JP2004004709A - カメラシステム - Google Patents

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国重 恵二
Azuma Miyazawa
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Abstract

【課題】マイコン駆動用の原振のクロックノイズの影響を除去したカメラシステムを提供すること。
【解決手段】本発明は、アナログ回路を同一チップ上に構成した1チップマイクロコンピュータを含むカメラシステムであって、上記アナログ回路には少なくとも測距回路ブロック4、測光回路ブロック13、リモコン回路ブロック3のうちのいずれかを含み、少なくとも上記回路のいずれかを動作させる時はマイクロコンピュータの原振を停止し、測定又は受信完了信号で再び原振を動作させる。
【選択図】  図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アナログ回路を同一半導体基板上に構成した1チップマイクロコンピュータを含むカメラシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、カメラの電気系の構造上の技術の推移について考えると、先ず第1段階ではCMOSからなるシーケンス制御回路と、バイボーラ(以下、Bipと称す)からなる自動露出(以下、AEと称す)回路、自動焦点調整(以下、AFと称す)回路などを接続したものとなっていた。そして、第2段階では、CMOSからなるマイクロコンピュータ(以下、マイコンと称す)とBipからなるAE,AF回路などを接続したものとなっていた。
【0003】
そして、これを更に押し進めた技術として、例えば「写真工業;1988年5月号88頁」に示される如くCMOSからなるマイコンとBipからなるAE回路などをBi−COSプロセスにて1チップ化したものが登場した。ここで、Bipからなる回路をAE,AF回路などに用いるのは、過去の流れを引きずっていること、アナログ回路はBipの方が設計しやすいこと、Bipの方が大電流を流しやすいこと等が起因している。
【0004】
さらに、CMOSのマイコンを使用したAF回路としては、一般的に反射光量積分型が用いられている。この他、カメラに関する技術においては、近年、LCDにより表示が多用されており、当該LCDによる場合、周囲温度による悪影響を受けることに鑑み、LCD駆動源としてD/Aコンバータの電圧を温度により変更する技術も提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらCMOSマイコンとBip回路とを1チップ化しようとすると、その製造過程でBip−CMOSプロセスの工程が必要となり、リードタイムが長くなると共にコストも高くなる。また、アナログ部をBipとしていることにより消費電流も大きくなる。
【0006】
そして、上記CMOSのマイコンを使用したAF回路として用いられている反射光量積分型装置は対数圧縮をすることができず、割算機能もないため、高精度な測距装置を得ようとすると回路規模が大きくなるという欠点がある。
【0007】
さらに、カメラのAF回路、AE回路、リモコン回路等は微弱な信号を扱うことからノイズに弱いという欠点があり、従来、これを防ぐためには部品配置やパターンを工夫する位しか対策がなかった。
【0008】
また、カメラに関する技術においては、種々のところでデジタルタイマが使用されているが、このデジタルタイマはクロックを必要とし、このクロックのノイズがカメラの撮影動作に必要な種々の測定回路に悪影響を与えてしまう。
【0009】
そして、上記したように温度測定のためのセンサをパワー系のドライブ回路を含んだチップ中に配設すると、誤測温を起こし、その結果LCPの適切な電圧を提供できない。
【0010】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、マイコン駆動用の原振のクロックノイズの影響を除去したカメラシステムを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の一態様によるカメラシステムでは、アナログ回路を同一半導体基板上に構成した1チップマイクロコンピュータを含むカメラシステムにおいて、上記アナログ回路には少なくとも自動焦点調整回路、自動露光回路、リモートコントロール回路のうちのいずれかを含み、少なくとも上記回路のいずれかを動作させるときはマイクロコンピュータを駆動するクロックパルス発生回路を停止させ、上記アナログ回路の測定又は受信完了信号に応答して再び上記クロックパルス発生回路を動作させることを特徴とするカメラシステムが提供される。
【0012】
即ち、本発明の一態様によるカメラシステムでは、アナログ回路には、少なくとも自動焦点調整回路、自動露光回路、リモートコントロール回路のうちのいずれかを含み、少なくとも上記回路のいずれかを動作させる時はマイクロコンピュータの原振が停止され、測定又は受信完了信号で再び原振が動作させられる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施例について説明する。
【0014】
図1は、本発明の第1の実施例に係るCMOSアナログ回路を使用したカメラコントローラの構成を示す図である。第1の実施例は、アナログ回路をCMOSで構成しCMOSアナログ回路とマイクロコンピュータを1チップ化した構成となっている。
【0015】
詳細には同図に示すように、CPU(μ−comコア)1と昇圧回路ブロック2、リモコン回路ブロック3、測距回路ブロック4、NPNモータプリドライバ回路ブロック5、モータ定電圧回路ブロック6、T安定T比例DAC回路ブロック7、コンパレータ8、B.C回路ブロック9、測温回路ブロック10、リセット回路ブロック11、基準電圧回路ブロック12、測光回路ブロック13、ストロボ充電検出回路ブロック14、PI/PR検出回路ブロック15、PLEDドライバ回路ブロック16、PNPプリドライバ回路ブロック17が一体に構成されており、その周辺にEEPROM18、LCD21、スイッチ20、ストロボ回路ブロック19が設けられている。
【0016】
以下、図2乃至図4のフローチャートを参照して、第1の実施例に係るCMOSアナログ回路を使用したカメラコントローラの動作について詳細に説明する。
【0017】
先ず図2のフローチャートを参照して、第1の実施例に係るCMOSアナログ回路を使用したカメラコントローラのメインシーケンスについて説明する。
【0018】
電池が投入されると、リセット回路ブロック11によりリセットがかかり、CPU1のプログラムがスタートする。そして、CPU1のフラグ、RAMやポート及びアナログ回路部の初期設定が行なわれる(ステップS101)。さらに、B.C回路ブロック9によりバッテリーチェックが行なわれ、その結果がOKの場合には次のステップS103に移行する(ステップS102)。そして、昇圧回路ブロック2を“オン”することによりシステム全体の電圧を保証する(ステップS103)。
【0019】
続いて、ステップS104の割込み許可では、スイッチ20のブロック内にある図示しないレリーズスイッチやパワスイッチ、アトブタ開閉スイッチ、フイルム巻戻しスイッチなどの許可を行なう(S104)。そして、パワスイッチが“オン”の場合はステップS111に移行し、“オフ”の場合にはステップS106に移行する(S105)。
【0020】
このステップS106では、AF回路を“オフ”したり、昇圧回路を“オフ”したり、LCD21を“オフ”したり、ポートを電流の流れない状態にするなどの消エネモードを設定する。そして、パワ駆動フラグが“オン”の場合には、一定時間経過してからパワ駆動フラグを“オフ”した後(ステップS108,S109)、CPU1の原振を止めストップ状態とする(ステップS110)。このストップ状態で受けつけられるスイッチはパワスイッチ(オンになった場合、丸印1に移行する)とアトブタ開閉スイッチ、強制フイルム巻戻しスイッチ(処理後、丸印1へ移行する)などである。
【0021】
これに対して、ステップS105において、パワスイッチが“オン”になった場合は、以下の処理が繰り返される。即ち、まずLCD21を表示し(ステップS111)、測距回路がいつでも動作できるようにするため測距回路ブロック4に電源を供給する(ステップS112)。尚、Bip回路の場合は電流が大きいので常時“オン”することができず、レリーズを押されてから“オン”するため測定できるまで数10msのタイムラグとなる。
【0022】
続いて、ストロボ充電は、ストロボ発光用のエネルギーをストロボ回路ブロック19内のメインコンデンサに充電する(ステップS113)。この充電レベルはストロボ充電電圧検出回路ブロック14で検出し、この充電が完了している場合は何もしないで次のステップS114へ移る。
【0023】
続いて、測光回路ブロック13で被写体の明るさを測定する(ステップS114)。この時、リモコンモードであるか否かを判定する(ステップS115)。
【0024】
そして、リモコンモードである場合には、リモコン設定処理によりリモコン回路ブロック3を動作状態にして原振のノイズの影響を除去する為、CPU1をスタンバイ状態にする(ステップS121,S122)。
【0025】
このスタンバイ状態は、ストップ状態と異なり原振は動いているが、LCD21の表示などの最低必要な部分のみにクロックを供給するモードであり、アナログ回路部へのノイズの影響はほとんどなくなる。さらに、このスタンバイ状態において、当然リモコン信号が入れば後述するサブルーチン“リモコン受信割込み”(図20参照)が実行されるが、レリーズスイッチが押れれば後述するサブルーチン“レリーズ割込み処理”(図3参照)が実行される。このサブルーチン“レリーズ割込み処理”はスタンバイ以外でもパワスイッチの“オン”の間は随時受け付けられる。そして、その他の操作スイッチが“オン”された場合には、図中丸印2へ移行する。
【0026】
一方、リモコンモードでない場合には、タイマを開始した後、スタンバイ状態に入る(ステップS116,117)。このスタンバイ状態が解除されるのは、操作スイッチが押されるか上記タイマがオーバーフローした場合であり、当該タイマでメインルーチンの繰り返し間隔が決まる。さらに、スタンバイ状態が解除された場合はサブルーチン“スイッチ処理”が実行され(ステップS118)、図示しないモードスイッチが押された場合のモード切換やズームスイッチが押された場合のズーム駆動指示などが行なわれる。
【0027】
