JP2004005301A - ディジタル計装システム - Google Patents
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Abstract
【課題】従来のワンループコントローラでは、制御対象をパルス駆動するのに、電空ポジショナや電電ポジショナ等を必要とする。
【解決手段】ワンループコントローラ21は、ソフトウェア構成またはハードウェア構成で、
SV値とPV値が入力されることで、MV値として増または減の各1点のパルスを出力する手段と、増と減のパルス出力の切り替え時間を制御する手段と、設定された演算周期毎に演算を行い、MV値として幅制御したパルスを出力する手段とを備える。
【選択図】 図1
【解決手段】ワンループコントローラ21は、ソフトウェア構成またはハードウェア構成で、
SV値とPV値が入力されることで、MV値として増または減の各1点のパルスを出力する手段と、増と減のパルス出力の切り替え時間を制御する手段と、設定された演算周期毎に演算を行い、MV値として幅制御したパルスを出力する手段とを備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディジタル計装システムに係り、特にワンループコントローラに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動制御系の構成を図9に示す。計装室に調節器1が設けられ、現場側には調節弁2が設けられ、調節弁2で流量制御される液体や気体の流量を検出器3で検出し、伝送器4を通して調節器1に検出流量(PV値)として伝送し、調節器1からは設定値SVにPV値を一致させるための操作信号(MV値)を調節弁2に伝送する。
【0003】
この自動制御系で調節器1がワンループコントローラ(シングルループコントローラとも言う)である。ワンループコントローラは検出端から得る制御信号(PV値)として、通常、4〜20mA,1〜5Vのアナログ信号が伝送される。また、ワンループコントローラは、制御量を設定値(SV値)に近づけるように、一定の演算周期でDDC(ダイレクト・ディジタル・コントロール)演算を実行し、演算結果を、操作信号(MV値)として出力する。MV値は通常、4〜20mA,1〜5Vなどのアナログ信号で伝送される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
図10にディジタル計装システムのプロセスインターフェースを示す。ディジタル化した監視操作部5と制御部6によってプロセス全体の監視制御を行うにおいて、プロセスインターフェースの入力部7では多数の検出器からの検出信号であるアナログ信号、パルス信号、ディジタル信号を監視信号として収集し、ディジタル化して監視操作部5や制御部6に入力する。
【0005】
プロセスインターフェースの出力部8では、監視操作部5や制御部6からの設定値SVが与えられることで、調節弁等を制御する多数のワンループコントローラを設け、設定値SVとPV値の入力により制御対象にMV値を出力する。
【0006】
ここで、プロセスインターフェースの出力部8は、その制御出力としてアナログ信号の他に、パルス信号、ディジタル信号に変換して出力する必要がある。しかし、現在、市場に出ている、ワンループコントローラの出力方式は、すべてアナログである。よって、開、閉指令で制御する調節弁を制御するには、調節弁側に電空ポジショナや電電ポジショナ等を設けている。
【0007】
図11は、パルス制御手段として電電ポジショナを使用した電子式コントロールバルブの例を示す。電電ポジショナ9はワンループコントローラから開度設定信号(アナログ値)が与えられ、ポテンショメータ10から電動調節弁11の開度検出値を取り込み、パルス出力を得て電動駆動部12をパルス駆動する。
【0008】
このように、ワンループコントローラがアナログ信号出力機能しかもたないため、制御対象をパルスやディジタル出力で制御するには、ワンループコントローラの出力変換手段としての電空ポジショナや電電ポジショナ等を必要とし、多くの制御対象を制御するディジタル計装システムでは、多数のポジショナを必要とし、設備のコストアップや大型化の問題があった。
【0009】
本発明の目的は、上記の課題を解決したディジタル計装システムを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記の課題を解決するため、ワンループコントローラに幅制御した制御量の増または減の各1点のパルス出力手段をもたせ、さらに増と減のパルス出力切り替え時間制御手段をもたせたもので、以下の構成を特徴とする。
