JP2004004293A - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 Download PDF

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Harunobu Ogaki
大垣 晴信
▲吉▼田 晃
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Abstract

【課題】繰り返し使用においても安定した特性を有する電子写真感光体、この電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供する。
【解決手段】電子写真感光体用光感光層を形成するための樹脂に少なくとも式(1)で示すシロキシビスフェノールの構成単位を有するポリアリレート樹脂を用いて電子写真感光体を作製する。次にこの感光体を用いてプロセスカートリッジ及び電子写真装置を作製する。
Figure 2004004293

(式中、R及びRは炭素数1〜3のアルキル基、アリール基、R〜Rは、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、アリール基を示し、nは正の整数である。)
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置に関し、詳しくは特定樹脂を含有する感光層を有する電子写真感光体、この電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
像保持部材の代表的なものの一つとして電子写真感光体が挙げられる。電子写真技術は即時性、高品質の画像が得られることなどから、近年では複写機の分野にとどまらず、各種プリンターの分野でも広く使われ応用されてきている。その中核となる感光体については、セレン、硫化カドミウム、酸化亜鉛に代表される無機系材料があるが、近年では無公害性、高生産性、材料設計の容易性および将来性などの点から有機系材料の開発が盛んに行われている。
【0003】
これらの電子写真感光体には、当然ながら適用される電子写真プロセスに応じた電気的、機械的、更には光学的特性など様々な特性が要求される。特に繰り返し使用される感光体にあっては、帯電、露光、現像、転写、クリーニングといった電気的、機械的な力が直接的または間接的に繰り返し加えられるため、それらに対する耐久性が要求される。
【0004】
具体的には帯電時に発生するオゾンや窒素酸化物による劣化や、放電やクリーニングによる表面の摩耗や傷、または通紙時における紙との摩擦による傷といった電気的及び機械的劣化に対する耐久性が求められている。特に長期にわたる使用を目的とする感光体において、帯電時の放電によるオゾンあるいは窒素酸化物といった化学的活性種による劣化は、その劣化部位の表面への蓄積により耐久性の低下、画像の悪化を生じるため、電気的に耐久性のある材料を用いることが望まれている。
【0005】
有機系感光体においては、通常、有機光導電物質をバインダー樹脂に溶解または分散して、塗膜を形成して用いる。その塗膜は有機光導電物質とバインダー樹脂を溶媒に溶解または分散後、塗布、乾燥して形成される。バインダー樹脂としては、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等のビニル重合体、およびその共重合体、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアリレート、ポリスルフォン、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、等の材料が用いられている。樹脂を溶媒に溶解して塗料を作製するため、樹脂選択の基準として、溶剤に対する溶解性といった点も重要である。
【0006】
これらの有機系感光体は、大量生産性に優れ、価格も比較的安価に生産可能であるといった多くの利点を有しているが、感光体として必要とされるすべての要求を満足しているわけではなく改善の余地がある。特に有機系感光体における高耐久化という課題に対して種々の検討がなされ、多くの改善がなされてきたが、今日の電子写真技術の向上、高速化により感光体の更なる高耐久化が望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、感光層の機械的強度が強く、耐摩耗性が良好で、かつ帯電時における電気的劣化に対して強く、繰り返し使用においても安定した特性を持つ電子写真感光体、この電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
従って本発明は、導電性支持体上に光感光層を有する電子写真感光体において、前記感光層を形成するための樹脂に少なくとも下記一般式(1)
【0009】
【化8】
Figure 2004004293
(式中、R及びRはメチル基、エチル基、プロピル基及びイソプロピル基のアルキル基、フェニル基又はナフチル基等のアリール基、R〜Rは、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基及びイソプロピル基のアルキル基、フェニル基又はナフチル基等のアリール基を示し、nは正の整数である。)
で示されるシロキシビスフェノールの構成単位を有するポリアリレート樹脂を用いる電子写真感光体、この電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置である。
【0010】