そして、パワ駆動フラグが“オン”になっている場合は、“オン”になってから一定時間経過したか否かを確認し(ステップS119)、一定時間経過した場合はパワ駆動フラグを“オフ”にする(ステップS120)。尚、このパワ駆動フラグは測温回路を使用して良いか否かの判定フラグである。さらに、上記した一定時間とはチップが周囲温度に戻る為の時間である。以上の動作をパワスイッチが“オフ”になるまで繰り返す。
【0028】
本発明はチップをCMOSアナログ回路で構成している為、基本的には各回路とも消費電流が少なく済み、従って、チップ自身の発熱は少ない。そして、バイポーラと異なり、チップ温度が上昇しないので、いつ測温しても周囲の温度と同等である。しかし、モータプリドライバーなどのパワ系を駆動した場合は、バイポーラと差はなく電流を必要とする為、チップの温度は上昇するので、パワ系を駆動した場合はパワ駆動フラグを“オン”し、パワ駆動フラグが“オン”の間は測温しないような工夫をしている。
【0029】
次に、図3のフローチャートを参照して、レリーズスイッチが押された時又はリモコン信号を受信した時に実行するサブルーチン“レリーズ割込み”のシーケンスについて詳細に説明する。
【0030】
本ルーチンに入ると、先ずパワ駆動フラグをチェックし、該フラグが“オフ”ならば測温し、“オン”ならば未だIC自身の温度が高いので測温せずに前回の測温値を使用する。そして、この温度はレンズの温度係数の補正などに使用される(ステップS201〜S203)。
【0031】
続いて、測光中であるか否かを確認し、測光中である場合はレリーズタイムラグになるので測光を中断し前回の測光値を使用する。そして、メインフローで常時測光をしているので、測光が終っている場合は該値を使用する。即ち、測光時間は疑似的にはゼロという事になる(ステップS204,205)。
【0032】
そして、ストロボが必要であるか否かを判断し(ステップS206)、ストロボが必要でない場合には充電を中止し、次のステップS210へ進む。そして、ストロボが必要である場合には充電が完了しているか否かを判断し(ステップS208)、完了している場合には次のステップS210へ、未完了である場合には未充電の警告を出した後、割り込みを抜ける(ステップS209)。
【0033】
さらに、測距回路ブロック4で被写体までの距離を測定し(ステップS210)、リモコン受信フラグを確認し(ステップS211)、リモコンを受信している場合にはリモコン受信フラグとリモコン回路、リモコンモードをそれぞれ“オフ”してから撮影シーケンスに移る(ステップS212〜S217)。
【0034】
そして、リモコン受信していない場合は、2ndレリーズのオン/オフを確認し(ステップS215)、2ndレリーズが“オン”になるまで待機する。このとき、2ndレリーズが“オン”にならずにレリーズスイッチが“オフ”になった場合には割込みを抜ける(ステップS216)。
【0035】
さらに、ステップS217の撮影シーケンスでは、まずピント位置にフォーカスレンズを駆動する。続いてシャッタを駆動し、フイルムを巻き上げ、モータを動かしたのでパワ駆動フラグを“オン”し、割込みを抜け(ステップS217〜S221)、メインルーチンに戻る。
【0036】
次に、図4を参照して、サブルーチン“LCD ON”のシーケンスについて詳細に説明する。
【0037】
本ルーチンに入ると、先ずパワ駆動フラグを確認し(ステップS301)、当該フラグが“オフ”ならば測温を行った後、LCD21の駆動電圧を設定する(ステップS302,S303)。本実施例では、このLCD21の駆動電圧を図5に示す範囲で設定することで、温度変化があっても表示濃度が変らないようにしている。続いて、パワ駆動フラグが“オン”の場合は、LCD21の駆動電圧を設定せずに前回設定した電圧を維持する。そして、フィルムコマ数やカメラのモードなどの表示を行った後(ステップS304)、メインルーチンに戻る。
【0038】
以下、第1の実施例に係るCMOSアナログ回路を使用したカメラコントローラの各回路ブロックについて詳細に説明する。
【0039】
CMOSプロセスのみを使用したCMOSアナログ回路において、従来のアナログ回路の様に大きなダイナミックレンジや割り算機能を可能とする技術の1つとして、CMOSプロセスに寄生してから存在するバイポーラトランジスタを利用する技術がある。
【0040】
例えば、図6にはCMOSプロセス内に存在するNPNバイポーラトランジスタとPNPバイポーラトランジスタの構成を示し説明する。
【0041】
同図(a)に示すように、Pウェルをベース領域,このウェルの内部のNをエミッタ,さらにNサブストレートをコレクタとみなせば、寄生NPNバイポーラトランジスタができる。但し、このトランジスタのコレクタは電源ラインにつながっている。
【0042】
また、同図(b)に示すように、Nウェルをベース領域,このウェルの内部のPをエミッタ,さらにPサブストレートをコレクタとみなせば、寄生PNPバイポーラトランジスタができる。但し、このトランジスタのコレクタはGNDラインにつながっている。
【0043】
従って、このようなCMOSプロセスにおける寄生トランジスタを利用することによりCMOSプロセスのみにおけるCMOSアナログ回路においても、従来のパイポーラアナログ回路と同様、大きなダイナミックレンジや割り算機能を可能とすることができる。
【0044】
次に、図7はCMOSプロセスにおける寄生NPNトランジスタを利用した測距回路ブロック4の具体的な構成を示す図である。
【0045】
同図において、μ−comコア31からの発光信号P0 により投光回路部のPMOSトランジスタ32を“オン”し、外付けのパワートランジスタ33を“オン”することにより、投光素子34で発光されたパルス光は、投光レンズ35により集光され、被写体距離aに位置する被写体36に向けて照射される。
【0046】
そして、この被写体36で反射された反射光は、上記投光レンズ35から基線長S隔てて配置された受光レンズ37を介し、その焦点距離fj の位置に配置された半導体位置検出素子(以下、PSDと略記する)38上に結像される。
【0047】
さらに、このPSD38の両端子から出力された信号光電流I1 ,I2 は、後述する信号光電流検出回路39,39aによって検出される。
【0048】
このように、測距回路ブロック4は、測距対象物に光パルスを投射する投光回路32と、測距対象物からの反射光を受光して信号パルス光電流成分を検出し増幅する信号光電流検出回路39,39aと、前記検出された光電流から被写体の距離情報を求める演算回路40と、この演算回路40の出力をA/D変換するカウント回路41とで構成されている。そして、上記信号光電流検出回路39,39aにはそれぞれ同一の構成部材を使用し且つ同様の構成としているので、信号光電流検出回路39についてのみ説明し、同一構成部材39aについては同一番号に“a”を付し、その説明は省略する。
【0049】
上記投光回路のIRED34は、トランジスタ33によりドライブされる。そして、この外付けパワトランジスタ33のオン/オフは、μ−comコア31と同一チップ内に構成されたPMOSトランジスタ32により制御される。
【0050】
ここで注意すべきことは、PMOSトランジスタ32は10数mAのドライブ電流を流す必要がある為、そのソース電源としてVcc1 を利用し、μ−comコア31を含め他の回路ブロックの電源Vcc2 とは別系統のパワ系電源となる様構成されていることである。このように、電源系をチップ内でパワ系電源であるVcc1 と安定化された電源であるVcc2 少なくとも2系統の電源とすることで、大電流ドライブ時の電源変動が、測定・制御回路ブロックに悪影響を及ぼすことを防止している。さらに、上記PMOSトランジスタ32のオン/オフはμ−comコア31の制御端子P0 により制御され、この端子出力信号によりIRED34からパルス波形で投射される赤外光のオン/オフが制御される。
【0051】
一方、上記光電流検出回路部9は、CMOSオペアンプ42とPウェルをベース、Pウェル内のNをエミッタ、NサブストレートをコレクタとするCMOS内に存在する寄生NPNトランジスタ43とで構成されるプリアンプ回路と、CMOS−オペアンプ44とNMOSトランジスタ45とその周辺回路からなる背景光除去回路とで構成されている。
【0052】
そして、PSD38の片チャンネルから得られる信号パルス電流I2 は、プリアンプ回路を構成するオペアンプ42に供給される。このオペアンプ42は、トランジスタ13によって帰還がかけられるように、その出力端をトランジスタ43のエミッタに、反転入力端をベースに非反転入力端を不図示の基準電源Vref1に、それぞれ接続されており、これによってトランジスタ43のベース入力抵抗は等価的に数KΩ程度に下げられている。
【0053】
さらに、背景除去回路を構成するオペアンプ44の出力は、CMOSトランスミッションゲート46を介して、チップ内部に形成されたコンデンサと、背景引き抜き用NMOSトランジスタ45のゲートに接続されている。非投光時に制御回路部であるμ−comコア31の端子P1 のハイレベル“H”信号がトランスミッションゲート46に与えられると、オペアンプ42、トランジスタ43、オペアンプ44、トランスミッションゲート46、トランジスタ45のフィードバックループに従って、オペアンプ44の反転端子がイマジナリーショートによって図示しない基準電圧源出力のVref2になるようにオペアンプ44が動作した結果、コンデンサ47に、この時の背景光に応じた電荷が蓄積されると共に、背景光電流成分のみがトランジスタ45によってグランドラインに引き抜かれる。
【0054】
上記フィードバックループにより、トランジスタ43のVBEは、次式で与えられる。そして、通常VBE=0.55V付近になるようにVref1,Vref2が設定されている。
【0055】
VBE=Vref1−Vref2 …(1)
この様な状態の時のエミッタ電流は、得られる信号光電流I1 の最小値のβN倍よりも充分小さくしておき、測距上の誤差が小さいレベルにおさえておく必要がある。しかし、あまりに小さくしすぎると応答性の問題が生じる為、注意しなければならない。これに対する工夫については後述する。
【0056】
そして、投光時には、トランスミッションゲート46が“オフ”するので、上述したフィードバックループが破れるが、コンデンサ47に蓄積された電荷によりトランジスタ45が、背景光による光電流をGNDに排出しつづけるので、PSD38の片チャンネルから得られる光電流のうち、背景光による光電流を除いたパルス光成分のみが、トランジスタ413でβN 倍されてエミッタ電流としてβN ×I2 として流れ、この時のエミッタ電位は次式で示される。
【0057】
【数1】
Figure 2004004709
【0058】
同様にして投光時にオペアンプ12Aの出力、即ちトランジスタ13Aのエミッタ電位は次式で示される。