【0011】
(1)制御対象から検出されるPV値を、制御対象に設定されるSV値に一致させるために制御対象を操作するMV値を出力するワンループコントローラを制御対象毎に備えたディジタル計装システムにおいて、
前記ワンループコントローラは、
前記SV値とPV値が入力されることで、前記MV値として増または減の各1点のパルスを出力する手段と、
前記増と減のパルス出力の切り替え時間を制御する手段と、
設定された演算周期毎に、前記MV値として幅制御したパルスを出力する手段とを備えたことを特徴とする。
【0012】
(2)前記パルス出力の幅制御は、設定される最小パルス幅以上のパルスを出力できる構成としたことを特徴とする。
【0013】
(3)前記パルス出力の切り替え時間制御は、前記MV値の演算結果が逆の増減方向になったときに現在出力中のパルスを即オフできる構成にしたことを特徴とする。
【0014】
(4)前記パルス出力の切り替え時間制御は、パルス出力の最小オフ時間を設定できる構成にしたことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明におけるワンループコントローラの基本構成図である。
【0016】
ワンループコントローラ21は、ソフトウェア構成またはハードウェア構成のディジタル演算回路を内蔵し、少なくともカウンタ演算手段とその制御手段を内蔵し、SV値とPV値が入力されることで、MV値として増または減の各1点のパルス出力機能、および増と減のパルス出力切り替え時間制御機能をもつ。
【0017】
また、ワンループコントローラ21は、設定された演算周期毎に演算を行い、出力結果(MV値)として幅制御したパルス出力機能をもつ。例えば、ワンループコントローラ21は、設定された最小幅のパルス出力を得る。この最小パルス幅は、制御する調節弁が制御量の増/減の指令を受けて動作出来る最小の時間であり、最小パルス幅未満のパルス幅出力を出しても、機械(弁)が応答出来なくなるのを防止する。
【0018】
この最小パルス幅の設定は、DDCモジュールの速度形PIDモジュールから設定できるようにして、最小パルス幅以上の出力を行うようにする。
【0019】
以上の機能構成されるワンループコントローラにより、ディジタル計装システムには従来の電電ポジショナ等を不要にし、パルス制御を必要とする制御対象22を直接に制御可能にすると共に、制御量のオーバシュート防止等を可能にする。以下にワンループコントローラのパルス出力方式の実施形態を説明する。
【0020】
(実施形態1)
本実施形態では、以下の機能構成とする。
【0021】
(1)1回の演算結果の出力が完了するまで、次の演算結果の出力を受け付けない(捨ててしまう)。例えば、1回目の演算で増方向3秒がカウンタ演算手段にセットされると、3秒の増パルスの出力がオフするまでに実行された演算結果は無視して捨ててしまう。
【0022】
(2)現在パルスを出力していない時のみ、カウンタ演算手段に演算結果をセットする。
【0023】
(3)この方式では、1回の演算結果が完了すると、必ず一旦パルス出力を復帰させる。
【0024】
(4)制御量の増側出力中に減側出力結果が出ても、受け付けない。
【0025】
本実施形態のタイムチャートを図2に示す。同図は、演算周期は500ms、最小パルス幅出力1秒に設定された場合を示し、図示のように、1回目の演算結果が2.2sの増パルスの出力が終了するまで、2〜5回目の演算結果は無視する。また、9回目のスキャンで演算結果が逆方向(減方向)になっているが、同様に現在出力中の増パルスが終了するまで無視する。
【0026】
本実施形態によれば、演算結果が増側や減側に変化するも、設定される最小パルス幅を確保したパルス出力を得ることができる。
【0027】
(実施形態2)
本実施形態が実施形態1と異なる部分は、演算結果が増側から減側、又は減側から増側に移行したときの出力切り替え制御機能を持たせた部分である。
【0028】
すなわち、実施形態1の方式では、増側のパルス出力中に減側の演算結果が出ても、増側のカウンタ演算手段にセットされたパルスの出力が終了するまで、減側に切り替わらない。本実施形態では、増側のパルス出力中に減側の演算結果が出たとき、即、増側のパルスの出力を停止する。
【0029】
また、減側のパルス出力が開始されるまでの時間をローダ(パソコン)からワンループコントローラ本体に設定できる機能を持つ。これにより、応答性が良くなり、制御の行き過ぎ(オーバシュート)の防止と、増側⇔減側に切り替わる時のマグネット、機械の保護を容易に取ることが出来る。
【0030】
