JP2016114733A - 光学素子の製造方法 - Google Patents

光学素子の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2016114733A
JP2016114733A JP2014252741A JP2014252741A JP2016114733A JP 2016114733 A JP2016114733 A JP 2016114733A JP 2014252741 A JP2014252741 A JP 2014252741A JP 2014252741 A JP2014252741 A JP 2014252741A JP 2016114733 A JP2016114733 A JP 2016114733A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
groove
resin substrate
optical element
wall surface
manufacturing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Ceased
Application number
JP2014252741A
Other languages
English (en)
Inventor
修志 池永
Nobuyuki Ikenaga
修志 池永
俊也 富阪
Toshiya Tomisaka
俊也 富阪
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP2014252741A priority Critical patent/JP2016114733A/ja
Publication of JP2016114733A publication Critical patent/JP2016114733A/ja
Ceased legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Elements Other Than Lenses (AREA)
  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Abstract

【課題】溝部の内壁面に鏡面化処理を施す際に、樹脂基板の表面にその鏡面化処理の影響がおよぶことを抑制可能な光学素子の製造方法を提供する。【解決手段】光学素子の製造方法は、ダイシング加工により樹脂基板の表面31Aに溝部34を形成する工程と、溝部34に対応する位置に開口部71Hが設けられた板状部材71を、樹脂基板の表面に当接させる工程と、開口部71Hを通して溝部の内壁面34a,34cに熱を付与することにより、内壁面に鏡面化処理を施す工程とを備える。板状部材を樹脂基板の表面に当接させる工程においては、板状部材71が樹脂基板10Nの表面31Aを覆い且つ板状部材71がコーナーエッジ部分35a,35bに重なるように、板状部材を樹脂基板の表面に当接させる。【選択図】図9

