JP2004004481A - ファイバグレーティング用ガラス光ファイバ素線 - Google Patents
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Abstract
【課題】優れた被膜密着性とともに良好な被覆除去性を備える、信頼性に優れたファイバグレーティング用ガラス光ファイバ素線を提供する。
【解決手段】ガラス光ファイバ裸線(2)上に一次被覆層(3)及び二次被覆層(4)が設けられてなる光ファイバ素線であって、該一次被覆層(3)は、ガラスとの密着力が5〜20N/mである樹脂組成物からなるファイバグレーティング用ガラス光ファイバ素線(1)。
【選択図】 図1
【解決手段】ガラス光ファイバ裸線(2)上に一次被覆層(3)及び二次被覆層(4)が設けられてなる光ファイバ素線であって、該一次被覆層(3)は、ガラスとの密着力が5〜20N/mである樹脂組成物からなるファイバグレーティング用ガラス光ファイバ素線(1)。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被覆中間部を除去してグレーティングを書き込むことに供されるファイバグレーティング用光ファイバ素線に関し、さらに詳しくは、高い信頼性を有しかつその被覆除去性を改善させたファイバグレーティング用ガラス光ファイバ素線に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバグレーティングは、光ファイバのガラス部分の所定領域に側方から所定波長の光を照射してコア、あるいはコアとクラッドの所定領域の屈折率を変化させたものであり、光ファイバ内を進行する光のうち特定波長の光部分を反射するものである。近年の光ファイバ通信技術の進展に伴い、ネットワークの複雑化や信号波長の多重化などが進行し、システム構成は高度化しつつあるなかで、光回路素子の重要性が増大している。光回路素子における一般的構成の一つとしてのファイバ型素子は、小型で挿入損失が小さいことや、光ファイバとの接続が容易であること等の利点を有しており、光ファイバグレーティングは大変重要でありかつ有効なファイバ型素子として需要が伸びている。グレーティング書き込みに使用される所定波長は、240〜270μmの紫外線領域の波長が一般的であり、アルゴンレーザや炭酸ガスレーザの照射により書き込みがなされている。
【0003】
一般にガラス光ファイバは、製造時、光ファイバの強度劣化を防ぐために紡糸後すぐに被覆を施される。一般的には、シリコン/ナイロンで被覆した0.9mm径の素線と、紫外線硬化型のウレタンアクリレート系樹脂で被覆された0.25mm径の素線があり、最近では製造性や高密度化しやすいことから紫外線硬化型樹脂で被覆した0.25mm径素線が主流となっている。紫外線硬化型樹脂で被覆された0.25mm径素線の被覆層は、一般に、図1に示すような、一次被覆層3、二次被覆層4の2層からなり、一次被覆層は外力の影響がガラス部分に伝わらないようにするためヤング率約0.5〜10MPaのソフト樹脂が使用され、二次被覆層は保護のためにヤング率100〜1000MPaのハード樹脂が用いられている。
ところでガラス光ファイバが最も多く使用される用途は光ファイバケーブルである。ケーブル用途では、様々な環境に布設されることから、被覆樹脂、特に一次被覆層のガラスに対する密着力は大きいことが必須となっている。これは、ガラスファイバと一次被覆層の界面で剥離が発生すると伝送ロスが発生するという問題や、例えばケーブル外皮が破損して水が浸入した場合、ガラスファイバと一次被覆層との界面の密着力が小さいと界面に水が浸入し、やはり剥離を起こして伝送ロスが増大する等の問題を防止するためである。
【0004】
このような事情から、光ファイバの一次被覆層とガラスファイバの界面密着力は大きく、通常はシート評価のレベルで言えば、ガラスとの界面密着力が20N/mより大きい材料が一般的に用いられている。
ところで光ファイバグレーティングの作成時には、図2に示すように、光ファイバ素線中間の被覆層(一次被覆層3及び二次被覆層4)の一部を除去しガラス部分5を露出させる必要がある。これは被覆した状態でレーザを照射し、書き込みを行おうとした場合、樹脂の所定波長領域における透過率が非常に低いため書き込みができないことがあり、加えて樹脂が焼けて劣化してしまう問題を抱えているためである。近年、被覆上から照射して書き込み可能な樹脂の開発がなされているが、その場合レーザ自体の出力レベルを低くして、その分長い時間照射するような条件しか取ることができない、またシリコ−ン等の比較的透過率の高い樹脂では、UV硬化型樹脂被覆材のように、高線速でのガラス紡糸時と同時に被覆するような優れた生産性を維持することができない等の問題があり、結局、図2に示すように、一度コーティングされたUV硬化型樹脂被覆層の一部を除去して、グレーティングを書き込む方法が最も効率的である。
【0005】
しかし、このような方法においては、被覆除去時に光ファイバの表面を傷つけて機械的強度の低下を招き、信頼性を低下させる問題を抱えていた。被覆層を中間部のみ除去すること自体が困難であるからである。そのため、中間部を被覆除去する方法としては、被覆の一部をカミソリ刃等により、ガラス部分に直接当てないようにして除去し、続けて有機溶剤を浸漬して膨潤・剥離させて除去する方法が行われている(例えば特許文献1参照)。この方法により、ガラス表面の傷発生による機械強度低下は減少したが、一次被覆材のガラスとの密着力が大きく影響することが明らかとなった。すなわち、一次被覆材のガラスとの密着力が大きいと、被覆材料が膨潤してもガラス部分から剥離することはなく被覆材を除去することができない、ピンセット等で強制的に剥ぎ取ろうとすると、ガラス部分の表面を傷つけてファイバの破断強度を低下させることになる。従って被覆材除去の面からは、ガラスとの密着力が小さいことが重要である。
【0006】
さらに、ファイバーグレーティングなどの光部品に用いられる光ファイバ素線には、近年高い信頼性が要求されるようになってきた。すなわちスクリーニング特性の高いファイバが要求されるようになってきた。光ファイバケーブル等に使用される光ファイバ素線のスクリーニングレベルは0.5〜1%であり、そのレベルでも長期間の敷設環境に十分耐えられるレベルである。光部品用のファイバに関しても、同等のスクリーニングレベルのものが用いられている。しかし近年、スクリーニングレベル2%以上のより高い信頼性が求められるようになってきた。
スクリーニングは、ファイバの信頼性を保持するため、ファイバの所定伸びに相当する張力をかけて巻き返しを行い、ファイバの破断強度の弱い部分を予め切断させる作業である。この所定伸びをスクリーニングレベルと呼ぶ。従ってその値が高いほど、大きい張力をかけていることになり、信頼性も高くなる。
スクリーニング時におけるファイバの破断は、主にガラスに起因して発生するが、それ以外にも以下の影響を受ける。
【0007】
