JP4308570B2 - 光反射性構造体の製造方法 - Google Patents

光反射性構造体の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4308570B2
JP4308570B2 JP2003130628A JP2003130628A JP4308570B2 JP 4308570 B2 JP4308570 B2 JP 4308570B2 JP 2003130628 A JP2003130628 A JP 2003130628A JP 2003130628 A JP2003130628 A JP 2003130628A JP 4308570 B2 JP4308570 B2 JP 4308570B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
axis direction
layer
photomask
reflective structure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003130628A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004252396A (ja
Inventor
一郎 高崎
正雄 尾関
治樹 森
健一 福岡
貴博 奥田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Display Corp
Original Assignee
Kyocera Display Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Display Corp filed Critical Kyocera Display Corp
Priority to JP2003130628A priority Critical patent/JP4308570B2/ja
Publication of JP2004252396A publication Critical patent/JP2004252396A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4308570B2 publication Critical patent/JP4308570B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内面反射方式の光反射性構造体とその製造方法、それを用いた反射型表示装置、および半透過型表示装置、特に反射型液晶表示装置および半透過型液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、反射型表示装置や半透過型表示装置が広く用いられている。この方式は、外光を利用できる時にはバックライトなしで表示を見ることができ、これにより装置全体の使用電力を低減できるため、携帯用機器の表示に適している。それらの表示素子には液晶表示素子が多く用いられており、低消費電力化に寄与している。
【0003】
このような反射型液晶表示装置および半透過型液晶表示装置の機能を決定づける重要な構成要素の一つに反射面がある。特に、少ない外光を表示にうまく利用し、さらに所望の表示品位を得るには優れた反射面を実現することが必要である。
【0004】
このような観点から、現在、反射面を形成するための光反射層としては、さまざまな構成のものが用いられている。たとえば、シート状アルミニウムの金属反射面を用いる方法がある。また、表示素子内部の反射面に、光を特定の方向に反射させる性質(特定方向反射性)と反射光の散乱状態についての指向性(散乱指向性)とを備えさせることによって、明るい表示が得られることが知られている。
【0005】
従来、液晶セル内部に特定方向反射性をもつ光反射性構造体をフォトリソを用いて製造する方法としてはいくつかある。例えば、SID2000においてC.J.Wen等(ERSO/ITRI)がMSR(MicroSlantReflector)として発表している方法等(たとえば特許文献1参照。)がある。ここでは、基板上に感光性樹脂を塗布し、所定の遮光部と透過部とからなるパターンを設けたフォトマスクを用いて斜めから露光する方法が示されている。斜めから露光する方法は装置が高価になることと、プロキシミティ露光機の場合はコリメーションアングルの影響で光の強度や分布が異なるために大面積で同じ形状を作ることが難しい問題がある。
【0006】
また、マスクのライン幅を過渡的に変化させることにより露光量の過渡的変化を作る方法(たとえば特許文献2参照。)が開示されている。マスクのライン幅を過渡的に変えて露光量の過渡的変化を作るためには、ライン間の距離に対して露光の拡散性が大きくないと実現できない。また、露光分布の非対称性が小さくなる問題や、露光分布変化率が小さくなるため、所望の傾斜形状を作るためには初期の感光性樹脂の膜厚を厚くしなければいけないなどの問題がある。また、大きな硝子基板に均一に厚く感光性樹脂を塗布する事は非常に難しい。なお、大型ガラス基板に対応できるプロキシミティ露光機を使用する場合には、それに用いる現実的なマスクでは、パターン幅は1μm以上であり、露光の拡散性を上げても感光性樹脂の膜厚の制約より現実的な解はない。
【0007】
なお、最近では、露光量の過渡的変化を作る方法として、マスクの遮光部の透過率を変えた階調マスクが有るが、大型ガラスを露光するマスクとしては適していない。
【0008】
また、パターンの異なるマスクを用い、2回フォトリソ工程を実施する事により異方性形状を作成し、リフローを用い形状をなだらかにする技術が開示されている(たとえば特許文献3参照。)。しかしながら2回フォトリソ工程を実施する事や、マスクを2枚準備するなどのコストアップの問題がある。
【0009】
さらに、大きさの異なる柱を作りメルトにより柱の高さを変更し、その上に樹脂を塗布し異方性形状を作れる技術が開示されている(たとえば特許文献4参照。)。本方式では新たに樹脂を塗布する工程が必要となりコストアップとなる問題が有る。
【0010】
なお、特定方向反射性と散乱指向性とを併せ持った形状としては、SID2000において、C.J.Wen等(ERSO/ITRI)が発表している様に、傾斜面上に拡散凹凸を載せた形状が示されている。これは、効率が高い方法であると考えられるが、2回の露光プロセスを必要とすると言う問題や構造が厚くなる問題がある。
【0011】
また、楕円球を異方性を持たせて切り取った形状等を利用する技術がが開示されている(たとえば特許文献4,5,6参照。)。しかしながらこの形状は、散乱指向性が特定方向反射性を示す方向の近傍での散乱指向性を持つのではなく、あらゆる方向へ散乱するため、光の利用効率が低いという問題がある。
【0012】
【特許文献1】
特開2000−105370号公報(段落番号0012)
【0013】
【特許文献2】
特開2000−321410号公報(段落番号0009)
【0014】
【特許文献3】
特開2000−180610号公報(特許請求の範囲)
【0015】
【特許文献4】
特開2001−141915号公報(段落番号0093〜0099)
【0016】
【特許文献5】
特開2000−180610号公報(特許請求の範囲)
【0017】
【特許文献6】
特開2000−105370号公報(特許請求の範囲)
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
内面反射方式の表示を行う際に、光強度が強く明るい反射特性を得ようとするには、周囲の光を有効に利用できるように、内面で反射した光については特定の方向に反射させること(特定方向反射性)によって、表示装置のディスプレー外面での反射と重複しないようにして、ディスプレーを目視する場合に表示装置のディスプレー外面での反射によるまばゆさ(グレア)を回避できること(グレア回避効果)と、その内面反射光の散乱状態に指向性(散乱指向性)を与えて、表示装置の使用者がディスプレーを見る場合に、この特定の方向に視線を合わせ易いようにすること(視認容易性)とが重要である。
【0019】
本発明は、上記の観点から、上述したような従来技術の説明で示したような問題点に鑑みなされたものであって、明るく表示性能に優れた反射型表示装置および半透過型表示装置、特に反射型液晶表示装置および半透過型液晶表示装置を提供することを目的とする。本発明のさらに他の目的および利点は、以下の説明から明らかになるであろう。
【0020】
なお、本発明に係る光反射性構造体とは、内面反射方式の表示装置の要素であって、利用される外光を反射するための反射面を有する光反射層とその担体として機能する硬化樹脂層とを必須の構成要素とする積層構造体を意味する。
【0021】
たとえば内面反射方式の表示装置が半透過型液晶表示装置の場合には、半透過光反射層とその下にあって半透過光反射層の担体として機能する硬化樹脂層とを含む積層構造体を意味する。この構造体は、図1について後述するように、基板、位相差板、偏光板等の他の層を含んでいてもよい。
【0022】
ここで、光反射層には完全反射タイプのものと半透過タイプのものとがある。また、半透過タイプには、たとえば金属の薄膜を使用して一部の光を透過させるハーフミラータイプや全反射ミラーとスリットとを組み合わせて使用するタイプ等がある。半透過タイプを使用すると、後述する図3bにおけるY側の斜面に対応する光反射層の部位は光の透過率を上げることができ、これにより、バックライトの透過光の利用効率を上げることができるため、有利である場合がある。
【0023】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明の態様1は、熱硬化性を有する感光性樹脂を用いて感光性樹脂層を形成し、ライン状の遮光部と透過部とを有し、遮光部の幅と透過部の幅との少なくともいずれか一方が単調に変化するようになした少なくとも一種のパターンを設けたフォトマスクを使用し、感光性樹脂層を、フォトマスクを介して、プロキシミティ方式により露光し、感光性樹脂層を現像して不溶化樹脂層を形成し、ついで、不溶化樹脂層を加熱処理して、表面の平滑度を向上させるとともに硬化を促進する工程を含む光反射性構造体の製造方法を提供する。
【0024】
態様2は、プロキシミティ方式におけるコリメーションアングルが1〜4゜である上記態様1に記載の光反射性構造体の製造方法を提供する。
【0025】
態様3は、熱硬化性を有する感光性樹脂としてポジ型感光性樹脂を使用し、加熱処理の処理温度が150〜260℃、処理時間が1分以上である上記態様1または2に記載の光反射性構造体の製造方法を提供する。
【0026】
態様4は、加熱処理が、接触熱伝導加熱方式による加熱処理を含む上記態様1,2または3に記載の光反射性構造体の製造方法を提供する。
【0027】
態様5は、フォトマスクの遮光部と透過部とのそれぞれの幅を1〜15μmの間にあるようになし、パターンの周期を20〜60μmとする上記態様1,2,3または4に記載の光反射性構造体の製造方法を提供する。
【0028】
態様6は、光反射領域を含む光反射層を有する光反射性構造体において、光反射領域が所定方向に関し非対称な断面形状を持つ複数の凸状帯および/または凹状帯の一部または全部を含み、凸状帯および/または凹状帯の幅が20〜60μmの間にあり、凸状帯および/または凹状帯の表面が平滑である光反射性構造体を提供する。
【0029】
態様7は、凸状帯の高さおよび/または凹状帯の深さが1〜5μmの間にある上記態様6に記載の光反射性構造体を提供する。
【0030】
態様8は、ディスプレー外面に平行な面をxy平面とした場合に、所定方向がy軸方向であり、凸状帯および/または凹状帯が、x軸方向に関し、規則的または不規則的な振幅と規則的または不規則的な周期とで連なる波状形状として構成されている上記態様6または7に記載の光反射性構造体を提供する。
【0031】
態様9は、x軸方向の周期の大きさが10〜100μmの間にある上記態様8に記載の光反射性構造体を提供する。
【0032】
態様10は、x軸方向の周期に対する振幅の比率が0.05〜1の間にある上記態様8または9に記載の光反射性構造体を提供する。
【0033】
態様11は、光反射領域中に、周期に対する振幅の比率が異なるx軸方向の周期と振幅との組み合わせが二種以上存在する上記態様8,9または10に記載の光反射性構造体を提供する。
【0034】
態様12は、フォトマスクの遮光部と透過部との形状を、遮光部の幅と透過部の幅とのいずれか一方を単調増加的に変化し、他の一方を一定幅に固定して、または単調減少的に変化するようにして形成する態様1〜5に記載の光反射性構造体の製造方法を提供する。
【0035】
態様13は、フォトマスクの遮光部と透過部との少なくとも一方を曲線または直線で形成する態様1〜5,12のいずれかに記載の光反射性構造体の製造方法を提供する。
