JP2004005900A - 光源駆動装置と情報記録装置と光源駆動装置の調整装置と光源駆動装置の調整方法 - Google Patents
光源駆動装置と情報記録装置と光源駆動装置の調整装置と光源駆動装置の調整方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】変調信号生成部23は駆動波形生成情報保持部22に保持された光源LDの駆動波形生成情報に基づいて各変調信号M0,M1,M2を生成し、それらによってそれぞれスイッチ29a〜29cを切り換えて各電流源28a〜28cから出力される電流のいずれか1つ又は複数を選択し、加算部30と31と電流駆動部32によって上記1つ又は複数の電流に基づいて多段階の電流量の電流を生成した駆動電流を光源LDに供給して多値レベルの光を発生させて駆動するとき、遅延量調整部24によって各変調信号M0,M1,M2に対して各信号間に発生する信号遅延量の違いを打ち消す信号差異量を調整して供給する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、画像形成装置又は情報記録装置に搭載される多値レベル化及びマルチパルス化された光変調波形を駆動及び制御するレーザ駆動制御装置等の光源駆動装置と、その光源駆動装置を搭載したMDドライブ装置,MOドライブ装置,CD−Rドライブ装置,CD−RWドライブ装置,DVD−Rドライブ装置,DVD−RWドライブ装置,DVD+RWドライブ装置,DVD−RAMドライブ装置などの情報記録装置と上記光源駆動装置を調整する調整装置とその調整方法とに関する。
【0002】
【従来の技術】
光変調によって記録を行う光ディスク装置においては、1ビームオーバーライト技術や高密度化のための記録マーク形状制御のため、レーザ光の光変調波形をマルチパルス化,多値レベル化して制御する技術が必須となっており、それにともなって光源駆動部(以下「LDドライバ」とも称する)においては複数のLD駆動電流を切り換える(スイッチングする)必要があり、入力される信号線が増加する。
また、今後さらに情報記録媒体に対して高速記録及び高密度記録を行うためには、データの転送レートの増大,パルス分割幅のより細分化,さらにパワーのレベル数の増加が避けられない。
【0003】
レーザ光を照射するピックアップは情報記録媒体の半径方向に可動(この動作を「シーク動作」と呼ぶ)させるため、ピックアップと信号処理部等が搭載されている回路基板とはフレキシブルプリント回路(Flexible PrintCircuit:FPC)基板と呼ばれる曲げの可能な基板で接続されるのが一般であり、LDドライバはピックアップに搭載された光源(レーザダイオード:LD)の近傍に配置し、信号制御部からLDドライバまではこのFPC基板を用いて配線している。
しかし、光変調制御信号を供給するFPC基板はある程度の長さとなることは避けられないので、光変調制御信号波形の歪み,遅延(特に複数の制御信号間の遅延差(「スキュー」と称する))等によるLD駆動電流のスイッチタイミングのずれが生じ、LD駆動電流を切り換えるスイッチが同時に切り換わる時点で波形に乱れが生じ、所望の光波形でレーザ発光させることができなくなる。
【0004】
図27は、その説明図である。
同図の(a)の電流源300のIb,Ie,Iwは、光源LD303の照射レベルに対応した電流を供給し、スイッチ301のSW1とSW2はそれぞれ信号S1とS2に従って各電流を選択後、その各電流は加算回路302で加算され、その電流が光源LD303を駆動する。信号S1がハイで信号S2がローの時は光源LD303には電流Ib+Ieが流れてイレースパワーPeで照射する。また、信号S1がローで信号S2がハイの時は光源LD303には電流Ib+Iwが流れてライトパワーPwで照射する。ところが、同図の(b)にmで矢示するように、信号S1に遅延が発生して信号S1とS2の間にスキューが生じると、Pe→Pwへの照射レベル変化の際に光波形に乱れ(同図の(b)に破線枠で囲んだ部分)が生じる。
【0005】
上述のように所望の光波形でレーザ発光させることができなくなると、マーク形状やマークの位置の精度が損なわれ、その結果としてデータエラーの原因になる。特に光ディスク装置固有のスキューに対して高速化記録を行う際にはこの影響はより顕著に現れる。
例えば、1ns程度のスキューが生じている光ディスク装置において、CD1倍速記録を行う際には、1チャネルクロック周期Tは約230nsであり、通常このチャネルクロック周期Tに対してT/32程度の分解能(〜7ns)でパルス幅を設定する必要があり(なお、情報記録媒体によってはT/40の分解能が必要なものもある)、スキューが1ns程度あったとしてもさほど影響は生じない。
【0006】
しかし、CD48倍速記録を行う際にはT=約4.8nsであり、約150ps程度のパルス幅設定分解能が必要になり、1nsものスキューは許容できるものではなく、上述のように所望の光波形でレーザ発光させることができなくなってマーク形状やマークの位置の精度が損なわれ、その結果としてデータエラーの原因になるという問題があった。
そこで、このような問題を解決するものとして、複数の電流源の電流を切り換えるスイッチ手段を介してLDに供給するLD駆動手段と、情報記録媒体に記録する2値化記録信号に対応してLDを駆動する駆動波形(光変調波形)を復元し、スイッチ手段を制御する駆動波形復元手段とを同一のレーザ駆動集積回路に設けることにより、LD駆動手段と駆動波形復元手段との間の配線を短くしてスキュー発生を防止した光源駆動装置(例えば、特開平11−283249号公報参照)が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の光源駆動装置では、LD駆動手段と駆動波形復元手段とを同一集積回路に設けたとしても、各スイッチング制御信号を生成する回路やスイッチの遅延,制御信号線の線路長,負荷条件など全てを等価にすることは困難であり、少なからずはスキューが発生する。今後のより高速化の要求に対してはこの微小なスキューであっても無視できなくなる恐れもあり、根本的な解決にならないという問題があった。
【0008】
また、今後さらに情報記録媒体への高速化,高密度化記録が求められると、光変調制御信号生成部(駆動波形復元手段)では、より高速動作及び高集積化が求められるため微細なCMOSプロセスが好適となるが、一方では、LD駆動部には、1〜数V程度の動作電圧を持つLDが接続されるため、高耐圧プロセス(例えば5Vや3.3Vなど)が要求される。
しかしながら、通常、微細なCMOSプロセスでは高耐圧にすることは困難である(例えば、0.18μmCMOSプロセスでは1.8V程度の耐圧しかない)ので、高速化の実現が困難であったり、あるいは大幅なコストアップを招き、消費電力が増大し、集積回路サイズの増大するなどの多くの不具合が生じるという問題もあった。さらには、上記スキュー量はデバイスのバラツキなどによって個体間で異なることもある。
【0009】
この発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、情報記録媒体に対する高速記録及び高密度記録時に光変調制御信号波形の歪みやスキュー等による光変調波形の所望値からのずれを抑制できるようにすることを目的とする。
また、光変調制御信号波形の歪みやスキュー等による光変調波形の所望値からのずれを抑制して高速化などの要求に対してもコスト,性能などを犠牲にすることなく実現でき、さらには個体間の差も抑制できる光源駆動装置を提供することも目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記の目的を達成するため、次の(1)〜(11)の各光源駆動装置を提供する。
(1) 光源の駆動波形生成情報に基づいて複数の変調信号を生成する変調信号生成手段と、その変調信号生成手段によって生成された変調信号に基づいて複数個の電流源から出力される電流のいずれか1つ又は複数を選択する電流源選択手段と、その電流源選択手段によって選択された1つ又は複数の電流に基づいて多段階の電流量の電流を生成し、その生成した電流を光源に供給して多値レベルの光を発生させて駆動する光源駆動手段と、上記変調信号生成手段から上記光源駆動手段までの間で発生する信号遅延量の違いを打ち消す信号差異量を上記電流源選択手段へ供給する手前で与える手段を備えた光源駆動装置。
【0011】
(2) 光源の駆動波形に基づく駆動波形生成情報を保持する駆動波形生成情報保持手段と、その駆動波形生成情報保持手段に保持された駆動波形生成情報に基づいて複数個の電流源から出力される電流のいずれか1つ又は複数を選択する複数の変調信号を生成する変調信号生成手段と、その変調信号生成手段で生成された変調信号によって選択された1つ又は複数の電流に基づいて多段階の電流量の電流を生成し、その生成した電流を光源に供給して多値レベルの光を発生させて駆動する光源駆動手段と、上記変調信号生成手段で生成された複数の変調信号によって複数の電流を選択するタイミングに遅延が生じないように上記変調信号生成手段で生成された各変調信号の各々を所定量遅延させる遅延調整手段を備えた光源駆動装置。
【0012】
(3) 光源の駆動波形に基づく駆動波形生成情報を保持する駆動波形生成情報保持手段と、その駆動波形生成情報保持手段に保持された駆動波形生成情報に基づいて複数個の電流源から出力される電流のいずれか1つ又は複数を選択する複数の変調信号を生成する変調信号生成手段と、その変調信号生成手段で生成された変調信号によって選択された1つ又は複数の電流に基づいて多段階の電流量の電流を生成し、その生成した電流を光源に供給して多値レベルの光を発生させて駆動する光源駆動手段と、上記変調信号生成手段で生成された複数の変調信号によって複数の電流を選択するタイミングに遅延が生じないように上記変調信号生成手段に対して各変調信号の各々の生成タイミングを所定量遅延させる遅延調整手段を備えた光源駆動装置。
(4) (3)の光源駆動装置において、上記駆動波形生成情報保持手段に保持する駆動波形生成情報を変更する駆動波形生成情報変更手段を設けた光源駆動装置。
【0013】
(5) 光源の駆動波形に基づく駆動波形生成情報を保持する駆動波形生成情報保持手段と、その駆動波形生成情報保持手段に保持された駆動波形生成情報に基づいて複数個の電流源にそれぞれ出力させる多段階の電流量の電流を選択する選択信号を生成する電流量選択信号生成手段と、上記駆動波形生成情報保持手段に保持された駆動波形生成情報に基づいて上記各電流源から出力される電流のいずれか1つを選択する変調信号を生成する変調信号生成手段と、その変調信号生成手段で生成された変調信号によって選択された電流量の電流を上記光源に供給して多値レベルの光を発生させて駆動する光源駆動手段と、上記電流量選択信号生成手段によって生成する選択信号の一部が変化する所定時間はその選択信号に従う駆動電流成分を変化させないように制御する制御手段を備えた光源駆動装置。
【0014】
(6) 光源の駆動波形に基づく駆動波形生成情報を保持する駆動波形生成情報保持手段と、その駆動波形生成情報保持手段に保持された駆動波形生成情報に基づいて上記各電流源から出力される電流のいずれか1つを選択する変調信号を生成する変調信号生成手段と、上記駆動波形生成情報保持手段に保持された駆動波形生成情報に基づいて上記変調信号生成手段によって生成された変調信号の立上りに同期して2個の電流源の一方に出力させる多段階の電流量の電流を選択する第1選択信号と、上記変調信号の立下りに同期してもう一方の電流源に出力させる多段階の電流量の電流を選択する第2選択信号とを生成する電流量選択信号生成手段と、上記変調信号生成手段で生成された変調信号によって選択された電流量の電流を光源に供給して多値レベルの光を発生させて駆動する光源駆動手段と、上記電流量選択信号生成手段によって生成する選択信号がローの時は上記第1選択信号に従って生成された電流を、上記選択信号がハイの時は上記第2選択信号に従って生成された電流を前記光源へ供給するように制御する制御手段を備えた光源駆動装置。
【0015】
(7) 光源の駆動波形に基づく駆動波形生成情報を保持する駆動波形生成情報保持手段と、その駆動波形生成情報保持手段に保持された駆動波形生成情報に基づいて電流源に出力させる多段階の電流量の電流を選択する選択信号を生成する電流量選択信号生成手段と、その電流量選択信号生成手段で生成された選択信号によって選択された電流量の電流を上記光源に供給して多値レベルの光を発生させて駆動する光源駆動手段と、上記駆動波形生成情報に基づいて生成される変調信号のエッジから所定時間は上記光源から出力される電流をホールドする制御手段を備えた光源駆動装置。
【0016】
(8) 光源の駆動波形に基づく駆動波形生成情報を保持する駆動波形生成情報保持手段と、その駆動波形生成情報保持手段に保持された駆動波形生成情報に基づいて複数個の電流源から出力される電流のいずれか1つ又は複数を選択する複数の変調信号を生成する変調信号生成手段と、その変調信号生成手段で生成された変調信号によって選択された1つ又は複数の電流に基づいて多段階の電流量の電流を生成し、その生成した電流を光源に供給して多値レベルの光を発生させて駆動する光源駆動手段と、上記変調信号生成手段で生成された複数の変調信号間の遅延時間差に基づいて上記光源駆動手段によって生成する多段階の電流量に生じる過量分を削減あるいは不足量分を付加する補償を行う補償手段を備えた光源駆動装置。
【0017】
(9) 光源の駆動波形に基づく駆動波形生成情報を保持する駆動波形生成情報保持手段と、その駆動波形生成情報保持手段に保持された駆動波形生成情報に基づいて複数個の電流源から出力される電流のいずれか1つ又は複数を選択する複数の変調信号を生成する変調信号生成手段と、その変調信号生成手段で生成された変調信号によって選択された1つ又は複数の電流に基づいて多段階の電流量の電流を生成し、その生成した電流を光源に供給して多値レベルの光を発生させて駆動する光源駆動手段と、上記変調信号生成手段で生成された複数の変調信号間の遅延時間差と上記選択する電流の電流量とに基づいて上記光源駆動手段によって生成する多段階の電流量に生じる過量分を削減又は不足量分を付加する補償を行う補償手段を備えた光源駆動装置。
【0018】
(10) (8)又は(9)の光源駆動装置において、上記補償手段に、上記削減又は付加する電流量を上記変調信号の変化の組み合わせに応じて設定する手段を設けた光源駆動装置。
(11) (1)乃至(10)のいずれかの光源駆動装置において、上記光源駆動手段の機能を果たす第1集積回路と、上記駆動波形生成情報保持手段と上記変調信号生成手段の機能を果たす第2集積回路とを同一パッケージ内に搭載した光源駆動装置。
【0019】
また、次の(12)と(13)の各情報記録装置も提供する。
(12) (1)乃至(11)のいずれかの光源駆動装置を搭載した情報記録装置。
(13) (12)の情報記録装置において、上記光源駆動手段の機能を果たす第1集積回路と、記録媒体に記録する二値化信号に基づいて上記変調信号生成手段による変調信号を生成させる機能を果たす第2集積回路とをピックアップ上に搭載した情報記録装置。
【0020】
さらに、次の(14)〜(22)の各光源駆動装置を提供する。
(14) 光源の駆動波形に基づいて複数の変調信号を生成して出力する変調信号生成出力手段と、その変調信号生成出力手段によって出力された各変調信号を入力し、その各変調信号に基づいて多段階の電流量の電流を生成し、その生成した電流を上記光源に供給して上記光源によって多値レベルの光を発生させるように駆動する光源駆動手段と、上記変調信号生成出力手段によって出力された各変調信号が上記光源駆動手段に入力されるときの各変調信号間の入力タイミングの差を検出する変調信号入力タイミング差検出手段と、その変調信号入力タイミング差検出手段によって検出された各変調信号間の入力タイミングの差が所定範囲内に収まるように上記変調信号生成出力手段による上記各変調信号の出力するタイミングを調整する変調信号出力タイミング調整手段を備えた光源駆動装置。
【0021】
(15) (14)の光源駆動装置において、上記変調信号出力タイミング調整手段は、上記変調信号入力タイミング差検出手段によって検出された各変調信号間の入力タイミングの差が所定範囲内に収まるように上記変調信号生成出力手段による上記各変調信号の出力するタイミングをそれぞれ所定量ずつ遅らせて調整する手段である光源駆動装置。
【0022】
(16) (14)の光源駆動装置において、上記変調信号出力タイミング調整手段は、上記変調信号入力タイミング差検出手段によって検出された各変調信号間の入力タイミングの差が所定範囲内に収まるように上記変調信号生成出力手段による上記各変調信号の内のいずれか2つの変調信号の出力するタイミングをそれぞれ所定量ずつ遅らせて調整する手段である光源駆動装置。
【0023】
(17) (14)の光源駆動装置において、上記変調信号生成出力手段は、上記光源の駆動波形に基づいて駆動波形生成情報を生成する手段と、その手段によって生成された駆動波形生成情報に基づいて複数の変調信号を生成して出力する手段とからなり、上記光源駆動手段は、上記変調信号生成出力手段によって出力された各変調信号を入力し、その各変調信号に基づいて1つ又は複数の電流源を選択し、その選択された1つ又は複数の電流源による1つ又は複数の電流に基づいて多段階の電流量の電流を生成し、その生成した電流を光源に供給して多値レベルの光を発生させて駆動する手段である光源駆動装置。
(18) (14)の光源駆動装置において、テスト用の駆動波形生成情報を生成するテスト用駆動波形生成情報生成手段と、上記変調信号生成出力手段に、上記テスト用駆動波形生成情報生成手段によって生成された駆動波形生成情報に基づいて複数の変調信号を生成して出力する手段を設けた光源駆動装置。
【0024】
(19) (18)の光源駆動装置において、上記テスト用駆動波形生成情報生成手段は、上記変調信号生成出力手段に同一波形の複数の変調信号を生成させるテスト用の駆動波形生成情報を生成する手段である光源駆動装置。
(20) (18)の光源駆動装置において、上記テスト用駆動波形生成情報生成手段は、上記変調信号生成出力手段に所定の同一の周波数で所定量の位相差を有する複数の変調信号を生成させるテスト用の駆動波形生成情報を生成する手段である光源駆動装置。
【0025】
(21) (14)乃至(20)のいずれかの光源駆動装置において、上記変調信号出力タイミング調整手段による上記各変調信号の出力するタイミングの調整時に上記光源を消灯させる光源消灯手段を設けた光源駆動装置。
(22) (14)乃至(21)のいずれかの光源駆動装置において、その光源駆動装置の立ち上げ時に上記変調信号出力タイミング調整手段による上記各変調信号の出力するタイミングの調整を実行させる手段を設けた光源駆動装置。
