JP2004004892A - 反射体および反射型液晶表示装置 - Google Patents

反射体および反射型液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】広い角度にわたって高い反射効率を得ることができる反射体、並びにいずれの方向においても視野角が広く、より明るい表示面を有する反射型液晶表示装置を提供する。
【解決手段】反射体1の表面には、その内面が球面の一部をなす多数の凹部4が連続して形成されている。そして、各凹部4の深さが0.1ないし3μmの範囲でランダムに形成され、隣接する凹部4のピッチが5ないし50μmの範囲でランダムに配置され、凹部内面の傾斜角が−18ないし+18度の範囲で設定されている。また、本発明の反射型液晶表示装置はこの反射体1を備えたことを特徴としている。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、広範囲にわたって均一な明るさと白さを有する反射体、およびその反射体を用いた反射型液晶表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、ハンディタイプのコンピュータなどの表示部として、特に消費電力が小さいことから反射型液晶表示装置が広く利用されている。この反射型液晶表示装置には、表示面側から入射した光を反射させて表示を行うための反射板が備えられている。そして、従来の反射板には、表面が鏡面状態とされた反射板や表面にランダムな凹凸が形成された反射板が用いられていた。
このうち、図9に示すように、ランダムな凹凸面を備えた従来の反射板60は、例えば厚さ300ないし500μmのポリエステルフィルム61を加熱することによってその表面に高さが数μmの凹凸からなる凹凸面61aを形成し、さらに凹凸面61a上に蒸着等の方法を用いてアルミニウムや銀等からなる反射膜62を成膜することにより形成したものである。
【0003】
この種の反射板60を用いた従来の反射型液晶表示装置は、図10に示すように、一対のガラス基板51、52の各々の対向面側に透明電極層53、54を設け、さらにこれら透明電極層53、54の各々の上に液晶の配向膜55、56を設け、これら配向膜55、56間に液晶層57を配設した構成となっている。そして、ガラス基板51、52の外側にそれぞれ第1、第2の偏光板58、59を設け、第2の偏光板59の外側には反射板60を反射膜62側の面を第2の偏光板59側に向けて取り付けている。
【0004】
上記構成の反射型液晶表示装置50において、第1の偏光板58に入射した光はこの偏光板58によって直線偏光され、偏光された光が液晶層57を透過することによって楕円偏光される。そして、楕円偏光された光は第2の偏光板59によって再び直線偏光され、この直線偏光された光が反射板60にて反射されて、再び第2の偏光板59、液晶層57を透過して第1の偏光板58から出射する。
【0005】
この反射板と反射型液晶表示装置は次のような反射特性を有している。
例えば図9に示すように、反射膜62上に配置した点光源からの入射光Jの入射角度を反射膜62表面に対する法線に対して入射角度30度に一定にし、反射光Kの反射角度θを0度から60度に変化させた場合の反射率を測定すると、反射角度30度での反射率をピークとして左右の反射角度20度以下および40度以上では反射率がほぼ最低となることがわかった。そして、反射板単独での測定のみならず、この反射板を備えた液晶表示装置全体として測定してもこの傾向は同様であって、反射角度30度での反射率をピークとして反射角度23度以下ないし37度以上の範囲でほぼ0%に低下することが判明した。
【0006】
