JP2010262708A - 情報記録再生装置及びレーザ駆動装置 - Google Patents

情報記録再生装置及びレーザ駆動装置 Download PDF

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Abstract

【課題】信号間スキューに起因する、信号間スキュー調整時の予期しないレーザパワーの出力を抑制可能な情報記録再生装置を提供する。
【解決手段】
本発明の情報記録再生装置1は、情報記録媒体100に対してレーザ光LBの照射を行うことでデータの記録または再生を行う情報記録再生装置1であって、レーザ光LBの照射を行う照射手段31と、レーザ光LBの照射のためのレーザパワーを指定するための複数の信号を入力する信号入力手段20と、複数の信号に基づき、照射手段が照射するレーザパワーを指定する出力制御手段40と、所定の調整タイミングにおいて、複数の信号間のスキューの調整を行うスキュー調整手段40とを備え、出力制御手段40は、調整タイミングと調整タイミング以外のタイミングとで、複数の信号と、レーザパワーとの対応関係を変更する。
【選択図】図4

Description

本発明は、光ディスクなどの情報記録媒体に対しレーザ光を照射することで情報の記録を行う情報記録再生装置であって、レーザ光の出力を変動させつつ照射を行うよう制御する情報記録再生装置、及び情報記録再生装置に備えられるレーザ駆動装置の技術分野に属する。
光ディスクなどの情報記録媒体への情報の記録時には、情報記録装置に備えられるレーザダイオードより光ディスクの記録面へレーザ光の照射が行われる。これによって、記録面上に記録マーク及び記録ピットが形成され、情報が記録される。このとき、レーザダイオード(LD:Laser Diode)は、記録マーク及び記録ピットを形成するレーザ光の出力のために必要な電流の供給を受ける。LDの出力を制御するレーザダイオードドライバ(LDD:Laser Diode Driver)は、LDに供給される電流の量及び電流量の変化のタイミングを調整することで、LDから出力されるレーザ光のパワーの出力を制御する。LDの制御により、複数の出力レーザパワーが適宜変化するよう構成されるレーザ光の出力のパターンは、ライトストラテジとして知られている。
このようなライトストラテジを実現するためには、高速且つ連続的に変化するパルス化されたレーザ光の波形及びパワーを制御することが必要であり、従来、様々な手法が用いられている。
例えば、レーザダイオードに対し、複数通りのパワーのレーザ光を照射させるための電流を供給する複数の電流源を備え、その電流源にそれぞれ対応する入力信号により電流源からの電流の供給を直接切り替えることでレーザダイオードへの供給電流を変化させ、レーザダイオードのレーザ光のパワーを変化させる、所謂コンベンショナル型と呼ばれる手法がある。
また、特許文献1には、複数の入力信号を組み合わせてコードを入力し、該コードに対応するレーザダイオードのレーザパワーを変更する構成が開示されている。
特開平11−219524号公報
ところで、情報の記録を行うにあたっては、複雑なライトストラテジに基づくLDの制御を実施するために、LDDに対し、デジタル信号処理回路(DSP:Digital Signal Processor)から、レーザ光制御のための信号が入力される。一般的に、LDDとDSPとの間には、上述のように複数通りのレーザパワーを表現する複数の信号入力のために、複数の伝送ラインが設けられている。
ところで、ライトストラテジに基づくレーザパワーの変化を実現するために、DSPからLDDへの伝送される各信号間のスキューの調整には高い精度が要求される。タイミング調整の精度が低くなると、信号変化のタイミングのズレにより意図しない信号が入力され、場合によっては予期しないレーザパワーの出力がLDDに指示されることとなる。例えば、通常用いられない高レーザパワーの出力が指示される場合、過度の電流がLDに供給されることとなり、結果的にLDの劣化などを招く虞がある。
また、出力側のDSPにおいてスキュー調整を行った上で信号の伝送を行ったとしても、温度変化や、電源電圧の変動、伝送ラインの配線長の差異や形状変化などによって、受信側のLDDに入力される信号にタイミングのズレが生じるという技術的な問題もある。このような技術的な問題に鑑み、情報記録中に、記録動作を中断して信号間スキューの調整を実施する構成が存在するものの、記録時間の短縮化の観点から、効率的であるとは言えない。
本発明は、例えば上述した従来の問題点に鑑みなされたものであり、情報の記録動作中に、レーザパワー変更のための複数の信号のスキュー調整を実施することで、適切なタイミング管理に基づくライトストラテジを実現可能とするレーザ駆動装置、レーザ駆動方法、信号処理回路及び情報記録装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の情報記録再生装置は、情報記録媒体に対してレーザ光の照射を行うことでデータの記録または再生を行う情報記録再生装置であって、前記レーザ光の照射を行う照射手段と、前記レーザ光の照射のためのレーザパワーを指定するための複数の信号を入力する信号入力手段と、前記複数の信号に基づき、前記照射手段が照射するレーザパワーを指定する出力制御手段と、所定の調整タイミングにおいて、前記複数の信号間のスキューの調整を行うスキュー調整手段とを備え、前記出力制御手段は、前記調整タイミングと前記調整タイミング以外のタイミングとで、前記複数の信号と、前記レーザパワーとの対応関係を変更する。
上記課題を解決するために、本発明のレーザ駆動装置は、情報記録媒体に対してレーザ光の照射を行うことでデータの記録または再生を行う、照射手段を備える情報記録再生装置を駆動させるレーザ駆動装置であって、前記レーザ光の照射のためのレーザパワーを指定するための複数の信号を入力する信号入力手段と、前記複数の信号に基づき、前記照射手段が照射するレーザパワーを指定する出力制御手段と、所定の調整タイミングにおいて、前記複数の信号間のスキューの調整を行うスキュー調整手段とを備え、前記出力制御手段は、前記調整タイミングと前記調整タイミング以外のタイミングとで、前記複数の信号と、前記レーザパワーとの対応関係を変更する。
本発明の作用及び他の利得は次に説明する実施の形態から明らかにされよう。
LDドライバへの入力信号と、出力されるレーザパワーとの関係を示す概略図である。 入力信号間スキューによる予期しないレーザパワーの出力を示す概略図である。 入力信号の変化タイミングに予めマージンを設けた際のレーザパワーの出力を示す概略図である。 本発明の実施例に係る情報記録再生装置の概略的な構成を示すブロック図である。 本発明の実施例に係る信号間スキューの調整の態様を概念的に示す図である。 本発明の実施例に係る信号間スキューの調整の態様を概念的に示す図である。 本発明の変形例に係る情報記録再生装置の概略的な構成を示すブロック図である。 本発明の実施例に係る信号間スキューの調整の態様を概念的に示す図である。 本発明の実施例に係る信号間スキューの調整の態様を概念的に示す図である。
本発明の情報記録再生装置に係る実施形態は、情報記録媒体に対してレーザ光の照射を行うことでデータの記録または再生を行う情報記録再生装置であって、前記レーザ光の照射を行う照射手段と、前記レーザ光の照射のためのレーザパワーを指定するための複数の信号を入力する信号入力手段と、前記複数の信号に基づき、前記照射手段が照射するレーザパワーを指定する出力制御手段と、所定の調整タイミングにおいて、前記複数の信号間のスキューの調整を行うスキュー調整手段とを備え、前記出力制御手段は、前記調整タイミングと前記調整タイミング以外のタイミングとで、前記複数の信号と、前記レーザパワーとの対応関係を変更する。
本発明の情報記録再生装置に係る実施形態によれば、信号入力手段により入力される信号に基づいて、出力制御手段により、照射手段が照射するレーザ光のレーザパワーが制御される。
この実施形態における入力手段は、例えば、ライトストラテジを実現するために、LDに対しレーザパワーを指定するための信号を入力する、デジタル信号処理装置などである。入力手段は、ストラテジを生成、または入力を受け、該ストラテジを実現するための信号を出力制御手段に対し入力する。
出力制御手段は、所謂LDDとしての機能を有しており、信号入力手段からの信号を受け、照射手段が照射するレーザ光のレーザパワーを指定する。このとき、照射制御手段は、複数の信号の夫々により個別に指定されるレーザパワーを適宜加算して最終的なレーザパワーを決定する方式(つまり、所謂コンベンショナル方式)や、複数の信号を組み合わせたコードの入力を受けることで、該コードに指定されうレーザパワーを決定する方式(つまり、所謂コード伝送方式)や、その他なんらかの方式によって、出力されるレーザパワーを決定する。
照射手段は、必要な電流の供給を受け、典型的には、出力制御手段により指定されたレーザパワーのレーザ光を照射する構成であって、例えば公知のLDであって良い。