【0026】
また、次の(23)と(24)の情報記録装置も提供する。
(23) (14)乃至(22)のいずれかの光源駆動装置を搭載し、その光源駆動装置によって駆動された上記光源から発生された多値レベルの光を記録媒体に照射してデータを記録するようにした情報記録装置。
(24) (23)の情報記録装置において、記録媒体の記録半径位置に対応して上記光源駆動装置の上記変調信号出力タイミング調整手段による上記各変調信号の出力するタイミングの調整を実行するようにした情報記録装置。
【0027】
さらに、次の(25)の光源駆動装置の調整装置と(26)の光源駆動装置の調整方法も提供する。
(25) 光源の駆動波形に基づいて複数の変調信号を生成して出力する変調信号生成出力手段と、その変調信号生成出力手段によって出力された各変調信号を入力し、その各変調信号に基づいて多段階の電流量の電流を生成し、その生成した電流を上記光源に供給して上記光源によって多値レベルの光を発生させるように駆動する光源駆動手段を備えた光源駆動装置の調整装置であって、上記変調信号生成出力手段によって出力された各変調信号が上記光源駆動手段に入力されるときの各変調信号間の入力タイミングの差を検出する変調信号入力タイミング差検出手段と、その変調信号入力タイミング差検出手段によって検出された各変調信号間の入力タイミングの差が所定範囲内に収まるように上記変調信号生成出力手段による上記各変調信号の出力するタイミングを調整する変調信号出力タイミング調整手段を備えた光源駆動装置の調整装置。
【0028】
(26) 光源の駆動波形に基づいて複数の変調信号を生成して出力する変調信号生成出力手段と、その変調信号生成出力手段によって出力された各変調信号を入力し、その各変調信号に基づいて多段階の電流量の電流を生成し、その生成した電流を上記光源に供給して上記光源によって多値レベルの光を発生させるように駆動する光源駆動手段を備えた光源駆動装置の調整方法であって、上記変調信号生成出力手段によって出力された各変調信号が上記光源駆動手段に入力されるときの各変調信号間の入力タイミングの差を検出し、その検出された各変調信号間の入力タイミングの差が所定範囲内に収まるように上記変調信号生成出力手段による上記各変調信号の出力するタイミングを調整する光源駆動装置の調整方法。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて具体的に説明する。
まず、この発明の光源駆動装置を適用する情報記録再生装置の全体構成及び動作概要について説明する。
図1は、この発明の一実施形態である情報記録再生装置の構成を示すブロック図である。
情報記録媒体100は再生すべき情報が記録された光ディスク又は情報の記録が行われる光ディスク(例えば、CD−ROMディスク,DVD−ROMディスク,CD−Rディスク,CD−RWディスク,DVD−Rディスク,DVD−RAMディスク,MDディスク,MOディスクなどの光ディスク等)である。
【0030】
ピックアップ101は、光源(例えば半導体レーザ(LD))102からの出射光を情報記録媒体100に照射して情報の記録を行ったり、情報記録媒体100からの反射光を受光して受光信号に変換するものであり、光源102や光源102を駆動する光源駆動部(ここでは図示を省略する),反射光を受光して受光信号に変換する受光部103などが配置されている。またピックアップ101には光源102の出射光の一部をモニタするモニタ受光部も配置され、そのモニタ受光部からの出力であるモニタ信号によって光源102の出射光量変動が制御される。さらに、情報記録媒体100の照射光に対する傾き(「チルト」と呼ぶ)を検知するためのチルト検出受光部などが配置される場合もある。さらにまた、異なる媒体フォーマットが定められた複数種類の情報記録媒体に対応する情報記録再生装置の場合(例えば、DVD及びCD両対応装置など)、それぞれの情報記録媒体に好適な波長の光源を持つ場合があり、それぞれの光源出射時に情報記録媒体からの反射光を受光する受光部やモニタ受光部を別個に備える場合もある。
【0031】
信号処理部104は、ピックアップ101に配置された各種受光部からの受光信号が入力され、様々な信号処理が行われる。例えば、受光信号から情報を再生したり、情報記録媒体の回転に伴う面振れやトラックの半径方向の振れなどの変動に対して常に所定の誤差内で光を照射するように制御(フォーカスサーボ制御及びトラックサーボ制御)するために受光信号からサーボエラー信号を生成し、そのサーボエラー信号に基づいてピックアップ101を制御する。また、記録すべき情報を所定の規則に従って変調し、記録信号として光源102(または光源駆動部)に出力したり、光源102の出力光量制御を行う。
【0032】
回転駆動部105は、データ記録及び再生時に情報記録媒体100を所定の回転速度で回転させるものであり、信号処理部104によって回転速度が制御(スピンドルサーボ制御)される。例えば、CLV回転制御を行う際には、より精度よく回転制御をするために情報記録媒体100に埋め込まれた回転制御信号をピックアップ101を介して検出し、その回転制御信号に基づいて回転制御を行う。回転制御信号には、例えば再生専用の情報記録媒体などでは記録された情報に所定間隔で配置された同期信号などを用い、記録可能な情報記録媒体では記録トラックが所定の周波数で蛇行したウォブルなどを用いる。
コントローラ106は、図示を省略したホストコンピュータとの記録再生情報の受け渡しやコマンド通信を行うと共に、この情報記録再生装置の全体の制御を行う。
【0033】
ピックアップ101は情報記録媒体100の半径方向にシーク動作させるため、ピックアップ101と信号処理部104等が搭載されている回路基板とはFPC基板(またはケーブル)と呼ばれる基板(またはケーブル)で接続しており、光源102や受光部103等のピックアップ101に搭載される部品はこのFPC基板に実装することもできる。
【0034】
次に、上記情報記録再生装置の信号処理部の構成及び動作概略について説明する。
図2は、図1に示した情報記録再生装置の信号処理部104の構成を示すブロック図である。
この実施形態では、異なるフォーマットの情報記録媒体へ対応させるために二つの光源LD1と光源LD2(図1の光源102に相当する)を備えており、受光部PD2及び受光部PD5(図1の受光部103に相当する)によってそれぞれの光源LD1と光源LD2の照射光の一部をモニタする。
【0035】
受光部PD1では光源LD1の照射時に情報記録媒体からの反射光を受光し、受光部PD4では光源LD2の照射時に情報記録媒体からの反射光を受光する。受光部PD3はチルト量を検知する。受光部PD1,受光部PD3,受光部PD4(図1の受光部103に相当する)は、複数に分割された分割受光素子によって受光している。
なお、ピックアップによっては光源LD1と光源LD2の出射光を同一の受光部でモニタする場合もある。同様に、情報記録媒体からの反射光を受光する受光部も同一とする場合もある。
【0036】
受光信号処理部4は、受光部PD1,受光部PD3,受光部PD4がそれぞれ出力する各受光信号を入力し、その各受光信号のオフセット調整及びゲイン調整などの処理を行う。
サーボ信号演算処理部13は、受光信号処理部4から供給される各受光信号からサーボエラー信号を生成する。同時に、オフセット調整とゲイン調整も行い、生成したサーボエラー信号をサーボプロセッサ14へ供給する。
RF選択部5は、受光部PD1及び受光部PD4の出力する受光信号を入力し、後段の回路に必要な信号を選択あるいは一部加減算などの演算を行って供給する。
ウォブル信号生成部6は、RF選択部5から入力される信号に基づいて記録可能な情報記録媒体にプリフォーマットされたウォブルを検出するものである。
【0037】
ウォブル信号処理部15は、ウォブル信号生成部6によって生成されたウォブル信号から二値化ウォブル信号を抽出し、WCK生成部17及び回転制御部18へ供給する。また、ウォブルに情報記録媒体毎に所定の規則で変調されたアドレス情報を復調し、コントローラ19(図1のコントローラ106に相当する)へ供給する。
RF信号処理部/PLL部16は、RF選択部5から入力された再生RF信号から二値化RF信号を生成し、再生している情報記録媒体の変調方式規則に則って復調を行う。また、PLL回路によって二値化RF信号から再生クロックを抽出する。復調したデータはコントローラ19へ供給する。さらに、二値化RF信号に所定間隔で挿入された同期信号より回転制御信号を抽出して回転制御部18へ供給する。
【0038】
回転制御部18は、ウォブル信号処理部15又はRF信号処理部/PLL部16から入力される信号から回転制御を行うためのスピンドルエラー信号を生成し、サーボプロセッサ14へ供給する。また、情報記録媒体を角速度一定(CAV)で回転させる場合は回転制御駆動部(図示を省略)から出力されるディスク回転を示す信号(図示を省略)によってスピンドルエラー信号を生成する。
サーボプロセッサ14は、コントローラ19からの指令に基づいて入力される各種サーボエラー信号からサーボ制御信号を生成し、サーボドライバ7へ出力する。
サーボドライバ7は、サーボプロセッサ14から入力されるサーボ制御信号に基づいてサーボドライブ信号を生成する。各駆動部は供給されたサーボドライブ信号によってサーボ制御動作が行われる。ここでは、フォーカス制御,トラック制御,シーク制御,スピンドル制御,チルト制御である。
【0039】
WCK生成部17は、ウォブル信号処理部15から供給された二値化ウォブル信号に基づいて記録クロック信号WCKを生成し、LD変調信号生成部集積回路2(この発明に係る第2集積回路に相当する)のLD変調信号生成部10とコントローラ19の各部へ供給する。記録時にはその記録クロック信号WCKを基準にして記録データの生成などが行われる。
記録時には、コントローラ19から記録クロック信号WCKに同期して記録データ信号WdataがLD変調信号生成部10へ供給される。その記録データ信号Wdataは記録すべき情報が所定の規則に従って変調されている。
LD変調信号生成部10は、WCK生成部17から入力される記録クロック信号WCK及びコントローラ19から入力される記録データ信号Wdataから光源LD1あるいは光源LD2を変調するためのLD変調信号を生成し、LD駆動集積回路3(この発明に係る第1集積回路に相当する)のLD駆動部12へ供給する。
【0040】
LD制御部9は、受光部PD2あるいは受光部PD5からのモニタ受光信号を入力し、そのモニタ受光信号に基づいて光源LD1と光源LD2の出射光量が所望の値になるようにLD駆動部12へLD制御信号を供給する(いわゆる自動記録パワー(Automatic Power Control:APC)制御を行う)。
LD駆動部12は、LD制御部9から入力されるLD制御信号及びLD変調信号生成部10から入力されるLD変調信号に基づいて光源LD1あるいは光源LD2を電流駆動して発光させる。
また、コントローラ19からは各部の制御信号が出力される。
【0041】
次に、上記駆動・制御対象となる光源LD1と光源LD2について説明する。通常、LDの駆動電流ILDに対する光出力Poは次の数1に示す演算式に基づく演算処理によって近似することができる。ここで、η:微分量子効率、Ith:閾値電流である。
図3は、光源LD1と光源LD2の駆動電流−光出力特性の一例を示す線図である。
図3の(a)は、LDの駆動電流ILDに対する光出力Poの特性を示す線図であり、(i)と(ii)は微分量子効率(η,η′)と閾値電流(Ith,Ith′)がそれぞれ変動した場合を示す。同図の(c)は駆動電流ILDの電流量を示す図であり、一定のバイアス電流Ibと変調電流Im(時間tに対する波形を示す)とを加算した値となる。光源LDの特性が(i)である場合は、同図の(c)に示した駆動電流を流すと、同図の(b)に示す光波形Pが得られる。同様にして、光源LDが(ii)の特性の場合には、同図の(d)に示すようにバイアス電流Ib′と変調電流Im′を加算した電流をLDに駆動すると、同図の(b)に示す光波形Pが得られる。
【0042】
【数1】
Po=η・(ILD−Ith)
【0043】
つまり、図3の(a)に示すように、所望の光変調波形Pを得るためには、LD駆動電流ILDをバイアス電流Ibと変調電流Imの和(Ib+Im)とした場合、バイアス電流Ibは閾値電流Ithにほぼ等しく、変調電流Imは図3の(b)に示すような光変調波形P=η・Imとなる電流を駆動すればよい。
しかし、一般に、この閾値電流Ithと微分量子効率ηは個体間のばらつきのみならず、温度変化によっても変動するため、所望の光変調波形Pを常時得るためには、閾値電流Ith及び微分量子効率ηの変動に伴ってバイアス電流Ibと変調電流Imを制御することが望ましい。
【0044】
例えば、図3の(a)に示す(i)の閾値電流Ithと微分量子効率ηが、(ii)のように閾値電流がIth′に、微分量子効率がη′にそれぞれ変動した場合、所望の光変調波形Pを得るためには、バイアス電流Ib′を閾値電流Ith′に、変調電流Im′を図3の(c)に示すように光変調波形P=η′・Im′となるように制御すればよい。
すなわち、図2に示したLD制御部9がこの制御機能を果たす。
【0045】
次に、この発明の光源駆動装置の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図4は、この発明の第一実施形態の光源駆動装置の構成を示すブロック図である。この第一実施形態はこの発明の請求項1,2に係る光源駆動装置である。
この光源駆動装置は、LD変調信号生成部10を含むLD変調信号生成部集積回路2とLD制御部9及びLD駆動部12からなるLD駆動集積回路3とからなっており、異なるプロセスで作製される集積回路である。LD駆動集積回路3は駆動するLD102の近傍に配置し、ピックアップ101に搭載する。
【0046】
そして、この発明の請求項1に係る光源駆動装置として、LD変調信号生成部集積回路2の20〜23の各部等が光源の駆動波形生成情報に基づいて複数の変調信号を生成する変調信号生成手段の機能を果たす。また、27の28及び29の各部が変調信号生成手段によって生成された変調信号に基づいて複数個の電流源から出力される電流のいずれか1つ又は複数を選択する電流源選択手段の機能を果たす。さらに、30,31,32の各部等が電流源選択手段によって選択された1つ又は複数の電流に基づいて多段階の電流量の電流を生成し、その生成した電流を光源に供給して多値レベルの光を発生させて駆動する光源駆動手段の機能を果たす。さらにまた、LD変調信号生成部集積回路2内の24が変調信号生成手段から光源駆動手段までの間で発生する信号遅延量の違いを打ち消す信号差異量を電流源選択手段へ供給する手前で与える手段の機能を果たす。
【0047】
LD変調信号生成部集積回路2のLD変調信号生成部10は、記録クロック信号WCKからn逓倍のクロック信号PCK及びPCKと所定量づつ位相の異なる複数のクロックCK0〜CK7を生成するフェーズロックループ部(PhaseLocked Loop:PLL)20と、コントローラ19(図1のコントローラ106に相当する)から供給される記録データ信号Wdataのランレングスを検出してランレングス信号Lenを供給し、所定量記録データ信号を遅延させた遅延記録データ信号dWdataを出力するランレングス検出部21を備えている。
【0048】
さらに、光源LDの駆動波形に基づく駆動波形生成情報を格納しておき、ランレングス信号Lenに対応した情報を遅延記録データ信号dWdataに合わせて出力する駆動波形生成情報保持部(上記請求項2の駆動波形生成情報保持手段に相当する)22と、その駆動波形生成情報から変調信号M0〜M2を生成する変調信号生成部(上記請求項2の変調信号生成手段に相当する)23と、その変調信号M0〜M2をそれぞれ所定量遅延させて変調信号Mod0〜Mod2を供給する遅延量調整部(上記請求項2の遅延調整手段に相当する)24と、遅延記録データ信号dWdata(または記録データ信号Wdata)からLD制御用タイミング信号を生成するLD制御タイミング信号生成部26と、コントローラ19から供給される制御コマンドを受け各部へ制御信号を供給する制御部25を備えている。
【0049】
一方、LD駆動集積回路3は、光源LD(図2の光源LD1と光源LD2に相当する)の照射レベルP0,P1,P2にそれぞれ対応した照射レベルデータP0Data,P1Data,P2Data及び変調信号Mod0,Mod1,Mod2に基づいてLD変調電流Imodを生成する変調部27と、光源LDの出射光の一部をモニタするモニタ受光部PD(図2の受光部PD2,PD5に相当する)からのモニタ受光信号を入力し、そのモニタ受光信号に基づいて光源LDの出射光量が所望の値になるようにバイアス電流Ibias及び変調電流のスケールを指示するスケール信号Isclを制御するLD制御部33と、LD変調電流Imodとバイアス電流Ibiasを加算する加算部31と、加算部31から供給される電流を増幅して光源LDの駆動電流ILDを供給する電流駆動部32と、コントローラ19から(あるいは制御部25を介して)供給される制御コマンドを受けて各部へ制御信号を供給する制御部34とから構成されている。すなわち、上記変調部27,加算部31,電流駆動部32,LD制御部33,制御部34等が上記請求項2の光源駆動手段の機能を果たす。
【0050】
また、変調部27は、照射レベルデータP0Data,P1Data,P2Dataに基づいてそれぞれ電流I0,I1,I2を供給する3個の電流源(DAC)28a〜28cからなる電流源28と、変調信号Mod0,Mod1,Mod2に従ってそれぞれ電流I0,I1,I2をオンオフ制御する3個のスイッチ29a〜29cからなるスイッチ(SW)29と、スイッチ29の出力する各電流を加算してLD変調電流Imodを供給する加算部30とから構成される。
上記LD制御部33が図2のLD制御部9に相当し、上記27〜32,34が図2のLD駆動部12の内部構成である。
【0051】
この第一実施形態においては、電流源28とスイッチ29及び変調信号Modの組み合わせを増やすことによって対応できる。
ここでは説明を簡単にするため、図5に示すように三値レベルで記録する場合について説明する。
図5は、図4に示した各部の出力信号の信号波形の一例を示す図であり、ここで想定する情報記録媒体は相変化型情報記録媒体(例えば、CD−RWディスク,DVD−RWディスク,DVD+RWディスクなど)とし、同図の(c)に示す記録データ信号Wdata及び同図の(b)に示す記録クロック信号WCKに基づいて、同図の(d)に示すような光変調波形Pで光源LDを発光させて、情報記録媒体の記録面に同図の(e)に示す記録マークを形成する。