一般に、ガラス部分と一次被覆層の密着力が小さい場合、スクリーニングレベルが高くなるほど、ガラス部分/一次被覆界面での剥離が生じやすくなり、ガラス部分が傷つき、破断強度が低下する。すなわち、スクリーニング特性の低下、及びスクリーニングをパスしても破断強度が低下する等の問題が生じる。逆にガラス部分/一次被覆層界面の密着力が大きいとスクリーニング特性は良好であるが、皮むき特性が悪くなり、ファイバグレーティングなどの光部品用として適さないものとなる。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−090551公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事情に鑑み、被覆層の良好な皮むき特性を確保し、さらに、スクリーニングレベルの高い、信頼性に優れたファイバグレーティング用ガラス光ファイバ素線を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
光ファイバの中間被覆除去において、被覆材除去のしやすさや、除去後の光ファイバ破断強度は、光ファイバガラス部分と一次被覆との密着力に左右され、密着力が小さい方が被覆を除去しやすく、また破断強度が低下する割合が小さいことが本発明者らの検討の結果判明した。ところがガラスと一次被覆材との密着力が小さいと、スクリーニングレベルが高いほどガラス部分/一次被覆層の界面で剥離が生じやすくなり、スクリーニング時にガラス部分を傷つけ、機械特性を低下させてしまう問題が生じる。
【0011】
鋭意検討の結果、本発明者らは、シランカップリング剤を特定量含有し、かつ、ガラスとの密着力が特定の範囲である樹脂組成物からなる一次被覆層を用いた光ファイバ素線が、良好なスクリーニングレベルを確保できることを見出した。さらに、二次被覆材のガラス転移温度が特定の温度未満であると、より高いスクリーニングレベルを確保できることが本発明者らの鋭意検討の結果明らかとなった。本発明者らはこれらの知見に基づき本発明をなすにいたった。
すなわち本発明は、
(1)ガラス光ファイバ裸線上に一次被覆層及び二次被覆層が設けられてなる光ファイバ素線であって、該一次被覆層が、シランカップリング剤を0.05〜5質量%含有し、ガラスとの密着力が5〜20N/mである樹脂組成物からなることを特徴とするファイバグレーティング用ガラス光ファイバ素線、
(2)該一次被覆層が、機械特性において、伸び率50%時の引っ張り強度が0.7MPa以上であることを特徴とする(1)項記載のファイバグレーティング用ガラス光ファイバ素線、
(3)該二次被覆層が、ガラス転移温度が110℃未満の樹脂組成物からなることを特徴とする(2)項記載のファイバグレーティング用ガラス光ファイバ素線、及び
(4)プルアウト力が6N以上であることを特徴とする、(3)項記載のファイバグレーティング用ガラス光ファイバ素線
を提供するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の好ましい一実施態様を図面を参照して説明するが、本発明はこれに制限されるものではない。
図1は、本発明における光ファイバ素線の構成の一例を示す断面図である。図中、光ファイバ素線1は、光ファイバ裸線2と、光ファイバ裸線2の外周に被覆された一次被覆層3と、この上にさらに被覆された二次被覆層4とから構成されている。これらについて以下に詳述する。
【0013】
本発明における光ファイバ裸線とはコアとクラッドからなるガラスファイバをいい、例えば石英系のガラスファイバが挙げられる。本発明においては、通常のSM(シングルモード)ファイバが使用可能であり、特にガラスファイバに水素を溶解させた光ファイバ裸線は、グレーティングの書き込みに有利であるため好ましく用いられる。光ファイバ裸線は、例えば Tech. Dig. Fiber Communication1994 Tul 1 P. J. Lemaire et. al等に記載の方法に準じて製造することができる。
なお、本明細書中、光ファイバ裸線を、ガラスファイバ、光ファイバガラス部分、又は単に、ガラス部分ともいう。
【0014】
一次被覆層を形成する一次被覆材は、末端に二重結合を有するポリエーテル系ウレタン(メタ)アクリレートを主成分とする紫外線硬化型樹脂からなるが、特にこれに限定されるものではない。またその他には希釈剤として、同じく末端に二重結合を有する反応性モノマー(以下、反応性希釈モノマーということがある。)、光重合開始剤が使用されてもよい。必要に応じて老化防止剤、連鎖移動剤、光安定剤、シランカップリング剤、重合禁止剤、増感剤等の添加剤が加えられる。例えば、特許第1535199号、特許第2018841号、特許第2784339号、特許第2893135号等に記載の樹脂組成物が挙げられる。これらは一次被覆材に40質量%以上99.95質量%未満含有されることが好ましい。
本発明に用いる一次被覆層のヤング率は、樹脂組成物におけるポリエーテル部分の分子量を変化させたり、樹脂組成物中の反応性希釈モノマーの種類を選定することにより調整できる。例えばヤング率を小さくするには、ポリエーテル部分の分子量を大きくすること、直鎖状の分子量の大きな単官能反応性希釈モノマーを用いることで可能である。
一次被覆材は、光ファイバ裸線に塗布され、紫外線照射などにより硬化されて、好ましくは外径180μm〜200μmになるように被覆され一次被覆層を形成する。本発明において一次被覆層は多層からなっていてもよい。硬化時のヤング率は0.8MPa〜10MPaが好ましく、特に1MPa〜3MPaが好ましい。0.8MPa未満では、側圧等により被覆層が変形しやすく、10MPaより大きい場合は、側圧によるロス増が発生しやすくなる。
【0015】
本発明に用いられる一次被覆材は、シランカップリング剤を0.05〜5質量%含有してよいが、好ましくは0.1〜3質量%、より好ましくは0.2〜1質量%含有してよい。0.05質量%未満ではスクリーニング試験において、ガラス/一次被覆層界面で剥離が生じやすくなり、5質量%より多いと硬化性が悪くなる。シランカップリング剤としては、特に制限するものではないが、例えば、γ―メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の有機官能基とアルコキシ基の両方を有するタイプのシランカップリング剤を用いることができ、好ましくはγ―メルカプトプロピルトリメトキシシランが用いられる。
【0016】
なお、シランカップリング剤は、スクリーニング特性等の被覆材の信頼性を高めるために有効である。さらに、シランカップリング剤は、ガラスとの密着性を強化する効果を有するが、ガラスとの密着力はそれだけでなく、反応性モノマーの種類によって制御することが可能である。ホモポリマーを形成した際のTgが高い反応性モノマーを配合していくと、樹脂の粘弾性が変化し、ガラス密着力が増加する。このような、ホモポリマーのTgが高い反応性モノマー(以下密着性モノマーと呼ぶ)を選択し、その配合量を変えることにより、ガラス密着力を制御することが可能である。密着性モノマーとしては、シクロヘキシルメタクリレート、ジシクロペンテニロキシエチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、N―ビニルピロリドン等が挙げられる。なお、反応性モノマーはガラス密着力の他に、樹脂粘度を調整するために加えることもでき、上記に挙げたような密着性モノマー以外にも、ホモポリマーのTgが低い反応性モノマーも含めて、複数種配合することはいっこうに差し支えない。ホモポリマーのTgが低い反応性モノマーとしては2−エチルヘキシルアクリレート、イソデシルアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、トリデシルメタクリレート等が挙げられる。