Description

本発明は、樹脂基板に溝部を形成した後、溝部の内壁面に鏡面化処理を施す工程を備えた光学素子の製造方法に関する。
下記の特許文献1〜3に開示されているように、マイクロミラーアレイなどの光学素子を製造する際には、ダイサーを用いたダイシング加工により、樹脂基板の表面に複数の溝部が形成される。
樹脂基板とは技術分野が異なるが、特開2006−315886号公報(特許文献4)には、石英ガラス素材に溝部を形成したのちに、溝部をファイアポリッシュし、滑らかな面状態とすることが記載されている。特開2009−203107号公報(特許文献5)には、粗面を有する石英ガラスを水蒸気の存在下で加熱保持することによって、面粗さを改善することが記載されている。
特開2000−127021号公報(特許文献6)には、ダイヤモンドブレードを用いた溝加工によって石英ガラスロッドに溝部を形成し、溝部を研磨ブラシによって鏡面研磨することが記載されている。特開2008−268570号公報(特許文献7)には、ヒーターの先端に取り付けられたノズルから、概ね150〜200℃前後の熱風を吹き出し、この熱風を樹脂製容器(ペリクル収納容器)の部材端面に吹き付けることで、ヒゲ状のバリを容器の表面から除去することが記載されている。
特開2014−032394号公報 特開2013−254145号公報 特開2013−210610号公報 特開2006−315886号公報 特開2009−203107号公報 特開2000−127021号公報 特開2008−268570号公報
ダイシング加工により、樹脂基板に溝部を形成したとする。この場合、溝部の内壁面にはツールマーク(ダイサーによる加工痕)が残存する。ダイシング加工のみで、溝部の内壁面を鏡面状態に仕上げることはできない。
光学素子としての品質や性能を考える場合には、溝部の内壁面の表面粗さが重要となる。すなわち、ダイシング加工によって溝部の内壁面に形成されたツールマークは、できるだけ除去されることが求められる。
光学素子としての品質や性能を考える場合には、樹脂基板の表面形状も重要となる。すなわち、ダイシング加工が施された面のうち、溝部が形成されていない部分(互いに隣り合う2つの溝部の間に位置する表面部分)も、光学面として機能する。樹脂基板の当該表面にも、反りやうねりなどがほとんどない、できるだけ平坦かつ平滑な形状(たとえば溝部に対して直角な形状)を有していることが求められる。
ここで、ツールマークを除去するために、溝部の内壁面に鏡面化処理を施したとする。鏡面化処理の影響は、樹脂基板の表面にもおよび得る。特段の配慮をしていない場合には、樹脂基板の表面が鏡面化処理の影響を受けたことに起因して、樹脂基板の表面形状が変化し、たとえば溝部による凹凸形状が崩れてしまったり、表面部分と溝部の内壁面との間のコーナーエッジ部分の形状が崩れてしまったりする。
本発明は、上記のような実情に鑑みて為されたものであって、溝部の内壁面に鏡面化処理を施す際に、樹脂基板の表面にその鏡面化処理の影響がおよぶことを抑制することができる光学素子の製造方法を提供することを目的とする。
本発明に基づく光学素子の製造方法は、ダイシング加工により樹脂基板の表面に溝部を形成する工程と、上記溝部に対応する位置に開口部が設けられた板状部材を、上記樹脂基板の上記表面に当接させる工程と、上記開口部を通して上記溝部の内壁面に熱を付与することにより、上記内壁面に鏡面化処理を施す工程と、を備え、上記樹脂基板の上記表面と上記溝部の上記内壁面との間には、コーナーエッジ部分が上記ダイシング加工により形成されており、上記板状部材を上記樹脂基板の上記表面に当接させる工程においては、上記板状部材が上記樹脂基板の上記表面を覆い且つ上記板状部材が上記コーナーエッジ部分に重なるように、上記板状部材を上記樹脂基板の上記表面に当接させる。
好ましくは、上記溝部の上記内壁面に鏡面化処理を施す工程においては、上記開口部の内側に熱風が供給されることで、上記溝部の上記内壁面に熱が付与される。
好ましくは、上記溝部の上記内壁面に鏡面化処理を施す工程においては、上記開口部の内側に加熱部材が配置されることで、上記溝部の上記内壁面に熱が付与される。
好ましくは、上記溝部の上記内壁面に鏡面化処理を施す工程においては、上記板状部材を介して上記樹脂基板の上記表面を冷却しながら、鏡面化処理が実施される。
好ましくは、上記溝部が延びる方向に対して直交する方向を幅方向とすると、上記開口部の幅は、上記溝部の幅よりも小さい。
好ましくは、上記開口部は、上記溝部に沿って延在するスリット穴の形状を有しているか、または、上記溝部に沿って並ぶ複数の穴から構成されている。
好ましくは、上記鏡面化処理が施される上記溝部の上記内壁面は、0.5μm以下の表面粗さ(Ra)を有している。
好ましくは、上記内壁面に鏡面化処理を施す工程において上記溝部の上記内壁面に付与される熱の温度をTとすると、(上記樹脂基板の耐熱温度+100℃)≦T≦(上記樹脂基板の耐熱温度+200℃)の関係を具備している。
ダイシング加工により、樹脂基板の表面(ダイシングの加工対象となる面)と溝部の内壁面との間には、コーナーエッジ部分が形成される。上記の構成によれば、板状部材は、このコーナーエッジ部分に重なるように、樹脂基板の表面に当接する。上記コーナーエッジ部分に重なるように配置された板状部材は、溝部の内壁面に鏡面化処理を施す際に、コーナーエッジ部分および樹脂基板の表面に鏡面化処理の影響がおよぶことを抑制する。