本実施形態の情報記録再生装置は特に、スキュー調整手段を備えて構成されている。このスキュー調整手段によれば、所定のタイミングにおいて上述した入力手段から出力制御手段に入力される複数の信号間のスキューが調整される。
本実施形態の出力制御手段を含め、一般的なLDDでは、入力信号の変化がLDD内部の素子によって遅延された後に、LDへの供給電流の変化として現れ、この電流変化に従ってレーザパワーが変化することで記録波形(つまり、上述したライトストラテジ)を実現している。このため、出力制御手段に入力される複数の入力信号間にわずかなタイミングのずれ(つまり、信号間スキュー)が生じると、照射手段により照射されるレーザ光のレーザパワーの変化にもそのままズレが生じることとなる。
例えば、同一のタイミングで変化すべき複数の信号のうち、信号間スキューによって各信号の変化のタイミングにずれが生じて出力制御手段に入力される場合、ライトストラテジにおいて予期しないレーザパワーを指定する信号が入力される可能性がある。
このような信号間スキューによって、本来供給されるべき電流値とは異なる電流がLDに供給されることがある。このため、データの記録にあたって、記録波形と異なるレーザパワーでの照射が行われる可能性があり、正確なデータの記録に悪影響を及ぼす可能性がある。このため、後の再生が不可能なデータの記録や、書き換え可能な情報記録媒体に対し、後の書き換えに影響を及ぼす記録を行ってしまう可能性がある。
また、特に、上述したコンベンショナル方式のLDDにおいては、各信号によって指定される夫々の電流値が加算されて出力されることから、過電流によりLD自体に損傷が生じる可能性もある。
従って、正確なデータの記録を実施するために、これらの影響を排除する、所謂スキュー調整動作が必要となる。
一般的に、このようなスキューは多くの場合、DSPやLDD内部の温度変化による遅延回路の遅延時間の変化、信号系路上にある可動部の姿勢変化による伝達特性の変化などにより生じることが知られている。従って、入力手段においてスキューのズレを調整した信号の入力を行った場合であっても、伝送経路中でスキューが生じる可能性があり、対応としては十分とは言えない。
尚、一連のデータの記録動作において、記録動作に伴うLDD内部の温度変化や、光ピックアップの位置が移動することで可動部の姿勢変化が生じることなどを考慮すると、上述したスキューの調整動作は、少なくとも記録開始時に行われるべきであり、データの記録中も随時実施されることが好ましい。
また、特にCAVのように、データの記録中にビットレートが変わる(言い換えれば、1Tの時間が変化する)ような状況において、一のビットレートで信号間スキューを合わせるために1Tを細分化した内部タイミングを使用して信号に時間変化を与えている場合には、その補正量が変化してしまうため、データの記録中であっても改めてスキューを調整する必要がある。
しかしながら、スキュー調整動作には、LDDに対して信号の入力が行われる為、このような信号により照射手段が本来照射すべきでない(つまり、ライトストラテジに基づかない)レーザパワーでのレーザ光の照射を行ってしまう可能性がある。このため、従来型のLDDにおいては、データの記録中に信号間スキューが検出される場合、記録動作を中断してスキュー調整を実施していた。しかしながら、このような態様は、記録時間の短縮が求められるという観点からは、好ましくない。
そこで、本実施形態の出力制御手段は、スキュー調整手段によるスキューの調整動作が実施される期間(つまり、スキュー調整タイミング)と、該調整動作が実施されていない期間とで、入力される複数の信号と指定するレーザパワーとの対応関係を変更するよう構成されている。
このような対抗関係の変化として、例えば、スキュー調整タイミングにおいては、複数の信号のうち、所定の信号のみに基づいて照射手段に供給される電流の変化及びそのタイミングを指定することなどが挙げられる。また、出力制御手段に入力される信号に基づくことなく、所定のレーザパワーが出力されるよう、照射手段に電流が供給されるよう構成されていても良い。このような対応関係の変化については、後に詳述する。
以上、説明したように、本実施形態の出力制御手段によれば、スキュー調整を実施するタイミングにおいて、入力信号と出力電流の関係を通常の記録時(つまり、スキュー調整タイミング以外のタイミング)における関係とは変更される。このとき、対応関係の変更は、好適には、上述したような予期しない信号入力に起因する予期しないレーザパワーの出力を抑制するものである。このため、スキューの調整タイミングにおいて、LDや記録データへの悪影響を好適に抑制することが可能となる。
本発明の情報記録再生装置に係る実施形態の一の態様は、前記出力制御手段は、前記調整タイミングにおいて、前記複数の信号に基づく前記照射手段が照射するレーザパワーを前記調整タイミング以外のタイミングのものとは異なる前記レーザパワーに変更する。
この態様によれば、出力制御手段は、スキュー調整タイミングにおいて、入力された信号に基づくレーザパワーとして、スキュー調整タイミング以外のタイミングとは異なるものを指定する。
一般的に、スキュー調整動作は、スキューが生じていることを検出した上で実施されるものであるため、スキュー調整中には、入力される信号間にスキューが生じていることが多い。このため、この状態で通常通り出力されるレーザパワーを指定する場合、予期しないレーザパワーが指定される可能性がある。このような予期しないレーザパワーの指定によれば、例えばLDに過電流の供給が行われる場合があり、記録データやLD自体に悪影響を及ぼす可能性がある。
他方、本実施形態の出力制御手段によれば、スキュー調整タイミングにおいて、通常の記録時とは異なった入力信号と出力レーザパワー(言い換えれば、LDへの供給電流)の関係を用いるため、過電流の供給などの不具合を防止することが出来る。
また、本実施形態の出力制御手段によれば、実際に照射手段への電流の供給が行われるため、出力制御手段内部の温度上昇や、温度勾配によるスキューの発生を、実際のレーザ光の照射時とより近づけた状態でスキュー調整を行うことが出来る。この点から、入力手段のみを動作させてスキュー調整を実施する場合と比較して、より高精度のスキュー調整を実施することが可能となる。
本発明の情報記録再生装置に係る実施形態の他の態様は、前記出力制御手段は、前記調整タイミングにおいて、前記複数の信号のうち、データの記録のためのレーザパワーを指定する場合より少ない信号に基づき、前記照射手段が照射するレーザパワーを指定する。
この態様によれば、出力制御手段は、スキュー調整タイミングにおいては、入力される複数の信号のうち、通常の記録動作(つまり、スキュー調整タイミング以外のタイミング)において用いられる信号数よりも少ない信号数に基づいて、出力されるレーザパワーを指定する。具体的には、例えば、3組の信号線によって入力信号が伝送される形式の出力制御手段において、1組の信号線に基づいてレーザパワー及びその出力タイミングでレーザパワーの指定が行われ、残りの2組の信号線については、実質的に無視される。
一般的に、スキュー調整動作中にLDDに入力される信号は、情報記録媒体へのデータの記録に適していない場合が多い。このときの入力信号は、例えば、一の信号と他の信号の立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジが同タイミングに調整されるなど、信号間スキューの調整動作に適した構成に設定されていることが多い。このため、実際のデータの記録中に、同時にスキュー調整を実施することは技術的に困難となる。
しかしながら、上述したようなLDDの周囲温度など、信号間スキューに影響を与えるパラメータはデータの記録中にも変化するため、データの記録動作中にスキューの調整を実施出来ることが好ましい。
一方、一連のデータの記録において、例えば後述するBlu Ray Disk(BD)におけるAPCエリアや、CDのプリアンブル部などのように、必ずしも正確な記録波形での記録が必要とされない部分も存在する。例えば、CDのプリアンブル部では、データの再生時にサーボ破綻が生じない程度のRF信号が検出されていれば良く、複数の信号を用いた通常のライトストラテジではなく、所謂モノパルスのような単一の信号によって表現し得る比較的簡単な記録波形によるデータの記録が行われていてもそれほど問題にはならない。
そこで、この態様の出力制御手段によれば、スキュー調整期間においては、複数の入力信号のうち、例えば、一の信号をモノパルス型の記録波形を示す信号として出力レーザパワーに対応させ、記録波形は、該一の信号のみを参照して出力されるように設定される。そして、他の入力信号については、該信号により指定されるレーザパワーを無視するとともに、上述の一の信号に対してスキューを調整する動作を実施する。勿論、一つ以上の信号を記録波形を示す信号として扱っても良く、好適には複数の信号のうち、記録波形への影響を無視する信号について、スキュー調整が実施される。