このように、密着性モノマーの添加量を調整することにより、例えば後記の表1に示すようなガラス密着力を有する一次被覆層を設けることができる。
【0017】
なお、ガラス密着力の測定方法は、以下の通りである。
アルコール等できれいに表面をふき取った未使用のソーダガラス板((有)鈴木光学製:主成分SiO2、CaO、Na2O)上に一次被覆材を塗布し、窒素雰囲気下で100mJ/cm2の紫外線を照射し、厚さ200μmのシートを作成する。その状態で、幅10mmの切れ目を入れ、端部をガラスから剥離して、90°ピール試験により測定されるピール力(N/m)をガラス密着力とした。本発明において、被覆材除去のしやすさや、除去後の光ファイバ破断強度が低下する割合が小さいことから、一次被覆材のガラス密着力は5〜20N/mであり、5〜18N/mが好ましく、8〜15N/mがより好ましい。一次被覆材のガラス密着力が5N/m未満であるとガラス部分と一次被覆層の界面で剥離が発生しやすくなる。20N/mより大きいと被覆層の除去が困難になる。具体的には、樹脂がガラスから引きはがされずに切断され、ガラスが露出しない、露出しようとする場合、下記の中間部皮むき方法において、刃の間隔を狭める必要があるのでガラスを傷つけやすくし、破断強度の低下につながる。
【0018】
中間部の皮むき方法の好ましい一例を以下に示す。
市販のファイバストリッパ(Micro−Strip、KLENTOOLS, inc.:刃の内径は152μm)を用いて、光ファイバ素線の被覆除去区間の両端に、ファイバ円周方向に切り込みを入れる。続けて光ファイバ素線をファイバ長手方向に対して50度の傾きをつけ、さらに上下に155μmの間隔をおいて設置した二つの刃の間を走らせる。この際ファイバが、2つの刃の間隔の中心にくるようにして、ガラス部分に直接刃を当てないように、被覆除去区間において長手方向に被覆を上下に除去し光ファイバ裸線(ガラス部分)を露出させる。その後、被覆除去区間を、超音波をかけたアセトン中に浸す。最後に除去端で切れていない被覆樹脂をピンセットで引き取る。
【0019】
この方法において、155μmの間隔を保つのは、刃を直接ガラスに当てないようにするためである。また、ファイバ中間部被覆層に対して上下の刃の傾きを50度とすることにより、刃の先端の当たる部分では、ただ単に樹脂を切断するのではなく、刃で樹脂を引っかけ引っ張る作用が発生し、同時に樹脂が切断される。この際、ガラス/一次被覆層界面の密着力が小さいと、樹脂を引っ張る作用が働くことにより、被覆層が界面から引きはがされ、ガラスが露出した状態となって樹脂が切断され除去される。ガラスが露出すると、アセトンがガラス/一次被覆層界面に浸透しやすくなり、簡単に完全に中間部の被覆層を除去できるようになる。
【0020】
さらに、一次被覆層除去のしやすさ・しにくさは、一次被覆層の弾性特性の影響も受ける。
すなわち、本発明において、伸び率50%時の引っ張り強度が0.7MPa以上であることが好ましく、0.7〜1.5MPaであることがさらに好ましく、0.8〜1MPaであることが特に好ましい。前述の刃で樹脂を引っ張る作用は、一次被覆層の弾性特性に大きく影響され、引っ張る作用が働いた時に一次被覆層の弾性特性が小さいと、すなわち、伸び率50%時の引っ張り強度が小さすぎると、一次被覆層は、ガラスから剥離するより先に切断され、結果的に被覆層の一部がガラス表面に残り、ガラスが露出しない状態になってしまう。
また、伸び率50%時に引っ張り強度が大きすぎると材料は、ヤング率も大きくなってしまい、結果として側圧特性を低下させてしまう。
【0021】
二次被覆層を形成する二次被覆材は、末端に二重結合を有するポリエーテル系ウレタン(メタ)アクリレートを主成分とする紫外線硬化型樹脂からなるが、特にこれに限定されるものではない。また、その他には、同じく末端に二重結合を有する反応性希釈モノマー、光重合開始剤が使用されてもよい。必要に応じて、各種の添加剤、例えば連鎖移動剤、酸化防止剤、光安定剤、可塑剤、重合禁止剤、増感剤、滑剤等が添加される。例えば、特許第2021130号、特許第2135130号、特許第2525177号、特許第2601699号等に記載の樹脂組成物が挙げられる。これらは二次被覆材に35〜100質量%含有されることが好ましい。
二次被覆材として、好ましくはガラス転移温度が110℃以下の樹脂組成物が用いられる。ただし、低すぎると環境温度、特に高温側の影響を受けやすくなるため、60℃以上が好ましい。本発明において、ガラス転移温度は、さらに好ましくは70〜110℃、特に好ましくは80〜110℃である。
【0022】
本発明においてガラス転移温度が上記範囲であるとき、より高いスクリーニングレベルを確保できるのは、以下の理由によるものと考えられる。
光ファイバ被覆材は、一般的には不飽和二重結合を有するウレタンアクリレート系紫外線硬化型樹脂が用いられており、紫外線照射により不飽和二重結合部分が重合し架橋する。重合反応は発熱反応であり樹脂の線熱膨張係数の関係から膨張しながら硬化する。発熱反応によりファイバ温度は通常110℃以上に上昇すると言われている。重合反応による硬化が終了すると、逆に線熱膨張係数の関係から、室温までの冷却によって収縮する。
通常、一次被覆材としては、ヤング率が1〜10MPaであり、ガラス転移温度がおおよそ0℃近辺以下のものが一般的に用いられている。一方、二次被覆材としては、ヤング率が100〜1000MPa程度であり、ガラス転移温度は110℃以上のものが一般的に用いられている。
樹脂の状態は、ガラス転移温度を境にして変わるため、線熱膨張係数も変わってくる。すなわちガラス転移温度よりも低ければ線熱膨張係数は小さくなり、ガラス転移温度よりも高ければ線熱膨張係数は大きくなる。
【0023】
このため重合発熱反応によって、一次被覆材も二次被覆材も線膨張しながら硬化するが、その後の室温までの冷却においては、一次被覆層はガラス転移温度が0℃前後であるため一律的に収縮するが、二次被覆材はガラス転移温度が高いため、ガラス転移温度よりも高い温度では一次被覆材の収縮に追随するが、ガラス転移温度よりも低い温度では、一次被覆材の収縮に追随せず、室温まで冷却した時点では一次被覆材よりも膨張した状態で固定されることになる。すなわち一次被覆材は、二次被覆材によって、外側に引っ張られるような応力を受けることになると考えられる。
しかしガラス転移温度の低い二次被覆材を用いると、すなわちガラス転移温度が110℃以下であると、二次被覆材の収縮が大きくなり、二次被覆材が一次被覆材を外側に引っ張るような応力が小さくなり、それに伴い、ガラス部分/一次被覆層界面の密着力に相当する締め付け力が大きくなり、よりスクリーニング特性に優れるようになると考えられる。