【0036】
態様14は、複数の帯の波状形状について、そのx軸方向の周期の位相がy軸方向に関しそれぞれずれている態様8,9,10または11に記載の光反射性構造体を提供する。
【0037】
態様15は、x軸方向の周期が一定であり、y軸方向に関するx軸方向の周期の位相のずれがx軸方向の周期の2分の1である態様14に記載の光反射性構造体を提供する。
【0038】
態様16は、光反射領域をx軸方向について複数のサブ領域に分割した場合、サブ領域のy軸方向の位相がx軸方向に関しそれぞれずれている態様8〜11,14,15のいずれかに記載の光反射性構造体を提供する。
【0039】
態様17は、凸状帯および/または凹状帯の傾斜面の内、y軸の+方向を傾斜面の法線のベクトル成分として有する傾斜面部分の占有率が55%以上90%以下である態様8〜11,14,15,16のいずれかに記載の光反射性構造体を提供する。
【0040】
態様18は、xy平面の法線方向と傾斜面の法線方向とがなす角度を傾斜角度と定義した場合、
xy平面におけるy軸の+方向の±45°の範囲における傾斜角度分布の存在率が、傾斜角度2〜10°の範囲に極値を少なくとも1個有する態様8〜11,14〜17のいずれかに記載の光反射性構造体を提供する。
【0041】
態様19は、極値がy軸の+方向にある態様18に記載の光反射性構造体を提供する。
【0042】
態様20は、凸状帯および/または凹状帯の一部または全部について、凸状帯および/または凹状帯の傾斜面の内より短い方の傾斜長を有する傾斜面に光透過領域が設けられた、上記態様6〜11,14〜19のいずれか1項に記載の光反射性構造体を提供する。
【0043】
態様21は、凸状帯および/または凹状帯の一部または全部について、凸状帯の裾野部分および/または凹状帯の底部に光透過領域が設けらた、上記態様6〜11,14〜20のいずれか1項に記載の光反射性構造体を提供する。
【0044】
態様22は、凸状帯および/または凹状帯の一部または全部について、光透過領域上のカラーフィルタの膜厚が光反射領域上のカラーフィルタの膜厚より厚い、上記態様20または21に記載の光反射性構造体を提供する。
【0045】
態様23は、凸状帯および/または凹状帯の一部または全部について、上部にカラーフィルタ層を有さない光反射領域を設ける、上記態様6〜11,14〜22のいずれか1項に記載の光反射性構造体を提供する。凸状帯の裾野部分および/または凹状帯の底部にもうけることがより好ましい態様である。
【0046】
態様24は、凸状帯および/または凹状帯の一部または全部について、光反射領域がスリットのない全反射ミラーよりなる、上記態様6〜11,14〜23のいずれか1項に記載の光反射性構造体を提供する。
【0047】
態様25は、態様6〜11,14〜24のいずれかに記載の光反射性構造体が備えられた半透過型または反射型の表示装置を提供する。
【0048】
態様26は、光反射性構造体が液晶表示のピクセルサイズごとに同一のパターンとなっている態様25に記載の半透過型または反射型の表示装置を提供する。
【0049】
態様27は、さらに透過性の拡散層を有する態様25または26に記載の表示装置を提供する。特に液晶表示装置が好ましい。
【0050】
態様28は、前記感光性樹脂が、露光強度に応じて中間的な反応を示す請求項1〜5,12,13いずれかに記載の光反射性構造体の製造方法を提供する。
【0051】
態様29は、熱硬化性を有し、露光強度に応じて中間的な反応を示す感光性樹脂層に、面積階調法を用いて光を照射し、感光性樹脂を現像して不溶化樹脂層を形成し、不溶化樹脂層を加熱処理して熱だれを生じさせ、表面の平滑度を向上させるとともに硬化を促進させ、硬化した樹脂の表面に、面積階調の周期に対応した凹凸形状を形成し、樹脂の表面に光反射性の物質を設ける光反射性構造体の製造方法を提供する。
【0052】
態様30は、複数のピクセル領域が設けられ、一つのピクセル領域に複数のブロック単位が含まれ、フォトマスク面をxy平面とした場合に、x軸方向における一つのブロック単位にはx軸方向に透過部と遮光部とが弧状の境界を有するマスクパターン単位がx軸方向に連続して並び、y軸方向で隣接する二つのブロック単位の前記弧状の境界が、x軸方向について所定の距離ずれていることを特徴とするフォトマスクを提供する。
【0053】
態様31は、複数のピクセル領域が設けられ、フォトマスク面をxy平面とした場合に、一つのピクセル領域には、x軸方向に透過部と遮光部とが弧状の境界を有する複数のマスクパターン単位がx軸方向およびy軸方向に連続して並び、隣接するマスクパターン単位の遮光部と透過部とのx軸方向の周期に対する振幅の比率が異なる、フォトマスクを提供する。
【0054】
態様32は、矩形状の透過部要素と矩形状の遮光部要素で構成されており、フォトマスク面をxy平面とした場合に、y軸方向の透過部要素の幅と遮光部要素の幅とが段階的に単調変化している短冊状階調領域がx軸方向に連続して並んでおり、矩形の集合である遮光部と透過部とのx軸方向の周期が一定である、態様30または31に記載のフォトマスクを提供する。
【0055】
態様33は、短冊状階調領域がy軸方向に所定の距離ずれてx軸方向に1周期分連続して並んだマスクパターン単位であって、y軸方向にプラスの距離ずれた組とマイナスの距離ずれた組とを組み合わせることにより、x軸方向における透過部と遮光部とが、弧状の境界をなすようにしたマスクパターン単位が、x軸方向に連続して並び、x軸方向における透過部と遮光部とが波状の境界を有する、態様30,31または32に記載のフォトマスクを提供する。
【0056】
態様34は、遮光部と透過部とのx軸方向の周期に対する振幅の比率が0.05〜1である、態様30,31または32に記載のフォトマスクを提供する。
【0057】
態様35は、遮光部と透過部とのx軸方向の周期に対する振幅の比率が、x軸方向に所定の規則性をもって繰り返し変化する、態様34に記載のフォトマスクを提供する。
【0058】
態様36は、マスクパターン単位のx軸方向における一つのブロック単位が、x軸方向に所定の距離ずれて、y軸方向に連続して並んだ、態様33,34または35に記載のフォトマスクを提供する。
【0059】
態様37は、マスクパターン単位のx軸方向における一つのブロック単位が、x軸方向に所定の距離ずれて、y軸方向に連続して並んでいるマスクパターン単位の組合せから、1ピクセル分のマスクパターンを選択し、このマスクパターンをx軸方向およびy軸方向に連続して並べて形成した、態様30〜36のいずれかに記載のフォトマスクを提供する。
【0060】
態様38は、所定の距離が遮光部と透過部とのx軸方向の1周期または1/2周期である、態様36または37に記載のフォトマスクを提供する。
【0061】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を実施例、図等を使用して説明する。なお、これらの実施例、図等および説明は本発明を例示するものであり、本発明の範囲を制限するものではない。本発明の趣旨に合致する限り他の実施の形態も本発明の範疇に属し得ることは言うまでもない。なお、これらの図において、同一の要素については同一の符号を付すものとする。また、本発明に係る要素は、必ずしも同一の縮尺によるものではない。
【0062】
図1に、本発明に係る半透過型液晶表示装置の構成例の断面を模式的に示す。この表示装置は、表示に使用する光として、図1の上側に当たる、半透過型液晶表示装置の表側から入射される外光と、バックライト側の光との両方を利用している。なお、図1の下側に当たる背面側に設置されるバックライトは図示されていない。
【0063】
図1において、ガラスやプラスチックよりなる第1の透明基板1および第2の透明基板2のセル内側には、透明電極3,4がそれぞれ形成されている。さらにその内側には液晶層5が挟持される。
【0064】
また、第1の透明基板の外側には、2枚の位相差板6,7、拡散層9および偏光板8がこの順に配置されている。さらに、第2の透明基板2の外側には、2枚の位相差板6,7および偏光板8がこの順に配置されている。
【0065】
第1の透明基板1のセル内側にはカラーフィルタ(CF)10が配置されており、このCF10を覆って平坦化層11が設けられている。また、第2の透明基板2のセル内側には凹凸層12が形成されており、凹凸層12の上、液晶表示部に相当する部分には半透過光反射層13が形成されている。
【0066】
この半透過光反射層13の上にも平坦化層11が設けられる。この平坦化層11は、液晶の配向性を向上させることを主目的として設けられている。各平坦化層11のセル内側には、透明電極3,4があり、さらにその内側には、1層の絶縁層14と2層の配向層15とがそれぞれ形成されている。2つの配向層15の内側にスペーサ16が適宜配置され、スペーサ16によって液晶層5の厚みが保持されている。
【0067】
このように、第1の透明基板1および第2の透明基板2によって挟持されたセル内側に液晶層5が形成される。なお、この液晶セルの側面側にはシール17が設けられている。
【0068】
液晶層5の液晶は、第1の透明基板1から第2の透明基板2に向かって0〜300°のねじれ角を有する。液晶の屈折率異方性Δnと液晶層5の厚さdとの積によって与えられる液晶層5のリタデーション値Δn・dは0.30〜2.00μmである。
【0069】
本発明に従って、グレアの影響が少なく、明るく表示性能に優れた光反射性構造体を形成するには、たとえば、図1,2,3a,3bを参照して以下のようにして行うことができる。
【0070】
まず、表面が平滑な透明基板の一方(図1では下側の透明基板2)の面上に、図2に示すように、熱硬化性を有する感光性樹脂を用いて感光性樹脂層31aを所定の厚さで塗布形成し、所定の光透過パターンを有するフォトマスク32を介して、プロキシミティ方式により露光した後、感光性樹脂層31aを現像する。これにより、図3aのように、露光の回折と干渉とによる透過光の強度分布の差に起因する小刻みな凹凸を傾斜面に有する複数の凸状帯および/または凹状帯を持つ不溶化樹脂層31bが形成される。光源としては、高圧水銀灯、低圧水銀灯等を使用できる。
【0071】
ついで、所定温度で加熱処理することにより、不溶化樹脂層31bの硬化を促進するとともに、小刻みな凹凸を溶融消滅させて表面の平滑度を向上させることにより、図3bに示すように硬化樹脂層31cが形成される。この硬化樹脂層31cは上記凹凸層12に該当し、所定方向に関し非対称な断面形状を持ち、表面の平滑な複数の凸状帯および/または凹状帯よりなる光反射面である光反射領域を形成するための凹凸を与える層である。
【0072】
なお、本発明において非対称な断面形状とは、図3bのように、凸部の最高点を通って基板面に垂線Lを立てた場合に、その両側の長さXとYとが異なることを意味する。凹部の場合は最低点を通って基板面に垂線を立てた場合に、その両側の長さXとYとが異なることを意味する。
【0073】
また、表面が平滑であるとは、図3bを図3aと比較した場合に分かるように、小刻みな凹凸が減少または消滅したことを意味する。
【0074】
上記のフォトマスク32に設けるパターンは、ライン状の遮光部と透過部とを有し、遮光部の幅と透過部の幅との少なくともいずれか一方が単調に変化するようになしたものを使用することができる。これにより、光透過量に濃淡が生じ、所定方向に非対称な断面形状を有する凸状帯および/または凹状帯を形成することができる。遮光部はグレースケール像を与えるものでもよい。このようなパターンは、プロキシミティタイプの露光機に適した大型サイズのフォトマスクにおいて容易に作製できるサイズである。なお、凸状帯および/または凹状帯は必ずしも光反射領域の全面をカバーする必要はなく、部分的に平坦な箇所があってもよい。
【0075】
このパターンの一例を図4に模式的に示す。なお、図4以降のパターンまたは光反射領域の模式図においては、その左下にx軸の+方向を紙面に向かって右方向とし、y軸の+方向を紙面の上方向として示してある。y軸の+方向を紙面の上方向として示したのは、実際に表示装置を使用するときには、紙面をディスプレー外面と考えた場合に、紙面の上方向をy軸の+方向としてディスプレーを眺める場合に、本発明の効果が最もよく発揮される場合が多いからである。なお、上記態様17等における「y軸の+方向」は、そのxy平面上で自由に定めることができ、必ずしもここでいう紙面の上方向を意味すると限らない。ただし、通常の表示装置の使用態様からすれば、ここでいう紙面の上方向と一致する場合が好ましいことが多い。
【0076】
図4において、パターン101は、幅W102を有する斜線部で示されるライン状の遮光部102と、その間にある幅W103を有する白抜き部で示されるライン状の透過部103とよりなる。遮光部102はその幅W102が下から上に向けて単調に減少している。一方、透過部103の幅W103は逆に下から上に向けて単調に増加している。