【0059】
【数2】
Figure 2004004709
【0060】
そして、演算出力回路40は、抵抗49,50,51,52とCMOSオペアンプ53からなる引き算回路を構成している。この引き算回路により上記(2),(3)式で示される電圧の引き算が行われ、その出力として下記の電圧値が得られる。
【0061】
【数3】
Figure 2004004709
【0062】
この出力電圧値は、被写体距離aの逆数1/aに比例する電圧であるので、当該値を求めることで被写体までの距離を求めることができる。尚、図8に上記出力電圧と被写体距離aの逆数との関係を示す。
【0063】
以下、図9のフローチャートを参照して、測距回路ブロック4による測距のシーケンスについて説明する。ここでは、出力電圧をSとし、S/N比を向上させる為に36回測定した場合の出力の平均をとっている。更に、P1オン時間は400μs、P0オン時間は200μsとした(ステップS401〜S412)。尚、本シーケンスにおける設定値“36回”、“400μs”、“200μs”は一例に過ぎず、これに限定されるものではない。
【0064】
次に、図10はCMOSプロセスにおける寄生NPNトランジスタを利用した測光回路ブロック13の具体的な構成を示す図である。
【0065】
同図に示すように、測光素子として撮影画面の中央部の狭い範囲の被写体輝度を測定する為のスポット測光用受光素子Sp と、撮影画面の広い範囲の被写体輝度を測定する為の平均測光素子Av とを用いており、各光電流IAv,ISpが、後述する測光回路ブロック13によって検出される。
【0066】
測光回路は、IAvをエミッタ電流として流すCMOSプロセスにおける寄生NPNトランジスタ61と、同じくISpをエミッタ電流として流すCMOSプロセスにおける寄生NPNトランジスタ62と、定電流源63と、CMOSオペアンプ64と、CMOSプロセスにおける寄生NPNトランジスタ65と、温度に比例する図示しない基準電圧源Vref3とで構成されるIs (トランジスタの飽和電流)キャンセル用基準電圧回路と、コンパレータ66,67及び温度に比例する電圧出力を出力するT比例DAC68で構成されるT比例AD変換器69とからなる。このような構成において、オペアンプ64の出力電位a、即ち、Is キャンセル用基準電圧は、次式で示される。
【0067】
【数4】
Figure 2004004709
よって、bポイントの電位は次式で示される。
【0068】
【数5】
Figure 2004004709
同様にcポイントの電位は次式で示される。
【0069】
【数6】
Figure 2004004709
【0070】
ここで、IAv=2・Iref ,Isp=2・Iref とすると、b,cポイントの電位はそれぞれ次式で示される。尚、VT ln(2)は30℃において約18mVであって温度に比例する電圧である。
【0071】
Vref3−VT ln(2)・l …(8)
Vref3−VT ln(2)・m+VT ln(n) …(9)
次に、T比例AD変換器の入力範囲はどの様にして決定されるか、具体的な設計事例を用いて説明する。ここでは、例えばスポット測光素子による光電流Ispは被写体輝度により100pA〜1μAの範囲で変化するものとする。
【0072】
また、Iref =10μA,Vref3=180mV(30℃)とすると、Ispが100pAの場合のbポイントの電位は480mV(30℃)となり、Ispが1μAの場合のbポイントの電位は240mV(30℃)となる。
【0073】
一方、後の演算処理を簡単にする為と、量子化誤差による測光誤差を少くし、極力精度を上げる為、きりのいい数値8カウントが輝度1段に対応する様構成し、A/D変換器は8ビットであるとする。1段当りの測光回路出力の変化量は18mV(30℃)であるから、1カウント当りの電圧値は18mV/8=2.25mV(30℃)に設定されるフルビットが立った時は255×2.25mV=573.75mV(30℃)となる。
【0074】
一方、平均測光素子の測光範囲面積はスポット測光素子の測光範囲面積の16倍程度あり、その光電流IAvは被写体輝度により、1600pA〜16μAの範囲で変化する。よって、NPNTrの数nが“n−1”であると、IAvが1600pAの時、aポイントの電位は408mV(30℃)となり、IAvが16μAの時、aポイントの電位は168mV(30℃)となる。
【0075】
この様に、光電流IspとIAvでは同一輝度に対して光電流量が異なるので、測光回路を同一のものにすると、その出力電圧に差異が生じ、後段のA/D変換器の入力範囲を大きくする必要が生じる。そこで、本実施例では、nを“16”とすることにより、平均とスポットの測光回路出力電圧が同一輝度において、同一の電圧値となる様工夫している。
【0076】
上述したように、同一輝度における平均とスポットの光電流比に等しくNPNトランジスタのエミッタサイズ比を設定することにより同一輝度における各測光出力電圧値を等しくすることができる。そして、例え全く同一でなくとも略近い値とすることで、後段のAD変換回路の入力電圧範囲を無駄に大きくすることなく設計できるので、回路規模の増大を抑えることができる。
【0077】
ここで、同一輝度における光電流比の異なる測光素子からの測光出力電圧を略等しくするために、図11に示す回路により、基準電圧回路出力Is を平均とスポットで予め異なるようにすることもできる。
【0078】
例えば、IAv/Isp=16であったとすると、
Figure 2004004709
とするか、
IrefA=Iref ×16 …(11)
とすれば良い。この他に、図12の様にレベルシフト回路を付加して調整しても良く、更に調整量は18mV(30℃)×ln(IAv/Isp)/ln(2)とすれば良い。
【0079】
ところで、得られた測光電圧値b,cポイントの電位は、T比例ADC69によってA/D変換され、デジタル量に変換され、μ−comコアに取り込まれ被写体輝度情報に演算変換され、メモリに格納される。
【0080】
そして、このT比例ADC69は、分割抵抗とタップデコーダによって構成されたD/Aコンバータとコンパレータ66,67からなり、μ−comコアから、タップデコーダに指令が行くと、分割抵抗のタップのいずれかの電位がコンパレータ66,67の一端子に入力される。μ−comコアは、上記D/Aコンバータの各設定電圧と測光出力電圧の比較を繰り返すことにより、測光出力電圧値をA/D変換することができる。
【0081】
さらに、分割抵抗には、定電流源70によりVT ln(N/R0 )(Nは正整数、R0 は回路内部の抵抗を示す)の温度Tに比例した電流が流されており、T比例の電圧を発生する様に構成されている。尚、この他にも温度Tに対して安定した定電流源70Aと上記T比例定電流源70は、μ−comコアからのスイッチングによって互いに切り換えられるように構成されており、更にA/D変換器69はT比例,T安定のA/D変換器として使用できるように構成されている。そして、T安定のA/D変換器はカメラの他の情報量(例えば温度,ストロボチャージ電圧等)をA/D変換する場合に用いられる。
【0082】
以上の様にして、全体としての回路規模の縮小化を向上させるように構成している。
【0083】
さらに、測光値をA/D変換してμ−comコアに取り込むことができるが、CMOSオペアンプを使用した場合、従来のバイポーラオペアンプと異なり、そのオフセット電圧が問題となる。即ち、従来のオペアンプではわずか2〜3mVであるが、CMOSオペアンプでは20mV程度でてしまう。輝度1段当り18mV(30℃)であるから、CMOSオペアンプのオフセット電圧は無視できない大きさである。
【0084】
この問題を解決する為に、図10に示す実施例では、図13に示す様にCMOSオペアンプ64とCMOSコンパレータ66をほぼ同一の構成とし、同一チップ内において、できるだけ近傍に配置することで、同一方向のオフセット電圧を生じさせ、互いに相殺する様に工夫している。そして、図14はD/Aコンバータ用のT安定,T比例基準電流をつくる回路の具体的な構成を示す図であり、上記した他にもカメラ用測定回路のバイアス電流源として用いられる。
【0085】
以下、図15のフローチャートを参照して、測光回路ブロック13による測光のシーケンスについて詳細に説明する。
【0086】
本シーケンスでは、スポットアベレージの測定はそれぞれb,cポイントの電位を測定することにより行なわれる。そして、この電位をA/D変換すれば良いわけだが、ここでは、コンパレータとタップデコーダを使ったA/D変換器を利用したA/D方式として説明し、更にスポットアベレージとも同一過程なので一方のみの説明を行なう。
【0087】
まず、VH にVcc2 ,VL にGNDに対応する値を設定し、コンパレータの出力をチェックする。そして、コンパレータの値がハイレベル“H”ならタップデコーダの値の方が低いのでVL に(VH +VL )/2を代入する。さらに、コンパレータの出力がローレベル“L”ならばタップデコーダの値の方が高いのでVH に(VH +VL )/2を代入する。以下、これを8回繰り返すと、8ビットのA/D変換となり、測光の出力がA/D変換できたことになる(ステップS501〜508)。
【0088】
次に、図16はCMOSプロセスにおける測温回路ブロック10の構成を示す図である。当該測温回路ブロック10により測温される被測温体はCMOSマイコンチップ自体の温度である。このCMOSはマイコン部、及び周辺の測光・測距・測温等々のカメラ用各種測定回路を全て非常に低消費電力化可能な為に、ICチップ自体の消費電力がバイポーラ集積回路に比べて非常に小さい。
【0089】
そして、通常、バイポーラ集積回路であると、ICチップ自体の温度はその消費電力によって3℃程度環境温度に対して上昇してしまう。また、その上昇の度合いはICに給電されてから測温するまでのタイミングによって異なるので、測温タイミングによって常に3℃前後のバラツキを生じ、精密なカメラの温度補正をかけることができない。対するCMOSは持ち前の低消費電力の為に、チップ自体の温度と環境温度との間の差異が小さい。
【0090】
さらに、従来、上記したようなバイポーラではチップ自体の消費電力による発熱を考慮して、例えば測光回路チップや測距回路チップ、リモコン受信回路チップ等のカメラの測定回路単体機能、若しくは、ほんの2,3の機能を持つICチップ中に測温回路を組み込んで、その様なICチップ温度を測定する様工夫している。
【0091】
これに対して、CMOS化することによってカメラ用の各種測定回路を大規模に集積化した様なICチップ内に測温回路を設けることができ、カメラに好適なオールインワンICを設計することが可能となる。この様なマイコンはカメラのさらなるコンパクト化,低コスト化にも貢献する。
