JP3974846B2 - 光源駆動装置と光ピックアップと情報記録再生装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、高周波重畳手段を備えた光源駆動装置とその光源駆動装置を搭載した光ピックアップとCD−ROMドライブ装置,CD−Rドライブ装置,CD−RWドライブ装置,DVD−ROMドライブ装置,DVD−Rドライブ装置,DVD−RWドライブ装置,DVD−RAMドライブ装置,DVD+RWドライブ装置などの情報の再生又記録を行う情報記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ピックアップに搭載された光源である半導体レーザ(Laser Diode、以下「LD」と称する)から照射するレーザ光によって光ディスク(情報記録媒体)に情報の記録・再生を行う光ディスク装置においては、光ディスクからの反射光によってLDにノイズが生じ、検出信号のS/N比が劣化する。
このようなLDのノイズ低減方法としては、高周波信号をLDの駆動電流に重畳する高周波重畳方法が知られている。
その高周波信号を発生する高周波信号発生装置としては、高周波重畳モジュールと呼ばれるインダクタやコンデンサなどで構成される共振回路が広く用いられており、その共振回路はLDの近傍に配置されていた。
【0003】
また、近年ではLDを搭載する光ピックアップの小型化が要求されるため、高周波信号を発生する高周波信号発振回路を光源駆動回路に集積化し、光ピックアップの小型化を図ったものが実用化に供されている。なお、集積回路に好適な発振回路としては電圧制御発振器(Voltege Controlled Oscillator:VCO)などが知られている。
しかしながら、集積回路のデバイスパラメータは通常大きくばらつくため、供給する電圧に対して発振周波数が精度よく得られなくなり、LDノイズの低減効果が十分得られないという問題があった。また、発振周波数によっては回路から発生する電磁放射ノイズが他の回路や他の装置を妨害してしまうという問題も発生する。逆に、精度よく発振周波数を得るためには、プロセスの精度を上げたり、補正手段を設けるなどしなければならなくなるので、大幅なコストアップや回路規模の増大などの不都合が生じる。
【0004】
このような問題を解決するものとして、リード,ライト,イレース時にバックトーク現象を抑制するための高周波重畳をかけられるようにし、さらに、エラー発生時や温度変動時には高周波重畳の振幅や周波数を制御する手段を設け、周囲の状況によらずバックトーク現象を抑制できるようにした光源駆動装置(例えば、特開2001−56953号公報参照)が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の光源駆動装置は、高周波重畳の周波数の制御を再生信号の品質(再生情報のエラー率や再生信号のジッタなど)などによって行っており、すなわち、光ディスク装置を再生動作させないと所望の周波数へ制御できないため、制御に大幅な時間がかかってしまうという問題があった。また、再生信号の品質を測定する手段も必要となるためにコストアップとなるという問題もあった。
さらに、再生信号の品質に基づいて制御された高周波重畳の周波数は正確には把握できていないため、制御された周波数やその高調波の周波数帯での電磁放射ノイズ限度値を満足できない恐れがあるという問題もあった。
この発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、光源の駆動電流に重畳する高周波信号の周波数を短時間でコストアップなしに制御できるようにすることを目的とする。また、電磁放射ノイズの低減を図った光源駆動装置及び情報記録再生装置を提供することも目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記の目的を達成するため、次の(1)の光源駆動装置を提供する。
(1)高周波信号を発生する高周波信号発生手段と、その高周波信号発生手段によって発生した高周波信号を光源の駆動電流に重畳する高周波信号重畳手段と、上記高周波信号発生手段によって発生した高周波信号の周波数を検出する周波数検出手段と、その周波数検出手段によって検出した周波数に基づいて上記高周波信号発生手段の発生する高周波信号が所定の周波数となるように制御する周波数制御手段を備え、上記周波数検出手段が、所定の周波数検出期間に発生するパルス数を計測することによって高周波信号の周波数を検出する手段であり、上記周波数検出手段が周波数を検出するときには、上記周波数検出期間を示す信号を所定の信号線と共有化して伝送するようにした光源駆動装置。
【0007】
【0008】
【0009】
さらに、次の(2)の光ピックアップと(3)(4)の情報記録再生装置も提供する。
(2)(1)の光源駆動装置を搭載した光ピックアップ。
(3)(1)の光源駆動装置を搭載した情報記録再生装置。
【0010】
(4)高周波信号を発生する高周波信号発生手段と、その高周波信号発生手段によって発生した高周波信号を光源の駆動電流に重畳する高周波信号重畳手段と、上記高周波信号発生手段によって発生した高周波信号又はその高周波信号を分周した信号を出力する高周波信号出力手段を有する光源駆動手段と、上記高周波信号出力手段の出力信号の周波数を検出する周波数検出手段と、その周波数検出手段によって検出した周波数に基づいて上記高周波信号発生手段の発生する高周波信号が所定の周波数となるように制御する周波数制御手段を備え、上記周波数検出手段が周波数を検出するときには、上記高周波信号又はその高周波信号を分周した信号を所定の信号線と共有化して伝送するようにした情報記録再生装置。
【0011】
また、次の(5)〜(8)の光源駆動装置も提供する。
(5)高周波信号を発生する高周波信号発生手段と、その高周波信号発生手段によって発生した高周波信号を光源の駆動電流に重畳する高周波信号重畳手段と、上記高周波信号発生手段によって発生した高周波信号の周波数を検出する周波数検出手段と、その周波数検出手段によって検出した周波数に基づいて上記高周波信号発生手段の発生する高周波信号が所定の周波数となるように制御する周波数制御手段と、所定周波数のクロックを基準にしてデータ及びコマンドの通信を行う通信手段を有し、上記周波数検出手段が、上記クロックに基づいて生成した所定の周波数検出期間に発生するパルス数を計測することによって高周波信号の周波数を検出する手段であり、上記通信手段が、アドレスとデータの順にシリアルに転送する手段であり、上記周波数検出期間が、上記アドレスが高周波信号の周 波数の検出を指示するものであった時のデータ通信時間である光源駆動装置。
【0012】
(6)高周波信号を発生する高周波信号発生手段と、その高周波信号発生手段によって発生した高周波信号を光源の駆動電流に重畳する高周波信号重畳手段と、上記高周波信号発生手段によって発生した高周波信号の周波数を検出する周波数検出手段と、その周波数検出手段によって検出した周波数に基づいて上記高周波信号発生手段の発生する高周波信号が所定の周波数となるように制御する周波数制御手段と、所定周波数のクロックを基準にしてデータ及びコマンドの通信を行う通信手段を有し、上記周波数検出手段が、上記クロックに基づいて生成した所定の周波数検出期間に発生するパルス数を計測することによって高周波信号の周波数を検出する手段であり、上記通信手段が、アドレスとデータの順にシリアルに転送する手段であり、上記周波数検出期間が、上記アドレス及びデータ通信時間である光源駆動装置。
【0013】
(7)高周波信号を発生する高周波信号発生手段と、その高周波信号発生手段によって発生した高周波信号を光源の駆動電流に重畳する高周波信号重畳手段と、上記高周波信号を分周する分周手段と、その分周手段によって分周した高周波信号の周波数を検出する周波数検出手段と、その周波数検出手段によって検出した周波数に基づいて上記高周波信号発生手段の発生する高周波信号が所定の周波数となるように制御する周波数制御手段と、所定周波数のクロックを基準にデータ及びコマンドの通信を行う通信手段と、上記クロックに基づいて生成した所定の周波数検出期間に発生するパルス数を計測するパルス計数手段を有し、上記分周手段が、上記周波数検出期間の開始に基づいて初期化し、終了時に分周動作を停止する手段であり、上記周波数検出手段が、上記パルス計数手段によって計測したパルス数と上記分周手段の停止時の分周器の値とによって高周波信号の周波数を検出する手段である光源駆動装置。
【0014】
(8)(5)乃至(7)のいずれかの光源駆動装置において、複数回の上記周波数検出期間に計数した累積パルス数によって高周波信号の周波数を検出するようにした光源駆動装置。
【0015】
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて具体的に説明する。
まず、本発明の光情報記録装置の一実施形態である情報記録再生装置の全体構成及び動作概要を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の光情報記録装置の一実施形態である情報記録再生装置の全体構成を示すブロック図である。
図1において、情報記録媒体100は、再生すべき情報が予め記録されたCD−ROM,DVD−ROM等の光ディスク、または情報が未記録であってユーザが任意に新規の情報を記録可能なCD−R,CD−RW,DVD−R,DVD−RAM,MD,MOなどの光ディスクである。
【0017】
ピックアップ101は、光源(例えば半導体レーザ(LD))102からの出射光を情報記録媒体100に照射して情報の記録を行ったり、情報記録媒体100からの反射光を受光して受光信号に変換するものであり、光源102やその光源102を駆動する光源駆動部(公知であり、図示を省略)、反射光を受光して受光信号に変換する受光部103などが配置されている。
また、ピックアップ101には光源102の出射光の一部をモニタするモニタ受光部(同じく公知であり、図示を省略)も配置されており、その出力であるモニタ信号に基づいて光源102の出射光量変動を制御する。
【0018】
さらに、情報記録媒体100の照射光に対する傾き(「チルト」と呼ぶ)を検知するためのチルト検出受光部(同じく公知であり、図示を省略)などが配置される場合もある。
さらにまた、異なる媒体フォーマットが定められた複数種類の情報記録媒体に対応する情報記録再生装置の場合(例えば、DVD及びCD両対応装置など)、それぞれの情報記録媒体に好適な波長の光源を持つ場合があり、それぞれの光源出射時に情報記録媒体からの反射光を受光する受光部やモニタ受光部を別個に備える場合もある。
【0019】
信号処理部104は、ピックアップ101に配置された各種受光部からの受光信号が入力され、様々な信号処理が行われる。
例えば、受光信号から情報を再生したり、情報記録媒体100の回転に伴う面振れやトラックの半径方向の振れなどの変動に対して常に所定の誤差内で光を照射するように制御(フォーカスサーボ制御及びトラックサーボ制御)するために受光信号からサーボエラー信号を生成し、そのサーボエラー信号に従ってピックアップ101を制御する。また、記録すべき情報を所定の規則に従って変調し、記録信号として光源102(または光源駆動部)に出力したり、光源102の出力光量制御を行う。
【0020】
回転駆動部105は、情報記録媒体100を回転させるものであり、信号処理部104によって回転速度が制御(スピンドルサーボ制御)される。
CLV回転制御を行う際には、より精度よく回転制御をするために情報記録媒体100に埋め込まれた回転制御信号をピックアップ101を介して検出し、その回転制御信号に基づいて回転制御を行う。
回転制御信号には、例えば再生情報記録媒体などでは記録された情報に所定間隔で配置された同期信号や、記録可能な情報記録媒体では記録トラックが所定の周波数で蛇行したウォブルなどを用いる。
【0021】
コントローラ106は、ホストコンピュータとの記録再生情報の受け渡しやコマンド通信を行って装置全体の制御を行う。
なお、ピックアップ101は情報記録媒体半径方向に可動(この動作を「シーク動作」と呼ぶ)させるため、ピックアップ101と信号処理部104等が搭載されている回路基板とはフレキシブルプリント回路(Flexible Print Circuit:FPC)基板(またはケーブル)と呼ばれる基板(またはケーブル)で接続されるのが一般であり、光源102や受光部103等のピックアップ101に搭載される部品はこのFPC基板に実装されることも多い。
【0022】
次に、上記情報記録再生装置の信号処理部104の内部構成及び動作概略について説明する。
図2は、図1に示した信号処理部104の内部構成を示すブロック図である。
本実施形態の信号処理部104は、異なるフォーマットの情報記録媒体へ対応させるために上記光源(LD)102として二つの光源LD1とLD2を備えており、上記受光部103として受光部PD1〜PD5を備えており、光源LD1とLD2の照射光の一部をそれぞれ受光部PD2及びPD5でモニタする。
【0023】
受光部PD1では光源LD1の照射時に情報記録媒体からの反射光を受光し、受光部PD4では光源LD2の照射時に情報記録媒体からの反射光を受光する。
受光部PD3はチルト量を検知するための受光部である。受光部PD1とPD3とPD4は、複数に分割された分割受光素子によって受光している。
なお、ピックアップによっては光源LD1とLD2の出射光を同一の受光部でモニタする場合もある。同様に、情報記録媒体からの反射光を受光する受光部も同一とする場合もある。
【0024】
受光信号処理部2は、受光部PD1とPD3とPD4の出力する各受光信号を入力し、各受光信号のオフセット調整及びゲイン調整などの処理を行う。
サーボ信号演算処理部13は、受光信号処理部2から供給される各受光信号からサーボエラー信号の生成を行う。同時に、オフセット調整,ゲイン調整も行って生成したサーボエラー信号をサーボプロセッサ14へ供給する。
RF選択部4は、受光部PD1及び受光部PD4の出力する受光信号を入力し、後段の回路に必要な信号を選択あるいは一部加減算などの演算を行って供給する。
【0025】
ウォブル信号生成部6は、記録可能な情報記録媒体にプリフォーマットされたウォブルを検出するものである。
ウォブル信号処理部15は、ウォブル信号生成部6の出力する信号から二値化ウォブル信号を抽出し、WCK生成部17及び回転制御部18へ供給する。また、情報記録媒体毎に所定の規則でウォブルに変調されたアドレス情報を復調し、コントローラ19へ供給する。このコントローラ19内にVCO219の印加信号に対する発振周波数特性値又は発振周波数近似特性値を保持する発振周波数特性保持手段を設けている。
【0026】
RF信号処理部/PLL部16は、RF信号処理部によってRF選択部4から入力された再生RF信号から二値化RF信号を生成し、再生している情報記録媒体の変調方式規則に則って復調を行う。またPLL部(PLL回路)によって二値化RF信号から再生クロックを抽出する。復調したデータはコントローラ19に供給する。また二値化RF信号に所定間隔で挿入された同期信号によって回転制御信号を抽出して回転制御部18へ供給する。
回転制御部18は、ウォブル信号処理部15またはRF信号処理部/PLL部16から入力される信号から回転制御を行うためのスピンドルエラー信号を生成し、サーボプロセッサ14へ供給する。また、情報記録媒体を角速度一定(CAV)で回転させる場合は回転制御駆動部(公知であり、図示を省略)から出力されるディスク回転を示す信号(同じく公知であり、図示を省略)に基づいてスピンドルエラー信号を生成する。
【0027】
サーボプロセッサ14は、コントローラ19からの指令に基づき、入力される各種サーボエラー信号からサーボ制御信号を生成し、サーボドライバ20へ出力する。サーボドライバ20は、入力されるサーボ制御信号に基づいてサーボドライブ信号を生成する。各駆動部は供給されたサーボドライブ信号によってサーボ制御動作を行う。ここでは、フォーカス制御,トラック制御,シーク制御,スピンドル制御及びチルト制御である。
【0028】
WCK生成部17は、ウォブル信号処理部15から供給された二値化ウォブル信号に基づいて記録クロック信号WCKを生成し、LD変調信号生成部10とコントローラ19の各部へ供給する。記録時にはその記録クロック信号WCKを基準にして記録データの生成などが行われる。
記録時には、コントローラ19から記録クロック信号WCKに同期して記録データ信号WdataがLD変調信号生成部10へ供給される。その記録データ信号Wdataは記録すべき情報が所定の規則に従って変調されている。
【0029】
LD変調信号生成部10は、WCK生成部17から入力される記録クロック信号WCK及びコントローラ19から入力される記録データ信号Wdataから光源LD1あるいは光源LD2を変調するためのLD変調信号を生成し、LD駆動部12へ供給する。
LD制御部9は、受光部PD2あるいは受光部PD5からのモニタ受光信号を入力し、そのモニタ受光信号に基づいて光源LD1と光源LD2の出射光量が所望の値になるようにLD駆動部12へ対してLD制御信号を供給する(いわゆるAPC(Automatic Power Control)制御を行う)。
LD駆動部12は、LD制御部9から入力されるLD制御信号及びLD変調信号生成部10から入力されるLD変調信号に基づいて光源LD1あるいは光源LD2を電流駆動して発光させる。