このような構成によれば、記録品質に多少の劣化が生じるものの、実用上問題ない記録波形によるデータの記録を行いつつ、同時にスキュー調整を実施することが可能となる。尚、後に詳述するように、記録品質に多少の劣化が生じても再生に問題のない部位において上述のスキュー調整動作を実施することで、より好適に本態様の効果を享受することが可能となる。
本発明の情報記録再生装置に係る実施形態の他の態様は、前記情報記録媒体は、Blu−Ray DISK(BD)であり、前記スキュー調整手段は、前記情報記録媒体に設けられるAPC(Auto Power Control)エリアにおいて、前記複数の信号間のスキューの調整を行う。
一般的に、ブルーレイディスク(以下、BDと記載する)などに代表される比較的高密度でのデータの記録が可能な情報記録媒体においては、記録領域が複数の情報記録単位(RUB)に分割され、管理されている。このような情報記録単位の一部にAPCエリアと呼ばれる記録領域がある。例えばBDでは、一つのRUBは、ランイン(Run−in)エリアと、物理クラスタ(Physical Cluster)と、ランアウト(Run−out)エリアから構成されている。また、このようなRUBの先頭であって、より具体的にはランインエリアの先頭にAPCエリアが設けられている。
この態様によれば、情報記録媒体へのデータの記録中、該情報記録媒体に設けられるAPCエリアにおいて、上述の信号間スキューの調整が実施される。このため、情報記録媒体のユーザデータエリアへの不要なデータの記録を回避し、且つ記録動作を停止することなく、信号間スキューの調整が可能となる。
APCエリアは、一般的なBD規格においてごく狭い領域でしかなく、そのため、一のAPCエリアを利用するのみでは、信号間スキューの調整が完了しない場合がある。
一方、APCエリアは各情報記録単位の先頭部に設けられていることから、データの記録中など情報記録媒体の回転によっては周期的または断続的に現れることになる。このようなAPCエリアの性質を利用して、本実施形態のレーザ駆動装置のこの態様は、複数のAPCエリアを用いて信号間スキューの調整を行っても良い。このように構成すれば、記録動作中に、より好適に信号間スキューの調整が可能となる。
また、APCエリアが情報記録媒体の全体にわたって周期的または断続的に現れることから、信号伝送ラインの温度変化や可動部の位置変化に伴う信号間スキューのみならず、例えばCAV(Constant Angular Velocity)記録形式などのように、記録クロックが変化することに起因するスキューの補正値を変更することも可能である。
また、通常、情報記録中に、信号間スキューの調整が必要とされる頻度は、記録中にAPCエリアが現れる頻度と比較して十分小さいため、一部のAPCエリアを公知のパワー制御に用いつつ、一部のAPCエリアにおいてスキュー調整を実施する構成であっても良い。
尚、この態様での信号間スキュー調整が行われるスキュー調整期間は、当該レーザ駆動装置を備える情報記録装置における信号処理部から、情報記録媒体におけるAPCエリアの位置を示す信号の入力を受けることにより、比較的容易に指定することが出来る。
以上、説明したように情報記録媒体に設けられるAPCエリアにおいて本実施形態の各種態様に係る信号間スキューの調整動作が実施されることで、ユーザデータエリアへの不要なデータの記録を行わず、且つ記録時間の延長を伴わない好適なタイミング調整が実現される。
本発明の情報記録再生装置に係る実施形態の他の態様は、前記スキュー調整手段は、前記情報記録媒体に設けられる記録単位の開始点近傍のエリアにおいて、前記複数の信号間のスキューの調整を行う。
一般的なデータの記録動作においては、記録は所定の単位毎に行われる。この時、例えばDVDであれば、記録開始点はECC境界ではないため、記録開始点では常にECCエラーが発生し、訂正が行われる。また、記録単位の境界部分では、再生時にRF振幅のアシンメトリやレベルのズレが生じやすいため、この点からも記録単位の境界部分のデータでは、訂正が行われることが多い。
このため、逆に考えれば、記録開始点から数ピット程度ならば、本来記録されるべきピット長から多少ずれたとしても、実際の再生動作に大きな影響が現れることはないと言える。
また、CDの場合、データの記録開始点は、プリアンブル部であるため、RF信号が途切れさえしない限り、記録される内容はあまり重要ではない。また、DVDと同様に、記録中断などが発生する場合の、データのつなぎ目付近において訂正が生じやすい。
尚、一般的に、記録再生装置における光ピックアップ周辺の温度が大きく変化した場合、一旦記録を中断し、各種サーボの調整などを行った後、記録を再開する処理が実施される。このため、一回の記録動作において、記録開始点が複数回生じることが考えられ、これはスキュー調整が必要とされる頻度を考えると有利である。つまり、この態様によれば、単に記録動作の開始時にスキュー調整が実施されるだけでなく、光ピックアップ周辺での温度変化などに応じても、スキュー調整動作が実施される。従って、信号間のタイミングにズレが生じる一要因となる回路内部での温度変化に対し、好適に対応してスキュー調整を実施することが出来る。
本発明の情報記録再生装置に係る実施形態の他の態様は、前記データはシンクマークを含み、前記スキュー調整手段は、前記シンクマークの記録中に、前記複数の信号間のスキューの調整を行う。
一般的に、RF信号などの再生データ信号には、所定のデータ単位毎に、エンコードブロックの境界などを示すための、所定のパターン(例えば、シンクマーク)が含まれている。このようなシンクマークは、該シンクマークのデータが一部正確に記録されない場合であっても、充分補完可能な頻度で現れる。従って、一部のシンクマーク記録タイミングにおいてスキュー調整を実施した場合、本来記録されるべき(つまり、シンクマークデータ)とは異なるデータの書き込みが行われる可能性があるものの、データの再生時には十分な補完機能が動作するため、多くの場合問題とならない。これにより、データの記録を中断することなくスキュー調整が実施可能となる。
また、所定のデータ単位毎にシンクマークデータが含まれるため、データの記録中に周期的にシンクマークの記録タイミングが現れることになる。このため、一のシンクマーク記録タイミングから、次のシンクマーク記録タイミングまでのタイミングの推測が比較的容易となり、この点からもスキュー調整動作の実施に有利である。
本発明の情報記録再生装置に係る実施形態の他の態様は、前記スキュー調整手段は、前記データの記録動作に先立つ再生動作中に、前記複数の信号間のスキューの調整を行う。
一般的に、データの記録時には、実際のデータ書き込みに先だって、光ピックアップのトレースの安定を図るための再生期間が設けられる。この期間では、実際のデータの書き込みに用いられるレーザパワーが出力される必要はなく、データの再生時に用いられるレーザパワー(所謂、リードパワー)が照射されていれば良いとされている。
従って、このような再生期間において、出力されるレーザパワーを予めリードパワーに設定し、出力制御手段により指定されるレーザパワーを反映しないよう構成することで、実際に出力されるレーザパワーに影響を及ぼすことなく、スキュー調整動作を実施出来る。
このように構成することで、情報記録媒体に記録されるデータに影響を及ぼすことなく、且つスキュー調整のために余分に期間を設定する必要なく、好適なスキュー調整を実施することが可能となる。
本発明の情報記録再生装置に係る実施形態の他の態様は、前記スキュー調整手段に対し、スキューの調整動作を行うタイミングを指定する伝送線を更に備える。
この態様のスキュー調整手段は、スキュー調整タイミングを指定する信号を伝送する専用の伝送線を備え、該伝送線を介した信号の入力をトリガとして、スキュー調整動作の開始及び終了を実施する。
上述したように、本実施形態のスキュー調整動作においては、出力制御手段における入力信号と指定されるレーザパワーとの対応関係を変更する必要がある。このような対応関係の変更は、例えば、出力制御手段に備えられる内部レジスタを切り替えることなどによって実施可能である。しかしながら、スキュー調整動作をデータの記録中に実施する場合には特に、記録信号と同期した高速の動作が必要とされ、内部レジスタの切り替えに要される時間を考慮すると必ずしも効率的とは言えない。他方で、このように専用の伝送線によってスキュー調整タイミングの指定を行うことで、係る高速動作を好適に実現することが出来る。
具体的には、この伝送線による入力される信号がオンである場合を、スキュー調整タイミングであるように設定し、この期間中は、入力信号と指定レーザパワーとの対応関係を信号がオフである場合とは異なるものとするよう構成することで、実施される。上述したように、スキュー調整タイミング指定のための信号がオンである場合、典型的には入力信号の変化を出力されるレーザパワーに反映させないこと、または複数の入力信号の一部のみに基づいて指定する(言い換えれば、他の一部の信号を無視する)よう設定する。