【0092】
そして、図16に示すように、本実施例の測温回路ブロック10は、MOSトランジスタQ1 〜Q8 と抵抗R1 とR2 と回路起動用定電流源I1 とからなる温度比例型基準電流回路と、CMOSプロセス内に存在する寄生NPNTrQ9 と抵抗R3 とCMOSオペアンプOP1 とCMOSトランジスタQ10と抵抗R4 とからなる温度安定型基準電流回路と、抵抗R5 とで構成されている。
【0093】
ここで、温度比例型基準電流回路において、Q5 とQ4 の面積比は1:16に設定されており、この関係によってIref1は次式で示される電流値となる。
【0094】
Iref1=(VT ln16)/R2 …(12)
このVT はサーマルボルテージであって温度に比例し、26mV(30℃)である。Iref1をQ9 とR3 に流すことによってオペアンプの+端子電位が、Vcc2 を基準として1.26Vとなる様、R3 の抵抗値が選ばれている。更に、この1.26Vはバンドギャップ基準電圧と呼ばれ非常に良好な温度安定性を示す。
【0095】
そして、この電圧を基準として、Q10のソースから出力される温度安定基準電流Iref2は次式で示される。
【0096】
Iref2=1.26V/R4 …(13)
よって、抵抗R5 に生じる電圧VTEMPは次式で示される。
【0097】
【数7】
Figure 2004004709
【0098】
ここで、R2 =1KΩ,R4 =15KΩ,R5 =28KΩとすると、
【数8】
Figure 2004004709
となり、VTEMPは40℃では269mV、−10℃では605mVとなる。
【0099】
尚、1℃当りの電圧変化量は、6.72mVである。
【0100】
これに対して、A/D変換回路部9の入力電圧範囲を0〜856.8mVとし、1カウント当り3.36mVと設定すると、1カウント当り0.5℃の測温精度で測温電圧値をA/D変換できる。この時のA/D変換回路は勿論、温度に対して安定なものである。さらに、得られたA/D変換デジタル値と、温度との関係は、μ−comコアが、予め基準温度において得られたA/D変換値の理論値と実際の値との差に対応する量として記憶されたデジタル量を補正した後に、温度に対する基準参照値と比較して求める様に構成する。
【0101】
次に、図17はCMOS化することによって基本的に低消費電力化することの可能なカメラ用の各種測定回路のみならず、外部のドライブ上基本的に低消費電力化できないような回路ブロック、例えばモータードライブ回路や昇圧回路やプランジャー駆動回路などを組み込んだ場合の具体例な構成を示す図である。
【0102】
同図に示すようにパワ系の制御回路が組み込まれた場合は、カメラで言うとフィルム巻き上げ時や巻き戻し時に、モーター駆動を行なうと、数十〜数百mAの電流が1秒〜30秒間流れることになり、ICチップの温度が、ピークで60〜70℃近くまで上昇し、それが環境温度に近い温度まで下がるのに数分の時間を要する。その為、ICチップ自体の温度で、カメラの動作の温度補正を行なおとすると、全く不正確な温度補正がなされいしまうという不具合が生じてしまう。
【0103】
ここでは、上記問題点を解決する為に、測温回路80と共に、計時回路81を設け、モータードライブ回路83や昇圧回路86等のパワ系の制御回路が動作した後は、その事によるICチップ温度上昇分がなくなるまでの間の測温回路80の温度データをカメラの温度補正データとして用いないように構成したものである。これはメインフローなどでパワ駆動フラグを利用した方法を既に説明済である。尚、パワー駆動フラグMTFLGは負荷条件、駆動条件に応じてMTFLG1,MTFLG2等の2種類以上設けてもよい。
【0104】
次に、図18はカメラのリモコン受信回路ブロックの構成を示す回路構成図であり、図19は、その受信部で赤外光による遠隔操作信号を受光したときの各部の動作波形を示す図である。
【0105】
フォトダイオード90は、図19(a)に示す遠隔操作信号A1 ,A2 ,A3を受光する為の受光素子で、プリアンプ93に入力される。プリアンプ93は入力される微小な信号電圧を図19(b)に示すプリアンプ出力100に増幅し、次段のバンドパスフィルタ(BPF;Band Pass Filter)94に出力する。
【0106】
このBPF94は、上記遠隔操作信号のキャリア周波数fc がその通過帯域の中心になるように設定されたフィルタ特性を有し、螢光灯等の商用周波数の倍のリップル周波数(100Hzと120Hz)のノイズ成分を除去し、リモコン信号だけからなる図19(c)に示すBPF出力101を次段の検波回路95に出力する。さらに、積分回路96は、この検波出力102を積分してキャリア成分を除去した図19(e)に示す積分出力103を出力する。また、波形整形回路97は、スレッシュレベルVTH1 及びVTH2 のヒステリシスを有し、波形整形を行なって信号パルスP1 ,P2 ,P3 からなる図19(f)に示す受光回路出力としてCPU(μ−comコア)91に出力する。
【0107】
上記遠隔操作装置における受信手段の各回路ブロックはCMOSによって構成され、従来のバイポーラによる消費電力2〜3mAに対して200〜300μAの1/10以下に低減されている。この為、従来リモコンモード継続時間を電池消耗対策により20分程度制限していたが、その10倍である200分(=3時間20分)程度に延長することができる。これは実質的には充分な時間であり、従来の様なリモコン専用の時間リミッターを設ける必要がない。従って、前述したメインフローではリモコンモード時に時間制限を設けていない。
【0108】
以下、μ−comコアによるリモコン回路ブロック9により出力されるリモコン受信信号の処理動作、及び該リモコン回路ブロック9の制御について詳細に説明する。μ−comコアは、カメラ本体に設けられたリモコンモード設定スイッチの“オン”を検出し、リモコンモードである旨を示す“モード表示”を図示しないLCDに表示し、リモコン割り込み端子RNINTを禁止した後、リモコンイネーブル端子RMENをローレベル“L”とし、リモコン受信回路ブロックに給電する。そして、この給電の後、リモコン受信回路ブロックが安定化する所定時間後に前記リモコン割り込み端子RNINTの割り込み許可を行なう。更に、当該μ−comコアは上記受光回路出力が入力されると、その内部のROMに記憶されているプログラムに従って入力信号を読取り、リモコン信号であるか否かの判別を行なう。
【0109】
先ず図20のフローチャートを参照して、μ−comコアがリモコン信号を受信し判別するまでのシーケンスについて説明する。
【0110】
μ−comコアに入力信号パルスP1 によってリモコン受信割り込みがかかると、内部のタイマ1をスタートさせ、次の信号パルスP2 の入力によりタイマ1をストップする。これにより、信号パルスP1 とP2 のパルス間隔を測定し、所定の時間T1 に一致するか否かの比較を行ない、一致した場合は同様にして信号パルスP2 とP3 のパルス間隔をタイマによって測定し、所定の時間T1 と一致するか否か判定することにより(ステップS602〜S607)、リモコン信号の判別を行なう。そして、一致した場合はリモコン受信フラグを“オン”し(ステップS608)、リモコン割り込みを禁止した後に割り込み処理を抜ける。
【0111】
上記パルス間隔が所定時間T1 と一致しない場合はノイズと判断してこれを無視し、割り込み処理を抜ける(ステップS609)。尚、所定のパルス間隔T1は、螢光灯の周期的ノイズパルスの間隔10msec若しくは8.3msecの整数倍に同期しない時間間隔とする。
【0112】
以上の様にしてμ−comコアによりリモコン受信信号と判別された場合は、その後レリーズ割り込み処理に移行し測距・測光・測温やフォーカスレンズ駆動、シャッター駆動フィルム巻き上げの一連のカメラシーケンスを続行する。
【0113】
次に、リモコン受信回路の動作処理をカメラの動作シーケンス上に組み込む上で注意すべき点に関して説明する。
【0114】
リモコン受信回路は、非常に微弱な数10μVの信号を検出する検出回路であるので、ノイズの影響を受けやすい。よって、昇圧回路が作動している場合、即ちリモコン受信回路と同一チップ上に昇圧回路が形成されている場合や、ストロボ充電が作動している場合等のノイズの多い状況下においては、リモコン受信割り込みが経常的にかかり、正常なカメラ動作の遂行ができなくなる畏れがある。
【0115】
この問題を解決する為に、本実施例では、図21のフローチャートに示すように、リモコンモード信号受信待機時においては昇圧回路動作を禁止する。そして、ストロボチャージ中においてはリモコン受信回路を作動不能とするか、リモコン受信割り込みを禁止する。尚、本発明では、メインフローに示す様にストロボ充電完了してから、リモコンモードになる様な工夫をしている。これにより、リモコン受信回路からの誤信号出力が、カメラの正常な動作の遂行を妨げることのない様にしている(ステップS701〜S707)。
【0116】
次に、図22は、CPU及びカメラの各種測定回路と同一チップ上にモータドライブ用のプリドライバ回路を構成した場合のNPNモータプリドライバ回路ブロック5の具体的な構成を示す図である。
【0117】
通常、CPU及びカメラの各種測定回路用電源としては、電池からショトキーバリアダイオードと33μF程度のタンタルコンデンサによって構成されるダイオードフィルタ(D1 ,C1 )によって安定化された電源Vcc2 が使用される。
【0118】
これは、電池電圧がモータ駆動やプランジャー駆動や昇圧コイル駆動やストロボチャージの様な重負荷駆動によって急峻で大きな電圧降下を生じる為に、そのdv/dtがCPUの正常なシーケンスの保証や各種測定回路の正確な測定の保証のできない大きさ(dv/dt)0 以上になる為である。
【0119】
よって、通常バックアップコンデンサC1 の大きさは、Vcc2 内部のICの消費電流Idiとすると次式で示されるような値に設定される。
【0120】
【数9】
Figure 2004004709
【0121】
さらに、大きな問題としてカメラはポータブル機器であるので、振動によって電池が電池接片から離れ一時的に絡電が遮断されてしまう。特に、カメラの作動中に上記問題が発生し、Vcc2 電圧がCPUの動作可能以下にまで低下してしまった場合、CPUによる正常なカメラ制御が行なわれず、最悪の場合カメラの破壊につながる。この電池のチャタリングは電池接片の形状や圧にもよるが約10msecと考えられる。よって、コンデンサC1 の値に、この時間Vcc2 がCPUの正常動作可能電圧以下に下がらない様な容量に定められる。
【0122】