さらに本発明は、前記感光層を形成するための樹脂が下記のいずれかの樹脂である電子写真感光体、この電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置である。
(1) 一般式(2)
【0011】
【化9】
Figure 2004004293
(式中、R及びRは炭素数1〜3のアルキル基、アリール基、R〜Rは、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、アリール基を示し、R〜R10は、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、アリール基、炭素数1〜3のアルコキシ基、ハロゲン基を示し、また、Xは、単結合または
【0012】
【化10】
Figure 2004004293
を示し、R11及びR12は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、およびR11とR12が結合することによって形成されるアルキリデン基を示し、mおよびnは正の整数である。)
で示されるシロキシビスフェノールの構成単位と他構造のビスフェノールの構成単位を有する共重合ポリアリレート樹脂である。
(2) 一般式(3)
【0013】
【化11】
Figure 2004004293
(式中、R13〜R16は、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、アリール基、炭素数1〜3のアルコキシ基、ハロゲン基を示し、また、Xは、単結合または
【0014】
【化12】
Figure 2004004293
を示し、R17及びR18は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、およびR17とR18が結合することによって形成されるアルキリデン基を示し、lは正の整数である。)
で示される構成単位を有するポリアリレート樹脂を混合している樹脂である。
(4) 一般式(4)
【0015】
【化13】
Figure 2004004293
(式中、R19〜R22は、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、アリール基、炭素数1〜3のアルコキシ基、ハロゲン基を示し、また、Xは、単結合または
【0016】
【化14】
Figure 2004004293
を示し、R23及びR24は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基およびR23とR24が結合することによって形成されるアルキリデン基を示し、lは正の整数である。)
で示される構成単位を有するポリカーボネート樹脂を混合している樹脂である。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0018】
本発明は、一般式(1)で示されるシロキシビスフェノールの構成単位を有するポリアリレート樹脂を用いる電子写真感光体であるが、一般式(2)
【0019】
【化15】
Figure 2004004293
に示すように他構造のビスフェノールと共重合することにより、樹脂の機械的強度や耐摩耗性を向上させることが可能である。さらに、電荷輸送材との相溶性を向上させることにより、溶液の液保存性を高めることが可能になり、生産安定性の向上、生産性の向上等の特徴を持たせることもできる。
【0020】
更に、一般式(3)で示される他構造のポリアリレート樹脂や、一般式(4)で示されるポリカーボネート樹脂とのブレンドをすることも可能であり、生産性向上などの特徴を持たせることもできる。
【0021】
感光体に用いるバインダー樹脂として、シロキシビスフェノール構成単位として有するポリアリレートを用いることで、くり返し使用時における感光体の耐久性の向上が見られた。本発明における効果のメカニズムは十分には解明されていないが、ポリアリレート樹脂が機械的強度や耐摩耗性という点において優位性があることに加えて、酸素が関与する化学変成や化学的劣化に対して安定性が高いと考えられているケイ素−酸素結合を有するシロキサン骨格を含むシロキシビスフェノールを構成単位として組み込むことで、感光体帯電時における放電劣化、特に酸素が関与する化学的劣化における耐久性が増し、感光体表面の変成が抑制され、結果としてそれらの相乗効果によりくり返し使用時における感光体の耐久性が向上したと思われる。
【0022】
一般式(1)の化合物は、強度や溶解性等の他特性を付加するために他構造のビスフェノールと共重合させることも可能である。更に生産性の向上等のために他構造のポリアリレートやポリカーボネートとブレンドすることも可能である。
【0023】
ポリマーの分子量としては、重量平均分子量(Mw)=10,000〜200,000が好ましく、強度、生産性などの面から、50,000〜150,000が特に好ましい。
【0024】
以下に一般式(1)で示される化合物の具体例を示すが、これらに限られるものではない。
【0025】
【化16】
Figure 2004004293
【0026】
【化17】
Figure 2004004293
【0027】
【化18】
Figure 2004004293
【0028】
【化19】
Figure 2004004293
【0029】
【化20】
Figure 2004004293
また、一般式(2)で示される化合物は、一般式(1)と一般式(3)との共重合体として表され、その具体例としては、一般式(1)と後述の一般式(3)の具体的な化合物(3−1)〜(3−6)との共重合体として表わされ、その組み合わせについては、限定されない。
【0030】