【0052】
また、同図の(a)に示すライトゲート信号WGは記録/再生の切換えを指示し、ローの期間は再生を(再生パワーPr)、ハイの期間は記録データ信号Wdata及び記録クロック信号WCKに基づいて光源LDを発光させる。
同図の(f−1)〜(f−3)に示したMod0〜Mod2は、スイッチ29をスイッチングする変調信号であり、スキューのない(または遅延量調整部24により補正した)状態を示す。
同図の(g−1)〜(g−3)に示したM0′,M1′,M2′は、この遅延量調整部24無しにスイッチングした場合の(つまり従来技術の装置での)変調信号の波形の一例であり、M0′とM1′間にスキューΔ1が、M1′とM2′間にスキューΔ2が発生しているものとする。
そして、以下に説明するようにして、上記スキューΔ1とΔ2を補正し、変調信号が同図の(f−1)〜(f−3)に示したMod0〜Mod2の状態になるようにする。
【0053】
なお、スキューの発生には変調信号生成部出力時に生じるものと、スイッチ29への伝送中に生じるものと、スイッチ29のスイッチング時に生じるものなどがあり、配線長差,線路インピーダンス差,負荷特性,デバイスバラツキなどが原因となる。本発明の説明ではこれらを含んだものとする。
【0054】
相変化型情報記録媒体は、一般には、光変調波形PのライトパワーPw,イレースパワーPe,ボトムパワーPbの三値のマルチパルスで記録マークが形成される。この時、記録パワーレベル及び各パルスのパルス幅・パルス間隔を精度よく制御することによって正確な記録がなされる。
この際、情報記録媒体あるいはその記録線速度によってはマークが形成されるとき、隣接のスペース長によって媒体上で熱的影響を受け、マークのエッジが隣接スペース長によってさまざまに変動する場合がある。
これを避けるために、従来では隣接のスペース長を考慮して光変調波形の各パルス幅を変えている。
【0055】
次に、図4に示した各部の動作と詳細構成について説明する。
[PLL]
図6は、図4のPLL20の内部の詳細な構成を示すブロック図である。
PLL20は、M分周器(1/M)201,位相比較器(PC)202,ループフィルタ203,発振器(VCO)204,N分周器(1/N)205,分周器(M/N)206からなり、各部動作は通常のPLL回路と同様であるので詳細な説明は省略する。
このPLL20は、記録クロック信号WCKからn逓倍のクロック信号PCKを生成し、クロック信号PCKと所定量づつ位相の異なる複数のクロック(この第一実施形態ではCK0〜CK7の8つのクロックとし、CK0をPCKとする)を生成する。また、チャネルクロック信号CLKも生成する。
【0056】
M分周器201は、記録クロック信号WCKをM分周する。その分周比1/Mは設定可能とし(例えば、M=2,4)、記録クロック信号が記録チャネルクロックを分周した信号で供給される場合に対応する。記録クロック信号の周波数を下げて転送をすることによってノイズの発生を低減できる。
発振器204は、所定量づつ位相の異なるm個のクロック(この第一実施形態ではCK0〜CK7の8つのクロック(m=8)とし、CK0をPCKとする)を生成し、変調信号生成部23へ出力する。これは例えばリングオシレータなどによって構成される。
【0057】
N分周器205は、発振器204の出力する一つのクロック信号(例えば、CK0)をN分周する。その分周比1/Nは設定可能とし、N/Mが記録クロックWCKに対するクロック信号PCKの逓倍数nとなる。
また、分周器206によってPCK信号をM/N分周して記録チャネルクロックCLKを生成してランレングス検出部21へ供給する。
後述するように、LD変調信号Mod0〜Mod2はクロック信号CK0〜CK7を基準に生成する。
【0058】
つまり、分周比1/N,1/Mを設定することによってLD変調信号Modのパルス幅設定分解能を設定できる。例えば、供給される記録クロック信号WCKが記録チャネルクロックと同一周波数で転送されるものとし、M=4,N=16と設定すると、クロック信号PCKはチャネルクロックの4逓倍の周波数となり、LD変調信号WSPはチャネルクロックに対して1/32(=m・M/N)のパルス幅設定分解能で生成できる。以下、これをパルス幅設定ステップと称する(また適宜、単にステップと省略する)。上記例の場合、32ステップが1チャネルクロック周期に相当する。
【0059】
[ランレングス検出部]
ランレングス検出部21は、コントローラ19から供給される記録データ信号Wdataのランレングスを検出し、駆動波形生成情報保持部22へランレングス信号Lenを供給する。記録データ信号WdataはNRZI(Non Return to Zero Inverted)の二値化信号でハイ区間が記録マークを、ロー区間がスペースをそれぞれ表すものとする。つまり、このランレングス検出部21は記録データのマーク長及びスペース長を検出する。ここでは、ランレングス信号Len1がマーク長を、ランレングス信号Len0が直前スペース長を、ランレングス信号Len2が直後スペース長をそれぞれ供給するものとする。
【0060】
また、ランレングス検出部21は適用する記録データ信号の最小最大ランレングスに応じて構成され、この第一実施形態ではDVDフォーマットの情報記録媒体(DVD+RWディスク,DVD−Rディスク,DVD−RAMディスクなど)に記録を行う光情報記録装置への適用を想定し、記録データ信号WdataはEFM+変調を行った信号を想定して説明する。つまり、ランレングスは3T〜11T及び14T(Tはチャネルクロック周期)となる。
さらに、ランレングス検出部21は、ランレングスを検出するのに必要な所定時間及び各回路の遅延時間差などを考慮して記録データを所定量遅延させて遅延記録データ信号dWdataを変調信号生成部23とLD制御信号生成部26へ出力する。
【0061】
図7は、図4に示すランレングス検出部21の内部の詳細構成例を示す図である。また、図8は、図7に示すランレングス検出部21の各部の出力する信号波形を示す図である。
図7に示すように、ランレングス検出部21は、遅延回路(ディレイ)211,FIFO制御部212,カウンタ213,FIFO214,レジスタ215からなる。
カウンタ213は、図8の(a)に示すような記録チャネルクロックCLKにより、図8の(b)に示す記録データ信号Wdataのランレングス(ハイレベル区間及びローレベル区間)を計数し、図8の(c)に示すカウント信号(count)を出力する。
【0062】
カウンタ213によって計数されたランレングスデータは一旦FIFO214に順次保持する。
遅延回路211はシフトレジスタなどによって構成され、記録データWdataを所定量(dly)遅延させ、図8の(d)に示すような遅延記録データ信号dWdataを出力する。また、各部制御信号生成のため遅延量の異なる信号も生成してFIFO制御部212に供給する。
FIFO制御部212は、FIFO214の書込み・読み出し制御及び各部制御信号を供給する。レジスタ215はFIFO214から読み出したランレングスデータを保持して出力する(Len0,Len1,Len2)。
FIFO214の読み出しタイミング(レジスタ215の保持タイミング)は遅延記録データ信号dWdataと一致するようにFIFO制御部212から制御信号が供給される。
【0063】
つまり、図8の(e−1)と(e−2)と(e−3)に示すように、遅延記録データ信号dWdataにそのマーク長Len1,直前スペース長Len0,直後スペース長Len2がそれぞれ合うように調整する。または、図8の(f)に示すように、Len0〜Len2によって変換される駆動波形生成情報が合うようにする。
なお、遅延量dlyやFIFO214のサイズはFIFOのエンプティ,フルが生じないように記録データWdataの最小・最大ランレングス及び各回路遅延などを考慮して決定すればよい。
【0064】
[駆動波形生成情報保持部]
駆動波形生成情報保持部22は、駆動波形生成情報を格納しておくメモリであり、ランレングス検出部21から出力されるランレングス信号Len0〜Len2に対応した情報を遅延記録データ信号dWdataに合わせて変調信号生成部23へ出力する。
図9は、この第一実施形態における駆動波形生成情報と光波形との関係の一例を示す図である。
【0065】
駆動波形生成情報は光波形の照射レベル変化タイミングを表すタイミング情報などからなる。このタイミング情報はパルス幅設定ステップ数で表され、図9に示すように、各タイミング情報(TSS,TSP,TMS,TMP,TLS,TLP)を基準時刻(例えば、遅延記録データ立上りエッジ)から累積していくことによって変化タイミングを決めていく。また、図中のNMPはTMS及びTMPの繰り返し回数である(図9ではNMP=2の例を示す)。
すなわち、変調信号Mod1の立上り/立下り(変化)タイミングはタイミング情報TSSとTEMPにより決まり、変調信号Mod2の変化タイミングは各タイミング情報により決まる。
このようにして、マルチパルス周期及びデューティを任意に設定することができる。
【0066】
また、この第一実施形態では、駆動波形を記録データ信号Wdataのマーク長とその隣接するスペース長によって変化させ、形成する記録マークエッジ位置を高精度に制御するようにしている。
記録マークが形成される時、隣接のスペース長によって媒体上で熱的影響を受け、エッジが隣接スペース長によって変化する。これを避けるために、隣接のスペース長を考慮して駆動波形を変化させるものである。
つまり、マーク長及び直前直後のスペース長の各組み合わせに対応した駆動波形生成情報を格納しておき、ランレングス検出部21によって検出したランレングス信号Len0〜Len2に応じて対応した駆動波形生成情報を供給する。
【0067】
なお、マーク長及び隣接スペース長が所定値以上の場合は熱的影響やその変化分は少ない。そのため、全ての組み合わせに対応した駆動波形生成情報を用意する必要はなく、影響度の大きい組み合わせのみ用意すれば情報の保持に必要なメモリ容量を低減できる。また、この第一実施形態では、各パラメータに応じて用意する組み合わせも変え、メモリ容量の低減化とマーク形状制御の高精度化の両立を図っている。
【0068】
[変調信号生成部]
変調信号生成部23は、駆動波形生成情報保持部22からの駆動波形生成情報(タイミング情報)に基づいて変調信号M0〜M2を生成し、遅延量調整部24へ出力する。その変調信号M0〜M2の生成の際はクロック信号CK0〜CK7を基準とし、それらのクロック信号の位相差に相当する時間が変調信号のパルス幅設定分解能となる。
図10は、図4に示す変調信号生成部23の内部の詳細な構成例を示す図である。図11は、図10のタイミング制御部221が変調信号生成部23の各部の制御信号を生成するためのシーケンサの説明図である。図12は、駆動波形生成情報から変調信号を生成する動作概要の説明に供する信号波形図である。ここでは、変調信号M2の生成部構成と動作について説明する。他の変調信号M0,M1も同様に行えばよい。そして、これらの変調信号をLD駆動集積回路3に供給し図12の(b)に示す光波形を得る。
【0069】
変調信号生成部23は、タイミング制御部221,タイミング演算部222,タイミング演算部223,カウンタ224,位相選択信号保持部(レジスタ)225,カウンタ226,位相選択信号保持部(レジスタ)227,タイミングパルス信号遅延部228,フリップフロップ229a〜229h,マルチプレクサ(MUX)230,タイミングパルス信号遅延部231,変調信号出力部232からなる。
タイミング制御部221は、図11に示すシーケンサに基づいて後述する変調信号生成部各部の制御信号を生成する。また、図12の(a)に示すような遅延記録データ信号dWdataから所定時間Δ(PCK単位)遅らせた変調信号パルス列の基準時刻を生成する。
【0070】
タイミング演算部222とタイミング演算部223は、タイミング制御部221から供給される演算指示信号に基づいて、駆動波形生成情報保持部22から供給されるタイミング情報から次の変調タイミングまでのパルス幅設定ステップ数を算出する。この第一実施形態では、回路の高速動作実現のために立上りタイミングと立下りタイミングとを別々に処理するので、次の立上りタイミングNextTiming1(「NT1」と略称する)と次の立下りタイミングNextTiming2(「NT2」と略称する)をそれぞれ算出する。その算出された次の立上り変調タイミングまでのステップ数は上位5ビットがカウンタ224に、下位3ビットが位相選択信号として位相選択信号保持部225にそれぞれ供給される(ここではパルス幅設定ステップ数は8ビットとする)。
同様にして、次の立下り変調タイミングまでのステップ数は上位5ビットがカウンタ226に、下位3ビットが位相選択信号保持部227にそれぞれ供給される。
【0071】
カウンタ224とカウンタ226は、図12の(h−0)に示すようなクロックPCKによって次の変調タイミングまでの時間を計数するものであり、タイミング制御部221から供給されるロード信号load1(図12の(f)に示すようなタイミングで発せられる信号)に従ってタイミング演算部222とタイミング演算部223の算出する次の変調タイミングまでのステップ数を取り込み、クロックPCKによってダウンカウントする。
そして、カウント値がゼロになった時点でそれぞれセットパルスSetP(図12の(d)と(j)に示すようなタイミングで出力される信号)と、リセットパルスRstP(図12の(e)と(m)に示すようなタイミングで出力される信号)をそれぞれ出力する。このセットパルスSetPとリセットパルスRstPをタイミングパルス信号と総称する。
【0072】
位相選択信号保持部225と位相選択信号保持部227は、それぞれ図12の(k)と(n)に示すような位相選択信号phSel1,位相選択信号phSel2を保持して次段へ供給する。その保持タイミングはタイミング制御部221から供給される。
タイミングパルス信号遅延部228とタイミングパルス信号遅延部231(なお、タイミングパルス信号遅延部231の内部構成はタイミングパルス信号遅延部228と同じなので図示を省略する)は、セットパルスSetPを位相選択信号phSel1に従って、リセットパルスRstPを位相選択信号phSel2に従ってクロックCK0〜CK7を基準にしてそれぞれ遅延させるものである。遅延させたタイミングパルス信号dSP,dRPは、それぞれ図12の(l)と(o)に示すようになる。
【0073】
次に、図10に示したタイミングパルス信号遅延部228についてさらに詳細に説明する。なお、タイミングパルス信号遅延部231も同様なのでその説明は省略する。
タイミングパルス信号遅延部228のフリップフロップ229a〜229hはセットパルスSetPをそれぞれクロックCK0〜CK7に同期させるものであり、これら出力を位相選択信号phSel1に従って選択し、遅延させたタイミングパルス信号dSPを出力する。
【0074】
例えば、図12の拡大図(ii)の信号波形図では、同図の(k)に示すように、phSel1信号は“010”とし、同図の(h−2)に示すようなクロックCK2に同期して遅延させたセットパルスdSP(図12の(l)に示すような波形の信号)を選択して出力する。同様にして、遅延させたリセットパルスdRP(図12の(o)に示すような波形の信号)も出力する。
図10の変調信号出力部232は、遅延させたタイミングパルス信号dSP,dRPによって変調信号M2を生成する。例えば、SR−FF(セットリセット−フリップフロップ)などによって構成すればよい。
つまり、変調信号M2(Mod2)(図12の(i))は、遅延させたセットパルスdSPの立上りでハイとなり、遅延させたリセットパルスdRPの立上りでローとなる。
【0075】
図11は、図10のタイミング制御部221内に設けたシーケンサの状態遷移図である。このシーケンサによって変調信号生成部各部の制御を行う。
次に、このシーケンサの遷移条件について説明する。また、図12の(g)は状態遷移の一例を示すものである。
図11に示すように、状態Idle(アイドル)は初期状態であり、遅延記録データ信号dWdata立上りによって状態TPに遷移する。それまではここに滞留する。
状態TPは基準時刻に発行されるload1信号によって次の状態に遷移し、他はここに滞留する。この時、駆動波形生成情報(TMS,TLS)によって遷移先が異なる。TMS≠0の時は状態MPへ、TMS=0かつTLS≠0の時は状態LPへ、それ以外の時(TMS=0かつTLS=0)は状態Waitへそれぞれ遷移する。
【0076】
状態MPはRstP信号と同時に発行されるload1信号によって状態LPに遷移する。但し、NMPによって指定されるMP繰返し回数はここに滞留する。図12にはNMP=2の場合を示している。
状態LPはRstP信号によって状態Waitに遷移する。
状態Wait(ウエイト)はマルチパルス終了までの待機状態であり、RstP信号によって状態Idleに遷移する。
次の数2と数3は、タイミング演算部222と223においてそれぞれのシーケンサの各状態毎のタイミングを算出する演算式である。
つまり、シーケンサの状態(図12の(g)Seq)に応じて演算式が変化する。数2と数3の@以下はシーケンサの状態を示す。例えば、Seq=TPの時は、NextTiming1=TSS,NextTiming2=TSS+TSPとなり、この値がload信号(f)に従いカウンタにロードされる。
【0077】
【数2】
NextTiming1=TSS @Idle or TP
TMS+phSel2 @MP
TLS + phSel2 @LP
【0078】
【数3】
NextTiming2=TSS+TSP @Idle or TP
TMS+TMP+phSel2 @MP
TLS + TLP + phSel2 @LP
【0079】
[遅延量調整部]
遅延量調整部24は、変調信号M0〜M2をそれぞれ遅延後の変調信号Mod0〜Mod2の遅延差が所定値以内になるように遅延させるものである。
図13は図4に示す遅延量調整部24の内部構成例を示すブロック図である。なお、図5の(g−1)〜(g−3)のM0′,M1′,M2′は、この遅延量調整部24無しにスイッチングした場合の(つまり従来例での)変調信号の波形の一例であり、複数の変調信号が同時に変化しないために変調電流、つまりは光波形が所望の波形とはならない。
【0080】
図13に示すように、遅延量調整部24は各信号を遅延させる遅延部243a〜243cからなり、遅延部243aは信号を所定量遅延させる遅延素子241a〜241nが縦列接続され、その各遅延素子241a〜241nの出力の何れかを選択して出力する選択部242からなる。なお、遅延部243bと243cも遅延部243aと同じ構成であり、図示を省略する。