実施の形態1の製造方法によって得られる光学素子を備えたマイクロミラーアレイを示す斜視図である。 実施の形態1の製造方法によって得られる光学素子を備えたマイクロミラーアレイの分解した状態を示す斜視図である。 図2中のIII−III線に沿った矢視断面図である。 実施の形態1における光学素子の製造方法の第1工程を示す断面図である。 実施の形態1における光学素子の製造方法の第2工程(ダイシング加工工程)を示す断面図である。 実施の形態1における光学素子の製造方法の第3工程を示す断面図である。 図6中のVII−VII線に沿った矢視断面図である。 実施の形態1における光学素子の製造方法の第3工程を示す斜視図である。 実施の形態1における光学素子の製造方法の第4工程(加熱による鏡面化工程)を示す断面図である。 実施の形態1の変形例における光学素子の製造方法を説明するための断面図である。 実施の形態2における光学素子の製造方法を説明するための断面図である。 図11中のXII−XII線に沿った矢視断面図である。 実施の形態3における光学素子の製造方法の第1工程を示す断面図である。 図13中のXIV−XIV線に沿った矢視断面図である。 実施の形態3における光学素子の製造方法の第2工程(加熱による鏡面化工程)を示す断面図である。
各実施の形態について、以下、図面を参照しながら説明する。同一の部品および相当部品には同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない場合がある。以下の各実施の形態は、光学素子を備えたマイクロミラーアレイに基づいてその説明が為されるが、以下に開示される光学素子およびその製造方法としての技術思想は、マイクロミラーアレイ以外にも適用され得るものである。
[実施の形態1]
(光学素子)
図1〜図9を参照して、実施の形態1について説明する。実施の形態1における光学素子の製造方法を実施することにより、光学素子10,20(図1,図2等参照)が得られる。図1は、光学素子10,20を備えたマイクロミラーアレイ100を示す斜視図であり、図2は、マイクロミラーアレイ100の分解した状態を示す斜視図である。図3は、図2中のIII−III線に沿った矢視断面図である。
図1に示すように、マイクロミラーアレイ100は、マイクロミラーアレイ100の一方の面側に配置された被投影物の鏡映像を、マイクロミラーアレイ100に対して面対称となる他方の面側の空間位置に結像させることができる。すなわちマイクロミラーアレイ100は、3次元または2次元の物体および画像などを空間に結像するための結像光学素子として機能することができる。
図1および図2に示すように、マイクロミラーアレイ100を構成する光学素子10,20は、互いに略同一の構成を有する。光学素子10,20は、平板状の樹脂部材から形成されており、表面31Aおよび裏面31Bを有している。光学素子10,20の材質は、たとえばアクリルやポリカーボネートである。
光学素子10,20の表面31Aには、表面31Aから裏面31Bに向かって延びる複数の溝部34が形成されている。複数の溝部34は、光学素子10,20の端面31Cから端面31Dに到達する長さで、互いに平行に延在している。複数の溝部34は、ダイサー50(図5参照)を用いたダイシング加工により形成されたものである。
図3に示すように、各々の溝部34は、内壁面34aと、底面34bと、内壁面34cとを有している。内壁面34a,34cは、互いに対向する位置関係を有し、光学素子(樹脂基板)の表面31Aに対して直交するように形成されている。光学素子(樹脂基板)の表面31Aと溝部34の内壁面34aとの間には、コーナーエッジ部分35aが形成されており、光学素子(樹脂基板)の表面31Aと溝部34の内壁面34cとの間には、コーナーエッジ部分35bが形成されている。コーナーエッジ部分35a,35bとは、光学素子10,20の表面31Aと、表面31Aに形成された溝部34との間の境界線に相当する部位である。
図1および図2を再び参照して、2枚の光学素子10,20は、各々の溝部34の延びる方向が平面視で互いに直交するように配置される。溝部34が形成された光学素子10の表面31Aと、溝部34が形成された光学素子20の表面31Aとが互いに当接するようにして、マイクロミラーアレイ100が構成されている。光学素子10,20は、たとえば光硬化性を有する樹脂によって互いに接合される。
(光学素子の製造方法)
図4〜図9を参照して、光学素子10,20の製造方法について説明する。光学素子20は、光学素子10と同一の製造方法を使用して作成可能であるため、ここでは光学素子10に着目してその製造方法について説明する。
図4を参照して、まず、表面31Aおよび裏面31Bを有する樹脂基板10M(素板)が準備される。樹脂基板10Mは、直方体状の形状を有し、その材質は、たとえばアクリルやポリカーボネートである。樹脂基板10Mの大きさは、たとえば75mm×75mm×厚み7.5mmである。樹脂基板10Mとしては、旭化成テクノプラス株式会社製のデラグラスA(「デラグラス」は登録商標)を使用することができる。この場合、樹脂基板10Mの荷重たわみ温度は100℃である。
樹脂基板10Mは、加工テーブル40の上に載置される。加工テーブル40には、複数の吸引孔41が設けられている。複数の吸引孔41を通して吸気することで、樹脂基板10Mの裏面31Bが加工テーブル40の表面に真空吸着し、樹脂基板10Mは加工テーブル40の表面に固定される。
図5を参照して、ダイサー50(回転刃)を用いて、樹脂基板10Mの表面31Aにダイシング加工が施される。例示すると、加工機としては、株式会社ディスコ社製のダイシング加工機(DAD522)を使用することができる。ダイサー50としては、#5000、φ52×厚み2.0mmを有するダイヤモンドブレードを使用できる。ダイサー50の回転数は30000rpmに設定可能であり、ダイサー50の送り速度は1.0mm/sに設定可能である。
