JP3875534B2 - 光情報記録装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、CD−Rドライブ装置,CD−RWドライブ装置,DVD−Rドライブ装置,DVD−RWドライブ装置及びDVD−RAMドライブ装置などの記録可能な情報記録媒体に対する情報の記録を行う光情報記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ピックアップに搭載された光源である半導体レーザ(Laser Diode、以下「LD」と略称する)から照射するレーザ光の光変調によって光ディスク(情報記録媒体)に情報の記録を行う光ディスク装置においては、1ビームオーバーライト技術や高密度化のための記録マーク形状制御のため、光変調波形をマルチパルス化,多値レベル化(例えば、図4の(c)の光変調波形を参照)して制御する技術が必須になっており、また、光源の照射光量も所望の値に常に制御する必要がある。
そこで、一般には、光源の出射光量の一部を受光素子でモニタ受光し、そのモニタ受光信号が所定の目標値と一致するようにLDの駆動電流を制御するAPC(Automatic Power Control)制御と呼ばれる方法が用いられている。
【0003】
しかしながら、情報記録の高速化と情報記録媒体に対する高密度化記録を行うためには光変調周波数が高くなり、帯域の限られた受光素子では正確な出射光量をモニタすることは困難になっている。
そのため、通常はモニタ受光信号の低周波成分を検出し、予め算出した平均照射光量に対応する目標値に一致するように制御(この制御を「平均値制御方法」と呼ぶ)したり、照射光量の一定の期間が比較的長い時(モニタ受光信号が整定したレベル)をサンプル(例えば、図4の光波形ではマルチパルス化していないイレースパワーPeのレベルをサンプル)し、そのサンプルしたレベルが目標値に一致するように制御(この制御を「サンプルホールド制御方法」と呼ぶ)したりしている。
【0004】
しかし、このような従来の制御方法では以下の問題が生じる。
(1)より高精度な記録マーク形状制御を行う場合、記録情報に応じてマルチパルス部のデューティ比を変化させるため、正確な平均照射光量の算出が困難であり、従って正確な光量制御が行えない。また、記録線速度によってもマルチパルス部のデューティ比を変化させるので、記録線速度に応じた目標値を保持しておいて速度変化の都度変更しなければならない。
(2)サンプルホールド制御方法においては、今後より高速記録化が求められると、受光素子やサンプルホールド回路の高速化が必要になり、コストアップ,消費電力の増大などの問題の発生や実現そのものが困難になる。
【0005】
また、半導体レーザの駆動電流−光出力特性の勾配(微分量子効率と呼ぶ)も温度変化などによって大きく変動し、それも出射光量変動の要因になる。その出射光量の変動の不具合を解決するには、所定の2点の照射光量に対するモニタ受光信号のレベルを検出し、そのレベル差から微分量子効率を算出し、その算出結果に応じてLDの駆動電流を補正する方法がある。
さらに、微分量子効率の算出は所定のキャリブレーション期間を設けて検出し、その検出結果に応じて制御している。
【0006】
しかし、光情報記録装置に適用する場合には、連続記録時間が1時間以上にも及ぶこともあり、この間はキャリブレーション期間を挿入できないので、記録前に算出した微分量子効率では大きくずれてしまって不十分である。あるいは、キャリブレーション期間を挿入すると記録動作を妨げてしまう。
そこで、上記のような不具合を解決するものとして、スペース領域を形成するための消去パワー期間中に単パルスによる検出用加熱パルスpdを含ませることによって、マルチパルス列を用いた記録中であっても加熱パルスの発光強度を検出できるようにし、その検出結果に基づく適正な発光パワーの制御の下にマルチパルス列によるマーク領域を含む良好な記録が可能になるようにした光情報記録装置(例えば、特開2001−23173号公報参照)が提案されており、このような光情報記録装置によれば、記録動作中でも記録特性を悪化させることなく微分量子効率を算出することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のような光情報記録装置では、CPUによるソフトウェア制御によって微分量子効率を算出するものであり、また微分量子効率の算出結果に応じてパワー設定値を算出して設定し直すという工程を踏むため、制御速度の点などで不十分であったり、ソフトウェア制御に大きな負荷をかける要因となるという問題があった。
この発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、マルチパルス部のデューティ比が変化しても正確に照射光量の制御を行い、また、微分量子効率変動を自動的に補正して駆動電流を制御するようにすることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記の目的を達成するため、次の(1)〜(7)の光情報記録装置を提供する。
)光源から発生させた光を情報記録媒体に照射して記録マークの形成を行う光情報記録装置において、上記光源の微分量子効率を検出してスケール信号を出力する微分量子効率検出手段と、変調データに基づいて変調波形信号を生成するものであって、上記スケール信号に基づいて上記変調波形信号のスケールを変更する変調手段と、上記変調データに基づいて上記変調波形信号の平均値を生成して発光目標値にする目標値生成手段と、上記光源の出射光量の一部を受光素子でモニタして生成するモニタ受光信号と上記発光目標値とが一致するようにバイアス電流を制御するバイアス制御手段と、上記変調手段によって生成された変調波形信号の出力電流と上記バイアス電流との和を増幅して上記光源の駆動電流とする電流駆動手段を備え、上記微分量子効率検出手段が、所定の二つの上記光源の照射レベル間の上記モニタ受光信号の差を検出する差分検出手段と、予め設定された比較基準値と上記差分検出手段によって検出された差とを比較する比較手段と、その比較手段の比較結果に基づいて上記スケール信号の増減を行うスケール信号生成手段とからなり、上記モニタ受光信号の差を検出する所定の二つの照射レベルが適宜変更されるものであって、上記比較基準値が変更された二つの照射レベル差に基づいて変更されるようにした光情報記録装置。
【0011】
(2)上記()の光情報記録装置において、上記スケール信号生成手段が、上記比較手段の比較結果に基づいて増減を行った値を平均化してスケール信号として出力する手段である光情報記録装置。
【0012】
)上記(1)の光情報記録装置において、上記発光目標値を増幅する発光目標値増幅手段を設け、その発光目標値増幅手段による増幅の際の増幅率を上記受光素子の変換効率又は出射光利用効率に応じて予め調整するようにした光源駆動装置。
)上記(1)の光情報記録装置において、上記比較基準値のスケール信号を変更するスケール信号変更手段を設け、そのスケール信号変更手段によって変更されるスケール信号を上記受光素子の変換効率又は出射光利用効率に応じて予め調整するようにした光源駆動装置。
)上記(1)の光情報記録装置において、上記比較基準値のスケール信号を変更するスケール信号変更手段と、上記発光目標値を増幅する発光目標値増幅手段を設け、上記スケール信号変更手段によって変更されるスケール信号及び上記発光目標値増幅手段による増幅の際の増幅率を上記受光素子の変換効率又は出射光利用効率に応じて連動して予め調整するようにした光源駆動装置。
【0013】
)上記(1)又は(2)の光情報記録装置において、上記モニタ受光信号を増幅するゲイン切換えアンプを設け、そのゲイン切換えアンプのゲインに応じて上記発光目標値及び上記比較基準値を変更するようにした光情報記録装置。
)上記(1)の光情報記録装置において、上記バイアス制御手段の制御帯域を変更する手段を設けた光情報記録装置。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて具体的に説明する。
まず、本発明の一実施形態の光源駆動装置を適用する情報記録再生装置の全体構成及び動作概要を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態の光源駆動装置を適用する情報記録再生装置の全体構成を示すブロック図である。
図1において、情報記録媒体100は、再生すべき情報が予め記録されたCD−ROM,DVD−ROM等の光ディスク、または情報が未記録であってユーザが任意に新規の情報を記録可能なCD−R,CD−RW,DVD−R,DVD−RAM,MD,MOなどの光ディスクである。