共重合の比率は、一般式(1)/一般式(3)=95/5から5/95において各々の特性の効果を出すことができる。分子量は、重量平均分子量(Mw)=10,000〜200,000が好ましく、特に50,000〜150,000が好ましい。
【0031】
以下に一般式(3)で示す化合物の具体例を示すが、この構造に限定はされない。
【0032】
【化21】
Figure 2004004293
次に、本発明の化合物は、上記一般式(3)で表される他構造のポリアリレートと混合して用いることも可能であり、耐摩耗性および感光体生産時の生産性や溶液の安定性等が向上する。その混合比率(質量比)は、一般式(1)/一般式(3)=5/95〜95/5で可能であり、効果を効率よく発現させるためには、20/80〜80/20が好ましい。一般式(3)のポリアリレートの分子量は特に限定されないが、重量平均分子量(Mw)=10,000〜200,000が好ましい。
【0033】
次に、本発明の化合物は、一般式(4)で表されるポリカーボネートと混合して用いることも可能であり、耐摩耗性および感光体生産時の生産性や溶液の安定性等が向上する。その混合比率(重量比)は一般式(1)/一般式(4)=5/95〜95/5で可能であり、効果を効率よく発現させるためには、20/80〜80/20が好ましい。一般式(4)の分子量は特に限定されないが、粘度平均分子量(Mv)=40,000〜200,000が好ましい。
【0034】
以下に一般式(4)の化合物の具体例を示す。構造および混合における組み合わせに限定はされない。
【0035】
【化22】
Figure 2004004293
本発明の用いるポリアリレート化合物は、常法により合成されるが、一例として請求項1で示した式(1−1)の合成例を以下に示す。
【0036】
10%水酸化ナトリウム水溶液に、式(1−1)を構成するビス(4−ヒドロキシフェノキシ)ジメチルシランを加えて溶解した。さらに重合触媒としてトリメチルベンジルアンモニウムクロライドを添加し撹拌した。別にテレフタル酸クロライドとイソフタル酸クロライドの等量混合物をジクロロメタンに溶解させた。このジクロロメタン溶液を先に調製した水酸化ナトリウム水溶液に撹拌しながら添加し、重合を開始した。
【0037】
重合においては反応温度を25℃以下に保ちながら、3時間撹拌を行なった。その後、酢酸の添加により反応を終了させ、水相が中性になるまで水洗浄を繰り返した。洗浄後、撹拌下のメタノールに滴下しポリマーを沈殿させた。さらにポリマーを真空乾燥させて本発明の化合物例(1−1)を得た。
【0038】
以下、本発明の電子写真感光体の構成について説明する。
【0039】
本発明の電子写真感光体は、感光層が電荷輸送材料と電荷発生材料とを同一の層に含有する単層型、電荷輸送材料を含有する電荷輸送層と電荷発生材料を含有する電荷発生層とを有する積層型のいずれの場合にも適用される。
【0040】
本発明の感光層を形成するためのバインダー樹脂および溶媒は、用いる感光層における限定はなく、バインダー樹脂に感光体を形成させるための材料(例えば、電荷発生材や電荷輸送材)を溶解および分散させて用いる層、例えば、積層型感光体においては、電荷発生層、電荷輸送層、保護層に可能であり、単層型においても可能である。
【0041】
本発明における電荷発生材としては、通常知られているものが使用可能であり、例えば、セレン−テルル、ピリリウム、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン、アントアントロン、ジベンズピレンキノン、トリスアゾ、シアニン、ジスアゾ、モノアゾ、インジゴ、キナクリドンなどの各顔料が挙げられる。これらの顔料は0.3〜4倍の重量のバインダー樹脂および溶剤ともにホモジナイザー、超音波分散、ボールミル、振動ミル、サンドミルアトライター、ロールミル、液衝突型高速分散機等を使用して、よく分散した分散液とする。積層型感光体の場合、この液を塗布し、乾燥することによって電荷発生層が得られる。膜厚は5μm以下であることが好ましく、特に好ましくは0.1〜2μmである。
【0042】
電荷輸送材は、通常用いられるものが使用でき、例えば、トリアリールアミン系化合物、ヒドラゾン系化合物、スチルベン系化合物、ピラゾリン系化合物、オキサゾール系化合物、トリアリルメタン系化合物、チアゾール系化合物などが挙げられる。これらの化合物はバインダー樹脂とともに溶剤に溶解し溶液とする。積層型感光体の場合、この液を塗布し、乾燥することによって電荷輸送層が得られる。膜厚は5〜40μmであることが好ましく、特に好ましくは15〜30μmである。
【0043】
感光層が単層型の場合は上述のような電荷発生材や電荷輸送材を上述のようなバインダー樹脂に分散し溶解して得られた溶液を塗布し、乾燥することによって形成することができる。膜厚は5〜40μmであることが好ましく、特に好ましくは15〜30μmである。
【0044】
また、保護層としては、上述したバインダー樹脂を溶剤に溶解して得られた溶液を、塗布し乾燥することにより得られる。必要に応じて電子写真感光体の材料や、抵抗値の制御のための導電材、潤滑性を持たせるための滑材等を添加することもできる。保護層を設けない感光体においては、その表面層に酸化防止材や滑材等を必要に応じて用いることができる。膜厚は0.5〜10μmであることが好ましく、特に好ましくは1〜5μmである。
【0045】
また、本発明においては、支持体と感光層、あるいは導電層と感光層の間に必要に応じて接着機能および電荷バリアー機能を有する中間層を設けることができる。中間層の材料としてはポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、カゼイン、ポリウレタン及びポリエーテルウレタン等が挙げられる。これらは溶剤に溶解して塗布し乾燥される。中間層の膜厚は0.05〜5μmであることが好ましく、特に好ましくは0.2〜1μmである。この樹脂と溶剤との割合(質量比)は1/0.5〜1/2であることが好ましい。
【0046】
これらの感光体の塗布方法としての限定はなく、浸漬塗布法、スプレー塗布法、バーコート法など通常知られている手段で使用できる。
【0047】
図1に本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを用いた電子写真装置の概略機構を示す。
【0048】
図において、1はドラム状の本発明の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。感光体1は、回転過程において、一次帯電手段3によりその周面に正又は負の所定電位の均一帯電を受け、次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光等の露光手段(不図示)から出力される目的の画像情報の時系列電気デジタル画像信号に対応して強調変調された露光光4を受ける。こうして感光体1の周面に対し、目的の画像情報に対応した静電潜像が順次形成されていく。
【0049】
形成された静電潜像は、次いで現像手段5によりトナー現像され、現像されたトナー像は、不図示の給紙部から感光体1と転写手段6との間に感光体1の回転と同期して取り出されて給紙された転写材7に、感光体1の表面に形成担持されているトナー画像が転写手段6により順次転写されていく。
【0050】
トナー画像の転写を受けた転写材7は、感光体面から分離されて像定着手段8へ導入されて像定着を受けることにより画像形成物(プリント、コピー)として装置外にプリントアウトされる。
【0051】
像転写後の感光体1の表面は、クリーニング手段9によって転写残りトナーの除去を受けて清浄面化され、更に前露光手段(不図示)からの前露光光10により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、一次帯電手段3が帯電ローラー等を用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
【0052】
本発明において、上述の電子写真感光体1、一次帯電手段3、現像手段5及びクリーニング手段9等の構成要素のうち複数のものを容器11に納めてプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンター等の電子写真装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。例えば、一次帯電手段3、現像手段5及びクリーニング手段9の少なくとも一つを感光体1と共に一体に支持してカートリッジ化して、装置本体のレール等の案内手段12を用いて装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジとすることができる。
【0053】
また、露光光4は、電子写真装置が複写機やプリンターである場合には、原稿からの反射光や透過光、あるいはセンサーで原稿を読み取り、信号化し、この信号に従って行われるレーザービームの走査、LEDアレイの駆動及び液晶シャッターアレイの駆動により照射される光である。
【0054】
本発明の電子写真感光体は電子写真複写機に利用するのみならず、レーザービームプリンター、CRTプリンター、LEDプリンター、液晶プリンター及びレーザー製版等の電子写真応用分野にも広く用いることができる。
【0055】
【実施例】
以下、具体的な実施例を挙げて、本発明をより詳細に説明する。なお、実施例中「部」は質量部を表す。
【0056】
(実施例1)
直径30mmφ、長さ357mmのアルミシリンダー上に、以下の材料より構成される塗料を浸漬塗布法にて塗布し、140℃で30分間熱硬化することにより、膜厚が15μmの導電層を形成した。
【0057】
導電性顔料:SnOコート処理硫酸バリウム      10部
抵抗調整用顔料:酸化チタン               2部
バインダー樹脂:フェノール樹脂             6部
リベリング材:シリコーンオイル             0.001部
溶剤:メタノール/メトキシプロパノール=2/8    20部
【0058】
次に、この導電層上に、N−メトキシメチル化ナイロン3部及び共重合ナイロン3部をメタノール65部及びn−ブタノール30部の混合溶剤に溶解した溶液を浸漬塗布法で塗布し、乾燥することによって、膜厚が0.5μmの中間層を形成した。
【0059】
次にCuKα特性X線回折におけるブラック角(2θ±0.2゜)の9.0゜、14.2゜、23.9゜及び27.1゜に強いピークを有するオキシチタニウムフタロシアニン4部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBM2、積水化学製)2部及びシクロヘキサノン60部を1mmφガラスビーズ入りサンドミル装置で4時間分散した後、酢酸エチル100部を加えて電荷発生層用分散液を調整した。この分散液を中間層上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥することによって、膜厚が0.1μmの電荷発生層を形成した。
【0060】
次に下記構造式のアミン化合物7部
【0061】
【化23】
Figure 2004004293
下記構造式のアミン化合物1部
【0062】
【化24】
Figure 2004004293