ダイシング加工により、表面31Aから裏面31Bに向かって延びる複数の(たとえば14本の)溝部34が樹脂基板10Mの表面31Aに形成される。溝部34が延びる方向に対して直交する方向を幅方向とすると、溝部34の幅はたとえば2.0mmであり、溝深さは5.0mmであり、溝ピッチは5.0mmである。ダイシング加工によって形成された溝部34は、内壁面34aと、底面34bと、内壁面34cとを有する。内壁面34a,34cは、互いに対向する位置関係を有し、樹脂基板10Mの表面31Aに対して直交している。溝部34の幅とは、内壁面34aと内壁面34cとの間の距離である(図6中に示す幅WAを参照)。
図5に示すように、光学素子(樹脂基板)の表面31Aと溝部34の内壁面34aとの間にはコーナーエッジ部分35aが形成され、光学素子(樹脂基板)の表面31Aと溝部34の内壁面34cとの間にはコーナーエッジ部分35bが形成される。樹脂基板10Mに複数の溝部34が形成されることで、樹脂基板10N(図6参照)が得られる。樹脂基板10Nの溝部34の内壁面34a,34cには、ツールマーク(ダイサー50による加工痕)が残存している。
(処理装置70)
図6を参照して、樹脂基板10Nは、鏡面化処理を実施するための処理装置70にセットされる。図6(断面図)には、載置テーブル60の上に置かれた樹脂基板10Nが、処理装置70にセットされる際の様子が示されている。図7は、図6中のVII−VII線に沿った矢視断面図である。図6および図7に示すように、処理装置70は、板状部材71、断熱板72、蓋体73、および導入口74を備える。
板状部材71は、有底容器状の形状を有し、たとえばBS材(真鍮)から形成される。板状部材71の底板部分は、当接面としての下面71T(図6)を有している。下面71Tは、平坦な面形状を有し、下面71Tの外形サイズは、樹脂基板10Nの表面31Aよりも大きい。下面71Tの外形サイズは、たとえば100mm×100mmである。
板状部材71の下面71T寄りの部分には、通気孔71Kが設けられている。熱交換媒体(たとえば冷却されたエア)を通気孔71Kの入口部71K1(図7)から出口部71K2(図7)に向かって通流させることで、板状部材71の下面71Tの温度を調節(たとえば冷却)することができる。必要に応じて、下面71Tの付近に温度センサ75(図6)を設けて、制御装置76(図6)によって板状部材71の下面71Tの温度を調節してもよい。
板状部材71には、板状部材71の底板部分を厚さ方向に貫通する複数の開口部71Hが設けられている。本実施の形態の開口部71Hは、スリット穴(長穴)の形状を有している。開口部71Hの位置、形状および数は、樹脂基板10Nにおける溝部34の位置、形状および数にそれぞれ対応している。樹脂基板10Nが位置決めされて下面71Tに当接したとき、複数の開口部71Hは、複数の溝部34に一対一の関係で対向し、各々の開口部71Hは、各々の溝部34に沿って延在することになる。
図8には、樹脂基板10Nが、処理装置70にセットされる際の様子が部分的に示されている。図6〜図8に示すように、本実施の形態の開口部71Hは、幅狭部71H1および幅広部71H2を含み、段形状を有している。幅狭部71H1は、導入口74から供給される熱風の流れる方向において(詳細は後述する)、幅広部71H2の下流側に位置する。幅狭部71H1は、幅広部71H2よりも狭い幅を有し、下面71Tにおいて開口している。幅狭部71H1の幅WBは、たとえば1.0mmである。幅狭部71H1および幅広部71H2を含む開口部71Hの構成は、熱風の流れやすさを向上させる。
板状部材71の内側に、断熱板72が配置される。断熱板72の内側空間72Sには、導入口74から熱風が供給される。断熱板72の存在は、熱風の熱エネルギーが板状部材71に伝達することを抑制する。断熱板72も、その底板部分に複数の開口部72Hを有している。開口部72Hの位置、形状および数は、板状部材71の底板部分に設けられた開口部71Hの位置、形状および数にそれぞれ対応する。
処理装置70においては、導入口74から内側空間72Sに熱風が供給される。その熱風は、開口部72H、開口部71Hの幅広部71H2、および開口部71Hの幅狭部71H1を順に通過し、板状部材71の下面71Tの開口(開口部71Hの下流端)から吐出される。
(鏡面化処理)
図9を参照して、以上のような構成を有する処理装置70に、樹脂基板10Nをセットする。具体的には、樹脂基板10Nの表面31Aを、板状部材71の下面71Tに当接させる。この際、板状部材71の下面71Tが樹脂基板10Nのコーナーエッジ部分35a,35bに重なるように、板状部材71の下面71Tを樹脂基板10Nの表面31Aに当接させる。
本実施の形態では、樹脂基板10Nの溝部34の幅WA(図8参照)は、幅狭部71H1の幅WB(図8参照)と等しい。幅WAは、たとえば1.0mmである。板状部材71の下面71Tの内側エッジ部分71P,71Q(図8参照)は、樹脂基板10Nのコーナーエッジ部分35a,35bにそれぞれ一致する。樹脂基板10Nの表面31Aは、板状部材71の下面71Tによって略完全に覆われることになる。
この状態で、導入口74、内側空間72S、開口部72Hおよび開口部71Hを通して、熱風が溝部34の内側空間に供給される。熱風は、樹脂基板10Nの表面31Aには、ほとんど若しくは全く供給されない。熱風による熱(熱エネルギー)は、溝部34の内壁面34a,34cおよび底面34bにのみ付与されることが可能となる。この際、樹脂基板10Nの耐熱温度(荷重たわみ温度)よりも高い温度の熱が付与される。好ましくは、溝部34の内壁面34a,34cに付与される熱の温度をTとすると、(樹脂基板10Nの耐熱温度+100℃)≦T≦(樹脂基板10Nの耐熱温度+200℃)の関係を具備しているとよい。
熱が付与されることによって、溝部34の内壁面34a,34cに残存していたツールマーク(微細キズ)は溶融し、そののち硬化する。これにより、内壁面34a,34cに鏡面化処理が施され、たとえば0.1μm以下の表面粗さ(Ra)を有する鏡面を、内壁面34a,34cに形成することが可能となる。
