾縮された圧縮コイルばね40にそれまでに蓄積された付勢力が解放され、ばね押さえ41の被押圧部44がフード部11の前端面10aを押し返すことで両ハウジング10,20が強制的に離脱される。もって、両ハウジング10,20が半嵌合状態のまま放置されることが防止される。
【0029】
両ハウジング10,20が正規深さまで嵌合されると、図13に示すように、ロックアーム27の溝部28内にロック突部13が進入するとともにロックアーム27が弾性復帰して溝部28の前端面28aがロック突部13の後面に対して係止される。この復帰動作に伴って、前進規制部29aがスライダ50の上部51から解離されることでスライダ50に対する係止状態が解除される。これに対し、圧縮コイルばね40の下側端部40bを受けるばね押さえ41は、嵌合部35に嵌合されたフード部11の前端面10aによって押込位置に保持されている。従って圧縮コイルばね40に蓄積された付勢力が解放されるとともに上側端部40aによって受け部60aが前方へ押圧されることで、スライダ50には、前進移動させるような力が作用することになる。この力を受けて案内面56aによって保持アーム55が撓み変形するよう案内されるとともに鈎部56が保持突部38から解離される。これにより、スライダ50の前進規制状態が完全に解除されるので、スライダ50は、圧縮コイルばね40の付勢力によって撓み許容位置から撓み規制位置へ前進移動される。
【0030】
スライダ50が撓み規制位置に達すると、図14に示すように、撓み規制部51aが撓み空間S内に進入するとともに突出部29に当接または近接しつつ上方に対向して配されることでロック突部13に係止した状態のロックアーム27が撓み変形するのを規制することができる。これにより、両ハウジング10,20を正規嵌合状態に強固に保持することができる。ここで、スライダ50の移動ストロークは、圧縮コイルばね40の最大弾縮代とほぼ同じに設定されているから、圧縮コイルばね40は受け部60aと押込位置とされたばね押さえ41との間で嵌合前とほぼ同じ状態まで復帰している。また前止まり壁部65が前止まり突部39に突き当たることで、スライダ50が撓み規制位置から前進するのが規制されている。なお、この正規嵌合状態では、シールリング25がフード部11の内周面と端子収容部21の外周面とに密着することで両ハウジング10,20間の防水が図られている。
【0031】
一方、メンテナンスなどの事情により両ハウジング10,20を離脱する場合がある。その場合には、操作部59と押圧操作片部57の突出部分57aとを掴んで、スライダ50を後方へ引っ張るようにする。スライダ50が撓み規制位置から圧縮コイルばね40を弾縮させつつ撓み許容位置まで後退したら、図15に示すように、そのまま押圧操作片部57の突出部分57aを下方へ押圧操作して押圧操作片部57を撓み変形させる。すると、下方へ変位した押圧操作片部57の下面がロックアーム27の後部の上面を押圧することで、ロックアーム27が強制的に撓み変形されてロック突部13から溝部28の前端面28aが解離する。これにより、ロックアーム27とロック突部13との係止状態が解除されるので、さらにスライダ50を後方へ引っ張ることで雌ハウジング20が雄ハウジング10に対して相対的に後方へと移動して雄ハウジング10から引き離される。この過程において仮に離脱作業を中断したときには、弾縮された圧縮コイルばね40の付勢力が開放されて、ばね押さえ41の被押圧部44がフード部11の前端面10aを押し返すことで両ハウジング10,20が強制的に離脱される。もって離脱時にも両ハウジング10,20が半嵌合のまま放置されることが防止される。このようにスライダ50を引っ張り操作することで、スライダ50を撓み許容位置まで後退させる作業と、両ハウジング10,20を引き離す作業とを一度に行うことができる。しかも、スライダ50を引っ張る作業に連続して押圧操作片部57を操作してロックアーム27を撓み変形させることができる。
【0032】
以上説明したように本実施形態によれば、圧縮コイルばね40をその両端が前方を向くように湾曲した姿勢としたから、正規嵌合時に解放される圧縮コイルばね40の付勢力によってスライダ50を前進移動させることができる。従って、両ハウジング10,20を離脱する際におけるスライダ50の操作方向を雌ハウジング20の離脱方向と同方向とすることができ、もって離脱作業性が良好となる。しかも、嵌合動作に連動するロックアーム27を利用してスライダ50の前進移動の可否を制御しているから、スライダ50が動作するタイミングを適切なものとすることができ、半嵌合防止機能の動作信頼性を高くすることができる。さらには、雄ハウジング10のフード部11の前端面10aによってばね押さえ41の被押圧部44を押圧するようにしたから、仮に雄ハウジングに押圧部を別途に設けた場合と比較して、雄ハウジング10の構造を簡素化できる。
【0033】