【0020】
ピックアップ101は、光源(例えば半導体レーザ(LD))102からの出射光を情報記録媒体100に照射して情報の記録を行ったり、情報記録媒体100からの反射光を受光して受光信号に変換するものであり、光源102やその光源102を駆動する光源駆動部(公知であり、図示を省略)、反射光を受光して受光信号に変換する受光部103などが配置されている。
また、ピックアップ101には光源102の出射光の一部をモニタするモニタ受光部(同じく公知であり、図示を省略)も配置されており、その出力であるモニタ信号に基づいて光源102の出射光量変動を制御する。
【0021】
さらに、情報記録媒体100の照射光に対する傾き(「チルト」と呼ぶ)を検知するためのチルト検出受光部(同じく公知であり、図示を省略)などが配置される場合もある。
さらにまた、異なる媒体フォーマットが定められた複数種類の情報記録媒体に対応する情報記録再生装置の場合(例えば、DVD及びCD両対応装置など)、それぞれの情報記録媒体に好適な波長の光源を持つ場合があり、それぞれの光源出射時に情報記録媒体からの反射光を受光する受光部やモニタ受光部を別個に備える場合もある。
【0022】
信号処理部104は、ピックアップ101に配置された各種受光部からの受光信号が入力され、様々な信号処理が行われる。
例えば、受光信号から情報を再生したり、情報記録媒体100の回転に伴う面振れやトラックの半径方向の振れなどの変動に対して常に所定の誤差内で光を照射するように制御(フォーカスサーボ制御及びトラックサーボ制御)するために受光信号からサーボエラー信号を生成し、そのサーボエラー信号に従ってピックアップ101を制御する。また、記録すべき情報を所定の規則に従って変調し、記録信号として光源102(または光源駆動部)に出力したり、光源102の出力光量制御を行う。
【0023】
回転駆動部105は、情報記録媒体100を回転させるものであり、信号処理部104によって回転速度が制御(スピンドルサーボ制御)される。
CLV回転制御を行う際には、より精度よく回転制御をするために情報記録媒体100に埋め込まれた回転制御信号をピックアップ101を介して検出し、その回転制御信号に基づいて回転制御を行う。
回転制御信号には、例えば再生情報記録媒体などでは記録された情報に所定間隔で配置された同期信号や、記録可能な情報記録媒体では記録トラックが所定の周波数で蛇行したウォブルなどを用いる。
【0024】
コントローラ106は、ホストコンピュータとの記録再生情報の受け渡しやコマンド通信を行って装置全体の制御を行う。
なお、ピックアップ101は情報記録媒体半径方向に可動(この動作を「シーク動作」と呼ぶ)させるため、ピックアップ101と信号処理部104等が搭載されている回路基板とはフレキシブルプリント回路(Flexible Print Circuit:FPC)基板(またはケーブル)と呼ばれる基板(またはケーブル)で接続されるのが一般であり、光源102や受光部103等のピックアップ101に搭載される部品はこのFPC基板に実装されることも多い。
【0025】
次に、上記情報記録再生装置の信号処理部104の内部構成及び動作概略について説明する。
図2は、図1に示した信号処理部104の内部構成を示すブロック図である。本実施形態の信号処理部104は、異なるフォーマットの情報記録媒体へ対応させるために上記光源(LD)102として二つの光源LD1とLD2を備えており、上記受光部103として受光部PD1〜PD5を備えており、光源LD1とLD2の照射光の一部をそれぞれ受光部PD2及びPD5でモニタする。
【0026】
受光部PD1では光源LD1の照射時に情報記録媒体からの反射光を受光し、受光部PD4では光源LD2の照射時に情報記録媒体からの反射光を受光する。
受光部PD3はチルト量を検知するための受光部である。受光部PD1とPD3とPD4は、複数に分割された分割受光素子によって受光している。
なお、ピックアップによっては光源LD1とLD2の出射光を同一の受光部でモニタする場合もある。同様に、情報記録媒体からの反射光を受光する受光部も同一とする場合もある。
【0027】
受光信号処理部2は、受光部PD1とPD3とPD4の出力する各受光信号を入力し、各受光信号のオフセット調整及びゲイン調整などの処理を行う。
サーボ信号演算処理部13は、受光信号処理部2から供給される各受光信号からサーボエラー信号の生成を行う。同時に、オフセット調整,ゲイン調整も行って生成したサーボエラー信号をサーボプロセッサ14へ供給する。
RF選択部4は、受光部PD1及び受光部PD4の出力する受光信号を入力し、後段の回路に必要な信号を選択あるいは一部加減算などの演算を行って供給する。
【0028】
ウォブル信号生成部6は、記録可能な情報記録媒体にプリフォーマットされたウォブルを検出するものである。
ウォブル信号処理部15は、ウォブル信号生成部6の出力する信号から二値化ウォブル信号を抽出し、WCK生成部17及び回転制御部18へ供給する。また、情報記録媒体毎に所定の規則でウォブルに変調されたアドレス情報を復調し、コントローラ19へ供給する。
【0029】
RF信号処理部/PLL部16は、RF信号処理部によってRF選択部4から入力された再生RF信号から二値化RF信号を生成し、再生している情報記録媒体の変調方式規則に則って復調を行う。またPLL部(PLL回路)によって二値化RF信号から再生クロックを抽出する。復調したデータはコントローラ19に供給する。また二値化RF信号に所定間隔で挿入された同期信号によって回転制御信号を抽出して回転制御部18へ供給する。
回転制御部18は、ウォブル信号処理部15またはRF信号処理部/PLL部16から入力される信号から回転制御を行うためのスピンドルエラー信号を生成し、サーボプロセッサ14へ供給する。また、情報記録媒体を角速度一定(CAV)で回転させる場合は回転制御駆動部(公知であり、図示を省略)から出力されるディスク回転を示す信号(同じく公知であり、図示を省略)に基づいてスピンドルエラー信号を生成する。
【0030】
サーボプロセッサ14は、コントローラ19からの指令に基づき、入力される各種サーボエラー信号からサーボ制御信号を生成し、サーボドライバ20へ出力する。サーボドライバ20は入力されるサーボ制御信号に基づいてサーボドライブ信号を生成する。各駆動部は供給されたサーボドライブ信号によってサーボ制御動作を行う。ここでは、フォーカス制御,トラック制御,シーク制御,スピンドル制御及びチルト制御である。
【0031】
WCK生成部17は、ウォブル信号処理部15から供給された二値化ウォブル信号に基づいて記録クロック信号WCKを生成し、LD変調信号生成部10とコントローラ19の各部へ供給する。記録時にはその記録クロック信号WCKを基準にして記録データの生成などが行われる。
記録時には、コントローラ19から記録クロック信号WCKに同期して記録データ信号WdataがLD変調信号生成部10へ供給される。その記録データ信号Wdataは記録すべき情報が所定の規則に従って変調されている。
【0032】
LD変調信号生成部10は、WCK生成部17から入力される記録クロック信号WCK及びコントローラ19から入力される記録データ信号Wdataから光源LD1あるいは光源LD2を変調するためのLD変調信号を生成し、LD駆動部12へ供給する。
LD制御部9は、受光部PD2あるいは受光部PD5からのモニタ受光信号を入力し、そのモニタ受光信号に基づいて光源LD1と光源LD2の出射光量が所望の値になるようにLD駆動部12へ対してLD制御信号を供給する(いわゆるAPC(Automatic Power Control)制御を行う)。
LD駆動部12は、LD制御部9から入力されるLD制御信号及びLD変調信号生成部10から入力されるLD変調信号に基づいて光源LD1あるいは光源LD2を電流駆動して発光させる。
また、コントローラ19からは各部の制御信号が出力される。
【0033】
次に、上記LD制御部9及びLD駆動部12の詳細な実施形態を説明する。
図3は、図2に示したLD制御部9及びLD駆動部12を集積化したLD駆動集積回路1の構成図である。
図4は、図3に示したLD駆動集積回路1の各部の出力信号の一例を示す波形図である。
図3に示すLD駆動集積回路1は、駆動する光源LD1及び光源LD2の近傍に配置されており、ピックアップ101に搭載される。
一方、LD駆動集積回路1にLD変調信号WSPを供給するLD変調信号生成部10は、他の信号処理部と共に回路基板に搭載され、両者を接続する信号線はFPC基板上を伝送される。