【0077】
なお、本明細書では、パターンやその他の箇所について、個々を区別して表す場合には101a,101b,101c,101dと言うように表し、代表的に纏めて表す場合には101と言うように表す場合がある。
【0078】
遮光部の幅と透過部の幅との少なくともいずれか一方が単調に変化する組み合わせとしては、上記のように単調減少と単調増加との組み合わせの他に、単調減少または単調増加と一定幅との組み合わせでもよい。ただし、単調減少同士または単調増加同士の組み合わせはよい結果が得られない場合が多い。
【0079】
図4のパターンを使用して得られる反射層の光反射領域を示す模式的斜視図を図5に示す。図5において、光反射領域51は、本発明に係る、所定方向に関し非対称な断面形状を持ち、表面が平滑な複数の凸状帯および/または凹状帯よりなる光反射領域の一例である。このような形状の光反射領域は、光の特定方向反射性を有する。図5の場合の所定方向はy軸方向である。また、凸状帯の幅201は図4のパターン101に対応するものである。
【0080】
フォトマスクの遮光部と透過部とのそれぞれの幅を1〜15μmの間にあるようになし、パターンの周期を20〜60μmとすることが好ましいことが判明した。図4の例でいえば、幅W102や幅W103を1〜15μmの間の値にし、パターン101a〜101dの周期を20〜60μmとし、その数値範囲で幅W102や幅W103を単調に増加または減少させることを意味する。
【0081】
これにより、図4の場合にはy方向における内面反射光の散乱指向性が得られる。すなわち、このようなパターンを設けたフォトマスクを使用して得た硬化樹脂層上に形成した反射層の表面が硬化樹脂層表面の形状を反映することにより、反射層で反射した光が特定の方向に反射されるとともに、傾斜面の幅や傾きが一定範囲でばらつくことによりその反射光の散乱性が生じるのである。
【0082】
遮光部と透過部とが持つライン状の形状は、その少なくとも一方を曲線または直線で形成することが好ましい。この形状は、図4のごとく直線状であっても、図6のごとく曲線のつながりであっても、図7,8のごとく、直線の折れ曲がりのつながりにより曲線を模したものであってもよい。
【0083】
図6〜8のパターンは、曲線形状の一つである波状のパターン形状の幅を段階的に変化させて光透過量の濃淡を図のy軸方向に形成させるようにしたものである。波状におけるx軸方向の周期104は、10〜100μmであることが好ましい。この周期のばらつきと波状のパターン形状とによって、図6〜8に示すように設けたフォトマスクを使用して得た反射層で反射した光はy軸方向とともにx軸方向についても内面反射光の散乱指向性を生じる。
【0084】
図8では、パターンの波の向きが101cで変化している。このような変化も好ましい場合がある。
【0085】
また、x軸方向の周期104に対する振幅105または106の比率は0.05〜1であることが好ましい。内面反射光の散乱指向性を得やすいからである。
【0086】
図9のパターンでは、y軸方向の幅W102とW103とを段階的に単調変化させることにより、光透過量の階調の濃淡を生じさせることのできる短冊状階調領域107を形成し、これをx軸方向に連ねることにより、矩形の集合である遮光部102と透過部103とのx軸方向の周期104を一定に揃えた所定のパターンを得ている。これも波状の形状の一種である。なお、パターン101d,eのx軸方向の周期の位相は、パターン101a,bのx軸方向の周期の位相に対し、周期104の1/2だけずれている。
【0087】
図10のパターンでも、上記図9と同様、短冊状階調領域107(たとえば107a〜107c)を、x軸方向に波状に連ねて形成してある。ただし、図9と異なり、x軸方向の周期104は一定ではなく、x軸方向の周期の位相は、y軸方向に関しずれていない。
【0088】
矩形の集合である遮光部102と透過部103とのそれぞれの幅は1〜15μmの範囲であり、パターンの周期101は20〜60μmの範囲内の一定の値で形成されている。波状におけるx軸方向の周期104は、10〜100μmであることが好ましい。また、x軸方向の周期104に対する振幅106の比率が0.05〜1であることが好ましい。
【0089】
パターンは、液晶表示部に相当する反射層部分に凹凸が生じるように作成されるが、必ずしもこの「液晶表示部に相当する反射層部分」の全面をカバーする必要はない。たとえば、図11,12のように、本発明に係るパターンとは異なる任意のパターン55を設けてもよい。この任意のパターン55を設ける箇所や形状は、本発明の効果が確保される限り、用途によって自由に選択することができる。
【0090】
なお、図11には透過部の幅が大幅に広い部分がある。このように部分的に透過部の幅が大幅に広いと、凹凸の傾斜が大幅に緩やかになったり、部分的に平坦になったりすることもある。
【0091】
また、図12は、y軸方向やx軸方向に見た場合、異なった三種類の波状のパターンが混合して存在するフォトマスクの例でもある。
【0092】
本発明に係る感光性樹脂層は、このようなフォトマスクを介して、プロキシミティ方式により露光し、現像する。プロキシミティ方式とはフォトマスクを感光樹脂とは接触させず、その近傍(プロキシミティ)に設置する方式である。感光樹脂層表面とフォトマスクとの間隔(プロキシミティギャップ)は、通常40〜300μmが好ましい。コリメーションアングルは1〜4゜が好ましい。
【0093】
コリメーションアングルを1〜4゜にするのは、小刻みな凹凸を傾斜面に有しつつも全体としては一つのまとまりとしての非対称な断面を有する凸状帯や凹状帯を造り出し、これによって光の特定方向反射性と内面反射光の散乱指向性とを反射面に付与しやすいからである。なお、あるコリメーションアングル値とあるプロキシミティギャップとの組み合わせで得られるのと同様の効果は、より大きなコリメーションアングル値とより小さいプロキシミティギャップとの組み合わせで得られる傾向がある。
【0094】
ここで、上記所定の方向はディスプレー外面と平行な面上にあって、光の特定方向反射性を実現したい方向を意味し、目的に応じて任意に定めることができる。これを図13を用いて説明する。
【0095】
図13は携帯電話131の側断面の模式図である。図13は、操作面133の上にあるディスプレー132を目134が見ている状態を表す。この場合、紙面に沿う方向の入射光135のうち、ディスプレー132の外面138で反射する光はディスプレー外面138に垂直な線Z−Zについて線対称の反射光136となるが、本発明に係る所定方向に非対称な断面形状を持つ光反射領域をデフォルメして示す凹凸層(または硬化樹脂層)12上の反射面(または反射領域)で反射する光は光反射領域の斜面に垂直な線Z’−Z’について線対称の反射光137となる。
【0096】
このため、反射光137を目視する場合には、ディスプレー外面138での反射光136は邪魔にならず、グレア回避効果が得られる。本発明に係る光反射領域は、このグレア回避効果を実現するための領域である。なお、反射光137は、ディスプレー132の外面138に直交することが好ましい。
【0097】
熱硬化性を有する感光性樹脂を使用する理由は、上記のように加熱処理する場合に、その前の感光現像処理である程度硬化した不溶化樹脂層を充分に硬化させるとともに、樹脂を軟化させ、熱ダレにより非対称な断面形状の凸状帯および/または凹状帯の表面上にある小刻みな凹凸を溶融消滅させ、平滑にするためである。このような樹脂としては、ポジ型感光性樹脂やネガ型感光性樹脂を使用することができる。
【0098】
ポジ型感光性樹脂は通常溶媒揮散型(溶媒可溶型)であり、たとえばJSR社製PC411B,PC403,PC409、東京応化社のOEBR−1000などが例示される。ネガ型感光性樹脂としては新日鐵化学社のV259PRシリーズなどが例示される。その塗布厚は0.5〜10μmが現実的な範囲であるが、塗り易さおよびガラス基板との熱膨張差などを考慮すると、1〜5μmの範囲が好適である。感光性樹脂はスピンナーなどにより均一の厚さに塗布することができる。なお、感光性樹脂は、露光強度に応じて中間的な反応を示すようにすることができるため、露光強度分布に応じた形状を造ることができる。たとえばPC411Bは100mJ/cm2まで、ほぼ直線的に反応率が変化する。
【0099】
加熱処理に際し、所望の熱硬化性と表面を平滑にする機能とを有するか否かは、上記のような凹凸部を実際に形成し、感光現像加熱処理を行って決定することができる。硬化樹脂層の表面が平滑になったかどうかや平滑度が向上したかどうかは、表面の目視観察、表面粗度の評価、特定方向反射性の評価、グレア回避効果の把握等様々な方法で確認することができる。なお、感光処理するに先立ってプリベークして溶媒を揮散させる前処理を行うことが多い。
【0100】
加熱処理としては、公知のどのような方式を採用することもできる。検討の結果、所定の断面形状を得るには、感光性樹脂としてポジ型感光性樹脂を使用し、加熱処理の処理温度が150〜260℃、処理時間が1分以上であることが好ましいことが判明した。たとえば150〜260℃に保温されたクリーンオーブンで60分間加熱する方式が考えられる。
【0101】
なお、加熱の初期は、軟化が起こりやすいように不溶化樹脂層の全体を急速に加熱することが好ましい。たとえば、不溶化樹脂層の表面温度が室温から150℃以上の温度になる時間は30秒以下であることが好ましい。そのためには接触熱伝導加熱方式等の熱容量の大きい方式を採用することが好ましい。その後は他の方式、たとえば対流方式等で加熱してもよい。具体的には、150〜200℃のホットプレートで1〜5分、その後焼成硬化のために200〜260℃のクリーンオーブンで60分間加熱するように、加熱処理工程を分離する方式や枚葉投入方式のクリーンオーブンが考えられる。
【0102】
透明基板2上に上記のようにして形成された、硬化樹脂層31cに相当する凹凸層12上に、金属膜よりなる半透過光反射層13が形成される。
【0103】
なお、図1に示すように、感光性樹脂を透明基板2の一方の全面に塗布し、樹脂層のほぼ全面を露光して現像し、その後加熱処理して、透明基板2の表面のほぼ全面に渡って所定の凹凸面を有する硬化樹脂層31cを形成してもよく、シール17の内側のみに塗布し、露光現像加熱処理して、透明基板2の表面のうち、シール17の内側にのみ所定の凹凸面を有する硬化樹脂層を形成してもよい。
【0104】
後者の場合は、感光性樹脂を塗布する部分と塗布しない部分との間に段差が生じ、その上に各種の層を形成する場合に不利な場合がある。前者の場合、半透過光反射層13は液晶表示部に相当する部分のみに形成されるが、この層は薄いので、上記のような段差を生じる原因とはならない。
【0105】
前者の例に従って説明すると、半透過光反射層13および半透過光反射層13が形成されていない凹凸層12を覆って、表面を平坦化するための平坦化層11が形成される。そして、この平坦化層11の上に透明電極4が形成される。
【0106】
なお、以上は、本発明の製造方法について主に説明したが、本発明の検討の結果、方法の如何を問わず、光反射性構造体が次の特性を有していることが重要であり、これにより、グレアの影響が少なく、明るく表示性能に優れた光反射性構造体および反射型液晶表示装置/半透過型液晶表示装置が実現できることが判明した。
【0107】
すなわち、光反射領域を含む光反射層を有する光反射性構造体において、光反射領域が所定方向に関し非対称な断面形状を持つ複数の凸状帯および/または凹状帯を含み、凸状帯および/または凹状帯の幅が20〜60μmの間にあり、凸状帯および/または凹状帯の表面が平滑である光反射性構造体である。
【0108】
図5の光反射領域51は上記光反射領域の一例であり、凸状帯53は、幅が20〜60μmの間にある上記凸状帯および/または凹状帯の一例である。表面52は平滑であり、凸状帯および/または凹状帯の表面が平滑であることの一例となっている。また、高さ54を示す部分が、この場合の所定方向であるy軸方向における非対称な断面形状を表している。
【0109】
また、図19は、図7のパターンを使用した場合に生じる光反射領域と凸状帯および/または凹状帯の他の一例である。また、図20は、図8のパターンを使用した場合に生じる光反射領域と凸状帯および/または凹状帯の他の一例である。
【0110】
上記の凸状帯の高さおよび/または凹状帯の深さが1〜5μmの間にあることが好ましい。たとえば図5の高さ54がこの凸状帯の高さおよび/または凹状帯の深さの一例である。
【0111】
このような光反射性構造体としては、ディスプレー外面に平行な面をxy平面とした場合に、上記所定方向がy軸方向であり、凸状帯および/または凹状帯が、x軸方向に関し、規則的または不規則的な振幅205,206と規則的または不規則的な周期204とで連なる波状形状として構成されていることが好ましい。図20はその一例であり、凸状帯が、x軸方向に関し、図8のフォトマスクパターンのx軸方向の周期104に対応して規則的なx軸方向の周期204と規則的な振幅206とで連なる波状形状として構成されている。このようなx軸方向の周期と振幅とは散乱指向性を与えるのに寄与する。