(作用および効果)
上述の通り、ダイシング加工により、樹脂基板10Nの表面31A(ダイシングの加工対象となる面)と溝部34の内壁面34a,34cとの間には、コーナーエッジ部分35a,35bが形成される。本実施の形態の製造方法によれば、板状部材71の下面71Tが、このコーナーエッジ部分35a,35bに重なるように、樹脂基板10Nの表面31Aに当接する。
コーナーエッジ部分35a,35bに重なるように配置された板状部材71は、溝部34の内壁面34a,34cに鏡面化処理を施す際に、コーナーエッジ部分35a,35bおよび樹脂基板10Nの表面31Aに鏡面化処理の熱影響がおよぶことを抑制する。したがって、樹脂基板10Nの表面形状が変化すること、たとえば樹脂基板10Nが反ったり、溝部34の凹凸形状が崩れたり、コーナーエッジ部分35a,35bの形状が崩れたりすることを抑制可能となる。以上のようにして作製された光学素子10,20(図1〜図3参照)によれば、明るく輝度の高い結像を結ぶことが可能なマイクロミラーアレイ100を実現できる。
上述の通り、熱交換媒体(たとえば冷却されたエア)を通気孔71Kの入口部71K1(図7)から出口部71K2(図7)に向かって通流させることで、板状部材71の下面71Tの温度を冷却することができる。鏡面化処理を施す工程においては、板状部材71を介して樹脂基板10Nの表面31Aを冷却しながら、鏡面化処理を実施することが好ましい。コーナーエッジ部分35a,35bおよび樹脂基板10Nの表面31Aに鏡面化処理の熱影響がおよぶことをより抑制できる。
鏡面化処理が施される直前の時点での溝部34の内壁面34a,34cは、0.5μm以下の表面粗さ(Ra)を有していることが好ましい。このような表面粗さを有する面でれば、上記のような鏡面化処理を実施することによって、良好な鏡面を形成することが可能となる。このような表面粗さは、ダイサーの性能や使用条件(回転数、送り速度)などを最適化することで十分に得られるものである。
[実施の形態1の変形例]
上述の実施の形態1においては、板状部材71の開口部71H(幅狭部71H1)の幅WB(図8)と、樹脂基板10Nの溝部34の幅WA(図8)とは等しい。
図10に示す処理装置70Aのように、板状部材71の開口部71H(幅狭部71H1)の幅WBは、樹脂基板10Nの溝部34の幅WAより小さい値とすることもできる。コーナーエッジ部分35a,35bから板状部材71の下面71T(内側エッジ部分71P,71Q)が張り出す様に位置することになるため、コーナーエッジ部分35a,35bおよび樹脂基板10Nの表面31Aに、鏡面化処理の熱影響がおよぶことをより抑制できる。
[実施の形態2]
上述の実施の形態1においては、板状部材71に設けられた開口部71H(図7参照)は、スリット穴(長穴)の形状を有している。
図11および図12に示す処理装置70Bのように、板状部材71に設けられた開口部71Hは、溝部34に沿って並ぶ複数の穴から構成されていても構わない。幅狭部71H1の穴径は、たとえば1.0mmである。穴の形状は、円形に限定されず、四角形、多角形など、任意の形状とすることが可能である。当該構成によっても、上述の実施の形態1と同様の作用および効果を得ることができる。実施の形態2は、上述の実施の形態1の変形例と組み合わせて実施されることも可能である。
[実施の形態3]
図13〜図15を参照して、実施の形態3について説明する。上述の実施の形態1,2においては、いわゆる対流熱伝達により溝部34の内壁面が加熱される。本実施の形態の処理装置70Cでは、輻射熱伝達により溝部34の内壁面が加熱される。
具体的には、断熱板72の内側に、ヒーター78(図13)が配置される。ヒーター78には、加熱部材77が取り付けられている。加熱部材77は、薄平板形状を有し、その厚さはたとえば1.0mmである。加熱部材77の位置および数は、樹脂基板10Nにおける溝部34の位置および数にそれぞれ対応している。加熱部材77は、開口部71H,72Hの内側に配置され、加熱部材77の下端部は、板状部材71の下面71Tから下方に突出している。
図15に示すように、樹脂基板10Nが位置決めされて板状部材71の下面71Tに当接したとき、加熱部材77の下端部は、溝部34の内側に位置する。加熱部材77と溝部34との間には、1.0mm程度の間隙が設けられているとよい。加熱部材77は、溝部34に接触することなく、輻射熱伝達の原理によって溝部34に熱を付与できる。好ましくは、溝部34の内壁面34a,34cに付与される熱の温度をTとすると、(樹脂基板10Nの耐熱温度+100℃)≦T≦(樹脂基板10Nの耐熱温度+200℃)の関係を具備しているとよい。本実施の形態の構成においても、鏡面化処理を施す工程においては、板状部材71を介して樹脂基板10Nの表面31Aを冷却しながら、鏡面化処理を実施することが好ましい。
以上、実施の形態について説明したが、上記の開示内容はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10,20 光学素子、10M,10N 樹脂基板、31A 表面、31B 裏面、31C,31D 端面、34 溝部、34a,34c 内壁面、34b 底面、35a,35b コーナーエッジ部分、40 加工テーブル、41 吸引孔、50 ダイサー、60 載置テーブル、70,70A,70B,70C 処理装置、71 板状部材、71H2 幅広部、71H,72H 開口部、71H1 幅狭部、71H2 幅広部、71K 通気孔、71K1 入口部、71K2 出口部、71P,71Q 内側エッジ部分、71T 下面、72 断熱板、72S 内側空間、73 蓋体、74 導入口、75 温度センサ、76 制御装置、77 加熱部材、78 ヒーター、100 マイクロミラーアレイ、WA,WB 幅。