【0081】
この遅延量調整部24は、どの遅延素子出力を選択するかによって遅延量を調整できる。この時、各変調信号M0〜M2の遅延量差や各変調信号Mod0〜Mod2の伝送遅延差などを加味して、変調信号Mod0〜Mod2によるスイッチングタイミングのずれ(スキュー)がほぼ無くなるように遅延量を各々調整する。すなわち、複数の電流を選択するタイミングに遅延が生じないように各変調信号の出力を各々所定量遅延させる。そのスキューは伝送線路が決定すれば、すなわち、この第一実施形態の装置が決まればほとんど変動しないので、装置製造時に決定すればよく、遅延量選択は例えばレーザトリミングなどによって行えばよい。
【0082】
例えば、図5に示す例では、M1の遅延量をΔとした場合、M0の遅延量をΔ+Δ1に、M2の遅延量をΔ+Δ2にそれぞれする。
また、各遅延部は供給する電流(または電圧)によって遅延量の変化する遅延バッファで構成し、その供給電流を変化させることによって遅延量を調整するようにしてもよい。
【0083】
[LD制御信号生成部]
LD制御信号生成部26は、記録データ信号Wdataからサンプルホールド方式のAPC制御用サンプル信号などのLD制御用のタイミング信号を生成する。光源の発光波形は記録データ信号Wdataに対してランレングス検出部21での遅延分遅れるので、発光波形に合わせてサンプル信号を生成する。
【0084】
[変調部]
変調部27は、光源LDの照射レベルP0,P1,P2にそれぞれ対応した照射レベルデータP0Data,P1Data,P2Dataに基づいて、それぞれ電流I0,I1,I2を供給する各電流源(DAC)28a〜28cからなる電流源(DAC)28と、変調信号Mod0,Mod1,Mod2に従ってそれぞれ電流I0,I1,I2をオンオフ制御する各スイッチ29a〜29cからなるスイッチ29と、スイッチ29の出力する各電流を加算してLD変調電流Imodを供給する加算部30とから構成される。
【0085】
図14は、光源LDの駆動電流−光出力特性の例と変調部27の各部電流との関係を示す図である。
電流源(DAC)28aは照射レベルデータP0Dataに基づいて電流I0を供給する電流出力DAC(D/Aコンバータ)であり、同様に電流源(DAC)28b,電流源(DAC)28cはそれぞれ照射レベルデータP1Data,P2Dataに基づいて電流I1,I2を供給する電流出力DACであり、電流源(DAC)28としての機能を果たす。また、電流源(DAC)28a〜電流源(DAC)28cのフルスケールIsclはLD制御部33から供給され、微分量子効率ηの変動に応じて制御される。よって、電流源(DAC)28a〜電流源(DAC)28cの出力電流I0,I1,I2はそれぞれ次の数4〜数6の演算式に基づく処理で得られる。ここでは、電流源(DAC)28a〜電流源(DAC)28cは8ビット(bit)DACとしている。
【0086】
【数4】
I0=(P0Data/255)*Iscl
【0087】
【数5】
I1=(P1Data/255)*Iscl
【0088】
【数6】
I2=(P2Data/255)*Iscl
【0089】
なお、図14においては、後述する電流駆動部32での増幅率Aiをかけた電流値I0′,I1′,I2′を図示している。
スイッチ29a〜29cは、それぞれ変調信号Mod0〜Mod2に従って電流I0〜I2をオンオフ制御する。図5の波形図において、変調信号が「ハイ(High)」の時にスイッチはオンとなるものとする。そして、スイッチ29a〜29cでオンになった電流が加算部30によって加算され、変調電流Imodを得る。つまり、次の数7に示す演算式に基づく処理で変調電流Imodを求めることができる。
なお、「×Mod(n)」((n)は0,1,2)はMod(n)が「ハイ(High)」の時に×1を、「ロー(Low)」の時に×0を意味する。
【0090】
【数7】
Imod=I0×Mod0+I1×Mod1+I2×Mod2
【0091】
図14において、電流IbはLD制御部33で制御されたバイアス電流Ibiasに増幅率Aiをかけた電流値であり、その電流Ibに対してボトムレベルPbで発光するように制御されている。
そして、再生レベルPrで発光させるには、Mod0=1,Mod1=0,Mod2=0として、Imod=I0となるように変調信号を生成し、光源LDに駆動電流Ib+I0′を流す。この時、照射レベルデータP0Dataには、P0(=Pr−Pb)に相当する値を設定しておく。
【0092】
同様にして、イレースレベルPe,ライトレベルPwを照射する。なお、温度変動などにより、光源LDの閾値電流Ithと微分量子効率ηが(i)→(ii)のように変動した場合は、LD制御部33によってバイアス電流Ib及びスケール信号Isclが制御され所望の光量が得られる。つまり、図14の(ii)に示す各電流Ib,I0′〜I2′を生成し、所望の光波形(a)を得る。
また、ボトムレベルPbに相当する電流Ib′を常時LD駆動電流に加算しておき、バイアス電流Ibが閾値電流Ith相当になるように制御してもよい。
つまり、図14の(ア)に示すようにIb+Ib′により、ボトムレベルPbで発光する。なお、電流Ib′は他の電流源と同様にスケール信号Isclによって制御する。
【0093】
[LD制御部]
LD制御部33は、光源LDの出射光の一部をモニタするモニタ受光部PDからのモニタ受光信号が入力され、そのモニタ受光信号に基づいて光源LDの出射光量が所望の値になるようにバイアス電流Ibias及び変調電流のスケールを指示するスケール信号Isclを制御するものである。
すなわち、温度変動などによって光源LDの閾値電流Ithや微分量子効率ηが変動した場合、閾値電流Ithの変動に対してバイアス電流Ibiasを、微分量子効率ηの変動に対してスケール信号Isclをそれぞれ制御する。
また、所定照射レベル時のモニタ受光信号をサンプルホールドして制御を行う場合は、LD制御信号生成部26から供給されるLD制御信号に従って行う。
【0094】
なお、このLD制御自体は本発明の要旨ではなく、公知技術を適用すればよいので、詳細な構成や動作説明は省略する。
また、このLD制御部33はLD駆動集積回路3内に設けず、別途設けるものであってもよい。その際はバイアス電流Ibias及びスケール信号Isclを直接または制御部34を介して供給するようにすればよい。
【0095】
[電流駆動部]
電流駆動部32は、加算部31から供給される電流を所定の増幅率Aiで増幅しLDの駆動電流ILDを供給する。この時、LD駆動電流ILDは次の数8の演算式に基づく処理で得られる。
【0096】
【数8】
ILD=Ai*(Ibias+Imod)
【0097】
このようにして、この第一実施形態の光源駆動装置によれば、各変調信号間にスキューがあってもそのスキューを補正するので、光波形には影響を及ぼさず、正確な記録マークが形成できる。したがって、LD変調信号生成部集積回路2とLD駆動集積回路3とは別の集積回路で構成してもよく、それぞれ要望される回路特性にあった半導体プロセスを選択できるようになり、コスト・性能に見合った装置を構成することができる。
【0098】
すなわち、変調信号生成部では高速動作及び高集積化が求められるので、微細なCMOSプロセスが好適である。一方、LD駆動部には、1〜数V程度の動作電圧を持つ光源LDが接続されるため、高耐圧プロセス(例えば5Vや3.3Vなど)が要求されており、通常、微細なCMOSプロセスでは高耐圧にすることは困難である(例えば、0.18μmCMOSプロセスでは1.8V程度の耐圧しかない)が、それぞれを好適なプロセスで構成できるようになる。
【0099】
さらには、LD変調信号生成部集積回路2とLD駆動集積回路3とを1つのパッケージ内に搭載するようにすると、変調信号の伝送線路が情報記録再生装置(特にピックアップ)の構成・配置に依らず一定となるので、遅延調整が容易となる。なお、これらを同一パッケージに搭載したとしても、2つの集積回路間はワイヤなどの伝送線で接続されるために少なからずスキューが発生し、特に高速化した際には本発明の効果が好適に作用する。
【0100】
LD変調信号生成部集積回路2とLD駆動集積回路3とはピックアップ上に配置し、2つの集積回路間の伝送路によるスキューを調整するようにしてもよい。このようにすれば、集積回路間の伝送路は比較的短距離となるためスキュー量は小さく、FPC基板の屈曲部を伝送しないので曲げ伸ばしによる伝送線路特性変化が生じないため、スキュー量の変動は生じず所定の遅延調整を行えばよい。
【0101】
次に、この発明の光源駆動装置の他の実施形態を図面に基づいて説明する。
図15は、この発明の第二実施形態の光源駆動装置の構成を示すブロック図である。図4と同一符号のブロックは前述と同様の動作・機能を果たすので詳細な説明は省略する。この第二実施形態はこの発明の請求項1,3,4に係る光源駆動装置である。
【0102】
図15において、この発明の請求項1に係る光源駆動装置として、LD変調信号生成部集積回路2の20,21,41,42の各部等が光源の駆動波形生成情報に基づいて複数の変調信号を生成する変調信号生成手段の機能を果たす。また、変調部27の28及び29の各部が変調信号生成手段によって生成された変調信号に基づいて複数個の電流源から出力される電流のいずれか1つ又は複数を選択する電流源選択手段の機能を果たす。さらに、30,31,32の各部等が電流源選択手段によって選択された1つ又は複数の電流に基づいて多段階の電流量の電流を生成し、その生成した電流を光源に供給して多値レベルの光を発生させて駆動する光源駆動手段の機能を果たす。さらにまた、LD変調信号生成部集積回路2内の41と42の各部が変調信号生成手段から光源駆動手段までの間で発生する信号遅延量の違いを打ち消す信号差異量を電流源選択手段へ供給する手前で与える手段の機能を果たす。
【0103】
また、駆動波形生成情報保持部(上記請求項3の駆動波形生成情報保持手段と遅延調整手段の機能を果たす)41は変調信号生成部42で生成する変調信号毎に対応した駆動波形生成情報を格納しておくものであり、ランレングス信号Len0〜Len2に対応した情報を遅延記録データ信号dWdataに合わせて駆動波形生成情報(タイミング情報Tdata)とスキュー情報とを出力する。変調信号生成部42(上記請求項3の変調信号生成手段に相当する)は、スキュー情報とタイミング情報Tdataに基づいて変調信号Mod0,Mod1,Mod2をそれぞれ生成する。
コントローラ19が上記請求項4の上記駆動波形生成情報保持手段に保持する駆動波形生成情報を変更する駆動波形生成情報変更手段の機能を果たす。
【0104】
また、図15において、駆動波形生成情報保持部41は変調信号Mod0〜Mod2のそれぞれに対応した駆動波形生成情報を格納しておくものであり、ランレングス信号Len0〜Len2に対応した情報を遅延記録データ信号dWdataに合わせて駆動波形生成情報(タイミング情報Tdata0,Tdata1,Tdata2)を出力するようにしてもよい。
【0105】
変調信号生成部42は、タイミング情報Tdata0に基づいて変調信号Mod0を、タイミング情報Tdata1に基づいて変調信号Mod1を、タイミング情報Tdata2に基づいて変調信号Mod2をそれぞれ生成する。その生成の際はクロック信号CK0〜CK7を基準とし、それらのクロック信号の位相差に相当する時間が変調信号のパルス幅設定分解能となる。その詳細な構成は図10と同様にすればよいので説明を省略する。
【0106】
図16は、この第二実施形態における駆動波形生成情報と光波形との関係の一例を示す図である。
駆動波形生成情報は光波形の照射レベル変化タイミングを表すタイミング情報などからなり、ここでは変調信号Mod1とMod2を生成するためのタイミング情報Tdata1及びTdata2を示す。
図16に示すように、タイミング情報Tdata1はTSS1とTEMP1からなり、タイミング情報Tdata2はTSS2,TSP2,TMS2,TMP2,TLS2,TLP2及びNMPからなり、変調信号は独立したタイミング情報から生成される。
【0107】
この時、各タイミング情報が変調信号のスキューを考慮して設定すると、各々の変調信号によるスイッチ29a〜29cのスイッチングタイミングはズレのないものにできる。
例えば、変調信号Mod1とMod2にスキューΔが生じるとすると、それぞれのタイミング情報をスキューΔを見込んで設定すればよい(図16ではTSS1とTSS2)。また、通常は情報記録媒体に応じたタイミング情報を求める際には、実際に記録を行って最も特性のよい値を求めるようにしているが、ここで最適な各タイミング情報を求めるようにしてもよい。
また、1種類のタイミング情報(例えば、Tdata2や第一実施形態のタイミング情報Tdata)と各変調信号間のスキューを示すスキュー情報とを供給するようにし、変調信号生成部42でこのタイミング情報にスキュー情報を加減算した情報により変調信号を生成するようにしてもよい。このようにすれば各変調信号間のスキューが補正された状態で生成できる。
【0108】
したがって、この第二実施形態の光源駆動装置によれば、変調信号のスキューをパルス幅設定ステップで調整できるようになり、正確な記録マークが形成できる。
また、高速記録の際にはパルス幅設定ステップも細かくなるため、スキュー調整も微調できるようになり、記録速度に依らずスキューは無視できる程度にまで抑制できる。さらに、高速化の要求に対しても微細なCMOSプロセスで行えるので容易に実現できる。
【0109】
上記第一及び第二実施形態の光源駆動装置によれば、各変調信号間にスキューがあっても、そのスキューを補正するため光波形には影響を及ぼさず、所望の光波形が得られる。また、各部は別の集積回路で構成してもよく、それぞれ要望される回路特性にあった半導体プロセスを選択できるようになり、コスト・性能に見合った装置を構成することができる。
【0110】
次に、この発明の光源駆動装置のさらに他の実施形態を図面に基づいて説明する。
図17は、この発明の第三実施形態の光源駆動装置の構成を示すブロック図である。この第三実施形態はこの発明の請求項5,6に係る光源駆動装置である。図4,図15と同一符号のブロックは前述と同様の動作・機能を果たすので詳細な説明は省略する。図18は、この第三実施形態における駆動波形生成情報と光波形との関係の一例を示す図である。図19は、変調信号生成部51の各部の制御信号を生成するためのシーケンサの説明図である。
【0111】
図17において、駆動波形生成情報保持部22は、図18に示すタイミング情報(TSS,TSP,TMS,TMP,TLS,TLP,TES,TEP)を格納しておく。
変調信号生成部51(上記請求項5,6の変調信号生成手段と制御手段の機能を果たす)は、駆動波形生成情報保持部22(上記請求項5,6の駆動波形生成情報保持手段の機能を果たす)から供給されるタイミング情報に基づいて変調信号Modを生成する。その変調信号Modの変化タイミングは後述するように光源LDの照射レベルの変化タイミングを決める。つまり、基準時刻からタイミング情報TSS,TSP,TMS,・・・を順次カウントしていき、変調信号Modを変化させる。また、どのタイミング情報をカウントするかは、図19に示すシーケンサの状態Seqに基づいて選択する。その詳細な構成は図10と同様にすればよいので説明を省略する。
【0112】
但し、変調信号生成部51の各部の制御は図19に示すシーケンサに従って行われる。このシーケンサは、図11に示したシーケンサに状態ウエイト(Wait)の前状態として状態EPを追加したものである。この状態EPにより、イレースパワーPeへの変化タイミング(図18の破線枠(A))を制御する。また、変調信号生成部51はこのシーケンサの状態を示す信号Seqを出力する。または、各状態がアクティブな時を示す信号(例えばSep,Swaitなど)を出力としてもよい。
【0113】
パワー選択信号生成部52は、変調信号Modとシーケンサ状態信号Seqに従って光源LDの照射レベルを指示するパワー選択信号PSel0及びPSel1を生成する(このパワー選択信号生成部52と後述するP0Data選択部56aとP1Data選択部56bが上記請求項5,6の電流量選択信号生成手段の機能を果たす)。
パワー選択信号PSel0は変調信号Modが「ロー」の時の照射レベルを指示するものであり、パワー選択信号PSel1は変調信号Modが「ハイ」の時の照射レベルを指示する。
つまり、PSel0=Pr(リードパワーを指示する)かつMod=0(ロー)の時はリードパワーで照射される。
【0114】
図20は、変調信号Modとシーケンサ状態信号Seq及びパワー選択信号PSel0,PSel1の関係の一例を示す信号波形図である。
図20に基づいてパワー選択信号PSel0,PSel1の生成方法について説明する。
パワー選択信号PSel0,PSel1は、ライトゲート信号WG(a)と図19のシーケンサの状態信号Seq(h)と変調信号Modに従って変化する。また、変調信号Modも上述したようにシーケンサの状態信号Seq(h)に従って生成される。
【0115】
図20の(g−1)に示すパワー選択信号PSel0の初期状態はPrである。WG信号の立上りによってPeに変化する。通常、リードパワーからイレースパワーへの変化タイミングの精度は要求されないため、変調信号Modの変化に依らずともこのような変化で十分である。
次に、PSel0=Peの時、Mod信号の立上りによってPbに変化する。次にPSel0=Pbの時、Seq=WaitかつMod信号の立上りによってPeに変化する。つまり、Mod信号がクロックとして作用する。
また、WGの立下りによってPrに変化する。
【0116】
図20の(g−2)に示すパワー選択信号PSel1の初期状態はPeである。WG信号の立上りによってPwに変化し、WGの立下りによってPeに変化する。
PSel1=Pwの時、Seq=EPかつMod信号の立下りによってPeに変化する。
PSel1=Peの時、Mod信号の立下りによってPwに変化する。
このように、パワー選択信号PSel0の変化タイミングはMod信号の立上りを基準に行われており、Mod=Lowの期間は変化しない。同様にパワー選択信号PSel1はMod=Highの期間は変化しない。
【0117】
変調部53は、パワー選択信号PSel0,PSel1及び変調信号Modに従ってLD変調電流Imodを生成する。P0Data選択部56aはパワー選択信号PSel0の指示する照射レベルに対応した照射レベルデータを選択して出力し(P0Data)、P1Data選択部56bはパワー選択信号PSel1の指示する照射レベルに対応した照射レベルデータを選択して出力する(P1Data)。
【0118】