【0112】
上記x軸方向の周期としては、10〜100μmの間にあることが好ましい。このような周期は、上記のようにフォトマスクパターンのx軸方向の周期を規定することによって実現することができる。
【0113】
また、上記x軸方向の周期に対する振幅の比率としては0.05〜1の間にあることが好ましい。具体的には、たとえば先述のごとく、フォトマスクパターンのx軸方向の周期に対する振幅の比率を規定することによって実現することができる。
【0114】
内面反射光の散乱指向性に寄与する効果をより大きくするためには、光反射領域中に、周期に対する振幅の比率が異なるx軸方向の周期と振幅との組み合わせが二種以上存在することが好ましい。具体的には、たとえば先述のごとく、図7のようなフォトマスクパターンによりそのような光反射領域を実現することができる。
【0115】
さらに、複数の帯の波状形状について、そのx軸方向の周期の位相がy軸方向に関しそれぞれずれていることが好ましい場合がある。具体的には、たとえば先述のごとく、図9,11のようなフォトマスクパターンによりそのような光反射領域を実現することができる。たとえば、図11の周期101aと101bとのx軸方向の位相を比較するとy軸方向に関しそれぞれずれていることが理解される。
【0116】
なお、x軸方向の周期が一定であり、y軸方向に関するx軸方向の周期の位相のずれが周期の2分の1であるようにすると規則的な構成要素を使用して不規則な構成の光反射領域を容易に得られるため、有用である。具体的にはたとえば、図23に示すように、図9のようなフォトマスクパターンを使用して得られる反射層の光反射領域である。
【0117】
さらに、x軸方向の位相がy軸方向に関しずれている場合とは対照的に、光反射領域をx軸方向について複数のサブ領域に分割した場合、サブ領域のy軸方向の位相がx軸方向に関しそれぞれずれていることも好ましい場合がある。具体的には、たとえば、図21のようなフォトマスクパターンから得られる図22のような光反射領域である。なお、図21は、ずれの状態をわかりやすくするため、サブ領域に対応するパターン部分を二つ部分的に示してある。
【0118】
本発明に係る所定方向に非対称な断面形状を持つ凸状帯および/または凹状帯は、所定方向を向く傾斜面とその逆方向を向く傾斜面とに分けて考えた場合に、所定方向を向く傾斜面の面積の方が多いことを意味すると考えることができる。
【0119】
具体的には、この所定方向をy軸の+方向とした場合、凸状帯および/または凹状帯の傾斜面の内、y軸の+方向を傾斜面の法線のベクトル成分として有する傾斜面部分の占有率が55%以上90%以下であることが好ましいことが判明した。これにより、上記の「所定方向に非対称な断面」の非対称性や、特定方向反射性やグレア回避効果を客観的に把握することが可能となる。
【0120】
このような傾斜面部分の占有率は、たとえば凸状帯および/または凹状帯の傾斜面を三角形の集合であるポリゴンとしてとらえ、ポリゴンを形成する全三角形の総面積に対する垂直線のベクトル成分としてy軸の+方向を有する三角形の合計面積の比率として求めることができる。
【0121】
上記は主に、光を特定の方向へ反射させる光の特定方向反射性の観点から傾斜面を規定したものであるが、反射光について散乱指向性を与える意味からは、xy平面の法線方向と傾斜面の法線方向とがなす角度を傾斜角度と定義した場合、xy平面におけるy軸の+方向の±45°の範囲における傾斜角度分布の存在率が、傾斜角度2〜10°の範囲に極値を少なくとも1個有することが好ましく、特に極値がy軸の+方向にあることがより好ましい。これにより、上記の内面反射光の散乱指向性や視認容易性を客観的に把握することが可能となる。なお、xy平面におけるy軸の+方向の±45°の範囲とは、図24に示すβの角度の範囲を意味する。また図13の角度αはこの傾斜角度を表している。
【0122】
ここでも、凸状帯および/または凹状帯の傾斜面を三角形の集合であるポリゴンとしてとらえ、「傾斜面の法線方向」を個々の三角形の垂直線の方向として傾斜角度を求め、その分布をxy平面におけるy軸の+方向の±45°の範囲について求めることで、上記の極値を把握することが可能である。極値がy軸の+方向にあることが好ましいのは、反射光についてy軸方向の散乱指向性を得やすいからである。
【0123】
上記構造の光反射性構造体に関し、これまでは、主に所定方向に非対称な断面形状を持つ複数の凸状帯および/または凹状帯の全部が光反射領域である場合について説明した。しかしながら、本発明はこのような場合にのみ限定されるものではなく、所定方向に関し非対称な断面形状を持つ複数の凸状帯および/または凹状帯の一部が光反射領域である場合も含まれる。この場合、所定方向に関し非対称な断面形状を持つ複数の凸状帯および/または凹状帯の一部が光反射領域であるとは、光反射領域でない凸状帯および/または凹状帯が存在することも、個々の凸状帯および/または凹状帯についてその一部が光反射領域となっていることも意味し得る。このような場合には、光反射領域にハーフミラーや全反射ミラーとスリットとを組み合わせて使用するタイプのミラーを使用せず、スリット無しの全反射ミラーを使用して、外部からの入射光を光反射領域で全反射させるようにし、凸状帯および/または凹状帯のうち光反射領域に使用されない部分については光が透過する領域(光透過領域)とすれば、バックライト不使用時にも充分な明るさが実現でき、またバックライト使用時には光透過領域を介して充分なバックライトを利用できるようになる。
【0124】
なお、本発明に関する説明では、「凸状帯および/または凹状帯の一部または全部について」という前提が使用される場合が多いが、この場合の「凸状帯および/または凹状帯の一部」も上記と同様の意味合いを有する。
【0125】
上記の構造の光反射性構造体については、所定方向に関し非対称な断面形状を持つ複数の凸状帯および/または凹状帯がある場合、たとえば凸状帯がある場合には、両側の傾斜面の内図3bの両側の長さXとYとのうちより短い方の傾斜長(図3bではY)を有する傾斜面については、図13についての説明から理解されるように反射光として利用されないという点やより長い方の傾斜長(図3bではX)を有する傾斜面においては、その裾野部分(図13では番号139で示してある)で反射する光がその頂部(図13では番号140で示してある)で反射する光よりも液晶表示装置内での光路長が長くなる結果、裾野部分139での反射光の利用効率が頂部140での反射光の利用効率より小さくなるという点が、さらに改良を施すことができる点として考えられる。この事情は、凸状帯の代わりに凹状帯がある場合でも同様である。ただし、凹状帯においては、凸状帯の裾野部分に該当するのは底部である。ここで本発明において「裾野部分」とは、凸状帯の頂部を含まない光反射層部位を意味する。傾斜面の内どの程度までを裾野部分と呼ぶか、凹状帯の底部と呼ぶかは任意に定めることができる。
【0126】
上記のような点を改良した光反射性構造体として、凸状帯および/または凹状帯の一部または全部について、凸状帯および/または凹状帯の傾斜面の内より短い方の傾斜長を有する傾斜面には光反射領域を設けず、光透過領域を設けることが好ましい。この様子を図25に模式的に示す。
【0127】
このようにすると、光透過領域252を介してバックライトの光を利用することができるので、バックライトを利用する場合に、より明るく表示性能に優れた光反射性構造体となるからである。
【0128】
この場合、光反射領域251がハーフミラーや全反射ミラーとスリットとを組み合わせて使用するタイプのミラーから成り立っていてもよいが、スリット無しの全反射ミラーから成り立っていると、バックライトを利用しない場合には光反射領域で全反射でき、バックライトを利用する場合には光透過領域252を介してバックライトの光を利用できるのでより好ましい。このような構造の反射層の模式的斜視図を図26,27に示す。
【0129】
また、凸状帯および/または凹状帯の一部または全部について、凸状帯の裾野部分および/または凹状帯の底部に光反射領域を設けず、光透過領域を設けることも有用である。この様子を図28に模式的に示す。図中252−1の部分が凸状帯の裾野部分に設けられた光透過領域である。こうすることにより、液晶表示装置内での光路長が長くなる光反射層部位を光透過領域252−1に変え、この光透過領域252−1を介してバックライトの光を利用できる。この場合にも光反射領域がスリット無しの全反射ミラーから成り立っていることが好ましい。このような構造の反射層の模式的斜視図を図29,30に示す。
【0130】
さらに、図31に模式的に示すように、このようにして裾野部分や底部に設けた光透過領域上のCF311については、その膜厚が光反射領域上のCF312の膜厚より厚くすることが好ましい。光透過領域を介するバックライトの光はCFを一回通過するだけであるが、光反射領域で反射する光はCFを二回通過するため、両者の間で光の色純度と明るさのバランスを取るにはこのようにCFに厚薄を設けることが有用であるからである。この場合の膜厚の厚薄は、客観的には、図31に示すように、領域S1に含まれるCF部分の断面積を領域S1の長さL1で除した値と、領域S2に含まれるCF部分の断面積を領域S2の長さL2で除した値との比較で決めることが可能である。なお、図31ではCFが凸状帯の直上にある等、図1とは断面構造が異なっているが、これは説明の便宜のためのものであり、図1のように配置しても良いことはいうまでもない。
【0131】
これに対し、凸状帯および/または凹状帯の一部または全部について、凸状帯の裾野部分および/または凹状帯の底部に、上部にCF層を有さない光反射領域を設けることも明るく表示性能に優れた光反射性構造体を実現する上で有用である。この場合は、裾野部分や底部をバックライトの光を通すために利用するのではなく、光反射領域として利用し、その部分を介する光の光路長が長い点に鑑み、CF層を排除するのである。この部分では色純度が若干犠牲になるものの、明るさを大きく改善することが可能となる。この様子を図32に模式的に示す。この場合は、CF層なしの部分321を設けた構造と、より短い方の傾斜長を有する傾斜面に光透過領域252を設けた構造とを組み合わせてある。
【0132】
なお、このようなCF層なしの部分321は、配置の精度によっては、隣接する光透過領域252にまでおよぶことも考えられる。その場合には、バックライトがCFを通過しないことになるので一般的には好ましくない。そのような場合を防止するには、図33に模式的に示すように光反射領域251をより短い方の傾斜長を有する傾斜面まで延ばし、CF層なしの部分321と光透過領域252とが隣接しない構造とすることが好ましい。
【0133】
上記の構造は、複数の凸状帯および/または凹状帯の一部のみであってもよい。たとえば、凸状帯の頂部に、上部にCF層を有さない光反射領域を設けた構造が共存していてもよい。凸状帯の頂部にこのような構造を設けることは比較的容易であり、明るく表示性能に優れた光反射性構造体を作製する上で効果がある場合がある。
【0134】
図34,35は、このような構造の反射層とCFとの関係を示す模式的斜視図である。図34は反射層の構造を表し、図35はCF層とCF層なしの部分とを示している。図34中、斜線部が光反射領域251、横線部が光透過領域252を表し、図35中、斜線部がCF層部分10、白抜き部がCF層なしの部分321を表す。図35では、左の方に記載されているように、赤色と緑色と青色とよりなる三種類のCFが使用されている。図34の6個の凸状帯は、上から順に、二つずつが図35の赤色と緑色と青色のCFに対応する。この場合、A−A断面図は図25の模式図のようになり、B−B断面図は図28の模式図のようになる。
【0135】
なお、図34に代えて、図44のように、光反射領域を部分的に短い方の傾斜長を有する傾斜面まで延ばした構造とし、また、図35に代えて、図36のように、CF層なしの部分321を縦長の形状にする方が好ましい場合がある。
【0136】
この形状の場合は、凸状帯の裾野部分および/または凹状帯の底部以外の場所である頂部にも、上部にCF層を有さない光反射領域を設けることになるが、CF層なしの部分321の配置(アライメント)が容易になり、前者の場合のように、配置(アライメント)の精度によっては、CF層なしの部分321が隣接する光透過領域252にまでおよんでしまい、バックライトがCFを通過しないという問題を防止することが容易になるからである。この場合、B−B断面図は、前者の場合と同様図28の模式図のようになるが、C−C断面図は図45の模式図のようになる。