本実施形態のタイムチャートを図3及び図4に示す。図3は、増側⇔減側の切り替え時間を0sに設定した場合であり、図4は切り替え時間を1.2sに設定した場合である。
【0031】
(実施形態3)
本実施形態では、以下の機能構成とする。
【0032】
(1)毎スキャン演算結果をパルス出力用のカウンタ演算手段にセットする。これにより、実施形態1、2よりもパルスが一旦オフする頻度を減らす。
【0033】
(2)演算結果が0の時は、演算結果をパルス出力用のカウンタ演算手段にセットしない。
【0034】
DDCモジュールの速度形PIDモジュールには、演算結果のMV値が最小パルス幅に満たない場合は演算周期毎に積算し、最小パルス幅になったのち出力する機能がある。このため、演算結果が0の時は、パルス出力用のカウンタ演算手段に0をセットしないことにより最小パルス幅のパルス出力を保証できる。
【0035】
(3)最小オフ時間をローダから設定可能とする。最小オフ時間とは、パルスがオフしてからオンするまでのオフ時間の最小値を保証する値である。これにより、マグネットや機械の保護を行う。設定範囲は、例えば0〜10sで0.1秒単位の設定を可能とする。
【0036】
(4)現在出力中のパルス(増側又は減側)の逆側の演算結果が出た場合、即、現在出力中のパルスをオフする。これにより、制御の行き過ぎ(オーバーシュート)を防止する。
【0037】
逆側の演算結果は、最小オフ時間設定=0の時は即出力され、0以外の時は最小オフ時間経過後の次スキャンの演算結果を出力する。
【0038】
本実施形態のタイムチャートを図5〜図8に示す。図5は、最小オフ時間を0sに設定した場合であり、9回目のスキャンで演算結果が増側から減側に切り替わった為、出力中の増側パルスを即オフする。最小オフ時間設定が0sなので即、減側パルスの出力を開始する。
【0039】
図6は、最小オフ時間を1.2sに設定した場合であり、4回目のスキャンで演算結果が増側から減側に切り替わった為、出力中の増側パルスを即オフする。最小オフ時間設定が1.2sなので1.2秒間は増/減パルスは両方ともオフとなる。1.2秒経過後、次スキャン(この例では7回目)の演算結果の出力を開始する。
【0040】
図7は、最小オフ時間を1.0sに設定した場合で、演算周期よりも短い演算結果が出力された場合の例である。この場合、パルスがオフしてから最小オフ時間経過後の次の演算結果を受け付けて出力をする。
【0041】
図8は、0ライト禁止の場合である。速度形PI調節モジュール(SPI)には最小パルス幅の設定がある。最小パルス幅は機械の応答速度で決ってくるが通常1s程度に設定することが多い。SPIはカレントMVが最小パルス幅に満たない場合は演算周期毎に積算し、最小パルス幅になった後、出力する機能を持つ。
【0042】
演算結果をカウンタに上書きしてしまうと、上記の機能が正常に動作しなくなる。例えば、タイムチャートの7回目のスキャンで、1秒以下の演算結果が積算され、1秒の減側パルスが出力されると、1秒がカウンタ演算手段にセットされてパルス出力を開始するが、500ms後の8回目スキャンの出力が0sとなった時、0を上書きすると、1sパルスは500ms出力したところでオフになってしまう。
【0043】
これを改善する為に、演算結果が0のときは上書きしない(0ライト禁止)で、演算結果が0以外のときは上書きする。
【0044】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明によれば、ワンループコントローラにパルス出力機能を持つことにより電電ポジショナ等が不要となる。
【0045】
また、実施形態2,3では、演算結果(MV値)が逆方向(増側から減側、減側から増側)に切り替わった時、即、現在出力中のパルスをオフする。これにより、制御の応答性が良くなり、オーバーシュートを防止出来る。
【0046】
また、実施形態3では、記述した方式により制御出力が頻繁にオン/オフしない。ワンループコントローラの出力は、一旦補助リレーやマグネットで受け、モータの開/閉を行うので、制御出力が頻繁にオン,オフすると、リレー、マグネットの耐久寿命の問題が出てくるが、実施形態3ではこれを改善出来る。
【0047】
また、実施形態3では、最小オフ時間の設定が出来る。電動弁の駆動部には、多くの場合インダクションモータが使用され、起動時には定格の1.5〜2倍もの電流が流れる。モータの温度は電流の2乗に比例して上昇することから頻繁に起動停止を繰り返すと温度が上がり、許容最高温度を超える場合もあり得る。また、リレーやマグネットがオフしてすぐオンすると、アークを切る間に、オンすることが起きて、リレーやマグネットにダメージを与える。このような問題を最小オフ時間を設定出来る構成とすることによって解消する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるワンループコントローラの基本構成図。