このような構成によれば、比較的簡単な構成で、スキュー調整タイミングにおける高速な動作を実現することが可能となる。
本発明の情報記録再生装置に係る実施形態の他の態様は、前記出力制御手段は、前記複数の信号の夫々に個別に対応するレーザパワーを、前記照射手段が照射するレーザパワーに指定する。
この態様の出力制御手段は、入力手段からの複数の信号の入力を受け、夫々の信号によって独自に指定される複数の電流源からの供給電流を制御することで、出力されるレーザパワーを指定する、所謂コンベンショナル形式のLDDとしての機能を有する。この態様では、各信号の夫々が個別の電流源に対応しており、信号のオンオフに応じて、各信号からの照射手段への供給電流のオンオフが制御される。
このため、上述した信号間スキューによっては、本来同時にオンにならないはずの複数の信号が同時にオンとなってしまう可能性があり、複数の電流源から同時に照射手段に電流が供給されることで、過電流によりLDの破損や、記録データの悪化の虞がある。
従来のLDにおいては、このような信号間スキューを考慮して、複数の電流源が予期せず同時に電流を供給することのないように、信号間の変化タイミングにマージンを設ける対策がとられていた。このようなLDにおいては、一のレーザパワーから他のレーザパワーへの遷移を実施する際に、信号間のマージンのため、例えば一旦リードパワーを経由するような記録波形を用いる必要があった。このようなマージンは、信号間スキューによる影響を排除するために、比較的長く設定される必要があった。このため、比較的低い倍速でのデータ記録においては、記録時間に影響を与え難いものの、高倍速での記録時にはライトストラテジにおけるマージンの占める比率が無視出来なくなり、記録時間の遅延などの影響を及ぼす。
一方で、従来のコンベンショナル形式のLDにおいて、入力信号間のスキュー調整を行う場合、複数の入力信号を同時に変化させてスキュー測定する必要があるが、このとき、上述のようなマージンが確保されない。このため、複数の信号が同時にオンになるという可能性は残ってしまい、過電流の供給が生じるという技術的な問題を完全に解消することが出来ない。
そこで、本実施形態に係る出力制御手段によれば、スキュー調整期間中に複数の入力信号が重なった場合でも、指定される入力信号のみによってレーザパワーが変更されることから、コンベンショナル方式の信号伝送であっても、過電流などの事態を好適に避けることが出来る。
本発明の情報記録再生装置に係る実施形態の他の態様は、前記出力制御手段は、前記複数の信号のうち2つ以上の信号を組み合わせたコードに基づき、前記照射手段が照射するレーザパワーを指定する。
この態様によれば、出力制御手段は、複数の入力信号の組み合わせにより表現されるコードに基づき、照射手段が照射するレーザパワーを指定する。言い換えれば、この態様における信号入力手段は、複数の信号を、夫々の信号値を組み合わせたコードとして出力制御手段に入力する。
このように構成することで、より少ない信号伝送ラインの本数で、より多くのレーザパワーを表現し得るコードの伝送が可能となる。例えば、3本の伝送ラインを備える場合、夫々の信号のオン、オフにより、8値のコードを表現することが出来る。
このため、情報記録再生装置の構成において、表現可能なレーザパワーの状態数を減少させることなく、伝送ラインの数を減少させられるという利点を有する。また、伝送ラインの数が減少出来るため、信号間スキューの調整において、調整されるべき伝送ラインの数が減少するという点でも有益である。
また、上述のように出力制御手段が複数の信号の組み合わせによりレーザパワーを指定する態様においては、前記スキュー調整手段は、前記コードが特定のコードである場合、前記複数の信号間のスキューの調整を開始するよう構成されていても良い。
具体的には、レーザパワーを指定するためのコードの入力において、該コードが、予め規定される特定コードである場合、上述したスキュー調整動作が開始される。言い換えれば、特定コードの入力をトリガとして、スキュー調整動作が開始される。このため、スキュー調整タイミングを指定する信号の伝送ラインを新たに設ける必要がなく、コード入力によりレーザパワーの指定を行う態様の利点である、信号の伝送ラインを減少出来るという利点をより顕著に享受することが可能となる。
一般的に、コード伝送方式によってレーザパワーを指定するLDDを備える情報記録再生装置においては、情報の記録に用いられるライトストラテジを表現するために、全てのコードが必ずしも必要とされない。即ち、伝送ラインにより表現し得るコードの数よりも少ない数のレーザパワーによってライトストラテジの表現が可能であるため、レーザパワーに対応していない未使用のコードが存在することがある。特に、信号間スキューが問題となり易い比較的高倍速での記録に用いられるライトストラテジには、このような未使用のコードが存在することが一般的である。
そこで、このような未使用のコードが入力された場合、以降をスキュー調整用の期間であると認識するよう構成することで、スキュー調整の開始を指示するための信号線を増加することなく、スキュー調整モードへの移行が可能となる。
尚、仮に未使用コードが存在しないライトストラテジや、複数のストラテジを用いる記録工程において、ストラテジ毎に未使用コードが異なっている場合などが考えられる。このようなストラテジに対しては、スキュー調整を開始するための特定コードを適宜選択可能であるよう構成することが好ましい。
また、このように特定コードの入力をトリガとしてスキューの調整期間の開始を指示する構成においては、同様に特定コードの入力によりスキューの調整期間の終了が指示されても良い。また、スキュー開始後、所定の回数のコードの入力をトリガとしてスキューの調整期間の終了の指示としても良い。
他方、上述のように出力制御手段が複数の信号の組み合わせによりレーザパワーを指定する態様においては、前記スキュー調整手段は、前記コードの遷移が特定の遷移である場合、前記複数の信号間のスキューの調整を開始するよう構成されていても良い。
具体的には、レーザパワーを指定するためのコードの入力において、一のコードから次のコードへの各信号の状態の遷移が、予め規定される特定のコード間の遷移である場合、上述したスキュー調整動作が開始される。言い換えれば、特定コード間の遷移をトリガとして、スキュー調整動作が開始される。このため、上述した特定コードの入力をトリガとする構成と同様に、スキュー調整タイミングを指定する信号の伝送ラインを新たに設ける必要がなく、信号の伝送ラインを減少出来るという利点をより顕著に享受することが可能となる。
尚、このようにコード伝送方式を採用する態様においては、特定コードの入力と、特定コード間の遷移との両方を併用してスキュー調整期間の指示を行っても良い。例えば、特定コードの入力によってスキューの調整期間の開始を指示するとともに、特定のコード間の遷移をトリガとしてスキューの調整期間の終了を指示する構成であっても良い。
このとき、例えば一の特定のコード間の遷移をトリガとして、入力信号1と入力信号2との間でのスキュー調整を行うと共に、入力信号3に基づくレーザパワーの指定を行うなどというように、特定の遷移に対して特定の信号間のスキュー調整が実施されるよう設定されていても良い。このように設定することで、例えばライトストラテジの実現にあまり影響しない信号間でのスキュー調整を行いつつ、他の信号によってライトストラテジに基づくレーザパワーの指定を行うことも可能となる。このことは、上述したようにデータの記録動作中にスキュー調整を行う際に有益である。
本発明のレーザ駆動装置に係る実施形態は、情報記録媒体に対してレーザ光の照射を行うことでデータの記録または再生を行う、照射手段を備える情報記録再生装置を駆動させるレーザ駆動装置であって、前記レーザ光の照射のためのレーザパワーを指定するための複数の信号を入力する信号入力手段と、前記複数の信号に基づき、前記照射手段が照射するレーザパワーを指定する出力制御手段と、所定の調整タイミングにおいて、前記複数の信号間のスキューの調整を行うスキュー調整手段とを備え、前記出力制御手段は、前記調整タイミングと前記調整タイミング以外のタイミングとで、前記複数の信号と、前記レーザパワーとの対応関係を変更する。
本発明のレーザ駆動装置に係る実施形態は、上述のスキュー調整に係る各種態様を採用し得る、典型的にはLDDであるレーザ駆動装置である。従って、上述した情報再生装置と同様にスキュー調整動作に係る各種利点を享受することが出来る。
以上説明したように、本発明の情報記録再生装置に係る実施形態は、照射手段と、信号入力手段と、出力制御手段と、スキュー調整手段とを備える。本実施形態に係るレーザ駆動装置は、照射手段と、信号入力手段と、出力制御手段と、スキュー調整手段とを備える。