【0137】
なお、このようにCF層なしの部分を設ける場合にも、光透過領域を併設する場合には光反射領域がスリット無しの全反射ミラーよりなる方が好ましい場合が多い。
【0138】
図40〜43は、このようにして作製された光反射性構造体をディスプレー外面138に垂直な方向から見た模式図である。図40,41,43は光反射領域251と光透過領域252の分布パターンを、図42はCFのある部分322とない部分321との分布パターンを示している。なお、符号451はブラックマスク(BM)を表している。図40または図41のパターンと図42のパターンとを組み合わせ、また、図43のパターンと図42のパターンとを組み合わせて、光反射性構造体を構成することができる。CFのない部分は図42のようにもっとも効率の良さそうな場所に設けるようにしてよい。また、バックライトを使用する場合と使用しない場合とのバランスを取るため、図43に見られるように、凸状帯の頂部に光透過領域が存在していてもよい。
【0139】
なお、光透過領域やCFのない部分を設けるには、公知のフォトリソグラフィの技術を利用することができる。また、CFに厚薄を持たせるには、凹凸の段差を利用し、CFの一回塗布で厚薄に仕上げる方法、またはCFを複数回塗布する方法等を利用することができる。
【0140】
これらの光反射性構造体は、表示のコントラスト比も高く、従来よりも見栄えのよい半透過型または反射型の表示装置を実現できる。特に、液晶表示素子のために使用すると、低消費電力性と見やすい表示とを同時に達成できるので、たとえば携帯電話に用いた場合、そのディスプレーが飛躍的に明るくなり、従来にない良好な表示機能を達成できる。
【0141】
しかしながら本発明に係る光反射性構造体は、上記のみに適用を限定されるわけではなく、本発明の趣旨に反しない限り、TFTなどの他の液晶モードを含め、公知の表示装置にも適用できることは言うまでもない。
【0142】
半透過型や反射型の液晶表示装置の要素として使用する場合には、本発明に係る光反射性構造体が液晶表示のピクセルサイズ毎に同一のパターンとなっていることが好ましい。このようになっていると、ピクセル毎の特定方向反射性や反射光の散乱指向性の間にバラツキが無くなるからである。
【0143】
また、半透過型や反射型の液晶表示装置の要素として使用する場合には、さらに透過性の拡散層を有することが好ましい。凹凸の周期性に伴うモアレ等の好ましくない現象を抑制し、また光の散乱性を向上でき、より見栄えのよい表示を達成できるからである。
【0144】
【実施例】
次に本発明の実施例を詳述する。
【0145】
[例1]
表示部のサイズが3.78cm×5.04cmで、120×160×RGBピクセル数の半透過型液晶表示装置を以下のようにして形成した。これは、基本的に図1と同様の構成を備えた液晶表示装置である。以下、図1,2,14〜17を用いて説明する。
【0146】
図1を参照して、0.5mm厚のガラス製透明基板2を用い、液晶層5には240°ツイストのスーパーツイストネマティック(STN)液晶を用い、液晶の屈折率異方性Δnは0.13、セルギャップは5μmとした。Δn・dは0.65μmであった。また、位相差板6のΔn・dは0.138μm、位相差板7のΔn・dは0.385μmとした。半透過光反射層13と凹凸層12とを、図1のように配置した。
【0147】
図14は、350mm×480mmサイズの大型基板から液晶表示素子を多数個取りで製造する場合の平面レイアウトを示す模式図である。液晶表示部の最小単位は305μm×95μmであり、線間は10μmとした。よって、x軸方向の配列周期は105μmピッチ、y軸方向の配列周期は315μmピッチに設定した。
【0148】
凹凸層12の形成は以下のようにして行った。スピンナーを使用して、JSR社製のポジ型感光性樹脂PC411Bを、透明基板2上に厚さ5μmに塗布した後、80℃で10分間プリベークを行った。次に、図2に示したように、そのポジ型感光性樹脂膜31a上にフォトマスク32を置き、日立電子エンジニアリング社製のプロキシミティタイプの一括露光機LE4000Aにて、高圧水銀灯を使用し、波長365nm、露光量100mJ/cm2、プロキシミティギャップ150μm、露光機のコリメーションアングル2.0°の条件で露光した。露光は1回で行った。なお、場合によっては複数回露光を行ってもよい。
【0149】
フォトマスク32には、図15に示すようなサイズで、y軸方向のパターンの周期が35μm、x軸方向の波状形状の周期が35μmのパターンを、図16に示すように配置した。
【0150】
上記のフォトリソ工程の後、液温23℃の条件下、0.5重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液にて60秒間現像し、240℃に温度調節された枚葉投入式のクリーンオーブンで60分間加熱処理した。本条件では、ポジ型感光性樹脂において溶融作用が起きるのは投入から約2分以内であり、その後は主に硬化作用が進行した。
【0151】
これにより、レーザ顕微鏡で測定した実測図である図17に示すように、滑らかな傾斜面を有する所定方向に非対称な断面形状の凹凸が形成され、この凹凸が多数集合した凹凸層12がガラス基板上に形成された。この凹凸の幅はフォトマスクパターンとほぼ一致している。この場合、図14に示したように、透明基板2の周囲約10mmは製造に必要な周辺枠である。
【0152】
また、一般に凸状帯の高さおよび凹状帯の深さを増加させるには、露光量を増やすことが行われるが、露光量以外に、ポジ型感光性樹脂のプリベーク温度の降温、プリベーク時間の短縮、現像温度の上昇、現像液濃度の上昇、現像時間の延長等によっても、凸状帯の高さおよび凹状帯の深さは増加する。また、その逆の操作を行えば、凸状帯の高さおよび凹状帯の深さは減少する。このため、一定の凸状帯および凹状帯を形成するには、露光量、プリベーク温度、プリベーク時間、現像温度、現像液濃度、現像時間等を一定にする必要がある。
【0153】
つぎに、図18に示すように、この基板の一面に形成された凹凸層12上のうち、液晶表示部に相当する部分に、アルミニウムを蒸着法によって成膜し、半透過光反射層13を設け、本例の光反射性構造体を形成した。なお、半透過光反射層13上部には、SiO2もしくはSiO2/TiO2/SiO2のような積層構造をさらに設けることにより、反射色の調整や、反射強度を制御することも可能である。
【0154】
次に、半透過型液晶表示装置を組み立て、表示装置としての性能を評価した。STN液晶の駆動は複数行を同時選択する複数ライン同時選択法(MLA法)を採用し、4行同時選択を行った。MLA法については、特開平第6−27907号公報、特開平第8−63131号公報、特開平第8−234164号公報、特開平第8−43571号公報などに記載されている。なお、RGBマイクロカラーフィルタを設けて65Kの発色を可能とした。
【0155】
このようにして、バックライトと外光との両方を使用できる半透過・反射型の機能を有し、表示コントラスト比の最大値が40、視角の広さが±30°以上の結果が得られた。また、消費電力は2mW以下で、表示輝度は50cd/m2が得られた。実際の目視でも、グレアの影響を回避して明るい表示を見ることができることが判明した。
【0156】
この方法で作製した光反射性構造体はプロキシミティタイプの一括露光機を使用して容易に充分な凹凸精度を得ることができ、製造が容易で、品質再現性がよいことが示された。
【0157】
[例2]
CF10が凹凸層12と反射層13上とに形成され、絶縁層14が凹凸層の対向基板側に形成され、一方の平坦化層11が省略された以外は図1とほぼ同様の構成を備えた液晶表示装置(図37)において、アルミニウム蒸着法によって成膜し、フォトリソグラフィーとエッチングとによって、液晶表示部に相当する部分の各ピクセルに、図38に示すような凹凸層の上に図39に示すパターンの反射層13を設けた。
【0158】
また、BM(ブラックマスク)とCFとについては、図42に示すパターンを設けた。CFは、赤色、緑色、青色とも同じパターンと同じ膜厚とを採用した。
【0159】
上記のBMのパターニングでは、フォトリソグラフィーの方法におけるBM材に、新日鐵化学製のネガ型感光性樹脂の色材V2501BKを用い、焼成後の最も厚い部分の膜厚を1μmとした。
【0160】
上記のCFのパターニングでは、フォトリソグラフィーの方法における各CF材に、三菱化学製のネガ型感光性樹脂の色材RER0404(赤)、REG0404(緑)、REB0404(青)を用い、焼成後の最も厚い部分の膜厚を2.5μmとした。
【0161】
上記の条件下、凸状帯の短い方の傾斜長を有する傾斜面および裾野部分に全反射膜を設けない透過部分を形成し、凹凸形状の段差とCF材の一層塗布により、光透過領域252上におけるCFの最大の膜厚が2.5μm、2次元単純断面の平均膜厚が2.0μm、光反射領域251上におけるCFの最小の膜厚が0.8μm、2次元単純断面の平均膜厚が1.3μmの、図46、47に示すような断面構造が得られた。
【0162】
なお、図46には図42におけるBM451の断面形状も示されている。また、図46には、上部にCF層を有さない光反射領域が中央部分にあるが、その前後では、上記のように、凸状帯の短い方の傾斜長を有する傾斜面および裾野部分に全反射膜を設けない透過部分を形成することをやめ、CF層なしの部分と光透過領域とが隣接しないように光反射領域を延長してある。これは、バックライトがCF層なしの部分を通過することを防止するためである。
【0163】
上記以外は、例1と同様にして、半透過型液晶表示装置を組み立てた。この結果、TOPCON社の輝度色彩計BM−7を使用して、CIE(国際照明委員会:Commission Internationale de l’Eclairage)1931表色系(CIE 1931 standard colorimetoric system)に基づく色面積を測定したところ、50の結果が得られた。これに対し、色材の粘度とレベリング性とを変え、光透過領域252上におけるCFの2次元単純断面の平均膜厚が1.6μm、光反射領域251上におけるCFの2次元単純断面の平均膜厚が1.3μmとなるようにしたところ、色面積が37の結果が得られた。この比較より、光透過領域上のカラーフィルタの膜厚を光反射領域上のカラーフィルタの膜厚に比べより厚くすると、反射表示と透過表示とがともに高い色表示性能を達成できることが明らかにされた。
【0164】
なお、上記色面積とは、CIE1931表色系に基づく、CIE xy色度図において、RGB各色(赤、緑、青の各全面表示)の色度座標(xR,yR),(xG,yG),(xB,yB)の測定値3点がなす色三角形の面積である。各x,yは、x=X/(X+Y+Z),y=Y/(X+Y+Z)で記述される値である。
【0165】
[例3]
フォトマスク32のパターンと、x軸方向の配列周期と、y軸方向の配列周期以外は例1と同じ条件で半透過液晶表示装置を組み立て目視評価を行った。以下、図48〜51を使用して説明する。図中の単位はμmである。
【0166】
x軸方向の配列周期が79μm、y軸方向の配列周期が237μmである。
【0167】
フォトマスク32のパターンは以下のように作成したものを用いた。図48に示す基本パターンをx、y軸方向に繰り返すパターンを作り、図49の切取線491で示すように、原点からピクセルサイズの大きさまでの部分を切り出したものを用いた。なお、ピクセルサイズの大きさにパターンを切り出す際、透過部または遮光部が繋がり、大きくなる部分は、面積を調整した。たとえば、透過部が大きくなりすぎる部分がある場合には、遮光部を設けてその透過部部分の面積を減少させた。
【0168】
複数のブロック単位を含む、このような切り取り部分から得たピクセル領域を複数配列して作製したフォトマスクは、フォトマスク面をxy平面とした場合に、x軸方向における一つのブロック単位にはx軸方向に透過部と遮光部とが弧状の境界を有するマスクパターン単位がx軸方向に連続して並ぶようになる。
【0169】
なお、透過部と遮光部とが弧状の境界を有するようになっているとは、図6に見られるように滑らかな弧状の境界だけではなく、この例に見られるように矩形の透過部と遮光部とが弧状の境界の形成する場合も含まれる。y軸方向で隣接する二つのブロック単位の前記弧状の境界が、x軸方向について所定の距離ずれていることが好ましい。光学特性にある程度のランダム性をもたせ、製造時のバラツキが直接反射特性に影響しないようにするためである。
【0170】