バインダー樹脂として化合物例(1−1)で示される化合物(重量平均分子量=100,000)10部をモノクロロベンゼン50部/ジクロロメタン30部に溶解し電荷輸送層用の塗布液を得た。この塗布液を浸漬塗布法で塗布し、120℃にて1時間乾燥し、膜厚が27μmの電荷輸送層を形成した。
【0063】
次に評価について説明する。評価は、キヤノン(株)製複写機GP210(感光体に接触配置された帯電部材から交流電圧を重畳した直流電圧を印加して感光体を帯電させるAC/DC帯電方式)を用いた。まず、初期電位を測定した。暗部電位Vd=−700Vとして、明部電位Vl=−200Vとした。A4サイズの普通紙を1枚複写するごとに1度停止する間欠モードにて10,000枚の複写を行い、その後、感光体膜厚の摩耗量を測定した。結果を表1に示す。
【0064】
(実施例2)
電荷輸送層用のバインダー樹脂として化合物例(1−5)(重量平均分子量=80,000)を用いた以外は、実施例1と同様に感光体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
【0065】
(実施例3)
電荷輸送層用のバインダー樹脂として化合物例(1−7)(重量平均分子量=78,000)を用いた以外は、実施例1と同様に感光体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
【0066】
(実施例4)
電荷輸送層用のバインダー樹脂として化合物例(1−1)/(3−1)=30/70の共重合体(重量平均分子量=80,000)を用いた以外は、実施例1と同様に感光体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
【0067】
(実施例5)
電荷輸送層用のバインダー樹脂として化合物例(1−5)/(3−1)=30/70の共重合体(重量平均分子量=80,000)を用いた以外は、実施例1と同様に感光体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
【0068】
(実施例6)
電荷輸送層用のバインダー樹脂として化合物例(1−1)/(3−2)=30/70の共重合体(重量平均分子量=80,000)を用いた以外は、実施例1と同様に感光体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
【0069】
(実施例7)
電荷輸送層用のバインダー樹脂として化合物例(1−5)/(3−2)=30/70の共重合体(重量平均分子量=80,000)を用いた以外は、実施例1と同様に感光体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
【0070】
(実施例8)
電荷輸送層用のバインダー樹脂として化合物例(1−1)/(3−2)=30/70の共重合体(重量平均分子量=80,000)を5部、化合物例(3−2)のポリアリレート樹脂を5部用いた以外は、実施例1と同様に感光体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
【0071】
(実施例9)
電荷輸送層用のバインダー樹脂として化合物例(1−5)/(3−2)=30/70の共重合体(重量平均分子量=80,000)を5部、化合物例(3−2)のポリアリレート樹脂を5部用いた以外は、実施例1と同様に感光体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
【0072】
(実施例10)
電荷輸送層用のバインダー樹脂として化合物例(1−1)/(3−2)=30/70の共重合体(重量平均分子量=80,000)を5部、化合物例(4−5)で示されるポリカーボネートZ(商品名:ユーピロンZ200、三菱瓦斯化学製)5部を用いた以外は、実施例1と同様に感光体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
【0073】
(実施例11)
電荷輸送層用のバインダー樹脂として化合物例(1−5)/(3−2)=30/70の共重合体(重量平均分子量=80,000)を5部、化合物例(4−5)で示されるポリカーボネートZ(商品名:ユーピロンZ200、三菱瓦斯化学製)5部を用いた以外は、実施例1と同様に感光体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
【0074】
(比較例1)
電荷輸送層用のバインダー樹脂として化合物例(4−5)で示されるポリカーボネートZ(商品名:ユーピロンZ200、三菱瓦斯化学製)を用いた以外は、実施例1と同様に感光体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
【0075】
(比較例2)
電荷輸送層用のバインダー樹脂として化合物例(3−1)で示されるポリアリレートA型(商品名:U100、ユニチカ(株)製)を用いた以外は、実施例1と同様に感光体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
【0076】
【表1】
Figure 2004004293
【0077】
表1より、本発明の感光体を用いることによって、くり返し使用時の感光体の耐久性が向上することが示された。比較例1に示したポリカーボネートをバインダーとして用いた場合との比較のみならず、比較例2に示したポリアリレートをバインダーとして用いた場合との比較においても耐久性の向上が見られる。本発明のポリアリレート樹脂を感光体に用いることによる耐久性の向上に関しては、シロキシビスフェノールを構成単位として有することによる耐摩耗性の向上に加えて、感光体表面の帯電時における化学的劣化の抑制といった効果により感光体の耐久性が向上していると推測される。この化学的劣化の抑制効果は、シロキサン骨格が酸素の関与する化学変成や化学的劣化に対して高い安定性を有していることに起因していると推測される。本発明のシロキシビスフェノールを構成単位として有するポリアリレート樹脂の優位性は示された。