【0034】
また、LD変調信号生成部10は、記録クロック信号WCKを基準にして記録データ信号Wdataから、図4に示すようなLD変調信号WSP(f)及びステート信号STEN(e−1)を生成する。図4では図示を簡便にするために信号WSP及びSTENの記録データWdataに対する遅延は無視して図示している(通常は生成回路の都合上所定クロック遅延する)。またこの時、LD変調信号WSPは所要の情報記録媒体に最適なパルス幅制御が行われているものとする。さらにはコマンド信号STCMDも生成している。
【0035】
LD駆動集積回路1は、LD変調信号生成部10から供給されるステート信号STENとコマンド信号STCMDとからLD照射レベルや照射モードを示すモード制御信号SeqModeに変換するコマンドデコーダ(CMDDecorder)22と、同じくLD変調信号生成部10から供給されるLD変調信号WSPとステート信号STEN及びモード制御信号SeqModeに基づいてLD照射レベルの制御を行うシーケンサ(Sequencer)21と、シーケンサ21から供給される変調データDmodL,DmodH及び変調信号MODに基づいてLD変調電流Imodを生成する変調部(Data−Modulation)23を備えている。
【0036】
また、光源の出射光の一部をモニタするモニタ受光部からのモニタ受光信号を入力してオフセット調整及びゲイン調整を行うPDアンプ部(PD−AMP)26と、PDアンプ部26から供給されるモニタ信号Imonがシーケンサ21から供給される目標レベル信号Dtargetから生成される基準信号Itargetと一致するようにバイアス電流Iapcを制御するバイアス電流制御部(Bias−Control)27と、バイアス電流制御部27の出力するバイアス電流Ibiasと外部から供給されるバイアス電流Iextとを選択して電流Ibiasを出力するバイアス電流選択部(MUX)29と、モニタ信号Imonから駆動している光源LD(光源LD1または光源LD2)の微分量子効率ηを検出してその検出結果に応じてLD変調電流のスケールScaleを制御する微分量子効率制御部(η−Control)28も備えている。
【0037】
さらに、高周波重畳信号と高周波重畳時にバイアス電流に印加するオフセット電流Ihfmofsを生成する高周波変調部(HF−Modulation)30と、バイアス電流Ibiasと変調電流Imodを加算して高周波重畳オフセット電流Ihfmofsを減算する電流加算部24と、その電流加算部24から供給される電流を増幅して光源LD1あるいは光源LD2の駆動電流ILDを供給する電流駆動部25と、コントローラ19から(あるいはLD変調信号生成部10を介して)供給される制御コマンドを受けて各部へ制御信号を供給する制御部33を備えている。
【0038】
また、図4に示す各部の信号波形は一例であり、ここで想定する情報記録媒体は相変化型記録媒体(例えばCD−RWやDVD−RWなどの光ディスク)とし、記録クロック信号WCK(a)及び記録データ信号Wdata(b)に基づき、図4の(c)のような光変調波形で光源LDを発光させて記録マーク(同図の(d))を形成する。
相変化型情報記録媒体は、一般には、ライトパワーPw,イレースパワーPe,ボトムパワーPbの三値のマルチパルスで記録マークが形成される。この時、記録パワーレベル及び各パルスのパルス幅・パルス間隔を精度よく制御することによって正確な記録がなされる。
さらに、本実施形態では、図4の(c)において破線枠(i)と(ii)と(iii)で示すように、先頭パルスや最終パルスあるいは最終ボトムパルス(「クーリングパルス」と呼ぶ)のパワーを設定可能にしている。
【0039】
通常、情報記録媒体あるいはその記録線速度によってはマークが形成されるとき、隣接のスペース長によって媒体上で熱的影響を受け、マークのエッジが隣接スペース長によってさまざまに変動する場合がある。これを避けるために、従来では隣接のスペース長を考慮して光変調波形の各パルス幅を変えている。
本実施形態のように、加えて、隣接のスペース長を考慮してパワーを変えられるようにすれば、媒体に与える熱量としては隣接スペース長に応じてパルス幅補正をするのと等価になるので、実質的にパルス幅制御分解能の細分化を行っているのと同等になり、高速記録化対応に適したものとなる。
【0040】
ここで、各部詳細説明の前に、駆動・制御対象となる光源LDについて説明する。
図8は、駆動電流−光出力特性の一例を示す線図である。
通常、光源LDの駆動電流ILDに対する光出力Poは次の数1に示す式に基づいて近似することができる。ここで、η:微分量子効率,Ith:閾値電流である。
【0041】
【数1】
Po=η・(ILD−Ith)
【0042】
所望の光変調波形P(図8の(b))を得るためには、LD駆動電流ILDをバイアス電流Ibと変調電流Imの和(Ib+Im)とした場合、バイアス電流Ibは閾値電流Ithにほぼ等しく、変調電流Imは同図の(c)のようなP=η・Imになる電流を駆動すればよい。
しかし、一般に、この閾値電流Ithと、微分量子効率ηは個体間のばらつきのみならず、温度変化によっても変動するため、所望の光変調波形Pを常時得るためには、閾値電流Ith及び微分量子効率ηの変動に伴ってバイアス電流Ibと変調電流Imを制御することが望ましい。
例えば、図8の(ii)のように閾値電流がIth′に、微分量子効率がη′に変動した場合、所望の光変調波形Pを得るためには、バイアス電流Ib′をIth′に、変調電流Im′を同図の(d)のようにP=η′・Im′となるように制御すればよい。
【0043】
図3に示したLD駆動集積回路1では、主にバイアス電流制御部27がバイアス電流の制御機能を、微分量子効率制御部28が変調電流の制御機能をそれぞれ果たす。
【0044】
以下、図3に示したLD駆動集積回路1の各部の動作と詳細構成について説明する。
[シーケンサ]
シーケンサ21は、LD変調信号WSPとステート信号STENに基づいて光源のLD照射レベルの制御を行う。
図5は図3に示したシーケンサ21の状態遷移図である。
各ステートは光源LDの照射レベルに対応し、SMa,SMbの各ステートマシンは各々独立に動作する。そして、SMa,SMbの各ステートマシンのそれぞれ現在のステートstate0,state1に従って変調データDmodLとDmodHを出力する。
【0045】
すなわち、予め各ステートに対応した変調データを設定しておき、それぞれのステートマシンの現在のステートに対応した変調データを選択出力する。
また、記録時にはLD変調信号WSPが、再生時にはロー(Low)の信号が変調信号MODとして出力される。
なお、図3においては変調信号MODはマルチプレクサMUX65を経由して変調部23へ供給されているが、ここでMUX65は変調信号MODを選択出力しているものとする。
【0046】
次段の変調部23では、この変調信号MODがロー(Low)の時は変調データDmodLが、ハイ(High)の時には変調データDmodHが選択されるので、SMa内の各ステートはLD変調信号WSPがロー(Low)の時の照射レベルに、SMb内の各ステートはWSPがハイ(High)の時の照射レベルに対応する。
例えば、state0=SPbで変調信号MOD=ロー(Low)の時、光源LDの照射レベルはボトムパワーPbとなり、state1=SPmpで変調信号MOD=ハイ(High)の時、光源LDの照射レベルはライトパワーPwとなる。
【0047】
なお、ステートマシンSMaはLD変調信号WSPの立ち上がりエッジで状態遷移が行われ、ステートマシンSMbはLD変調信号WSPの立ち下がりエッジで状態遷移が行われるようにしている。
すなわち、それぞれの出力する変調データが出力選択されていない時に状態の遷移を(変調データの変化を)するようにしているので、変調データ変化時でも光源LDの照射レベルの変動は生じない。
【0048】
また、先頭パルスPtpや最終パルスPlpあるいは最終ボトムパルスパワーPclに対応する各変調データは記録データパターンなどに応じて動的に変更可能としている。
すなわち、予め設定しておいた複数個の変調データ(例えばPtpを4値、Ptp0〜3)をコマンドデコーダ22から供給されるパワー選択信号PwrSelによって選択する。その選択するパワーレベルはコマンド信号STCMDによって指示され、コマンドデコーダ22によってパワー選択信号PwrSelに変換される。
【0049】
次に、各ステートマシンの遷移条件を説明する。