また、ブロック単位によらず、複数のマスクパターン単位を含む切り取り部分から得たピクセル領域を複数配列して作製したフォトマスクを作製することもできる。たとえば、上記ブロック単位は、x軸方向に三つのマスクパターン単位からなっているが、図49の切取線491で示すようにブロック単位で切り出すのではなく、図49の切取線492示すように、その内の二つのマスクパターン単位で切り出す場合である。このような場合には、フォトマスク面をxy平面とした場合に、一つのピクセル領域には、x軸方向に透過部と遮光部とが弧状の境界を有するマスクパターン単位がx軸方向およびy軸方向に連続して並び、フォトマスク内で隣接するマスクパターン単位の遮光部と透過部とのx軸方向の周期に対する振幅の比率が異なるものとすることが好ましい。
【0171】
また、切り取り線492のようにマスクパターン単位で切り取る場合に限らず、マスクパターン単位とマスクパターン単位の間の任意の位置で切り取りしてもよい。例えば、x方向に1.5個分のマスクパターン単位で切り取すことも可能である。切り取り線491も492もy軸方向の長さがx軸方向の長さの3倍になっており、R,G,Bの3ピクセル分をx軸方向に並べると正方形になるように設計されている。
【0172】
上記のブロック単位で切り出す場合の基本パターンを以下のように作成した。まず、図50に記した▲1▼のA,B,C,D,C,B,A部分を、y方向について、図48の左下に示した3.0μm,2.0μm,1.0μmのずれを与えて配置する。具体的には図51の▲1▼のように配置する。このようにすると、A,B,C,D,C,B,A間のずらしピッチd1は2μmとなる。
【0173】
ついで、▲1▼のA,B,C,D,C,B,A部分の上に、そのA,B,C,D,C,B,A部分とは、寸法の若干異なる、図50の▲2▼のA,B,C,D,C,B,A部分を、A,B,C,D,C,B,A部分のそれぞれについて、上下が接するようにして配置する。すなわち、図51の▲2▼に示すように配置する。図51中、太線L1はこの上下の接する境界線を示している。なお、太線L1は、矩形の透過部と遮光部とがなす弧状の境界の一例でもある。このようにすると、図50の寸法の場合には、▲2▼のA,B,C,D,C,B,A間のずらしピッチd2は、図51に示すように、1.5μmとなる。
【0174】
ついで、▲2▼のA,B,C,D,C,B,A部分の上に、そのA,B,C,D,C,B,A部分と寸法が同一の、図50の▲3▼のA,B,C,D,C,B,A部分を、A,B,C,D,C,B,A部分のそれぞれについて、上下が接するようにして配置する。図51中、太線L2はこの上下の接する境界線を示している。このようにすると、図50の寸法の場合には、▲3▼のA,B,C,D,C,B,A間のずらしピッチd3は、図51に示すように、1.0μmとなる。このようにして、図48で言えば、G1の列部分が作製される。図48中の▲1▼,▲2▼,▲3▼は上記の▲1▼,▲2▼,▲3▼と対応する。
【0175】
ついで、このようにしてできた、図48のG1部分を、y軸のプラス方向(図48の紙面上方)に84μm移動させ、G2部分として、G1部分に隣接して配置する。更に、図48のG1部分を、y軸のプラス方向(図48の紙面上方)に42μm移動させ、G3部分として、G2部分に隣接して配置する。
【0176】
このようにすると、図48は、▲1▼,▲2▼,▲3▼の三種類の、ずらしピッチの相異なるマスクパターンから構成されるようになる。本明細書では、これら基本パターンの中に存在する異なるマスクパターン▲1▼,▲2▼,▲3▼のそれぞれをマスクパターン単位と呼び、異なるマスクパターン単位がx軸方向に配列した最小単位をブロック単位と呼ぶ。本例の場合、異なる三つのマスクパターン単位のx軸方向の配列▲1▼,▲2▼,▲3▼や▲2▼,▲3▼,▲1▼や▲3▼,▲1▼,▲2▼をブロック単位と呼ぶことができる。この例では、y軸方向で隣接する二つのブロック単位の前記弧状の境界が、x軸方向について、G1の距離だけずれていることになる。
【0177】
なお、図50では、A,B,C,D,C,B,Aのそれぞれについてのx軸方向の長さは、同一としてあるが、実際には、図48に示すように、それぞれ適宜な値を選択することができる。また、そのとき、マスクパターン単位やブロック単位のx軸方向の長さまたはその倍数が、ピクセルのx軸方向の長さと一致しない場合もあり得るが、そのような場合には、上記A,B,C,D,C,B,Aのx軸方向の長さを適宜修正してもよい。図48はDについて、図中真ん中の値を6.0μm、両端の値を6.5μmとした例である。
【0178】
このようにx軸方向、y軸方向に異なるマスクパターン単位を配置した理由は、ピクセル内の光学特性にある程度のランダム性をもたせ、製造時のバラツキが直接反射特性に影響しないようにするためである。x軸方向、y軸方向に配置するマスクパターンの種類は3種類に限定されず、2種類、あるいは4種類以上でもよい。
【0179】
本例は、矩形状の透過部要素と矩形状の遮光部要素とで構成されており、フォトマスク面をxy平面とした場合に、y軸方向の透過部要素の幅と遮光部要素の幅とが段階的に単調変化している短冊状階調領域がx軸方向に連続して並んでおり、矩形の集合である遮光部と透過部とのx軸方向の周期が一定であるフォトマスクの一例でもある。なおここで、遮光部と透過部とのx軸方向の周期が一定であるとは、上記に示すように、ピクセルのx軸方向の長さと一致させるための、周期性に若干の相違がある場合も含む概念である。
【0180】
本例では、より具体的に言えば、短冊状階調領域がy軸方向に所定の距離ずれてx軸方向に1周期分連続して並んだマスクパターン単位であって、y軸方向にプラスの距離ずれた組とマイナスの距離ずれた組とを組み合わせることにより、x軸方向における透過部と遮光部とが、弧状の境界をなすようにしたマスクパターン単位が、x軸方向に連続して並び、x軸方向における透過部と遮光部とが波状の境界を有するようになっている。この例では、y軸方向にずれた距離は、図51におけるd1,d2,d3でであり、このd1,d2,d3が、x軸方向に繰り返されることにより、フォトマスクパターンのx軸方向の周期に対する振幅の比率、すなわち、遮光部と透過部とのx軸方向の周期に対する振幅の比率が、x軸方向に所定の規則性をもって繰り返し変化している。こうすると、光学特性にある程度のランダム性が生じ、製造時のバラツキが直接反射特性に影響しないようにすることができる。
【0181】
本例は、上記で説明した、マスクパターン単位のx軸方向における一つのブロック単位が、x軸方向に所定の距離ずれて、y軸方向に連続して並んだフォトマスクでもある。また、マスクパターン単位のx軸方向における一つのブロック単位が、x軸方向に所定の距離ずれて、y軸方向に連続して並んでいるマスクパターン単位の組合せから、1ピクセル分のマスクパターンを選択し、このマスクパターンをx軸方向およびy軸方向に連続して並べて形成したフォトマスクということもできる。
【0182】
この所定の距離は実情に応じて任意に定めることができるが、マスクパターン単位における遮光部と透過部とのx軸方向の1周期または1/2周期であることが好ましい。本例は、所定の距離が遮光部と透過部とのx軸方向の1周期に該当する場合である。なおここで、遮光部と透過部とのx軸方向の1周期または1/2周期であるという場合の周期は、上記の「遮光部と透過部とのx軸方向の周期」の場合と同様に、ピクセルのx軸方向の長さと一致させるための、周期性に若干の相違がある場合も含む概念である。
【0183】
以上のフォトマスクを用いて作成した半透過液晶表示装置を目視評価を行った結果、例1と同様グレアの影響を回避して明るい表示を見ることが出来ることが判明した。また、サンプル毎の反射特性の違いも低減出来ることが判明した。
【0184】
【発明の効果】
グレアの影響が少なく、明るく表示性能に優れた光反射性構造体および反射型表示装置と半透過型表示装置、特に反射型液晶表示装置と半透過型液晶表示装置を提供できる。また、その製造は容易で、高歩留まりである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る半透過型液晶表示装置の構成例の模式的断面図。
【図2】本発明に係る露光工程を説明するための模式図。
【図3】図3aは、本発明に係る露光,現像工程を説明するための模式図、図3bは、本発明に係る硬化樹脂層の凹凸断面形状を示す模式図。
【図4】本発明に係るフォトマスクのパターンの配列を示す平面図。
【図5】図4のパターンを使用して得られる反射層の光反射領域を示す模式的斜視図。
【図6】本発明に係るフォトマスクの他のパターンの配列を示す平面図。
【図7】本発明に係るフォトマスクの他のパターンの配列を示す平面図。
【図8】本発明に係るフォトマスクの他のパターンの配列を示す平面図。
【図9】本発明に係るフォトマスクの他のパターンの配列を示す平面図。
【図10】本発明に係るフォトマスクの他のパターンの配列を示す平面図。
【図11】本発明に係るフォトマスクの他のパターンの配列を示す平面図。
【図12】本発明に係るフォトマスクの他のパターンの配列を示す平面図。
【図13】携帯電話の側断面を示す模式図。
【図14】大型基板から液晶表示素子を多数個取りで製造する場合の平面レイアウトを示す模式図。
【図15】例1において使用したフォトマスクのパターンの寸法を示す平面図。
【図16】例1において使用したフォトマスクのパターンの配列を示す平面図。
【図17】基板上に形成された凹凸層の斜視図
【図18】図17に示す凹凸層の上に反射層を形成した様子を示す模式図。
【図19】図7のパターンを使用して得られる反射層の光反射領域を示す模式的斜視図。
【図20】図8のパターンを使用して得られる反射層の光反射領域を示す模式的斜視図。
【図21】サブ領域のy軸方向の位相がx軸方向に関しずれているフォトマスクのパターンの配列を示す平面図。
【図22】図21のパターンから得られる反射層の光反射領域を示す模式的斜視図。
【図23】図9のパターンから得られる反射層の光反射領域を示す模式的斜視図。
【図24】xy平面におけるy軸の+方向の±45°の範囲を表す模式図。
【図25】凸状帯および/または凹状帯の傾斜面の内より短い方の傾斜長を有する傾斜面に光透過領域を設けた様子を示す模式的断面図。
【図26】凸状帯および/または凹状帯の傾斜面の内より短い方の傾斜長を有する傾斜面に光透過領域を設けた様子を示す模式的斜視図。
【図27】凸状帯および/または凹状帯の傾斜面の内より短い方の傾斜長を有する傾斜面に光透過領域を設けた様子を示す他の模式的斜視図。
【図28】凸状帯の裾野部分に光透過領域を設けた様子を示す模式的断面図。
【図29】凸状帯の裾野部分に光透過領域を設けた様子を示す模式的斜視図。
【図30】凸状帯の裾野部分に光透過領域を設けた様子を示す他の模式的斜視図。
【図31】CFに厚薄をつけた様子を示す模式的断面図。
【図32】上部にCF層を有さない光反射領域を設けた様子を示す模式的断面図。
【図33】上部にCF層を有さない光反射領域を設けた様子を示す他の模式的断面図。
【図34】反射層の構造を表す模式的斜視図。
【図35】CF層とCF層なしの部分とを示す模式的平面図。
【図36】CF層とCF層なしの部分とを示す他の模式的平面図。
【図37】例2に係る半透過型液晶表示装置の構成例の模式的断面図。
【図38】例2に係る凹凸層の模式的斜視図。
【図39】反射層13のパターンを示す模式図。
【図40】光反射性構造体をディスプレー外面に垂直な方向から見た模式図。
【図41】光反射性構造体をディスプレー外面に垂直な方向から見た他の模式図。
【図42】BMとCFとのパターンの模式図。
【図43】光反射性構造体をディスプレー外面に垂直な方向から見た他の模式図。
【図44】反射層の構造を表す他の模式的斜視図。
【図45】図44のC−C断面図。
【図46】例2に係るCFに厚薄をつけた様子を示す模式的断面図。
【図47】図46のCFの厚薄の詳細な様子を示す模式的断面図。
【図48】例3に係るフォトマスク基本パターン。
【図49】例3に係るフォトマスクパターンの切り出し方法の説明図。
【図50】例3に係るフォトマスク基本パターンの構成要素。
【図51】マスクパターンの配置方法の説明図。
【符号の説明】
1 第1の透明基板
2 第2の透明基板
3,4 透明電極
5 液晶層
6,7 位相差板
8 偏光板
9 拡散層
10 カラーフィルタ
11 平坦化層
12 凹凸層
13 半透過光反射層
14 絶縁層
15 配向層
16 スペーサ
17 シール
31a 感光性樹脂層
31b 不溶化樹脂層
31c 硬化樹脂層
32 フォトマスク
51 光反射領域
52 表面
53 凸状帯
54 高さ
55 任意のパターン
101 パターン
102 遮光部
103 透過部
104 x軸方向の周期
105 振幅
106 振幅
107 短冊状階調領域
131 携帯電話
132 ディスプレー
133 操作面
134 目
135 入射光
136 反射光
137 反射光
138 ディスプレー外面
201 凸状帯および/または凹状帯の幅
204 凸状帯および/または凹状帯のx軸方向の周期
205 凸状帯および/または凹状帯の振幅
206 凸状帯および/または凹状帯の振幅
491 切取線
492 切取線

