JP2004004690A - 電子写真用トナー - Google Patents

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Takashi Nagai
永井 孝
Hidekazu Tamura
田村 英一
Hiroko Sugimoto
杉本 博子
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Abstract

【課題】低い定着温度でもオフセットが発生せず、しかも、オフセットしない温度領域が広いトナーを提供する。
【解決手段】結着樹脂としてスチレン−アクリル系樹脂を使用する電子写真用トナーにおいて、トナー中のTHF可溶分のGPCにより測定される分子量分布における分子量が3000〜6500と600000〜800000にそれぞれピークを有し、分子量が3000〜6500のピーク成分の面積比率が60〜80%であり、トナーの軟化点をTm(℃)とし、トナーの示差走査熱量計により測定されるDSC曲線で、離型剤に相当する昇温時の吸熱ピークのピーク温度をWp(℃)とすると、10≦Tm−Wp≦60であることを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真用トナー(以下、単に「トナー」と記すことがある)に関し、より詳細には長期間の使用に対しても優れた性能維持性を示すトナーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
複写機などの画像形成装置として、光源からの光を原稿に照射し、その反射光を感光体に照射することにより感光体上に静電潜像を形成するアナログ方式のものが従来から一般に使用されている。また最近では、コンピューター端末の出力に使用するプリンターや、イメージリーダーによって読み取った画像情報に基づいて画像形成を行うデジタル複写機、電子写真方式のファクシミリ等の画像形成装置として、デジタル書き込みされて得られた静電潜像にトナーを含む現像剤を供給して現像を行うデジタル方式のものがよく使用されている。
【0003】
これらの装置に使用されるトナーには、加熱定着時にオフセット現象による画像汚染が生じないこと、即ち耐オフセット性に優れていることが要求される。耐オフセット性を向上させるためにはワックス等の離型剤をトナーに含有させることが有効であるが、単にワックスを含有させるだけではオフセットを容易には防止できない。ここで、オフセットには大きく分けてコールドオフセットとホットオフセットとがある。コールドオフセットとは、トナーの加熱ローラ接触面のみが溶けて、トナーが加熱ローラに付着してしまう現象のことである。一方ホットオフセットとは、トナーが溶けすぎることによりトナー自体の凝集力が弱まって、加熱ローラへの付着力に負けて加熱ローラに付着してしまう現象のことである。
【0004】
ところで、社会の省エネルギー化に呼応して、トナーの低温定着性の向上が最近強く要求されている。トナーの低温定着性を向上させるには、トナー構成材料の熱特性を下げればよいが、やみくもに熱特性を下げるとホットオフセットが発生してしまう。
【0005】
また、画像形成装置における定着装置では所定の定着温度に設定されるが、定着装置の立ち上がり時には設定温度よりも高い温度になってから、設定温度へと下がって安定していくものが多い。定着温度が安定するまでには時間がかかるため、設定温度よりも高い温度の状態でも画像形成を行うこともよく行われている。このため、トナーとしては、設定温度付近でオフセットが発生しないことが必要とされるだけでなく、設定温度よりも高い温度でもオフセットしないことが要求される。従って、トナーとしてはオフセットしない温度領域が広いものが望まれる。
ところで,定着特性,耐オフセット性に着目したスチレン−アクリル系樹脂を用いたトナ−が開発されている(特許文献1参照)
【0006】
(特許文献1)
特開平05−297630(表4等)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような従来の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、低い定着温度でもオフセットが発生せず、しかも、オフセットしない温度領域が広いトナーを提供することにある。
先行技術文献1記載のトナ−では分子量分布における低分子量側のピ−クが一万以上と高いためコ−ロドオフセットが発生する恐れが考えられる。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、結着樹脂としてスチレン−アクリル系樹脂を使用する電子写真用トナーにおいて、トナー中のTHF可溶分のGPCにより測定される分子量分布における分子量が3000〜6500と600000〜800000にそれぞれピークを有し、分子量が3000〜6500のピーク成分の面積比率が60〜80%であり、トナーの軟化点をTm(℃)とし、トナーの示差走査熱量計により測定されるDSC曲線で、離型剤に相当する昇温時の吸熱ピークのピーク温度をWp(℃)とすると、10≦Tm−Wp≦60(℃)であることを特徴とする電子写真用トナーが提供される。