【0024】
二次被覆材のガラス転移温度、及びヤング率は該組成物中のオリゴマー、反応性希釈モノマーの種類及び配合量を変化させることにより種々の値となるように調整できる。すなわち、オリゴマーについてはその分子量を小さくする、またはウレタン部分の剛性を上げることによりヤング率を大きくでき、またガラス転移温度を調整することができる。また、二次被覆材の場合、反応性希釈モノマーには多官能性モノマーを配合し、その量を調整する、あるいはそのホモポリマーのTgの高いモノマーを選定することによりガラス転移温度、ヤング率を調整することができる。
二次被覆材は、前記一次被覆層の上から塗布され、紫外線照射などにより硬化されて、好ましくは外径240〜250μmになるように被覆され二次被覆層を形成する。本発明において、二次被覆層は多層からなっていてよい。硬化時のヤング率は100〜1000MPaが好ましく、特に500〜800MPaが好ましい。ヤング率が低すぎると、側圧特性を確保できず、また高すぎると剛性が高すぎて曲げロスが発生する、作業性が悪い等の問題が発生する。
【0025】
本発明の光ファイバ素線は、プルアウト力が6N以上であることが好ましく、より好ましくは6〜15Nであり、特に好ましくは7〜12Nである。プルアウト力が大きすぎると皮むきがきれいにできず、樹脂がガラス上に残るようになり、小さすぎるとスクリーニング試験でガラス/一次被覆層界面で剥離が生じる。
プルアウト力の測定方法は以下の通りである。
光ファイバ素線の端部より被覆長1cmを残して被覆部分を除去し、ガラス部分をむき出しにする。次いで、被覆材の外周を接着剤等で補助治具に固定し、ガラス部分を一定の速度で引っ張り、その時の張力を測定する。
なお、プルアウト力の調整は、好ましくは一次被覆層(プライマリ層)のガラス密着力及び二次被覆層(セカンダリ層)のガラス転移温度を調整することにより行うことができる。プルアウト力の増加は光ファイバ素線の被覆密着特性をさらに向上させる点で有効である。図3に示すように、プルアウト力の大きい実施例1〜4及び比較例1は、光ファイバ素線のスクリーニング時の被覆層剥離が抑制され、密着性が向上していることがわかる。
【0026】
以上より、本発明の光ファイバ素線は、優れた被覆密着性(耐剥離性)と被覆除去性能(皮むき性)とを備えるため、ファイバ型素子、特に、光ファイバグレーティング用として好適である。
光ファイバグレーティングは、本発明の光ファイバ素線から一次被覆層及び二次被覆層を除去し露出させた光ファイバ裸線に、例えば240〜270μmの紫外線領域の波長を有するアルゴンレーザーや炭酸ガスレーザーを照射してグレーティングを形成し、必要により、その後、二次被覆材料もしくは、二次被覆材料と同程度のヤング率の紫外線硬化型樹脂を用いて再び被覆することにより製造することができる。
【0027】
【実施例】
以下に、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこれに制限されるものではない。
外径125μmのシングルモード光ファイバ裸線を溶融紡糸後、表1に示すような硬化後の特性を有する各実施例、比較例のウレタンアクリレート型紫外線硬化型樹脂からなる一次被覆層を設け、これに引き続いて、ウレタンアクリレート型紫外線硬化型樹脂からなる二次被覆層を設けて外径250μmの光ファイバ素線を製造した。各実施例、比較例の被覆材料の構成、及び特性は表1に示す通りである。
なお、実施例、及び比較例を構成する一次被覆層用樹脂はその成分構成、及びシランカップリング剤量をそれぞれ表1に示すガラス密着力になるように変更して材料を選定したものである。
また、二次被覆層に用いた二次被覆層用樹脂は、ウレタンアクリレート系からなる紫外線硬化型樹脂であって、ガラス転移温度の異なる樹脂を選定したものである。
なお、一次被覆層、二次被覆層のヤング率、及び一次被覆層の50%伸び時の引っ張り強度の測定については以下の通りに行った。
【0028】
ヤング率:約200μm厚、空気下1.0J/cm2の照射量(メタルハライドランプ使用)で硬化させ、作成したシートから、幅6mmに切り出してサンプルとして、引っ張り試験機にて速度1mm/minで引っ張り、2.5%伸び時の弾性率をヤング率とした。
一次被覆層50%伸び時の引っ張り強度:ヤング率測定時と同じ条件でシートを作成し、引っ張り試験機にて、速度50mm/minで引っ張り、50%伸び時の引っ張り強度を測定した。
【0029】
試作したファイバサンプルの試験方法は以下の通りである。
(1)プルアウト力
前述の方法でプルアウト力を測定した。
(2)スクリーニング特性評価
1%及び2%スクリーニングをそれぞれ行い、それぞれについて、スクリーニングを5回まで繰り返し、スクリーニング後の外観を観察した。繰り返しスクリーニング後の外観判定基準は、スクリーニング前後で変化なしを○、スクリーニング中に断線、もしくはスクリーニング後に被覆材の剥離、傷等変化ありを×とした。
(3)中間部皮むき後の破断強度
まず、前述の中間部の皮むき方法を行った。
得られた被覆除去区間の光ファイバ裸線(図2中の中間部被覆除去部5)について破断強度を測定し、中間部皮むき後のファイバ破断強度とした。
【0030】
試験結果を表1、図3及び図4に示す。
【0031】
【表1】
【0032】
比較例1の光ファイバ素線サンプルは、ガラス密着力が高すぎるために、中間皮むき後の破断強度測定において図4に示すように強度劣化が認められた。また比較例2ではシランカップリング剤を含有しておらず、またガラス密着力も低いため、表1及び図3に示すようにスクリーニング特性評価において、1%及び2%繰り返しスクリーニングどちらについても断線が発生した。
これに対し、表1、図3、及び図4に示すように実施例1〜5は、いずれの特性も良好な結果が得られている。ただし、実施例1及び2については、2%スクリーニング後の外観が不合格であるが、1%スクリーニングにおいて合格であるため使用上問題はない。
なお、図3に示すように、プルアウト力の試験結果と繰り返しスクリーニング後の外観の結果をあわせてみると、プルアウト力の値が大きいと、スクリーニング特性については良好となることが認められた。
【0033】
【発明の効果】
本発明のガラス光ファイバ素線は、スクリーニングレベルが高いため信頼性に優れ、かつ、光ファイバにグレーティングを書き込むために行う中間部被覆除去において破断強度の低下がほとんどなく被覆除去性にも優れる。したがって、本発明の光ファイバ素線によれば、信頼性が高い優れたグレーティング形成光ファイバを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光ファイバ素線の構成の一例を示す断面図である。
【図2】光ファイバグレーティング用光ファイバ素線の被覆層中間部の皮むき状態の一例を示す斜視図である。
【図3】実施例で作製した光ファイバ素線サンプルのプルアウト力の結果を示すグラフである。
【図4】実施例で作製した光ファイバ素線サンプルの中間皮むき後の破断強度の結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1 光ファイバ素線
2 光ファイバ裸線