図4の(g−1)と(g−2)は状態遷移の一例であり、LD変調信号WSP(同図の(f))の変化時刻を図のようにt0〜t27とする。また、ステート信号STEN2はステート信号STENをLD変調信号WSPの立下りで取り直したものであり、ステートマシンSMaではこれに従い状態遷移を行う。
これにより、ステートマシンSMaでの状態遷移の基準となるWSPの立上りに対してステート信号STEN2のデータ確定時間が十分確保できるので安定した動作が行える。
【0050】
*ステートマシンSMa
特に断らない限り、LD変調信号WSPの立上りに同期して遷移するものとする。
{状態SPr}
初期状態。再生時(ライト信号R/W=0(Read)の時)はここに滞留する。記録開始(R/W立ち上り)で状態Peに遷移する。この遷移はLD変調信号WSPに同期しないようにしてもよい。
{状態SPe}
ステート信号STEN2=ハイ(High)で次の状態に遷移する。通常は状態SPbに遷移するが(例えば、時刻t3)、後述する特殊条件(A)により状態SPclに遷移することもある(例えば、時刻t25)。また、記録終了(R/W立下り)で状態SPrに遷移する。
【0051】
{状態SPb}
STEN2=ロー(Low)で次の状態に遷移する。図4の波形例では状態SPclに遷移する(例えば、時刻t7)。また、モード制御信号SeqModeによっては状態SPeに遷移する。
{状態SPcl}
状態Peに遷移する(例えば、時刻t9)。
また、状態SPr(再生モード)への復帰は、R/W=Raedになった後、最初に状態SPeに戻った後移行するようにしてもよいし、R/W=Readにより強制的に移行するようにしてもよい。
【0052】
*ステートマシンSMb
特に断りない限り、LD変調信号WSPの立下りに同期して遷移するものとする。
{状態SPe}
初期状態。ステート信号STEN=ハイ(High)で状態SPtpに遷移する(例えば、時刻t2)。
{状態SPtp}
ステート信号STEN=ハイ(High)の時、状態SPmpに遷移する(時刻t4)。また、ステート信号STEN=ロー(Low)の時、状態SPlpに遷移する(時刻t18)。後述する特殊条件(A)によって状態SPeに遷移することもある。
【0053】
{状態SPmp}
ステート信号STEN=ロー(Low)の時、状態SPlpに遷移する(時刻t6)。ステート信号STEN=ハイ(High)ならばここに滞留。
{状態SPlp}
状態SPeに遷移する(時刻t8)。
また、本実施形態ではコマンドデコーダ22を介してステートマシンの遷移モードを動的に変更可能としている。
例えば、図4において一点鎖線枠(A)で囲んだ波形(Ptp→Pcl)を生成する場合は、時刻t(A)の時点でモードを指定し、上述したステートマシンを特殊条件(A)で遷移させればよい。
また、各々のステートマシンの初期化は制御部33を介してコマンド発行により行ってもよい。これは例えば強制的に初期状態に戻したい場合などに有効である。
【0054】
[コマンドデコーダ]
コマンドデコーダ22は、ステート信号STENとコマンド信号STCMDとから光源LDの照射レベルや照射モードを指定するモード制御信号SeqModeに変換する。そのモード制御信号SeqModeには、上述したパワー選択信号PwrSelやステートマシンの遷移モード信号が含まれる。
コマンドデコーダ22は、ステート信号STENをクロックとし、コマンド信号STCMDをデータとしてステート信号STENの両エッジでデータの取り込みを行う。
【0055】
本実施形態では、コマンド信号STCMDを3ビット(Bit)とし、ステート信号STENの立上りエッジで最終パルスパワー選択信号PEP(2bit)とCLパルス遷移モード信号CLMode(1bit)を取り込み、ステート信号STENの立下りエッジで先頭パルスパワー選択信号PTP(2bit)を取り込み、それぞれシーケンサ21へ供給する。
最終パルスパワー選択信号PEPは最終パルスパワーPlpとクーリングパルスパワーPclを選択し、CLパルス遷移モード信号CLModeは前述の特殊遷移条件(A)のモードを指定する。また、先頭パルスパワー選択信号PTPは先頭パルスパワーPtpを選択する。
これらのモード制御信号SeqModeは本実施形態の振り分けだけでなく、所望の光波形に適合するように定めればよい。
【0056】
[変調部]
変調部23は、シーケンサ21から供給される変調データDmodLとDmodH及び変調信号MODに基づいてLD変調電流Imodを生成する。
PbDAC40は変調データDmodLに基づいて電流を供給する電流出力DAC(D/Aコンバータ)であり、PtpDAC41は変調データDmodHに基づいて電流を供給する電流出力DACである。
スイッチ42はMUX65から供給される選択信号(記録時には変調信号MODつまりLD変調信号WSPが供給される)に従って、PbDAC40あるいはPtpDAC41の出力電流を選択してLD変調電流Imodを出力する。ここで、選択信号つまり変調信号MODがハイ(High)ならばPtpDAC41の出力を、ロー(Low)ならばPbDAC40の出力を選択する。
【0057】
また、PbDAC40とPtpDAC41のフルスケールIsclはスケールDAC(ScaleDAC)43から供給され、それは微分量子効率制御部28から供給されるスケール信号Scaleに従って設定される。
さらに、スケールDAC43のフルスケールIfullはηREFから供給され、使用する光源LDの微分量子効率から定めればよい。フルスケールIsclの算出・設定方法については後述する。
したがって、PbDAC40とPtpDAC41のそれぞれの出力電流I0とI1は次の数2と数3に示す式に基づく演算によって得られる。ここでは、PbDAC40,PtpDAC41及びスケールDAC43は8ビット(bit)DACとしている。
【0058】
【数2】
I0=(DmodL/255)*(Scale/255)*Ifull
【0059】
【数3】
I1=(DmodH/255)*(Scale/255)*Ifull
【0060】
また、前述したように変調データDmodL及びDmodHの変化タイミングはスイッチ42で選択されていない時となっているので、PbDAC40とPtpDAC41の応答速度が十分高速ならばPbDAC40とPtpDAC41のそれぞれの出力電流I0とI1の変化もスイッチ42で選択されていない間に行われ、変調電流Imodの変化は変調信号MODの変化タイミングのみによって決まる。
【0061】
図6は、図3に示した変調部23の他の構成例を示すブロック図である。
シーケンサ21からはステートマシンSMaとSMbの各ステートに対応する変調データ(PrData〜PlpData)が供給され、PrDAC80a,PeDAC80b,PbDAC80c,PclDAC80dと、PeDAC81a,PtpDAC81b,PmpDAC81c,PlpDAC81dとはそれらの変調データに基づいてそれぞれ電流I0a〜I0dと、I1a〜I1dの各電流を出力する。
スイッチ82はステートマシンSMaの現在のステート示す信号state0に従って電流I0a〜I0dのうちの1つを選択出力する。同様に、スイッチ83はステートマシンSMbの現在のステート示す信号state1に従って電流I1a〜I1dのうちの1つを選択出力する。
【0062】
スイッチ82は、図3と同様にして、MUX65から供給される選択信号に従ってスイッチ82とスイッチ83からそれぞれ供給される電流I0又は電流I1を選択してLD変調電流Imodを出力する。
また、スケールDAC43も図3と同様にPrDAC80a,PeDAC80b,PbDAC80c,PclDAC80dと、PeDAC81a,PtpDAC81b,PmpDAC81c,PlpDAC81dのフルスケールを決める。この実施形態によれば、スイッチ84で選択されていない時にスイッチ82あるいはスイッチ83に切り換えが行われるので、出力電流I0とI1の変化もスイッチ84で選択されていない間に行われ、図3の実施形態と同様に、変調電流Imodの変化は変調信号MODの変化タイミングのみによって決まる。
【0063】
また、出力電流I0とI1の変化速度はスイッチ82と83の切り換え速度によって決まり、PrDAC80a,PeDAC80b,PbDAC80c,PclDAC80dと、PeDAC81a,PtpDAC81b,PmpDAC81c,PlpDAC81dの応答速度は高速でなくともよい。したがって、高速DACの実現が困難な場合などに有効である。
また、出力電流I0bとI1aは同じ電流を出力するのでこれらのDACを共通化してもよい。