【0009】
本発明において、トナー中のTHF可溶分の分子量分布はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用いて以下のようにして測定される。
トナー100mgとTHF(テトラヒドロフラン)5mlとを混合し、1時間溶解させた後、その溶液をポリテトラフルオロエチレンからなるフィルター(0.45μm以下の粒子が通過する)を用いて可溶分を抽出する。この溶液を測定する。
この可溶分は、例えばソックスレー抽出装置等を使用して抽出することもできる。
測定においてはTHFを溶媒として、GPC装置のカラムを40℃で安定化させた後、この温度でカラムに毎分1000μlの流速で流し、THF試料溶液を約100μl注入して測定する。試料の有する分子量分布は、数種の単分散ポリスチレン標準試料を用いて作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出される。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、たとえば、分子量500〜100万のポリスチレンなどを用い得る。
カラムとしては、スチレン−ジビニルベンゼン系のポリマー系カラムなどを挙げることができる。
なお、測定に用いたGPC装置は,東ソ−製のHLC−8220GPCであり,カラムは東ソ−製のTFKgel GMHxl(2連)を用いる。
【0010】
なお、前記ピーク成分の面積比率とは、分子量が3000〜6500のピーク成分の測定された分子量分布の全体に占める面積比率のことである。
具体的に図1を用いて説明する。
図1はGPCにより測定された分子量分布図の一例である。この分子量分布図における曲線の極小値から下へ直線を引く。そうした直線と直線の間の部分をピーク成分とする。図では1〜5の数字の部分がそれぞれのピーク成分である。例えば、ピーク成分3の面積比率とは、ピーク成分3の面積をピーク成分1〜5の面積の総和で割ったものである。図1の例はピークについての説明のための例示であり、本発明の請求の範囲に該当するものではない。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明者等は、低い定着温度でもオフセットが発生せず、しかも、オフセットしない温度領域が広いトナーを得るべく鋭意検討を重ねた結果、トナー中のTHF可溶分のGPCによる分子量分布が特定の範囲にあり、トナーの軟化点と離型剤のDSC曲線におけるピーク温度との差が特定範囲にあれば前記目的を達成し得ることを見出し本発明をなすに到った。
【0012】
すなわち、本発明のトナーの大きな特徴は、トナー中のTHF可溶分のGPCにより測定される分子量分布が、分子量が3000〜6500と600000〜800000にそれぞれピークを有し(分子量が3000〜6500のピーク成分を低分子量体、分子量が600000〜800000のピーク成分を高分子量体と記すことがある)、分子量が3000〜6500のピーク成分の面積比率が60〜80%の範囲にあり、トナーの軟化点をTm(℃)とし、トナーの示差走査熱量計により測定されるDSC曲線で、離型剤に相当する昇温時の吸熱ピークのピーク温度をWp(℃)とすると、10≦Tm−Wp≦60(℃)の範囲を満足することにある。
2つのピークのうち低分子量側の成分(低分子量体)が3000よりも小さいとホットオフセットが発生し、6500より大きいとコールドオフセットが発生する。高分子量側の成分(高分子量体)が600000より小さいとホットオフセットが発生し、800000より大きいとコールドオフセットが発生する。分子量が3000〜6500のピーク成分の面積比率が60%よりも小さいとコールドオフセットが発生し、80%よりも大きいとホットオフセットが発生する。
【0013】
本発明のトナーは上記の範囲を満足するものであれば特に限定はなく、一成分系・二成分系および磁性・非磁性のいずれであってもよい。
【0014】
低分子量体のピークは分子量4000〜5500にあることがより好ましい。
【0015】
また、トナーの体積平均粒径は6.5〜10.0μmが好ましい。トナーの体積平均粒径が前記範囲を外れると初期から画像濃度不足が生じ、また体積平均粒径が6.0μmより小さいとカブリ濃度が高くなるおそれがあるからである。
【0016】