Claims (6)

  1. 熱硬化性を有する感光性樹脂を用いて感光性樹脂層を形成し、
    ライン状の遮光部と透過部とを有し、遮光部の幅と透過部の幅との少なくともいずれか一方が、フォトマスク面を任意的にxy平面とした場合にその一方の軸であるy軸の方向に単調に変化するようになした少なくとも一種のパターンを設けたフォトマスクであって、フォトマスクのパターンについて、遮光部の幅と透過部の幅との少なくともいずれか一方が、y軸方向に単調に変化する短冊状階調領域を有し、当該短冊状階調領域が、y軸方向に直交するx軸方向に連ねて波状に変化しているフォトマスクを使用し、
    感光性樹脂層を、フォトマスクを介して、プロキシミティ方式により露光し、
    感光性樹脂層を現像して不溶化樹脂層を形成し、
    ついで、不溶化樹脂層を加熱処理して、表面の平滑度を向上させるとともに硬化を促進する
    工程を含む光反射性構造体の製造方法。
  2. x軸方向に連なる波状変化の周期が不規則である、請求項1に記載の光反射性構造体の製造方法。
  3. 熱硬化性を有する感光性樹脂としてポジ型感光性樹脂を使用し、加熱処理の処理温度が150〜260℃、処理時間が1分以上である請求項1または2に記載の光反射性構造体の製造方法。
  4. 加熱処理が、接触熱伝導加熱方式による加熱処理を含む請求項1,2または3に記載の光反射性構造体の製造方法。
  5. フォトマスクの遮光部と透過部とのそれぞれの幅を1〜15μmの間にあるようになし、x軸方向に連ねた波状変化の周期を20〜60μmとする
    請求項1,2,3または4に記載の光反射性構造体の製造方法。
  6. 前記感光性樹脂が、露光強度に応じて中間的な反応を示す請求項1,2,3,4または5に記載の光反射性構造体の製造方法。
JP2003130628A 2002-05-17 2003-05-08 光反射性構造体の製造方法 Expired - Fee Related JP4308570B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003130628A JP4308570B2 (ja) 2002-05-17 2003-05-08 光反射性構造体の製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002143634 2002-05-17
JP2002376735 2002-12-26
JP2003130628A JP4308570B2 (ja) 2002-05-17 2003-05-08 光反射性構造体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004252396A JP2004252396A (ja) 2004-09-09
JP4308570B2 true JP4308570B2 (ja) 2009-08-05