さらに、PrDAC80aは再生時に、PeDAC80b,PbDAC80c,PclDAC80dは記録時に使用するものであるので、PrDAC80aをPeDAC80b,PbDAC80c,PclDAC80dのうちの1つと共通化してもよい。
【0064】
図11は、図3に示した変調部23のさらに他の構成例を示すブロック図である。図12は図11の各部の出力信号を示す波形図である。
図11に示すように、シーケンサ21からは変調データDmodLとDmodHに加え、加算データexDataLとexDataHが供給される。これらの加算データもステートマシンSMaとSMbに従って出力される。
Pb+DAC90,PbDAC91,Pt+DAC92,PtDAC93はそれらのデータに基づいて電流を出力する。
加算器94と95はそれぞれ、Pb+DAC90とPbDAC91の出力電流の加算、Pt+DAC92とPtDAC93の出力電流の加算を行い、それぞれ電流I0とI1を出力する。
【0065】
スイッチ96は、変調信号MODに従って出力電流I0とI1を選択してLD変調電流Imodを出力する。また、スケールDAC43は図3と同様にしてPb+DAC90,PbDAC91,Pt+DAC92,PtDAC93のフルスケールを決める。
Pb+DAC90とPt+DAC92は加算分を出力するだけなのでダイナミックレンジを大きくとる必要はなく、そのフルスケールをPbDACとPtDAC93のフルスケールより小さくし、加算データビット数を低減してもよい。このようにすればデータを保持しておくレジスタのビット数を低減できる。
【0066】
[電流駆動部]
電流駆動部25は、電流加算部24から供給される電流を増幅して光源LD1あるいは光源LD2の駆動電流ILDを供給する。
スイッチ44は選択信号IoutSelに従って、入力電流を電流アンプ45あるいは46へ供給する。
電流アンプ45及び46は、スイッチ44から供給される電流を所定の増幅率Aiで増幅して、光源LD1あるいは光源LD2に駆動電流ILDを供給する。したがって、この時、LD駆動電流ILDは次の数4に示す式に基づく演算によって得られる。
【0067】
【数4】
ILD=Ai*(Ibias+Imod−Ihfmofs)
【0068】
但し、Ihfmofsは高周波重畳を行わない時は0となる。また、オフセット電流Ihfmofsを高周波重畳時にオフ、高周波重畳を行わない時に加算するようにしてもよい。
また、Ib=Ai*(Ibias−Ihfmofs),Im=Ai*Imodとし、図8に示したように、Ibが閾値電流Ithと等しくなるように制御されれば、Imすなわち変調電流Imodは光波形に比例した波形になる。
なお、本実施形態では光源LD1とLD2を同時に照射することは想定していない。
【0069】
以上からわかるように、光源LDの光変調波形のパルス幅は変調信号WSPのみによって決まり、LD変調信号生成部10の出力の二つの信号間(WSP,STEN)にスキューがあっても光波形には影響を及ぼさず、正確な記録マークが形成できる。
したがって、LD変調信号生成部10はLD駆動部12とは異なる集積回路で構成してもよく、それぞれ要望される回路特性にあった半導体プロセスを選択できるようになり、コスト・性能に見合った装置を構成することができる。
すなわち、LD変調信号生成部では高速動作及び高集積化が求められるために微細なCMOSプロセスが好適である。
【0070】
一方、LDドライバには、1〜数V程度の動作電圧を持つLDが接続されるため、高耐圧プロセス(例えば、5Vや3.3Vなど)が要求される。
通常、微細なCMOSプロセスでは高耐圧にすることは困難である(例えば、0.18μmCMOSプロセスでは1.8V程度の耐圧しかない)が、本実施形態によれば、それぞれを好適なプロセスで構成できるようになる。
【0071】
[PDアンプ部]
PDアンプ部26は、光源の出射光の一部をモニタするモニタ受光部からのモニタ受光信号を入力してオフセット調整及びゲイン調整を行う。
モニタ受光部には、受光素子単体(PD:Photo Detectorなど)でモニタ受光信号が電流として出力されるタイプのものと、電流電圧変換器を内蔵し、モニタ受光信号が電圧として出力されるタイプのものがある。
本実施形態ではどちらのタイプでも対応可能としており、MUX48で選択する。つまり、電流出力型の場合は入力されるモニタ受光信号が電流電圧変換器(I/V)47で電圧に変換したものを、電圧出力型の場合は電流電圧変換器47を経由しない信号を選択する。
【0072】
加算器50はモニタ受光信号のオフセット調整をするものであり、オフセットDAC(OffsetDAC)49から供給されるオフセット電圧を加減算する。
ゲイン切換えアンプ(X1/X4/X8/X16AMP)51は、オフセット調整したモニタ受光信号をゲイン切換え信号PDGainに従ってゲインを切り換え(例えば、1/4/8/16倍の4段階切換え)てゲイン調整を行う。
一般に再生光量と記録光量とは大きく異なるので、記録/再生時でゲインを切り換えるようにするとよい。
PDの受光電流Ipdは、光源LDの出射光Poに対する光利用効率をα、受光部PDの受光感度をSとすると、次の数5に示す式に基づく演算によって得られる。
【0073】
【数5】
Ipd=α・S・Po
【0074】
また、電流電圧変換器(47あるいはモニタ受光部内蔵のもの)の変換ゲインをGiv、ゲイン切換えアンプ51のゲインをGpdとすると、モニタ信号Imonは、次の数6に示す式に基づく演算によって得られる。
【0075】
【数6】
Imon=Gpd・Giv・Ipd=Gpd・Kpd・Po
【0076】
ここで、Kpd=Giv・α・Sとなる。なお、オフセットDAC49から供給されるオフセット電圧は便宜上省略した。
また、光源LD1とLD2の出射光をモニタするモニタ受光部を別個に設ける場合は、PDアンプ部26の入力を2つ設け、それぞれにモニタ受光部から供給されるモニタ受光信号を入力し、照射している光源LDに対応するモニタ受光信号を選択するようにすればよい。
【0077】
[バイアス電流制御部]
バイアス電流制御部27は、PDアンプ部26から供給されるモニタ信号Imonがシーケンサ21から供給される目標レベル信号Dtargetから生成される基準信号Itargetと一致するようにバイアス電流Iapcを制御する。本実施形態では次の三通りの制御方法から選択できる。
【0078】
(1)平均値制御方法
二つの目標レベル信号Dtargetには変調データDmodLとDmodHと同じデータを供給し、P−BDAC52とP−PDAC53とスイッチ54とで発光量に比例した基準信号Itargetを生成する。
P−BDAC52,P−PDAC53及びスイッチ54の動作は、それぞれPbDAC40,PtpDAC41及びスイッチ42の動作と同様である。
ここで、出射光量Poと基準信号Itargetとの比例係数をKとすると、次の数7に示す関係が得られる。
【0079】
【数7】
Itarget=K・Po
【0080】
また、この比例係数KはバイアススケールDAC(BScaleDAC)70によってP−BDAC52とP−PDAC53のスケールを設定することによって決定され、予めK=Kpdになるように設定する。Kpdは使用する受光部PDの光源LDの出射光Poに対する光利用効率α,受光感度Sのバラツキによって変わるので、初期調整時にこの設定を行うとよい。また、ゲイン切換えアンプ51のゲインGpdに合わせてバイアススケール設定値BiasScaleを変更する。
そして、この基準信号Itargetが目標出射光量を示すことになるので、出射光量をモニタしているモニタ信号Imonが基準信号Itargetと一致するようにすればLDを目標照射光量で照射させることができる。
【0081】
誤差アンプ55は、基準信号Itargetとモニタ信号Imonとの差分信号を増幅して次段に供給する。
S/H積分器(S/HInteg.)56は、誤差アンプ55から供給される増幅された差分信号を積分してバイアス電流Iapcを出力する。S/H積分器56は、この制御方法の場合は常に積分動作を行う。
また、SRSel信号によって制御速度を変更することができる。これは積分器への充放電電流(例えば、誤差アンプ55の出力電流)を変更することによって行う。これにより、記録/再生時にそれぞれ制御速度を最適値に設定することが可能となる。また、R−Contは充放電電流の設定可能範囲を設定する。
【0082】
図14は、上記バイアス電流制御部27の動作説明に供する各信号波形の一例を示す図である。同図の(a)は発光波形である光波形であり、(b)はモニタ信号Imonである。使用する受光部PDによって帯域制限を受けているものとする。また、図中の破線部は平均レベルを示す。