3 一次被覆層
4 二次被覆層
5 中間部被覆除去部
【発明の属する技術分野】
本発明は、被覆中間部を除去してグレーティングを書き込むことに供されるファイバグレーティング用光ファイバ素線に関し、さらに詳しくは、高い信頼性を有しかつその被覆除去性を改善させたファイバグレーティング用ガラス光ファイバ素線に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバグレーティングは、光ファイバのガラス部分の所定領域に側方から所定波長の光を照射してコア、あるいはコアとクラッドの所定領域の屈折率を変化させたものであり、光ファイバ内を進行する光のうち特定波長の光部分を反射するものである。近年の光ファイバ通信技術の進展に伴い、ネットワークの複雑化や信号波長の多重化などが進行し、システム構成は高度化しつつあるなかで、光回路素子の重要性が増大している。光回路素子における一般的構成の一つとしてのファイバ型素子は、小型で挿入損失が小さいことや、光ファイバとの接続が容易であること等の利点を有しており、光ファイバグレーティングは大変重要でありかつ有効なファイバ型素子として需要が伸びている。グレーティング書き込みに使用される所定波長は、240〜270μmの紫外線領域の波長が一般的であり、アルゴンレーザや炭酸ガスレーザの照射により書き込みがなされている。
【0003】
一般にガラス光ファイバは、製造時、光ファイバの強度劣化を防ぐために紡糸後すぐに被覆を施される。一般的には、シリコン/ナイロンで被覆した0.9mm径の素線と、紫外線硬化型のウレタンアクリレート系樹脂で被覆された0.25mm径の素線があり、最近では製造性や高密度化しやすいことから紫外線硬化型樹脂で被覆した0.25mm径素線が主流となっている。紫外線硬化型樹脂で被覆された0.25mm径素線の被覆層は、一般に、図1に示すような、一次被覆層3、二次被覆層4の2層からなり、一次被覆層は外力の影響がガラス部分に伝わらないようにするためヤング率約0.5〜10MPaのソフト樹脂が使用され、二次被覆層は保護のためにヤング率100〜1000MPaのハード樹脂が用いられている。
ところでガラス光ファイバが最も多く使用される用途は光ファイバケーブルである。ケーブル用途では、様々な環境に布設されることから、被覆樹脂、特に一次被覆層のガラスに対する密着力は大きいことが必須となっている。これは、ガラスファイバと一次被覆層の界面で剥離が発生すると伝送ロスが発生するという問題や、例えばケーブル外皮が破損して水が浸入した場合、ガラスファイバと一次被覆層との界面の密着力が小さいと界面に水が浸入し、やはり剥離を起こして伝送ロスが増大する等の問題を防止するためである。
【0004】
このような事情から、光ファイバの一次被覆層とガラスファイバの界面密着力は大きく、通常はシート評価のレベルで言えば、ガラスとの界面密着力が20N/mより大きい材料が一般的に用いられている。
ところで光ファイバグレーティングの作成時には、図2に示すように、光ファイバ素線中間の被覆層(一次被覆層3及び二次被覆層4)の一部を除去しガラス部分5を露出させる必要がある。これは被覆した状態でレーザを照射し、書き込みを行おうとした場合、樹脂の所定波長領域における透過率が非常に低いため書き込みができないことがあり、加えて樹脂が焼けて劣化してしまう問題を抱えているためである。近年、被覆上から照射して書き込み可能な樹脂の開発がなされているが、その場合レーザ自体の出力レベルを低くして、その分長い時間照射するような条件しか取ることができない、またシリコ−ン等の比較的透過率の高い樹脂では、UV硬化型樹脂被覆材のように、高線速でのガラス紡糸時と同時に被覆するような優れた生産性を維持することができない等の問題があり、結局、図2に示すように、一度コーティングされたUV硬化型樹脂被覆層の一部を除去して、グレーティングを書き込む方法が最も効率的である。
【0005】
しかし、このような方法においては、被覆除去時に光ファイバの表面を傷つけて機械的強度の低下を招き、信頼性を低下させる問題を抱えていた。被覆層を中間部のみ除去すること自体が困難であるからである。そのため、中間部を被覆除去する方法としては、被覆の一部をカミソリ刃等により、ガラス部分に直接当てないようにして除去し、続けて有機溶剤を浸漬して膨潤・剥離させて除去する方法が行われている(例えば特許文献1参照)。この方法により、ガラス表面の傷発生による機械強度低下は減少したが、一次被覆材のガラスとの密着力が大きく影響することが明らかとなった。すなわち、一次被覆材のガラスとの密着力が大きいと、被覆材料が膨潤してもガラス部分から剥離することはなく被覆材を除去することができない、ピンセット等で強制的に剥ぎ取ろうとすると、ガラス部分の表面を傷つけてファイバの破断強度を低下させることになる。従って被覆材除去の面からは、ガラスとの密着力が小さいことが重要である。
【0006】
さらに、ファイバーグレーティングなどの光部品に用いられる光ファイバ素線には、近年高い信頼性が要求されるようになってきた。すなわちスクリーニング特性の高いファイバが要求されるようになってきた。光ファイバケーブル等に使用される光ファイバ素線のスクリーニングレベルは0.5〜1%であり、そのレベルでも長期間の敷設環境に十分耐えられるレベルである。光部品用のファイバに関しても、同等のスクリーニングレベルのものが用いられている。しかし近年、スクリーニングレベル2%以上のより高い信頼性が求められるようになってきた。
スクリーニングは、ファイバの信頼性を保持するため、ファイバの所定伸びに相当する張力をかけて巻き返しを行い、ファイバの破断強度の弱い部分を予め切断させる作業である。この所定伸びをスクリーニングレベルと呼ぶ。従ってその値が高いほど、大きい張力をかけていることになり、信頼性も高くなる。
スクリーニング時におけるファイバの破断は、主にガラスに起因して発生するが、それ以外にも以下の影響を受ける。
【0007】
一般に、ガラス部分と一次被覆層の密着力が小さい場合、スクリーニングレベルが高くなるほど、ガラス部分/一次被覆界面での剥離が生じやすくなり、ガラス部分が傷つき、破断強度が低下する。すなわち、スクリーニング特性の低下、及びスクリーニングをパスしても破断強度が低下する等の問題が生じる。逆にガラス部分/一次被覆層界面の密着力が大きいとスクリーニング特性は良好であるが、皮むき特性が悪くなり、ファイバグレーティングなどの光部品用として適さないものとなる。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−090551公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事情に鑑み、被覆層の良好な皮むき特性を確保し、さらに、スクリーニングレベルの高い、信頼性に優れたファイバグレーティング用ガラス光ファイバ素線を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