また、保持アーム55が保持突部38に係止することでスライダ50を撓み許容位置に保持することができるから、スライダ50を撓み許容位置に位置決めした状態で嵌合作業を行うことができ、作業性が良好となる。しかも、保持突部38に係止する保持アーム55の鈎部56に案内面56aを設けることで、両者の係止構造をいわゆるセミロック構造としたから、圧縮コイルばね40の付勢力を利用して自動的に保持アーム55を保持突部38から解離させることができ、例えば保持アームを撓み変形させる作業を別途行う必要がある場合と比較して作業性が良好となる。
【0034】
また、離脱時にスライダ50に設けた押圧操作片部57を押圧操作することで、ロックアーム27を押圧して撓み変形させることができる。つまり、スライダ50を後退させる操作に連続して押圧操作片部57を操作してロックアーム27を撓み変形させることができるから、例えばスライダを後退させた後に改めてロックアームを押圧する必要があるものと比較して作業性が良好となる。
【0035】
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態を図16ないし図20によって説明する。この第2実施形態に示すものは、大まかには、スライダ50の上部51及びロックアーム27の後部の構造が上記第1実施形態とは異なる構成となっている。なお、この第2実施形態では、第1実施形態と同様の構成については、同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0036】
ロックアーム27における上面後端部には、図16及び図18に示すように、一対の解除案内部70が上方へ突出して設けられている。両解除案内部70は、ロックアーム27の両側端位置に設けられ、幅方向について互いに離間して配されている。両解除案内部70の前面は、後方へ向かって上り勾配をなすテーパ面71とされており、ここに前方からスライダ50の上部51が係合可能とされている。また両解除案内部70は、上端位置が突出部29の上端よりも高い位置に設定されている。
【0037】
スライダ50における上部51の幅方向中央部分は、図16に示すように、上部51の両側部分よりも下方(ロックアーム27側)に張り出して形成されており、ここが両解除案内部70を押圧可能な解除押圧部72とされている。解除押圧部72のうち、両解除案内部70に当接される後端下縁には、テーパ面71に沿うような緩やかな湾曲面73が形成されることで、両解除案内部70を押圧する動作がスムーズに行われるようになっている。また解除押圧部72は、下端位置が両解除案内部70の上端よりも低く、且つロックアーム27の突出部29の上端よりも僅かに高い位置に設定されている。
【0038】
本実施形態では、スライダ50の撓み許容位置として次述する初期組付位置と解除位置との2位置が設定されており、スライダ50は、両位置間を前後に移動可能とされている。ここでいう初期組付位置は、上記第1実施形態に記載した「撓み許容位置」と同じ位置であり、図18に示すように、両ハウジング10,20を嵌合する前の状態(雌コネクタが単体の状態)でスライダ50が雌ハウジング20に対して組み付けられた位置であり、解除押圧部72が両解除案内部70と非干渉となるようその前方に配されている。そして、スライダ50は、初期組付位置からさらに後退して、解除押圧部72が両解除案内部70に係合する解除位置(図20)へと移動できるようになっている。なお、図示は省略するが、スライダ50が解除位置に達したときに、スライダ50が下壁部33の両側端部33aやストッパ壁部34に係止することでスライダ50の後退規制が図られるように設定したり、またスライダ50が解除位置まで移動したときに圧縮コイルばね40を逃がせるように押込操作部31とばね支持部62との両曲面31a,62a間の距離を上記第1実施形態よりも広く設定しておく。
【0039】
またスライダ50の上部51の上面後端には、図16ないし図18に示すように、下側の操作部59と対をなす上側の操作部74が突設されている。この上側の操作部74は、幅方向に沿って延出する細長いリブ状をなし、スライダ50の全幅にわたって形成されている。これら上側の操作部74や下側の操作部59を操作することで、スライダ50を前方に押し込む操作や後方へ引っ張る操作を行うことができる。またスライダ50の上部51及び上側の操作部74の後端面には、後方へ延出する略平板状の保護部75が設けられている。この保護部75は、両解除案内部70とは非干渉となるようその上方に位置するよう形成されている。保護部75は、スライダ50が初期組付位置に配されたときに、ロックアーム27及び保持アーム55における後端部を上方から覆うことができるような長さ寸法及び幅寸法を有しており、ロックアーム27及び保持アーム55に外部の異物などが干渉して誤操作されるのを防止できるようになっている。
【0040】