Family

ID=33033011

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003130628A Expired - Fee Related JP4308570B2 (ja) 2002-05-17 2003-05-08 光反射性構造体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4308570B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006163317A (ja) * 2004-12-10 2006-06-22 Koninkl Philips Electronics Nv 拡散反射構造体及びその製造方法並びにこれを用いた表示装置
JP2007212969A (ja) 2006-02-13 2007-08-23 Nec Lcd Technologies Ltd 反射板及び該反射板を備える液晶表示装置並びにその製造方法
TWI342411B (en) * 2007-06-11 2011-05-21 Ind Tech Res Inst Composite lens structure and method of forming the same
JP5276866B2 (ja) * 2008-03-21 2013-08-28 オリンパス株式会社 光学素子の製造方法
JP2009258357A (ja) * 2008-04-16 2009-11-05 Geomatec Co Ltd フォトマスク用基板及びフォトマスクとその製造方法
US8605237B2 (en) 2009-04-30 2013-12-10 Toppan Printing Co., Ltd. Color filter and liquid crystal display device, and exposure mask
JP2016114733A (ja) * 2014-12-15 2016-06-23 コニカミノルタ株式会社 光学素子の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004252396A (ja) 2004-09-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4798822B2 (ja) 反射型液晶表示装置及びその製造方法
US20070111115A1 (en) Light reflective structure, method for producing the same and display
JP3974787B2 (ja) 反射型液晶表示装置
JP4308570B2 (ja) 光反射性構造体の製造方法
JP2008523437A (ja) 拡散反射構造体及びその製造方法並びにこれを用いた表示装置
JP4338518B2 (ja) 光反射体及びそれを用いた表示装置
JP3990141B2 (ja) 液晶表示装置
JP2002207214A (ja) 反射板並びに反射型液晶表示装置及びその製造方法
JP4489346B2 (ja) 液晶表示装置
US20230408862A1 (en) Display panel and preparation method thereof
KR100820648B1 (ko) 반사형 액정 표시 장치용 어레이 기판 및 그의 제조 방법
JP2002258272A (ja) 反射板並びに反射型液晶表示装置
KR100601194B1 (ko) 반사형 액정표시장치 및 이의 제조방법
JP2002090512A (ja) 反射板及びその反射板を備えた反射型液晶表示素子
KR100840538B1 (ko) 반사형 액정표시장치 제조방법
JP2004151685A (ja) 反射基板の製造方法及び電気光学装置の製造方法
JP2003084302A (ja) 液晶表示装置
JP4658346B2 (ja) 反射板および液晶表示装置
KR100693649B1 (ko) 반사체와 액정표시장치
JP2003330016A (ja) 液晶表示装置及びその製造方法
JP2023140279A (ja) 反射板、表示装置及び反射板の製造方法
KR100944685B1 (ko) 콜레스테릭 액정 컬러필터 기판 제조 방법
JP4333081B2 (ja) フォトマスク、液晶表示装置の製造方法
JP4406217B2 (ja) 反射体および液晶表示装置
JP2001154189A (ja) 光反射性基板の製造方法およびこれを使用した反射型液晶表示装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060126

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20080212

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20080213

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20080212

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080710

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080715

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080911

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090106

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090213

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090428

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090501

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120515

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120515

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150515

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150515

Year of fee payment: 6

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150515

Year of fee payment: 6

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees