JP3621226B2 - 反射体及びその製造方法並びにそれを用いた反射型液晶表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、反射面の反射効率が高い反射体、その製造方法、及びこの反射体を用いた反射型液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年ハンディタイプのコンピュータなどの表示部として、特に消費電力が少ないことから、反射型液晶表示装置が広く利用されている。この反射型液晶表示装置には、表示面側から入射した光を反射させて表示を行うための反射板が配置されている。従来の反射板には、表面が鏡面を備えた反射板又はランダムな凹凸状の凹凸面を備えた反射板が用いられていた。図11に示すように、この従来のランダムな凹凸面を持つ反射板60は、例えば厚さ300ないし500μm のポリエステルフィルムを加熱することによってその表面に高さが数オーダの凹凸からなる凹凸面61aを形成しさらに凹凸面61a上にアルミニウムや銀などからなる反射膜62を蒸着等で成膜することにより形成されている。
【0003】
かかる反射板60を用いた従来の反射型液晶表示装置は、図12に示すように、一対のガラス基板51、52のそれぞれの対向面側に透明電極層53、54を設け、さらにこれら透明電極層53、54のそれぞれの上に液晶の配向膜55、56を設け、これら配向膜55、56間に液晶層57を配設している。ガラス基板51、52の外側にはそれぞれ第1、第2の偏光板58、59を設け、第2の偏光板59の外側に反射板60が反射膜62の面を第2の偏光板59側に向けて取付けている。図12において、65は基板51、52間に液晶層57を封止する封止体である。
かかる従来の反射型液晶表示装置においては、第1の偏光板58に入射した光はこの偏光板によって直線偏光され、偏光された光が液晶層57を通過することによって楕円偏光をされる。楕円偏光された光は、第2の偏光板59によって再び直線偏光され、この直線偏光された光が反射板60にて反射されて、再び第2の偏光板59、液晶層57を通過して第1の偏光板58から出射する。
【0004】
かかる反射板60と反射型液晶表示装置50とにおける入射光に対する反射特性について、図8及び図9により説明する。
図8及び図9は縦軸を反射率、横軸を反射角度とした反射特性曲線を示すグラフであり、図8中の破線eは反射板60自体の反射特性曲線を示し、図9中の破線fは反射型液晶表示装置50の反射特性曲線を示す。破線eの特性曲線は、図11に示すように反射膜62上に配置した点光源からの入射光Jの入射角度を反射膜62表面に対する垂線に対して入射角度30度に一定にしたとき、反射光Kの反射角度θを0から60度に変化させた場合の反射率をプロットしてなるものであり、反射型液晶表示装置50ついての破線fの特性曲線についても同様な反射率をプロットしてなるものである。なお、上記反射率は、液晶パネル評価装置(大塚電子社製LCD5000機種)を用い、白色板(MgO標準白色面を持つ板)に入光角度30度で照射した際の反射角度30度における反射光の出力を基準として、反射光の出力を上記基準出力で除算して百分率(%)で表した値である。
【0005】
図8において、破線eにて示す反射板60自体の反射特性曲線から、反射角度30度をピーク(約1100%の反射率)として左右の反射角度20度以下及び40度以上にて反射率がほぼ最低となっている。図9において、破線fで示す反射型液晶表示装置50自体の反射特性曲線から、その反射率が反射角度30度の約100%をピークとして、反射角度23度以下ないし37度以上の範囲で0%に落ちている。
なお、表面を鏡面とした従来の反射板の反射特性は、一般に反射板60と比較して、入射角度に対応する特定の反射角度において非常に高い反射率を示す。しかし反射率の高い反射角度の範囲が極めて狭い、即ち視野角が狭い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来のランダムの凹凸反射面を備えた反射板60は、反射効率が悪いために全体に反射率が低く、より広範囲の反射角度にて反射させる反射板のニーズに充分に応えることができなかった。従って、この反射板60を用いた反射型液晶表示装置は、視野角が約25ないし35度の範囲と比較的狭く、しかも表示面の明るさも充分とはいえないという問題があった。