電流源(DAC)57aは照射レベルデータP0Dataに基づいて電流I0を供給する電流出力DACであり、電流源(DAC)57bは照射レベルデータP1Dataに基づいて電流I1を供給する電流出力DACである(この電流源(DAC)57a,電流源(DAC)57b,加算部31,電流駆動部32,LD制御部33,制御部34,スイッチ55等が上記請求項5,6の光源駆動手段の機能を果たす。)。
この2つの電流源(DAC)のフルスケールは、図4,図15に示した電流源(DAC)28と同様にスケール信号Isclが供給され、微分量子効率ηの変動に応じて制御される。
【0119】
スイッチ55は変調信号Modに従って電流源(DAC)56aあるいは電流源(DAC)56bの出力電流を選択してLD変調電流Imodを出力する。
変調信号Modが「ハイ」ならば電流源(DAC)56bの出力(I1)を、「ロー」ならば電流源(DAC)56a出力(I0)を選択する。
上述したようにMod=Lowの期間はPSel0が、Mod=Highの期間はPSel1がそれぞれ変化しないので、電流源(DAC)56a,電流源(DAC)56bの応答速度が十分高速ならば出力電流I0,I1の変化もそれぞれがスイッチ55で選択されていない間に行われ、LD変調電流Imodの変化は変調信号Modの変化タイミングのみによって決まる。
【0120】
図20に示す波形例では、出力電流I0は、Pr→Pe→Pb→Pe→・・・の各照射レベルに対応する電流値に変化していき、同様にして出力電流I1は、Pe→Pw→Pe→・・・の各照射レベルに対応する電流値に変化していく。よって、変調信号ModによりI0かI1かが選択されるLD変調電流Imodは、Pr(I0)→Pe(I0)→Pw(I1)→Pb(I0)→Pw(I1)→Pb(I0)→Pe(I1)→Pe(I0)→・・・の各照射レベルに対応する電流値に変化していく。なお、上記()内の記号I1とI0とはどちらの電流が選択されているかを示すものである。
【0121】
したがって、LD変調信号生成部集積回路2とLD駆動集積回路3との間を転送する信号(パワー選択信号PSel0,PSel1及び変調信号Mod)にスキューがあったとしても光波形には影響を及ぼさず、正確な記録マークが形成できる。
つまり、LD変調信号生成部集積回路2とLD駆動集積回路3とは別の集積回路で構成してもよく、それぞれ要望される回路特性にあった半導体プロセスを選択できるようになり、コスト・性能に見合った装置を構成することができる。
【0122】
次にこの発明の光源駆動装置のまた他の実施形態を図面に基づいて説明する。図21は、この発明の第四実施形態の光源駆動装置の構成を示すブロック図である。図4,図17と同一符号のブロックは前述と同様の動作・機能を果たすので詳細な説明は省略する。
図21に示す光源駆動装置は、図17に示した光源駆動装置において、P0Data選択部56a及びP1Data選択部56bをLD変調信号生成部集積回路2に設け、P0Data,P1Dataを転送するようにしたものである。このようにしても第三実施形態と同様の効果が得られる。
【0123】
次に、この発明の光源駆動装置のさらにまた他の実施形態を図面に基づいて説明する。
図22は、この発明の第五実施形態の光源駆動装置の構成を示すブロック図である。図4と同一符号のブロックは前述と同様の動作・機能を果たすので詳細な説明は省略する。この第五実施形態はこの発明の請求項7に係る光源駆動装置である。
図23は、図22に示す光源駆動装置の各部の出力する信号波形の一例を示す波形図である。
変調信号Modは、上述と同様に駆動波形情報(TSS,TSP、・・・)に基づいて生成する。
【0124】
パワー設定信号生成部62(上記請求項7の電流量選択信号生成手段の機能を果たす)は、変調信号Modとシーケンサ状態信号Seqに従って光源LDの照射レベルを示す照射レベルデータPDataを生成するものである。
例えば、図17(または図21)のパワー選択信号生成部52とP0Data選択部56a,P1Data選択部56bとP0DataとP1Dataとを変調信号Modに従って選択出力する選択部によって構成すればよい。
PDAC63は照射レベルデータPDataに基づいて電流Idacを供給する。照射レベルデータPDataが不定の期間とPDataの各ビット間のスキュー,電流源(DAC)の応答速度などによってPDAC63の出力は変調信号Modのエッジから一定期間不定の(所望の値とならない)状態となる(図23においてIdacの斜線部は電流値が不定の期間を示す)。
【0125】
サンプルホールド部64は、サンプル信号Smp(ここでは「ハイ(High)」がサンプルを、「ロー(Low)」がホールドをそれぞれ示すものとする)に従って電流Idacをサンプル/ホールドして変調電流Imodを生成するものであり、Idacが不定の期間をホールドし、その他期間をサンプルする。
サンプル信号生成部65は、変調信号Modの両エッジから所定期間ΔmだけLow(=ホールド)となるサンプル信号Smpを生成する。これは変調信号Modを所定量Δm遅延させる遅延回路66と、変調信号Modと遅延回路66の出力との排他的論理和をとるEXOR回路67によって生成すればよい。すなわち、サンプルホールド部64とサンプル信号生成部65が上記請求項7の制御手段の機能を果たす。
このようにすれば、照射レベルデータPDataの各ビット間にスキューがあったとしても、PDACが確定するまでは変調電流Imodとして反映しないので、光波形には影響を及ぼさず、正確な記録マークが形成できる。
【0126】
すなわち、上記第三乃至第五の実施形態の光源駆動装置に示すように、変調電流を決める信号(データ)の変化タイミング近傍では、その信号(データ)により変調電流を変化させないようにすれば、信号間のスキューが光波形に影響を及ぼさなくすることができる。
したがって、LD変調信号生成部集積回路2(この発明に係る第2集積回路に相当する)とLD駆動集積回路3(この発明に係る第1集積回路に相当する)とは別の集積回路で構成してもよく、それぞれ要望される回路特性にあった半導体プロセスを選択できるようになり、コスト・性能に見合った装置を構成することができる。
【0127】
上記第三乃至第五実施形態の光源駆動装置によれば、変調電流を決める信号(データ)の変化タイミング近傍では、その信号(データ)により変調電流を変化させないようにするので、信号間のスキューが光波形に影響を及ぼさず、正確な記録マークが形成できる。また、各部は別の集積回路で構成してもよく、それぞれ要望される回路特性にあった半導体プロセスを選択できるようになり、コスト・性能に見合った装置を構成することができる。
【0128】
次に、この発明の光源駆動装置のさらに他の実施形態を図面に基づいて説明する。
図24は、この発明の第六実施形態の光源駆動装置の構成を示すブロック図である。図4と同一符号のブロックは前述と同様の動作・機能を果たすので詳細な説明は省略する。この第六実施形態はこの発明の請求項8,9,10に係る光源駆動装置である。
図25は、図24に示す光源駆動装置の各部の出力する信号波形の一例を示す波形図であり、変調信号間にスキューがあった場合(ここではMod1とMod2との間)の変調電流Imodの波形例を図中(a)〜(c)で示す。
(a)は変調信号Mod1とMod2にスキューがない場合、(b)はMod1がMod2より進んでいる場合、(c)はMod1がMod2より遅れている場合である。
【0129】
図24において、補償電流生成部71(上記請求項8,9,10の補償手段の機能を果たす)は、変調信号Mod0〜Mod2に基づいてスキューによって生じる変調電流Imodの乱れを補償する補償電流Icompを生成する。
図26は、図24の補償電流生成部71の内部の詳細な構成例を示すブロック図である。ここでは変調信号Mod1とMod2間のスキューを補償するための例を示した。
【0130】
補償制御部72は、変調信号Mod1とMod2との位相関係により、補償信号Scomp1またはScomp2の生成を制御する。また、補償電流値の制御も行う。つまり図25の(b)のMod1がMod2より進んでいる場合は、補償信号Scomp1をMod1を基準とし(図の例ではMod1の立下り)、スキュー量に応じて生成し、この補償信号Scomp1に応じて補償電流Icomp(b)を生成する。逆に図25の(c)のMod1がMod2より遅れている場合には、補償信号Scomp2をMod2を基準とし(図の例ではMod2の立上り)、スキュー量に応じて生成し、この補償信号Scomp2に応じて補償電流Icomp(c)を生成する。この場合は変調電流Imodから減算するよう補償する。
【0131】
このとき、補償電流Icompの値は、補償電流設定データDcompに基づいた補償電流源によって設定される。なお、この電流値は電流I1とI2の差に応じて変更するようにすると照射レベルを変更しても適正なスキュー補償ができるようになる。また、補償電流の印加時間ではなく電流量をスキュー量に応じて設定するようにしてもよい。
このようにして、この第六実施形態の光源駆動装置によれば、変調信号のスキューによって生じる変調電流の乱れを補償するように電流を印加するので、光波形には影響を及ぼさず、正確な記録マークが形成できる。
【0132】
上記第六実施形態の光源駆動装置によれば、変調信号のスキューによって生じる変調電流の乱れを補償するように電流を印加するので、光波形には影響を及ぼさず、正確な記録マークが形成できる。また、各部は別の集積回路で構成してもよく、それぞれ要望される回路特性にあった半導体プロセスを選択できるようになり、コスト・性能に見合った装置を構成することができる。
【0133】
また、上記各実施形態によれば、光源駆動手段の機能を果たす第1集積回路と変調信号や光レベル指令信号を生成する手段の機能を果たす第2集積回路とを一つのパッケージ内に搭載するので、変調信号や光レベル指令信号の伝送線路が情報記録再生装置(特にピックアップ)の構成・配置に依らず一定となり、スキュー調整や補償が容易となる。また、FPC基板を伝送する信号線数を低減できるのでピックアップの小型化も容易となる。
【0134】
さらに、上記実施形態の情報記録装置において、光源駆動手段の機能を果たす第1集積回路と、記録媒体に記録する二値化信号に従って変調信号や光レベル指令信号を生成する手段の機能を果たす第2集積回路とをピックアップ上に搭載するようにすれば、集積回路間の伝送路が比較的短距離となってスキュー量は小さく抑えられ、FPC基板の屈曲部を伝送しないので曲げ伸ばしによる伝送線路特性変化が生じないためにスキュー量の変動は生じず、スキュー調整や補償が容易になる。
さらにまた、各変調信号間にスキューがあっても光波形には影響を及ぼさず所望の光波形が得られ、正確な記録マークが形成できる。また、それぞれ要望される回路特性にあった半導体プロセスで構成できるようになり、コスト・性能に見合った装置が実現できる。特に、光情報記録装置の高速記録化する際に適している。
【0135】
次に、この発明の光源駆動装置のさらに他の実施形態を図面に基づいて説明する。
図28は、この発明の第七実施形態の光源駆動装置の構成を示すブロック図であり、上述の説明と共通する部分には同一符号を付している。
この第七実施形態はこの発明の請求項14と15と17乃至22に係る光源駆動装置である。
この光源駆動装置は、LD変調信号生成部10を含むLD変調信号生成部集積回路2と、LD制御部9及びLD駆動部12からなるLD駆動集積回路3とからなっており、異なるプロセスで作製される集積回路である。LD駆動集積回路3は、駆動するLD102の近傍に配置し、ピックアップ101に搭載する。
【0136】
そして、この発明の請求項14に係る光源駆動装置として、PLL20,ランレングス検出部21,駆動波形生成情報保持部22,変調信号生成部23等が、光源の駆動波形に基づいて複数の変調信号を生成して出力する変調信号生成出力手段の機能を果たす。また、電流源(DAC)28,スイッチ29,加算部30と31,電流駆動部32等が、上記変調信号生成出力手段によって出力された各変調信号を入力し、その各変調信号に基づいて多段階の電流量の電流を生成し、その生成した電流を光源LDに供給して光源LDによって多値レベルの光を発生させるように駆動する光源駆動手段の機能を果たす。
【0137】
さらに、遅延検出部35が上記変調信号生成出力手段によって出力された各変調信号が上記光源駆動手段に入力されるときの各変調信号間の入力タイミングの差を検出する変調信号入力タイミング差検出手段の機能を果たす。
また、遅延量調整部24と遅延制御部36が、上記変調信号入力タイミング差検出手段によって検出された各変調信号間の入力タイミングの差が所定範囲内に収まるように上記変調信号生成出力手段による上記各変調信号の出力するタイミングを調整する変調信号出力タイミング調整手段の機能を果たす。
【0138】
さらに、遅延量調整部24と遅延制御部36は、この発明の請求項15に係る上記変調信号入力タイミング差検出手段によって検出された各変調信号間の入力タイミングの差が所定範囲内に収まるように上記変調信号生成出力手段による上記各変調信号の出力するタイミングをそれぞれ所定量ずつ遅らせて調整する手段の機能を果たす。
また、PLL20,ランレングス検出部21,駆動波形生成情報保持部22は、この発明の請求項17に係る上記光源の駆動波形に基づいて駆動波形生成情報を生成する手段に、変調信号生成部23はこの発明の請求項17に係る上記手段によって生成された駆動波形生成情報に基づいて複数の変調信号を生成して出力する手段にそれぞれ相当する。
【0139】
さらに、電流源(DAC)28,スイッチ29,加算部30と31,電流駆動部32等は、この発明の請求項17に係る上記変調信号生成出力手段によって出力された各変調信号を入力し、その各変調信号に基づいて1つ又は複数の電流源を選択し、その選択された1つ又は複数の電流源による1つ又は複数の電流に基づいて多段階の電流量の電流を生成し、その生成した電流を光源に供給して多値レベルの光を発生させて駆動する手段に相当する。
【0140】
また、テスト信号生成部37が、この発明の請求項18に係るテスト用の駆動波形生成情報を生成するテスト用駆動波形生成情報生成手段の機能を果たす。さらに、変調信号生成部23は、この発明の請求項18に係る上記テスト用駆動波形生成情報生成手段によって生成された駆動波形生成情報に基づいて複数の変調信号を生成して出力する手段の機能を果たす。
さらにまた、光源消灯制御部38が、この発明の請求項21に係る上記変調信号出力タイミング調整手段による上記各変調信号の出力するタイミングの調整時に光源LDを消灯させる光源消灯手段の機能を果たす。
【0141】
LD変調信号生成部集積回路2のLD変調信号生成部10は、記録クロック信号WCKからn逓倍のクロック信号PCK及びPCKと所定量づつ位相の異なる複数のクロックCK0〜CK7を生成するフェーズロックループ部(PhaseLocked Loop:PLL)20と、コントローラ19(図1のコントローラ106に相当する)から供給される記録データ信号Wdataのランレングスを検出してランレングス信号Lenを供給し、所定量記録データ信号を遅延させた遅延記録データ信号dWdataを出力するランレングス検出部21を備えている。
【0142】
さらに、光源LDの駆動波形に基づく駆動波形生成情報を格納しておき、ランレングス信号Lenに対応した情報を遅延記録データ信号dWdataに合わせて出力する駆動波形生成情報保持部22と、その駆動波形生成情報から変調信号M0〜M2を生成する変調信号生成部23と、その変調信号M0〜M2をそれぞれ所定量遅延させて変調信号Mod0〜Mod2を供給する遅延量調整部24と、変調信号M0〜M2の遅延量を制御する遅延制御信号を遅延量調整部24へ供給する遅延制御部36と、遅延記録データ信号dWdata(又は記録データ信号Wdata)からLD制御用タイミング信号を生成するLD制御タイミング信号生成部26と、コントローラ19から供給される制御コマンドを受けて各部へ制御信号を供給する制御部25を備えている。
【0143】
また、遅延制御を行う際に遅延量検出のためのテスト信号を生成するテスト信号生成部37も備えている。
さらに、LD駆動集積回路3は、光源LDの照射レベルP0,P1,P2にそれぞれ対応した照射レベルデータP0Data,P1Data,P2Data及び変調信号Mod0,Mod1,Mod2に基づいてLD変調電流Imodを生成する変調部27と、光源LDの出射光の一部をモニタするモニタ受光部PDからのモニタ受光信号を入力し、そのモニタ受光信号に基づいて光源LDの出射光量が所望の値になるようにバイアス電流Ibias及び変調電流のスケールを指示するスケール信号Isclを制御するLD制御部33と、LD変調電流Imodとバイアス電流Ibiasを加算する加算部31と、加算部31から供給される電流ILD′を増幅して光源LDの駆動電流ILDを供給する電流駆動部32と、変調信号Mod0,Mod1,Mod2のそれぞれの遅延差を検出する遅延検出部35と、コントローラ19から(あるいは制御部25を介して)供給される制御コマンドを受けて各部へ制御信号を供給する制御部34とから構成されている。
【0144】
そして、後述するように、上記遅延量調整部24と上記遅延検出部35と上記遅延制御部36とが、この発明に係る変調信号のスキューを補正するための調整機能を果たす。
その場合に上記制御部25が、この発明の請求項22に係る光源駆動装置の立ち上げ時に上記変調信号出力タイミング調整手段による上記各変調信号の出力するタイミングの調整を実行させる手段を果たすようにすると良い。
【0145】
また、上記変調部27は、照射レベルデータP0Data,P1Data,P2Dataに基づいてそれぞれ電流I0,I1,I2を供給する電流源(DAC)28a〜28cからなる電流源(DAC)28と、変調信号Mod0,Mod1,Mod2に従ってそれぞれ電流I0,I1,I2をオンオフ制御するスイッチ29a〜29cからなるスイッチ(SW)29と、スイッチ29の出力する各電流を加算してLD変調電流Imodを供給する加算部30とから構成される。
【0146】
図29は、図28に示した各部の出力信号の信号波形の一例を示す図であり、ここで想定する情報記録媒体は相変化型記録媒体(例えば、CD−RWディスク,DVD−RWディスク,DVD+RWディスクなど)とし、同図の(c)に示す記録データ信号Wdata及び同図の(b)に示す記録クロック信号WCKに基づいて、同図の(d)に示すような光変調波形P(Pw,Pe,Pr,Pbからなる波形)で光源LDを発光させて、情報記録媒体の記録面に同図の(e)に示す記録マークを形成する。
【0147】