通常、コンデンサC1 の容量を決めるドミナントなパラメーターは上記電池チャタリング時のVcc2 電圧保持である。このコンデンサC1 は周波数特性の良さと比較的大容量を得やすいという理由で、タンタルコンデンサが用いられるが、これは高価であるし、小型カメラの実装スペースに対してはやはり体積が大きいので、Vcc2 内部のICの消費電流Idiを小さく設計しなければならない。
【0123】
この目的のもとにカメラの各種測定回路はできるだけ低消費電流な回路に設計する必要がある。これに対して、モータープリドライブ回路等の、外付けのパワートランジスタを駆動する回路は、そのベース電流として数10mAの電流を供給する必要が生じる。このような回路を上記カメラ用測定回路と同様にCPUチップと同一チップ上に形成した場合、その回路ブロックの電源をCPU及び測定回路と同一のVcc2 に共通にすると、上述した様な理由でVcc2 保持用コンデンサの容量を非常に大きくしなければならない。実際はコスト、スペースの点で上記構成は不可能である。
【0124】
そこで、本実施例はソース電流源をVcc2 でなくVcc1 として、電源安定化コンデンサC1 から大電流をIC外に放出しない様、大電流供給端子及びラインをICに設ける様工夫してある。マイコンを含むICのパッケージについては、図48に示すように、このIC205を電池に接続するICリード201がパッケージ204から突出しており、このICリード201が金ワイヤ206によりIC205上のパッド203に接続されている。
【0125】
ここで、大電流がIC205のGNDライン202に流れた場合、IC205のGNDライン202のアルミ配線は、0.2〜3Ωまたパッド203とICリード201との接触抵抗は0.2〜3Ωの値を持つもので、50〜100mV程度の電位差を、その大電流の流れる経路にそって発生してしまう為、ICチップ内のGNDライン202を上記回路ブロックとCPU及びカメラ用測定回路ブロックと共通にすると、正常なシーケンス,正確な測定が不可能となってしまう。
【0126】
本実施例では、大電流をGNDに排出するMTGNDラインとカメラ用測定回路ブロックの専用GNDラインの少なくとも2系統のGNDラインを設け、且つパッドの接触抵抗の影響をさける為に、少なくとも2つのGNDパッドからなる端子MTGND端子,ANGND端子を設けている。
【0127】
この様に、少なくとも2系統のGNDライン及びGND端子を設けることにより1チップ上に上記大電流ドライプ回路ブロックを構成することが可能である。理想的には、CPU用のデジタルGNDと測定回路用アナログGNDを別々に設ける方が良いが、実際には端子数の不必要な増大につながるので、本実施例ではあえて1つにまとめている。
【0128】
次に、プリドライブ回路の具体的な構成について説明する。
【0129】
先ず、外付けのNPNパワートランジスタをドライブするN端子定電流ドライブ回路について説明する。
【0130】
このN端子定電流トライブ回路は、CMOSオペアンプOP1 と抵抗R1 ,R2 ,R3 と基準電圧Vref3とPMOSトランジスタQ1 からなるPMOSトランジスタ定電流ドライブ用電圧発生回路と、上記電圧をPMOSトランジスタQ2,Q3 ,Q4 ,Q5 のゲートに導くトランスファーゲートスイッチSW1 ,SW2 ,SW3 ,SW4 と、Vcc1 をソースとし外付けNPNトランジスタのベースをドレインとするPMOSトランジスタQ2 ,Q3 ,Q4 ,Q5 と、それらのゲートソース間をシャントするシャント抵抗R4 ,R5 ,R6 ,R7 と、外付けNPNパワートランジスタのベース−エミッタ間をシャントするNMOSトランジスタQ6 ,Q7 ,Q8 ,Q9 からなる出力部とで構成されている。
【0131】
このμ−comコアのポートN0からオペアンプOP1 に給電信号が入力されると、オペアンプが動作し、抵抗R3 に100μAの電流IN0が流れる。このIN0は次式で示される。
【0132】
IN0=Vref3/R3 …(17)
そして、トランジスタQ1 のVGSとIN0の間には次式の関係が成立する。
【0133】
Figure 2004004709
よって、Vcc1 基準でa点の電位Va は次式で示される。
【0134】
【数10】
Figure 2004004709
【0135】
さらに、μ−comコアの出力ポートN1 がハイレベル“H”になってトランスファーゲートスイッチSW1が“オン”になると、Q2 のG−S間電圧は0VでQ2 がオフ状態で、Q6 がオン状態であったのが、Va 電圧が印加されQ2 がオンQ6 はオフ状態となる。
【0136】
この時、出力電流IN1は次式で示される。
【0137】
IN1=A・(VGS1 −Vth)  ・・・(20)
そして、IN1=20mAとなる様なVGS1 となるように、上記(R1 +R2 )/R2 を次式により設定する。
【0138】
【数11】
Figure 2004004709
【0139】
上記したような回路構成とすることで、各出力ポートN1 ,N2 ,N3 ,N4から20mAの定電流を出力でき、従来の様にベース制限抵抗を用いる必要もない為、実装面積の小さなプリドライブ回路を得ることができる。
【0140】
また、Vcc1 の変動をフィードバックしている為、Vcc1 電圧がどの様に変動しても、常に20mAドライブを行なうことができ、電源電圧の影響を受けずに安定したアクチュエータ制御を行なうことができる。
【0141】
次に、外付けPNPパワートランジスタをドライブするP端子定電流ドライブ回路について説明する。これは先に説明したN端子定電流ドライブ回路と同じ動作原理であって、ソースかシンクであるか否かの違いがあるのみである。
【0142】
P端子定電流ドライブ回路はCMOSオペアンプOP1Aと、抵抗R1A,R2A,R3Aと基準電圧Vref3A とNMOSトランジスタQ1Aから構成されるNMOSトランジスタ定電流ドライブ用電圧発生回路と、上記電圧をNMOSトランジスタQ2A,Q3A,Q4A,Q5Aと、それらのゲート−ソース間をシャントするシャント抵抗R4A,R5A,R6A,R7Aと、外付けPNPトランジスタのベース−エミッタ間をシャントするPMOSトランジスタQ6A,Q7A,Q8A,Q9Aからなる出力部とで構成されている。
【0143】
そして、μ−comコアのポートP0 からオペアンプOP1Aに給電信号が入力されるとオペアンプ動作がなされて抵抗R3Aに100μAの電流Ip0が流れる。
【0144】
この電流Ip0は次式で示される。
【0145】
Ip0=(Vref3A −Vcc1 )/R3A …(22)
さらに、トランジスタQ1 のVGSとIp0との間には次式の関係が成立する。
【0146】
Figure 2004004709
よって、GND基準でa点の電位VaAは次式で示される。
【0147】
【数12】
Figure 2004004709
【0148】
さらに、μ−comコアの出力ポートP1 がハイレベル“H”になってトランスファーゲートスイッチSW1Aが“オン”になると、トランジスタQ2AのG−S間電圧は0VでトランジスタQ2Aがオフ状態で、トランジスタQ6Aがオン状態であったのがVaA電圧が印加され、トランジスタQ2Aがオン状態となり、トランジスタQ6Aはオフ状態となる。
【0149】
この時、出力電流IP1は次式で示される。
【0150】
IP1=B・(VGS1 −Vth)  …(25)
そして、IP1=20mAとなる様なVGS1 となる様、上記(R1A+R2A)/R2Aを、次式により設定する。
【0151】
【数13】
Figure 2004004709
【0152】
上記したような回路構成とすることにより、P1 ,P2 ,P3 ,P4 各端子から20mAの定電流をシンクできる。
【0153】
次に、図23はクロックを用いないアナログタイマ回路の具体的な構成を示す図である。同図に示すように、タイマ118aは、カレントミラー回路を構成するMOSトランジスタ111,112と定電流源114と定電流源の電流をスイッチングするMOSトランジスタ113と上記定電流源の電流を積分するコンデンサ115と積分コンデンサに蓄積された電荷を放電するMOSトランジスタ116と、コンデンサに蓄積された電荷量をDAC出力と比較するコンパレータ117とタイマ118aとで構成されている。
【0154】
そして、タイマ118bはタイマ118aと同一構成であり、タップデコーダの値を変えることで2つのタイマ値を設定することができ、更には連続して使用することもできる。また、定電流源の値を変えれば長いタイマや短いタイマも作ることができる。
【0155】
以下、図24のフローチャートを参照して、かかるアナログタイマ回路の動作について説明する。尚、タイマ値は図27のグラフを基に設定する。そして、集積回路内のコンデンサを利用した場合は温特は少ないが、温特のある場合は温度によりグラフを選択すれば良い。さらに、ここでは一応温特のある場合を想定して説明する。
【0156】
先ず測温し(ステップS801)、アナログタイマを呼ぶ前に設定されたタイマ値T又はTAになる様に図27よりタップデコーダの出力(D/A値)を設定する(ステップS802)。続いて、TM1又はTM1Aを“オン”し、コンデンサ115又は115Aの電荷を抜く。同時に、TM2又はTM2Aを“オン”し、コンデンサにチャージ可能状態とし、TM1又はTM1Aを“オフ”し、タイマをスタートした後、原振を止める(ステップS803,804)。
【0157】
その後、コンデンサ115又は115Aのレベルがタップデコーダーの出力を上まわると、TM3又はTM3Aが立上り、この信号により、再びμ−comはウエイクアップし原振が動き出す(クロック休止状態から発振状態に戻る)。そして、原振が動き出した直後、TM2又はTM2Aを“オフ”し、チャージを中止し、メインルーチンに戻る(ステップS805〜808)。
【0158】
この状態のタイミングチャートは図25に示す通りであり、この図25に示す他にも図26に示す方法等、種々の方法が考えられるが、以下、図25に示すタイミングを基に説明を続けることにする。
【0159】
以上の説明で明らかであるように、アナログタイマ動作中はμ−comの原振を止めることができるので、微少電流や微少電圧の測定、又はノイズに弱い信号の時間測定などに応用することができる。
【0160】
次に、図28はアナログタイマを用いた測光回路の具体的な構成を示す図である。ここで、先に図10に示した測光回路と異なるのは、コンパレータの後にフリップフロップが設けられていることである。そして、アナログタイマ停止信号でフリップフロップはコンパレータのレベルをラッチする構成になっている。
【0161】
図29は、かかる測光回路の動作を示すフローチャートである。
【0162】
先に図15に示した動作と異なるの点は、新たにステップS904,S905を設けてアナログタイマを使用している事である。即ち、ここでは測光電圧が微少の場合は、原振のノイズが乗り正確なA/D変換ができないので、コンパレータの出力をチェックする場合は原振を止めノイズのない状態で測定するという方法をとっている。尚、コンパレータの出力をアナログタイマ終了信号でラッチしているので、原振が発振した時にはすでにノイズのない状態のレベルがラッチされていることになる。その他の動作は先に図15の説明で述べた通りであるので、ここでは重複した説明は省略する。
【0163】
次に、図30はアナログタイマを用いた測距回路の具体的な構成を示す図である。この測距回路は、先に図7に示したA/D部41を改良したものである。
【0164】
即ち、図7の測光と同様に定常光をコンデンサ47にラッチする場合及びLED34を投光し、PSD38の出力を演算する場合にアナログタイマを使用し、原振のノイズを除去している。そして、その演算結果はアナログタイマの終了信号TM3でコンデンサに保持する。その後、A/D変換するので原振のノイズのない状態の信号をA/D変換することができる。
【0165】
そして、図31は、かかる測距回路の動作を示すフローチャートである。先に図9に示した動作と異なる点はアナログタイマを使用している事のみである(ステップS1003〜1011)。その他の動作は先に図9の説明で述べた通りであるので、ここでは重複した説明は省略する。
【0166】
次に、図32はリモコン受信信号評価にアナログタイマを応用した回路の具体的な構成を示す図である。本回路の目的は、やはり原振によるノイズを除去することにあり、この場合はタイマを2個使用する。
【0167】
そして、図34は、かかる回路の動作を示すフローチャートである。正常なリモコン信号は図19(F)に示す様にT1 間隔でパルスが3つある場合とする。尚、このT1 はT1 ±αの誤差までOKとする。そして、本回路はアナログタイマが設定タイマ値になるか、リモコン受信信号の立下りがあるかのいずれかで、タイマを止める為のT2 信号を作っている。
【0168】
即ち、図33(a)はリモコン信号が早かった場合のリモコン受光回路出力を示す。この場合、タイマ値はT1 +αに設定する。即ち、リモコン信号が入る前にT3がハイレベル“H”になった場合はT≧T1 +αとなりNGとなる。
【0169】
これに対して、図33(b)は設定時間が先にきた場合のリモコン受光回路出力を示す。この場合、アナログタイマは止っているのでA/D変換すれば時間がわかるので、T1 −αより大きいかどうかで正常な信号かどうかを判定する。この判定はタイマ1終了直後タイマ2をスタートさせ、タイマ2が終了した後行い、OKの場合はリモコン受信フラグを設定して割込みを抜ける。
【0170】
次に、本発明の第2の実施例に係るCMOSアナログ回路を使用したカメラコントローラについて説明する。図35、36はその構成を示す図である。
【0171】
先ず、図36における基準電流回路ブロック201について説明する。
【0172】
この基準電流回路ブロック201は、PMOSトランジスタQ1 ,Q2 ,Q3,Q7 ,Q8 、NMOSトランジスタQ4 ,Q5 ,Q6 及び抵抗R1 ,R2 ,R3 によって構成されている。そして、CPUによって、PT0=“L”とされると、抵抗R1 で制限された数μAの電流がトランジスタQ1 に流れ、トランジスタQ1 とQ2 はカレントミラー回路を構成しているので、トランジスタQ2 のドレイン電流がトランジスタQ4 のD−Gショートに流れ込む。そして、トランジスタQ4 ,Q5 ,Q6 はそれぞれカレントミラー回路を構成しているので、トランジスタQ5 ,Q6 には同じドレイン電流が流れる。
【0173】
ところで、トランジスタQ8 とQ7 は微小電流領域では、10:1のカレントミラー回路と同じであって(抵抗R3 による電圧降下分が少ないため)、トランジスタQ7 のドレイン電流はトランジスタQ6 のドレイン電流の1/10となるので、Aポイントの電位はローレベル“L”になり、PMOSトランジスタQ3が“オン”してドレイン電流を流し、トランジスタQ4 のドレイン電流が増え、カレントミラーによりトランジスタQ5 ,Q6 のドレイン電流が増える。
【0174】
この電流が増えると、トランジスタQ7 ,Q8 のドレイン電流比は抵抗R3 の電圧降下分が効いてくるので、1/10から“1”に近付いてくる。
【0175】
以上のようなサイクルで、結果としてトランジスタQ5 ,Q7 のドレイン電流が一致する所に収束し、その結果、抵抗R3 の電圧降下は次式で示される。尚、次式においてVT はサーマルボルテージを示す。
【0176】
【数14】
Figure 2004004709
【0177】
但し、MOSはweak inversion region となる様、ID が約200nAで使用する。
【0178】
次にバンドギャップ基準電圧回路ブロック203について説明する。
【0179】
本回路ブロック203は、温度に対して安定な1.26Vの定電圧回路である。そして、CMOSプロセス中のPウェルをベースとするNPN寄生トランジスタQ13とNMOSトランジスタQ12と抵抗R5 とによって、Vcc2 電位基準のバンドギャップ基準電圧を得る。さらに、このトランジスタQ13は−2mV/°Cのダイオード特性を持ち、抵抗RS の両端電圧は、次式の温度変化に対して+の変化をする電圧を発生する。
【0180】
VT ln(10)×(R5 /R3 )×10 …(28)
そこで、プラス(+)とマイナス(−)の変化量をほぼ等しくしてキャンセルするように上記(28)式の(RS /R3 )を設計すれば、VCC2 −B間電圧は温度に対して安定となる。この目安として該電圧値は1.26Vである。尚、逆にNPNトランジスタであるが、Nウェルをベースとする寄生PNPトランジスタを用いる場合はGND基準で1.26Vの基準電圧を作ることもできる。
【0181】
次に、温度安定基準電流回路ブロック204について説明する。
【0182】
本回路ブロック204は、オペアンプOP1 とPMOSトランジスタQ14,Q15と抵抗R6 ,R7 によって構成される。そして、オペアンプOP1 によって、トランジスタQ14,Q15が“オン”され、抵抗R6 とR7 にソース電流が流れ、Cポイントの電位はイマジナリーショートでBポイントの電位と等しくなる。よって、抵抗R6 とR7 には1.26/(R6 +R7 )の電流が流れ、トランジスタQ15とQ14には、その半分のドレイン電流が流れる。
【0183】
次に、測温回路ブロック202について説明する。
【0184】
本測温回路ブロック202は、PMOSトランジスタQ10と抵抗R4 とNMOSトランジスタQ11とで構成されている。
【0185】
そして、トランジスタQ10のドレイン電流は次式で示される。
【0186】
VT ln(10)/R3 ×40 …(29)
よって、電圧VT は次式で示される。
【0187】
VT =((273+T)/300)×26mV …(30)
ここで、Tは温度(°C)を示す。
【0188】
トランジスタQ11はトランジスタQ16とQ17とカレントミラー回路を構成しており、そのカレントミラー回路には上記温度安定基準電流回路ブロック204から次式で示される電流が注入されている。
【0189】
1.26V/(R6+R7)/2 …(31)
トランジスタQ11のドレイン電流は上記電流値となる。このT比例電流値からT安定電流を差し引いた残りが抵抗R4 に流れ込む。
【0190】
よって、E電流は次式で示される。
【0191】
【数15】
Figure 2004004709
【0192】
従って、−10°CではVE =281mV,+40°CではVE =456mVとなる。
【0193】
次に、コンデンサ充放電回路ブロック205について説明する。
【0194】
本回路ブロック205は、ストロボメインコンデンサの電圧や電池電圧、温度に関連した電圧等のA/D変換用であり、NMOSトランジスタQ16,Q17,Q18,Q22,PMOSトランジスタQ19,Q20,コンデンサC1 から構成されている。そして、CPUポートPT2=“H”のとき、トランジスタQ18は“オン”し、トランジスタQ16,Q17,Q19,Q20は、それぞれカレントミラー回路を構成しているので、トランジスタQ20のドレイン電流は次式で示される。
【0195】
1.26V/(R6+R7)/20 …(34)
そして、CPUポートPT4=“H”のとき、トランジスタQ22が“オン”し、コンデンサC1 はディスチャージされ、Fポイントの電位は0Vとなる。
【0196】
さらに、CPUポートPT4=“L”,PT2=“H”のとき、コンデンサC1 は先のトランジスタQ20のドレイン電流でチャージされ、F電位は時間共に上昇する。また、適当な所でPT4=“L”、PT2=“L”とすると、Fポイントの電位はその時点の電位に固定される。
【0197】
次に、図37のフローチャートを参照して、電池電圧をA/D変換する動作について詳細に説明する。
【0198】
まず、PT0=“L”,PT1=“L”として基準電流回路を作動させておくものとする。A/D変換した値を格納するメモリADMを“0”とする(ステップS1201)。Iを“0”にセットする(ステップS1202)。CPUポートPT4とPT2を共にハイレベル“H”にして、トランジスタQ18,Q22のスイッチングNMOSトランジスタを“オン”にする(ステップS1203)。
【0199】
そして、1msec待ち(ステップS1204)、CPUポートPT4をローレベル“L”としトランジスタQ22を“オフ”にすると、コンデンサC1 にチャージが開始される(ステップS1205)。
【0200】
続いて、タイマカウントを開始する。このタイマはソフトウェアによるソフトタイマでも良いし、CPUに組み込まれたハードウェアカウンタでも良い。ソフトタイマであれば、カメラのA/D変換に必要な分解能と測定時間の制限により16〜32KHzぐらいが適当である。そして、ハードウェアでは、速ければ速いほど良い(ステップS1206)。
【0201】
続いて、CPUの入力ポートPT6はハイレベル“H”か否か検出する。そして、ハイレベル“H”になったところで、ステップS1208に進みメモリADMの内容にその時のタイマ値を加算する(ステップS1207)。そして、I=3か否かをチェックし、“3”であればステップS1211にてADMの内容を1/4にしてステップS1212にてリターンする(ステップS1209)。そして、ステップS1209でI=3でなければ、ステップS1210でIをインクリメントし、ステップS1203へ戻る。
【0202】
以上のようにして、4回のA/D変換値の平均がメモリADMに格納される。尚、ステップS1207の判定で、100msec以上変化しない時は、別途割り込みタイマによって割り込みがかけられ、CPUはカメラの故障表示をして全てのカメラ動作を停止する。
【0203】
そして、図39はストロボ充電電圧をA/D変換するための動作を示すフローチャートである。本シーケンスはステップS1307でPT7をハイレベル“H”としている以外は、先に説明した図37のシーケンスと同じであるので、ここでは重複した説明は省略する。
【0204】
さらに、図41は測温電圧値をA/D変換する動作を示すフローチャートである。本シーケンスはステップS1407でPT5をハイレベル“H”としている以外は、先に説明した図37のシーケンスと同じであるので、ここでは重複した説明は省略する。
【0205】
次に、図43のフローチャートを参照して、測光値をA/D変換する動作について詳細に説明する。
【0206】
ADMを“0”に設定し(ステップS1501)、Iを“0”にする(ステップS1502)。そして、CPUポートPT3をローレベル“L”にして、トランジスタQ21を“オン”にすると、コンデンサC2 は放電されてH電位はVCC2と同電位になる(ステップS1503)。
【0207】
この後、1msec待ち(ステップS1504)、CPUポートPT3をハイレベル“H”にし、トランジスタQ21を“オフ”すると、SPD1によって明るさに応じた光電流でコンデンサC2 がチャージされる(ステップS1505)。
【0208】
続いて、タイマカウントを開始し(ステップS1506)、CPUポートPT8がハイレベル“H”であるか否かをチェックし(ステップS1507)、ハイレベル“H”ならばADMメモリの内容にタイマ値を加算する(ステップS1508)。そして、I=3かチェックし、I=3でないならばIをインクリメントしてステップS1503に戻る。そして、“3”であればステップS1511でADMの内容を1/4にしてステップS1512でリターンする(ステップS1509)。こうして測光値がA/D変換される。
【0209】
以上説明したようなシーケンスにより、カメラ作動に必要なカメラ情報がA/D変換される。ここで、一般的にV−T変換によるA/D変換手法は、他のA/D変換手法に比べて時間が掛り過ぎる問題がある。これは、通常カメラはレリーズボタンが押し込まれてからフィルムに露光がなされるまでの時間は0.3秒程度でなくてはならない。あまりに遅いと、シャッターチャンスを逃してしまうからである。上記観点から考えると、レリーズ毎に少なくとも測光A/Dとストロボ充電電圧A/Dと電池電圧のA/Dは必要であるから、0.3秒/3=0.1秒、即ち1つのAD所要時間は少なくとも100msec以下でなければならない。本実施例ではC1 と、これへのチャージ電流の値を適宜設定することにより、1回のA/Dが約10msecとなるように設計している。
【0210】
これについては、更に次のような工夫が考えられる。即ち、第1に少なくとも2つ以上のカメラ情報のA/D変換を同時に行う。例えば図45のフローチャートに示すように、測光と測温と電池電圧の3つのA/D変換を同時に行うことや、第2に所定メモリ領域に各カメラ情報に対応したA/D変換値も格納するメモリ領域を確認し、そのメモリ領域の内容をレリーズスイッチ以外のキー操作もしくは所定時間毎に応答して、A/D変換し更新するようにし、レリーズスイッチが入った時点以前のA/D変換値に従ってカメラ動作を行うよう構成することである。
【0211】
次に、定電圧モータドライブ回路ブロック206について説明する。
【0212】
この定電圧モータドライブ回路ブロック206は、オペアンプOP2 と抵抗R13,R14と外づけのPNPパワートランジスタによって構成されている。
【0213】
これは非反転型の増幅器であって、ハイレベル“H”ポイントの電位とIポイントの電位VI との間には次式の関係が成立する。
【0214】
【数16】
Figure 2004004709
【0215】
ここで、VI はスイッチングトランジスタQ18,Q22の時間制御によって、コンデンサC1 をGNDレベルから所定時間チャージすることにより任意の電圧値を作り出しホールドすることができる。これによリ、CPUは、例えば巻き上げ開始時は低い電圧でも、またある程度速度がでれば高い電圧で駆動するというような細かい制御を行うことができる。
【0216】
尚、CMOSプロセスにおいて、対数圧縮特性を利用する方法としては、寄生トランジスタを用いる他に、MOSトランジスタをWeak inversion region で用いる方法がある。即ち、図46に示すように、ドレイン電流が数100nA以下の領域では、ドレイン電流ID とゲートソース間電圧VGSの間には次式の関係がが成立する。
【0217】
【数17】
Figure 2004004709
【0218】
次に、図49は上記ドレイン電流が数100nA以下の領域を測距回路に応用した場合の具体的な回路の構成を示す図である。
【0219】
同図において、パルス光電流検出回路ブロックは、CMOSオペアンプOP1とNMOSトランジスタQ1 ,Q2 ,Q3 及び定電流源I1 ,I2 からなるプリアンプ部と、CMOSオペンアンプOP2 とトランスファーゲートG1 とコンデンサC1 とNMOSトランジスタQ4 からなる背景光引き抜き回路とで構成されている。そして、Vref2は、VCC2 −100mvに設定されており、オペアンプOP2 はトランスファーゲートG1 が“オン”していると、プリアンプ部トでフィードバックループを作り、I1 の定電流1μとPSDの背景光成分Ip1を全部トランジスタQ4 を通じてGNDに排出し、その時の電位がコンデンサC1 に記憶される。この状態では、トランジスタQ3 のドレインソース間電圧は100mVになり、トランジスタQ3 にはほとんど電流が流れていない。トランスファーゲートG1 が“オフ”になってフィードバックループが切られてもコンデンサC1 にはそれ以前の電位が保持されつづけるので、依然としてトランジスタQ4 はI1 の定電流とPSDの背景光成分を排出し続ける。この時に、CPUのポートP1 からLパルスを出してQ5 を“オン”し、IREDから赤外光パルスを被写体に投射し、その反射光による光電流成分ΔIp1がPSD1端子に入力すると、その電流値はトランジスタQ3 にすべて流れ込む。
【0220】
ここでは、トランジスタQ3 を20倍にしているので、この流れ込む電流に対してトランジスタQ3 はweak inversion region における動作を行うため、Aポイントの電位を次式より求める。
【0221】
【数18】
Figure 2004004709
同様に、Bポイントの電位を次式より求める。
【0222】
【数19】
Figure 2004004709
【0223】
そして、トランジスタQ6 ,Q7 も20倍にされ、I3 の定電流源に比して、weak inversion region における動作を行うよう設計している。さらに、トランジスタQ6 のドレイン電流をID1とすると次式が成立する。
【0224】
【数20】
Figure 2004004709
そして、トランジスタQ7 のドレイン電流をID2とすると次式が成立する。
【0225】
【数21】
Figure 2004004709
この上記2式は等しいので次式が成立する。
【0226】
【数22】
Figure 2004004709
【0227】
よって、
【数23】
Figure 2004004709
となる。ここで、ID1+ID2=1μAであるから次式が成立する。
【0228】
【数24】
Figure 2004004709
以上より、R1 のCポイントの電位は次式で示される。
【0229】
【数25】
Figure 2004004709
【0230】
従って、ΔIp2/(ΔIp1+ΔIp2)はPSDに入射するスポット光像の重心位置を表すから上記Cポイントの電位を計測すれば被写体距離が求められる。
【0231】
さらに、CPUは、投光パルスに同期してCポイントのA/D変換を行い、そのデジタル値を取り込む。そして、複数回の投光を行い、その平均値から被写体までの距離を割り出す。
【0232】
次に、図50は測光回路に応用した場合の具体的な構成を示す図である。
【0233】
同図において、Aポイントの電位は次式で示される。
【0234】
【数26】
Figure 2004004709
【0235】
この式において、Vref1はタップデコーダのいずれかのタップの電圧とする。
【0236】
そして、タップ抵抗Rに流れる電流I1 は次式で示される。
【0237】
【数27】
Figure 2004004709
【0238】
よって、CPUとタップデコーダで逐次比較ADを行うことによって、CPUは輝に応じたA/D値を得ることができる。
【0239】
以上詳述したように、本発明のCMOSアナログ回路を使用したカメラコントローラでは、CMOSプロセスでアナログ回路を構成できたので、リードタイム、コストもマイコン並みで、しかもAF,AE回路とマイコンを1チップ化でき、カメラの小型化を図ることができる。
【0240】
さらに、タイムラグの減少やリモコンの受信可能時間の制限をなくすこともできる。また、クロックなしのタイマを使用することにより、クロックノイズの影響が無い。そして、チップの発熱があっても、誤判断せずにLCD駆動電圧の温度補正ができる。
【0241】
尚、本発明には以下の内容も含まれる。
【0242】
(1) マイクロコンピュータと、Pウェル若しくはNウェルをベースとし当該Pウェル内部のN若しくはNウェル内部のPをエミッタとする寄生バイポーラトランジスタを有するCMOSプロセスで構成した対数圧縮型の測距回路又は測光回路とを同一チップ上に構成したことを特徴とするカメラコントローラ。
【0243】
(2) カメラ制御用マイクロコンピュータコアと、カメラの撮影動作に必要な測定回路と、バイポーラトランジスタを直接駆動する大電流ソース回路とを同一チップ上に有するカメラ用マイクロコンピュータにおいて、上記電池と直列に接続された第1の電源端子と、上記電池をと並列に接続した電源バックアップ用コンデンサに接続された第2の電源端子とを具備し、上記カメラ制御用マイクロコンピュータコアと上記カメラ用の測定回路は上記第2の電源端子から給電し、上記大電流ソース回路の少なくとも大電流ソース源としては上記第1の電源端子から給電することを特徴とするカメラ制御用1チップマイクロコンピュータ。
【0244】
(3) 同一チップ上にカメラ制御用マイクロコンピュータとカメラ用測定回路とバイポーラトランジスタを直接駆動する大電流シンク回路とを有するカメラ用1チップマイクロコンピュータにおいて、上記カメラ制御用マイクロコンピュータの為の第1のグランドパッドと、上記第1のグランドパッドに接続された第1のICリードと、上記カメラ用測定回路の為の第2のグランドパッドと、上記第2のグランドパッドに接続された第2のICリードと、上記大電流シンク回路の為の第3のグランドパッドと、上記第3のグランドパッドに接続された第3のICリードとを具備することを特徴とするカメラ制御用1チップマイクロコンピュータ。