なお、表面を鏡面とした反射板の反射特性に関しては、一般に、表面にランダムな凹凸を持つ反射板と比較して、入射角度に対する特定の反射角度において非常に高い反射率を示す。しかしながら、反射率の高い反射角度の範囲が極めて狭い、すなわち視野角が狭いという特性を持っている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、ランダムな凹凸反射面を持つ従来の反射板は、反射効率が悪いために全体的に反射率が低く、入射光をより広範囲の反射角度で効率良く反射させるという反射板のニーズに充分に応えることができなかった。したがって、この種の反射板を用いた反射型液晶表示装置は、視野角が約25ないし35度の範囲と狭く、しかも表示面の明るさも充分とはいえないという問題があった。また、反射板の特性には明るさと同時に白さも求められるが、この種の従来の反射板では種々の波長を持つ光が均一にバランス良く反射しないため、反射面の白さという点でも不充分であった。さらに、この種の反射板における反射角度や反射光強度等の反射特性は、ランダムに形成される凹凸によって自ずと決まってしまうものであり、光学的な設計により制御されたものではなかった。
【0008】
そこで、これらの問題を解決するために、表面に直線状に延びる多数のストライプ溝を形成した反射板が提案されている。しかしながら、この反射板の場合、ストライプ溝に垂直な方向に関しては、ある範囲の反射角度で所望の明るさが得られるものの反射角度範囲が狭く、さらに、ストライプ溝に垂直な方向以外の方向に関しては、反射率がそもそも低い上に反射角度も極めて狭いものであった。したがって、この種の反射板を液晶表示装置に適用したところで、特にストライプ溝に平行な方向において、視野角が狭い、表示面の明るさや白さが不充分である、といった上記の問題が解決できなかった。
【0009】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、広い角度にわたって高い反射効率を得ることができる反射体、並びにそのような反射体を用いることでいずれの方向においても広い視野角とより明るい表示面を有する反射型液晶表示装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の反射体は、反射体表面にその内面が球面の一部をなす多数の凹部が連続して形成され、前記凹部の深さが0.1ないし3μmの範囲でランダムに形成され、隣接する凹部のピッチが5ないし50μmの範囲でランダムに配置され、前記凹部内面の傾斜角が反射光の拡散角が所定角度内になるように設定されたことを特徴とする。
また、本発明において、上記凹部内面の傾斜角を−18ないし+18度の範囲で設定することが好ましい。更に本発明は、感光性樹脂層の表面に前記凹部が形成され、前記感光性樹脂層の凹部に沿って反射膜が形成されてなることを特徴とする。
【0011】
本発明の反射体においては、内面を球面の一部をなす形状とした多数の凹部を表面に形成し、しかも凹部の深さ、隣接する凹部のピッチ等のパラメータを上記のような範囲に設定することにより、反射光の反射角を支配すると考えられる凹部内面の傾斜角(微小な単位面積内での傾斜角)がある角度範囲内で一定の分布を示すようになる。そして、凹部内面が球面状であることから、その一定の傾斜角分布が、反射体におけるある特定の方向だけでなく、全方向にわたって実現される。したがって、本発明の反射体によれば、全方向にわたって一様に高い反射効率が得られ、種々の波長を持つ光をバランス良く反射することができる。すなわち、従来の反射体に比べて、どの方向から見てもより明るく白い反射板を実現することができる。
【0012】
なお、上記の「凹部の深さ」とは反射体表面から凹部の底部までの距離、「隣接する凹部のピッチ」とは平面視したときに円形となる凹部の中心間の距離のことである。また、「凹部内面の傾斜角」とは、図8に示すように、凹部4の内面の任意の箇所において0.5μm幅の微小な範囲をとったときに、その微小範囲内における斜面の水平面に対する角度θのことである。角度θの正負は、反射体表面に立てた法線に対して例えば図8における右側の斜面を正、左側の斜面を負と定義する。
【0013】
上述したように、これら凹部の深さ、隣接する凹部のピッチ、凹部内面の傾斜角に関しては、凹部の深さを0.1ないし3μm、隣接する凹部のピッチを5ないし50μm、凹部内面の傾斜角を−18ないし+18度の範囲に設定することが望ましい。
特に、傾斜角分布を−18ないし+18度の範囲に設定する点、隣接する凹部のピッチを平面全方向に対してランダムに配置する点が重要である。なぜならば、仮に隣接する凹部のピッチに規則性があると、光の干渉色が出て反射光が色付いてしまうという不具合があるからである。また、凹部内面の傾斜角分布が−18ないし+18度の範囲を超えると、反射光の拡散角が広がりすぎて反射強度が低下し、明るい反射板が得られない(反射光の拡散角がエアー中で36度以上になり、液晶表示装置内部の反射強度ピークが低下し、全反射ロスが大きくなる)からである。