また、コントローラ19からは各部の制御信号が出力される。
【0030】
次に、上記LD制御部9及びLD駆動部12の詳細な実施形態を説明する。
図3は、図2に示したLD制御部9及びLD駆動部12を集積化したLD駆動集積回路1の構成図である。
図4は、図3に示したLD駆動集積回路1の各部の出力信号の一例を示す波形図である。
図3に示すLD駆動集積回路1は、駆動する光源LD1及び光源LD2の近傍に配置されており、ピックアップ101に搭載される。
一方、LD駆動集積回路1にLD変調信号WSPを供給するLD変調信号生成部10は、他の信号処理部と共に回路基板に搭載され、両者を接続する信号線はFPC基板上を伝送される。
【0031】
また、LD変調信号生成部10は、記録クロック信号WCKを基準にして記録データ信号Wdataから、図4の(f)に示すようなLD変調信号WSP及び同図の(e−1)に示すようなステート信号STENを生成する。図4では図示を簡便にするために信号WSP及びSTENの記録データWdataに対する遅延は無視して図示している(通常は生成回路の都合上所定クロック遅延する)。
またこの時、LD変調信号WSPは所要の情報記録媒体に最適なパルス幅制御が行われているものとする。さらにはコマンド信号STCMDも生成している。
【0032】
LD駆動集積回路1は、LD変調信号生成部10から供給されるステート信号STENとコマンド信号STCMDとからLD照射レベルや照射モードを示すモード制御信号SeqModeに変換するコマンドデコーダ(CMDDecoder)22と、同じくLD変調信号生成部10から供給されるLD変調信号WSPとステート信号STEN及びモード制御信号SeqModeに基づいてLD照射レベルの制御を行うシーケンサ(Sequencer)21と、シーケンサ21から供給される変調データDmodL,DmodH及び変調信号MODに基づいてLD変調電流Imodを生成する変調部(Data−Modulation)23を備えている。
【0033】
また、光源の出射光の一部をモニタするモニタ受光部からのモニタ受光信号を入力してオフセット調整及びゲイン調整を行うPDアンプ部(PD−AMP)26と、PDアンプ部26から供給されるモニタ信号Imonがシーケンサ21から供給される目標レベル信号Dtargetから生成される基準信号Itargetと一致するようにバイアス電流Iapcを制御するバイアス電流制御部(Bias−Control)27と、バイアス電流制御部27の出力するバイアス電流Ibiasと外部から供給されるバイアス電流Iextとを選択して電流Ibiasを出力するバイアス電流選択部(MUX)29と、モニタ信号Imonから駆動している光源LD(光源LD1または光源LD2)の微分量子効率ηを検出してその検出結果に応じてLD変調電流のスケールScaleを制御する微分量子効率制御部(η−Control)28も備えている。
【0034】
さらに、高周波重畳信号と高周波重畳時にバイアス電流に印加するオフセット電流Ihfmofsを生成する高周波変調部(HF−Modulation)30と、バイアス電流Ibiasと変調電流Imodを加算して高周波重畳オフセット電流Ihfmofsを減算する電流加算部24と、その電流加算部24から供給される電流を増幅して光源LD1あるいは光源LD2の駆動電流ILDを供給する電流駆動部25と、コントローラ19から(あるいはLD変調信号生成部10を介して)供給される制御コマンドを受けて各部へ制御信号を供給する制御部33を備えている。上記制御部33又は上記コマンドデコーダ22がパルスカウンタ220へ周波数検出開始及び周波数検出終了を指示するコマンドを転送するコマンド転送手段の機能を果たす。また、上記制御部33等は上記発振周波数特性保持手段に保持された発振周波数特性値又は発振周波数近似特性値に基づいて前VCO219へ所定の周波数に対応する印加信号を供給する印加信号供給手段の機能を果たす。
【0035】
また、図4に示す各部の信号波形は一例であり、ここで想定する情報記録媒体は相変化型記録媒体(例えば、CD−RWやDVD−RWなどの光ディスク)とし、図4の(a)に示す記録クロック信号WCK及び同図の(b)に示す記録データ信号Wdataに基づき、図4の(c)に示すような光変調波形で光源LDを発光させて同図の(d)に示す記録マークを形成する。
相変化型情報記録媒体は、一般には、ライトパワーPw,イレースパワーPe,ボトムパワーPbの三値のマルチパルスで記録マークが形成される。この時、記録パワーレベル及び各パルスのパルス幅・パルス間隔を精度よく制御することによって正確な記録がなされる。
さらに、本実施形態では、図4の(c)において破線枠(i)と(ii)と(iii)で示すように、先頭パルスや最終パルスあるいは最終ボトムパルス(「クーリングパルス」と呼ぶ)のパワーを設定可能にしている。
【0036】
通常、情報記録媒体あるいはその記録線速度によってはマークが形成されるとき、隣接のスペース長によって媒体上で熱的影響を受け、マークのエッジが隣接スペース長によってさまざまに変動する場合がある。これを避けるために、従来では隣接のスペース長を考慮して光変調波形の各パルス幅を変えている。
本実施形態のように、加えて、隣接のスペース長を考慮してパワーを変えられるようにすれば、媒体に与える熱量としては隣接スペース長に応じてパルス幅補正をするのと等価になるので、実質的にパルス幅制御分解能の細分化を行っているのと同等になり、高速記録化対応に適したものとなる。
【0037】
ここで、各部詳細説明の前に、駆動・制御対象となる光源LDについて説明する。
図8は、駆動電流−光出力特性の一例を示す線図である。
通常、光源LDの駆動電流ILDに対する光出力Poは次の数1に示す式に基づいて近似することができる。ここで、η:微分量子効率,Ith:閾値電流である。
【0038】
【数1】
Po=η・(ILD−Ith)
【0039】
所望の光変調波形P(図8の(b))を得るためには、LD駆動電流ILDをバイアス電流Ibと変調電流Imの和(Ib+Im)とした場合、バイアス電流Ibは閾値電流Ithにほぼ等しく、変調電流Imは同図の(c)のようなP=η・Imになる電流を駆動すればよい。
しかし、一般に、この閾値電流Ithと、微分量子効率ηは個体間のばらつきのみならず、温度変化によっても変動するため、所望の光変調波形Pを常時得るためには、閾値電流Ith及び微分量子効率ηの変動に伴ってバイアス電流Ibと変調電流Imを制御することが望ましい。
例えば、図8の(ii)のように閾値電流がIth′に、微分量子効率がη′に変動した場合、所望の光変調波形Pを得るためには、バイアス電流Ib′をIth′に、変調電流Im′を同図の(d)のようにP=η′・Im′となるように制御すればよい。
【0040】
図3に示したLD駆動集積回路1では、主にバイアス電流制御部27がバイアス電流の制御機能を、微分量子効率制御部28が変調電流の制御機能をそれぞれ果たす。
【0041】
以下、図3に示したLD駆動集積回路1の各部の動作と詳細構成について説明する。
[シーケンサ]
シーケンサ21は、LD変調信号WSPとステート信号STENに基づいて光源LDの照射レベルの制御を行う。
図5は図3に示したシーケンサ21の状態遷移図である。
各ステートは光源LDの照射レベルに対応し、SMa,SMbの各ステートマシンは各々独立に動作する。そして、SMa,SMbの各ステートマシンのそれぞれ現在のステートstate0,state1に従って変調データDmodLとDmodHを出力する。
【0042】
すなわち、予め各ステートに対応した変調データを設定しておき、それぞれのステートマシンの現在のステートに対応した変調データを選択出力する。
また、記録時にはLD変調信号WSPが、再生時にはロー(Low)の信号が変調信号MODとして出力される。
なお、図3においては変調信号MODはマルチプレクサMUX65を経由して変調部23へ供給されているが、ここでMUX65は変調信号MODを選択出力しているものとする。
【0043】
次段の変調部23では、この変調信号MODがロー(Low)の時は変調データDmodLが、ハイ(High)の時には変調データDmodHが選択されるので、SMa内の各ステートはLD変調信号WSPがロー(Low)の時の照射レベルに、SMb内の各ステートはWSPがハイ(High)の時の照射レベルに対応する。
例えば、state0=Pbで変調信号MOD=ロー(Low)の時、光源LDの照射レベルはボトムパワーPbとなり、state1=Pmpで変調信号MOD=ハイ(High)の時、光源LDの照射レベルはライトパワーPwとなる。
【0044】
なお、ステートマシンSMaはLD変調信号WSPの立ち上りエッジで状態遷移が行われ、ステートマシンSMbはLD変調信号WSPの立ち下りエッジで状態遷移が行われるようにしている。
すなわち、それぞれの出力する変調データが出力選択されていない時に状態の遷移を(変調データの変化を)するようにしているので、変調データ変化時でも光源LDの照射レベルの変動は生じない。
【0045】
また、先頭パルスPtpや最終パルスPlpあるいは最終ボトムパルスパワーPclに対応する各変調データは記録データパターンなどに応じて動的に変更可能としている。
すなわち、予め設定しておいた複数個の変調データ(例えばPtpを4値、Ptp0〜Ptp3)をコマンドデコーダ22から供給されるパワー選択信号PwrSelによって選択する。その選択するパワーレベルはコマンド信号STCMDによって指示され、コマンドデコーダ22によってパワー選択信号PwrSelに変換される。
【0046】
次に、各ステートマシンの遷移条件を説明する。
図4の(g−1)と(g−2)は状態遷移の一例を示しており、LD変調信号WSP(同図の(f))の変化時刻を図のようにt0〜t27とする。また、ステート信号STEN2はステート信号STENをLD変調信号WSPの立下りで取り直したものであり、ステートマシンSMaではこれに従い状態遷移を行う。
これにより、ステートマシンSMaでの状態遷移の基準となるWSPの立上りに対してステート信号STEN2のデータ確定時間が十分確保できるので安定した動作が行える。
【0047】
*ステートマシンSMa
以下、特に断らない限り、LD変調信号WSPの立上りに同期して遷移するものとする。
{状態Pr}
初期状態。再生時(ライト信号R/W=0(Read)の時)はここに滞留する。記録開始(R/W立ち上り)で状態Peに遷移する。この遷移はLD変調信号WSPに同期しないようにしてもよい。
{状態Pe}
ステート信号STEN2=ハイ(High)で次の状態に遷移する。通常は状態Pbに遷移するが(例えば、時刻t3)、後述する特殊条件(A)により状態Pclに遷移することもある(例えば、時刻t25)。また、記録終了(R/W立下り)で状態Prに遷移する。
【0048】
{状態Pb}
STEN2=ロー(Low)で次の状態に遷移する。図4の波形例では状態Pclに遷移する(例えば、時刻t7)。また、モード制御信号SeqModeによっては状態Peに遷移する。
{状態Pcl}
状態Peに遷移する(例えば、時刻t9)。
また、状態Pr(再生モード)への復帰は、R/W=Raedになった後、最初に状態Peに戻った後移行するようにしてもよいし、R/W=Readにより強制的に移行するようにしてもよい。
【0049】
*ステートマシンSMb
特に断りない限り、LD変調信号WSPの立下りに同期して遷移するものとする。
{状態Pe}
初期状態。ステート信号STEN=ハイ(High)で状態Ptpに遷移する(例えば、時刻t2)。
{状態Ptp}
ステート信号STEN=ハイ(High)の時、状態Pmpに遷移する(時刻t4)。
また、ステート信号STEN=ロー(Low)の時、状態Plpに遷移する(時刻t18)。後述する特殊条件(A)によって状態Peに遷移することもある。
【0050】
{状態Pmp}
ステート信号STEN=ロー(Low)の時、状態Plpに遷移する(時刻t6)。ステート信号STEN=ハイ(High)ならばここに滞留。
{状態Plp}
状態Peに遷移する(時刻t8)。
また、本実施形態ではコマンドデコーダ22を介してステートマシンの遷移モードを動的に変更可能としている。
例えば、図4において一点鎖線枠(A)で囲んだ波形(Ptp→Pcl)を生成する場合は、時刻t(A)の時点でモードを指定し、上述したステートマシンを特殊条件(A)で遷移させればよい。
また、各々のステートマシンの初期化は制御部33を介してコマンド発行により行ってもよい。これは例えば強制的に初期状態に戻したい場合などに有効である。
【0051】
[コマンドデコーダ]
コマンドデコーダ22は、ステート信号STENとコマンド信号STCMDとから光源LDの照射レベルや照射モードを指定するモード制御信号SeqModeに変換する。そのモード制御信号SeqModeには、上述したパワー選択信号PwrSelやステートマシンの遷移モード信号が含まれる。
コマンドデコーダ22は、ステート信号STENをクロックとし、コマンド信号STCMDをデータとしてステート信号STENの両エッジでデータの取り込みを行う。
【0052】
本実施形態では、コマンド信号STCMDを3ビット(Bit)とし、ステート信号STENの立上りエッジで最終パルスパワー選択信号PEP(2bit)とCLパルス遷移モード信号CLMode(1bit)を取り込み、ステート信号STENの立下りエッジで先頭パルスパワー選択信号PTP(2bit)を取り込み、それぞれシーケンサ21へ供給する。
最終パルスパワー選択信号PEPは最終パルスパワーPlpとクーリングパルスパワーPclを選択し、CLパルス遷移モード信号CLModeは前述の特殊遷移条件(A)のモードを指定する。また、先頭パルスパワー選択信号PTPは先頭パルスパワーPtpを選択する。
これらのモード制御信号SeqModeは本実施形態の振り分けだけでなく、所望の光波形に適合するように定めればよい。
【0053】
[変調部]
変調部23は、シーケンサ21から供給される変調データDmodLとDmodH及び変調信号MODに基づいてLD変調電流Imodを生成する。
PbDAC40は変調データDmodLに基づいて電流を供給する電流出力DAC(D/Aコンバータ)であり、PtpDAC41は変調データDmodHに基づいて電流を供給する電流出力DACである。
スイッチ42はMUX65から供給される選択信号(記録時には変調信号MODつまりLD変調信号WSPが供給される)に従って、PbDAC40あるいはPtpDAC41の出力電流を選択してLD変調電流Imodを出力する。ここで、選択信号つまり変調信号MODがハイ(High)ならばPtpDAC41の出力を、ロー(Low)ならばPbDAC40の出力を選択する。
【0054】
また、PbDAC40とPtpDAC41のフルスケールIsclはスケールDAC(ScaleDAC)43から供給され、それは微分量子効率制御部28から供給されるスケール信号Scaleに従って設定される。
さらに、スケールDAC43のフルスケールIfullはηREFから供給され、使用する光源LDの微分量子効率から定めればよい。フルスケールIsclの算出・設定方法については後述する。
したがって、PbDAC40とPtpDAC41のそれぞれの出力電流I0とI1は次の数2と数3に示す式に基づく演算によって得られる。ここでは、PbDAC40,PtpDAC41及びスケールDAC43は8ビット(bit)DACとしている。
【0055】
【数2】
I0=(DmodL/255)*(Scale/255)*Ifull
【0056】
【数3】
I1=(DmodH/255)*(Scale/255)*Ifull
【0057】
また、前述したように変調データDmodL及びDmodHの変化タイミングはスイッチ42で選択されていない時となっているので、PbDAC40とPtpDAC41の応答速度が十分高速ならばPbDAC40とPtpDAC41のそれぞれの出力電流I0とI1の変化もスイッチ42で選択されていない間に行われ、変調電流Imodの変化は変調信号MODの変化タイミングのみによって決まる。
【0058】
図6は、図3に示した変調部23の他の構成例を示すブロック図である。
シーケンサ21からはステートマシンSMaとSMbの各ステートに対応する変調データ(PrData〜PlpData)が供給され、PrDAC80a,PeDAC80b,PbDAC80c,PclDAC80dと、PeDAC81a,PtpDAC81b,PmpDAC81c,PlpDAC81dとはそれらの変調データに基づいてそれぞれ電流I0a〜I0dと、I1a〜I1dの各電流を出力する。
スイッチ82はステートマシンSMaの現在のステート示す信号state0に従って電流I0a〜I0dのうちの1つを選択出力する。同様に、スイッチ83はステートマシンSMbの現在のステート示す信号state1に従って電流I1a〜I1dのうちの1つを選択出力する。
【0059】
スイッチ82は、図3に示した変調部23と同様にして、MUX65から供給される選択信号に従ってスイッチ82とスイッチ83からそれぞれ供給される電流I0又は電流I1を選択してLD変調電流Imodを出力する。
また、スケールDAC43も図3に示した変調部23と同様に、PrDAC80a,PeDAC80b,PbDAC80c,PclDAC80dと、PeDAC81a,PtpDAC81b,PmpDAC81c,PlpDAC81dのフルスケールを決める。