従って、スキュー調整動作中に予期しないレーザパワーが出力されることで記録データやLDに悪影響を及ぼすことを好適に防止し、適切なスキュー調整動作を実施することが出来る。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
(1)はじめに
先ず、図1を参照して、ライトストラテジに基づくレーザパワー指定のための入力信号と、該入力信号に基づくレーザパワーとの関係について説明する。ここに図1は、3本の信号線により独自に入力される3つの信号S1、信号S2及び信号S3と、該3つの信号により指定される出力レーザパワーとを示す図である。具体的には、後述するように情報記録再生装置に設けられる光ピックアップのレーザダイオードドライバ(LDD)に入力される信号S1、信号S2及び信号S3により、レーザダイオード(LD)に供給される電流量が制御されることで、LDより信号S1、信号S2及び信号S3に基づく出力レーザパワーでのレーザ光の照射が実施される。尚、図1の例では、所謂コンベンショナル方式のLDDにおける入力信号と出力レーザパワーとの関係が示されている。つまり、信号S1、信号S2及び信号S3の夫々が、電流源I1,I2,I3の夫々と対応しており、各信号の信号値に応じて、対応する各電流源からの電流の供給が実施される構成である。
例えば、図1において、信号S1がオンとなるタイミングにおいて、電流源I1が供給され、該電流源I1からの供給電流に対応したレーザパワー(便宜上、図中ではI1と記載する。I2及びI3についても同様)が出力される。また、信号S1がオフに切り替わるととも、信号S2がオンに切り替わるタイミングでは、電流源I1からの電流の供給が途切れるとともに、電流源I2からの電流の供給が行われる。このようにLDに供給される電流量を制御することで、出力されるレーザパワーを変化し、ライトストラテジのための記録波形を表現している。
しかしながら、このような信号の切り替わりタイミングにおいて、信号間に時間的なズレ(即ち、信号間スキュー)が存在する場合、正しい記録波形が出力されない場合がある。図2を参照して、このような信号間スキューに起因する、予期しない(つまり、ライトストラテジに基づかない)レーザパワーの出力の態様について説明する。
図2においては、信号S1、信号S2及び信号S3の信号間スキューにより、夫々のオン期間またはオフ期間の一部がオーバーラップしている例が示される。このようなオーバーラップ期間では、同時に複数の電流源からの電流供給が指定されることや、全ての電流源からの電流の供給が停止されることが起こり得る。
例えば、信号間スキューにより信号S1及び信号S2がともにオンとなるオーバーラップ期間においては、コンベンショナル方式のLDDによれば、電流源I1及び電流源I2の夫々から電流の供給を受け、夫々の合計(つまりI1+I2)に対応するレーザパワーが出力される。このため、予期しない高出力でのレーザ光の照射が行われ、記録データの品質が劣化する虞がある。また、このように複数の電流源から同時に電流が供給される事態を想定していないLDが用いられる場合、過電流によりLD性能に劣化が生じる可能性もある。他方、信号S2及び信号S3がともにオフとなる期間では、LDに電流の供給が行われず、記録されるデータに予期しない欠落(例えば、再生用のリードパワーが出力されピットの一部が形成されないなど)が生じることとなる。
このため、このような信号間スキューによる複数信号間のオーバーラップを抑制することが必要とされる。例えば、図3の例では、予め各信号の変化のタイミングに時間的なマージンを設定することで、このような信号間スキューに基づく予期しない出力レーザパワーの変化を抑制している。
このような例によれば、一の信号がオフに切り替わる際、同時に次の信号がオンに切り替わることなく、全ての信号がオフとなるマージンが設定されている。このときのマージンは、好適には、信号間スキューに起因する各信号のエッジの時間的なズレに対して充分に長く設定されている。
しかしながら、記録倍速とは無関係に所定のマージンが常に設けられている必要があるため、記録倍速が上昇するにつれて、記録波形におけるマージンの占める比率が大きくなってしまい、ライトストラテジに影響を与えてしまう。
(2)基本構成例
続いて、図4を参照して、本発明の実施例に係る情報記録再生装置1の基本的な構成について説明するとともに、該情報記録再生装置1の基本的な動作について説明する。ここに、図4は、本実施例における情報記録再生装置1の構成を概念的に表すブロック図である。
図4に示すように、情報記録再生装置1は、光ディスク100がローディングされ、データの記録及び再生が行われるスピンドルモータ10、サーボドライバ11、信号処理回路(DSP)20、及び光ピックアップ30の各部より構成される所謂ディスクドライブ部と、該ディスクドライブ部の各部の動作の制御を行うホストコンピュータ50を備えて構成されている。
スピンドルモータ10は、記録時及び再生時など、光ディスク100へのアクセス時に動作する、光ディスク100を回転及び停止させる構成である。より詳細には、スピンドルモータ10は、サーボドライバ11によりスピンドルサーボを受け、所定速度で光ディスク100を回転及び停止させるように構成されている。
DSP20は、ホストコンピュータ50の制御を受けながらサーボドライバ11及び光ピックアップ30の夫々の動作を制御することで、光ディスク100に対してデータの記録を行うとともに、光ディスク100に記録されるデータの再生を行う。このため、DSP20は、再生信号検出部21、サーボ信号生成部22、デコーダ23、ホストインターフェース(I/F)24、コントローラ25、記録データエンコーダ26、ストラテジ生成部27、スキュー調整タイミング生成部28及びレーザパワー設定部29の各部を備える。
再生信号検出部21は、典型的にはヘッドアンプなどによって構成されている。再生信号検出部21は、光ピックアップ30内に設けられたフォトディテクタ(PD)32の出力信号(即ち、レーザ光の反射光を示す信号であって、読取信号)を増幅し、該増幅した信号を出力する。サーボ信号生成部22は、この出力信号に基づき、サーボドライバ11の駆動のためのサーボ信号を生成し、該生成した信号を出力する。このように、サーボドライバ11の動作が制御される。他方で、出力された読取信号は、デコーダ23においてデコードされ、ホストI/F24を介してホストコンピュータ50へと出力される。
また、ホストI/F24は、ホストコンピュータ50からの光ディスク100に係る情報や記録データなどの入力を受け、コントローラ25から出力されるデータの記録及び再生に係る制御信号に基づき、記録データエンコーダ26へと出力する。
記録データエンコーダ26は、入力された記録データなどの情報をエンコードし、該エンコードされたデータをストラテジ生成部27へと出力する。
ストラテジ生成部27は、エンコードされた記録データと、スキュー調整タイミング生成部28により生成され、入力されるスキュー調整タイミングを指定する信号とに基づき、光ピックアップ30内に設けられるLDD40に対して、ライトストラテジに基づき記録を行うための記録信号を出力する。尚、図4の例においては、該記録信号は、3本の信号線により伝送されるパルス状の信号である。
レーザパワー設定部29は、コントローラ25を介して、光ディスク100に好適なデータの記録を実現するための複数通りのレーザパワーと該レーザパワーの出力のために必要な供給電流量とを設定し、設定された供給電流量を示すデータを後述するLDD40内に設けられる出力電流源44へと出力する。
光ピックアップ30は、LD31、PD32、LDD40その他図示しないコリメータレンズや対物レンズなどを備えて構成される。
LDD40は、複数の出力電流源41、スキュー調整用出力変更部42、スキュー検出部43、遅延回路44、スイッチ回路45及び加算回路46の各部を備えて構成される。尚、図4に示されるLDD40は、所謂コンベンショナル方式のレーザダイオードドライバである。DSP40は、DSP20より入力される記録信号に基づいて選択された出力電流源41よりLD31に対して実際に電流の供給が行われることで、LD31を所定のレーザパワー、タイミング、パルス幅での照射を行わせる構成である。
具体的には、遅延回路44に入力され、タイミング調整された記録信号がスイッチ回路45へと出力されることで、出力電流源41からLD31へと供給される電流が制御される。
スイッチ回路45は、記録信号に基づく出力電流源41より供給される電流を加算回路へと渡し、該渡された各電流が加算回路46において加算され、LD31へと供給される。
このとき、記録信号の入力を受けたスキュー検出部43において、記録信号に基づくライトストラテジにおけるスキュー調整タイミングが検出され、該スキュー調整タイミングを示す信号がスキュー調整出力変更部42及び遅延回路44へと出力される。