また、凹部の深さが3μmを超えると、後工程で凹部を平坦化する場合に凸部の頂上が平坦化膜で埋めきれず、所望の平坦性が得られなくなる。
隣接する凹部のピッチが5μm未満の場合、反射体形成用母型の製作上の制約があり、加工時間が極めて長くなる、所望の反射特性が得られるだけの形状が形成できない、干渉光が発生する等の問題が生じる。また、実用上、反射体形成用母型の製作に使用し得る30〜100μm径のダイヤモンド圧子を用いる場合、隣接する凹部のピッチを5ないし50μmとすることが望ましい。
【0014】
また、本発明の反射型液晶表示装置は、上記のような反射体、すなわち反射体表面にその内面が球面の一部をなす凹部が多数形成され、上記凹部の深さが0.1ないし3μm、隣接する凹部のピッチが5ないし50μm、上記凹部内面の傾斜角が−18ないし+18度である反射体を備えたことを特徴とするものである。なお、反射体の設置形態としては、液晶セルの外側に設置する外付け型、あるいは液晶セルを構成する基板の内面に設置する内蔵型のいずれのタイプとしてもよい。
【0015】
本発明の反射型液晶表示装置によれば、前述の反射体を有し、反射体自体が全方向にわたって反射効率が高く、種々の波長を持つ光をバランス良く反射するという特性を持っているため、従来の反射型液晶表示装置に比べて視角が広がり、表示面をより明るくすることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図1ないし図7を参照して説明する。
図1は本実施の形態の反射体を示す図である。この図に示すように、本実施の形態の反射体1は、例えばガラス等からなる基板2上に設けられた感光性樹脂層等からなる平板状の樹脂基材3(反射体用基材)の表面に、その内面が球面の一部をなす多数の凹部4が重なり合うように連続して形成され、その上に例えばアルミニウムや銀等の薄膜からなる反射膜5が蒸着または印刷等により形成されたものである。
【0017】
上記凹部4の深さを0.1ないし3μmの範囲でランダムに形成し、隣接する凹部4のピッチを5ないし50μmの範囲でランダムに配置し、上記凹部4内面の傾斜角を−18ないし+18度の範囲に設定することが望ましい。
特に、凹部4内面の傾斜角分布を−18ないし+18度の範囲に設定する点、隣接する凹部4のピッチを平面全方向に対してランダムに配置する点が重要である。なぜならば、仮に隣接する凹部4のピッチに規則性があると、光の干渉色が出て反射光が色付いてしまうという不具合があるからである。また、凹部4内面の傾斜角分布が−18ないし+18度の範囲を超えると、反射光の拡散角が広がりすぎて反射強度が低下し、明るい反射板が得られない(反射光の拡散角がエアー中で36度以上になり、液晶表示装置内部の反射強度ピークが低下し、全反射ロスが大きくなる)からである。
また、凹部4の深さが3μmを超えると、後工程で凹部4を平坦化する場合に凸部の頂上が平坦化膜で埋めきれず、所望の平坦性が得られなくなる。
隣接する凹部4のピッチが5μm未満の場合、反射体形成用母型の製作上の制約があり、加工時間が極めて長くなる、所望の反射特性が得られるだけの形状が形成できない、干渉光が発生する等の問題が生じる。また、実用上、反射体形成用母型の製作に使用し得る30〜100μm径のダイヤモンド圧子を用いる場合、隣接する凹部4のピッチを5ないし50μmとすることが望ましい。
【0018】
次に、上記構成の反射体の製造方法を図2ないし図5を用いて説明する。