この実施形態によれば、スイッチ84で選択されていない時にスイッチ82あるいはスイッチ83に切り換えが行われるので、出力電流I0とI1の変化もスイッチ84で選択されていない間に行われ、図3に示した変調部23と同様に、変調電流Imodの変化は変調信号MODの変化タイミングのみによって決まる。
【0060】
また、出力電流I0とI1の変化速度はスイッチ82と83の切り換え速度によって決まり、PrDAC80a,PeDAC80b,PbDAC80c,PclDAC80dと、PeDAC81a,PtpDAC81b,PmpDAC81c,PlpDAC81dの応答速度は高速でなくともよい。したがって、高速DACの実現が困難な場合などに有効である。
また、出力電流I0bとI1aは同じ電流を出力するのでこれらのDACを共通化してもよい。
さらに、PrDAC80aは再生時に、PeDAC80b,PbDAC80c,PclDAC80dは記録時に使用するものであるので、PrDAC80aをPeDAC80b,PbDAC80c,PclDAC80dのうちの1つと共通化してもよい。
【0061】
図11は、図3に示した変調部23のさらに他の構成例を示すブロック図である。図12は図11の各部の出力信号を示す波形図である。
図11に示すように、シーケンサ21からは変調データDmodLとDmodHに加え、加算データexDataLとexDataHが供給される。これらの加算データもステートマシンSMaとSMbに従って出力される。
Pb+DAC90,PbDAC91,Pt+DAC92,PtDAC93はそれらのデータに基づいて電流を出力する。
加算器94と95はそれぞれ、Pb+DAC90とPbDAC91の出力電流の加算、Pt+DAC92とPtDAC93の出力電流の加算を行い、それぞれ電流I0とI1を出力する。
【0062】
スイッチ96は、変調信号MODに従って出力電流I0とI1を選択してLD変調電流Imodを出力する。また、スケールDAC43は図3に示した変調部23と同様にしてPb+DAC90,PbDAC91,Pt+DAC92,PtDAC93のフルスケールを決める。
Pb+DAC90とPt+DAC92は加算分を出力するだけなのでダイナミックレンジを大きくとる必要はなく、そのフルスケールをPbDAC91とPtDAC93のフルスケールより小さくし、加算データビット数を低減してもよい。このようにすればデータを保持しておくレジスタのビット数を低減できる。
【0063】
[電流駆動部]
電流駆動部25は、電流加算部24から供給される電流を増幅して光源LD1あるいは光源LD2の駆動電流ILDを供給する。
スイッチ44は選択信号IoutSelに従って、入力電流を電流アンプ45あるいは46へ供給する。
電流アンプ45及び46は、スイッチ44から供給される電流を所定の増幅率Aiで増幅して、光源LD1あるいは光源LD2に駆動電流ILDを供給する。
したがって、この時、LD駆動電流ILDは次の数4に示す式に基づく演算によって得られる。
【0064】
【数4】
ILD=Ai*(Ibias+Imod−Ihfmofs)
【0065】
但し、Ihfmofsは高周波重畳を行わない時は“0”となる。また、オフセット電流Ihfmofsを高周波重畳時にオフ、高周波重畳を行わない時に加算するようにしてもよい。
また、Ib=Ai*(Ibias−Ihfmofs),Im=Ai*Imodとし、図8に示したように、Ibが閾値電流Ithと等しくなるように制御されれば、Imすなわち変調電流Imodは光波形に比例した波形になる。
なお、本実施形態では光源LD1とLD2を同時に照射することは想定していない。
【0066】
以上からわかるように、光源LDの光変調波形のパルス幅は変調信号WSPのみによって決まり、LD変調信号生成部10の出力の二つの信号間(WSP,STEN)にスキューがあっても光波形には影響を及ぼさず、正確な記録マークが形成できる。
したがって、LD変調信号生成部10はLD駆動部12とは異なる集積回路で構成してもよく、それぞれ要望される回路特性にあった半導体プロセスを選択できるようになり、コスト・性能に見合った装置を構成することができる。
すなわち、LD変調信号生成部では高速動作及び高集積化が求められるために微細なCMOSプロセスが好適である。
【0067】
一方、LDドライバには、1〜数V程度の動作電圧を持つ光源LDが接続されるため、高耐圧プロセス(例えば、5Vや3.3Vなど)が要求される。
通常、微細なCMOSプロセスでは高耐圧にすることは困難である(例えば、0.18μmCMOSプロセスでは1.8V程度の耐圧しかない)が、本実施形態によれば、それぞれを好適なプロセスで構成できるようになる。
【0068】
[PDアンプ部]
PDアンプ部26は、光源の出射光の一部をモニタするモニタ受光部からのモニタ受光信号を入力してオフセット調整及びゲイン調整を行う。
モニタ受光部には、受光素子単体(PD:Photo Detectorなど)でモニタ受光信号が電流として出力されるタイプのものと、電流電圧変換器を内蔵し、モニタ受光信号が電圧として出力されるタイプのものがある。
本実施形態ではどちらのタイプでも対応可能としており、MUX48で選択する。つまり、電流出力型の場合は入力されるモニタ受光信号が電流電圧変換器(I/V)47で電圧に変換したものを、電圧出力型の場合は電流電圧変換器47を経由しない信号を選択する。
【0069】
加算器50はモニタ受光信号のオフセット調整をするものであり、オフセットDAC(OffsetDAC)49から供給されるオフセット電圧を加減算する。
ゲイン切換えアンプ(X1/X4/X8/X16AMP)51は、オフセット調整したモニタ受光信号をゲイン切換え信号PDGainに従ってゲインを切り換え(例えば、1/4/8/16倍の4段階切換え)てゲイン調整を行う。
一般に再生光量と記録光量とは大きく異なるので、記録/再生時でゲインを切り換えるようにするとよい。
PDの受光電流Ipdは、光源LDの出射光Poに対する光利用効率をα、受光部PDの受光感度をSとすると、次の数5に示す式に基づく演算によって得られる。
【0070】
【数5】
Ipd=α・S・Po
【0071】
また、電流電圧変換器(47あるいはモニタ受光部内蔵のもの)の変換ゲインをGiv、ゲイン切換えアンプ51のゲインをGpdとすると、モニタ信号Imonは、次の数6に示す式に基づく演算によって得られる。
【0072】
【数6】
Imon=Gpd・Giv・Ipd=Gpd・Kpd・Po
【0073】
ここで、Kpd=Giv・α・Sとなる。なお、オフセットDAC49から供給されるオフセット電圧は便宜上省略した。
また、光源LD1とLD2の出射光をモニタするモニタ受光部を別個に設ける場合は、PDアンプ部26の入力を2つ設け、それぞれにモニタ受光部から供給されるモニタ受光信号を入力し、照射している光源LDに対応するモニタ受光信号を選択するようにすればよい。
【0074】
[バイアス電流制御部]
バイアス電流制御部27は、PDアンプ部26から供給されるモニタ信号Imonがシーケンサ21から供給される目標レベル信号Dtargetから生成される基準信号Itargetと一致するようにバイアス電流Iapcを制御する。本実施形態では次の三通りの制御方法から選択できる。
【0075】
(1)平均値制御方法
二つの目標レベル信号Dtargetには変調データDmodLとDmodHと同じデータを供給し、P−BDAC52とP−PDAC53とスイッチ54とで発光量に比例した基準信号Itargetを生成する。
P−BDAC52,P−PDAC53及びスイッチ54の動作は、それぞれPbDAC40,PtpDAC41及びスイッチ42の動作と同様である。
ここで、出射光量Poと基準信号Itargetとの比例係数をKとすると、次の数7に示す関係が得られる。
【0076】
【数7】
Itarget=K・Po
【0077】
また、この比例係数KはバイアススケールDAC(BScaleDAC)70によってP−BDAC52とP−PDAC53のスケールを設定することによって決定され、予めK=Kpdになるように設定する。Kpdは使用する受光部PDの光源LDの出射光Poに対する光利用効率α,受光感度Sのバラツキによって変わるので、初期調整時にこの設定を行うとよい。また、ゲイン切換えアンプ51のゲインGpdに合わせてバイアススケール設定値BiasScaleを変更する。
そして、この基準信号Itargetが目標出射光量を示すことになるので、出射光量をモニタしているモニタ信号Imonが基準信号Itargetと一致するようにすればLDを目標照射光量で照射させることができる。
【0078】
誤差アンプ55は、基準信号Itargetとモニタ信号Imonとの差分信号を増幅して次段に供給する。
S/H積分器(S/HInteg.)56は、誤差アンプ55から供給される増幅された差分信号を積分してバイアス電流Iapcを出力する。S/H積分器56は、この制御方法の場合は常に積分動作を行う。
また、SRSel信号によって制御速度を変更することができる。これは積分器への充放電電流(例えば、誤差アンプ55の出力電流)を変更することによって行う。これにより、記録/再生時にそれぞれ制御速度を最適値に設定することが可能となる。また、R−Contは充放電電流の設定可能範囲を設定する。
【0079】
図14は、上記バイアス電流制御部27の動作説明に供する各信号波形の一例を示す図である。同図の(a)は発光波形である光波形であり、同図の(b)はモニタ信号Imonである。使用する受光部PDによって帯域制限を受けているものとする。また、図中の破線部は平均レベルを示す。
同図に示すように、照射パワーやデューティを変化させると平均レベルが変動する。この場合、従来のように予め算出した所定の平均値との誤差制御を行う方法では正確な制御ができなくなる。
また、同図の(c)は基準信号Itargetであり、上述したように照射波形に比例した波形になる。その破線部はバイアス制御帯域での信号である。
このように、照射波形に比例した基準信号を生成し、これを誤差制御に用いることにより、照射パワーやデューティ変化によって平均レベルが変動する場合でも正確なバイアス制御ができる。
【0080】
(2)サンプルホールド制御方法
S/H積分器56は、ApcSmp信号によってサンプル時(例えば、ApcSmp=Highとする)には積分動作を行ってバイアス電流制御を行い、ホールド時には制御値であるバイアス電流Iapcをホールドする。
したがって、ホールド時は誤差アンプ55の出力を積分しないので、誤差アンプ55の回路オフセットによる制御値のドリフトなどを低減できる。
また、基準信号Itargetの生成は上述と同様にしてもよいが、サンプル時の目標照射パワーに相当する一定の基準信号Itargetとしてもよい。
本実施形態ではApcSmp信号の生成はシーケンサ21で行い、LD変調信号とステート信号によって生成する(ステートマシンにより制御する)。
【0081】
この波形例を図4の(i)に示す。
ApcSmp信号はハイ(High)がサンプル期間を、ロー(Low)がホールド期間をそれぞれ示す。ApcSmp信号の立上りは、ステートstate0=Peの時、ステート信号STEN2=ロー(Low)でLD変調信号WSPの立上りに同期する。また、立下りは次のLD変調信号WSPの立上りで行う(ステートstate0=Pe,ステート信号STEN2=High)。このようにすれば、信号線を新たに追加する必要がない。その他は(1)の制御方法と同様の動作を行う。
【0082】
(3)ACC(Automatic Current Control)制御方法
本実施形態ではAPC制御を行わず、ACC制御を行うこともできる。
誤差アンプ55をバイパスして、ACCデータに従ったP−BDAC52の出力をバイアス電流Iapcとして出力する。その際、S/H積分器56にP−BDAC52の出力をホールドしておくと、このモードから他の制御モード(上記(1)または(2))に移行する際、積分器の初期値がホールドしていたACCデータになるので、バイアス電流が不連続とならず、切り換わり時に光源LDが過剰発光したり、消灯したりするのを防ぐことができる。
【0083】
逆に、APC制御モードからこのACCモードに切り換える際には、バイアス電流Iapcの値をモニタして取得しておき、それをACCデータとして設定しておけばよい。その制御モードへの切り換えはACCSel信号によって指示する。
本実施形態では、上記バイアス電流制御部27を用いず、外部からバイアス電流Iextを印加することも可能にしている。図示は省くが、このとき前述したのと同様に外部バイアス電流IextをS/H積分器56にホールドしておくと、内部のバイアス電流制御部27に切り換える際に移行を確実にかつ速やかに行える。
【0084】
図7は、図3に示したバイアス電流制御部27の他の構成例を示すブロック図である。
目標レベル信号Dtarget2は前述の変調データDmodLとDmodHを変調信号MODでスイッチングして生成したデータであり、バイアスDAC(BiasDAC)71によって発光量の平均値である基準信号Itargetを生成する。
バイアスDAC71は発光量の平均値を生成するのが目的であるので、変調部23のPbDAC40,PtpDAC41ほどの高速動作は必要ない。
この実施形態によれば、基準信号Itarget生成部の構成を簡便化でき、DACの応答速度も低減できるので、チップサイズや消費電流の低減を図ることができる。
その他のブロックは図3に示したものと同様の動作をし、制御方法も上記(1)〜(3)が同様に適用できる。
【0085】
[微分量子効率制御部]
微分量子効率制御部28は、駆動している光源LD(光源LD1または光源LD2)の微分量子効率ηを検出してその検出結果に応じてLD変調電流のスケールScaleを制御する。これは所定の2点間の照射光量の差分を検出して基準値ηtargetと比較し、その比較結果に基づいてスケールSacle値を増減することによって行う。
サンプルホールド回路(S/H)57は、基準となる照射光量時(P1とする)のモニタ信号ImonをEtaSmp信号に従ってサンプル/ホールドする。
差分器58は、サンプルホールド回路57の出力とモニタ信号Imonとの差分信号を生成する。
【0086】
etarefDAC59は、基準値ηtargetを出力する。
比較器(Comp)61は、差分器58の出力と基準値ηtargetとを比較し、差分器58の出力が基準値ηtargetより小さかったらUp信号を、大きかったらDown信号をカウンタ(Count)62へ出力する。
この比較器61の比較タイミングはCompCK信号に従って行われ、CompCK信号の立上りで比較開始する。
カウンタ62は、比較器61の出力する比較結果Up/Down信号によってカウンタ値を増減する。そのカウンタ値の更新はCompCK信号の立下りで行う。このカウント値をScale信号として変調部23へ供給し、そのScale信号の増減に併せて発光量も増減する。カウンタ62の初期値には、PScale(記録時初期値)あるいはRScale(再生時初期値)が設定される。
【0087】
また、図示は省くがカウント値を平均化する手段を設け、カウント値の移動平均値をScale信号にしてもよい。このように、平均化することによって制御値(Scale)の発振を防止できる。さらに、比較器61に不感帯を設け、両者がほぼ一致するときはUp/Down信号のどちらも出力しないようにしても同様の効果が得られる。
また、etarefDAC59のフルスケールは、バイアススケールDAC70によって設定される。光源LDの出射光量Poとモニタ信号Imonとの関係式は上述の数6で表され、係数Kpdは使用する受光部PDの光源LDの出射光Poに対する光利用効率α及び受光感度Sのバラツキによって変化する。
【0088】
つまり、基準値ηtargetも装置毎にばらつくが、バイアススケールDAC70によってetarefDAC59のフルスケールを調整することによってバラツキを吸収することができる。したがって、当然係数Kpdに合わせて基準値ηtargetを算出・設定してもよい。
なお、バイアススケールDAC70は上述のようにバイアス電流制御部27の基準信号Itargetを調整するものでもあるので、共通に調整でき、調整工程が簡略化できる。
【0089】
次に、微分量子効率制御方法の一例を説明する。
相変化型記録媒体への記録動作中の制御方法を、図4の波形図に基づいて説明する。
この制御方法は、図4の(c)に示した光波形のようにロングスペース中に所定期間η検出用パワーP2で発光させ(破線部(B))、この期間にS/H回路57でサンプルする(そのサンプル信号は同図の(j)に示すEtaSmp)。
また、その後のイレースパワーP1の照射中に比較器61で基準値との比較を行う(同図の(k)に示すCompCK)。つまり上記P1とP2との差分から微分量子効率ηを検出する。
【0090】
通常、CD−RWなどの相変化型記録媒体はイレースパワーの多少の変動に対しては記録特性をほとんど悪化させない。
また、微分量子効率の変動は温度変化によるものが主因なので、この制御帯域は遅くてもよく、この特殊パワーP2での発光頻度も少なくてよいので、この制御方法による記録性能への悪影響はない。
さらに、記録開始直後などのようにScaleの初期値PScaleがずれている可能性がある場合のみ、サンプル頻度を増やして制御速度を上げてもよい。
このようにすれば、記録性能に影響与えることなく、微分量子効率の変動を自動的に制御し、所望の光量で光源LDを発光させることができる。
【0091】