本発明のトナーは、粉砕分級法、溶融造粒法、スプレー造粒法、懸濁・乳化重合法等の従来公知の方法で製造し得るが、製造設備や生産性などの点から粉砕分級法が好適に使用できる。かかる粉砕分級法では、結着樹脂、そして必要により着色剤、磁性粉、電荷制御剤、離型剤などのトナー組成物をヘンシェルミキサーやV型混合機などで前混合した後、二軸押出機などの溶融混練装置を用いて溶融混練する。この溶融混練物を冷却した後、粗粉砕・微粉砕し、必要によりその後分級して、所定の粒径分布を有するトナー粒子とする。そして必要によりこのトナー粒子の表面を表面処理剤で処理しトナーとする。
【0017】
トナーに用いる結着樹脂としてのスチレン−アクリル樹脂の基体となる単量体としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、p−クロルスチレン、ヒドロキシスチレン等のスチレン誘導体;メタクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、プロポキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステルを挙げることができる。
【0018】
上記各種単量体の混合物は、溶液重合、塊状重合、乳化重合、懸濁重合等任意の方法で重合し、本発明で使用する結着樹脂とすることができる。かかる重合に際し、使用できる重合開始剤としては過酸化アセチル、過酸化デカノイル、過酸化ラウロイル、過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル等の公知の重合開始剤を使用することができる。これら重合開始剤は単量体総重量に対して0.1〜15重量%の範囲で使用するのが好ましい。
【0019】
使用する結着樹脂はガラス転移温度が55〜62℃の範囲のものが好ましい。ガラス転移温度が55℃未満の場合、トナーカートリッジや現像装置内で固まるおそれがあり、他方62℃を超える場合、紙などの被転写物にトナーが十分に定着しないことがあるからである。
【0020】
着色剤としては、例えば、ブラック用トナー着色剤としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、ランブラック、アニリンブラック等が挙げられる。イエロートナー用着色剤としては、C.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー5、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー4、C.I.ピグメントイエロー81、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー93等のアゾ系顔料;黄色酸化鉄、黄土などの無機系顔料;C.I.アシッドイエロー1等のニトロ系染料;C.I.ソルベントイエロー2、C.I.ソルベントイエロー6、C.I.ソルベントイエロー14、C.I.ソルベントイエロー15、C.I.ソルベントイエロー19、C.I.ソルベントイエロー21等の油溶性染料などが挙げられる。マゼンタトナー溶着色剤としては、C.I.ピグメントレッド49、C.I.ピグメントレッド57、C.I.ピグメントレッド81、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ピグメントレッド238、C.I.ソルベントレッド19、C.I.ソルベントレッド49、C.I.ソルベントレッド52、C.I.ベーシックレッド10、C.I.ディスパーズレッド15等が挙げられる。シアントナー用着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ソルベントブルー55、C.I.ソルベントブルー70、C.I.ダイレクトブルー25、C.I.ダイレクトブルー86等が挙げられる。これら着色剤の1種又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。着色剤の総含有量は結着樹脂100重量部当たり0.1〜20重量部、特に1〜15重量部の範囲が好ましい。
【0021】
また磁性トナーとする場合、磁性粉によりトナー色彩は黒になるので、黒色トナーとして用いる場合には一般に着色剤を用いる必要がないが、着色補強としてカーボンブラック、アセチレンブラック、ランブラック、アニリンブラック等をトナー粒子中に分散混合しても構わない。この場合の着色剤の含有量は結着樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部程度である。
【0022】
結着樹脂に添加する磁性粉としては、例えば、四三酸化鉄(Fe)、三二酸化鉄(γ−Fe)、酸化鉄亜鉛(ZnFe)、酸化鉄イットリウム(YFe12)、酸化鉄カドミウム(CdFe)、酸化鉄ガドリウム(GdFe12)、酸化鉄銅(CuFe)、酸化鉄鉛(PbFe1219)、酸化鉄ニッケル(NiFe)、酸化鉄ネオジウム(NdFeO)、酸化鉄バリウム(BaFe1219)、酸化鉄マグネシウム(MgFe)、酸化鉄マンガン(MnFe)、酸化鉄ランタン(LaFeO)、鉄粉(Fe)、コバルト粉(Co)、ニッケル粉(Ni)等が挙げられる。特に好適な磁性粉は微粒子状四三酸化鉄(マグネタイト)である。好適なマグネタイトは8面体状で、粒子径が0.05〜1.0μmのものである。このマグネタイト粒子は、シランカップリング剤、チタン系カップリング剤等で表面処理されていてもよい。磁性粉の含有量は、結着樹脂100重量部当り50〜30重量部の範囲、特に70〜150重量部の範囲が好ましい。