本発明は、これら問題点に鑑みてなされたもので、反射面の反射方向が広い範囲に亘り、反射効率をよくして明るい表示面を与えることができる反射体及びその反射体の製造方法、並びにその反射体を用いた反射型液晶表示装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る反射体は、反射体表面に、曲面断面形状が同一Rでかつ同一方向に延びる多数のストライプ溝を連設し、かつこれらストライプ溝を交差する方向に形成し、これら溝からの反射光によって干渉縞を発生させないよう上記交差するストライプ溝のそれぞれ同一方向に延びるストライプ溝の溝幅を不規則に変えている。
かかる反射体によれば、交差するストライプ溝のそれぞれの方向に直交する方向から入射する光の反射方向が広範囲に亘り、ために反射効率がよくなり、明るい表示面を与えることができる。
交差するストライプ溝の交差方向は、直交でもよいし、また所定の角度にて交差していてもよい。いずれにしても、上述の作用をもたらすなら、その交差角度は問わない。
【0008】
本発明の反射体は、特に同一方向に延びるストライプ溝の隣接する溝の溝幅を相互に異ならせたことにより、反射方向をさらに広範囲にさせることができる。
上記Rは、100μm を超えるとそのストライプ溝が視認され、液晶表示素子の表示品位を大幅に低下させることから、100μm 以下が望ましい。一方、Rが可視光オーダ以下の数値すなわち0.4μm より小さい場合、有効な反射特性が得られないことから、Rは0.4μm 以上とするのが望ましい。
【0009】
本発明の上記反射体は、切先が曲面形状の切削治具により母型の型面に曲面断面形状が同一Rでかつ同一方向に延びる多数のストライプ溝であって、かつこれらストライプ溝の溝幅を不規則に変えた多数の連なったストライプ溝を交差する方向に切削加工する工程と、母型の上記型面から該型面の凹凸形状を反対にした型面を持つ転写型を形成する工程と、この転写型の型面を反射体用樹脂基材の表面に転写し、転写された樹脂基材の表面に反射膜を成膜する工程とからなる製造方法によって、容易かつ確実に製造することができる。
【0010】
上記転写型は、母型の型面から、電鋳法によって母型の型面の凹凸形状を反対にした型面になるよう形成してもよい。また電鋳法によらずに、母型を転写したシリコーン型を転写型としてもよい。
【0011】
本発明に係る反射型液晶表示装置は、反射体表面に、曲面断面形状が同一Rでかつ同一方向に延びる多数のストライプ溝を連設し、かつこれらストライプ溝を交差する方向に形成し、これら溝からの反射光によって干渉縞を発生させないよう上記交差するストライプ溝のそれぞれ同一方向に延びるストライプ溝の溝幅を不規則に変えた反射体を有する。
かかる反射型液晶表示装置によれば、交差するストライプ溝のそれぞれの方向と直交する方向から見た表示面の視野角を広くし、且つ表示面を全体的に明るくできる。反射体は、外付け型及び内蔵型のいずれのタイプでもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
本発明に係る反射体の一実施の形態を示す図1において、反射体20は、例えば樹脂材料などからなる平板状の樹脂基材21の表面に、曲線断面形状が同一Rでかつ同一方向に延びる多数のストライプ溝21a(図1における縦方向溝)、21b(図1における横方向溝)を連設し、かつこれらストライプ溝21a及び21bを相互に直交する方向に形成し、これら溝の上に例えばアルミニウムや銀などの薄膜からなる反射膜22を蒸着又は印刷等により形成している。
交差するストライプ溝21a、21bは、これら直交する溝それぞれからの反射光によって干渉縞を発生させないよう、同一方向に延びかつ隣接するストライプ溝の溝幅を相互に異なるよう形成されており、隣り合う略四角錐形状の凸部の高さを異なるような形状としている。上述の曲面Rは100μm 以下であり、その溝深さは略1ないし2μm である。
【0013】
かかる反射体は、図2に示す製造方法により製造する。
まず図2(a)に示すように、例えば銅合金や鉄合金などからなる表面が平坦な平板状の母型30の表面を、図3に示す切先31aが例えば半径Rが30ないし100μm であるバイト等の研削治具31によって直線状に切削しつつ、溝方向と直交する方向に送りピッチを変えながら研削するとともに、この切削方向と直交する方向にも同様に切削して、図2(b)に示すように直交するストライプ溝30a(縦方向溝)、30b(横方向溝)のそれぞれ同一方向に延びる隣接するストライプ溝の溝幅が相互に異なる型面を持つ母型30を形成する。
研削治具31の研削時での送りピッチPは、例えば13μm のP1、16μm のP2、17μm のP3及び18μm のP4の4種類とし、これら4種類の送りピッチPを不規則に変えながら送る。例えば送りピッチが順に18μm 、13μm 、13μm 、16μm 、17μm 、13μm 、13μm 、17μm 、13μm のユニットごとに、同一深さにて切削を図4に示すように行う。