また、この制御信号であるEtaSmp信号及びCompCK信号はシーケンサ21において、LD変調信号及びステート信号から生成できる。
以下に、LD変調信号及びステート信号の生成方法を説明する。
まず、LD変調信号(WSP信号),ステート信号(STEN信号)は所望のη検出用パワーP2の発光タイミングに合わせて、図4の一点鎖線枠(C)で囲んだ部分のような信号を生成する。
同図の(e−2)に示すステート信号STEN2はLD変調信号WSPとステート信号STENから生成され、同様に同図に破線で示すようになる。このときシーケンサ21のステートマシンSMaとSMbは以下に示す状態遷移を行う。
【0092】
{ステートマシンSMa}
状態Peの時、ステート信号STEN2=ロー(Low)かつLD変調信号WSP↑(「↑」は立上りエッジを表す)ならば(時刻t13)、状態Pclに遷移する。この時、最終ボトムパルスパワーPclに対応した変調データは所定期間η検出用パワーP2(=Peta)のものを出力する。
つまり、この状態(Peta)でLD変調信号WSP=ロー(Low)のときに所定期間η検出用パワーP2で発光する。
また、これに合わせてEtaSmp信号をハイ(High)(サンプル)とする。そして、次のLD変調信号WSP↑で状態Peに戻る(時刻t15)。
また、この状態への遷移に合わせてCompCKをハイ(High)とし、次に状態Pbに遷移する時にロー(Low)とする。以降は通常と同じである。
【0093】
{ステートマシンSMb}
時刻t12でのLD変調信号WSP↓(「↓」は立下りエッジを表す)ではステート信号STEN=ロー(Low)なので、状態Peに留まる。時刻t14でも同様である。時刻t16でのLD変調信号WSP↓にはステート信号STEN=ハイ(High)であるので状態Ptpに遷移する。以降は通常と同じである。
【0094】
[高周波変調部]
一般に、光ディスク装置では情報媒体からの戻り光による光源のノイズを抑制するため、再生時には高周波信号で変調を行う、いわゆる高周波重畳を行っている。
高周波変調部30は、高周波重畳信号HFMODと高周波重畳時にバイアス電流に印加するオフセット電流Ihfmofsを生成する。
また、本実施形態では高周波変調自体は変調部23を利用して行うので、高周波重畳時の変調部23の動作も併せて説明する。
VCO64は、FreqDAC63の出力する周波数設定信号に従った周波数の信号HFMODを発生させる発振器である。
【0095】
MUX65はHF−ON信号に従って、この高周波重畳信号HFMODとシーケンサ21の出力する変調信号MODとを選択出力し、変調部23に供給する。
ここでは高周波重畳時について説明するのでHFMOD信号が選択されるものとする。
また、HFBDAC66及びバッファアンプ67で付加するオフセット電流Ihfmofsを生成し、スイッチ68で印加の有無を設定する。さらに、VCO64は高周波重畳を行わない時(HF−ONにより指示)は、発振を停止させるようにしておくと不必要な電力消費を抑制できる。
変調部23は高周波重畳時は以下の動作をする。
【0096】
変調データDmodLとDmodHにはそれぞれボトムレベルとトップレベルに対応したデータを与え、PbDAC40とPtpDAC41はそれぞれIbtmとItopを出力する。この変調データを変更することによって変調度を変更できる。
そして、スイッチ42で高周波重畳信号HFMODに従って変調電流Imodを生成する。
【0097】
LD駆動電流は上記数4に示した式に基づく演算によって得られ、光変調波形は図9に示す線図のようになる(図9では、便宜上電流駆動部の増幅率Aiは省略している)。そして、平均光量Pavgが目標光量Ptargetになるようにバイアス電流が制御される。
また、上述の説明と同等にPbDAC40とPtpDAC41のフルスケールはScale信号によって設定され、再生中は微分量子効率制御部28による制御動作は行わないとすると、再生時のScale信号の初期値RScaleが一定に与えられる。
さらに、電圧変換部として、DC/DCコンバータ(いわゆるスイッチングレギュレータ)を用いれば、変換損失を低くすることができ、消費電力及び発熱量を低減することができる。
【0098】
上記説明では図4の(c)に示す光波形を出力する場合の動作について説明したが、ステート信号STENや設定値などを変更すれば他の光波形を出力することができる。図10は、その他の出力信号の一例を示す波形図である。
図10に示すように、記録マークの後でエッジ位置制御を行うのに、最終パルスパワーPlp及びクーリングパルスパワーPclの制御を付加するのではなく、イレースの先頭パワーPep(図10の破線部(iv))制御をパルス幅制御に付加する方法を実現するものである。
LD変調信号WSP,ステート信号STENは同図のように与えられる。
図4の場合と異なるのはステート信号STENの立下りタイミングのみである。また、ステートマシンSMaとSMbも遷移条件を一部変更するだけで対応可能である。
【0099】
したがって、遷移条件に光波形モード設定による条件を追加しておけばよい。
つまり、図5のステートマシンSMaにおいて、光波形モードにより(a)または(b)の遷移を行うようにすればよい。なお、状態Plpには照射パワーPepが対応する。 このように、ステートマシンの各状態に対応する照射パワーや、遷移条件を変更すれば様々な光波形を発生させることができる。
【0100】
次に、上記LD変調信号生成部10について詳細に説明する。
図15は、LD変調信号生成部10の構成を示す図である。
LD変調信号生成部10は、記録クロック信号WCKからn逓倍のクロック信号PCK及びそのクロック信号PCKと所定量づつ位相の異なる複数のクロック信号を生成するPLL部110と、図2のコントローラ19から供給される記録データ信号Wdataのランレングスを検出してランレングス信号Len0〜Len2を供給し、所定量の記録データ信号を遅延させた遅延記録データ信号dWdataを出力するランレングス検出部(RunLength Det.)111と、駆動波形生成情報を格納しておき、ランレングス信号Len0〜Len2に対応した情報を遅延記録データ信号dWdataに合わせて出力する駆動波形生成情報保持部(Strategy Memory)112を備えている。
【0101】
また、駆動波形生成情報保持部112から出力された駆動波形生成情報から変調タイミング信号を生成するタイミング信号生成部113と、そのタイミング信号生成部113によって生成された変調タイミング信号からLD変調信号WSPを生成する変調信号生成部114と、同じくタイミング信号生成部113によって生成された変調タイミング信号からステート信号STENを生成するステート信号生成部(STEN Gen.)115と、駆動波形生成情報保持部112から出力された駆動波形生成情報からコマンド信号STCMDを生成するステートコマンド生成部(STCmd Gen.)116と、記録データ信号Wdataからサンプルホールド方式のAPC制御用サンプル信号を生成するサンプル信号生成部(Sample Timing Gen.)117と、図2のコントローラ19から供給される制御コマンドを受けて各部へ制御信号を供給する制御部118も備えている。
【0102】
次に、図15に示したLD変調信号生成部10の各部の詳細な内部構成とその動作について説明する。
[PLL]
PLL部110は、記録クロック信号WCKからn逓倍のクロック信号PCKを生成し、そのクロック信号PCKと所定量づつ位相の異なる複数のクロック信号(本実施形態ではCK0〜CK7の8つのクロック信号とし、CK0をクロック信号PCKとする)を生成する。また、記録チャネルクロック信号CKchも生成する。
【0103】
PLL部110内のM分周器(1/M)120,位相比較器(PC)121,ループフィルタ(Filter)122,発振器(VCO)123及びN分周器(1/N)124は、PLL(Phase Locked Loop)回路を構成する。上記各部の動作は通常のPLL回路と同様なのでその詳細な説明は省略する。
M分周器120は、記録クロック信号WCKをM分周する。その分周比1/Mは設定可能とし(例えば、M=2,4)、記録クロック信号WCKが記録チャネルクロック信号CKchを分周した信号で供給される場合に対応する。したがって、記録クロック信号WCKの周波数を下げて転送をすることによってノイズの発生を低減することができる。
【0104】
発振器123は、所定量づつ位相の異なるm個のクロック信号(本実施形態ではCK0〜CK7の8つのクロック(m=8)とし、CK0をPCKとする)を生成する。これは例えばリングオシレータなどによって構成する。
N分周器124は、発振器123の出力する一つのクロック信号(例えばCK0)をN分周する。その分周比1/Nは設定可能とし、N/Mが記録クロック信号WCKに対するn逓倍のクロック信号PCKの逓倍数nになる。
また、M/N分周器125によってn逓倍のクロック信号PCKをM/N分周して記録チャネルクロック信号CKchを生成し、各部へ供給する。
後述するように、LD変調信号WSPはクロック信号CK0〜CK7を基準にして生成する。つまり、分周比1/N,1/Mを設定することによってLD変調信号WSPのパルス幅設定分解能を設定することができる。
【0105】
例えば、供給される記録クロック信号WCKが記録チャネルクロックCKchと同一周波数で転送されるものとし、M=4,N=16と設定すると、クロック信号PCKはチャネルクロック信号CKchの4逓倍の周波数になり、LD変調信号WSPはチャネルクロック信号CKchに対して1/32(=m・M/N)のパルス幅設定分解能で生成することができる。
以下、これをパルス幅設定ステップと称する(また適宜、単にステップと称する)。上記例の場合、32ステップが1チャネルクロック周期に相当する。
【0106】
[ランレングス検出部]
ランレングス検出部111は、図2のコントローラ19から供給される記録データ信号Wdataのランレングスを検出し、ランレングス信号Len0〜Len2を供給する。
記録データ信号Wdataは、NRZI(Non Return to Zero Inverted)の二値化信号でハイ(H)区間が記録マークを、ロー(L)区間がスペースを表すものとする。
つまり、ランレングス検出部111は記録データのマーク長及びスペース長を検出する。ここでは、Len1がマーク長を、Len0が直前スペース長を、Len2が直後スペース長をそれぞれ供給するものとする。
【0107】
また、ランレングス検出部111は適用する記録データ信号の最小最大ランレングスに応じて構成し、本実施形態ではDVDフォーマットの記録媒体(DVD+RW,DVD−R,DVD−RAMなどの光ディスク)に対する情報の記録を行う光情報記録装置への適用を想定し、記録データ信号WdataはEFM+変調を行った信号を想定して説明する。
つまり、ランレングスは3T〜11T及び14T(Tはチャネルクロック周期)になる。
さらに、ランレングスを検出するのに必要な所定時間及び各回路遅延時間などを考慮して記録データを所定量遅延させて遅延記録データ信号dWdataを出力する。
【0108】
図16は、ランレングス検出部111の内部の詳細な構成例を示す図である。
また、図17は図16に示したランレングス検出部111内の各部が出力する信号の波形図である。
カウンタ(Counter)140は、記録チャネルクロック信号CKch(図17の(a))により、記録データ信号Wdata(同図の(b))のランレングス(ハイレベル区間及びローレベル区間)を計数して出力する(count:同図の(c))。
カウンタ140によって計数されたランレングスデータは一旦FIFO143に順次保持する。
遅延回路(Delay)141はシフトレジスタなどによって構成し、記録データ信号Wdataを所定量(dly)遅延させた遅延記録データ信号dWdata(図17の(d))を出力する。また、各部制御信号生成のための遅延量の異なる信号も生成してFIFO制御部(FIFO Ctrl)142に供給する。
【0109】
FIFO制御部142は、FIFO143の書込み・読み出し制御及び各部制御信号を供給する。
レジスタ(Reg)144は、FIFO143から読み出したランレングスデータを保持して出力する(Len0,Len1,Len2)。
FIFO143の読み出しタイミング(レジスタ144の保持タイミング)は、遅延記録データ信号dWdataと一致するようにFIFO制御部142から供給する制御信号によって決定する。
つまり、図17に示すように、遅延記録データ信号dWdataにそのマーク長Len1,直前スペース長Len0,直後スペース長Len2が合うようにする(または、同図の(f)に示すように、Len0〜Len2によって変換される駆動波形生成情報が合うようにする)。
なお、遅延量dlyやFIFO143のサイズはFIFOのエンプティ,フルが生じないように記録データWdataの最小・最大ランレングス及び各回路遅延などを考慮して決定すればよい。
【0110】
[駆動波形生成情報保持部]
駆動波形生成情報保持部112は、駆動波形生成情報を格納しておくものであり、ランレングス信号Len0〜Len2に対応した情報を遅延記録データ信号dWdataに合わせて出力する。
図18は、本実施形態における駆動波形生成情報と光波形との関係を示すタイミングチャート図である。
図19は、複数のタイミング情報毎の駆動波形生成情報の組み合わせ例を示す一覧表の図である。
【0111】
駆動波形生成情報は、光波形の照射レベル変化タイミング、つまりLD変調信号WSPの変化タイミングを表すタイミング情報とLD照射レベルなどのコマンド信号STCMDとして転送するコマンド情報とからなる。
このタイミング情報はパルス幅設定ステップ数で表され、図18に示す各タイミング情報(TSS,TSP,・・・)を基準時刻(例えば遅延記録データ立上りエッジ)から累積していくことによってLD変調信号WSPの変化タイミングを決めていく。また、NMPはTMS及びTMPの繰り返し回数である。
このようにして、マルチパルス周期及びデューティを任意に設定することができる。
【0112】
なお、本実施形態では最終パルスの立上りエッジ(a)と立下りエッジ(b)を基準時刻からの累積ではなく独立に設定するようにしている(また、タイミング(c)と(d)は(b)からの累積とする)。多くの種類の情報記録媒体では、それらのタイミングが形成する記録マークの後エッジ位置制御に大きく依存する。
一方、記録マークの前エッジ位置制御にはTSS,TSPなどのタイミング情報が重要になる。それらの前後それぞれのエッジ位置制御に主要なパラメータを独立に設定することにより、各パラメータの設定値によって最終パルスタイミングへの波及がなくなり、記録マークエッジ位置への影響度が限られる。
【0113】
すなわち、記録動作中に各パラメータ設定値を変更する場合、各パラメータを順次変更していっても記録マーク形状には影響度は少ない。
例えば、高精度な記録マーク形状制御のためには各パラメータを記録線速に応じて変更する必要があり、CAV記録を行う際には記録動作中に記録線速に応じた設定値に変更するため、このような場合に好適となる。
また、回路の簡便化のため、タイミング(a)と(b)は図中に破線で示すようにそれぞれタイミング情報TLS,TLMを累積して決めてもよい。
【0114】
また、本実施形態では、駆動波形を記録データ信号Wdataのマーク長とその隣接するスペース長によって変化させ、形成する記録マークエッジ位置を高精度に制御するようにしている。
記録マークが形成される時、隣接のスペース長によって情報記録媒体上で熱的影響を受け、エッジが隣接スペース長によって変化する。それを避けるために、隣接のスペース長を考慮して駆動波形を変化させるものである。
つまり、マーク長及び直前直後のスペース長の各組み合わせに対応した駆動波形生成情報を格納しておき、ランレングス検出部111によって検出したランレングス信号Len0〜Len2に応じて対応した駆動波形生成情報を供給する。
【0115】
なお、マーク長及び隣接スペース長が所定値以上の場合は熱的影響やその変化分は少ない。そのため、全ての組み合わせに対応した駆動波形生成情報を用意する必要はない。例えば、図19に示すように、予め影響度の大きい組み合わせのみを登録したテーブルを用意すれば情報の保持に必要なメモリ容量を低減することができる。また、この実施形態では、各パラメータに応じて用意する組み合わせも変え、メモリ容量の低減化とマーク形状制御の高精度化の両立を図っている。
【0116】
図20は、図15に示す駆動波形生成情報保持部112の詳細な内部構成例を示す図である。
各パラメータを格納するメモリ152a〜152nはそれぞれ独立に動作し、ランレングス信号Len0〜Len2をそれぞれアドレス変換部(Addr Converter)150a〜150nによって変換し、セレクタ151a〜151nを介してメモリ152a〜152nのアドレス信号として供給する。
出力バッファ153a〜153nは、制御部118からリード要求のあったメモリに対応するリードデータの出力制御を行う。レジスタアクセス制御部154によって出力イネーブル信号を生成し、各出力バッファに供給している。
【0117】
レジスタアクセス制御部(Register Access Control)154は、図15の制御部118からのライト/リード要求に対して各メモリ152a〜152nへのアクセス制御を行う。