まず、図2(a)に示すように、例えば黄銅、ステンレス、工具鋼等からなる表面が平坦な平板状の母型基材7を転造装置のテーブル上に固定する。そして、先端が所定の径Rを持つ球面形状のダイヤモンド圧子8で母型基材7の表面を押圧し、母型基材7を水平方向に移動させてはダイヤモンド圧子8を上下動させて押圧するという操作を多数回繰り返すことにより、深さや配列ピッチが異なる多数の凹部7aを母型基材7の表面に転造し、図2(b)に示すような反射体形成用母型9とする。図3に示すように、ここで用いる転造装置は、母型基材7を固定するテーブルが0.1μmの分解能で水平面内のX方向、Y方向に移動し、ダイヤモンド圧子8が1μmの分解能で鉛直方向(Z方向)に移動する機能を持つものである。なお、ダイヤモンド圧子8の先端の径Rは、20ないし100μm程度であることが望ましい。例えば、凹部7aの深さを2μm程度とする場合、径Rが30ないし50μmのもの、凹部7aの深さを1μm程度とする場合、径Rが50ないし100μmのものを用いるとよい。
【0019】
また、ダイヤモンド圧子による転造の手順は次の通りである。
図4は転造のパターンを示す平面図であるが、この図に示すように、横一列において隣接する凹部のピッチは、左から順にt1(=17μm)、t3(=15μm)、t2(=16μm)、t3 、t4(=14μm)、t4、t5(=13μm)、t2、t3、t3 となっている。また、縦一列において隣接する凹部のピッチも上から順に同様のパターンとなっている。そして、深さを1.1ないし2.1μmの範囲で4種類設定して(図中d1、d2、d3、d4 と示す )押圧することにより、押圧後の圧痕である円形の凹部の半径もr1(=11μm)、r2(=10μm)、r3(=9μm)、r4(=8μm)の4種類となる。例えば縦一列における凹部の半径は、上から順にr1、r2、r3、r1、r4、r2、r4、r3、r1、r4、r1 となる。
【0020】
また、実際の転造の順番としては、例えば、最上段の横の列において深さd1 の凹部を飛び飛びに全て形成した後、次に深さd2 の凹部、深さd3 の凹部、深さd4 の凹部を形成するというように、4パターンの深さの転造操作を繰り返し、まず、最上段の横一列の凹部を全て形成する。その後、上から2番目の横の列に移動し、同様の操作を繰り返す。このようにして、パターン内の全ての凹部を形成していく。なお、図4はt=150μm四方の転造のパターンを示すものであり、このパターンの繰り返しにより反射体全体が構成されている。図4に示したように、隣接する凹部の圧痕は一部重なるため、転造作業が全て終わった後の凹部全体の平面形状は図5に示すようになる。
【0021】
その後、図2(c)に示すように、母型9を箱形容器10に収納、配置し、容器10に例えばシリコーンなどの樹脂材料11を流し込んで、常温にて放置、硬化させ、この硬化した樹脂製品を容器10から取り出して不要な部分を切除し、図2(d)に示すように、母型9の型面をなす多数の凹部と逆の凹凸形状である多数の凸部を持つ型面12aを有する転写型12を作成する。
【0022】
次に、ガラス基板の上面に、アクリル系レジスト、ポリスチレン系レジスト、アジドゴム系レジスト、イミド系レジスト等の感光性樹脂液をスピンコート法、スクリーン印刷法、吹き付け法等の塗布法により塗布する。そして、塗布終了後、加熱炉またはホットプレート等の加熱装置を用いて基板上の感光性樹脂液を例えば80〜100℃の温度範囲で1分以上加熱するプリベークを行って基板上に感光性樹脂層を形成する。ただし、用いる感光性樹脂の種類によってプリベーク条件は異なるため、上記範囲外の温度と時間で処理してもよいことは勿論である。なお、ここで形成する感光性樹脂層の膜厚は2〜5μmの範囲とすることが好ましい。
【0023】
その後、図2(e)に示すように、図2(d)に示した転写型12を用い、この転写型12の型面12aをガラス基板上の感光性樹脂層3に一定時間押し付けた後、転写型12を感光性樹脂層3から外す。このようにして、図2(f)に示すように、感光性樹脂層3の表面に転写型型面12aの凸部を転写して多数の凹部4を形成する。また、型押し時のプレス圧は用いる感光性樹脂の種類にあった値を選択することが好ましく、例えば30〜50kg/cm2 程度の圧力とするのがよい。プレス時間についても用いる感光性樹脂の種類にあった値を選択することが好ましく、例えば30秒〜10分程度の時間とする。
【0024】
その後、透明なガラス基板の裏面側から感光性樹脂層3を硬化させるための紫外線(g、h、i線)等の光線を照射し、感光性樹脂層3を硬化させる。ここで照射する紫外線等の光線は、上記種類の感光性樹脂層の場合、50mJ/cm以上の強度であれば感光性樹脂層を硬化させるのに充分であるが、感光性樹脂層の種類によってはこれ以外の強度で照射してもよいことは勿論である。そして、プリベークで用いたのと同様の加熱炉、ホットプレート等の加熱装置を用いてガラス基板上の感光性樹脂層3を例えば240℃程度で1分以上加熱するポストベークを行ってガラス基板上の感光性樹脂層3を焼成する。
【0025】
最後に、感光性樹脂層3の表面に例えばアルミニウムをエレクトロンビーム蒸着等によって成膜して凹部の表面に沿って反射膜1を形成することにより、本実施の形態の反射体1が完成する。
【0026】
本実施の形態の反射体1においては、内面を球面の一部をなす形状とした多数の凹部4を表面に形成し、しかも凹部4の深さ、隣接する凹部4のピッチ等の値を上記の範囲に設定したことにより、凹部内面の傾斜角がある角度範囲で一定の分布を示すようになる。一例として、図6は本実施の形態の反射体1における凹部内面の傾斜角の分布を示すものであり、横軸は傾斜角、縦軸はその傾斜角が存在する頻度を示している。この図に示すように、傾斜角は−18ないし+18度の範囲、特に−10ないし+10度の範囲においてほぼ一定の分布を示している。また、凹部4の内面は球面であり、全方向に対して対称形であるから、この一定の傾斜角分布は、反射体におけるある特定の方向だけでなく、全方向にわたって実現される。
凹部内面の傾斜角はその凹部内面における反射光の反射角を支配すると考えられ、本実施の形態の場合、反射体の全方向に対して傾斜角分布が一定であることから、全方向に対して一様な反射角および反射効率が得られることになり、種々の波長を持つ光をバランス良く反射することができる。すなわち、従来の反射体に比べて、どの方向から見てもより明るく白い反射板を実現することができる。
【0027】
また、反射体形成用の母型9を製造する際には、ダイヤモンド圧子8を上下動させて母型基材7の表面を押圧するだけであるから、ダイヤモンド圧子8と母型基材7が擦れ合うようなことがない。その結果、ダイヤモンド圧子8先端の表面状態が母型9側に確実に転写され、圧子8の先端を鏡面状態としておけば母型9の凹部内面、ひいては反射体の凹部内面も容易に鏡面状態とすることができる。さらに、ポリエステル等の樹脂フィルムを加熱することで凹凸面を形成していた従来の反射体と異なり、本実施の形態の反射体1における凹部の深さ、径、ピッチ等の寸法、凹部内面の表面状態等は全て制御されたものであり、高精度の転造装置の使用により反射板の凹部形状をほぼ設計通りに作成することができる。したがって、本方法によれば、作成する反射板の反射角度、反射効率等の反射特性が従来に比べてより制御しやすいものとなり、所望の反射体を得ることができる。
【0028】
なお、本実施の形態における反射体1の凹部4の深さ、径、ピッチ等の具体的な数値や図4に示した凹部の転造パターンはほんの一例に過ぎず、適宜設計変更が可能なことは勿論である。また、反射体用基材、母型用基材等の各種基材の材料、転写型の構成材料等に関しても適宜変更が可能である。
【0029】
次に、上記の反射体を備えたSTN(Super Twisted Nematic )方式の反射型液晶表示装置について説明する。
図7に示すように、この反射型液晶表示装置は、例えば厚さ0.7mmの一対の表示側ガラス基板13と背面側ガラス基板14との間に液晶層15を設け、表示側ガラス基板13の上面側にポリカーボネート樹脂やポリアリレート樹脂等からなる1枚の位相差板16を設け、さらに位相差板16の上面側に第1の偏光板17を配設している。また、背面側ガラス基板14の下面側には、第2の偏光板18、図1に示した本実施の形態の反射体1を順次設けている。
【0030】
反射体1は、第2の偏光板18の下面側に凹部4を形成した面が対向するように取り付けられ、第2の偏光板18と反射体1との間には、グリセリン等の光の屈折率に悪影響を与えることのない材料からなる粘着体19が充填されている。両ガラス基板13、14の対向面側にはITO(インジウムスズ酸化物)等からなる透明電極層20、21がそれぞれ形成され、透明電極層20、21上にポリイミド樹脂等からなる配向膜22、23がそれぞれ設けられている。これら配向膜22、23等の関係により液晶層15中の液晶は240度捻れた配置となっている。
【0031】
また、前記背面側ガラス基板14と透明電極層21との間に、図示していないカラーフィルタを印刷等で形成することにより、この液晶表示装置をカラー表示できるようにしてもよい。
【0032】
本実施の形態の液晶表示装置においては、上述したように、反射体1自体が全方向にわたって入射光の反射角度が広く、反射効率が高いという特性を持っているため、使用者が表示面をいずれの方向から見た場合においても、従来の液晶表示装置に比べて視野角が広がり、明るい表示面とすることができる。
【0033】
なお、本実施の形態の反射型液晶表示装置では、反射板を第2の偏光板の外側に配設する、いわゆる外付けの反射板とする例を説明したが、背面側ガラス基板の対向面側に配設して内蔵型としてもよい。また、液晶表示装置の例としてSTN方式のもので説明したが、液晶層の液晶分子の捻れ角を90度に設定したTN(Twisted Nematic )方式の液晶表示装置にも本発明の反射体を適用し得ることは勿論である。
【0034】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明の反射体においては、内面を球面の一部をなす形状とした多数の凹部を表面に形成し、しかも凹部の深さ、隣接する凹部のピッチ等を規定したことにより、反射体の全方向に対して凹部内面の傾斜角分布がある角度範囲でほぼ一定となるため、全方向に対して一様な反射効率が得られ、種々の波長を持つ光をバランス良く反射することができる。すなわち、従来の反射体に比べて、どの方向から見てもより明るく白い反射板を実現することができる。そして、本発明の反射型液晶表示装置によれば、上記のような優れた特性を持つ反射体を備えたことにより、広い視野角と明るい表示面を有する液晶表示装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である反射体を示す斜視図である。
【図2】同、反射体の製造過程を順を追って示したプロセスフロー図である。
【図3】同、反射体の形成に用いる母型の製造過程を示す図であって、ダイヤモンド圧子で母型基材を押圧している状態を示す図である。
【図4】同、母型の製造過程においてダイヤモンド圧子による転造のパターンを示す平面図である。
【図5】同、転造後の凹部全体の形状を示す平面図である。
【図6】同、反射体における凹部内面の傾斜角の分布を示す図である。
【図7】本発明の一実施の形態である反射型液晶表示装置を示す断面図である。
【図8】本発明に係る反射体の凹部内面の傾斜角を説明するための図である。
【図9】従来の反射体の一例を示す斜視図である。
【図10】従来の反射型液晶表示装置の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 反射体
2 基板
3 樹脂基材(反射体用基材)
4 凹部
5 反射膜
7 母型基材
8 ダイヤモンド圧子
9 反射体形成用母型
12 転写型

Claims (4)

  1. 反射体表面にその内面が球面の一部をなす多数の凹部が連続して形成され、前記凹部の深さが0.1ないし3μmの範囲でランダムに形成され、隣接する凹部のピッチが5ないし50μmの範囲でランダムに配置され、前記凹部内面の傾斜角が反射光の拡散角が所定角度内になるように設定されたことを特徴とする反射体。
  2. 前記凹部内面の傾斜角が−18ないし+18度の範囲で設定されたことを特徴とする請求項1に記載の反射体。
  3. 感光性樹脂層の表面に前記凹部が形成され、前記感光性樹脂層の凹部に沿って反射膜が形成されてなることを特徴とする請求項1又は2に記載の反射体。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の反射体を備えたことを特徴とする反射型液晶表示装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016060043A (ja) * 2014-09-12 2016-04-25 富士フイルム株式会社 機能性積層フィルムおよび輸液バックならびに機能性積層フィルムの製造方法

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