光ファイバの中間被覆除去において、被覆材除去のしやすさや、除去後の光ファイバ破断強度は、光ファイバガラス部分と一次被覆との密着力に左右され、密着力が小さい方が被覆を除去しやすく、また破断強度が低下する割合が小さいことが本発明者らの検討の結果判明した。ところがガラスと一次被覆材との密着力が小さいと、スクリーニングレベルが高いほどガラス部分/一次被覆層の界面で剥離が生じやすくなり、スクリーニング時にガラス部分を傷つけ、機械特性を低下させてしまう問題が生じる。
【0011】
鋭意検討の結果、本発明者らは、シランカップリング剤を特定量含有し、かつ、ガラスとの密着力が特定の範囲である樹脂組成物からなる一次被覆層を用いた光ファイバ素線が、良好なスクリーニングレベルを確保できることを見出した。さらに、二次被覆材のガラス転移温度が特定の温度未満であると、より高いスクリーニングレベルを確保できることが本発明者らの鋭意検討の結果明らかとなった。本発明者らはこれらの知見に基づき本発明をなすにいたった。
すなわち本発明は、
(1)ガラス光ファイバ裸線上に一次被覆層及び二次被覆層が設けられてなる光ファイバ素線であって、該一次被覆層が、シランカップリング剤を0.05〜5質量%含有し、ガラスとの密着力が5〜20N/mである樹脂組成物からなることを特徴とするファイバグレーティング用ガラス光ファイバ素線、
(2)該一次被覆層が、機械特性において、伸び率50%時の引っ張り強度が0.7MPa以上であることを特徴とする(1)項記載のファイバグレーティング用ガラス光ファイバ素線、
(3)該二次被覆層が、ガラス転移温度が110℃未満の樹脂組成物からなることを特徴とする(2)項記載のファイバグレーティング用ガラス光ファイバ素線、及び
(4)プルアウト力が6N以上であることを特徴とする、(3)項記載のファイバグレーティング用ガラス光ファイバ素線
を提供するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の好ましい一実施態様を図面を参照して説明するが、本発明はこれに制限されるものではない。
図1は、本発明における光ファイバ素線の構成の一例を示す断面図である。図中、光ファイバ素線1は、光ファイバ裸線2と、光ファイバ裸線2の外周に被覆された一次被覆層3と、この上にさらに被覆された二次被覆層4とから構成されている。これらについて以下に詳述する。
【0013】
本発明における光ファイバ裸線とはコアとクラッドからなるガラスファイバをいい、例えば石英系のガラスファイバが挙げられる。本発明においては、通常のSM(シングルモード)ファイバが使用可能であり、特にガラスファイバに水素を溶解させた光ファイバ裸線は、グレーティングの書き込みに有利であるため好ましく用いられる。光ファイバ裸線は、例えば Tech. Dig. Fiber Communication1994 Tul 1 P. J. Lemaire et. al等に記載の方法に準じて製造することができる。
なお、本明細書中、光ファイバ裸線を、ガラスファイバ、光ファイバガラス部分、又は単に、ガラス部分ともいう。
【0014】
一次被覆層を形成する一次被覆材は、末端に二重結合を有するポリエーテル系ウレタン(メタ)アクリレートを主成分とする紫外線硬化型樹脂からなるが、特にこれに限定されるものではない。またその他には希釈剤として、同じく末端に二重結合を有する反応性モノマー(以下、反応性希釈モノマーということがある。)、光重合開始剤が使用されてもよい。必要に応じて老化防止剤、連鎖移動剤、光安定剤、シランカップリング剤、重合禁止剤、増感剤等の添加剤が加えられる。例えば、特許第1535199号、特許第2018841号、特許第2784339号、特許第2893135号等に記載の樹脂組成物が挙げられる。これらは一次被覆材に40質量%以上99.95質量%未満含有されることが好ましい。
本発明に用いる一次被覆層のヤング率は、樹脂組成物におけるポリエーテル部分の分子量を変化させたり、樹脂組成物中の反応性希釈モノマーの種類を選定することにより調整できる。例えばヤング率を小さくするには、ポリエーテル部分の分子量を大きくすること、直鎖状の分子量の大きな単官能反応性希釈モノマーを用いることで可能である。
一次被覆材は、光ファイバ裸線に塗布され、紫外線照射などにより硬化されて、好ましくは外径180μm〜200μmになるように被覆され一次被覆層を形成する。本発明において一次被覆層は多層からなっていてもよい。硬化時のヤング率は0.8MPa〜10MPaが好ましく、特に1MPa〜3MPaが好ましい。0.8MPa未満では、側圧等により被覆層が変形しやすく、10MPaより大きい場合は、側圧によるロス増が発生しやすくなる。
【0015】
本発明に用いられる一次被覆材は、シランカップリング剤を0.05〜5質量%含有してよいが、好ましくは0.1〜3質量%、より好ましくは0.2〜1質量%含有してよい。0.05質量%未満ではスクリーニング試験において、ガラス/一次被覆層界面で剥離が生じやすくなり、5質量%より多いと硬化性が悪くなる。シランカップリング剤としては、特に制限するものではないが、例えば、γ―メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の有機官能基とアルコキシ基の両方を有するタイプのシランカップリング剤を用いることができ、好ましくはγ―メルカプトプロピルトリメトキシシランが用いられる。
【0016】
なお、シランカップリング剤は、スクリーニング特性等の被覆材の信頼性を高めるために有効である。さらに、シランカップリング剤は、ガラスとの密着性を強化する効果を有するが、ガラスとの密着力はそれだけでなく、反応性モノマーの種類によって制御することが可能である。ホモポリマーを形成した際のTgが高い反応性モノマーを配合していくと、樹脂の粘弾性が変化し、ガラス密着力が増加する。このような、ホモポリマーのTgが高い反応性モノマー(以下密着性モノマーと呼ぶ)を選択し、その配合量を変えることにより、ガラス密着力を制御することが可能である。密着性モノマーとしては、シクロヘキシルメタクリレート、ジシクロペンテニロキシエチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、N―ビニルピロリドン等が挙げられる。なお、反応性モノマーはガラス密着力の他に、樹脂粘度を調整するために加えることもでき、上記に挙げたような密着性モノマー以外にも、ホモポリマーのTgが低い反応性モノマーも含めて、複数種配合することはいっこうに差し支えない。ホモポリマーのTgが低い反応性モノマーとしては2−エチルヘキシルアクリレート、イソデシルアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、トリデシルメタクリレート等が挙げられる。
このように、密着性モノマーの添加量を調整することにより、例えば後記の表1に示すようなガラス密着力を有する一次被覆層を設けることができる。
【0017】
なお、ガラス密着力の測定方法は、以下の通りである。