セレクタ151a〜151nは、レジスタアクセス制御部154から当該メモリへのアクセスがある場合、アドレス変換部150a〜150nから供給されるアドレスとレジスタアクセス制御部154から供給されるアドレスとを切り換える。
また、レジスタアクセス制御部154は、記録動作中のメモリアクセス要求に対してスペース期間中にメモリ152a〜152nへのアクセスをするようにしている。
【0118】
[タイミング信号生成部及び変調信号生成部]
タイミング信号生成部113は、駆動波形生成情報(タイミング情報)から変調タイミング信号を生成する。その変調タイミング信号は、n逓倍のクロック信号PCKに同期したタイミングパルス信号と位相選択信号とからなる。
変調信号生成部114は、タイミング信号生成部113の供給する変調タイミング信号からLD変調信号WSPを生成する。その生成の際はクロック信号CK0〜CK7を基準とし、それらのクロック信号の位相差に相当する時間がLD変調信号WSPのパルス幅設定分解能になる。
【0119】
図21は、タイミング信号生成部113及び変調信号生成部114の詳細な内部構成例を示す図である。
図22及び図23は、図21に示したタイミング信号生成部113及び変調信号生成部114の各部の出力する信号の波形図である。
図24は、図21に示すタイミング制御部160内の2つのシーケンサの動作を示す説明図である。
この図21乃至図24に基づいて、駆動波形生成情報からタイミングパルス信号及び位相選択信号の生成を経由してLD変調信号WSPを生成する動作概要を説明する。
【0120】
図21に示すタイミング制御部(Timing Ctrl)160は、図23に示す2つのシーケンサの動作に基づいて後述する各部の制御信号を生成する。
また、遅延記録データ信号dWdataから所定時間Δ(PCK単位)を遅らせたLD変調信号WSPのパルス列の基準時刻を生成する。
タイミング演算部161は、タイミング制御部160から供給される演算指示信号に基づいて駆動波形生成情報保持部112から供給されるタイミング情報から次の変調タイミングまでのパルス幅設定ステップ数を算出する。
【0121】
本実施形態では回路の高速動作実現のために立上り変調タイミングと立下り変調タイミングとを別々に処理しており、次の立上り変調タイミングNextTiming1と次の立下り変調タイミングNextTiming2をそれぞれ算出する。
そして、その算出した次の立上り変調タイミングNextTiming1までのステップ数は上位5ビットがカウンタ(Counter)163aに、下位3ビットが位相選択信号として位相選択信号保持部(Reg)164aに供給される(ここではパルス幅設定ステップ数は8ビットとする)。
同様にして、次の立下り変調タイミングNextTiming2までのステップ数は上位5ビットがカウンタ(Counter)163bに、下位3ビットが位相選択信号保持部(Reg)164bに供給される。
【0122】
さらに同様にして、タイミング演算部162は、図22に示すLD変調信号WSPのパルス(i)と(ii)の立上り/立下り変調タイミングをそれぞれ算出し(それぞれ立上り変調タイミング信号NextTiming3と立下り変調タイミング信号NextTiming4)、それぞれカウンタ(Counter)163cと163d及び位相選択信号保持部(Reg)164cと164dに供給する。
また、タイミング制御部160は、遅延記録データ信号dWdataから(n−3)チャネルクロック(nは遅延記録データ信号dWdataのマーク長)と所定時間Δを遅らせた第2基準時刻を生成する。変調タイミング信号NextTiming3及びNextTiming4は第2基準時刻を基準にして生成する。
【0123】
カウンタ163a〜163dは、クロック信号PCKによって次の変調タイミングまでの時間を計数するものであり、タイミング制御部160から供給されるロード信号load1又はload2に従ってタイミング演算部161と162の算出する次の変調タイミングまでのステップ数を取り込み、クロック信号PCKによってダウンカウントする。そして、カウント値がゼロになった時点でそれぞれセットパルス信号(Fset,Rset)/リセットパルス信号(Frst,Rrst)(これらを「タイミングパルス信号」と総称する)を出力する。
位相選択信号保持部164a〜164dは、それぞれ位相選択信号ckph1〜ckph4を保持して次段へ供給する。その保持タイミングはタイミング制御部160から供給される信号に基づいて決定する(図示を省略)。
【0124】
タイミングパルス信号制御部165は、カウンタ163a〜163dからそれぞれ供給されるタイミングパルス信号Fset,Rset,Frst,Rrstからフリップフロップ167a〜167dのそれぞれに対するセット/リセット信号を生成する。また、位相選択信号保持部164a〜164dからそれぞれ供給される位相選択信号ckph1〜ckph4をそれぞれクロックセレクタ166a〜166dに供給する。
フリップフロップ167aは、セットパルス信号Fset(又はRset)に従って出力信号q_Aをハイ(H)にする。その時に立上り変調タイミング信号は位相選択信号ckphAに従ってクロックセレクタ166aによって選択されたクロック信号(CK0〜CK7の何れか)で決まる。
例えば、図23は図22の(P)の部分の拡大図であるが、図23に示すように、CK2が選択されている。
【0125】
一方、フリップフロップ167bは、リセットパルス信号Frst(又はRrst)に従って出力信号q_Bをロー(L)にする。その時に立下り変調タイミング信号は位相選択信号ckphBに従ってクロックセレクタ166bによって選択されたクロック信号(CK0〜CK7の何れか)で決まる。そして、出力信号q_Aとq_Bの論理積をとってLD変調信号WSPを生成する。
【0126】
なお、フリップフロップ167aのリセットパルス信号Rst_Aと、フリップフロップ167bのセットパルス信号Set_Bは、それぞれセットパルス信号Fset(又はRset)及びリセットパルス信号Frst(又はRrst)に応じて生成する。
同様にして、フリップフロップ167cと167d及びクロックセレクタ166cと166dでもLD変調信号WSPを生成し、高速回路動作実現のために、図21中の一点鎖線枠で示す(I)と(II)の部分が交互に動作し、最終的にその論理和をとってLD変調信号WSPを生成する。
タイミングパルス信号制御部165は、その交互動作をさせるためにタイミングパルス信号Fset,Rset,Frst,Rrst及び位相選択信号ckph1〜ckph4の振り分け機能も果たす。
論理回路168は、上述した出力信号q_Aとq_Bの論理積及び出力信号q_Cとq_Dの論理積をとり、そしてそれらの論理積出力値の論理和をとってLD変調信号WSPを生成するものである。
【0127】
図24は、図21に示すタイミング制御部160内に設けた2つのシーケンサの状態遷移図であり、(a)シーケンサ(Sequencer)1及び(b)シーケンサ(Sequencer)2の二つのシーケンサによって各部の制御を行う。
次に、そのシーケンサ1と2の遷移条件を説明する。また、図22及び図23に状態遷移の一例を示す。
【0128】
(a)シーケンサ1
状態Idle:初期状態。遅延記録データ信号dWdataの立上りによって状態SPに遷移する。それまではここに滞留する。
状態SP:基準時刻に発行されるload1信号によって次の状態に遷移し、その他はここに滞留する。その時、駆動波形生成情報(TSMS及びTMS)によって遷移先が異なる。つまり、TSMS≒0の時は状態SMPへ、TSMS=0かつTMS≒0の時は状態MPへ、それ以外の時(TSMS=0かつTMS=0)は状態LPへそれぞれ遷移する。
状態SMP:リセットパルス信号Frstと同時に発行されるload1信号によって次の状態に遷移し、その他はここに滞留する。その時、駆動波形生成情報(TMS)によって遷移先が異なる。つまり、TMS≒0の時は状態MPへ、TMS=0の時は状態LPへそれぞれ遷移する。
【0129】
状態MP:リセットパルス信号Frstと同時に発行されるload1信号によって状態LPに遷移する。但し、NMPによって指定されるMP繰返し回数はここに滞留する。
図22はNMP=2の場合を示す。
状態LP:リセットパルス信号Frstによって状態Waitに遷移する。
状態Wait:シーケンサ2によって各部制御が行われている時の待機状態。シーケンサ2の初期状態への遷移後、状態Idleに遷移する。
【0130】
(b)シーケンサ2
状態Idle:初期状態。遅延記録データ信号dWdataの立上りによって次の状態に遷移する。遅延記録データ信号dWdataの立上りから(n−3)T(n:マーク長,T:チャネルクロック周期)の間はウエイト信号が出されており、その場合は状態Waitに遷移する。一方、n=3でウエイト信号が出されていない時は状態LMPに遷移する。
状態Wait:ウエイト信号が出されている間はここに滞留する。ウエイト解除によって状態LMPに遷移する。
状態LMP:(ウエイト解除所定時間Δ後に発行される)load2信号によって状態EPに遷移する。
状態EP:リセットパルス信号Rrstと同時に発行されるload2信号によって状態Endに遷移する。
状態End:リセットパルス信号Rrstによって状態Idleに遷移する。
【0131】
次に、タイミング演算部161と162において算出するそれぞれのシーケンサの各状態毎のタイミング算出式を示す。
{タイミング演算部161}
NextTiming1 =TSS @Idle or SP
TSMS + ckph2 @SMP
TMS + ckph2 @MP
NextTiming2 =TSS + TSP @Idle or SP
TSMS + TSMP + ckph2 @SMP
TMS + TMP + ckph2 @MP
{タイミング演算部162}
NextTiming3 =TLMP @Idle or Wait or LMP
TES + ckph4 @EP
NextTiming4 =TEMP @Idle or Wait or LMP
TES + TEP + ckph4 @EP
【0132】
図25は、図21に示すタイミングパルス信号制御部165における信号削除処理の説明に供する波形図である。
また、セットパルス信号Fset,リセットパルス信号Frstの生成とセットパルス信号Rset,リセットパルス信号Rrstの生成とは独立に行われているので、図25に示すように、セットパルス信号Fsetとリセットパルス信号Frstとで生成されるパルス信号WSP_Fと、セットパルス信号Rsetとリセットパルス信号Rrstとで生成されるパルス信号WSP_Rとが重なる場合がある。
その場合は、タイミングパルス信号制御部165においてリセットパルス信号Frst及びセットパルス信号Rsetの削除(その削除箇所を図25に丸く囲んで示す)を行い、セットパルス信号Fsetとリセットパルス信号RrstとでLD変調信号WSPが生成されるように次段への信号供給を行う。
【0133】
上述した実施形態では説明を簡単にするために各回路の遅延を無視して説明しているが、実際の回路は各信号線にクロック信号PCKによる保持回路を挿入するので数PCKクロック分の遅延を生じる。
したがって、出力されるLD変調信号WSP、つまりは光波形は基準時刻から数PCKクロック分(Δ′とする)遅延し、記録チャネルクロック信号CKchに同期した遅延記録データ信号dWdataからは計Δ+Δ′だけ遅延する。
ところで、前述したようにクロック信号PCKの記録チャネルクロック信号に対する逓倍数は設定可能なので、追記や書換えの際にこの逓倍数を変更したとすると、記録チャネルクロック信号に対する記録マークはずれてしまう。
そのような場合には、基準時刻を生成する遅延量ΔをPCK逓倍数に応じて設定するようにすればよい。
例えば、回路遅延Δ′=3PCK,Δ+Δ′=2CKchとすると、逓倍数が2(1CKch=2PCK)のときはΔ=1PCKにし、逓倍数が4のときはΔ=5PCKにすればよい。
【0134】
また、タイミング信号生成部113は、ステート信号STENの生成のための変調タイミング信号を生成するSTENタイミングパルス生成部170も備える。
さらには、図3に示したバイアス電流制御部27,微分量子効率制御部28によって駆動する光源(LD)の照射光量の制御を行う場合には、各種サンプル信号(ApcSmp信号,EtaSmp信号)生成のためにLD変調信号WSPにサンプリングタイミングを示すパルスを挿入する。
例えば、図4や図10に示した信号波形図では、t11〜t12,t13〜t14,t15〜t16などに挿入したパルスが相当する。
【0135】
APCタイミングパルス生成部171は、そのための変調タイミング信号を生成するものであり、その生成した変調タイミング信号をタイミングパルス信号制御部165に供給し、前述と同様にしてLD変調信号WSPを生成する。
なお、これらの変調タイミング信号の生成はタイミング制御部160からの制御信号によって行う。
このようにして、LD変調信号WSPにサンプリングタイミングを示すパルスを挿入することにより、信号線を追加することなくサンプリングタイミングを指示できるので、FPC基板上を伝送する信号供給線を低減することができる。
【0136】
図26は、図21に示すSTENタイミングパルス生成部170によるSTENタイミングパルス信号及びAPCタイミングパルス生成部171によるAPCタイミングパルス信号の生成例の説明に供する波形図である。
[APCタイミングパルス生成部]
タイミング制御部160は、二つ目のリセットパルス信号Rrstと同時にAPCカウントスタート信号を出力する。
APCタイミングパルス生成部171では、そのAPCカウントスタート信号を受け、内部のカウンタによって所定値APCS(PCK単位)のカウントを行い、そのカウント後にAPCSetパルス信号を出力する。
【0137】
また、APCRstパルス信号はAPCSetパルス信号よりも所定値(例えば、1PCK)後に出力する。
さらに、η検出時にはEtaDetOn信号がハイ(H)になって供給されて、上記カウンタによって続けて所定値EtaSとEtaCをカウントし、それぞれAPCSetパルス信号を出力する。
APCRstパルス信号は、上述と同様にしてAPCSetパルス信号よりも所定値(例えば、1PCK)後に出力する。
【0138】
なお、EtaDetOn信号は、図2のコントローラ19から所定の間隔で出されるη検出指示があり、かつスペース長が所定値EtaLen以上ある場合にハイ(H)になり、タイミングパルス信号生成処理後に自動的にη検出指示をクリアする。
一方、EtaDetOn信号がロー(L)である場合は、図26中に丸く囲んだ枠(D)内のAPCSetパルス信号,APCRstパルス信号は生成されず、LD変調信号WSPには同図中の(B)と(C)のパルスは出現しない。
【0139】
[STENタイミングパルス生成部]
上述したように、本実施形態ではステート信号STENの立下り変調タイミングを変えることによって光波形を変更することができる。
図4に示した波形をLPモード、図10に示した波形をEPモードと呼び、それぞれのモードにおける(それぞれLP/EPModeによって指示する)STENタイミングパルス信号の生成について説明する。
図26に示すように、STENRstパルス信号はEPモードの時はSeq.2=EPかつRsetパルスと同時に出力し(図26中の(ア))、LPモードの時はSeq.1=LPかつFsetパルスと同時に出力する(図26中の矢印付き破線(イ))。
また、STENSetパルス信号の出力タイミングはEtaDetOn信号によって変わり、それぞれ図26に示すタイミングで出力する。
さらに、同様にしてサンプリングタイミングだけでなく、コマンド指示なども信号線を追加することなく転送することができる。
【0140】
[ステート信号生成部]
図15に示すステート信号生成部115は、タイミング信号生成部113において駆動波形生成情報(タイミング情報)から生成した変調タイミング信号であるSTENタイミングパルス信号からステート信号STENを生成する。
ステート信号生成部115の内部構成は、図21の一点鎖線枠(I)内と同様に構成すればよく、ステート信号STENの生成はLD変調信号WSPほど高速ではないので交互動作をさせる必要はない。
また、ステート信号STENのエッジ位置精度もLD変調信号WSPほど必要がないので、位相選択信号も3ビット全て使用する必要はなく、クロック信号CK0〜CK7のうちの何れか一つに固定してもよいし、位相選択信号のビットを減らしてもよい。
【0141】
[ステートコマンド生成部]
ステートコマンド生成部116は、駆動波形生成情報(コマンド情報)からコマンド信号STCMDを生成する。
コマンド信号STCMDは、前述したようにコマンドデコーダ22においてステート信号STENの両エッジで取り込まれる。
したがって、コマンド信号STCMDのデータ変更タイミングは、ステート信号STENのエッジ前後で十分取り込み時間が確保されていればよい。
ここでは、基準時刻とAPCカウントスタート時間を切換えタイミングとし、供給されるコマンド情報を順次LD駆動集積回路(LDドライバ)1に供給する。
【0142】
[サンプル信号生成部]
サンプル信号生成部117は、記録データ信号Wdataからサンプルホールド方式のAPC制御用サンプル信号を生成する。
光源の発光波形は記録データ信号Wdataに対してランレングス検出部111での遅延分遅れるので、発光波形に合わせてサンプル信号を生成する。
但し、前述の通り、ここで生成するサンプル信号は図3に示した構成でAPC制御を行う場合は用いない。
【0143】
[エラー検出部及びエラー処理部]
何らかのアクシデントによって駆動波形生成情報に不正なデータが記憶された場合、あるいは駆動波形生成情報の組み合わせによって不正になる場合、LD変調信号WSP及びステート信号STENは所望のタイミングでパルス信号を発生できなくなり、これらを受けてLDの駆動を行うLD駆動集積回路1では所望の光波形を得られず、誤った情報が記録されてしまう恐れがある。
また、次以降のマークまでエラーが伝播してしまったり、高パワーでの発光が続いてLDの破壊に至ってしまう恐れもある。
【0144】
図27は、LD変調信号生成部10にエラー検出手段とエラー処理手段を付加した実施形態の構成例を示すブロック図である。
エラー検出部180は、タイミング信号生成部113内のタイミング制御部160のシーケンサの状態と遅延記録データ信号dWdataとからエラーの発生を検知する。
例えば、記録データ信号dWdataがスペースとなって所定時間たってもシーケンサSeq1とSeq2が状態Idleに戻らない場合、エラーとしてエラー発生信号を出力する。
また、駆動波形生成情報(タイミング情報)から演算してエラーの判別をしてもよい。
【0145】
エラー処理部181は、エラー発生信号の入力により、タイミング信号生成部113へ変調タイミング信号の供給停止とシーケンサの初期状態への復帰を指示し、LD駆動集積回路1内のシーケンサ21を初期状態にリセットするようにLD変調信号WSPとステート信号STENを生成するため、変調信号生成部114とステート信号生成部115にエラー処理パルスを供給する。
さらに、エラー発生信号をコントローラ19に直接(又は制御部118を介して)供給することにより、駆動波形生成情報(タイミング情報)の訂正を指示する。
このようにすれば、エラーの伝播を防ぎ誤ったデータを記録し続けることを防止することができる。
【0146】
また、第2エラー検出部182はエラー検出の他の実施形態を示すものであり、シーケンサ21と同様のものを備えて、LD変調信号WSP及びステート信号STENを入力し、LD駆動集積回路1での照射レベル状態を擬似モニタしている。このようにして、エラーの発生を検知して上記と同様のエラー処理を行う。
【0147】
[コマンド信号及びコマンドデコーダの他の構成例]
図28は、ステートコマンド生成部及びコマンドデコーダの他の構成例を示す図である。また、図29は図28に示す各部の出力する信号の波形図である。
図28に示すように、ステートコマンド生成部(STCmd Gen.)190は、変調タイミング信号に基づいてLD変調信号WSPに同期してコマンド信号STCMDを出力する。
コマンドデコーダ(CMD Decoder)191は、LD変調信号WSPとコマンド信号STCMDとからLD照射レベルや照射モードを指定するモード制御信号SeqModeに変換する。
このようにすれば、コマンド信号STCMDの信号線数を低減することができる。
【0148】
図30は、コマンドデコーダのさらに他の構成例を示すブロック図である。また、図31は、図30に示すコマンドデコーダにおけるコマンド信号STCMDと各部の信号の波形図である。
図30に示すように、コマンドデコーダ200は、コマンド信号STCMD(ここでは、STCMD[2..0]の3Bitとする)とステート信号STENからモード制御信号SeqModeやパワー選択信号PwrSelへの変換と、記録・再生動作指示信号CmdWriteなどの動作モード変更コマンドへの変換を行う。
【0149】
フリップフロップ(以下「FF」と略称する)201は、コマンド信号STCMD[2..0]をステート信号STENの立上りに同期して取り込み、Bit2をコマンド/データ信号Cmd/Datとして供給し、Bit1..0をコマンドデータD[4..3]とする。
FF202は、コマンド信号STCMD[2..0]をステート信号STENの立下りに同期して取り込み、Bit2..0をコマンドデータD[2..0]として供給する。
第一のデコーダ203は、コマンド/データ信号Cmd/Datが「0」の時に動作し、コマンドデータD[4..0]を予め決められた変換規則に従ってモード制御信号SeqModeやパワー選択信号PwrSelへ変換する。その変換規則は上述したようにすればよい。
【0150】
第二のデコーダ204は、コマンド/データ信号Cmd/Datが「1」の時動作し、コマンドデータD[4..0]を予め決められた変換規則に従って記録・再生動作指示信号CmdWriteなどの動作モード変更コマンドへ変換する。例えば、D[4..0]=“00000”のときに再生モードへの変更コマンドとし、D[4..0]=“00001”のときに記録モードへの変更コマンドとした場合、記録モード変更コマンドを受け取ればCmdWrite=1(Writeを表す)、再生モード変更コマンドを受け取ればCmdWrite=0(Readを表す)とするようにすればよい。
【0151】
つまり、ステート信号STEN立上り時のコマンド信号STCMD[2]が「0」か「1」かによって残り5ビットのコマンド信号の機能が変わり、モード制御信号SeqModeやパワー選択信号PwrSelへと変換するコマンドデータとしての機能か(以下「データモード」と称する)、動作モード変更コマンドとしての機能か(以下「コマンドモード」と称する)が選択される。
コマンド信号がコマンドデータとして機能する場合は上述までと同様であるので以下の説明を省く。
コマンド信号が動作モード変更コマンドとして機能する場合は、図31の一点鎖線枠(A)や(B)で示すように、LD変調信号WSPが変化しない期間で転送される。
【0152】
このようにすれば、上述したシーケンサ21内のステートマシンSMa,SMbは動作しないので光波形のレベルも変化しない。つまり、光源LDの発光動作を妨げず上記コマンドの転送が行える。
再生モード時に動作モード変更コマンド(Cmd=Write)が発行されると(図31の一点鎖線枠(A))、CmdWrite信号は「Hi」となる。
シーケンサ21ではこれを受けてステートマシンSMaのステートstate0(h−1)が状態Prから状態Peへと遷移する。
また、記録モード時に動作モード変更コマンド(Cmd=Read)が発行されると(図31の一点鎖線枠(B))CmdWrite信号は「ロー(Low)」となる。それを受けてステートマシンSMaのステートstate0(図31の(h−1))が[状態Pe]から[状態Pr]へと遷移する。
【0153】
つまり、CmdWrite信号は、上述したR/W信号と同様の機能を果たす。従って、このようにすれば、コマンド信号STCMDやステート信号STENといった既存の信号線を用いて記録/再生の動作変更指示を行えるので、R/W信号線を削除することができ、FPC基板上を伝送する信号線を削減でき、小型化(狭幅化)が可能になる。
また、ステート信号STEN立上り時の1ビットをデータモードかコマンドモードかの選択にしているので、ステート信号STEN立上り時にモードが選択されるため残りのビットをすぐに変換できる。
【0154】
また、図30のFF205は、CmdWrite信号をWSP信号でラッチしライトゲート信号WGate信号を供給するものであり、WGate信号はLDの発光レベルの変更タイミングであるWSPに同期しているので、実際の記録モードでの発光と同期している。これを、LD駆動集積回路1内部の記録/再生モードで動作やゲインなどの性能が変更される回路に供給すると、実際の発光レベルに同期しているので正確に動作が行える。また、光ピックアップに搭載される他の回路へも供給するようにすると、この回路に供給すべき記録・再生切換え信号線もFPC基板上を伝送する必要がなくなり、より小型化できる。
【0155】
[高周波変調部の他の構成例]
図32は、高周波変調部の他の内部構成例を示すブロック図である。
高周波重畳部210は、高周波重畳電流Ihfmを生成するものであり、電流加算部221でバイアス電流Ibiasと変調電流Imodに加算し、それを電流駆動部222によって増幅して光源LDに駆動電流ILDを供給する。
電流加算部221は、図3における電流加算部24に、電流駆動部222は同じく電流駆動部25にそれぞれ相当する。また、図3に示した内部構成例では、高周波変調自体は変調部23を利用して行ったが、図32に示した構成では高周波重畳部210で高周波重畳電流Ihfmを生成し、電流加算部221で重畳する。この電流加算部221と211〜216の各部がVCO219によって発生した高周波信号を光源の駆動電流に重畳する高周波信号重畳手段の機能を果たす。
【0156】
以下、上記高周波重畳部210の詳細な構成及び動作について説明する。
VCO219は、FreqDAC218の出力する周波数設定電圧Vvcoinを印加し、周波数Fvcoの信号を発生させる発振器である。すなわち、高周波信号を発生する高周波信号発生手段と、印加信号に応じて周波数が変更された高周波信号を発生する高周波信号発生手段の機能を果たす。
図35は、図32のFreqDAC218が出力する周波数設定電圧Vvcoinに対する発振周波数Fvcoの特性の一例の変化曲線を示す図である。
FreqDAC218は、周波数設定情報HFMFreqに従って周波数設定電圧Vvcoinを出力する。
分周器217は、VCO219の出力を分周してスイッチ214に供給するものであり、分周比1/NはFreqRange信号に従って設定する。
【0157】
このようにすれば、VCO219の発振周波数範囲を広大にせずとも高周波重畳周波数範囲を拡大できるので、発振器の実現が容易になる。
HFADAC213は、高周波重畳振幅情報HFMAmpに従って電流を出力するDACであり、スイッチ214は分周器217の供給する変調信号に従ってその電流をオンオフして高周波変調電流を得る。
スイッチ215は、高周波重畳の有無を選択するスイッチであり、同図の状態では、上記のようにして発生させた高周波変調電流をLD駆動電流に重畳するようにしている。
HFM制御部216は、HFMオンオフ制御信号に従って高周波重畳の有無を制御するものであり、HFMオンオフ制御信号は、例えばライトゲート信号WGateとし、再生時には高周波重畳をオンとし、記録時にはオフとするように制御する。
【0158】
一方、高周波重畳がオフとなる時には、HFBDAC211の出力するオフセット電流Ihfmofsを重畳する。
図36は、その時のLD駆動電流の関係を示す図である。なお、同図では簡便のためImod=0としている。
また、HFBDAC211及びHFADAC213のフルスケールは、上述したスケール信号Scaleによって設定され、微分量子効率が変動しても一定の高周波重畳振幅が得られる。
なお、HFBDAC211のフルスケールは、スケール信号Scaleの例えば1/4とし、設定分解能を向上させている。
【0159】
パルスカウンタ220は、所定の周波数計測時間Tcountの間のVCO219の出力(図34の(e)波形)のパルス数を計測するものであり、それによってVCO219の発振周波数を検出することができる。すなわち、VCO219によって発生した高周波信号の周波数を検出する周波数検出手段に相当する。
周波数計測時間Tcountは、CountEN信号によって指示し、パルスカウンタ220はCountEN信号が「Hi」の期間のパルス数を計測し、計測結果をVCOCountとして出力する。
周波数制御部223は、VCOパルス計測結果VCOCountに基づいて所定の値、すなわち所望の高周波重畳周波数Ftargetとなるように周波数設定情報HFMFreqを増減して制御する。この周波数制御部223がパルスカウンタ220によって検出した周波数に基づいてVCO219の発生する高周波信号が所定の周波数となるように制御する周波数制御手段に相当する。
【0160】
周波数制御部223は、例えばコントローラ19内に設けてもよい。その場合はVCOパルス計測結果VCOCount及び周波数設定情報HFMFreqの受け渡しは制御部33を介して行うようにするとよい。
このようにすれば、デバイスパラメータのバラツキなどによって、図35の(a)と(b)に示すようにVCO219の周波数設定電圧Vvcoinに対する発振周波数Fvcoの特性がばらついたとしても、所望の発振周波数Ftargetになるように非常に簡便な構成で制御することができ、高周波重畳法によるLDノイズの低減効果を十分得られる。
また、情報記録再生装置(光ディスク装置)自体は動作させなくてもよく、高周波重畳周波数の検出・制御が短時間で行える。さらに、予め定めた周波数で発振するので、電磁放射ノイズもほぼ設計値となり、不測の周波数発振による他の機器への影響を防ぐことができる。
【0161】
さらにまた、VCO特性のバラツキは光源駆動部の個体間に依るものが主であり、動作中はほとんどないので、周波数の検出・制御は装置の立ち上げ時や記録・再生動作を行わないアイドル時に行えばよい。
また、パルスカウンタ220がオーバーフローした場合は、VCOパルス計測結果VCOCountを最大値に保持するようにすると誤制御を防止できる。
さらに、パルスカウンタ220はVCO出力の1/N分周信号を計測してもよい。このようにすれば、パルスカウンタを高速動作させなくてもよい。
【0162】
(この発明の請求項1に係る説明箇所)
CountEN信号は、所定の周波数計測時間Tcountを示すので、基準クロックを基に生成すると精度のよい周波数検出が行える。その基準クロックは、通常は回路基板側に設けられるので、CountEN信号(または基準クロック)をFCP基板を介して伝送する必要がある。そのCountEN信号が必要なのは周波数検出時のみなので(記録再生動作は行わない)、その時のみ他の信号線と共通化することにより、FPC基板を伝送する信号線を削減でき狭幅化が図れる。例えば、記録再生切換えを示すR/W信号などと共通化すればよい。
また、図34に示すように、上述したコマンド信号STCMDによるコマンド発行によってCountEN信号を生成するようにしてもよい。
このようにすれば、動作を妨げることなくCountEN信号を生成できる。
したがって、動作中(例えば再生動作中)にも高周波重畳周波数の検出・制御が可能となり、温度変動や電源電圧変動による周波数変動まで制御可能となり、より高精度な制御が行える。
【0163】
(この発明の請求項4に係る説明箇所)
図33は、高周波変調部のさらに他の内部構成例を示すブロック図である。
図32と機能及び動作が共通する部分には同一符号を付してその説明を省略する。
1/M分周器230は、VCO219の出力を1/M分周したVCODiv信号を出力するものであり、そのVCODiv信号をパルスカウンタ231によって計測することによりVCO219の発振周波数を検出することができる。すなわち、VCO219によって発生した高周波信号又は該高周波信号を分周した信号を出力する高周波信号出力手段の機能を果たす。
パルスカウンタ231は、例えばコントローラ19内に設け、基準クロックに基づいて周波数計測時間Tcountを生成する。すなわち、1/M分周器230の出力信号の周波数を検出する周波数検出手段の機能を果たす。
そして、上述と同様にして、周波数制御部223はパルス計測結果に基づいて所望の高周波重畳周波数Ftargetとなるように周波数設定情報HFMFreqを増減して制御する。
このように、VCOの出力を分周して転送することにより、不要な放射ノイズを低減できる。また、上述と同様にして、周波数検出期間のみ他の信号線と共有化するようにすれば、FPC基板を伝送する信号線を削減することができ、狭幅化が図れる。
【0164】
ところで、使用する情報記録媒体の種類によっては、戻り光が異なり、それによる光源LDのノイズも異なるため、また使用する光源LD自体も異なることがあるため、高周波重畳周波数の最適値も異なる場合がある。
このような場合は、予めVCOの周波数設定情報HFMFreqに対する発振周波数Fvcoの特性あるいはその近似線を求めておき、使用する情報記録媒体の種類に対応する高周波重畳周波数に応じて周波数設定情報HFMFreqを設定するようにすればよい。
また、製造時に上記VCOの特性を求め、これを装置内に保持しておくようにすれば、周波数検出手段が不用となったり、あるいはその検出動作を行わなくてもよい。
【0165】
この実施形態の情報記録再生装置によれば、デバイスパラメータのバラツキなどによって、高周波信号を発生する高周波信号発生手段(発振手段)の印加信号に対する発振周波数特性がばらついたとしても、所望の発振周波数になるように非常に簡便な構成で制御することができ、高周波重畳法によるLDノイズの低減効果を十分得られる。また、高周波重畳周波数の検出・制御が短時間で行える。
また、周波数検出を簡便な構成でできる。
さらに、FPC基板を伝送する信号線を削減することができ、FPC基板の狭幅化が図れる。
【0166】
また、他の動作を妨げることなく周波数検出期間を示す信号を生成することができる。
したがって、動作中にも高周波重畳周波数の検出・制御が可能となるので、温度変動や電源電圧変動による周波数変動まで制御可能となり、より高精度な制御が行える。
さらに、装置個体毎の高周波信号発生手段(発振手段)の印加信号に対する発振周波数特性に応じて、所望の発振周波数を容易に設定できる。
【0167】
また、高周波信号の検出手段を設けなくとも、デバイスパラメータのバラツキなどによって高周波信号発生手段(発振手段)の印加信号に対する発振周波数特性がばらついたとしても、所望の発振周波数になるように非常に簡便な構成で制御でき、高周波重畳周波数の検出・制御が短時間で行える。