【図2】本発明の実施形態1を示すパルス出力タイムチャート。
【図3】本発明の実施形態2を示すパルス出力タイムチャート。
【図4】本発明の実施形態2を示すパルス出力タイムチャート。
【図5】本発明の実施形態3を示すパルス出力タイムチャート。
【図6】本発明の実施形態3を示すパルス出力タイムチャート。
【図7】本発明の実施形態3を示すパルス出力タイムチャート。
【図8】本発明の実施形態3を示すパルス出力タイムチャート。
【図9】自動制御系の構成図。
【図10】ディジタル計装システムのプロセスインターフェース。
【図11】電電ポジショナを使用した電子式コントロールバルブの例。
【符号の説明】
1…調節器
2…調節弁
3…検出器
4…伝送器
5…監視操作部
6…制御部
7…プロセスインターフェース(入力側)
8…プロセスインターフェース(出力側)
9…電電ポジジョナ
10…ポテンショメータ
11…調節弁
12…電動駆動部
21…ワンループコントローラ
22…調節弁
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディジタル計装システムに係り、特にワンループコントローラに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動制御系の構成を図9に示す。計装室に調節器1が設けられ、現場側には調節弁2が設けられ、調節弁2で流量制御される液体や気体の流量を検出器3で検出し、伝送器4を通して調節器1に検出流量(PV値)として伝送し、調節器1からは設定値SVにPV値を一致させるための操作信号(MV値)を調節弁2に伝送する。
【0003】
この自動制御系で調節器1がワンループコントローラ(シングルループコントローラとも言う)である。ワンループコントローラは検出端から得る制御信号(PV値)として、通常、4〜20mA,1〜5Vのアナログ信号が伝送される。また、ワンループコントローラは、制御量を設定値(SV値)に近づけるように、一定の演算周期でDDC(ダイレクト・ディジタル・コントロール)演算を実行し、演算結果を、操作信号(MV値)として出力する。MV値は通常、4〜20mA,1〜5Vなどのアナログ信号で伝送される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
図10にディジタル計装システムのプロセスインターフェースを示す。ディジタル化した監視操作部5と制御部6によってプロセス全体の監視制御を行うにおいて、プロセスインターフェースの入力部7では多数の検出器からの検出信号であるアナログ信号、パルス信号、ディジタル信号を監視信号として収集し、ディジタル化して監視操作部5や制御部6に入力する。
【0005】
プロセスインターフェースの出力部8では、監視操作部5や制御部6からの設定値SVが与えられることで、調節弁等を制御する多数のワンループコントローラを設け、設定値SVとPV値の入力により制御対象にMV値を出力する。
【0006】
ここで、プロセスインターフェースの出力部8は、その制御出力としてアナログ信号の他に、パルス信号、ディジタル信号に変換して出力する必要がある。しかし、現在、市場に出ている、ワンループコントローラの出力方式は、すべてアナログである。よって、開、閉指令で制御する調節弁を制御するには、調節弁側に電空ポジショナや電電ポジショナ等を設けている。
【0007】
図11は、パルス制御手段として電電ポジショナを使用した電子式コントロールバルブの例を示す。電電ポジショナ9はワンループコントローラから開度設定信号(アナログ値)が与えられ、ポテンショメータ10から電動調節弁11の開度検出値を取り込み、パルス出力を得て電動駆動部12をパルス駆動する。
【0008】
このように、ワンループコントローラがアナログ信号出力機能しかもたないため、制御対象をパルスやディジタル出力で制御するには、ワンループコントローラの出力変換手段としての電空ポジショナや電電ポジショナ等を必要とし、多くの制御対象を制御するディジタル計装システムでは、多数のポジショナを必要とし、設備のコストアップや大型化の問題があった。
【0009】
本発明の目的は、上記の課題を解決したディジタル計装システムを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記の課題を解決するため、ワンループコントローラに幅制御した制御量の増または減の各1点のパルス出力手段をもたせ、さらに増と減のパルス出力切り替え時間制御手段をもたせたもので、以下の構成を特徴とする。