なお、研削用の研削治具31の切先31aの形状は、円弧状の面ではなくその他種々の曲面形状でもよいが、円弧状の面が最も治具自体の加工がし易いことから望ましい。また、送りピッチも上述の4種類の寸法に限定されるものではなく、数種類の寸法を不規則な順序に組み合わせればよい。
【0014】
また、送りピッチを同一にして削り深さをストライプ溝ごとに変えてある数のストライプ溝からなるユニットを繰り返し切削することにより、図2(b)に示す同一方向に隣接するストライプ溝30a、30bの溝幅が相互に異なる型面を持つ母型30を形成してもよい。
【0015】
さらにまた、送りピッチを変えながらかつ削り深さをストライプ溝ごとに変えてある数のストライプ溝からなるユニットを繰り返し切削することにより、図2(b)に示す同一方向に隣接するストライプ溝30a、30bの溝幅が相互に異なる型面を持つ母型30を形成してもよい。この切削例を、模式的に第5図に示す。この例は、隣接するストライプ溝間の各峰頂部の高さが同一になるよう切削する例を示している。
第5図に示すように、刃先が33μm であるバイトを用い、まず、縦方向のストライプ溝30aの群を形成するため、深さ2.0μm の第1ストライプ溝30a−Iを切削し、ついでバイトを21.5μm ずらして深さ1.6μm の第2のストライプ溝30a−IIを形成し、さらに18.7μm ずらして深さ1.1μm の第3ストライプ溝30a−IIIを形成する。同様にして、19.8μm ずらして2.0μm 深さの第4ストライプ溝30a−IV、17.0μm ずらして0.5μm 深さの第5ストライプ溝30a−V、15.9μm ずらして1.6μm 深さの第6ストライプ溝30a−VI、15.9μm ずらして0.5μm 深さの第7ストライプ30a−VII、14.2μm ずらして1.1μm 深さの第8ストライプ溝30a−VIII、さらに19.8μm ずらして最初の第1のストライプ溝30a−Iを形成する。このようにしてなるユニットを、繰り返して切削する。
【0016】
次に横方向のストライプ溝30bの群を形成するため、同様なピッチ送りにより、深さ2.0μm の第1ストライプ溝30b−I、深さ1.6μm の第2のストライプ溝30b−II、深さ1.1μm の第3ストライプ溝30b−III、2.0μm深さの第4ストライプ溝30b−IV、0.5μm 深さの第5ストライプ溝30b−V、1.6μm 深さの第6ストライプ溝30b−VI、0.5μm 深さの第7ストライプ30b−VII、11.1μm 深さの第8ストライプ溝30b−VIIIを1ユニットとして繰り返し切削する。
【0017】
次に、図2(c)に示すように母型30を箱形容器32に収納配置し、容器32に例えばシリコーンなどの樹脂材料33を流し込んで、常温にて放置硬化させ、この硬化した樹脂製品を容器32から取り出し不要な部分を切除して、図2(d)に示すような母型30の型面をなす多数の直交するストライプ溝30a、30bと逆の凹凸形状とした多数の逆ストライプ溝40a(縦方向溝)、40b(横方向溝)を持つ型面を有する転写型40を得る。
さらに図2(e)に示すように、転写型40の型面を反射体用の樹脂材料からなる樹脂基材21の表面に押し当てて、樹脂基材21を硬化させることにより、図5(f)に示すように、表面に転写型40の型面を転写してなる図1に示したストライプ溝21a、21bを形成する。
最後に、ストライプ溝21a、21bに例えばアルミニウムをエレクトロンビーム蒸着等によって成膜して反射膜22を形成することにより、反射体20を形成する。
【0018】
また反射体20は、図6に示した他の製法によっても製造することができる。
まず、図6(a)に示すように、図2(d)に示した転写型40を母型として用意し、この母型40を箱形容器34に型面を上にして配置し、そこにエポキシ樹脂35を流し込み硬化させ、この硬化した樹脂製品を容器34から取り出して不要な部分を切除して、図6(b)に示すような中間型45を得る。そして図6(c)に示すようにこの中間型45の表面に電鋳法によってNi等の金属を電着させ、電着金属をこの中間型45から剥離して転写型46を得る。この転写型46の裏面に適当な補強部材(図示略)を補強して、図6(d)に示すようにこの転写型46の型面を樹脂基材21の表面に押し当て樹脂基材21を硬化させることにより、図6(e)に示すような、表面に図2(b)に示した母型30の多数のストライプ溝30aを転写した同一形状の多数のストライプ溝21a、21bを備えた樹脂基材21を得る。