また、同図の(a)に示すライトゲート信号WGは記録/再生の切り換えを指示し、ローの期間は再生パワーPrで光源LDを発光させて再生をし、ハイの期間は記録データ信号Wdata及び記録クロック信号WCKに基づいて光源LDを発光させる。
同図の(f−1)〜(f−3)に示したM0〜M2は、変調信号生成部23又はテスト信号生成部37から出力される変調信号であり、同図の(g−1)〜(g−3)に示したMod0〜Mod2は、スイッチ29をスイッチングする変調信号であり、スキューのない(または遅延量調整部24により補正した)状態を示す。
同図の(h−1)〜(h−3)に示したM0′,M1′,M2′は、遅延量調整部24から出力されて変調部27に入力されるときの変調信号(すなわち、Mod0〜Mod2に相当する)の波形の一例であり、M0′とM1′間にスキューΔ1が、M1′とM2′間にスキューΔ2が発生しているものとする。
そして、以下に説明するようにして、上記スキューΔ1とΔ2を補正し、変調信号が同図の(g−1)〜(g−3)に示したMod0〜Mod2の状態になるようにする。
【0148】
なお、スキューの発生には変調信号生成部出力時に生じるものと、スイッチ29への伝送中に生じるものと、スイッチ29への入力時に生じるものなどがあり、配線長差,線路インピーダンス差,負荷特性,デバイスバラツキなどが原因となる。この実施形態の説明ではこれらを含んだものとする。
【0149】
相変化型記録媒体は、一般には、ライトパワーPw,イレースパワーPe,ボトムパワーPbの三値のマルチパルスで記録マークが形成される。それぞれLD駆動電流ILDが、つまりは増幅前の電流ILD′がIbias,Ibias+I1,Ibias+I2となる照射レベルである。
また、再生時のパワーPrは電流ILD′がIbias+I0となる照射レベルである。つまり、照射レベルは電流値I0,I1,I2をそれぞれ設定する照射レベルデータP0Data,P1Data,P2Dataによって決められる。この時、記録パワーレベル及び各パルスのパルス幅・パルス間隔を精度よく制御することによって正確な記録がなされる。
【0150】
この際、情報記録媒体あるいはその記録線速度によってはマークが形成されるときに隣接のスペース長によって媒体上で熱的影響を受け、マークのエッジが隣接スペース長によってさまざまに変動する場合がある。
これを避けるために、従来では隣接のスペース長を考慮して光変調波形の各パルス幅を変えている。また、上記に加えて、隣接のスペース長を考慮してパワーを変えられるようにすれば、情報記録媒体に与える熱量としては隣接スペース長に応じてパルス幅補正をするのと等価となるので、実質的にパルス幅制御分解能の細分化を行っているのと同等となり、高速記録化対応に適したものとなる。
この第七実施形態においては、電流源(DAC)28とスイッチ29及び変調信号Modの組み合わせを増やすことによって対応できる。ここでは説明を簡単にするため、図29に示したように三値レベルで記録する場合について説明する。
【0151】
次に、図28に示した各部の動作と詳細構成について説明する。
[PLL]
PLL20は、図6に示したように、M分周器(1/M)201,位相比較器(PC)202,ループフィルタ203,発振器(VCO)204,N分周器(1/N)205,分周器(M/N)206からなり、各部動作は通常のPLL回路と同様であるので詳細な説明は省略する。
このPLL20は、記録クロック信号WCKからn逓倍のクロック信号PCKを生成し、クロック信号PCKと所定量づつ位相の異なる複数のクロック(この第七実施形態でも上記第一実施形態と同じようにCK0〜CK7の8つのクロックとし、CK0をPCKとする)を生成する。また、チャネルクロック信号CLKも生成する。
【0152】
M分周器201は、記録クロック信号WCKをM分周する。その分周比1/Mは設定可能とし(例えば、M=2,4)、記録クロック信号が記録チャネルクロックを分周した信号で供給される場合に対応する。記録クロック信号の周波数を下げて転送をすることによってノイズの発生を低減できる。
発振器204は、所定量づつ位相の異なるm個のクロック(この第七実施形態でも上記第一実施形態と同じようにCK0〜CK7の8つのクロック(m=8)とし、CK0をPCKとする)を生成し、変調信号生成部23へ出力する。これは例えばリングオシレータなどにより構成される。
【0153】
N分周器205は、発振器204の出力する一つのクロック信号(例えば、CK0)をN分周する。その分周比1/Nは設定可能とし、N/Mが記録クロックWCKに対するクロック信号PCKの逓倍数nとなる。
また、分周器206によってPCK信号をM/N分周して記録チャネルクロックCLKを生成してランレングス検出部21へ供給する。
後述するように、LD変調信号Mod0〜Mod2はクロック信号CK0〜CK7を基準に生成する。
【0154】
つまり、分周比1/N,1/Mを設定することによってLD変調信号Modのパルス幅設定分解能を設定できる。例えば、供給される記録クロック信号WCKが記録チャネルクロックと同一周波数で転送されるものとし、M=4,N=16と設定すると、クロック信号PCKはチャネルクロックの4逓倍の周波数となり、LD変調信号WSPはチャネルクロックに対して1/32(=m・M/N)のパルス幅設定分解能で生成できる。以下、これをパルス幅設定ステップと称する(また適宜、単にステップと省略する)。上記例の場合、32ステップが1チャネルクロック周期に相当する。
【0155】
[ランレングス検出部]
ランレングス検出部21は、コントローラ19から供給される記録データ信号Wdataのランレングスを検出し、駆動波形生成情報保持部22へランレングス信号Lenを供給する。記録データ信号WdataはNRZI(Non Return to Zero Inverted)の二値化信号でハイ区間が記録マークを、ロー区間がスペースをそれぞれ表すものとする。つまり、このランレングス検出部21は記録データのマーク長及びスペース長を検出する。ここでは、ランレングス信号Len1がマーク長を、ランレングス信号Len0が直前スペース長を、ランレングス信号Len2が直後スペース長を供給するものとする。
【0156】
また、ランレングス検出部21は適用する記録データ信号の最小最大ランレングスに応じて構成され、この第七実施形態の光源駆動装置ではDVDフォーマットの情報記録媒体(DVD+RWディスク,DVD−Rディスク,DVD−RAMディスクなど)に記録を行う光情報記録装置への適用を想定し、記録データ信号WdataはEFM+変調を行った信号を想定して説明する。つまり、ランレングスは3T〜11T及び14T(Tはチャネルクロック周期)となる。
さらに、ランレングス検出部21は、ランレングスを検出するのに必要な所定時間及び各回路の遅延時間差などを考慮して記録データを所定量遅延させて遅延記録データ信号dWdataを変調信号生成部23とLD制御信号生成部26へ出力する。
【0157】
すなわち、この第七実施形態の光源駆動装置を適用した上記情報記録再生装置がこの発明の請求項23に係るその光源駆動装置によって駆動された前記光源から発生された多値レベルの光を記録媒体に照射してデータを記録するようにした情報記録装置に相当し、この発明の請求項24に係る記録媒体の記録半径位置に対応して上記光源駆動装置の上記変調信号出力タイミング調整手段による上記各変調信号の出力するタイミングの調整を実行するようにした情報記録装置に相当する。
【0158】
[駆動波形生成情報保持部]
駆動波形生成情報保持部22は、駆動波形生成情報を格納しておくメモリであり、ランレングス検出部21から出力されるランレングス信号Len0〜Len2に対応した情報を遅延記録データ信号dWdataに合わせて変調信号生成部23へ出力する。
駆動波形生成情報は光波形の照射レベル変化タイミングを表すタイミング情報などからなる。このタイミング情報はパルス幅設定ステップ数で表され、図9に示したように、各タイミング情報(TSS,TSP,TMS,TMP,TLS,TLP)を基準時刻(例えば、遅延記録データ立上りエッジ)から累積していくことによって変化タイミングを決めていく。また、図中のNMPはTMS及びTMPの繰り返し回数である(図9ではNMP=2の例を示した)。
すなわち、変調信号Mod1の立上がり/立ち下がり(変化)タイミングはタイミング情報TSSとTEMPにより決まり、変調信号Mod2の変化タイミングは各タイミング情報により決まる。
このようにして、マルチパルス周期及びデューティを任意に設定することができる。
【0159】
また、この第七実施形態の光源駆動装置では、駆動波形を記録データ信号Wdataのマーク長とその隣接するスペース長によって変化させ、形成する記録マークエッジ位置を高精度に制御するようにしている。
記録マークが形成される時、隣接のスペース長によって媒体上で熱的影響を受け、エッジが隣接スペース長によって変化する。これを避けるために、隣接のスペース長を考慮して駆動波形を変化させるものである。
つまり、マーク長及び直前直後のスペース長の各組み合わせに対応した駆動波形生成情報を格納しておき、ランレングス検出部21によって検出したランレングス信号Len0〜Len2に応じて対応した駆動波形生成情報を供給する。
【0160】
なお、マーク長及び隣接スペース長が所定値以上の場合は熱的影響やその変化分は少ない。そのため、全ての組み合わせに対応した駆動波形生成情報を用意する必要はなく、影響度の大きい組み合わせのみ用意すれば情報の保持に必要なメモリ容量を低減できる。また、この第七実施形態では、各パラメータに応じて用意する組み合わせも変え、メモリ容量の低減化とマーク形状制御の高精度化の両立を図っている。
【0161】
[変調信号生成部]
変調信号生成部23は、駆動波形生成情報保持部22からの駆動波形生成情報(タイミング情報)に基づいて変調信号M0〜M2を生成し、遅延量調整部24へ出力する。図29の(f−1)〜(f−3)はその出力信号の信号波形の一例を示している。その変調信号M0〜M2の生成の際はクロック信号CK0〜CK7を基準とし、それらのクロック信号の位相差に相当する時間が変調信号のパルス幅設定分解能となる。
【0162】
[LD制御信号生成部]
LD制御信号生成部26は、記録データ信号Wdataからサンプルホールド方式のAPC制御用サンプル信号などのLD制御用のタイミング信号を生成する。光源LDの発光波形は記録データ信号Wdataに対してランレングス検出部21での遅延分遅れるので、発光波形に合わせてサンプル信号を生成する。
【0163】
[変調部]
変調部27は、光源LDの照射レベルP0,P1,P2にそれぞれ対応した照射レベルデータP0Data,P1Data,P2Dataに基づいて、それぞれ電流I0,I1,I2を供給する各電流源(DAC)28a〜28cからなる電流源(DAC)28と、変調信号Mod0,Mod1,Mod2に従ってそれぞれ電流I0,I1,I2をオンオフ制御する各スイッチ29a〜29cからなるスイッチ29と、スイッチ29の出力する各電流を加算してLD変調電流Imodを供給する加算部30とから構成される。
【0164】
図14に示した光源LDの駆動電流−光出力特性の例と変調部27の各部電流との関係図に基づいて変調部27の動作を説明する。
電流源(DAC)28aは照射レベルデータP0Dataに基づいて電流I0を供給する電流出力DAC(D/Aコンバータ)であり、同様に電流源(DAC)28b,電流源(DAC)28cはそれぞれ照射レベルデータP1Data,P2Dataに基づいて電流I1,I2を供給する電流出力DACであり、電流源(DAC)28としての機能を果たす。また、電流源(DAC)28a〜電流源(DAC)28cのフルスケールIsclはLD制御部33から供給され、微分量子効率ηの変動に応じて制御される。よって、電流源(DAC)28a〜電流源(DAC)28cの出力電流I0,I1,I2はそれぞれ次の数9〜数11の演算式に基づく処理で得られる。ここでは、電流源(DAC)28a〜電流源(DAC)28cは8ビット(bit)DACとしている。
【0165】
【数9】
I0=(P0Data/255)*Iscl
【0166】
【数10】
I1=(P1Data/255)*Iscl
【0167】
【数11】
I2=(P2Data/255)*Iscl
【0168】
なお、図14においては、後述する電流駆動部32での増幅率Aiをかけた電流値I0′,I1′,I2′を図示している。
スイッチ29a〜29cは、それぞれ変調信号Mod0〜Mod2に従って電流I0〜I2をオンオフ制御する。図29の波形図において、変調信号が「ハイ(High)」の時にスイッチはオンとなるものとする。そして、スイッチ29a〜29cでオンになった電流が加算部30によって加算され、変調電流Imodを得る。つまり、次の数12に示す演算式に基づく処理で変調電流Imodを求めることができる。
なお、「×Mod(n)」((n)は0,1,2)はMod(n)が「ハイ(High)」の時に×1を、「ロー(Low)」の時に×0を意味する。
【0169】
【数12】
Imod=I0×Mod0+I1×Mod1+I2×Mod2
【0170】
図14に示したように、電流IbはLD制御部33で制御されたバイアス電流Ibiasに増幅率Aiをかけた電流値であり、その電流Ibに対してボトムレベルPbで発光するように制御されている。
そして、再生レベルPrで発光させるには、Mod0=1,Mod1=0,Mod2=0として、Imod=I0となるように変調信号を生成し、光源LDに駆動電流Ib+I0′を流す。この時、照射レベルデータP0Dataには、P0(=Pr−Pb)に相当する値を設定しておく。
【0171】
同様にして、イレースレベルPe,ライトレベルPwを照射する。なお、温度変動などにより、光源LDの閾値電流Ithと微分量子効率ηが(i)→(ii)のように変動した場合は、LD制御部33によってバイアス電流Ib及びスケール信号Isclが制御され所望の光量が得られる。つまり、図14の(ii)に示した各電流Ib,I0′〜I2′を生成し、所望の光波形(a)を得る。
また、ボトムレベルPbに相当する電流Ib′を常時LD駆動電流に加算しておき、バイアス電流Ibが閾値電流Ith相当になるように制御してもよい。
つまり、図14の(ア)に示したようにIb+Ib′により、ボトムレベルPbで発光する。なお、電流Ib′は他の電流源と同様にスケール信号Isclによって制御する。
【0172】
[LD制御部]
LD制御部33は、光源LDの出射光の一部をモニタするモニタ受光部PDからのモニタ受光信号が入力され、そのモニタ受光信号に基づいて光源LDの出射光量が所望の値となるようにバイアス電流Ibias及び変調電流のスケールを指示するスケール信号Isclを制御するものである。
すなわち、温度変動などによって光源LDの閾値電流Ithや微分量子効率ηが変動した場合、閾値電流Ithの変動に対してバイアス電流Ibiasを、微分量子効率ηの変動に対してスケール信号Isclを制御する。
また、所定照射レベル時のモニタ受光信号をサンプルホールドして制御を行う場合は、LD制御信号生成部26から供給されるLD制御信号に従って行う。
【0173】
なお、このLD制御自体は本発明の要旨ではなく、公知技術を適用すればよいので、その詳細な構成や動作説明は省略する。また、このLD制御部33はLD駆動集積回路3内に設けず、別途設けるものであってもよい。その際はバイアス電流Ibias及びスケール信号Isclを直接または制御部34を介して供給するようにすればよい。
【0174】
[電流駆動部]
電流駆動部32は、加算部31から供給される電流を所定の増幅率Aiで増幅して光源LDの駆動電流ILDを供給する。この時、LD駆動電流ILDは次の数13の演算式に基づく処理で得られる。
【0175】
【数13】
ILD=Ai*(Ibias+Imod)
【0176】
次に、遅延量調整部24,遅延検出部35及び遅延制御部36の各部構成と、それらによる変調信号のスキュー補正動作を説明する。
図30は、スキュー補正動作時に遅延量調整部24,遅延検出部35及び遅延制御部36の各部が出力する信号の波形を示す図である。
【0177】
[遅延量調整部]
変調電流Mod0〜Mod2は変調部27の入力端での変調信号のスイッチングタイミングによって変調されるので、複数の変調信号が同時に変化しないと変調電流つまりは光波形が所望の波形にはならない。
つまり、図29の(f−1)〜(f−3)に示したように、変調信号生成部23において同時にスイッチングするように変調信号M0〜M2を生成しても、遅延量調整部24から変調部27への伝送中に配線長差などによってスキュー(遅延差)が生じ、変調部27の入力端でずれが生じると上述の問題が生じる。
図29の(h−1)〜(h−3)にそれぞれ示したように変調信号M0′,M1′,M2′は、遅延量調整部24が無い場合の(つまり従来の)変調部27の入力端での変調信号波形の一例であり、複数の変調信号が同時に変化しないために変調電流つまりは光波形が所望の波形にはならない。
【0178】
そこで、遅延量調整部24は、遅延制御部36からの遅延設定信号に基づいて変調信号M0〜M2をそれぞれ遅延させ、その遅延後の変調信号Mod0〜Mod2が、図29の(g−1)〜(g−3)に例示したように、変調部27の入力端で遅延差が所定値以内(所定範囲内)に収まるように遅延させる。
この場合、遅延量調整部24と遅延制御部36は、上記変調信号入力タイミング差検出手段によって検出された各変調信号間の入力タイミングの差が所定範囲内に収まるように上記変調信号生成出力手段による上記各変調信号の出力するタイミングをそれぞれ所定量ずつ遅らせて調整する手段の機能を果たす。
【0179】
図31は、図28に示した遅延量調整部24の内部の詳細な構成例を示すブロック図である。
図31において、遅延量調整部24は、各信号を遅延させる遅延部243a〜243cからなり、各遅延部243a〜243cは信号を所定量遅延させる遅延素子241a〜241n(nは正の整数)が縦列接続されており、その各遅延素子241a〜241nの出力の何れかを遅延設定信号DlyS0〜DlyS2に基づいて選択して出力する選択部242とからなる。
このように構成することにより、どの遅延素子241a〜241nの出力を選択するかによって遅延量を調整できる。また、各遅延部243a〜243cは供給する電流(または電圧)によって遅延量の変化する遅延バッファで構成し、この供給電流を変化させることによって遅延量を調整するようにしてもよい。
【0180】
[遅延検出部]
遅延検出部35は、変調信号Mod0〜Mod2の変調部27の入力端での遅延差(スキュー)を検出するものであり、検出結果を遅延制御部36へ供給する。遅延検出部35及び変調部27の入力端を近傍に配置することにより、遅延検出部35の入力端での各変調信号間のスキューは、変調部27の入力端でのスキューとほぼ等しくなる。
【0181】
図32は、遅延検出部35の内部構成例を示すブロック図である。ここでは、変調信号Mod0とMod1とのスキューを検出する構成例を示している。
位相比較部251は、変調信号Mod0とMod1との位相差を検出するものであり、ExOR回路などによって簡単に構成できる。
図30に示したように、同図の(a)のM0と(b)のM1の二つの変調信号を同一周波数の信号とすれば、スキュー量に応じた時間だけ「ハイ(H)」になる信号Diffが得られる。また、位相比較信号Diffは正負2つの信号からなり、Mod0の方が位相が進んでいれば同図の(e−1)の位相比較信号Diff+に、遅れていれば同図の(e−2)の位相比較信号Diff−にパルスがそれぞれ出力される。
【0182】
平滑部252は、位相比較信号Diffを平滑化するものであり、スキュー量に応じた電圧Vdiffが得られる。これは例えば、チャージポンプ回路によって構成し、位相比較信号Diff+及び位相比較信号Diff−をアップ(Up)/ダウン(Down)信号とすればよい。ここでは、変調信号Mod0の方が位相が進んでいれば正電圧として、遅れていれば負電圧(基準電圧に対して)として生成される。
【0183】
比較部253は、平滑部252の出力する電圧Vdiffと基準値を比較し、基準値以上なら「+」を、基準値以下なら「−」をそれぞれ出力し、基準値とほぼ等しければ何れも出力しない。なお、単純なコンパレータとして、+/−何れかを出力するものとしてもよい。これらを遅延検出信号とする。
変調信号Mod0(あるいは変調信号Mod1)と変調信号Mod2とのスキューも同様にして検出することができる。また、位相比較部251への入力を切り換えるようにしてもよい。
【0184】
[遅延制御部]
遅延制御部36は、スキュー補正時には、遅延検出部35から供給される遅延検出信号に従い、後述するスキュー補正方法に基づいて各変調信号の遅延量を制御する。そして通常時には、その制御された遅延量を遅延設定信号として遅延量調整部24に供給する。
【0185】
図32に示した構成の遅延検出部35の場合、上記遅延量調整部24及び遅延制御部36は、この発明の請求項16に係る機能として、上記変調信号入力タイミング差検出手段によって検出された各変調信号間の入力タイミングの差が所定範囲内に収まるように上記変調信号生成出力手段による上記各変調信号の内のいずれか2つの変調信号の出力するタイミングをそれぞれ所定量ずつ遅らせて調整する手段の機能を果たす。
【0186】
次に、上記スキュー補正処理についてさらに詳しく説明する。
ここでは、上記テスト信号生成部37が、この発明の請求項19に係る上記変調信号生成出力手段に同一波形の複数の変調信号を生成させるテスト用の駆動波形生成情報を生成する手段の機能を果たす場合を説明する。
【0187】
図33は、この第七実施形態の光源駆動装置におけるスキュー補正処理の一例を示すフローチャート図である。
まず、スキュー補正時には、コントローラ19より、制御部25を介してスキュー補正動作開始の指示がなされ、各部はスキュー補正動作に移行する。すなわち、テスト信号生成部37は、変調信号M0〜M2が所定周波数の信号を出力するように信号及び駆動波形生成情報を供給する。
ステップ(図中「S」で示す)1の初期化処理において、変調信号生成部23は、このテスト信号に基づいてスキュー検出用の変調信号M0,M1,M2を出力する(図30の(a)と(b)を参照)。遅延制御部36は遅延設定信号を全て“0”に初期化する。
【0188】
次に、ステップ2において、遅延検出部35によって変調信号間の遅延差δを検出し、その遅延差δがほぼ“0”か否か(各変調信号間の入力タイミングの差が所定値内か否か)を判断し、遅延差δがほぼ“0”であればステップ4へ、遅延差δがほぼ“0”でない(所定値を超えている)ならばステップ3へそれぞれ移行する。
【0189】
図30の信号波形図では、変調信号Mod0とMod1の場合を示している。同図の(c)と(d)にそれぞれ示すd0,d1はそれぞれ遅延量調整部24での遅延量を示し、Δ0,Δ1は変調信号生成部23の出力端から遅延検出部35(変調部27)の入力端までのそれぞれの伝送遅延量を示している。これらの差(=(d0+Δ0)−(d1+Δ1))が遅延差δである。
ステップ3では、遅延検出信号に従って遅延設定信号を増減することにより、一方の遅延量を+1ステップ又は−1ステップ変更する。
すなわち、遅延検出信号が「+」ならば(Mod0の位相がMod1よりも進んでいれば)、M0の遅延量d0を1ステップ遅らせ、「−」ならばM1の遅延量d1を1ステップ遅らせる(なお、何れかを1ステップ早めるように調整してもよい)。
【0190】
そして、ステップ2の判定が真となるまで、すなわち、遅延差δがほぼ“0”と判断されるまで、ステップ2と3の処理を繰り返す。さらにMod2に対しても上述と同様の処理を行う。このようにして、変調信号Mod0b〜Mod2bの変調部27の入力端での遅延差がなくなるように調整する。
最後にステップ4の遅延量保持処理では、現在の遅延設定信号(つまり遅延量d0〜d2)を保持し、通常時はこれを供給する。またテスト信号の供給を停止する。
【0191】
さらに、このスキュー補正時には、光源消灯制御部38によって電流駆動部32に対して光源LDの駆動電流を停止して発光させないように制御すれば、光源LDの異常発光を防げ、光源LDの破壊や劣化を保護できる。これは照射レベルデータP0Data,P1Data,P2Dataを0に設定することによっても行える。
すなわち、光源消灯制御部38は、この発明の請求項21に係る上記変調信号出力タイミング調整手段による上記各変調信号の出力するタイミングの調整時に光源LDを消灯させる光源消灯手段の機能を果たす。
【0192】
また、スキュー補正時のスキュー検出用の変調信号M0〜M2を同一周波数で位相を45°ずらした信号にしておくと、遅延差が微小な時の検出精度を向上できる。これは、遅延差が微小になると位相比較信号Diffのパルス幅が微小となって検出できなくなること(位相比較部251の不感帯)を避けるためである。
また、遅延制御部をコントローラ19内部に設け、遅延検出信号及び遅延設定信号の授受をそれぞれ制御部34と25を介して行うようにしてもよい。
【0193】
以上からわかるように、この第七実施形態によれば、各変調信号間にスキューがあってもそのスキューを補正するので、光波形には影響を及ぼさずに正確な記録マークが形成できる。
よって、LD変調信号生成部集積回路2とLD駆動集積回路3とは別の集積回路で構成してもよく、それぞれ要望される回路特性にあった半導体プロセスを選択できるようになり、コスト・性能に見合った光源駆動装置を構成することができる。
【0194】
すなわち、変調信号生成部では高速動作及び高集積化が求められるので微細なCMOSプロセスが好適である。
一方、LD駆動部には、1〜数V程度の動作電圧を持つLDが接続されるため、高耐圧プロセス(例えば5Vや3.3Vなど)が要求されており、通常、微細なCMOSプロセスでは高耐圧にすることは困難である(例えば、0.18μmCMOSプロセスでは1.8V程度の耐圧しかない)が、それぞれを好適なプロセスで構成できるようになる。
【0195】
そして、この二つの集積回路間はワイヤなどの伝送線で接続されるので、少なからずスキューが発生し、特に高速化した際には第七実施形態の光源駆動装置の効果が好適に作用する。
さらには、自動的にスキューを補正する機構を設けたので、デバイスのバラツキなどによって光源駆動装置毎にこのスキューが異なっても、それぞれスキューがほぼ無視できるように調整できる。
よって、デバイスバラツキを特別に抑制する必要もなく、伝送線の製造も容易となるので、コストを低減することができる。
【0196】
また、LD駆動集積回路3を光源の近傍、つまり光ピックアップ上に配置し、LD変調信号生成部集積回路2を記録データを生成するコントローラやWCK生成部と同一の集積回路で構成するようにしてもよい。
このように構成しても、FPC基板での変調信号伝送におけるスキューの発生は上述の通り調整できるので、光波形には影響を及ぼさずに正確な記録マークが形成でき、コストも低減できる。さらに、PLL20をWCK生成部17と共通化することも可能となる。
さらには、FPC基板の屈曲状態により伝送線路インピーダンスなどが変化しスキュー量が変動する場合にも、記録半径位置に対応してスキュー調整を行うようにすると、より精度のよい調整が行える。
【0197】
このようにして、各変調信号間にスキューがあっても、そのスキューを調整する手段を備え、その手段でスキューをパルス幅設定ステップで調整することにより、光波形には影響を及ぼさずに所望の光波形が得られる。また、各部は別の集積回路で構成してもよく、それぞれ要望される回路特性にあった半導体プロセスを選択できるようになり、コスト・性能に見合った装置を構成することができる。さらには、デバイスのバラツキなどにより装置毎にこのスキューが異なっても、それぞれスキューがほぼ無視できるように調整できる。
また、テスト信号を生成する手段を備えているので、スキュー調整を容易に行える。
【0198】
さらに、テスト信号を生成する際に複数の変調信号を同一波形にすることにより、遅延検出の手段を簡便に構成することができる。
また、スキュー調整機構を簡便な構成で実現できる。
さらに、スキュー調整時での光源LDの異常発光を防げ、光源LDの破壊を防止して劣化から保護することができる。
さらにまた、通常動作を妨げずにスキュー調整が行え、さらには経時変化などの影響も排除できる。
【0199】
図34は、この発明の第八実施形態の光源駆動装置の構成を示すブロック図であり、上述の説明と共通する部分には同一符号を付している。
同図に示すように、テスト信号生成部37によって生成したテスト用の駆動波形生成情報を遅延量調整部24へ直接供給するように構成しても良い。
【0200】
図35は、遅延検出部35の他の構成例を示すブロック図である。
図33と同一付号のブロックは前述と同様の動作・機能を果たすので詳細な説明は省略する。
A/D変換器254は、平滑部252の出力する電圧VdiffをA/D変換し、スキューデータとして遅延制御部36に供給するものである。
遅延制御部36ではこのスキューデータに応じて遅延量を設定する。このようにすれば、スキュー補正時間を短縮できる。
また、A/D変換器254をLD変調信号生成部集積回路2側に設けるようにしてもよい。
さらには、位相比較部251は単純なExOR回路とし(つまり位相差の絶対値のみ検出し極性は検出しないものとし)、A/D変換器254で検出する電圧Vdiffが最小となる遅延量を求めるようにしてもよい。
【0201】
図36は、この発明の第九実施形態の光源駆動装置の構成を示すブロック図である。図28と同一付号のブロックは上述と同様の動作・機能を果たすので詳細な説明は省略する。
図36において、駆動波形生成情報保持部41は変調信号Mod0〜Mod2のそれぞれに対応した駆動波形生成情報を格納しておくものであり、ランレングス信号Len0〜Len2に対応した情報を遅延記録データ信号dWdataに合わせて駆動波形生成情報(タイミング情報Tdata0,Tdata1,Tdata2)を出力する。
また、変調信号生成部42は、タイミング情報Tdata0に基づいて変調信号Mod0を,Tdata1に基づいて変調信号Mod1を,Tdata2に基づいて変調信号Mod2をそれぞれ生成する。その生成の際はクロック信号CK0〜CK7を基準とし、それらのクロック信号の位相差に相当する時間が変調信号のパルス幅設定分解能となる。
【0202】
この第九実施形態における駆動波形生成情報と光波形との関係は、図16に示したように、駆動波形生成情報は光波形の照射レベル変化タイミングを表すタイミング情報などからなり、ここでは変調信号Mod1とMod2を生成するためのタイミング情報Tdata1及びTdata2を示す。
図示するようにタイミング情報Tdata1はTSS1とTEMP1からなり、Tdata2はTSS2,TSP2,TMS2,TMP2,TLS2,TLP2及びNMPからなり、変調信号は独立したタイミング情報から生成される。
この時、各タイミング情報が、変調信号のスキューを考慮して設定すると、各々の変調信号によるスイッチ29a〜29cのスイッチングタイミングをずれのないものにできる。
【0203】
例えば、変調信号Mod1とMod2にスキューΔが生じるとすると、それぞれのタイミング情報をスキューΔを見込んで設定すればよい(図16ではTSS1とTSS2)。また、通常記録媒体に応じたタイミング情報を求める際には、実際に記録を行って最も特性のよい値を求めるようにしているが、ここで最適な各タイミング情報を求めるようにしてもよい。
したがって、この第九実施形態によれば、変調信号のスキューをパルス幅設定ステップで調整できるようになり、正確な記録マークが形成できる。
また、高速記録の際にはパルス幅設定ステップも細かくなるため、スキュー調整も微調できるようになり、記録速度に依らずスキューは無視できる程度にまで抑制できる。さらに、高速化の要求に対しても微細なCMOSプロセスで行えるので容易に実現できる。さらにまた、上述と同様の効果も得られる。
【0204】
次に、この第九実施形態の光源駆動装置におけるスキュー補正方法について説明する。
そのスキュー補正処理は、図33のフローチャート図の各ステップ詳細動作が異なるだけであるので、以下相違点のみ説明する。
スキュー補正時には、変調信号生成部42が同一の所定周波数のスキュー検出用の変調信号Mod0〜Mod2を生成する。このとき、各変調信号は各変調信号に対応する駆動波形生成情報Tdata0〜Tdata2におけるスキュー検出用タイミング情報Ttest0〜Ttest2に従い位相をずらして生成される。この時のスキュー検出用タイミング情報Ttest0〜Ttest2が、それぞれ図30における遅延量d0〜d2に相当する。初期化ステップではTtest0〜Ttest2を全て0にする。
【0205】
次に、遅延検出信号に従ってスキュー検出用タイミング情報Ttest0〜Ttest2を増減する。すなわち、遅延検出信号が「+」ならば(Mod0の位相がMod1より進んでいれば)、Ttest0を1ステップ遅らせ、「−」ならばTtest1を1ステップ遅らせる(何れかを1ステップ早めるように調整してもよい)。このようにして、スキュー検出用の変調信号Mod0〜Mod2の出力タイミングを調整し、変調部27の入力端での遅延差を調整する。
さらに、現在のスキュー検出用タイミング情報Ttest0〜Ttest2を他の駆動波形生成情報Tdata0〜Tdata2にそれぞれ加算する。つまり、図16に示した例では、TSS1及びTEMP1にTtest1を、TSS2にTtest2の値を加算する(その他TSP2などは変更なし)。これにより、通常時でも変調部27の入力端での遅延差がほぼ0となるように変調信号生成部42での出力タイミングを調整できる。
また、このスキュー調整を記録速度に応じて行うとよい。
【0206】
この場合、テスト信号生成部37は、この発明の請求項20に係る上記変調信号生成出力手段に所定の同一の周波数で所定量の位相差を有する複数の変調信号を生成させるテスト用の駆動波形生成情報を生成する手段の機能を果たす。
このようにして、生成する複数の変調信号が所定の同一の周波数で所定量の位相差を有するので、遅延検出の手段を簡便に構成することができ、また検出精度を向上させることもできる。
【0207】
この第七〜第九実施形態の光源駆動装置を適用した情報記録装置によれば、各変調信号間にスキューがあっても光波形には影響を及ぼさず所望の光波形が得られ、正確な記録マークが形成できる。また、それぞれ要望される回路特性にあった半導体プロセスで構成できるようになり、コスト・性能に見合った装置が実現できる。特に、光情報記録装置の高速記録化する際に適している。
また、記録半径位置が変化してFPC基板の屈曲状態によって伝送線路インピーダンスなどが変化してスキュー量が変動する場合にも、それに対応してスキュー調整を行うのでより精度のよい調整が行える。
【0208】
次に、上記遅延検出部35,遅延制御部36を備えた調整装置にすれば、通常の情報記録再生装置に装着して、情報記録再生装置の光源駆動装置の変調信号生成出力手段によって出力された各変調信号が光源駆動手段に入力されるときの各変調信号間の入力タイミングの差を検出し、その検出された各変調信号間の入力タイミングの差が所定範囲内に収まるように変調信号生成出力手段による各変調信号の出力するタイミングを調整するので、光変調制御信号波形の歪みやスキュー等による光変調波形の所望値からのずれを適正な値に収まるように調整する調整装置を提供することができる。
【0209】
すなわち、この場合は、上記遅延検出部35,遅延制御部36を備えた調整装置が、光源の駆動波形に基づいて複数の変調信号を生成して出力する変調信号生成出力手段と、その変調信号生成出力手段によって出力された各変調信号を入力し、その各変調信号に基づいて多段階の電流量の電流を生成し、その生成した電流を上記光源に供給して上記光源によって多値レベルの光を発生させるように駆動する光源駆動手段を備えた光源駆動装置の調整装置であって、上記変調信号生成出力手段によって出力された各変調信号が上記光源駆動手段に入力されるときの各変調信号間の入力タイミングの差を検出する変調信号入力タイミング差検出手段と、その変調信号入力タイミング差検出手段によって検出された各変調信号間の入力タイミングの差が所定範囲内に収まるように上記変調信号生成出力手段による上記各変調信号の出力するタイミングを調整する変調信号出力タイミング調整手段の機能を果たす。
【0210】
【発明の効果】
以上説明してきたように、この発明の光源駆動装置と情報記録装置と光源駆動装置の調整装置と光源駆動装置の調整方法によれば、情報記録媒体に対する高速記録及び高密度記録時に光変調制御信号波形の歪みやスキュー等による光変調波形の所望値からのずれを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
この発明の一実施形態である情報記録再生装置の構成を示すブロック図である。
【図2】
図1に示した情報記録再生装置の信号処理部104の構成を示すブロック図である。
【図3】
光源LD1と光源LD2の駆動電流−光出力特性の一例を示す線図である。
【図4】
この発明の第一実施形態の光源駆動装置の構成を示すブロック図である。
【図5】
図4に示した各部の出力信号の信号波形の一例を示す図である。
【図6】
図4のPLL20の内部の詳細な構成を示すブロック図である。
【図7】
図4に示すランレングス検出部21の内部の詳細構成例を示す図である。
【図8】
図7に示すランレングス検出部21の各部の出力する信号波形を示す図である。