同図に示すように、照射パワーやデューティを変化させると平均レベルが変動する。この場合、従来のように予め算出した所定の平均値との誤差制御を行う方法では正確な制御ができなくなる。
また、同図の(c)は基準信号Itargetであり、上述したように照射波形に比例した波形になる。その破線部はバイアス制御帯域での信号である。
このように照射波形に比例した基準信号を生成し、これを誤差制御に用いることにより、照射パワーやデューティ変化によって平均レベルが変動する場合でも正確なバイアス制御ができる。
【0083】
(2)サンプルホールド制御方法
S/H積分器56は、ApcSmp信号によってサンプル時(例えば、ApcSmp=Highとする)には積分動作を行ってバイアス電流制御を行い、ホールド時には制御値であるバイアス電流Iapcをホールドする。
したがって、ホールド時は誤差アンプ55の出力を積分しないので、誤差アンプ55の回路オフセットによる制御値のドリフトなどを低減できる。
また、基準信号Itargetの生成は上述と同様にしてもよいが、サンプル時の目標照射パワーに相当する一定の基準信号Itargetとしてもよい。
本実施形態ではApcSmp信号の生成はシーケンサ21で行い、LD変調信号とステート信号によって生成する(ステートマシンにより制御する)。
【0084】
この波形例を図4の(i)に示す。
ApcSmp信号はハイ(High)がサンプル期間を、ロー(Low)がホールド期間をそれぞれ示す。ApcSmp信号の立上りは、ステートstate0=SPeの時、ステート信号STEN2=ロー(Low)でLD変調信号WSPの立上りに同期する。また、立下りは次のLD変調信号WSPの立上りで行う(ステートstate0=SPe,ステート信号STEN2=High)。このようにすれば、信号線を新たに追加する必要がない。その他は(1)の制御方法と同様の動作を行う。
【0085】
(3)ACC(Automatic Current Control)制御方法
本実施形態ではAPC制御を行わず、ACC制御を行うこともできる。
誤差アンプ55をバイパスして、ACCデータに従ったP−BDAC52の出力をバイアス電流Iapcとして出力する。その際、S/H積分器56にP−BDAC52の出力をホールドしておくと、このモードから他の制御モード(上記(1)または(2))に移行する際、積分器の初期値がホールドしていたACCデータになるので、バイアス電流が不連続とならず、切り換わり時に光源LDが過剰発光したり、消灯したりするのを防ぐことができる。
【0086】
逆に、APC制御モードからこのACCモードに切り換える際には、バイアス電流Iapcの値をモニタして取得しておき、それをACCデータとして設定しておけばよい。その制御モードへの切り換えはACCSel信号によって指示する。
本実施形態では、上記バイアス電流制御部27を用いず、外部からバイアス電流Iextを印加することも可能にしている。図示は省くが、このとき前述したのと同様に外部バイアス電流IextをS/H積分器56にホールドしておくと、内部のバイアス電流制御部27に切り換える際に移行を確実にかつ速やかに行える。
【0087】
図7は、図3に示したバイアス電流制御部27の他の構成例を示すブロック図である。
目標レベル信号Dtarget2は前述の変調データDmodLとDmodHを変調信号MODでスイッチングして生成したデータであり、バイアスDAC(BiasDAC)71によって発光量の平均値である基準信号Itargetを生成する。
バイアスDAC71は発光量の平均値を生成するのが目的であるので、変調部23のPbDAC40,PtpDAC41ほどの高速動作は必要ない。
この実施形態によれば、基準信号Itarget生成部の構成を簡便化でき、DACの応答速度も低減できるので、チップサイズや消費電流の低減を図ることができる。
その他のブロックは図3に示したものと同様の動作をし、制御方法も上記(1)〜(3)が同様に適用できる。
【0088】
[微分量子効率制御部]
微分量子効率制御部28は、駆動している光源LD(光源LD1または光源LD2)の微分量子効率ηを検出してその検出結果に応じてLD変調電流のスケールScaleを制御する。これは所定の2点間の照射光量の差分を検出して基準値ηtargetと比較し、その比較結果に基づいてスケールSacle値を増減することによって行う。
サンプルホールド回路(S/H)57は、基準となる照射光量時(P1とする)のモニタ信号ImonをEtaSmp信号に従ってサンプル/ホールドする。差分器58は、サンプルホールド回路57の出力とモニタ信号Imonとの差分信号を生成する。
【0089】
etarefDAC59は、基準値ηtargetを出力する。
比較器(Comp)61は、差分器58の出力と基準値ηtargetとを比較し、差分器58の出力が基準値ηtargetより小さかったらUp信号を、大きかったらDown信号をカウンタ(Count)62へ出力する。
この比較器61の比較タイミングはCompCK信号に従って行われ、CompCK信号の立上りで比較開始する。
カウンタ62は、比較器61の出力する比較結果Up/Down信号によってカウンタ値を増減する。そのカウンタ値の更新はCompCK信号の立下りで行う。このカウント値をScale信号として変調部23へ供給し、そのScale信号の増減に併せて発光量も増減する。カウンタ62の初期値には、PScale(記録時初期値)あるいはRScale(再生時初期値)が設定される。
【0090】
また、図示は省くがカウント値を平均化する手段を設け、カウント値の移動平均値をScale信号にしてもよい。このように、平均化することによって制御値(Scale)の発振を防止できる。さらに、比較器61に不感帯を設け、両者がほぼ一致するときはUp/Down信号のどちらも出力しないようにしても同様の効果が得られる。
また、etarefDAC59のフルスケールは、バイアススケールDAC70によって設定される。光源LDの出射光量Poとモニタ信号Imonとの関係式は上述の数6で表され、係数Kpdは使用する受光部PDの光源LDの出射光Poに対する光利用効率α及び受光感度Sのバラツキによって変化する。
【0091】
つまり、基準値ηtargetも装置毎にばらつくが、バイアススケールDAC70によってetarefDAC59のフルスケールを調整することによってバラツキを吸収することができる。したがって、当然係数Kpdに合わせて基準値ηtargetを算出・設定してもよい。
なお、バイアススケールDAC70は上述のようにバイアス電流制御部27の基準信号Itargetを調整するものでもあるので、共通に調整でき、調整工程が簡略化できる。
【0092】
次に、微分量子効率制御方法の一例を説明する。
相変化型記録媒体への記録動作中の制御方法を、図4の波形図に基づいて説明する。
この制御方法は、図4の(c)光波形のようにロングスペース中に所定期間η検出用パワーP2で発光させ(破線部(B))、この期間にS/H回路57でサンプルする(サンプル信号は(j)のEtaSmp)。
また、その後のイレースパワーP1の照射中に比較器61で基準値との比較を行う(同図の(k)CompCK)。つまりP1とP2との差分から微分量子効率ηを検出する。
このη検出用パワーP2は、使用する情報記録媒体の種類やイレースパワーP1に応じて適宜決めればよく、上記イレースパワーP1とη検出用パワーP2の差分に応じて基準値ηtargetを変更するとよい。また、本実施形態ではP1をイレースパワーにしたが、他の照射レベルを用いるようにしてもよい。
【0093】
通常、CD−RWなどの相変化型記録媒体はイレースパワーの多少の変動に対しては記録特性をほとんど悪化させない。
また、微分量子効率の変動は温度変化によるものが主因なので、この制御帯域は遅くてもよく、この特殊パワーP2での発光頻度も少なくてよいので、この制御方法による記録性能への悪影響はない。
さらに、記録開始直後などのようにScaleの初期値PScaleがずれている可能性がある場合のみ、サンプル頻度を増やして制御速度を上げてもよい。このようにすれば、記録性能に影響与えることなく、微分量子効率の変動を自動的に制御し、所望の光量でLDを発光させることができる。
【0094】
また、この制御信号であるEtaSmp信号及びCompCK信号はシーケンサ21において、LD変調信号及びステート信号から生成できる。
以下に生成方法を説明する。