さらに、FPC基板を伝送する信号線を削減することができ、FPC基板の狭幅化が図れる。
【0168】
次に、さらに本発明の他の実施形態を図面に基づいて説明する
図37は、この発明の光源駆動装置の他の実施形態の構成例を示す図である。また、図38は図37に示す各部の信号の波形の一例を示す図である。
以下、この発明の請求項5乃至8に係る説明である。
図37の光源駆動部301は、光源LDの各照射レベルP0,P1,P2を設定する照射レベル設定部302と、記録データ信号Wdataと記録クロック信号WCKとから光源LDの各変調信号Mod1,Mod2を生成する変調信号生成部304と、光源LDの各照射レベルP0,P1,P2にそれぞれ対応した各照射レベルデータP0Data,P1Data,P2Data及び各変調信号Mod1,Mod2に基づいてLD変調電流Imodを生成する変調部303と、高周波重畳電流Ihfmを生成する高周波重畳部311とを備えている。
【0169】
また、光源LDの出射光の一部をモニタする受光部(モニタ受光部)PDからのモニタ受光信号が入力され、このモニタ受光信号に基づいて光源LDの出射光量が所望の値となるようにバイアス電流Ibias及び変調電流のスケールを指示するスケール信号Isclを制御するLD制御部307と、LD変調電流Imodとバイアス電流Ibiasとを加算し、さらに高周波重畳電流Ihfmを加算する加算部305と、その加算部305から供給される電流ILD′を増幅して光源LDの駆動電流ILDを供給する電流駆動部306と、光源駆動部301が搭載される情報記録再生装置の全体を制御するコントローラ321から供給される制御コマンドを受けて各部へ制御信号を供給する制御部320も備えている。このコントローラ321は周波数検出時にはクロック周波数を変更する変更手段の機能を果たす。
【0170】
変調部303は、各照射レベルデータP0Data,P1Data,P2Dataに基づいてそれぞれ電流I0,I1,I2を供給する電流源308(P0DAC308a,P1DAC308b,P2DAC308cからなる)と、各変調信号Mod1,Mod2に従ってそれぞれ電流I1,I2をオンオフ制御するスイッチ309bと309cと、スイッチ309の出力する各電流を加算してLD変調電流Imodを供給する加算部310とから構成されている。
【0171】
高周波重畳部311は、高周波重畳のオフセット量に対応した高周波重畳オフセットデータP3Dataと高周波重畳の振幅量に対応した高周波重畳振幅データP4Dataとを設定する重畳度設定部312と、高周波重畳オフセットデータP3Dataに従って高周波重畳オフセット電流I3を供給する電流源P3DAC313aと、高周波重畳振幅データP4Dataに従って高周波重畳振幅電流I4を供給する電流源P4DAC313bと、重畳する高周波信号を発生する発振器であるVCO(Voltege Controlled Oscillator)317と、VCO317の出力と制御部320から供給される高周波重畳の有無を制御する信号(図示省略)に基づいて高周波変調信号Mod4と高周波重畳オフセット変調信号Mod3を生成するHFM制御部318を備えている。
【0172】
さらに、各信号Mod3,Mod4に従ってそれぞれ電流I3,I4をオンオフ制御するスイッチ314a,スイッチ314bと、スイッチ314a,スイッチ314bの出力する各電流を加算して高周波重畳電流Ihfmを生成する加算部315と、コントローラ321から(または制御部320を介して)指示される高周波重畳周波数データHFMFreqに従いVCO317に印加する周波数設定電圧Vvcoinを生成する重畳周波数設定部であるFqDAC316と、VCO317の発振周波数を計測するパルス計数部319も備えている。
【0173】
すなわち、VCO317が高周波信号を発生する高周波信号発生手段の機能を果たす。また、加算部305,重畳度設定部312,電流源313aと313b,スイッチ314aと314bが上記高周波信号発生手段によって発生した高周波信号を光源の駆動電流に重畳する高周波信号重畳手段の機能を果たす。さらに、上記加算部305は上記電流加算手段の機能も果たす。また、パルス計数部319は上記高周波信号発生手段によって発生した高周波信号の周波数を検出する周波数検出手段(上記クロックに基づいて生成した所定の周波数検出期間に発生するパルス数を計測することによって高周波信号の周波数を検出する手段)の機能を果たす。さらに、重畳周波数制御部322は上記周波数検出手段によって検出した周波数に基づいて上記高周波信号発生手段の発生する高周波信号が所定の周波数となるように制御する周波数制御手段の機能を果たす。また、制御部320は所定周波数のクロックを基準にしてデータ及びコマンドの通信を行う通信手段の機能を果たす。
【0174】
なお、電流I3のみ電流の流れる方向が逆となっており、すなわちスイッチ314aがオンの時は電流I3分だけ減算することになる。あるいは、電流I3も他の電流源と同一方向に流すものとし、高周波重畳がオンのときはMod3=「ロー(L)」としてオフセット電流を重畳せず、一方、高周波重畳がオフとなる時にはMod3=「ハイ(H)」としてオフセット電流I3を重畳するようにしてもよい。
図39は、その場合のLD駆動電流とLD発光レベルの関係を示す図である。なお、同図では簡便のためImod=0としている。
また、加算部305,加算部310,加算部315のうちのいずれかを共通化したものでもよい。
【0175】
図38では、相変化型記録媒体への再生時/記録時の場合を例示しており、同図の(a)はライトゲート信号WGが「ロー(L)」の時は再生を、「ハイ(H)」の時は記録をそれぞれ行い、再生時には高周波重畳をオンとし、記録時にはオフとする場合の例である。同図の(d)に示す光波形が所望の光波形であり、記録時にはこの光の照射により、同図の(e)に示す記録マークが形成される。
ボトムパワーレベルPb,イレースパワーレベルPe,ライトパワーレベルPwの各照射レベルは、それぞれ電流ILD′がIbias+I0,Ibias+I0+I1,Ibias+I0+I2となる照射レベルである。つまり、照射レベルは各電流値I0,I1,I2をそれぞれ設定する照射レベルデータP0Data,P1Data,P2Dataによって決められる。
【0176】
同図の(f−1)に示す変調信号Mod1と同図の(f−2)に示すMod2は、変調信号生成部304において、予め設定された所望の光波形の変調タイミングを指示する駆動波形情報に基づいて同図の(c)に示す記録データWdataに対応して生成される。
同図の(g−1)に示す高周波重畳オフセット変調信号Mod3は、高周波重畳がオンのとき(WG=「ロー(L)」のとき)「ハイ(H)」としてオフセット電流I3を減算する。また、同図の(g−2)に示す高周波変調信号Mod4は、高周波重畳がオンのときはVCO317の出力する発振信号をオフの時には「ロー(L)」となる信号である。
それら変調信号Mod1〜Mod4に従って電流ILD′(h)が生成する(光源LDへの駆動電流ILDはこの電流を増幅したものである)。ここで、I0〜I4はそれぞれ電流源308と313で生成される電流値であり、IbiasはLD制御部から供給される光源LDの閾値電流に相当する電流である。
【0177】
ここで、高周波変調信号Mod4はVCO317の出力(出力信号)を分周した信号としてもよい。つまり、HFM制御部318にVCO317の出力を1/Nに分周する分周器を内蔵し、この分周器の出力信号を高周波変調信号Mod4に使用する。また、分周比1/Nを設定可能とすれば、VCO317の発振周波数範囲を大きく広げなくても高周波重畳周波数範囲を拡大できるので、発振器の実現が容易になる。
【0178】
次に、高周波重畳周波数の制御方法について説明する。
VCO317は、FqDAC316の出力する周波数設定電圧Vvcoinが印加され、周波数Fvcoの信号を発生させる発振器である。
図40は、周波数設定電圧Vvcoinに対する発振周波数Fvcoの特性の曲線の一例を示す線図である。
【0179】
通常のVCOは、デバイスパラメータのバラツキなどによって、その特性は同図の(a)と(b)にそれぞれ示す曲線のように変動する。つまり、所定の周波数設定電圧Vvcoinを印加しても所望の周波数Ftargetが得られない。しかし、この実施形態によれば以下に説明する方法で簡便に所望の周波数Ftargetに制御できる。
パルス計数部319は、制御部320から供給されるCountEN信号によって指示される所定の周波数計測時間Tcountの間、VCOの出力パルス数をカウントする(VCOパルス計測結果をVCOCountとする)。
したがって、VCO317の発振周波数Fvcoは次の数8に示す演算式に基づく処理によって検出できる。
【0180】
【数8】
Fvco=VCOCount/Tcount
【0181】
重畳周波数制御部322は、VCOパルス計測結果VCOCountに基づいて所定の値、すなわち所望の高周波重畳周波数Ftargetとなるように高周波重畳周波数データHFMFreqを増減して制御する。その重畳周波数制御部322は、例えばコントローラ321内に設けてもよい。その場合はVCOパルス計測結果VCOCount及び高周波重畳周波数データHFMFreqの受け渡しは制御部320を介して行うようにするとよい。
【0182】
図41は、VCOの発振周波数を計測する方法を説明する信号波形図であり、図37に示した主要な各部の出力する信号波形を例示した波形図である。
以下、この発明の請求項5,6に係る説明である。
同図の(a)に示すSEN信号と、同図の(b)に示すSCK信号と、同図の(c)に示すSDIO信号はコントローラ321と制御部320との通信を行うものであり、SEN信号は通信のイネーブルを、SCK信号はクロック供給を、SDIO信号はアドレス・データの送受信のそれぞれの機能を果たす。
SCK信号のクロック周波数は所定の周波数fsck(周期をTsckとする)で供給される。SDIO信号はSCK信号に同期して送受信を行い、前半8ビットはアドレス(うち最初の1ビットはリード/ライト)を示す、後半8ビットはデータを送受信するものとする。
【0183】
ここで、VCOの発振周波数を計測する場合は所定のアドレス(HFCheck)にライトアクセスを行い、制御部320はこれを受けて図示する期間(データの転送時間)、同図の(d)に示すCountEN信号を「ハイ(H)」としてパルス計数部319に計数を指示し、その期間、同図の(e)に示すVCO出力のパルス数をカウントする(同図の(f)に示すVCOCount)。CountEN=「ロー(L)」の期間はカウントを行わずに保持する。
【0184】
このようにすれば、デバイスパラメータのバラツキなどによって、図40の(a)と(b)に示すように、VCOの周波数設定電圧Vvcoinに対する発振周波数Fvcoの特性がばらついたとしても、所望の発振周波数Ftargetになるように非常に簡便な構成で制御でき、高周波重畳法によるLDノイズの低減効果を十分得られる。また、光情報記録再生装置(光ディスク装置)自体は動作させなくてもよく、高周波重畳周波数の検出・制御が短時間で行える。さらに、新たに信号線を追加する必要もない。さらにまた、予め定めた周波数で発振するので、電磁放射ノイズもほぼ設計値となり、不測の周波数発振による他の機器への影響を防ぐことができる。
【0185】
また、パルス計数部319がオーバーフローした場合はVCOパルス計測結果VCOCountを最大値に保持するようにすると誤制御を防止できる。
さらに、パルス計数部319はVCO出力の1/N分周信号を計測してもよい。このようにすれば、パルス計数部を高速動作させなくてもよい。
なお、上述したコントローラ321と制御部320との通信の形態は一例を示したものであり、別の形態を用いるものであっても転送クロックを利用して同様に計測できる。
【0186】
また、図41の(g)に示すようなCountEN信号を生成するようにして、通常のアクセス時はカウントを行うようにし、所定のアドレス(HFCheck)にライトアクセスを行った場合には、VCOパルス計測結果VCOCount(i)を保持するようにしてもよい。
このようにすれば、周波数計測時間Tcountを長くできるので、より精度よい発振周波数検出ができる。
あるいは、所定のアドレス(HFCheck)にライトアクセスを行った次のアクセスに対して、図41の(g)に示すようなCountEN信号を生成するようにしてもよい。
【0187】
また、コントローラ321内にSCK信号の周波数を設定するSCK周波数設定部を設け、SCK信号の周波数を変更して周波数計測時間Tcountを変更してもよい。このようにすれば、パルス計数部319がオーバーフローしない範囲で計測時間Tcountを長くできるので、より精度よい発振周波数検出ができる。そして、通常の通信時はSCKクロック周波数を高くして高速転送を行うようにし、重畳周波数計測時には精度よく計測するためにSCKクロック周波数を低くするようにするとよい。
【0188】
また、図42は、パルス計数部の他の内部構成例を示すブロック図である。
図43は、図42に示したパルス計数部330の動作説明のための各部信号波形図である。以下、この発明の請求項7に係る説明である。
このパルス計数部330は、VCO出力を8分周する分周器331と、8分周した信号Q2のパルス数を計数するカウンタ332と、CountEN信号に従って分周器の初期化と分周動作の有効・無効を制御する分周器制御部333とから構成される。
分周器331は3ビットカウンタで構成され、その出力をCount2(=Q2,Q1,Q0)として出力する。また、最上位ビットQ2の反転信号をカウンタ332でカウントする。
【0189】
分周器制御部333は、CountEN信号の立上がり時に分周器331の値を(111)に初期化するようにプリセット信号PRを供給し、CountEN信号が「ハイ(H)」の期間は分周動作を行うようにイネーブル信号ENを「ハイ(H)」とする。つまり、CountEN信号の立下りで分周動作は停止し、値を保持する。
そして、カウンタ332の出力であるVCOCountとCount2を用いてVCO発振周波数を計測するようにすれば、CountEN信号立上りに同期してカウントを開始することができ、VCO出力単位で検出できるので、精度よく周波数を計測できるようになる。さらには、カウンタ332において計数するパルスの周波数が低くなるので実現が容易である。
すなわち、分周器331が上記高周波信号を分周する分周手段の機能を果たす。また、カウンタ332が上記分周手段によって分周した高周波信号の周波数を検出する周波数検出手段の機能を果たす。
【0190】
図44は、他の重畳周波数計測方法を説明するための各部信号波形図である。
以下、この発明の請求項8に係る説明である。
これは図42と同様のパルス計数部によって行われ、上述の計測方法とほぼ同様であるが、複数回のCountEN信号に対して累積してカウントする。初回のCountEN信号に対しては前述と同様に初期化を行ってからカウントを開始するが、2回目以降のCountEN信号に対しては保持した値からカウントを継続する。
このようにすれば、計測時間を十分確保でき、カウント誤差も一回のCountEN信号につき1VCOクロック以下に抑えられるので、精度よく周波数を計測できるようになる。
【0191】
図45は、高周波重畳部の他の内部構成例を示すブロック図である。
この高周波重畳部340において図37と機能及び動作が共通する部分には同一符号を付して説明を省略する。
重畳周波数変調部341は、VCO317の発振周波数Fvcoを所定の範囲内で周波数を変動させるものであり、すなわち高周波信号の周波数を所定量変動させる重畳周波数変調手段の機能を果たす。これは、高周波重畳周波数の変動分に相当する電圧Vsを発生させる変動周波数設定部343と、重畳周波数設定部FqDAC316の供給する周波数設定電圧V0にこの電圧Vsを加算し、VCO317への印加電圧Vvcoinとして供給する加算部342とから構成される。
【0192】
図46は、図45に示した高周波重畳部340の動作説明するための図であり、周波数設定電圧Vvcoinに対する発振周波数Fvcoの特性の一例を示している。図47は、その高周波重畳部340が高周波重畳を行うことによって放射される放射ノイズの説明に供する図である。
図46に示すように、FqDAC316の出力する電圧V0に対応する周波数F0で発振している時、例えば図示のように交流電圧Vsを加算することにより、VCO発振周波数FvcoはF1〜F2の範囲で変動する。
このようにすれば、高周波重畳を行うことにより放射される放射ノイズは、図47の(b)に示すようになり(同図の(a)は従来の周波数変動をしない場合の放射ノイズを示す)、放射ノイズのピーク値を低減できる。
また、重畳周波数変調部341を設けずに高周波重畳周波数データHFMFreqを所定量だけ変動するようにすれば、簡便な構成で同様の効果が得られる。
【0193】
さらには、上述と同様にして変動させた周波数(F1及びF2)が所定値になるように電圧Vsを設定する周波数変動振幅設定部344を設けるとよい。この周波数変動振幅設定部344が上記重畳周波数変調手段によって変動させる周波数の変動幅を制御する周波数変動振幅制御手段の機能を果たす。