このスキュー調整タイミングにおいては、スキュー調整タイミング生成部28より入力される記録信号に基づき、遅延回路44において、入力される記録信号のスキュー調整が行われる。このスキュー調整の動作によれば、典型的には複数の信号線によって伝送される記録信号の夫々の間の信号間スキューを調整することが出来る。
一方、スキュー調整用出力変更部42は、スキュー調整タイミングにおいて、記録信号に基づく供給電流の態様を変更するよう、出力電流源41及びスイッチ回路45に対して指示する。具体的には、複数の出力電流源41の夫々は、通常の記録中においては、レーザパワー設定部29によって指定される所定の供給電流の夫々をスイッチ回路45に供給する一方で、スキュー調整タイミングにおいては、スキュー調整用出力変更部42によって指定される記録中とは異なる供給電流の夫々を供給する。また、スイッチ回路45は、通常の記録中においては、記録信号の夫々によって指示される出力電流源41からの供給電流を加算回路46に渡すようスイッチの切り替えを行う一方で、スキュー調整タイミングにおいては、記録中とは異なる態様で記録信号に基づくスイッチの切り替えを行う。このため、本実施例の情報記録再生装置1によれば、同一の記録信号がLDD40に入力される場合であっても、通常の記録中と、スキュー調整タイミングとでは照射されるレーザ光のレーザパワー及び該レーザパワーの変化のタイミングが異なる場合がある。このようなスキュー調整タイミングにおける各部の動作については後に詳述する。
LD31は、記録信号に基づき供給される電流に応じてレーザパワーを適宜変更させながら、光ディスク100に対してレーザ光LBを照射する。このため、光ディスク100の記録面上に、データに応じたデータパターンが形成される。
ホストコンピュータ50は、夫々不図示のCPU、メモリ、入出力制御手段などを備えて構成される。ホストコンピュータ50は、例えばメモリ内に格納されるソフトウェアやファームウェアに基づき、光ディスク100に対するデータの記録を行うよう、記録データの出力や、指示を行うことで、ディスクドライブ部全体の制御を行う。
情報記録再生装置1の一具体例は、例えば、公知のパーソナルコンピュータやワークステーションなどであるホストコンピュータ50の制御のもと、データの記録を行うディスクドライブである。また、別の具体例では、映像を記録するレコーダ機器等の家庭用機器である。このレコーダ機器は、その内部にディスクドライブ部とそれをコントロールするコントロール部を備えており、このコントロール部が図4のホストコンピュータに相当する。
以上、説明したように図4に示される情報記録再生装置1の動作によれば、光ディスク100に対してデータの記録、及び光ディスク100に記録されるデータの再生が行われる。尚、データの記録に際しては、LD31より照射されるレーザ光のレーザパワーが適宜変更されることで、記録データを好適に記録するためのライトストラテジが実現される。このとき、LDD40において、ライトストラテジを実現するための複数の記録信号間のスキュー調整が行われる。
(3)スキュー調整動作例
続いて、上述した本実施例の情報記録再生装置1における記録信号間のスキューの調整動作について図5及び図6を参照して説明する。ここに、図5は、本実施例における情報記録再生装置1において、データの記録時に用いられる記録信号のうちの二本の信号(即ち、信号S1及び信号S2)について、DSP20より出力される場合と、LDD40に入力される場合との間での態様を概略的に示す模式図である。
本実施例の情報記録再生装置1におけるスキュー調整動作においては、図5に示されるように、同一のタイミングで信号S1及び信号S2の双方に変化が生じるよう、LDD40内の遅延回路44によってタイミングの調整が行われる。このとき、先ず、該信号間スキューを補正するタイミングにおいて、出力された記録信号は、LDD40における、典型的にはスキュー検出部43などの信号受信部において受信され、各信号の変化のタイミングが検出される。
図5の例においては、信号S1と比較してより大きな遅延が信号S2の伝送経路上で発生しており、LDD40側で入力を受けた際に、信号S1の立ち下がりタイミングと信号S2の立ち上がりタイミングとの間にタイミングのズレ(即ち、信号間スキュー)が生じている。
このような信号間スキューを調整するために、図5の調整例1においては、遅延回路44は、スキュー検出部43にて検出されたタイミングに係るデータに基づき、受信した信号間の変化のタイミングのズレを補正するように信号S2の変化のタイミングの補正が行われている。より具体的には、遅延回路44は、信号S1の変化のタイミングを、信号S2に対してタイミングのズレと等しい分だけ後にずらすよう遅延量を設定する。このような一連の動作によって、LDD40内部で信号S1及び信号S2の夫々が同一のタイミングで変化するように調整される。
また、他の例として、図5の調整例2には、DSP20側において各信号の遅延時間のズレに応じた出力タイミングの調整が行われる例が示されている。このような例においては、ストラテジ生成部27は、スキュー検出部43にて検出されたタイミングに係るデータに基づき、信号S2の変化のタイミングを、信号S1の変化のタイミングのズレと等しい分だけ前にずらして出力するよう記録信号の補正を行う。このような動作によって、変化のタイミングが調整された記録信号が生成されて、該記録信号がDSP20へと出力される。このため、DSP20からLDD40に入力された信号S1及び信号S2の夫々は、同一のタイミングで変化するようにそのタイミングが調整されることになる。尚、このようなスキュー調整のために生成される記録信号は、ライトストラテジと無関係の構成であって良い。
尚、スキュー調整期間における記録信号は、好適には信号間スキューの確認が容易に行えるよう、例えば、スキュー調整が行われる信号の夫々が同一のタイミングで変化するよう構成される。
また、図5では、信号S1及び信号S2の2本の伝送経路の信号について、信号S2を基準とするスキュー調整動作を行う例を示したが、例えば、同時に二本以上の信号についてスキューの調整が行われることがあっても良い。
出力された記録信号は、LDD40における、典型的にはスキュー検出部43などの信号受信部において受信され、各信号の変化のタイミングが検出される。このとき、受信した信号間の変化のタイミングにズレ(即ち、信号間スキュー)が検出される場合、該信号間スキューを補正するタイミングに係るデータをDSP20のストラテジ生成部27に対し出力する。図5の例においては、信号S1と比較してより大きな遅延が信号S2の伝送経路上で発生しており、LDD40側で入力を受けた際に、信号S1の立ち下がりタイミングと信号S2の立ち上がりタイミングとの間にタイミングのズレが生じている。
このような信号間スキューに対して、ストラテジ生成部27は、入力されたスキューを補正するためのタイミングに係るデータに基づき、信号S2の変化のタイミングの補正を行う。例えば、図5の例においては、ストラテジ生成部27は、信号S2の変化のタイミングを、信号S1に対してタイミングのズレと等しい分だけ前にずらす。
ところで、このようなスキュー調整動作の最中には、上述したように、本来のライトストラテジとは異なる記録信号が出力される。従って、スイッチ回路45に入力される記録信号が実際の記録に用いられる記録信号とは異なる構成である可能性がある。このため、このような記録信号に応じた供給電流によれば、LD31から照射されるレーザ光のレーザパワーもまた、実際の記録に用いられるレーザパワーとは異なる場合がある。
このため、例えば、データの記録中にこのようなスキュー調整動作が実施される場合、ライトストラテジとは異なるレーザパワーでのレーザ光の照射が行われる場合があり、適切なデータの記録が行えない場合がある。また、スキュー調整動作中に、図5に示すように信号間スキューが存在する場合、このようなスキューに起因して予期しない記録信号が入力される虞がある。例えば、図5の記録信号の例においては、信号S1と信号S2の双方がオンとなるタイミングが存在しないよう、信号の夫々が設定されているが、LDD40側に入力される記録信号は、信号間スキューによって、信号S1と信号S2とがともにオンとなるタイミングが発生している。このとき、このような記録信号に従うなら、信号S1及び信号S2の夫々に応じた電流が加算回路46において加算され、LD31へと供給される。このとき、加算された電流の供給量が通常の記録における電流の供給量を超えている場合には、誤ったデータが記録されることがあり、また過電流の供給を受けたLD31が損傷する可能性もある。
このような事態を考慮して、本実施例の情報記録再生装置1によれば、スキュー調整用出力変更部42の動作によって、スキュー調整タイミングでのスイッチ回路45における記録信号に基づく供給電流の態様が変更される。図6は、このようなスキュー調整タイミングにおける記録信号(つまり、信号S1、信号S2及び信号S3)と、これらの記録信号に基づきLD31より照射されるレーザ光のレーザパワーの波形を示す模式図である。