【0011】
(1)制御対象から検出されるPV値を、制御対象に設定されるSV値に一致させるために制御対象を操作するMV値を出力するワンループコントローラを制御対象毎に備えたディジタル計装システムにおいて、
前記ワンループコントローラは、
前記SV値とPV値が入力されることで、前記MV値として増または減の各1点のパルスを出力する手段と、
前記増と減のパルス出力の切り替え時間を制御する手段と、
設定された演算周期毎に、前記MV値として幅制御したパルスを出力する手段とを備えたことを特徴とする。
【0012】
(2)前記パルス出力の幅制御は、設定される最小パルス幅以上のパルスを出力できる構成としたことを特徴とする。
【0013】
(3)前記パルス出力の切り替え時間制御は、前記MV値の演算結果が逆の増減方向になったときに現在出力中のパルスを即オフできる構成にしたことを特徴とする。
【0014】
(4)前記パルス出力の切り替え時間制御は、パルス出力の最小オフ時間を設定できる構成にしたことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明におけるワンループコントローラの基本構成図である。
【0016】
ワンループコントローラ21は、ソフトウェア構成またはハードウェア構成のディジタル演算回路を内蔵し、少なくともカウンタ演算手段とその制御手段を内蔵し、SV値とPV値が入力されることで、MV値として増または減の各1点のパルス出力機能、および増と減のパルス出力切り替え時間制御機能をもつ。
【0017】
また、ワンループコントローラ21は、設定された演算周期毎に演算を行い、出力結果(MV値)として幅制御したパルス出力機能をもつ。例えば、ワンループコントローラ21は、設定された最小幅のパルス出力を得る。この最小パルス幅は、制御する調節弁が制御量の増/減の指令を受けて動作出来る最小の時間であり、最小パルス幅未満のパルス幅出力を出しても、機械(弁)が応答出来なくなるのを防止する。
【0018】
この最小パルス幅の設定は、DDCモジュールの速度形PIDモジュールから設定できるようにして、最小パルス幅以上の出力を行うようにする。
【0019】
以上の機能構成されるワンループコントローラにより、ディジタル計装システムには従来の電電ポジショナ等を不要にし、パルス制御を必要とする制御対象22を直接に制御可能にすると共に、制御量のオーバシュート防止等を可能にする。以下にワンループコントローラのパルス出力方式の実施形態を説明する。
【0020】
(実施形態1)
本実施形態では、以下の機能構成とする。
【0021】
(1)1回の演算結果の出力が完了するまで、次の演算結果の出力を受け付けない(捨ててしまう)。例えば、1回目の演算で増方向3秒がカウンタ演算手段にセットされると、3秒の増パルスの出力がオフするまでに実行された演算結果は無視して捨ててしまう。
【0022】
(2)現在パルスを出力していない時のみ、カウンタ演算手段に演算結果をセットする。
【0023】
(3)この方式では、1回の演算結果が完了すると、必ず一旦パルス出力を復帰させる。
【0024】
(4)制御量の増側出力中に減側出力結果が出ても、受け付けない。
【0025】
本実施形態のタイムチャートを図2に示す。同図は、演算周期は500ms、最小パルス幅出力1秒に設定された場合を示し、図示のように、1回目の演算結果が2.2sの増パルスの出力が終了するまで、2〜5回目の演算結果は無視する。また、9回目のスキャンで演算結果が逆方向(減方向)になっているが、同様に現在出力中の増パルスが終了するまで無視する。
【0026】
本実施形態によれば、演算結果が増側や減側に変化するも、設定される最小パルス幅を確保したパルス出力を得ることができる。
【0027】
(実施形態2)
本実施形態が実施形態1と異なる部分は、演算結果が増側から減側、又は減側から増側に移行したときの出力切り替え制御機能を持たせた部分である。
【0028】
すなわち、実施形態1の方式では、増側のパルス出力中に減側の演算結果が出ても、増側のカウンタ演算手段にセットされたパルスの出力が終了するまで、減側に切り替わらない。本実施形態では、増側のパルス出力中に減側の演算結果が出たとき、即、増側のパルスの出力を停止する。
【0029】
また、減側のパルス出力が開始されるまでの時間をローダ(パソコン)からワンループコントローラ本体に設定できる機能を持つ。これにより、応答性が良くなり、制御の行き過ぎ(オーバシュート)の防止と、増側⇔減側に切り替わる時のマグネット、機械の保護を容易に取ることが出来る。
【0030】