次に、正規嵌合した両ハウジング10,20を離脱する作業を詳しく説明する。図19に示すように、撓み規制位置にあるスライダ50の上下の操作部59,74を掴んで後方へ引っ張る。スライダ50が撓み空間Sから後退して初期組付位置(図20において想像線に示す位置)に達した状態から、さらに後方へ引っ張ると、解除押圧部72の湾曲面73が両解除案内部70のテーパ面71に当接する。この状態からさらにスライダ50を後退させると、解除押圧部72によって両解除案内部70が押圧されるとともに、その押圧力がテーパ面71によってロックアーム27の後端部を下方へ押し込むような力として作用する。これにより、図20に示すように、ロックアーム27が撓み変形させられて溝部28の前端面28aとロック突部13の後面との係止状態を解除される。この状態からスライダ50をさらに後方へ引っ張ることで、雌ハウジング20が雄ハウジング10に対して相対的に後方へと移動して雄ハウジング10から引き離される。この過程において仮に離脱作業を中断した場合でも、それまでに弾縮された圧縮コイルばね40の付勢力が開放されて、ばね押さえ41の被押圧部44がフード部11の前端面10aを押し返すことで両ハウジング10,20が強制的に離脱され、もって離脱時に両ハウジング10,20が半嵌合のまま放置されることが防止される。このようにスライダ50を後方へ引っ張る操作によって、スライダ50を撓み許容位置である解除位置側へ後退させる作業と、ロックアーム27を撓み変形させる作業と、両ハウジング10,20を引き離す作業とを一度に行うことができる。
【0041】
以上説明したように本実施形態によれば、両ハウジング10,20を離脱する際に、スライダ50を撓み規制位置から撓み許容位置側へ移動させると、スライダ50の解除押圧部72が解除案内部70を押圧することでロックアーム27が撓み変形されて、ロック突部13との係止状態が解除される。スライダ50を後退させる操作を行うことで、ロックアーム27を自動的に撓み変形させることができるから、例えばロックアームを撓み変形させる操作を、スライダの操作とは別途に行う必要があるものと比較して離脱作業性を向上させることができる。
【0042】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記した実施形態では、ばね押さえを有するものを示したが、圧縮コイルばねの端部を雄ハウジングによって直接に押し込むようなものも本発明に含まれる。
(2)上記した実施形態では、保持アーム側に案内面を設けたものを示したが、保持突部側に案内面を設けるようにしてもよく、また双方に案内面を設けるようにしてもよい。
【0043】
(3)上記した実施形態では、両ハウジングの離脱作業時にロックアームを撓ませるべく押圧操作片部を押圧操作するようにしたものを示したが、例えばロックアームとロック突部のいずれか一方に案内面を設け、その案内面によって両ハウジング間を離間させる所定以上の操作力が付与されたときにロックアームを自動的に撓み変形させてロック状態を解除させるようにすれば、一層作業性を向上させることができる。
【0044】
(4)上記した実施形態では、雌ハウジング側にスライダや圧縮コイルばねやばね押さえを組み付け、雄ハウジングによりばね押さえを押圧するようにしたものを示したが、雄雌のハウジングを逆にしたものも本発明に含まれる。
(5)上記した実施形態では、付勢部材として圧縮コイルばねを例示したが、その他にも板ばねなどを使用してもよい。
(6)上記した実施形態では、防水機能(シールリング)を有するものを示したが、本発明は非防水タイプのコネクタにも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る雌ハウジングとスライダとばね押さえの正面図
【図2】雌ハウジングとスライダとばね押さえの側面図
【図3】雌ハウジングとスライダとばね押さえの平面図
【図4】雌ハウジングとスライダとばね押さえの背面図
【図5】図1のA−A線断面図
【図6】図1のB−B線断面図
【図7】雌ハウジングにスライダなどを組み付けた状態を示す正面図
【図8】雌ハウジングにスライダなどを組み付けた状態を示す側面図
【図9】雌ハウジングにスライダなどを組み付けた状態を示す平面図
【図10】雌ハウジングにスライダなどを組み付けた状態を示す背面図
【図11】(A)両ハウジングを嵌合する前の状態を示す図7のA−A線断面図
(B)両ハウジングを嵌合する前の状態を示す図7のB−B線断面図
【図12】(A)両ハウジングを嵌合する途中で、フード部の前端面がばね押さえに当接した状態を示す図7のA−A線断面図
(B)両ハウジングを嵌合する途中で、フード部の前端面がばね押さえに当接した状態を示す図7のB−B線断面図
【図13】(A)両ハウジングが正規嵌合に達し、前進規制部がスライダから解離した状態を示す図7のA−A線断面図
(B)両ハウジングが正規嵌合に達し、圧縮コイルばねが弾縮された状態を示す図7のB−B線断面図