Claims (8)

  1. ダイシング加工により樹脂基板の表面に溝部を形成する工程と、
    前記溝部に対応する位置に開口部が設けられた板状部材を、前記樹脂基板の前記表面に当接させる工程と、
    前記開口部を通して前記溝部の内壁面に熱を付与することにより、前記内壁面に鏡面化処理を施す工程と、を備え、
    前記樹脂基板の前記表面と前記溝部の前記内壁面との間には、コーナーエッジ部分が前記ダイシング加工により形成されており、
    前記板状部材を前記樹脂基板の前記表面に当接させる工程においては、前記板状部材が前記樹脂基板の前記表面を覆い且つ前記板状部材が前記コーナーエッジ部分に重なるように、前記板状部材を前記樹脂基板の前記表面に当接させる、
    光学素子の製造方法。
  2. 前記溝部の前記内壁面に鏡面化処理を施す工程においては、前記開口部の内側に熱風が供給されることで、前記溝部の前記内壁面に熱が付与される、
    請求項1に記載の光学素子の製造方法。
  3. 前記溝部の前記内壁面に鏡面化処理を施す工程においては、前記開口部の内側に加熱部材が配置されることで、前記溝部の前記内壁面に熱が付与される、
    請求項1に記載の光学素子の製造方法。
  4. 前記溝部の前記内壁面に鏡面化処理を施す工程においては、前記板状部材を介して前記樹脂基板の前記表面を冷却しながら、鏡面化処理が実施される、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の光学素子の製造方法。
  5. 前記溝部が延びる方向に対して直交する方向を幅方向とすると、前記開口部の幅は、前記溝部の幅よりも小さい、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の光学素子の製造方法。
  6. 前記開口部は、前記溝部に沿って延在するスリット穴の形状を有しているか、または、前記溝部に沿って並ぶ複数の穴から構成されている、
    請求項1から5のいずれか1項に記載の光学素子の製造方法。
  7. 前記鏡面化処理が施される前記溝部の前記内壁面は、0.5μm以下の表面粗さ(Ra)を有している、
    請求項1から6のいずれか1項に記載の光学素子の製造方法。
  8. 前記内壁面に鏡面化処理を施す工程において前記溝部の前記内壁面に付与される熱の温度をTとすると、
    (前記樹脂基板の耐熱温度+100℃)≦T≦(前記樹脂基板の耐熱温度+200℃)の関係を具備している、
    請求項1から7のいずれか1項に記載の光学素子の製造方法。
JP2014252741A 2014-12-15 2014-12-15 光学素子の製造方法 Ceased JP2016114733A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014252741A JP2016114733A (ja) 2014-12-15 2014-12-15 光学素子の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014252741A JP2016114733A (ja) 2014-12-15 2014-12-15 光学素子の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016114733A true JP2016114733A (ja) 2016-06-23