【図9】
この第一実施形態における駆動波形生成情報と光波形との関係の一例を示す図である。
【図10】
図4に示す変調信号生成部23の内部の詳細な構成例を示す図である。
【図11】
図10のタイミング制御部221が変調信号生成部23の各部の制御信号を生成するためのシーケンサの説明図である。
【図12】
駆動波形生成情報から変調信号を生成する動作概要の説明に供する信号波形図である。
【図13】
図4に示す遅延量調整部24の内部構成例を示すブロック図である。
【図14】
光源LDの駆動電流−光出力特性の例と変調部27の各部電流との関係を示す図である。
【図15】
この発明の第二実施形態の光源駆動装置の構成を示すブロック図である。
【図16】
この第二実施形態における駆動波形生成情報と光波形との関係の一例を示す図である。
【図17】
この発明の第三実施形態の光源駆動装置の構成を示すブロック図である。
【図18】
この第三実施形態における駆動波形生成情報と光波形との関係の一例を示す図である。
【図19】
変調信号生成部51の各部の制御信号を生成するためのシーケンサの説明図である。
【図20】
変調信号Modとシーケンサ状態信号Seq及びパワー選択信号PSel0,PSel1の関係の一例を示す信号波形図である。
【図21】
この発明の第四実施形態の光源駆動装置の構成を示すブロック図である。
【図22】
この発明の第五実施形態の光源駆動装置の構成を示すブロック図である。
【図23】
図22に示す光源駆動装置の各部の出力する信号波形の一例を示す波形図である。
【図24】
この発明の第六実施形態の光源駆動装置の構成を示すブロック図である。
【図25】
図24に示す光源駆動装置の各部の出力する信号波形の一例を示す波形図である。
【図26】
図24の補償電流生成部71の内部の詳細な構成例を示すブロック図である。
【図27】
従来の光源駆動装置の構成を示すブロック図である。
【図28】
この発明の第七実施形態の光源駆動装置の構成を示すブロック図である。
【図29】
図28に示した各部の出力信号の信号波形の一例を示す図である。
【図30】
図28に示したスキュー補正動作時に遅延量調整部24,遅延検出部35及び遅延制御部36の各部が出力する信号の波形を示す図である。
【図31】
図28に示した遅延量調整部24の内部の詳細な構成例を示すブロック図である。
【図32】
図28に示した遅延検出部35の内部構成例を示すブロック図である。
【図33】
この第七実施形態の光源駆動装置におけるスキュー補正処理の一例を示すフローチャート図である。
【図34】
この発明の第八実施形態の光源駆動装置の構成を示すブロック図である。
【図35】
遅延検出部35の他の構成例を示すブロック図である。
【図36】
この発明の第九実施形態の光源駆動装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
2:LD変調信号生成部集積回路
3:LD駆動集積回路 4:受光信号処理部
5:RF選択部 6:ウォブル信号生成部
7:サーボドライバ 9:LD制御部
10:LD変調信号生成部 12:LD駆動部
13:サーボ信号演算処理部 14:サーボプロセッサ
15:ウォブル信号処理部
16:RF信号処理部/PLL部
17:WCK生成部 18:回転制御部
19:コントローラ 20:PLL
21:ランレングス検出部
22,41:駆動波形生成情報保持部
23,42,51:変調信号生成部
24:遅延量調整部 25,34:制御部
26:LD制御タイミング信号生成部
27,53:変調部
28,28a〜28c,54,57a,57b,63,300:電流源
29,29a〜29c,55,301:スイッチ
30,31:加算部 32:電流駆動部
33:LD制御部 35:遅延検出部
36,43:遅延制御部 37:テスト信号生成部
38:光源消灯制御部 52:パワー選択信号生成部
56a:P0Data選択部 56b:P1Data選択部
62:パワー設定信号生成部
64:サンプルホールド部 65:サンプル信号生成部
66:遅延回路 67:EXOR回路
71:補償電流生成部 72:補償制御部
73,74:補償信号生成部 75:補償電流源
100:情報記録媒体 101:ピックアップ
102:光源(LD) 103:受光部
104:信号処理部 105:回転駆動部
106:コントローラ 201:M分周器(1/M)
202:位相比較器(PC) 203:ループフィルタ
204:発振器(VCO) 205:N分周器(1/N)
206:分周器(M/N) 211:遅延回路(ディレイ)
212:FIFO制御部 213:カウンタ
214:FIFO 215:レジスタ
221:タイミング制御部 222:タイミング演算部
223:タイミング演算部 224:カウンタ
225:位相選択信号保持部(レジスタ)
226:カウンタ
227:位相選択信号保持部(レジスタ)
228:タイミングパルス信号遅延部
229a〜229h:フリップフロップ
230:マルチプレクサ(MUX)
231:タイミングパルス信号遅延部
232:変調信号出力部
243a〜243c:遅延部
241a〜241n:遅延素子
242:選択部 251:位相比較部
252:平滑部 253:比較部
254:A/D変換器
303,LD,LD1〜LD2:光源
PD,PD1〜PD5:受光部
Claims (26)
- 光源の駆動波形生成情報に基づいて複数の変調信号を生成する変調信号生成手段と、
該変調信号生成手段によって生成された変調信号に基づいて複数個の電流源から出力される電流のいずれか1つ又は複数を選択する電流源選択手段と、
該電流源選択手段によって選択された1つ又は複数の電流に基づいて多段階の電流量の電流を生成し、該生成した電流を光源に供給して多値レベルの光を発生させて駆動する光源駆動手段と、
前記変調信号生成手段から前記光源駆動手段までの間で発生する信号遅延量の違いを打ち消す信号差異量を前記電流源選択手段へ供給する手前で与える手段を備えたことを特徴とする光源駆動装置。 - 光源の駆動波形に基づく駆動波形生成情報を保持する駆動波形生成情報保持手段と、
該駆動波形生成情報保持手段に保持された駆動波形生成情報に基づいて複数個の電流源から出力される電流のいずれか1つ又は複数を選択する複数の変調信号を生成する変調信号生成手段と、
該変調信号生成手段で生成された変調信号によって選択された1つ又は複数の電流に基づいて多段階の電流量の電流を生成し、該生成した電流を光源に供給して多値レベルの光を発生させて駆動する光源駆動手段と、
前記変調信号生成手段で生成された複数の変調信号によって複数の電流を選択するタイミングに遅延が生じないように前記変調信号生成手段で生成された各変調信号の各々を所定量遅延させる遅延調整手段とを備えたことを特徴とする光源駆動装置。 - 光源の駆動波形に基づく駆動波形生成情報を保持する駆動波形生成情報保持手段と、
該駆動波形生成情報保持手段に保持された駆動波形生成情報に基づいて複数個の電流源から出力される電流のいずれか1つ又は複数を選択する複数の変調信号を生成する変調信号生成手段と、
該変調信号生成手段で生成された変調信号によって選択された1つ又は複数の電流に基づいて多段階の電流量の電流を生成し、該生成した電流を光源に供給して多値レベルの光を発生させて駆動する光源駆動手段と、
前記変調信号生成手段で生成された複数の変調信号によって複数の電流を選択するタイミングに遅延が生じないように前記変調信号生成手段に対して各変調信号の各々の生成タイミングを所定量遅延させる遅延調整手段とを備えたことを特徴とする光源駆動装置。 - 請求項3記載の光源駆動装置において、
前記駆動波形生成情報保持手段に保持する駆動波形生成情報を変更する駆動波形生成情報変更手段を設けたことを特徴とする光源駆動装置。 - 光源の駆動波形に基づく駆動波形生成情報を保持する駆動波形生成情報保持手段と、
該駆動波形生成情報保持手段に保持された駆動波形生成情報に基づいて複数個の電流源にそれぞれ出力させる多段階の電流量の電流を選択する選択信号を生成する電流量選択信号生成手段と、
前記駆動波形生成情報保持手段に保持された駆動波形生成情報に基づいて前記各電流源から出力される電流のいずれか1つを選択する変調信号を生成する変調信号生成手段と、
該変調信号生成手段で生成された変調信号によって選択された電流量の電流を前記光源に供給して多値レベルの光を発生させて駆動する光源駆動手段と、
前記電流量選択信号生成手段によって生成する選択信号の一部が変化する所定時間はその選択信号に従う駆動電流成分を変化させないように制御する制御手段とを備えたことを特徴とする光源駆動装置。 - 光源の駆動波形に基づく駆動波形生成情報を保持する駆動波形生成情報保持手段と、
該駆動波形生成情報保持手段に保持された駆動波形生成情報に基づいて前記各電流源から出力される電流のいずれか1つを選択する変調信号を生成する変調信号生成手段と、
前記駆動波形生成情報保持手段に保持された駆動波形生成情報に基づいて前記変調信号生成手段によって生成された変調信号の立上りに同期して2個の電流源の一方に出力させる多段階の電流量の電流を選択する第1選択信号と、前記変調信号の立下りに同期してもう一方の電流源に出力させる多段階の電流量の電流を選択する第2選択信号とを生成する電流量選択信号生成手段と、
前記変調信号生成手段で生成された変調信号によって選択された電流量の電流を光源に供給して多値レベルの光を発生させて駆動する光源駆動手段と、
前記電流量選択信号生成手段によって生成する選択信号がローの時は前記第1選択信号に従って生成された電流を、前記選択信号がハイの時は前記第2選択信号に従って生成された電流を前記光源へ供給するように制御する制御手段とを備えたことを特徴とする光源駆動装置。 - 光源の駆動波形に基づく駆動波形生成情報を保持する駆動波形生成情報保持手段と、
該駆動波形生成情報保持手段に保持された駆動波形生成情報に基づいて電流源に出力させる多段階の電流量の電流を選択する選択信号を生成する電流量選択信号生成手段と、
該電流量選択信号生成手段で生成された選択信号によって選択された電流量の電流を前記光源に供給して多値レベルの光を発生させて駆動する光源駆動手段と、
前記駆動波形生成情報に基づいて生成される変調信号のエッジから所定時間は前記光源に供給する電流をホールドする制御手段とを備えたことを特徴とする光源駆動装置。 - 光源の駆動波形に基づく駆動波形生成情報を保持する駆動波形生成情報保持手段と、
該駆動波形生成情報保持手段に保持された駆動波形生成情報に基づいて複数個の電流源から出力される電流のいずれか1つ又は複数を選択する複数の変調信号を生成する変調信号生成手段と、
該変調信号生成手段で生成された変調信号によって選択された1つ又は複数の電流に基づいて多段階の電流量の電流を生成し、該生成した電流を光源に供給して多値レベルの光を発生させて駆動する光源駆動手段と、
前記変調信号生成手段で生成された複数の変調信号間の遅延時間差に基づいて前記光源駆動手段によって生成する多段階の電流量に生じる過量分を削減あるいは不足量分を付加する補償を行う補償手段とを備えたことを特徴とする光源駆動装置。 - 光源の駆動波形に基づく駆動波形生成情報を保持する駆動波形生成情報保持手段と、
該駆動波形生成情報保持手段に保持された駆動波形生成情報に基づいて複数個の電流源から出力される電流のいずれか1つ又は複数を選択する複数の変調信号を生成する変調信号生成手段と、
該変調信号生成手段で生成された変調信号によって選択された1つ又は複数の電流に基づいて多段階の電流量の電流を生成し、該生成した電流を光源に供給して多値レベルの光を発生させて駆動する光源駆動手段と、
前記変調信号生成手段で生成された複数の変調信号間の遅延時間差と前記選択する電流の電流量とに基づいて前記光源駆動手段によって生成する多段階の電流量に生じる過量分を削減又は不足量分を付加する補償を行う補償手段とを備えたことを特徴とする光源駆動装置。 - 請求項8又は9記載の光源駆動装置において、
前記補償手段に、前記削減又は付加する電流量を前記変調信号の変化の組み合わせに応じて設定する手段を設けたことを特徴とする光源駆動装置。 - 請求項1乃至10のいずれか一項に記載の光源駆動装置において、
前記光源駆動手段の機能を果たす第1集積回路と、前記駆動波形生成情報保持手段と前記変調信号生成手段の機能を果たす第2集積回路とを同一パッケージ内に搭載したことを特徴とする光源駆動装置。 - 請求項1乃至11のいずれか一項に記載の光源駆動装置を搭載したことを特徴とする情報記録装置。
- 請求項12記載の情報記録装置において、
前記光源駆動手段の機能を果たす第1集積回路と、記録媒体に記録する二値化信号に基づいて前記変調信号生成手段による変調信号を生成させる機能を果たす第2集積回路とをピックアップ上に搭載したことを特徴とする情報記録装置。 - 光源の駆動波形に基づいて複数の変調信号を生成して出力する変調信号生成出力手段と、
該変調信号生成出力手段によって出力された各変調信号を入力し、該各変調信号に基づいて多段階の電流量の電流を生成し、該生成した電流を前記光源に供給して前記光源によって多値レベルの光を発生させるように駆動する光源駆動手段と、
前記変調信号生成出力手段によって出力された各変調信号が前記光源駆動手段に入力されるときの各変調信号間の入力タイミングの差を検出する変調信号入力タイミング差検出手段と、
該変調信号入力タイミング差検出手段によって検出された各変調信号間の入力タイミングの差が所定範囲内に収まるように前記変調信号生成出力手段による前記各変調信号の出力するタイミングを調整する変調信号出力タイミング調整手段とを備えたことを特徴とする光源駆動装置。 - 請求項14記載の光源駆動装置において、
前記変調信号出力タイミング調整手段は、前記変調信号入力タイミング差検出手段によって検出された各変調信号間の入力タイミングの差が所定範囲内に収まるように前記変調信号生成出力手段による前記各変調信号の出力するタイミングをそれぞれ所定量ずつ遅らせて調整する手段であることを特徴とする光源駆動装置。 - 請求項14記載の光源駆動装置において、
前記変調信号出力タイミング調整手段は、前記変調信号入力タイミング差検出手段によって検出された各変調信号間の入力タイミングの差が所定範囲内に収まるように前記変調信号生成出力手段による前記各変調信号の内のいずれか2つの変調信号の出力するタイミングをそれぞれ所定量ずつ遅らせて調整する手段であることを特徴とする光源駆動装置。 - 請求項14記載の光源駆動装置において、
前記変調信号生成出力手段は、前記光源の駆動波形に基づいて駆動波形生成情報を生成する手段と、該手段によって生成された駆動波形生成情報に基づいて複数の変調信号を生成して出力する手段とからなり、
前記光源駆動手段は、前記変調信号生成出力手段によって出力された各変調信号を入力し、該各変調信号に基づいて1つ又は複数の電流源を選択し、該選択された1つ又は複数の電流源による1つ又は複数の電流に基づいて多段階の電流量の電流を生成し、該生成した電流を光源に供給して多値レベルの光を発生させて駆動する手段であることを特徴とする光源駆動装置。 - 請求項14記載の光源駆動装置において、
テスト用の駆動波形生成情報を生成するテスト用駆動波形生成情報生成手段と、前記変調信号生成出力手段に、前記テスト用駆動波形生成情報生成手段によって生成された駆動波形生成情報に基づいて複数の変調信号を生成して出力する手段を設けたことを特徴とする光源駆動装置。 - 請求項18記載の光源駆動装置において、
前記テスト用駆動波形生成情報生成手段は、前記変調信号生成出力手段に同一波形の複数の変調信号を生成させるテスト用の駆動波形生成情報を生成する手段であることを特徴とする光源駆動装置。 - 請求項18記載の光源駆動装置において、
前記テスト用駆動波形生成情報生成手段は、前記変調信号生成出力手段に所定の同一の周波数で所定量の位相差を有する複数の変調信号を生成させるテスト用の駆動波形生成情報を生成する手段であることを特徴とする光源駆動装置。 - 請求項14乃至20のいずれか一項に記載の光源駆動装置において、
前記変調信号出力タイミング調整手段による前記各変調信号の出力するタイミングの調整時に前記光源を消灯させる光源消灯手段を設けたことを特徴とする光源駆動装置。 - 請求項14乃至21のいずれか一項に記載の光源駆動装置において、
該光源駆動装置の立ち上げ時に前記変調信号出力タイミング調整手段による前記各変調信号の出力するタイミングの調整を実行させる手段を設けたことを特徴とする光源駆動装置。 - 請求項14乃至22のいずれか一項に記載の光源駆動装置を搭載し、該光源駆動装置によって駆動された前記光源から発生された多値レベルの光を記録媒体に照射してデータを記録するようにしたことを特徴とする情報記録装置。
- 請求項23記載の情報記録装置において、
記録媒体の記録半径位置に対応して前記光源駆動装置の前記変調信号出力タイミング調整手段による前記各変調信号の出力するタイミングの調整を実行するようにしたことを特徴とする情報記録装置。 - 光源の駆動波形に基づいて複数の変調信号を生成して出力する変調信号生成出力手段と、該変調信号生成出力手段によって出力された各変調信号を入力し、該各変調信号に基づいて多段階の電流量の電流を生成し、該生成した電流を前記光源に供給して前記光源によって多値レベルの光を発生させるように駆動する光源駆動手段とを備えた光源駆動装置の調整装置であって、
前記変調信号生成出力手段によって出力された各変調信号が前記光源駆動手段に入力されるときの各変調信号間の入力タイミングの差を検出する変調信号入力タイミング差検出手段と、該変調信号入力タイミング差検出手段によって検出された各変調信号間の入力タイミングの差が所定範囲内に収まるように前記変調信号生成出力手段による前記各変調信号の出力するタイミングを調整する変調信号出力タイミング調整手段とを備えたことを特徴とする光源駆動装置の調整装置。 - 光源の駆動波形に基づいて複数の変調信号を生成して出力する変調信号生成出力手段と、該変調信号生成出力手段によって出力された各変調信号を入力し、該各変調信号に基づいて多段階の電流量の電流を生成し、該生成した電流を前記光源に供給して前記光源によって多値レベルの光を発生させるように駆動する光源駆動手段とを備えた光源駆動装置の調整方法であって、
前記変調信号生成出力手段によって出力された各変調信号が前記光源駆動手段に入力されるときの各変調信号間の入力タイミングの差を検出し、該検出された各変調信号間の入力タイミングの差が所定範囲内に収まるように前記変調信号生成出力手段による前記各変調信号の出力するタイミングを調整することを特徴とする光源駆動装置の調整方法。
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