【0245】
(4) 上記第1のグランドパッドと第2のグランドパッドとを共通としたことを特徴とする請求項3に記載のカメラ制御用1チップマイクロコンピュータ。
【0246】
(5) CMOSアナログ回路を同一チップ上に構成した1チップマイクロコンピュータを有するカメラにおいて、上記CMOSアナログ回路には少なくとも自動焦点調整回路、自動露光回路、リモートコントロール回路、測温回路のいずれかを含み、カメラの撮影可能状態の場合は、少なくとも上記いずれかの回路は電源供給されていることを特徴とするカメラシステム。
【0247】
(6) 測距対象に向けてパルス投光する投光手段と、上記測距対象からの反射光を受光するために上記投光手段から基線長離れた位置に配置された半導体位置検出素子と受光レンズからなる受光手段と、上記半導体位置検出素子のパルス光電流をCMOSプロセス中のPウェル若しくはNウェルをベースとし当該Pウェル内部のN若しくはNウェル内部のPをエミッタとする寄生バイポーラトランジスタのベースに入力するMOSトランジスタ回路と、上記MOSトランジスタ回路の出力に基づいて測距対象までの距離を演算する測距演算手段とを具備することを特徴とするカメラ用測距装置。
【0248】
(7) CMOSプロセス中のPウェル内部のN若しくはNウェルの内部のPをエミッタとする第1及び第2の寄生バイポーラトランジスタと、被写体輝度に応じて変化する光感応素子と、上記第1の寄生バイポーラトランジスタのエミッタ電位をA/D変換するA/D変換手段とを具備し、上記光感応素子を上記第1の寄生バイポーラトランジスタのエミッタに電気的に接続し、上記第1の寄生バイポーラトランジスタのベースを第2の寄生バイポーラトランジスタのベースに電気的に接続し、上記第2の寄生バイポーラトランジスタのエミッタに定電流源を接続したことを特徴とするカメラ用測光装置。
【0249】
(8) アナログ回路を同一チップ上に構成した1チップマイクロコンピュータを含むカメラにおいて、上記アナログ回路には少なくとも自動焦点調整回路、自動露光回路、リモートコントロール回路のうちのいずれかを含み、少なくとも上記回路のいずれかを動作させる時はマイクロコンピュータの原振を停止し、測定又は受信完了信号で再び原振を動作させることを特徴とするカメラシステム。
【0250】
(9) 基準電流源と、上記電流を充電する充電部と、基準電圧設定部と、充電電圧と基準電圧を比較する比較部と、上記比較部出力に応じて発振を開始する発振制御部とを具備することを特徴とするアナログタイマ。
【0251】
(10) 上記アナログタイマには、温度による補正を行なう補正手段を含むことを特徴とする請求項9に記載のアナログタイマ。
【0252】
(11) 大電流を制御するパワ系回路と、LCD表示用電源用D/Aコンバータと、パワ系を駆動したかどうかを記憶する記憶部と、パワ系を駆動した後所定時間経過したか否かをカウントするタイマと、所定時間経過後に上記記憶部をクリアするクリア手段と、測温回路と、当該測温回路の出力に応じて上記D/Aコンバータの出力を設定する設定手段とを具備し、上記記憶部がクリアされていない場合には、上記設定手段の作動を禁止することを特徴とするLCD駆動電圧温度補正方法。
【0253】
【発明の効果】
本発明によれば、マイコン駆動用の原振のクロックノイズの影響を除去したカメラシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の第1の実施例に係るCMOSアナログ回路を用いたカメラコントローラの構成を示す図である。
【図2】
第1の実施例に係るCMOSアナログ回路を用いたカメラコントローラのメインシーケンスを示すフローチャートである。
【図3】
レリーズスイッチが押された時又はリモコン信号を受信した時に実行するサブルーチン“レリーズ割込み”のシーケンスを示すフローチャートである。
【図4】
サブルーチン“LCD ON”のシーケンスを示すフローチャートである。
【図5】
LCD21の温度(°C)と駆動電圧(V)の関係を示すグラフ図である。
【図6】
CMOSプロセス内に存在するNPNバイポーラトランジスタとNPNバイポーラトランジスタを示す図である。
【図7】
CMOSプロセスにおける寄生NPNトランジスタを利用した測距回路の具体例を示す図である。
【図8】
被写体距離aの逆数1/aと出力電圧値との関係を示すグラフ図である。
【図9】
測距回路ブロック4による測距のシーケンスについて説明するためのフローチャートである。
【図10】
CMOSプロセスにおける寄生NPNトランジスタを利用した測光回路ブロック13の構成を示す図である。
【図11】
基準電圧回路出力Is を平均とスポットで予め異なるようにした測光回路ブロック13の変形例の構成を示す図である。
【図12】
レベルシフト回路を付加して調整するようにした測光回路ブロック13の変形例の構成を示す図である。
【図13】
図10に示す測光回路ブロック13の一部の詳細な構成を示す図である。
【図14】
DAC用のT安定,T比例基準電流を作る具体的な回路の構成を示す図である。
【図15】
測光回路ブロック13による測光のシーケンスを示すフローチャートである。
【図16】
CMOSプロセスにおける測温回路ブロック10の構成を示す図である。
【図17】
第1の実施例にモータードライブ回路や昇圧回路やプランジャー駆動回路などを組み込んだ場合の具体例の構成を示す図である。
【図18】
カメラのリモコン受信回路ブロックの構成を示す図である。
【図19】
赤外光による遠隔操作信号を受光したときの各部の動作波形を示す図である。
【図20】
サブルーチン“リモコン受信割り込み”のシーケンスを示すフローチャートである。
【図21】
サブルーチン“リモコン設定”のシーケンスを示すフローチャートである。
【図22】
CPU及びカメラの各種測定回路と同一チップ上にモータドライブ用のプリドライバ回路を構成した場合のNPNモータプリドライバ回路ブロック5の具体的な構成を示す図である。
【図23】
クロックを用いないアナログタイマ回路の具体的な構成を示ず図である。
【図24】
アナログタイマ回路の動作を示すフローチャートである。
【図25】
アナログタイマ回路の動作に係るタイミングチャート図である。
【図26】
アナログタイマ回路の動作に係るタイミングチャート図である。
【図27】
タイマ時間とD/A設定値との関係を示すグラフ図である。
【図28】
アナログタイマを用いた測光回路の具体的な構成を示す図である。
【図29】
アナログタイマを用いた測光回路の動作を示すフローチャートである。
【図30】
アナログタイマを測距回路の具体的な構成を示す図である。
【図31】
アナログタイマを測距回路の動作を示すフローチャートである。
【図32】
リモコン受信信号評価にアナログタイマを応用した回路の具体的な構成を示す図である。
【図33】
リモコン受信信号評価にアナログタイマを応用した回路に係るリモコン受光回路出力の様子を示す図である。
【図34】
リモコン受信信号評価にアナログタイマを応用した回路の動作を示すフローチャートである。
【図35】
本発明の第2の実施例に係るCMOSアナログ回路を使用したカメラコントローラの構成を示す図である。
【図36】
本発明の第2の実施例に係るCMOSアナログ回路を使用したカメラコントローラの構成を示す図である。
【図37】
電池電圧をA/D変換するための動作を示すフローチャートである。
【図38】
電池電圧をA/D変換するための動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図39】
ストロボ充電電圧をA/D変換するための動作を示すフローチャートである。
【図40】
ストロボ充電電圧をA/D変換するための動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図41】
測温電圧値をA/D変換する動作を示すフローチャートである。
【図42】
測温電圧値をA/D変換する動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図43】
測光値をA/D変換する動作について詳細に説明するためのフローチャートである。
【図44】
測光値をA/D変換する動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図45】
測光と測温と電池電圧の3つのAD変換を同時に行う場合のシーケンスを示すフローチャートである。
【図46】
ドレイン電流ID とゲートソース間電圧VGSの関係を示すグラフ図である。
【図47】
実施例に係る電界効果トランジスタについて説明するための図である。
【図48】
マイコンを含むICのパッケージの様子を示す図である。
【図49】
ドレイン電流が数100nA以下の領域を測距回路に応用した場合の具体的な回路の構成を示す図である。
【図50】
ドレイン電流が数100nA以下の領域を測光回路に応用した場合の具体的な回路の構成を示す図である。
【符号の説明】
1・・・CPU(μ−comコア)、2・・・昇圧回路ブロック、3・・・リモコン回路ブロック、4・・・測距回路ブロック、5・・・NPNモータプリドライバ回路ブロック、6・・・モータ定電圧回路ブロック、7・・・T安定T比例DAC回路ブロック、8・・・コンパレータ、9・・・B.C回路ブロック、10・・・測温回路ブロック、11・・・リセット回路ブロック、12・・・基準電圧回路ブロック、13・・・測光回路ブロック、14・・・ストロボ充電電圧検出回路ブロック、15・・・PI/PR検出回路ブロック、16・・・PLEDドライバ回路ブロック、17・・・PNPモータプリドライバ回路ブロック、18・・・EEPROM、19・・・ストロボ回路ブロック、20・・・スイッチ、21・・・LCD。

Claims (1)

  1. アナログ回路を同一半導体基板上に構成した1チップマイクロコンピュータを含むカメラシステムにおいて、上記アナログ回路には少なくとも自動焦点調整回路、自動露光回路、リモートコントロール回路のうちのいずれかを含み、少なくとも上記回路のいずれかを動作させるときはマイクロコンピュータを駆動するクロックパルス発生回路を停止させ、上記アナログ回路の測定又は受信完了信号に応答して再び上記クロックパルス発生回路を動作させることを特徴とするカメラシステム。
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