【0023】
電荷制御剤としては、これまで公知の電荷制御剤を使用でき、例えば正帯電性電荷制御剤としては、ニグロシン染料、脂肪酸変性ニグロシン染料、カルボキシル基含有脂肪酸変性ニグロシン染料、四級アンモニウム塩、アミン系化合物、有機金属化合物等を使用でき、負帯電性電荷制御剤としては、オキシカルボン酸の金属錯体、アゾ化合物の金属錯体、金属錯塩染料やサリチル酸誘導体等を使用できる。電荷制御剤の添加量は、結着樹脂100重量部当り0.1〜10重量部の範囲が好ましい。
【0024】
離型剤としては、従来公知のワックス、例えば、パラフィンワックス、石油系ワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化ポリエチレンワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックスや、モンタンワックス、カルナバワックス、蜜蝋、木蝋などがを使用される。
これらの離型剤は、トナーの軟化点をTm(℃)とし、トナーの示差走査熱量計により測定されるDSC曲線で、離型剤に相当する昇温時の吸熱ピークのピーク温度をWp(℃)とすると、10≦Tm−Wp≦60(℃)を満たすように含有させることが必要である。
Tm−Wpが10℃より小さいと、離型剤が溶け出すより前にトナーが溶融して定着ローラに付着してしまい、オフセットが発生したりする。当然、離型剤のピーク温度の方がトナーの融点より大きい場合も同様の問題がより顕著に発生する。Tm−Wpが60℃より大きいと、離型剤が溶け出すのが早すぎて、トナーが溶融する温度での離型性が低下してしまう。これによりホットオフセットが発生しやすくなる。
また、Tm−Wpは20〜35(℃)であることがより好ましい。
これら離型剤は、融点が50乃至140℃、特に70乃至120℃であるのが好ましい。
また、これらの離型剤の含有量は、通常、結着樹脂成分100重量部当たり、1乃至20重量部、特に、3乃至10重量部であることが好ましい。
【0025】
トナ−の軟化点は、高化式フローテスタ(「CFT−500」島津製作所社製)を用いて、荷重20kgf、ダイ径1mm、ダイ長さ1mm、昇温速度6℃/分の条件で測定した。
離型剤に相当する吸熱ピーク温度は、示差熱分析装置DSC−3200(MAC SCIENCE社製)を使用して吸熱曲線を求めた。測定試料を10mgとし、これをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用い、測定温度範囲25℃〜200℃の間で、昇温速度10℃/minで常温常湿下で測定した。 THF可溶分のGPCにより測定される分子量分布や定着樹脂の軟化点、離型剤の吸熱ピーク温度は、スチレン−アクリル系樹脂を作製するときの単量体の種類や製法、離型剤の種類や製法等を選択することにより制御できる。
【0026】
表面処理剤としては、トナーの帯電制御性や嵩密度(流動性)等を調整するために、(疎水性)シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム等の無機微粉末;ポリメチルメタクリレート等の有機微粉末;ステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩等を挙げることができ、これらの1種又は2種以上を併用することができる。表面処理剤の添加量は、トナー当たり0.1〜2.0wt%の範囲が好ましい。当該表面処理剤とトナー粒子との混合は、例えばヘンシェルミキサー、V型混合機、ターブラーミキサー、ハイブリダイザー等を用いて行うことができる。
【0027】
本発明のトナーは一成分系現像剤又は二成分系現像剤として用いることができる。二成分系現像剤として用いる場合に使用するキャリアに限定はなく、例えば、鉄、ニッケル、コバルト等の磁性体金属及びそれらの合金、あるいは希土類を含有する合金類、ヘマタイト、マグネタイト、マンガン−亜鉛系フェライト、ニッケル−亜鉛系フェライト、マンガン−マグネシウム系フェライト、リチウム系フェライトなどのソフトフェライト、銅−亜鉛系フェライト等の鉄系酸化物及びそれらの混合物等の磁性体材料を焼結及びアトマイズ等を行うことによって製造した磁性体粒子、及び当該磁性体粒子の表面を樹脂被覆したものを使用することができる。また、上記キャリアとして磁性体分散型樹脂を使用することもできる。この場合、用いる磁性体としては上記磁性体材料が使用でき、結着樹脂としては、例えばビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂あるいはこれらの混合物を挙げることができる。