まず、LD変調信号(WSP信号)、ステート信号(STEN信号)は所望のη検出用パワーP2の発光タイミングに合わせて、図4の一点鎖線枠(C)で囲んだ部分のような信号を生成する。
(e−2)STEN2信号はWSP信号とSTEN信号から生成され、同様に破線のようになる。このときシーケンサ21のステートマシンSMaとSMbは以下に示す状態遷移を行う。
【0095】
{ステートマシンSMa}
状態SPeの時、ステート信号STEN2=ロー(Low)かつLD変調信号WSP↑(「↑」は立上りエッジを表す)ならば(時刻t13)、状態SPclに遷移する。この時、最終ボトムパルスパワーPclに対応した変調データは所定期間η検出用パワーP2(=Peta)のものを出力する。
つまり、この状態(Peta)でLD変調信号WSP=ロー(Low)のときに所定期間η検出用パワーP2で発光する。
また、これに合わせEtaSmp信号をハイ(High)(サンプル)とする。そして、次のLD変調信号WSP↑で状態SPeに戻る(時刻t15)。
また、この状態への遷移に合わせてCompCKをハイ(High)とし、次に状態SPbに遷移する時にロー(Low)とする。以降は通常と同じである。
【0096】
{ステートマシンSMb}
時刻t12でのLD変調信号WSP↓(「↓」は立下りエッジを表す)ではステート信号STEN=ロー(Low)なので、状態SPeに留まる。時刻t14でも同様である。時刻t16でのLD変調信号WSP↓にはステート信号STEN=ハイ(High)であるので状態Ptpに遷移する。以降は通常と同じである。
【0097】
[高周波変調部]
一般に、光ディスク装置では情報媒体からの戻り光による光源のノイズを抑制するため、再生時には高周波信号で変調を行う、いわゆる高周波重畳を行っている。
高周波変調部30は、高周波重畳信号HFMODと高周波重畳時にバイアス電流に印加するオフセット電流Ihfmofsを生成する。
また、本実施形態では高周波変調自体は変調部23を利用して行うので、高周波重畳時の変調部23の動作も併せて説明する。
VCO64は、FreqDAC63の出力する周波数設定信号に従った周波数の信号HFMODを発生させる発振器である。
【0098】
MUX65はHF−ON信号に従って、この高周波重畳信号HFMODとシーケンサ21の出力する変調信号MODとを選択出力し、変調部23に供給する。
ここでは高周波重畳時について説明するのでHFMOD信号が選択されるものとする。
また、HFBDAC66及びバッファアンプ67で付加するオフセット電流Ihfmofsを生成し、スイッチ68で印加の有無を設定する。さらに、VCO64は高周波重畳を行わない時(HF−ONにより指示)は、発振を停止させるようにしておくと不必要な電力消費を抑制できる。
変調部23は高周波重畳時は以下の動作をする。
【0099】
変調データDmodLとDmodHにはそれぞれボトムレベルとトップレベルに対応したデータを与え、PbDAC40とPtpDAC41はそれぞれIbtmとItopを出力する。この変調データを変更することによって変調度を変更できる。
そして、スイッチ42で高周波重畳信号HFMODに従って変調電流Imodを生成する。
【0100】
LD駆動電流は上記数4に示した式に基づく演算によって得られ、光変調波形は図9に示す線図のようになる(図9では、便宜上電流駆動部の増幅率Aiは省略している)。そして、平均光量Pavgが目標光量Ptargetになるようにバイアス電流が制御される。
また、上述の説明と同等にPbDAC40とPtpDAC41のフルスケールはScale信号によって設定され、再生中は微分量子効率制御部28による制御動作は行わないとすると、再生時のScale信号の初期値RScaleが一定に与えられる。
【0101】
[DC/DCコンバータ]
DC/DCコンバータ32は、LD駆動集積回路1に供給される電源電圧から集積回路の内部電源電圧に変換して各部へ供給する。また内部電源電圧値はPwrReg信号によって設定される。
LD駆動集積回路1を高速動作させるには、C−MOS微細プロセスで実現し、そのプロセスの許容電圧付近で動作させることが望ましい。
また、駆動する光源LDは、通常2〜3Vの動作電圧を有し、LD駆動部には3〜4Vの電源電圧が最適である。これよりも大きいと消費電力が増大し、発熱も大きくなるからである。
これらの条件を満足するためには、例えば0.35umのC−MOSプロセスを用いて3〜4Vの電源電圧で動作させるようにするとよい。
【0102】
しかし、情報記録再生装置としてはこの最適電圧が供給されていない場合がある(例えば5Vと12Vのみ供給されている)。そのため、別途電圧変換して生成し供給する必要があるが、FCP基板を介して供給する電源供給線が増加してしまう。また、ピックアップ部に電圧変換部を設けるには小型化の望まれるピックアップとしてはスペース的に困難である。
一方、動作速度は遅いが5V耐圧トランジスタを搭載するにはコストアップ無しに容易に可能であり、電圧変換部を構成するにはこのトランジスタで十分である。
【0103】
したがって、本実施形態のように電圧変換部(DC/DCコンバータ32)をLD駆動集積回路1に内蔵することによって上記課題を解決できる。
さらに、電圧変換部として、DC/DCコンバータ(いわゆるスイッチングレギュレータ)を用いれば、変換損失を低くすることができ、消費電力及び発熱量を低減することができる。
また、DC/DCコンバータ32はPwrReg信号によって内部電源電圧値を設定可能にしているので、最適な電源電圧に設定することができる。
DC/DCコンバータ31は、外部との入出力インタフェース用の電圧変換部である。これにより、FPC基板の電源供給線を増やすことなく様々なインタフェース電圧に対応することができる。
【0104】
上記説明では図4の(c)の光波形を出力する場合の動作について説明したが、ステート信号STENや設定値などを変更すれば他の光波形を出力することができる。図10は、その他の出力信号の一例を示す波形図である。
図10に示すように、記録マークの後でエッジ位置制御を行うのに、最終パルスパワーPlp及びクーリングパルスパワーPclの制御を付加するのではなく、イレースの先頭パワーPep(図10の破線部(iv))制御をパルス幅制御に付加する方法を実現するものである。
LD変調信号WSP,ステート信号STENは同図のように与えられる。
図4の場合と異なるのはステート信号STENの立下りタイミングのみである。また、ステートマシンSMaとSMbも遷移条件を一部変更するだけで対応可能である。
【0105】
したがって、遷移条件に光波形モード設定による条件を追加しておけばよい。つまり、図5のステートマシンSMaにおいて、光波形モードにより(a)または(b)の遷移を行うようにすればよい。なお、状態SPlpには照射パワーPepが対応する。
このように、ステートマシンの各状態に対応する照射パワーや、遷移条件を変更すれば様々な光波形を発生させることができる。
【0108】
次に、上記実施形態におけるこの発明の各請求項の構成要件に係わる部分を明記する。
)この発明の請求項に係わる部分
図3に示す微分量子効率制御部28が上記微分量子効率検出手段に、同じく図3に示す変調部23が上記変調手段にそれぞれ相当する。また、図3に示すP−BDAC52とP−PDAC53とスイッチ54,又は図7に示すBiasDAC71が上記目標値生成手段に、図3又は図7に示すバイアス電流制御部27が上記バイアス制御手段に、図3に示す電流加算部24及び電流駆動部25が上記電流駆動手段にそれぞれ相当する。
3に示す差分器58が上記差分検出手段に、同じく図3に示す比較器61が上記比較手段に、同じく図3に示すカウンタ62が上記スケール信号生成手段にそれぞれ相当する。
上記段落番号[0092]の記載内容がその説明である。
上記のように構成することにより、光量制御を正確に行うことができる。
また、光量制御を簡便な構成で正確に行うことができる。
さらに、微分量子効率を算出する二点の照射レベルを記録波形に応じて自由に設定することができ、例えば記録特性になるべく悪影響の無いように検出照射レベルを決定することができる。
【0109】
)この発明の請求項に係わる部分
上記段落番号[0090]の記載内容がその説明である。
上記のように構成することにより、制御値の発振を防止することができる。
)この発明の請求項に係わる部分
図3に示すバイアススケールDAC70,P−BDAC52とP−PDAC53にその出力に基づいてフルスケールを変更する機能を付加したものが、上記発光目標値増幅手段に相当する。