【図14】(A)スライダが撓み規制位置に前進した状態を示す図7のA−A線断面図
(B)スライダが撓み規制位置に前進した状態を示す図7のB−B線断面図
【図15】(A)離脱作業時に押圧操作片部を操作してロックアームを撓み変形させた状態を示す図7のA−A線断面図
(B)スライダが撓み許容位置に達し、圧縮コイルばねが弾縮された状態を示す図7のB−B線断面図
【図16】本発明の第2実施形態に係る雌ハウジングにスライダなどを組み付けた状態を示す背面図
【図17】雌ハウジングにスライダなどを組み付けた状態を示す平面図
【図18】図16のX−X線断面図
【図19】両ハウジングが正規嵌合し、スライダが撓み規制位置に配された状態を示す図16のX−X線断面図
【図20】スライダを解除位置まで後退させてロックアームが撓み変形した状態を示す図16のX−X線断面図
【図21】(A)従来例の半嵌合状態を示すロックアーム切断面図
(B)従来例の半嵌合状態を示すばね切断面図
【図22】(A)従来例の正規嵌合状態を示すロックアーム切断面図
(B)従来例の正規嵌合状態を示すばね切断面図
【符号の説明】
10…雄ハウジング(一方のコネクタハウジング)
10a…前端面(押圧部)
13…ロック突部(ロック部)
20…雌ハウジング(他方のコネクタハウジング)
27…ロックアーム
38…保持突部(保持部)
40…圧縮コイルばね(付勢部材)
50…スライダ
55…保持アーム
56a…案内面
57…押圧操作片部(押圧操作部)
60a…受け部
70…解除案内部
S…撓み空間

Claims (4)

  1. 一方のコネクタハウジングと、
    一方のコネクタハウジングを嵌合可能な他方のコネクタハウジングと、
    一方のコネクタハウジングに設けられたロック部と、
    他方のコネクタハウジングに設けられるとともに、両コネクタハウジングが嵌合される過程では前記ロック部に乗り上げつつ撓み変形され、正規嵌合に達すると復帰してロック部に係止されるロックアームと、
    他方のコネクタハウジングに組み付けられるとともに、前記ロックアームの撓み空間内に進入してその撓み変形を規制する撓み規制位置と、前記撓み空間から後退してロックアームの撓み変形を許容する撓み許容位置との間を前記両コネクタハウジングの嵌合方向に沿って前後に移動可能とされるスライダと、
    両端を前方へ向けるよう湾曲した姿勢とされるとともに、一端側が前記スライダに設けられた受け部によって受けられるのに対し、他端側が嵌合時に前記一方のコネクタハウジングに設けられた押圧部によって押圧可能とされる付勢部材とを備え、
    前記スライダを前記撓み許容位置に組み付けた状態で両コネクタハウジングが嵌合されるのに伴い、前記ロック部に乗り上げて撓み変形した前記ロックアームがスライダに係止することでスライダが撓み許容位置から撓み規制位置側へ前進移動するのが規制されるとともに、前記付勢部材がその他端側を前記押圧部によって押圧されることで受け部との間で両コネクタハウジングを離間させるような付勢力を蓄積しつつ弾縮され、
    前記両コネクタハウジングが正規嵌合されるのに伴って、前記ロックアームが復帰して前記ロック部に係止するとともに前記スライダに対するロックアームの係止状態が解除されることで、前記付勢部材に蓄積された付勢力が解放されてスライダが撓み規制位置へと前進移動され、
    前記両コネクタハウジングを離脱する際には、前記スライダを前記撓み規制位置から前記撓み許容位置へと後退移動させるとともに前記ロックアームを撓み変形させつつ前記一方のコネクタハウジングから前記他方のコネクタハウジングを相対的に後方へ引っ張るようにしたことを特徴とするコネクタ。
  2. 前記スライダには、前記他方のコネクタハウジングに設けられた保持部に対して弾性的に係止することでスライダが前記撓み許容位置から前進移動するのを規制可能な保持アームが設けられ、この保持アームと保持部との少なくともいずれか一方には、前記スライダに対して前進移動させるような所定以上の力が作用したときに保持アームを保持部から解離させつつ撓み変形させるよう案内可能な案内面が設けられていることを特徴とする請求項1記載のコネクタ。
  3. 前記スライダには、前記撓み許容位置において前記ロックアームを押圧して強制的に撓み変形させるための押圧操作部が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2記載のコネクタ。
  4. 前記ロックアームには、前記両コネクタハウジングを離脱する際に前記撓み許容位置側へ移動する前記スライダによって押圧されることで、ロックアームを撓み変形させて前記ロック部との係止状態を解除するよう案内可能な解除案内部が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2記載のコネクタ。
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