【0028】
キャリアの粒子径は、一般に電子顕微鏡法による粒径で表して20〜200μm、特に30〜150μmのものが好ましい。またキャリアの見掛け密度は、磁性材料を主体とする場合は磁性体の組成や表面構造等によっても相違するが、一般に2.4〜3.0g/cmの範囲が好ましい。
【0029】
前記トナーとキャリアからなる二成分系現像剤中の、トナー濃度は1〜20重量%、好ましくは3〜15重量%である。トナー濃度が1重量%未満の場合、画像濃度が薄くなりすぎ、他方トナー濃度が20重量%を超える場合、現像装置内でトナー飛散が発生し機内汚れや転写紙などの背景部分にトナーが付着する不具合が生じるおそれがあるからである。
【0030】
本発明のトナーを用いて感光体ドラム上の静電潜像を現像する方法としては、感光体ドラムの非露光部と逆極性の電荷を持ったトナーで静電潜像の現像を行う正現像法、および非露光部と同極性の電荷を持ったトナーで静電潜像の現像を行う反転現像法のいずれでもよく、また現像方式としてはトナー薄層と感光体が接触する接触現像方式および両者が接触しないジャンピング現像方式のいずれでもよい。反転現像法でジャンピング現像方式の場合、感光体ドラムはトナーと同極性に帯電され、潜像部分の電荷が露光により除去される。そして現像部において現像スリーブと感光体ドラムとの間に、現像バイアスとして直流に交流を重畳した交互電圧が印加されて、現像スリーブ上のトナーが感光体ドラム上の電荷の除去された静電潜像にジャンピングし付着して、静電潜像がトナー像として可視像化される。
【0031】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
【0032】
結着樹脂の製造例1
3Lセパラブルフラスコにトルエン720gを入れ、重量平均分子量(以下Mwという)が100万のスチレン−n−ブチルアクリレート−メチルメタクリレート共重合体(以下St−BA−MMAという)120g、ベヘン酸60gを投入して溶解した。気相を窒素ガスにて置換したのち、この系をトルエンの環流温度まで加温した。トルエンの環流が起きた状態で、撹拌しながらβ−ヒドロキシエチルメタクリレート60g、重合開始剤としてパーヘキサMC(2段分解型重合開始剤;日本油脂社製)30gを溶解した混合物を1時間かけて滴下したのち、スチレン360g、ブチルアクリレート36g及びメチルメタクリレート24gを、1.5時間かけて滴下しながら溶液重合を行った。
滴下終了後、さらにトルエンの環流温度にて撹拌しながら30分熟成した。その後、オイルバス温度を150℃まで徐々に上げながら、減圧下でトルエンを脱溶媒して樹脂を得、この樹脂を粉砕してトナー実施例1用の樹脂組成物1を得た。
【0033】
結着樹脂の製造例2
Mwが100万のSt−BA−MMAを140g、スチレン360g、ブチルアクリレート36g及びメチルメタクリレート24gの滴下時間を、1.0時間かけて滴下した以外は、製造例1と同様にして実施例2用のトナー用樹脂組成物2を得た。
【0034】
結着樹脂の製造例3
Mwが100万のSt−BA−MMAを120g、スチレン360g、ブチルアクリレート36g及びメチルメタクリレート24gの滴下時間を、2.0時間かけて滴下した以外は、製造例1と同様にして実施例3用のトナー用樹脂組成物3を得た。
【0035】
結着樹脂の製造例4
Mwが100万のSt−BA−MMAを120g、スチレン360g、ブチルアクリレート42g及びメチルメタクリレート30gの滴下時間を、0.5時間かけて滴下した以外は、製造例1と同様にして比較例1用のトナー用樹脂組成物4を得た。
【0036】
結着樹脂の製造例5
Mwが100万のSt−BA−MMAを140g、スチレン360g、ブチルアクリレート36g及びメチルメタクリレート24gの滴下時間を、2.0時間かけて滴下した以外は、製造例1と同様にして比較例2用のトナー用樹脂組成物5を得た。
【0037】
結着樹脂の製造例6
Mwが80万のSt−BA−MMAを120g、スチレン360g、ブチルアクリレート36g及びメチルメタクリレート24gの滴下時間を、1.5時間かけて滴下した以外は、製造例1と同様にして比較例3用のトナー用樹脂組成物6を得た。
【0038】
結着樹脂の製造例7
Mwが120万のSt−BA−MMAを140g、スチレン360g、ブチルアクリレート36g及びメチルメタクリレート24gの滴下時間を、1.5時間かけて滴下した以外は、製造例1と同様にして比較例4用のトナー用樹脂組成物7を得た。
【0039】
結着樹脂の製造例8
Mwが120万のSt−BA−MMAを160g、スチレン360g、ブチルアクリレート36g及びメチルメタクリレート24gの滴下時間を、1.5時間かけて滴下した以外は、製造例1と同様にして比較例5用のトナー用樹脂組成物8を得た。