コンベンショナル型の情報記録再生装置によれば、通常の記録時には、図1に示される通り、信号S1、信号S2及び信号S3の夫々に基づくレーザパワーが照射されるよう、スイッチ回路45の態様が制御されている。このような情報記録再生装置で、上述したように夫々の信号の変化のタイミングを同期させて出力させてスキューの調整を実施する場合、照射されるレーザパワーは、図6の点線部に示されるよう、夫々の信号に基づくものとなる。具体的には、信号S1、信号S2及び信号S3の夫々がオフのタイミングにおいては、いずれの信号に対応する電流の供給も行われないため、レーザパワーは、比較的低い基準のレーザパワー(例えば、一般的にストラテジパターンにおいてクーリング期間と呼ばれる期間中に照射されるレーザパワーなど)に設定される。他方、信号S1、信号S2及び信号S3の夫々がオンとなるタイミングにおいては、夫々の信号に対応する電流がスイッチ回路45の動作により同時に加算回路46に供給され、比較的高いレーザパワーでの照射が実施されることとなる。
他方で、本実施例のコンベンショナル型の情報記録再生装置1によれば、このようなスキュー調整中には、入力される記録信号と、出力されるレーザパワーとの対応関係が変更される。一具体例である図6の実線部では、信号S1、信号S2及び信号S3の夫々に対応したレーザパワーの代わりに、特定のレーザパワーが出力されるよう構成されている。
この特定のレーザパワーは、例えば、スキュー調整が行われる複数の信号の中で、より少ない信号に基づくものであって良い。例えば、図6の例の場合では、信号S3がオンとなる場合であっても、該信号S3と対応する電流の供給を行わず、信号S1、または信号S1及び信号S2の夫々と対応する電流の供給が行われるよう設定される。このため、スキュー調整タイミングにおいて、信号S1、信号S2及び信号S3の全てが同時にオンとなる場合であっても、夫々の信号により指定される電流源からの供給電流を加算した比較的大きい電流量がLD31に供給されることを防ぐことが出来る。
また、特定レーザパワーとして、記録信号に基づかない、所定のレーザパワーが出力されるよう構成されていても良い。例えば、スキュー調整タイミング中に出力されるレーザパワーを、実際のライトストラテジに基づくものに設定することで、データの記録中であっても好適にスキュー調整動作を実施することが出来る。具体的には、スキュー調整タイミング中では、記録データのスペース部に対応するリードパワーでの照射が行われるよう設定することで、データの記録中に、このようなスペース部を用いてスキュー調整動作を実施することが出来るようになる。
このような情報記録再生装置1の動作によれば、コンベンショナル方式を採用するLDD40において、スキュー調整タイミングにおける予期しないレーザパワーが出力されることを好適に抑制することが可能となる。
(4)変形例
次に、図7を参照して、本実施例の情報記録再生装置の変形例の構成について説明する。上述した情報記録再生装置1が、入力される記録信号に対して、それぞれ対応する電流源からの電流をLD31に供給する、所謂コンベンショナル型のLDD40を備えていることに対し、図7に示される情報記録再生装置2は、入力される複数の記録信号の夫々の信号値を組み合わせてコードとして用い、該コードにより指定されるレーザパワーが選択されて、相当する電流がLDに供給される、コード伝送方式のLDD80を備える。
このようなLDD80によれば、記録信号の入力を受けたレーザパワー選択部81によって、該記録信号に基づくコードがデコードされ、コードにより指定されるレーザパワーが選択され、不図示の電流源より電流がDAコンバータ85及びVIコンバータ86を介してLD31に供給される。その他、特に記載しない点においては、図4に示される情報記録再生装置1、または公知のコード伝送方式を採用するLDDを備える情報記録再生装置と同様であって良い。
尚、LDD80においては、3本の伝送経路を介して入力される記録信号の夫々の信号値を、例えばグレイコードに対応させてデコードすることでレーザパワーの指定を行っている。また、その他グレイコードとは異なるコード伝送方式を用いる構成であっても良い。
この態様の情報記録再生装置2においては、特に入力されるコードが所定の条件を満たす場合をトリガとして、上述したようなスキュー調整動作が実施される。具体的には、コード変化検出部84において特定のコード、または特定のコード間の遷移が入力されたことをトリガとして、レーザパワー選択部81、スキュー調整部82及びスキュー検出部83の夫々へとスキュー調整タイミングを指定する信号を出力する。
このようなスキュー調整タイミングを指定する信号が入力されている間、レーザパワー調整部では、記録信号と出力レーザパワーとの対応関係を通常の記録時とは変更し、この間、スキュー調整部82において入力される記録信号のスキュー調整動作が実施される。
(5)変形動作例
続いて、上述した本実施例の情報記録再生装置2における記録信号間のスキューの調整動作について図8及び図9を参照して説明する。図8及び図9は、上述した変形例の情報記録再生装置2のスキュー調整動作における記録信号による入力コードと、出力されるレーザパワーとの関係を示す概略図である。
図8に示される例では、特定のコードが入力されることをスキュー調整タイミングの開始のためのトリガとしている。図8に示される例では、グレイコードの方式で伝送される記録信号に基づき、出力レーザパワーが適宜設定されている。ここで、典型的には、通常のデータ記録のためには用いられないコードである「4」が入力されることで、スキュー調整タイミングの開始が指定される。このようなスキュー調整タイミングにおいては、スキュー調整用に設定される記録信号がLDD80に入力される。例えば、図8の例では、特定コード「4」の入力の次の信号の変化のタイミングで、信号S1、信号S2及び信号S3の夫々が同時に変化するようタイミング調整された記録信号が入力される。
ところで、一般的にグレイコードでは、隣接するコード間での遷移においては、一つの信号値の変化のみが生じるように構成されているため、信号間スキューが生じていても、複数の信号が同時に変化することで予期しないコードとしてデコードされることはない。しかしながら、このようにスキュー調整用に設定された記録信号では、複数の信号の変化のタイミングが同一となるよう調整されるため、このとき信号S1、信号S2及び信号S3の夫々の間に信号間スキューが存在する場合、3つの信号より表現されるグレイコードの8値のコードの全てが現れる可能性がある。つまり、各信号の立ち上がりエッジまたは立ち下がりエッジに時間的なズレが生じることで、同時に変化しない場合、短い時間間隔ではあるものの、予期しないコードが現れる可能性がある。このため、このときの記録信号に従って出力されるレーザパワーを選択する場合、予期しないレーザパワーによって記録データや光ディスク100、またはLD31に悪影響を及ぼす可能性がある。
そこで、コード変化検出部84よりスキュー調整タイミングを指示する信号の入力を受けたレーザパワー選択部81は、スキュー調整タイミング中の記録信号を、例えばコード「1」と同じ値であるよう出力レーザパワーを選択する。このため、信号間のスキューにより、予期せぬコードが現れることを好適に抑制することが出来る。
尚、このようなスキュー調整タイミングを終了させるためのトリガとして、例えば、特定の伝送経路における信号の変化(例えば、図8における信号S2の立ち上がりエッジ)などが用いられる。
一方、図9に示される例では、特定のコード間の遷移をトリガとして、スキュー調整タイミングの開始が指定される。このような特定コード間の遷移とは、典型的には、通常の記録時には出現しないコード間の遷移が設定されており、例えば図9の例ではコード「6」から「5」への遷移である。そして、この特定コード間の遷移をトリガとして、以降の期間がスキュー調整タイミングとして指定される。
この例では、スキュー調整タイミングにおいて、各信号の立ち下がりタイミングと立ち上がりタイミングの夫々が同時に設定される記録信号が入力され、夫々の信号間スキューが調整される。また、このとき、スキュー調整タイミングにおける記録信号の入力に対しては、通常時の対応するレーザパワーの代わりに、コード「0」に対応するレーザパワー(例えば、イレースパワー)が選択されて出力される。
このため、スキュー調整タイミングにおける夫々に信号の変化のタイミングにおいて、信号間スキューに起因する予期しないレーザパワーの出力を好適に防止し、スキューの調整を行うことが可能となる。尚、図9の例では、特定信号間の遷移の後、2度目の信号S2の立ち下がりタイミングをトリガとして、スキュー調整タイミングの終了が指定されるよう設定されている。