アルコール等できれいに表面をふき取った未使用のソーダガラス板((有)鈴木光学製:主成分SiO2、CaO、Na2O)上に一次被覆材を塗布し、窒素雰囲気下で100mJ/cm2の紫外線を照射し、厚さ200μmのシートを作成する。その状態で、幅10mmの切れ目を入れ、端部をガラスから剥離して、90°ピール試験により測定されるピール力(N/m)をガラス密着力とした。本発明において、被覆材除去のしやすさや、除去後の光ファイバ破断強度が低下する割合が小さいことから、一次被覆材のガラス密着力は5〜20N/mであり、5〜18N/mが好ましく、8〜15N/mがより好ましい。一次被覆材のガラス密着力が5N/m未満であるとガラス部分と一次被覆層の界面で剥離が発生しやすくなる。20N/mより大きいと被覆層の除去が困難になる。具体的には、樹脂がガラスから引きはがされずに切断され、ガラスが露出しない、露出しようとする場合、下記の中間部皮むき方法において、刃の間隔を狭める必要があるのでガラスを傷つけやすくし、破断強度の低下につながる。
【0018】
中間部の皮むき方法の好ましい一例を以下に示す。
市販のファイバストリッパ(Micro−Strip、KLENTOOLS, inc.:刃の内径は152μm)を用いて、光ファイバ素線の被覆除去区間の両端に、ファイバ円周方向に切り込みを入れる。続けて光ファイバ素線をファイバ長手方向に対して50度の傾きをつけ、さらに上下に155μmの間隔をおいて設置した二つの刃の間を走らせる。この際ファイバが、2つの刃の間隔の中心にくるようにして、ガラス部分に直接刃を当てないように、被覆除去区間において長手方向に被覆を上下に除去し光ファイバ裸線(ガラス部分)を露出させる。その後、被覆除去区間を、超音波をかけたアセトン中に浸す。最後に除去端で切れていない被覆樹脂をピンセットで引き取る。
【0019】
この方法において、155μmの間隔を保つのは、刃を直接ガラスに当てないようにするためである。また、ファイバ中間部被覆層に対して上下の刃の傾きを50度とすることにより、刃の先端の当たる部分では、ただ単に樹脂を切断するのではなく、刃で樹脂を引っかけ引っ張る作用が発生し、同時に樹脂が切断される。この際、ガラス/一次被覆層界面の密着力が小さいと、樹脂を引っ張る作用が働くことにより、被覆層が界面から引きはがされ、ガラスが露出した状態となって樹脂が切断され除去される。ガラスが露出すると、アセトンがガラス/一次被覆層界面に浸透しやすくなり、簡単に完全に中間部の被覆層を除去できるようになる。
【0020】
さらに、一次被覆層除去のしやすさ・しにくさは、一次被覆層の弾性特性の影響も受ける。
すなわち、本発明において、伸び率50%時の引っ張り強度が0.7MPa以上であることが好ましく、0.7〜1.5MPaであることがさらに好ましく、0.8〜1MPaであることが特に好ましい。前述の刃で樹脂を引っ張る作用は、一次被覆層の弾性特性に大きく影響され、引っ張る作用が働いた時に一次被覆層の弾性特性が小さいと、すなわち、伸び率50%時の引っ張り強度が小さすぎると、一次被覆層は、ガラスから剥離するより先に切断され、結果的に被覆層の一部がガラス表面に残り、ガラスが露出しない状態になってしまう。
また、伸び率50%時に引っ張り強度が大きすぎると材料は、ヤング率も大きくなってしまい、結果として側圧特性を低下させてしまう。
【0021】
二次被覆層を形成する二次被覆材は、末端に二重結合を有するポリエーテル系ウレタン(メタ)アクリレートを主成分とする紫外線硬化型樹脂からなるが、特にこれに限定されるものではない。また、その他には、同じく末端に二重結合を有する反応性希釈モノマー、光重合開始剤が使用されてもよい。必要に応じて、各種の添加剤、例えば連鎖移動剤、酸化防止剤、光安定剤、可塑剤、重合禁止剤、増感剤、滑剤等が添加される。例えば、特許第2021130号、特許第2135130号、特許第2525177号、特許第2601699号等に記載の樹脂組成物が挙げられる。これらは二次被覆材に35〜100質量%含有されることが好ましい。
二次被覆材として、好ましくはガラス転移温度が110℃以下の樹脂組成物が用いられる。ただし、低すぎると環境温度、特に高温側の影響を受けやすくなるため、60℃以上が好ましい。本発明において、ガラス転移温度は、さらに好ましくは70〜110℃、特に好ましくは80〜110℃である。
【0022】
本発明においてガラス転移温度が上記範囲であるとき、より高いスクリーニングレベルを確保できるのは、以下の理由によるものと考えられる。
光ファイバ被覆材は、一般的には不飽和二重結合を有するウレタンアクリレート系紫外線硬化型樹脂が用いられており、紫外線照射により不飽和二重結合部分が重合し架橋する。重合反応は発熱反応であり樹脂の線熱膨張係数の関係から膨張しながら硬化する。発熱反応によりファイバ温度は通常110℃以上に上昇すると言われている。重合反応による硬化が終了すると、逆に線熱膨張係数の関係から、室温までの冷却によって収縮する。
通常、一次被覆材としては、ヤング率が1〜10MPaであり、ガラス転移温度がおおよそ0℃近辺以下のものが一般的に用いられている。一方、二次被覆材としては、ヤング率が100〜1000MPa程度であり、ガラス転移温度は110℃以上のものが一般的に用いられている。
樹脂の状態は、ガラス転移温度を境にして変わるため、線熱膨張係数も変わってくる。すなわちガラス転移温度よりも低ければ線熱膨張係数は小さくなり、ガラス転移温度よりも高ければ線熱膨張係数は大きくなる。
【0023】
このため重合発熱反応によって、一次被覆材も二次被覆材も線膨張しながら硬化するが、その後の室温までの冷却においては、一次被覆層はガラス転移温度が0℃前後であるため一律的に収縮するが、二次被覆材はガラス転移温度が高いため、ガラス転移温度よりも高い温度では一次被覆材の収縮に追随するが、ガラス転移温度よりも低い温度では、一次被覆材の収縮に追随せず、室温まで冷却した時点では一次被覆材よりも膨張した状態で固定されることになる。すなわち一次被覆材は、二次被覆材によって、外側に引っ張られるような応力を受けることになると考えられる。
しかしガラス転移温度の低い二次被覆材を用いると、すなわちガラス転移温度が110℃以下であると、二次被覆材の収縮が大きくなり、二次被覆材が一次被覆材を外側に引っ張るような応力が小さくなり、それに伴い、ガラス部分/一次被覆層界面の密着力に相当する締め付け力が大きくなり、よりスクリーニング特性に優れるようになると考えられる。
【0024】
二次被覆材のガラス転移温度、及びヤング率は該組成物中のオリゴマー、反応性希釈モノマーの種類及び配合量を変化させることにより種々の値となるように調整できる。すなわち、オリゴマーについてはその分子量を小さくする、またはウレタン部分の剛性を上げることによりヤング率を大きくでき、またガラス転移温度を調整することができる。また、二次被覆材の場合、反応性希釈モノマーには多官能性モノマーを配合し、その量を調整する、あるいはそのホモポリマーのTgの高いモノマーを選定することによりガラス転移温度、ヤング率を調整することができる。
二次被覆材は、前記一次被覆層の上から塗布され、紫外線照射などにより硬化されて、好ましくは外径240〜250μmになるように被覆され二次被覆層を形成する。本発明において、二次被覆層は多層からなっていてよい。硬化時のヤング率は100〜1000MPaが好ましく、特に500〜800MPaが好ましい。ヤング率が低すぎると、側圧特性を確保できず、また高すぎると剛性が高すぎて曲げロスが発生する、作業性が悪い等の問題が発生する。