本実施形態のタイムチャートを図3及び図4に示す。図3は、増側⇔減側の切り替え時間を0sに設定した場合であり、図4は切り替え時間を1.2sに設定した場合である。
【0031】
(実施形態3)
本実施形態では、以下の機能構成とする。
【0032】
(1)毎スキャン演算結果をパルス出力用のカウンタ演算手段にセットする。これにより、実施形態1、2よりもパルスが一旦オフする頻度を減らす。
【0033】
(2)演算結果が0の時は、演算結果をパルス出力用のカウンタ演算手段にセットしない。
【0034】
DDCモジュールの速度形PIDモジュールには、演算結果のMV値が最小パルス幅に満たない場合は演算周期毎に積算し、最小パルス幅になったのち出力する機能がある。このため、演算結果が0の時は、パルス出力用のカウンタ演算手段に0をセットしないことにより最小パルス幅のパルス出力を保証できる。
【0035】
(3)最小オフ時間をローダから設定可能とする。最小オフ時間とは、パルスがオフしてからオンするまでのオフ時間の最小値を保証する値である。これにより、マグネットや機械の保護を行う。設定範囲は、例えば0〜10sで0.1秒単位の設定を可能とする。
【0036】
(4)現在出力中のパルス(増側又は減側)の逆側の演算結果が出た場合、即、現在出力中のパルスをオフする。これにより、制御の行き過ぎ(オーバーシュート)を防止する。
【0037】
逆側の演算結果は、最小オフ時間設定=0の時は即出力され、0以外の時は最小オフ時間経過後の次スキャンの演算結果を出力する。
【0038】
本実施形態のタイムチャートを図5〜図8に示す。図5は、最小オフ時間を0sに設定した場合であり、9回目のスキャンで演算結果が増側から減側に切り替わった為、出力中の増側パルスを即オフする。最小オフ時間設定が0sなので即、減側パルスの出力を開始する。
【0039】
図6は、最小オフ時間を1.2sに設定した場合であり、4回目のスキャンで演算結果が増側から減側に切り替わった為、出力中の増側パルスを即オフする。最小オフ時間設定が1.2sなので1.2秒間は増/減パルスは両方ともオフとなる。1.2秒経過後、次スキャン(この例では7回目)の演算結果の出力を開始する。
【0040】
図7は、最小オフ時間を1.0sに設定した場合で、演算周期よりも短い演算結果が出力された場合の例である。この場合、パルスがオフしてから最小オフ時間経過後の次の演算結果を受け付けて出力をする。
【0041】
図8は、0ライト禁止の場合である。速度形PI調節モジュール(SPI)には最小パルス幅の設定がある。最小パルス幅は機械の応答速度で決ってくるが通常1s程度に設定することが多い。SPIはカレントMVが最小パルス幅に満たない場合は演算周期毎に積算し、最小パルス幅になった後、出力する機能を持つ。
【0042】
演算結果をカウンタに上書きしてしまうと、上記の機能が正常に動作しなくなる。例えば、タイムチャートの7回目のスキャンで、1秒以下の演算結果が積算され、1秒の減側パルスが出力されると、1秒がカウンタ演算手段にセットされてパルス出力を開始するが、500ms後の8回目スキャンの出力が0sとなった時、0を上書きすると、1sパルスは500ms出力したところでオフになってしまう。
【0043】
これを改善する為に、演算結果が0のときは上書きしない(0ライト禁止)で、演算結果が0以外のときは上書きする。
【0044】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明によれば、ワンループコントローラにパルス出力機能を持つことにより電電ポジショナ等が不要となる。
【0045】
また、実施形態2,3では、演算結果(MV値)が逆方向(増側から減側、減側から増側)に切り替わった時、即、現在出力中のパルスをオフする。これにより、制御の応答性が良くなり、オーバーシュートを防止出来る。
【0046】
また、実施形態3では、記述した方式により制御出力が頻繁にオン/オフしない。ワンループコントローラの出力は、一旦補助リレーやマグネットで受け、モータの開/閉を行うので、制御出力が頻繁にオン,オフすると、リレー、マグネットの耐久寿命の問題が出てくるが、実施形態3ではこれを改善出来る。
【0047】
また、実施形態3では、最小オフ時間の設定が出来る。電動弁の駆動部には、多くの場合インダクションモータが使用され、起動時には定格の1.5〜2倍もの電流が流れる。モータの温度は電流の2乗に比例して上昇することから頻繁に起動停止を繰り返すと温度が上がり、許容最高温度を超える場合もあり得る。また、リレーやマグネットがオフしてすぐオンすると、アークを切る間に、オンすることが起きて、リレーやマグネットにダメージを与える。このような問題を最小オフ時間を設定出来る構成とすることによって解消する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるワンループコントローラの基本構成図。