Family

ID=56141635

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014252741A Ceased JP2016114733A (ja) 2014-12-15 2014-12-15 光学素子の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2016114733A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113894620A (zh) * 2021-10-15 2022-01-07 怀化市吉驷玻璃有限公司 一种异形玻璃抛光方法及装置

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000127021A (ja) * 1998-10-27 2000-05-09 Shinetsu Quartz Prod Co Ltd 石英ガラスロッドの溝研磨方法
JP2002154837A (ja) * 2000-11-10 2002-05-28 Nippon Electric Glass Co Ltd 結晶化ガラス製リフレクター基体の製造方法
JP2004252396A (ja) * 2002-05-17 2004-09-09 Optrex Corp 光反射性構造体、その製造方法、フォトマスクおよび表示装置
JP2006315886A (ja) * 2005-05-11 2006-11-24 Shinetsu Quartz Prod Co Ltd 石英ガラス部材の純化方法
JP2008268570A (ja) * 2007-04-20 2008-11-06 Shin Etsu Chem Co Ltd ペリクル収納容器、および、その製造方法
JP2009203107A (ja) * 2008-02-27 2009-09-10 Shinetsu Quartz Prod Co Ltd 石英ガラス物品の表面処理方法
JP2013210610A (ja) * 2012-02-29 2013-10-10 Nitto Denko Corp マイクロミラーアレイ
JP2013254145A (ja) * 2012-06-08 2013-12-19 Nitto Denko Corp マイクロミラーアレイの製法
WO2014010538A1 (ja) * 2012-07-13 2014-01-16 日東電工株式会社 マイクロミラーアレイおよびその製法並びにそれに用いる光学素子