ついでストライプ溝21a、21bに例えばアルミニウムをエレクトロンビーム蒸着等によって成膜して反射膜22を形成することにより、反射体20を形成する。
【0019】
なお、大きな面積の板状の反射体を作成する場合には、上記転写型40又は46を複数個形成し、それぞれの転写型の型面を繋げて所望の大きさの転写型を形成して、この転写型を所望の表面積を持つ樹脂基材に一度に押し当てることにより、上記ストライプ溝を設けた大面積の反射体を製造する。また一個の転写型40又は46を用い、大きな面積の樹脂基材の面に対して、押し当てる領域面上を所定位置に移動させて押し付けることによって形成してもよい。
【0020】
次に、本発明に係る反射体を用いたSTN方式の反射型液晶表示装置について説明する。
図7に示すように、例えば厚さ0.7mmの一対の表示側ガラス基板1と背面側ガラス基板2との間に液晶層3を設け、表示側ガラス基板1の上面側にポリカーボネート樹脂やポリアリレート樹脂などからなる一枚の位相差板4を設け、さらに位相差板3の上面側に第1の偏光板5を配設している。背面側ガラス基板2の下面側には、第2の偏光板6及び図1に示した板状の反射体20を順次設けている。
反射体20は、第2の偏光板6の下面側に反射膜22を対向させて積層され、第2の偏光板6と反射膜22との間に、グリセリンなどの光の屈折率に悪影響を与えることのない材質から成る粘着体7が充填されている。
両ガラス基板1、2の対向面側にはITO(インジウムスズ酸化物)などからなる透明電極層8、9がそれぞれ形成され、透明電極層8、9上にポリイミド樹脂などからなる配向膜10、11が設けられている。これら配向膜等の関係により液晶層3中の液晶は240度捻れた配置となっている。図6中、12は液晶層3を基板1、2間に封止する封止体である。
【0021】
また、、前記背面側ガラス基板2と透明電極層9との間に、図示していないカラーフィルタを印刷等で形成することによって、この液晶表示装置をカラー表示できるようにしても良い。
【0022】
上述の反射板とそれを用いた液晶表示装置とにおける入射光に対する反射特性について、図8及び図9により説明する。
図8及び図9は縦軸を反射率、横軸を反射角度θとした反射特性曲線を示すグラフであり、図8中の実線aは刃先のR30μm のバイトにより図4に示した18μm 、13μm 、13μm 、16μm 、17μm 、13μm 、13μm 、17μm 、13μm のピッチユニットで縦方向及び横方向に切削し転写してなる反射板20自体の縦方向のストライプ溝21a、実線bは横方向のストライプ溝21bのそれぞれの反射特性曲線を示し、図9中の実線cは図8に示した反射型液晶表示装置における上記ピッチにより切削・転写してなる反射体20の縦方向のストライプ溝21a、実線dは横方向のストライプ溝21bのそれぞれに基づいた反射特性曲線を示す。
実線a及びbの特性曲線は、反射膜22上に配置した点光源からの入射光を反射膜22表面に対する垂線に対して、ストライプ溝21a及び21bの各溝方向とそれぞれ直交した方向からの入射角度30度に一定にしたとき、反射光の反射角度を0から60度に変化させた場合の反射率をプロットしてなるものであり、反射型液晶表示装置についての実線c及びdの特性曲線についても同様な反射率をプロットしてなるものである。なお、上記反射率は、液晶パネル評価装置(大塚電子社製LCD5000機種)を用い、白色板(MgO標準白色面を持つ板)に入射角度30度で照射した際の反射角度30度における反射光の出力を基準として、反射光の出力を上記基準出力で除算して百分率(%)で表した値である。
【0023】
図8中の実線a、bから明らかなように反射体20は、従来の反射体についての破線eと比較して、反射角度30度を中心にして±15度までの範囲にてストライプ溝21a及びこれらと直交するストライプ溝21bとも非常に広範囲に高い反射率を維持できることがわかる。
また、図9中の実線c、dから明らかなように図6に示した液晶表示装置は、従来の液晶表示装置についての破線fと比較して、反射角度30度を中心にして反射角度±20度まで特に±10度までの範囲に亘って十分に高い反射率が得られる。すなわち、非常に広めの視野角並びに良好な明るさを付与することができる。
【0024】
なお、本発明に係る液晶表示装置をSTN方式のもので説明したが、液晶層の液晶分子の捩れ角を90度に設定したTN(Twisted Nematic)方式の液晶表示装置にも、本発明の反射体を適用し得ることは勿論である。
【0025】