【図2】本発明の実施形態1を示すパルス出力タイムチャート。
【図3】本発明の実施形態2を示すパルス出力タイムチャート。
【図4】本発明の実施形態2を示すパルス出力タイムチャート。
【図5】本発明の実施形態3を示すパルス出力タイムチャート。
【図6】本発明の実施形態3を示すパルス出力タイムチャート。
【図7】本発明の実施形態3を示すパルス出力タイムチャート。
【図8】本発明の実施形態3を示すパルス出力タイムチャート。
【図9】自動制御系の構成図。
【図10】ディジタル計装システムのプロセスインターフェース。
【図11】電電ポジショナを使用した電子式コントロールバルブの例。
【符号の説明】
1…調節器
2…調節弁
3…検出器
4…伝送器
5…監視操作部
6…制御部
7…プロセスインターフェース(入力側)
8…プロセスインターフェース(出力側)
9…電電ポジジョナ
10…ポテンショメータ
11…調節弁
12…電動駆動部
21…ワンループコントローラ
22…調節弁
Claims (4)
- 制御対象から検出されるPV値を、制御対象に設定されるSV値に一致させるために制御対象を操作するMV値を出力するワンループコントローラを制御対象毎に備えたディジタル計装システムにおいて、
前記ワンループコントローラは、
前記SV値とPV値が入力されることで、前記MV値として増または減の各1点のパルスを出力する手段と、
前記増と減のパルス出力の切り替え時間を制御する手段と、
設定された演算周期毎に、前記MV値として幅制御したパルスを出力する手段とを備えたことを特徴とするディジタル計装システム。 - 前記パルス出力の幅制御は、設定される最小パルス幅以上のパルスを出力できる構成としたことを特徴とする請求項1に記載のディジタル計装システム。
- 前記パルス出力の切り替え時間制御は、前記MV値の演算結果が逆の増減方向になったときに現在出力中のパルスを即オフできる構成にしたことを特徴とする請求項1または2に記載のディジタル計装システム。
- 前記パルス出力の切り替え時間制御は、パルス出力の最小オフ時間を設定できる構成にしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のディジタル計装システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002161016A JP2004005301A (ja) | 2002-06-03 | 2002-06-03 | ディジタル計装システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002161016A JP2004005301A (ja) | 2002-06-03 | 2002-06-03 | ディジタル計装システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004005301A true JP2004005301A (ja) | 2004-01-08 |
Family
ID=30430206
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002161016A Pending JP2004005301A (ja) | 2002-06-03 | 2002-06-03 | ディジタル計装システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004005301A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100741265B1 (ko) * | 2006-10-23 | 2007-07-19 | 황용안 | 청징(淸澄)한 황토 막걸리의 제조방법 및 그 막걸리 |
-
2002
- 2002-06-03 JP JP2002161016A patent/JP2004005301A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR100741265B1 (ko) * | 2006-10-23 | 2007-07-19 | 황용안 | 청징(淸澄)한 황토 막걸리의 제조방법 및 그 막걸리 |
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