以上、説明したように、情報記録再生装置2の動作によれば、コード伝送方式を採用するLDD80を用いている場合でも、好適に上述したようなスキュー調整動作を実施することが可能となる。また、スキュー調整タイミング中に出力されるレーザパワーを、実際のライトストラテジに基づくものに設定することで、データの記録中であっても好適にスキュー調整動作を実施することが出来る。具体的には、スキュー調整タイミング中には、記録信号のコードに依らず、リードパワーに対応するレーザパワーが出力されるよう予め設定しておくことで、記録データのスペース部(つまり、イレースパワーでの照射が行われる部位)において好適なスキュー調整動作を実施することが出来るようになる。
また、図8及び図9に示されるように、入力されるコードが特定の条件を満たす場合をトリガとしてスキュー調整タイミングの開始を指定するよう構成することで、スキュー調整タイミングの指定のための専用の信号伝送経路を設けることなく、比較的簡単な構成で上述の効果を得ることが出来る。
(6)追加構成
スキュー調整タイミング生成部28,68は、ホストコンピュータ50より入力される光ディスク100に係る情報、またはPD32において取得される光ディスク100の読取信号などに基づき、光ディスク100へのデータの記録における、特定のタイミング(言い換えれば、データ記録中の光ディスク100における特定の部位)でスキュー調整を行うよう、上述したようなスキュー調整タイミングを指定するよう構成されていても良い。
例えば、一般的なBD規格に準拠する光ディスクにおいては、データが記録されるRUBの先頭にAPCエリアが設けられている。このようなAPCエリアに対しては、何らかのデータが記録されていても、記録されていなくても後のデータの再生には影響を及ぼし難いことが知られている。そこで、このようなAPCエリアにおいて、上述の信号間スキューの調整を実施することで、光ディスク100に記録されるデータの記録品質を損なうことなく、データの記録動作を停止する必要のない信号間スキューの調整が可能となる。
また、DVDであれば、データの記録時に用いられる所定の記録単位の記録開始点は、データの論理的な集合を示すECCブロックの境界ではないため、このような記録開始点では、データの再生時に常にECCエラーが発生し、エラー訂正が行われることが一般的である。このため、このような記録単位の記録開始点から、例えば数ピット分のエラー訂正が行われる区間においては、本来記録されるデータの記録品質に劣化が生じている場合でも、実際の再生動作に大きな影響が現れることはあまりない。また、CDの場合、データの記録開始点は、プリアンブル部であるため、RF信号が途切れさえしない限り、記録される内容はあまり重要ではない。
そこで、このような記録単位の記録開始点の近傍において、上述の信号間スキューの調整を実施することで、光ディスク100に記録されるデータの記録品質への影響をより低減させた上で、データの記録動作を停止する必要のない信号間スキューの調整が可能となる。
その他、所謂シンクマーク部分に記録されるデータは、一部が欠損していたとしても光ディスクの記録領域に充分多く存在することから、補間が可能であるよう構成されている。このような部分も、スキュー調整タイミングを行う特定の部位として採用することが可能となる。
また、データの記録動作における実際のデータの書き込みの前に実施される光ピックアップのトレース調整用の再生期間においても、スキュー調整動作が実施可能となる。このとき、出力されるレーザパワーが記録信号に関わらず、リードパワーに設定されていることが好ましい。
以上、説明したように、このような正確なデータの記録が厳密には要求されない部位を選択してスキュー調整動作を実施することで、データの記録品質の劣化をより低減させた上で、データの記録動作と同時にスキューの調整を実施することが出来るようになる。
本発明は、上述した実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う情報記録再生装置及びレーザ駆動装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
1,2…情報記録装置、
10…スピンドルモータ、
20,60…信号処理回路(DSP)、
30,70…光ピックアップ、
31…レーザダイオード(LD)、
40,80…LDドライバ(LDD)、
50…ホストコンピュータ、
100…光ディスク

Claims (13)

  1. 情報記録媒体に対してレーザ光の照射を行うことでデータの記録または再生を行う情報記録再生装置であって、
    前記レーザ光の照射を行う照射手段と、
    前記レーザ光の照射のためのレーザパワーを指定するための複数の信号を入力する信号入力手段と、
    前記複数の信号に基づき、前記照射手段が照射するレーザパワーを指定する出力制御手段と、
    所定の調整タイミングにおいて、前記複数の信号間のスキューの調整を行うスキュー調整手段と
    を備え、
    前記出力制御手段は、前記調整タイミングと前記調整タイミング以外のタイミングとで、前記複数の信号と、前記レーザパワーとの対応関係を変更することを特徴とする情報記録再生装置。
  2. 前記出力制御手段は、前記調整タイミングにおいて、前記複数の信号に基づく前記照射手段が照射するレーザパワーを前記調整タイミング以外のタイミングのものとは異なる前記レーザパワーに変更することを特徴とする請求項1に記載の情報記録再生装置。
  3. 前記出力制御手段は、前記調整タイミングにおいて、前記複数の信号のうち、データの記録のためのレーザパワーを指定する場合より少ない信号に基づき、前記照射手段が照射するレーザパワーを指定することを特徴とする請求項1または2に記載の情報記録再生装置。
  4. 前記情報記録媒体は、Blu−Ray DISK(BD)であり、
    前記スキュー調整手段は、前記情報記録媒体に設けられるAPC(Auto Power Control)エリアにおいて、前記複数の信号間のスキューの調整を行うことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の情報記録再生装置。
  5. 前記スキュー調整手段は、前記情報記録媒体に設けられる記録単位の開始点近傍のエリアにおいて、前記複数の信号間のスキューの調整を行うことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の情報記録再生装置。
  6. 前記データはシンクマークを含み、
    前記スキュー調整手段は、前記シンクマークの記録中に、前記複数の信号間のスキューの調整を行うことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の情報記録再生装置。
  7. 前記スキュー調整手段は、前記データの記録動作に先立つ再生動作中に、前記複数の信号間のスキューの調整を行うことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の情報記録再生装置。
  8. 前記スキュー調整手段に対し、スキューの調整動作を行うタイミングを指定する伝送線を更に備えることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の情報記録再生装置。
  9. 前記出力制御手段は、前記複数の信号の夫々に個別に対応するレーザパワーを、前記照射手段が照射するレーザパワーに指定することを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の情報記録再生装置。
  10. 前記出力制御手段は、前記複数の信号のうち2つ以上の信号を組み合わせたコードに基づき、前記照射手段が照射するレーザパワーを指定することを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の情報記録再生装置。
  11. 前記スキュー調整手段は、前記コードが特定のコードである場合、前記複数の信号間のスキューの調整を開始することを特徴とする請求項10に記載の情報記録再生装置。
  12. 前記スキュー調整手段は、前記コードの遷移が特定の遷移である場合、前記複数の信号間のスキューの調整を開始することを特徴とする請求項10または11に記載の情報記録再生装置。
  13. 情報記録媒体に対してレーザ光の照射を行うことでデータの記録または再生を行う、照射手段を備える情報記録再生装置を駆動させるレーザ駆動装置であって、
    前記レーザ光の照射のためのレーザパワーを指定するための複数の信号を入力する信号入力手段と、
    前記複数の信号に基づき、前記照射手段が照射するレーザパワーを指定する出力制御手段と、
    所定の調整タイミングにおいて、前記複数の信号間のスキューの調整を行うスキュー調整手段と
    を備え、
    前記出力制御手段は、前記調整タイミングと前記調整タイミング以外のタイミングとで、前記複数の信号と、前記レーザパワーとの対応関係を変更することを特徴とするレーザ駆動装置。
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