上記のように構成することにより、使用する受光素子の特性や配置などにばらつきがあっても、正確な発光目標値を得ることができ、また変調データ自体は装置毎に変更する必要はなく、発光目標値の調整を容易に行うことができる。
【0110】
)この発明の請求項に係わる部分
図3に示すバイアススケールDAC70及びetarefDAC59にその出力に基づいてフルスケールを変更する機能を付加したものが、上記スケール信号変更手段に相当する。
上記のように構成することにより、使用する受光素子の特性や配置などにばらつきがあっても正確な比較基準値を得ることができ、また、比較基準値の調整を容易に行うことができる。
)この発明の請求項に係わる部分
上記段落番号[0091]の記載内容がその説明である。
上記のように構成することにより、一度の調整で済み、調整工程を簡素化することができる。
)この発明の請求項に係わる部分
図3に示すゲイン切換えアンプ51が上記ゲイン切換えアンプに相当する。
上記のように構成することにより、記録/再生時のように照射光量、つまりモニタ受光信号が大きく異なる場合でも、ゲイン切換えによって同程度の信号レベルにできるので、構成回路の実現が容易になる。
)この発明の請求項に係わる部分
図示を省略したが、上記段落番号[0081]の記載内容がその説明である。
上記のように構成することにより、記録/再生などのモード毎に制御速度を最適値に設定することが可能になる。
【0111】
【発明の効果】
以上説明してきたように、この発明の光情報記録装置によれば、マルチパルス部のデューティ比が変化しても正確に照射光量の制御を行い、また、微分量子効率変動を自動的に補正して駆動電流を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の光源駆動装置を適用する情報記録再生装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示した信号処理部104の内部構成を示すブロック図である。
【図3】図2に示したLD制御部9及びLD駆動部12が集積化されたLD駆動集積回路1の構成図である。
【図4】図3に示したLD駆動集積回路1の各部の出力信号の一例を示す波形図である。
【図5】図3に示したシーケンサ21の状態遷移図である。
【図6】図3に示した変調部23の他の構成例を示すブロック図である。
【図7】図3に示したバイアス電流制御部27の他の構成例を示すブロック図である。
【図8】駆動電流−光出力特性の一例を示す線図である。
【図9】光変調波形の一例を示す線図である。
【図10】図3に示したLD駆動集積回路1の各部の出力信号の他の例を示す波形図である。
【図11】図3に示した変調部23のさらに他の構成例を示すブロック図である。
【図12】図11に示した変調部23の各部の出力信号を示す波形図である。
【図13】LD駆動電流のスイッチタイミングのずれに基づく光波形の乱れの説明に供する線図である。
【図14】図3に示したバイアス電流制御部27の動作説明に供する各信号波形の一例を示す図である。
【符号の説明】
1:LD駆動集積回路 2:受光信号処理部
4:RF選択部 6:ウォブル信号生成部
9:LD制御部 10:LD変調信号生成部
12:LD駆動部 13:サーボ信号演算処理部
14:サーボプロセッサ 15:ウォブル信号処理部
16:RF信号処理部/PLL部
17:WCK生成部 18:回転制御部
19:コントローラ 20:サーボドライバ
21:シーケンサ(Sequencer)
22:コマンドデコーダ(CMDDecorder)
23:変調部(Data−Modulation)
24:電流加算部 25:電流駆動部
26:PDアンプ部(PD−AMP)
27:バイアス電流制御部(Bias−Control)
28:微分量子効率制御部(η−Control)
29:バイアス電流選択部(MUX)
30:高周波変調部(HF−Modulation)
31,32:DC/DCコンバータ
33:制御部
40:PbDAC 41:PtpDAC
42,44,54,96:スイッチ
43:スケールDAC(ScaleDAC)
45,46:電流アンプ 47:電流電圧変換器(I/V)
48,65:MUX
49:オフセットDAC(OffsetDAC)
50:加算器
51:ゲイン切換えアンプ(X1/X4/X8/X16AMP)
52:P−BDAC 53:P−PDAC
55:誤差アンプ
56:S/H積分器(S/HInteg.)
57:サンプルホールド回路(S/H)
58:差分器 59:etarefDAC
61:比較器(Comp) 62:カウンタ(Count)
63:FreqDAC 64:VCO
65:MUX
66:HFBDAC 67:バッファアンプ
70:バイアススケールDAC(BScaleDAC)
71:バイアスDAC(BiasDAC)
80a:PrDAC 80b:PeDAC
80c:PbDAC 80d:PclDAC
81a:PeDAC 81b:PtpDAC
81c:PmpDAC 81d:PlpDAC
I0,I0a〜I0d,I1,I1a〜I1d:電流
82,83,84:スイッチ
90:Pb+DAC 91:PbDAC
92:Pt+DAC 93:PtDAC
94,95:加算器 ILD:駆動電流
100:情報記録媒体 101:ピックアップ
102:光源(LD) 103:受光部
104:信号処理部 105:回転駆動部
106:コントローラ IoutSel:選択信号
PD1〜PD5:受光部 LD1,LD2:光源

Claims (7)

  1. 光源から発生させた光を情報記録媒体に照射して記録マークの形成を行う光情報記録装置において、前記光源の微分量子効率を検出してスケール信号を出力する微分量子効率検出手段と、変調データに基づいて変調波形信号を生成するものであって、前記スケール信号に基づいて前記変調波形信号のスケールを変更する変調手段と、前記変調データに基づいて前記変調波形信号の平均値を生成して発光目標値にする目標値生成手段と、前記光源の出射光量の一部を受光素子でモニタして生成するモニタ受光信号と前記発光目標値とが一致するようにバイアス電流を制御するバイアス制御手段と、前記変調手段によって生成された変調波形信号の出力電流と前記バイアス電流との和を増幅して前記光源の駆動電流とする電流駆動手段とを備え
    前記微分量子効率検出手段が、所定の二つの前記光源の照射レベル間の前記モニタ受光信号の差を検出する差分検出手段と、予め設定された比較基準値と前記差分検出手段によって検出された差とを比較する比較手段と、該比較手段の比較結果に基づいて前記スケール信号の増減を行うスケール信号生成手段とからなり、
    前記モニタ受光信号の差を検出する所定の二つの照射レベルが適宜変更されるものであって、前記比較基準値が変更された二つの照射レベル差に基づいて変更されるようにしたことを特徴とする光情報記録装置。
  2. 請求項記載の光情報記録装置において、前記スケール信号生成手段が、前記比較手段の比較結果に基づいて増減を行った値を平均化してスケール信号として出力する手段であることを特徴とする光情報記録装置。
  3. 請求項記載の光情報記録装置において、前記発光目標値を増幅する発光目標値増幅手段を設け、該発光目標値増幅手段による増幅の際の増幅率を前記受光素子の変換効率又は出射光利用効率に応じて予め調整するようにしたことを特徴とする光源駆動装置。
  4. 請求項記載の光情報記録装置において、前記比較基準値のスケール信号を変更するスケール信号変更手段を設け、該スケール信号変更手段によって変更されるスケール信号を前記受光素子の変換効率又は出射光利用効率に応じて予め調整するようにしたことを特徴とする光源駆動装置。
  5. 請求項記載の光情報記録装置において、前記比較基準値のスケール信号を変更するスケール信号変更手段と、前記発光目標値を増幅する発光目標値増幅手段とを設け、前記スケール信号変更手段によって変更されるスケール信号及び前記発光目標値増幅手段による増幅の際の増幅率を前記受光素子の変換効率又は出射光利用効率に応じて連動して予め調整するようにしたことを特徴とする光源駆動装置。
  6. 請求項1又は2記載の光情報記録装置において、前記モニタ受光信号を増幅するゲイン切換えアンプを設け、該ゲイン切換えアンプのゲインに応じて前記発光目標値及び前記比較基準値を変更するようにしたことを特徴とする光情報記録装置。
  7. 請求項記載の光情報記録装置において、前記バイアス制御手段の制御帯域を変更する手段を設けたことを特徴とする光情報記録装置。
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