【0025】
本発明の光ファイバ素線は、プルアウト力が6N以上であることが好ましく、より好ましくは6〜15Nであり、特に好ましくは7〜12Nである。プルアウト力が大きすぎると皮むきがきれいにできず、樹脂がガラス上に残るようになり、小さすぎるとスクリーニング試験でガラス/一次被覆層界面で剥離が生じる。
プルアウト力の測定方法は以下の通りである。
光ファイバ素線の端部より被覆長1cmを残して被覆部分を除去し、ガラス部分をむき出しにする。次いで、被覆材の外周を接着剤等で補助治具に固定し、ガラス部分を一定の速度で引っ張り、その時の張力を測定する。
なお、プルアウト力の調整は、好ましくは一次被覆層(プライマリ層)のガラス密着力及び二次被覆層(セカンダリ層)のガラス転移温度を調整することにより行うことができる。プルアウト力の増加は光ファイバ素線の被覆密着特性をさらに向上させる点で有効である。図3に示すように、プルアウト力の大きい実施例1〜4及び比較例1は、光ファイバ素線のスクリーニング時の被覆層剥離が抑制され、密着性が向上していることがわかる。
【0026】
以上より、本発明の光ファイバ素線は、優れた被覆密着性(耐剥離性)と被覆除去性能(皮むき性)とを備えるため、ファイバ型素子、特に、光ファイバグレーティング用として好適である。
光ファイバグレーティングは、本発明の光ファイバ素線から一次被覆層及び二次被覆層を除去し露出させた光ファイバ裸線に、例えば240〜270μmの紫外線領域の波長を有するアルゴンレーザーや炭酸ガスレーザーを照射してグレーティングを形成し、必要により、その後、二次被覆材料もしくは、二次被覆材料と同程度のヤング率の紫外線硬化型樹脂を用いて再び被覆することにより製造することができる。
【0027】
【実施例】
以下に、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこれに制限されるものではない。
外径125μmのシングルモード光ファイバ裸線を溶融紡糸後、表1に示すような硬化後の特性を有する各実施例、比較例のウレタンアクリレート型紫外線硬化型樹脂からなる一次被覆層を設け、これに引き続いて、ウレタンアクリレート型紫外線硬化型樹脂からなる二次被覆層を設けて外径250μmの光ファイバ素線を製造した。各実施例、比較例の被覆材料の構成、及び特性は表1に示す通りである。
なお、実施例、及び比較例を構成する一次被覆層用樹脂はその成分構成、及びシランカップリング剤量をそれぞれ表1に示すガラス密着力になるように変更して材料を選定したものである。
また、二次被覆層に用いた二次被覆層用樹脂は、ウレタンアクリレート系からなる紫外線硬化型樹脂であって、ガラス転移温度の異なる樹脂を選定したものである。
なお、一次被覆層、二次被覆層のヤング率、及び一次被覆層の50%伸び時の引っ張り強度の測定については以下の通りに行った。
【0028】
ヤング率:約200μm厚、空気下1.0J/cm2の照射量(メタルハライドランプ使用)で硬化させ、作成したシートから、幅6mmに切り出してサンプルとして、引っ張り試験機にて速度1mm/minで引っ張り、2.5%伸び時の弾性率をヤング率とした。
一次被覆層50%伸び時の引っ張り強度:ヤング率測定時と同じ条件でシートを作成し、引っ張り試験機にて、速度50mm/minで引っ張り、50%伸び時の引っ張り強度を測定した。
【0029】
試作したファイバサンプルの試験方法は以下の通りである。
(1)プルアウト力
前述の方法でプルアウト力を測定した。
(2)スクリーニング特性評価
1%及び2%スクリーニングをそれぞれ行い、それぞれについて、スクリーニングを5回まで繰り返し、スクリーニング後の外観を観察した。繰り返しスクリーニング後の外観判定基準は、スクリーニング前後で変化なしを○、スクリーニング中に断線、もしくはスクリーニング後に被覆材の剥離、傷等変化ありを×とした。
(3)中間部皮むき後の破断強度
まず、前述の中間部の皮むき方法を行った。
得られた被覆除去区間の光ファイバ裸線(図2中の中間部被覆除去部5)について破断強度を測定し、中間部皮むき後のファイバ破断強度とした。
【0030】
試験結果を表1、図3及び図4に示す。
【0031】
【表1】
【0032】
比較例1の光ファイバ素線サンプルは、ガラス密着力が高すぎるために、中間皮むき後の破断強度測定において図4に示すように強度劣化が認められた。また比較例2ではシランカップリング剤を含有しておらず、またガラス密着力も低いため、表1及び図3に示すようにスクリーニング特性評価において、1%及び2%繰り返しスクリーニングどちらについても断線が発生した。
これに対し、表1、図3、及び図4に示すように実施例1〜5は、いずれの特性も良好な結果が得られている。ただし、実施例1及び2については、2%スクリーニング後の外観が不合格であるが、1%スクリーニングにおいて合格であるため使用上問題はない。
なお、図3に示すように、プルアウト力の試験結果と繰り返しスクリーニング後の外観の結果をあわせてみると、プルアウト力の値が大きいと、スクリーニング特性については良好となることが認められた。
【0033】
【発明の効果】
本発明のガラス光ファイバ素線は、スクリーニングレベルが高いため信頼性に優れ、かつ、光ファイバにグレーティングを書き込むために行う中間部被覆除去において破断強度の低下がほとんどなく被覆除去性にも優れる。したがって、本発明の光ファイバ素線によれば、信頼性が高い優れたグレーティング形成光ファイバを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光ファイバ素線の構成の一例を示す断面図である。
【図2】光ファイバグレーティング用光ファイバ素線の被覆層中間部の皮むき状態の一例を示す斜視図である。
【図3】実施例で作製した光ファイバ素線サンプルのプルアウト力の結果を示すグラフである。
【図4】実施例で作製した光ファイバ素線サンプルの中間皮むき後の破断強度の結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1 光ファイバ素線
2 光ファイバ裸線
3 一次被覆層
4 二次被覆層
5 中間部被覆除去部
Claims (4)
- ガラス光ファイバ裸線上に一次被覆層及び二次被覆層が設けられてなる光ファイバ素線であって、該一次被覆層が、シランカップリング剤を0.05〜5質量%含有し、ガラスとの密着力が5〜20N/mである樹脂組成物からなることを特徴とするファイバグレーティング用ガラス光ファイバ素線。
- 該一次被覆層が、機械特性において、伸び率50%時の引っ張り強度が0.7MPa以上であることを特徴とする請求項1記載のファイバグレーティング用ガラス光ファイバ素線。
- 該二次被覆層が、ガラス転移温度が110℃未満の樹脂組成物からなることを特徴とする請求項2記載のファイバグレーティング用ガラス光ファイバ素線。
- プルアウト力が6N以上であることを特徴とする、請求項3記載のファイバグレーティング用ガラス光ファイバ素線。
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