なお、この電圧Vsの制御は重畳周波数制御部322が上述と同様の方法で行って、周波数変動振幅データFqSwgを周波数変動振幅設定部344に供給する。
このようにすれば、デバイスパラメータのバラツキなどによって、VCOの特性がばらついたとしても、所望の発振周波数になるように非常に簡便な構成で制御することができ、電磁放射ノイズを低減できる。
【0194】
このようにして、デバイスパラメータのバラツキなどによって、発振手段の印加信号に対する発振周波数特性がばらついたとしても、所望の発振周波数になるように非常に簡便な構成で制御でき、高周波重畳法によるLDノイズの低減効果を十分得られる。また、高周波重畳周波数の検出・制御が短時間で行える。
さらに、簡便な構成の光源駆動装置で上述の効果が得られる。
また、周波数検出期間を長く確保できるので、より精度よい高周波重畳周波数の検出・制御が行える。
さらに、周波数検出期間に同期してカウントを開始することができ、高周波信号発生手段出力のパルス単位で検出できるので、精度よく周波数を計測できるようになる。
【0195】
また、計測時間を十分確保でき、カウント誤差も一回の周波数検出期間につき1VCOクロック以下に抑えられるので、精度よく周波数を計測できるようになる。
さらに、重畳周波数計測時には周波数検出手段がオーバーフローしない範囲で周波数検出期間を長くできるので、より精度よい発振周波数検出ができる。そして、通常の通信時はクロック周波数を高くして高速転送が行える。
また、高周波重畳を行うことによって放射されるノイズのピーク値を低減することができる。
【0196】
さらに、デバイスパラメータのバラツキなどによって、発振手段の印加信号に対する発振周波数特性がばらついたとしても、所望の発振周波数になるように非常に簡便な構成で制御でき、高周波重畳法によるLDノイズの低減効果を十分得られる。また、高周波重畳周波数の検出・制御が短時間で行える。さらには高周波重畳を行うことによって放射されるノイズのピーク値を低減できる。
また、デバイスパラメータのバラツキなどによってVCOの特性がばらついたとしても、所望の発振周波数になるように非常に簡便な構成で制御でき、電磁放射ノイズを低減できる。
【0197】
【発明の効果】
以上説明してきたように、この発明の光源駆動装置と光ピックアップと情報記録再生装置によれば、光源の駆動電流に重畳する高周波信号の周波数を短時間でコストアップなしに制御することができる。また、電磁放射ノイズの低減を図った光源駆動装置及び情報記録再生装置を提供することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の光情報記録装置の一実施形態である情報記録再生装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】 図1に示した信号処理部104の内部構成を示すブロック図である。
【図3】 図2に示したLD制御部9及びLD駆動部12が集積化されたLD駆動集積回路1の構成図である。
【図4】 図3に示したLD駆動集積回路1の各部の出力信号の一例を示す波形図である。
【図5】 図3に示したシーケンサ21の状態遷移図である。
【図6】 図3に示した変調部23の他の構成例を示すブロック図である。
【図7】 図3に示したバイアス電流制御部27の他の構成例を示すブロック図である。
【図8】 駆動電流−光出力特性の一例を示す線図である。
【図9】 光変調波形の一例を示す線図である。
【図10】 図3に示したLD駆動集積回路1の各部の出力信号の他の例を示す波形図である。
【図11】 図3に示した変調部23のさらに他の構成例を示すブロック図である。
【図12】 図11に示した変調部23の各部の出力信号を示す波形図である。
【図13】 LD駆動電流のスイッチタイミングのずれに基づく光波形の乱れの説明に供する線図である。
【図14】 図3に示したバイアス電流制御部27の動作説明に供する各信号波形の一例を示す図である。
【図15】 図2に示したLD変調信号生成部10の構成を示す図である。
【図16】 図15に示したランレングス検出部111の内部の詳細な構成例を示す図である。
【図17】 図16に示したランレングス検出部111内の各部が出力する信号の波形図である。
【図18】 この実施形態における駆動波形生成情報と光波形との関係を示すタイミングチャート図である。
【図19】 複数のタイミング情報毎の駆動波形生成情報の組み合わせ例を示す一覧表の図である。
【図20】 図15に示した駆動波形生成情報保持部112の詳細な内部構成例を示す図である。
【図21】 図15に示したタイミング信号生成部113及び変調信号生成部114の詳細な内部構成例を示す図である。
【図22】 図21に示したタイミング信号生成部113及び変調信号生成部114の各部の出力する信号の波形図である。
【図23】 同じく図21に示したタイミング信号生成部113及び変調信号生成部114の各部の出力する信号の波形図である。
【図24】 図21に示したタイミング制御部160内の2つのシーケンサの動作を示す説明図である。
【図25】 図21に示したタイミングパルス信号制御部165における信号削除処理の説明に供する波形図である。
【図26】 図21に示したSTENタイミングパルス生成部170によるSTENタイミングパルス信号及びAPCタイミングパルス生成部171によるAPCタイミングパルス信号の生成例の説明に供する波形図である。
【図27】 図2に示したLD変調信号生成部10にエラー検出手段とエラー処理手段を付加した実施形態の構成例を示すブロック図である。
【図28】 この発明の他のステートコマンド生成部及びコマンドデコーダの構成例を示す図である。
【図29】 図28に示した各部の出力する信号の波形図である。
【図30】 コマンドデコーダのさらに他の構成例を示すブロック図である。
【図31】 図30に示すコマンドデコーダにおけるコマンド信号STCMDと各部の信号の波形図である。
【図32】 高周波変調部の他の内部構成例を示すブロック図である。
【図33】 高周波変調部のさらに他の内部構成例を示すブロック図である。
【図34】 図32に示す高周波変調部の各部の出力信号の波形図である。
【図35】 図32のFreqDAC218が出力する周波数設定電圧Vvcoinに対する発振周波数Fvcoの特性の一例の変化曲線を示す図である。
【図36】 LD駆動電流の関係を示す図である。
【図37】 この発明の光源駆動装置の他の実施形態の構成例を示す図である。
【図38】 図37に示す各部の信号の波形の一例を示す図である。
【図39】 図37に示した構成における場合のLD駆動電流とLD発光レベルの関係を示す図である。
【図40】 周波数設定電圧Vvcoinに対する発振周波数Fvcoの特性の曲線の一例を示す線図である。
【図41】 VCOの発振周波数を計測する方法を説明する信号波形図である。
【図42】 パルス計数部の他の内部構成例を示すブロック図である。
【図43】 図42に示すパルス計数部330の動作説明のための各部信号波形図である。
【図44】 図44は、他の重畳周波数計測方法を説明するための各部信号波形図である。
【図45】 高周波重畳部の他の内部構成例を示すブロック図である。
【図46】 図45に示す高周波重畳部340の動作説明するための図である。
【図47】 図45に示す高周波重畳部340が高周波重畳を行うことによって放射される放射ノイズの説明に供する図である。
【符号の説明】
1:LD駆動集積回路 2:受光信号処理部
4:RF選択部 6:ウォブル信号生成部
9:LD制御部 10:LD変調信号生成部
12:LD駆動部 13:サーボ信号演算処理部
14:サーボプロセッサ 15:ウォブル信号処理部
16:RF信号処理部/PLL部
17:WCK生成部 18:回転制御部
19:コントローラ 20:サーボドライバ
21:シーケンサ(Sequencer)
22:コマンドデコーダ(CMDDecoder)
23:変調部(Data−Modulation)
24:電流加算部 25:電流駆動部
26:PDアンプ部(PD−AMP)
27:バイアス電流制御部(Bias−Control)
28:微分量子効率制御部(η−Control)
29:バイアス電流選択部(MUX)
30:高周波変調部(HF−Modulation)
33:制御部 40:PbDAC
41:PtpDAC
42,44,54,96:スイッチ
43:スケールDAC(ScaleDAC)
45,46:電流アンプ 47:電流電圧変換器(I/V)
48,65:MUX
49:オフセットDAC(OffsetDAC)
50:加算器
51:ゲイン切換えアンプ(X1/X4/X8/X16AMP)
52:P−BDAC 53:P−PDAC
55:誤差アンプ
56:S/H積分器(S/HInteg.)
57:サンプルホールド回路(S/H)
58:差分器 59:etarefDAC
61:比較器(Comp) 62:カウンタ(Count)
63:FreqDAC 64:VCO
65:MUX
66:HFBDAC 67:バッファアンプ
70:バイアススケールDAC(BScaleDAC)
71:バイアスDAC(BiasDAC)
80a:PrDAC 80b:PeDAC
80c:PbDAC 80d:PclDAC
81a:PeDAC 81b:PtpDAC
81c:PmpDAC 81d:PlpDAC
I0,I0a〜I0d,I1,I1a〜I1d:電流
82,83,84:スイッチ
90:Pb+DAC 91:PbDAC
92:Pt+DAC 93:PtDAC
94,95:加算器 ILD:駆動電流
100:情報記録媒体 101:ピックアップ
102:光源(LD) 103:受光部
104:信号処理部 105:回転駆動部
106:コントローラ 110:PLL部
111:ランレングス検出部(RunLength Det.)
112:駆動波形生成情報保持部(Strategy Memory)
113:タイミング信号生成部 114:変調信号生成部
115:ステート信号生成部(STEN Gen.)
116:ステートコマンド生成部(STCmd Gen.)
117:サンプル信号生成部(Sample Timing Gen.)
118:制御部 120:M分周器(1/M)
121:位相比較器(PC) 122:ループフィルタ(Filter)
123:発振器(VCO) 124:N分周器(1/N)
125:M/N分周器 140:カウンタ(Counter)
141:遅延回路(Delay)
142:FIFO制御部(FIFO Ctrl)
143:FIFO 144:レジスタ(Reg)
150a〜150n:アドレス変換部(Addr Converter)
151a〜151n:セレクタ 152a〜152n:メモリ
154:レジスタアクセス制御部(Register Access Control)
160:タイミング制御部(Timing Ctrl)
161,162:タイミング演算部
163a〜163d:カウンタ(Counter)
164a〜164d:位相選択信号保持部(Reg)
165:タイミングパルス信号制御部
166a〜166d:クロックセレクタ
167a〜167d:フリップフロップ
170:STENタイミングパルス生成部
171:APCタイミングパルス生成部
180:エラー検出部 181:エラー処理部
182:第2エラー検出部
190:ステートコマンド生成部(STCmd Gen.)
191:コマンドデコーダ(CMD Decoder)
200:コマンドデコーダ
201,202,205:フリップフロップ
203:第一のデコーダ 204:第二のデコーダ
210:高周波重畳部 211:HFBDAC
212:1/4分周器 213:HFADAC
214,215:スイッチ 216:HFM制御部
217:分周器 218:FreqDAC
219:VCO 220,231:パルスカウンタ
221:電流加算部 222:電流駆動部
223:周波数制御部 230:1/M分周器
IoutSel:選択信号 PD1〜PD5:受光部
LD1,LD2:光源
301:光源駆動部 302:照射レベル設定部
303:変調部 304:変調信号生成部
305,310,315,342:加算部
306:電流駆動部 307:LD制御部
308,308a〜308c,313a,313b:電流源
309,309b,309c,314a,314b:スイッチ
311,340:高周波重畳部 312:重畳度設定部
316:FqDAC
317:ボルテージ・コントロールド・オシレータ(VCO)
318:HFM制御部 319,330:パルス計数部
320:制御部 321:コントローラ
322:重畳周波数制御部 331:分周器
332:カウンタ 333:分周器制御部
341:重畳周波数変調部 343:変動周波数設定部
344:周波数変動振幅設定部
Claims (8)
- 高周波信号を発生する高周波信号発生手段と、該高周波信号発生手段によって発生した高周波信号を光源の駆動電流に重畳する高周波信号重畳手段と、前記高周波信号発生手段によって発生した高周波信号の周波数を検出する周波数検出手段と、該周波数検出手段によって検出した周波数に基づいて前記高周波信号発生手段の発生する高周波信号が所定の周波数となるように制御する周波数制御手段とを備え、
前記周波数検出手段が、所定の周波数検出期間に発生するパルス数を計測することによって高周波信号の周波数を検出する手段であり、
前記周波数検出手段が周波数を検出するときには、前記周波数検出期間を示す信号を所定の信号線と共有化して伝送するようにしたことを特徴とする光源駆動装置。 - 請求項1記載の光源駆動装置を搭載したことを特徴とする光ピックアップ。
- 請求項1記載の光源駆動装置を搭載したことを特徴とする情報記録再生装置。
- 高周波信号を発生する高周波信号発生手段と、該高周波信号発生手段によって発生した高周波信号を光源の駆動電流に重畳する高周波信号重畳手段と、前記高周波信号発生手段によって発生した高周波信号又は該高周波信号を分周した信号を出力する高周波信号出力手段とを有する光源駆動手段と、前記高周波信号出力手段の出力信号の周波数を検出する周波数検出手段と、該周波数検出手段によって検出した周波数に基づいて前記高周波信号発生手段の発生する高周波信号が所定の周波数となるように制御する周波数制御手段とを備え、
前記周波数検出手段が周波数を検出するときには、前記高周波信号又は該高周波信号を分周した信号を所定の信号線と共有化して伝送するようにしたことを特徴とする情報記録再生装置。 - 高周波信号を発生する高周波信号発生手段と、該高周波信号発生手段によって発生した高周波信号を光源の駆動電流に重畳する高周波信号重畳手段と、前記高周波信号発生手段によって発生した高周波信号の周波数を検出する周波数検出手段と、該周波数検出手段によって検出した周波数に基づいて前記高周波信号発生手段の発生する高周波信号が所定の周波数となるように制御する周波数制御手段と、所定周波数のクロックを基準にしてデータ及びコマンドの通信を行う通信手段とを有し、前記周波数検出手段が、前記クロックに基づいて生成した所定の周波数検出期間に発生するパルス数を計測する
ことによって高周波信号の周波数を検出する手段であり、
前記通信手段が、アドレスとデータの順にシリアルに転送する手段であり、前記周波数検出期間が、前記アドレスが高周波信号の周波数の検出を指示するものであった時のデータ通信時間であることを特徴とする光源駆動装置。 - 高周波信号を発生する高周波信号発生手段と、該高周波信号発生手段によって発生した高周波信号を光源の駆動電流に重畳する高周波信号重畳手段と、前記高周波信号発生手段によって発生した高周波信号の周波数を検出する周波数検出手段と、該周波数検出手段によって検出した周波数に基づいて前記高周波信号発生手段の発生する高周波信号が所定の周波数となるように制御する周波数制御手段と、所定周波数のクロックを基準にしてデータ及びコマンドの通信を行う通信手段とを有し、前記周波数検出手段が、前記クロックに基づいて生成した所定の周波数検出期間に発生するパルス数を計測することによって高周波信号の周波数を検出する手段であり、
前記通信手段が、アドレスとデータの順にシリアルに転送する手段であり、前記周波数検出期間が、前記アドレス及びデータ通信時間であることを特徴とする光源駆動装置。 - 高周波信号を発生する高周波信号発生手段と、該高周波信号発生手段によって発生した高周波信号を光源の駆動電流に重畳する高周波信号重畳手段と、前記高周波信号を分周する分周手段と、該分周手段によって分周した高周波信号の周波数を検出する周波数検出手段と、該周波数検出手段によって検出した周波数に基づいて前記高周波信号発生手段の発生する高周波信号が所定の周波数となるように制御する周波数制御手段と、所定周波数のクロックを基準にデータ及びコマンドの通信を行う通信手段と、前記クロックに基づいて生成した所定の周波数検出期間に発生するパルス数を計測するパルス計数手段とを有し、前記分周手段が、前記周波数検出期間の開始に基づいて初期化し、終了時に分周動作を停止する手段であり、前記周波数検出手段が、前記パルス計数手段によって計測したパルス数と前記分周手段の停止時の分周器の値とによって高周波信号の周波数を検出する手段であることを特徴とする光源駆動装置。
- 請求項5乃至7のいずれか一項に記載の光源駆動装置において、複数回の前記周波数検出期間に計数した累積パルス数によって高周波信号の周波数を検出するようにしたことを特徴とする光源駆動装置。
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