【0040】
結着樹脂の製造例9
Mwが100万のSt−BA−MMAを100g、スチレン360g、ブチルアクリレート36g及びメチルメタクリレート24gの滴下時間を、1.5時間かけて滴下した以外は、製造例1と同様にして比較例6用のトナー用樹脂組成物9を得た。
【0041】
結着樹脂の製造例10
Mwが120万のSt−BA−MMAを140g、スチレン360g、ブチルアクリレート36g及びメチルメタクリレート24gの滴下時間を、1.0時間かけて滴下した以外は、製造例1と同様にして比較例7トナー用樹脂組成物10を得た。
【0042】
結着樹脂の製造例11
Mwが120万のSt−BA−MMAを140g、スチレン360g、ブチルアクリレート36g及びメチルメタクリレート24gの滴下時間を、2.0時間かけて滴下した以外は、製造例1と同様にして比較例8用のトナー用樹脂組成物11を得た。
【0043】
実験例1〜3、比較例1〜8
上記のようにして製造した結着樹脂100重量部、、帯電制御剤としてニグロシン染料(N−01:オリエント化学製)を5重量部、着色剤としてカ−ボンブラック(330R:Cabot社製)を10重量部、離型剤としてポリエチレンワックス(実施例1、比較例1及び比較例2はポリワックス725、実施例2と比較例8はポリワックス400,実施例3はポリワックス3000、比較例3はポリワックス1000、比較例4及び5ポリワックス500、比較例6及び比較例7はポリワックス2000:全てベ−カペトロライト社製)を5重量部それぞれをヘンシェルミキサーにて前混合した後、120℃に設定した二軸混練押し出し機(PCM−30:池貝鉄工所社製)によって溶融混練した。その後にドラムフレーカーで冷却し、ハンマーミルで粗粉砕した。次に機械式ミルで微粉砕し、風力分級機を用いて分級して、体積平均粒径8.0μmのトナー粒子を作製した。そして、このトナー粒子100重量部に対して、シリカ(HVK−2150:クラリアント社製)0.4重量部を投入し、ヘンシェルミキサーで高撹拌混合してトナーを作製した。そして、このトナー5重量部と、フェライトキャリヤ(パウダーテック社製)95重量部を摩擦混合して二成分系現像剤とした。
なお,トナ−の特性を表1に記す。
【0044】
前記作製した現像剤を、市販複写機(Creage 7350 京セラミタ社製)の改造機の現像器に投入し、画像を形成して以下の評価を行った。
【0045】
耐オフセット性
定着温度を130℃と210℃として画像形成を行い、それぞれについて定着ローラにトナーが付着していたかどうかを確認し、オフセットが発生しなかった場合を○、発生した場合を×とした。130℃でのオフセットをコールドオフセットとし、210℃でのオフセットをホットオフセットとした。オフセットの測定にはA4サイズの用紙(富士ゼロックス社製、C2紙、70g紙)を用い短辺を搬送方向とした。測定に用いた画像は用紙の長辺の中点を結ぶ線上に3×3cmのベタ画像を3個、その中心が線上となるように配置し、また、中央のベタ画像はその中心を用紙の中心と合わせ、画像の中心間の間隔は7cmとした。ベタ画像のトナ−量は0.7mg/cmであった。
評価結果を表1に合わせて記す。
【表1】
Figure 2004004690
【0046】
実施例1〜3では、定着温度が130℃、210℃でのオフセットが発生せず、低温での定着が可能であり、かつオフセットが発生しない広い温度領域を確保することができた。比較例では、低温でオフセットが発生するか、低温でオフセットが発生しなかった場合、高温でのオフセットが発生した。
【0047】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明のトナーを用いることによって、低い定着温度でもオフセットが発生せず、しかも、オフセットしない温度領域を広くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るピーク成分の面積比率を説明するための一例であるGPCにより測定された分子量分布図。

Claims (1)

  1. 結着樹脂としてスチレン−アクリル系樹脂を使用する電子写真用トナーにおいて、
    トナー中のTHF(テトラヒドロフラン)可溶分のGPCにより測定される分子量分布における分子量が3000〜6500と600000〜800000にそれぞれピークを有し、分子量が3000〜6500のピーク成分の面積比率が60〜80%であり、
    トナーの軟化点をTm(℃)とし、トナーの示差走査熱量計により測定されるDSC曲線で、離型剤に相当する昇温時の吸熱ピークのピーク温度をWp(℃)とすると、10≦Tm−Wp≦60(℃)であることを特徴とする電子写真用トナー。
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