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000127021A (ja) * 1998-10-27 2000-05-09 Shinetsu Quartz Prod Co Ltd 石英ガラスロッドの溝研磨方法
JP2002154837A (ja) * 2000-11-10 2002-05-28 Nippon Electric Glass Co Ltd 結晶化ガラス製リフレクター基体の製造方法
JP2004252396A (ja) * 2002-05-17 2004-09-09 Optrex Corp 光反射性構造体、その製造方法、フォトマスクおよび表示装置
JP2006315886A (ja) * 2005-05-11 2006-11-24 Shinetsu Quartz Prod Co Ltd 石英ガラス部材の純化方法
JP2008268570A (ja) * 2007-04-20 2008-11-06 Shin Etsu Chem Co Ltd ペリクル収納容器、および、その製造方法
JP2009203107A (ja) * 2008-02-27 2009-09-10 Shinetsu Quartz Prod Co Ltd 石英ガラス物品の表面処理方法
JP2013210610A (ja) * 2012-02-29 2013-10-10 Nitto Denko Corp マイクロミラーアレイ
JP2013254145A (ja) * 2012-06-08 2013-12-19 Nitto Denko Corp マイクロミラーアレイの製法
WO2014010538A1 (ja) * 2012-07-13 2014-01-16 日東電工株式会社 マイクロミラーアレイおよびその製法並びにそれに用いる光学素子
JP2014032394A (ja) * 2012-07-13 2014-02-20 Nitto Denko Corp マイクロミラーアレイおよびその製法並びにそれに用いる光学素子

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113894620A (zh) * 2021-10-15 2022-01-07 怀化市吉驷玻璃有限公司 一种异形玻璃抛光方法及装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2023025044A (ja) 導波結合器のダイレクトエッチング製造の方法
JP7416802B2 (ja) 形状を切断するための構成可能な固定具
CN112640067A (zh) 部件安装系统以及部件安装方法
CN103801745B (zh) 树脂制片材的制造方法、光学部件、面光源装置、液晶显示装置及移动设备
TWI703344B (zh) 堆疊的晶圓透鏡及影像攝錄器
JP3967851B2 (ja) フライアイレンズの位置決め構造
JP2016114733A (ja) 光学素子の製造方法
CN102530838B (zh) 用于在衬底中制造斜面的方法和具有斜面的晶片
CN109564335B (zh) 层叠透镜结构、相机模块和层叠透镜结构的制造方法
JP2022060232A (ja) リソグラフィ装置において使用される基板ホルダ
US20150340254A1 (en) Wafer holder and deposition apparatus
JP6828468B2 (ja) 板ガラスの製造方法及び製造装置
KR102481298B1 (ko) 글라스 벤딩 몰드, 이를 포함하는 글라스 벤딩 장치 및 글라스의 벤딩 방법
JP2015146412A (ja) インプリント用テンプレート及びその製造方法
WO2020220189A1 (zh) 一种晶片承载盘
JP2010103155A (ja) パターニング方法
JP2014184614A5 (ja)
JP2016118665A (ja) 光学素子の製造方法
KR102048082B1 (ko) 마이크로렌즈 어레이 및 그 형성 방법
TWI634084B (zh) 層疊式模具結構及玻璃成型設備
JP5950674B2 (ja) 光軸確認治具
JP2009028996A (ja) スタンパ及びスタンパ取り付け方法
TWI652973B (zh) 零件安裝裝置
JP4227578B2 (ja) 加熱方法および画像表示装置の製造方法
JP6076892B2 (ja) 光学結像装置に使用する光制御パネルの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170921

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180627

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180703

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20181030

A045 Written measure of dismissal of application [lapsed due to lack of payment]

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A045

Effective date: 20190226