【0078】
【発明の効果】
本発明によれば、感光層のバインダー樹脂に特定の置換基を有するシロキシビスフェノール構造を持つポリアリレート樹脂を用いることにより、繰り返し使用における耐久性が向上した電子写真感光体、この電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを用いる電子写真感光装置の概略構成の例を示す図である。
【符号の説明】
1  感光体
2  軸
3  帯電手段
4  露光光
5  現像手段
6  転写手段
7  転写材
8  定着手段
9  クリーニング手段
10  前露光光
11  プロセスカートリッジ容器
12  案内手段

Claims (6)

  1. 導電性支持体上に光感光層を有する電子写真感光体において、前記感光層を形成するための樹脂に少なくとも下記一般式(1)
    Figure 2004004293
    (式中、R及びRは炭素数1〜3のアルキル基、アリール基、R〜Rは、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、アリール基を示し、nは正の整数である。)
    で示されるシロキシビスフェノールの構成単位を有するポリアリレート樹脂を用いることを特徴とする電子写真感光体。
  2. 前記感光層を形成するための樹脂が少なくとも下記一般式(2)
    Figure 2004004293
    (式中、R及びRは炭素数1〜3のアルキル基、アリール基、R〜Rは、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、アリール基を示し、R〜R10は、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、アリール基、炭素数1〜3のアルコキシ基、ハロゲン基を示し、また、Xは、単結合または
    Figure 2004004293
    を示し、R11及びR12は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、およびR11とR12が結合することによって形成されるアルキリデン基を示し、mおよびnは正の整数である。)
    で示されるシロキシビスフェノールの構成単位と他構造のビスフェノールの構成単位を有する共重合ポリアリレート樹脂である請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記感光層を構成する樹脂が少なくとも下記一般式(3)
    Figure 2004004293
    (式中、R13〜R16は、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、アリール基、炭素数1〜3のアルコキシ基、ハロゲン基を示し、また、Xは、単結合または
    Figure 2004004293
    を示し、R17及びR18は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、およびR17とR18が結合することによって形成されるアルキリデン基を示し、lは正の整数である。)
    で示される構成単位を有するポリアリレート樹脂を混合していることを特徴とした請求項1又は2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記感光層を構成する樹脂が少なくとも下記一般式(4)
    Figure 2004004293
    (式中、R19〜R22は、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、アリール基、炭素数1〜3のアルコキシ基、ハロゲン基を示し、また、Xは、単結合または
    Figure 2004004293
    を示し、R23及びR24は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基およびR23とR24が結合することによって形成されるアルキリデン基を示し、lは正の整数である。)
    で示される構成単位を有するポリカーボネート樹脂を混合している請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真感光体。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真感光体を、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段、静電潜像の形成された電子写真感光体をトナーで現像する現像手段、及び転写工程後の電子写真感光体上に残余するトナーを回収するクリーニング手段よりなる群より選ばれた少なくとも1つの手段と共に一体に支持され、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真感光体、該電子写真感光体を帯電させる帯電手段、帯電した電子写真感光体に対し露光を行い静電潜像を形成する露光手段、静電潜像の形成された電子写真感光体をトナーで現像する手段、及び転写材上のトナーを加熱転写する転写手段を有することを特徴とする電子写真装置。
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