上述の液晶表示装置についての実施の形態は、板状の反射体20を基板2の外側に配設した形態を示したが、本発明に係る液晶表示装置においては反射体を基板の内側に設けたタイプのものであってもよい。その実施の形態を、図10に示す。図10中、図7に示した部材と同一の部材には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図10において、ガラス基板2上の反射体25は、ガラス基板2の上に感光性レジスト樹脂からなす樹脂基材を成膜し、上述の母型40、46の型面を樹脂基材の表面に押し当て、図1に示した多数のストライプ溝21a(縦方向)、21b(横方向)と同じ多数のストライプ溝25a(縦方向)、25b(横方向)を形成し、ついでアルミニウムなどを蒸着して反射膜26を形成してなる。この反射体26の上にはその表面を平坦化する膜13が形成され、さらにその上に透明電極層9及び配向膜11が順次形成されている。
【0026】
【発明の効果】
上述の本発明に係る反射板によれば、交差する多数のストライプ溝のそれぞれの溝方向に直交する方向から入射して反射する光の反射方向を広範囲にし、ために従来の反射体に比べ反射効率を大幅に改善できるという効果を奏する。
また、本発明の反射板を用いた液晶表示装置は、従来の反射型液晶表示装置にに比べ、交差するストライプ溝のそれぞれの溝方向と直交する方向から見た表示面の視野角を広くして表示面を全体的に大幅に明るくすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る反射体の一実施の形態を示す斜視図である。
【図2】図1に示した反射体の製造工程を示す断面図である。
【図3】切削治具を示す一部切り欠き斜視図である。
【図4】図3の切削治具を用いて母型切削時の切削例を示す断面図である。
【図5】図3の切削治具を用いての母型切削時の他の切削例を示す断面図である。
【図6】反射体の他の製造工程を示す断面図である。
【図7】本発明に係る反射型液晶表示装置の一実施の形態を示す断面図である。
【図8】図4に示した切削例により製造した反射体の反射特性を示すグラフである。
【図9】図4に示した切削例により製造した反射体を用いた反射型液晶表示装置の反射特性を示すグラフである。
【図10】本発明に係る反射型液晶表示装置の他の実施の形態を示す断面図である。
【図11】従来の反射体を示す斜視図である。
【図12】従来の反射型液晶表示装置を示す断面図である。
【符号の説明】
20 反射体
21 樹脂基材
21a、21b ストライプ溝
22 反射膜
30 母型
30a、30b 母型の型面上のストライプ溝
31 切削治具
40 転写型
41a、41b 転写型の型面上のストライプ溝
Claims (7)
- 表面に、断面形状が0.4〜100μmの半径Rを有する曲線をなし、かつ同一方向に延びる多数のストライプ溝を連設し、かつこれらのストライプ溝に交差する方向にも多数のストライプ溝を形成し、これら溝からの反射光によって干渉縞を発生させないよう前記交差するストライプ溝のそれぞれ同一方向に延びるストライプ溝の溝幅を不規則に変えたことを特徴とする反射体。
- 同一方向に延びる前記ストライプ溝の隣接する溝の溝幅が相互に異なることを特徴とする請求項1に記載の反射体。
- 前記ストライプ溝が1〜2μmの深さを有することを特徴とする請求項1又は2に記載の反射体。
- 切先が曲面形状の切削治具により母型の型面に断面形状が0.4〜100μmの半径Rを有する曲線をなし、かつ同一方向に延びる多数のストライプ溝であって、かつこれらストライプ溝の溝幅を不規則に変えた多数の連なったストライプ溝とこれらストライプ溝に交差する方向にもストライプ溝とを切削加工する工程と、母型の前記型面から該型面の凹凸形状を反対にした型面を持つ転写型を形成する工程と、該転写型の型面を反射体用樹脂基材の表面に転写し、転写された樹脂基材の表面に反射膜を成膜する工程とからなることを特徴とする反射体の製造方法。
- 前記母型の型面から、電鋳法によって前記型面の凹凸形状を反対にした型面を持つ転写型を形成することを特徴とする請求項4に記載の反射体の製造方法。
- 前記転写型を複数個形成し、それぞれの転写型の型面を繋げて所望の大きさの転写型を形成し、この転写型を所望の表面積をもつ樹脂基材に押し当てることによりストライプ溝を設けた大面積の反射体を形成することを特徴とする請求項4又は5に記載の反射体の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の反射体を有することを特徴とする反射型液晶表示装置。
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